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特表2024-529352無線リソース制御(RRC)接続中以外のRRC接続状態にある中継ユーザ機器(UE)装置を介した間接通信への経路切り替え
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  • 特表-無線リソース制御(RRC)接続中以外のRRC接続状態にある中継ユーザ機器(UE)装置を介した間接通信への経路切り替え 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】無線リソース制御(RRC)接続中以外のRRC接続状態にある中継ユーザ機器(UE)装置を介した間接通信への経路切り替え
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/14 20180101AFI20240730BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240730BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20240730BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240730BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20240730BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20240730BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W92/18
H04W88/04
H04W84/18 110
H04W76/27
H04W4/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502049
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037067
(87)【国際公開番号】W WO2023287947
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/222,303
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】
基地局は、遠隔ユーザ機器(UE)装置との直接通信から中継UE装置を通した間接通信への経路切り替えを開始するために、遠隔UE装置に無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを送信する。経路切り替えが開始されるとき、中継UE装置は、RRC接続中(RRC CONN)以外のRRC接続状態である。遠隔UE装置は、中継UE装置を介して基地局にRRC再構成完了メッセージを送信する。RRC再構成完了メッセージを受信したことに応答して、中継UEは、中継UE装置がRRCアイドル状態にあるときに基地局とのRRC接続確立を実施し、中継UE装置がRRC INACTIVE状態にあるときに基地局とのRRC再開を実施する。中継UE装置は、RRC再構成完了メッセージを基地局に送信する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継ユーザ機器(UE)装置であって、
前記中継UE装置を無線リソース制御(RRC)接続中(RRC CONN)以外の基地局とのRRC接続状態に維持するように構成された制御部と、
PC5通信リンクを介して遠隔UE装置から前記基地局に向けられたRRC再構成完了メッセージを受信するように構成された受信部と、
送信部と、を備え、
前記送信部は、
前記RRC再構成完了メッセージの受信に応答して、ターゲット中継UE装置がRRCアイドル状態にあるときにRRC接続確立要求メッセージを前記基地局へ送信し、
前記ターゲット中継UE装置がRRC INACTIVE状態にあるとき、前記RRC再構成完了メッセージを受信したことに応答して、RRC再開要求メッセージを前記基地局に送信し、
前記RRC接続確立要求メッセージ及び前記RRC再開要求メッセージのうちの1つに応答して確立されたUu通信リンクを介して前記基地局に前記RRC再構成完了メッセージを送信するように構成されている、
中継ユーザ機器(UE)装置。
【請求項2】
前記RRC再構成完了メッセージは、前記基地局と前記遠隔UE装置との間のUu直接通信リンクを介して前記基地局から送信されたRRC再構成メッセージを前記遠隔UE装置において受信したことに応答して、前記遠隔UE装置によって送信され、前記RRC再構成メッセージは、前記遠隔UE装置と前記基地局との間の直接通信リンクから、前記中継UE装置を介した前記遠隔UE装置と前記基地局との間の間接通信リンクへの経路切り替えを開始する、
請求項1に記載の中継UE装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記RRC再開要求メッセージを送信した後にRRC再開メッセージを受信するように更に構成され、
前記送信部は、前記RRC再開メッセージを受信した後にRRC再開完了メッセージを送信するように更に構成されている、
請求項1に記載の中継UE装置。
【請求項4】
前記送信部及び前記受信部は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)新無線(NR)V2X通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って動作するように構成されている、
請求項1に記載の中継UE装置。
【請求項5】
遠隔ユーザ機器(UE)装置であって、
直接Uu通信リンクを介してサービング基地局に測定レポートを送信するように構成された送信部であって、前記測定レポートは、無線リソース制御(RRC)接続中(RRC CONN)以外のRRC接続状態にある候補中継UE装置から送信された信号の測定値を含む、送信部と、
前記直接Uu通信リンクを介して前記基地局から、前記基地局によって前記測定レポートから選択されたターゲット中継UE装置を識別するRRC再構成メッセージを受信するように構成された受信部であって、前記ターゲット中継UE装置は、RRC接続中(RRC CONN)以外のRRC接続状態にある、受信部と、を備え、
前記送信部は、PC5通信リンクを介して前記ターゲット中継UE装置にRRC再構成完了メッセージを送信することによって、前記基地局に前記RRC再構成完了メッセージを送信するように更に構成され、
前記RRC再構成完了メッセージは、前記ターゲット中継UE装置がRRCアイドル状態にあるときに、前記基地局とのRRC接続確立を実施するように前記ターゲット中継UE装置を呼び出し、
前記RRC再構成完了メッセージは、前記ターゲット中継UE装置がRRC INACTIVE状態にあるときに、前記基地局とのRRC再開を実施するように前記ターゲット中継UE装置を呼び出す、
遠隔ユーザ機器(UE)装置。
【請求項6】
前記信号は、サイドリンクディスカバリメッセージである、請求項5に記載の遠隔UE装置。
【請求項7】
前記測定レポートは、複数の候補中継UE装置についての複数の測定値を含み、
前記複数の測定の各測定値は、前記複数の候補中継UE装置のうちの異なる候補中継UE装置に対応し、
少なくとも1つの候補中継UE装置は、RRC CONNにある、
請求項5に記載の遠隔UE装置。
【請求項8】
少なくとも1つの候補中継UE装置は、前記ターゲット中継UE装置である、請求項7に記載の遠隔UE装置。
【請求項9】
前記送信部及び前記受信部は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)新無線(NR)V2X通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って動作するように構成されている、請求項5に記載の遠隔UE装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2021年7月15日に出願され、整理番号TPRO 00363 USとし、「SERVICE CONTINUITY UNDER L2 SIDELINK RELAYING」と題する、米国仮出願第63/222,303号の優先権を主張する。当該米国仮出願は、本出願の譲受人に譲渡されており、その全体は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には、中継装置を使用する無線通信リンクの管理に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザ機器(UE)装置に無線サービスを提供する複数の基地局を採用する多くの無線通信システムは、UE装置が他のUE装置と直接通信することができる2つ以上のUE装置間のサイドリンク通信を可能にしている。サイドリンク通信では、UE装置は、基地局を介する代わりにセルラーリソースを使用して通信リンクを介して互いにデータ信号を送信する。かかる近接サービス(ProSe:Proximity Services)通信は、装置-装置間(D2D:device-to-device)と称されることもある。加えて、1又は複数のUE装置が、UE装置と宛先との間の中継装置として使用されることができ、中継装置は、UE装置と宛先との間でデータを転送する。宛先は、通信ネットワーク又は別のUE装置(宛先UE装置)であってもよい。宛先がネットワークである場合、中継機能は、典型的には、UE-ネットワーク(U2N:UE-to-Network)中継と称され、中継UE装置は、遠隔UEと基地局(gNB)又はセルとの間の通信経路を確立する。一部の状況では、例えば、UE装置は、基地局のサービスエリア外にあってもよく、中継UE装置は、かかるカバレッジ外(OoC)UE装置から中継UE装置を通して基地局にルーティングされた通信リンクを提供する。宛先デバイスが別のUE装置(ターゲットUE装置)である場合、中継機能は、通常、UE-UE(U2U)中継と称される。
【発明の概要】
【0004】
基地局は、遠隔ユーザ機器(UE)装置との直接通信から中継UE装置を通した間接通信への経路切り替えを開始するために、遠隔UE装置に同期による無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを送信する。経路切り替えが開始されるとき、中継UE装置は、RRC接続中(RRC CONN)以外のRRC接続状態である。遠隔UE装置は、中継UE装置を介して基地局にRRC再構成完了メッセージを送信する。RRC再構成完了メッセージを受信したことに応答して、中継UEは、中継UE装置がRRCアイドル状態にあるときに基地局とのRRC接続確立を実施し、中継UE装置がRRC INACTIVE状態にあるときに基地局とのRRC再開を実施する。中継UE装置は、Uu通信リンクを介してRRC再構成完了メッセージを基地局に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】候補中継UE装置が遠隔UE装置108によって受信される基準信号を送信する例のための通信システムのブロック図であり、候補中継UE装置は、RRC接続中状態のうちのいずれか1つであってもよい。
【0006】
図1B】遠隔UE装置が基地局へ測定レポートを送信する通信システムのブロック図である。
【0007】
図1C】遠隔UE装置が、基地局へ中継するためにターゲット中継UE装置へRRC再構成完了メッセージを送信する通信システムのブロック図である。
【0008】
図1D】ターゲット中継UE装置がRRC再構成完了メッセージをRRC再構成完了送信として基地局へ転送する通信システムのブロック図である。
【0009】
図2】基地局の一例のブロック図である。
【0010】
図3】UE装置の各々としての使用に適したUE装置の一例のブロック図である。
【0011】
図4A】ターゲット中継UE装置がRRC INACTIVEである場合の、直接経路から間接経路への切り替えのための中継リンク管理の一例を示すメッセージ図である。
【0012】
図4B】ターゲット中継UE装置がRRC IDLEである場合の、直接経路から間接経路への切り替えのための中継リンク管理の一例を示すメッセージ図である。
【0013】
図5】直接通信リンクから間接通信リンクへの経路切り替えを管理する方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記で説明したように、中継UE装置は、遠隔UE装置と、別のUE装置(宛先UE装置)又はネットワークであり得る宛先との間の接続を提供する。宛先がネットワークである場合、中継は、ネットワークの基地局(gNB)によって提供されるセルへの接続を提供する。遠隔UE装置とターゲットUE装置との間の中継接続は、UE-UE(U2U)中継接続と称されることがある。遠隔UE装置と基地局(gNB)との間の中継接続は、UE-ネットワーク(U2N)中継接続と称されることがある。一部の状況では、最終的な宛先は、基地局を介したターゲットUE装置である。中継が基地局(gNB)に接続する従来のシステムでは、中継UE装置は、中継として機能するための特定の基準を満たすことが必要とされる。例えば、中継UE装置は、カバレッジ内にあり、U2N中継機能に利用可能であるために十分な品質の基地局へのセルラー(Uu)通信リンクを有していなければならない。
【0015】
サイドリンク中継機能は、カバレッジ外(OoC)にある遠隔UEが、中継UE装置を介してgNB又は基地局と接続することを可能にする。UE-ネットワーク間(U2N)中継では、中継UEは、セルのカバレッジ内にあり、gNBに接続される必要がある。遠隔UE装置から基地局(gNB)への中継接続は、遠隔UE装置と中継UE装置との間のPC5リンク(サイドリンク)と、中継UE装置とgNBとの間のUuリンクとを含む。
【0016】
一部の状況では、遠隔UE装置は、中継UE装置を通して通信することなしに基地局(gNB)と直接通信しており、基地局は、遠隔UE装置への通信リンクが直接リンクから中継UE装置を通した間接リンクに切り替えられるべきであると判定する。しかしながら、間接リンクへの切り替えを行う際に、基地局は、RRC接続中状態(RRC CONN)以外のRRC状態にある中継UE装置によって提供される間接中継リンクに切り替えることを選択することができる。RRCアイドル状態(RRC IDLE)又はRRC非アクティブ状態(RRC INACTIVE)にある中継UE装置を通して中継接続に切り替えることと比較して、RRC CONNにある中継UE装置を通して中継接続に切り替えるとき、レイテンシが最小化され得る。しかしながら、一部の状況では、RRC IDLE又はRRC INACTIVEで中継を通る経路が好ましいことがある。したがって、基地局は、レイテンシを犠牲にしてより良い経路を選択することができる。他の状況では、RRC CONNにおける中継は利用可能でないことがあり、中継UE装置にPC5接続された遠隔UE装置がないときに中継UE装置をIDLE又はINACTIVEに保つことが概してより電力効率がよいため、唯一の間接的なオプションは、IDLE又はINACTIVEにおける中継を含む。また、現在の通信規格は、遠隔UE装置が測定レポートに含まれる候補中継UE装置のプールをRRC CONNなどの任意の特定のRRC状態に制限することを規定しておらず、遠隔UEが測定レポートにリストされた候補中継UE装置の状態を示すことを規定していない。
【0017】
本明細書の例では、基地局は、同期によるRRC再構成メッセージを遠隔UE装置へ送信して、現在RRC CONN以外のRRC状態にある中継UE装置を経て直接リンクから間接リンクへの経路切り替えを開始する。遠隔UEは、中継UE装置を通して基地局にRRC再構成完了メッセージを送信し、これは、中継UE装置をRRC CONNに遷移させるための手順をトリガする。RRC再構成完了メッセージを受信したことに応答して、中継UEは、中継UE装置がRRCアイドル状態であるとき、基地局とのRRC接続確立を実施し、ターゲット中継UE装置がRRC INACTIVE状態であるとき、基地局とのRRC再開を実施する。中継UE装置は、Uu通信リンクを介して基地局にRRC再構成完了メッセージを送信する。
【0018】
本明細書で説明される技術は、種々のタイプのシステム及び通信仕様に適用され得るが、例のデバイスは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)新無線(NR)V2X通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って動作する。したがって、本明細書で説明する技術は、通信仕様の1又は複数の将来の改訂版によって採用され得るが、本技術は、サイドリンク又はD2Dが採用される他の通信仕様に適用され得る。より具体的には、本技術は、3GPP NR仕様の現在及び将来のリリースに適用されてもよい。例えば、本技術は、3GPP NR(3GPP Rel-17)及び3GPP Rel-18に適用されてもよい。
【0019】
図1Aは、候補中継UE装置101~103が遠隔UE装置108によって受信される基準信号104~106を送信する例のための通信システム100のブロック図であり、候補中継UE装置101~103は、RRC接続中状態のうちのいずれか1つにあり得る。候補中継UE装置101~103は、基地局(gNB)112のセルカバレッジエリア110内にある。この例では、第1の候補中継UE装置101はRRC非アクティブ状態(RRC INACTIVE)にあり、第2の候補中継UE装置102はRRC接続中状態(RRC CONN)にあり、第3の候補中継UE装置103はRRCアイドル状態(RRC IDLE)にある。
【0020】
遠隔UE装置108は、直接Uu通信リンク114を介して基地局112と通信している。したがって、遠隔UE装置108は、図1A図1Dを参照して説明した例のシナリオが開始するとき、セルカバレッジエリア110内にある。遠隔UE装置108は、候補中継UE装置101、102、103の各々から基準信号104、105、106を受信する。この例では、基準信号104~106はサイドリンクディスカバリ信号であり、ディスカバリ信号は、モデルAディスカバリ告知メッセージ又はモデルB応答メッセージとすることができる。
【0021】
図1Bは、遠隔UE装置108が測定レポート120を基地局112へ送信する通信システム100のブロック図である。遠隔UE装置108は、遠隔UE装置108において受信された基準信号104~106の測定値に基づいて測定レポート120を生成する。例として、測定レポート120は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って生成される。基地局112は、測定レポートを受信し、遠隔UE装置108が基地局112への直接通信経路から中継UE装置を介する間接通信経路に切り替えるべきであると判定する。この例では、基地局112は、候補中継UE装置101を間接通信経路のターゲット中継UE装置として選択する。基地局は、候補中継UE装置101を通る間接経路に切り替えるように遠隔UE装置108に命令する同期によるRRC再構成メッセージ122を送信する。したがって、図1A図1Dを参照しながら説明した例では、遠隔UE装置108が同期によるRRC再構成メッセージ122を受信したとき、ターゲット中継UE装置はRRC INACTIVEである。
【0022】
図1Cは、遠隔UE装置108が、基地局112へ中継するためにターゲット中継UE装置(候補中継UE装置101)へRRC再構成完了メッセージ124を送信する通信システム100のブロック図である。同期によるRRC再構成メッセージ122を受信したことに応答して、遠隔UE装置は、候補中継UE装置101とのサイドリンク(PC5リンク)126を確立する。PC5リンクが確立された後、遠隔UE装置108は、SL-RLC1のデフォルト設定を用いて、RRC再構成完了メッセージ124を候補中継UE装置101に送信し、基地局112に向けられる。RRC再構成完了メッセージ124を受信したことに応答して、ターゲット中継UE装置101は、基地局112とのRRC CONN状態を再開するための手順を実施する。この例では、ターゲット中継UE装置101は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って再開手順を実施し、これは、通常、少なくとも、RRC再開要求メッセージを基地局112に送信することと、RRC再開メッセージを基地局112から受信することと、RRC再開完了メッセージを基地局112に送信することと、を含む。手順が実施された後、RRC CONN状態128が再開される。
【0023】
ターゲット中継UE装置がRRC IDLEにある候補中継UE装置である状況では、候補中継UE装置は、RRC接続確立手順を実施する。ターゲット中継UE装置が候補中継UE装置103である場合、例えば、候補中継UE装置103は、3GPP通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従ってRRC確立手順を実施し、それは、通常、RRC確立要求メッセージを基地局112に送信することと、RRC再構成メッセージを基地局112から受信することと、RRC再構成完了メッセージを基地局112に送信することと、を含む。
【0024】
図1Dは、通信システム100のブロック図であり、ターゲット中継UE装置(候補中継UE装置101)は、基地局112への遠隔再構成完了中継送信130においてRRC再構成完了メッセージ124に関連した情報を転送する。基地局112とのRRC CONNが再開された後、ターゲット中継UE装置(候補中継UE装置101)は、再構成完了メッセージ124を基地局112に中継し、中継UE装置101を介した、遠隔UE装置108と基地局112との間の間接通信経路132が確立される。この例では、遠隔再構成完了中継送信130は、サイドリンク中継適応プロトコル(SRAP)技術を使用して送信されるシグナリング無線ベアラ1(SRB1)メッセージである。
【0025】
図2は、基地局112としての使用に適した基地局200、及びセルを提供するか、又は別様でUE装置のいずれかにサービスする任意の基地局の一例のブロック図である。基地局200は、制御部204、送信部206、及び受信部208、並びに他の電子機器、ハードウェア、及びコードを含む。基地局200は、本明細書で説明する機能を実施する任意の固定機器、モバイル機器、又は携帯機器である。基地局112、200を参照しながら説明したブロックの種々の機能及び動作は、任意の数のデバイス、回路、又は要素において実装され得る。機能ブロックのうちの2つ以上は、単一のデバイスに統合されてもよく、任意の単一のデバイスにおいて行われるものとして説明される機能は、複数のデバイスにわたって実装されてもよい。基地局200は、システム配備時に特定のロケーションに設置される固定デバイス又は装置であり得る。かかる機器の例には、固定基地局又は固定送受信局が含まれる。基地局は異なる用語で称されることがあるが、基地局は、3GPP V2X動作の1又は複数の通信仕様に従って動作するとき、概してgNodeB又はgNBと称される。一部の状況では、基地局200は、特定のロケーションに一時的に設置されたモバイル機器であり得る。かかる機器の一部の例は、発電機、ソーラーパネル、及び/又はバッテリなどの発電機器を含み得るモバイル送受信局を含む。かかる機器のより大きくより重いバージョンは、トレーラーによって輸送されてもよい。更に他の状況では、基地局200は、任意の特定のロケーションに固定されていない携帯デバイスであってもよい。
【0026】
制御部204は、本明細書で説明される機能を実行するとともに、基地局200の全体的な機能を容易にするためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部204の一例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ構成上で実行されるコードを含む。送信部206は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。一部の状況では、送信部206は、複数の送信部を含み得る。受信部208は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。一部の状況では、受信部208は複数の受信部を含み得る。受信部208及び送信部206は、それぞれ、アンテナ210を介して信号を受信及び送信する。アンテナ210は、別個の送信アンテナと受信アンテナとを含んでもよい。一部の状況では、アンテナ210は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。
【0027】
図2の例における送信部206及び受信部208は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実施する。したがって、受信部208は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどの構成要素を含み得る。送信部206は、フィルタと増幅器とを含み得る。他の構成要素は、アイソレータ、整合回路、及び他のRF構成要素を含み得る。これらの構成要素は、他の構成要素と組み合わせて、又は協働して、基地局機能を実施する。必要とされる構成要素は、基地局によって必要とされる特定の機能に依存してもよい。
【0028】
送信部206は変調器(図示せず)を含み、受信部208は復調器(図示せず)を含む。変調器は、ダウンリンク信号の一部として送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちのいずれか1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従って、基地局200において受信された任意のアップリンク信号を復調する。
【0029】
基地局200は、他の基地局とメッセージを送信し、受信するための通信インターフェース212を含む。通信インターフェース212は、他の基地局との通信を可能にするバックホール又はネットワークに接続され得る。一部の状況では、基地局間のリンクは、少なくとも一部の無線部分を含み得る。したがって、通信インターフェース212は、無線通信機能を含んでもよいし、送信部206及び/又は受信部208の構成要素のうちの一部を利用してもよい。
【0030】
図3は、UE装置101~103、108の各々として使用するのに適したUE装置300の一例のブロック図である。一部の例では、UE装置300は、モバイルフォン、トランシーバモデム、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレット、又はスマートフォンなどの任意の無線通信装置である。他の例では、UE装置300は、マシンタイプ通信(MTC)装置又はモノのインターネット(IOT)装置である。UE装置300は、したがって、本明細書に説明される機能を果たす、任意の固定機器、モバイル機器、又は携帯機器である。UE装置300を参照しながら説明したブロックの種々の機能及び動作は、任意の数のデバイス、回路、又は要素において実装され得る。機能ブロックのうちの2つ以上は、単一のデバイスに統合されてもよく、任意の単一のデバイスにおいて行われるものとして説明される機能は、複数のデバイスにわたって実装されてもよい。
【0031】
UE装置300は、少なくとも制御部302と、送信部304と、受信部306とを含む。制御部302は、本明細書で説明する機能を実行するとともに通信装置の全体的な機能を容易にするためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部302の一例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ構成上で実行されるコードを含む。送信部304は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。一部の状況では、送信部304は、複数の送信部を含み得る。受信部306は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。一部の状況では、受信部306は複数の受信部を含み得る。受信部306及び送信部304は、それぞれアンテナ308を介して信号を受信及び送信する。アンテナ308は、別個の送信アンテナと受信アンテナとを含んでもよい。一部の状況では、アンテナ308は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。
【0032】
図3の例における送信部304及び受信部306は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実施する。したがって、受信部306は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどの構成要素を含み得る。送信部304は、フィルタと増幅器とを含み得る。他の構成要素は、アイソレータ、整合回路、及び他のRF構成要素を含み得る。これらの構成要素は、他の構成要素と組み合わせて、又は協働して、通信装置機能を実施する。必要とされる構成要素は、通信装置によって必要とされる特定の機能に依存してもよい。
【0033】
送信部304は変調器(図示せず)を含み、受信部306は復調器(図示せず)を含む。変調器は、複数の変調次数のうちのいずれか1つを適用して、アップリンク信号の一部として送信される信号を変調することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従ってダウンリンク信号を復調する。UE装置300は、制御部302の一部であるメモリに加えて、メモリ310を含む。遠隔再構成完了中継送信130に含まれ得る、候補中継優先順位付けリストなどの情報は、メモリ310、制御部302、又は2つの組み合わせ上に記憶及び維持されてもよい。
【0034】
図4Aは、ターゲット中継UE装置がRRC INACTIVEにある場合の、直接経路から間接経路への切り替えのための中継リンク管理の一例についてのメッセージ図400である。図4Aは、3つの候補中継UE装置101~103を示すが、任意の数の候補中継装置がメッセージングに関与し得る。この例は、遠隔UE装置108が基地局(gNB)112と直接通信(402)し、第1の候補中継UE装置101がRRC非アクティブ状態(RRC INACTIVE)にあり、第2の候補中継UE装置102がRRC接続中状態(RRC CONN)にあり、そして第3の候補中継UE装置103がRRCアイドル状態(RRC IDLE)にある状態で始まる。アップリンクデータ及びダウンリンクデータは、直接Uu通信リンク402を介して遠隔UE装置108とgNB112との間で交換される。
【0035】
送信404において、モデルBディスカバリ要求が、遠隔UE装置108から近くの候補中継UE装置に送信される。一部の状況では、モデルBディスカバリ要求は省略され得る。したがって、モデルBディスカバリ要求を表す矢印は、送信が必要とされない場合があることを示すために破線で示されている。例えば、モデルAディスカバリメッセージが候補中継UE装置から受信される場合、モデルB要求は必要とされないことがある。
【0036】
送信406において、候補中継UE装置102からディスカバリメッセージが送信される。送信408において、候補中継UE装置101からディスカバリメッセージが送信される。送信410において、候補中継UE装置103からディスカバリメッセージが送信される。送信406、408、410のディスカバリメッセージは、モデルAディスカバリ告知メッセージであってもよいし、又はモデルBディスカバリ応答メッセージであってもよい。遠隔UE装置108は、ディスカバリメッセージを受信し、中継再選択手順の一部として、受信された信号及び情報を評価する。例として、遠隔UE装置108は、受信したディスカバリメッセージのサイドリンクディスカバリ基準信号受信電力(SD-RSRP)レベルを測定する。
【0037】
送信412において、遠隔UE装置108は、測定レポートをgNB112に送信し、測定レポートは、候補中継装置の信号品質測定値を含む。したがって、測定レポートは、ディスカバリ信号406、408、410のSD-RSRPレベルなどの信号品質測定値を含む。
【0038】
イベント414において、gNB112は、遠隔UE装置108との通信が直接接続からターゲット中継UE装置を介した間接接続に切り替えられるべきであると判定する。間接通信に切り替えるためのgNB112による決定は、どのイベントが測定レポートをトリガしたか、SD-RSRPレベル(複数可)、RRC接続ステータス、及び候補中継UEの輻輳レベルなど、ファクタの任意の組み合わせに基づき得る(gNBは、いくつの遠隔UE装置が特定の候補中継UEにすでに接続されているかを知り得る)。図4Aの例では、gNB112は、候補中継UE装置(UE1)101をターゲットUE装置として選択する。
【0039】
送信416において、gNB112は、同期によるRRC再構成メッセージを遠隔UE装置108に送信する。同期によるRRC再構成メッセージは、直接通信リンク402からターゲット候補中継UE装置101を介した間接通信リンクへの切り替えを開始する。
【0040】
イベント418において、遠隔UE装置108とターゲット候補中継UE装置101との間にPC5接続が確立される。一部の状況では、PC5接続がすでに確立されている場合があり、イベント418は必要とされない。
【0041】
送信420において、遠隔UE装置108は、候補中継UE装置101を介してgNB112に向けられたRRC再構成完了メッセージを送信する。RRC再構成完了メッセージ420は、PC5リンクを介してターゲット中継UE装置101において受信される。
【0042】
RRC再構成完了メッセージ420を受信したことに応答して、ターゲット中継UE装置101は、送信422においてRRC再開要求を送信することによってRRC再開手順を開始する。
【0043】
ターゲット中継UE装置101及びgNB112は、RRC CONNを再開するためにメッセージを交換する。この例では、gNB112は、送信424においてRRC再開メッセージを送信し、ターゲット中継UE装置101は、RRC再開完了メッセージ426を送信する。ターゲット中継UE装置101がRRC CONNにあるとき、ターゲット中継UE装置101とgNB112との間にUu通信リンク428が確立される。
【0044】
送信429において、gNB112は、サイドリンク無線リンク制御(RLC)構成と、UuリンクにおけるRLC構成と、中継動作のために使用される遠隔UE識別子(ID)との両方を構成するために、ターゲット中継UE装置101にRRC再構成メッセージを送信する。
【0045】
ターゲット中継UE装置101は、送信430において、遠隔UE装置108から受信されたRRC再構成完了メッセージをgNB112に中継する。遠隔UE装置108とgNB112との間の通信は、中継UE装置101を通じた中継接続を含む間接通信リンク432を介して継続する。
【0046】
図4Bは、ターゲット中継UE装置がRRC IDLEにある場合の直接経路から間接経路への切り替えのための中継リンク管理の一例についてのメッセージ図450である。図4Bは、3つの候補中継UE装置101~103を示すが、任意の数の候補中継装置がメッセージングに関与し得る。この例は、遠隔UE装置108が基地局(gNB)112と直接通信(402)し、第1の候補中継UE装置101がRRC非アクティブ状態(RRC INACTIVE)にあり、第2の候補中継UE装置102がRRC接続中状態(RRC CONN)にあり、そして第3の候補中継UE装置103がRRCアイドル状態(RRC IDLE)にある状態で始まる。アップリンクデータ及びダウンリンクデータは、直接Uu通信リンク402を介して遠隔UE装置108とgNB112との間で交換される。
【0047】
送信404において、モデルBディスカバリ要求が、遠隔UE装置108から近くの候補中継UE装置に送信される。一部の状況では、モデルBディスカバリ要求は省略され得る。したがって、モデルBディスカバリ要求を表す矢印は、送信が必要とされない場合があることを示すために破線で示されている。例えば、モデルAディスカバリメッセージが候補中継UE装置から受信される場合、モデルB要求は必要とされないことがある。
【0048】
送信406において、候補中継UE装置102からディスカバリメッセージが送信される。送信408において、候補中継UE装置101からディスカバリメッセージが送信される。送信410において、候補中継UE装置103からディスカバリメッセージが送信される。送信406、408、410のディスカバリメッセージは、モデルAディスカバリ告知メッセージであり得るか、又はモデルBディスカバリ応答メッセージであり得る。遠隔UE装置108は、ディスカバリメッセージを受信し、中継再選択手順の一部として、受信された信号及び情報を評価する。例として、遠隔UE装置108は、受信されたディスカバリメッセージのSD-RSRPレベルを測定する。
【0049】
送信412において、遠隔UE装置は、測定レポートをgNB112に送信し、測定レポートは、候補中継装置の信号品質測定値を含む。したがって、測定レポートは、ディスカバリ信号406、408、410のSD-RSRPレベルなどの信号品質測定値を含む。
【0050】
イベント414において、gNB112は、遠隔UE装置108との通信が直接接続からターゲット中継UE装置を介した間接接続に切り替えられるべきであると判定する。間接通信に切り替えるためのgNB112による決定は、どのイベントが測定レポートをトリガしたか、SD-RSRPレベル(複数可)、RRC接続ステータス、及び候補中継UEの輻輳レベルなど、ファクタの任意の組み合わせに基づき得る(gNBは、いくつの遠隔UE装置が特定の候補中継UEにすでに接続されているかを知り得る)。図4Bの例では、gNB112は、候補中継UE装置(UE3)103をターゲットUE装置として選択する。
【0051】
送信416において、gNB112は、RRC再構成メッセージを遠隔UE装置108に送信する。RRC再構成メッセージは、直接通信リンク402からターゲット候補中継UE装置103を介した間接通信リンクへの切り替えを開始する。
【0052】
イベント418において、遠隔UE装置108とターゲット候補中継UE装置103との間にPC5接続が確立される。一部の状況では、PC5接続はすでに確立されていることがあり、イベント418は必要とされない。
【0053】
送信420において、遠隔UE装置108は、候補中継UE装置103を介してgNB112に向けられたRRC再構成完了メッセージを送信する。RRC再構成完了メッセージ420は、PC5リンクを介してターゲット中継UE装置103において受信される。
【0054】
RRC再構成完了メッセージ420を受信したことに応答して、ターゲット中継UE装置103は、送信452においてRRC確立要求を送信することによってRRC確立手順を開始する。
【0055】
ターゲット中継UE装置103及びgNB112は、RRC CONNを確立するためにメッセージを交換する。この例では、gNB112は、送信454においてRRC再構成メッセージを送信し、ターゲット中継UE装置103は、RRC再構成完了メッセージ456を送信する。ターゲット中継UE装置103がRRC CONNにあるとき、ターゲット中継UE装置103とgNB112との間にUu通信リンク428が確立される。送信429において、gNB112は、RRC再構成メッセージをターゲット中継UE装置103に送信して、サイドリンクRLC構成、UuリンクにおけるRLC構成、及び中継動作のために使用される遠隔UE IDの両方を構成する。
【0056】
ターゲット中継UE装置103は、送信430において、遠隔UE装置108から受信されたRRC再構成完了メッセージをgNB112に中継する。遠隔UE装置108とgNB112との間の通信は、中継UE装置103を通じた中継接続を含む間接通信リンク432を介して継続する。
【0057】
図5は、直接通信リンクから間接通信リンクへの経路切り替えを管理する方法の一例のフローチャートである。本方法は、1又は複数の遠隔UE装置に中継サービスを提供することができ、RRC CONN以外のRRC接続状態にあるUE装置によって実施される。したがって、この例では、方法は、候補中継UE装置(UE1)101及び候補中継UE装置(UE3)103などの候補中継UE装置によって実施され得る。
【0058】
ステップ502において、基地局112とのRRC CONN以外のRRC接続状態が維持される。したがって、この例では、候補中継UE装置は、RRC IDLE又はRRC INACTIVEを維持する。
【0059】
ステップ504において、遠隔UE装置108とのPC5リンクが確立される。例えば、候補中継UE装置は、PC5リンクを開始するために、3GPP通信仕様の1又は複数の改訂版に従ってメッセージを受信する。
【0060】
ステップ506において、RRC再構成完了メッセージが遠隔UE装置108から受信されたかどうかが判定される。RRC再構成完了の宛先は、基地局112である。例として、中継UE装置は、RRC再構成完了がSL-RLC1チャネル上で送信されてから、遠隔UE装置108からのSL-RLC1が受信されたかどうかを判定する。RRC再構成完了メッセージが遠隔UE装置108から受信されない場合、方法はステップ502に戻る。そうでない場合、方法はステップ508に進む。
【0061】
ステップ508において、候補中継UE装置がRRC IDLE又はRRC INACTIVEのいずれにあるかが判定される。候補中継UE装置がRRC INACTIVEである場合、方法はステップ510に進む。候補中継UE装置がRRC IDLEにある場合、方法はステップ512に進む。
【0062】
ステップ510において、中継UE装置は、RRC再開要求メッセージをgNB112に送信する。したがって、INACTIVEであるとき、中継UE装置は、遠隔UE装置108からRRC再構成完了メッセージを受信したことに応答して、接続再開手順を開始する。
【0063】
ステップ512において、中継UE装置は、RRC確立要求メッセージをgNB112に送信する。したがって、IDLEにあるとき、中継UE装置は、遠隔UE装置108からRRC再構成完了メッセージを受信したことに応答して、接続確立手順を開始する。
【0064】
中継UE装置がRRC CONNに入った後、中継UE装置は、ステップ514において、遠隔UE装置から受信されたRRC再構成完了メッセージをgNB112に中継する。遠隔UE装置108とgNB112との間の通信は、中継UE装置を通る間接経路を介して継続する。
【0065】
上記で説明した技術は、RRC CONN以外のRRC接続状態にある候補中継UE装置を通して、直接通信から間接通信に切り替えるための機構を少なくとも提供する。中継UE装置がIDLE又はINACTIVEであるとき、中継UE装置は、遠隔UE装置からRRC再構成完了メッセージを受信したことに応答して、RRC CONNに遷移するための手順を開始する。
【0066】
明らかに、本発明の他の実施形態及び修正は、これらの教示を考慮して、当業者に容易に想起されるであろう。上記の記載は、例示的なものであり、限定的なものではない。本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであり、特許請求の範囲は、上記の明細書及び添付の図面と併せて検討される場合、全てのかかる実施形態及び修正を含む。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲をそれらの均等物の全範囲とともに参照して決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継ユーザ機器(UE)装置であって、
前記中継UE装置を無線リソース制御(RRC)接続中(RRC CONN)以外の基地局とのRRC状態に維持する制御部と、
PC5通信リンクを介して遠隔UE装置から前記基地局に向けられたRRC再構成完了メッセージを受信する受信部と、
送信部と、を備え、
前記送信部は、
前記中継UE装置がRRCアイドル状態にあるときに、前記RRC再構成完了メッセージの受信に応じて、RRC接続確立のために用いる第1のRRCメッセージを前記基地局へ送信し、
記中継UE装置がRRC INACTIVE状態にあるとき、前記RRC再構成完了メッセージを受信したことに応て、RRC接続再開のために用いる第2のRRCメッセージを前記基地局に送信し、
前記第1のRRCメッセージ及び前記第2のRRCメッセージのうちの1つに応利用可能なUu通信リンクを介して前記基地局に前記RRC再構成完了メッセージを送信する、
中継ユーザ機器(UE)装置。
【請求項2】
前記RRC再構成完了メッセージは、前記基地局と前記遠隔UE装置との間のUu直接通信リンクを介して前記基地局から送信されたRRC再構成メッセージを前記遠隔UE装置において受信したことに応答して、前記遠隔UE装置によって送信され、前記RRC再構成メッセージは、前記遠隔UE装置と前記基地局との間の直接通信リンクから、前記中継UE装置を介した前記遠隔UE装置と前記基地局との間の間接通信リンクへの経路切り替えを開始する、
請求項1に記載の中継UE装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記第2のRRCメッセージを送信した後にRRC再開メッセージを受信
前記送信部は、前記RRC再開メッセージを受信した後にRRC再開完了メッセージを送信する、
請求項1に記載の中継UE装置。
【請求項4】
前記送信部及び前記受信部は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)新無線(NR)V2X通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って動作する、
請求項1に記載の中継UE装置。
【請求項5】
遠隔ユーザ機器(UE)装置であって、
直接Uu通信リンクを介してサービング基地局に測定レポートを送信する送信部であって、前記測定レポートは、無線リソース制御(RRC)接続中(RRC CONN)以外のRRC状態にある候補中継UE装置から送信された信号の測定値を含む、送信部と、
前記直接Uu通信リンクを介して前記基地局から、前記基地局によって前記測定レポートから選択されたターゲット中継UE装置を識別するRRC再構成メッセージを受信する受信部であって、前記ターゲット中継UE装置は、RRC接続中(RRC CONN)以外のRRC状態にある、受信部と、を備え、
前記送信部は、PC5通信リンクを介して前記ターゲット中継UE装置にRRC再構成完了メッセージを送信することによって、前記基地局に前記RRC再構成完了メッセージを送信
前記RRC再構成完了メッセージは、前記ターゲット中継UE装置がRRCアイドル状態にあるときに、前記基地局とのRRC接続確立を実施するように前記ターゲット中継UE装置を呼び出し、
前記RRC再構成完了メッセージは、前記ターゲット中継UE装置がRRC INACTIVE状態にあるときに、前記基地局とのRRC再開を実施するように前記ターゲット中継UE装置を呼び出す、
遠隔ユーザ機器(UE)装置。
【請求項6】
前記信号は、サイドリンクディスカバリメッセージである、請求項5に記載の遠隔UE装置。
【請求項7】
前記測定レポートは、複数の候補中継UE装置についての複数の測定値を含み、
前記複数の測定の各測定値は、前記複数の候補中継UE装置のうちの異なる候補中継UE装置に対応し、
少なくとも1つの候補中継UE装置は、RRC CONNにある、
請求項5に記載の遠隔UE装置。
【請求項8】
少なくとも1つの候補中継UE装置は、前記ターゲット中継UE装置である、請求項7に記載の遠隔UE装置。
【請求項9】
前記送信部及び前記受信部は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)新無線(NR)V2X通信仕様の少なくとも1つの改訂版に従って動作するように構成されている、請求項5に記載の遠隔UE装置。
【国際調査報告】