(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】車両用の点灯部品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
B60R 13/00 20060101AFI20240730BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20240730BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240730BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20240730BHJP
F21K 9/90 20160101ALI20240730BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20240730BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240730BHJP
【FI】
B60R13/00
F21S43/20
F21S43/14
F21S43/50
F21K9/90
F21W104:00
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500099
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2022065533
(87)【国際公開番号】W WO2023285034
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021003615.8
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・フンペネーダー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・シュミッツ
(72)【発明者】
【氏名】ハラルド・タットコ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・クラメス
(72)【発明者】
【氏名】ジョアニス・パパドプロス
(72)【発明者】
【氏名】ベルント-ウーヴェ・ケッテマン
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ・ヴァズーラ
(72)【発明者】
【氏名】ウザーメ・アッコカ
(72)【発明者】
【氏名】イザベル・グレーゼル
【テーマコード(参考)】
3D024
【Fターム(参考)】
3D024BA07
3D024BA15
(57)【要約】
本発明は車両用の点灯部品(1)に関するものであり、可視側(6)に外表面を有し、電子部品(7、8)が組み込まれた多層構造を有し、層(5)の1つが金属を含み、金属を含む層(5)の可視側(6)とは反対側に、発光ダイオード(8)が電子部品(7、8)の一部として配置される。本発明は、金属を含む層(5)は、この層の可視側(6)の方を向く表面が部分的に着色層(2)で覆われ、金属を含む層(5)の着色層(2)で覆われない部分(3)が3次元形状を有し、3次元形状の領域において、金属を含む層(5)の可視側(6)とは反対側に光出射構造(9)が配置されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の点灯部品(1)を製造する方法であって、前記点灯部品(1)は、可視側(6)に外表面を有し、電子部品(7、8)が組み込まれた多層構造を有し、層(5)の1つが金属を含み、前記金属を含む前記層(5)の前記可視側(6)とは反対側に、発光ダイオード(8)が前記電子部品(7、8)の一部として配置され、前記金属を含む前記層(5)は、前記層の前記可視側(6)の方を向く表面が部分的に着色層(2)で覆われ、前記金属を含む前記層(5)の前記着色層(2)で覆われない部分(3)が3次元形状を有し、前記3次元形状の領域において、前記金属を含む前記層(5)の前記可視側(6)とは反対側に光出射構造(9)が配置されるものであり、
そのために、第1の工程において、前記金属を含む前記層(5)を形成するフィルム(5)には、のちの前記可視側(6)の方を向く前面に前記着色層(2)が局部的に設けられ、
第2の工程において、前記フィルム(5)には、のちの前記可視側(6)とは反対側を向く裏面に前記電子部品(7、8)の少なくとも一部、及び特に前記光出射構造(9)が設けられ、
第3の工程において、前記発光ダイオード(8)を含む他の電子部品(8)の装着が行われ、
第4の工程において、前記フィルム(5)の、前記着色層(2)が設けられない前記部分(3)が、深絞り加工又は熱変形加工によって3次元形状に形成され、
第5の工程において、前記フィルム(5)の前記裏面に支持層(10)が取り付けられ、
第6の工程において、前記フィルム(5)の前記可視側(6)に、透明なプラスチックがカバー層(4)として設けられる、前記方法。
【請求項2】
透明な前記カバー層(4)が、透明なプラスチックの、特にポリウレタンのフラッディングコーティング又は射出コーティングによって適用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光出射構造(9)は、前記第2の工程において前記フィルム(5)に印刷することによって、及び/又は前記第4の工程においてエンボス加工することによって導入されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属を含む前記層(5)として、クロムフィルム(5)が使用されることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記着色層(2)は、不透明な着色層(2)として形成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項の記載により製造された点灯部品(1)を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのような点灯部品を製造する方法、及びそのように製造された部品を備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の領域、特に車両の外側パネルにおける点灯部品は、従来技術から大体において知られている。例えば、個々の要素を背面から照明でき、個々の要素の全部又は一部が透明であり、特に特殊なパターンで光が放射される。これによって、例えば、車両のラジエータグリルの領域に点灯ブランドロゴなどを実現することができる。
【0003】
実際には、そのような部品は、所望の光学的形態を有する本来の部品と、部品に割り当てられた照明ユニットとを必要とするため比較的複雑である。ライトガイドを使用することが可能であるが、この構造は、可視側として機能するその表面から、この可視側とは反対側の表面若しくは裏面までが依然として比較的厚い。このことには、特にこの構造を外側パネルの領域において使用する場合、所望のデザインに基づいて、ここでの多くの領域で設置空間がかなり制限されるという重大な欠点がある。
【0004】
この問題を解決するために、非常にコンパクトな構造を選択できるようになった。特許文献1から、例えば、二次元の、複数の成分で構成される射出成形構造に発光ダイオードを導入することが知られている。その場合、この射出成形構造の多層構成は、天然材料や金属などの様々な材料の様々な層を含むことができる。前述の米国特許によれば、原理的には、構造を閉じる外側表面、すなわち前面に、例えばクロムコーティングなどの金属コーティングを施すことも考えられる。
【0005】
特許文献2にも発光ダイオードが導入される多成分射出成形法の同等の構造が記載されている。その場合、中間フィルムが様々な装飾や色を含むことができる。その場合、深絞り加工を用いて発光ダイオードのための膨らみが形成され、次いで可視側から透明なカバー層で覆われる。
【0006】
特許文献3には、発光仕上げを施した車両用装飾部品が記載されている。その場合、表面がライトガイドに載せられ、金属の最上層が設けられ、それにより個々の開口から光を放射することができる。
【0007】
特許文献4には、発光要素のための凹部を有する3次元に成形された、いくつかのフィルム層で作られた発光構造の実施形態が記載されている。背面から照明される表面をこれらの上に配置することができる。
【0008】
特許文献5には、車両の2つの後部ライトと、それらの間に配置された照明付き装飾ストリップとを含むライトアセンブリが記載されている。その場合、カバーガラスが半透明のクロムフィルムで覆われており、ライトをオンにすると光ることができる。
更に、車両用の平らなトリム要素を製造する方法が特許文献6から知られている。これは、透明なプラスチックを被せた凹部若しくはくぼみを有する光を透過する積層体を含み、くぼみは可視側で隆起した装飾模様を形成する。この構造を光源により照明することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US10,485,094B1
【特許文献2】US2018/0149321A1
【特許文献3】WO2020/168324A2
【特許文献4】US20180149321A1
【特許文献5】US2018/0264991A1
【特許文献6】DE102020005896A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、特に車両の外側パネルのために適した省スペース的な部品において、更なるデザイン的な側面の簡単かつ効率的な実装を可能にする点灯部品のための改良された製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、上記課題は、請求項1の特徴、ここでは特に請求項1の特徴部に記載の特徴を有する点灯部品を製造する方法によって解決される。本発明の有利な実施形態及び発展形態は、これに従属する従属請求項から明らかになる。請求項6において、このように製造された部品を備える車両が記載され、同様に、上記課題を解決する。
【0012】
製造される車両用の点灯部品は、電子部品が組み込まれた多層構造を含み、電子部品は、これらの電子部品の一部として、とりわけ発光ダイオードを含む。その場合、層の1つが金属を含み、例えば金属層として、又は金属化されたプラスチック層として形成され得る。プラスチック層に、例えば金属を蒸着することができる。点灯部品は、以下に前面とも呼ばれる外表面を可視側に有する。
【0013】
その場合、金属を含む層には、可視側とは反対側に電子部品が配置されている。その場合、金属を含む層は、その可視側の方を向く表面が部分的若しくは局部的に着色層で覆われ、金属を含む層の着色層で覆われない部分が3次元形状を有する。すなわち、これらの部分は、金属を含む層の平面から、例えば、しかし必ずしもそうである必要はないが、可視側の方向に変形される。その場合、金属を含む層自体は、幾何学的平面内にある必要はなく、曲がっていることも全く可能であり、3次元形状は、所望の効果を達成するためにこの層の表面より上に突出するか、若しくは下に引っ込む。
【0014】
その場合、更に、金属を含む層の3次元に形成されたこれらの部分の領域において、可視側とは反対側、若しくは金属を含む層の表面に光出射構造が配置されている。このような光出射構造は、金属を含む層に、例えば印刷又はエンボス加工することによって導入することができる。光出射構造は、金属を含む層の背後、特にこの層の可視側を局部的に覆う着色層の背後にある発光ダイオードの光が、着色層が途切れている領域において光出射構造を介して光を出射することをもたらす。これによって、個々の層の積層方向に対して横方向の構造厚さを最小にすることで、非常に高いデザインの柔軟性を可能にする構造を達成することができ、それにより、例えば着色層を適切に載置した場合に個々の部分が覆われない状態であり、これらの部分は、金属を含む層を見えるようにする一方で、発光ダイオードをオンに切り替えた場合に背面から照明される。これにより、例えば、デザインパーツ、文字、シンボルなどを非常に効果的に表示することができ、これを、特にブランドロゴや型式名などの表示に用いることができる。
【0015】
その場合、このような点灯部品を製造するための本発明による方法は、点灯部品を製造するために、以下に説明される6つの基本工程を企図する。その場合、第1の工程において、金属を含む層、すなわち特にクロムフィルムには、のちの可視側に着色層が局部的に設けられ、これは特に印刷によって、例えばスクリーン印刷によって行うことができる。次に、第2の工程において、金属を含む層には、のちの可視側とは反対側の裏面に電子部品の少なくとも一部、例えば導体路などが設けられる。更に、この工程において、反対側に位置する前面における金属を含む層に着色層が設けられない領域、すなわち着色層で覆われない状態の領域に光出射構造が設けられる。これらすべては、それ自体既知の方法、特にスクリーン印刷によって、又は光出射構造の場合にはエンボス加工などによって行うことができる。
【0016】
次の工程において、次いで1つ又は複数の印刷層により実現することができる電子部品が装着される。これは特に発光ダイオードに当てはまるのに対して、抵抗やコンデンサなどの他の電子部品は、導体路と一緒に、多くの場合、金属を含む層の裏面に印刷することによって作製することができる。次に、この工程に続いて、第4の工程において、着色層が設けられない領域の3次元の形状付与が、これらの領域が深絞り又は熱変形加工によって相応に成形され、例えば3次元構造として、着色層を越えてのちの可視側の方向に変形されることにより行われる。特に、光出射構造をエンボス加工する場合、例えばスクリーン印刷法による光出射構造の印刷とは異なり、特に、のちの可視側とは反対側で、特にクロムフィルムとして形成することができる金属を含む層に光出射構造をエンボス加工する適切な工具によって深絞り工程が行われる場合に、光出射構造の導入をこの深絞り工程において初めて行うこともできる。
【0017】
次いで、次の工程において、金属を含む層の裏面に支持層が取り付けられ、それによりこれまでの構造を安定させ、3次元に成形された領域が支持されると同時に、電子部品が確実に包囲される。この工程は、例えば、既に上述したように、背面射出成形する、或いは別のフィルムを取り付け、支持層の材料をフィルムと金属を含む層との間に注入することによって行うことができる。
【0018】
最後に、第6の工程において、可視側に透明なプラスチックがカバー層として設けられる。既に上述したように、このカバー層を、好ましくは平滑に形成することができ、すなわち可視側のそれまでの3次元形態のデザインを再び平滑な表面とすることができ、平滑な表面の下で、3次元性がその下に位置する層に作用し、それによりこれらの層を見ることはできるが、触覚的に認識できる、及び/又は汚れが蓄積する危険のある突出部は生じない。
【0019】
本発明による方法の非常に有利な発展形態では、既に述べたように、透明カバー層の載置は、透明なプラスチックのフラッディングコーティング又は射出コーティング(Ueberspritzen)によって、特にポリウレタンのフラッディングによって行われることを企図することができる。本発明による方法の非常に有利な発展形態では、その場合、光出射構造は、同様に既に述べたように、工程2において、印刷法、特にスクリーン印刷法によって、及び/又は工程4において、エンボス加工することによって金属を含む層に導入することができる。
【0020】
本発明による方法の非常に有利な発展形態では、その場合、金属を含む層がクロムフィルムとして形成されることが企図される。いわゆるクロムフィルムは、典型的にはプラスチックフィルムであり、例えばクロム、銀、又はそれに類する材料が設けられる、特に蒸着されることによりこのプラスチックフィルムに金属的な外観が与えられる。これにより、金属含有量が比較的少ない金属的に作用するフィルムを得ることができ、それによりフィルムが光を少なくとも一方向に透過し、特に別の方向に光を反射する。更に、相応の層は金属の割合が少ないため、レーダ放射に対してほとんど透明に形成することができ、それにより、例えば、車両の周辺センサ系に使用されるような相応のレーダセンサを、その機能に影響を与えることなく点灯部品の背後に配置することができる。
【0021】
本方法の更に非常に有利な実施形態では、更に、着色層が不透明な着色層として形成されることを企図することができる。このような不透明な着色層は光を透過せず、それにより発光ダイオードを使用した照明の場合、光は光出射構造の領域でのみ出射され、金属を含む層を通り抜けて輝くのに対して、隣接する着色層で覆われた領域は光を透過しない。車両の外側パネルの領域における点灯部品の好ましい使用では、着色層は、車両の塗装と同じ色で、又はデザインに合わせた色、例えば対比色で形成されることを企図することができる。
【0022】
本発明による車両は、この方法に従って製造された部品を備える。
【0023】
本発明による点灯部品の他の有利な実施形態は、以下に図を参照しながら詳しく説明される実施例からも明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】可能な点灯部品の基本的な概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1の図示では、例えば車両の外側パネルの領域に設置できる全体に1が付された点灯部品が認識できる。これは、例えば、内燃機関を備える従来の車両では車両前部のラジエータグリルと呼ばれる部分であり、この部分は、例えば、電気的に駆動される車両では空気を通す格子の形ではなくなり、閉じた部品の形で形成されている可能性がある。その場合、部品1自体は、局部的に車の色で形成され、いくつかの、ここでは4つの矩形と1つの円の形で示される、3が付された部分を有し、これらの部分は、車の色で形成されず、背面照明がオフになっているときに、金属色、例えばクロムの外観で現れる。
【0026】
図2の図示をもとにして認識できるように、これらの部分は、3次元に形成され、透明なカバー層4内で観察者の方を向き、それにより、例えば一般に知られているクロムめっきされたブランドロゴ、例えば出願人の良く知られた星の外観が生じる。これを達成するために、構造が
図2の断面図に示されるように形成される。その場合、特に非常に薄く形成されているが、それでも3次元の光学効果を達成することができる簡単でコンパクトな構造に重点が置かれている。このために、中心的な構成要素として、金属を含む層としてのクロムフィルム5が設けられる。この層の
図2の図示では、上に示された可視側6の方を向く側に、特に車の色の着色層であってもよい、既に述べた着色層2が設けられている。この着色層2をクロムフィルム5に局部的に載置した場合、
図1の図示では3で示される部分が覆われていない。その場合、これらの部分は、
図2の図示に認識できるように、後から、可視側6の方向、又は基本的に可視側6の方向とは逆の方向にも3次元構造を形成する。
【0027】
最初、この第1の工程において作製されたクロムフィルム5と、このクロムフィルム5に局部的に載置された着色層2との複合体はまだ平坦である。次に、この複合体に、少なくとも一部に印刷される電子部品が設けられる。その場合、単に例示的に、
図2の図示には印刷された導体路7が認識でき、これらの導体路の領域に2つの発光ダイオード8が取り付けられる。領域3には、同様に印刷によって光出射構造9が、同様にクロムフィルム5の可視側6とは反対側に設けられ、それによりこれらの光出射構造は、非照明状態では、可視側6からは認識できない。次に、電子部品7、8と、クロムフィルム5と、対応する部分3に光出射構造9が設けられた着色層2とのこの複合体が、
図2に既に認識できる3次元の形態を生成するために、深絞りプロセス又は熱変形加工を受ける。これは、ここでは2つの小面を部分3内に作成し、これらの小面は可視側6から認識できる。この3次元の形状付与のプロセスの後、次に、
図2に示される支持層10が、例えば、これまでの構造の裏側に、この支持層10が背面射出成形されることにより取り付けられる。その場合、支持層10は、透明又は半透明の熱可塑性プラスチックとして形成されている。この熱可塑性プラスチックは、特に、印刷された導体路7、LED8、及び光出射構造9とともに3次元に変形加工された領域3の範囲において背面射出成形することができる。
【0028】
次いで、最後に、この構造は、既に述べたカバー層4で封止されるが、このカバー層も同様に透明な熱可塑性プラスチックとして、又は特にポリウレタンをキャスト成形した層として形成することができる。部品に、すなわちこのカバー層4が、例えば射出コーティング、又は好ましくはフラッディングコーティングされ、それによりカバー層4の層厚さが部分3の3次元形状より大きくなる。これにより、可視側6に平滑な表面が生じ、その下に部分3の3次元形状、すなわちここでは小面構造が相応に認識できるが、可視側6の表面を越えて突出しない。
【0029】
その場合、この構造は、非照明状態では、部分3におけるクロムフィルム5のクロムの組合せと、その上に設けられた着色層2における車の色とからの光学的印象を有する。発光ダイオード8がオンに切り替えられると、透明又は半透明の支持層10が照明されることにより、点灯部品2が背面から照明される。しかし、着色層2は理想的には光を透過せず、それにより部分3の領域においてのみ、光出射構造9によって、可視側6の方向に光が放射されるよう補助若しくは可能にされる。すなわちこの場合、車の色で塗装された部品に点灯部分3、例えば点灯ブランドロゴの印象が生じる。その場合、発光ダイオード8を任意の仕方で実現及び制御することができ、それにより特に、様々な色、変化する色など、同様に、点滅すること、例えば周囲の明るさに応じて光強度を調節すること、光強度の強弱なども考えられる。
【0030】
その場合、部品1全体を、個々の層の積層方向に対して横方向に極めてコンパクトに形成することができ、したがって、いわば既存のあらゆるデザインに問題なく組み込むことができ、かつより複雑で、したがってより厚い照明技術を用いるこれまでの構造とは異なり、バランスや利用可能な設置空間に設計上適合する必要なく、既存のデザインに簡単かつ効率的に組み込むこともできる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の点灯部品(1)を製造する方法であって、前記点灯部品(1)は、可視側(6)に外表面を有し、電子部品(7、8)が組み込まれた多層構造を有し、層(5)の1つが金属を含み、前記金属を含む前記層(5)の前記可視側(6)とは反対側に、発光ダイオード(8)が前記電子部品(7、8)の一部として配置され、前記金属を含む前記層(5)は、前記層の前記可視側(6)の方を向く表面が部分的に着色層(2)で覆われ、前記金属を含む前記層(5)の前記着色層(2)で覆われない部分(3)が3次元形状を有し、前記3次元形状の領域において、前記金属を含む前記層(5)の前記可視側(6)とは反対側に光出射構造(9)が配置されるものであり、
そのために、第1の工程において、前記金属を含む前記層(5)を形成するフィルム(5)には、のちの前記可視側(6)の方を向く前面に前記着色層(2)が局部的に設けられ、
第2の工程において、前記フィルム(5)には、のちの前記可視側(6)とは反対側を向く裏面に前記電子部品(7、8)の少なくとも一部、及び特に前記光出射構造(9)が設けられ、
第3の工程において、前記発光ダイオード(8)を含む他の電子部品(8)の装着が行われ、
第4の工程において、前記フィルム(5)の、前記着色層(2)が設けられない前記部分(3)が、深絞り加工又は熱変形加工によって3次元形状に形成され、
第5の工程において、前記フィルム(5)の前記裏面に支持層(10)が取り付けられ、
第6の工程において、前記フィルム(5)の前記可視側(6)に、透明なプラスチックがカバー層(4)として設けられる、前記方法。
【請求項2】
透明な前記カバー層(4)が、透明なプラスチックの、特にポリウレタンのフラッディングコーティング又は射出コーティングによって適用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光出射構造(9)は、前記第2の工程において前記フィルム(5)に印刷することによって、及び/又は前記第4の工程においてエンボス加工することによって導入されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属を含む前記層(5)として、クロムフィルム(5)が使用されることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記着色層(2)は、不透明な着色層(2)として形成されることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項6】
請求項1
又は2の記載により製造された点灯部品(1)を備える車両。
【国際調査報告】