(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】エフェクト顔料混合物を用いた放射線誘起プリント法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/48 20060101AFI20240730BHJP
C09D 11/037 20140101ALI20240730BHJP
【FI】
B41J2/48
C09D11/037
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580903
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022068268
(87)【国際公開番号】W WO2023275359
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322002676
【氏名又は名称】ヘリオゾニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ヨルダン
(72)【発明者】
【氏名】ウド レーマン
【テーマコード(参考)】
4J039
【Fターム(参考)】
4J039AD07
4J039BA06
4J039BA13
4J039BE01
4J039BE23
4J039EA33
4J039GA05
(57)【要約】
【課題】高速でありながら放射減のための比較的低いエネルギーを用いる真珠光沢エフェクトのプリントを可能にするLIFTプリント法を提供する。
【解決手段】本発明は、放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、この方法は、(A)エフェクト顔料を含むプリントインク(2)をインク担体(1)の上にプリントすること、これは特定の波長で光学的に透明である;これに続き、(B)インク担体を、プロセス期間の間に特定の波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によって照射すること、この際に、プリントインク(2)が電磁波のエネルギーを吸収し、インク担体からインプリント材料(6)へのプリントインクの液滴の移動をもたらす体積及び/又は位置における変化を受ける;の工程を有し、プリントインクが、(a)フレーク状の真珠光沢顔料(4)及び(b)フレーク状の金属エフェクト顔料(5)を含有するエフェクト顔料混合物を有することを特徴とする。また、本発明は、(a)フレーク状真珠光沢顔料及び(b)フレーク状金属エフェクト顔料を含む、プリントインク中のエフェクト顔料の混合物の、放射線誘起法のプリントにおける、特にはLIFT法を用いるプリントにおける、使用を扱う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線誘起プリントプロセス方法であって、下記の工程:
(A)エフェクト顔料を含むプリントインク(2)をインク担体(1)上にプリントすること、インク担体は、特定波長で光学的に透明である;これに続き、
(B)プロセス期間の間に前記特定波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置で、前記インク担体を照射すること、ここで、前記プリントインク(2)が、前記電磁波のエネルギーを吸収して、体積及び/又は位置における変化を受けて、前記インク担体からインプリント材料(6)への前記プリントインクの液滴の移動が起こる、
を含み、
前記プリントインクが、
(a)フレーク状真珠光沢顔料(4)及び
(b)フレーク状金属エフェクト顔料(5)
を含有するエフェクト顔料混合物を有すること、を特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記エネルギー射出装置が、レーザーである。請求項1に記載の放射線誘起プリントプロセス方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状金属エフェクト顔料が、15~50nmの範囲の平均厚みを有し、好ましくはPVDアルミニウムエフェクト顔料である、方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状の真珠光沢顔料が、レーザー透過性基質、及び、1.8超の屈折率を有する少なくとも1つの第1の金属酸化物を含有し、この少なくとも1つの第1の金属酸化物が、レーザー透過性である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記少なくとも1つのレーザー透過性の第1の金属酸化物が、TiO
2、ZrO
2、SnO
2、ZnO及びこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状真珠光沢顔料が、透過性基質、及び、1.8超の屈折率を有する少なくとも1つの第2の金属酸化物を有し、この第2の金属酸化物が、レーザー吸収性である、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記少なくとも1つのレーザー吸収性の第2の金属酸化物が、Fe
2O
3、Fe
3O
4、Fe(II)含有鉄酸化物、Cr
2O
3、SnO、Ti亜酸化物、Fe及びTiの混合酸化物、CuO、Ce酸化物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記エネルギー射出装置が、パルスレーザーであり、前記電磁波の前記パルスエネルギーが、0.10~0.90mJの範囲である、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記レーザーが、パルスレーザーであり、前記プリントインク中のフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.01~1.50重量%の範囲である、方法。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記エネルギー射出装置が、CWレーザーであり、前記電磁波のエネルギーが、1~50μJの範囲である、方法。
【請求項11】
請求項4又は5及び10のいずれかに記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.15~10.0重量%の範囲である、方法。
【請求項12】
請求項6又は7及び10のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記レーザーは、CWレーザーであり、前記プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.45~10.0重量%の範囲である、方法。
【請求項13】
(a)フレーク状真珠光沢顔料及び(b)フレーク状金属エフェクト顔料
を含有する、プリントインク中のエフェクト顔料の混合物の、放射線誘起プリント法における、使用。
【請求項14】
請求項13に記載のエフェクト顔料の混合物の、下記の工程を含む放射線誘起プリントプロセス方法における、使用:
(A)吸収性の顔料を有するプリントインク(2)をインク担体(1)の上にプリントすること、インク担体は、特定波長において光学的に透明である:これに続き、
(B)前記インク担体を、プロセス期間の間に前記特定波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によって照射すること、ここで、前記プリントインク(2)が、前記電磁波のエネルギーを吸収し、前記インク担体からインプリント材料(6)への前記プリントインクの液滴の移動をもたらす体積及び/又は位置における変化を受ける。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のエフェクト顔料の混合物の、請求項2~12に記載の放射線誘起法における、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エフェクト顔料、特には真珠光沢顔料を、レーザー誘起前方転写(LIFT)法によってプリントする方法に関する。本発明は、また、エフェクト顔料混合物の、放射線誘起プリント法における使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー誘起前方転写(LIFT)法は、直接書き込みプロセスであり、これは、従来のプリント法、例えばシルクスクリーンプリント法又はグラビアプリント法などと比較したときに、特に有利である。後者とは対照的に、レーザー誘起前方転写法は、インクジェットプリント法と同様に、高価な設備なしで汎用性の高い使用を可能にし、特に、プリント駆動のパーソナライズ適合を容易に利用可能にする。さらに、プリントの速度、スケール並びにプリントプロセス及び生成物の解像度における向上は、特に望ましいものである。
【0003】
これまでに、LIFT法は、特に、電気素子、光学素子、及びセンサ素子の製造に関して、特に、微小電子構成素子、例えば、アンテナ、センサ及び埋め込み回路等の製造に関して用いられているだけでなく、生物学的な材料を1つの基材から別の基材へと移すためにも用いられている。
【0004】
LIFT法は、複数の変形態様で実行できる。
【0005】
第一の変形態様では、レーザー吸収性粒子を含有するプリントインク層を、レーザー透過性基材の表面に適用する。そして、この透過性基材(インク担体、インクキャリア)を、プリントインクを担持していない反対側からレーザービームによって照射する。入射レーザービームは、光がプリントインク層の後表面によって吸収される前に、透過性担体を通って伝搬する。特定のしきい値よりも上の入力レーザーエネルギーで、プリントインクが、レーザー透過性基材のコーティングされた表面から液滴の形態で射出され、インクを有するインク担体表面に近接して配置されたインプリント材料に向かって飛ばされる。LIFT法に関与するインク射出及び相転移をもたらすエネルギー変換プロセスは、複雑であり、多くの広範囲のパラメータによって影響される。吸収体粒子がプリントインクに含有されているので、これらの吸収体粒子も、レーザーエネルギーを吸収し、一定量で、インプリント材料に移される(転写される)。このプロセスによって、プリントされたインクスポットが、受容基材で利用可能となり、これは、一定量の吸収体粒子を含有するプリントインク液滴の固化した成分を少なくとも含有する。通常、ナノサイズのカーボンブラック粒子が、第1の変形態様において、吸収体粒子として用いられる。第一の変形態様に係るLIFT法を実行するための技術的に有用な方法及び装置が、EP1485255B1に開示されている。
【0006】
WO2019/175056A1は、LIFT法によってプリントできる金属エフェクト顔料を開示している。
【0007】
WO2019/154826は、LIFT法における吸収体粒子としての、金属酸化物粒子含有顔料、例えばアンチモンスズ酸化物(ITO)含有顔料、を開示している。この文献は、エフェクト顔料、例えば真珠光沢顔料のプリントについては開示していない。
【0008】
WO2019/154980A1は、LIFT法によってプリントできる真珠光沢顔料を開示している。この文献では、吸収体粒子として金属粒子は全く用いられていない。この文献では、比較的高いレーザーエネルギーが、転写プロセス(移動プロセス)を可能にするために必要とされる。したがって、パルスレーザーシステムが、この文献では好ましい。しかしながら、パルスレーザーでは、プリント速度は比較的低速であり、したがって、高い効率を有するプリントプロセスを実現することはできない。
【0009】
典型的には、真珠光沢顔料は、それらの透明性に起因する光学的深さ(真珠効果)、角度依存的色彩、及び明度、及び高グロスなどの効果を示す。特に、複層真珠光沢顔料の場合にも、入射及び/又は観察の異なる角度での色相の変化を達成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
高速でありながら放射源のための比較的低いエネルギーを用いる、真珠光沢エフェクトのプリントを可能にするLIFTプリント法を提供することが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、放射線誘起プリントプロセスの方法を提供することによって解決され、この方法は:
(A)エフェクト顔料を含有するプリントインク(2)を、特定波長で光学的に透明であるインク担体(1)上にプリントすること;これに続いて、
(B)プロセス期間の間に特定波長を有する電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によって、インク担体を照射すること、ここで、プリントインク(2)が、電磁波のエネルギーを吸収し、体積及び/又は位置における変化を受け、インク担体からインプリント材料(6)へのプリントインクの液滴の移動が起こる、
の工程を含み、
プリントインクが、
(a)フレーク状の真珠光沢顔料(4)及び
(b)フレーク状の金属エフェクト顔料(5)
を含有する顔料混合物を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、LIFTプロセスのプリント法を例示する。
【
図2】
図2は、ストライプパターン(縞パターン)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この方法のさらに好ましい態様が、請求項2~12又は態様2~25に記載されている。
【0014】
本発明の目的は、さらに、
(a)フレーク状の真珠光沢顔料並びに(b)フレーク状の金属エフェクト顔料及び/又はITO含有顔料
を含むプリントインク中のエフェクト顔料の混合物の、放射線誘起プリント法における使用を提供することによって解決される。
【0015】
この使用のさらなる好ましい実施態様が、請求項14~15又は態様27~50に記載されている。
【0016】
本発明では、放射線誘起プリントプロセスの方法が:
(A)エフェクト顔料を含有するプリントインク(2)を、特定波長で光学的に透明であるインク担体(1)上にプリントすること;これに続いて、
(B)プロセス期間の間に特定波長を有する電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によってインク担体を照射すること、ここで、プリントインク(2)が、電磁波のエネルギーを吸収し、体積及び/又は位置における変化を受け、インク担体からインプリント材料(6)へのプリントインクの液滴の移動が起こる、
の工程を有し、
プリントインクが:
(a)フレーク状の真珠光沢顔料(4)及び
(b)フレーク状の金属エフェクト顔料(5)
を含有するエフェクト顔料混合物を含むことを特徴とする。
【0017】
図1に、LIFTプロセスのプリント法が例示されている。プリントの原理的な方法は、例えば、EP1485255B1に詳細に記載されている。電磁波(3)、好ましくはレーザー放射線が、インク担体(1)に、背面側から衝突する。好ましくは、入射の角度は垂直であるが、特定の実施態様では、斜角を選択してもよい。インク担体(インクキャリア)は、特定の波長において光学的に透明であり、最も有利には、レーザーの波長を、この透明領域になるように選択し、それによって、レーザーエネルギーが浪費されないようにする。プリントインクは、慣用的なプリント法、例えばシルクプリント又はオフセットプリントによってインク担体上にプリントされる。インク担体は、プレート、シート又は可撓性フィルム(フレキシブルフィルム)又はリボンの形態であってよく、プリントプレート若しくはプリントシリンダーの上若しくは周囲に配置されてよく、又は、従来公知の任意の他のプリントアセンブリの一部であってよい。インク担体は、好ましくは、ポリエステル材料からできている。
【0018】
プリントインクは、慣用的なプリントプロセス、例えばシルクプリント又はオフセットプリントによって、インク担体の上にプリントされる。好ましい実施態様では、プリントインクが貯蔵部に溜められ、かつインク担体が、エンドレスバンドとして構成される。このようにして、インク担体上にコーティングされたプリントインクであってインプリント材料へと移動(転写)されないすべてのプリントインクを、再利用できる。
【0019】
インク担体上におけるプリントインクの選択された厚みは、50μm未満である必要があり、好ましくは30μm未満であり、特に好ましくは25μm未満である。しかしながら、プリントインク層の厚みは、5μm未満であるべきではない。最適な範囲は、15~25μmである。
【0020】
インプリント材料(6)は、複数の材料で構成されてよく、場合により、プレート、シート、可撓性フィルム(フレキシブルフィルム)又はコンパクト成形体の形態であってよい。インク担体とは対照的に、インプリント材料(6)は、紙、壁紙、金属、ガラス、木、石、セラミック材料、ポリマー材料等で構成されてよい。インプリント材料は、必ずしも透明ではない。逆に、インプリント材料が半透明又はさらには不透明であり色づいていてもよい場合、有利である。インプリント材料の減弱した透明性、及び存在する場合に色は、フレーク状金属顔料の濃度が十分に低くインプリント材料を覆わない場合には、インプリント材料状のプリントスポットに含有される真珠光沢フレーク状エフェクト顔料の色効果(色エフェクト)の視認性を拡大しうる。
【0021】
図1において概略的に示されているように、照射される電磁波(3)、好ましくはレーザー放射線、の収束された光は、特にフレーク状金属顔料によって吸収されることができる。これらの顔料は、それらの周囲を加熱する大きな能力を有し、これは、それらの光学的特性及び高い熱伝導特性に起因し、かつ、高い表面対体積比を確保するそれらのフレーク状の形状に起因する。周囲を取り囲むインクは、蒸発でき、インプリント材料へと移されることができる。この移動の間に、すべての顔料が、金属顔料であろうが真珠光沢顔料であろうが、移動して、インプリント材料の上にドット(7)を形成できる。レーザーがさらに別の位置へと移動する過程で、最終的に、線(ライン)が、インプリント材料の上にプリントされる。
【0022】
好ましい実施態様では、エネルギー照射装置が、レーザー光の形態で、エネルギーを射出する。このレーザーは、CWレーザー又はパルスレーザーであってよい。高コヒーレント単色レーザー光によって、比較的多くの量のエネルギーを、非常に小さい面積に、非常に短い光パルスで、照射できる。その結果として、プリントフォーマットの品質、特には解像度が、増加する。
【0023】
いくつかの実施態様では、レーザーが、パルスレーザーである。この場合、好ましくは、電磁波のパルスエネルギーが、0.10~0.9mJの範囲であり、より好ましくは、0.12~0.85mJの範囲であり、最も好ましくは、0.13~0.82mJの範囲である。
【0024】
パルスレーザーに関して、1064nmの波長を有するレーザーを用いることが有利であり、例えば、Nd:YAG(ネオジムでドープされたイットリウムアルミニウムガーネット)レーザー、又はNd:YVO4(ネオジムでドープされたイットリウムバナデート)レーザー(波長1064.3nm)を用いることが有利である。
【0025】
必要な短い光パルスは、必ずしもパルスレーザーから来る必要はない。さらにより好ましくは、レーザーが、代わりに、CW作動で用いられる。この場合、パルス持続又はさらには露光時間が、レーザーパルスの長さに依存せず、焦点の走査速度に依存する。さらには、移されるデータを、もはや、固定されたパルス周波数に調和させる必要はない。CWレーザーによって、特に比較的速いプリント速度を達成できる。レーザー焦点のプリント速度は、この場合、約200~2,000m/sである。そのような速度において、EP1485255B1に記載されているようにして、プリントラインをプリントでき、かつプリントプロセスを確保できる。これらのレーザーを用いることで、広範囲のプリントパターン及び駆動を伴って、商業的に有利なプリントプロセスを確保できる。この場合、レーザーのエネルギーは、1~50μJの範囲で非常に低くてよく、より好ましくは、10~25μJである。
【0026】
用いられるレーザーは、好ましくは、10ワット超の平均出力及びM2<1.5より好ましくはM2<1.1のビームパラメータを有するフェーズカップル(位相同期)レーザー又はCWレーザーである。レーザーの「スイッチオン」及び「スイッチオフ」は、適切なレーザースイッチと組み合わせたパルス幅変調器(例えば、AOM、EOM)を介して利便性良く行われる。しかしながら、本発明の好ましい変形態様では、レーザービームは、完全に「止め」られず、そのしきい値限界未満ではインク担体からの液滴の分離が起こらないしきい値限界よりも低い値へとそのエネルギー又はエネルギー密度を低減するだけである。例えば、完全なプリント点のために用いられる値の約15%へと、レーザー出力における減少を行う。これは、プリントの際のレーザーエネルギーの制御及び監視を簡略化し、特には、そのようにして、レーザーのスイッチ又は変調器(モジュレーター)の改善されかつさらに効率的な利用を可能にする。AOM「スイッチ」を用いる場合、レーザーは、このようにして、0の次数で用いることができ、これに対してAOMスイッチの従来の用途では、第1の回折次数を用いる必要がある。有利には、レーザーは、0.5μm~3μmの波長を有する。
【0027】
好ましくは、CWレーザーとして、ファイバーレーザーを、それらの高いビーム品質に起因して、用いる。これらのレーザーは、好ましくは、1075~1085nmの範囲の波長を有し、この場合、焦点合わせ及びレーザー出力などの特性が最適に達成される。それらは、Trumpf SPI又はIPG Laserなどの会社によって提供されうる。
【0028】
レーザーは、プリントインクのうえに焦点合わせされ、レーザー出力、波長、焦点直径、及び、光とプリントインクのプリントインク部分との相互作用の露光時間などのパラメータに応じて、プリントインクのプリントインク部分が、インプリント材料へと移される。プリントインクでコーティングされたインク担体とインプリント材料とは、典型的には、約0.1~5.0mmの一定距離で離されている。
【0029】
この発明によれば、プリントインク(2)が、エフェクト顔料混合物を含有し、これは、フレーク状の真珠光沢顔料(4)及びフレーク状の金属顔料(5)を含有する。
【0030】
フレーク状の金属エフェクト顔料は、主として、照射される電磁波の吸収体粒子として機能し、したがって、比較的低出力での顔料移動(顔料転写)を可能にする。
【0031】
下記では、これらのエフェクト顔料についてさらに例示する。
【0032】
フレーク状の真珠光沢顔料:
フレーク状の真珠光沢体として、原則として、すべての真珠光沢顔料を用いることができる。
【0033】
本発明に係る顔料のための上記のすべての担体粒子の長さ及び幅寸法は、フレーク状エフェクト顔料についてすでに開示されたように、2~350μm、好ましくは4~250μm、より好ましくは5~100μm、最も好ましくは10~40μmの範囲である。これは、また、担体粒子の粒子サイズ(粒径)として通常言及される値である。担体粒子の厚みは、一般に、0.05~5μmであり、好ましくは0.1~4.5μmであり、特に好ましくは0.2~1μmである。好ましくは、これらの上述の範囲の下限は、真珠光沢顔料粒子サイズ分布(フラウンホーファー近似に従う体積加重頻度分布)におけるd10-値を意味しており、かつ上限は、d90-値を意味する。d10-値は、頻度累積サイズ分布の粒子の10%がそのサイズ値以下であるサイズを意味する。同様に、d90-値は、頻度累積サイズ分布の粒子の90%がそのサイズ値以下であるサイズを意味する。担体粒子は、少なくとも2、好ましくは少なくとも10、特に好ましくは少なくとも50、のアスペクト比(長さに対する厚みの比)を有する。
【0034】
担体粒子に関して言及した厚み及びアスペクト比は、また、本発明に係るフレーク状の非金属エフェクト顔料に関しても有効であり、なぜならば、担体粒子上の1又は複数のコーティング層は、わずか数百ナノメートルであり、したがって、各値に大きな変化を及ぼさないからである。
【0035】
フレーク状の透明な誘電体担体粒子は、有利には、天然マイカ小板(天然マイカプレートレット)、合成マイカ小板、タルク小板、カオリン小板、SiO2小板、Al2O3小板、ガラス小板、ホウケイ酸小板、及びこれらの少なくとも2つの混合体からなる群から選択される。好ましくは、天然マイカ小板、合成マイカ小板、SiO2小板、Al2O3小板、及びガラス小板、が有用であり、特に、合成マイカ小板、ガラス小板が、有用である。フレーク状の透明な誘電体担体粒子は、少なくとも1つの層でコーティングされ、この少なくとも1つの層は、金属酸化物、混合金属酸化物、又は金属酸化物の混合体から構成される。本発明によれば、これらの層がすべて金属酸化物層と呼ばれる。2以上の金属酸化物層が、透明な誘電体担体粒子の上に存在してもよい。好ましくは、これらの金属酸化物層が、担体粒子を取り囲み、フレーク状のエフェクト顔料の連続的な金属酸化物外側表面層をもたらす。
【0036】
特定の実施態様では、フレーク状の真珠光沢顔料が、透明基質、及び、屈折率1.8超の少なくとも1つの第1の高屈折率金属酸化物を含有し、これは、レーザー透過性である。より好ましくは、この第1金属酸化物の屈折率が、2.0以上である。
【0037】
「レーザー透過性」によって意味するところは、照射レーザー又は他の光源の波長に関して、金属酸化物によって吸収が本質的に起こらないということである。レーザー透過性金属酸化物に関する複素屈折率=n-ikの吸収係数kは、0.005未満であり、好ましくは0.003未満である。
【0038】
ここで、吸収係数は、バルク材料に関する文献値を意味しており、真珠光沢顔料上における金属酸化物のそれぞれのコーティング層の実効吸収係数を意味するものではない。
【0039】
そのようなレーザー透過性の第1金属酸化物は、好ましくは、TiO2、ZrO2、SnO2、ZnO、及びそれらの混合物であり、最も好ましくは、TiO2及びSnO2である。
【0040】
これらの金属酸化物は、また、透明な高屈折率金属酸化物が光学波長に関して必要な場合に、真珠光沢顔料に関して用いられる典型的な金属酸化物である。したがって、高屈折率金属酸化物に関する用語「透過性」は、本記載では、別段の指示がない限り、従来慣用されるように、光学波長を意味する。
【0041】
また、用語「屈折率」は、本記載において、光学波長領域に関して用いられ、かつ、材料の文献上のバルク値を意味する。
【0042】
好ましい実施態様では、真珠光沢顔料のすべての高屈折率金属酸化物が、レーザー透過性の金属酸化物からなる。これらの真珠光沢顔料は、また、「レーザー透過性真珠光沢顔料」とも呼ばれる。
【0043】
特に、そのようなレーザー透過性真珠光沢顔料は、WO2019/154980A1で開示されているように、LIFTプリント法によって移すことが困難であり、なぜならば、それらは、入射してくるレーザー光のエネルギーを吸収せず、したがって、プリントインクにおける温度を増加させるために良好に用いることができないからである。したがって、そのような真珠光沢顔料が好ましい。驚くべきことに、これらのエフェクト顔料は、非常に少量のフレーク状の金属顔料がエフェクト顔料混合物中で用いられたときに、良好に移されることができ、かつはっきりとした真珠光沢効果をもたらす。
【0044】
フレーク状の真珠光沢顔料のさらなる実施態様は、少なくとも1つの高、低、高の屈折率材料の層配列を有する複層構造体を有し、高屈折率材料が、レーザー透過性又は透明であり、1.8超の屈折率を有し、低屈折率材料が、レーザー透過性でありかつ光学的に透過性であり、1.6未満の屈折率を有する。
【0045】
そのようなタイプの真珠光沢顔料は、例えば、EP2346949B1、WO2006/088759A1、EP0948572B1、JP07246366、WO2004067645A2、又はEP1025168A1で開示されている。
【0046】
低屈折率材料は、好ましくは、SiO2、Al2O3、MgO及びこれらの混合物並びにMgF2から選択される金属酸化物である。
【0047】
さらなる実施態様において、フレーク状の真珠光沢顔料は、透過性基質(透明基質)及び、少なくとも1つの、1.8超の屈折率を有する第2の金属酸化物を含有し、これは、レーザー吸収性である。
【0048】
「レーザー吸収性」によって意味しているところは、照射レーザー又は他の光源の波長に関して金属酸化物によって本質的に一定の吸収が起こるということである。レーザー吸収性金属酸化物の吸収係数kは、0.005以上であり、好ましくは0.003以上である。
【0049】
このレーザー吸収性高屈折率層は、単一の高屈折率層として真珠光沢顔料中で存在してよく、さらなる高屈折率層は存在せず、これは、基本的なタイプの真珠光沢顔料に対応する。他の実施態様では、この層は、レーザー透過性の高屈折率層と組み合わされてよく、又は低屈折率層と組み合わされてよい。
【0050】
少なくとも1つのレーザー吸収性の第2の金属酸化物は、好ましくは、Fe2O3、Fe3O4、Fe(II)含有鉄酸化物、Cr2O3、SnO、Ti亜酸化物、Fe及びTiの混合酸化物、CuO、Ce-酸化物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。また、顔料又は染料を含有させることによって着色されたTiO2層も可能である。最も好ましい吸収性金属酸化物は、Fe2O3及びFe(II)含有酸化鉄である。上記と同様に、これらの金属酸化物は、通常、光学的な波長領域で吸収性である公知の高屈折率金属酸化物と一致する。したがって、これらの金属酸化物は、吸収色を有し、同時に、その厚みに応じて、真珠光沢顔料の干渉現象で作用しうる。
【0051】
レーザー吸収性金属酸化物として作用するために、そのような第2の金属酸化物の厚みは、少なくとも、真珠光沢顔料における光学効果(光学エフェクト)が達成されるような大きさを有する必要がある。そのような真珠光沢顔料は、「レーザー吸収性真珠光沢顔料」と呼ばれうる。
【0052】
典型的には、そのような第2のレーザー吸収性金属酸化物の厚みは、少なくとも20nm、好ましくは少なくとも30nm、より好ましくは少なくとも40nmである。
【0053】
さらなる実施態様において、フレーク状の真珠光沢顔料は、少なくとも1つの高、低、高の屈折率材料の層配列を有するいわゆる複層構造を有し、少なくとも1つの高屈折率材料が、1.8超の屈折率を有し、かつレーザー吸収性又は吸収性の金属酸化物であり、低屈折率材料は、1.6未満の屈折率を有する。そのような種類の真珠光沢顔料は、例えば、EP2367889B1、DE19525503A1、DE19953655A1、EP2356181B1、WO2004/055119A1、WO2002/090448A2又はEP0753545B2に開示されている。
【0054】
これらの複層真珠光沢顔料において、レーザー吸収性の高屈折率層は、基質の近くに位置する第1層であってよく、又は最外層であってよく、又は両方が高屈折率層であってよい。
【0055】
さらなる実施態様において、フレーク状の真珠光沢顔料は、高屈折率を有する金属酸化物でできている第1層2、及び高屈折率を有する金属酸化物でできている第2層3を有し、層2及び3が、それぞれ、少なくとも2つの金属イオンを有し、かつ、これらの層の間に、多孔性のスペーサ層が位置している。そのような真珠光沢顔料は、また、高-低-高の屈折率金属酸化物のスタックを有する複層構造に類似するが、ここでは、顔料に低屈折率酸化物は堆積されず、その代わりに、多孔性のスペーサ層が、主に穴から構成されており、かつ層2及び3に結合する接続を有する。これらの真珠光沢顔料は、一定の配列の高屈折率金属酸化物が堆積されたときに、得ることができる。多孔性のスペーサ層は、コーティングされた真珠光沢顔料の焼成の際に、金属イオンの拡散プロセスに起因して、形成される。一定の実施態様では、高屈折率金属酸化物層が、透過性(透明)又はレーザー透過性の金属酸化物から形成される。そのようなエフェクト顔料が、EP3034564B1にさらに開示されている。
【0056】
他の実施態様において、高屈折率金属酸化物層は、少なくとも1つの吸収性又はレーザー吸収性の金属酸化物から形成される。そのようなエフェクト顔料は、EP3034562B1、EP3034563B1又はEP3234025B1でさらに開示されている。
【0057】
さらなる実施態様において、真珠光沢顔料は、銀系真珠光沢顔料であり、金属外観を反射する光学特性を有する。そのようなエフェクト顔料混合物は、有利には、最終的なプリントインクがレーダー透過性のために必要な場合に、用いることができる。これらの真珠光沢顔料は、通常は、反射でもたらされる色が本質的にニュートラルな銀のトーン又はわずかに色づいたトーンであり、かつ吸収においてグレーからアンスラサイトの色合いであるような光学特性を有する。真珠光沢顔料に関して、色のトーン「アンスラサイト」は、また、多くの場合、「ブラック」としても言及される。本発明において、「銀系真珠光沢顔料」という用語は、ニュートラルな銀又はわずかに色づいた反射色及びグレーからアンスラサイトの吸収色の組み合わせを有しており金属性の特徴を提供する真珠光沢顔料に関して用いられる。
【0058】
好ましくは、これらの銀系真珠光沢顔料は、下記からなる群から選択される:
(i)真珠光沢顔料であって、n>1.8の高屈折率層でコーティングされた透過性基質(透明基質)を有し、高屈折率層は、Fe(II)イオンを有する鉄酸化物を含み又はこれからなる、真珠光沢顔料、
(ii)真珠光沢顔料であって、n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質(透明基質)を有し、高屈折率層は、チタン亜酸化物を含有し若しくはこれからなる、真珠光沢顔料、又は、真珠光沢顔料であって、n>1.8を有する高屈折率層を有する基質を有し、高屈折率層は、随意にn>1.8を有する高屈折率層でコーティングされており、チタン亜酸化物を含有し又はこれからなる、真珠光沢顔料
(iii)真珠光沢顔料であって、n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質(透明基質)を有し、高屈折率層は、チタンの酸窒化物を含有し又はこれからなる、真珠光沢顔料、並びに真珠光沢顔料(i)~(iii)の混合物又は組み合わせを含有する、真珠光沢顔料。これらの銀系真珠光沢顔料は、高い隠ぺい力を有する。
【0059】
第1の好ましい実施態様(i)において、エフェクト顔料混合物で用いられる銀系真珠光沢顔料は、n>1.8の高屈折率層でコーティングされた透過性基質(透明基質)を有しており高屈折率層がFe(II)イオンを有する鉄酸化物を含み又はこれからなる、真珠光沢顔料である。
【0060】
第2の好ましい実施態様において、銀系真珠光沢顔料(i)は、Ti及びFeを含有する金属酸化物層を有するコーティングを有し、イオンは、主にFe(II)イオンであり、これは、好ましくは、イルメナイト(FeTiO3)層又はマグネタイト(Fe3O4)層又はこれらの混合物である。
【0061】
さらなる好ましい実施態様において、真珠光沢顔料は、TiO2の第1の層に続いてFe(II)イオンを含有する金属酸化物層、好ましくはイルメナイトからなる層、を有するコーティングを有する。均一に分布したイルメナイト(FeTiO3)を有するコーティングを有する真珠光沢顔料は、EP1620511A2に記載されている。第一のTiO2及びそれに続く不均一に分布したイルメナイト層を有するコーティングを有する真珠光沢顔料は、WO2012/130776A1に記載されている。
【0062】
そのような真珠光沢顔料のさらなる例が、EP246523A2、EP3119840A1(Al2O3基質を伴う)又はEP681009A2(更なる高屈折率コーティングを伴う)で開示されている。TiO2小板基質上のイルメナイトの単層を有する真珠光沢顔料が、WO1997/043348A1に記載されている。これらの文献で開示されている層の厚みは、エフェクト顔料混合物において要求される反射における銀からグレーの色合いの真珠光沢顔料を達成するために、低減される必要がある。
【0063】
さらなる好ましい実施態様において、銀系真珠光沢顔料は、下記の構造を含む:
(α)透過性(透明)の小板形状の合成基質、
(β)チタン酸化物層、これに続く、
(γ)Ti-及びFe-イオンを含有する金属酸化物層、Feイオンは、主にFe(II)イオンである。
【0064】
さらなる好ましい実施態様において、銀系真珠光沢顔料は、イルメナイト(FeTiO3)の層を有する。
【0065】
さらなる好ましい実施態様において、真珠光沢顔料は、顔料の合計重量に基づいて、0.5重量%未満の鉄(III)酸化物含有量を有する。鉄酸化物におけるFeイオンのすべての他の量は、還元されたFe(II)酸化状態にある。
【0066】
残りのFe(III)イオンの比較的高い量は、望ましくない茶色系の吸収色を生じるであろう。
【0067】
Fe(II)又はFe(III)の量は、メスバウアー分光法又はXPS分析によって決定でき、スパッタプロファイルと組み合わせてよい。
【0068】
さらなる好ましい実施態様において、イオン化合物の合計量は、元素鉄として算出したときに、本発明に係る銀系真珠光沢顔料中で、5.0重量%未満であり、好ましくは、1重量%~4.3重量%であり、特に好ましくは1.4重量%~2.9重量%である。
【0069】
そのような低量のFeで、銀色が良好に発色できる。5重量%よりも高い量は、強すぎる吸収色を有する真珠光沢顔料を生じる。
【0070】
さらなる好ましい実施態様において、タイプ(a)の真珠光沢顔料は、コーティングの関数として、下記の式(III)に従う、1~8の範囲の、鉄/チタン重量比を有する:
【数1】
【0071】
式中、「鉄含有量」は、元素鉄として算出したときの、鉄化合物の量を示し、「チタン含有量」は、元素チタンとして算出したときの、チタン化合物の量を示し、それぞれ、真珠光沢顔料中であり、かつ真珠光沢顔料の合計重量に基づく。「コーティングの割合(重量%)」は、真珠光沢顔料の合計重量に基づく、基質に適用される全コーティングのうちの、重量割合を示す。好ましくは、このパラメータは、2~7.5の範囲であり、特に好ましくは2.5~7の範囲であり、非常に特に好ましくは、3~6の範囲である。
【0072】
このパラメータは、特に、真珠光沢顔料が、この特殊なエフェクト顔料混合物において要求される銀系の色を有することを確保する。
【0073】
他の実施態様(ii)において、銀系真珠光沢顔料が、チタン亜酸化物を含み若しくはチタン亜酸化物からなるn>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質(透明基質)を有し、又は、随意にn>1.8を有する高屈折率層でコーティングされており、チタン亜酸化物を含み若しくはチタン亜酸化物からなるn>1.8の高屈折率層を有する基質を有する。
【0074】
第2の種類の顔料のn>1.8を有する高屈折率層は、基質のチタン亜酸化物とは異なる材料でできており、好ましくはTiO2である。
【0075】
コーティングされたチタン亜酸化物層又はチタン亜酸化物基質は、チタンの形式酸化数が4未満であるチタン酸化物を意味している。これらは、下記の式で表すことができる:
TinO2n-1 (II)
式中、nは、1~100の整数であり、好ましくは1~10である。そのような化合物の典型的な例は、TiO、Ti2O3、Ti3O5、Ti4O7である。そのような種の任意の混合物も含まれる。
【0076】
さらなる実施態様において、チタン亜酸化物含有量は、合計顔料に基づいて5%未満であってよく、上記チタン亜酸化物の主成分が、Ti2O3である。
【0077】
チタン亜酸化物を有する市販の真珠光沢顔料の例は、Iriodin(商標)9605(Mrck、メルク)である。
【0078】
別の実施態様(iii)において、銀系真珠光沢顔料は、チタン酸窒化物を含有し又はチタン酸窒化物からなる、n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質(透明基質)を含む。
【0079】
チタン酸窒化物は、下記の一般式で表現できる:
TixNyOz (III)
式中、xは0.2~0.6、yは0.05~0.6、zは0.1~0.9であり、チタン一酸化物における窒素の固溶体を含む。
【0080】
そのような真珠光沢顔料は、US4,623,396Aで記載されている。強い青色又は青系の色合いを有する真珠光沢顔料が、EP332071A1又はEP735115A1に記載されている。ここでは、第1のTiO2層が、アンモニアによって、750℃~850℃の範囲の温度で還元される。第1工程で堆積されるTiO2層の光学的厚みが50~100nmの範囲である場合に、銀系エフェクト顔料が得られる。
【0081】
EP842229B1に記載されている真珠光沢顔料では、第一に、小板状のTiO2基質が、エンドレスバンド上におけるチタン化合物の加水分解性水溶液の固化によって形成される。これらの基質を、さらにTiO2又は他の金属酸化物でコーティングしてよく、かつ還元条件下で焼成してよい。
【0082】
そのような市販の真珠光沢顔料の例は、Paliocrom Blausilber L6000(BASF Colors and Effects GmbH)である。
【0083】
さらなる実施態様において、真珠光沢顔料(a)~(c)自体の混合物若しくは組み合わせ、又は、真珠光沢顔料(a)~(e)で言及された種々のコーティング層の混合物若しくは組み合わせを有する真珠光沢顔料を、用いることができる。
【0084】
例えば、チタン亜酸化物及びチタン酸窒化物の混合物又は組み合わせのコーティングを含む真珠光沢顔料を用いることができる。
【0085】
プリントインクにおける真珠光沢顔料の濃度は、好ましくは、3.0~10.0重量%、より好ましくは3.5~8.0重量%、より好ましくは4.0~7.0重量%であり、それぞれ、プリントインクの合計重量を参照している。そのような比較的高い濃度は、レーザー光の衝撃によって十分な顔料材料を移すために、必要である。
【0086】
<フレーク状金属顔料>
フレーク状の金属顔料は、主に、照射される電磁波、特にはレーザー光に関して吸収性の顔料としての機能を有する。これらは、好ましくは、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、スズ、及びそれらの合金、例えばスチール又は金ブロンズでできていてよい。より好ましくは、フレーク状の金属顔料は、アルミニウム、銅、鉄、及び金ブロンズであり、最も好ましくは、アルミニウムフレーク状の金属顔料である。
【0087】
他の実施態様では、フレーク状の金属顔料が、装飾機能を有してもよい。したがって、結果として得られるプリントは、真珠光沢顔料と金属効果(金属エフェクト)との混合になる。
【0088】
フレーク状の金属顔料は、ミリング処理法によって、CVD法によって、又はPVD法によって、製造できる。
【0089】
小板状のアルミニウムエフェクト顔料は、アルミニウム又はアルミニウムに基づく合金のショットの破砕によって得ることができる。破砕工程は、典型的には、ボールミル中で、公知のHall法に従って、溶媒状のホワイトスピリット、溶媒ナフタ、又はイソプロパノールを用いて、かつ破砕助剤として脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、又はこれらの混合物を用いて行われる。これらは、比較的不規則な端部、例えば「コーンフレーク」タイプの端部、又は、比較的丸みを帯びた端部、例えば「シルバーダラー」タイプの端部を有してよい。
【0090】
好ましい実施態様において、フレーク状の金属顔料は、PVD顔料であり、最も好ましくは、アルミニウムPVD顔料である。
【0091】
フレーク状の金属顔料は、従来技術で知られている任意のサイズを有してよい。好ましい実施態様において、フレーク状の金属エフェクト顔料は、1~100μmの範囲の、より好ましくは1.5~60μmの範囲の、さらにより好ましくは1.8~40μmの範囲の、最も好ましくは1.9~25μmの範囲の、さらに最も好ましくは2~12μmの範囲の、D50を有する。最も好ましい範囲は、また、4~40μmであり、より好ましくは5~30μmである。
【0092】
フレーク状の金属顔料の粒子サイズ(粒径)が一般的な市販の金属エフェクト顔料の範囲でありうる点は、大きな利点である。EP1942158A2又はEP1862511A1によって例示される従来のインクジェットプリント法とは対照的に、非常に小さいサイズの金属エフェクト顔料を用いる必要なはい。従来のインクジェットプリントインク法では、非常に小さい金属エフェクト顔料が必要であり、なぜならば、そうでない場合には、インクジェット設備のノズル及びチューブが詰まるからである。しかしながら、そのような小さい金属エフェクト顔料は、追加の工程において、通常は超音波衝撃を用いて、破砕される必要がある。
【0093】
粒子サイズ分布(粒度分布)は、レーザー散乱粒度分布法によって、Helos/BRマルチレンジ(Sympatec)装置を用いて、製造者の指示及びISO13320-1に従って、計測される。アルミニウムエフェクト顔料は、イソプロパノール中に、攪拌下で、粒度分布を計測する前に、溶解される。粒子サイズ関数は、フラウンホーファー近似で、等価球体の体積加重頻度分布として算出される。D50のメジアン値は、計測した粒子の50%が、(体積平均分布において)この値未満であることを意味する。
【0094】
フレーク状の金属顔料の厚み分布のメジアンh50によって表現される平均厚みは、10nm~1000nmの範囲、好ましくは15nm~400nm、より好ましくは15nm~120nm、最も好ましくは10~70nmであり、最も好ましい範囲は、15~50nmであってよい。
【0095】
最も好ましくは、フレーク状の金属顔料は、15~50nmの範囲のh50を有するPVDアルミニウムエフェクト顔料である。
【0096】
一般に、フレーク状の金属顔料の厚みは、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて決定できる。この目的のために、粒子を、約10重量%の濃度で、2成分クリアコート(Autoclear Plus HS、Sikkens GmbH製)中に、スリーブブラシで取り込み、フィルムに、スパイラルアプリケータによって適用し(湿フィルム厚26μm)、乾燥させる。24時間の乾燥時間の後で、これらのアプリケータのドローダウンの横断切片を製造した。横断切片を、SEM(Zeiss supra 35)によって、SE(二次電子)検出器を用いて分析した。小板粒子の値分析のためには、これらの粒子は、基質に対して面平行に良好に配置されている必要があり、それによって、整列していないフレークによって生じる傾斜角度の系統誤差を最小化する。
【0097】
ここで、十分な数の粒子を計測する必要があり、そのようにして、代表的な平均値を提供する。慣用的に、約100粒子を測定する。h50値は、この方法によって決定される粒子厚み分布のメジアン値である。このh50値は、平均厚みの計測値として用いることができる。
【0098】
厚み分布の決定の詳細な手順及びフレーク状の金属顔料のh50値は、EP1613702B1にも記載されている。
【0099】
いくつかの実施態様では、フレーク状の金属顔料が、反応性PVD法によって部分酸素含有雰囲気中で製造される黒色PVD顔料(ブラックPVD顔料)である。そのようなエフェクト顔料は、EP2262864B1に記載されている。これらの黒色金属PVD顔料は、電磁波を極めて良好に吸収し、したがって、吸収性顔料として非常に効果的である。
【0100】
<フレーク状の真珠光沢顔料及びフレーク状の金属顔料を含有するプリントインク>
2つのエフェクト顔料の最適な比は、フレーク状の金属顔料の性質と、真珠光沢顔料の性質とに依存し、当業者によって、過度な努力なしで決定できる。特に、これは、パルスレーザー又はCWレーザーを放射源として用いて区別できるはずである。また、いくつかの場合には、区別が、レーザー透過性の高屈折率金属酸化物又はレーザー吸収性高屈折率金属酸化物コーティングを有する真珠光沢顔料を用いたときに、観察された。
【0101】
エネルギー吸収のために必要なフレーク状の金属顔料の量は、通常は少量であり、特に、パルスレーザーをエネルギー射出装置として用いる場合には、プリントインク中におけるフレーク状の金属顔料の濃度が、一般的に、好ましくは、0.01~1.50重量%の範囲であり、より好ましくは0.02~1.25重量%の範囲であり、それぞれ、合計プリントインクを参照している。
【0102】
ここで、真珠光沢顔料がレーザー透過性真珠光沢顔料である場合には、インクにおけるフレーク状の金属顔料濃度のさらなる好ましい範囲は、0.02~0.50重量%であり、より好ましい範囲は0.02~0.40重量%である。特には、最後の範囲において、レーザーエネルギーの大きな範囲内でのプリントを達成できる。
【0103】
真珠光沢顔料がレーザー吸収性真珠光沢顔料である場合には、プリントインク中におけるフレーク状の金属顔料濃度のさらなる好ましい範囲は、0.020~0.50重量%であり、より好ましくは0.020~0.40重量%である。特に、最後の範囲において、レーザーエネルギーの大きな範囲内でのプリントを達成できる。
【0104】
レーザーがパルスレーザーである場合には、プリントインク中に含有されるエフェクト顔料混合物における、フレーク状の金属エフェクト顔料の、フレーク状の真珠光沢顔料に対する重量比が、好ましくは、0.002~0.30であり、より好ましくは0.004~0.25である。0.002未満では、エネルギー吸収の効果が十分に強くなく、0.30超では、フレーク状の金属顔料の光学特性が、真珠光沢顔料の特性よりも優勢であり、又はさらには、最終的なプリントにおける破壊的な効果が観察されることがあり、その最もありうる理由としては、パルスレーザーの場合の金属エフェクト顔料への大きなエネルギー衝撃を理由とする過熱効果に起因すると考えられる。
【0105】
真珠光沢顔料が、レーザー透過性真珠光沢顔料である場合には、さらに好ましくは、プリントインク中に含有されるエフェクト顔料混合物中における、フレーク状の金属エフェクト顔料の、フレーク状の真珠光沢顔料に対する重量比が、0.008~0.20の範囲であり、より好ましくは0.020~0.060の範囲である。
【0106】
真珠光沢顔料が少なくとも1つのレーザー吸収性金属酸化物コーティングを有する場合には、さらに好ましくは、プリントインク中に含有されるエフェクト顔料混合物中における、フレーク状の金属エフェクト顔料の、フレーク状の真珠光沢顔料に対する重量比が、0.004~0.10の範囲であり、最も好ましくは、0.004~0.08の範囲である。
【0107】
特に、非常に低濃度で用いられる場合に、フレーク状の金属顔料は、照射される電磁波の吸収剤としてのみ作用し、十分な温度増加が確保され、したがって、プリントインクの、インプリント材料への良好な移動が確保される。最終的にプリントされた図において、フレーク状の金属顔料は、視覚効果に影響を及ぼさず、又はほとんど影響を及ぼさず、視覚効果は、真珠光沢顔料によって決定される。
【0108】
比較的高い濃度では、金属及び真珠光沢の効果の混合からもたらされる魅力的な光学的効果が、達成されうる。
【0109】
真珠光沢がレーザー透過性高屈折率金属酸化物でコーティングされ、かつCWレーザーを用いる場合、プリントインク中におけるフレーク状の金属顔料の濃度は、好ましくは、0.15~10.0重量%の範囲であり、より好ましくは0.20~5.0重量%であり、さらにより好ましくは0.25~1.50重量%であり、さらにより好ましくは0.30~1.25重量%の範囲であり、最も好ましくは0.35~1.00重量%であり、それぞれ、合計のプリントインクを参照している。
【0110】
特定の実施態様において、プリントされたフィルムにおける真珠光沢エフェクト(真珠光沢効果)を、フレーク状の金属顔料の、10重量%までのさらに高い濃度でも達成できる。通常は、この濃度ははるかに比較的低く、なぜならば、それらの有用な吸収特性に起因して、フレーク状の金属顔料を、低濃度で使用できるからである。比較的低い濃度では、真珠光沢効果も、最も良好に現れる。
【0111】
真珠光沢がレーザー透過性高屈折率金属酸化物でコーティングされ、かつレーザーがCWレーザーである場合、プリントインク中に含有される顔料混合物中における、フレーク状の金属エフェクト顔料の、フレーク状の真珠光沢顔料に対する重量比は、好ましくは、0.03~2.00の範囲であり、より好ましくは0.04~1.00の範囲であり、さらにより好ましくは0.050~0.30の範囲であり、さらにより好ましくは0.06~0.25の範囲であり、最も好ましくは0.07~0.20の範囲である。
【0112】
CWレーザーを用いる場合、通常は、プリントインクの顔料の基材への移動を確保するために、より多くのフレーク状金属顔料が必要であり、これはなぜならば、局所的なエネルギー衝撃が、パルスレーザーの場合よりも低いからである。特に、レーザー吸収性真珠光沢顔料の場合には、さらにより多くのフレーク状金属顔料が必要である。したがって、この場合には、プリントインク中でのフレーク状金属顔料の濃度は、好ましくは、0.45~10.0重量%の範囲であり、より好ましくは0.50~5.0重量%の範囲であり、さらにより好ましくは0.51~1.50重量%の範囲であり、よりさらに好ましくは0.55~1.25重量%の範囲であり、最も好ましくは0.60~1.00重量%の範囲であり、それぞれ、合計のプリントインクを参照している。この場合には、また、プリントインク中に含有される顔料混合物における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比は、好ましくは、0.095~2.00、より好ましくは0.10~1.00、さらにより好ましくは0.125~0.30の範囲、よりさらに好ましくは0.15~0.25の範囲であり、最も好ましくは0.15~0.20の範囲である。
【0113】
プリントインクは、追加的に、さらなる顔料若しくは染料、又はさらなるエフェクト顔料を含有してよい。これらのさらなる顔料は、有機顔料又は無機顔料であってよい。通常、そのような顔料は、色彩的な理由から添加されるが、吸収体顔料を生成するためには添加されない。想定されるところでは、フレーク状金属顔料は、照射される放射線に関して、好ましくはレーザー放射線に関して、吸収性顔料として主に作用する。
【0114】
好ましい実施態様では、フレーク状真珠光沢顔料の濃度及びフレーク状金属顔料の濃度が、プリントインク中の顔料及びエフェクト顔料の合計量に対して、80~100%の範囲、より好ましくは95~100%の範囲である。
【0115】
有利には、プリントインクは、粘度が0.05~0.5Pasとなるように選択される。
【0116】
特定の実施態様では、プリントインクが、追加的に、溶媒及びバインダ(結合剤)を含有する。Dowanol PM、二塩基エステル、メトキシブチルグリコール、アルコール、例えばエタノール。
【0117】
プリントインクの好ましいバインダとしては、PVB、エチルセルロース、(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリウレタン(1K若しくは2K)又はPVCが挙げられる。
【0118】
他の実施態様では、プリントインクが、溶媒の代わりに、モノマー又はオリゴマーを含有する(UV硬化性)。さらに、プリントインクは、インクをプリントする際に慣用的な他の含有物を含有してよく、例えば、拡散添加剤、膨張剤、レオロジー剤、例えば、増粘剤、発泡抑制剤、平坦化剤、カップリング剤、垂れ防止剤、腐食抑制剤、安定化剤、又は難燃剤を含有してよい。
【0119】
放射線誘起プリントの方法に関して本願で記載されているすべての特徴は、放射線誘起プリント法のためのプリントインク中におけるエフェクト顔料混合物の使用に関しても適用できる。
【0120】
<態様>
本発明の態様1によれば、これは、放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、下記の工程:
(A)エフェクト顔料を含むプリントインク(2)を、インク担体(1)の上にプリントすること、インク担体(インクキャリア)は、特定の波長で光学的に透過性である;これに続いて、
(B)インク担体を、プロセス期間の間に、一定の波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によって照射すること、このプリントインク(2)は、電磁波のエネルギーを吸収し、体積及び/又は位置における変化を受け、プリントインクの液滴の、インク担体からインプリント材料(6)への移動(転写)が起こる、
を含み、
プリントインクが:
(a)フレーク状の真珠光沢顔料(4)及び
(b)フレーク状の金属エフェクト顔料(5)
を含有するエフェクト顔料混合物を含有するという特徴を有する。
【0121】
本発明のさらなる態様2は、態様1に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、エネルギー射出装置が、レーザーである。
【0122】
本発明のさらなる態様3は、態様1又は2に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
エネルギー射出装置が、パルスレーザーであり、電磁波のパルスエネルギーが、0.10~0.90mJの範囲である。
【0123】
本発明のさらなる態様4は、態様1又は2に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
エネルギー射出装置が、CWレーザーであり、電磁波のエネルギーが、1~50mJの範囲である。
【0124】
本発明のさらなる態様5は、上記の態様のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、フレーク状金属エフェクト顔料が、1~100μmの範囲のD50を有する。
【0125】
本発明のさらなる態様6は、上記の態様のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、フレーク状の金属エフェクト顔料が、4~40μmの範囲のD50を有する。
【0126】
本発明のさらなる態様7は、上記の態様のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
フレーク状金属エフェクト顔料が、15~50nmの範囲の平均厚みを有し、且つ好ましくはPVDアルミニウムエフェクト顔料である。
【0127】
本発明のさらなる態様8は、上記の態様のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
フレーク状金属エフェクト顔料が、反応性PVDプロセスによって、部分酸素含有雰囲気中で製造されたPVD顔料に基づく。
【0128】
本発明のさらなる態様9は、上記の態様のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、透過性基質及び1.8超である屈折率を有する少なくとも1つの第1の金属酸化物を有し、この第1の金属酸化物が、レーザー透過性である。
【0129】
本発明のさらなる態様10は、態様9に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
少なくとも1つのレーザー透過性の第1の金属酸化物が、TiO2、ZrO2、SnO2、ZnO、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0130】
本発明のさらなる態様11は、上記の態様のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、高、低及び高の屈折率材料の少なくとも1つの層配列を有する複層構造を有し、高屈折率材料が、レーザー透過性であり、かつ1.8超の屈折率を有し、低屈折率材料が、透過性(透明)であり、1.6未満の屈折率を有する。
【0131】
本発明のさらなる態様12は、態様9又は10に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、フレーク状真珠光沢顔料が、高屈折率を有する第1のレーザー透過性金属酸化物でできている第1層2、及び高屈折率を有する第1のレーザー透過性金属酸化物でできている第2層3を有し、層2及び3が、それぞれ、少なくとも2つの金属イオンを有し、これらの層の間に、多孔性スペーサ層が配置されている。
【0132】
本発明のさらなる態様13は、態様1~12のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、透明基質、及び少なくとも1つの、1.8超の屈折率を有するレーザー吸収性金属酸化物を含む。
【0133】
本発明のさらなる態様14は、態様13に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、少なくとも1つのレーザー吸収性金属酸化物が、Fe2O3、Fe3O4、Fe(II)含有鉄酸化物、Cr2O3、SnO、Ti亜酸化物、Fe及びTi混合酸化物、CuO、Ce酸化物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0134】
本発明のさらなる態様15は、態様13又は14に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
真珠光沢顔料が、下記からなる群から選択される銀系真珠光沢顔料である:
(i)n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基材を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層は、Fe(II)イオンを含有する鉄酸化物を含み、又はFe(II)イオンを含有する鉄酸化物からなる、真珠光沢顔料
(ii)n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層が、チタン亜酸化物を含有し若しくはチタン亜酸化物からなる真珠光沢顔料、又は、n>1.8を有する高屈折率層を有する基質を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層が、チタン亜酸化物を含み若しくはチタン亜酸化物からなり、かつn>1.8を有するさらなる高屈折率層で随意にコーティングされている、真珠光沢顔料
(iii)n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層は、チタン酸窒化物を含有し若しくはチタン酸窒化物からなる、真珠光沢顔料、並びに、真珠光沢顔料(a)~(c)の混合物又は組み合わせ。
【0135】
本発明のさらなる態様16は、態様13又は14に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、高、低及び高の屈折率材料の少なくとも1つの層配列を有する複層構造を有し、高屈折率材料のうちの少なくとも1つが、1.8超の屈折率を有し、レーザー吸収性であり、低屈折率材料が、1.6未満の屈折率を有する。
【0136】
本発明のさらなる態様17は、態様13又は14に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、フレーク状真珠光沢顔料が、高屈折率を有する金属酸化物でできた第1層2、及び高屈折率を有する金属酸化物でできた第2層3を有し、層2及び3が、それぞれ、少なくとも2つの金属イオンを有し、これらの層の間に、多孔性のスペーサ層が位置している。
【0137】
本発明のさらなる態様18さらなる態様19は、態様9~12のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、レーザーが、パルスレーザーであり、プリントインク中でのフレーク状金属顔料の濃度が、0.02~1.50重量%、好ましくは0.02~1.25重量%、より好ましくは0.04~1.00重量%、最も好ましくは0.10~0.30重量%の範囲であり、それぞれ、合計のプリントインクを参照している。
【0138】
本発明のさらなる態様19は、態様に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
レーザーが、パルスレーザーであり、真珠光沢顔料が、態様9~12のいずれかに係る透過性の高屈折率層を有し、プリントインク中に含有されるエフェクト顔料混合物における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状の真珠光沢顔料に対する重量比が、0.002~0.30の範囲、好ましくは0.004~0.25の範囲、好ましくは0.008~0.20の範囲、最も好ましくは0.020~0.060の範囲である。
【0139】
本発明のさらなる態様20は、態様9~12のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、レーザーが、CWレーザーであり、プリントインク中でのフレーク状金属顔料の濃度が、0.15~10.0重量%の範囲、好ましくは0.20~5.0重量%の範囲、より好ましくは0.25~1.50の範囲、さらにより好ましくは0.30~1.25重量%の範囲、最も好ましくは0.35~1.00重量%の範囲であり、それぞれ、合計プリントインクを参照している。
【0140】
本発明のさらなる態様21は、態様9~12又は態様20に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
レーザーが、CWレーザーであり、プリントインク中に含有される顔料混合物における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比が、0.03~2.00の範囲、好ましくは0.04~1.00の範囲、より好ましくは0.05~0.30の範囲、さらにより好ましくは0.06~0.25の範囲、最も好ましくは0.07~0.20の範囲である。
【0141】
本発明のさらなる態様22は、態様13~17のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、レーザーが、パルスレーザーであり、プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、0.01~1.50重量%、好ましくは0.02~1.25重量%の範囲、より好ましくは0.020~0.50重量%の範囲、最も好ましくは0.020~0.40重量%の範囲であり、それぞれ、合計のプリントインクを参照している。
【0142】
本発明のさらなる態様23は、態様13~17に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
レーザーが、パルスレーザーであり、プリントインク中に含有される顔料混合物における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比が、0.002~0.30の範囲、好ましくは0.004~0.25の範囲、より好ましくは0.004~0.10の範囲、最も好ましくは0.004~0.08の範囲である。
【0143】
本発明のさらなる態様24は、態様13~17のいずれかに係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、レーザーが、CWレーザーであり、プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、0.45~10.0重量%の範囲であり、より好ましくは0.50~5.0重量%の範囲であり、さらにより好ましくは0.51~1.50重量%の範囲であり、さらにより好ましくは0.55~1.25重量%の範囲であり、最も好ましくは0.60~1.00重量%の範囲であり、それぞれ、合計プリントインクを参照している。
【0144】
本発明のさらなる態様25は、態様13~17又は態様24に係る放射線誘起プリントプロセスの方法に関し、
レーザーが、CWレーザーであり、プリントインク中に含有される顔料混合物における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比が、0.095~2.00の範囲、好ましくは0.10~1.00の範囲、より好ましくは0.125~0.30の範囲、さらに好ましくは0.15~0.25の範囲、最も好ましくは0.15~0.20の範囲である。
【0145】
本発明のさらなる態様26は、
(a)フレーク状真珠光沢顔料及び(b)フレーク状金属エフェクト顔料
を含むプリントインク中のエフェクト顔料の混合物の、放射線誘起プリント方法における使用、に関する。
【0146】
本発明のさらなる態様27は、態様26に係るエフェクト顔料の混合物の、下記の工程を有する放射線誘起プリントプロセスの方法における使用に関する:
(A)吸収性顔料を含むプリントインク(2)をインク担体(1)上にプリントすること、これは、特定波長において光学的に透明である;これに続いて、
(B)インク担体を、プロセス期間の間に特定波長を有する電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によって照射すること、プリントインク(2)は、電磁波のエネルギーを吸収し、体積及び/又は位置における変化を受け、プリントインクの液滴の、インク担体からインプリント材料(6)への移動が起こる。
【0147】
本発明のさらなる態様28は、態様26又は27に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
エネルギー射出装置が、レーザーである。
【0148】
本発明のさらなる態様29は、態様27又は28に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
エネルギー射出装置が、パルスレーザーであり、電磁波のパルスエネルギーが、0.10~0.9mJの範囲である。
【0149】
本発明のさらなる態様30は、態様27又は28に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
エネルギー射出装置が、CWレーザーであり、電磁波のエネルギーが、1~50mJの範囲である。
【0150】
本発明のさらなる態様31は、態様26~30のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、フレーク状金属エフェクト顔料が、1~100μmの範囲のD50を有する。
【0151】
本発明のさらなる態様32は、態様31に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、フレーク状金属エフェクト顔料が、4~40μmの範囲のD50を有する。
【0152】
本発明のさらなる態様33は、態様26~32のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状金属エフェクト顔料が、15nm~50nmの範囲の平均厚みを有し、好ましくはPVDアルミニウムエフェクト顔料である。
【0153】
本発明のさらなる態様34は、態様26~32のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状金属エフェクト顔料が、反応性PVDプロセスによって部分酸素含有雰囲気中で製造されるPVD顔料に基づく。
【0154】
本発明のさらなる態様35は、態様26~34のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、透過性基質、及び1.8超の屈折率を有する少なくとも1つのレーザー透過性金属酸化物を有する。
【0155】
本発明のさらなる態様36は、態様35に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
少なくとも1つのレーザー透過性金属酸化物が、TiO2、ZrO2、SnO2、ZnO及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0156】
本発明のさらなる態様37は、態様35又は36に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、高、低及び高の屈折率材料の少なくとも1つの層配列を有する複層構造を有し、高屈折率材料が、レーザー透過性であり、低屈折率材料が、透過性(透明)であり、かつ1.6未満の屈折率を有する。
【0157】
本発明のさらなる態様38は、態様35又は36のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、高屈折率を有する金属酸化物でできた第1層2、及び高屈折率を有する金属酸化物でできた第2層3を有し、層2及び3が、それぞれ、少なくとも2つの金属イオンを有し、これらの層の間に、多孔性のスペーサ層が位置している。
【0158】
本発明のさらなる態様39は、態様27又は28に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、透過性基材(透明基材)、及び、1.8超の屈折率を有する少なくとも1つのレーザー吸収性金属酸化物を有する。
【0159】
本発明のさらなる態様40は、態様39に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
少なくとも1つのレーザー吸収性金属酸化物が、Fe2O3、Fe3O4、Fe(II)含有鉄酸化物、Cr2O3、SnO、Ti亜酸化物、Fe及びTi混合酸化物、CuO、Ce酸化物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0160】
本発明のさらなる態様41は、態様39又は40に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
真珠光沢顔料が、下記からなる群から選択される銀系真珠光沢顔料である:
(i)n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層は、Fe(II)イオンを含有する鉄酸化物を含み、又はFe(II)イオンを含有する鉄酸化物からなる、真珠光沢顔料
(ii)n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層は、チタン亜酸化物を含有し若しくはチタン亜酸化物からなる、真珠光沢顔料、又は、n>1.8を有する高屈折率層を有する基質を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層は、チタン亜酸化物を含み若しくはチタン亜酸化物からなり、かつn>1.8を有する高屈折率層で随意にコーティングされている、真珠光沢顔料
(iii)n>1.8を有する高屈折率層でコーティングされた透過性基質を有する真珠光沢顔料であって、高屈折率層は、チタン酸窒化物を含有し若しくはチタン酸窒化物からなる、真珠光沢顔料、並びに、
真珠光沢顔料(i)~(iii)の混合物又は組み合わせ。
【0161】
本発明のさらなる態様42は、態様39又は40に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、高、低及び高の屈折率材料の少なくとも1つの層配列を有する複層構造を有し、高屈折率材料の少なくとも1つが、1.8超の屈折率を有し、吸収性であり、かつ低屈折率材料が、1.6未満の屈折率を有する。
【0162】
本発明のさらなる態様43は、態様39又は40に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
フレーク状真珠光沢顔料が、高屈折率を有する金属酸化物でできた第1層2、及び、高屈折率を有する金属酸化物でできた第2層3を有し、層2及び3が、それぞれ、少なくとも2つの金属イオンを有し、これらの層の間に、多孔性のスペーサ層が位置している。
【0163】
本発明のさらなる態様44は、態様35~38のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
レーザーが、パルスレーザーであり、プリントインク中でのフレーク状金属顔料の濃度が、0.01~1.50重量%の範囲、好ましくは0.02~1.25重量%の範囲、より好ましくは0.04~1.00重量%の範囲、最も好ましくは0.10~0.30重量%の範囲であり、それぞれ、合計のプリントインクを参照している。
【0164】
本発明のさらなる態様45は、態様35~38に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
レーザーは、パルスレーザーであり、顔料混合物中における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比が、0.002~0.30の範囲、好ましくは0.004~0.25の範囲、より好ましくは0.008~0.20の範囲、最も好ましくは0.020~0.060の範囲である。
【0165】
本発明のさらなる態様46は、態様35~38のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
レーザーが、CWレーザーであり、プリントインク中でのフレーク状金属顔料の濃度が、0.15~10.0重量%の範囲、好ましくは0.20~5.0重量%の範囲、より好ましくは0.25~1.50重量%の範囲、さらにより好ましくは0.30~1.25重量%の範囲、最も好ましくは0.35~1.00重量%の範囲であり、それぞれ、合計プリントインクを参照している。
【0166】
本発明のさらなる態様47は、態様35~38に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
レーザーは、CWレーザーであり、プリントインク中に含有される顔料混合物における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比は、0.03~2.00の範囲、好ましくは0.04~1.00の範囲、より好ましくは0.050~0.30の範囲、よりさらに好ましくは0.06~0.25の範囲、最も好ましくは0.07~0.20の範囲である。
【0167】
本発明のさらなる態様48は、態様39~43のいずれかに係るエフェクト顔料混合物の使用に関し、
レーザーは、パルスレーザーであり、プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、0.01~1.50重量%、好ましくは0.02~1.25重量%、より好ましくは0.020~0.50重量%、最も好ましくは0.020~0.40重量%の範囲であり、それぞれ、合計のプリントインクを参照している。
【0168】
本発明のさらなる態様49は、態様39~43のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
レーザーが、パルスレーザーであり、プリントインク中に含有される顔料混合物中における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比が、0.002~0.30の範囲、好ましくは0.004~0.25の範囲、より好ましくは0.004~0.10の範囲、最も好ましくは0.004~0.08の範囲である。
【0169】
本発明のさらなる態様50は、態様39~43のいずれかに係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
レーザーが、CWレーザーであり、プリントインク中でのフレーク状金属顔料の濃度が、0.45~10.0重量%、より好ましくは0.50~5.0重量%、さらにより好ましくは0.51~1.50重量%、さらにより好ましくは0.55~1.25重量%、最も好ましくは0.60~1.00重量%の範囲であり、それぞれ、合計プリントインクを参照している。
【0170】
本発明のさらなる態様51は、態様39~43に係るエフェクト顔料の混合物の使用に関し、
レーザーが、CWレーザーであり、プリントインク中に含有される顔料混合物における、フレーク状金属エフェクト顔料の、フレーク状真珠光沢顔料に対する重量比が、0.095~2.00の範囲、好ましくは0.10~1.00の範囲、より好ましくは0.125~0.30の範囲、さらに好ましくは0.15~0.25の範囲、最も好ましくは0.15~0.20の範囲である。
【実施例】
【0171】
比較例群1:
種々の真珠光沢顔料(すべてEckart GmbHから)を選択し、試験プリントインク中に適用した。真珠光沢顔料は、WO2019/154980A1によって提案されるようにして、純粋な形態で用いた。比較例1aは、真珠光沢顔料ではなく、透明基質(合成マイカ)のみを用いた。
【0172】
試験インク組成は、下記のとおりであった:
メトキシメチルブタノール(溶媒): 53.2重量%
Disperbyk 111(添加剤): 0.80重量%
ヒドロキシプロピルセルロース(増粘剤、Klucel H): 6.0重量%
Mowital B2OH(PVB;バインダ): 30.0重量%
真珠光沢顔料: 10.0重量%
【0173】
真珠光沢顔料を含有するインクを、ドローダウンによって、60μmドクターナイフを用いて、約2mmの厚みを有するガラスプレート上に適用した。最大出力20Wを有するマーキングレーザー(sicマーキング XBox)を、周波数20kHzかつ波長1064mmで用い、ガラスプレートの背面から、インクドローダウンを照射した。プローブは不動であり、レーザービームが、プローブを、4m/sの速度で走査した。
【0174】
ガラスプレートの近くに、プラスチック基材が、約2mmの距離で、100の個々のストライプを伴って位置していた。それぞれのストライプを潜在プリントプロセスに供し、レーザー出力を、徐々に、1~100%の出力へと増加させた。ストライプパターンは、
図2に示されている。
【0175】
レーザー出力の100%に対応する最大パルスエネルギーは、1.00mJであった。用いたレーザー周波数は、25,000 1/sであった。これから、パルスエネルギーは、下記の単純な式を用いて計算できた:
E[mJ]=出力[mW]/周波数[1/s] (IV)
【0176】
表1において、真珠光沢顔料が、それらのサイズ範囲及びそれらの主な層組成とともに記載されており、真珠光沢顔料の、プラスチック基材への許容可能な移動が観察されたレーザーしきい値エネルギーが示されている。
【0177】
【0178】
比較例1b~1eの真珠光沢顔料は、透過性顔料(透明顔料)であり、また、レーザー透過性顔料であり、なぜならば、TiO2は、可視範囲かつレーザー波長1064nmで非吸収性の金属酸化物だからであり、無論、ガラスフレーク基質も、非吸収性である。これらの真珠光沢顔料は、移されるために(転写されるために)、非常に高いレーザー出力を必要とする。理論によって限定する意図はないが、これらの顔料は、レーザービームから十分なエネルギーを吸収できず、なぜならば、ここでは、色が、純粋に干渉色であり、レーザー光の吸収を有しないからであると考えられる。したがって、エネルギーを真珠光沢顔料に移すことができず、レーザーエネルギーは、真珠光沢顔料を破壊することなく省エネルギープリントプロセスを確保するためには、高すぎる。
【0179】
用いた他のすべての真珠光沢顔料は、吸収性タイプであり、なぜならば、これらは、赤色のFe2O3を有していたからである。文献データによれば、ヘマタイトは、可視範囲で開始される吸収バンドを有する。IR領域において、1064nmで、吸収が減少する(吸収係数:0.011、屈折率:2.75)。吸収は強くはないが、これらの真珠光沢顔料は、プリントプロセスの間に移されるために活性化されるために驚くほどに比較的少ないエネルギーを必要とする。
【0180】
驚くべきことではないが、比較例1kの黒色真珠光沢顔料は、移されるために(転写されるために)、最も低い出力(16%)又はパルスエネルギーを必要とした。
【0181】
比較例1h及び1iに係る真珠光沢顔料は、複層顔料であり、低屈折率の中間層が、いわゆる「スペーサ層」であり、これは、主成分としての中空空間及び接続部から構成されていた。そのような真珠光沢顔料は、EP3034562B1、EP3034563B1、及びEP3234024B1に記載されている。
【0182】
非吸収性の真珠光沢顔料(比較例1c)及び吸収性真珠光沢顔料(比較例1i)を、望ましいプリントプロセスのためのレーザーエネルギーを低減するために、さらに選択した。
【0183】
実施例群2:
一連のプリントインクを、本質的に一定量の真珠光沢顔料Luxan B001(比較例1c)及び種々の量のPVD金属エフェクト顔料分散体(Metalure(商標)A-41008MB、PVDアルミニウム顔料の10重量%分散体、Eckart GmbH製)を用いて調製した。成分に関する詳細及びそれらの濃度を、表2で見ることができる。
【0184】
溶媒中に分散されたバインダの量は、95重量部で一定とした。これらの95重量部のバインダは、下記成分から構成されていた:
メトキシメチルブタノール(溶媒): 90.85重量部
Disperbyk 111(添加剤): 0.84重量部
ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel H): 0.13重量部
Mowital B2OH(PVB;バインダ): 3.17重量部
【0185】
実施例群3:
一連のプリントインクを、一定量の真珠光沢顔料Edelstein(商標)Topaz Orange(比較例1i)及び種々の量のPVD金属エフェクト顔料分散体(Metalure(商標)A-41008MB、PVDアルミニウム顔料の10重量%分散体、Eckart GmbH製)を用いて調製した。実施例群2と同一のインク成分を用いた。成分及びこれらの濃度に関する詳細を、表2で見ることができる。
【0186】
真珠光沢顔料を含有するインクサンプルを、ドローダウンによって、ガラスプレート上に適用した。最大出力20Wを有するパルスマーキングレーザー(sicマーキング XBox)を、周波数20kHzで用い、ガラスプレートの背面から、インクドローダウンを照射した。プローブは不動であり、レーザービームが、プローブを、4m/sの速度で走査した。
【0187】
ガラスプレートの近くに、プラスチック基材が、約2mmの距離で、100の個々のストライプを伴って位置していた。それぞれのストライプを潜在プリントプロセスに供し、レーザー出力を、徐々に、1から100%への出力に増加させた。テストストライプパターンは、
図1に示されている。100%のレーザー出力に対応する最大パルスエネルギーは、1mJであった。
【0188】
ぞれぞれのプリントパターンを、下記の基準に従って、レーザーで用いたエネルギー域(エネルギーレジーム)に関して評価した:
(a)最大エネルギー(しきい値レベル)は、基材への真珠光沢顔料の移動が観察される開始であった、
(b)良好な真珠光沢効果の出現、
(c)全体的な光学的外観、これは、全体的な光学的効果を意味しており、なぜならば、高すぎるレーザーエネルギーでは、フレーク状金属顔料の破壊が観察されたからである。最後に、レーザーエネルギーの全体的な域(レジーム)を評価し、プリントが可能であったこと、及び真珠光沢外観を有する魅力的な光学的効果が観察されたこと、を評価した。これらの評価の結果を、表2に示す。レーザーは、%での出力レベルによって特徴づけ、かつ、これの下で、mJでの算出パルスエネルギーとして特徴づける。
【0189】
【0190】
【0191】
一連の実施例2及び実施例3のサンプルのいくつかは、また、CWレーザーを用いた別の構成でもプリントされた。
【0192】
CWレーザーを用いたLIFTプリント例
一連の実施例2及び実施例3のサンプルを、LIFTプリントプロセスで用いた。用いたLIFT装置は、原則として、WO2019/175056A1に記載されており、特に、その
図1に記載されていた。LIFTプリント装置において、インクユニットは、表3に列挙されているとおりにそれぞれのインクのサンプルを備えていた。インクユニットを調節して、インクリボンが均一なインク層で連続的にコーティングされるようにし、かつ湿フィルム厚みが約25μmであるようにした。インクは、リボンのそれぞれの回転の後で新しくされて、均一なプリント条件を確保する。
【0193】
そして、レーザーを調節して、焦点がリボンを正確に通過してインクに集まるようにする。インク中で、レーザーが、対向する基材上にインクを配置する熱光効果を、接触なしで、誘起する。基材からプリントヘッドまでの距離は一定に保持する。
【0194】
用いるレーザーは、IPG社からのファイバーレーザーであり、1080nmの波長を有する。レーザー自体は、CWレーザーであり、最大出力300Wを有する。作動又はプリント焦点は、約50μmの直径を有する。レーザーは、慣用的な様式で、0.2mm開口部を有する慣用的な光学モジュレータを介して切り替えた。
【0195】
レーザーエネルギーは、安定的な顔料移動が観察されるまで増加させた。それぞれのレーザーエネルギーを記録した。ドットあたりのレーザーエネルギーを、そこから、焦点直径及びスキャン速度(約400m/s)を考慮して算出した。種々の幅広いパターンを含むプリントのための慣用的な試験パターンを評価に用いた。プリントされた試験パターンの品質を、プリントパターンの視覚的な検査と組み合わせた定量的な記録系によって評価した。「劣る」と示されたすべてのサンプルは、プリントのために用いることができなかったものである(比較例)。
【0196】
追加的に、WO2019/154980A1に係る純粋な真珠光沢顔料(フレーク状金属顔料のないもの)を有するプリントインクを伴う4つの比較例を、この構成においてプリントした。これらの真珠光沢顔料は、SnO2ドープTiO2層を高屈折率材料として含む。詳細及び結果を表3に示す。
【0197】
比較例4a:Spectraval(商標)白(メルクKGA)
比較例4b:Spectraval(商標)緑(メルクKGA)
比較例4c:Spectraval(商標)赤(メルクKGA)
比較例4d:Spectraval(商標)青(メルクKGA)
【0198】
【0199】
実験結果:
比較例1cの非吸収性の真珠光沢顔料に関して、ひときわ驚くべきことに、顔料移動のレーザー出力の比較的低いパルスエネルギーが、非常に低い濃度の金属エフェクト顔料に関してさえも観察できた(表2a、bにおける実施例2a~2f)。これらの実施例のすべてに関して、レーザーエネルギーの領域は、真珠光沢効果の現出及び均一にプリントされたフィルムに関して良好なプリント結果を示した。興味深いことに、比較的高い金属顔料含有量を有する実施例は、レーザーエネルギーの比較的低い域を有するのみであり、非常に良好な真珠光沢効果が得られ、また、全体的な光学特性が良好であった。低すぎるレーザーエネルギーを用いた場合には、エフェクト顔料の移動は、満足のいく様式で達成されなかった。高すぎるレーザーエネルギーを用いた場合には、光学的外観が、顔料、特には金属顔料の増加したずれによって乱されていた。これらの極端例の間において、顔料移動及びプリントが、満足のいく様式で可能であった。
【0200】
特に、実施例2e及び2fは、良好な全体的な光学的外観をもたらす非常に範囲の広いレーザーエネルギーの範囲を示した。
【0201】
比較例1iの吸収性真珠光沢顔料に関して、真珠光沢顔料の移動のエネルギーは、また、比較的高い金属顔料濃度で、28%から12%又は13%へと低下していた。これらの濃度(実施例3a~3d)で、非吸収性真珠光沢顔料の場合と比較可能な移動エネルギーが観察され、これは、移動が、主に、金属エフェクト顔料を介したエネルギー吸収によって誘起されることを示す。興味深いことに、移動エネルギーは、実施例2e及び2fと比較したときに、実施例3e及び3fに関して増加した。
【0202】
全体的に良好な光学的外観を得るレーザーエネルギー域は、実施例3a~3fに関して、一連の実施例2の対応する実施例の場合よりも広かった。推測されるところでは、透明な真珠光沢顔料の場合には、金属エフェクト顔料の効果が強く促進され、レーザーエネルギーが真珠光沢顔料によってフィルターされないと考えられる。したがって、「高い」金属エフェクト顔料濃度に関して、高すぎるレーザーエネルギーの良くない影響は、比較的早く見られる。
【0203】
実施例3g~3jに関して、真珠光沢顔料移動のためのエネルギーは、減少する金属エフェクト顔料含有量とともに、徐々に増加し、しかしながら、なおも、純粋な真珠光沢顔料(比較例1)に関して観察された28%よりも下である。レーザーエネルギー域は、常に、比較的広く、比較的広範囲の適用可能なレーザーエネルギーが確保される。
【0204】
CWレーザーを用いてLIFTプリント法で行われたプリント実験(表3)に関して、実施例2b~eは、非常に低いレーザーエネルギーで容易にプリントすることができ、「良好」から「より平均的」のプリント結果をもたらした。比較例2fのプリント結果は、移動できるが、プリント結果は満足のいくものではなく、不均一な印刷画像が得られた。同様に、実施例3a~dは、増加したレーザーエネルギーを用いて、減少した量のPVDアルミニウムフレークで、良好に移動されかつプリントされることができた。しかしながら、比較例3dは、満足のいくプリント結果を生じず、したがって、比較例として表示された。
【0205】
さらに、比較例3e~jのインクは、まったく移動されず、したがって、プリントされなかった。ここでは、吸収性の金属顔料の量は、低すぎたようであった。顔料移動は、フレーク状金属顔料の添加なしの真珠光沢顔料に関して、全く観察されなかった(比較例4a~d)。CWモードでのエネルギーは、低すぎて、この場合には、純粋な真珠光沢顔料が移動されなかったようである。さらに、実施例2の群の純粋な真珠光沢顔料(Luxan B001)及び実施例3の群(Edelstein(商標)Topaz orange)をLIFTプリントにおいてCWレーザーで用いた場合には、顔料移動は、観察されなかった(表3では示さず)。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0205
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0205】
さらに、比較例3e~jのインクは、まったく移動されず、したがって、プリントされなかった。ここでは、吸収性の金属顔料の量は、低すぎたようであった。顔料移動は、フレーク状金属顔料の添加なしの真珠光沢顔料に関して、全く観察されなかった(比較例4a~d)。CWモードでのエネルギーは、低すぎて、この場合には、純粋な真珠光沢顔料が移動されなかったようである。さらに、実施例2の群の純粋な真珠光沢顔料(Luxan B001)及び実施例3の群(Edelstein(商標)Topaz orange)をLIFTプリントにおいてCWレーザーで用いた場合には、顔料移動は、観察されなかった(表3では示さず)。
本開示に係る発明は、下記の態様を含む:
<態様1>
放射線誘起プリントプロセス方法であって、下記の工程:
(A)エフェクト顔料を含むプリントインク(2)をインク担体(1)上にプリントすること、インク担体は、特定波長で光学的に透明である;これに続き、
(B)プロセス期間の間に前記特定波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置で、前記インク担体を照射すること、ここで、前記プリントインク(2)が、前記電磁波のエネルギーを吸収して、体積及び/又は位置における変化を受けて、前記インク担体からインプリント材料(6)への前記プリントインクの液滴の移動が起こる、
を含み、
前記プリントインクが、
(a)フレーク状真珠光沢顔料(4)及び
(b)フレーク状金属エフェクト顔料(5)
を含有するエフェクト顔料混合物を有すること、を特徴とする、
方法。
<態様2>
前記エネルギー射出装置が、レーザーである。態様1に記載の放射線誘起プリントプロセス方法。
<態様3>
態様1又は2に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状金属エフェクト顔料が、15~50nmの範囲の平均厚みを有し、好ましくはPVDアルミニウムエフェクト顔料である、方法。
<態様4>
態様1~3のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状の真珠光沢顔料が、レーザー透過性基質、及び、1.8超の屈折率を有する少なくとも1つの第1の金属酸化物を含有し、この少なくとも1つの第1の金属酸化物が、レーザー透過性である、方法。
<態様5>
態様4に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記少なくとも1つのレーザー透過性の第1の金属酸化物が、TiO
2
、ZrO
2
、SnO
2
、ZnO及びこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
<態様6>
態様1~5のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状真珠光沢顔料が、透過性基質、及び、1.8超の屈折率を有する少なくとも1つの第2の金属酸化物を有し、この第2の金属酸化物が、レーザー吸収性である、方法。
<態様7>
態様6に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記少なくとも1つのレーザー吸収性の第2の金属酸化物が、Fe
2
O
3
、Fe
3
O
4
、Fe(II)含有鉄酸化物、Cr
2
O
3
、SnO、Ti亜酸化物、Fe及びTiの混合酸化物、CuO、Ce酸化物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
<態様8>
態様1~7のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記エネルギー射出装置が、パルスレーザーであり、前記電磁波の前記パルスエネルギーが、0.10~0.90mJの範囲である、方法。
<態様9>
態様8に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記レーザーが、パルスレーザーであり、前記プリントインク中のフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.01~1.50重量%の範囲である、方法。
<態様10>
態様1~7のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記エネルギー射出装置が、CWレーザーであり、前記電磁波のエネルギーが、1~50μJの範囲である、方法。
<態様11>
態様4又は5及び10のいずれかに記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.15~10.0重量%の範囲である、方法。
<態様12>
態様6又は7及び10のいずれか一項に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記レーザーは、CWレーザーであり、前記プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.45~10.0重量%の範囲である、方法。
<態様13>
(a)フレーク状真珠光沢顔料及び(b)フレーク状金属エフェクト顔料
を含有する、プリントインク中のエフェクト顔料の混合物の、放射線誘起プリント法における、使用。
<態様14>
態様13に記載のエフェクト顔料の混合物の、下記の工程を含む放射線誘起プリントプロセス方法における、使用:
(A)吸収性の顔料を有するプリントインク(2)をインク担体(1)の上にプリントすること、インク担体は、特定波長において光学的に透明である:これに続き、
(B)前記インク担体を、プロセス期間の間に前記特定波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によって照射すること、ここで、前記プリントインク(2)が、前記電磁波のエネルギーを吸収し、前記インク担体からインプリント材料(6)への前記プリントインクの液滴の移動をもたらす体積及び/又は位置における変化を受ける。
<態様15>
態様13又は14に記載のエフェクト顔料の混合物の、態様2~12に記載の放射線誘起法における、使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線誘起プリントプロセス方法であって、下記の工程:
(A)エフェクト顔料を含むプリントインク(2)をインク担体(1)上にプリントすること、インク担体は、特定波長で光学的に透明である;これに続き、
(B)プロセス期間の間に前記特定波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置で、前記インク担体を照射すること、ここで、前記プリントインク(2)が、前記電磁波のエネルギーを吸収して、体積及び/又は位置における変化を受けて、前記インク担体からインプリント材料(6)への前記プリントインクの液滴の移動が起こる、
を含み、
前記プリントインクが、
(a)フレーク状真珠光沢顔料(4)及び
(b)フレーク状金属エフェクト顔料(5)
を含有するエフェクト顔料混合物を有すること、を特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記エネルギー射出装置が、レーザーである。請求項1に記載の放射線誘起プリントプロセス方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状金属エフェクト顔料が、15~50nmの範囲の平均厚みを有し、好ましくはPVDアルミニウムエフェクト顔料である、方法。
【請求項4】
請求項1
又は2に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状の真珠光沢顔料が、レーザー透過性基質、及び、1.8超の屈折率を有する少なくとも1つの第1の金属酸化物を含有し、この少なくとも1つの第1の金属酸化物が、レーザー透過性である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記少なくとも1つのレーザー透過性の第1の金属酸化物が、TiO
2、ZrO
2、SnO
2、ZnO及びこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項6】
請求項1
又は2に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記フレーク状真珠光沢顔料が、透過性基質、及び、1.8超の屈折率を有する少なくとも1つの第2の金属酸化物を有し、この第2の金属酸化物が、レーザー吸収性である、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記少なくとも1つのレーザー吸収性の第2の金属酸化物が、Fe
2O
3、Fe
3O
4、Fe(II)含有鉄酸化物、Cr
2O
3、SnO、Ti亜酸化物、Fe及びTiの混合酸化物、CuO、Ce酸化物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項8】
請求項1
又は2に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記エネルギー射出装置が、パルスレーザーであり、前記電磁波の前記パルスエネルギーが、0.10~0.90mJの範囲である、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記レーザーが、パルスレーザーであり、前記プリントインク中のフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.01~1.50重量%の範囲である、方法。
【請求項10】
請求項1
又は2に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記エネルギー射出装置が、CWレーザーであり、前記電磁波のエネルギーが、1~50μJの範囲である、方法。
【請求項11】
請求項
4に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、
前記プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.15~10.0重量%の範囲である、方法。
【請求項12】
請求項
6に記載の放射線誘起プリントプロセス方法であって、前記レーザーは、CWレーザーであり、前記プリントインク中におけるフレーク状金属顔料の濃度が、合計の前記プリントインクを参照して、0.45~10.0重量%の範囲である、方法。
【請求項13】
(a)フレーク状真珠光沢顔料及び(b)フレーク状金属エフェクト顔料
を含有する、プリントインク中のエフェクト顔料の混合物の、放射線誘起プリント法における、使用。
【請求項14】
請求項13に記載のエフェクト顔料の混合物の、下記の工程を含む放射線誘起プリントプロセス方法における、使用:
(A)吸収性の顔料を有するプリントインク(2)をインク担体(1)の上にプリントすること、インク担体は、特定波長において光学的に透明である:これに続き、
(B)前記インク担体を、プロセス期間の間に前記特定波長を含む電磁波(3)の形態でエネルギーを射出するエネルギー射出装置によって照射すること、ここで、前記プリントインク(2)が、前記電磁波のエネルギーを吸収し、前記インク担体からインプリント材料(6)への前記プリントインクの液滴の移動をもたらす体積及び/又は位置における変化を受ける。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のエフェクト顔料の混合物の、請求項
2に記載の放射線誘起法における、使用。
【国際調査報告】