(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ハイブリッド粉末供給デバイス
(51)【国際特許分類】
B01J 19/08 20060101AFI20240730BHJP
H05H 1/30 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B01J19/08 K
H05H1/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505034
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 US2022038349
(87)【国際公開番号】W WO2023009523
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515084719
【氏名又は名称】シックスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイヘル,ジャレッド
(72)【発明者】
【氏名】コズラウスキー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】レジダル,マッカルーフ
【テーマコード(参考)】
2G084
4G075
【Fターム(参考)】
2G084CC14
4G075AA03
4G075AA27
4G075BA05
4G075CA48
4G075DA02
4G075DA18
4G075EB43
4G075ED15
4G075FA03
(57)【要約】
微粉末処理システムは、ホッパー出口を通して粉末材料を分配するホッパーと、ホッパー出口の下流に配置され、粉末材料を受け取ってプラズマトーチに搬送する供給チャンバとを含む。このシステムは、また、ホッパー出口に配置されたオーガと、供給チャンバのフランジに取り付けられた、機械式バイブレータおよびメッシュスクリーンと、プラズマトーチのプラズマを消すことなく粉末材料を進ませるのに十分なガス流量を提供する、空気圧システムとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粉末を処理するためのシステムであって、
ホッパー出口を通して粉末材料を分配するためのホッパーと、
ホッパー出口の下流に配置されて、粉末材料を受け取り、粉末材料をプラズマトーチに搬送する供給チャンバと、
プラズマトーチのプラズマを消すことなく粉末材料を進ませるのに十分なガス流を提供する空気圧システムと、
ホッパー出口に配置されたオーガと、
供給チャンバのフランジに取り付けられた、機械式バイブレータおよびメッシュスクリーンと
を備える、システム。
【請求項2】
機械式バイブレータが、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
空気圧システムが、10から60までのガス流を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
微粉末をプラズマトーチ中に供給する方法であって、
ホッパーを動作させて、ホッパー出口を通して粉末材料を分配することと、
ホッパー出口に配置されたオーガを回転させて、粉末材料をホッパー出口から供給チャンバに送達することと、
供給チャンバの出口でメッシュスクリーンに接続された機械式バイブレータを振動させて、供給チャンバの出口を通して、計量された量の粉末材料を送達することと、
供給チャンバの出口に接続された空気圧システムを通してガス流を搬送して、供給チャンバの出口からプラズマトーチに粉末材料を搬送することと
を含む、方法。
【請求項5】
プラズマトーチ中への所望の粉末材料の流れを作り出すために、オーガの回転速度、機械式バイブレータの振動の周波数、およびガス流速がそれぞれ選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
機械式バイブレータを振動させることが、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ホッパーを動作させることが、10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する粉末材料を分配することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
微粉末を処理するためのシステムであって、
ホッパー出口を通して粉末材料を分配するためのホッパーと、
ホッパー出口の下流に配置されて、粉末材料を受け取り、粉末材料をプラズマトーチに搬送する供給チャンバと、
空気圧システム、ホッパー出口に配置されたオーガ、または供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスのうちの少なくとも2つを備える、ハイブリッド粉末供給システムと
を備える、システム。
【請求項9】
ハイブリッド粉末供給システムが、空気圧システム、および供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
ハイブリッド粉末供給システムが、空気圧システムと、ホッパー出口に配置されたオーガとを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
ハイブリッド粉末供給システムが、供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスと、ホッパー出口に配置されたオーガとを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
ハイブリッド粉末供給システムが、空気圧システムと、ホッパー出口に配置されたオーガと、供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスとを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
振動メッシュスクリーンデバイスが、供給チャンバのフランジに取り付けられた、機械式バイブレータおよびメッシュスクリーンを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
メッシュスクリーンが、1インチ当たり100から225個までの開口を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
機械式バイブレータが、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
ホッパーが、10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する粉末材料を分配するように設計されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
オーガが、その長さに沿って可変ピッチまたは可変直径を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項18】
空気圧システムが、10から60SCFHアルゴンまでのガス流を提供する、請求項8に記載のシステム。
【請求項19】
ガス流が、プラズマトーチのプラズマを消すことなく、粉末材料を進ませるのに十分である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
空気圧システムが、ホッパーに二次ガス流を提供するための、T字継手および並列ガスラインを備える、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月28日に出願された、「Hybrid Powder Feed Device」という名称の、米国出願第63/226,299号の利益および優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、一般に、プラズマによる材料の処理のために材料をプラズマ中に供給するためのデバイス、システム、および方法に関する。特に、本技術は、空気圧システム、オーガ(auger)、および振動メッシュスクリーンの任意の組合せを使用して、ホッパーからプラズマトーチへ粉末材料を搬送するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
プラズマトーチは、様々な目的に対して高温のプラズマを提供する。一般に、プラズマトーチには、誘導プラズマトーチおよびマイクロ波プラズマトーチを含む、いくつかのタイプがある。その他のタイプのプラズマトーチは、カソードとアノードの間にアーク放電がある直流(DC)プラズマを含み得る。これらのタイプのプラズマトーチは、マイクロ波プラズマが約6,000Kに達し、残りが約10,000Kに達するなど、実質的に異なる高温を提供する。
【0004】
これらの高温プラズマは、プラズマに曝露されるか、またはプラズマ中に供給される、様々な材料の処理を可能にし得る。そのようなタイプの処理の1つは、特定のサイズと形状の1つ以上の材料を取り、それをプラズマに曝露させるか、またはプラズマ中に供給することによって、その1つ以上の材料を異なるサイズおよび/または形状に変化させることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第10,477,665号明細書
【特許文献2】米国特許第8,748,785号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において提供されるのは、プラズマトーチのプラズマ中に材料原料を提供するためのデバイスおよび方法である。一態様によれば、本開示は、微粉末を処理するためのシステムに関する。このシステムは、ホッパー出口を通して粉末材料を分配するためのホッパーと、ホッパー出口の下流に配置されて、粉末材料を受け取り、粉末材料をプラズマトーチに搬送するための供給チャンバとを含む。このシステムは、また、プラズマトーチのプラズマを消すことなく粉末材料を進ませるのに十分なガス流を提供する空気圧システムと、ホッパー出口に配置されたオーガと、供給チャンバのフランジに取り付けられた、機械式バイブレータおよびメッシュスクリーンとを含む。いくつかの実施形態では、機械式バイブレータは、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させる。いくつかの実施形態では、空気圧システムは、10から60までのガス流を提供する。
【0007】
別の態様によれば、本開示は、微粉末をプラズマトーチ中に供給する方法に関する。この方法は、ホッパーを動作させて、ホッパー出口を通して粉末材料を分配することと、ホッパー出口に配置されたオーガを回転させて、粉末材料をホッパー出口から供給チャンバに送達することとを含む。この方法は、供給チャンバの出口でメッシュスクリーンに接続された機械式バイブレータを振動させて、供給チャンバの出口を通して、計量された量の粉末材料を送達することも含む。また、この方法は、供給チャンバの出口に接続された空気圧システムを通してガス流を搬送して、供給チャンバの出口からプラズマトーチに粉末材料を搬送することを含む。いくつかの実施形態では、プラズマトーチへの粉末材料の所望の流れを作り出すために、オーガの回転速度、機械式バイブレータの振動周波数、およびガス流速がそれぞれ選択される。いくつかの実施形態では、機械式バイブレータを振動させることは、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させることを含む。いくつかの実施形態では、ホッパーを動作させることは、10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する粉末材料を分配することを含む。
【0008】
別の態様によれば、本開示は、ホッパー出口を通して粉末材料を分配するためのホッパーと、供給チャンバと、ハイブリッド粉末供給システムとを含む、微粉末を処理するためのシステムに関する。供給チャンバはホッパー出口の下流に配置されて、粉末材料を受け取り、粉末材料をプラズマトーチに搬送する。ハイブリッド粉末供給システムは、空気圧システム、ホッパー出口に配置されたオーガ、または供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスのうちの少なくとも2つを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリッド粉末供給システムは、空気圧システム、および供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリッド粉末供給システムは、空気圧システム、およびホッパー出口に配置されたオーガを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリッド粉末供給システムは、供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイス、およびホッパー出口に配置されたオーガを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリッド粉末供給システムは、空気圧システムと、ホッパー出口に配置されたオーガと、供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスとを含む。いくつかの実施形態では、振動メッシュスクリーンデバイスは、供給チャンバのフランジに取り付けられた、機械式バイブレータおよびメッシュスクリーンを含む。いくつかの実施形態では、メッシュスクリーンは、1インチ当たり100から225個までの開口を有する。いくつかの実施形態では、機械式バイブレータは、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させる。いくつかの実施形態では、ホッパーは、10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する粉末材料を分配するように設計されている。いくつかの実施形態では、オーガは、その長さに沿って可変ピッチまたは可変直径を含む。いくつかの実施形態では、空気圧システムは、10から60SCFHアルゴンまでのガス流を提供する。いくつかの実施形態では、ガス流は、プラズマトーチのプラズマを消すことなく粉末材料を進ませるのに十分である。いくつかの実施形態では、空気圧システムは、ホッパーに二次ガス流を提供するための、T字継手(tee junction)および並列ガスラインを含む。
【0009】
本発明は、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明から、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態による、オーガ、および振動メッシュスクリーンを含む、微粉末を分配するための例示のシステムを示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、供給チャンバのフランジに取り付けられた、例示の機械式バイブレータを示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、供給チャンバのフランジに取り付けることができる、例示のメッシュスクリーンを示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、オーガ、メッシュスクリーンを備えた供給チャンバ、および空気圧システムを含む、微粉末を分配するための別の例示のシステムを示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態による、供給チャンバのファンネル(funnel)に接続された、例示の空気圧システムを示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、粉末材料をプラズマトーチに搬送するための、例示の粉末供給システムを示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、ハイブリッド粉末供給デバイスを使用して粉末材料を分配する方法を示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
デバイスの構造、機能、製造、および使用の原理、ならびに本明細書に開示される方法の全体的な理解を可能にするために、ある例示的な実施形態がここで説明される。これらの実施形態の1つ以上の例が、添付の図面に図解されている。当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に図解されるデバイスおよび方法は、非限定的で例示的な実施形態であること、および本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的実施形態に関連して図解または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。このような修正例および変形例は、本技術の範囲に含めることが意図される。
【0012】
一般に、本技術の態様は、プラズマ処理のための材料供給デバイスに関するデバイス、システムおよび方法を対象としている。いくつかの実施形態では、約10から100ミクロンまでの非常に微細な粉末を含む様々な材料を、プラズマトーチを使用して処理できる。しかしながら、非常に微細な粉末は、良く流動しない可能性があるため、重大な課題が生じる。粒子の流れの減少は、処理システムの動きを妨げ、収量が減少させる可能性がある。このことは、非常に微細な粒子が球状でないときに、特定の問題を引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態において、粉末粒子は、角状粉(angular powder)、角状チップ(angular chips)、不規則な粉末、スポンジ粉など、様々な形態のものであり得る。
【0013】
粒子が凝集すると、それらは、プラズマで適切に処理するには大きくなりすぎる可能性がある。粉末材料濃度(g/cm3)(すなわち、プラズマ中の粒子数)が高すぎると、材料処理に悪影響がある。この条件では、材料の濃度が高いと、利用可能なエネルギーが減少し、プロセスが飽和する。処理を改善する方法の1つは、粒子が凝集するのを防止することである。本明細書に開示されるハイブリッド粉末供給方式は、この問題を解決するのを助けることができる技術である。
【0014】
本明細書に開示される実施形態は、ハイブリッド粉末供給設計を使用して、非常に微細な粉末に対する粒子流を増加させ、微粉末が凝集または結合するのを防止することができる。ハイブリッド粉末供給設計には、粉末材料をホッパーからプラズマトーチに搬送するための以下のシステム:空気圧システム、オーガまたはスクリューフィーダ、および振動メッシュスクリーン、のうちの1つ以上が含まれている。
【0015】
本明細書に開示されるハイブリッド粉末フィーダは、追加の粉末搬送技術と組み合わされて、微粉末をプラズマトーチに搬送するための空気圧システムに対する長年にわたり感じられていた未解決のニーズを解決する。一般的な空気圧システムは、強すぎるガス流を作り、これは、プラズマトーチ内のプラズマを消してしまう。このような微粉末を一定の粉末流で、粒子が凝集することなく搬送するために、空気圧システム、オーガ、および振動メッシュスクリーンのうちの1つ以上の組合せを使用することができる。
【0016】
図1は、本開示の一実施形態による、オーガ103および振動メッシュスクリーン107を含む、微粉末を分配するための例示のシステム100を示す。この実施形態では、システム100は、微粉末材料を分配するためのホッパー101を含む。いくつかの実施形態では、粉末材料は、約10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する、粒子を含むことができる。上述したように、粒子は、角状粉、角状チップ、不規則粉末、スポンジ粉など、様々な形態のものであり得る。
【0017】
オーガ103は、ホッパー出口102に配置されることができ、ホッパー出口の下流に配置された供給チャンバ105に粉末材料を搬送するために、回転することができる。オーガは、いくつかのブレードを含むことができ、その長さに沿って可変ピッチまたは可変直径を有することができる。
【0018】
供給チャンバ105は、1つ以上のフランジを含み、これらは、メッシュスクリーン107および機械式バイブレータ109を固定することができる、フランジを含むことができる。例えば、メッシュスクリーン107は、チャンバの下流端にあるフランジにおいて、供給チャンバ105内に配置することができ、機械式バイブレータ109もフランジ(または、スクリーンおよび供給チャンバに機械的振動を伝達するために、メッシュスクリーン107に近い別の構成要素)に配置または固定することができる。このようにして、オーガ103から供給チャンバ105に堆積された粉末材料を振動させ、メッシュスクリーン107を通して分配することができる。いくつかの実施形態では、メッシュスクリーンは、約100から約225メッシュ(1インチ当たり約100から225の開口)までのスクリーンサイズを有する。別の実施形態では、機械式バイブレータは、約1000から10000Hzの間など、特定の周波数でメッシュスクリーンを振動させる。
【0019】
いくつかの実施形態では、供給チャンバ105からの所望の粉末流量を達成するために、オーガ103の寸法および回転速度、ならびにメッシュスクリーン107のスクリーンサイズおよび/または機械式バイブレータ109の振動周波数を、カスタマイズすることができる。これらのメトリクス(metrics)は、分配される粉末材料のサイズに基づき得、まとめて、または個別にカスタマイズできる。
【0020】
図2は、本開示の一実施形態による、供給チャンバのフランジに取り付けられた、例示の機械式バイブレータ201を示す。
図2は、
図1と比較した、機械式バイブレータの代替設計を図解している。本実施形態では、機械式バイブレータ201は、ボルトおよびネジを使用して供給チャンバのフランジに固定することができる。このようにして、機械的振動を、機械式バイブレータ201から供給チャンバに伝達することができ、次いで、やはり供給チャンバのフランジにおいて固定することができるメッシュスクリーンに、伝達することができる。いくつかの実施形態では、機械式バイブレータ201の振動周波数は、粉末材料サイズ、所望の粉末材料流量、オーガ速度、メッシュスクリーンのスクリーンサイズ、および/または空気圧システムのガス流速に応じて調整することができる。
【0021】
図3は、本開示の一実施形態による、供給チャンバのフランジに取り付けることができる、例示のメッシュスクリーン301を示す。この実施形態では、メッシュスクリーン301は、メッシュスクリーンを供給チャンバのフランジに固定するために使用することができるいくつかのドリル穴を含む。いくつかの実施形態では、メッシュスクリーン301のスクリーンサイズは、粉末材料サイズ、所望の粉末材料流量、オーガ速度、機械式バイブレータの振動周波数、および/または空気圧システムのガス流速に応じて選ぶか、または選択することができる。
【0022】
図4は、本開示の一実施形態による、オーガ403、メッシュスクリーン407を備えた供給チャンバ405、機械式バイブレータ406、および空気圧システムを含む、微粉末を分配するための別の例示のシステム400を示すブロック図である。この実施形態では、オーガ403は、ホッパー401の出口に配置されて、粉末材料を供給チャンバ405に搬送することができる。メッシュスクリーン407および機械式バイブレータ406は、供給チャンバ405の出力におけるファンネル408または円錐断面の上方で供給チャンバ405に固定されている。一実施形態では、ホッパー401、オーガ403、および機械式バイブレータ406は、それぞれ一緒に動作して、供給チャンバ405のファンネル408から、空気圧システムの一次ガスライン415に粉末材料を分配することができる。空気圧システムは、入口ガスライン411、T字継手413、プラズマトーチへの一次ガスライン415、およびホッパー401への並列ガスライン417を含むことができる。なお、
図4では、ガス流方向が破線で示されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、空気圧システムは、プラズマを消すことなく、粉末材料をプラズマトーチへと進ませるのに十分なガス流を、一次ガスライン415を通して提供する。例示のガス流速は、約10から60SCFHアルゴンまでの範囲であり得る。
【0024】
図5は、本開示の一実施形態による、供給チャンバのファンネル508に接続された、例示の空気圧システムを示す。
図5に見られるように、空気圧システムは、入口ガスライン511と、粉末材料をプラズマトーチに導くための一次ガスライン515と、ホッパーへの並列なガスライン517とを含む。空気圧システムを通るガス流速は、いくつかの実施形態では、粉末材料サイズ、所望の粉末材料流量、オーガ速度、機械式バイブレータの振動周波数、および/またはメッシュスクリーンのスクリーンサイズに基づいて選択または調整されることができる。
【0025】
図6は、本開示の一実施形態による、粉末材料をプラズマトーチに搬送するための例示の粉末供給システムを示す。この実施形態では、システムは、上述のように、ホッパーおよびオーガから粉末材料を受け取ることができる、供給チャンバ605を含む。供給チャンバは、例えばバイブレータおよびメッシュスクリーン(図示せず)および空気圧式供給ライン615を使用して、プラズマトーチ602に粉末材料を提供することができる。この実施形態では、マイクロ波プラズマトーチ602が利用され、マイクロ波放射は、導波管601を通してプラズマトーチ602中に運ばれることができる。供給材料は、プラズマチャンバ603中に供給され、マイクロ波で生成されたプラズマ604と接触させることができる。いくつかの実施形態では、マイクロ波で生成されたプラズマは、その各々が引用によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第10,477,665号、および/または米国特許第8,748,785号に記載されているように、マイクロ波プラズマトーチを使用して生成されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、空気圧式供給ライン615、または何らかの他のタイプの粉末供給デバイスを、プラズマチャンバ603、またはプラズマトーチハウジングにマウントすることができる。上述したように、空気圧システムのガス流速は、プラズマプルーム604を消すことなく、微粉末材料をプラズマトーチ603に搬送するのに十分であり得る。
【0027】
図7は、本開示の一実施形態による、ハイブリッド粉末供給デバイスを使用して粉末材料を分配する方法を図解するフローチャートである。動作701において、方法は、ホッパーを動作させて、ホッパー出口を通して粉末材料を分配することによって始まる。いくつかの実施形態では、ホッパーは、約10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する粉末材料を分配することができる。
【0028】
動作703では、ホッパー出口に配置されたオーガを回転させて、粉末材料をホッパー出口から供給チャンバに送達する。いくつかの実施形態では、オーガは、いくつかのブレードを含み、その長さに沿って可変ピッチまたは可変直径を有することができ、粉末材料のサイズに応じて特定の速度で回転させることができる。
【0029】
動作705では、供給チャンバの出口でメッシュスクリーンに接続された機械式バイブレータが振動させられる。機械式バイブレータを振動させることにより、供給チャンバの出口を通して、計量された量の粉末材料を送達することができる。いくつかの実施形態では、機械式バイブレータの振動周波数は、粉末材料サイズ、オーガの速度、所望の粉末流速、および/またはメッシュスクリーンのサイズに応じて設定または調整することができる。
【0030】
動作707では、ガス流が、供給チャンバの出口に接続された空気圧システムを通して搬送される。ガス流は、上記で説明したように、粉末材料を供給チャンバの出口からプラズマトーチに搬送し、粉末材料のサイズ、オーガの速度、所望の粉末流速、および/またはメッシュスクリーンのサイズに基づいて選択または調整されることができる。場合によっては、上述の各メトリクスは、プラズマトーチへの粉末材料の所望の流れを作り出すために、調整するか、または適応させることができる。
【0031】
前述の明細書では、本発明をその特定の実施形態を参照して説明した。しかしながら、本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、種々の修正および変更を加えることができる。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例証的な意味において見なされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粉末を処理するためのシステムであって、
ホッパー出口を通して粉末材料を分配するためのホッパーと、
ホッパー出口の下流に配置されて、粉末材料を受け取り、粉末材料をプラズマトーチに搬送する供給チャンバと、
プラズマトーチのプラズマを消すことなく粉末材料を進ませるのに十分なガス流を提供する空気圧システムと、
ホッパー出口に配置されたオーガと、
供給チャンバのフランジに取り付けられた、機械式バイブレータおよびメッシュスクリーンと
を備える、システム。
【請求項2】
機械式バイブレータが、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
空気圧システムが、10から60SCFHアルゴンまでのガス流を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
微粉末をプラズマトーチ中に供給する方法であって、
ホッパーを動作させて、ホッパー出口を通して粉末材料を分配することと、
ホッパー出口に配置されたオーガを回転させて、粉末材料をホッパー出口から供給チャンバに送達することと、
供給チャンバの出口でメッシュスクリーンに接続された機械式バイブレータを振動させて、供給チャンバの出口を通して、計量された量の粉末材料を送達することと、
供給チャンバの出口に接続された空気圧システムを通してガス流を搬送して、供給チャンバの出口からプラズマトーチに粉末材料を搬送することと
を含む、方法。
【請求項5】
プラズマトーチ中への所望の粉末材料の流れを作り出すために、オーガの回転速度、機械式バイブレータの振動の周波数、およびガス流速がそれぞれ選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
機械式バイブレータを振動させることが、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ホッパーを動作させることが、10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する粉末材料を分配することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
微粉末を処理するためのシステムであって、
ホッパー出口を通して粉末材料を分配するためのホッパーと、
ホッパー出口の下流に配置されて、粉末材料を受け取り、粉末材料をプラズマトーチに搬送する供給チャンバと、
空気圧システム、ホッパー出口に配置されたオーガ、または供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスのうちの少なくとも2つを備える、ハイブリッド粉末供給システムと
を備える、システム。
【請求項9】
ハイブリッド粉末供給システムが、空気圧システム、および供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
ハイブリッド粉末供給システムが、空気圧システムと、ホッパー出口に配置されたオーガとを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
ハイブリッド粉末供給システムが、供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスと、ホッパー出口に配置されたオーガとを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
ハイブリッド粉末供給システムが、空気圧システムと、ホッパー出口に配置されたオーガと、供給チャンバの出口に配置された振動メッシュスクリーンデバイスとを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
振動メッシュスクリーンデバイスが、供給チャンバのフランジに取り付けられた、機械式バイブレータおよびメッシュスクリーンを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
メッシュスクリーンが、1インチ当たり100から225個までの開口を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
機械式バイブレータが、1000から10000Hzまでの周波数でメッシュスクリーンを振動させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
ホッパーが、10から100ミクロンまでのサイズ分布を有する粉末材料を分配するように設計されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
オーガが、その長さに沿って可変ピッチまたは可変直径を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項18】
空気圧システムが、10から60SCFHアルゴンまでのガス流を提供する、請求項8に記載のシステム。
【請求項19】
ガス流が、プラズマトーチのプラズマを消すことなく、粉末材料を進ませるのに十分である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
空気圧システムが、ホッパーに二次ガス流を提供するための、T字継手および並列ガスラインを備える、請求項8に記載のシステム。
【国際調査報告】