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特表2024-529398医療廃液を処理するための外部供給システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】医療廃液を処理するための外部供給システム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
A61G12/00 W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503704
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 CN2021107728
(87)【国際公開番号】W WO2023000237
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519090321
【氏名又は名称】アムシノ メディカル (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、リチャード
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341JJ01
4C341LL12
4C341MS17
4C341MS30
(57)【要約】
医療廃液を貯留するための受容容器(1)と、凝固剤を収容するための供給容器(2)とを備え、供給容器(2)は、排出口(23)と、排出口(23)を封止する封止部材(24)とを備え、受容容器(1)は、供給通路(130)を有する供給継手(13)を備え、供給容器(2)及び受容容器(1)には、ガイド凸部(131)とガイド溝(221)とを含むガイド機構が配置されており、供給継手(13)には、供給通路(130)の周方向に配置され、かつ間隔をあけて配置される複数の切断部(14)が設けられており、ガイド機構は、複数の切断部(14)が供給通路(130)の周方向に封止部材(24)を切断して破壊し、さらに供給容器(2)に収容された凝固剤が排出口(23)を介して受容容器(1)に流入するように、供給容器(2)を受容容器(1)に対して所定角度回転させる操作を許容する、医療廃液を処理するための外部供給システム。医療廃液の貯留容器に凝固剤を入れる際に、この外部供給システムは、安全で便利な操作方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療廃液を貯留するための受容容器と、凝固剤を収容するための供給容器とを備え、
前記供給容器は、供給容器本体と、前記供給容器本体の下部の周方向外側面に位置するガイド溝と、前記供給容器本体の下端に位置する排出口と、前記排出口を封止する封止部材とを備え、
前記受容容器は、受容容器本体と、前記受容容器本体の上端を覆うように設けられるトップカバーと、前記トップカバーに接続され、前記受容容器本体に連通する供給通路が設けられた供給継手とを備え、前記供給通路の側壁には、前記供給容器が前記供給通路に回転可能に取り付けられるように、前記ガイド溝に嵌合して入れ込むように構成されるガイド凸部が設けられている、医療廃液を処理するための外部供給システムにおいて、
前記供給継手には、前記供給通路の周方向に配置され、かつ間隔をあけて配置される、前記封止部材を切断するための複数の切断部が設けられており、
前記ガイド溝は、第1並進溝と、第1並進溝に平行な第2並進溝と、第1端部が前記第1並進溝に接続され、第2端部が前記第2並進溝に接続される傾斜溝と、を含み、
前記ガイド凸部が前記第1並進溝に沿って移動すると、前記複数の切断部は、前記封止部材から離間し、
前記ガイド凸部が前記傾斜溝の第1端部から前記傾斜溝の第2端部へ前記傾斜溝に沿って移動すると、前記供給容器は、前記複数の切断部が前記封止部材に接触して突き破るように、下方に移動するようにガイドされ、
前記ガイド凸部が前記第2並進溝に沿って移動すると、前記複数の切断部は、前記供給容器に収容された凝固剤が前記排出口を介して前記受容容器本体に流入するように、前記供給通路の周方向に前記封止部材を切断して前記封止部材を破壊し、
前記複数の切断部の数は少なくとも3つであり、一対の隣接する切断部間の円周角は第1円周角、他の隣接する切断部間の円周角は第2円周角、前記第2並進溝に対応する円周角は第3円周角であり、
前記ガイド凸部が前記第2並進溝全体に沿う移動を完了すると、前記封止部材の周縁の大半が前記複数の切断部によって前記供給通路の周方向に切断されるように、前記第1円周角は、前記第3円周角よりも大きく、前記第3円周角は、前記第2円周角よりも大きい、ことを特徴とする医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項2】
前記複数の切断部の数は3つであり、前記第1円周角は約180°であり、前記第2円周角は約90°であることを特徴とする請求項1に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項3】
前記供給容器が前記供給通路に取り付けられると、前記排出口の周方向縁部と前記複数の切断部との間には径方向隙間があり、前記径方向隙間は、0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項4】
前記径方向隙間は、0.7mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項5】
前記封止部材は、PET材料とPE材料との複合フィルム、又は、PET材料とPP材料との複合フィルムであり、
前記複合フィルムの厚さは、0.05mm以上である、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項6】
各切断部は、刃部と、径方向接続部とを含み、前記刃部は、前記径方向接続部を介して前記供給通路の側壁に接続されて前記ガイド凸部の下方に位置し、前記刃部は、ほぼ前記供給通路の延在方向に沿って上向きに延びる先端と、前記供給通路の側壁に向かう平坦面とを有し、各切断部の刃部の前記平坦面と前記供給通路の側壁との間にはほぼ同じ径方向間隔があることを特徴とする請求項3に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項7】
前記供給容器は、前記受容容器に対して第1方向に回転するようにガイドされると、前記複数の切断部が前記封止部材に接触して突き破るように、下方に移動し、前記刃部は、後方非鋭利表面と、前記第1方向に沿って前記後方非鋭利表面の上流に位置する前方刃先と、を有し、
前記刃部は、前記供給通路の延在方向に沿う高さと、前記供給通路の周方向にほぼ沿う幅とを有し、前記刃部の高さは、4mm以上16mm以下であり、前記刃部の幅は、2mm以上8mm以下である、
ことを特徴とする請求項6に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項8】
前記供給容器本体は、その高さ方向にほぼ一致する内径寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項9】
前記供給容器本体の内径寸法は、20mm以上80mm以下であり、好ましくは、40mm以上60mm以下であることを特徴とする請求項8に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項10】
前記複数の切断部は、前記供給継手及び前記トップカバーと一体成形され、プラスチック材料からなり、前記トップカバーは、前記受容容器本体に固定的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項11】
前記供給容器本体の下部は、前記供給容器本体のネック部を構成することを特徴とする請求項1に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項12】
前記ガイド凸部の数と前記ガイド溝の数はそれぞれ2つであることを特徴とする請求項1に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項13】
前記第2並進溝の長さは、前記傾斜溝の長さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【請求項14】
前記複数の切断部は、前記供給通路に隣接する側壁に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の医療廃液を処理するための外部供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療廃液の処理技術に関し、特に医療廃液を処理するための外部供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、病院の臨床治療過程で発生した各種医療廃液は通常、負圧吸引装置によって廃液回収容器内に吸い込まれる。廃液回収容器は、廃液回収袋と、容器本体と、トップカバーとを備える。廃液回収袋は、容器本体内に設けられ、トップカバーは、容器本体の開口部に設けられるとともに、廃液回収袋の上部と液密に接続されており、トップカバーには、通常、廃液回収袋に連通する廃液出口及び吸引口が設けられている。
【0003】
廃液回収袋に廃液が満たされていると、廃液処理を行う必要がある。医療廃液には大量の病原菌が含まれているため、一般的な汚水処理方法では医療廃液を浄化することが困難である。医療廃液が不適切に下水システムに排出されて環境汚染を引き起こすことを防止するために、一般的な処理方法の1つとしては、廃液回収袋に廃液が満たされたら、廃液回収袋に凝固剤を入れて、硬化した廃液を廃棄処理することが用いられる。現在、医療従事者は、廃液回収袋に凝固剤を入れる際に、トップカバーを開けなければならないが、医療廃液には大量の病原菌が含まれているため、このようにカバーを開けて供給すると、医療従事者の操作に不便をもたらすだけでなく、不適切な操作により二次感染を引き起こす可能性もある。
【0004】
従来の技術にも、医療廃液を処理するためのいくつかの解決手段が開示されており、これらの解決手段において、通常、凝固剤が収容されて開放可能な供給口を有し、比較的安全な操作方法を提供可能な供給容器が採用されている。しかしながら、これらの解決手段には、(1)供給口を封止するための構造又は材料は、供給口が開けられた状態でも凝固剤の流出をある程度阻害する、(2)供給口が開けられた場合、供給口を封止するための構造又は材料は医療廃液に落下し、後続処理に不便をもたらす可能性があるとの2つの課題が一般的に存在していた。
【0005】
したがって、従来の技術に存在する上記課題を少なくとも部分的に緩和又は解決するための新規な医療廃液を処理するための外部供給システムを提供することが急務となる。
【発明の概要】
【0006】
従来の技術に存在する上記課題を少なくとも部分的に緩和又は解決するために、本開示は、医療廃液を処理するための外部供給システムを提供している。
【0007】
本開示には、医療廃液を貯留するための受容容器と、凝固剤を収容するための供給容器とを備え、
前記供給容器は、供給容器本体と、前記供給容器本体の下部の周方向外側面に位置するガイド溝と、前記供給容器本体の下端に位置する排出口と、前記排出口を封止する封止部材とを備え、前記受容容器は、受容容器本体と、前記受容容器本体の上端を覆うように設けられるトップカバーと、前記トップカバーに接続され、前記受容容器本体に連通する供給通路が設けられた供給継手とを備え、前記供給通路の側壁には、前記供給容器が前記供給通路に回転可能に取り付けられるように、前記ガイド溝に嵌合して入れ込むように構成されるガイド凸部が設けられており、
前記供給継手には、前記供給通路の周方向に配置され、かつ間隔をあけて配置される、前記封止部材を切断するための複数の切断部が設けられており、前記ガイド溝は、第1並進溝と、第1並進溝に平行な第2並進溝と、第1端部が前記第1並進溝に接続され、第2端部が前記第2並進溝に接続される傾斜溝と、を含み、
前記ガイド凸部が前記第1並進溝に沿って移動すると、前記複数の切断部は、前記封止部材から離間している。前記ガイド凸部が前記傾斜溝の第1端部から前記傾斜溝の第2端部へ前記傾斜溝に沿って移動すると、前記供給容器は、前記複数の切断部が前記封止部材に接触して突き破るように、下方に移動するようにガイドされる。前記ガイド凸部が前記第2並進溝に沿って移動すると、前記複数の切断部は、前記供給容器に収容された凝固剤が前記排出口を介して前記受容容器本体に流入するように、前記供給通路の周方向に前記封止部材を切断して破壊する、医療廃液を処理するための外部供給システムが提供されている。
【0008】
本開示の一態様によれば、前記複数の切断部の数は少なくとも3つであり、一対の隣接する切断部間の円周角は第1円周角、他の隣接する切断部間の円周角は第2円周角、前記第2並進溝に対応する円周角は第3円周角である。前記ガイド凸部が前記第2並進溝全体に沿う移動を完了すると、前記封止部材の周縁の大半が前記複数の切断部によって前記供給通路の周方向に切断されるように、前記第1円周角は、前記第3円周角よりも大きく、前記第3円周角は、前記第2円周角よりも大きい。
【0009】
本開示のこの態様では、このような構成により、封止部材の周縁の一部は、封止部材の落下が回避されるように供給容器に接続されるとともに、供給口は、凝固剤が流出するように大きく開放されている。
【0010】
本開示の一態様によれば、前記複数の切断部の数は3つであり、前記第1円周角は約180°であり、前記第2円周角は約90°である。
【0011】
本開示の一態様によれば、前記供給容器が前記供給通路に取り付けられると、前記排出口の周方向縁部と前記複数の切断部との間には径方向隙間があり、前記径方向隙間は、0.5mm以上2.0mm以下である。
【0012】
本開示のこの態様では、このような設計により、完全に切断されていない封止部材は落下しないだけでなく、この径方向隙間にも巻き込まれるため、この封止部材全体がほぼこの径方向隙間の範囲内に規制され、この封止部材による凝固剤の流れへの阻害が低減ひいては回避される。
【0013】
本開示の一態様によれば、前記径方向隙間は、0.7mm以上1.0mm以下である。
【0014】
本開示の一態様によれば、前記封止部材は、PET(ポリエチレンテレフタラート)材料とPE(ポリエチレン)材料との複合フィルム、又は、PET材料とPP(ポリプロピレン)材料との複合フィルムであり、前記複合フィルムの厚さは、0.05mm以上である。
【0015】
本開示の一態様によれば、各切断部は、刃部と、径方向接続部とを含み、前記刃部は、前記径方向接続部を介して前記供給通路の側壁に接続されて前記ガイド凸部の下方に位置し、前記刃部は、ほぼ前記供給通路の延在方向に沿って上向きに延びる先端と、前記供給通路の側壁に向かう平坦面とを有し、前記平坦面と前記供給通路の側壁との間にはほぼ同じ径方向間隔がある。
【0016】
この径方向間隔の寸法は、前記径方向隙間の寸法とほぼ等しいことが理解される。
【0017】
本開示の一態様によれば、前記供給容器は、前記受容容器に対して第1方向に回転するようにガイドされると、前記複数の切断部が前記封止部材に接触して突き破るように、下方に移動し、前記刃部は、後方非鋭利表面と、前記第1方向に沿って前記後方非鋭利表面の上流に位置する前方刃先と、を有する。また、前記刃部は、前記供給通路の延在方向に沿う高さと、前記供給通路の周方向にほぼ沿う幅とを有し、前記刃部の高さは、4mm以上16mm以下であり、前記刃部の幅は、2mm以上8mm以下である。
【0018】
本開示の一態様によれば、前記供給容器本体は、その高さ方向にほぼ一致する内径寸法を有する。
【0019】
本開示のこの態様では、ネック部を有しない供給容器を提供することができるため、凝固剤の供給速度がさらに向上され、供給口が詰まりにくい。
【0020】
本開示の一態様によれば、前記供給容器本体の内径寸法は、20mm以上80mm以下であり、好ましくは、40mm以上60mm以下である。
【0021】
本開示の一態様によれば、前記複数の切断部は、前記供給継手及び前記トップカバーと一体成形され、プラスチック材料からなり、前記トップカバーは、前記受容容器本体に固定的に接続されている。
【0022】
本開示のこの態様では、このような構成により、他の材料に比べて鋭利ではないプラスチック製の切断部を用いることで、封止部材が完全に切断されて落下するという望ましくない事態の発生を回避することができる。
【0023】
本開示の一態様によれば、前記供給容器本体の下部は、前記供給容器本体のネック部を構成する。
【0024】
本開示の一態様によれば、前記ガイド凸部の数と前記ガイド溝の数はそれぞれ2つである。
【0025】
本開示の一態様によれば、前記第2並進溝の長さは、前記傾斜溝の長さよりも大きい。
【0026】
本開示の一態様によれば、前記複数の切断部は、前記供給通路に隣接する側壁に位置決めされる。
【0027】
前記各種設計及び好ましい条件は、任意に組み合わせて本開示の各種実施例を得ることができる。
【0028】
本開示は、以下の有利な効果を有する。
【0029】
本開示の複数の態様に係る医療廃液を処理するための外部供給システムによれば、医療廃液の貯留容器に凝固剤を入れるための安全な操作方法が提供され、しかも、この外部供給システムの供給操作は非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本開示の第1実施例による外部供給システムの外観模式図を示す。
図2図2は、本開示の第1実施例による外部供給システムの部分拡大模式図を示す。
図3図3は、本開示の第1実施例による供給容器の初期位置から下方への移動を部分断面図で示す。
図4図4は、本開示の第1実施例による供給容器の初期位置から下方への移動を部分断面図で示す。
図5図5は、本開示の第1実施例による供給容器の初期位置から下方への移動を部分断面図で示す。
図6図6は、本開示の第1実施例による供給容器の初期位置から下方への移動を部分断面図で示す。
図7図7は、本開示の第1実施例による供給容器の斜視図を示す。
図8図8は、本開示の第1実施例による供給容器の外観模式図をそれぞれ異なる角度から示し、ガイド溝と凸部とを含むガイド構造を示している。
図9図9は、本開示の第1実施例による供給容器の外観模式図をそれぞれ異なる角度から示し、ガイド溝と凸部とを含むガイド構造を示している。
図10図10は、本開示の第1実施例による供給継手の斜視図を示し、複数の切断部を含む封止部材破壊部の一構成例を示している。
図11A図11Aは、本開示の第2実施例による外部供給システムの異なる操作状態における模式図を示し、切断部が封止部材を突き破っていない第1状態、切断部が封止部材を突き破ったばかりの第2状態、切断部が周縁に沿って封止部材を切断している第3状態、及び切断操作が終了する第4状態を順次示している。
図11B図11Bは、本開示の第2実施例による外部供給システムの異なる操作状態における模式図を示し、切断部が封止部材を突き破っていない第1状態、切断部が封止部材を突き破ったばかりの第2状態、切断部が周縁に沿って封止部材を切断している第3状態、及び切断操作が終了する第4状態を順次示している。
図11C図11Cは、本開示の第2実施例による外部供給システムの異なる操作状態における模式図を示し、切断部が封止部材を突き破っていない第1状態、切断部が封止部材を突き破ったばかりの第2状態、切断部が周縁に沿って封止部材を切断している第3状態、及び切断操作が終了する第4状態を順次示している。
図11D図11Dは、本開示の第2実施例による外部供給システムの異なる操作状態における模式図を示し、切断部が封止部材を突き破っていない第1状態、切断部が封止部材を突き破ったばかりの第2状態、切断部が周縁に沿って封止部材を切断している第3状態、及び切断操作が終了する第4状態を順次示している。
図12A図12Aは、本開示の第2実施例による外部供給システムにおける受容容器のトップカバー及び供給継手の平面図、底面図及び斜め上方から見た図面をそれぞれ示す。
図12B図12Bは、本開示の第2実施例による外部供給システムにおける受容容器のトップカバー及び供給継手の平面図、底面図及び斜め上方から見た図面をそれぞれ示す。
図12C図12Cは、本開示の第2実施例による外部供給システムにおける受容容器のトップカバー及び供給継手の平面図、底面図及び斜め上方から見た図面をそれぞれ示す。
図13A図13Aは、本開示の第2実施例による外部供給システムにおける受容容器の、3つの異なる角度から見た切断部の拡大図をそれぞれ示す。
図13B図13Bは、本開示の第2実施例による外部供給システムにおける受容容器の、3つの異なる角度から見た切断部の拡大図をそれぞれ示す。
図13C図13Cは、本開示の第2実施例による外部供給システムにおける受容容器の、3つの異なる角度から見た切断部の拡大図をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本開示の好ましい実施例をさらに詳しく説明する。以下の説明は、本開示への限定ではなく、例示的なものであり、任意の他の類似したものも本開示の技術的範囲内に含まれている。
【0032】
以下の具体的な説明では、「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」など、方向に関する用語は、図面で説明された方向を参照して使用される。本開示の実施例における部材は、複数の異なる方向に配置されてもよく、方向に関する用語は、限定的なものではなく、例示的なものである。
【0033】
図1図10は、本開示の第1実施例による受容容器1と供給容器2とを含む外部供給システムを示す。後述する例では、この受容容器1は、医療廃液の回収袋又は容器であり、供給容器2は、凝固剤を収容した供給瓶である。
【0034】
受容容器1は、受容容器本体11と、受容容器本体の上端を覆うように設けられるトップカバー12と、供給継手13とを含む。供給継手13の外形は略管状であり、供給継手13は、トップカバー12に接続され、供給継手13には、受容容器本体11に連通する供給通路130が設けられている。
【0035】
供給容器2は、供給容器本体21と、ネック部22とを含む。ネック部22の下端に排出口23を有する。図1~10に示す例では、ネック部22は、本明細書で言及されている供給容器2の下部を構成しているが、供給容器2の下部はこのようなネック部構造を構成しなくてもよいことが理解される。また、後述するように、いくつかの実施例では、供給容器2の下部がこのようなネック部を構成しない構造を採用することはより好ましい。この例におけるネック部22の構造は、排出口が開放されたときの通過面積をある程度制限しているからである。
【0036】
供給容器2には、前記排出口23を封止する封止部材24が設けられている。封止部材24としては、フィルム状封止部材を用いることができ、このフィルム状封止部材の材質は例えば、アルミニウム箔フィルムなどであってもよい。ネック部22は、供給継手13の供給通路130に回転可能に取り付けられている。ネック部22の側面には、ガイド溝221が設けられ、供給通路130の側壁には、ガイド溝221に嵌合して入り込むガイド凸部131が設けられている。ガイド溝221の形状は、供給容器2が外力により所定の方向に回転すると、供給容器2が初期位置から下方に移動するのをガイド可能なように設定されている。ガイド凸部131の数は、1つでもよいし、複数でもよい。ガイド凸部131の数が複数である場合、複数のガイド凸部131は、それぞれ複数のガイド溝221に一々対応して嵌合している。ネック部22の外側面には、供給通路130の側壁に密着するシールリング25が嵌設されている。
【0037】
本実施例では、ガイド溝221は、第1並進溝2211と、第1並進溝2211に平行な第2並進溝2212と、一端が第1並進溝2211に接続され、他端が第2並進溝2212に接続される傾斜溝2213と、を含む。
【0038】
好ましくは、複数のガイド凸部131にそれぞれ嵌合する複数の第1並進溝2211はいずれも、第1円周に位置し、複数のガイド凸部131にそれぞれ対応する複数の第2ガイド溝2212はいずれも、第2円周に位置する。本実施例では、ガイド凸部131の数は、2つである。
【0039】
供給継手13には、供給容器2内の材料がネック部22の排出口23を介して受容容器本体11に流入するように、供給容器2の下方への移動中に封止部材24を破壊するための封止部材破壊部が設けられている。
【0040】
図3図10に示す例では、封止部材破壊部は、封止部材24を切断するための複数の切断部14からなる。図10に示す例では、供給継手13には、底板133aが設けられており、底板133aの周囲は、供給通路130の側壁に接続され、底板133aには、中心貫通孔135aが設けられ、複数の切断部14の下端は、中心貫通孔135aの孔壁に接続されている。
【0041】
図3図6は、封止部材破壊部を用いて封止部材24を破壊する動作過程を示している。図3では、供給容器2は初期位置にあり、このとき、2つのガイド凸部131はそれぞれ対応する第1並進溝2211に位置し、切断部14は、封止部材24に接触していない。2つのガイド凸部131は、180°離れているため、図面には、1つのガイド凸部131しか示されていない。図4に示すように、供給容器2が外力により所定の方向(図4では時計回り方向)に回転すると、2つのガイド凸部131はまず、それぞれ対応する第1並進溝2211に沿ってそれぞれ対応する傾斜溝2213の一端に移動し、このとき、切断部14は依然として、封止部材24に接触していない。図5に示すように、引き続き時計回り方向に供給容器2を回転させると、2つのガイド凸部131は、それぞれ対応する傾斜溝2213に沿って上方に移動し、すなわち、供給容器2は、下方に移動し、この過程で、複数の切断部14は、封止部材24に接触して切断し、供給容器2内の材料は、ネック部22の排出口23を介して受容容器本体11に流入する。
【0042】
図6に示すように、供給容器2が回転し続けるにつれて、2つのガイド凸部131は、それぞれ対応する傾斜溝2213の他端から第2並進溝2212に移動し、このとき、供給容器2は、下方に移動しない。
【0043】
図3~6、特に図10に示すように、上述した第1実施例では、複数の切断部14は、供給通路130の周方向に配置され、かつ間隔をあけて配置されているため、周方向縁部に沿って供給容器の封止部材を切断することができ、封止部材の周縁の大半を選択的に切断することができ、これにより、凝固剤が供給容器から流出可能な通路を開放する一方、封止部材は完全に切断されて受容容器に落下するか、又は受容容器に貯留されている医療廃液に落下することが回避される。
【0044】
また、上述した第1実施例では、複数の切断部14は、一対の隣接する切断部間の円周角が第1円周角、他の隣接する切断部間の円周角が第2円周角、第2並進溝に対応する円周角が第3円周角であるように配置することが好ましい。ガイド凸部が第2並進溝全体に沿う移動を完了すると、封止部材の周縁の大半は、複数の切断部によって供給通路の周方向に切断されるように、第1円周角は、第3円周角よりも大きく、第3円周角は、第2円周角よりも大きい。このような構成によれば、操作者が供給容器を受容容器に対して所定の方向に回転させて供給するように操作する際に、封止部材の落下を心配することなく、安心して1回の操作により全回転ストローク(この回転ストロークがガイド溝221によって制限される)を完成することができる。
【0045】
本明細書では、供給容器2、受容容器1及び供給通路130は通常、その高さ方向に沿う縦軸を有すると理解される。一方、供給容器2、受容容器1又は供給通路130の周方向とは、通常、当該縦軸を中心とする方向を意味し、排出口23の周方向縁部はほぼ、前記周方向に沿うように配置される。例えば、図2~6、8~9、11A~11Dでは、供給容器2、受容容器1、供給通路130の高さ方向及び当該高さ方向に沿う縦軸は、上下方向に延びているが、図12A~12Bでは、この縦軸は、紙面に垂直な方向に沿う。
【0046】
以下、主に図11A~11D、図12A~12C、図13A~13Cを参照して、図3~9、特に図3~9に示すガイド凸部131とガイド溝221とを含むガイド構造を組み合わせて、本開示の第2実施例による外部供給システムを説明する。
【0047】
第2実施例及び上述した第1実施例の外部供給システムは、ほぼ同様の全体構造及びガイド構造を有することが理解されるべきである。両方の主な違いの1つは、第2実施例における供給容器2がその高さ方向に実質的に変化しない内径寸法を有し、すなわち、供給容器2には狭くなるネック部が存在しないことである。図11A~11Dに示すように、供給容器本体の下部22’の内径寸法は、供給容器2の他の位置の内径寸法に一致している。他の態様では、図11A~11Dに示す供給容器本体の下部22’は、上述したネック部22とほぼ同じである。
【0048】
このような設計の利点は、凝固剤の供給速度を高めることができることにある。また、供給口の寸法は、供給容器の内径に一致しているため、供給口の内径が供給容器の内径よりも小さく、凝固剤又は凝固剤が急速に吸水して形成された材料が括れたネック部の近傍に堆積して供給口が詰まってしまうといった問題を解決することができる。
【0049】
上述した第1実施例と比べて、第2実施例の別の主な違いは、供給継手に設けられた複数の切断部に異なる構造設計を採用したことである。なお、第2実施例における前記第1実施例とほぼ同様の構造について、以下、詳細な説明を省略する。第2実施例における特に前記第1実施例と異なる構造については、以下のように具体的に説明する。
【0050】
図11A~11D、図12A~12C、図13A~13Cは合わせて、第2実施例を示している。これらの図面に示すように、本開示の第2実施例による外部供給システムでは、受容容器1の供給継手13の供給通路130の内部には、3つの切断部14が設けられてもよい。この3つの切断部14のうち、一対の隣接する切断部14間の円周角は第1円周角、他の隣接する切断部14間の円周角は第2円周角、第2並進溝2212に対応する円周角は第3円周角である。ガイド凸部131が第2並進溝2212全体に沿う移動を完了すると、封止部材24の周縁の大半が複数の切断部14によって供給通路130の周方向に切断され、封止部材24の周縁の残りの一部が切断されずに供給通路130の側壁に接続されるように、第1円周角は第3円周角よりも大きく、第3円周角は、第2円周角よりも大きい。
【0051】
換言すれば、第2並進溝2212全体を通過して移動するような回転変位に対応する角度は、第2円周角よりも大きく、第1円周角よりも小さいため、このような回転ストロークを経て、封止部材24の周縁の一部が依然として供給容器2に接続されていることを確保し、封止部材24の落下を回避するとともに、供給口を比較的大きく開放して、凝固剤が供給口を通過するのを促進することができる。
【0052】
特に図12A及び図12Bに示すように、この好ましい実施例では、第1円周角は約180°であり、第2円周角は約90°であり、第3円周角は、第2円周角よりも大きい。すなわち、互いに離間している3つの切断部14は、ほぼ90°の間隔で等間隔に供給通路130の半円周に配置されるが、互いに対向する2つの切断部14(すなわち、図中の上下方向に対向して配置された切断部14)は、約180°の間隔で配置されている。
【0053】
本明細書における「ある円周角が約特定のある角度である」とは通常、例えば、この特定の角度に対して±15°ずれる範囲内であり、好ましくは、この特定の角度に対して±5°ずれる範囲内であると理解されるべきである。いくつかの好ましい実施形態では、第3円周角は、第2円周角よりも約50°~70°大きい。また、より好ましくは、第2円周角は約90°であり、第3円周角は約150°であるが、この傾斜溝2213に対応する円周角は約20°~30°である。
【0054】
このように、第2並進溝2212の長さにより、ガイド凸部131は第2並進溝2212に沿って第2並進溝2212全体のストロークを摺動し、封止部材24の周縁の約4分の3(すなわち、270°の円周)が切断されることが確保される。また、封止部材24の周縁の約4分の3が切断されていると、封止部材24は径方向の付勢力による引張を受けなくなるため、残りの切断されていない約4分の1の封止部材24の周縁は切断されにくくなる。また、ガイド凸部131が傾斜溝2213に沿って摺動すると、切断部14は、封止部材24を突き破るため、この過程で封止部材24も少し周縁方向に切断される可能性があるが、この傾斜溝2213を長く設計しなければ、上記設計に悪影響を与えることはない。
【0055】
また、これらの図面に示すこの実施例の別の利点は、このような外部供給システムの供給操作において、供給容器2を受容容器1に対して約90°又は90°よりも少し大きい角度(例えば105°~150°)回転させれば、供給容器2内の凝固剤を受容容器1内の医療廃液に入れる操作を完了することができることである。この操作過程は、図11A~11Dに順次示すとおりである。このような回転角度は、操作者が直接手で操作するという典型的な場合に比べて、操作者が単一の動作で容易に行うことができるものであり、供給容器2をより大きな回転角度で複数回連続的にあるいは段階的に回転させる必要がない。また、上述したような構造設計によって規定される操作過程により、供給操作における誤操作のリスクが回避される。
【0056】
いくつかの例では、傾斜溝2213のストロークは、第2円周角よりも明らかに小さくなるように設計されてもよく、例えば、10°~45°の範囲内であり、好ましくは20°~30°の範囲内である。別の観点からすれば、傾斜溝2213のストロークが短く設計されることにより、傾斜溝2213のストロークに対応する操作中に、切断部14の動きが図示されている高さ方向に沿うより大きな成分を有しやすく、切断部14の先端は封止部材24を突き破りやすくなる。
【0057】
図12A~12C及び図11A~11Dから容易に分かるように、図11A~11Dには、図面の視点により、2つの切断部14のみ直接示されているが、その示す例では、実際には、3つの切断部14が含まれている。図中の中間位置にある切断部14は実際には、この視点で重なり合う2つの切断部14を含み、この2つの切断部14は紙面に垂直な方向に互いに対向して配置されている。
【0058】
以上、第1円周角が約180°であり、第2円周角が約90°であり、前記第3円周角が前記第2円周角よりも大きい3つの切断部14及びガイド溝221の設計を例に説明したが、これらの円周角の関係に関する上記限定条件を満たす場合、他の数の切断部14及び/又は他の前記円周角の角度設計も同様に可能であると理解されるべきである。
【0059】
この第2実施例によれば、供給容器2が供給通路130に取り付けられると、排出口23の周方向縁部と複数の切断部14との間には径方向隙間があり、径方向隙間は、0.5mm以上2.0mm以下である。また、この径方向隙間は0.7mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。
【0060】
排出口23の周方向縁部と複数の切断部14との間には径方向隙間があり、すなわち、供給容器2の内壁と複数の切断部14との間にはこの径方向隙間がある。このような構成によれば、完全に切断されていない封止部材24は落下しないだけでなく、この径方向隙間にも巻き込まれ、封止部材24全体がこの径方向隙間に巻き込まれて略鉛直方向に延びて供給通路130の側壁に近接するため、封止部材24による供給への阻害が最大限に回避される。例えば、このような外部供給システムにおいて前記供給操作を実行し、凸部131が第2並進溝2212全体に沿う移動を完了するまで供給容器2を受容容器1に対して回転させると、図11Dに示すように、供給容器2に部分的に接続された封止部材24は、このような回転に伴って切断部14によって巻き上げられ、この径方向隙間において多かれ少なかれ折り畳まれた状態になる。
【0061】
これは特に、それ自体が一定の強度または靭性を有する材料からなるフィルム封止部材24に適している。このようなフィルムは供給通路130の径方向における延在をある程度維持する傾向があるが、回転に伴って、切断部14は、このようなフィルムが切断部14と供給容器2の内壁との隙間に巻き込まれるようにするからである。また、このような径方向隙間の寸法については、繰り返し試験した結果、封止部材24に適用され、0.2mmひいては0.1mm以下の厚さのフィルム材料など、一般的なフィルム材料を用いる場合、凝固剤の流出を促進する比較的大きな面積の通路を提供できるだけでなく、この径方向隙間に巻き込まれ、ある程度折り畳まれた封止部材24のフィルムを十分収容し、折り畳まれたフィルムの位置をある程度規制することもできる。
【0062】
しかも、構造設計の観点から供給操作に必要な回転ストロークを規定しないいくつかの解決手段に比べて、上述した第1、第2及第3円周角を具体的に設定する実施例に上記径方向隙間に関する構造設計を組み合わせることにより、供給操作に必要な回転操作の終点で、封止部材24の周縁の大半が切断され、残りの一部の周縁が接続状態を維持し、しかも、この部分の切断されていない周縁はほぼ1つの切断部14と供給容器2の側壁との間にあるため、切断された封止部材24による供給口への阻害を回避するのに有利である。
【0063】
さらに、図12C及び図13A~13Cに示すように、第2実施例では、各切断部14は、刃部141と、径方向接続部142とを含むことが好ましい。この径方向接続部142は、供給通路130の側壁から径方向よりも内側の方向に少し延びてこの刃部141に接続されることが理解される。刃部141は、径方向接続部142を介して供給通路130の側壁に接続されてガイド凸部131の下方に位置し、刃部141は、ほぼ供給通路130の延在方向に沿って上向きに延びる先端と、供給通路130の側壁に向かう平坦面とを有し、平坦面と供給通路130の側壁との間にはほぼ同じ径方向間隔がある。この径方向間隔の寸法は、前記径方向隙間とほぼ等しいと理解される。
【0064】
第2実施例では、切断部14は、以下の具体的な構造設計を採用することができる。
【0065】
供給容器2が受容容器1に対して第1方向に回転するようにガイドされると、複数の切断部14が封止部材24に接触して突き破るように、下方に移動し、刃部141は、後方非鋭利表面と、第1方向に沿って後方非鋭利表面の上流に位置する前方刃先と、を有する。また、刃部141は、供給通路130の延在方向に沿う高さと、供給通路130の周方向にほぼ沿う幅とを有する。刃部141の高さは、4mm以上16mm以下であってもよく、刃部141の幅は、2mm以上8mm以下であってもよい。
【0066】
前方刃先と後方非鋭利表面はそれぞれ、切断刃の回転中に回転方向に面する刃先と回転方向とは反対側の裏面であると理解することができる。刃部141が上述したように規定される高さと幅を有することにより、部分的に切断された封止部材フィルムをこの隙間に巻き込み、かつフィルムをこの隙間に保持又は規制するための適切な表面積を有する。
【0067】
より具体的には、図13A~13Cに示すように、刃部141の先端は具体的には、2つの稜がそれぞれ供給通路130の周方向の正方向と逆方向の2方向(すなわち、時計回り方向と反時計回り方向)に向かう三角錐の形状であってもよい。また、前記第1方向に向かう稜は、三角錐の中で最も鋭利な稜であってもよく、すなわち、この稜を形成する2つの隣接面のなす角度がこの三角錐の中で最も小さいものである。
【0068】
また、径方向接続部142は、比較的小さな寸法で、比較的高い構造強度及び強固性を提供できるように、供給通路130の周方向にアーチ部を有するアーチ状の設計を採用することができる。
【0069】
第2実施例では、封止部材24は、PET材料及びPE材料を用いた複合フィルム、又は、PET材料及びPP材料を用いた複合フィルムであることがより好ましい。複合フィルムの厚さは、0.05mm以上である。前記複合材を用いたフィルムは、アルミニウムフィルムなどの金属フィルムよりも有利であり、このような複合材を用いたフィルムは、封止部材24に一定の強度と靭性を提供することができ、前記回転操作中に折り畳まれ(折り曲げられるとも言える)やすく、切断部14と供給容器2の内壁との隙間に規制されやすい。
【0070】
また、この第2実施例では、供給容器2の内径寸法は典型的には、20mm以上80mm以下である。供給容器2の内径寸法は40mm以上60mm以下であることがより好ましい。
【0071】
さらに好ましくは、複数の切断部14は、供給継手13及びトップカバー12と一体成形され、プラスチック材料からなり、トップカバー12は、受容容器本体11に固定的に接続されている。また、好ましくは、供給容器本体21と受容容器1の供給継手13との間のみが回転可能な接続形態を採用するが、他の互いに接続された部材同士は固定的な接続形態で組み立てられるか、又は適切な方法で一体に加工され、例えばモールドの方法で一体成形されてもよい。
【0072】
複数の切断部14と供給継手13及びトップカバー12とがプラスチックからモールドされて一体成形される利点は、製造コストがより低くなることにある。本願では、このような設計のより重要な別の利点は、例えば、プラスチック材料からなる切断部14が、金属材料などの他の材料からなるブレードよりも、供給容器2から流出した凝固剤に接触する際に、酸化反応などの不所望な化学反応が生じにくく、長期使用による錆発生や損傷を回避することができることである。
【0073】
また、上記構成にはもう一つの利点がある。プラスチック材料からなる切断部14は他の材料からなる切断部に比べて鋭利ではないため、上記回転過程の最終段階で、封止部材24の周縁の残りの一部が依然として切断部14によって供給通路130の周方向に切断され続け、不所望な封止部材24の完全な切断による落下が回避される。このような不意な封止部材24の落下は、切断部14として鋭すぎる刃を用いた場合に発生する可能性がある。本明細書に記載された好ましい実施例では、プラスチック材料からなる切断部14及び前記複合フィルムからなる厚さ0.05mm以上の封止部材24により、封止部材24が不意に落下してしまうのを回避することができる。
【0074】
図12Aに示すように、トップカバー12には、真空システムを、医療廃液を貯留する受容容器1に接続するための真空インタフェース32と、ある治療方法に適した治療装置を、カテーテルを介して受容容器1に接続するための患者インタフェース31とがさらに設けられている。また、トップカバー12には、把持するためのハンドル4が配置されていてもよい。
【0075】
以上、本開示の具体的な実施形態について説明したが、これらの説明が例示的なものにすぎず、本開示の技術的範囲が添付の特許請求の範囲によって規定されることを当業者は理解すべきである。当業者は、本開示の原理及び本質から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な変更又は修正を行うことができるが、これらの変更及び修正はすべて本開示の技術的範囲内に入る。
【符号の説明】
【0076】
1:受容容器
2:供給容器
11:受容容器本体
12:トップカバー
13:供給継手
130:供給通路
131:ガイド凸部
133a:底板
135a:貫通孔
14:切断部
21:供給容器本体
22:ネック部
22’:供給容器本体の下部
23:排出口
24:封止部材
25:シールリング
221:ガイド溝
2211:第1並進溝
2213:傾斜溝
2212:第2並進溝
141:刃部
142:径方向接続部
31:患者インタフェース
32:真空インタフェース
4:ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】