(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】オムニチャネルコンタクトセンターでの多岐に対応可能なオペレータについての評価指標のリアルタイム報告を行う方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240730BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240730BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580884
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022030911
(87)【国際公開番号】W WO2023278076
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519022104
【氏名又は名称】ジェイピーモルガン・チェース・バンク,ナショナル・アソシエーション
【氏名又は名称原語表記】JPMorgan Chase Bank,N.A.
【住所又は居所原語表記】383 Madison Avenue,New York,NY 10179,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100230248
【氏名又は名称】杉本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】エダマダカ・ラジェシュワリ
【テーマコード(参考)】
5L010
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法およびシステムを提供する。
【解決手段】本発明の方法は、顧客からサービス要求通話を受信する過程と、所定の複数のアプリケーションの中から前記サービス要求通話の対応に適用可能なアプリケーションを決定する過程と、前記サービス要求通話を監視して通話タイミング及び前記通話時に発生するイベントに関する情報を取得する過程と、前記サービス要求通話の終了時に前記監視で得られた前記情報に基づいて保留時間及び/又は転送回数及び/又はアイドルタイムなどの通話別評価指標を決定する過程と、前記評価指標をリポジトリに報告する過程と、を備える。前記通話の処理に割り当てられたオペレータ別の評価指標も、追加で決定され得る。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客通話に関する評価指標の報告を行う、少なくとも1つのプロセッサに実装される方法であって、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、第1の顧客からサービス要求通話を受信する過程と、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、所定の複数のアプリケーションの中から、前記サービス要求通話の対応に適用可能な少なくとも1つのアプリケーションを決定する過程と、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記サービス要求通話を監視して前記サービス要求通話のタイミング、前記サービス要求通話時に発生する少なくとも1つのイベント、および前記少なくとも1つのアプリケーションの少なくとも1つの出力に関する情報を取得する過程と、
前記サービス要求通話の終了時に、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記監視の結果得られた前記情報に基づいて、少なくとも1つの通話別評価指標を決定する過程と、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標をそれぞれ所定の報告先に報告する過程と、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記少なくとも1つの通話別評価指標が、保留時間、通話時間、平均処理時間、通話目的、通話結果、応対速度、発信側切断通話数、非応対通話数、通話処理数、通話後作業平均時間、通話保留率、通話保留平均時間、平均時間の通話後作業率、転送通話数及び割合、ビデオ通話数及び割合、転送通話又はビデオ通話の合計割合、サービスレベル率、転送回数、アイドルタイム、通話回数、オペレータ部門またはチームリーダー毎に通話時の各サービス要求に対して適用されるサービシングアプリケーションの種類、並びに通話録音数のうちの少なくとも一つからなる、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、さらに、
前記サービス要求通話の処理に割り当てられたオペレータを特定する過程と、
決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標および予め記憶されているオペレータ別評価指標データに基づいて、少なくとも1つのオペレータ別評価指標を算出する過程と、
を備える、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、さらに、
前記サービス要求通話に関する少なくとも1つのメタデータ項目を収集する過程、
を備え、前記少なくとも1つのメタデータ項目が、電話データ、特定された前記オペレータに関するユーザプロファイルデータ、前記少なくとも1つの各アプリケーションの識別情報、および特定された前記オペレータが前記サービス要求通話時に検索機能を実行したか否かに関する情報のうちの少なくとも一つからなる、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、さらに、
特定された前記オペレータに対応する表示部に、前記サービス要求通話に関する情報および前記第1の顧客に該当する過去の一連の対応に関する情報を含むユーザインターフェースを表示する過程、
を備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記少なくとも1つのアプリケーションが、前記サービス要求通話の第1の側面への対応に適用可能な第1のアプリケーション、および前記サービス要求通話の第2の側面への対応に適用可能な少なくとも第2のアプリケーションからなる、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記少なくとも1つの通話別評価指標が、前記サービス要求通話の前記第1の側面に関する第1の通話別評価指標、および前記サービス要求通話の前記第2の側面に関する少なくとも第2の通話別評価指標からなる、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、さらに、
前記所定の複数のアプリケーションの各々間の相互作用を容易にするように構成されたコンテナアプリケーションを使用して前記監視および前記報告を行う過程、
を備える、方法。
【請求項9】
顧客通話に関する評価指標の報告を行うコンピューティング装置であって、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサ及び前記メモリのそれぞれと接続した通信インターフェースと、
を備え、前記プロセッサが、
第1の顧客から、前記通信インターフェースを介して、サービス要求通話を受信し、
所定の複数のアプリケーションの中から、前記サービス要求通話の対応に適用可能な少なくとも1つのアプリケーションを決定し、
前記サービス要求通話を監視して前記サービス要求通話のタイミング、前記サービス要求通話時に発生する少なくとも1つのイベント、および前記少なくとも1つのアプリケーションの少なくとも1つの出力に関する情報を取得し、
前記サービス要求通話の終了時に、前記監視の結果得られた前記情報に基づいて、少なくとも1つの通話別評価指標を決定し、
決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標をそれぞれ所定の報告先に報告する、
ように構成されている、コンピューティング装置。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピューティング装置において、前記少なくとも1つの通話別評価指標が、保留時間、通話時間、平均処理時間、通話目的、通話結果、応対速度、発信側切断通話数、非応対通話数、通話処理数、通話後作業平均時間、通話保留率、通話保留平均時間、平均時間の通話後作業率、転送通話数及び割合、ビデオ通話数及び割合、転送通話又はビデオ通話の合計割合、サービスレベル率、転送回数、アイドルタイム、通話回数、オペレータ部門またはチームリーダー毎に通話時の各サービス要求に対して適用されるサービシングアプリケーションの種類、並びに通話録音数のうちの少なくとも一つからなる、コンピューティング装置。
【請求項11】
請求項9に記載のコンピューティング装置において、前記プロセッサが、さらに、
前記サービス要求通話の処理に割り当てられたオペレータを特定し、
決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標および予め記憶されているオペレータ別評価指標データに基づいて、少なくとも1つのオペレータ別評価指標を算出する、
ように構成されている、コンピューティング装置。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピューティング装置において、前記プロセッサが、さらに、
前記サービス要求通話に関する少なくとも1つのメタデータ項目を収集する、
ように構成されており、前記少なくとも1つのメタデータ項目が、電話データ、特定された前記オペレータに関するユーザプロファイルデータ、前記少なくとも1つの各アプリケーションの識別情報、および特定された前記オペレータが前記サービス要求通話時に検索機能を実行したか否かに関する情報のうちの少なくとも一つからなる、コンピューティング装置。
【請求項13】
請求項11に記載のコンピューティング装置において、前記プロセッサが、さらに、
特定された前記オペレータに対応する表示部に、前記サービス要求通話に関する情報および前記第1の顧客に該当する過去の一連の対応に関する情報を含むユーザインターフェースを表示する、
ように構成されている、コンピューティング装置。
【請求項14】
請求項9に記載のコンピューティング装置において、前記少なくとも1つのアプリケーションが、前記サービス要求通話の第1の側面への対応に適用可能な第1のアプリケーション、および前記サービス要求通話の第2の側面への対応に適用可能な少なくとも第2のアプリケーションからなる、コンピューティング装置。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピューティング装置において、前記少なくとも1つの通話別評価指標が、前記サービス要求通話の前記第1の側面に関する第1の通話別評価指標、および前記サービス要求通話の前記第2の側面に関する少なくとも第2の通話別評価指標からなる、コンピューティング装置。
【請求項16】
請求項9に記載のコンピューティング装置において、前記プロセッサが、さらに、
前記所定の複数のアプリケーションの各々間の相互作用を容易にするように構成されたコンテナアプリケーションを使用して前記監視および前記報告を行う、
ように構成されている、コンピューティング装置。
【請求項17】
顧客通話に関する評価指標の報告を行う命令を記憶した非過渡的なコンピュータ読取り可能記憶媒体であって、当該記憶媒体が、実行可能なコードを備え、該実行可能なコードは、プロセッサにより実行されると、該プロセッサに、
第1の顧客からサービス要求通話を受信する手順、
所定の複数のアプリケーションの中から、前記サービス要求通話の対応に適用可能な少なくとも1つのアプリケーションを決定する手順、
前記サービス要求通話を監視して前記サービス要求通話のタイミング、前記サービス要求通話時に発生する少なくとも1つのイベント、および前記少なくとも1つのアプリケーションの少なくとも1つの出力に関する情報を取得する手順、
前記サービス要求通話の終了時に、前記監視の結果に基づいて、少なくとも1つの通話別評価指標を決定する手順、ならびに
決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標をそれぞれ所定の報告先に報告する手順、
を実行させる、記憶媒体。
【請求項18】
請求項17に記載の記憶媒体において、前記実行可能なコードは、さらに、前記プロセッサに、
前記サービス要求通話の処理に割り当てられたオペレータを特定する手順、ならびに
決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標および予め記憶されているオペレータ別評価指標データに基づいて、少なくとも1つのオペレータ別評価指標を算出する手順、
を実行させるように構成されている、記憶媒体。
【請求項19】
請求項18に記載の記憶媒体において、前記実行可能なコードは、さらに、前記プロセッサに、
特定された前記オペレータに対応する表示部に、前記サービス要求通話に関する情報および前記第1の顧客に該当する過去の一連の対応に関する情報を含むユーザインターフェースを表示する手順、
を実行させるように構成されている、記憶媒体。
【請求項20】
請求項17に記載の記憶媒体において、前記少なくとも1つのアプリケーションが、前記サービス要求通話の第1の側面への対応に適用可能な第1のアプリケーション、および前記サービス要求通話の第2の側面への対応に適用可能な少なくとも第2のアプリケーションからなる、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2021年6月30日付出願の米国出願第17/363,984号の優先権を主張しており、参照をもってその全内容を取り入れたものとする。
【技術分野】
【0002】
本技術は、概して、顧客通話(カスタマーコール)に関する評価指標の報告を行う方法およびシステムに関し、より詳細には、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて代替可能なまたは多岐に対応可能な(fungible)オペレータまたはエージェントについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの顧客を抱える大企業組織にとって、顧客サービスは事業業務の重要な側面である。一般的に、顧客は、サービス要求が時間どおり正確に処理されるであろうと想定している。企業組織からそのような顧客サービスが提供されなければ、その組織の評判に悪影響が及ぶ可能性がある。
【0004】
顧客によるサービス要求の多くは、インターネットを介してオンラインで行われる。このような要求に対し、企業組織は、コンタクトセンターを活用する場合がある。コンタクトセンターにより、組織の様々な部分からの各種サービシングアプリケーションの提供が容易になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、アプリケーションの多様性や業務全体の規模から、ソフトウェアデベロッパーは、新たに開発したアプリケーションと、コンタクトセンターのサービスを提供するソフトウェアスイートの他の部分とを統合させるうえで、困難に直面する場合がある。
【0006】
また、コンタクトセンターでは、多岐に対応可能なオペレータが、多数のLOB(ラインオブビジネス)サービシングアプリケーションの通話を引き受け、一つの通話内で、様々なサービシングアプリケーションのサービスを代わる代わる顧客に提供する。オペレータ(specialist)が一つの通話内で様々なサービシングアプリケーションを活用して顧客対応をする際には、このような多岐に対応可能なオペレータにより該一つの通話内で活用される多数のサービシングアプリケーションのうちの特定の種類のサービシングアプリケーションについての、同オペレータの平均処理時間、平均通話時間などに関する評価指標の追跡が困難である。一方、典型的なコンタクトセンターの報告ソリューションでは、ルーティング関連の情報を使ってオペレータやキューの統計値が算出される。このような従来の報告ソリューションは、ルーティングシステムが割り出した通話の種類に応じてその顧客の対応に適用された特定の一種類のサービシングアプリケーションのみに基づいて実施される。別の種類のサービシングアプリケーションが必要となれば、そのオペレータから、別の経験豊富なオペレータがいる別の仮想キューへと顧客が転送される。必要となる転送回数を減らして顧客体験を向上させるため、多岐に対応可能なコンタクトセンターオペレータは、顧客の問合せの目的に応じて様々種類のサービシング要求を処理できるだけでなく、複数のサービシングアプリケーションを活用することが可能である。
【0007】
したがって、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法およびシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、1つ以上の様々な態様及び/又は実施形態及び/又は特定の構成若しくはサブコンポーネンをとおして、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う各種システム、サーバ、装置、方法、媒体、プログラムおよびプラットフォームなどを提供する。
【0009】
本開示の一態様では、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法が提供される。同方法は、少なくとも1つのプロセッサに実装される方法である。同方法は、前記少なくとも1つのプロセッサにより、第1の顧客からサービス要求通話を受信する過程と、前記少なくとも1つのプロセッサにより、所定の複数のアプリケーションの中から、前記サービス要求通話の対応に適用可能な少なくとも1つのアプリケーションを決定する過程と、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記サービス要求通話を監視して前記サービス要求通話のタイミング、前記サービス要求通話時に発生する少なくとも1つのイベント、および前記少なくとも1つのアプリケーションの少なくとも1つの出力に関する情報を取得する過程と、前記サービス要求通話の終了時に、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記監視の結果得られた前記情報に基づいて、少なくとも1つの通話別評価指標を決定する過程と、前記少なくとも1つのプロセッサにより、決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標をそれぞれ所定の報告先に報告する過程と、を備える。
【0010】
前記少なくとも1つの通話別評価指標は、保留時間、通話時間、平均処理時間、通話目的、通話結果(call disposition)、応対速度、発信側切断通話数、非応対通話数、通話処理数、通話後作業平均時間、通話保留率、通話保留平均時間、平均処理時間の通話後作業率、転送通話数及び割合、ビデオ通話数及び割合、転送通話又はビデオ通話の合計割合、サービスレベル率、転送回数、アイドルタイム、通話回数、通話時の各サービス要求に対して適用されるサービシングアプリケーションの種類(オペレータ部門・チームリーダー毎)、並びに通話録音数のうちの少なくとも一つからなり得る。
【0011】
また、前記少なくとも1つの通話別評価指標は、一日のサービスレベルの総括、平均処理時間、平均応対速度、通話割当て数、通話処理数、例えば30分、1日8時間、1週間、1ヶ月等の所定の期間中の評価指標の総括及び/又は平均からなり得る。さらに、通話別報告、期間的報告の両者について目標値および閾値が計算されてオペレータおよびチームリーダーにリアルタイムで表示されることにより、監視が行われて適切な措置が講じられる。
【0012】
同方法は、さらに、このような集計から、人員管理予測に利用するトレンドを生成する過程、を備え得る。
【0013】
同方法は、さらに、前記サービス要求通話の処理に割り当てられたオペレータを特定する過程と、決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標および予め記憶されているオペレータ別評価指標データに基づいて、少なくとも1つのオペレータ別評価指標を算出する過程と、を備え得る。
【0014】
同方法は、さらに、前記サービス要求通話に関する少なくとも1つのメタデータ項目を収集する過程、を備え得る。前記少なくとも1つのメタデータ項目は、電話データ、特定された前記オペレータに関するユーザプロファイルデータ、前記少なくとも1つの各アプリケーションの識別情報、および特定された前記オペレータが前記サービス要求通話時に検索機能を実行したか否かに関する情報のうちの少なくとも一つからなり得る。
【0015】
同方法は、さらに、特定された前記オペレータに対応する表示部に、前記サービス要求通話に関する情報および前記第1の顧客に該当する過去の一連の対応に関する情報を含むユーザインターフェースを表示する過程、を備え得る。
【0016】
前記少なくとも1つのアプリケーションは、前記サービス要求通話の第1の側面への対応に適用可能な第1のアプリケーション、および前記サービス要求通話の第2の側面への対応に適用可能な少なくとも第2のアプリケーションからなり得る。
【0017】
前記少なくとも1つの通話別評価指標は、前記サービス要求通話の前記第1の側面に関する第1の通話別評価指標、および前記サービス要求通話の前記第2の側面に関する少なくとも第2の通話別評価指標からなり得る。
【0018】
同方法は、さらに、前記所定の複数の各アプリケーション間の相互作用を容易にするように構成されたコンテナアプリケーションを使用して前記監視および前記報告を行う過程、を備え得る。
【0019】
また、前記コンテナアプリケーションは、前記オペレータが対応している顧客との同じ通話内で、顧客の目的又は問合せに応じた複数のアプリケーションと各アプリケーションの処理内容(disposition)を含むカスタマージャーニーを表示し、それを該顧客のジャーニーの前記過去の一連の対応に結び付けることで該顧客の目的に応えていくものであり得る。
【0020】
また、前記少なくとも1つの通話別評価指標は、前記サービシングアプリケーション内でビジネストランザクションに至るまでに要した時間量および行動を含み得る。これらの評価指標は、顧客のデバイス、初回利用などのデータとともにクリックストリームイベントの一部として収集され得て、ビジネスインサイトの可視化を伴う分析済みビッグデータシステムに送り届けられ得る。
【0021】
例示的な他の実施形態では、顧客通話に関する評価指標の報告を行うコンピューティング装置が提供される。同コンピューティング装置は、プロセッサと、メモリと、前記プロセッサ及び前記メモリのそれぞれと接続した通信インターフェースと、を備える。前記プロセッサは、第1の顧客から、前記通信インターフェースを介して、サービス要求通話を受信し、所定の複数のアプリケーションの中から、前記サービス要求通話の対応に適用可能な少なくとも1つのアプリケーションを決定し、前記サービス要求通話を監視して前記サービス要求通話のタイミング、前記サービス要求通話時に発生する少なくとも1つのイベント、および前記少なくとも1つのアプリケーションの少なくとも1つの出力に関する情報を取得し、前記サービス要求通話の終了時に、前記監視の結果得られた前記情報に基づいて、少なくとも1つの通話別評価指標を決定し、決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標をそれぞれ所定の報告先に報告する、ように構成されている。
【0022】
前記少なくとも1つの通話別評価指標が、保留時間、通話時間、平均処理時間、通話目的、通話結果、応対速度、発信側切断通話数、非応対通話数、通話処理数、通話後作業平均時間、通話保留率、通話保留平均時間、平均処理時間の通話後作業率、転送通話数及び割合、ビデオ通話数及び割合、転送通話又はビデオ通話の合計割合、サービスレベル率、転送回数、アイドルタイム、通話回数、通話時の各サービス要求に対して適用されるサービシングアプリケーションの種類(オペレータ部門・チームリーダー毎)、並びに通話録音数のうちの少なくとも一つからなり得る。
【0023】
前記プロセッサは、さらに、前記サービス要求通話の処理に割り当てられたオペレータを特定し、決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標および予め記憶されているオペレータ別評価指標データに基づいて、少なくとも1つのオペレータ別評価指標を算出する、ように構成され得る。
【0024】
前記プロセッサは、さらに、前記サービス要求通話に関する少なくとも1つのメタデータ項目を収集する、ように構成され得る。前記少なくとも1つのメタデータ項目は、電話データ、特定された前記オペレータに関するユーザプロファイルデータ、前記少なくとも1つの各アプリケーションの識別情報、および特定された前記オペレータが前記サービス要求通話時に検索機能を実行したか否かに関する情報のうちの少なくとも一つからなり得る。
【0025】
前記プロセッサは、さらに、特定された前記オペレータに対応する表示部に、前記サービス要求通話に関する情報および前記第1の顧客に該当する過去の一連の対応に関する情報を含むユーザインターフェースを表示する、ように構成され得る。
【0026】
前記少なくとも1つのアプリケーションは、前記サービス要求通話の第1の側面への対応に適用可能な第1のアプリケーション、および前記サービス要求通話の第2の側面への対応に適用可能な少なくとも第2のアプリケーションからなり得る。
【0027】
前記少なくとも1つの通話別評価指標は、前記サービス要求通話の前記第1の側面に関する第1の通話別評価指標、および前記サービス要求通話の前記第2の側面に関する少なくとも第2の通話別評価指標からなり得る。
【0028】
前記プロセッサは、さらに、前記所定の複数の各アプリケーション間の相互作用を容易にするように構成されたコンテナアプリケーションを使用して前記監視および前記報告を行う、ように構成され得る。
【0029】
前記コンテナは、一連のアプリケーション毎に収集された報告評価指標をコンタクトセンター報告システムに渡し、これをメタデータとして添付することで記録の識別および分析に用いるほか、顧客の転送時または顧客からの次の接触時に顧客体験を高めるためのメタデータとして活用し得る。
【0030】
例示的なさらなる他の実施形態では、顧客通話に関する評価指標の報告を行う命令を記憶した非過渡的なコンピュータ読取り可能記憶媒体が提供される。同記憶媒体は、実行可能なコードを備え、該実行可能なコードは、プロセッサにより実行されると、該プロセッサに:第1の顧客からサービス要求通話を受信する手順;所定の複数のアプリケーションの中から、前記サービス要求通話の対応に適用可能な少なくとも1つのアプリケーションを決定する手順;前記サービス要求通話を監視して前記サービス要求通話のタイミング、前記サービス要求通話時に発生する少なくとも1つのイベント、および前記少なくとも1つのアプリケーションの少なくとも1つの出力に関する情報を取得する手順;前記サービス要求通話の終了時に、前記監視の結果に基づいて、少なくとも1つの通話別評価指標を決定する手順;ならびに決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標をそれぞれ所定の報告先に報告する手順;を実行させる。
【0031】
前記実行可能なコードは、さらに、前記プロセッサに:前記サービス要求通話の処理に割り当てられたオペレータを特定する手順;ならびに決定された前記少なくとも1つの通話別評価指標および予め記憶されているオペレータ別評価指標データに基づいて、少なくとも1つのオペレータ別評価指標を算出する手順;を実行させるように構成され得る。
【0032】
前記実行可能なコードは、さらに、前記プロセッサに:特定された前記オペレータに対応する表示部に、前記サービス要求通話に関する情報および前記第1の顧客に該当する過去の一連の対応に関する情報を含むユーザインターフェースを表示する手順;を実行させるように構成され得る。
【0033】
前記少なくとも1つのアプリケーションは、前記サービス要求通話の第1の側面への対応に適用可能な第1のアプリケーション、および前記サービス要求通話の第2の側面への対応に適用可能な少なくとも第2のアプリケーションからなり得る。
【0034】
以下の詳細な説明では、下記の複数の図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態の本開示を限定しない例により、本開示のさらなる説明を行う。図面の各図をとおして、同一の符号は同一の構成/構成要素を指すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】コンピュータシステムの一例を示す図である。
【
図3】コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を実施するシステムの一例を示す図である。
【
図4】コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を実施する処理の一例を示すフロー図である。
【
図5】例示的な一実施形態において、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を実施するシステムのアーキテクチャ図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、1つ以上の様々な態様及び/又は実施形態及び/又は特定の構成若しくはサブコンポーネンをとおして、これまでに詳述した利点や以後詳述する利点の少なくとも一つを奏するものである。
【0037】
また、各例は、本明細書で例示的に図示・説明する本技術の1つ以上の態様の命令を記憶した1つ以上の非過渡的なコンピュータ読取り可能媒体として具現化され得る。該命令は、実行可能なコードを含むが、一部の例において、該実行可能なコードは、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、該プロセッサに:本明細書で図示・説明する本技術の各例の方法を実施するのに必要な各手順;を実行させる。
【0038】
図1は、本明細書で説明する実施形態に従って用いられるシステムの一例である。同システム100は、概略的に描いているが、コンピュータシステム102を含み得る。コンピュータシステム102についても、概略的に描いている。
【0039】
コンピュータシステム102は、命令群を具備し得る。該命令群は、実行されると、コンピュータシステム102に、該コンピュータシステム102単独で、あるいは、本記載の別の装置との協働で、本明細書で開示する任意の1つ以上の方法やコンピュータベースの機能を実施させ得る。コンピュータシステム102は、スタンドアロンデバイスとして動作するものであってもよいし、別のシステムや周辺機器と接続されたものであってもよい。例えば、コンピュータシステム102は、任意の1つ以上のコンピュータ、サーバ、システム、通信ネットワークまたはクラウド環境からなるものや、その中に含まれるものであり得る。さらに言えば、前記命令は、そのようなクラウドベースのコンピューティング環境で動くものであり得る。
【0040】
ネットワークに配備された場合、コンピュータシステム102は、サーバ-クライアントユーザ型のネットワーク環境におけるサーバの機能で若しくはクライアントユーザのコンピュータとして、クラウドコンピューティング環境におけるクライアントユーザのコンピュータとして、またはピアツーピア(あるいは、分散型)ネットワーク環境におけるピアコンピュータシステムとして動作し得る。コンピュータシステム102またはその一部は、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、セットトップボックス、携帯情報端末、モバイルデバイス、パームトップ型コンピュータ、ノートパソコン型コンピュータ、据え置き型コンピュータ、通信デバイス、ワイヤレススマートフォン、パーソナルトラステッドデバイス、ウェアラブルデバイス、全球測位衛星(GPS)デバイス、ウェブアプライアンスのような、自身が実施すべき処理を定めた命令(逐次命令など)群を実行することが可能な任意のマシンといった各種装置として実現されてもよいし、あるいは、そのような装置に組み込まれたものであってもよい。また、コンピュータシステム102は一つしか図示されていないが、別の実施形態は、個別に又は共同で命令の実行や機能の実施を行うシステム又はサブシステム同士のどのような集団を含んでいてもよい。本開示全体をとおして「システム」という用語は、1つ以上の命令群を個別に又は共同で実行して1つ以上のコンピュータ機能を実施するシステム又はサブシステム同士のどのような集団も包含していると解釈されたい。
【0041】
図1に示すように、コンピュータシステム102は、少なくとも1つのプロセッサ104を備え得る。プロセッサ104は、有形かつ非過渡的なものである。本明細書で用いる「非過渡的」という用語は、ある状態が永続される性質ではなく、ある程度の期間持続する状態の性質のことであると解釈されたい。具体的に述べると、「非過渡的」という用語は、特定の搬送波や信号といった、任意の時間に任意の場所で過渡的にしか存在しない物の性質のような、一時的な性質を否定する用語である。プロセッサ104は、一製造品および/またはマシンの一構成要素である。プロセッサ104は、ソフトウェア命令を実行して本明細書の各実施形態で説明するような機能を実施するように構成されている。プロセッサ104は、汎用プロセッサであり得るか、あるいは、特定用途向け集積回路(ASIC)の一部であり得る。また、プロセッサ104は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサチップ、コントローラ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ステートマシンまたはプログラマブルロジックデバイスであってもよい。また、プロセッサ104は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のようなプログラマブルゲートアレイ(PGA)などの論理回路や、ディスクリートゲートおよび/またはトランジスタロジックからなるその他の種類の回路であってもよい。プロセッサ104は、中央演算処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)または両者であってもよい。また、本明細書で説明するプロセッサは、いずれも、複数のプロセッサ、並列プロセッサまたは両者からなるものであってよい。複数のプロセッサは、一つのデバイスに含まれていても一つのデバイスと接続していてもよいし、あるいは、複数のデバイスに含まれていても複数のデバイスと接続していてもよい。
【0042】
コンピュータシステム102は、さらに、コンピュータメモリ106を備え得る。コンピュータメモリ106は、通信可能な静的メモリ、動的メモリまたは両方からなり得る。本明細書で説明するメモリは、データおよび実行可能な命令を記憶することが可能な有形の記憶媒体であり、命令が記憶されている限りは非過渡的なものである。再び述べるが、本明細書で用いる「非過渡的」という用語は、ある状態が永続される性質ではなく、ある程度の期間持続する状態の性質のことであると解釈されたい。具体的に述べると、「非過渡的」という用語は、特定の搬送波や信号といった、任意の時間に任意の場所で過渡的にしか存在しない物の性質のような、一時的な性質を否定する用語である。前記メモリは、一製造品および/またはマシンの一構成要素である。本明細書で説明するメモリは、データおよび実行可能な命令がコンピュータで読み出されることが可能なコンピュータ読取り可能媒体である。本明細書で説明するメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能・プログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、キャッシュ、リムーバブルディスク、テープ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、ブルーレイディスクなどといった、当該技術分野で知られているどのような形態の記憶媒体であってもよい。メモリは、揮発性メモリであっても不揮発性メモリであってもよく、セキュアかつ/あるいは暗号化されていてもよいし、非セキュアかつ/あるいは暗号化されていなくてもよい。当然ながら、コンピュータメモリ106は、メモリ同士のどのような組合せからなるものであってもよいし、あるいは、単一のストレージからなるものであってもよい。
【0043】
コンピュータシステム102は、さらに、表示部108を備え得る。表示部108は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、平面ディスプレイ、固体表示装置、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイといった、任意の種類の表示部である。このような表示部の例は、当業者であれば周知である。
【0044】
コンピュータシステム102は、さらに、キーボード、タッチ入力スクリーンもしくはパッド、音声入力、マウス、ワイヤレスキーパッドからなる遠隔操作デバイス、音声認識エンジンと接続したマイクロフォン、ビデオカメラ、スチルカメラなどのカメラ、カーソル操作デバイス、全球測位システム(GPS)デバイス、高度計、ジャイロスコープ、加速度計、近接センサなどの1つ以上の入力装置110、またはこれらの任意の組合せを備え得る。当業者であれば、コンピュータシステム102の各実施形態が入力装置110を複数備えていてもよいということが分かるであろう。その他にも、当業者であれば、さらに、入力装置110についての上記の例が全てを網羅しておらず、コンピュータシステム102が追加の又は代わりのどのような入力装置110を備えていてもよいということも分かるであろう。
【0045】
コンピュータシステム102は、さらに、本明細書で説明する任意のメモリから任意の1つ以上の命令(例えば、ソフトウェア等)群を読み出すように構成された媒体読出部112を備え得る。前記命令は、プロセッサによって実行されることで本明細書に記載の1つ以上の方法やプロセスを実施するように用いられ得る。具体的な一実施形態において、前記命令は、コンピュータシステム102で実行されている間、全体または少なくとも一部がメモリ106内および/または媒体読出部112内および/またはプロセッサ110内に存在し得る。
【0046】
コンピュータシステム102は、さらに、コンピュータシステムと共に含められるもの又はコンピュータシステム内に含められるものとして一般的に理解されて且つ知られている、例えばネットワークインターフェース114、出力装置116等(但し、これらに限定されない)といった、任意のさらなる装置、コンポーネント、部品、周辺機器、ハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの任意の組合せを備え得る。出力装置116は、スピーカ、音声出力、映像出力、遠隔操作出力、プリンタ、またはこれらの任意の組合せであり得る(但し、これらに限定されない)。
【0047】
コンピュータシステム102の各構成要素は、バス118などの通信リンクで相互接続されて通信を行い得る。
図1に示すように、各構成要素は、内部バスを介して相互接続されて通信を行い得る。しかしながら、当業者であれば、このうちのどの構成要素が拡張バスで接続されていてもよいということが分かるであろう。また、バス118は、peripheral componentinterconnect、peripheral componentinterconnect express、parallel advancedtechnology attachment、serial advancedtechnology attachmentなどの(但し、これらに限定されない)、一般的に理解されて且つ知られている任意の規格、あるいは、その以外の規格による通信を可能にし得る。
【0048】
コンピュータシステム102は、ネットワーク122を介して1つ以上のさらなるコンピュータ装置120と通信し得る。ネットワーク122は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、インターネット、電話網、近距離ネットワークなどの、当該技術分野において一般的に理解されて且つ知られている任意のネットワークであり得る(但し、これらに限定されない)。前記近距離ネットワークは、例えば、Bluetooth、Zigbee、赤外線、近距離通信、ultraband、またはこれらの任意の組合せからなり得る。当業者であれば、理解されて且つ知られているさらなるネットワーク122が、追加で又は代わりに用いられてもよいこと、さらには、ネットワーク122の例が、上記に限定されないか又は上記で網羅されていないということが分かるであろう。また、
図1ではネットワーク122が無線ネットワークとして描かれているが、当業者であれば、ネットワーク122が有線ネットワークであってもよいということが分かるであろう。
【0049】
さらなるコンピュータ装置120は、
図1ではパーソナルコンピュータとして描かれている。しかしながら、当業者であれば、本願の代替的な実施形態において、コンピュータ装置120が、ノートパソコン型コンピュータ、タブレット型PC、携帯情報端末、モバイルデバイス、パームトップ型コンピュータ、据え置き型コンピュータ、通信デバイス、無線電話、パーソナルトラステッドデバイス、ウェブアプライアンス、サーバといった、自身が実施すべき処理を定めた命令(逐次命令など)群を実行することが可能などのような装置であってもよいということが分かるであろう。当然ながら、当業者であれば、上記の装置があくまでも例示に過ぎず、装置120が、当該技術分野において一般的に理解されて且つ知られている、本願の範囲から逸脱しないどのようなさらなるデバイスや装置であってもよいということが分かるであろう。例えば、コンピュータ装置120は、コンピュータシステム102と同一又は同様のものであってもよい。また、当業者であれば、該装置がデバイス、装置同士のどのような組合せであってもよいということも同じく理解するであろう。
【0050】
当然ながら、当業者であれば、コンピュータシステム102の上記の構成要素があくまでも例示に過ぎず、全てを網羅かつ/あるいは包括したものではないということが分かるであろう。また、該構成要素についての上記の各例も、あくまでも例示に過ぎず、同じく全てを網羅かつ/あるいは包括したものではない。
【0051】
本開示の各実施形態において、本明細書に記載の方法は、ソフトウェアプログラムを実行するハードウェアコンピュータシステムによって実施され得る。また、本発明を限定しない例示的な一実施形態に過ぎないが、該実施は、分散処理やコンポーネント/オブジェクト分散処理や並列処理からなり得る。仮想コンピュータシステム処理の構築によって本明細書に記載の方法又は機能の1つ以上を実施するようにしてもよく、本明細書に記載のプロセッサは仮想処理環境をサポートするように用いられ得る。
【0052】
本明細書で説明するように、各実施形態は、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う最適化された方法およびシステムを提供する。
【0053】
図2を参照する。同図に、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を実施するためのネットワーク環境200の一例を概略的に示す。例示的な一実施形態において、同方法は、ネットワーク接続された例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の任意のコンピュータプラットフォームで実行可能である。
【0054】
コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う同方法は、サービシングアプリケーション通話評価指標報告(SACMR)デバイス202によって実施され得る。SACMRデバイス202は、
図1との関連で説明したコンピュータシステム102と同一又は同様のものであり得る。SACMRデバイス202は、該SACMRデバイス202により実行されることで該SACMRデバイス202に例えばネットワークメッセージの送受信等の処理や以後図面を参照しながら図示・説明するその他の処理の実行といった処理の実施を行わせるように実行可能な命令を具備し得る、1つ以上のアプリケーションを記憶したものであり得る。該アプリケーションは、別のアプリケーションのモジュール又はコンポーネントとして実装されたものであってもよい。また、該アプリケーションは、オペレーティングシステムの拡張、モジュール、プラグインなどとして実装されたものであってもよい。
【0055】
さらに言えば、該アプリケーションは、クラウドベースのコンピューティング環境で動くものであってもよい。該アプリケーションは、クラウドベースのコンピューティング環境で運用され得る1つ以上の仮想マシン又は1つ以上の仮想サーバ内で実行されるものであってもよいし、該仮想マシン又は該仮想サーバとして実行されるものであってもよい。また、該アプリケーション、さらには、SACMRデバイス202自体も、1つ又は複数の特定の物理的なネットワークコンピューティング装置に縛られるのではなく、クラウドベースのコンピューティング環境で動作する1つ又は複数の仮想サーバに設けられていてもよい。また、該アプリケーションは、SACMRデバイス202上で実行される1つ又は複数の仮想マシン(VM)で動くものであってもよい。また、本技術の1つ以上の実施形態では、SACMRデバイス202上で実行される1つ以上の仮想マシンが、ハイパーバイザによって維持又は管理されたものであり得る。
【0056】
図2のネットワーク環境200では、SACMRデバイス202が、1つ以上の通信ネットワーク210を介して、複数のデータベース206(1)~206(n)をホストする複数のサーバ装置204(1)~204(n)、さらには、複数のクライアント装置208(1)~208(n)に接続されている。SACMRデバイス202の通信インターフェース(例えば、
図1のコンピュータシステム102のネットワークインターフェース114等)は、通信ネットワーク210で全て互いに接続されているSACMRデバイス202および/またはサーバ装置204(1)~204(n)および/またはクライアント装置208(1)~208(n)と動作可能に接続して通信を行う。しかしながら、他の装置および/または要素との間のこれ以外の種類および/または数の接続および/または構成による、これ以外の種類および/または数の通信ネットワークまたはシステムが用いられてもよい。
【0057】
通信ネットワーク210は、
図1との関連で説明したネットワーク122と同一又は同様のものであり得る。しかしながら、SACMRデバイス202および/またはサーバ装置204(1)~204(n)および/またはクライアント装置208(1)~208(n)は、別のトポロジで互いに接続されていてもよい。また、ネットワーク環境200は、例えば、1つ以上のルータおよび/またはスイッチなどといった、当該技術分野において周知である(よって、本明細書では説明しない)他のネットワーク装置を含み得る。本技術により、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を効率的に実現する方法、非過渡的なコンピュータ読取り可能媒体、SACMRデバイスなどといった、数多くの利点がもたらされる。
【0058】
あくまでも例示に過ぎないが、通信ネットワーク210は、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)または1つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)を含み得るとともに、イーサネットや業界標準のプロトコルのTCP/IPを利用したものであり得る、しかしながら、これら以外の種類および/または数のプロトコルおよび/または通信ネットワークが利用されてもよい。本例の通信ネットワーク210は、例えば、適切なあらゆる形態の通信トラフィック(例えば、音声、モデム等)、公衆交換電話網(PSTN)、イーサネットベースのパケットデータネットワーク(PDN)、これらの組合せなどの、任意の好適なインターフェースメカニズムやネットワーク通信技術を利用したものであってもよい。
【0059】
SACMRデバイス202は、スタンドアロンデバイスであってもよいし、あるいは、1つ以上の他のデバイス又は装置(例えば、サーバ装置204(1)~204(n)のうちの1つ以上等)と統合されたものであってもよい。具体的な一例において、SACMRデバイス202は、サーバ装置204(1)~204(n)のうちの一つからなるものであってもよいし、サーバ装置204(1)~204(n)のうちの一つにホストされたものであってもよいし、それ以外の配置構成も可能である。また、SACMRデバイス202の中の1つ以上の装置が、例えば1つ以上の公衆ネットワーク、私設ネットワークまたはクラウドネットワーク等の、同じ通信ネットワーク内または別々の通信ネットワーク内にあってもよい。
【0060】
複数のサーバ装置204(1)~204(n)は、
図1との関連で説明したコンピュータシステム102やコンピュータ装置120と同一又は同様のものであり得て、同図との関連で説明した任意の構成又は構成同士の組合せを有する。例えば、任意のサーバ装置204(1)~204(n)は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、通信インターフェース等を有し得て、これらは、バスなどの通信リンクで互いに接続される。しかしながら、これ以外の数および/または種類のネットワーク機器が使用されていてもよい。本例のサーバ装置204(1)~204(n)は、例えば、HTTPベースの及び/又はJavaScriptObjectNotation(JSON)のプロトコルに準じて通信ネットワーク210によりSACMRデバイス202から受信した要求を処理し得る。しかしながら、これ以外のプロトコルが用いられてもよい。
【0061】
サーバ装置204(1)~204(n)は、ハードウェアであってもソフトウェアであってもよいし、内部ネットワークや外部ネットワークからなり得るプール内に複数のサーバを具備したシステムを成すものであってもよい。サーバ装置204(1)~204(n)は、データベース206(1)~206(n)をホストする。データベース206(1)~206(n)は、オペレータ別通話サービシング評価指標および顧客別通話サービシングに関するデータを格納するように構成されている。
【0062】
サーバ装置204(1)~204(n)は一つ一つの装置として描かれているが、各サーバ装置204(1)~204(n)の1つ以上の処理は、1つ以上の別々のネットワークコンピューティング装置に分散されてもよい。すると、該ネットワークコンピューティング装置同士は、共同でサーバ装置204(1)~204(n)の1つ以上を構成することになる。また、サーバ装置204(1)~204(n)は、特定の構成に限定されない。つまり、サーバ装置204(1)~204(n)は、マスタ/スレーブのアプローチで動作する複数のネットワークコンピューティング装置からなるものであってもよく、この場合、サーバ装置204(1)~204(n)のうち、任意のネットワークコンピューティング装置が、残りのネットワークコンピューティング装置の動作を管理且つ/或いは調整するように動作する。
【0063】
サーバ装置204(1)~204(n)は、例えば、クラスタアーキテクチャ内、ピアツーピアアーキテクチャ内、仮想マシン内またはクラウドアーキテクチャ内の複数のネットワークコンピューティング装置として動作し得る。つまり、本明細書で開示する技術は、一つの環境に限定されるものと解釈すべきではなく、それ以外の構成やアーキテクチャも想定される。
【0064】
また、複数のクライアント装置208(1)~208(n)も、
図1との関連で説明したコンピュータシステム102又はコンピュータ装置120と同一又は同様のものであり得て、同図との関連で説明した任意の構成又は構成同士の組合せを有する。例えば、本例のクライアント装置208(1)~208(n)は、通信ネットワーク210を介してSACMRデバイス202と相互作用することが可能な任意の種類のコンピューティング装置からなり得る。つまり、クライアント装置208(1)~208(n)は、例えばチャットアプリケーション、電子メールアプリケーション、音声テキストアプリケーション等をホストする、モバイルコンピューティング装置、据え置き型コンピューティング装置、ノートパソコン型コンピューティング装置、タブレット型コンピューティング装置、(クラウドベースのコンピュータを含む)仮想マシンなどであり得る。例示的な一実施形態において、少なくとも1つのクライアント装置208は、無線モバイル通信デバイス(すなわち、スマートフォン等)である。
【0065】
クライアント装置208(1)~208(n)は、標準的なウェブブラウザ、スタンドアロンクライアントアプリケーションなどのインターフェースアプリケーションを実行するものであり得る。該インターフェースアプリケーションは、通信ネットワーク210を介してSACMRデバイス202と通信を行ってユーザの要求や情報をやり取りするためのインターフェースを提供し得る。クライアント装置208(1)~208(n)は、さらに、表示装置(例えば、表示画面、タッチスクリーン等)および/または入力装置(例えば、キーボード等)などを有し得る。
【0066】
本明細書ではSACMRデバイス202、サーバ装置204(1)~204(n)、クライアント装置208(1)~208(n)及び通信ネットワーク210からなる例示的なネットワーク環境200について図示・説明しているが、これ以外のトポロジのこれ以外の種類および/または数のシステムおよび/または装置および/またはコンポーネントおよび/または構成要素が用いられてもよい。関連する技術分野の当業者であれば、本明細書で説明される各例のシステムは、各例の実装に用いる具体的なハードウェアやソフトウェアに数多くの変更が可能であることから例示に過ぎないということが分かるであろう。
【0067】
ネットワーク環境200で描かれている例えばSACMRデバイス202、サーバ装置204(1)~204(n)、クライアント装置208(1)~208(n)等の1つ以上の装置が、同じ物理マシン上の仮想インスタンスとして動作するように構成されていてもよい。すなわち、SACMRデバイス202、サーバ装置204(1)~204(n)およびクライアント装置208(1)~208(n)の1つ以上が、通信ネットワーク210を介して通信を行う別々の装置としてではなくて同じ物理的装置上で動作するものであってもよい。また、SACMRデバイス202、サーバ装置204(1)~204(n)またはクライアント装置208(1)~208(n)は、
図2で描かれている数よりも多くても少なくてもよい。
【0068】
また、任意の例の任意のシステムや装置が、2つ以上のコンピューティングシステムやコンピューティング装置に置き換えられてもよい。つまり、冗長性や複製などの分散処理の原理や利点も適宜実現されることになり、各例の装置やシステムの堅牢性や性能が高まり得る。あくまでも例示になるが、各例は、任意の適切なインターフェースメカニズムやトラフィック技術によって適切な任意の形態の通信トラフィック(例えば、音声、モデム等)単独、無線トラフィックネットワーク、セルラートラフィックネットワーク、パケットデータネットワーク(PDN)、インターネット、イントラネット、これらの組合せなどからなる任意の適切なネットワークをまたいで延在した、1つ以上のコンピュータシステムによって実現されてもよい。
【0069】
図3ではSACMRデバイス202がサービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302を備えるものとして図示・説明されているが、SACMRデバイス202は、例えば、さらなるルール、ポリシー、モジュール、データベース、アプリケーション等を備えていてもよい。後述するように、コンタクトセンターサービシングファブリックコンテナモジュール302は、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を実施するように構成されている。
【0070】
図3は、
図2のネットワーク環境を用いてコンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う仕組みを実現するプロセス300の一例が実行される様子を描いたものである。具体的には、第1のクライアント装置208(1)および第2のクライアント装置208(2)が、SACMRデバイス202と通信可能なものとして描かれている。この点に関して、第1のクライアント装置208(1)および第2のクライアント装置208(2)は、SACMRデバイス202の「クライアント」であり得て、本明細書では、そのようなものとして説明する。とはいっても、第1のクライアント装置208(1)および/または第2のクライアント装置208(2)は、必ずしもSACMRデバイス202の「クライアント」や、本明細書でSACMRデバイス202と関連付けて説明するどのような実体である必要はないことは理解されて且つ既知であろう。第1のクライアント装置208(1)と第2のクライアント装置208(2)のいずれか一方又は両方と、SACMRデバイス202との間には、さらなる関係又は代わりの関係が存在してもよいし、あるいは、関係が一切存在していなくてもよい。
【0071】
そのほか、SACMRデバイス202は、オペレータ別通話評価指標データリポジトリ206(1)および顧客別通話サービシングデータベース206(2)にアクセス可能なものとして描かれている。サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、これらのデータベースにアクセスすることによってコンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を実施するように構成されたものであり得る。
【0072】
第1のクライアント装置208(1)は、例えば、スマートフォン等であり得る。当然ながら、第1のクライアント装置208(1)は、本明細書で説明するその他のどのような装置であってもよい。第2のクライアント装置208(2)は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等であり得る。当然ながら、第2のクライアント装置208(2)も、本明細書で説明するその他のどのような装置であってもよい。
【0073】
前記プロセスは、前述のように複数のネットワークからなり得る通信ネットワーク210を介して実行され得る。例えば、例示的な一実施形態では、第1のクライアント装置208(1)と第2のクライアント装置208(2)のいずれか一方又は両方が、ブロードバンド通信又はセルラー通信でSACMRデバイス202と通信し得る。当然ながら、これらの実施形態はあくまでも例示に過ぎず、本発明を限定するものや全てを網羅したものではない。
【0074】
サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、起動されることで、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行うプロセスを実行する。
図4のフロー
図400に、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う処理の一例を概略的に示す。
【0075】
図4の処理400では、ステップS402にて、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302が、顧客からサービス要求通話を受信する。ステップS404にて、前記通話がオペレータ(またはエージェント)に割り当てられて、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302が該オペレータの識別情報を割り出す。例示的な一実施形態において、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、該オペレータに対応するワークステーションにユーザインターフェースを表示し得るとともに、同通話および顧客に関する情報(例えば、その顧客との過去の一連の対応に関する情報等)を含め得る。このような情報は、しばしば「カスタマージャーニー」と称される。
【0076】
ステップS406にて、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、利用可能なソフトウェアアプリケーションのうち、どのソフトウェアアプリケーションが、顧客のサービス要求の各側面への対応に適用可能であるのかを決定する。例示的な一実施形態では、コンタクトセンターが、顧客のサービス問合せに応えるように構成された様々な機能で利用される多数のアプリケーション間の相互作用を容易にするように構成されたコンテナアプリケーションを活用し得る。この点に関して、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、前記コンテナアプリケーションに統合されたアプリケーションのうち、顧客が提示した特定のサービス要求に応える1つ以上のアプリケーションを選択し得る。あるいは、単に、通話の応対を担うオペレータが、最も有益と思われるアプリケーションを選択し得る。重要なのは、一つの顧客サービス要求通話から複数の要求が派生する場合や一つの顧客サービス要求通話に複数の側面があって別々のアプリケーションで対処するのが最善な場合が多くあるという点である。
【0077】
ステップS408にて、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、前記通話を監視する。例示的な一実施形態において、前記通話は、タイミング、イベント、および前記サービス要求の個々の各側面に応えるのに適用されたアプリケーションの出力について監視される。例えば、前記通話の開始時刻及び終了時刻が記録され得て、また、保留時間及び/又はアイドルタイムなどの任意のその他のタイミング関連面が記録され得る。他の例として、顧客が第1のオペレータから第2のオペレータに転送された場合には、このイベント自体が記録対象とされ得る。サービス要求の内容次第で、これら以外のイベントおよび/またはアプリケーション出力も大きく変わり得る。
【0078】
ステップS410にて、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、前記顧客サービス要求通話に関する一連の評価指標を決定する。該評価指標には、例えば、保留時間及び/又はアイドルタイム及び/又は転送回数及び/又は通話回数及び/又は通話録音などの通話別評価指標が含まれ得る。また、前記評価指標には、予め記憶されているオペレータ別データを参考にして算出されることが可能なオペレータ別評価指標が含まれ得る。例えば、オペレータ別平均保留時間(AHT)は、対応中の通話についてステップS408で決定された保留時間を予め記憶されているオペレータ別AHTデータと組み合わせることで算出され得る。また、例示的な一実施形態では、前記評価指標に、例えば、電話データ、オペレータに関するユーザプロファイルデータ、サービス要求の対応に適用されたアプリケーションの識別情報、通話時に検索機能が実行されたか否かなどの、前記サービス要求通話に関するメタデータ項目が含められ得る。
【0079】
ステップS412にて、サービシングアプリケーション通話評価指標報告モジュール302は、前記評価情報をコールセンターのセントラルリポジトリに報告することで、コールセンター環境内の全関係者が前記評価指標にアクセスし得るようにする。例示的な一実施形態では、前記評価指標を適切な報告先に転送するのに前記コンテナアプリケーションが利用され得る。
【0080】
図5は、例示的な一実施形態において、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う方法を実施するためのシステムのアーキテクチャ
図500である。アーキテクチャ
図500に示すように、相互作用サービシングファブリック(ISF)コンテナ技術のアーキタイプにより、複数のサービシングアプリケーションからなるコンテナを介した、多岐に対応可能な(fungible)報告が可能となっている。
【0081】
例示的な一実施形態では、(1a)一つの通話中に、オペレータ(specialist)が、(2a)小売店、(2b)小売店、(3)クレジットカード問合せ、(4)自動車ローン関連要求などの、複数のサービシングアプリケーション(本明細書では、マイクロフロントエンドとも称される)についての顧客対応を行う。評価指標の更新が、(1b)にて継続的に行われる。あるマイクロフロントエンドから別のマイクロフロントエンドへの直リンクや(5)全体的視点のマイクロフロントエンドにより、様々なプロダクトが立ち上げられ得る。前記コンテナは、各マイクロフロントエンドのアクティビティを監視してwebsocketを介して前記ISFに生データを送信する。webSocketnotificationにより、前記コンテナから前記ISFへとサービシングアプリケーションイベントが送られるとともに、算出された評価指標が前記ISFから前記コンテナへと伝えられる。
【0082】
通話時に適用される各サービスアプリケーションの評価指標は、保留時間、通話時間、平均処理時間、通話目的、通話結果、応対速度、発信側切断通話数、非応対通話数、通話処理数、通話後作業平均時間、通話保留率、通話保留平均時間、平均処理時間の通話後作業率、転送通話数及び割合、ビデオ通話数及び割合、転送通話又はビデオ通話の合計割合、サービスレベル率、転送回数、アイドルタイム、通話回数、通話時の各サービス要求に対して適用されるサービシングアプリケーションの種類(オペレータ部門・チームリーダー毎)、並びに通話録音数のうちの任意の少なくとも一つからなり得る。
【0083】
期間的報告:これには、一日のサービスレベルの総括、平均処理時間、平均応対速度、通話割当て数、通話処理数、例えば30分、8時間、1週間、1ヶ月等の期間中の評価指標の総括/平均の数のうちの任意の少なくとも一つが含まれ得る。また、目標値および閾値も計算されてオペレータおよびチームリーダーにリアルタイムで表示されることにより、監視が行われて適切な措置が講じられる。
【0084】
トレンド:ISFは、このような集計から、人員管理予測に利用するトレンドを生成し得る。
【0085】
データレイク、従来の報告システム、分析システムなどの他のシステムとのインターフェース:評価指標データおよびクリックストリームデータ(すなわち、ユーザの初回訪問、デバイスの種類、オペレーティングシステム、滞在時間、ビジネストランザクションの詳細、クリックストリームアーキテクチャに従って各クリックまでに費やされた時間)が、履歴分析、ビジネスインサイト、品質およびダッシュボーディング用にデータレイクへと送られるとともに、従来のコンタクトセンター報告システムにも送られる。また、対応中の通話と過去の対応との組合せを介してカスタマージャーニーの可視化が行われ得る。
【0086】
つまり、本技術によれば、コンタクトセンター環境での複数のサービシングアプリケーションを用いて多岐に対応可能なオペレータについての、顧客通話に関する評価指標の報告を行う最適化された方法が提供される。
【0087】
例示的な実施形態を幾つか参照しながら本発明を説明したが、用いた表現は、限定的なものではなく、説明や例示の表現であるということを理解されたい。本開示の各態様の範囲や精神を逸脱しない限り、添付の特許請求の範囲の現時点や補正後の範囲内で変更が行われてもよい。特定の手段や材料や実施形態を参考に本発明を説明したが、本発明は、細かい開示内容に限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の範疇にあるような、機能的に等価なあらゆる構造、方法及び用途にも及ぶ。
【0088】
例えば、コンピュータ読取り可能媒体は、単一の媒体であるか如く説明しているかもしれないが、「コンピュータ読取り可能媒体」という用語には、一元的な若しくは分散型のデータベースのような単一の媒体若しくは複数の媒体、および/または、1つ以上の命令群を格納した関連するキャッシュやサーバが包含される。また、「コンピュータ読取り可能媒体」という用語には、プロセッサに実行される命令群を記憶、符号化若しくは保持することが可能な、または本明細書で開示する任意の1つ以上の実施形態をコンピュータシステムに実施させる、あらゆる媒体が包含される。
【0089】
コンピュータ読取り可能媒体は、非過渡的な1つ以上のコンピュータ読取り可能媒体からなり得て、かつ/あるいは、過渡的な1つ以上のコンピュータ読取り可能媒体からなり得る。本発明を限定しない一具体例の実施形態では、コンピュータ読み取り可能媒体が、不揮発性の1つ以上の読み出し専用メモリを収納したメモリカードなどのパッケージのような固体メモリからなり得る。また、コンピュータ読取り可能媒体は、ランダムアクセスメモリなどの揮発性の再書込み可能メモリであり得る。また、コンピュータ読取り可能媒体には、伝送媒体を介して伝わった信号などの搬送波信号を収集してなるディスク、テープなどの記憶装置のような光磁気媒体または光学式媒体も包含され得る。したがって、本開示は、データまたは命令が記憶され得るあらゆるコンピュータ読取り可能媒体、さらには、その他の等価物や後継媒体を包含していると解釈されたい。
【0090】
本願ではコンピュータ読取り可能媒体内のコンピュータプログラム又はコードセグメントとして実現され得る特定の実施形態を説明したが、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアデバイスといった専用ハードウェア実装を、本明細書で説明する1つ以上の実施形態を実施するように構築することも可能であるという点を理解されたい。本明細書で説明する各種実施形態からなり得る用途には、各種電子システムやコンピュータシステムが広く含まれ得る。したがって、本願は、ソフトウェア実装、ファームウェア実装、ハードウェア実装、またはこれらの組合せを包含し得る。本願のいかなる内容も、ハードウェアではなくソフトウェアのみで実装されるか又は実装可能であるかの如く解釈されるべきでない。
【0091】
本明細書では特定の実施形態で実装され得る構成要素や機能を特定の規格やプロトコルを参考に説明したが、本開示はそのような規格やプロトコルに限定されない。そのような規格は、一定期間を経て、本質的に同じ機能のより高速又はより高効率な等価物に取って代わられる。したがって、同一又は同様の機能を有する代わりの規格やプロトコルは、等価物であると見なす。
【0092】
本明細書に記載の各実施形態の図面は、各実施形態の基本的な理解をもたらすためのものである。図面は、本明細書に記載の構造や方法を利用した装置やシステムの特徴や構成要素の全てを完全に説明する役割を果たすように意図されたものではない。本開示を検討すれば、それと違う数多くの実施形態も、当業者であれば明白となり得る。本開示から、他の実施形態を派生させて利用してもよく、本開示の範囲から逸脱しない範疇で、構造や論理に置換や変更が行われてもよい。また、図面は、あくまでも象徴的なものに過ぎず、縮尺どおりに描かれていない場合もある。図中の比率は、過剰なものである場合もあれば、過小なものである場合もある。したがって、本開示および図面は、限定的なものではなく例示的なものであると考えられたい。
【0093】
本明細書では本開示の1つ以上の実施形態を単独で且つ/或いはまとめて「本発明」と称している場合があるが、これはあくまでも便宜上のものであって、任意の特定の発明や発明概念に本願の範囲を自発的に限定しているつもりはない。また、本明細書では特定の実施形態を図示・説明しているが、図示の特定の実施形態が、同一又は同様の目的を達成するように設計された任意の後発の配置構成で置き換えられる場合もあるということを理解されたい。本開示は、各実施形態の任意のあらゆる後発の改変や変形を包含しているものとする。本明細書を検討することにより、上記の実施形態や本明細書で具体的に説明していないその他の実施形態の組合せも、当業者であれば明白であろう。
【0094】
本開示の要約書は、特許請求の範囲の範疇や意味を解釈したり制限したりすることがないという理解の下で提出している。また、前述の詳細な説明では、本開示を合理化する目的で、様々な構成を単一の実施形態でまとめたり説明したりしている場合がある。本開示を理由に、各請求項に記載された実施形態が、各請求項に明記されているよりも多くの構成を必要とするという意図を反映しているかの如く解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が示唆するように、発明の主題は、任意の実施形態について、開示されているよりも少ない数の構成/構成要素に向けられていてよい。つまり、添付の特許請求の範囲は、各請求項がそれ自体で独立した主題を定義するようにして詳細な説明に組み込まれる。
【0095】
これまでに開示した主題は、例示であって限定的なものではなく、添付の特許請求の範囲は、本開示の真正な精神や範囲に含まれる上記のような全ての変更、改善及びその他の実施形態を包含しているものとする。したがって、法律で許容される最大限の範囲において、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲に対する最大限の広義的な解釈およびその均等物によって定まるものであって、前述の詳細な説明により制限又は限定されるものではない。
【国際調査報告】