(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】焼結プレス機
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H01L21/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024501755
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 IB2021062386
(87)【国際公開番号】W WO2023285876
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021000018458
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521002822
【氏名又は名称】エイエムエックス - オートマトリックス・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】AMX - AUTOMATRIX S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】スキヴァロッキ,ニコラ
(57)【要約】
シリコンウェーハを予備焼結又は焼結するためのプレス機は、下部ブロックと上部ブロックとを含み、下部ブロックは、下部ベースと、下部プレートと、を含む。下部プレートは、少なくとも3つの圧縮ロードセル本体の上面上にのみ載り、ロードセル本体は、下部ベースによって、上面が互いに実質的に共平面になるように支持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部ブロックと上部ブロックとを含む、シリコンウェーハを予備焼結又は焼結するためのプレス機であって、
下部ブロックは、下部ベースと、下部ベースに支持され、焼結されるシリコンウェーハを支持するための下部表面を形成する下部プレートと、を含み、
上部ブロックは、上部表面に対向する上部表面を形成する上部プレートを含み、
プレス機は、下部プレートおよび/または上部プレートを、相互分離した非活性位置と、上部表面が、下部表面に存在するシリコンウェーハに所定の圧力を及ぼす活性位置との間で平行移動させるのに適したアクチュエータ手段を含み、
下部プレートは、少なくとも3つの圧縮ロードセル本体の上面上にのみ載り、
ロードセル本体は、下部ベースによって、上面が互いに実質的に共平面になるように支持された、
プレス機。
【請求項2】
ロードセル本体には圧力センサがない、
請求項1に記載のプレス機。
【請求項3】
ロードセル本体は、上部表面によってシリコンウェーハ上に及ぼされる圧力を検出するのに適した圧力センサを備える、
請求項1に記載のプレス機。
【請求項4】
ロードセルの本体は、下部表面と上部表面との間のあらゆる非平行性、および/またはシリコンウェーハの上面と下部表面および/または上部表面との間のあらゆる非平行性を補償するために、下部プレートが枢動することを可能にするような方法で撓むのに適している、
請求項1~3のいずれか1つに記載のプレス機。
【請求項5】
ロードセル本体は実質的に同じ高さを有する、
請求項1~4のいずれか1つに記載のプレス機。
【請求項6】
下部プレートは、下部プレートを下部ベースに連結させる連結バーによって所定の位置に保持される、
請求項1~5のいずれか1つに記載のプレス機。
【請求項7】
下部プレートの少なくとも2つの対向する側面は、それぞれの連結バーによって、下部ベースのそれぞれの対向する側面に連結される、
請求項6に記載のプレス機。
【請求項8】
各撓みバーは、下部プレートの頂点を、下部ベースのそれぞれの側面の反対側の頂点と連結する、
請求項7に記載のプレス機。
【請求項9】
連結バーは、ボールジョイントによって下部プレートおよび下部ベースに連結される、
請求項6~8のいずれか1つに記載のプレス機。
【請求項10】
ロードセル本体は、公称荷重において0.5ミリメートルの最大撓みを有する、
請求項1~9のいずれか1つに記載のプレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェーハの製造プロセスの分野に関し、特に、シリコンウェーハの予備焼結または焼結を行うのに適したプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
予備焼結(「ウェーハ積層」という用語でも知られている)と焼結(「ウェーハ焼結」)は、同じ専用プレス機で達成することができるシリコンウェーハの製造プロセスの2つの段階であり、プレス機操作の作業パラメータ、特に温度が互いにかなり異なる。
【0003】
請求項1の前文によれば、シリコンウェーハを予備焼結又は焼結するためのプレス機は、下部ブロックと上部ブロックとを含み、下部ブロックは、下部ベースと、下部ベースに支持され、焼結されるシリコンウェーハを支持するための下部表面(lower surface)を形成する下部プレートと、を含む。上部ブロックは、上部表面に対向する上部表面を形成する上部プレートを含む。
【0004】
プレス機は、下部プレートおよび/または上部プレートを、相互分離した非活性位置と、上部表面が、下部表面に存在するシリコンウェーハに所定の圧力を及ぼす活性位置との間で平行移動させるのに適したアクチュエータ手段を備える。
【0005】
シリコンウェーハの予備焼結及び焼結は、信頼性があると考えられるためには、以下の前提を満たすべきである:
- 約100℃から約350℃までの自由にプログラム可能なプロセス温度;
- 許容偏差約±3℃で、処理されたウェーハ上に均一に分布されるプロセス温度;
- 約1MPaから約40MPaまでの自由にプログラム可能なプロセス圧力;
- 許容偏差約±0.5MPaで、処理ウェーハ上に均一に分布されるプロセス圧力。
【0006】
これらの要求を満たすために、プレス機は次のことを保証する必要がある:
- 下部表面と上部表面の強度と絶対的な剛性;
- 下部表面と上部表面の間の絶対的な平行度。
【発明の概要】
【0007】
この発明の目的は、上記で引用した要件を満たすことができる上記タイプのプレス機を提案することである。
【0008】
上述の目的は、請求項1に記載の予備焼結又は焼結プレス機によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明によるプレス機の特徴および利点は、添付の図を参照して、非限定的な例として与えられる、その好ましい例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るプレス機の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施形態に係るプレス機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において、様々な実施形態に共通する要素は、同じ参照番号で示すものとする。
【0012】
添付図面において、符号1;100は、全体として、シリコンウェーハを予備焼結又は焼結するためのプレス機を示す。
【0013】
一般的な実施形態によれば、プレス機1;100は、下部ブロック10;110と上部ブロック12;112と、を含む。
【0014】
下部ブロック10;110は、下部ベース14;114と、下部ベースによって支持され、予備焼結又は焼結されるシリコンウェーハを支持するための下部表面16’;116’を形成する下部プレート16;116とを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、図面に示されるように、下部プレート16;116は、2つの重なり合った、剛性的に接続されたプレート部分(例えば、
図2および
図3において116aおよび116bとして示される)を含んでもよく、シリコンウェーハが載る上部部分116aは加熱プレートであり、ロードセルと接触する上部部分116bは低温に維持される。
【0016】
上部ブロック12;112は、下部表面16’;116’に面する上部表面18’;118’を形成する上部プレート18;118を含む。
【0017】
プレス機は、下部プレート16;116および/または上部プレート18;118を、相互分離の非活性位置と、上部表面が下部表面のシリコンウェーハに所定の圧力を及ぼす活性位置との間で平行移動させるのに適した、例えば油圧式または電気式のアクチュエータ手段を備える。
【0018】
本発明の一態様によれば、下部プレート16;116は、下部ベース14;114によって上面が互いに実質的に共平面になるように支持された少なくとも3つの圧縮ロードセル本体20の上面(top surface)上にのみ載る。
【0019】
図1の実施形態では、下部プレート16は、例えば正三角形の頂点に配置された3つのロードセルの本体20上に載っている。
【0020】
図2および
図3の実施形態では、下部プレート116は、例えば正方形の頂点に配置された4つのロードセルの本体20上に載っている。
【0021】
ロードセル本体の数は、焼結される表面および/またはシリコンウェーハに加えられる圧力に依存し得る。
【0022】
ロードセルの本体20は、下部表面と上部表面との間のあらゆる非平行性、および/またはシリコンウェーハの上面(upper surface of silicon wafer)と下部表面および/または上部表面との間のあらゆる非平行性を補償するために、下部プレートが枢動することを可能にするような方法で撓むのに適している。
【0023】
したがって、ロードセルの本体20、またはケーシング、を下部プレートの唯一の支持要素として使用することにより、下部表面16’;116’と上部表面18’;118’との間の完全な接着(adhesion)が可能になる。
【0024】
一実施形態では、ロードセル本体20には圧力センサがない。したがって、その場合、ロードセルは専ら枢動支持手段として使用される。
【0025】
他の実施形態では、ロードセル本体20は、上部表面によってシリコンウェーハ上に及ぼされる圧力を検出するのに適した圧力センサ、例えば歪みゲージを備える。
【0026】
したがって、この場合、ロードセルは下部プレートの枢動支持の機能と圧力センサの機能の両方を果たす。
【0027】
一実施形態では、ロードセル本体20は実質的に同じ高さを有する。例えば、ロードセル本体の上面は、本体が同じ高さを有するように、同時に研削工程を受ける。
【0028】
一実施形態では、ロードセル本体は互いに同一である。
【0029】
いくつかの実施形態では、下部プレート16;116は、連結バー22;122、例えば調整可能な撓みバー(deflection bar)によって所定の位置に保持される。言い換えれば、連結バー22;122は、ロードセル本体20上に専ら静止し、他の制約を受けない下部プレート16;116が、ロードセル本体20に対して望ましくない状態で平行移動するのを防止する。
【0030】
例えば、長方形形状の下部ブロック10;110の場合、下部プレート16;116の少なくとも2つの対向する側面は、それぞれの連結バー22;122によって下部ベース14;114のそれぞれの対向する側面に連結される。具体的には、各連結バー22;122は、底部プレート16;116の頂点を、下部ベース14;114のそれぞれの側面の反対側の頂点と連結する。好ましくは、さらに、下部ブロックの対向する側面のバー22;122は、それぞれの頂点に対して反対の方法で接続される。言い換えれば、2つの対向するバーは、下部プレートの対向する頂点(すなわち、平面図で見た下部プレートの外周を規定する長方形の対角線の両端)を下部ベースの対向する頂点に接続する。
【0031】
一実施形態では、連結バー22;122は、ボールジョイント24によって下部プレート16;116および下部ベース14;114に連結されており、下部プレートとロードセル本体との間の相互作用に影響を与えることなく、下部ベースに対する下部プレートのあらゆる傾斜を許容するようになっている。
【0032】
一実施形態では、ロードセル本体は、公称荷重(nominal load)において約0.5ミリメートルの最大撓みを有する。
【0033】
例えば、プレス機は、ロードセルの中心線によって定義される表面の端から端まで約0.3ミリメートルまでの非平行性を補償することができる。
【0034】
本発明によるプレス機の実施形態に対して、偶発的なニーズを満たすために、当業者は、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの変更、適合、および他の機能的に等価なものとの要素の置換を行うことができる。可能な実施形態に属するものとして記載された各特徴は、他の記載された実施形態から独立して得ることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部ブロック
(10;110)と上部ブロック
(12;112)とを含む、シリコンウェーハを予備焼結又は焼結するためのプレス機
(1;100)であって、
下部ブロック
(10;110)は、下部ベース
(14;114)と、下部ベース
(14;114)に支持され、焼結されるシリコンウェーハを支持するための下部表面
(16’;116’)を形成する下部プレート
(16;116)と、を含み、
上部ブロック
(12;112)は、
下部表面(16’;116’)に対向する上部表面
(18’;118’)を形成する上部プレート
(18;118)を含み、
プレス機
(1;100)は、下部プレート
(16;116)および/または上部プレート
(18;118)を、相互分離した非活性位置と、上部表面
(18’;118’)が、下部表面
(16’;116’)に存在するシリコンウェーハに所定の圧力を及ぼす活性位置との間で平行移動させるのに適したアクチュエータ手段を含み、
下部プレート
(16;116)は、少なくとも3つの圧縮ロードセル本体
(20)の上面上にのみ載り、
少なくとも3つの圧縮ロードセル本体(20)のみが、下部プレートを支持する要素であり、
ロードセル本体は、下部ベース
(14;114)によって、上面が互いに実質的に共平面になるように支持された、
プレス機
(1;100)。
【請求項2】
ロードセル本体
(20)には圧力センサがない、
請求項1に記載のプレス機
(1;100)。
【請求項3】
ロードセル本体
(20)は、上部表面
(18’;118’)によってシリコンウェーハ上に及ぼされる圧力を検出するのに適した圧力センサを備える、
請求項1に記載のプレス機
(1;100)。
【請求項4】
ロードセルの本体
(20)は、下部表面
(16’;116’)と上部表面
(18’;118’)との間のあらゆる非平行性、および/またはシリコンウェーハの上面
(18’;118’)と下部表面および/または上部表面との間のあらゆる非平行性を補償するために、下部プレート
(16;116)が枢動することを可能にするような方法で撓むのに適している、
請求項1~3のいずれか1つに記載のプレス機
(1;100)。
【請求項5】
ロードセル本体は実質的に同じ高さを有する、
請求項1~4のいずれか1つに記載のプレス機
(1;100)。
【請求項6】
下部プレート
(16;116)は、下部プレート
(16;116)を下部ベース
(10;110)に連結させる連結バー
(22;122)によって所定の位置に保持される、
請求項1~5のいずれか1つに記載のプレス機
(1;100)。
【請求項7】
下部プレート
(16;116)の少なくとも2つの対向する側面は、それぞれの連結バー
(22;122)によって、下部ベース
(14;114)のそれぞれの対向する側面に連結される、
請求項6に記載のプレス機
(1;100)。
【請求項8】
各撓みバー
(22;122)は、下部プレート
(16;116)の頂点を、下部ベース
(14;114)のそれぞれの側面の反対側の頂点と連結する、
請求項7に記載のプレス機
(1;100)。
【請求項9】
連結バー
(22;122)は、ボールジョイント
(24)によって下部プレート
(16;116)および下部ベース
(14;114)に連結される、
請求項6~8のいずれか1つに記載のプレス機
(1;100)。
【請求項10】
ロードセル本体は、公称荷重において0.5ミリメートルの最大撓みを有する、
請求項1~9のいずれか1つに記載のプレス機
(1;100)。
【国際調査報告】