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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電池及び電気機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20240730BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/367 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240730BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240730BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20240730BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/505
H01M10/6556
H01M50/131
H01M50/55 101
H01M50/367
H01M50/289
H01M50/271 Z
H01M50/204 401H
H01M10/6568
H01M10/625
H01M50/103
H01M10/613
H01M10/615
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502659
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2022135647
(87)【国際公開番号】W WO2023134319
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/071536
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】銭欧
(72)【発明者】
【氏名】楊飄飄
(72)【発明者】
【氏名】李耀
(72)【発明者】
【氏名】陳小波
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA02
5H011AA13
5H011KK01
5H012AA07
5H012BB01
5H012BB08
5H012CC10
5H012FF01
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA28
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC05
5H040JJ03
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA09
5H043AA13
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA21
5H043DA08
5H043FA04
5H043FA22
5H043FA23
5H043FA24
5H043LA21F
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池及び電気機器を提供する。当該電池は、第1壁に圧力解放機構が設けられた電池セルと、電池セルの温度を調整するための熱管理部材であって、熱管理部材は、電池セルの第2壁に取り付けられ、第2壁は、第1壁とは異なる熱管理部材と、電池セルの電極端子を電気的に接続するためのバス部材であって、電極端子は、電池セルの第3壁に設けられ、第3壁は、第1壁とは異なるバス部材と、を含む。これにより、バス部材と熱管理部材を圧力解放機構とは異なる側に設けることにより、圧力解放機構の作動時に電池セルの排出物をバス部材から離させ、電池の短絡を防止することができ、電池セルの排出物による熱管理部材の破壊を回避することもでき、これにより、熱管理部材は、電池セルの温度を継続的かつ正常に調整し、電池の安全性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(10)であって、
電池セル(20)であって、当該電池セル(20)の第1壁(21a)には、圧力解放機構(213)が設けられている、電池セル(20)と、
前記電池セル(20)の温度を調整するための熱管理部材(13)であって、前記熱管理部材(13)は、前記電池セル(20)の第2壁(21b)に取り付けられ、前記第2壁(21b)は、前記第1壁(21a)とは異なる、熱管理部材(13)と、
前記電池セル(20)の電極端子(214)を電気的に接続するためのバス部材(12)であって、前記電極端子(214)は、前記電池セル(20)の第3壁(21c)に設けられ、前記第3壁(21c)は、前記第1壁(21a)とは異なる、バス部材(12)と、
を含むことを特徴とする電池(10)。
【請求項2】
前記第3壁(21c)は、前記第2壁(21b)とは異なることを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項3】
前記第2壁(21b)の面積は、前記第1壁(21a)の面積以上であり、及び/又は、
前記第2壁(21b)の面積は、前記第3壁(21c)の面積以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池(10)。
【請求項4】
前記第2壁(21b)は、前記電池セル(20)の面積が最も大きい壁であることを特徴とする請求項3に記載の電池(10)。
【請求項5】
前記電池(10)は、
前記電池セル(20)及び前記熱管理部材(13)を収容するための電気キャビティ(111)と、前記圧力解放機構(213)の作動時に前記電池セル(20)の排出物を収集するための収集キャビティ(112)とを含む筺体(11)と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項6】
前記筺体(11)は、前記第1壁(21a)に対向して間隔をあけて設けられた第1筺体壁(114)をさらに含み、前記第1壁(21a)と前記第1筺体壁(114)との間には、前記収集キャビティ(112)の少なくとも一部を形成するための隙間(113)があることを特徴とする請求項5に記載の電池(10)。
【請求項7】
前記第1壁(21a)と前記第1筺体壁(114)との間の最小距離(L)は、7mm以上であることを特徴とする請求項6に記載の電池(10)。
【請求項8】
前記第1壁(21a)と前記第1筺体壁(114)との間の前記最小距離(L)は、7mm~25mmであることを特徴とする請求項7に記載の電池(10)。
【請求項9】
前記電池(10)は、
前記第1壁(21a)に取り付けられる隔離部材(15)であって、前記隔離部材(15)は、前記電気キャビティ(111)と前記収集キャビティ(112)を隔離するために使用される隔離部材(15)をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の電池(10)。
【請求項10】
前記筺体(11)は、前記第3壁(21c)に固定され、前記電池セル(20)と前記筺体(11)との固定を実現するために使用される第2筺体壁(115)をさらに含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項11】
前記第3壁(21c)は、接着剤(17)によって前記第2筺体壁(115)に固定されることを特徴とする請求項10に記載の電池(10)。
【請求項12】
前記電池(10)は、第1方向(X)に沿って配列された複数列の電池セル(20)を含み、前記複数列の電池セル(20)の各列の電池セル(20)は、第2方向(Y)に沿って配列された少なくとも1つの前記電池セル(20)を含み、前記第1方向(X)は、前記第2方向(Y)及び前記第2壁(21b)に対して垂直であることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項13】
前記熱管理部材(13)は、前記複数列の電池セル(20)のうち少なくとも1列の電池セル(20)の少なくとも1つの前記電池セル(20)の前記第2壁(21b)に取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の電池(10)。
【請求項14】
前記電池セル(20)は、前記第1方向(X)に沿って対向して設けられた2つの前記第2壁(21b)を含み、前記複数列の電池セル(20)のうち前記少なくとも1列の電池セル(20)の前記第1方向(X)に沿った両側には、少なくとも1つの前記電池セル(20)の2つの前記第2壁(21b)に取り付けられた前記熱管理部材(13)がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項13に記載の電池(10)。
【請求項15】
前記複数列の電池セル(20)のうち少なくとも2列の隣接する電池セル(20)の間には、同一の前記熱管理部材(13)が設けられることを特徴とする請求項13又は14に記載の電池(10)。
【請求項16】
前記電池は、前記第1方向(X)に沿って配列された複数の前記熱管理部材(13)を含むことを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項17】
複数の前記熱管理部材(13)は、前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて設けられることを特徴とする請求項16に記載の電池(10)。
【請求項18】
前記熱管理部材(13)には、熱交換媒体を収容するための熱交換チャネル(121)が設けられ、複数の前記熱管理部材(13)の前記熱交換チャネル(121)は、互いに連通していることを特徴とする請求項16又は17に記載の電池(10)。
【請求項19】
複数の前記熱管理部材(13)は、隣接する第1熱管理部材(12a)と第2熱管理部材(12b)を含み、前記第1熱管理部材(12a)は、前記熱交換チャネル(121)と連通する第1接続管(121a)を含み、前記第2熱管理部材(12b)は、前記熱交換チャネル(121)と連通する第2接続管(122b)を含み、前記第1接続管(121a)と前記第2接続管(122b)は、前記第1熱管理部材(12a)の前記熱交換チャネル(121)と前記第2熱管理部材(12b)の前記熱交換チャネル(121)が互いに連通するように、互いに接続されることを特徴とする請求項18に記載の電池(10)。
【請求項20】
前記第1接続管(121a)は、前記第1熱管理部材(12a)の前記第2方向(Y)に沿って1列の電池セル(20)を超える領域に設けられ、前記第2接続管(122b)は、前記第2熱管理部材(12b)の前記第2方向(Y)に沿って前記1列の電池セル(20)を超える領域に設けられ、前記1列の電池セル(20)は、前記第1熱管理部材(12a)と前記第2熱管理部材(12b)との間にある1列の電池セル(20)であり、前記第1接続管(121a)と前記第2接続管(122b)は、前記第1方向(X)に沿って延在して互いに接続されることを特徴とする請求項19に記載の電池(10)。
【請求項21】
前記筺体(11)は、前記第1接続管(121a)及び/又は前記第2接続管(122b)を支持するための支持部材(117)をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の電池(10)。
【請求項22】
前記支持部材(117)の第3方向(Z)に沿った一の側は、前記第1接続管(121a)及び/又は前記第2接続管(122b)を取り付けるために使用され、前記第3方向(Z)は、前記第1方向(X)及び前記第2方向(Y)に対して垂直であることを特徴とする請求項21に記載の電池(10)。
【請求項23】
前記支持部材(117)の前記第3方向(Z)に沿った前記一の側には、前記第1接続管(121a)の少なくとも一部及び/又は前記第2接続管(122b)の少なくとも一部を収容するための収容溝(117b)が設けられていることを特徴とする請求項22に記載の電池(10)。
【請求項24】
前記第1壁(21a)は、前記第3壁(21c)に対向して設けられ、前記第2壁(21b)は、前記第1壁(21a)及び前記第3壁(21c)に接続され、又は、
前記第1壁(21a)は、前記第2壁(21b)に対向して設けられ、前記第3壁(21c)は、前記第1壁(21a)と前記第2壁(21b)に接続されることを特徴とする請求項1~23のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項25】
電気機器であって、
請求項1~24のいずれか1項に記載の電池(10)を含み、前記電池(10)は、前記電気機器に電気エネルギーを供給するために使用されることを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2022年1月12日に提出された、名称が「電池の筺体、電池、電気装置、電池の製造方法及び装置」である国際出願番号PCT/CN2022/071536の優先権を主張し、この出願の全ての内容が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0003】
電池技術の継続的な進歩に伴い、電池をエネルギー貯蔵機器として用いる様々な新エネルギー産業が急速に発展している。電池技術の発展では、電池の性能の向上に加えて、安全性の問題も無視できない問題である。電池の安全性の問題が保証できない場合、当該電池を使用することができない。したがって、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術で解決すべき緊急の技術的問題である。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施例は、電池の安全性を向上させることができる電池及び電気機器を提供する。
【0005】
第1態様では、電池が提供され、当該電池は、電池セルと、バス部材と、熱管理部材とを含む。ここで、電池セルの第1壁には、圧力解放機構が設けられ、熱管理部材は、電池セルの温度を調整するために使用され、熱管理部材は、電池セルの第2壁に取り付けられ、第2壁は、第1壁とは異なり、バス部材は、電池セルの電極端子を電気的に接続するために使用され、電極端子は、電池セルの第3壁に設けられ、第3壁は、第1壁とは異なる。
【0006】
本出願の実施例では、電池セルに熱暴走が発生した場合、圧力解放機構によって排出された電池セルの排出物は、当該熱管理部材から離れる方向に排出され、したがって、排出物は、当該熱管理部材を突き破ることが容易ではなく、当該熱管理部材は、熱暴走が発生した電池セルの温度を下げて、熱拡散を回避し、電池の安全性を向上させることができる。また、電池のバス部材は、電池セルの電極端子を電気的に接続し、電極端子は、電池セルの第3壁に設けられ、第3壁は、第1壁とは異なる。これにより、圧力解放機構の作動時に電池セルの排出物がバス部材から離れ、排出物によるバス部材間の短絡が回避されるため、電池の短絡が防止され、電池の安全性が向上する。
【0007】
幾つかの実施例では、第2壁は、第3壁とは異なる。
【0008】
本出願の実施例では、第3壁の一の側に電極端子とバス部材が設けられているため、熱管理部材を同一の側に設ける場合、バス部材の領域を避けて配置する必要がある。したがって、熱管理部材をより容易に設けるために、熱管理部材を第3壁とは異なる壁に取り付けることができ、これにより、バス部材を避ける必要がなく、取り付けがより容易になり、そして、熱管理部材と電池セルとの接触面積も大きく、温度の調整により有利である。
【0009】
幾つかの実施例では、第2壁の面積は、第1壁の面積以上であり、及び/又は、第2壁の面積は、第3壁の面積以上である。
【0010】
本出願の実施例では、第2壁の面積を第1壁及び/又は第3壁よりも小さくなく設定することにより、当該第2壁が小さすぎないことを保証し、さらに当該第2壁と熱管理部材との接触面積が第2壁の面積に制限されて小さすぎないことを保証することができ、それによって電池セルの温度調整効果を保証することができる。
【0011】
幾つかの実施例では、第2壁は、電池セルの面積が最も大きい壁である。
【0012】
本出願の実施例では、第2壁を電池セルの面積が最も大きい壁として限定することにより、電池セルに対する最高の温度調整効率を最も便利な方式で達成することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、電池は、電池セル及び熱管理部材を収容するための電気キャビティと、圧力解放機構の作動時に電池セルの排出物を収集するための収集キャビティとを含む筺体を、さらに含む。
【0014】
本出願の実施例では、電池セルに熱暴走が発生した場合、収集キャビティによって電池セルの排出物を収集することができ、電池セルの排出物が筺体の外部に直接放出されることが回避され、それによって圧力解放機構の作動時に発生した爆破力が他の部材を破壊することが防止され、電池の安全性が向上する。
【0015】
幾つかの実施例では、筺体は、第1壁に対向して間隔をあけて設けられた第1筺体壁をさらに含み、第1壁と第1筺体壁の間には、収集キャビティの少なくとも一部を形成するための隙間がある。
【0016】
本出願の実施例では、第1壁と第1筺体壁の間の隙間に収集キャビティの少なくとも一部を形成することにより、余分な部材を追加することなく、収集キャビティを使用して電池セルの排出物を収集することができ、電池の構造が簡素化され、電池の体積利用率が高くなり、電池セルの排出物の収集効率が高くなり、電池の安全性が向上する。
【0017】
いくつかの実施例では、第1壁と第1筺体壁の間の最小距離は、7mm以上である。
【0018】
本出願の実施例では、第1壁と第1筺体壁の間の最小距離を7mm以上に限定することにより、圧力解放機構のための十分な変形スペースを残すことができるため、電池セルの排出物は、適時に放出されてもよく、それによって電池セル内の圧力又は温度が低くなり、圧力解放機構の作動時に電池セルから放出される排出物のための十分な放出スペースを残すこともでき、電池セルの排出物が過剰に蓄積されて隣接する電池セルと接触し、隣接する電池セルに影響を与えることが防止され、電池の安全性が向上する。
【0019】
いくつかの実施例では、第1壁と第1筺体壁の間の最小距離は、7mm~25mmである。
【0020】
本出願の実施例では、第1壁と第1筺体壁の間の最小距離を7mm~25mmに限定することにより、電池セルに対する外力の影響を低減することができるだけでなく、圧力解放機構の作動及び電池セルから放出される排出物のための十分なスペースを残すとともに、電池の体積利用率を向上させ、電池のエネルギー密度を高めることもできる。
【0021】
いくつかの実施例では、電池は、第1壁に取り付けられており、電気キャビティと収集キャビティを隔離するために使用される隔離部材をさらに含む。当該電気キャビティと当該収集キャビティを隔離部材で隔離することにより、排出物の少なくとも一部が収集キャビティから電気キャビティに入ることを防止し、熱拡散を回避することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、筺体は、第3壁に固定され、電池セルと筺体の固定を実現するために使用される第2筺体壁をさらに含む。
【0023】
本出願の実施例では、第2筺体壁と第3壁の固定により、電池セルの固定を実現することができ、電池セルが筺体内で外部環境の影響を受けて揺れることを回避し、電池の安定性及び安全性を向上させることができるだけでなく、他の部品を追加することなく、電池セルの第1壁と筺体壁の間に隙間を形成することができ、その隙間は、電池セルの排出物を収集するために収集キャビティの少なくとも一部の形成に使用されてもよく、電池の体積利用率が向上し、電池のエネルギー密度が高くなる。
【0024】
いくつかの実施例では、第3壁は、接着剤によって第2筺体壁に固定される。
【0025】
本出願の実施例では、接着剤が、コストが低く、入手しやすいという利点を有するため、第3壁と第2筺体壁を接着剤で固定することにより、固定の難易度が低くなり、電池の製造コストが削減される。また、電池の実際の製造プロセスでは、第3壁の部分的な領域に接着剤を塗布することができ、第2筺体壁の部分的な領域に接着剤を塗布することもでき、第3壁と第2筺体壁の固定方式の柔軟性が高くなる。
【0026】
いくつかの実施例では、電池は、第1方向に沿って配列された複数列の電池セルを含み、複数列の電池セルのうちの各列の電池セルは、第2方向に沿って配列された少なくとも1つの電池セルを含み、第1方向は、第2方向及び第2壁に対して垂直である。このように、電池内の複数の電池セルをアレイ状に配列することにより、電池の組み立てが容易となり、電池内の複数の電池セルのスペース利用率を向上することもできる。
【0027】
いくつかの実施例では、熱管理部材は、複数列の電池セルのうちの少なくとも1列の電池セルの少なくとも1つの電池セルの第2壁に取り付けられる。
【0028】
本出願の実施例では、熱管理部材を複数列の電池セルのうちの少なくとも1列の電池セルの少なくとも1つの電池セルの第2壁に取り付けることにより、電池の製造コストを削減することができる。
【0029】
いくつかの実施例では、電池セルは、第1方向に沿って対向して設けられた2つの第2壁を含み、複数列の電池セルのうちの少なくとも1列の電池セルの第1方向に沿った両側には、少なくとも1つの電子セルの2つの第2壁に取り付けられた熱管理部材がそれぞれ設けられている。このように、1列の電池セルの温度を2つの熱管理部材で同時に調整することにより、温度調整効率を高め、電池の安全性を向上させることができる。
【0030】
いくつかの実施例では、複数列の電池セルのうちの少なくとも2列の隣接する電池セルの間には、同一の熱管理部材が設けられる。このように、温度調整効果を向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施例では、電池は、第1方向に沿って配列された複数の熱管理部材を含む。複数の熱管理部材は、温度調整効果をさらに向上させることができる。
【0032】
幾つかの実施例では、複数の熱管理部材は、第1方向に沿って間隔をあけて設けられる。これにより、電池の体積利用率を向上させることができるだけでなく、温度調整効率も向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、熱管理部材には、熱交換媒体を収容するために熱交換チャネルが設けられ、複数の熱管理部材の熱交換チャネルは、互いに連通している。
【0034】
本出願の実施例では、複数の熱管理部材が互いに連通するため、一方では、管理及び制御が容易になり、電池の統合性及び安全性が向上し、他方では、電池内の熱管理部材の一部の温度が大きく変化した場合、当該熱交換チャネルによって熱交換を実現することができ、これにより、複数の熱管理部材間の温度差が小さくなり、温度調整効率が向上する。
【0035】
いくつかの実施例では、複数の熱管理部材は、隣接する第1熱管理部材と第2熱管理部材を含み、第1熱管理部材は、熱交換チャネルと連通する第1接続管を含み、第2熱管理部材は、熱交換チャネルと連通する第2接続管を含み、第1接続管と第2接続管は、第1熱管理部材の熱交換チャネルと第2熱管理部材の熱交換チャネルが互いに連通するように、互いに接続される。
【0036】
本出願の実施例では、第1接続管及び第2接続管を介して隣接する第1熱管理部材と第2熱管理部材の間の熱交換チャネルを連通することにより、熱交換チャネルの接続の難しさを下げることができ、また、熱交換チャネルに接続された部材及び第1熱管理部材、第2熱管理部材を一緒に設けることにより、電池の体積利用率を向上させ、それによって電池のエネルギー密度を高めることができる。
【0037】
いくつかの実施例では、第1接続管は、第1熱管理部材の第2方向に沿って1列の電池セルを超える領域に設けられ、第2接続管は、第2熱管理部材の第2方向に沿って1列の電池セルを超える領域に設けられ、1列の電池セルは、第1熱管理部材と第2熱管理部材の間にある1列の電池セルであり、第1接続管と第2接続管は、第1方向に沿って延在して互いに接続される。
【0038】
本出願の実施例では、第1接続管と第2接続管を第1方向に沿って延在させて互いに接続させることにより、第1熱管理部材の熱交換チャネル及び第2熱管理部材の熱交換チャネル内の熱交換媒体の輸送経路を短縮させることができ、対応する熱交換チャネル内の熱交換媒体の輸送効率が高くなるだけでなく、電池の体積利用率も向上する。
【0039】
いくつかの実施例では、筺体は、第1接続管及び/又は第2接続管を支持するための支持部材をさらに含む。
【0040】
本出願の実施例では、支持部材によって第1接続管及び/又は第2接続管を支持することにより、他の部材を追加することなく、第1熱管理部材と第2熱管理部材の間に位置する1列の電池セルと筺体の壁の間に隙間が形成されてもよく、例えば、1列の電池セルの第1壁と筺体の任意の壁の間に隙間が形成され、その隙間は、収集キャビティが電池セルの排出物を収集するように、収集キャビティの少なくとも一部を形成するために使用されてもよい。これにより、電池の体積利用率が向上し、電池のエネルギー密度が高くなる。
【0041】
いくつかの実施例では、支持部材の第3方向に沿った一の側は、第1接続管及び/又は第2接続管を取り付けるために使用され、第3方向は、第1方向及び第2方向に対して垂直である。
【0042】
本出願の実施例では、支持部材の第3方向に沿った一の側に第1接続管及び/又は第2接続管を取り付けることにより、電池の第3方向におけるスペースを利用して電池の体積利用率を向上させることができ、また、電池を組み立てる場合、第1接続管と第2接続管とが連通する状態で、支持部材を設けて第1接続管及び/又は第2接続管を取り付けることができ、まず支持部材を設けて第1接続管又は第2接続管を取り付け、次に第1接続管と第2接続管を連通させることもでき、これにより、組み立ての柔軟性が高くなる。
【0043】
いくつかの実施例では、支持部材の第3方向に沿った一の側には、第1接続管の少なくとも一部及び/又は第2接続管の少なくとも一部を収容するための収容溝が設けられる。
【0044】
本出願の実施例では、支持部材の第3方向に沿った一の側に、第1接続管の少なくとも一部及び/又は第2接続管の少なくとも一部を収容するための収容溝を設けることにより、支持部材は、第1接続管及び/又は第2接続管をより安定して支持及び固定し、第1接続管、第2接続管及びそれらの間の1列の電池セルが筺体内で揺れることが回避され、電池の安定性及び安全性が向上する。
【0045】
いくつかの実施例では、第1壁は、第3壁に対向して設けられ、第2壁は、第1壁及び第3壁に接続され、又は、第1壁は、第2壁に対向して設けられ、第3壁は、第1壁及び第2壁に接続される。
【0046】
本出願の実施例では、電池セルの第1壁が第3壁に対応して設けられることにより、圧力解放機構は、バス部材から離れ、それによって圧力解放機構の作動時に電池セルの排出物は、バス部材から離れて排出されてもよく、バス部材への排出物の影響が軽減され、電池の短絡が回避される。また、第1壁と第3壁を接続するために第2壁が設けられるため、3つの壁は、異なってもよく、熱管理部材は、圧力解放機構及びバス部材とは異なる側に配置され、これにより、異常状態での圧力解放機構及び/又はバス部材が熱管理部材に不利な影響を与えることを防止することができる。
【0047】
または、電池セルの第1壁が第2壁に対向して設けられることにより、圧力解放機構は、熱管理部材から離れ、それによって圧力解放機構の作動時に電池セルの排出物は、熱管理部材から離れることができ、熱管理部材への損傷が回避され、さらに電池の安全性が向上する。また、第1壁と第2壁を接続するために第3壁が設けられるため、3つの壁は、異なってもよく、バス部材は、圧力解放機構及び熱管理部材とは異なる側に配置され、これにより、異常状態での圧力解放機構及び/又は熱管理部材がバス部材に不利な影響を与えることを防止することができる。
【0048】
第2態様では、第1態様に記載される電池を含む電気機器であって、前記電池は前記電気機器に電池エネルギーを供給するために用いられる電気機器が提供される。
【0049】
幾つかの実施例において、前記電気機器は、車両、船舶又は宇宙船飛行機である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本出願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に本出願の実施例に必要な図面を簡単に紹介するが、明らかに、以下に説明される図面は本出願の幾つかの実施例だけであり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0051】
図1】本出願の一実施例で開示される車両の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例で開示される電池の分解構造概略図である。
図3】本出願の一実施例で開示される電池セルの側面概略図である。
図4】本出願の一実施例で開示される電池セルの分解構造概略図である。
図5】本出願の一実施例で開示される電池の側面概略図である。
図6】本出願の一実施例で開示される別の電池の分解構造概略図である。
図7】本出願の一実施例で開示される別の電池の断面概略図である。
図8】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の分解構造概略図である。
図9】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の断面概略図である。
図10】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の部分断面概略図である。
図11】本出願の実施例で開示されるさらなる別の電池の別の断面概略図である。
図12】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の別の部分断面概略図である。
図13】本出願の一実施例で開示される熱管理部材の部分概略図である。
図14】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の部分概略図である。
図15】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の第1熱管理部材と第2熱管理部材が接続する上面構造概略図である。
図16】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の部分側面概略図である。
図17】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の別の部分概略図である。
図18】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の別の断面概略図である。
図19】本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の別の部分概略図である。
【0052】
図面において、図面は必ずしも実際の縮尺で描かれているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下に図面と実施例とを参照して本出願の実施形態をさらに詳しく説明する。以下の実施例の詳細な説明及び添付の図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用され得なく、即ち、本出願は、説明される実施例に限定されない。
【0054】
本出願の説明では、特に断りがない限り、「複数」は、2つ以上を意味しており、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などで示される方位又は位置関係は、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものであるが、示される装置又は素子が特定の方位を有しなければならなく、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示し、又は暗示するものではないと説明される必要があり、したがって、本出願を制限するものとして理解できない。また、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明するためのものに過ぎず、相対重要性を示し又は暗示するものとして理解されてはいけない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内にある。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内にある。
【0055】
以下の説明に現れる方位語は、全て図に示される方向であり、本出願の具体的な構造を限定するものではない。本出願の説明では、特に明確に規定及び制限されていない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的接続でもよいし、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよい。本分野の当業者にとって、具体的な状況に応じて本出願での上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0056】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含むことができ、本出願の実施例は、これらに限定される。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又はその他の形状などを呈してもよく、本願実施例は、これらに限定されない。電池セルは、一般的に、パッケージング方式に従って、円筒形電池セル、角柱形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられるが、本出願の実施例は、これらに限定されない。
【0057】
本出願の実施例で言及される電池は、より高い電圧及び容量を提供するために、1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本出願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。電池には、通常、1つ又は複数の電池セルを封入するための筺体が含まれる。筺体は、液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0058】
電池セルは、電極アセンブリと電解液とを含み、電極アセンブリは、正極シート、負極シート及び隔離膜で構成される。電池セルは、主に正極シートと負極シートの間の金属イオンの移動に依存して動作する。正極シートは、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出して正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例とすると、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウムであってもよい。負極シートは、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出して負極タブとして使用される。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流が流れても溶断しないことを保証するために、正極タブは、複数枚積層され、負極タブは、複数枚積層される。隔離膜の材質は、ポリプロピレン(PP:polypropylene)又はポリエチレン(PE:polyethylene)などであってもよい。また、電極アセンブリは、巻回構造であってもよいし、積層構造であってもよく、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0059】
電池技術の発展に伴い、多方面の設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電倍率などの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、さらに電池の安全性も考慮する必要がある。電池において、主な安全上の危険が充放電プロセスに生じ、電池の安全性能を向上させるために、電池セルには、一般的に圧力解放機構が設けられる。圧力解放機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達すると作動して内部圧力又は温度を解放するための素子又は部材を指す。当該所定の閾値は、設計ニーズに応じて調整されてもよい。例えば、当該所定の閾値は、電池セルの正極シート、負極シート、電解液及び隔離膜のうちの1種類又は複数種類の材料に依存することができる。圧力解放機構については、圧力又は温度に敏感な素子又は部材を使用することができ、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達すると、圧力解放機構が作動し、内部圧力又は温度の解放のためのチャネルが形成される。また、電池セルの温度を管理及び調整するために、通常、電池セルの表面に熱管理部材が取り付けられる。
【0060】
関連技術では、熱管理部材は、通常、電池セルの圧力解放機構が設けられた壁に取り付けられる。これにより、電池セルが正常に動作する場合、熱管理部材は、電池セルの温度を調整することができる。しかし、電池セルに熱暴走が発生した場合、例えば電池セルの圧力解放機構が作動した場合、電池セルの圧力解放機構によって放出された排出物の威力及び破壊力が大きく、さらには熱管理部材を突き破るのに十分であるため、電池セルに熱暴走が発生した場合の電池セルの温度を調整する(例えば、熱暴走が発生した電池セルの温度を下げる)熱管理部材の作用が小さくなり、それによって電池の熱拡散を引き起こす可能性がある。
【0061】
これに鑑み、本出願は、電池セルと、バス部材と、熱管理部材とを含む電池を提供する。ここで、電池セルの第1壁には、圧力解放機構が設けられ、熱管理部材は、電池セルの第2壁に取り付けられ、第2壁は、第1壁とは異なり、これにより、電池セルに熱暴走が発生した場合、圧力解放機構によって排出された電池セルの排出物は、当該熱管理部材から離れる方向に排出され、したがって、排出物は、熱管理部材を突き破ることが容易ではなく、当該熱管理部材は、熱暴走が発生した電池セルの温度を下げ、熱拡散を回避し、電池の安全性を向上させることができる。また、電池のバス部材は、電池セルの電極端子を電気的に接続し、電極端子は、電池セルの第3壁に設けられ、第3壁は、第1壁とは異なる。これにより、圧力解放機構の作動時に電池セルの排出物は、バス部材から離れ、排出物によるバス部材間の短絡が回避され、それによって電池の短絡が防止され、電池の安全性が向上する。
【0062】
本出願の実施例で説明される技術案は、電池を使用する様々な電気機器に適用する。電気機器は、車両、携帯電話、ポータブルデバイス、ノートパソコン、船舶、宇宙船、電気おもちゃ及び電気ツールなどであってもよい。車両は、燃料自動車、ガス自動者又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車などであってもよい。宇宙船飛行機は、航空機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含み、電気おもちゃは、固定式又は移動式の電気おもちゃ、例えば、ゲーム機、電気自動車おもちゃ、電気船おもちゃ及び電気航空機おもちゃなどを含み、電気ツールは、金属切削電気ツール、研磨電気ツール、組み立て電気ツール及び鉄道用電気ツール、例えば、電気ドリル、電気グラインダー、電気レンチ、電気ドライバー、電気ハンマー、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレーター及び電気プレーナーなどを含む。本出願の実施例では、上記電気機器は、特に限定されない。
【0063】
以下の実施例では、説明を容易にするために、電気機器が車両であることを例として説明する。
【0064】
例えば、図1は本出願の1つの実施例の車両1の構造概略図である。車両1は、燃料自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40、コントローラ30及び電池10が設けられてもよく、コントローラ30は、モータ40に電力を供給するように電池10を制御するために使用される。例えば、車両1の底部又は頭部又は後部には、電池10が設けられてもよい。電池10は、車両1への電力の供給のために使用されてもよく、例えば、電池10は、車両1の動作電源として、車両1の回路システムに使用され、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び動作時の動作用電力ニーズのために使用されてもよい。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源だけでなく、車両1の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動力を供給することができる。
【0065】
図2は本出願の実施例で説明される電池10の部分分解概略図である。図3は本出願の実施例の電池セル20の側面概略図である。
【0066】
図2及び図3に示す電池10は、電池セル20と、熱管理部材13とバス部材12とを含む。ここで、電池セル20の第1壁21aには、圧力解放機構213が設けられ、熱管理部材13は、電池セル20の温度を調整するために使用され、熱管理部材13は、電池セル20の第2壁21bに取り付けられ、第2壁21bは、第1壁21aとは異なり、バス部材12は、電池セル20の電極端子214を電気的に接続するために使用され、電極端子214は、電池セル20の第3壁21cに設けられ、第3壁21cは、第1壁21aとは異なる。
【0067】
本出願の実施例の電池セル20の形状は、実際の用途に応じて設定されてもよい。当該電池セル20は、多面体構造であってもよく、当該多面体構造が複数の壁で囲まれるため、当該電池セル20は、複数の壁を含むことができる。ここで、当該電池セル20の第1壁21aには、圧力解放機構213が設けられ、当該電池セル20の第2壁21bは、熱管理部材13に向かっている。当該第1壁21a及び第2壁21bは、当該電池セル20の任意の2つの異なる壁であってもよく、第1壁及び第3壁21cも当該電池セル20の任意の2つの異なる壁であってもよい。例えば、第1壁21aと第2壁21bは、交差してもよく、又は交差しなくてもよく、第1壁21aと第3壁21cも交差してもよく、又は交差しなくてもよく、本出願の実施例はこれに限定されない。
【0068】
本出願の実施例の圧力解放機構213とは、電池セル20の内部圧力又は温度が所定の閾値に達すると作動して内部圧力又は温度を解放するための素子又は部材を指すことが理解すべきである。当該所定の閾値の設計は、設計ニーズによって異なる。当該所定の閾値は、電池セル20の正極シート、負極シート、電解液及び隔離膜のうちの1種類又は複数種類の材料に依存することができる。当該圧力解放機構213は、第1壁21aに直接設けられてもよいし、第1壁21aとは別体に設けられ、第1壁21aに溶接/貼着等の方式で固定されてもよい。
【0069】
熱管理部材13による電池セル20の温度の調整には、電池セル20の加熱又は冷却が含まれてもよいことが理解すべきである。例えば、電池セル20の温度が所定の閾値を超えた場合、電池セル20の温度を下げることにより、電池の安全性を向上させることができ、冬に気温が比較的低い幾つかの地域で電池を使用する前に、電池セル20を加熱することにより、電池の性能を向上させることができる。
【0070】
本出願の実施例では、熱管理部材13を電池セル20の第2壁21bに取り付ける方式は、固定されていない。例えば、熱管理部材を接着剤(例えば、熱伝導性接着剤)で電池セル20の第2壁21bに取り付けることができ、熱管理部材13を隣接する2つの電池セル20の間に挟んで固定することもできる。
【0071】
電池セル20は、少なくとも2つの電極端子214を含み、当該少なくとも2つの電極端子214は、少なくとも同一の第3壁21c上に設けられてもよいし、異なる第3壁21c上に設けられてもよいことを理解されたい。図2及び図3では、電池セル20の2つの電極端子214が同一の第3壁21c上にあることを例として説明する。バス部材12は、2つの電極端子214を介して複数の電池セル20を直列/並列接続することができる。例えば、電池セル20の第3壁21cには、正極端子214a及び負極端子214bが設けられ、バス部材12は、隣接する2つの電池セル20の正極端子214aと負極端子214bとをそれぞれ接続して、隣接する2つの電池セル20を直列接続する。例えば、バス部材12は、隣接する2つの電池セル20のそれぞれの2つの正極端子214aをそれぞれ接続して、隣接する2つの電池セル20を並列接続する。
【0072】
本出願の実施例では、電池セル20に熱暴走が発生した場合、圧力解放機構213によって排出された電池セル20の排出物は、当該熱管理部材13から離れる方向に排出され、したがって、排出物は、熱管理部材13を突き破ることが容易ではなく、当該熱管理部材13は、熱暴走が発生した電池セル20の温度を下げ、熱拡散を回避し、電池10の安全性を向上させることができる。また、電池10のバス部材12は、電池セル20の電極端子214を電気的に接続し、電極端子214は、電池セル20の第3壁21cに設けられ、第3壁21cは、第1壁21aとは異なる。これにより、圧力解放機構213が作動すると、電池セル20の排出物がバス部材12から離れ、排出物によるバス部材12間の短絡が回避され、それによって電池10の短絡が防止され、電池10の安全性が向上する。
【0073】
選択可能に、本出願の実施例では、第3壁21cは、第2壁21bとは異なり、例えば、図2及び図3に示すように、第1壁21a、第2壁21b及び第3壁21cは、電池セル20の任意の3つの異なる壁であってもよい。
【0074】
第3壁21cの一の側には、電極端子214とバス部材12が設けられているため、熱管理部材13を同一の側に設ける場合、バス部材12の領域を避けて配置する必要がある。したがって、熱管理部材13をより容易に設けるために、熱管理部材13を第3壁21cとは異なる壁に取り付けることができ、これにより、バス部材12を避ける必要がなく、取り付けがより容易になり、そして、熱管理部材13と電池セル20との接触面積も大きく、温度調整により有利である。
【0075】
説明すべきものとして、本出願の実施例における熱管理部材13と電池セル20の第2壁21bとの接触面積は、実際の用途に応じて設定されてもよく、当該接触面積とは、熱管理部材13が電池セル20の第2壁21bと熱交換する領域の面積を指し、ここでの接触は、熱管理部材13と第2壁21bの間の直接接触を指すことができ、熱伝導性接着剤、サーマルパッドなどによる熱管理部材13と第2壁21bとの間接的な接触を指すこともできる。
【0076】
選択可能に、本出願の実施例では、電池セル20の第1壁21aは、第3壁21cに対向して設けられ、第2壁21bは、第1壁21a及び第3壁21cに接続され、又は、第1壁21aは、第2壁21bに対向して設けられ、第3壁21cは、第1壁21aと第2壁21bに接続される。
【0077】
本出願の実施例では、電池セル20の第1壁21aが第3壁21cに対向して設けられることにより、圧力解放機構213は、バス部材12から離れ、それによって圧力解放機構213の作動時に電池セル20の排出物は、バス部材12から離れて排出されてもよく、バス部材12への排出物の影響が軽減され、電池10の短絡が回避される。また、第1壁21aと第3壁21cを接続するために第2壁21bが設けられるため、3つの壁は、異なってもよく、熱管理部材13は、圧力解放機構213及びバス部材12とは異なる側に配置され、これにより、異常状態での圧力解放機構213及び/又はバス部材12が熱管理部材13に不利な影響を与えることを防止することができる。
【0078】
または、電池セル20の第1壁21aが第2壁21bに対向して設けられることにより、圧力解放機構213は、熱管理部材13から離れ、それによって圧力解放機構213の作動時に電池セル20の排出物は、熱管理部材13から離れることができ、熱管理部材13への損傷が回避され、さらに電池10の安全性が向上する。また、第1壁21aと第2壁21bを接続するために第3壁21cが設けられるため、3つの壁は、異なってもよく、バス部材12は、圧力解放機構213及び熱管理部材13とは異なる側に配置され、これにより、異常状態での圧力解放機構213及び/又は熱管理部材13がバス部材12に不利な影響を与えることを防止することができる。
【0079】
選択可能に、本出願の実施例では、第2壁21bの面積は、第1壁21aの面積以上であり、及び/又は、第2壁21bの面積は、第3壁21cの面積以上である。第2壁21bの面積を第1壁21a及び/又は第3壁21cよりも小さくなく設定することにより、当該第2壁21bが小さすぎないことを保証し、さらに当該第2壁21bと熱管理部材13との接触面積が第2壁21bの面積に制限されて小さすぎないことを保証することができ、それによって電池セル20の温度調整効果を保証することができる。
【0080】
例えば、第1壁21aは、電池セル20の面積が最も小さい壁であってもよく、第2壁21bは、面積が大きく又は最も大きい壁であってもよく、熱管理部材13と電池セル20との接触面積も大きく、電池セル20に対する温度調整効果を向上させることができる。又は、第3壁21cは、面積が最も小さい壁であってもよく、第2壁21bは、面積が大きく又は最も大きい壁であってもよく、熱管理部材13と電池セル20との接触面積も大きく、電池セル20に対する温度調整効果を向上させることもできる。また、例えば、第1壁21aは、面積が最も小さい壁であってもよく、第3壁21cは、面積が中程度の壁であってもよく、第2壁21bは、面積が中程度の壁又は面積がより大きな壁であってもよく、熱管理部材13と電池セル20との接触面積もさらに大きくなり、電池セル20に対する温度調整効果を大幅に向上させることもでき、本出願の実施例はこれに限定されない。
【0081】
選択可能に、本出願の実施例では、第2壁21bは、電池セル20の面積が最も大きい壁である。
【0082】
例えば、電池セル20に少なくとも1つの面積が最も大きい壁が存在する場合、第2壁21bは、少なくとも1つの面積が最も大きい壁のうちの任意の壁であってもよい。熱管理部材13と電池セル20との接触面積が大きいほど、電池セル20に対する温度調整効果は、高くなる。このように、熱管理部材13を電池セル20の面積が最も大きい壁に取り付けることにより、電池セル20に対する最高の温度調整効率を最も便利な方式で達成することができる。
【0083】
例えば、図4は本出願の実施例の電池セルの分解構造概略図である。図4に示すように、電池セル20は、ケース21を含み、当該ケース21は、複数の壁を含むことができる。第2壁21bは、ケース21上の第1壁21a以外の任意の壁であってもよい。例えば、図4に示される電池セル20は、図2及び図3に示される電池10の任意の電池セル20の分解図である。このとき、図2から図4に示すように、第2壁21bは、ケース21上の面積が小さい壁であってもよい。または、図4に示される第2壁21bの位置とは異なり、本出願の実施例の第2壁21bは、ケース21上の面積が最も大きい壁であってもよい。また、当該ケース21は、面積が等しい少なくとも2つの壁を含むことができ、例えば、当該電池セル20のケース21が直方体である場合、当該ケース21は、対向して設けられた面積が等しく且つ最も大きい2つの壁を含むことができ、第2壁21bは、これらの任意の壁であってもよい。
【0084】
ケース21は、ケース本体211とカバープレート212とを含むことができる。ケース本体211の壁とカバープレート212の両方は、電池セル20の壁と呼ばれる。ケース本体211の形状は、内部の1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み合わせた形状に応じて決定されてもよく、例えば、ケース本体211は、中空の直方体又は立方体又は円柱体であってもよく、且つ、ケース本体211の少なくとも1つの面は、1つ又は複数の電極アセンブリ22をケース本体211内に配置できるように、開口部を有する。例えば、ケース本体211が中空の直方体又は立方体である場合、ケース本体211の少なくとも1つの面は、開口面であり、即ち、当該面には壁がなく、ケース本体211の内部と外部は連通する。ケース本体211が中空の円柱体である場合、ケース本体211の2つの端面のそれぞれは、開放面であってもよく、即ち、当該端面には壁がなく、ケース本体211の内部と外部は連通する。少なくとも1つのカバープレート212を設けることにより、当該ケース本体211の少なくとも1つの開口部を覆うことができ、各カバープレート212は、ケース本体211に接続されて、電極アセンブリ22を収容するための密閉キャビティを形成する。ケース本体211には、電解液などの電解質が充填されている。
【0085】
本出願の実施例の電池セル20の第1壁21aには、圧力解放機構213が設けられ、圧力解放機構213は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達すると作動して内部圧力又は温度を解放するために使用される。選択可能に、当該第1壁21aは、電池セル20の任意の壁であってもよい。例えば、当該第1壁21aは、電池セル20の面積が最も大きい壁であってもよく、このように、第2壁21bの面積が第1壁21aの面積以上であるため、当該第1壁21aと第2壁21bは、面積が等しくてもよく、両方とも電池セル20の面積が最も大きい壁である。また、例えば、当該第1壁21aは、電池セル20の面積が最も小さい壁であってもよく、例えば、当該第1壁21aは、取り付けを容易にするために、ケース本体211の底壁であってもよい。図示を容易にするために、図4では、第1壁21aがケース本体211から分離されているが、これは、ケース本体211の底側に開口部があるか否かを限定するものではなく、即ち、当該底壁とケース本体211の側壁は、一体型構造であってもよいし、互いに独立した2つの部分で接続されたものであってもよい。
【0086】
具体的には、図4に示すように、圧力解放機構213は、第1壁21aの一部であってもよいし、例えば溶接方式で第1壁21aに固定されるために、第1壁21aとは別体型構造であってもよい。圧力解放機構213が第1壁21aの一部である場合、即ち、当該圧力解放機構213が第1壁21aと一体的に形成され得る場合、当該圧力解放機構213は、第1壁21aにスコア又は溝を設けることにより形成されてもよく、当該スコアにより、当該第1壁21aの圧力解放機構213が位置する領域の厚さが当該第1壁21aの圧力解放機構以外の領域の厚さよりも薄くなる。スコア位置の壁の厚さが第1壁21aのスコア以外の壁の厚さよりも薄いため、電池セル20の内部に多量の気体が発生し、内部の圧力が所定の閾値まで上昇したり、電池セル20の内部の熱が所定の閾値まで上昇したりすると、スコア位置の壁及びそれに隣接する位置の壁が破裂され、電池セル20内の圧力及び熱が解放される。
【0087】
選択可能に、本出願の実施例の圧力解放機構213は、各種の可能な圧力解放構造であってもよく、本出願の実施例は、これに限定されない。例えば、圧力解放機構213は、圧力解放機構213が設けられた電池セル20の内部温度が閾値に達すると溶融できるように構成される感温圧力解放機構であってもよく、及び/又は、圧力解放機構213は、圧力解放機構213が設けられた電池セル20の内部空気圧が閾値に達すると破裂できるように構成される感圧圧力解放機構であってもよい。
【0088】
図4では、例として、電池セル20は、2つの電極端子214を含み、これらの2つの電極端子214は、板状のカバープレート212上に設けられ、即ち、カバープレート212は、電池セル20の第3壁21cである。これらの少なくとも2つの電極端子214は、少なくとも1つの正極端子214aと少なくとも1つの負極端子214bとを含むことができる。
【0089】
本出願の実施例の電極端子214は、電極アセンブリ22に電気的に接続され、電気エネルギーを出力するために使用される。例えば、各電極端子214には、それぞれに対応する集電部材23が設けられてもよく、集電部材23は、カバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214を電気的に接続するために使用される。
【0090】
図4に示すように、各電極アセンブリ22は、第1タブ221aと第2タブ222aを有する。第1タブ221aと第2タブ222aの極性は、逆である。例えば、第1タブ221aが正極タブである場合、第2タブ222aは、負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1タブ221aは、1つの集電部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2タブ222aは、別の集電部材23を介して別の電極端子に接続される。例えば、正極端子214aは、1つの集電部材23を介して正極タブに接続され、負極端子214bは、別の集電部材23を介して負極タブに接続される。
【0091】
当該電池セル20では、実際の使用ニーズに応じて、電極アセンブリ22は、単一又は複数設定されてもよく、図4に示すように、電池セル20には、4つの電極アセンブリ22が設けられているが、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0092】
選択可能に、図4に示すように、当該電池セル20は、バッキングプレート24をさらに含むことができ、当該バッキングプレート24は、電極アセンブリ22とケース本体211の底壁の間に位置し、電極アセンブリ22を支持することができ、電極アセンブリ22がケース本体211の底壁の周囲の角丸部と干渉することを効果的に防止することができる。また、当該バッキングプレート24には、1つ又は複数の貫通孔が設けられてもよく、例えば、均一に配列された複数の貫通孔が設けられてもよく、又は、圧力解放機構213がケース本体211の底壁に設けられる場合、液体及び気体のガイドを容易にするために、当該圧力解放機構213に対応する位置に貫通孔が設けられてもよく、具体的には、このようにしてバッキングプレート24の上面と下面との間のスペースを連通させることができ、電池セル20の内部で発生した気体及び電解液は、バッキングプレート24を自由に通過することができる。
【0093】
図5は本出願の実施例の電池10の部分断面概略図である。例えば、図5に示す部分断面概略図は、図2に示す電池10の第1方向Xに垂直な方向に沿った部分断面概略図であってもよく、ここで、第1方向Xは、電池10における複数の電池セル20の配列方向であってもよい。図5に示す電池10は、電池セル20及び熱管理部材13を収容するための電気キャビティ111と、圧力解放機構213の作動時に電池セル20からの排出物を収集するための収集キャビティ112とを含む筺体11を、さらに含む。
【0094】
本出願の実施例における電気キャビティ111は、電池セル20と熱管理部材13を収容するために使用されてもよく、収容される電池セル20と熱管理部材13の数が制限されないことを理解すべきである。また、電気キャビティ111には、電池セル20及び/又は熱管理部材13を固定するための構造も設けられてもよい。
【0095】
選択可能に、電気キャビティ111の形状は、収容された電池セル20及び/又は熱管理部材13に応じて決定されてもよい。例えば、図2から図5に示すように、電気キャビティ111は、加工を容易にするために、少なくとも6つの壁によって囲まれた中空の直方体であってもよい。
【0096】
本出願の実施例の収集キャビティ112は、電池セル20の排出物を収集するために使用されることを理解すべきである。具体的には、当該収集キャビティ112内には、空気、又は他の気体が含まれてもよい。または、収集キャビティ112内には、冷却媒体などの液体が含まれてもよく、又は、収集キャビティに入る排出物の温度をさらに下げるために、当該液体を収容するための部材が設けられてもよい。さらに、選択可能に、収集キャビティ112内の気体又は液体は、循環して流れることができる。
【0097】
本出願の実施例の当該電気キャビティ111は、密閉又は非密閉であってもよく、同様に、本出願の実施例における収集キャビティ112は、密閉又は非密閉であってもよいと理解すべきであり、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0098】
したがって、本出願の実施例の電池10では、電池セル20に熱暴走が発生した場合、収集キャビティ112によって電池セル20の排出物を収集することができ、電池セル20の排出物が筺体11の外部に直接放出されることが回避され、それによって圧力解放機構213の作動時に発生した爆破力が他の部材を破壊することが防止され、電池10の安全性が向上する。
【0099】
本出願の実施例における収集キャビティ112は、様々な方式で実現されてもよいことが理解すべきである。
【0100】
選択可能に、本出願の実施例では、図2から図5に示すように、筺体11は、第1壁21aに対向して間隔をあけて設けられた第1筺体壁114をさらに含み、第1壁21aと第1筺体壁114の間には、収集キャビティ112の少なくとも一部を形成するための隙間113がある。例えば、第1壁21aは、隙間113を形成するために、第1筺体壁114と少なくとも部分的に接触しなくてもよい。
【0101】
本出願の実施例では、第1壁21aと第1筺体壁114の間の隙間113に収集キャビティ112の少なくとも一部を形成することにより、余分な部材を追加することなく、収集キャビティ112によって電池セル20の排出物を収集することができ、電池10の構造が簡素化され、電池10の体積利用率が高くなり、電池セル20からの排出物の収集効率が高くなり、電池10の安全性が向上する。
【0102】
本開示の幾つかの実施例では、図2から図5に示すように、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lは、7mm以上である。
【0103】
ここで、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lは、第1壁21a上の異なる点から第1筺体壁114までの距離のうちの最小距離Lであってもよい。例えば、圧力解放機構213が電池セル20の第1壁21aにスコアの形で直接設けられる場合、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lは、第1壁21a上の非スコア領域の任意の点から第1筺体壁114までの距離であり、7mm以上である。
【0104】
説明すべきものとして、第1壁21aと第1筺体壁114の間に相互接触の領域が存在する場合、例えば、第1壁21aと第1筺体壁114が接続部材によって接触される場合、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lは、第1壁21a上の第1筺体壁114と接触していない任意の点から第1筺体壁114までの距離のうちの最小距離Lである。
【0105】
本出願の実施例では、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lを7mm以上に限定することにより、圧力解放機構213のための十分な変形スペースを残すことができ、電池セル20の排出物は、適時に放出されてもよく、それによって電池セル20内の圧力又は温度が低くなり、圧力解放機構213の作動時に電池セル20から放出された排出物のための十分な放出スペースを残すことができ、電池セル20の排出物が過剰に蓄積されて隣接する電池セル20と接触し、隣接する電池セル20に影響を与えることが防止され、電池10の安全性が向上する。
【0106】
本出願の幾つかの実施例では、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lは、7mm~25mmである。例えば、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lは、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm及び25mmである。
【0107】
第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lが大きいほど、圧力解放機構213の作動時に電池セル20の排出物が放出されやすくなることが理解できる。しかし、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lが大きいほど、収集キャビティ112の体積も大きくなり、電池10の体積利用率が低くなり、電池10のエネルギー密度が低くなる。
【0108】
本出願の実施例では、第1壁21aと第1筺体壁114の間の最小距離Lを7mm~25mmに限定することにより、電池セル20に対する外力の影響を低減することができるだけでなく、圧力解放機構213の作動及び電池セル20から放出された排出物のための十分なスペースを残すとともに、電池10の体積利用率を向上させ、電池10のエネルギー密度を高めることもできる。
【0109】
図6は本出願の別の実施例の電池10を示す図である。図7は本出願の別の実施例の電池10の部分断面概略図である。例えば、図7は、図6に示す電池10の第1方向Xに垂直な部分の断面概略図であってもよい。ここで、当該第1方向Xは、上記実施例における第1方向Xと同じである。
【0110】
図6及び図7に示すように、電池10は、第1壁21aに取り付けられており、電気キャビティ111と収集キャビティ112を隔離するために使用される隔離部材15をさらに含む。
【0111】
ここでの「隔離」とは分離を指し、密閉でなくてもよいと理解されたい。具体的には、電気キャビティ111と収集キャビティ112は、隔離部材15によって隔離され、つまり、電池セル20及び熱管理部材13を収容するための電気キャビティ111と、排出物を収集するための収集キャビティ112は、空間的に互いに分離され、これにより、排出物の少なくとも一部が収集キャビティ112から電気キャビティ111に入ることを防止し、熱拡散を回避することができる。
【0112】
本出願の実施例では、隔離部材15は、電気キャビティ111と収集キャビティ112に共通の壁を含む。図6及び図7に示すように、隔離部材15(又はその一部)は、電気キャビティ111と収集キャビティ112に共通の壁として直接機能することができ、これにより、電気キャビティ111と収集キャビティ112の間の距離をできるだけ短くし、スペースを節約し、筺体11の体積利用率を向上させることができる。
【0113】
本出願の実施例の筺体11では、電気キャビティ111と収集キャビティ112が隔離部材15により実現されることは、様々な方式を含むことができるが、本出願の実施例は、これに限定されない。例えば、図6及び図7を例とすると、電気キャビティ111に対して、筺体11は、開口部を有する第1カバーを含むことができ、隔離部材15は、当該第1カバーの開口部を覆って電気キャビティ111を形成する。このように、電気キャビティ111を形成するための壁は、当該第1カバー及び当該隔離部材15を含む。ここで、当該第1カバーは、様々な方式によって実現されてもよい。例えば、当該第1カバーは、一端が開いた中空の一体型構造であってもよく、又は、当該第1カバーは、第1部分111aと、対向する両側に開口部がある第2部分112bとを含むこともでき、第1部分111aは、第2部分112bの一の側の開口部を覆って一端が開いた第1カバーを形成するが、隔離部材15は、第2部分112bの他方の側の開口部を覆って電気キャビティ111を形成する。図6及び図7に示すように、筺体11は、隔離部材15とともに収集キャビティ112を形成するための防護部材113cをさらに含む。また、当該防護部材113cは、隔離部材15を防護するために使用されてもよく、即ち、収集キャビティ112の壁は、防護部材113cと隔離部材15とを含む。
【0114】
また、例えば、上記の図6及び図7に示す方式とは異なり、筺体11は、閉じた第2カバーを含むこともでき、当該第2カバーは、電気キャビティ111を形成するために使用されてもよく、又は、隔離部材15を当該第2カバー内に設けることにより、第2カバーの内部で電気キャビティ111が隔離されてもよく、さらに、収集キャビティ112が隔離されてもよい。ここで、当該第2カバーは、様々な方式によって実現されてもよく、例えば、当該第2カバーは、第3部分と第4部分を含むことができ、第4部分の一の側に開口部があって半密閉構造が形成され、隔離部材15は、第4部分の内部に設けられ、第3部分が第4部分の開口部を覆い、さらに閉じた第2カバーが形成される。
【0115】
本出願の実施例では、隔離部材15には、圧力解放領域151が設定され、圧力解放領域151は、圧力解放機構213が作動するときに、排出物を圧力解放領域151を通って収集キャビティ112に排出するために使用され、これにより、排出物による電気キャビティ111内の他の電池セル20の破壊損傷が回避され、熱拡散が回避され、電池10の安全性が向上する。選択可能に、隔離部材15には、非圧力解放領域152も含まれ、当該非圧力解放領域152は、当該隔離部材15上の当該圧力解放領域151以外の領域である。例えば、当該非圧力解放領域152に接着剤(図示せず)を塗布して、電池セル20と隔離部材15とを固定し、即ち、電池セル20の第1壁21aと隔離部材15を接着して固定することができる。
【0116】
本出願の実施例における隔離部材15の圧力解放領域151は、様々な方式によって実現されてもよいことが理解すべきである。例えば、隔離部材15の圧力解放領域151は、いかなる特殊な処理が行われなくてもよく、本出願の実施例は、隔離部材15のうち、圧力解放機構213に対向する部分のみを示すために、この部分を区別して圧力解放領域151と呼ぶ。
【0117】
また、例えば、隔離部材15の圧力解放領域151は、圧力解放機構213の作動時により容易に破壊できるために、特殊な処理が行われてもよい。
【0118】
1つの例として、圧力解放領域151は、脆弱領域であり、脆弱領域は、圧力解放機構213の作動時に破壊され得るために使用され、これにより、排出物は、脆弱領域を通過して収集キャビティ112に入る。圧力解放領域151を脆弱領域として設定することにより、圧力解放機構213が作動しないとき、例えば、電池10が正常に使用される過程に、当該隔離部材15は、比較的密閉した状態になり、圧力解放機構213は、外力により破壊されて故障しないように効果的に保護される。また、圧力解放機構213が作動する場合、脆弱領域の強度が隔離部材15における圧力解放領域151以外の領域の強度よりも小さいため、当該脆弱領域は、破壊されやすく、これにより、圧力解放機構213が設けられた電池セル20からの排出物は、脆弱領域を通って電気キャビティ111から排出され、例えば、脆弱領域を通過して収集キャビティ112に入ることができる。
【0119】
別の例として、圧力解放領域151は、貫通孔であってもよく、当該貫通孔は、圧力解放機構213が作動するときに、排出物が貫通孔を通過して収集キャビティ112に入ることができるために使用される。圧力解放領域151が貫通孔である場合、加工が容易になり、他方では、圧力解放機構213によって排出された排出物をより迅速に放出することができる。
【0120】
以上、図面を参照して本出願の実施例の電気キャビティ111及び収集キャビティ112の幾つかの可能な実現方式を説明した。説明を容易にするために、以下では、主に隔離部材15が設けられていない場合を例として説明するが、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0121】
図8は本出願のさらなる別の実施例の電池10の部分分解図である。図9は本出願のさらなる別の実施例の電池10の部分断面概略図である。例えば、図9は、図8に示す電池10の第1方向Xに垂直な部分の断面概略図であってもよい。ここで、当該第1方向Xは、上記実施例における第1方向Xと同じである。
【0122】
図8及び図9に示すように、筺体11は、第2筺体壁115をさらに含み、第2筺体壁115は、第3壁21cに固定され、電池セル20と筺体11との固定を実現するために使用される。
【0123】
本出願の実施例では、第2筺体壁115と第3壁21cの固定により、電池セル20の固定を実現することができ、電池セル20が筺体内で外部環境の影響を受けて揺れることを回避し、電池10の安定性及び安全性を向上させることができるだけでなく、他の部品を追加することなく、電池セル20の第1壁21aと筺体11の壁の間に隙間を形成することができ、その隙間は、電池セル20からの排出物を収集するために収集キャビティの少なくとも一部の形成に使用されてもよく、電池10の体積利用率が向上し、電池10のエネルギー密度が高くなる。
【0124】
第2筺体壁115と第3壁21cは、直接固定されてもよいし、固定部材によって間接的に固定されてもよい。ここで、固定部材は、ボルト、係合溝などを含むがこれらに限定されない。
【0125】
第2筺体壁115と第3壁21cについては、直接固定方式を例として説明する。例えば、第2筺体壁115の第3壁21cに近い側に磁気物質があり、第3壁21cの第2筺体壁115に近い側にも磁気物質があり、上記磁気物質間の磁力により、第2筺体壁115は、第3壁21cに固定され、それによって電池セル20と筺体11との固定が実現される。
【0126】
選択可能に、第2筺体壁115と第3壁21cは、他の方式によって固定されてもよい。図10は、図9の領域Bの部分拡大図である。選択可能に、本出願の実施例では、第3壁21cは、加工を容易にするために、接着剤17によって第2筺体壁115に固定される。
【0127】
例えば、第3壁21c上の電極端子214が設けられていない領域に接着剤17を塗布し、第3壁21cを第2筺体壁115に固定することができる。例示的に、接着剤17は、熱伝導性シリカゲル、エポキシ樹脂接着剤及びポリウレタン接着剤などを採用してもよい。
【0128】
選択可能に、本出願の実施例では、第3壁21c及び第2筺体壁115と同様に、他の壁によって電池セル20と筺体11との固定を実現することもできる。例えば、電池セル20の第1壁21aと筺体11の第1筺体壁114によって電池セル20と筺体11との固定を実現することができ、例えば、第1壁21aと第1筺体壁114は、接続部材(例えば、接着剤)によって接続されてもよい。
【0129】
本出願の実施例では、接着剤17が、コストが低く、入手しやすいという利点を有するため、第3壁21cと第2筺体壁115とを接着剤17で固定することにより、固定の難易度が低くなり、電池10の製造コストが削減される。また、電池10の実際の製造プロセスでは、第3壁21cの部分的な領域に接着剤17を塗布することができ、第2筺体壁115の部分的な領域に接着剤17を塗布することもでき、第3壁21cと第2筺体壁115の固定方式の柔軟性が高くなる。
【0130】
図11は本出願のさらなる別の実施例の電池10のさらなる別の部分断面概略図である。例えば、図11は、図8に示す電池10の第1方向Xに垂直な部分の断面概略図であってもよい。図12図11の領域Cの部分拡大図である。図11から図12に示すように、第1壁21aの圧力解放機構213以外の部分領域に対応する厚さの接着剤17を塗布し、電池セル20の第1壁21aを接着剤17で第1筺体壁114に固定し、電池セル20と筺体11との固定を実現することができる。
【0131】
また、第1壁21aの接着剤17が塗布されていない領域と第1筺体壁114との間に隙間113が残してもよく、当該隙間113は、収集キャビティ112の少なくとも一部を形成し、圧力解放機構213が作動するときに、接着剤17が圧力解放機構213の作動に影響を与えないため、電池セル20の排出物は、圧力解放機構213を通って収集キャビティ112に直接排出されてもよい。ここで、接着剤17の厚さは、隙間113のサイズに関係し、接着剤17の厚さが厚いほど、隙間113は、大きくなり、収集キャビティ112は、より多くの排出物を収容することができる。このように、接着剤17の厚さに応じて収集キャビティ112の容量を調整することができ、これにより、収集キャビティ112の設置がより柔軟になる。
【0132】
選択可能に、本出願の実施例では、図8から図12に示すように、電池10は、第1方向Xに沿って配列された複数列の電池セル20を含み、複数列の電池セル20のうちの各列の電池セル20は、第2方向Yに沿って配列された少なくとも1つの電池セル20を含み、第1方向Xは、第2方向Y及び第2壁21bに対して垂直である。
【0133】
例えば、図8から図12を例とすると、当該電池10は、第1方向Xに沿って18列の電池セル20が配列され、各列の電池セル20には、6個の電池セル20が含まれる。
【0134】
電池セル20の数は、実際のニーズに応じて設定されることが理解できる。電池セル20の数が多いほど、電池10の出力電力は、大きくなり、電池セル20の数が少ないほど、電池の出力電力は、小さくなる。これにより、第1方向Xに複数列の電池セル20を配列することができ、各列の電池セル20は、第2方向Yに沿って少なくとも1つの電池セル20が設けられる。また、これらの電池10の複数の電池セル20がアレイ状に配列されるため、電池10の組み立てが容易になるとともに、電池内の複数の電池セル20の体積利用率を向上させることもできる。ここで、第1方向Xが第2壁21bに対して垂直であるため、当該熱管理部材13が第2壁21bに取り付けられると、当該第1方向Xは、熱管理部材13に対しても垂直である。
【0135】
本出願の実施例の第1方向Xと第2方向Yは、互いに垂直であると理解すべきである。例えば、図8から図12に示すように、本出願の実施例では当該第1方向Xが電池セル20の幅の方向であることを例とすると、第2方向Yは、電池セル20の長手方向であり、ここで、電池セル20の幅方向と長手方向の両方は、電池セル20の高さ方向に垂直であり、電池セル20の幅方向の辺の長さは、長手方向の辺の長さよりも小さい。
【0136】
選択可能に、熱管理部材13は、複数列の電池セル20のうちの少なくとも1列の電池セル20の少なくとも1つの電池セル20の第2壁21bに取り付けられる。複数列の電池セル20に対して、少なくとも1列の電池セル20のうちの少なくとも1つの電池セル20に対応して熱管理部材13が設けられ、当該熱管理部材13は、取り付けられた少なくとも1つの電池セル20の温度を調整することができる。このように、当該電池10には、少なくとも1つの電池セル20の温度を調整するために使用され得る少なくとも1つの熱管理部材13が存在する。
【0137】
本出願の実施例では、熱管理部材13を複数列の電池セル20のうちの少なくとも1列の電池セル20の少なくとも1つの電池セル20の第2壁21bに取り付けることにより、電池10の製造コストを削減することができる。
【0138】
本出願の実施例では、電池セル20は、第1方向Xに沿って対向して設けられた2つの第2壁21bを含み、複数列の電池セル20のうちの少なくとも1列の電池セル20の第1方向Xに沿った両側には、少なくとも1つの電池セル20の2つの第2壁に取り付けられた熱管理部材13がそれぞれ設けられる。複数列の電池セル20には、少なくとも1列の電池セル20は、以下の条件を満たす:当該少なくとも1列の電池セル20のうちの任意の電池セル20に対して、当該電池セル20は、第1方向Xに沿って対向して設けられた2つの第2壁21bを含み、2つの第2壁21bに対応して熱管理部材13が設けられ、即ち、この列の電池セル20は、2つの熱管理部材13の間に挟持される。したがって、2つの熱管理部材13は、この列の電池セル20の温度を同時に調整することができ、温度調整効率を高め、電池10の安全性を向上させることができる。例えば、電池10内の複数列の電池セル20のうちの各列の電池セル20に対応して2つの熱管理部材13が設けられると、温度調整効率を大幅に向上させることができ、例えば、電池セル20が熱暴走した場合、温度をより効果的に下げ、熱拡散を回避し、電池10の安全性を向上させることができる。
【0139】
本出願の実施例では、複数列の電池セル20のうちの少なくとも2列の隣接する電池セル20の間には、同一の熱管理部材13が設けられる。このように、複数の電池セル20のうち、隣接する2列の電池セル20は、以下の条件を満たす。電池10の加工及び組み立てを容易にするために、これらの2列の電池セル20の間に同一の熱管理部材13が設けられている。例えば、第1方向Xに沿って、電池セル20の一部は、以下の条件を満たすことができる。隣接する2列の電池セル20の間に同一の熱管理部材13が設けられ、また、電池セル20の一部も以下の条件を満たす。隣接する2つの電池セル20の間に熱管理部材13が設けられないため、電池10内のスペース利用率が向上する。また、例えば、複数列の電池セル20の隣接する2列ごとの電池セル20の間に熱管理部材13が設けられてもよく、これにより、各電池セル20は、少なくとも2つの熱管理部材13に対応し、それによって温度調整効果が高くなる。
【0140】
本出願の実施例の電池10内の熱管理部材13の数は、実際の用途に応じて設定されてもよいことが理解すべきである。例えば、電池セル20のサイズ及び数に応じて電池10内の熱管理部材13の数を選択することができる。
【0141】
例えば、電池は、温度調整効率を向上させるために、第1方向Xに沿って配列された複数の熱管理部材13を含む。
【0142】
また、例えば、複数の熱管理部材12は、第1方向Xに沿って間隔をあけて設けられ、これにより、隣接する2つの熱管理部材12の間に少なくとも1つの電池セル20が設けられ、電池10の体積利用率の向上に加えて、温度調整効率の向上も可能である。
【0143】
図13図8に示す任意の熱管理部材13の部分拡大図である。図8から図13に示すように、熱管理部材13には、熱交換媒体を収容するための熱交換チャネル131が設けられ、複数の熱管理部材13の熱交換チャネル131は、互いに連通している。
【0144】
ここで、熱交換媒体は、液体、気体又は固体であってもよい。例えば、電池セル20を冷却し、又は電池セル20の温度を下げる場合、当該熱管理部材13は、複数の電池セル20の温度を下げるために冷却流体を収容するために使用され、この場合、熱管理部材13は、冷却部材、冷却システム又は冷却プレートなどと呼ばれてもよく、それに収容された流体は、冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的には、冷却液又は冷却気体と呼ばれてもよく、冷却媒体は、より高い温度調整効果を達成するために、循環して流れるように設計されてもよい。冷却媒体は、具体的には、水、水とエチレングリコールとの混合液、空気等を採用してもよい。
【0145】
複数の熱管理部材13の熱交換チャネル131は、互いに連通することができる。このように、複数の熱管理部材13が互いに連通するため、管理及び制御が容易になり、電池10の統合性及び安全性が向上し、他方では、電池10内の熱管理部材13の一部の温度が大きく変化した場合、当該熱交換チャネルにより熱交換を実現することができ、複数の熱管理部材13間の温度差が小さくなり、温度調整効率が向上する。また、各熱管理部材13には、複数の熱交換チャネルが設けられてもよく、複数の熱交換チャネルは、第3方向Z(すなわち高さ方向)に沿って間隔をあけて設けられ、熱管理部材13と電池セル20との間の熱交換面積を増加させ、熱交換効率を向上させる。
【0146】
選択可能に、複数の熱管理部材13の熱交換チャネル131は、様々な方式によって互いに連通することができる。例えば、複数の熱管理部材13の熱交換チャネル131は、配管を介して互いに連通することができる。
【0147】
図14は本出願の実施例の複数の電池セル20と複数の熱管理部材13の部分斜視概略図である。例えば、図14に示す複数の電池セル20及び複数の熱管理部材13は、図8の領域Aの部分拡大概略図であってもよい。
【0148】
本出願の実施例では、図14に示すように、複数の熱管理部材13は、隣接する第1熱管理部材13aと第2熱管理部材13bを含み、第1熱管理部材13aは、熱交換チャネル131と連通する第1接続管131aを含み、第2熱管理部材13bは、熱交換チャネル131と連通する第2接続管132bを含み、第1接続管131aと第2接続管132bは、第1熱管理部材13aの熱交換チャネル131と第2熱管理部材13bの熱交換チャネル131が互いに連通するように、互いに接続される。
【0149】
本出願の実施例では、第1接続管131aと第2接続管132bを介して隣接する第1熱管理部材13aと第2熱管理部材13bの間の熱交換チャネル131を連通することにより、熱交換チャネル131の接続の難しさを下げることができ、また、熱交換チャネル131に接続された部材及び第1熱管理部材13a、第2熱管理部材13bを一緒に設けることにより、電池10の体積利用率を向上させ、それによって電池10のエネルギー密度を高めることができる。
【0150】
なお、第1接続管131aと第1熱管理部材13aは、一体型成形構造であってもよいし、別体型構造であってもよいことが理解すべきである。例示的に、第1接続管131aと第1熱管理部材13aは、別体型構造であり、第1接続管131aは、接着剤接続、ボルト接続又は溶接により第1熱管理部材13aに接続されてもよい。第2接続管132bと第2熱管理部材13bとの接続方式は、第1接続管131aと第1熱管理部材13aとの接続方式と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、第1接続管131aと第1熱管理部材13aとの接続方式、第2接続管132bと第2熱管理部材13bとの接続方式は、同じであっても異なってもよく、例えば、加工を容易にするために、同じ接続方式に設定されてもよい。
【0151】
第1接続管131aと第2接続管132bの材質は、実際の用途に応じて設定されてもよく、第1接続管131aと第2接続管132bの材質は、同じであっても異なってもよい。例えば、それは天然ゴム、スチレンブタジエンゴム又はブタジエンゴムなどであってもよく、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム又はシリコーンゴムを用いた材料は、耐酸性、耐アルカリ性、耐高温性を有し、例えば、それは、耐食性、熱膨張・収縮に強い金属材料、例えば鉄、ステンレス鋼及び銅亜鉛合金などであってもよく、又はプラスチック、ホットメルト接着剤、合金を組み合わせた複合材料であってもよい。
【0152】
選択可能に、第1接続管131a及び第2接続管132bは、第1熱管理部材13a及び第2熱管理部材13bの1列の電池セル20を越える任意の領域にそれぞれ設けられてもよい。
【0153】
例えば、本出願の実施例では、図14に示すように、第1接続管131aは、第1熱管理部材13aの第2方向Yに沿って1列の電池セル20を超える領域に設けられ、第2接続管132bは、第2熱管理部材13bの第2方向Yに沿って1列の電池セル20を超える領域に設けられ、1列の電池セル20は、第1熱管理部材13aと第2熱管理部材13bとの間にある1列の電池セル20であり、第1接続管131aと第2接続管132bは、第1方向Xに沿って延在して互いに接続される。
【0154】
本出願の実施例では、第1接続管131aと第2接続管132bを第1方向に沿って延在させて互いに接続させることにより、第1熱管理部材13aの熱交換チャネル131及び第2熱管理部材13bの熱交換チャネル131内の熱交換媒体の輸送経路を短縮させることができ、対応する熱交換チャネル131内の熱交換媒体の輸送効率が高くなるだけでなく、電池10の体積利用率も向上する。
【0155】
選択可能に、第1接続管131aと第2接続管132bは、第1方向Xに沿って延在し、直接的又は間接的に接続される。
【0156】
第1接続管131aと第2接続管132bが直接的に接続される場合を例に挙げて説明する。当該第1接続管131aと第2接続管132bは、様々な方式によって接続されてもよい。例えば、第1接続管131aには、第1接続管131aの内部から第1接続管131aの外部に向かって凹む第1溝が設けられ、第2接続管132bには、第2接続管132bの外部に向かって突出する第1突出部が設けられ、第1溝は、第1接続管131aと第2接続管132bが互いに接続されるように、第1突出部を収容するために使用される。
【0157】
第1接続管131aと第2接続管132bが間接的に接続される場合を例に挙げて説明する。図15は本出願の実施例の接続されている第1熱管理部材13aと第2熱管理部材13bの上面概略図である。図14及び図15に示すように、第1接続管131aと第2接続管132bは、中間接続管16を介して間接的に連通される。ここで、中間接続管16は、固定管161と移動管162とを含み、固定管161と移動管162は、移動可能に密閉接続され、移動管162が第1接続管131a又は第2接続管132bに接続され、これにより、第1熱管理部材13aの熱交換チャネル131と第2熱管理部材13bの熱交換チャネル131は、互いに連通し、熱交換媒体は、継続的に循環する。
【0158】
ここで、移動管162は、固定管161に密閉接続されており、媒体が移動管162の隙間から溢れることを防止する。選択可能に、固定管161の外径は、移動管162の内径よりも小さく、第1接続管131a及び第2接続管132bの外径は、移動管162の内径よりも小さく、これにより、中間接続管16と第1接続管131a及び第2接続管132bとの密閉接続が実現される。固定管161と移動管162の材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、固定管161及び移動管162は、接着層と骨格層とで構成されてもよく、骨格層の材料としては、綿繊維、各種の合成繊維、炭素繊維又はアスベスト、鋼線等を用いることができ、接着層の材料としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム又はブタジエンゴムなどを用いることができる。固定管161及び移動管162は、金属材料、複合材料などで作製されてもよいが、本出願は、これらに限定されない。固定管161は、高温耐性、及び熱変形が小さく、内壁が滑らかであり、流体抵抗が小さく、耐圧能力が強いなどの性能を有することができる。選択可能に、移動管162と固定管161は、フェルール又はネジ接続などにより取り付けられてもよい。選択可能に、中間接続管16は、固定管161及び少なくとも1つの移動管162を含むことができる。ここで、移動管162の数は、実際の状況に応じて決定されてもよい。例えば、それは、第1接続管131aと第2接続管132bとの間の距離に応じて決定される。第1接続管131aと第2接続管132bとの間の距離が大きいほど、移動管162の数は、多くなる。
【0159】
図15では、例として、中間接続管16は、第1移動管162aと第2移動管162bとを含む。具体的には、第1移動管162aは、第1方向Xにおいて固定管161から離れる方向に移動可能であり、これにより、当該第1移動管162aは、第1接続管131aに接続され、同様に、第2移動管162bは、第1方向Xにおいて第1移動管162aから離れる方向に移動可能であり、これにより、当該第2移動管162bは、第2接続管132bに接続される。または、第1接続管162aは、第1方向Xにおいて固定管161に近い方向に移動可能であり、これにより、当該第1移動管162aは、第1接続管131aから切断され、同様に、第2接続管162bは、第1方向Xにおいて固定管161に近い方向に移動可能であり、これにより、当該第2移動管162bは、第2接続管132bから切断され、さらに第1接続管131aと第2接続管132bは、接続されていない。このように、長さ可変の中間接続管16によって第1接続管131aと第2接続管132bとを接続及び切断することにより、電池10の組み立ての難易度を下げることができる。
【0160】
説明すべきものとして、第1移動管162aと第1接続管131aとの接続方式は、第2移動管162bと第2接続管132bとの接続方式と同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、第1移動管162aと第1接続管131a、第2移動管162bと第2接続管132bは、いずれもネジ接続の方式が採用される。
【0161】
図16は本実施例の電池10の部分側面概略図である。図17は本出願の一実施例で開示されるさらなる別の電池の領域Dの部分概略図である。図18は本出願のさらなる別の実施例の電池10の別の部分断面概略図である。例えば、図18は、図8に示す電池10の第1方向Xに垂直な部分の断面概略図であってもよい。図16から図18に示すように、筺体11は、第1接続管131a及び/又は第2接続管132bを支持するための支持部材117をさらに含む。
【0162】
本出願の実施例では、支持部材117によって第1接続管131a及び/又は第2接続管132bを支持することにより、他の部材を追加することなく、第1熱管理部材13aと第2熱管理部材13bの間に位置する1列の電池セル20と筺体11の壁の間に隙間が形成されてもよく、例えば、1列の電池セル20の第1壁21aと筺体11の任意の壁の間に隙間113が形成され、その隙間は、収集キャビティ112が電池セル20の排出物を収集するように、収集キャビティ112の少なくとも一部を形成するために使用されてもよい。このように、電池10の体積利用率が高くなり、電池10のエネルギー密度が高くなる。
【0163】
支持部材117は、第1接続管131aに少なくとも部分的に接触して第1接続管131aを支持することができ、又は、支持部材117は、第2接続管132bに少なくとも部分的に接触して第2接続管132bを支持することができ、又は、支持部材117は、第1接続管131aの少なくとも一部及び第2接続管132bの少なくとも一部に接触して第1接続管131a及び第2接続管132bを支持することができることが理解すべきである。
【0164】
例示的に、支持部材117は、筺体11内に設けられた部材であってもよく、又は、当該支持部材117は、筺体11の壁に設けられた突出構造であってもよい。例えば、当該支持部材117は、第1壁21aに対向する第1筺体壁114上の突出構造であってもよく、当該突出構造は、当該第1筺体壁114の内面から電池10の内部に向かって突出し、又は、当該突出構造は、第1筺体壁114の内面と第3筺体壁116の内面から電池10の内部に向かって突出することもでき、又は、図17及び図18に示すように、当該支持部材117は、第3筺体壁116上の突出部117aであってもよく、当該突出部117aは、当該第3筺体壁116から電池10の内部に向かって突出し、ここで、当該第3筺体壁116は、筺体11の第2方向Yに垂直な壁である。また、第1接続管131aと第2接続管132bは、第1方向Xに沿って連通しており、突出部117aの第1熱管理部材13aに面する側に第1接続管131aが取り付けられ、突出部117aの第2熱管理部材13bに面する側に第2接続管132bが取り付けられる。
【0165】
本出願の実施例では、以下に当該支持部材117が第3筺体壁116の突出部117aであることを主に例として説明することが理解すべきである。
【0166】
選択可能に、本出願の実施例では、図19図18の領域Eの部分拡大図である。図16から図19に示すように、支持部材117の第3方向Zに沿った一の側は、第1接続管131a及び/又は第2接続管132bを取り付けるために使用され、第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yに対して垂直である。
【0167】
支持部材117(例えば、突出部117a)の第3方向Zに沿った側は、当該支持部材117の第3方向Zに垂直な側であってもよいことが理解すべきである。
【0168】
本出願の実施例では、支持部材117の第3方向Zに沿った側に第1接続管131a及び/又は第2接続管132bを取り付けることにより、電池10の第3方向Zにおけるスペースを利用して電池10の体積利用率を向上させることができ、また、電池10を組み立てる場合、第1接続管131aと第2接続管132bとが連通している状態で、支持部材117を設けて第1接続管131a及び/又は第2接続管132bを取り付けることができ、まず支持部材117を設けて第1接続管131a又は第2接続管132bを取り付け、次に第1接続管131aと第2接続管132bを連通することもでき、これにより、組み立ての柔軟性が高くなる。
【0169】
選択可能に、支持部材117の第3方向Zに沿った側には、固定部材が設けられてもよく、これにより、支持部材117は、当該固定部材を介して第1接続管131a及び/又は第2接続管132bに取り付けられ、第1熱管理部材13a、第2熱管理部材13bと電池セル20を支持する。ここで、当該固定部材は、様々な方式によって実現されてもよく、例えば、当該固定部材は、接着剤であってもよく、又は、位置制限構造であってもよいが、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0170】
選択可能に、本出願の実施例では、図19に示すように、支持部材117の第3方向Zに沿った一の側には、第1接続管131aの少なくとも一部及び/又は第2接続管132bの少なくとも一部を収容するための収容溝117bが設けられている。
【0171】
収容溝117bの径方向寸法は、第1接続管131aの少なくとも一部及び/又は第2接続管132bの少なくとも一部を収容するために、第1接続管131a及び/又は第2接続管132bの径方向寸法以上であることが理解すべきである。選択可能に、当該収容溝117bの表面には、第1接続管131aの少なくとも一部及び/又は第2接続管132bの少なくとも一部をさらに固定するために接着剤17が塗布されてもよい。
【0172】
本出願の実施例では、支持部材117の第3方向Zに沿った一の側に、第1接続管131aの少なくとも一部及び/又は第2接続管132bの少なくとも一部を収容するための収容溝117bを設けることにより、支持部材117は、当該第1接続管131a及び/又は第2接続管132bをより安定して支持及び固定し、第1接続管131a、第2接続管132b及びそれらの間の1列の電池セル20が筺体11内で揺れることが回避され、電池10の安定性及び安全性が向上する。
【0173】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その部材を等価物で置き換えることができる。特に、各実施例に記載された各技術的特徴は、構成上の矛盾がない限り、任意の方式で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内のすべての技術案を含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(10)であって、
電池セル(20)であって、当該電池セル(20)の第1壁(21a)には、圧力解放機構(213)が設けられている、電池セル(20)と、
前記電池セル(20)の温度を調整するための熱管理部材(13)であって、前記熱管理部材(13)は、前記電池セル(20)の第2壁(21b)に取り付けられ、前記第2壁(21b)は、前記第1壁(21a)とは異なる、熱管理部材(13)と、
前記電池セル(20)の電極端子(214)を電気的に接続するためのバス部材(12)であって、前記電極端子(214)は、前記電池セル(20)の第3壁(21c)に設けられ、前記第3壁(21c)は、前記第1壁(21a)とは異なる、バス部材(12)と、
を含むことを特徴とする電池(10)。
【請求項2】
前記第3壁(21c)は、前記第2壁(21b)とは異なることを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項3】
前記第2壁(21b)の面積は、前記第1壁(21a)の面積以上であり、及び/又は、
前記第2壁(21b)の面積は、前記第3壁(21c)の面積以上であることを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項4】
前記第2壁(21b)は、前記電池セル(20)の面積が最も大きい壁であることを特徴とする請求項3に記載の電池(10)。
【請求項5】
前記電池(10)は、
前記電池セル(20)及び前記熱管理部材(13)を収容するための電気キャビティ(111)と、前記圧力解放機構(213)の作動時に前記電池セル(20)の排出物を収集するための収集キャビティ(112)とを含む筺体(11)と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項6】
前記筺体(11)は、前記第1壁(21a)に対向して間隔をあけて設けられた第1筺体壁(114)をさらに含み、前記第1壁(21a)と前記第1筺体壁(114)との間には、前記収集キャビティ(112)の少なくとも一部を形成するための隙間(113)があることを特徴とする請求項5に記載の電池(10)。
【請求項7】
前記第1壁(21a)と前記第1筺体壁(114)との間の最小距離(L)は、7mm以上であることを特徴とする請求項6に記載の電池(10)。
【請求項8】
前記第1壁(21a)と前記第1筺体壁(114)との間の前記最小距離(L)は、7mm~25mmであることを特徴とする請求項7に記載の電池(10)。
【請求項9】
前記電池(10)は、
前記第1壁(21a)に取り付けられる隔離部材(15)であって、前記隔離部材(15)は、前記電気キャビティ(111)と前記収集キャビティ(112)を隔離するために使用される隔離部材(15)をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の電池(10)。
【請求項10】
前記筺体(11)は、前記第3壁(21c)に固定され、前記電池セル(20)と前記筺体(11)との固定を実現するために使用される第2筺体壁(115)をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の電池(10)。
【請求項11】
前記第3壁(21c)は、接着剤(17)によって前記第2筺体壁(115)に固定されることを特徴とする請求項10に記載の電池(10)。
【請求項12】
前記電池(10)は、第1方向(X)に沿って配列された複数列の電池セル(20)を含み、前記複数列の電池セル(20)の各列の電池セル(20)は、第2方向(Y)に沿って配列された少なくとも1つの前記電池セル(20)を含み、前記第1方向(X)は、前記第2方向(Y)及び前記第2壁(21b)に対して垂直であることを特徴とする請求項に記載の電池(10)。
【請求項13】
前記熱管理部材(13)は、前記複数列の電池セル(20)のうち少なくとも1列の電池セル(20)の少なくとも1つの前記電池セル(20)の前記第2壁(21b)に取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の電池(10)。
【請求項14】
前記電池セル(20)は、前記第1方向(X)に沿って対向して設けられた2つの前記第2壁(21b)を含み、前記複数列の電池セル(20)のうち前記少なくとも1列の電池セル(20)の前記第1方向(X)に沿った両側には、少なくとも1つの前記電池セル(20)の2つの前記第2壁(21b)に取り付けられた前記熱管理部材(13)がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項13に記載の電池(10)。
【請求項15】
前記複数列の電池セル(20)のうち少なくとも2列の隣接する電池セル(20)の間には、同一の前記熱管理部材(13)が設けられることを特徴とする請求項13に記載の電池(10)。
【請求項16】
前記電池は、前記第1方向(X)に沿って配列された複数の前記熱管理部材(13)を含むことを特徴とする請求項12に記載の電池(10)。
【請求項17】
複数の前記熱管理部材(13)は、前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて設けられることを特徴とする請求項16に記載の電池(10)。
【請求項18】
前記熱管理部材(13)には、熱交換媒体を収容するための熱交換チャネル(11)が設けられ、複数の前記熱管理部材(13)の前記熱交換チャネル(11)は、互いに連通していることを特徴とする請求項16に記載の電池(10)。
【請求項19】
複数の前記熱管理部材(13)は、隣接する第1熱管理部材(1a)と第2熱管理部材(1b)を含み、前記第1熱管理部材(1a)は、前記熱交換チャネル(11)と連通する第1接続管(11a)を含み、前記第2熱管理部材(1b)は、前記熱交換チャネル(11)と連通する第2接続管(12b)を含み、前記第1接続管(11a)と前記第2接続管(12b)は、前記第1熱管理部材(1a)の前記熱交換チャネル(11)と前記第2熱管理部材(1b)の前記熱交換チャネル(11)が互いに連通するように、互いに接続されることを特徴とする請求項18に記載の電池(10)。
【請求項20】
前記第1接続管(11a)は、前記第1熱管理部材(1a)の前記第2方向(Y)に沿って1列の電池セル(20)を超える領域に設けられ、前記第2接続管(12b)は、前記第2熱管理部材(1b)の前記第2方向(Y)に沿って前記1列の電池セル(20)を超える領域に設けられ、前記1列の電池セル(20)は、前記第1熱管理部材(1a)と前記第2熱管理部材(1b)との間にある1列の電池セル(20)であり、前記第1接続管(11a)と前記第2接続管(12b)は、前記第1方向(X)に沿って延在して互いに接続されることを特徴とする請求項19に記載の電池(10)。
【請求項21】
前記筺体(11)は、前記第1接続管(11a)及び/又は前記第2接続管(12b)を支持するための支持部材(117)をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の電池(10)。
【請求項22】
前記支持部材(117)の第3方向(Z)に沿った一の側は、前記第1接続管(11a)及び/又は前記第2接続管(12b)を取り付けるために使用され、前記第3方向(Z)は、前記第1方向(X)及び前記第2方向(Y)に対して垂直であることを特徴とする請求項21に記載の電池(10)。
【請求項23】
前記支持部材(117)の前記第3方向(Z)に沿った前記一の側には、前記第1接続管(11a)の少なくとも一部及び/又は前記第2接続管(12b)の少なくとも一部を収容するための収容溝(117b)が設けられていることを特徴とする請求項22に記載の電池(10)。
【請求項24】
前記第1壁(21a)は、前記第3壁(21c)に対向して設けられ、前記第2壁(21b)は、前記第1壁(21a)及び前記第3壁(21c)に接続され、又は、
前記第1壁(21a)は、前記第2壁(21b)に対向して設けられ、前記第3壁(21c)は、前記第1壁(21a)と前記第2壁(21b)に接続されることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項25】
電気機器であって、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電池(10)を含み、前記電池(10)は、前記電気機器に電気エネルギーを供給するために使用されることを特徴とする電気機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0142】
また、例えば、複数の熱管理部材1は、第1方向Xに沿って間隔をあけて設けられ、これにより、隣接する2つの熱管理部材1の間に少なくとも1つの電池セル20が設けられ、電池10の体積利用率の向上に加えて、温度調整効率の向上も可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0159
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0159】
図15では、例として、中間接続管16は、第1移動管162aと第2移動管162bとを含む。具体的には、第1移動管162aは、第1方向Xにおいて固定管161から離れる方向に移動可能であり、これにより、当該第1移動管162aは、第1接続管131aに接続され、同様に、第2移動管162bは、第1方向Xにおいて第1移動管162aから離れる方向に移動可能であり、これにより、当該第2移動管162bは、第2接続管132bに接続される。または、第1移動管162aは、第1方向Xにおいて固定管161に近い方向に移動可能であり、これにより、当該第1移動管162aは、第1接続管131aから切断され、同様に、第2移動管162bは、第1方向Xにおいて固定管161に近い方向に移動可能であり、これにより、当該第2移動管162bは、第2接続管132bから切断され、さらに第1接続管131aと第2接続管132bは、接続されていない。このように、長さ可変の中間接続管16によって第1接続管131aと第2接続管132bとを接続及び切断することにより、電池10の組み立ての難易度を下げることができる。
【国際調査報告】