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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】小容量極低温保管容器
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240730BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C12M1/00 Z
A61J3/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500324
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 US2022036247
(87)【国際公開番号】W WO2023283261
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/218,550
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519421983
【氏名又は名称】バイオライフ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BioLife Solutions, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】パッロッタ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シールズ,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,ショーン
【テーマコード(参考)】
4B029
4C047
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB11
4B029BB20
4B029CC01
4B029DG08
4C047AA05
4C047BB17
4C047CC01
4C047DD22
4C047GG15
(57)【要約】
冷凍バイアル装置が開示される。冷凍バイアル装置は、液体サンプルを保持するように構成されたバイアルと、バイアルに結合された入口/出口チューブと、を備える。入口/出口チューブは溶接可能なポリマーで構成され、充填構成と、閉鎖構成と、排出構成とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプルを保持するように構成されたバイアルと、
前記バイアルに結合され、溶接可能なポリマーで構成された入口/出口チューブであって、前記バイアルを充填するように液体サンプルの供給源に結合されるように構成され、前記バイアルから排出させるように受け取りチューブに結合されるように構成された、前記入口/出口チューブと、
前記バイアルに結合された通気チューブと、
を備える、
冷凍バイアル装置。
【請求項2】
前記入口/出口チューブは第1の取付具において前記バイアルに結合され、
前記通気チューブは第2の取付具において前記バイアルに結合されている、
請求項1に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項3】
シール要素を更に備え、
前記シール要素は、第1穴と第2穴とを含み、
前記第1穴は、前記入口/出口チューブを受け入れ、前記第1の取付具の周りで前記入口/出口チューブを圧縮し、
前記第2穴は、前記通気チューブを受け入れ、前記第2の取付具の周りで前記通気チューブを圧縮する、
請求項2に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項4】
前記入口/出口チューブは熱可塑性エラストマーで構成される、
請求項1に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項5】
前記入口/出口チューブは、排出構成において前記受け取りチューブに溶接される、
請求項1に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項6】
前記入口/出口チューブは閉止されるように構成されている、
請求項1に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項7】
前記入口/出口チューブは、ヒートシールされることで前記入口/出口チューブを閉止するように構成されている、
請求項6に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項8】
前記入口/出口チューブは、前記バイアルからの前記通気チューブの延伸を越えて前記入口/出口チューブを閉止するようにヒートシールされるように構成されている、
請求項6に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項9】
前記通気チューブは、ヒートシールされることで前記通気チューブを閉止するように構成されている、
請求項6に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項10】
前記入口/出口チューブは前記通気チューブよりも長い、
請求項1に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項11】
前記入口/出口チューブが巻き付けるスプールを更に備える、
請求項1に記載の冷凍バイアル装置。
【請求項12】
バイアル及び入口/出口チューブを含む冷凍バイアル装置を使用する方法であって、
前記入口/出口チューブを介して前記バイアルに液体のサンプルを充填する充填ステップと、
前記充填ステップの後に前記入口/出口チューブを閉止する閉止ステップと、
前記閉止ステップの後に前記バイアル内の前記サンプルを冷凍保存する冷凍保存ステップと、
前記冷凍保存ステップの後に前記入口/出口チューブを開放する開放ステップと、
前記入口/出口チューブを受け取りチューブに結合させる結合ステップと、
前記入口/出口チューブを介して前記サンプルを前記バイアルから前記受け取りチューブに排出するステップと、
を含む、
方法。
【請求項13】
前記閉止ステップの後に、前記入口/出口チューブをスプールから解くステップを更に含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記閉止ステップは、前記入口/出口チューブをヒートシールすることを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記入口/出口チューブを切断するステップを更に含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記結合ステップは、前記入口/出口チューブを前記受け取りチューブに溶接することを含む、
請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「小容量極低温保管容器」を題として、2021年7月6日に出願された米国仮特許出願第63/218,550号に基づいて優先権を主張し、前記出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、冷凍保存に関し、より具体的には、本開示は、冷凍バイアル装置及びその使用方法に関する。
【0003】
冷凍保存は、生体物質(例えば、細胞、組織、器官)を非常に低い温度で冷却して保存し、将来の使用のためにそれらの生存能力を維持するためのプロセスである。生体物質の解凍後の機能は、当該生物材料の凍結前の機能を十分に表すことが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷凍バイアルは、冷凍保存に一般的に使用される。このような冷凍バイアルは、生体物質の汚染や漏出を回避するとともに、極低温に耐える特性を有する必要がある。このような冷凍バイアルは、様々な研究室や臨床現場での使用のために効率的で互換性がある必要もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示にかかる冷凍バイアルは、液体サンプルを保持するように構成されたバイアルと、当該バイアルに結合された入口/出口チューブとを備える。入口/出口チューブは、溶接可能なポリマーで構成され、充填構成と、閉止構成と、排出構成とを有する。
【0006】
本開示の例示的な実施形態によれば、本開示の冷凍バイアルは、液体サンプルを保持するように構成されたバイアルと、当該バイアルに結合され、溶接可能なポリマーで構成された入口/出口チューブとを備える。入口/出口チューブは、充填構成と排出構成とを含み、充填構成では、入口/出口チューブは液体サンプル供給源に結合され、排出構成では、入口/出口チューブは受け取りチューブに結合され、通気チューブはバイアルに結合される。
【0007】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、バイアルと、入口/出口チューブとを含む冷凍バイアル装置を使用する方法が開示される。この方法は、入口/出口チューブを介してバイアルに液体サンプルを充填することと、充填ステップの後に入口/出口チューブを閉じることと、閉止ステップの後にバイアル内のサンプルを冷凍保存することと、冷凍保存ステップの後に入口/出口チューブを開き、入口/出口チューブを受け取りチューブに結合することと、入口/出口チューブを介してサンプルをバイアルから受け取りチューブに排出することと、を含む。
【0008】
本開示の上記及び他の特徴及び利点、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて本発明の実施形態についての以下の説明を参照することによって、より明らかとなり、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の例示的な冷凍バイアル装置の斜視図
図2図1の冷凍バイアル装置の正面図
図3図1の冷凍バイアル装置の側面図
図4図1の冷凍バイアル装置と組み立てられていない、オプション的に使用されるシール要素の斜視図
図5図1の冷凍バイアル装置に組み立てられた図4のシール要素の斜視図であって、図4のシール要素を示すために図1の冷凍バイアル装置の一部が取り外され図
図6図4のシール要素を更に含む、図1の冷凍バイアル装置の斜視図
図7】1つ又は複数の図1の冷凍バイアル装置を保持するための保管容器の立面図
図8図1の冷凍バイアル装置の使用方法であって、充填ステップ(a)、閉止ステップ(b)、切断ステップ(c)、解すステップ(d)、開くステップ(e)、結合ステップ(f)、及び排出ステップ(g)を含む方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の例示的な実施形態を示すものであり、これらの例示は、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0011】
(冷凍バイアル装置)
図1から図3は冷凍バイアル装置100を示している。冷凍バイアル装置100は、液体サンプルを受け入れ、冷凍保存中にサンプルを収容し、解凍されたサンプルを送達するように構成されている。サンプルは、体液、例えば、血液細胞(例えば、未熟臍帯血(PCB)由来の造血幹細胞及び前駆細胞(HPC))の懸濁液を含むことができる。サンプルには、電解質及び/又は凍結防止剤(グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)など)を含むこともできる。冷凍バイアル装置100は、液体密封材料及び継手を備えた実質的に閉止されたシステムとして考えることができ、液体密封材料及び継手は、極低温(例えば、約-196℃)に耐えることができる。
【0012】
図1から図3に示す冷凍バイアル装置100は、バイアル200と、第1の入口/出口チューブ300と、第2の通気チューブ400と、チューブクリップ500と、スプール(spool)600とを備える。冷凍バイアル装置100の各要素については以下で更に説明する。
【0013】
例示的な冷凍バイアル装置100のバイアル200は、サンプルを収容するように構成されている。例示的なバイアル200は、約2mLから約5mLのサンプルを保持するように構成されているが、この体積は約1mLから約30mL又はその以上まで変化することができる。例示的なバイアル200は円筒形であるが、この形状も変化することができる。バイアル200は、閉じた下端202と、第1の入口/出口開口部205と第2の通気開口部207とを含む上端204とを有する。第1の入口/出口開口部205は、第1の入口/出口チューブ300に結合するように構成された第1の取付具206によって規定される。第2の通気開口部207は、第2の通気チューブ400に結合するように構成された第2の取付具208によって規定される。例示的な取付具206、208には返しが付いている(barbed)。取付具206、208は、それぞれのチューブ300、400内には摩擦嵌めされるように構成されているが、取付具206、208がそれぞれのチューブ300、400に、ヒートシール(heat-sealed)、成形、接着、及び/又はその他の方法でそれぞれのチューブ300、400に結合されることも本開示の範囲内である。第1の取付具206は、例示的には第2の取付具208よりも高いが、この配置は変更することができる。バイアル200は、硬質材料、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、又は他の適切な材料で構成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、図4から図6に示すように、シール要素210を使用して、入口/出口チューブ300及び通気チューブ400をそれぞれの取付具206、208に固定することを容易にし、これらのチューブ300、400とそれぞれの取付具206、208との間の流体の漏れを低減又は防止することができる。シール要素210は、入口/出口チューブ300と通気チューブ400との間の間隔に対応して離間された2つの穴212を有することができる。穴212は、入口/出口チューブ300及び通気チューブ400の周囲に摩擦嵌め又は締まり嵌めとなるサイズ又は直径を有することで、チューブ300、400をそれぞれの取付具206、208の周りで圧迫又は圧縮することができる。摩擦嵌め又は締り嵌めは、チューブ300、400の周囲で伸縮するエラストマー材料から、又は、チューブ300、400の周りで収縮して圧縮する熱収縮材料から、又は、プラスチック若しくは金属などの非エラストマー材料からシール要素210を製造することによって実現することができる。
【0015】
再び図1から図3を参照すると、例示的な冷凍バイアル装置100の入口/出口チューブ300は、バイアル200の入口/出口開口部205を通して液体サンプルを受け取ることと、解凍されたサンプルを送達することとの両方を行うように構成されている。このように、二重目的の入口/出口チューブ300及びその対応する二重目的の入口/出口開口部205によって、バイアル200に別個の入口開口部と出口開口部とを設ける必要性を排除することができる。最初に、入口/出口チューブ300に所望の充填ポート302を設けることができる。例示的な充填ポート302は、針のない雌型ルアー取付具であって、業界標準の雄型ルアー取付具に接続するときに開くような、常閉のダイヤフラムバルブを備えている。しかしながら、充填ポート302は、意図される用途に基づいて変更することができる。例えば、充填ポート302は、注射針によって穿刺されるように構成されたニードルセプタム(needle septum)を含んでもよい。第1の入口/出口チューブ300は、第2の通気チューブ400よりも長くてもよく、以下で更に説明するように、その余剰の長さはスプール600の周りに巻き付けられてもよい。入口/出口チューブ300は、可撓性を有する医薬品グレードの溶接可能なポリマーで構成することができる。例えば、入口/出口チューブ300は、Saint-Gobain Performance Plasticsから入手可能なTygon(登録商標)チューブなどの熱可塑性エラストマー(TPE)チューブで構成することができる。
【0016】
例示的な冷凍バイアル装置100の通気チューブ400は、液密を保ちながら、第2の通気開口部207を通してバイアル200内にガスを導入するか、及び/又はバイアル200からガスを排出するように構成されている。例えば、通気チューブ400は、排出中にバイアル200から空気が通過し、充填中にバイアル200内に空気が通過できるようにすることができる。通気チューブ400は、その長さに沿って設けられたフィルタ要素402を含み、フィルタ要素402は、排出中及び/又はその他の時間にバイアル200に入る空気を濾過するように構成される。例示的なフィルタ要素402は、下部チューブ部分404と上部チューブ部分406との間の通気チューブ400の長さに沿って、概ね中間位置に配置されているが、フィルタ要素402の位置は変更することができる。フィルタ要素402は、マイクロフィルタ、例えば、3μmの滅菌マイクロフィルタなどであってもよい。フィルタ要素402は、バイアル200からのサンプルの漏れを避けるために、気体透過性であるが液体不透過性であってもよい。通気チューブ400は、入口/出口チューブ300と同様に、Saint-Gobain Performance Plasticsから入手可能なTygon(登録商標)チューブなどの可撓性の医薬品グレードの熱可塑性エラストマー(TPE)チューブで構成することができる。
【0017】
例示的な冷凍バイアル装置100のチューブクリップ500は、チューブ300、400を支持し、安定させるように構成されている。チューブクリップ500は、第1の入口/出口チューブ300を保持するように構成された第1凹部502と、第1の凹部502に隣接し、第2の通気チューブ400を保持するように構成された第2凹部504とを含む「3」字形の構成要素であってもよい。チューブクリップ500は、チューブ300、400に沿ってスライドするようなサイズにすることができ、また、例えば、チューブ300、400をつまんで取り外すことによって、チューブ300、400から取り外すことができる。
【0018】
例示的な冷凍バイアル装置100のスプール600は、第1の入口/出口チューブ300を支持し、安定させるように構成されている。スプール600は、第1の部分602と第2の部分604とで構成され、第1の部分602と第2の部分604とはスナップフィット(snap-fit)で結合されている。スプール600は、第1の入口/出口チューブ300をコイル状に受け入れるように構成されたバレル(barrel)606を含むことができる。スプール600はまた、第2の通気チューブ400を自由に受け入れるように構成された通路608を含んでもよい。
【0019】
次に、図7に示されるように、例示的な冷凍バイアル装置100は、標準的なトレイ形状の「卵カートン」タイプの保管容器700に収容できるサイズにすることができ、冷凍そして最終的に解凍のために細胞サンプルの移送及び保存のために用いられる。例えば、冷凍バイアル装置100のバイアル200は、直径約10mm、高さ約90mmを有する保管容器700の分離領域702内に受容できるサイズとすることができる。チューブ300、400は、バイアル200及び保管容器700から上方に突出し、チューブクリップ500及び/又はスプール600によって支持されることができる。図7を参照すると、いくつかのこのような冷凍バイアル装置100、例示的には、共通の供給源から細胞サンプルを搬送する冷凍バイアル装置100aから100dは、アレイ状に配置され、共通の保管容器700に収容することができる。
【0020】
(使用方法)
冷凍バイアル装置100を使用する例示的な方法は図8に示し、以下で説明する。以下のステップの一部又は全ての間に、バイアル200は、上述した保管容器700(図7)内に存在することができ、チューブ300、400はチューブクリップ500及び/又はスプール600によって支持されることができる。
【0021】
図8に示す方法は、充填ステップ(a)から始まり、このとき、冷凍バイアル装置100は充填構成にある。充填ステップ(a)の間に、サンプルは、矢印Aで示すように、供給源Sから移送され、入口/出口チューブ300を通ってバイアル200の入口/出口開口部205(図1)に入る。供給源Sは、注射器、血液バッグ、又はサンプル用の他の適切な容器であってもよい。いくつかの実施形態では、供給源Sは、CellSeal(登録商標)AF-500(商標)充填システム又はSignata CT-5(商標)充填システム(両方ともSexton Biotechnologiesから入手可能)などの自動充填システム内にあってもよい。供給源Sは、図8に示すように、充填ポート302を介して入口/出口チューブ300に結合(例えば、ルアーロック)することができる。あるいは、充填ポート302を取り外して、供給源Sを入口/出口チューブ300に直接に、閉止方式で結合(例えば、溶接)することができる。サンプルは重力の影響下で、供給源Sからの正圧、及び/又は真空圧によって通気チューブ400を通して導入することができる。この充填ステップ(a)の間に、空気が通気チューブ400を介してバイアル200から逃げることができる。
【0022】
図8に示す方法は、続いて閉止ステップ(b)へ進み、このとき、冷凍バイアル装置100は閉止構成にある。閉止ステップ(b)の間に、入口/出口チューブ300はシール310においてヒートシールされるか又は他の方法で閉止され、通気チューブ400はシール310においてヒートシールされるか又は他の方法で閉止されて、サンプルを冷凍バイアル装置100内に収容する。シール310は、バイアル200(図1)の第1の取付具206と入口/出口チューブ300の充填ポート302との間に、通気チューブ400の高さよりも上方に配置することができ、これによって、通気チューブ400との干渉を回避することができる。シール410は、通気チューブ400のフィルタ要素402(図1)の上方に配置することができる。閉止ステップ(b)は、入口/出口チューブ300を挟んで、入口/出口チューブ300に溶接される医療グレードのチューブシーラー、例えば、Saint-Gobainから入手可能なC’EAL-FLEX(登録商標)TPE Ultra Sealerなどを使用して実行することができる。
【0023】
図8に示す方法は、続いて切断ステップ(c)へ進み、このとき、冷凍バイアル装置100は切断構成にある。切断ステップ(c)の間に、余分な入口/出口チューブ300は、シール310における又はシール310の上方の切断線312に沿ってスライスされ、除去される。この切断ステップ(c)は、閉止環境において上述の閉止ステップ(b)と実質的に同時に実行することができる。例えば、閉止ステップ(b)と切断ステップ(c)との両方を、上述のチューブシーラーを使用して実行することができる。
【0024】
図8に示す方法は、続いて解すステップ(d)へ進み、このとき、冷凍バイアル装置100は解す構成にある。解すステップ(d)の間に、矢印Bで示すように、入口/出口チューブ300はスプール600(図1)から解きほぐされる。この解すステップ(d)により、入口/出口チューブ300に追加の長さ、そして通気チューブ400の上方の余裕が与えられる。
【0025】
入口/出口チューブ300が密閉された状態で、冷凍バイアル装置100内のサンプルを処理することができる。例えば、サンプルは極低温で凍結され、保管/保存され、最終的には解凍されることができる。サンプルが輸送、試験(例えば、細胞数分析、ヘモグロビン分析、感染症スクリーニング、ヒト白血球抗原(HLA)タイピング)、及び/又は他の方法で処理されることも本開示の範囲内である。これらの処理ステップの間に、図7を参照して説明したように、バイアル200は、前述した保管容器700によって支持されてもよく、チューブ300、400は、チューブクリップ500及び/又はスプール600によって支持されてもよい。
【0026】
図8に示す方法は、続いて開放ステップ(e)及び結合ステップ(f)へ進み、開放ステップ(e)では、冷凍バイアル装置100は開放構成にあり、結合ステップ(f)では、冷凍バイアル装置100は結合構成にある。開放ステップ(e)の間に、入口/出口チューブ300は、シール310の下で切断線314に沿ってスライスされ、通気チューブ400は、シール410の下であるがフィルタ要素402(図1)の上で切断線414に沿ってスライスされる。このように、入口/出口チューブ300は、充填ステップ(a)から、切断ステップ(c)へ、開放ステップ(e)に至るまで徐々に短くなる。結合ステップ(f)の間に、入口/出口チューブ300の現在開いている端部は、直接に、閉止するように受け取りチューブRに結合(例えば、溶接)される。開放ステップ(e)及び結合ステップ(f)は、サンプルの漏れ及び/又は汚染を避けるために、閉止された環境内で実質的に同時に実行することができる。例えば、開放ステップ(e)と結合ステップ(f)との両方は、出入口チューブ300と受けチューブRとの隣接する端部を切断して加熱するチューブ溶接機、例えば、Saint-Gobainから入手可能なCONNECT-FLEX(登録商標)TPEチューブ溶接機などを使用して実行することができる。入口/出口チューブ300の開放ステップ(e)及び結合ステップ(f)は、通気チューブ400との干渉を避けるために、通気チューブ400の高さよりも上方で実行することができる。必要に応じて、入口/出口チューブ300をスプール600(図1)から更に解いて、長さを増やし、通気チューブ400の上方の余裕を追加してもよい。
【0027】
図8に示す方法は、続いて排出ステップ(g)へ進み、排出ステップ(g)では、冷凍バイアル装置100は排出構成にある。排出ステップ(g)の間に、サンプルは、矢印Gで示すように、バイアル200(図1)の入口/出口開口部205から、入口/出口チューブ300を通って、受け取りチューブRを通って導かれる。排出ステップ(g)は、空気が再開された通気チューブ400及びその対応するフィルタ要素402(図1)を介してバイアル200に入ることによって、大気圧で実施することができる。取り出されたサンプルは、臨床検査や臨床投与などの所望の最終用途に導かれることができる。このようにして、サンプルは、排出ステップ(g)と前述した充填ステップ(a)とにおいて、同じ入口/出口チューブ300を通って反対方向に移動する。排出された後の冷凍バイアル装置100は廃棄することができる。
【0028】
例示的な設計を有するものとして本発明を説明したが、本発明は、本開示の精神及び範囲内で更に変更することができる。したがって、本出願は、その基本原理を使用して、本発明のあらゆる変形、使用、又は適応をカバーすることを意図している。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は慣例の範囲内にあるものが含まれ、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るような、本開示からの逸脱をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図8(e)】
図8(f)】
図8(g)】
【国際調査報告】