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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】モジュール式除害装置
(51)【国際特許分類】
   F23G 7/06 20060101AFI20240730BHJP
   F23G 5/44 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F23G7/06 D
F23G5/44 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501521
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 GB2022051745
(87)【国際公開番号】W WO2023285779
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2110048.2
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】バーツ デヴィッド フレドリック
(72)【発明者】
【氏名】シルベスタイン マイケル ジェイ
【テーマコード(参考)】
3K065
3K078
【Fターム(参考)】
3K065AA18
3K065AB01
3K065AC19
3K065FA04
3K078BA20
3K078BA21
(57)【要約】
モジュール式除害装置及び方法が開示される。このモジュール式除害装置は、半導体処理ツールからの排出流を除害するためのものであり、共通ハウジング室を画定するハウジングと、排出流を処理するために共通ハウジング室の中に位置決め可能な複数の燃焼室モジュールとを備え、各燃焼室モジュールは、その中に燃焼室を画定する有孔スリーブを含む。このように、単一の共通ハウジングの中に複数の燃焼室を設けることができ、燃焼室の各々は、特定の排出流の流れを処理するように構成することができる。従って、燃焼室の数は、何らかの特定の処理ツールから予想される異なるタイプ及び流量の排出流に適合するように選択することができる。これは、上流側及び下流側の構成要素と相互連結することができる共通ハウジングを維持しながら、異なる排出ガス流のタイプ及び流量のニーズに適合するように容易に拡張・縮小可能なアーキテクチャをもたらす。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流の除害のためのモジュール式除害装置であって、
共通ハウジング室を画定するハウジングと、
前記排出流を処理するために前記共通ハウジング室の中に位置付けることが可能な複数の燃焼室モジュールと、
を備え、
前記燃焼室モジュールの各々は、内部に燃焼室を画定する有孔スリーブを含む、モジュール式除害装置。
【請求項2】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つは、モジュール断面領域を占めるように成形及び寸法決めされおり、前記共通ハウジング室は、少なくとも複数の前記モジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めさている、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項3】
前記共通ハウジング室は、少なくとも隣接する複数のモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めされている、請求項2に記載のモジュール式除害装置。
【請求項4】
前記共通ハウジング室は、隣接するモジュール断面領域の少なくともN×M配列に広がるように成形及び寸法決めされている、請求項2又は3に記載のモジュール式除害装置。
【請求項5】
前記共通ハウジング室は、前記複数のモジュール断面領域及びパイロットモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めされている、請求項2から4のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項6】
前記共通ハウジング室は、前記ハウジング室の上流側表面を画定するヘッドプレートを備え、前記ヘッドプレートは、各々対応するモジュール断面領域の中心に向けて位置付けられた複数の排出流入口を有する、請求項2から5のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項7】
前記ヘッドプレートは、各々対応するモジュール断面領域の外周に向けて位置付けられた複数の処理材料入口を有する、請求項6に記載のモジュール式除害装置。
【請求項8】
前記複数の燃焼室モジュールは、前記共通ハウジング室の中に解除可能に保持することができる。請求項1から7のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項9】
前記複数の燃焼室モジュールは、前記共通ハウジング室の中でモザイク状とすることができる、請求項1から8のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項10】
前記複数の燃焼室モジュールは、異なるサイズの燃焼室モジュールを備える、請求項1から9のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項11】
前記燃焼室モジュールの各々は、前記モジュール断面領域の倍数を占めるように成形及び寸法決めされている、請求項2から10のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項12】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つは、複数のモジュール断面領域を占めるように成形及び寸法決めされた倍数サイズの燃焼室モジュールである、請求項2から11のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項13】
前記燃焼室モジュールの各々は、前記燃焼室を取り囲む前記有孔スリーブを含む、請求項1から12のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項14】
前記燃焼室モジュールの各々は、燃焼室プレナムを画定するために、前記有孔スリーブから離れて位置付けされ且つ前記有孔スリーブを取り囲むモジュールハウジングを備え、前記燃焼室プレナムは、対応する処理材料入口から、前記有孔スリーブを通って前記燃焼室の中に処理材料を運ぶように構成されている、請求項13に記載のモジュール式除害装置。
【請求項15】
前記燃焼室モジュールの各々は、管状である、請求項1から14のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項16】
燃焼室モジュールの各々は、処理された排出流を下流側処理装置に運ぶ出口を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項17】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つは、対応する排出流入口が延びる燃焼室マウント部を備え、前記燃焼室マウント部は、燃焼室の内部長さが他の燃焼室と比較して短くなるように寸法決めされている、請求項1から16のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項18】
前記共通ハウジング室は、前記複数の燃焼室モジュールの周りに延びるように構成された壁を備え、前記壁は、前記ヘッドプレートから前記下流側処理装置まで延びる、請求項16又は17に記載のモジュール式除害装置。
【請求項19】
前記下流側処理装置は、前記共通ハウジング室の下流側に位置決めされた堰を備え、前記堰は、前記共通ハウジング室の断面領域と適合する断面領域を有する、請求項16から18のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項20】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つに隣接して前記共通ハウジング室の中に位置付けられた少なくとも1つのブランキングモジュールを備える、請求項1から19のいずれか1項に記載のモジュール式除害装置。
【請求項21】
共通ハウジング室を画定するハウジングの寸法を決定するステップと、
排出流を処理するために前記共通ハウジング室の中に複数の燃焼室モジュールを位置付けるステップであって、前記燃焼室モジュールの各々は、内部に燃焼室を画定する有孔スリーブを含む、ステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、モジュール式除害装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射バーナーなどの除害装置が知られており、典型的には、例えば、半導体業界又はフラットパネルディスプレイ製造業界において使用される製造処理ツールからの排出ガス流を処理するために使用される。このような製造中、残留ペルフルオロ化合物(PFC)及び他の化合物が、処理ツールから圧送された排出ガス流に存在する。PFCは、排出ガスから除去し難く、環境への放出は、比較的高い温室効果作用を有することが知られているために望ましくない。
【0003】
公知の放射バーナーは、欧州公開第0,694,735号に記載されているものなど、燃焼を使用して、PFC及び他の化合物を排出ガス流から除去する。典型的には、排出ガス流は、PFC及び他の化合物を含有する窒素流である。排出ガス流は、有孔ガスバーナーの出口面によって横方向に取り囲まれた燃焼室へ運ばれる。場合によっては、燃料ガスなどの処理材料は、燃焼室に入る前に排出ガス流と混合させることができる。燃料ガス及び空気は、出口面で燃焼に影響を与えるために有孔バーナーに同時に供給される。有孔バーナーからの燃焼生成物は、排出流の化合物を燃焼させるために排出流混合物と反応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州公開第0,694,735号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排出ガス流を処理する技術は存在するが、各々がそれ自体の欠点を有する。従って、排出ガス流を処理する改良された技術を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、半導体処理ツールからの排出流を除害するためのモジュール式除害装置が提供され、除害装置は、共通ハウジング室を画定するハウジングと、排出流を処理するために共通ハウジング室の中に位置付けることが可能な複数の燃焼室モジュールと、を備え、各燃焼室モジュールは、内部に燃焼室を画定する有孔スリーブを含む。
【0007】
第1の態様は、既存の除害装置の構成の問題点が、異なるタイプ及び/又は量の排出流を処理するために容易には拡張・縮小できないことであることを認識している。すなわち、各除害装置は、典型的には、特定の排出流及び流量を処理するように設計され、その設計は、その後、試験を通じて妥当性が確認される。また、断続的な排出流が供給される場合、典型的には異なる除害装置が設けられ、それらの除害装置は、それらの断続的な排出流に応答してアクティブモード及びアイドルモードにされる。それらの異なる除害装置は、典型的には、それ自体の下流側処理装置を備え、これは、所望よりも大きい設備につながる可能性がある。また、異なる排出流流量を処理する必要がある場合、典型的には、新しい設計が必要とされ、これは、その後、妥当性を確認する必要がある。一部の標準部品は流用することができるが、各設計は、従って、本質的に固有のものであり、既存の構成の基本アーキテクチャは、スケーラビリティの限界を有する。
【0008】
従って、除害装置を提供することができる。除害装置は、モジュール式除害装置とすることができる。本装置は、半導体プロセッサツールからの排出流又はプロセス流を除害又は処理することができる。本装置は、共通ハウジング室、共有ハウジング室、又は単体構造のハウジング室を画定するハウジング又は筐体を備えることができる。本装置は、複数の燃焼室モジュール又はユニットを備えることができる。燃焼室モジュールは、共通ハウジング室の中又はその内部に位置決めすること又は位置付けることができる。各燃焼室モジュールは、有孔又は多孔性スリーブ又はジャケットを含むか又は収容することができる。スリーブは、燃焼室を画定する、取り囲む、又は包囲することができる。換言すれば、各燃焼室モジュールは、単体構造とすること、及びそれ自体の燃焼室を提供することができる。このように、単一の共通ハウジングの中に複数の燃焼室を設けることができ、複数の燃焼室の各々は、特定の排出流の流れを処理するように構成することができる。従って、燃焼室の数は、何らかの特定の処理ツールから予想される異なるタイプ及び流量の排出流に適合するように選択することができる。これは、上流側及び下流側の構成要素と相互連結することができる共通ハウジングを維持しながら、異なる排出ガス流のタイプ及び流量のニーズに適合するよう容易に拡張・縮小可能(scalable、スケーラブル)なアーキテクチャをもたらす。
【0009】
有孔スリーブは、単体構造とすること又は単一の連続する部品から形成することができる。
【0010】
燃焼室は、モジュール断面領域を占めるように成形及び/又は寸法決めすることができ、共通ハウジング室は、複数のモジュール断面領域に広がるように成形及び/又は寸法決めすることができる。換言すれば、燃焼室モジュールは、単一のユニットの予め設定された断面領域を占めると考えることができ、共通ハウジング室は、断面領域のそれらのユニットの倍数の空間をもたらすように設計することができる。
【0011】
共通ハウジング室は、隣接する複数のモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めすることができる。
【0012】
共通ハウジング室は、隣接するモジュール断面領域のN×M配列に広がるように成形及び寸法決めすることができる。
【0013】
Nは、Mに等しい場合がある。従って、配列は、正方配列とすることができる。
【0014】
Nは、Mに等しくない場合がある。従って、配列は、矩形配列とすることができる。
【0015】
共通ハウジング室は、複数の隣接するモジュール断面領域及びパイロットモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めすることができる。換言すれば、共通ハウジング室は、複数の燃焼室モジュール及びパイロットモジュールの両方を収容することができる。
【0016】
共通ハウジング室は、ヘッドプレートを有することができる。ヘッドプレートは、ハウジング室の上流側表面を画定することができる。ヘッドプレートは、複数の排出流入口を有することができる。排出流入口の各々は、対応するモジュールの断面領域の中心に向けて又はその外周から離れて位置付けることができる。換言すれば、ハウジング室の中の各指定された断面領域に対して、少なくとも1つの排出流入口を設けることができ、少なくとも1つの排出流入口は、その燃焼室の中心に向けて及び有孔スリーブから離れて排出流を送給するために、モジュール断面領域の外周から離れて位置付けることができる。
【0017】
ヘッドプレートは、複数の処理材料入口を有することができる。各処理材料入口は、対応するモジュール断面領域の外周に向けて又は対応するモジュール断面領域の中心から離れて位置付けることができる。これは、処理材料を有孔スリーブの近傍に送給するのを助ける。
【0018】
ヘッドプレートは、パージ入口を備えることができる。パージ入口は、パージガスを送給するように構成することができる。パージガスは、複数の燃焼室モジュールの間にある共通ハウジング室の中の間隙又は空隙に送給することができる。これは、燃焼室モジュール間の残留物の蓄積を防止するのを助ける。
【0019】
ヘッドプレートは、ギャラリを備えることができる。ギャラリは、複数の燃焼室モジュール間の共通ハウジング室の中の空間にパージガスを送給又は運ぶためにパージ入口と流体連通することができる。
【0020】
複数の燃焼室モジュールは、共通ハウジング室の中に解除可能に又は取り外し可能に保持又は固定することができる。これは、燃焼室を必要に応じて取り外すこと又は交換することを可能にして、装置を修理又は再構成するのを可能にする。
【0021】
複数の燃焼室モジュールは、解除可能な固定機構を有することができ、これはハウジング室の中の相補的な解除可能な固定機構と、解除可能に係合又は固定するように構成することができる。従って、各燃焼室モジュールは、共通ハウジング室の中へ個別に固定すること及び共通ハウジング室から解除することができる。
【0022】
複数の燃焼室は、互いに隣接するか又は当接するように共通ハウジング室の中に位置付けることができる。これによって、燃焼室は、共通ハウジング室によって提供される空間の中に密集させることができる。
【0023】
複数の燃焼室モジュールは、共通ハウジング室の中でモザイク状とすることができる。これによって、燃焼室モジュール間の隙間が低減され、共通ハウジング室の中の実装密度が高くなる。
【0024】
複数の燃焼室モジュールは、異なるサイズとすることができる。すなわち、異なる断面領域の燃焼室モジュールを設けることができる。これは、異なるサイズの燃焼室モジュールを異なる排出流の要求に対して設けることを可能にする。
【0025】
各燃焼室は、モジュール断面領域の倍数を占めるように成形及び/又は寸法決めすることができる。すなわち、モジュールが1つのユニットの断面領域を占めることが意図される場合、各燃焼室モジュールは、そのユニットの断面領域の倍数(典型的には整数)を占めるように成形及び寸法決めされる。これは、異なるサイズの燃焼室モジュールを使用する場合でも、異なるサイズの複数の燃焼室モジュールが共通ハウジング室の中に収まることを保証するのを助ける。
【0026】
少なくとも1つの燃焼室モジュールは、複数のモジュール断面領域を占めるように成形及び寸法決めされる倍数サイズの燃焼室モジュールとすることができる。
【0027】
倍数サイズの燃焼室モジュールは、隣接するモジュール断面領域のPxQ配列を占めるように成形及び/又は寸法決めすることができる。
【0028】
Pは、Qに等しい場合がある。換言すれば、倍数サイズの燃焼室モジュールは、正方形とすることができる。
【0029】
Pは、Qに等しくない場合がある。換言すれば、倍数サイズの燃焼室モジュールは、矩形とすることができる。
【0030】
各燃焼室モジュールは、燃焼室を取り囲む有孔スリーブを含むことができる。換言すれば、各燃焼室モジュールは、燃焼室の全ての燃焼面を画定する有孔スリーブを含むことができる。
【0031】
各燃焼室モジュールは、モジュールハウジングを含むことができる。モジュールハウジングは、有孔スリーブから離れて位置づけること又は位置決めすることができる。モジュールハウジングは、有孔スリーブを取り囲むことができる。モジュールハウジングは、処理材料を対応する処理材料入口から、有孔スリーブを通って、対応する燃焼室の中へ運ぶように構成される燃焼室プレナムを画定することができる。従って、各々の燃焼室には、燃焼室モジュールのモジュールハウジングの中に形成されたプレナムを介して、それ自体の処理材料を供給することができる。
【0032】
各燃焼室は、管状とすることができる。円形、非円形、矩形、多角形を含む様々な異なる断面形状の管体が可能であることが理解されよう。
【0033】
各燃焼室は、処理された排出流を下流側処理装置に運ぶための出口を備えることができる。換言すれば、燃焼室の中で処理された排出流は、排出口を通って下流側処理装置に排出される。これによって、全ての燃焼室のために共通の下流側処理装置を設けることができ、各燃焼室のために専用の下流側処理装置を設ける必要はない。
【0034】
少なくとも1つの燃焼室モジュールは、対応する排出流入口が延びることができる燃焼室マウント部を備えることができる。燃焼室マウント部は、ヘッドプレートから燃焼室プレナムに排出流及び処理材料を運ぶことができる。マウント部は、燃焼室よりも耐熱性が低く、耐腐食性の低い材料から作ることができる。燃焼室マウント部は、燃焼室の内部長さを他の燃焼室と比較して短くする又は変更するように寸法決めすることができる。典型的には、マウント部は、異なる特性であっても共通ハウジング室の中に全て収容される複数の燃焼室を提供するため、排出流入口と出口との間の燃焼室の長さを短くするために使用することができる。
【0035】
共通ハウジング室は、複数の燃焼室モジュールの周りに延びるように構成された壁を備えることができる。壁は、ヘッドプレートから下流側処理装置まで延びることができる。
【0036】
下流側処理装置は、堰を備えることができる。堰は、共通ハウジング室の下流側に位置決めすることができる。堰は、共通ハウジング室の断面領域に適合するか又は類似する断面領域を有することができる。これによって、複数の燃焼室モジュールを保持する共通ハウジング室は、堰上に位置決めすることができ、これは、コンパクトな構成を可能にし、複数の燃焼室モジュールが、下流側処理のための堰を共有することができる。
【0037】
各燃焼室モジュールは、共通ハウジング室から少なくとも部分的に堰の中に延びるように寸法決めすることができる。
【0038】
本装置は、少なくとも1つの燃焼室モジュールに隣接又は当接して共通ハウジング室の中に位置付けることができる少なくとも1つのブランキングモジュール、閉塞モジュール、又は充填モジュールを備えることができる。従って、ブランキングモジュールは、燃焼室がその場所に必要ない場合に、共通ハウジング室の中に位置決めすることができる。これは、柔軟かつ再構成可能な装置をもたらす。
【0039】
ブランキングモジュールは、ブランキングプレートを備えることができる。ブランキングプレートは、ブランキングモジュールに広がることができる。ブランキングプレートは、排出口と位置合わせすることができる。従って、ブランキングプレートは、ブランキングモジュールが満たす空間を効果的に覆い隠す。ブランキングプレートは、有孔表面を備えることができる。この有孔表面は、その上での燃焼のために燃焼反応物を運ぶことができる、又は、パージされた表面をもたらすためにパージガスを運ぶことができる。
【0040】
本装置は、複数の処理材料入口を制御するように動作可能なロジックを備えることができる。制御ロジックは、独立して、一緒に、及び/又はグループで、複数の処理材料入口を制御することができる。
【0041】
制御ロジックは、複数の排出流入口を制御するように動作することができる。制御ロジックは、独立して、一緒に、及び/又はグループで、複数の排出流入口を制御するように動作することができる。
【0042】
第2の態様によれば、共通ハウジング室を画定するハウジングの寸法を決定するステップと、排出流を処理するために共通ハウジング室の中に複数の燃焼室モジュールを位置付けるステップであって、各燃焼室モジュールは、内部に燃焼室を画定する有孔スリーブを含む、ステップと、を含む方法を提供する。
【0043】
本方法は、少なくとも1つの燃焼室モジュールを、モジュール断面領域を占めるように成形及び寸法決めすること、及び、共通ハウジング室を、少なくとも複数のモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めすることを含むことができる。
【0044】
本方法は、共通ハウジング室を、少なくとも隣接する複数のモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めすることを含むことができる。
【0045】
本方法は、共通ハウジング室を、隣接モジュール断面領域の少なくともN×M配列に広がるように成形及び寸法決めすることを含むことができる。
【0046】
Nは、Mに等しい場合がある。
【0047】
Nは、Mに等しくない場合がある。
【0048】
本方法は、共通ハウジング室を、複数のモジュール断面領域及びパイロットモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めすることを含むことができる。
【0049】
本方法は、ハウジング室の上流側表面を画定するヘッドプレートを提供すること、及び、ヘッドプレート内に複数の排出流入口を位置付けることを含むことができ、各排出流入口は、対応するモジュール断面領域の中心に向けて位置付けられる。
【0050】
本方法は、ヘッドプレートに複数の処理材料入口を提供することを含むことができ、複数の処理材料入口の各々は、対応するモジュール断面領域の外周に向けて位置付けられる。
【0051】
本方法は、複数の燃焼室モジュール間の共通ハウジング室の中の空間にパージガスを送給するように構成されたパージ入口をヘッドプレートに提供することを含むことができる。
【0052】
本方法は、パージガスを複数の燃焼室モジュールの間の共通ハウジング室の中の空間に送給するために、パージ入口と流体連通するギャラリをヘッドプレートに提供することを含むことができる。
【0053】
本方法は、複数の燃焼室モジュールを共通ハウジング室の中に解除可能に保持することを含むことができる。
【0054】
本方法は、共通ハウジング室の中の相補的な解除可能な固定機構と解除可能に係合するように構成された、解除可能な固定機構を各燃焼室上に提供することを含むことができる。
【0055】
本方法は、複数の燃焼室モジュールを、互いに隣接して共通ハウジング室の中に位置決めすることを含むことができる。
【0056】
本方法は、複数の燃焼室モジュールを、共通ハウジング室の中でモザイク状にすることを含むことができる。
【0057】
本方法は、異なるサイズの燃焼室モジュールを提供することを含むことができる。
【0058】
本方法は、各燃焼室モジュールを、モジュール断面領域の倍数を占めるように成形及び寸法決めすることを含むことができる。
【0059】
本方法は、少なくとも1つの燃焼室モジュールを、複数のモジュール断面領域を占めるように成形及び寸法決めされた倍数サイズの燃焼室モジュールとして設けることを含むことができる。
【0060】
本方法は、倍数サイズの燃焼室モジュールを、隣接するモジュール断面領域のP×Q配列を占めるように成形及び寸法決めすることを含むことができる。
【0061】
Pは、Qに等しい場合がある。
【0062】
Pは、Qに等しくない場合がある。
【0063】
本方法は、各燃焼室モジュールの中に燃焼室を取り囲む有孔スリーブを提供することを含むことができる。
【0064】
本方法は、各燃焼室モジュールに、有孔スリーブから離れて配置され、有孔スリーブを取り囲むモジュールハウジングを提供して、処理材料を対応する処理材料入口から有孔スリーブを通って燃焼室の中へ運ぶように構成された燃焼室プレナムを画定することを含むことができる。
【0065】
本方法は、各燃焼室モジュールを管状となるように成形することを含むことができる。
【0066】
本方法は、各燃焼室モジュールに、処理された排出流を下流側処理装置に運ぶ出口を提供することを含むことができる。
【0067】
本方法は、少なくとも1つの燃焼室モジュールに、対応する排出流入口が延びる燃焼室マウント部を提供して、この燃焼室の内部長さを他の燃焼室と比較して短くするように燃焼室マウント部を寸法決めすることを含むことができる。
【0068】
共通ハウジング室は、複数の燃焼室モジュールの周りに延びる壁を備えることができ、壁は、ヘッドプレートから下流側処理装置まで延びる。
【0069】
本方法は、共通ハウジング室の下流側に位置決めされる下流側処理装置として、共通ハウジング室の断面領域に適合する断面領域を有する堰を提供することを含むことができる。
【0070】
本方法は、各燃焼室モジュールを、共通ハウジング室から少なくとも部分的に堰の中に延びるように寸法決めすることを含むことができる。
【0071】
本方法は、少なくとも1つのブランキングモジュールを、少なくとも1つの燃焼室モジュールに隣接して共通ハウジング室の中に位置付けることを含むことができる。
【0072】
本方法は、ブランキングモジュールに広がって、出口と位置合わせされたブランキングプレートを、ブランキングモジュールに提供することを含むことができる。
【0073】
本方法は、独立して、一緒に、及び/又はグループで、複数の処理材料入口を制御することを含むことができる。
【0074】
本方法は、独立して、一緒に、及び/又はグループで、複数の排出流入口を制御することを含むことができる。
【0075】
さらなる特定の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、適宜、及び、特許請求の範囲に明示的に記載される以外の組み合わせで独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0076】
装置の特徴が、ある機能をもたらすように動作可能であると記載される場合、これは、その機能をもたらすか、又は、その機能をもたらすように適合又は構成されている装置の特徴を含むことが理解されよう。
【0077】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1A】1つの実施形態によるモジュール式除害装置の構成要素の斜視図である。
図1B】パイロットモジュール20の断面図を示す図1Aの断面図である。
図1C】燃焼室モジュールの断面図を示す図1Aの断面図である。
図1D】燃焼室モジュールをより詳細に示す断面図である。
図2A】ヘッドプレートをより詳細に示す。
図2B】燃焼室モジュールの下流側から見た図である。
図3A-B】ハウジングが取り外された状態で、燃焼室モジュール及びパイロットモジュールの構成をより詳細に示す。
図4A-J】ハウジング及び燃焼室モジュールの異なる構成を概略的に示す。
図5】燃焼室の入口の異なる入口供給構成を示す。
図6】隣接する一対の長さの異なる燃焼室モジュールの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、まず、概要を説明する。いくつかの実施形態は、除害装置のためのモジュール式構成を提供する。このモジュール式構成は、除害装置の異なる構成を、標準化された構成要素セットを使用して、異なるタイプの排出流及び/又は排出流の異なる量又は流量に適合するように製造することを可能にする。この建築的手法の構築ブロックは、通常、典型的な又は最小限の又は選択された量の排出流を処理するように寸法決めされた標準ユニットとして寸法決めされる燃焼室モジュールから始まることになる。各燃焼室モジュールは、本質的に自給式であり、それ自身の排出流を受け取り、有孔スリーブ上で燃焼する燃料及び酸化剤などの処理材料を使用する排出流の処理のための自身の燃焼室を画定する、それ自身の有孔スリーブを有する。共通ハウジングが設けられており、共通ハウジングは、これらの標準ユニットサイズの倍数の燃焼室を組み込むことを可能にするように寸法決めされている。
【0080】
単純な構成において、共通ハウジングは、そのハウジング内に燃焼室モジュールの配列を一緒に収めるように形成される。この単純な構成において、燃焼室モジュールの各々は、同一の断面領域を有し、これは、各々が共通ハウジング室の中で同一の断面空間を占めることを意味する。次に、共通ハウジングのヘッドプレートは、排出流を燃焼室の各々の中心に向けて送給すると共に処理材料を各燃焼室モジュールの有孔スリーブに送給するように構成することができる。
【0081】
別の構成において、燃焼室モジュールは、異なる断面領域を有し、これは、各々が、共通ハウジング室の中で異なる断面領域の空間を占めることを意味し、従って、異なる排出流及び/又は流量を処理するように最適化される。例えば、標準ユニットの燃焼室モジュールのサイズの1.5倍、2倍、3倍、4倍などの燃焼室を設けることができる。この場合も、これらの燃焼室モジュールは、直線構成又は配列構成とすることができる。しかしながら、ヘッドプレートの構成は、依然として同じままとすることができ、例えば、ダブルサイズの燃焼室モジュールでは、その燃焼室の有孔スリーブから離れて排出流を送給する2つの排出流入口を備えることができる。さらに、2つの処理材料入口は、処理材料を有孔スリーブに供給することができる。これによって、同じ共通ハウジング室を異なる数のより大きな燃焼室モジュール、又は異なるサイズの燃焼室モジュールで満たすことができる。これは、設計自由度を与えるが、依然として少数の共通部品が維持される。
【0082】
各燃焼室の有効長は、共通ハウジング室の中に燃焼室を取り付けるために使用されるヘッドプレートのマウント部の深さを変えることによって変えることができるが、依然として、各燃焼室の吐出口は、位置合わせされる。同様に、共通ハウジング室の全容量が必要とされない場合、空間又は空隙を埋めるためにブランキングモジュールをハウジング内に組み込むことができる。ブランキングモジュールは、点火有孔表面又はパージ有孔表面を提供することができる。この場合も、これは、最小数の共通部品を使用するカスタマイズ可能な装置を提供する。
【0083】
この構成は、共通ハウジング室の中の自給式燃焼室を提供し、各燃焼室は、他の燃焼室モジュールの動作に影響を与えることなく、個別に動作及び制御することができる。また、燃焼室モジュールの各々は、個別に取り外すこと及び/又は交換することができる。この構成は、共通の構成要素セットを使用して様々な異なる構成を提供することを可能にすることが分かる。
【0084】
除害装置
図1Aは、1つの実施形態によるモジュール式除害装置10の構成要素の斜視図である。図1Bは、パイロットモジュール20の断面図を示す図1Aの断面図である。図1Cは、燃焼室モジュール30の断面図を示す図1Aの断面図である。図1Dは、燃焼室モジュール30をより詳細に示す断面図である。
【0085】
ハウジング40が設けられており、ハウジング40は、燃焼室モジュール30が設けられる共通ハウジング室を画定する。ハウジング40の上流側開口部を覆う共通ヘッドプレート150が設けられている。図2Aから分かるように、ヘッドプレート150は、排出流を供給する排出流入口60と、燃料などの処理材料を供給する処理材料入口70と、燃料を供給するパイロットモジュール入口110と、窒素などのモジュール間パージガスを供給するパージ入口160とを受け入れる。ハウジング40の下流側には堰170があり、この堰170は、動作中、水などの流体が流れる壁を有する濡れ壁室180を画定する。この実施例において、ハウジング40の中に直線的に配置された2つの燃焼室モジュール30があるが、以下に詳細に説明するように、共通ハウジング及び共通ヘッドプレートを共有する異なる構成及び数の燃焼室モジュール30が可能である。
【0086】
ヘッドプレート150と燃焼室モジュール30との間には、ハウジング40内で燃焼室モジュール30を所定の位置に保持するマウント部50が設けられている。このマウント部50の深さは、各燃焼室モジュール30が堰170へ同じ位置で排出することを保証しながら、異なる長さの燃焼室モジュール30に対応するために様々に変えることができる。
【0087】
燃焼室モジュール30は、内部に有孔スリーブ90が取り付けられているモジュールハウジング80を有する。有孔スリーブ90は、供給された排出流が処理される燃焼室120を画定する。各燃焼室モジュール30は、その燃焼室モジュール30の燃焼室の中へ処理される排出流を運ぶ排出流入口60を備える。有孔スリーブ90は、プレナム100を画定するためにモジュールハウジング80からわずかに離隔されている。処理材料入口70は、燃料などの処理材料を、マウント部50を通って、それぞれの燃焼室モジュール30のプレナム100の中に運ぶ。従って、各燃焼室モジュール30は、本質的に自給式であり、その動作は、ハウジング40の中の他の燃焼室モジュール30に影響を与えない。
【0088】
図2Bは、燃焼室モジュール30の下流側からの図である。また、図1Dからも分かるように、有孔スリーブ90は、平面の上流側天井200を有し、平面の上流側天井200から4つの末広状壁180が垂下しており、末広状壁180は、燃焼室120の吐出端において丸みを帯びた肩部140で終端する。これは、略台形の構成を有する燃焼室120を形成する。パイロットモジュール20は、有孔スリーブ90の肩部140に当接する下流側吐出面130を有する。
【0089】
図3A及び3Bは、ハウジング40が取り外された燃焼室モジュール30及びパイロットモジュール20の構成をより詳細に示す。この実施例において、燃焼室モジュール30は、等しい長さであり、従って、マウント部50は、等しい高さである。組み立て時に肩部140及び吐出面130を損傷から保護するために、肩部140及び吐出面130は、突出部190を備え、突出部190によって、燃焼室モジュール30及びパイロットモジュール20は、肩部140及び吐出面130に接触することなく表面に置くことができる。
【0090】
ハウジング及び燃焼室モジュールの構成
図4Aから分かるように、ハウジング40は、2つの燃焼室モジュール30及びパイロットモジュール20を収容するように構成されている。燃焼室モジュール30は、ユニットサイズと見なされるので、ハウジング40は、パイロットモジュール20と共に、燃焼室モジュールの直線配置すなわち2×1配列のための空間を提供するように寸法決めされている。この構成は、2つの別個の排出流を互いに独立して処理する必要がある場合に有用である。図4Bから分かるように、同じサイズのハウジング40は、パイロットモジュール20と共に、2×1のユニットの空間を占めるように寸法決めされた単一の燃焼室モジュール30’を収容することもできる。この構成は、より大きな流量の排出流を処理する必要がある場合に有用である。従って、同じハウジング40は、2つの別個の燃焼室モジュール30を収容すること又は単一のより大きな燃焼室モジュール30’を収容することができることが分かる。
【0091】
図4Cから分かるように、パイロットモジュール20と共に、燃焼室モジュール30の2×2配列を収容するより大きなハウジング40Aを設けることができる。図4Dから分かるように、同じハウジング40Aは、2×2のユニットの空間を占めるように寸法決めされたさらに大きな燃焼室モジュール30’’を収容することができる。あるいは、図4E及び図4Fに示されるように、ハウジング40Aは、2つの燃焼室モジュール30’、又は、より大きな燃焼室モジュール30’及び燃焼室モジュール30の組み合わせを収容することができることも理解されよう。
【0092】
図4Gは、パイロットモジュール20と共に、燃焼室モジュール30の2×3配列を収容するように寸法決めされたハウジング40Bの配置を示す。図4Hから分かるように、必要に応じて、燃焼室モジュール30と共に、より大きなサイズの燃焼室30’をハウジング40B内に設置することができる。また、ハウジング40Bは、燃焼室モジュール30、より大きな燃焼室モジュール30’及び/又はさら大きな燃焼室モジュール30’’の組み合わせを収容できることが理解されよう。また、さらにより大きな燃焼室モジュールを設けることができることも理解されよう。
【0093】
図4Iから分かるように、ハウジング40Cは、パイロットモジュール20と共に、燃焼室モジュール30の2×4配列を収容するように寸法決めすることができる。図4Jから分かるように、それらの燃焼室モジュール30の一部は、1又は2以上の燃焼室モジュール30’などのより大きなモジュールと置き換えることができる。また、ハウジング40Cは、燃焼室モジュール30、より大きな燃焼室モジュール30’、及び/又は、さらに大きな燃焼室モジュール30’’の組み合わせを収容することができることが理解されよう。また、さらに大きな燃焼室モジュールを設けることができることも理解されよう。
【0094】
ハウジング40Aから40Cは、各燃焼室モジュールのための個別のパイロットなどの代替のパイロット配置が設けられる場合にパイロットモジュール20のための空間を省略することができる。この実施例において、燃焼室モジュール及びハウジングは、四角形の形状を有するが、他の形状が可能であり、どの燃焼室モジュールもハウジング内に収まることをできるようにすることが理解されよう。モザイク式の組み合わせ燃焼室モジュールは、特に空間効率がよく、パージされる燃焼室モジュール間の最小の空間を可能にする。また、ハウジング40Aから40Cの組み合わせは、より大きな除害装置を提供するために配置することができる。
【0095】
従って、燃焼室モジュール30は、最小限の又は典型的な排出流の流れを処理するのに適する燃焼室120を提供するように寸法決めすることができること、及びハウジング40は、任意の数のこれらの燃焼室モジュール30を収容するように寸法決めすることができることが分かる。また、より大きなサイズの燃焼室モジュールを設けることができ、これは、典型的には、異なる排出流及び/又は異なる排出流の流れに対応するために燃焼室モジュール30の倍数であるように寸法決めされる。次に、同じハウジング40は、排出流の処理要件に適合するように必要な数及びタイプの燃焼室モジュールを単に組み込むことによって、異なる状況で使用することができる。処理能力の全てを必要としない場合、燃焼室モジュールは、単に省略して不要な燃焼室モジュールの代わりにブランキングモジュールと置き換えることができる。ブランキングモジュールは、典型的には、その上での燃焼のための燃焼反応物(燃料及び酸化剤など)、又は、ブランキングモジュール上での微粒子、粉体、凝縮物の蓄積を防ぐためのパージガス(窒素など)のいずれかを運ぶ有孔表面を備えることができる。
【0096】
図5は、燃焼室30、30’の入口60の異なる入口供給構成を示す。図から分かるように、燃焼室30は、その燃焼室120の中心に向けて位置決めされた単一の、細長い又は長円の入口60を有することができる。より大きな燃焼室30’は、要件に適合するように、その燃焼室120の中心に向けて位置決めされた入口60よりも大きい単一の、細長い又は長円の入口60’、複数の入口60、複数のより小さな円形の入口60’’、又は上記の組み合わせを有することができる。
【0097】
隣接する一対の燃焼室モジュールの概略側面図である、図6から分かるように、燃焼室モジュール30’’のうちの一方は、排出流の流れ方向に短く、そのマウント部50’は、両方の燃焼室が同じ位置で下流側堰170の中に吐出するように、結果的により高い。
【0098】
従って、複数の標準部品を使用して、処理される排出流の予想されるタイプ及び流量に適合させるために、標準ハウジングを選択して、随意的なパイロットモジュール20と共に燃焼室モジュール30の必要な組み合せを組み込むことができることが分かる。動作中、各燃焼室モジュール30は、それ自身の処理材料、並びにそれ自身の排出流を受け取る。次に、個々の燃焼室モジュール30は、必要に応じて、独立して、一緒に又はグループで、パイロットモジュール20から制御及び点火することができる。これにより、一部の燃焼室モジュール30は、その燃焼室モジュール30によって処理される排出流がない場合にアイドル状態にすることができ、一方、他の燃焼室モジュール30は、機能し続けることができる。
【0099】
いくつかの実施形態は、異なる燃焼室モジュールを利用することによって、同じ装置で多種多様な用途からのガスを処理する能力を有する熱処理システムを提供する。モジュールは、上流側の変化する技術に遅れないようについていくために、組立体をカスタマイズして、これを変更するのを容易にする、共通アーキテクチャを共有する。モジュール及び全体システムの寸法は、プロセス要件によって大きく異なる可能性がある。モジュールは、下流側のガス処理構成要素を共有し、費用対効果が高くなり、システムの複雑さが低減される。この設計において、モジュールは、より大きなプレナムに適合する。共通プレナムの利点は、組立体を真空シールする点であり、これは、バーナーのインターフェース部を簡素化する。
【0100】
加えて、共通のアーキテクチャは、システムを、適切なモジュールを選択することによって多くの用途に適合させることを可能にする;共通のアーキテクチャは、新しい仕様に適合させるために、既存のシステムの費用対効果の高い変更を可能にする;システム設置面積は、モザイク式の組み合わせモジュールの高い実装密度に起因して大幅に低減される;別個のバーナーマウント部/プレナムは、バーナーモジュールの費用対効果の高い交換を可能にする;別個のパイロットモジュールは、点火及び難燃性を可能にする;個々のモジュールは、上部及び下部で真空封止された共通プレナム内に収納することができる;システム上部でのインターフェース接続は設置面積を低減する;共通の下流側ガス処理構成要素は、費用対効果を高くすると共にシステムの複雑さを低減する。
【符号の説明】
【0101】
10 除害装置
20 パイロットモジュール
30 燃焼室モジュール
40 ハウジング
50 マウント部
60 排出流入口
70 処理材料入口
80 モジュールハウジング
90 有孔スリーブ
100 プレナム
110 パイロットモジュール入口
120 燃焼室
130 吐出面
140 肩部
150 ヘッドプレート
160 パージ入口
170 堰
180 壁
190 突出部
200 天井
図1(A)】
図1(B)】
図1(C)】
図1D
図2(A)】
図2(B)】
図3(A)】
図3(B)】
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流の除害のためのモジュール式除害装置であって、
共通ハウジング室を画定するハウジングと、
前記排出流を処理するために前記共通ハウジング室の中に位置付けることが可能な複数の燃焼室モジュールと、
を備え、
前記燃焼室モジュールの各々は、内部に燃焼室を画定する有孔スリーブを含む、モジュール式除害装置。
【請求項2】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つは、モジュール断面領域を占めるように成形及び寸法決めされおり、前記共通ハウジング室は、少なくとも複数の前記モジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めさている、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項3】
前記共通ハウジング室は、少なくとも隣接する複数のモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めされている、請求項2に記載のモジュール式除害装置。
【請求項4】
前記共通ハウジング室は、隣接するモジュール断面領域の少なくともN×M配列に広がるように成形及び寸法決めされている、請求項2に記載のモジュール式除害装置。
【請求項5】
前記共通ハウジング室は、前記複数のモジュール断面領域及びパイロットモジュール断面領域に広がるように成形及び寸法決めされている、請求項2に記載のモジュール式除害装置。
【請求項6】
前記共通ハウジング室は、前記ハウジング室の上流側表面を画定するヘッドプレートを備え、前記ヘッドプレートは、各々対応するモジュール断面領域の中心に向けて位置付けられた複数の排出流入口を有する、請求項2に記載のモジュール式除害装置。
【請求項7】
前記ヘッドプレートは、各々対応するモジュール断面領域の外周に向けて位置付けられた複数の処理材料入口を有する、請求項6に記載のモジュール式除害装置。
【請求項8】
前記複数の燃焼室モジュールは、前記共通ハウジング室の中に解除可能に保持することができる。請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項9】
前記複数の燃焼室モジュールは、前記共通ハウジング室の中でモザイク状とすることができる、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項10】
前記複数の燃焼室モジュールは、異なるサイズの燃焼室モジュールを備える、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項11】
前記燃焼室モジュールの各々は、前記モジュール断面領域の倍数を占めるように成形及び寸法決めされている、請求項2に記載のモジュール式除害装置。
【請求項12】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つは、複数のモジュール断面領域を占めるように成形及び寸法決めされた倍数サイズの燃焼室モジュールである、請求項2に記載のモジュール式除害装置。
【請求項13】
前記燃焼室モジュールの各々は、前記燃焼室を取り囲む前記有孔スリーブを含む、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項14】
前記燃焼室モジュールの各々は、燃焼室プレナムを画定するために、前記有孔スリーブから離れて位置付けされ且つ前記有孔スリーブを取り囲むモジュールハウジングを備え、前記燃焼室プレナムは、対応する処理材料入口から、前記有孔スリーブを通って前記燃焼室の中に処理材料を運ぶように構成されている、請求項13に記載のモジュール式除害装置。
【請求項15】
前記燃焼室モジュールの各々は、管状である、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項16】
燃焼室モジュールの各々は、処理された排出流を下流側処理装置に運ぶ出口を含む、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項17】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つは、対応する排出流入口が延びる燃焼室マウント部を備え、前記燃焼室マウント部は、燃焼室の内部長さが他の燃焼室と比較して短くなるように寸法決めされている、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項18】
前記共通ハウジング室は、前記複数の燃焼室モジュールの周りに延びるように構成された壁を備え、前記壁は、前記ヘッドプレートから前記下流側処理装置まで延びる、請求項16に記載のモジュール式除害装置。
【請求項19】
前記下流側処理装置は、前記共通ハウジング室の下流側に位置決めされた堰を備え、前記堰は、前記共通ハウジング室の断面領域と適合する断面領域を有する、請求項16に記載のモジュール式除害装置。
【請求項20】
前記燃焼室モジュールの少なくとも1つに隣接して前記共通ハウジング室の中に位置付けられた少なくとも1つのブランキングモジュールを備える、請求項1に記載のモジュール式除害装置。
【請求項21】
共通ハウジング室を画定するハウジングの寸法を決定するステップと、
排出流を処理するために前記共通ハウジング室の中に複数の燃焼室モジュールを位置付けるステップであって、前記燃焼室モジュールの各々は、内部に燃焼室を画定する有孔スリーブを含む、ステップと、
を含む方法。
【国際調査報告】