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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】発疹剤への暴露の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/00 20060101AFI20240730BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240730BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 9/50 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61K33/00
A61K9/51
A61K9/14
A61K47/34
A61P9/10
A61P25/16
A61P7/06
A61P25/06
A61P19/08
A61P31/14
A61P31/04
A61P31/10
A61P27/02
A61K9/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503494
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 US2022037634
(87)【国際公開番号】W WO2023003908
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/320,625
(32)【優先日】2022-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/223,421
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/349,253
(32)【優先日】2022-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521441308
【氏名又は名称】ボストン、ジュディス
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ボストン、ジュディス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA65
4C076BB21
4C076BB24
4C076CC11
4C076EE24A
4C076FF31
4C076FF68
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA08
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA41
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA65
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA55
4C086ZA96
4C086ZB32
4C086ZB33
4C086ZB35
(57)【要約】
本開示は、発疹剤に対する対策としての酸素含有液体の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ粒子またはマイクロ粒子を含む組成物であって、前記ナノ粒子または前記マイクロ粒子が酸素含有液体を含有する、組成物。
【請求項2】
前記ナノ粒子または前記マイクロ粒子がポリ(乳酸-コ-グリコール酸)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
虚血または低酸素症に関連する状態を治療するための、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
虚血または低酸素症に関連する状態を治療する方法であって、前記治療を必要とするヒトに請求項1または2に記載の組成物を投与することを含み、前記ナノ粒子または前記マイクロ粒子が酸素含有液体を含有する、方法。
【請求項5】
前記酸素含有液体が前記ヒトの中枢神経系に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸素含有液体が前記ヒトの脳に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記酸素含有液体が前記ヒトの目に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記酸素含有液体が前記ヒトの心肺系に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記酸素含有液体が前記ヒトの心臓に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記酸素含有液体が前記ヒトの肺に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記酸素含有液体が前記ヒトの肝臓に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記酸素含有液体が前記ヒトの腎臓に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記酸素含有液体が前記ヒトの筋骨格系に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記酸素含有液体が前記ヒトの筋肉に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
前記酸素含有液体が前記ヒトの内分泌系に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項16】
前記酸素含有液体が前記ヒトの膵臓に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項17】
前記酸素含有液体が前記ヒトの胃腸系に直接投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項18】
虚血または低酸素症に関連する状態を治療するための薬剤の製造における、請求項1または2に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2021年7月19日に出願された米国仮特許出願第63/223,421号、2022年3月16日に出願された米国仮特許出願第63/320,625号および2022年6月6日に出願された米国仮特許出願第63/349,253号の優先権を主張し、これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、発疹剤に対する対策としてまたは発疹剤への曝露を治療するための酸素含有液体の使用に関する。
【0003】
本開示は、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する症状、癌、および他の症状を治療するための酸素含有液体の使用に関する。
【0004】
本開示は、細胞保護のためまたは病原体および/または低酸素誘発細胞損傷から保護するための酸素含有液体の使用に関する。
【0005】
本開示は、人工呼吸器を使用せずに、人間の血液などの血液に酸素を供給するための酸素含有液体の使用にも関する。
【0006】
いくつかの実施形態は、眼症状を患う哺乳動物の眼に酸素含有液体を投与することまたは送達することを含む、眼症状を治療する方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】対照群と比較した、高圧酸素溶液で治療を受けた虚血症のウサギの眼の暗所視b波応答。
図2】低酸素状態にさらされ、かつ高圧酸素溶液で処理された網膜色素上皮(RPE)細胞におけるVEGFのレベル。
図3】低酸素状態にさらされ、かつ高圧酸素溶液で処理されたRPE細胞におけるHIFのレベル。
図4】酸素含有液体を含むナノ粒子の2つの可能な実施形態。
図5】酸素含有液体を含有し、酸素含有液体内にさらに分散されたナノ粒子の実施形態。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は免疫系ブースターをさらに含む。
【0009】
本明細書における「酸素含有液体」への言及には、本明細書に記載される組成物、剤形、送達システムなどを含む、実際の酸素含有液体または人または動物の体内の液体中に酸素を生成することができる別の形態の投与が含まれる。
【0010】
本明細書に記載の任意の状態を治療するために、酸素含有液体は、クロム錯体、クロム含有化合物、クロム含有イオンまたはクロムイオンなどのクロムを含有してもよい。あるいは、クロム錯体、クロム含有化合物、クロム含有イオンまたはクロムイオンなどのクロムは、本明細書に記載される任意の状態の治療のために、水性液体または分散液などの固体または液体の剤形で使用され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、感染症の診断、研究または治療のために、癌性ヒト細胞などの病気の動物またはヒトの細胞に使用され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、インスリンを送達するために使用されるポンプと同様のポンプなどのポンプによって送達され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、例えば蒸留マスタード、マスタードガス、硫黄マスタード、窒素マスタード、セスキマスタード、ルイサイト、酸化アンモニウム、酸化硫黄、ホスゲンオキシムなどの発疹剤に対する対策として使用され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、曝露後の感染の可能性を予防または軽減するため、または、曝露後の症状の重症度を予防または軽減するために、酸素含有液体を使用することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体を診断に使用することができる。例えば、酸素含有液体に、例えば蛍光タグを付けて、癌などの疾患を発症しやすい可能性のある初期の低酸素領域を検出することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、水性酸素含有液体および/または酸素含有ヒドロゲルを含む酸素含有液体は、リボフラビンおよび/またはUV-Aによる角膜コラーゲン架橋を含む角膜コラーゲン架橋と組み合わせて投与され得る。いくつかの実施形態では、角膜コラーゲン架橋を有する患者は、処置の実施後、少なくとも1日間、少なくとも1週間または少なくとも2週間、酸素含有液体で治療される。
【0017】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体を使用してVEGFを調節することができる。いくつかの実施形態では、酸素含有液体を使用して炎症性メディエーターを調節することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、前房内、涙点送達または硝子体内、ヒドロゲルプラグ、インプラントまたはテノン嚢下注射などの無滴送達方法を介して送達される。
【0019】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体はヒドロゲル内にある。
【0020】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、細胞の治癒を改善するため、および/または血管および細胞の機能を調整/正常化するために使用される。いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、血管漏出を止めるかまたは遅らせるために使用される。いくつかの実施形態では、酸素含有液体を含むナノ粒子は、癌または虚血性眼状態の治療に使用される。
【0021】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、ナノ粒子またはマイクロ粒子などの粒子に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、酸素含有液体が薬物送達デバイス内に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、酸素含有液体を放出するデバイスは、酸素含有液体を含むナノ粒子または他の構造から構築され得る。いくつかの実施形態では、そのようなデバイスは、足場または酸素化されたマイクロファイバーを作製するために使用され得る3Dプリンターを使用して調製され得る。
【0022】
本開示は、眼の虚血状態、低酸素症に関連する他の症状または活性酸素種に関連する症状などの虚血症状を治療する方法であって、酸素含有液体をヒトなどの哺乳動物に、その症状のその治療のために、投与または送達することを含む、方法に関する。酸素含有液体は、単独で使用することもできるし、低酸素誘導因子1(HIF-1)阻害剤(例えば、ユージスチジン)などの他の薬物または治療剤と組み合わせて使用することもできる。
【0023】
用語「治療する」または「治療」は、ヒトまたは他の動物の病気の診断、治癒、緩和または予防を含むあらゆる種類の治療活動または他の方法で、人または他の動物の身体の、構造またはあらゆる機能に、影響を与えるあらゆる活動を広く含む。
【0024】
酸素含有液体は、酸素を含む任意の液体組成物であってもよいし、または、液体に酸素圧を与える化合物であってもよいし、哺乳類の細胞または組織に酸素を供給する液体であってもよく、ヒトを含む哺乳動物における治療目的での使用に適している。酸素含有液体は、水性であってもよく、または、適した有機溶媒に基づいていてもよく、または、水性および有機溶媒の組み合わせであってもよい。その液体は、溶液または多相液体、例えば懸濁液、コロイド、乳濁液、ずり流動化ゲルなど、の形態でありうる。多くの投与経路、例えば注射など、においては、酸素含有液体を無菌にすることが重要でありうる。
【0025】
酸素含有液体は、非経口、坐剤、静脈内、皮内(例えば、皮内注射)、皮下、経口、吸入、定量吸入器(MDI)、経皮、パッチ、点滴、眼局所(例えば眼の前部に送達するための点眼薬または眼の後部に送達するための点眼薬)または皮膚への局所的、経粘膜、直腸、膣内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内、皮下(例えば皮下注射)、口腔内、眼内注射、硝子体内注射、網膜下注射、髄腔内注射(例えば心臓への直接注射)などを含むがこれらに限定されない、任意の望ましい送達経路のために製剤化されうる。用語「注射」は、医薬組成物の注射、インプラントまたは薬物送達機器の挿入、ならびに他の種類の注射を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、直接投与されるのではなく、インプラントまたは薬物送達装置を標的組織の中または近くに挿入することによって標的組織内で生成されることができ、これは、酸素含有液体の長期送達を提供しうる。例えば、インプラントは、ポリマー中に分散された酸素化組成物の成分を有する生分解性または生浸食性ポリマーを含むことができる。ポリマーが分解または侵食されると、酸素化組成物の成分は、インプラントが挿入される組織の水性環境中で混合し、そして、標的となる組織でまたはその近くで酸素含有液体が生成する。インプラントまたは装置は、静脈内(例えば注射によって)、硝子体内(例えば注射によって)、または、網膜下(例えば注射によって)を含む、上記の任意の経路によって投与されうる。酸素含有液体は、また、酸素化組成物の成分を含む涙点プラグおよびコンタクトレンズなどの他のタイプの固体機器によって生成され得、それらの機器から外に徐々に拡散する。あるいは、涙点プラグまたはコンタクトレンズは、生分解性または生浸食性であってもよいであろう。
【0027】
本明細書に記載される任意の治療組成物、剤形、薬物送達デバイス、インプラントなどは、例えば、生分解性ポリマーまたは生侵食性材料の使用により、(例えば、経口、IVなどによる)徐放、遅延放出、制御放出、持続放出のために処方または設計され得る。組成物、剤形、薬物送達デバイス、インプラントなどは、投与経路および/または投与場所により、並びに、特定の環境、化学的特性、化学的活性、生物学的特性、または、標的となる細胞、組織、器官、または生体系の種類の生物学的活性に応答するように設計された材料または構造的特徴、の両方を含めることにより、標的送達を提供する可能性がある。
【0028】
徐放性、遅延放出性、制御放出性、持続放出性などの特性を備えた材料の例には、シリカベースの材料または次のような有機生分解性材料が含まれる。ポリ(D,L-乳酸)(PLA)とポリ(D,L-乳酸-co-グリコール酸)またはポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)を含むポリマー、ポリエステルアミド(PEA、DSM Chemical)など)、およびポリカプロラクトン(PCL);ポリビニルアルコール(PVA)、PEGアミン、PEG-N-ヒドロキシスクシンアミドエステルなどのヒドロゲル;コラーゲンベースの材料;アクリル酸およびメタクリル酸コポリマーおよびその様々なエステル、例えば、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびメタクリル酸グリシジルコポリマー;重合可能な第四級アンモニウム化合物、例えば、β-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムメト硫酸塩、β-アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、およびトリメチルアミノメチルメタクリルアミドメト硫酸塩などのアクリル酸およびメタクリル酸の第四級化アミノアルキルエステルおよびアミノアルキルアミド。第四級アンモニウム原子は、メタクリロキシエチルメチルモルホリニウムクロリドや、対応するピペリジニウム塩のように複素環の一部であることもでき、あるいはポリグリコールエーテル基などのヘテロ原子を含む基を介してアクリル酸基またはメタクリル酸基に結合していることもある。さらに適切な重合可能な第四級アンモニウム化合物としては、メチルビニルピリジニウム塩、第第四級アミノカルボン酸のビニルエステル、スチリルトリアルキルアンモニウム塩などの第四級化ビニル置換窒素複素環が挙げられる。他の重合可能な第四級アンモニウム化合物としては、ベンジルジメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド、ジエチルメチルアンモニウムエチルアクリレートおよびメタクリル酸メトサルフェート、N-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド、およびN-トリメチルアンモニウム-2,2-ジメチルプロピル-1-メタクリル酸クロリドが挙げられる。
【0029】
いくつかの実施形態では、マイクロ粒子またはナノ粒子送達システム(例えばPLGAナノ粒子)などの送達システムは、患者への酸素含有液体の長期送達を提供し得る。例えば、送達システムは、少なくとも約1時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも6ヶ月、約1~2日、約2~4日、約4~7日、約1~2週間、約2~4週間、約1~2ヶ月、約2~4ヶ月、約4~6ヶ月または約1~4ヶ月のような長期間にわたって標的細胞、組織、器官または系に酸素を提供することができる(例えば、酸素含有液体を含むPLGAナノ粒子などのIVナノ粒子は、血液に酸素を提供することができる)。いくつかの実施形態では、送達システムの投与は、約4~8時間、約8~16時間、約16~24時間、約1~2日、約2~4日、約4~7日、約1~2週間、約2~4週間、約1~2ヶ月、約2~4ヶ月、約4~6ヶ月または約1~4ヶ月の間隔で繰り返され得る。
【0030】
PLGAナノ粒子またはマイクロ粒子は、酸素含有液体がなくても感染症を治療するために、例えば注射、挿入または他の手段によって投与され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、送達システムは無菌である。
【0032】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体、あるいは体内で酸素含有液体を放出または生成するデバイスもしくはインプラントは、例えば注射、挿入または他の手段によって、治療すべき症状の影響を受けている、組織、器官または身体系、例えば、ウイルスや細菌に感染した器官や系、脳、眼、神経などの中枢神経系、心臓、肺などの心肺系;肝臓;腎臓;筋骨格系、筋肉;膵臓などの内分泌系:食道、胃、小腸、大腸などの消化器系、などに直接投与される。
【0033】
酸素含有液体は、例えば、室温(例えば23℃)または体温(例えば37℃)で、普通の水よりも高い酸素分圧または大気圧よりも高い酸素分圧を有していてよく、酸素含有液体は、酸素圧、すなわち、少なくとも120mmHg、少なくとも140mmHg、少なくとも145mmHg、少なくとも150mmHg、少なくとも155mmHg、少なくとも160mmHg、少なくとも165mmHg、少なくとも170mmHg、最大180mmHg、最大200mmHg、最大約250mmHg、最大約300mmHg、最大約350mmHg、最大約400mmHg、最大約450mmHg、最大約500mmHg、約120-500mmHg、約20-40mmHg、約40-60mmHg、約60-80mmHg、約80-100mmHg、約100-120mmHg、約120-140mmHg、約140-145mmHg、約145-150mmHg、約150-155mmHg、約155-160mmHg、約160-165mmHg、約165-170mmHg、約170-175mmHg、約175-180mmHg、約140-150mmHg、約150-160mmHg、約160-170mmHg、約170-180mmHg、約180-190mmHg、約190-200mmHg、約200-210mmHg、約210-220mmHg、約220-230mmHg、約230-240mmHg、約240-250mmHg、約250-260mmHg、約260-270mmHg、約270-280mmHg、約280-290mmHg、約290-300mmHg、約300-320mmHg、約320-340mmHg、約340-360mmHg、約360-380mmHg、約380-400mmHg、約400-420mmHg、約420-440mmHg、約440-460mmHg、約460-480mmHg、約480-500mmHg、約140-160mmHg、約160-180mmHg、約180-200mmHg、約160-200mmHg、約200-250mmHg、約250-300mmHg、約300-350mmHg、約350-400mmHg、約400-450mmHg、約450-500mmHg、約140-200mmHg、約200-300mmHg、約300-400mmHg、約400-500mmHg、500-750mmHg、750-1,000mmHg、1,000-1,250mmHg、1,250-1,500mmHg、約175mmHgまたはこれらの値のいずれかによって境界づけられる範囲内の任意の酸素圧を有しうる。いくつかの実施形態では、酸素含有液体は高圧酸素溶液である(例えば、以下の実施例1-3)。
【0034】
液体に酸素を加える多くの方法がありうるが、いくつかの酸素含有液体は、例えば化学反応または化学分解によって酸素ガスを放出する酸素化組成物、例えば化合物または化合物の組み合わせなど、を含みうる。適する酸素化組成物は、金属酸化物(CaO、MgOなど)、金属水酸化物(Ca(OH)、Mg(OH)など)、過酸化物(過酸化水素または有機過酸化物など)またはそれらの組み合わせを含みうる。他の成分を、特定の必要性に応じて、酸素放出の速度を増加または減少させるために加えることができる。例えば、酸素放出が速いほど、酸素圧が高くなりうる。他方、酸素放出が遅いほど、酸素圧が、より長く、より一貫しまたはより持続的になりうる。適した酸素化組成物の例は米国特許第8,802,049号明細書に記載されており、米国特許第8,802,049号明細書は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。1つの有用な酸素化組成物は、酸素含有液体の総重量に基づいて約20-30%のCa(OH)、約10-15%のH、約0.5-5%の酢酸ナトリウム、約0.5-5%のKHPO、および約1-20%のカラギーナンを含む。いくつかの実施形態では、酸素含有液体中に存在する、全ての金属酸化物、金属水酸化物、および過酸化物の中に存在する酸素原子の総量は、酸素含有液体の総重量の約20-70%、約20-50%、約50-70%、約20-30%、約30-40%、約40-50%、約50-60%、約60-70%、約70-90%または約80-95%である。
【0035】
上記のように、金属酸化物、金属水酸化物、および/または過酸化物などのこれらの酸素化組成物の成分は、シリコン系ポリマー、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリホスホエステル、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ポリオキサレート、ポリ(アミノ酸)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート、ポリヒドロキシ酸、ポリ無水物またはこれらのコポリマーまたは混合(例えば、乳酸とグリコール酸とのコポリマー)などの生体内分解性または生物分解性ポリマーに分散させることができる。
【0036】
金属酸化物、金属水酸化物、および/または過酸化物などの酸素含有液体または酸素化組成物の成分は、経口送達(例えば、錠剤、カプセルまたは他の固体経口剤形により)、再構成、または、固体または多相への分散(例えば、ナノ粒子、ナノエマルジョンなど)のために、本明細書に記載される任意の送達システムまたはデバイスなどの薬物送達システムまたはデバイスのために凍結乾燥され得る。酸素含有液体、または、凍結乾燥組成物、あるいはヒトまたは動物の体内で酸素含有液体を生成することができる他の組成物を含む経口剤形は、腸溶性コーティングを有していてもよい。
【0037】
酸素含有液体中での使用に適する添加剤は、例えば、1以上の担体、結合剤、充填剤、ビヒクル、等張化剤、緩衝剤、崩壊剤、界面活性剤、分散剤または懸濁助剤、増粘または乳化剤、防腐剤、潤滑剤などまたはこれらの組み合わせを、所望の特定の剤形に合わせたものを含みうる。Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、E.W.Martin(Mack Publishing Co.、ペンシルバニア州イーストン、1980)は、薬学的に許容される組成物の配合に使用される様々な担体およびその調製のための既知の技術を開示している。この文書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0038】
溶媒、酸素、および/または酸素化組成物に加えて、IVヒトを含む哺乳動物への、注射(例えば眼内注射、網膜下注射、髄腔内、心臓への直接注射)、局所(例えば目への)または経口投与のための液体剤形は、増量剤(マンニトール、ラクトース、スクロース、トレハロース、ソルビトール、グルコース、ラフィノース、グリシン、ヒスチジン、ポリビニルピロリドンなど)、等張化剤(例えば、デキストロース、グリセリン、マンニトール、塩化ナトリウムなど)、緩衝剤(例えば、酢酸、例えば酢酸ナトリウム、酢酸、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、クエン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、トリエタノールアミン、アルギニン、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トロメタミン、ジエタノールアミンなど)、防腐剤(例えば、フェノール、m-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン、塩化ミリスチルガンマ-ピコリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、2-フェノキシエタノール、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀塩など)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートまたはTween80、ソルビタンモノオレエートポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートまたはTween20、レシチン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体など)、溶媒(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ジメチルアセトアミド、クレモフォールEL、安息香酸ベンジル、ヒマシ油、綿実油、N-メチル-2-ピロリドン、PEG、PEG300、PEG400、PEG600、PEG600、PEG3350、PEG400、ケシ種子油、プロピレングリコール、ベニバナ油、植物油など)、キレート剤(EDTAカルシウム二ナトリウム、EDTA二ナトリウム、EDTAナトリウム、カルシウムベルセタミドNa、カルテリドール、DTPAなど)または他の添加剤、などの添加剤を含みうる。
【0039】
溶媒、酸素、および/または酸素化組成物に加えて、ヒトを含む哺乳類へのIV注射(例えば、眼内注射、網膜下注射、くも膜下腔内、心臓への直接)、局所(例えば、眼へ)または経口投与用の液体剤形は、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、および/またはその塩、例えば、天然シクロデキストリン(例えば、α、βまたはγ-シクロデキストリン)または合成シクロデキストリンを含み得る。例には、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-α-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-α-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-オクチル)-α-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-α-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-α-シクロデキストリン、(6-O-tertブチル-ジメチルシリル)-α-シクロデキストリン、ブチル-α-シクロデキストリン、スクシニル-α-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-α-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、6-モノデオキシ-6-モノアミノ-β-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-D-グルコシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-マルトシル-β-シクロデキストリン、6-アジド-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、(2,3-ジ-O-アセチル-6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン(DMβCD)、トリメチル-β-シクロデキストリン(TMβCD)、(2,3-ジ-O-メチル-6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-エチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、-(2,3,6-トリ-O-ベンゾイル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-エチル)-β-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、6-(ジメチル-tert-ブチルシリル)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、モノアセチル-β-シクロデキストリン、ジアセチル-β-シクロデキストリン、トリアセチル-β-シクロデキストリン、(3-O-アセチル-2,6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(6-O)-マルトシル)-β-シクロデキストリン、(6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、(6-O-t-ブチルジメチルシリル-2,3-ジ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-)エチル-β-シクロデキストリン、(2-カルボキシエチル)-β-シクロデキストリン(CMEβCD)、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン(HEβCD)、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(HPβCD)、(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(3HPβCD)、(2,3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(DHPβCD)、ブチル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、シリル((6-O-tert-ブチルジメチル)-2,3,-ジ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシイソブチル)-β-シクロデキストリン、ランダムメチル化-β-シクロデキストリン、分岐-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(例:SBEβCD、ベタデックス、CAPSTISOL(登録商標))、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-γ-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-γ-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-ペンチル)-γ-シクロデキストリン、6-(ジメチル-tert-ブチルシリル)-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、(6-O-t-ブチルジメチルシリル)-γ-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン(2-ヒドロキシプロピル)-γ-シクロデキストリン、アセチル-γ-シクロデキストリン、ブチル-γ-シクロデキストリンまたはそれらの組み合わせが含まれる。
【0040】
例えばヒトを含む哺乳動物へのIV注射(例えば、眼内注射、網膜下注射など)、局所(例えば、眼への)または経口投与のための、酸素含有液体を含む液体剤形では、例えば、約2-12、約2-4、約4-6、約6-8、約8-10、約10-12、約6-7、約7-8、約8-9、約6-6.5、約6.5-7、約7-7.5、約7.5-8、約8-8.5、約8.5-9、約7-7.2、約7.2-7.4、約7.4-7.6、約7.6-7.8、約7.8-8などの、任意の適切なpHまたはこれらの値のいずれかによって境界づけられる範囲内の任意のpHをとりうる。
【0041】
多くの投与経路において、高張性または高浸透圧性であること、例えば、張度または浸透圧が約290mOsm/Lを超えること(約290-600mOsm/L、約290-400mOsm/L、約400-500mOsm/Lまたは約500-600mOsm/Lなど)、等張性または等浸透圧性であること、例えば、張度または浸透圧が、それが投与された体組織の張性または浸透圧に近いこと(約290mOsm/L、約250-350mOsm/L、約250-320mOsm/L、約270-310mOsm/Lまたは約280-300mOsm/Lなど)、または、低張性または低浸透圧性であること、例えば、張度または浸透圧が約290mOsm/L未満であること(約150-290mOsm/L、約150-200mOsm/L、約200-290mOsm/L、約200-250mOsm/Lまたは約250-290mOsm/Lなど)は、酸素含有液体に有用でありうる。
【0042】
酸素含有液体は、また、マイクロ粒子送達システム、ナノ粒子送達システム、ナノエマルジョン送達システム、マイクロエマルジョン送達システム、ミクロソーム送達システム、リポソーム送達システムまたはリソソーム送達システムにおいて潜在的に送達されうる。例えば、酸素含有液体は、逆ミセル内またはナノ粒子、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、ミクロソーム、リポソームまたはリソソーム内に含まれうる。いくつかの実施形態では、酸素含有液体はポリマーナノ粒子(PLGAナノ粒子など)内に含まれる。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達のために酸素含有液体内に分散される。例えば、ナノ粒子、マイクロ粒子、リポソームまたはリソソームは、酸素含有液体を含んでいてもよく、酸素含有液体内にさらに分散していてもよい。
【0043】
例えば、図4に示すように、ポリマー10(例えば、PLGA)は、酸素含有液体中心20の周囲に外部固体層を形成していてもよく、または、いくつかのより小さな液体ナノ液滴またはナノ粒子30が、より大きな固体ポリマー(例えば、PLGA)ホストナノ粒子15内に包まれていてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体を含むナノ粒子またはマイクロ粒子も、酸素含有液体内に分散され得る。例えば、図5に示すように、ポリマー10(例えば、PLGA)は、酸素含有液体中心20の周囲に外部固体層を形成することができ、これは酸素含有液体40内に分散することができる。
【0045】
上記に加えて、経口投与される液体に、スクロースまたはサッカリンなどの甘味料、または、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジフレーバーなどのフレーバー剤が含まれることが、望ましいことがある。
【0046】
クリーム、ゲル、軟膏などの場合、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、カルナウバワックス、ステアリン酸、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ゼラチン、シリカ、ベントナイト、ステアリン酸アルミニウムマグネシウムなどの増粘剤を含めることが望ましいときがある。
【0047】
酸素含有液体を含む液体剤形は、医薬品の一部とすることができ、その医薬品は、酸素含有液体、酸素センサー、および薬物分配機器を含む。いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、酸素含有液体が上記の酸素圧などの所望の酸素圧を有する場合にのみ分配されることができる。
【0048】
任意の適切な酸素センサーを使用することができるが、ユニセンスから入手可能な高性能マイクロセンサーは、有用な酸素センサーの例である。
【0049】
注射器または他の形態の注射機器、液滴分配装置などの任意の適切な薬物分配装置を使用することができる。
【0050】
低酸素症、虚血性および反応性代謝産物は、多くの病気の発症および悪化の一因となる。組織修復の阻害をもたらす一般的な共通点は、組織低酸素症である。
【0051】
組織への酸素の送達を促進することは、多種多様な病状において補助的かつ直接的な治療をもたらすことができる。
【0052】
組織低酸素症は、組織酸素レベルが低く、通常、循環障害と関連している。組織低酸素症、虚血性および反応性代謝産物は、多くの病気の発症および悪化の一因となる。
【0053】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIF、または活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIF、または活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、虚血のある組織(例えば、眼組織)の低酸素誘導因子(HIF)レベルが、酸素含有液体の投与直前の虚血のある組織(例えば、眼組織)のHIFレベルと比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれより更に低下する結果となる。
【0054】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIF、または活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、虚血のある組織(例えば、眼組織)のHIFレベルが、非虚血組織(例えば反対側の目)のHIFレベルの約50%以内、約40%以内、約30%以内、約20%以内、約10%以内、約5%以内、約3%以内または約1%以内になるように低下する結果となる。
【0055】
いくつかの実施形態では、組織のHIFレベルの低下は、1日間以内、2日間以内、3日間以内、4日間以内、5日間以内、6日間以内、7日間以内、14日間以内、21日間以内、28日間以内、2ヶ月間以内、3ヶ月間以内、4ヶ月間以内、6ヶ月間以内、1年間以内またはより長い期間内に観察されうる。
【0056】
いくつかの実施形態では、組織のHIFレベルの低下は、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間または少なくとも28日間、継続しうる。
【0057】
高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を哺乳動物に投与または送達することは、創傷、血管障害、悪性腫瘍、関節炎、アテローム性動脈硬化血小板、癌、腫瘍、火傷、神経組織の炎症を含む炎症症状(例えば震とう)、神経炎症状態、脳炎、感染誘発性脳炎、脳内の炎症、脳内の感染、感染によって誘発される他の炎症または炎症誘発状態に関連する他の炎症、呼吸器感染症または肺炎、気管支炎、肺気腫、喘息などの他の状態、などの任意のタイプの虚血症状を治療するために用いられうる。
【0058】
いくつかの実施形態では、人工呼吸器を使用せずに、人間の血液などの血液を酸素化するために、酸素含有液体が使用される。例えば、酸素含有液体は、静脈内に投与されてもよいし、経口投与などの別の経路によって投与されてもよい。血液の酸素化は、本明細書に記載のあらゆる状態の治療に有用である可能性がある。
【0059】
高圧酸素含有液体などの酸素含有液体は、例えば治療効果を高めるため、または、治療に伴う治癒を助けるために、レーザー治療または放射線治療と併用して使用することができる。
【0060】
高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を哺乳動物に投与または送達することは、パーキンソン病などの神経学的状態を治療するために使用され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、虚血症状は、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、加齢黄斑変性、乾性加齢黄斑変性、湿性加齢黄斑変性、黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、緑内障、鎌状眼症、眼の炎症、高血圧性網膜症、未熟児網膜症、眼虚血症候群、分枝網膜静脈閉塞症、分枝網膜動脈閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、網膜中心動脈閉塞症、網膜剥離、貫通性眼球損傷、外傷性視神経症、視神経炎、炎症性眼症状などの眼症状である。いくつかの実施形態では、眼の虚血症状は糖尿病性網膜症である。
【0062】
いくつかの実施形態では、眼の虚血症状は黄斑変性症である。いくつかの実施形態では、眼の虚血症状は糖尿病性黄斑浮腫である。いくつかの実施形態では、眼の虚血症状は緑内障である。いくつかの実施形態では、眼の虚血症状は鎌状赤血球眼症である。いくつかの実施形態では、眼の虚血症状は眼炎症である。いくつかの実施形態では、症状は高血圧性網膜症である。いくつかの実施形態では、症状は眼虚血症候群である。いくつかの実施形態では、症状は網膜静脈閉塞症である。いくつかの実施形態では、症状は網膜などの動脈閉塞である。いくつかの実施形態では、症状は分枝網膜静脈閉塞症である。いくつかの実施形態では、症状は分枝網膜動脈閉塞である。いくつかの実施形態では、症状は網膜中心静脈閉塞症である。いくつかの実施形態では、症状は網膜中心動脈閉塞である。いくつかの実施形態では、症状は網膜剥離である。いくつかの実施形態では、症状は、貫通性眼球損傷である。いくつかの実施形態では、症状は外傷性視神経障害である。いくつかの実施形態では、症状は視神経炎である。いくつかの実施形態では、症状は炎症性眼の症状である。
【0063】
いくつかの実施形態では、虚血症状は、例えば、心臓血管の状態、心臓発作、脳卒中、神経虚血、中枢神経系の損傷、外傷性脳損傷、脊髄損傷、急性および慢性の外傷性脳症及び免疫細胞毒性など、電気化学が変化する。高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達することも、日焼けによる損傷または酸化に関連しまたはそれによって引き起こされる、病気または症状を治療するのに有用でありうる。
【0064】
いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、癌の治療のために使用することができる。例えば、酸素含有液体は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤などの化学療法剤と組み合わせて投与することができる。いくつかの実施形態では、化学療法薬と酸素含有物の共投与は、化学療法薬または放射線治療の活性改善を助けることができる。例えば、酸素含有液体は癌および腫瘍内の酸素を増加させ、放射線療法および/または化学療法の有効性を向上させる可能性がある。酸素含有液体は、腫瘍の増殖および/または増殖速度を低下または停止させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、化学療法薬を水溶液中で投与、例えば静脈内または癌の部位に注射、することができる。酸素含有液体はまた、癌の治療について他の治療効果を有する可能性がある。
【0065】
酸素含有液体で治療できる他の症状は、貧血、片頭痛、食性骨髄炎、コロナウイルス感染症(COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2など)、ウイルス感染症、細菌感染症、エンテロバクター、MRSAを含む黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、放線菌、シュードモナス、エンテロコッカス、真菌、マイコバクテリウム、エンテロコッカス・ファシウム、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、アクチノバクター・バウマニ、シュードモナス、エンテロバクターなどの真菌感染症など、を含む。
【0066】
[アレナヴィラ科]
カリブ海ウイルス
ピチンデウイルス
ジュニンウイルス
リンパ球ウイルス
絨毛髄膜炎ウイルス
【0067】
[ブニヤウイルス科]
リフトバレー熱ウイルス
プンタトロウイルス
ラクロスウイルス
マポーラルウイルス
ハートランドウイルス
重症熱性血小板減少症候群ウイルス
オロポーチウイルス
【0068】
[フラビウイルス科]
デング熱ウイルス
ウエストナイルウイルス
黄熱病ウイルス
日本脳炎ウイルス
ポワッサンウイルス
ジカウイルス
ウスツウイルス
【0069】
[トガウイルス科]
ベネズエラ馬脳炎ウイルス
東部馬脳炎ウイルス
西部馬脳炎ウイルス
チクングニアウイルス
マヤロウイルス
【0070】
[ピコルナウイルス科]
ポリオウイルス
エンテロウイルス-71
エンテロウイルス-68
コクサッキーウイルスB3
【0071】
[呼吸器系ウイルス]
MERSコロナウイルス
インフルエンザA型H1N1ウイルス
RSウイルス
【0072】
[その他のウイルス]
麻疹ウイルス
エボラウイルス
ラッサウイルス
マールブルグウイルス
ニパウイルス
ヒトノロウイルス
マウスノロウイルス
HBV
【0073】
[ヘルペスウイルス科]
単純ヘルペスウイルス-1
単純ヘルペスウイルス-2
ヒトサイトメガロウイルス
ネズミサイトメガロウイルス
モルモットサイトメガロウイルス
水痘・帯状疱疹ウイルス
エプスタイン・バーウイルス
ヒトヘルペスウイルス-6b
ヒトヘルペスウイルス-8
【0074】
[パポバウイルス科]
BKウイルス
JCウイルス
パピローマウイルス
【0075】
[その他のウイルス]
アデノウイルス-5
ワクシニアウイルス
牛痘ウイルス
【0076】
低酸素血症の感染患者の酸素化は、酸素含有液体を患者に投与することによって改善される可能性がある。酸素含有溶液の静脈内投与は、体が低酸素血症を克服し、臓器損傷を改善するのに役立つと考えられている。静脈内酸素送達は、酸素化のユニークな方法である。静脈内酸素送達により、より迅速な回復が可能になり、臓器の治癒が促進され、感染症による低酸素血症による場合によっては壊滅的な結果が回避される。
【0077】
本明細書に開示されるように、酸素含有液体が網膜低酸素症の結果を改善できることが発見されている。インビトロおよびインビボ研究が実施され、ある程度の成功を収めている。一部の酸素含有液体は複数の細胞株にわたって安全であることがわかっている。本明細書に記載されるように、酸素含有液体はインビトロで細胞を保護し、低酸素環境に曝露された細胞の血管内皮増殖因子(VEGF)応答を調節する可能性がある(以下の実施例2を参照)。さらに、以下の実施例1に示すように、一部の酸素含有液体は、誘発された虚血後の細胞機能の回復を促進できることが実証されている。
【0078】
ウイルスの増殖は酸素レベルが高いと阻害される可能性がある。遺伝子発現は、感染症における酸化条件によって変化する可能性がある。低酸素はウイルス反応を直接的または間接的に調節する可能性がある。ウイルスや細菌は、低酸素経路や解糖代謝を標的にする可能性がある。これらのメカニズムは複雑で、低酸素誘導因子(HIF)経路と血管内皮増殖因子(VEGF)の調節、およびこれらがDNAウイルスまたはRNAウイルスにどのように関係するかに関与している。
【0079】
敗血症を呈する患者もいる。敗血症の特徴は乳酸アシドーシスである。静脈内酸素液体投与により、乳酸アシドーシスを克服できる可能性がある。
【0080】
患者の感染症は、酸素(O)、酸素分圧(PO)、二酸化炭素分圧(PCO)、乳酸、pH、電解質(Na、K、Ca2+、Mg2+、HCO 、CO 2-、HPO 、HPO 2-、PO 3-など)、その他を測定する血液ガス測定器やその他の装置によって測定されるパラメーターを使用して特徴付けられうる。血液ガス測定器やその他の装置は、血液中の低酸素症やスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカルなどの活性酸素種(ROS)を測定するために使用されうる。血液中の低酸素症、ROS、および電解質の変動の測定された指標を使用して、疾患の重症度、予後、および病期を特徴付けることができる。これらの血液検査は、治療の決定に影響を与える可能性のあるアルゴリズムのマーカーとして使用できる。
【0081】
上記の指標に基づいて、酸素含有液体を静脈内投与することにより、感染症が治療される可能性、および/または疾患の重症度が改善される可能性、および/または疾患の進行が停止される可能性がある。臓器損傷の軽減、低酸素血症や乳酸アシドーシスの是正により、病気の重症度が軽減されたり、ウイルスの増殖が停止したりする可能性がある。これにより、体が自然治癒する機会がより高くなる。これは、低酸素のレベルが病気の重症度を示す可能性がある状態に特に当てはまる。
【0082】
ウイルス量の測定は、感染の重症度の指標として使用される可能性がある。ウイルス量と血液ガス、血液測定値、低酸素の指標に基づいて、感染症をサブカテゴリー/サブユニットに分類できる可能性があり、それが治療の指針となる。
【0083】
感染症は、酸素含有液体を直接投与することによって、例えば液体またはゲル、クリームまたは固体中に分散された液相(例えば生分解性ポリマー)などの液体を含む形態を直接投与することによって治療され得る。治療はまた、例えば、治療すべき組織または器官内で、胃腸管内または他の体液内の原位置で酸素含有液体を形成する固体または他の非液体材料を直接投与するなど、酸素含有液体の間接的投与によって行われてもよい。いくつかの実施形態では、酸素含有液体は、静脈内注射によって、または、静脈内注射後に患者の体内で酸素含有液体を形成する固体もしくは他の非液体材料の静脈内注射によって投与される。
【0084】
ウイルス感染症の治療には、酸素含有液体を単独で使用することも、ワクチンと組み合わせて使用することもできる。一部のワクチンでは、酸素化がワクチンの活性化やワクチンの有効性の向上に役立つ場合がある。
【0085】
要約すると、酸素含有液体のインビボおよびインビトロ研究により、酸素含有液体は低酸素環境で増加したVEGFレベルを正常化することができ、低酸素環境にさらされた細胞を保護することができ、3つの細胞株を使用するインビトロでの安全性に優れ、虚血性損傷からの回復を促進する。このため、酸素含有液体を投与すると、ウイルスの増殖および/または病原性を潜在的に低減できると考えられている。また、酸素を含む液体を投与すると、人体の基本的な酸素要求量を補い、体自身の自然な治癒メカニズムを促進できる可能性があるとも考えられる。血液ガス測定は、アルゴリズムを使用する可能性があり、酸素が必要になる前に病気の重症度を判断するために使用される可能性があるであろう。移動式血液ガス測定器を利用できる。
【0086】
酸素含有液体はまた、遺伝子治療を受けている哺乳動物に投与され得、そして遺伝子治療の結果を改善できる。酸素含有液体はまた、眼、例えば網膜、視神経または他の眼構造の幹細胞、などの幹細胞の治療とともに哺乳動物に投与されうる。
【0087】
酸素含有液体はまた、血液酸素化を改善するため、哺乳動物に投与されうる。これは、経皮的酸素測定、パルスオキシメトリまたは血液ガス測定によって測定されうる。
【0088】
酸素含有液体はまた、硝子体網膜酸素化、網膜の酸素化、網膜下の酸素化またはそれらの組み合わせを改善するため、哺乳動物に投与されうる。
【0089】
本明細書に記載の多くの症状における改善は、光コヒーレントトモグラフィー(OCT)、光コヒーレントトモグラフィー血管造影法、血管造影法、網膜酸素測定法または他のいくつかの画像化技術によって測定されうる。高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を哺乳動物に投与または送達することはまた、慢性症状における血中酸素レベルを改善し、輸血の必要性を減らすために用いられうる。
【0090】
虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、虚血組織のERG機能が増加する結果になりうる。例えば、虚血のある眼の暗所視b波応答は、約0-5mV、約5-10mV、約10-15mV、約15-20mV、約20-50mV、約50-100mVまたは約100-120mVでありうる。
【0091】
いくつかの実施形態では、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を、眼の虚血症状を患う哺乳動物に投与または送達すると、虚血のある眼の暗所視b波応答が、酸素含有液体の投与の直前の虚血のある眼の暗所視b波応答と比較して、少なくとも約20mV、少なくとも約30mV、少なくとも約40mV、少なくとも約50mV、少なくとも約60mV、少なくとも約70mV、少なくとも約80mV、少なくとも約90mV、少なくとも約100mVまたはそれより更に増加する結果となる。
【0092】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、虚血のある組織(例えば眼組織)の暗所視b波応答が、酸素含有液体の投与直前の虚血のある組織(例えば眼組織)の暗所視b波応答と比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはそれより更に増加する結果となる。
【0093】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、虚血のある組織(例えば眼組織)の暗所視b波応答が、正常または非虚血性組織(例えば反対側の眼)の暗所視b波応答の約50%以内、約40%以内、約30%以内、約20%以内、約10%以内、約5%以内、約3%以内または約1%以内になるように低下する結果となる。
【0094】
いくつかの実施形態では、ERG機能の改善は、1日間以内、2日間以内、3日間以内、4日間以内、5日間以内、6日間以内、7日間以内、14日間以内、21日間以内、28日間以内、2ヶ月間以内、3ヶ月間以内、4ヶ月間以内、6ヶ月間以内、1年間以内またはそれより長い期間内に観察されうる。
【0095】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、哺乳動物(例えばヒト)の視力が、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、約90%増加しまたは正常な眼(例えば反対側の眼)の視力の約50%以内、約40%以内、約30%以内、約20%以内、約10%以内、約5%以内、約3%以内または約1%以内になるように増加する結果となる。
【0096】
いくつかの実施形態では、視力の改善は、1日間以内、2日間以内、3日間以内、4日間以内、5日間以内、6日間以内、7日間以内、14日間以内、21日間以内、28日間以内、2か月間以内、3か月間以内、4か月間以内、6か月間以内、1年間以内またはそれより長い期間内に観察されうる。
【0097】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、哺乳動物(例えばヒト)の網膜の厚さが、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、約90%減少し、または、正常な眼(例えば反対側の眼)の網膜の厚さの約50%以内、約40%以内、約30%以内、約20%以内、約10%以内、約5%以内、約3%以内または約1%以内になるように減少する結果となる。
【0098】
いくつかの実施形態では、網膜の厚さの改善は、1日間以内、2日間以内、3日間以内、4日間以内、5日間以内、6日間以内、7日間以内、14日間以内、21日間以内、28日間以内、2か月間以内、3か月間以内、4か月間以内、6か月間以内、1年間またはそれより長い期間内に観察されうる。
【0099】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、VEGF、HIF、電気化学または活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、哺乳動物(例えばヒト)の新血管形成が、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、約90%減少し、または、正常な眼(例えば反対側の眼)の新血管形成の約50%以内、約40%以内、約30%以内、約20%以内、約10%以内、約5%以内、約3%以内または約1%以内になるように減少する結果となる。
【0100】
いくつかの実施形態では、新血管形成の改善は、1日間以内、2日間以内、3日間以内、4日間以内、5日間以内、6日間以内、7日間以内、14日間以内、21日間以内、28日間以内、2か月間以内、3か月間以内、4か月間以内、6か月間以内、1年間以内またはそれより長い期間内に観察されうる。
【0101】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、虚血のある組織(例えば眼組織)の血管内皮増殖因子(VEGF)レベルが、酸素含有液体の投与の直前の虚血のある眼(例えば眼組織)のVEGFレベルと比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれより更に低下する結果となる。
【0102】
いくつかの実施形態では、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する眼症状などの、虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種の変化に関連する症状を患う哺乳動物に、高圧酸素含有液体などの酸素含有液体を投与または送達すると、虚血のある組織(例えば眼組織)のVEGFレベルが、正常または非虚血性組織(例えば反対側の目)のVEGFレベルの約50%以内、約40%以内、約30%以内、約20%以内、約10%以内、約5%以内、約3%以内または約1%以内になるように低下する結果となる。
【0103】
いくつかの実施形態では、組織のVEGFレベルの低下は、1日間以内、2日間以内、3日間以内、4日間以内、5日間以内、6日間以内、7日間以内、14日間以内、21日間以内、28日間以内、2か月間以内、3か月間以内、4か月間以内、6か月間以内、1年間以内またはそれより長い期間内に観察されうる。
【0104】
いくつかの実施形態では、高圧酸素含有液体など、虚血、低酸素症、電気化学的変化、VEGF、HIFまたは活性酸素種に関連する眼の状態などの、虚血、低酸素症、電気化学の変化、VEGF、HIFまたは活性酸素種に関連する症状を患う哺乳類に対して、酸素含有液体を投与または送達することは、酸素レベル(PO)または酸素飽和度(SO)が増加する結果となる。その増加は、元のPOまたはSOと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%またはそれ以上である。元のPOのレベル50からレベル55への増加は、10%の増加である。いくつかの実施形態では、SOは、100%飽和に基づいて、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%またはそれ以上増加する。50%から60%への増加とは、100%の飽和に基づいて10%の増加である。
【0105】
以下の実施形態が具体的に考えられる。
【0106】
実施形態D-1.感染を検出する方法または疾患の進行を検出する方法であって、それを必要とするヒトにおける化学種の血中濃度を取得することを含む方法。
【0107】
実施形態D-2.化学種がガスである、実施形態D-1の方法。
【0108】
実施形態D-3.ガスがOである、実施形態D-2の方法。
【0109】
実施形態D-4.ガスがCOである実施形態D-2またはD-3の方法。
【0110】
実施形態D-5.化学種が乳酸である、実施形態D-1、D-2、D-3またはD-4の方法。
【0111】
実施形態D-6.血液pHによって決定される化学種が、H、OH、Hまたはそれらの組み合わせである、実施形態D-1、D-2、D-3、D-4またはD-5の方法。
【0112】
実施形態D-7.化学種が電解質である、実施形態D-1、D-2、D-3、D-4、D-5またはD-6の方法。
【0113】
実施形態D-8.電解質がNaである、実施形態D-7の方法。
【0114】
実施形態D-9.電解質がKである、実施形態D-7またはD-8の方法。
【0115】
実施形態D-10.電解質がCa2+である、実施形態D-7、D-8またはD-9の方法。
【0116】
実施形態D-11.電解質がMg2+である、実施形態D-7、D-8、D-9またはD-10の方法。
【0117】
実施形態D-12.電解質がHCO である、実施形態D-7、D-8、D-9、D-10またはD-11の方法。
【0118】
実施形態D-13.電解質がCO 2-である、実施形態D-7、D-8、D-9、D-10、D-11またはD-12の方法。
【0119】
実施形態D-14.電解質がリン酸塩種である、実施形態D-7、D-8、D-9、D-10、D-11、D-12またはD-13の方法。
【0120】
実施形態D-15.化学種が活性酸素種である、実施形態D-7、D-8、D-9、D-10、D-11、D-12、D-13またはD-14の方法。
【0121】
実施形態D-16.活性酸素種がスーパーオキシドを含む、実施形態D-15の方法。
【0122】
実施形態D-17.活性酸素種が過酸化水素を含む、実施形態D-15またはD-16の方法。
【0123】
実施形態D-18.活性酸素種がヒドロキシラジカルを含む、実施形態D-15、D-16またはD-17の方法。
【0124】
実施形態D-19.閾値を超える実施形態D-1D-2、D-3、D-4、D-5、D-6、D-7、D-8、D-9、D-10、D-11、D-12、D-13、D-14、D-15、D-16、D-17またはD-18の化学種のレベルで患者に治療を施すことによるウイルスの治療。
【0125】
実施形態D-20.実施形態D-1、D-2、D-3、D-4、D-5、D-6、D-7、D-8、D-9、D-10、D-11、D-12、D-13、D-14、D-15、D-16、D-17またはD-18の化学種のレベルで患者に治療を施すことによるウイルスの治療。
【0126】
実施形態D-21.治療が酸素含有液体を患者に投与することを含む、実施形態D-19またはD-20の方法。
【0127】
実施形態D-22.ヒトの体内のウイルス量を測定することを含む、実施形態D-1、D-2、D-3、D-4、D-5、D-6、D-7、D-8、D-9またはD-10の方法または治療。
【0128】
実施形態D-23.ウイルスによる感染を検出する方法または疾患の進行を検出する方法であって、それを必要とするヒトにおけるウイルス量を測定することを含む方法。
【0129】
実施形態1.虚血、低酸素症、電気化学、VEGF、HIFまたは活性酸素種に関連する症状を患う哺乳動物を治療する方法であって、その症状を患う前記哺乳動物に酸素含有液体を送達することを含み、前記治療は、前記症状に治療効果をもたらす、方法。
【0130】
実施形態2.前記症状は眼であり、前記酸素含有液体は前記哺乳動物の眼に送達される、実施形態1の方法。
【0131】
実施形態3.前記酸素含有液体は140mmHgよりも高い酸素圧を有する、実施形態1または2の方法。
【0132】
実施形態4.前記酸素含有液体は酸素ガスを放出する化合物を含む、実施形態1、2または3の方法。
【0133】
実施形態5.前記酸素含有液体は約250mOsm/Lから約350mOsm/Lの浸透圧を有する、実施形態1、2、3または4の方法。
【0134】
実施形態6.前記酸素含有液体は金属酸化物を含む、実施形態1、2、3、4または5の方法。
【0135】
実施形態7.前記酸素含有液体は金属水酸化物を含む、実施形態1、2、3、4、5または6の方法。
【0136】
実施形態8.前記酸素含有液体は過酸化物を含む、実施形態1、2、3、4、5、6または7の方法。
【0137】
実施形態9.前記酸素含有液体は無菌である、実施形態1、2、3、4、5、6または8の方法。
【0138】
実施形態10.前記治療は、前記酸素含有液体を前記哺乳動物の前記眼に投与してから1週間以内にERG機能の改善をもたらす、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8または9の方法。
【0139】
実施形態11.前記治療は、前記酸素含有液体を前記哺乳動物の前記眼に投与してから1週間以内にVEGF発現の減少をもたらす、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の方法。
【0140】
実施形態12.前記症状は糖尿病性網膜症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0141】
実施形態13.前記症状は黄斑変性症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0142】
実施形態14.前記症状は糖尿病性黄斑浮腫である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0143】
実施形態15.前記症状は鎌状赤血球眼症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0144】
実施形態16.前記症状は眼炎症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0145】
実施形態17.前記症状は高血圧性網膜症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0146】
実施形態18.前記症状は眼虚血症候群である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0147】
実施形態19.前記症状は分枝網膜静脈閉塞症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0148】
実施形態20.前記症状は分枝網膜動脈閉塞症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0149】
実施形態21.前記症状は網膜中心静脈閉塞症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0150】
実施形態22.前記症状は網膜中心動脈閉塞症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0151】
実施形態23.前記症状は網膜剥離である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0152】
実施形態24.前記症状は浸透性眼球損傷である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0153】
実施形態25.前記症状は外傷性視神経障害である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0154】
実施形態26.前記症状は視神経炎である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0155】
実施形態27.前記症状は炎症性眼症である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の方法。
【0156】
実施形態28.前記酸素含有液体はヒトの眼に注射される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26または27の方法。
【0157】
実施形態29.前記酸素含有液体はヒトに局所投与される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26または27の方法。
【0158】
実施形態30.前記酸素含有液体はヒトに経口投与される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26または27の方法。
【0159】
[実施例1]
虚血性ウサギの眼における高圧酸素溶液の効果を評価した。以下のように6匹のウサギに虚血を誘発させた。針を、その針の開口部に圧力が生じるように持ち上げられた、生理食塩水バッグに接続した。針をウサギの眼に挿入し、ウサギの眼の眼圧を90分間上昇させたところ、ウサギの眼に虚血が生じた。ウサギ1に対しては、当初は治療を行わず、生理食塩水バッグに取り付けられた針を取り外してから1時間後に高圧酸素溶液の眼内注射を行った。ウサギ2-3に対しては、生理食塩水バッグに取り付けられた針を取り外してから20分後に、通常の生理食塩水(酸素圧112.6mmHg)の眼内注射を行った。ウサギ4-6に対しては、生理食塩水バッグに取り付けられた針を取り外した20分後に、高圧酸素溶液(酸素圧175.2mmHg)の眼内注射を行った。結果を表1と図1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
[実施例2]
ARPE-19細胞を高圧酸素溶液(酸素圧175.2mmHg)で処置し、低酸素チャンバー内に48時間置いた。対照細胞を、高圧酸素溶液なしに低酸素チャンバー内で培養した。位相差顕微鏡画像は、低酸素ARPE-19細胞が丸くなり、高圧酸素処理された低酸素細胞と比較して異常な形態を示したことを示す。対照低酸素細胞では高倍率視野あたり71個の丸みを帯びた細胞があったのに対し、高圧酸素溶液で処理された低酸素細胞では高倍率視野あたり8個の丸みを帯びた細胞があった。高圧酸素溶液は、低酸素への曝露から生じる典型的な損傷から細胞を保護するように見える、と結論付けられた。
【0162】
[実施例3]
網膜色素上皮細胞は、低酸素状態に48時間晒された。高圧酸素溶液(175.2mmHgの酸素圧)での処置は、発現された血管内皮増殖因子(VEGF)p<0.05(図2)およびHIF(図3)の細胞レベルの統計的に有意な減少をもたらした。
【0163】
図2に示すように、17.5%の酸素化成分を添加すると、低酸素状態(17.5POI+低酸素状態)に晒された細胞のVEGFレベルは、処置せずに低酸素状態に晒された細胞(未治療の低酸素状態)のHIFレベルよりも低く、低酸素状態に晒されていない細胞(未治療の正常酸素状態)と同等であった。
【0164】
HIFレベルをウエスタンブロット分析により分析した。タンパク質を細胞培養物から抽出し、タンパク質濃度をBCAタンパク質定量試薬キット(ピアス、ロックフォード、イリノイ州)で製造元の手順に従って測定した。
【0165】
図3に示すように、12.5%の酸素化成分を添加すると、低酸素状態に晒された細胞のHIFレベル(12.5POI+H)は、処置せずに低酸素状態に晒された細胞(UH)のHIFレベルよりも低くなった。さらに、17.5%の酸素化成分を添加すると、低酸素状態(17.5POI+H)に晒された細胞のHIFレベルはさらに低くなった。
【0166】
これらの結果は、高圧酸素溶液での処理が、低酸素状態に晒された細胞のVEGFおよびHIFレベルを正常化し、それらがVEGFおよびHIFのベースレベルと同様になることを示している。
【0167】
[血液酸素化の改善]
[実施例4]
酸素含有溶液の分圧は、標準化血液ガス測定器を使用して確認された。酸素含有溶液のPOは182mmHgであった。
【0168】
血漿は1人のドナーから採取された。血漿内の酸素レベルは、標準化血液ガス測定器で測定された。血漿を、182mmHgの酸素レベルを含む溶液で処理した(溶液=182mmHg O)。酸素含有溶液による治療後、標準化血液ガス測定器を使用して直ちにOmmHgが測定された。測定は、酸素化溶液の投与後10分で行われた。
【0169】
[表2:血漿酸素濃度]
【表2】
注記:改善が観察されるまでの平均時間は数秒以内であった。最大の変化(溶液投与後10分以内に27.4mmHgが観察された)。
結論:酸素分圧の増加が測定された溶液で処理した後、単一ドナー血漿では酸素分圧が増加した。
【0170】
[実施例5]
全静脈血のサンプルが1のドナーから採取された。全静脈血の二酸化炭素レベル(pCO)、酸素レベル(PO)、および酸素飽和度(SO)は、標準化血液ガス測定器で測定された。全静脈血を、182mmHgの酸素レベルを含む溶液で処理した(溶液=182mmHg O)。酸素含有溶液での処理後、標準化血液ガス測定器を使用して、pCO、PO、SOを直ちに測定した。測定は、酸素化溶液の投与後10分および20分で行われた。最初の処理の105分後に酸素含有溶液による別の処理を全血に加え、追加の測定を行なった。結果を表3に示す。
【0171】
[表3:全血酸素濃度]
【表3】
結論:1人のドナーからの全静脈血を、POを含む酸素含有液体で処理した後、次の結果が観察された。
1.治療後、二酸化炭素(pCO)が減少した。
2.治療後、酸素レベル(PO)が増加した。
3.治療後、酸素飽和度(SO)が増加した。
【0172】
【表4】
【0173】
(付記)
(付記1)
ナノ粒子またはマイクロ粒子を含む組成物であって、前記ナノ粒子または前記マイクロ粒子が酸素含有液体を含有する、組成物。
【0174】
(付記2)
前記ナノ粒子または前記マイクロ粒子がポリ(乳酸-コ-グリコール酸)を含む、付記1に記載の組成物。
【0175】
(付記3)
虚血または低酸素症に関連する状態を治療するための、付記1または2に記載の組成物。
【0176】
(付記4)
虚血または低酸素症に関連する状態を治療する方法であって、前記治療を必要とするヒトに付記1または2に記載の組成物を投与することを含み、前記ナノ粒子または前記マイクロ粒子が酸素含有液体を含有する、方法。
【0177】
(付記5)
前記酸素含有液体が前記ヒトの中枢神経系に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0178】
(付記6)
前記酸素含有液体が前記ヒトの脳に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0179】
(付記7)
前記酸素含有液体が前記ヒトの目に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0180】
(付記8)
前記酸素含有液体が前記ヒトの心肺系に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0181】
(付記9)
前記酸素含有液体が前記ヒトの心臓に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0182】
(付記10)
前記酸素含有液体が前記ヒトの肺に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0183】
(付記11)
前記酸素含有液体が前記ヒトの肝臓に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0184】
(付記12)
前記酸素含有液体が前記ヒトの腎臓に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0185】
(付記13)
前記酸素含有液体が前記ヒトの筋骨格系に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0186】
(付記14)
前記酸素含有液体が前記ヒトの筋肉に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0187】
(付記15)
前記酸素含有液体が前記ヒトの内分泌系に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0188】
(付記16)
前記酸素含有液体が前記ヒトの膵臓に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0189】
(付記17)
前記酸素含有液体が前記ヒトの胃腸系に直接投与される、付記4に記載の方法。
【0190】
(付記18)
虚血または低酸素症に関連する状態を治療するための薬剤の製造における、付記1または2に記載の組成物の使用。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】