(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】サンプル収集デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/02 20060101AFI20240730BHJP
G01N 1/04 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G01N1/02 W
G01N1/04 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503414
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2022056714
(87)【国際公開番号】W WO2023002410
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン,オードリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ドンブロウスキー,アラン アール.
(72)【発明者】
【氏名】シッター,ブレット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バーリガン,マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】ボニーラ,トーニャ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ステパノヴァ,ナリーナ ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ネレング,ローラ アール.
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA34
2G052AA36
2G052AD15
2G052AD22
2G052AD55
2G052BA22
2G052CA20
2G052DA02
2G052ED06
2G052GA29
2G052JA04
2G052JA08
(57)【要約】
サンプル収集デバイスが、呼気部分及び結合部分を含むハウジングを含む。結合部分は、サンプル収集管と/に結合され得る。ハウジングを通って気流経路が延びている。デバイスは、ハウジング内部に部分的に配設されて気流経路を塞ぐように配置された多孔質サンプル収集媒体を更に含む。多孔質サンプル収集媒体は不織布材料を含み、ポリ乳酸、ポリプロピレン、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。ハウジングは、単一のピース、要素、若しくは構成要素であってもよく、又は複数のピース、要素、構成要素、若しくは部分であってもよい。2ピースハウジングの実施形態では、第1の要素は呼気ピース(例えば、マウスピース又はノーズピース)を含み、第2の要素は、サンプル収集管と結合するように構築された結合端を含む。サンプル収集デバイスを使用してサンプルを取得する方法が、呼気ピース又は呼気部分に息を吹き込んで、多孔質サンプル収集媒体上にサンプルを収集することと、第2の要素又は部分をサンプル収集管と結合することと、多孔質サンプル収集媒体上の収集されたサンプルをサンプル収集管に移し替えることと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに取り外し可能に結合した第1の要素及び第2の要素と、前記第1の要素及び前記第2の要素を通って延びる気流経路とを備えるハウジングであって、前記第1の要素が呼気ピースを備え、前記第2の要素が、サンプル収集管と結合するように構築された結合端を備える、ハウジングと、
前記第1の要素と前記第2の要素との間に部分的に配設されて前記気流経路を塞ぐように配置された多孔質サンプル収集媒体と、
を備える、サンプル収集デバイス。
【請求項2】
前記第1の要素及び前記第2の要素の各々が、管状本体を備える、請求項1に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項3】
前記第1の要素と前記第2の要素が結合しているとき、前記第1の要素の前記管状本体が前記第2の要素の前記管状本体と同軸である、請求項1又は2に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項4】
前記第2の要素が棚部を備え、前記第1の要素が遠位端を備え、前記第1の要素と前記第2の要素が結合しているとき、前記多孔質サンプル収集媒体の外縁が前記棚部と前記遠位端との間に保定される、請求項1~3のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項5】
前記多孔質サンプル収集媒体が不織布材料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項6】
前記不織布材料がポリ乳酸、ポリプロピレン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項5に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項7】
前記第1の要素と前記第2の要素とが、バヨネット結合、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はねじ結合によって結合される、請求項1~6のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記第1の要素又は前記第2の要素の本体から外向きに延びるフィンガーサポートを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項9】
前記第2の要素が、サンプル収集管又はキャップと結合するように構築された結合機構を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項10】
前記結合機構が、第1の組のねじ山を備える、請求項9に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項11】
前記結合機構が、前記第1の組のねじ山とは異なるサイズの第2の組のねじ山を備える、請求項10に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項12】
前記結合機構が、角度をなす結合表面を備える、請求項9に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項13】
前記結合機構が、円錐台形部分と、前記円錐台形部分から延びた複数のリブとを備える、請求項9に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項14】
前記複数の半径方向リブが半径方向リブを含む、請求項13に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項15】
前記半径方向リブが、前記結合端に隣接して第1の直径を有する第1のリブと、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2のリブとを備える、請求項14に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項16】
前記半径方向リブが、前記第1のリブと前記第2のリブとの間に第3のリブを更に備え、前記第3のリブ及び前記第1のリブが、各々が前記第1の直径を有するリブ対を形成する、請求項15に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項17】
前記第1の要素が、前記管状本体の近位端から外向きに延びるフランジを備える、請求項2~16のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項18】
前記フランジが切り欠きを備える、請求項17に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項19】
呼気部分及び結合部分を含むハウジングであって、前記結合部分が前記ハウジングとサンプル収集管との結合を可能にする、ハウジングと、
前記ハウジングを通って延びる気流経路と、
前記呼気部分と前記結合部分との間に配設された多孔質サンプル収集媒体であって、前記多孔質サンプル収集媒体が前記気流経路を少なくとも部分的に塞ぐようになっている、多孔質サンプル収集媒体と、
を備える、サンプル収集デバイス。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の前記サンプル収集デバイスと、前記多孔質サンプル収集媒体を前記ハウジングから放出するためのプランジャと、を備える、呼吸からサンプルを収集するためのシステム。
【請求項21】
前記第2の要素及び/又は前記結合部分と結合することのできるサンプル収集管を更に備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記プランジャを用いて押したときに、前記サンプル収集デバイスと結合した前記サンプル収集管内に前記多孔質サンプル収集媒体を放出するように構築されている、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
(1)前記第2の要素又は前記結合部分と(2)前記サンプル収集管との間にシールを更に備える、請求項20~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
サンプル収集デバイスを使用してサンプルを取得する方法であって、
請求項1~19のいずれか一項に記載の前記サンプル収集デバイスを提供することと、
前記呼気ピース又は前記呼気部分に息を吹き込んで、前記多孔質サンプル収集媒体上にサンプルを収集することと、
前記ハウジングをサンプル収集管と結合することと、
前記多孔質サンプル収集媒体上の前記収集されたサンプルを前記サンプル収集管に移し替えることと、を含む、方法。
【請求項25】
前記移し替えることが、プランジャを用いて押すことによって行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記移し替えることが、前記多孔質サンプル収集媒体上に液体を施用することによって行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記サンプル収集管をボルテックスにかけることを更に含む、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の要素又は結合端部分が、サンプル収集管と結合するように構築された結合端を備え、前記結合端が第1のサイズ及び第1の結合構成を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の前記サンプル収集デバイスと、
前記第2の要素の前記結合端と結合するように構築されたアダプタであって、第2のサイズ及び第2の結合構成を有する第2の結合端を備え、前記第2のサイズ及び第2の結合構成のうちの少なくとも1つが前記第1のサイズ及び前記第1の結合構成とは異なる、アダプタと、
を備える、呼吸からサンプルを収集するためのキット。
【請求項29】
前記第1の結合構成及び前記第2の結合構成が、バヨネット結合、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はねじ結合から独立して選択される、請求項28に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプル収集デバイス及びシステムに関する。本開示は、バイオエアロゾル収集デバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
気道、咽喉、又は鼻咽頭におけるウイルス又は他の病原体の存在について試験するために使用される診断試験には、典型的に、サンプルを取得するために、鼻腔の後部、鼻腔の中鼻甲介領域、前鼻孔、又は咽喉内へのスワブの挿入を伴う。次いで、スワブを容器内に挿入し、分析するか、又は処理のために実験室に送る。他の診断試験には、唾液サンプルを収集し、次いでそれを容器内に配置することを伴う。現在利用可能な家庭用ウイルス試験(例えば、COVID-19試験)には、鼻スワブ及び試験キット(例えば、Ellume(商標)試験、Abbot(商標)BinaxNOW(商標)試験、及びLucira(商標)オールインワン試験キット)を伴う。鼻スワブサンプル又は唾液を利用する試験は、種々の診断試験と干渉する可能性がある汚染物質と競合する。結果として、これらのサンプルタイプは、RT-PCR分子試験を使用する際に、精製ステップを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
収集されたサンプル中の標的ウイルス、標的病原体又は他の標的検体の存在について試験するためのサンプルを取得するために一般の人が使用できる、安価で簡単に使用でき、信頼性の高い、サンプル収集システムが必要とされている。サンプル収集システムは、呼気気流からサンプル収集媒体上にサンプルを収集するためのサンプル収集デバイスと、サンプル収集管にサンプルを移し替えるための移し替え機構とを含んでもよく、サンプル収集管は、サンプルを分析するために、又は試験用の設備にサンプルを移送するために使用されてもよい。
【0004】
容易に使用されるサンプル収集のデバイス及びシステムを提供することが望ましい。このデバイス及びシステムは、有利には、自己収容型で、かつ任意選択で無菌であり得る。自己収容型(かつ、任意選択で無菌)のデバイス及びシステムでは、使用時及び/又は試験中に汚染され得るスワブ及び他の試験収集デバイスとは異なり、汚染及び背景ノイズが低減されるため、病原体試験の精度及び信頼性が改善し得る。
【0005】
サンプル収集の後に、収集したサンプルをサンプル収集管に容易に移し替える手段が講じられたシステムを提供することが更に望ましく、このサンプル収集管は封止されていてもよく、任意選択で、安全に、汚染されることなく試験のために移送されてもよい。
【0006】
一実施形態によれば、サンプル収集デバイスが、呼気部分及び結合部分を含むハウジングを含む。結合部分は、サンプル収集管と結合され得る。ハウジングを通って気流経路が延びている。デバイスは、ハウジング内部に部分的に配設されて気流経路を塞ぐように配置された多孔質サンプル収集媒体を更に含む。ハウジングは、単一のピース、要素、若しくは構成要素であってもよく、又は複数のピース、要素、構成要素、若しくは部分であってもよい。
【0007】
例示的な一実施形態では、ハウジングは、互いに取り外し可能に結合した第1の要素及び第2の要素と、第1の要素及び第2の要素を通って延びる気流経路とを含む。第1の要素は呼気ピースを含む。第2の要素は、サンプル収集管と結合するように構築された結合端を含む。デバイスは、第1の要素と第2の要素との間に部分的に配設されて気流経路を塞ぐように配置された多孔質サンプル収集媒体を更に含む。第1の要素及び第2の要素の各々は、管状本体を有してもよい。第1の要素と第2の要素が結合しているとき、第1の要素の管状本体は、第2の要素の管状本体と同軸であってもよい。第2の要素は、サンプル収集管又はキャップと結合するように構築された結合機構を更に含んでもよい。
【0008】
多孔質サンプル収集物は不織布材料を含む。不織布材料はポリ乳酸、ポリプロピレン、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。不織布材料は静電的に帯電していてもよい。
【0009】
呼吸からサンプルを収集するためのシステムが、サンプル収集デバイスと、多孔質サンプル収集媒体をハウジングから放出するためのプランジャと、を含む。システムは、第2の要素と結合することのできるサンプル収集管を更に含んでもよい。システムは、プランジャを用いて押したときに、サンプル収集デバイスと結合したサンプル収集管内に多孔質サンプル収集媒体を放出するように構築されていてもよい。
【0010】
サンプル収集デバイスを使用してサンプルを取得する方法は、呼気ピースに息を吹き込んで、多孔質サンプル収集媒体上にサンプルを収集することと、第2の要素をサンプル収集管と結合することと、多孔質サンプル収集媒体上の収集されたサンプルをサンプル収集管に移し替えることと、を含む。移し替えることは、プランジャを用いて押すことによって行われてもよい。移し替えることは、多孔質サンプル収集媒体上に液体を施用することによって行われてもよい。
【0011】
呼吸からサンプルを収集するためのキットは、サンプル収集デバイスであって、第2の要素が、サンプル収集管と結合するように構築された結合端を有し、結合端が第1のサイズ及び第1の結合構成を有する、サンプル収集デバイスと、第2の要素の結合端と結合するように構築されたアダプタであって、第1のサイズ及び第1の結合構成とは異なる第2のサイズ及び第2の結合構成を有する第2の結合端を有する、アダプタと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】一実施形態による、サンプル収集媒体の側面図である。
【
図2A】
図1Aのサンプル収集デバイスを含むシステムの側面図である。
【
図3A】
図1Aのサンプル収集デバイスの第1の要素の上面図である。
【
図4A】
図1Aのサンプル収集デバイスの第2の要素の上面図である。
【
図5A】
図1Aのサンプル収集デバイスの、代替的な第2の要素の側面図である。
【
図5B】
図5Aのサンプル収集デバイスの、代替的な第2の要素の底面斜視図である。
【
図6A】
図1Aのサンプル収集デバイスの、別の代替的な第2の要素の側面図である。
【
図7】
図1Aのサンプル収集デバイスの部分断面図である。
【
図9A】
図1Aのデバイスの、代替的な第1の要素の斜視図である。
【
図9B】
図9Aの代替的な第1の要素を有するシステムの斜視図である。
【
図10】
図1Aのサンプル収集デバイスと複数のアダプタとを含むキットの概略側面図である。
【
図11A】一実施形態による、サンプル収集デバイスの側面図である。
【
図13A】
図11Aのサンプル収集デバイスの第1の要素及び第2の要素の側面図である。
【
図13B】
図11Aのサンプル収集デバイスの第1の要素及び第2の要素の斜視図である。
【
図15A】
図11Aのサンプル収集デバイスの第1の要素及び第2の要素の側面図である。
【
図16】一実施形態による、サンプル収集デバイスの斜視図である。
【
図17】
図11Aのサンプル収集デバイスを含むシステムの斜視図である。
【0013】
定義
本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で通常使用される意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0014】
別段の指示のない限り、用語「ポリマー」及び「ポリマー材料」には、有機ホモポリマー、コポリマー(例えば呼気に担持されたウイルス、病原体又は他の検体を捕捉するためのブロック、グラフト、ランダムコポリマー及び交互のコポリマーなど)、ターポリマーなど、並びにこれらのブレンド及び修飾体が含まれるが、これらに限定されるものではない。更に、別段の特定の限定がない限り、用語「ポリマー」は、材料の全ての可能な幾何学的配置を包含するものとする。これらの配置としては、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称が挙げられるがこれらに限定されない。
【0015】
「下流」及び「上流」という用語は、デバイスを通る呼気気流の方向に基づく相対位置を指す。例えば、デバイスの最も上流の要素は呼気ピース要素であり、デバイスの最も下流の要素は遠位端(例えば、管結合端)である。
【0016】
本明細書に記載される全ての見出しは読者の利便性のためのものであって、特に断りのない限り、見出しの後に続く文面の意味を限定するために使用されるものではない。
【0017】
用語「すなわち(i.e.)」は、ここでは、ラテン語の句id estの略語として使用され、「すなわち(that is)」を意味し、「例えば(e.g.)」は、ラテン語の句exempli gratiaの略語として使用され、「例えば(for example)」を意味する。
【0018】
本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で通常使用される意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0019】
「約(about)」という用語は、本明細書では、当業者によって予想される測定値の通常の変動を含むために数値と共に使用され、「約(approximately)」と同じ意味を有し、記載された値の±5%などの典型的な誤差のマージンをカバーすると理解することができる。更に、別段の指示がない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」で使用される、量を表現する全ての数、及び方向/配向(例えば、垂直、水平、平行、直角など)を表す全ての用語は、全ての場合において、用語「おおよそ」によって修飾されていると理解されるものとする。
【0020】
「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、具体例を例示するために用いることができる一般的な種類を含む。
【0021】
用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つ」と互換的に用いられる。列挙に後続する「~のうちの少なくとも1つ」及び「~のうちの少なくとも1つを含む」という語句は、列挙内の項目のうちのいずれか1つ、及び、列挙内の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。
【0022】
本明細書で使用されるとき、「又は」という用語は、内容がそうでない旨を特に明示しない限り、概して「及び/又は」を含む通常の意味で使用される。用語「及び/又は」は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちのいずれか2つ以上の組み合わせを意味する。
【0023】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含み、あるいは10以下は、10、9.4、7.6、5、4.3、2.9、1.62、0.3などを含む)。値の範囲が特定の値「まで」又は「少なくとも」特定の値である場合、その値は、その範囲内に含まれる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、オープンエンドの意味で用いられ、通常、「含むが、これらに限定されない」という意味である。「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」などは、「含む(comprising)」などに包含されることが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、組成物、生成物、方法などに関する場合、その組成物、生成物、方法などの構成要素が、列挙されている構成要素と、その組成物、生成物、方法などの基本的特性及び新規の特性(単数又は複数)に対して実質的に影響を及ぼさない任意の他の構成要素とに限定されることを意味する。
【0025】
本明細書で使用される「実質的」という用語は、「有意に」と同じ意味を有し、後に続く用語を少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約98%だけ修飾すると理解することができる。本明細書で使用される「実質的に~ではない」という用語は、「有意に~ではない」と同じ意味を有し、「実質的」の逆の意味を有すると理解することができ、すなわち、後に続く用語を10%以下、5%以下、又は2%以下だけ修飾すると理解することができる。
【0026】
「好ましい」及び「好ましくは」という単語は、ある特定の状況においてある特定の利益を供し得る実施形態を指す。ただし、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況下で好ましい場合がある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0027】
本明細書において言及される、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、並びに他の方向及び向きなどの方向はいずれも、本明細書では、図に関する明確性のために記載されるものであり、実際のデバイス若しくはシステム、又はデバイス若しくはシステムの使用を限定するものではない。本明細書に記載されるようなデバイス又はシステムは、いくつかの方向及び向きで使用することができる。
【0028】
本明細書において言及される、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、並びに他の方向及び向きなどの方向はいずれも、本明細書では、図に関する明確性のために記載されるものであり、実際のデバイス若しくはシステム、又はデバイス若しくはシステムの使用を限定するものではない。本明細書に記載されるようなデバイス又はシステムは、いくつかの方向及び向きで使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、サンプル収集デバイス及びシステムに関する。本開示は、バイオエアロゾルサンプル収集デバイス及びシステムに関する。
【0030】
サンプル収集デバイスは、デバイスハウジングによって画定された気流経路に沿って多孔質サンプル収集媒体を含む。多孔質サンプル収集媒体は構築された気流である。ローディングの後、サンプル収集媒体はサンプル収集管に移し替えられてもよい。収集媒体はサンプル収集管に移し替えられてもよい。サンプルは対象の病原体の存在について更に分析されてもよく、又は、サンプル収集管はキャップをして分析のために別の場所に送られてもよい。代替実施形態によれば、サンプルは、多孔質サンプル収集媒体に液体を通過させて、多孔質サンプル収集媒体に結合した病原体、ウイルス又は他の検体を含むサンプルを溶離して溶離液を形成し、その溶離液をサンプル収集管に流入させることによって、サンプル収集管に移し替えられてもよい。次いで溶離液は、知られている方法を使用して分析されてもよい。
【0031】
一実施形態によれば、サンプル収集デバイスはハウジングを含む。ハウジングは、気流経路を画定する第1の要素及び第2の要素を含む。多孔質サンプル収集媒体は、ハウジング内に配設されて気流経路を塞ぐように配置される。多孔質サンプル収集媒体は、第1の要素と第2の要素との間に保定されていてもよい。一実施形態によれば、多孔質サンプル収集媒体は、サンプルのローディング中は適所に留まるが、必要なときに容易に押し出すことができるように、第1の要素と第2の要素との間に保定される。ユーザは、サンプル収集デバイス内に息を吹き込み、多孔質サンプル収集媒体に呼気気流のサンプルをロードして、ロード済みの多孔質サンプル収集媒体を形成してもよい。ユーザは、第1の要素上の呼気ピースの開口部を通して息を吹き込んでもよい。呼気ピースは、口を通して(例えば、マウスピースでもよい)、又は鼻を通して(例えば、ノーズピースでもよい)、息を吹き込むために使用されてもよい。ハウジングは、呼気ピースの開口部を通して息を吹き込むことによって呼気気流が多孔質サンプル収集媒体を通過するように構築される。多孔質サンプル収集媒体は、呼気気流からウイルス、他の病原体、又は他の検体を捕捉するように構築されている。ユーザは、次いで、ロード済みのサンプル収集媒体をサンプル収集管に移し替えてもよい。あるいは、上述したように、ユーザは、ロード済みのサンプル収集媒体から直接サンプル収集管の中へサンプルを溶離してもよい。
【0032】
ハウジングの第1の要素と第2の要素とは、互いに取り外し可能に結合される。代替実施形態では、第1の要素と第2の要素とは、それらの要素を破壊又は変形させずに分離することができないように、互いに恒久的に結合される。第1のピースは、近位端と反対側の遠位端とを有する。近位端は、マウスピース又はノーズピースなどの呼気ピースを形成してもよい。呼気ピースは、口又は鼻のいずれかを通る呼気に適応するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の要素の遠位端は第2の要素内に受容される。このように、第2の要素は外側要素であり、第1の要素は内側要素である。あるいは、デバイスは、第2の要素が第1の要素内に受容されるように構成されてもよく、その場合は第1の要素が外側要素であり、第2の要素が内側要素であり、第1の要素と第2の要素を接続する特徴は逆転する。第2の要素(又は外側要素)は、第2の要素の内部に棚部を含んでもよい。サンプル収集媒体の外縁は、第2の要素の棚部と第1の要素の遠位端との間に保定されてもよい。
【0033】
一実施形態によれば、ハウジングは、長手方向中心軸線を有する。気流チャネルは、第1の要素と第2の要素の両方を通って延びている。気流チャネルは、長手方向中心軸線に沿って延びていてもよい。第1の要素及び第2の要素の一方又は両方は、管状の本体を含んでもよい。第1の要素と第2の要素が結合しているとき、管状の本体同士が同軸であってもよい。
【0034】
第1の要素と第2の要素とは、任意の好適な機構で結合されてもよい。例えば、第1の要素と第2の要素とは、バヨネット結合、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はねじ結合によって結合されてもよい。一実施形態では、第1の要素と第2の要素とは、バヨネット結合によって結合される。バヨネット結合するように構成された場合、第1の要素は1つ以上の突出部を含んでもよく、第2の要素は、1つ以上の突出部を受容して案内するように構築された1つ以上の対応する溝を含んでもよい。あるいは、1つ以上の突出部が第2の要素上にあってもよく、1つ以上の溝が第1の要素上にあってもよい。
【0035】
一実施形態によれば、第2の要素は近位端及び対向する遠位端を有する。第2の要素の近位端は、第1の要素と結合するように構築されている(例えば、第1の要素の遠位端を受容するように構築されている)。第2の要素の遠位端は、サンプル収集管と結合するように構築されている管結合端である。遠位端は、サンプル収集管と結合するための任意の好適な機構を含んでもよい。例えば、管結合端は、バヨネット結合、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はねじ結合するように構築されていてもよい。多くの市販のサンプル収集管又は試験管は、キャップを取り付けるためのねじ付き頂部を有する。第2の要素の管結合端は、サンプル収集管のねじ山と結合するように構築されてもよい。第2の要素の管結合端は、サンプル収集管の雄ねじと結合するように構成された雌ねじを含んでもよい。第2の要素の管結合端は、様々に異なるタイプ又はサイズのサンプル収集管に対して取り付けられるように、様々に異なる構成(例えば、サイズ、ねじ山の間隔、又はねじ山の角度)を有する2つ以上の異なるねじ山を含んでもよい。デバイスはまた、様々に異なるタイプ又はサイズのサンプル収集管を促進するように、結合のサイズ又はタイプを変更するためのアダプタを備えてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第2の要素の管結合端は、サンプル収集管と締まり嵌めするように構成されている。締まり嵌めを容易にするために、管結合端は、サンプル収集管の内側に受容されるようにサイズ決めされた突出部を含んでもよい。結合端は、管結合端をサンプル収集管に対して密封するために、Oリングなどのシールを含んでもよい。
【0037】
サンプル収集管を締まり嵌めによって適所に保持することを更に容易にするために、デバイスは、フィンガーサポートを含んでもよい。ユーザは1本の指で管の端部を保持し、別の指でフィンガーサポートを保持することによって、サンプル収集管を適所に保持し得る。フィンガーサポートは、第1の要素又は第2の要素から延びる1つ以上の延長部又はフランジを含んでもよい。
【0038】
ロード済みのサンプル収集媒体は、サンプル収集管がサンプル収集デバイスと結合されている間に、プランジャを用いて管内に押し込むことによって、サンプル収集管に移し替えてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャは、気流チャネルを通って嵌合するように構成されたロッドである。プランジャは、フィンガーグリップとして構成された第1の端部と、サンプル収集媒体に接触して、それを押して取り外すように構成された、対向する第2の端部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プランジャは、サンプル収集媒体を移し替えた後、デバイスの内側に留まるように構築されている。プランジャは、デバイスと共に廃棄されてもよい。
【0039】
多孔質サンプル収集媒体は、呼気気流から病原体、ウイルス又は他の検体を捕捉することのできる不織布材料であってもよい。一実施形態によれば、多孔質サンプル収集媒体は、静電荷を担持する不織布材料である。静電荷は、呼気気流から病原体、ウイルス、又は他の検体を捕捉することを可能にし得る。いくつかの事例では、多孔質サンプル収集媒体は疎水性不織布材料であってもよい。他の事例では、多孔質サンプル収集媒体は親水性不織布材料であってもよい。多孔質サンプル収集媒体は、呼気気流から病原体、ウイルス又は他の検体を捕捉するように構成された、静電荷を担持する疎水性不織布材料であってもよい。多孔質サンプル収集媒体は、呼気気流から病原体、ウイルス又は他の検体を捕捉するように構成された、親水性不織布材料であってもよい。「疎水性」という用語は、90度以上、又は約90度~約170度、又は約100度~約150度の水接触角を有する材料を指す。「親水性」という用語は、90度未満の水接触角を有する材料を指す。水接触角は、自動接触角試験機を使用して、シート状材料の表面湿潤性及び吸収性についてのASTM D5727-1997標準試験法を使用して測定される。
【0040】
多孔質サンプル収集媒体は、呼気気流からウイルス、病原体又は他の検体を捕捉して、生理食塩水などの溶離液と接触すると、捕捉したウイルス、病原体又は他の検体を放出することのできる、任意の好適な材料で形成されていてもよい。多孔質サンプル収集媒体は、ポリマー材料で形成されてもよい。多孔質サンプル収集媒体は、ポリオレフィンで形成されてもよい。好適なポリオレフィンの例として、ポリプロピレン、ポリ乳酸など、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、多孔質サンプル収集媒体は、ポリプロピレンで形成されてもよい。一実施形態では、多孔質サンプル収集媒体はポリ乳酸で形成される。1つの例示的な多孔質サンプル収集媒体は、3M Company(St.Paul MN,U.S.A.)から、商品名FILTRETE Smart MPR 1900 Premium Allergen,Bacteria&Virus Air Filter Merv 13で市販されている。
【0041】
多孔質サンプル収集媒体は、200μm以上又は250μm以上の(主面に直交する)厚さを有してもよい。多孔質サンプル収集媒体は、750μm以下又は1000μm以下の厚さを有してもよい。多孔質サンプル収集媒体は、200μm~1000μm、又は250μm~750μmの範囲の厚さを有してもよい。多孔質サンプル収集媒体は、1cm2以上又は2cm2以上の主平面表面積(片側)を有してもよい。多孔質サンプル収集媒体は、3cm2以下又は4cm2以下の主平面表面積を有してもよい。多孔質サンプル収集媒体は、1cm2~4cm2、又は2cm2~3cm2の範囲の主平面表面積を有してもよい。
【0042】
ハウジングは、任意の好適な材料で形成されてもよい。ハウジングは、プラスチック、金属、ガラスなど、又はそれらの組み合わせのような剛性材料で形成されてもよい。
【0043】
サンプル収集システムは、キットとして提供されてもよい。キットは、上述したようなサンプル収集デバイスと、種々のサイズ又はスタイルのサンプル収集管をデバイスに結合するように構成された1つ以上のアダプタとを含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、サンプルは、ロード済みのサンプル収集媒体上に液体を分注することによって、サンプル収集媒体から溶離される。サンプル収集媒体上に分注される液体は水性液体であってもよい。液体は緩衝溶液であってもよい。液体は水性緩衝液であってもよい。液体は生理食塩水であってもよい。液体は界面活性剤を含んでもよい。液体は、多孔質サンプル収集媒体上で測定したときに90度よりも大きい接触角を有してもよい。液体は、界面活性剤を含む生理食塩水であってもよい。液体(例えば、緩衝液又は生理食塩水)は、0.1重量%以上又は0.5重量%以上、かつ1重量%まで又は2重量%までの界面活性剤を含んでもよい。定量として提供される場合、液体は50μL~500μLの体積を有してもよい。
【0045】
液体は、ロード済みの多孔質サンプル収集媒体上に施用されてもよい。液体は、ロード済みの多孔質サンプル収集媒体の表面及び厚さを通過し、ロード済みの多孔質サンプル収集媒体上に存在していたウイルス、病原体又は他の検体があればそれらを担持して、多孔質サンプル収集媒体から流れ出てもよい。次いで、このロード済み液体は、本明細書に記載されるように、収集及び試験されてもよい。
【0046】
次に
図1A~
図1Cを参照すると、サンプル収集デバイス1が示されている。サンプル収集デバイス1は、2つの要素、すなわち第1の要素100及び第2の要素200からなるハウジング10を有する。第1の要素100と第2の要素200とは一緒に結合して呼吸管を形成し、そこを通って気流経路12が延びている。以下で更に説明するように、第1の要素100と第2の要素200の間には、間隙13が形成されている(
図7参照)。サンプル収集媒体300のピースは、サンプル収集媒体300が気流経路12を塞ぐように、ハウジング10内に配設されている。多孔質サンプル収集媒体300の外縁303は、第1の要素100と第2の要素200との間隙13に保定されてもよい。
【0047】
第1の要素100は、第2の要素200と結合するように構成されている。図示した実施形態では、第1の要素100の遠位端102は第2の要素200内に受容される。管状本体110の外面112は結合機構を含んでもよい。対応する結合機構が、第2の要素200の内面に形成されてもよい。図示した実施形態では、結合機構はバヨネット接続であるが、他の結合機構もまた使用されてもよい。第1の要素100の管状本体110の外面112は、1つ以上(例えば、2つ)の突出部140を含む。1つ以上の突出部140は、第2の要素200の内面213上の1つ以上の対応する溝240内に受容されてもよい。
【0048】
ハウジング10は、長手方向中心軸線A10を有する。図示した実施形態では、気流経路12は、ハウジング10の長手方向中心軸線A10に沿って延びている。気流経路12は、第1の要素100と第2の要素200の両方を通って延びている。第1の要素100と第2の要素200は、一緒に結合されているとき、同軸であってもよい。
【0049】
一実施形態によれば、
図2A~
図2Cに示すように、サンプル収集デバイス1はサンプル収集管20と結合されてもよい。第2の要素200は、サンプル収集管20と結合するための管結合端として構成された遠位端202を有する。サンプル収集デバイス1に息を吹き込むことによって多孔質サンプル収集媒体300上にサンプルをロードした後、ユーザは、サンプルをサンプル収集管20に移し替えてもよい。サンプルは、例えば、プランジャ30を使用してサンプル収集媒体300を取り外すことによって(
図8A及び
図8B参照)、ロード済みのサンプル収集媒体300をサンプル収集管20に移し替えることによって移し替えられてもよい。あるいは、サンプルは、上述したように、好適な溶離液でサンプルを溶離することによって移し替えられてもよい。溶離液は、気流経路12を通して施用されてもよい。
【0050】
第2の要素200は、遠位端202に隣接する管結合機構250を含んでもよい(
図4A~
図6C参照)。図示した実施形態では、管結合機構250はねじ山251を備える。ねじ付き口部22を有するサンプル収集管20が、ねじ山251と結合されてもよい。サンプル収集管20は、雄ねじ21を含んでもよい。
【0051】
次に
図3A~
図3Dを参照すると、ハウジング10の第1の要素100がより詳細に示されている。第1の要素100は、近位端101及び対向する遠位端102を画定する。気流経路12は、第1の要素100を通って近位端101から遠位端102まで延びている。気流経路12は、第1の要素100の長手方向中心軸線A100に沿って延びていてもよい。第1の要素100は、内面111、外面112、及び内部114を画定する、管状本体110を有してもよい。内部114は、気流経路12の一部分を形成する。近位端101に、呼気ピース120が形成されてもよい。呼気ピース120は、図示するように、管状本体110から外向きに延びたリングであってもよい。突出部140は、管状本体110の外面112から外向きに延びている。
【0052】
次に
図4A~
図4Dを参照すると、ハウジング10の第2の要素200が示されている。第2の要素200は、近位端201及び対向する遠位端202を画定する。気流経路12は、第2の要素200を通って近位端201から遠位端202まで延びている。気流経路12は、第2の要素200の長手方向中心軸線A200に沿って延びていてもよい。第2の要素200は、内部214を画定する管状本体210を有してもよい。内部214は、気流経路12の一部分を形成する。近位端201の内部214は、第1の要素100を受容して結合するように構成されてもよい。近位端201の内部214は、第1の要素100上の結合機構と協働するように構成された結合機構を含んでもよい。図示した実施形態では、第2の要素200は、第1の要素の1つ以上の突出部140を受容するように構築された1つ以上(例えば2つ)の溝240を有する。溝240は、長手方向要素241及び、接続された水平方向要素242を含んでもよい。長手方向要素241は、長手方向中心軸線A200に平行に延びていてもよい。
【0053】
第2の要素200の遠位端202は、管結合端として構成されてもよい。第2の要素200は、遠位端202に隣接する管結合機構250を含んでもよい。図示した実施形態では、管結合機構250はねじ山251を含む。ただし、他の結合機構もまた使用されてもよい。ねじ山251は、第2の要素200の内面213上に形成されている。ねじ付き口部22を有するサンプル収集管20が、ねじ山251と結合されてもよい(
図2C参照)。
【0054】
第2の要素200の直径は、管状本体210の長さに沿って変動してもよい。例えば、図示するように、第1の部分100に対する結合機構を含む近位部分211は、サンプル収集管20に対する結合機構を含む遠位部分212の直径D212とは異なる直径D211を有してもよい。内径及び外径の両方は、独立して選択されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、第2の要素は、締まり嵌め機構などの代替的な結合機構を有する。サンプル収集管20との締まり嵌めするように構成された第2の要素200’の例を、
図5A及び
図5Bに示す。第2の要素200’は他の場合には、例えば
図4A~
図4Dに示した第2の要素200と類似するように構築されてもよい。第2の要素200’の遠位端202’の結合機構250’は、サンプル収集管20の内側に受容されるように構成された延長部254を含む。延長部254はまた、種々のサンプル収集管20との嵌合を改良するために、シール256(Oリングなど)を有してもよい。シール256は、延長部254とサンプル収集管20の内面との間にシールを生成してもよい。第2の要素200’は、近位部分211の直径D211から延長部254の直径D254まで直径が減少する縮径部分218を含んでもよい。縮径部分218は、図示するように円錐状であってもよい。円錐状の表面は、サンプル収集管20との結合表面としても機能し得る。
【0056】
気流経路12は、第2の要素200’及び延長部254を通って延びている。第2の要素200’の遠位部分212’は、任意選択で空気迂回孔260を含んでもよい。これにより、延長部254が、したがって気流経路12が狭く、気流を制限する場合に、デバイスを通して空気をより容易に吹き込めるようになり得る。
【0057】
別の代替的な管結合機構を
図6A~
図6Cに示す。複数の異なるサイズ(例えば、複数の異なる直径を有する)のサンプル収集管20を容易に使用できるように、第2の要素200’’の遠位部分212’’は、複数組のねじ山252、253を含んでもよい。第2の要素200’’(近位部分211を含む)は他の場合には、
図4A~
図4Dに示した第2の要素200と類似するように構築されてもよい。第1の組のねじ山252は第1の直径D252を有してもよく、第2の組のねじ山253は第1の直径D252よりも大きい第2の直径D253を有してもよい。第2の組のねじ山253は、第1の組のねじ山252の遠位にある。より小さい直径のサンプル収集管は、より小さい第1の組のねじ山252に到達するように第2の要素200’’内に更に押し込まれてもよく、より大きい直径のサンプル収集管は、より大きい第2の組のねじ山253上にねじ込まれてもよい。
【0058】
次に
図7を参照すると、デバイス1の概略部分断面図が示されている。一実施形態によれば、多孔質サンプル収集媒体300は、第1の要素100の遠位端102と第2の要素の棚部230との間に保定される。第1の要素100と第2の要素200とが、例えばバヨネット接続によって結合しているとき、第1の要素100の遠位端102と第2の要素の棚部230との間に間隙13が形成される。間隙13は長さL13を有する。多孔質サンプル収集媒体300は厚さT300を有し、この厚さは間隙13の長さL13以下である。いくつかの実施形態では、厚さT300は長さL13よりも小さい。これにより、多孔質サンプル収集媒体300を必要なときに容易に取り外すことが可能になる。
【0059】
サンプル収集媒体300は、サンプル収集媒体300の第1の主面301及び第2の主面302が気流経路12に対して垂直又は実質的に垂直であるように、ハウジング10の内側に配設されてもよい。サンプル収集媒体300は、好ましくは、サンプル収集媒体300の外縁303がサンプル収集媒体300の全周囲に沿って間隙13に保定されるようにサイズ決めされ、成形される。ここでは多孔質サンプル収集媒体300が実質的に円形の平面要素を画定するものとして示されているが、多孔質サンプル収集媒体は、ハウジング内に気流経路に沿って配置されたときに、どのような形状を画定してもよいことは理解される。多孔質サンプル収集媒体300の形状及びサイズは、第1の要素100の内部114及び第2の要素200の内部215の形状及びサイズに基づいて選択されてもよい。
【0060】
サンプル収集デバイス1は、
図8A及び
図8Bに示すように、多孔質サンプル収集媒体300をデバイス1から取り外すように構成されたプランジャ30もまた含む、システム2として提供されてもよい。一実施形態によれば、ハウジング10はサンプル収集管20と結合されてもよく、プランジャ30は、ハウジング10に押し通して、多孔質サンプル収集媒体300をサンプル収集管20内へと押し下げるために使用されてもよい。プランジャ30は、呼気ピース120及び気流経路12を通って嵌合するようにサイズ決めされたロッドであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の要素100は、
図9A及び
図9Bに示すように、プランジャガイド123を含んでもよい。プランジャ30は、フィンガーグリップとして構成された第1の端部31と、サンプル収集媒体300に接触して、それを取り外すように構成された、対向する第2の端部32とを含んでもよい。
【0061】
プランジャガイド123は、ハウジング10の中央を通してプランジャ30を案内するための補助となり得る。このことは、特に、サンプル収集管20がよりも大きな直径を有する実施形態において望ましい場合がある。プランジャガイド123は、第1の要素100内面111に取り付けられた管状要素を含む。プランジャガイド123は、第1の要素の長手方向中心軸線A100に沿って中心にある。
【0062】
ハウジング10’は、
図9A及び
図9Bに示すように、1つ以上のフィンガーサポート150を含んでもよい。ユーザは、1本の指で管20の遠位端を保持し、1本以上の他の指でフィンガーサポート150を保持することによって、サンプル収集管20をハウジング10’に対して適所に保持し得る。フィンガーサポート150は、第1の要素100’の外面112から延びる延長部を含む。あるいは、フィンガーサポート150は、第2の要素200から延びていてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、サンプル収集デバイス1は、
図10に示すように、サンプル収集デバイス1と、1つ以上のアダプタ280、281、282とを含むキット3として提供される。アダプタ280、281、282は、種々のサイズ又はスタイルのサンプル収集管をデバイス1に結合するように構成されている。各アダプタ280、281、282は、第2の要素200の管結合機構250と結合するように構成されている第1の端部284を有する。第1の端部284は、第2の要素200上の対応するねじ山251と結合するためにねじ山288を有してもよい。あるいは、第1の端部284は、第2の要素200、例えば、
図5A及び
図5Bに示される第2の要素200’との締まり嵌めのための単純な(平滑な)管であってもよい。各アダプタ280、281、282は、サンプル収集管20と結合するように構成された第2の端部285、286、287を有する。キット3は、変動するサイズの第2の端部285、286、287を有する、複数の異なるサイズのアダプタ280、281、282を含んでもよい。例えば、1つのアダプタ280は、狭い直径のねじ部をもつ第2の端部285を有してもよい。第2のアダプタ281は、中程度の直径のねじ部をもつ第2の端部286を有してもよい。第3のアダプタ282は、広い直径のねじ部をもつ第2の端部287を有してもよい。第2の端部285、286、287のねじ部は、第2の要素200上のねじ山251と類似した雌ねじであってもよい。あるいは、アダプタ280、281、282のうちの1つ以上は、サンプル収集管20と締まり嵌めするように構成されてもよい。
【0064】
サンプル収集デバイス1’の代替実施形態を、
図11A~
図18に示す。サンプル収集デバイス1’は、2つの要素、すなわち第1の要素500及び第2の要素600からなるハウジング50を有する。第1の要素500及び第2の要素600は、一緒に結合されて呼吸管を形成し、そこを通って気流経路52が延びている。サンプル収集デバイス1と同様に、サンプル収集媒体300のピースは、サンプル収集媒体300が気流経路52を塞ぐようにハウジング50内に配設されている。
【0065】
第1の要素500は、第2の要素600と結合するように構成されている。第1の要素500は、近位端501及び対向する遠位端502を画定する。第1の要素500は、内部514及び外面512を画定する管状本体510を有してもよい。内部514は、気流経路52の一部分を形成する。管状本体510の近位端501に、フランジ520が形成されてもよい。フランジ520は、近位端501から外向きに延びていてもよい。フランジ520は、マウスピース又はノーズピースとして機能してもよい。第1の要素500の遠位端502は、第2の要素600に受容される。
【0066】
第2の要素600は、近位端601及び対向する遠位端602を画定する。気流経路52は、第2の要素600を通って近位端601から遠位端602まで延びている。第2の要素600は、内部614を画定する管状本体610を有してもよい。近位端601の内部614は、第1の要素500を受容して結合するように構成されてもよい。管状本体510の外面512は、結合機構を含んでもよい。対応する結合機構が、第2の要素600の内面613に形成されてもよい。図示した実施形態では、結合機構はスナップ接続であるが、他の結合機構もまた使用されてもよい。第1の要素500の管状本体510の外面512は、リング540を含む。リング540は、第2の要素600の内面613上の対応する溝640に受容されてもよい。管状本体510の外面512は、突出部541を含んでもよい。突出部541は、第1の要素500と第2の要素600とを整列させるための補助となり得る。突出部541は、第1の要素500及び第2の要素600の配向を垂直軸線に沿って維持するための、あるいは互いに対して固定の角度又は可変の角度で配設されているときは、その配向を維持するための補助となり得る。
【0067】
ハウジング50は、長手方向中心軸線A50を有する。図示した実施形態では、気流経路52は、ハウジング50の長手方向中心軸線A50に沿って延びている。気流経路52は、第1の要素500及び第2の要素600の両方を通って延びている。第1の要素500及び第2の要素600は、一緒に結合されているとき、同軸であってもよい。
【0068】
第2の要素600は、第2要素の200の縮径部分218と類似した縮径部分618を含んでもよい。第2の要素600は、空気迂回孔660を含んでもよい。空気迂回孔660は、縮径部分618に配置されてもよい。
【0069】
一実施形態によれば、サンプル収集デバイス1’は、
図17に示すように、サンプル収集管20と結合されてもよい。第2の要素600は、サンプル収集管20と結合するための管結合端として構成された遠位端602を有する。サンプル収集デバイス1’に息を吹き込むことによって多孔質サンプル収集媒体300上にサンプルをロードした後、ユーザは、サンプルをサンプル収集管20に移し替えてもよい。サンプルは、例えば、プランジャ30を使用してサンプル収集媒体300を取り外すことによって(
図8A及び
図8B参照)、ロード済みのサンプル収集媒体300をサンプル収集管20に移し替えることによって移し替えられてもよい。あるいは、サンプルは、上述したように、好適な溶離液でサンプルを溶離することによって移し替えられてもよい。溶離液は、気流経路52を通して施用されてもよい。
【0070】
第2の要素600は、遠位端602に隣接する管結合延長部680を含む。管結合延長部680は、サンプル収集管20の内側に管結合延長部680を固定するための補助となる特徴を含んでもよい。図示した実施形態では、管結合延長部680は、円錐台形部分681と、円錐台形部分681から外向きに延びた1つ以上のリング又はリブ682と、を含む。円錐台形部分681は、図示するように、遠位端602に向かって先細になっていてもよい。一実施形態によれば、管結合延長部680は、複数のリブ682を含む。リブ682は、サンプル収集管20の内面と少なくとも部分的に係合する。リブ682は、サンプルをサンプル収集管20に移し替える間、サンプル収集管20に接続されたサンプル収集デバイス1’を保持するための補助となり得る。
【0071】
一実施形態によれば、リブ682は変形可能であってもよい。すなわち、管結合延長部680がサンプル収集管20内に挿入されると、リブ682は降伏点を超えて変形し、サンプル収集管20に締まり嵌めを提供する。円錐台形部分681はまた、嵌め合いの補助となる可撓性を更に提供する、薄い壁によって形成されてもよい。
【0072】
複数のリブ682は、異なるサイズ又は直径を有してもよい。リブ682のサイズは、遠位端602に隣接する最小直径で始まり、縮径部分618に隣接する最大直径で終わるように、徐々に拡大してもよい。すなわち、複数のリブ682は、少なくとも、遠位端602に隣接して第1の直径を有する第1のリブと、遠位端602から更に離れた、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2のリブとを含んでもよい。複数のリブ682は、直径が徐々に拡大する、複数の追加のリブを更に含んでもよい。複数の異なるサイズのリブ682及び先細の円錐台形部分681によって、複数の異なる内径のサンプル収集管20に、その管のねじ山又は外径の特定の寸法に関係なく接続できるようになる。
【0073】
図示した実施形態では、リブ682は、円錐台形部分681の周りに円周方向に延びた半径方向リブである。ただし、いくつかの実施形態では、リブ682は、サンプル収集管の内側との機械的締まり嵌めを容易にする異なる形状を有する。例えば、リブ682は、円錐台形部分681の周りに部分的にのみ延びてもよく、又は円錐台形部分681に沿って軸方向に延びたフィンを形成してもよく、又はくさびを形成してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、管結合延長部680は、1つ以上のリブ対683を含み、
図18に示すように、リブ対のリブ同士は同じ直径を有する。すなわち、管結合延長部680は、同じ(第1の)外径D683まで各々延びた2つのリブ683A、683Bを有する第1のリブ対683を含んでもよい。あるいは、管結合延長部680は、リブ対の代わりに、同じ直径の3つ以上のリブを含むリブグループを含んでもよい。管結合延長部680は、同じ(第2の)直径まで各々が延びている2つのリブを有する第2のリブ対を更に含んでもよい。第1のリブ対683は、遠位端602に最も近くてもよい。第1の直径D683は、第2の直径よりも小さくてもよい。管結合延長部680は、追加のリブ対を更に含んでもよく、各対は、連続して大きくなる直径を有する。同じ直径を有するリブ対(又はリブグループ)を有することにより、管結合延長部680がサンプル収集管20に挿入されると、サンプル収集デバイス1、1’の揺動又は枢動が防止又は低減され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、ハウジング50(例えば、第1の要素500)は、鼻からの息又はエアロゾルのみからの、あるいは、それに加えて口からの息又はエアロゾルからのサンプル収集に適応するように修正される。第1の要素500のフランジ520は、例えば、
図11B、
図13B、
図14A、及び
図14Bに示すように、切り欠き550を含んでもよい。切り欠き550は湾曲した縁部を有して、ユーザの鼻の付け根にあてがうことができるようになっていてもよい。切り欠き550を鼻の付け根にあてがうことは、気流経路52を鼻孔の縁に整列させるための補助となり得る。
【0076】
サンプル収集システムは、機械可読光学ラベルを更に備えてもよい。そのようなラベルは、例えば、バーコード及びQR(クイックレスポンス)コードを含んでもよい。機械可読光学ラベルは、デバイスを識別するように構成されてもよい。機械可読光学ラベルを読み取ることのできる電子リーダを使用して、結果を読み取って記録してもよい。電子リーダは、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、又は、バーコードリーダ若しくはQRコードリーダであってもよい。電子リーダを更に使用して、例えば医療従事者又はデータベースに結果を送信してもよい。
【0077】
サンプル収集システムを使用する方法が、(ハウジング10が組み立てられている間に)口又は鼻のいずれかを通して呼気ピースに息を吹き込んで、多孔質サンプル収集媒体300にサンプルを捕捉することと、サンプル収集デバイス1のハウジング10をサンプル収集管20と結合することと、サンプルをサンプル収集管20に移し替えることと、を含んでもよい。サンプルは、サンプル収集媒体300を取り外し、サンプル収集媒体300をサンプル収集管20に押し込むことによって移し替えられてもよい。サンプル収集媒体300は、プランジャ30を使用して取り外され、押し込まれてもよい。
【0078】
任意選択で、方法は、多孔質サンプル収集媒体300に液体を施用することを含んでもよい。液体は、多孔質サンプル収集媒体に捕捉されたウイルス、病原体又は他の検体を溶離するのに好適な量で施用されてもよい。液体の好適な量は、多孔質サンプル収集媒体の表面積に対する液体体積の比として決定されてもよい。例えば、液体の体積は、10μm/cm2~400μm/cm2、又は10μm/cm2~250μm/cm2、又は50μm/cm2~150μm/cm2の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、液体の体積は50μm~500μmである。
【0079】
任意選択で、ユーザは、サンプルを取得し、そのサンプルをサンプル収集管20に移し替えた後に、サンプル収集デバイス1若しくはサンプル収集管20のいずれか、又は両方にキャップをしてもよい。サンプル収集デバイス1は、保管又は安全な廃棄のためにキャップをされ得る。サンプル収集管20は、分析又は輸送のためにキャップをされ得る。
【0080】
本方法は、ロード済みのサンプル収集媒体30を包含したサンプル収集管20をボルテックスにかけることを更に含んでもよい。
【0081】
別の構成では、キットは、サンプル収集デバイスと、サンプル収集媒体上にサンプルを収集し、サンプル収集媒体をサンプル収集管に移し替えるための説明書と、を含んでもよい。説明書は、気流経路に沿って息を吹き込んで、多孔質サンプル収集媒体にサンプルを捕捉し、ハウジングをサンプル収集管と結合し、プランジャを使用して、デバイスと結合したサンプル収集管にサンプル収集媒体を押し込むための説明を含んでもよい。説明書は、電子リーダを使用して光学ラベルを読み取るための説明を更に含んでもよい。
【0082】
本明細書で言及した全ての参考文献及び刊行物は、これらが本開示に直接矛盾し得る場合を除き、これらの全体が参照により本開示に明示的に組み込まれる。特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されているが、図示及び記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実施態様及び/又は等価の実施態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本開示は、本明細書に記載される例示的な実施形態及び実施例によって不当に制限されるものではないこと、並びにそのような実施例及び実施形態は、本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図される本開示の範囲内の単なる例示として示されることを理解されたい。
【国際調査報告】