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特表2024-529326スマート監査証跡レビューワークフロー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】スマート監査証跡レビューワークフロー
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/86 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
G01N30/86 V
G01N30/86 Q
G01N30/86 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501482
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2022068857
(87)【国際公開番号】W WO2023285266
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/220,663
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523001533
【氏名又は名称】ダイオネックス ソフトロン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ザウター,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】クィン,ショーン アンデルス
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、科学的機器支援システム、並びに関連する方法、コンピューティングデバイス、及びコンピュータ可読媒体である。例えば、いくつかの実施形態では、科学的機器支援装置は、クロマトグラフィーシステムからクロマトグラフィーデータを取得し、かつ機器方法、処理方法、及び手動ピーク積分に対する変更を含むクロマトグラフィーシステムのイベントをログ記録するための第1のロジックと、クロマトグラフィーデータを分析し、かつデータ分析のイベントとデータ分析方法に対する変更とをログ記録するための第2のロジックと、監査ログ内のリンクされたイベントを識別し、かつリンクされたイベントを閲覧するためのユーザインターフェースを提供するための第3のロジックと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
科学的機器支援システムであって、
クロマトグラフィーシステムからクロマトグラフィーデータを取得し、かつ
機器方法、処理方法、及び手動ピーク積分に対する変更を含むクロマトグラフィーシステムのイベントをログ記録するための第1のロジックと、
前記クロマトグラフィーデータを分析し、かつ
データ分析のイベントとデータ分析方法に対する変更とをログ記録するための第2のロジックと、
監査ログ内のリンクされたイベントを識別し、かつ
前記リンクされたイベントを閲覧するためのユーザインターフェースを提供するための第3のロジックと、を含む、科学的機器支援システム。
【請求項2】
前記第1のロジックは、ユーザが前記機器方法に対する前記変更をレビューして承認するまで、修正された機器方法の使用を防止する、請求項1に記載の科学的機器支援システム。
【請求項3】
前記第1のロジックは、前記ユーザが、前記機器方法に対する前記変更を行ったユーザとは異なるように前記機器方法に対する前記変更をレビューして承認することを要求する、請求項2に記載の科学的機器支援システム。
【請求項4】
前記第2のロジックは、ユーザが前記データ分析方法に対する前記変更をレビューして承認するまで、修正されたデータ分析方法の使用を防止する、請求項1に記載の科学的機器支援システム。
【請求項5】
前記第2のロジックは、前記ユーザが、前記データ分析方法に対する前記変更を行ったユーザとは異なるように前記データ分析方法に対する前記変更をレビューして承認することを要求する、請求項4に記載の科学的機器支援システム。
【請求項6】
前記第3のロジックが、リンクされたイベントをユーザに警告する、請求項1に記載の科学的機器支援システム。
【請求項7】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、及び前記第3のロジックが、共通のコンピューティングデバイスによって実装された、請求項1に記載の科学的機器支援システム。
【請求項8】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、及び前記第3のロジックのうちの少なくとも1つが、科学的機器からリモートのコンピューティングデバイスによって実装された、請求項1に記載の科学的機器支援システム。
【請求項9】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、及び前記第3のロジックのうちの少なくとも1つが、ユーザコンピューティングデバイスによって実装された、請求項1に記載の科学的機器支援システム。
【請求項10】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、及び前記第3のロジックのうちの少なくとも1つが、科学的機器内に実装された、請求項1に記載の科学的機器支援システム。
【請求項11】
科学的機器支援のための方法であって、
クロマトグラフィーシステムからクロマトグラフィーデータを取得することと、
機器方法、処理方法、及び手動ピーク積分に対する変更を含むクロマトグラフィーシステムのイベントをログ記録することと、
前記クロマトグラフィーデータを分析することと、
データ分析のイベントとデータ分析方法に対する変更とをログ記録することと、
監査ログ内のリンクされたイベントを識別することと、
前記リンクされたイベントを閲覧するためのユーザインターフェースを提供することと、を含む、科学的機器支援のための方法。
【請求項12】
ユーザが前記機器方法に対する前記変更をレビューして承認するまで、修正された機器方法の使用を防止することを更に含む、請求項11に記載の科学的機器支援のための方法。
【請求項13】
前記ユーザが、前記機器方法に対する前記変更を行ったユーザとは異なるように前記機器方法に対する前記変更をレビューして承認することを要求することを更に含む、請求項12に記載の科学的機器支援のための方法。
【請求項14】
ユーザが前記データ分析方法に対する前記変更をレビューして承認するまで、修正されたデータ分析方法の使用を防止することを更に含む、請求項11に記載の科学的機器支援のための方法。
【請求項15】
前記ユーザが、前記データ分析方法に対する前記変更を行ったユーザとは異なるように前記データ分析方法に対する前記変更をレビューして承認することを要求することを更に含む、請求項14に記載の科学的機器支援のための方法。
【請求項16】
リンクされたイベントをユーザに警告することを更に含む、請求項11に記載の科学的機器支援のための方法。
【請求項17】
科学的機器支援装置の1つ以上の処理デバイスによって実行されるときに、前記科学的機器支援装置に請求項11に記載の方法を実施させる命令を有する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、スマート監査証跡レビューを含むクロマトグラフィーの分野に関する。
【0002】
序論
クロマトグラフィーは、複雑な試料の成分を分離及び分析するために使用され得る。例えば、臨床検査室、法執行検査室、QA/QC検査室などの多くの産業において、分析の有効性を検証するために監査可能なログを維持することが必要とされる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
ここで、本明細書において開示される原理、及びその利点のより完全な理解のために、添付の図面と併せて考慮される以下の説明が参照される。
図1】例示的なクロマトグラフィーシステムの図である。
図2】様々な実施形態による、支援動作を実施するための例示的な科学的機器支援モジュールのブロック図である。
図3】様々な実施形態による、支援動作を実施する例示的な方法の流れ図である。
図4】様々な実施形態による、本明細書に開示される支援方法のいくつか又は全ての実施に使用され得るグラフィカルユーザインターフェースの例である。
図5】様々な実施形態による、本明細書に開示される科学的機器支援方法の一部又は全部を実施し得る例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
図6】様々な実施形態による、本明細書に開示される科学的機器支援方法の一部又は全てが実施され得る例示的な科学的機器支援システムのブロック図である。
【0004】
図は必ずしも縮尺通りに描かれておらず、図内の物体が互いに対する関係において必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。図は、本明細書において開示された装置、システム、及び方法の様々な実施形態に対する明確さ及び理解をもたらすことを意図した図示である。可能なかぎり、同じ参照番号が、同じ又は同様の部品を指すように全図面を通じて使用される。更に、図面が、本発明の教示の範囲を決して限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に開示されるのは、科学的機器支援システム、並びに関連する方法、コンピューティングデバイス、及びコンピュータ可読媒体である。例えば、いくつかの実施形態では、科学的機器支援装置は、クロマトグラフィーシステムからクロマトグラフィーデータを取得し、かつ機器方法、処理方法、及び手動ピーク積分に対する変更を含むクロマトグラフィーシステムのイベントをログ記録するための第1のロジックと、クロマトグラフィーデータを分析し、かつデータ分析のイベントとデータ分析方法に対する変更とをログ記録するための第2のロジックと、監査ログ内のリンクされたイベントを識別し、かつリンクされたイベントを閲覧するためのユーザインターフェースを提供するための第3のロジックと、を含む。
【0006】
本明細書に開示される科学的機器支援の実施形態は、従来のアプローチに対して改善された性能を達成し得る。様々な成分及び分析のステップの監査ログは、複数の場所に記憶され得る。例えば、科学的機器の性能の監査ログは、データ分析の監査ログから分離され得る。追加的に、方法論に対する変更の監査ログは、機器監査ログ及び分析監査ログの両方から分離され得る。なおも更に、ユーザログイン及び様々なデータファイルへのアクセスなど、コンピュータセキュリティに関連する追加の監査ログを、他の監査ログから更に分離することができる。異なるサブシステムが監査ログの異なる態様をログ記録する責任があるので、これらのデータ全てを同じ場所にログ記録することは望ましくない場合がある。しかしながら、1つのログ内のイベントを別のログ内のイベントと相互参照することは、退屈で労働集約的であり得る。複数のログからのイベントを相互参照する自動化されたシステムは、時間を節約し、分析の有効性に影響を及ぼし得るイベントの欠落を回避することができる。追加的に、方法論に対する変更を確実にするためのポリシーの施行は、エラーを捕らえて補正するために、又は方法に対する不注意な変更を防止するために、第2のアイレビューを受ける。第2のアイレビューは、第2のユーザが変更をレビューして承認するまで、分析の更なる使用をブロックすることができる。代替的に、第2のアイレビューは、変更がシステムにおいて実施される前に、変更をレビューすることを第2のユーザに要求することができる。一般に、同じユーザは、変更を開始することも、変更を承認することもできない。場合によっては、方法を変更することは、ユーザのサブセットに限定され得、第2のアイレビューは、ユーザの第2のサブセット内のユーザから要求され得る。
【0007】
本明細書において使用される節の見出しは、構成目的のためのものであって、記載される主題を多少なりとも限定するものと解釈されるべきでない。
【0008】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、同様の数字は全体を通して同様の部分を指定し、例解として、実施され得る実施形態が示される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的又は論理的変更が行われ得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0009】
様々な動作は、本明細書に開示される主題を理解するのに最も役立つように、複数の別個のアクション又は動作として順に説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆するものとして解釈されるべきではない。具体的には、これらの動作は、提示の順序で実施されない場合がある。説明される動作は、説明される実施形態とは異なる順序で実施され得る。様々な追加の動作が実施され得、及び/又は説明された動作が追加の実施形態において省略され得る。
【0010】
本開示の目的のために、「A及び/又はB」及び「A又はB」という句は、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示の目的のために、「A、B、及び/又はC」及び「A、B、又はC」という句は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味する。いくつかの要素は単数形(例えば、「処理デバイス」)で言及され得るが、任意の適切な要素は、その要素の複数のインスタンスによって表され得、逆もまた同様である。例えば、処理デバイスによって実施されるものとして説明された動作のセットは、異なる処理デバイスによって実施される動作のうちの異なるものを用いて実装され得る。
【0011】
本説明は、「一実施形態」、「様々な実施形態」、及び「いくつかの実施形態」という句を使用し、それらの各々は、同一又は異なる実施形態のうちの1つ以上を指し得る。更に、本開示の実施形態に関して使用される「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、同義である。寸法の範囲を説明するために使用される場合、「XとYとの間」という句は、X及びYを含む範囲を表す。本明細書で使用されるように、「装置」は、任意の個々のデバイス又はデバイスの集合を指し得る。図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【0012】
それらに限定されるものではないが、特許、特許出願、記事、書籍、論文、及びインターネットウェブページを含んでいる、本出願で引用された全ての文献及び同様の資料が、任意の目的でそれらの全体が参照によって明示的に組み込まれる。別段記載されないかぎり、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、本明細書において記載される様々な実施形態が属する当技術分野における当業者によって共通に理解されるものであるという意味を有する。
【0013】
本教示において議論されている温度、濃度、時間、圧力、流量、断面積などの前に暗黙の「約」が存在し、こうして、極めて小さい僅かな逸脱が本教示の範囲内にあることが理解されよう。本出願では、単数形の使用は、別段具体的に記載されないかぎり、複数形を含む。同様に、「備える/含む(comprise)」、「備える/含む(comprises)」、「備えている/含んでいる(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」の使用は限定することを意図していない。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本教示を限定するものではないことを理解されたい。
【0014】
「システム」は、各構成要素が全体内の少なくとも1つの他の構成要素と相互作用するか、又はそれと関連する全体を備えている、実際であれ抽象であれ、構成要素のセットを示す。
【0015】
図1は、典型的なクロマトグラフシステム100を示す。様々な実施形態では、クロマトグラフィーシステム100は、ガスクロマトグラフィーシステム、液体クロマトグラフィーシステム、イオンクロマトグラフィーシステムなどであり得る。システムは、注入器102、カラム104、及び検出器106を含む。試料108を、注入器102に接続することができる。様々な実施形態では、試料108は液体試料であり得る。他の実施形態では、試料108は、ヘッドスペース分析などのための気体試料であり得る。LC又はICシステムでは、注入器102は、試料108の少なくとも一部分を装填することができる試料ループ又は濃縮器カラムを含むことができる。GCシステムの様々な実施形態では、注入器102は、液体試料108の少なくとも一部分を気化して気相にすることができる。試料108は、試料108をカラム104内に移動させるために注入器を通って溶離液を流すことによって、注入器からカラム104に移動させることができる。カラム104は保持媒体を含む。様々な実施形態では、保持媒体は、カラム104の内面上の薄いコーティングであり得る。代替的に、保持媒体は、カラム104の内部に充填されるビーズなどの形態であってもよい。保持媒体は、カラムを通過させるのに必要な時間量が化合物に依存するように、試料108からのいくつかの化合物を示差的に保持することができる。このようにして、試料108中の化合物を、カラムを通過させる時間(保持時間)に基づいて分離することができる。
【0016】
カラム104を出ると、化合物は検出器106に入ることができる。紫外/可視検出器、赤外検出器、炎イオン化検出器、窒素リン検出器、電子捕獲検出器、熱伝導率検出器、炎光光度法検出器、質量分析計などを含む様々な検出器を、クロマトグラフィーシステムの一部として使用することができる。
【0017】
図2は、様々な実施形態による、支援動作を実施するための科学的機器支援モジュール1000のブロック図である。科学的機器支援モジュール1000は、プログラムされたコンピューティングデバイスなどの回路(例えば、電気的及び/又は光学的構成要素を含む)によって実装され得る。科学的機器支援モジュール1000のロジックは、単一のコンピューティングデバイスに含まれてもよく、又は必要に応じて互いに通信する複数のコンピューティングデバイスにわたって分散されてもよい。単独で又は組み合わせて、科学的機器支援モジュール1000を実装し得るコンピューティングデバイスの例は、図5のコンピューティングデバイス4000を参照して本明細書で考察され、科学的機器支援モジュール1000がコンピューティングデバイスのうちの1つ以上にわたって実装され得る相互接続されたコンピューティングデバイスのシステムの例は、図6の科学的機器支援システム5000を参照して本明細書で考察される。
【0018】
科学的機器支援モジュール1000は、第1のロジック1002、第2のロジック1004、及び第3のロジック1006を含み得る。本明細書で使用される場合、「ロジック」という用語は、ロジックと関連付けられた動作のセットを実施する装置を含み得る。例えば、支援モジュール1000に含まれるロジック要素のいずれかは、コンピューティングデバイスの1つ以上の処理デバイスに関連付けられた動作のセットを実施させる命令でプログラムされた、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装され得る。特定の実施形態では、ロジック要素は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を含み得、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のコンピューティングデバイスの1つ以上の処理デバイスによって実行されるときに、1つ以上のコンピューティングデバイスに、関連付けられた動作のセットを実施させる命令を有する。本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、一緒にモジュールと関連する機能を実施する、1つ以上のロジック要素の集合を指し得る。モジュール内のロジック要素のうちの異なるものは、同じ形態をとり得るか、又は異なる形態をとり得る。例えば、モジュール内のいくつかのロジックは、プログラムされた汎用処理デバイスによって実装され得、モジュール内の他のロジックは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)によって実装され得る。別の実施例では、モジュール内のロジック要素のうちの異なるものは、1つ以上の処理デバイスによって実行される、異なる命令のセットと関連付けられ得る。
【0019】
第1のロジック1002は、クロマトグラフィーシステム100からクロマトグラフィーデータを取得し得る。これは、クロマトグラフィーシステム100に1つ以上の試料に対する分析を実施するように命令することを含んでもよい。追加的に、第1のロジック1002は、クロマトグラフィーシステム100によって提供されたクロマトグラフィーデータをデータベース又はファイルシステムに記憶し、必要に応じてそこからクロマトグラフィーデータを取り出すことができる。第1のロジック1002は、例えば、プロセスが開始される時間、プロセスを開始するユーザ、処理されたサンプル、サンプルを処理するために使用された機器方法、クロマトグラフィーシステム100からのステータスインジケータ、クロマトグラフィー機器によって検出されたエラーなどの、クロマトグラフィーシステム100のイベントをログ記録することができる。第1のロジック1002はまた、機器に対して実行されたメンテナンスイベント及び消耗品の使用をログ記録してもよい。追加的に、第1のロジック1002は、変更が行われた時間、変更を開始したユーザ、第2のユーザが変更をレビューしたときなどを含む、機器方法に対する変更をログ記録することができる。更に、第1のロジック1002は、方法に対して行われた変更を承認するために第2のアイレビューが実行されるまで、機器方法を使用することを防止し得る。
【0020】
第2のロジック1004は、クロマトグラフィーデータを分析することができる。様々な実施形態では、第2のロジック1004は、ベースラインを決定し、平滑化を適用し、ピークを識別し、ピーク面積を積分し、ピークマッチングを実施することなどを行うことができる。様々な実施形態では、第2のロジック1004は、分析の結果をデータベース、ファイルシステム、又は他の記憶装置に記憶することができる。第2のロジック1004はまた、例えば、分析が行われた時間、分析されたサンプル、サンプルを分析するために使用されたデータ分析方法などのデータ分析のイベントをログ記録することができる。追加的に、第2のロジックは、変更が行われた時間、変更を開始したユーザ、第2のユーザが変更をレビューしたときなどを含む、データ分析方法に対する変更をログ記録することができる。追加的に、第2のロジック1004は、方法に対して行われた変更を承認するために第2のアイレビューが実行されるまで、データ分析方法を使用することを防止し得る。
【0021】
第3のロジック1006は、監査ログ内のリンクされたイベントを識別し得る。例えば、イベントが複数の異なる場所にログ記録される可能性があっても、データセットのデータ収集中の機器及びデータ収集中に使用される機器方法に関連するイベントと、データセットに対して実行されるデータ分析及び使用されるデータ分析方法に関連するイベントとがリンクされ得るように、イベントはワークフローによってリンクされ得る。追加的に、第3のロジック1006は、データを収集するために使用された機器からのメンテナンスイベントログを、メンテナンスイベントの前又は後に収集されたデータとリンクすることができる。更に、第3のロジック1006は、リンクされたログを閲覧するためのユーザインターフェースを提供することを含むことができ、特定のリンクされたイベントをユーザに警告することを更に提供し得る。
【0022】
例えば、クロマトグラフィー分離中に使用される緩衝液及びカラムなどの消耗品のバッチ番号をログ記録することが望ましい場合がある。例えば、収集されたデータを使用されるバッファのバッチ番号とリンクすることにより、ワークフローに悪影響を与えるバッファの不良バッチの識別が可能になり得る。別の実施例では、列変更イベントを列変更の前に収集されたデータとリンクすることは、列性能の劣化に起因する収集されたデータの低品質を説明し得る。
【0023】
図3は、様々な実施形態による、支援動作を実施する方法2000の流れ図である。方法2000の動作は、本明細書に開示される特定の実施形態(例えば、図2を参照して本明細書で考察される科学的機器支援モジュール1000、図Cを参照して本明細書で考察されるGUI3000、図5を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000、及び/又は図5を参照して本明細書で考察される科学的機器支援システム5000)を参照して例解され得るが、方法2000は、任意の好適な支援動作を実施するために任意の好適な設定で使用され得る。動作は、図3において各々1回ずつ特定の順序で例解されているが、動作は、所望に応じて適切に並べ替え及び/又は繰り返され得る(例えば、実施される異なる動作は、適宜、並行して実施され得る)。
【0024】
2002において、第1の動作を実施し得る。例えば、支援モジュール1000の第1のロジック1002が、2002の動作を実施し得る。第1の動作は、クロマトグラフィーシステム100からクロマトグラフィーデータを取得することを含み得る。これは、クロマトグラフィーシステム100に1つ以上の試料に対する分析を実施するように命令することを含んでもよい。追加的に、第1の動作は、クロマトグラフィーシステム100によって提供されたクロマトグラフィーデータをデータベース又はファイルシステムに記憶し、必要に応じてそこからクロマトグラフィーデータを取り出すことを含み得る。第1の動作は、例えば、プロセスが開始される時間、プロセスを開始するユーザ、処理されたサンプル、サンプルを処理するために使用された機器方法、クロマトグラフィーシステム100からのステータスインジケータ、クロマトグラフィー機器によって検出されたエラーなどの、クロマトグラフィーシステム100のイベントをログ記録することを含むことができる。第1の動作はまた、機器に対して実行されたメンテナンスイベント及び消耗品の使用をログ記録することを含み得る。追加的に、第1の動作は、変更が行われた時間、変更を開始したユーザ、第2のユーザが変更をレビューしたときなどを含む、機器方法に対する変更をログ記録することを含み得る。更に、第1の動作は、方法に対して行われた変更を承認するために第2のアイレビューが実行されるまで、機器方法を使用することを防止し得る。
【0025】
2004において、第2の動作を実施し得る。例えば、支援モジュール1000の第2のロジック1004が、2004の動作を実施し得る。第2の動作は、クロマトグラフィーデータを分析することを含み得る。様々な実施形態では、第2の動作は、ベースラインを決定し、平滑化を適用し、ピークを識別し、ピーク面積を積分し、ピークマッチングを実施することなどを行うことができる。様々な実施形態では、第2の動作は、分析の結果をデータベース、ファイルシステム、又は他の記憶装置に記憶することができる。第2の動作はまた、例えば、分析が行われた時間、分析されたサンプル、サンプルを分析するために使用されたデータ分析方法などのデータ分析のイベントをログ記録することを含み得る。追加的に、第2の動作は、変更が行われた時間、変更を開始したユーザ、第2のユーザが変更をレビューしたときなどを含む、データ分析方法に対する変更をログ記録することを含み得る。更に、第2の動作は、方法に対して行われた変更を承認するために第2のアイレビューが実行されるまで、データ分析方法を使用することを防止し得る。
【0026】
2006において、第3の動作を実施し得る。例えば、支援モジュール1000の第3のロジック1006が、2006の動作を実施し得る。第3の動作は、監査ログ内のリンクされたイベントを識別することを含み得る。例えば、イベントが複数の異なる場所にログ記録される可能性があっても、データセットのデータ収集中の機器及びデータ収集中に使用される機器方法に関連するイベントと、データセットに対して実行されるデータ分析及び使用されるデータ分析方法に関連するイベントとがリンクされ得るように、イベントはワークフローによってリンクされ得る。追加的に、第3の動作は、データを収集するために使用された機器からのメンテナンスイベントログを、メンテナンスイベントの前又は後に収集されたデータとリンクすることができる。更に、第3の動作は、リンクされたログを閲覧するためのユーザインターフェースを提供することを含むことができ、特定のリンクされたイベントをユーザに警告することを更に提供し得る。
【0027】
本明細書に開示される科学的機器支援方法は、(例えば、図6を参照して本明細書で考察されるユーザローカルコンピューティングデバイス5020を介した)人間のユーザとの相互作用を含み得る。これらの相互作用は、ユーザに情報を提供すること(例えば、図6の科学的機器5010などの科学的機器の動作に関する情報、分析されている試料、若しくは科学的機器によって実施される他の試験若しくは測定に関する情報、ローカル若しくはリモートデータベース、又は他の情報から検索された情報)、又はコマンド(例えば、図6の科学的機器5010などの科学的機器の動作を制御するため、又は科学的機器によって生成されるデータの分析を制御するため)、クエリ(例えば、ローカル又はリモートデータベースへの)、若しくは他の情報を入力するためのオプションをユーザに提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、これらの相互作用は、ユーザに出力を提供する、かつ/又は入力を提供するようにユーザに促す(例えば、図5を参照して本明細書で考察される他のI/Oデバイス4012に含まれる、キーボード、マウス、トラックパッド、又はタッチスクリーンなどの1つ以上の入力デバイスを介して)表示デバイス(例えば、図5を参照して本明細書で考察される表示デバイス4010)上の視覚的表示を含むグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を通じて実施され得る。本明細書に開示される科学的機器支援システムは、ユーザとの相互作用のための任意の好適なGUIを含み得る。
【0028】
図4は、様々な実施形態による、本明細書に開示される支援方法のいくつかの又は全ての実施において使用され得る例示的なGUI3000を示す。上記のように、GUI3000は、科学的機器支援システム(例えば、図6を参照して本明細書で考察される科学的機器支援システム5000)のコンピューティングデバイス(例えば、図5を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000)の表示デバイス(例えば、図5を参照して本明細書で考察される表示デバイス4010)上に提供され得、ユーザは、任意の好適な入力デバイス(例えば、図5を参照して本明細書で考察される他のI/Oデバイス4012に含まれる入力デバイスのうちのいずれか)、及び入力技術(例えば、カーソルの移動、モーションキャプチャ、顔認識、ジェスチャー検出、音声認識、ボタンの作動など)を使用してGUI3000と相互作用し得る。
【0029】
GUI3000は、データ表示領域3002、データ分析領域3004、科学的機器制御領域3006、及び設定領域3008を含み得る。図4に示す領域の特定の数及び配置は、単に例解的なものであり、任意の所望の特徴を含む、任意の数及び配置の領域がGUI3000に含まれ得る。図7図8、及び図9のもののようなデータ表現は、GUIの任意の適切な領域に(例えば、GUI3000のデータ表示領域3002又はデータ分析領域3004に)含まれ得る。
【0030】
データ表示領域3002は、科学的機器(例えば、図6を参照して本明細書で考察される科学的機器5010)によって生成されたデータを表示し得る。例えば、データ表示領域3002は、1つ以上の科学的機器によって収集されたデータセットのリストを含むことができる。
【0031】
データ分析領域3004は、データ分析の結果(例えば、データ表示領域3002に例解されるデータ及び/又は他のデータを分析した結果)を表示し得る。例えば、データ表示領域3002は、科学的機器によって収集されたデータの分析から得られるクロマトグラム又はピークテーブルを表示し得る。
【0032】
科学的機器制御領域3006は、ユーザが科学的機器(例えば、図6を参照して本明細書で考察される科学的機器5010)を制御することを可能にするオプションを含み得る。例えば、科学的機器制御領域3006は、分析されるサンプル及びサンプルを分析するために使用される機器方法のリストを編集するためのインターフェースを含み得る。
【0033】
設定領域3008は、ユーザが、GUI3000(及び/又は他のGUI)の特徴及び機能を制御し、かつ/又はデータ表示領域3002及びデータ分析領域(3004)に関する共通のコンピューティング動作を実施することを可能にするオプションを含み得る(例えば、図5に関して本明細書で考察される記憶デバイス4004などの記憶デバイス上にデータを保存する、別のユーザにデータを送信する、データをラベル付けするなど)。例えば、設定領域3008は、クロマトグラフィーデータの分析中に使用されるアルゴリズム又はパラメータの選択を含み得る。
【0034】
様々な実施形態において、GUI3000は、システムの異なる構成要素に対応する様々な監査ログからのワークフローに関連するリンクされた監査イベントの表示を含み得る。様々な実施形態において、GUI3000は、リンクされた監査イベントのリストを単一の時系列リストに含み得る。リストは、個々の監査ログ内のリンクされた監査イベントへのリンクを含むことができ、その結果、ユーザは、個々の監査ログ内のリンクされたイベントのコンテキストをレビューすることができる。他の実施形態では、GUI3000は、他の監査ログからのリンクされた監査イベントの表示を有する監査ログの1つのセットからの監査イベントのリストと、他の監査ログ内のそれらのリンクされたイベントにアクセスするためのリンクとを含み得る。
【0035】
上記のように、科学的機器支援モジュール1000は、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装され得る。図5は、様々な実施形態による、本明細書に開示される科学的機器支援方法のいくつか又は全てを実施し得る、コンピューティングデバイス4000のブロック図である。いくつかの実施形態では、科学的機器支援モジュール1000は、単一のコンピューティングデバイス4000によって、又は複数のコンピューティングデバイス4000によって実装され得る。更に、以下で考察されるように、科学的機器支援モジュール1000を実装するコンピューティングデバイス4000(又は複数のコンピューティングデバイス4000)は、図6の科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちの1つ以上の一部であってもよい。
【0036】
図5のコンピューティングデバイス4000は、いくつかの構成要素を有するものとして例解されているが、これらの構成要素のうちのいずれか1つ以上は、用途及び設定に好適であるように、省略又は複製され得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス4000に含まれる構成要素のいくつか又は全部は、1つ以上のマザーボードに取り付けられ、筐体(例えば、プラスチック、金属、及び/又は他の材料を含む)に封入され得る。いくつかの実施形態では、いくつかのこれらの構成要素は、単一のシステムオンチップ(system-on-a-chip、SoC)上に製造され得る(例えば、SoCは、1つ以上の処理デバイス4002及び1つ以上の記憶デバイス4004を含み得る)。追加的に、様々な実施形態では、コンピューティングデバイス4000は、図5に例解される構成要素の1つ以上を含まない場合があるが、任意の好適なインターフェース(例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェース、高精細マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface、HDMI(登録商標))インターフェース、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)インターフェース、シリアルペリフェラルインターフェース(Serial Peripheral Interface、SPI)インターフェース、イーサネットインターフェース、無線インターフェース、又は任意の他の好適なインターフェース)を使用して1つ以上の構成要素に結合するためのインターフェース回路(図示せず)を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス4000は、表示デバイス4010を含まない場合があるが、表示デバイス4010が結合され得る表示デバイスインターフェース回路(例えば、コネクタ及びドライバ回路)を含み得る。
【0037】
コンピューティングデバイス4000は、処理デバイス4002(例えば、1つ以上の処理デバイス)を含み得る。本明細書で使用される場合、「処理デバイス」という用語は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタ及び/又はメモリに記憶され得る他の電子データに変換する、任意のデバイス又はデバイスの一部分を指し得る。処理デバイス4002は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics
processing unit、GPU)、暗号プロセッサ(ハードウェア内で暗号アルゴリズムを実行する専用プロセッサ)、サーバプロセッサ、又は任意の他の好適な処理デバイスを含み得る。
【0038】
コンピューティングデバイス4000は、記憶デバイス4004(例えば、1つ以上の記憶デバイス)を含み得る。記憶デバイス4004は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)(例えば、スタティックRAM(static
RAM、SRAM)デバイス、磁気RAM(magnetic RAM、MRAM)デバイス、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)デバイス、抵抗性RAM(resistive RAM、RRAM)デバイス、又は導電性ブリッジRAM(conductive-bridging RAM、CBRAM)デバイス)、ハードドライブベースのメモリデバイス、ソリッドステートメモリデバイス、ネットワークドライブ、クラウドドライブ、又はメモリデバイスの任意の組み合わせなどの1つ以上のメモリデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス4004は、処理デバイス4002とダイを共有するメモリを含み得る。そのような実施形態では、メモリは、キャッシュメモリとして使用され得、例えば、組み込みダイナミックランダムアクセスメモリ(embedded dynamic random access memory、eDRAM)又はスピン転送トルク磁気ランダムアクセスメモリ(spin transfer torque magnetic random access memory、STT-MRAM)を含み得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス4004は、1つ以上の処理デバイス(例えば、処理デバイス4002)によって実行されるときに、コンピューティングデバイス4000に、本明細書に開示される方法のうちの任意の適切なもの又はその部分を実施させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0039】
コンピューティングデバイス4000は、インターフェースデバイス4006(例えば、1つ以上のインターフェースデバイス4006)を含み得る。インターフェースデバイス4006は、コンピューティングデバイス4000と他のコンピューティングデバイスとの間の通信を管理するために、1つ以上の通信チップ、コネクタ、及び/又は他のハードウェア及びソフトウェアを含み得る。例えば、インターフェースデバイス4006は、コンピューティングデバイス4000との間でデータを転送するための無線通信を管理する回路を含み得る。「無線」という用語及びその派生語は、非固体媒体を介して変調された電磁放射の使用を通じてデータを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用され得る。この用語は、関連するデバイスがいかなるワイヤを含まないことを意味するものではないが、いくつかの実施形態では含まない場合もある。無線通信を管理するためにインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16-2005修正)、任意の修正、更新、及び/又は改訂を伴う長期的進化型(Long-Term Evolution、LTE)プロジェクト(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(ultra mobile broadband、UMB)プロジェクト(「3GPP(登録商標)2」とも称される)など)を含む電気電子技術者協会(Institute for Electrical and Electronic Engineers、IEEE)規格を含むがこれらに限定されない、いくつかの無線規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためのインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、モバイル通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communication、GSM)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、GPRS)、ユニバーサルモバイル電気通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)、高速パケットアクセス(High Speed Packet Access、HSPA)、進化型HSPA(Evolved
HSPA、E-HSPA)、又はLTEネットワークに従って動作し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためにインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、GSM進化型高速データ(Enhanced Data for GSM Evolution、EDGE)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GSM EDGE Radio Access Network、GERAN)、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network、UTRAN)、又は進化型UTRAN(Evolved UTRAN、E-UTRAN)に従って動作し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためのインターフェースデバイス4006に含まれる回路は、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多元接続(Time
Division Multiple Access、TDMA)、デジタル拡張コードレス電気通信(Digital
Enhanced Cordless Telecommunications、DECT)、エボリューションデータ最適化(Evolution-Data Optimized、EV-DO)、及びそれらの派生物、並びに3G、4G、5G、及びそれ以降として指定される任意の他の無線プロトコルに従って動作し得る。いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006は、無線通信の受信及び/又は送信のための1つ以上のアンテナ(例えば、1つ以上のアンテナアレイ)を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006は、電気的、光学的、又は任意の他の好適な通信プロトコルなどの有線通信を管理するための回路を含み得る。例えば、インターフェースデバイス4006は、イーサネット技術に従って通信を支援する回路を含み得る。いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006は、無線通信及び有線通信の両方を支援し得、並びに/又は複数の有線通信プロトコル及び/若しくは複数の無線通信プロトコルを支援し得る。例えば、インターフェースデバイス4006の回路の第1のセットは、Wi-Fi又はBluetoothなどの短距離無線通信専用であり得、インターフェースデバイス4006の回路の第2のセットは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、EV-DO、又はその他などの長距離無線通信専用であり得る。いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス4006の回路の第1のセットは、無線通信専用であり得、インターフェースデバイス4006の回路の第2のセットは、有線通信専用であり得る。
【0041】
コンピューティングデバイス4000は、バッテリ/電力回路4008を含み得る。バッテリ/電力回路4008は、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ又はキャパシタ)、及び/又はコンピューティングデバイス4000の構成要素をコンピューティングデバイス4000とは別個のエネルギー源(例えば、ACライン電力)に結合するための回路を含み得る。
【0042】
コンピューティングデバイス4000は、表示デバイス4010(例えば、複数の表示デバイス)を含み得る。表示デバイス4010は、ヘッドアップディスプレイ、コンピュータモニタ、プロジェクタ、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオードディスプレイ、又はフラットパネルディスプレイなどの任意の視覚インジケータを含み得る。
【0043】
コンピューティングデバイス4000は、他の入力/出力(input/output、I/O)デバイス4012を含み得る。他のI/Oデバイス4012は、例えば、1つ以上のオーディオ出力デバイス(例えば、スピーカ、ヘッドセット、イヤホン、アラームなど)、1つ以上のオーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン又はマイクロフォンアレイ)、位置デバイス(例えば、当技術分野で既知であるように、コンピューティングデバイス4000の位置を受信するために衛星ベースのシステムと通信するGPSデバイス)、オーディオコーデック、ビデオコーデック、プリンタ、センサ(例えば、熱電対若しくは他の温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、振動センサ、加速度計、ジャイロスコープなど)、カメラなどの画像キャプチャデバイス、キーボード、マウス、スタイラス、トラックボール、又はタッチパッドなどのカーソル制御デバイス、バーコードリーダ、クイックレスポンス(Quick Response、QR)コードリーダ、又は無線周波数識別(radio
frequency identification、RFID)リーダを含み得る。
【0044】
コンピューティングデバイス4000は、ハンドヘルド又はモバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータなど)、デスクトップコンピューティングデバイス、又はサーバコンピューティングデバイス若しくは他のネットワーク化されたコンピューティング構成要素)などのその用途及び設定に好適な任意のフォームファクタを有し得る。
【0045】
本明細書に開示される科学的機器支援モジュール又は方法のいずれかを実装する1つ以上のコンピューティングデバイスは、科学的機器支援システムの一部であり得る。図6は、様々な実施形態による、本明細書に開示される科学的機器支援方法の一部又は全てが実施され得る例示的な科学的機器支援システム5000のブロック図である。本明細書に開示される科学的機器支援モジュール及び方法(例えば、図2の科学的機器支援モジュール1000及び図3の方法2000)は、科学的機器支援システム5000の科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちの1つ以上によって実装され得る。
【0046】
科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のいずれかは、図5を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のいずれかを含み得、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のいずれかは、図5を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のいずれか適切なものの形態をとり得る。
【0047】
科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040は各々、処理デバイス5002、記憶デバイス5004、及びインターフェースデバイス5006を含み得る。処理デバイス5002は、図4を参照して本明細書で考察される処理デバイス4002のいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちの異なるものに含まれる処理デバイス5002は、同一の形態又は異なる形態をとり得る。記憶デバイス5004は、図4を参照して本明細書で考察される記憶デバイス5004のいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちの異なるものに含まれる記憶デバイス5004は、同一の形態又は異なる形態をとり得る。インターフェースデバイス5006は、図4を参照して本明細書で考察されるインターフェースデバイス4006のいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちの異なるものに含まれるインターフェースデバイス5006は、同一の形態又は異なる形態をとり得る。
【0048】
科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、及びリモートコンピューティングデバイス5040は、通信経路5008を介して、科学的機器支援システム5000の他の要素と通信し得る。通信経路5008は、示されるように、科学的機器支援システム5000の要素の異なるもののインターフェースデバイス5006を通信可能に結合し得、有線又は無線通信経路であり得る(例えば、図5のコンピューティングデバイス4000のインターフェースデバイス4006を参照して本明細書で考察される通信技術のうちのいずれかに従って)。図6に示される特定の科学的機器支援システム5000は、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、及びリモートコンピューティングデバイス5040の各ペア間の通信経路を含むが、この「完全に接続された」実装は単に例示的なものであり、様々な実施形態では、通信経路5008の様々なものが存在しない場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、そのインターフェースデバイス5006と科学的機器5010のインターフェースデバイス5006との間に直接通信経路5008を有さなくてもよいが、代わりに、サービスローカルコンピューティングデバイス5030とユーザローカルコンピューティングデバイス5020との間の通信経路5008、及びユーザローカルコンピューティングデバイス5020と科学的機器5010との間の通信経路5008を介して科学的機器5010と通信してもよい。
【0049】
科学的機器5010は、図1のクロマトグラフィーシステム100などの任意の適切な科学的機器を含んでもよい。
【0050】
ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、科学的機器5010のユーザにとってローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のいずれかによる)であり得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020はまた、科学的機器5010に対してローカルであってもよいが、そうである必要はない。例えば、ユーザの自宅又はオフィスにあるユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、ユーザがユーザローカルコンピューティングデバイス5020を使用して科学的機器5010からのデータを制御及び/又はアクセスし得るように、科学的機器5010からリモートであるが、それと通信してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、ラップトップ、スマートフォン、又はタブレットデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、ポータブルコンピューティングデバイスであり得る。
【0051】
サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、科学的機器5010にサービスを提供するエンティティに対してローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のいずれかによる)であり得る。例えば、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、科学的機器5010の製造業者又はサードパーティサービス会社にローカルであってもよい。いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信して(例えば、上で考察されるように、直接通信経路5008を介して、又は複数の「間接」通信経路5008を介して)、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040の動作に関するデータ(例えば、科学的機器5010のセルフテストの結果、科学的機器5010によって使用される較正係数、科学的機器5010に関連付けられたセンサの測定値など)を受信してもよい。いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信して(例えば、上で考察されるように、直接通信経路5008又は複数の「間接」通信経路5008を介して)、科学的機器5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040に(例えば、科学的機器5010においてファームウェアなどのプログラムされた命令を更新するため、科学的機器5010において試験又は較正シーケンスの実施を開始するため、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020又はリモートコンピューティングデバイス5040においてソフトウェアなどのプログラムされた命令を更新するなどのために)データを送信してもよい。科学的機器5010のユーザは、サービスローカルコンピューティングデバイス5030と通信して、科学的機器5010又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020に関する問題を報告し、科学的機器5010の動作を改善するために技術者に訪問を要求し、科学的機器5010に関連付けられた消耗品又は交換部品を順序し、又は他の目的のために、科学的機器5010又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020を利用することができる。
【0052】
リモートコンピューティングデバイス5040は、科学的機器5010から、かつ/又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020からリモートであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のいずれかによる)であり得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040は、データセンター又は他の大規模サーバ環境に含まれ得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040は、ネットワーク接続ストレージを含み得る(例えば、記憶デバイス5004の一部として)。リモートコンピューティングデバイス5040は、科学的機器5010によって生成されたデータを記憶し、科学的機器5010によって生成されたデータの分析を実施し(例えば、プログラムされた命令に従って)、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020と科学的機器5010との間の通信を容易にし、かつ/又はサービスローカルコンピューティングデバイス5030と科学的機器5010との間の通信を容易にすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、図6に示される科学的機器支援システム5000の要素のうちの1つ以上が存在しない場合がある。更に、いくつかの実施形態では、図6の科学的機器支援システム5000の要素の様々なもののうちの複数のものが存在し得る。例えば、科学的機器支援システム5000は、複数のユーザローカルコンピューティングデバイス5020(例えば、異なるユーザと関連付けられた又は異なる場所における異なるユーザローカルコンピューティングデバイス5020)を含み得る。別の実施例では、科学的機器支援システム5000は、複数の科学的機器5010を含むことができ、全てがサービスローカルコンピューティングデバイス5030及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信する。そのような実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、これらの複数の科学的機器5010を監視してもよく、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、更新を引き起こしてもよく、又は他の情報が同時に複数の科学的機器5010に「ブロードキャスト」されてもよい。科学的機器支援システム5000内の科学的機器5010の異なるものは、互いに近くに(例えば、同じ部屋に)又は互いに遠くに(例えば、建物の異なる階、異なる建物、異なる都市など)位置し得る。いくつかの実施形態では、科学的機器5010は、モノのインターネット(Internet-of-Things、IoT)スタックに接続されてもよく、IoTスタックは、ウェブベースのアプリケーション、仮想又は拡張現実アプリケーション、モバイルアプリケーション、及び/又はデスクトップアプリケーションを通して科学的機器5010のコマンド及び制御を可能にする。これらのアプリケーションのいずれも、介在するリモートコンピューティングデバイス5040によって科学的機器5010と通信しているユーザローカルコンピューティングデバイス5020を操作するユーザによってアクセスされ得る。いくつかの実施形態では、科学的機器5010は、ローカル科学的機器コンピューティングユニット5012の一部として、1つ以上の関連するユーザローカルコンピューティングデバイス5020とともに製造元によって販売され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、科学的機器支援システム5000に含まれる科学的機器5010のうちの異なるものは、異なるタイプの科学的機器5010であってもよい。例えば、1つの科学的機器5010はクロマトグラフィーシステムであってもよく、別の科学的機器5010はクロマトグラフィー-質量分析システムであってもよい。いくつかのそのような実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040及び/又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、科学的機器支援システム5000に含まれる異なるタイプの科学的機器5010からのデータを組み合わせてもよい。
【0055】
本教示を様々な実施形態と併せて記載するが、本教示をかかる実施形態に限定することを意図していない。むしろ、本教示は、当業者が理解するように、様々な代替物、変形物、及び等価物を包含する。
【0056】
更に、様々な実施形態の記載において、本明細書は、方法及び/又はプロセスを特定の順序のステップとして提示している場合がある。しかしながら、本方法又はプロセスが本明細書に記載されたステップの特定の順序に依拠しないかぎりにおいて、本方法又はプロセスは、記載されたステップの特定の順序に限定されるべきではない。当業者であれば理解するように、ステップの他の順序が可能であり得る。したがって、本明細書に記載されたステップの特定の順序を、請求項における限定として解釈すべきではない。加えて、本方法及び/又はプロセスを対象とする特許請求の範囲は、書かれた順序でのそれらのステップの実施に限定されるべきではなく、順序は変更されてもよく、依然として様々な実施形態の趣旨及び範囲内にとどまり得ることを当業者であれば容易に理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】