(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】電池及びその製造方法、電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/569 20210101AFI20240730BHJP
【FI】
H01M50/569
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504781
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2021138927
(87)【国際公開番号】W WO2023108570
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】伍林山
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA05
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA03
5H043DA27
5H043FA22
5H043FA32
5H043HA06F
5H043HA11F
5H043KA07F
5H043KA09F
5H043KA41F
(57)【要約】
本出願は、電池及びその製造方法、電力消費機器を提供する。電池は、サンプリング装置と第1の方向に配列される少なくとも2つの電池セルとを含み、電池セルの端部に極柱が設置され、電池セルの端部から突出する極柱の延長方向は第1の方向に垂直である。サンプリング装置はサンプリング信号ラインが内蔵されるサンプリング部材を含み、サンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、取り付け部が対応する電池セルの極柱に密着されるように、取り付け部が極柱の側面形状に適合し、サンプリング装置はさらに、サンプリング信号ラインに接続される、取り付け部と極柱とを電気的に接続するための接続部を含む。サンプリング装置と電池セルとの組み立てが完了した後に、サンプリング装置は電池セルの表面から突出しないようにすることができるため、電池セル同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置による電池内の空間への占用を減少し、それにより、電池のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
第1の方向に配列される少なくとも2つの電池セルであって、前記電池セルの端部に極柱が設置され、前記電池セルの端部から突出する前記極柱の延長方向は第1の方向に垂直であるものと、
サンプリング装置であって、前記サンプリング装置はサンプリング信号ラインが内蔵されるサンプリング部材を含み、サンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、前記取り付け部が対応する前記電池セルの前記極柱に密着されるように、前記取り付け部が前記極柱の側面形状に適合し、前記サンプリング装置はさらに、前記サンプリング信号ラインに接続される、前記取り付け部と前記極柱とを電気的に接続するための接続部を含むものとを含むことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記極柱は円筒状のものであり、前記取り付け部は円弧状のものであり、円弧状を呈する前記取り付け部は円筒状を呈する前記極柱に密着されていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記サンプリング装置はさらに両面テープを含み、両面テープの片側は前記取り付け部に貼り付けられ、両面テープの他方側は前記極柱に貼り付けられることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記の各取り付け部に対応する両面テープは二枚であり、前記接続部は二枚の両面テープの間に位置することを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記両面テープは発泡体両面テープであることを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項6】
前記接続部は前記取り付け部と前記極柱とを溶接するためのボンディングパッドであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記ボンディングパッドの第2の方向におけるサイズは前記取り付け部の第2の方向におけるサイズより小さく、第2の方向は第1の方向に垂直であることを特徴とする請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記サンプリング部材はフレキシブル回路基板であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項9】
前記サンプリング装置は、サーミスタをさらに含み、前記サーミスタは熱伝導性構造接着剤により前記ボンディングパッドに接続されることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記サンプリング装置はコネクタをさらに含み、電池は、電池管理システムをさらに含み、前記コネクタは前記電池管理システムと接続するために用いられ、これにより、前記収集装置による収集されたサンプリング信号を前記電池管理システムに伝送することを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電池。
【請求項11】
前記電池セルは複数行に分布され、各行の前記電池セルは少なくとも第2の方向に沿って接続される少なくとも2つの前記電池セルを含み、各行の前記電池セルのうちの前記の各電池セルは直列接続され、
前記サンプリング装置の数は複数であり、各行の前記電池セルに含まれる電池セルの数は前記サンプリング装置の数と等しいことを特徴とする請求項1~10のいずれかい一項に記載の電池。
【請求項12】
電池の製造方法であって、
第1の方向に配列される少なくとも2つの電池セルを提供することであって、前記電池セルの端部に極柱が設置されことと、
サンプリング装置を提供することであって、前記サンプリング装置はサンプリング信号ラインが内蔵されるサンプリング部材を含み、前記サンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、前記取り付け部が極柱に密着されるように、前記取り付け部が前記極柱の側面形状に適合し、前記サンプリング装置はさらに、サンプリング信号ラインに接続されるボンディングパッドを含み、前記ボンディングパッドが前記取り付け部に設置され、前記極柱に溶接されることとを含むことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項13】
電力消費機器であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池を含むことを特徴とする電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、動力電池の分野に関し、特に電池及びその製造方法、電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本部分により提供されたのは、本出願に関連する背景情報に過ぎず、それは、必ずしも従来技術ではない。
【0003】
電池技術の連続的な更新及び市場の進めにより、高エネルギー密度の電池は、例えば、電動車両、船舶などの多くの分野に幅広く適用されている。電池の正常使用を確保するために、電池における電池セルの動作状態をモニタリングする必要がある。電池セルへのモニタリングを実現するために、通常、電池においてサンプリング装置が設置され、それによって、電池セルの動作パラメータ、例えば、電圧、電流、温度などをリアルタイムに測定することができる。関連技術におけるサンプリング装置は、比較的多くの空間を占有するため、電池エネルギー密度のさらなる向上を制限する。
【発明の概要】
【0004】
本出願の目的は、電池及びその製造方法、電力消費機器を提供することであり、電池セルの動作パラメータへのモニタリングを実現する下で、電池のエネルギー密度の向上に有利である。具体的な実現案として、
本出願の第1の様態による実施例は、サンプリング装置と第1の方向に配列される少なくとも2つの電池セルとを含む電池を提供し、電池セルの端部に極柱が設置され、電池セルの端部から突出する極柱の延長方向は第1の方向に垂直であり、サンプリング装置はサンプリング信号ラインが内蔵されるサンプリング部材を含み、サンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、取り付け部が対応する電池セルの極柱に密着されるように、取り付け部が極柱の側面形状に適合し、サンプリング装置はさらに、サンプリング信号ラインに接続される、取り付け部と極柱とを電気的に接続するための接続部を含む。
【0005】
本出願の実施例による電池は、そのサンプリング装置のサンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、取り付け部が対応する電池セルの極柱に密着されるように、取り付け部が極柱の側面形状に適合するとともに、接続部を利用して、取り付け部と電池セルの極柱とを電気的に接続することにより、さらに電気信号を収集することができる。サンプリング装置と電池セルとの組み立てが完了した後に、サンプリング装置は電池セルの表面から突出しないようにすることができるため、電池セル同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置による電池内の空間への占用を減少し、それにより、電池のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【0006】
いくつかの実施例において、極柱は円筒状のものであり、取り付け部は円弧状のものであり、円弧状を呈する取り付け部は円筒状を呈する極柱に密着されている。極柱は円筒状構造であり、取り付け部は極柱の形状に適合する円弧状のものであり、取り付け部の内径は極柱の外径に相当することにより、取り付け部が極柱に密着され、電池のエネルギー領域空間への占用を減少し、電池のエネルギー密度を高めることを容易にする。
【0007】
いくつかの実施例において、サンプリング装置はさらに両面テープを含み、両面テープの片側は取り付け部に貼り付けられ、両面テープの他方側は極柱に貼り付けられる。両面テープでサンプリング装置と電池の極柱極柱とを固定することは、材料コストが低く、重量が軽く、体積も小さいため、電池のエネルギー領域位置を占用しないとともに、電池の組み立てにおいて操作が容易にする。
【0008】
いくつかの実施例において、各取り付け部に対応する両面テープは二枚であり、接続部は二枚の両面テープの間に位置する。二枚の両面テープは接続部の両側に設置されることにより、組み立てる中に、接続部と極柱とをより良好に貼り合わせ固定することができる。
【0009】
いくつかの実施例において、両面テープは発泡体両面テープである。発泡体両面テープは強力な接着性、優れた保持力、強力な耐熱性の利点を備えていて、電池の内部温度環境に適用される。その他、発泡体両面テープは良好な弾性があるため、取り付け部と極柱とを組み立てる過程において、両方の間の寸法公差を吸収することができる。
【0010】
いくつかの実施例において、接続部は取り付け部と極柱とを溶接するためのボンディングパッドである。取り付け部と極柱がボンディングパッドにより溶接固定されることは、接続が強固する効果がある一方、ボンディングパッドはサンプリング装置と極柱とを電気的に接続する役割を果たす。
【0011】
いくつかの実施例において、ボンディングパッドの第2の方向におけるサイズは取り付け部の第2の方向におけるサイズより小さく、第2の方向は第1の方向に垂直である。取り付け部が第2の方向においてボンディングパッドより大きいため、ボンディングパッドは取り付けられる過程において、電池のエンドカバーに誤って接触する状況を回避し、電池セルの外部短絡を回避し、安全上のリスクを低減する。
【0012】
いくつかの実施例において、サンプリング部材はフレキシブル回路基板である。フレキシブル回路基板を採用し、電池の極柱のサイズに対して、現場で成形することができ、手動またはツーリングによって押し下げ貼り合わせられることにより、極柱の形状によりよく適応することができる。
【0013】
いくつかの実施例において、サンプリング装置はさらに、サーミスタを含み、サーミスタは熱伝導性構造接着剤によりボンディングパッドに接続される。サーミスタがボンディングパッドに接続され、サーミスタと極柱との距離がより近いため、熱伝導の過程において過度のエネルギー損失を防ぎ、温度サンプリングをより正確にする。
【0014】
いくつかの実施例において、サンプリング装置はコネクタをさらに含み、電池はさらに、電池管理システムを含み、コネクタは電池管理システムとの接続するために用いられ、これにより、サンプリング装置によって収集されたサンプリング信号を電池管理システムに伝送する。コネクタの一端はサンプリング部材に接続され、他端は電池管理システムに接続され、サンプリング部材によって収集された電気信号を電池管理システムに伝送する。
【0015】
いくつかの実施例において、電池セルは複数列に分布され、各列の電池セルは少なくとも第2の方向に沿って接続される少なくとも2つの電池セルを含み、各列の電池セルのうちの各電池セルは直列接続される。サンプリング装置の数は複数であり、各列の電池セルに含まれる電池セルの数はサンプリング装置の数と等しい。電池セルが直列接続されることは、電池の電圧を高めることができ、電池セルは極柱を介して、電池セルに直列接続され、サンプリング装置は電池セルの間に設置され、各電池セルをサンプリングする。
【0016】
本出願の第2の態様の実施例は、電池の製造方法を提供し、当該方法は、第1の方向に配列される少なくとも2つの電池セルを提供することであって、電池セルの端部に極柱が設置されることと、サンプリング装置を提供することであって、サンプリング装置はサンプリング信号ラインが内蔵されるサンプリング部材を含み、サンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、取り付け部が極柱に密着されるように、取り付け部が極柱の側面形状に適合し、サンプリング装置はさらに、サンプリング信号ラインに接続されるボンディングパッドを含み、ボンディングパッドが取り付け部に設置され、極柱に溶接されることとを含む。
【0017】
本出願の実施例による電池の製造方法により製造された電池は、そのサンプリング装置のサンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、取り付け部が対応する電池セルの極柱に密着されるように、取り付け部が極柱の側面形状に適合するとともに、接続部を利用して、取り付け部と電池セルの極柱とを電気的に接続することにより、さらに電気信号を収集することができる。サンプリング装置と電池セルとの組み立てが完了した後に、サンプリング装置は電池セルの表面から突出しないようにすることができるため、電池セル同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置による電池内の空間への占用を減少し、それにより、電池のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【0018】
本出願の第3の態様の実施例は、電力消費機器を提供し、当該電力消費機器は、上記第1態様のいずれか一つの実施例における電池を含み、ここで、電池は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために使用される。
【0019】
本出願の実施例による電力消費機器に応用される電池は、そのサンプリング装置のサンプリング部材に少なくとも2つの取り付け部が形成され、取り付け部が対応する電池セルの極柱に密着されるように、取り付け部が極柱の側面形状に適合するとともに、接続部を利用して、取り付け部と電池セルの極柱とを電気的に接続することにより、さらに電気信号を収集することができる。サンプリング装置と電池セルとの組み立てが完了した後に、サンプリング装置は電池セルの表面から突出しないようにすることができるため、電池セル同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置による電池内の空間への占用を減少し、それにより、電池のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【0020】
上記の説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術的手段をより明確に理解し、明細書の内容に基づいて実施できるようにし、本出願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明らかで理解しやすくするために、以下、本出願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施例、又は従来技術における技術的解決手段をさらにはっきりと説明するために、次に実施例、又は従来技術の説明において使用されることが必要な図面を簡単に説明するが、次の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は、これらの図面に基づいて、その他の実施例をさらに取得できることは自明である。図面において、
【
図1】本出願の実施例による電池を用いる車両の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の構造概略図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施例による電池とサンプリング装置との組み立て概略図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施例によるサンプリング装置の構造概略図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施例によるサンプリング装置の分解概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を結び付けながら本願の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本願の技術案をより明確に説明するためのものであり、例示に過ぎず、これによって本願の保護範囲が制限されるものではない。
【0023】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、本願の当業者に一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本願を制限することを意図するものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0024】
本願の実施例の説明では、用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別する目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は示唆する、又は指示された技術的特徴の数、特定の順序又は主副関係を暗黙的に示すと理解されない。本願の実施例の説明では、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」は二つ以上を意味する。
【0025】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0026】
本願の実施例の説明において、用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つの場合を表してもよい。また、本文における「/」という文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0027】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数のグループ」は、2つ以上のグループ(2つのグループを含む)を指し、「複数の片」は、2つ以上の片(2つの片を含む)を指す。
【0028】
本願の実施例の説明において、技術用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示された方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本願の実施例の説明の便宜又は説明の簡略化を図るためのものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作される必要があることを指示又は暗示するものではなく、本願の実施例を限定するものと理解されるべきでない。
【0029】
本願の実施例の説明において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語「装着」、「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されていてもよいし、又は一体化されてもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、両素子の内部の連通又は両素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0030】
電池技術の連続的な更新及び市場の進めにより、高エネルギー密度の電池は、例えば、電動車両、船舶などの多くの分野に幅広く適用されている。実際の応用では、各電池セルが完全に同じである可能性はない。電池セル同士には何らかのパラメータのわずかな差異(例えば、電圧、内部抵抗、SOC(荷電状態)など)があるため、使用時間の増加につれて、電池セル同士の差異がますます大きくなる。これらの差異が存在するため、電池セル同士の一致性が低くなり、電池の全体的な性能に影響を与え、例えば、充放電の制御、電力量バランス性の制御など、さらに合理的な制御が行われていない原因で深刻な発火、爆発などの事故をもたらすおそれがある。そのため、電池内において、電池セルをモニタリングするサンプリング装置が設置され、異常を発見した時にタイムリーな制御と処理を行うことができる。
【0031】
関連技術におけるいくつかのサンプリング装置は、電池セルの極柱との電気接続により、電池セルの何らかのパラメータの信号を収集する。収集された信号がフレキシブルフラットケーブル(FFC)又はフレキシブル回路基板(FPC)を介して、電池管理システムに伝送され、それにより、各電池セルに対してパラメータ調整及び制御を行う。
【0032】
発明者は、電池全体のエネルギー密度に対する需要が高まるにつれて、電池セルがそのまま電池のケーシング内に配置される技術は益々幅広く応用されていることに気づいた。このようなモジュール化技術は、モジュールの関連構造を除去し、ケーシング内の横梁構造の設置を除去するために、限られている空間において、より多くの電池セルが配置され、体積エネルギー密度を高めることができる。電池のケーシング内の複数の電池セルは、それぞれ二つの配列方式を用いることができる。一つは、電池セルの電極端子がいずれも外向きに設置されるものであり、例えば、電池の頂部、底部又は側部に設置され、このように、電池の外部のエッジで電池セルの様々な電気接続又はサンプリング処理を行うことができる。もう一つは、電池セルの電極端子の一部が電池の内部にあるものであり、即ち、一部の電池セルは先ず電極端子同士の電気接続により、一列を形成し、この列の電池セルの間に隣接する電池セルの電極端子が対向的に電気接続されている。収容空間内部にある電極端子に対する信号収集は、電池の内部空間の制限で困難になる。
【0033】
従来のいくつかのサンプリング装置は一般的に、プラスチックブラケットと金属製サンプリングリングとを含み、そのサンプリングリングは締まり嵌め組み立て方式で電極端子の極柱に係止され、プラスチックブラケットで支持されることにより、極柱の電気信号の収集と伝送を実現する。しかしながら、このようなサンプリング装置は、比較的多くの空間を占有するため、電池エネルギー密度のさらなる向上を制限する。また、金属製サンプリングリングは、係止され取り付けられる過程において、取り付けが困難で、取り付け効率が低く、取り付けをずれやすいため、極柱と電池セルのトップカバーに接合する場合、電池の外部短絡事故をもたらすおそれがある。
【0034】
発明者は、電池におけるサンプリング装置の上記問題に基づいて、サンプリング部材に電池セルの極柱の側面形状に適合する取り付け部が設置され、続いて接続部を利用して、取り付け部と極柱とを電気的に接続し、複雑な支持部材、金属弾性シート又はワイヤーハーネスなどの構造を除去した新しいサンプリング装置、即ち、本出願のサンプリング装置を研究してきた。組み立てが完了した後に、サンプリング装置は電池セルの表面から突出しないようにすることができるため、電池セル同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置による電池内の空間への占用を減少し、それにより、電池のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【0035】
本願の実施例に開示された電池は、車両、船舶又は航空機などの電力消費装置に用いられてよいが、それらに限定されない。電力消費装置は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動器具、バッテリー車、電気自動車、船舶、宇宙船などであってもよいが、これらに限定されない。ここで、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具、電気飛行機玩具などを含んでもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含んでもよい。
【0036】
図1に示すように、本出願の実施例の電池を使用する、電力消費機器である車両1の構造概略図が示されている。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ40と、コントローラ30と、電池10とが設置されてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ40に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は前部又は後部に電池10を設置することができる。電池10は、車両1への給電に用いることができる。例えば、電池10を車両1の操作電源として、車両1の電気回路システムに用いることができ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いることができる。本願の別の実施例では、電池10は、車両1の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0037】
図2に示すように、本出願の実施例で言及した電池10は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セル200を含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願に言及される電池10には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池10は、一般的には、一つ又は複数の電池セル200をパッケージングするためのケーシング100を含む。ケーシング100は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。具体的に、ケーシング100はケースカバー101とケースハウジング102とを含み、ケースカバー101とケースハウジング102とが係合する。ケースカバー101とケースハウジング102の形状は、複数の電池セル200を組み合わせた形状に応じて決定されてもよい。
【0038】
複数の電池セル200は、極柱を介して直列及び/又は並列に接続されて、多様な応用場面に応用され得る。いくつかの電気自動車などのハイパワー用途の場合、電池の応用は、電池セル、電池モジュール及び電池パックの三つの階層を含む。電池モジュールは、外部の衝撃、熱、振動などから電池セルを保護するために、一定の数の電池セルを電気的に接続して一つのフレームに入れて形成されたものである。電池パックは、電気自動車に装着された電池システムの最終的状態である。電池パックは、一般的には、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするためのケーシングを含む。ケーシングは、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。ケーシングは、一般的に、蓋体とケースで構成される。現在、大部分の電池パックは、一つ又は複数の電池モジュールに電池管理システム(BMS)、熱管理部材などの様々な制御と保護システムを組み立てて製造されたものである。技術の発展に伴い、電池モジュールという階層を省略することができる。即ち、電池セルから直接電池パックを形成する。この点の改善は、電池システムの重量エネルギー密度、体積エネルギー密度を向上させるとともに、部品点数を大幅に減少させる。本出願に言及された電池には、電池モジュール又は電池パックが含まれる。
【0039】
本出願において、電池セル200は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体、又はその他の形状などをなしてもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、円筒型電池セル、直方体角形電池セルとパウチ電池セルの三つの種類に分けられ、本出願の実施例ではこれについても限定しない。
【0040】
図3~5を参照すると、本出願の第1の態様は、サンプリング装置300と第1の方向に配列される少なくとも2つの電池セル200とを含む電池を提供し、電池セル200の端部に極柱210が設置され、電池セル200の端部から突出する極柱210の延長方向は第1の方向に垂直である。サンプリング装置300はサンプリング信号ラインが内蔵されるサンプリング部材310を含み、サンプリング部材310に少なくとも2つの取り付け部320が形成され、取り付け部320が対応する電池セル200の極柱210に密着されるように、取り付け部320が極柱210の側面形状に適合し、サンプリング装置300はさらに、サンプリング信号ラインに接続される、取り付け部320と極柱210とを電気的に接続するための接続部330を含む。
【0041】
電池セル200は電池10を構成する最小単位であり、電池セル200は、エンドカバー、ケース、セルアセンブリ及び他の機能的部品、例えば、絶縁層を含むことができる。エンドカバーとは、ケースの開口をカバーして電池セル200の内部環境を外部環境から隔離するための部材を意味し、ケースは電極アセンブリを収容し電池セル200を形成するための部材であり、ケース内には電解液及び他の部材構造も含まれる。ケースの材質は、種々のものが可能であり、例えば、鉄殻、アルミニウム殻、ステンレススチール殻などであってもよく、電極アセンブリは、電池セル200において電気化学反応が発生する部材である。ケース内には、一つ又は複数の電極アセンブリが含まれてもよい。電極アセンブリは、主に正極板と負極板を捲回又は積層して形成され、一般的には、正極板と負極板との間にセパレータが設けられる。
【0042】
極柱210は電池セル200内外の部材を連通し、極柱210の一端は電池セル200の内部にあるセルアセンブリに接続される。極柱210は電池セル200の端部のエンドカバーから突出してもよく、複数の電池セル200の極柱210を接続することにより、電池セル200の直列接続又は並列接続を実現することができる。
【0043】
電池セル200の端部とは、電池セル200のエンドカバーが位置する箇所を意味する。
【0044】
電池10について、それに含まれる電池セル200が行列の形で配列されてよい。行列の形で配列された電池セル200に対して、「行」と「列」を有する。電池セル200の端部から突出する時の極柱210の延長方向は「列」と定義されれば、「列」の方向に沿って配列される複数の電池セル200は極柱210の対向設置により電気的接続を実現することができる。「列」に垂直する方向は「行」である。本出願の実施例における第1の方向とは、「行」を意味する。
【0045】
サンプリング装置300は電池の電気信号を収集するための装置を指し、電池セル200の電圧又は電流などのパラメータを収集し、収集されたデータを電池管理システムに返送することができる。
【0046】
サンプリング部材310とは、サンプリング装置300において、信号の収集及び収集された電気信号の伝送を具体的に実施する部品を意味する。例えば、サンプリング部材310はフレキシブルフラットケーブル(FFC)又はフレキシブル回路基板(FPC)であってもよく、いずれも信号の収集と伝送が可能なサンプリング信号ラインが内蔵されていた。そのサンプリング信号ラインとは、電気信号を伝送できる様々なワイヤーまたはケーブルを指す。
【0047】
取り付け部320とは、サンプリング部材310の構造の一部を指し、その主な機能は、サンプリング部材310に電池セル200との相対的な位置関係を維持させることである。例えば、取り付け部320は電池セル200の極柱210の側面形状に適合する形状を採用してもよく、それにより、取り付け部320が極柱210と貼り合わせる形態で、サンプリング部材310は、電池セル200との相対的位置の安定性を容易に維持することができる。
【0048】
接続部330はサンプリング部材310におけるサンプリング信号ラインと極柱210との間の電気的接続関係を実現するための構造であり、通常、良好な導電性を有する金属部材であり、例えば、アルミニウム部材、ニッケル部材またはニッケル合金部材などのよく見られるものである。
【0049】
サンプリング装置300が電池に応用される時、サンプリング部材310におけるサンプリング信号ラインは接続部330を介して極柱210に電気的に接続され、電池セル200のパラメータ状態を特徴付けるサンプリング信号は接続部330を介してサンプリング信号ラインによって収集され、サンプリング信号ラインはさらに、サンプリング信号を電池管理システムに伝送する。
【0050】
本出願の実施例による電池は、そのサンプリング装置300のサンプリング部材310に少なくとも2つの取り付け部320が形成され、取り付け部320が対応する電池セル200の極柱210に密着されるように、取り付け部320が極柱210の側面形状に適合するとともに、接続部330を利用して、取り付け部320と電池セル200の極柱210とを電気的に接続することにより、さらに電気信号を収集することができる。サンプリング装置300と電池セル200との組み立てが完了した後に、サンプリング装置300は電池セル200の表面から突出しないようにすることができるため、電池セル200同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置300による電池10内の空間への占用を減少し、それにより、電池10のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【0051】
本出願のいくつかの実施例によれば、引き続き
図3~5を参照すると、極柱210は円筒状のものであり、取り付け部320は円弧状のものであり、円弧状を呈する取り付け部320は円筒状を呈する極柱210に密着されている。
【0052】
極柱210は円筒状構造であり、取り付け部320は極柱210の形状に適応する円弧状のものであり、取付部320の内径は極柱210の外径に相当することにより、取り付け部320が極柱210に密着され、電池10のエネルギー領域空間への占用を減少し、電池10のエネルギー密度を高めることを容易にする。
【0053】
本出願のいくつかの実施例によれば、サンプリング装置300はさらに両面テープ340を含み、両面テープ340の片側は取り付け部320に貼り付けられ、両面テープ340の他方側は極柱210に貼り付けられる。
【0054】
両面テープ340とは両面貼り付け可能なテープを指す。通常、両面テープは紙、布、プラスチックフィルムを基材として、エラストマー型感圧粘着剤または樹脂型感圧粘着剤を上記基材に均一に塗布して作製されたものである。
【0055】
両面テープ340は取り付け部320と極柱210とを組み合わる一面に設置され、取り付け部320が極柱210に取り付けられ、両面テープ340はサンプリング装置300の取り付け部320と極柱210とを予め固定するために用いられ、即ち、接続部330と電池セル200の極柱210とを接続する前に、先ず両面テープ340により取り付け部320が極柱210に固定され、このように、接続部330と極柱210との電気的接続操作が容易にする。その他、両面テープ340でサンプリング装置300と極柱210とを予め固定することは、材料コストが低く、重量が軽く、体積も小さいため、電池10のエネルギー領域位置を占用しないとともに、電池10の組み立てにおいて操作が容易にする。
【0056】
本出願のいくつかの実施例によれば、各取り付け部320に対応する両面テープ340は二枚であり、接続部330は二枚の両面テープ340の間に位置する。
【0057】
二枚の両面テープ340は接続部330の両側に設置されることにより、組み立て中に、接続部330と極柱210とをより良好に貼り合わせ固定することができる。
【0058】
本出願のいくつかの実施例によれば、両面テープ340は発泡体両面テープである。
【0059】
発泡体両面テープはPE発泡体両面テープ、EVA発泡体両面テープ、PU発泡体両面テープ、アクリル発泡体両面テープなどであってもよく、本出願の実施例ではそれを限定しない。
【0060】
発泡体両面テープは強力な接着性、優れた保持力、強力な耐熱性の特性を備えている。また、発泡体両面テープは良好な弾性があるため、取り付け部320と極柱210とを組み立てる過程において、両方の間の寸法公差を吸収することができる。
【0061】
本出願のいくつかの実施例によれば、接続部330は取り付け部320と極柱210とを溶接するためのボンディングパッドである。
【0062】
ボンディングパッドとは、他の電気機器との溶接に専用の部品上の構造である。本出願の実施例では、ボンディングパッドはサンプリング信号ラインと極柱210との溶接のために用いられるものである。ボンディングパッドの形状は、円形、方形などの形状であってもよく、ボンディングパッドの材質はニッケル又はアルミニウムなどであってもよく、本願の実施例ではそれについて限定されない。ボンディングパッドは取り付け部320と極柱210との電気的接続及び電気信号の伝送のために用いられ、レーザ溶接、超音波溶接、はんだ付けなどの様々な溶接プロセスを適用することができる。
【0063】
本出願の実施例による電池には、接続部330はボンディングパッドであり、即ち、取り付け部320と極柱210がボンディングパッドにより溶接固定されることは、接続が強固する効果がある一方、ボンディングパッドはサンプリング装置300と極柱210とを電気的に接続する役割を果たし、このように、サンプリング装置300の構造はより簡略化する。
【0064】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図4を参照すると、ボンディングパッドの第2の方向におけるサイズは取り付け部320の第2の方向におけるサイズより小さく、ここで、第2の方向は第1の方向に垂直である。
【0065】
第2の方向は各行の電池セル200が直列接続される状態での配列方向であり、ボンディングパッドは第2の方向に沿って、取り付け部320の中部に設置される。
【0066】
本出願の実施例による電池には、取り付け部320が第2の方向に沿ってボンディングパッドより大きいため、ボンディングパッドは取り付けられる過程において、電池セル200のエンドカバーと極柱210に同時に接触する状況を回避し、電池セル200の外部短絡を回避し、安全上のリスクを低減する。
【0067】
本出願のいくつかの実施例によれば、サンプリング部材310はフレキシブル回路基板である。
【0068】
フレキシブル回路基板はポリイミドやポリエステルフィルムを基材として、確実性の高いフレキシブルプリント回路基板であり、フレキシブル基板またはFPCと呼ばれ、配線密度が高く、軽量で、厚みが薄いという特徴がある。
【0069】
フレキシブル回路基板を採用し、極柱210のサイズに対して、現場で成形することができ、手動またはツーリングによって押し下げ貼り合わせられることにより、極柱210の形状によりよく適応することができる。
【0070】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図4~5を参照すると、サンプリング装置300はさらに、サーミスタ350を含み、サーミスタ350は熱伝導性構造接着剤によりボンディングパッドに接続される。
【0071】
サーミスタ350は敏感な素子の一種類であり、温度係数の異なるに応じて、正特性サーミスタ(PTC)と負特性サーミスタ(NTC)に分けられる。サーミスタは、温度に敏感で、異なる温度で異なる抵抗値を示すという典型的な特徴がある。正特性サーミスタ(PTC)は温度が高いほど、抵抗値が大きくなり、負特性サーミスタ(NTC)は温度が高いほど、抵抗値が低くなる。
【0072】
電池セル200の温度信号を収集する必要がある場合、サンプリング装置300にはサーミスタ350を設置することもできる。サーミスタ350がボンディングパッドに接続され、このように、サーミスタ350と極柱210との距離がより近く、距離は5mmより小さいため、熱伝導の過程において過度のエネルギー損失を防ぎ、温度サンプリングをより正確にする。
【0073】
本出願のいくつかの実施例によれば、
図3~5を参照すると、サンプリング装置300はコネクタ360をさらに含み、電池10はさらに、電池管理システム(図示せず)を含み、コネクタ360は電池管理システムと接続するために用いられ、これにより、サンプリング装置300による収集されたサンプリング信号を電池管理システムに伝送する。
【0074】
コネクタ360は、サンプリング部材310と電池管理システムとの電気信号伝送関係を確立するための部材を指す。コネクタ360を電池管理システムの信号インターフェースに接続できるように、サンプリング部材310と電池管理システムとの間の電気信号伝送関係を確立するために、コネクタ360は電池管理システムの信号インターフェースに適合する形状を採用する。
【0075】
コネクタ360は一端がサンプリング部材310に接続され、他端が電池管理システムに接続され、サンプリング部材310によって収集された電気信号を電池管理システムに伝送する。
【0076】
本出願のいくつかの実施例によれば、電池セル200は複数行に分布され、各行の電池セル200は少なくとも第2の方向に沿って接続される少なくとも2つの電池セル200を含み、各行の電池セル200のうちの各電池セル200は直列接続される。サンプリング装置300の数は複数であり、各行の電池セル200に含まれる電池セル200の数はサンプリング装置300の数と等しい。
【0077】
電池セル200が直列接続されることは、電池の電圧を高めることができ、電池セル200は極柱210を介して、電池セル200に直列接続され、サンプリング装置300は電池セル200の間に設置され、各電池セル200をサンプリングする。
【0078】
本出願のいくつかの実施例によれば、第1の方向に沿って複数行の電池セル200が設置され、電池セル200の端部に極柱210が設置され、極柱210は円筒状である。第2の方向に沿って、各列の電池セル200は、極柱210によって直列接続された少なくとも二つの電池セル200を有する。第1の方向に沿って、サンプリング装置300は極柱210の直列接続された箇所に応じて、取り付け部320が対応して設置され、取り付け部320の真ん中は第2の方向に沿って取り付け部320のサイズより小さい接続部330であり、取り付け部320は極柱210の形状に適合する円弧状のものであり、取り付け部320は極柱210に貼り合わせ取り付けられ、接続部330は極柱210に電気的に接続され、サンプリング部材310の端部にはコネクタ360を設置し、接続部330によって収集された電気信号をサンプリング部材310におけるサンプリング信号ラインを介してコネクタ360によって電池管理システムに返送する。
【0079】
本出願の実施例による電池は、そのサンプリング装置300のサンプリング部材310に少なくとも2つの取り付け部320が形成され、取り付け部320が対応する電池セル200の極柱210に密着されるように、取り付け部320が極柱210の側面形状に適合するとともに、接続部330を利用して、取り付け部320と電池セル200の極柱210とを電気的に接続することにより、さらに電気信号を収集することができる。サンプリング装置300と電池セル200との組み立てが完了した後に、サンプリング装置300は電池セル200の表面から突出しないようにすることができるため、電池セル200同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置300による電池10内の空間への占用を減少し、それにより、電池10のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。また、接続部330はサイズが取り付け部320より小さいことにより、接続部330は取り付けられる過程において、電池のエンドカバーに誤って接触する状況を回避し、電池セルの外部短絡を回避し、安全上のリスクを低減する。
【0080】
本出願の第2の態様によれば、電池の製造方法を提供し、当該方法は、第1の方向に配列される電池セル200を少なくとも2つ提供することであって、電池セル200の端部に極柱210が設置されることと、サンプリング装置300を提供することであって、サンプリング装置300はサンプリング信号ラインが内蔵されるサンプリング部材310を含み、サンプリング部材310に少なくとも2つの取り付け部320が形成され、取り付け部320が極柱210に密着されるように、取り付け部320が極柱210の側面形状に適合し、サンプリング装置300はさらに、サンプリング信号ラインに接続されるボンディングパッドを含み、ボンディングパッドが取り付け部320に設置され、極柱210に溶接されることとを含む。
【0081】
サンプリング装置300は電池セル200の電気信号を収集するための装置であり、電池セル200の電圧又は電流などのパラメータを収集し、収集されたデータを電池管理システムに返送することができる。サンプリング装置300が極柱210に電気的に接続される必要があり、電池セル200の極柱210の側面から取り付けられるため、極柱210により良好に貼り合わせ取り付けられるように、サンプリング装置300の取り付け部320は極柱210の側面形状に適応する。接続部330は取り付け部320と極柱210とを電気的に接続するためのものであり、サンプリング装置300は電気信号によって電池セル200のパラメータを収集することができる。
【0082】
本出願の実施例による電池の製造方法により製造された電池10は、そのサンプリング装置300のサンプリング部材310に少なくとも2つの取り付け部320が形成され、取り付け部320が対応する電池セル200の極柱210に密着されるように、取り付け部320が極柱210の側面形状に適合するとともに、接続部330を利用して、取り付け部320と電池セル200の極柱210とを電気的に接続することにより、さらに電気信号を収集することができる。サンプリング装置300と電池セル200との組み立てが完了した後に、サンプリング装置300は電池セル200の表面から突出しないようにすることができるため、電池セル200同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置300による電池10内の空間への占用を減少し、それにより、電池10のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【0083】
本出願の第3の態様によれば、電力消費機器を提供し、当該電力消費機器は、上記第1の態様のいずれか一つの実施例における電池を含み、ここで、電池10は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために使用される。
【0084】
本出願の実施例による電力消費機器に応用される電池10は、そのサンプリング装置300のサンプリング部材310に少なくとも2つの取り付け部320が形成され、取り付け部320が対応する電池セル200の極柱210に密着されるように、取り付け部320が極柱210の側面形状に適合するとともに、接続部330を利用して、取り付け部320と電池セル200の極柱210とを電気的に接続することにより、さらに電気信号を収集することができる。サンプリング装置300と電池セル200との組み立てが完了した後に、サンプリング装置300は電池セル200の表面から突出しないようにすることができるため、電池セル200同士の間の余分な空間を十分に活用し、サンプリング装置300による電池10内の空間への占用を減少し、それにより、電池10のエネルギー密度をさらに高めるのに有利である。
【0085】
最後に説明すべきこととして、上記の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではなく、前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前述した各実施例に記載の技術案を依然として変更し、又はそのうちの一部又は全部の技術的特徴を同等に置換することが可能であり、これらの変更又は置換は、対応する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないものであり、本出願の請求の範囲及び明細書の範囲に包含されるべきである。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0086】
車両1、電池10、コントローラ30、モータ40、
ケーシング100、ケースカバー101、ケースハウジング102、電池セル200、極柱210、
サンプリング装置300、サンプリング部材310、取り付け部320、接続部330、両面テープ340、サーミスタ350、コネクタ360。
【国際調査報告】