(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】磁石アタッチメントを備えた調節可能なベッドアセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A47C 19/02 20060101AFI20240730BHJP
A47C 27/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A47C19/02 Z
A47C27/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505182
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022038851
(87)【国際公開番号】W WO2023009807
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505067070
【氏名又は名称】テンピュール・ワールド・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Tempur World, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ター,アランダ マリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェンタイル,ダーウィン
(72)【発明者】
【氏名】グリース,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マヌシャク,ダイアン
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AC17
(57)【要約】
磁石アタッチメントシステムは、マットレスの下面に固定するための磁石部材と、調節可能なベースの上面に固定するように構成される少なくとも1つの磁石とを含む。磁石部材は、磁石バーを有してもよく、又は柔軟なバーを有してもよく、柔軟なバー上の所定の位置に配置される1つ以上の金属プレートを含む。カバーは、マットレスを取り囲み得、カバーは、マットレスの下面に隣り合っており、磁石部材を受け入れるためのポケットを含み、1つ以上の窓を画定し、それにより、磁石部材がポケットに受け入れられるとき、1つ以上の金属プレートは、窓を介して露出される。調節可能なベッドアセンブリは、マットレスと、磁石アタッチメントシステムと動作可能に接続される調節可能なベースとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面を有するマットレスと、
上面を有する調節可能なベースと、
1つ以上の磁石アタッチメントシステムと
を備える調節可能なベッドアセンブリであって、それぞれの磁石アタッチメントシステムは、
前記マットレスの前記下面に固定するための磁石部材と、
前記調節可能なベースの前記上面に固定されるように構成される少なくとも1つの磁石と
を含む、調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項2】
前記1つ以上の磁石アタッチメントシステムは、
前記マットレス及び前記調節可能なベースの上部分又は中央部分に隣り合って配置される第1磁石アタッチメントシステムと、
前記マットレス及び前記調節可能なベースの足元部分に隣り合って配置される第2磁石アタッチメントシステムと
を含む、請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項3】
前記1つ以上の磁石アタッチメントシステムは、少なくとも2組の磁石を有する、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの磁石は、中央開口部を画定しており、前記少なくとも1つの磁石は、前記中央開口部を通って配置される締結具を使用して前記調節可能なベースに固定される、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの磁石の周囲に配置されるプラスチックシェルをさらに備える、又は前記少なくとも1つの磁石の周囲に配置される金属リングをさらに備える、又は前記少なくとも1つの磁石の周囲に配置されるプラスチックシェルと金属リングの両方をさらに備える、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項6】
前記マットレスは、前記マットレスの前記下面に隣り合っており、前記磁石部材を受け入れるためのポケットを含む、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項7】
前記調節可能なベッドアセンブリは、前記マットレスを取り囲むカバーをさらに備えており、前記カバーは、前記マットレスの前記下面に隣り合っており、前記磁石部材を受け入れるためのポケットを含む、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項8】
前記磁石部材は、磁石バーを有する、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項9】
前記磁石部材は、柔軟なバーを有しており、前記柔軟なバー上の所定の位置に配置される1つ以上の金属プレートを含む、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項10】
前記磁石部材は、柔軟なバーを有しており、前記柔軟なバー上の所定の位置に配置される1つ以上の金属プレートを含んでおり、
前記ポケットは、前記1つ以上の金属プレートの前記所定の位置にそれぞれ対応する1つ以上の窓を画定しており、それにより、前記磁石部材が前記ポケットに受け入れられるとき、前記1つ以上の金属プレートは、前記窓を介して露出される、
請求項6に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項11】
前記調節可能なベッドアセンブリは、前記調節可能なベースの前記上面に固定されるように構成される少なくとも1つの磁石ハウジングをさらに備えており、それぞれの磁石ハウジングは、前記磁石部材を受け入れるように構成される中央チャネルと、前記少なくとも1つの磁石ハウジングの前記中央チャネルに配置される1つ以上の磁石とを含む、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項12】
前記マットレスは、柔軟なフォームマットレスである、
請求項1に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項13】
前記柔軟なフォームは、粘弾性フォームである、
請求項10に記載の調節可能なベッドアセンブリ。
【請求項14】
マットレスの下面に固定するための磁石部材と、
調節可能なベースの上面に固定されるように構成される2組以上の磁石と
を備える磁石アタッチメントシステム。
【請求項15】
それぞれの磁石の周囲に配置されるプラスチックシェルをさらに備える、又はそれぞれの磁石の周囲に配置される金属リングをさらに備える、又はそれぞれの磁石の周囲に配置されるプラスチックシェルと金属リングの両方をさらに備える、
請求項14に記載の磁石アタッチメントシステム。
【請求項16】
前記磁石部材は、磁石バーを有する、
請求項14に記載の磁石アタッチメントシステム。
【請求項17】
前記磁石部材は、柔軟なバーを有しており、前記柔軟なバー上の所定の位置に配置される1つ以上の金属プレートを含む、
請求項14に記載の磁石アタッチメントシステム。
【請求項18】
前記磁石アタッチメントシステムは、前記マットレスを取り囲むカバーをさらに備えており、前記カバーは、前記マットレスの前記下面に隣り合っており、前記磁石部材を受け入れるためのポケットを含んでおり、前記ポケットは、前記1つ以上の金属プレートの所定の位置にそれぞれ対応する1つ以上の窓を画定しており、それにより、前記磁石部材が前記ポケットに受け入れられるとき、前記1つ以上の金属プレートは、前記窓を介して露出される、
請求項17に記載の磁石アタッチメントシステム。
【請求項19】
縦軸と横軸とを有する布パネルを提供するステップと、
前記布パネルを折り畳んで縫製し、前記布パネルの前記横軸に沿って延びるポケットを形成する、ステップと、
前記布パネルを組み込むカバーを形成するステップと、ここで前記カバーは、前記布パネルと共にマットレスを前記マットレスの下面に隣り合って取り囲むように構成されており、
前記ポケット内に磁石部材を挿入するステップと、
上面を有する調節可能なベースと、前記調節可能なベースの前記上面に固定される少なくとも1つの磁石とを提供し、それにより、前記カバーを有する前記マットレスを前記調節可能なベース上に配置するとき、前記磁石部材は、前記マットレスを前記調節可能なベースに固定するために、前記少なくとも1つの磁石に対して配置される、ステップと
を備える調節可能なベッドアセンブリを製造する方法。
【請求項20】
前記ポケットに挿入される前記磁石部材の一部を露出させる複数の切り抜きを前記布パネルに形成するステップをさらに備える、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2021年7月29日に出願された米国仮特許出願第63/227,006号に基づく優先権を主張し、その全体の開示はこれを参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、調節可能なベッドアセンブリに関する。特に、本発明の特定の実施形態は、マットレスを調節可能なベースに固定するための磁石アタッチメントシステムを使用する調節可能なベッドアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
調節可能なベースを使用するベッドアセンブリは、従来のベッドアセンブリに代わるものとして人気が高まっている。硬いボックススプリング又は他の同様のベースを使用する従来のベッドアセンブリとは異なり、調節可能なベースを使用するベッドアセンブリは、ベースを人間工学的に望ましい位置に連接することによって容易に調節され得る。言い換えると、調節可能なベースを連接することにより、使用者は、調節可能なベース上に横たわるマットレスの位置を容易に変更でき、その結果、マットレスの位置を特定の好みに素早く合わせることができ、少なくとも部分的に、睡眠の快適さのレベルを個別化できる。
【0004】
そのようなベッドアセンブリの容易な調節可能な特性にもかかわらず、調節可能なベースを使用すると、ベースの上部に横たわるマットレスの操作が困難になることが頻繁にある。より具体的には、調節可能なベースを使用するベッドアセンブリにおいて、調節可能なベースは多くの場合、ベースの足元部に強固に固定されたリテーナバーを含んでおり、当該リテーナバーは、マットレスをベース上の所定の位置に堅固に保持し、連接時にマットレスがベースから滑り落ちるのを防止する。しかし、そのような硬いリテーナバーの使用において、リテーナバーはまた、マットレスを回転させ、又はマットレスを覆うシーツを交換するために必要となり得ること等のマットレスが容易に操作されることを防ぐよう作用する。さらに、ベッドの足元部に大きな金属製のリテーナバーを使用する美観が望ましくないことに加え、そのようなリテーナバーを調節可能なベースと組み合わせて使用するベッドアセンブリは、マットレスが連接されたときにマットレスが基礎となるベースから分離するという望ましくないマットレスブリッジを頻繁に示す。そのようなベッドアセンブリは、マットレス自体が裂け、リテーナバーを越えて延びていることも頻繁にある。したがって、リテーナバーの使用で直面する望ましくない美観及びその他の問題を伴わずに、マットレスを調節可能なベースに固定できる改良された調節可能なベッドアセンブリは、非常に望ましく有益である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、調節可能なベッドアセンブリと磁石アタッチメントシステムとを含む。特に、本発明の特定の実施形態は、マットレスを調節可能なベースに固定するための磁石アタッチメントシステムを使用する調節可能なベッドアセンブリを含む。
【0006】
本発明の例示的な一実施形態において、調節可能なベッドアセンブリは、下面を有するマットレスと、上面を有する調節可能なベースと、1つ以上の磁石アタッチメントシステムとを含む。それぞれの磁石アタッチメントシステムは、マットレスの下面に固定するための磁石部材と、調節可能なベースの上面に固定されるように構成される少なくとも1つの磁石とを含む。
【0007】
いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上の磁石アタッチメントシステムは、マットレス及び調節可能なベースの上部分又は中央部分に隣り合って配置される第1磁石アタッチメントシステムと、マットレス及び調節可能なベースの足元部分に隣り合って配置される第2磁石アタッチメントシステムとを含む。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上の磁石アタッチメントシステムは、少なくとも2組の磁石を有する。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくとも1つの磁石は、中央開口部を画定しており、少なくとも1つの磁石は、中央開口部を通って配置される締結具を使用して調節可能なベースに固定される。
【0010】
いくつかの例示的な実施形態において、プラスチックシェルは、少なくとも1つの磁石の周囲に配置される、又は金属リングは、少なくとも1つの磁石の周囲に配置される、又はプラスチックシェルと金属リングの両方は、少なくとも1つの磁石の周囲に配置される。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態において、マットレスは、マットレスの下面に隣り合っており、磁石部材を受け入れるためのポケットを含む。いくつかの特定の実施形態において、カバーは、マットレスを取り囲んでおり、カバーは、マットレスの下面に隣り合っており、磁石部材を受け入れるためのポケットを含む。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態において、磁石部材は、磁石バーを有する。他の例示的実施形態において、磁石部材は、柔軟なバーを含んでおり、柔軟なバー上の所定の位置に配置される1つ以上の金属プレートを含む。磁石部材を受け入れるためのポケットも含むいくつかの特定の実施形態において、ポケットは、1つ以上の金属プレートの所定の位置にそれぞれ対応する1つ以上の窓を画定しており、それにより、磁石部材がポケットに受け入れられるとき、1つ以上の金属プレートは、窓を介して露出される。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態において、調節可能なベースの上面に固定されるように構成される少なくとも1つの磁石ハウジングが含まれる。それぞれの磁石ハウジングは、磁石部材を受け入れるように構成される中央チャネルと、少なくとも1つの磁石ハウジングの中央チャネルに配置される1つ以上の磁石とを含む。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態において、マットレスは柔軟なフォームマットレスである。いくつかの特定の実施形態において、柔軟なフォームは、粘弾性フォームである。
【0015】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本明細書の説明、図面、及び非限定的な実施例の考慮の後、当業者に対して明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に従って作られた調節可能なベッドアセンブリに含まれるマットレスの斜視図であり、マットレスの下面のカバーのポケットに配置される磁石バーの形態の2つの磁石部材を示している。
【0017】
【
図2】本発明に従って作られた調節可能なベッドアセンブリに含まれる調節可能なベースの斜視図であり、調節可能なベースの上面に固定される複数の磁石ハウジングを示しており、磁石ハウジングは、それぞれの磁石ハウジングの中央チャネルに1つ以上の磁石を有する。
【0018】
【
図3】本発明に従って作られた磁石アタッチメントシステムの上面図であり、
図2の磁石ハウジングの3つに係合している
図1の磁石バーの1つが分離して示されている。
【0019】
【
図4】
図1で特定される部分の詳細図であり、磁石バーがマットレスの下面のカバー上のポケットから部分的に取り外されている。
【0020】
【
図5】分離して示された
図1の1つの磁石ハウジングの斜視図であり、磁石ハウジングは、磁石ハウジングの中央チャネルに配置される2つの磁石を含む。
【0021】
【
図6】
図3に示された磁石アタッチメントシステムの部分的な分解斜視図であり、1つの磁石バーと1つの磁石ハウジングとの間の接続を示している。
【0022】
【
図7】本発明に従って作られた他の磁石アタッチメントシステムの部分的な分解斜視図である。
【0023】
【
図8】
図7の磁石アタッチメントシステムを組み立てた形態で示す斜視図である。
【0024】
【
図9】本発明に従って作られた他の磁石アタッチメントシステムの部分的な分解斜視図である。
【0025】
【
図10】
図9の磁石アタッチメントシステムを組み立てた形態の一部を示す斜視図である。
【0026】
【
図11】本発明に従って作られた調節可能なベッドアセンブリに含まれる調節可能なベースの上面図であり、実施されている
図9の磁石アタッチメントシステムの2つを示している。
【0027】
【
図12】本発明に従って作られた調節可能なベッドアセンブリに含まれる他の調節可能なベースの斜視図であり、複数の磁石が、介在する磁石ハウジングなしで調節可能なベースの上面に直接固定されている。
【0028】
【
図13】磁石部材を受け入れるためのポケットを有するマットレスカバーの製造に使用される布パネルの斜視図である。
【0029】
【
図14】
図13の布パネルの斜視図であり、ループを形成するために折り畳まれ始めている。
【0030】
【
図15】
図14の布パネルの斜視図であるが、ポケットを形成するために縫われるループを完成させるためにさらに折り畳まれている。
【0031】
【
図16】
図15の布パネルの斜視図であるが、磁石部材の挿入を可能とするためにポケットが平坦にされている。
【0032】
【
図17】マットレスの下面に隣り合う
図16の布パネルを含むカバーを有する他のマットレスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、調節可能なベッドアセンブリ及び磁石アタッチメントシステムを含む。特に、本発明の特定の実施形態は、マットレスを調節可能なベースに固定するための磁石アタッチメントシステムを使用する調節可能なベッドアセンブリを含む。
【0034】
まず概して
図1~
図6を参照すると、本発明の例示的な一実施形態において、下面22を有するマットレス20(
図1参照)と、上面32を有する調節可能なベース30(
図2参照)とを含む調節可能なベースアセンブリが提供されており、それにより、マットレス20が調節可能なベース30上に配置されるときに、マットレス20の下面22は、調節可能なベース30の上面32の上に配置され接触する。マットレス20は、一般に、柔軟なフォームで構成されており、ラテックスフォーム、網状又は非網状の粘弾性フォーム(メモリフォーム又は低反発フォームと呼ばれることもある)、網状又は非網状の非粘弾性フォーム、高反発ポリウレタンフォーム、発泡ポリマフォーム(例えば、発泡エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリエチレン)等の柔軟なフォームを含み得るが、これらに限定されない。
図1~
図6に示される例示的な実施形態において、例えば、マットレスは、圧力がマットレス20全体に均等に分散されるように、低反発性であるが十分な硬さと密度とを有する粘弾性フォームで構成されている。
【0035】
例示的なマットレスにおいて使用される特定の種類の材料(例えばフォーム)にかかわらず、マットレス20が調節可能なベース30上に置かれ、調節可能なベース30が連接されるとき、マットレス20の重量及び/又はマットレス20上に横たわる使用者の重量は、マットレス20を調節可能なベース30の上面32を横切って下方に滑らせる可能性を有する。調節可能なベース30に対するマットレス20のそのような動作を防止するために、本発明の調節可能なベッドアセンブリは、
図3及び
図6に関連して示されており、マットレス20の下面22に固定された磁石部材50で構成される、磁石アタッチメントシステム40を含む。本明細書において使用される「磁石」という用語は、磁場に引き寄せられる材料を指す。例示的な磁石部材50は強磁性材料で構成されているが、他の材料が本発明の磁石部材に使用されることが企図されており、いくつかの実施形態において、永久磁石又は電磁石を含む。磁石アタッチメントシステム40はさらに、調節可能なベース30の上面32に固定される磁石ハウジング60と、磁石ハウジング60に配置される1つ以上の磁石70とを含む。さらに後述されるように、例示的な1つ以上の磁石70は永久磁石であるが、他のいくつかの実施形態において、調節可能なベースに固定される磁石が電磁石であることが企図される。利用される特定の種類の磁石部材及び磁石にかかわらず、マットレス20が調節可能なベース30の上面32の上に配置されるとき、磁石部材50は、マットレス20の下面22上に配置されるそれぞれの磁石ハウジング60における磁石70に隣り合って配置されており、それにより、マットレス20は、調節可能なベース30に固定され、調節可能なベース30に対して滑ることが防止される。したがって、磁石部材及び磁石の形態と構成とはそれぞれ、マットレス20を調節可能なベース30に固定し、滑りを防止するのに十分な引力を提供するように選択される。
【0036】
例示的な調節可能なベッドアセンブリにおいて、次に特に
図1~2を参照すると、マットレス20を調節可能なベース30に効果的に固定するために、調節可能なベースアセンブリは、調節可能なベースアセンブリの上部分12と中央部分14との間に配置される第1磁石アタッチメントシステム40と、調節可能なベースアセンブリの足元部分16に隣り合って配置される第2磁石アタッチメントシステム40とを含む。さらに、この例示的な実施形態において、それぞれの磁石アタッチメントシステム40は、1つの磁石部材50と、それぞれの磁石ハウジング60が1つ又は2つの磁石70を含む3つの磁石ハウジング60とで構成されている。もちろん、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、異なる数の磁石部材、又は異なる数の磁石ハウジング及び/又は磁石を含む追加的又は代替的な磁石アタッチメントアセンブリも、例示的な調節可能なベッドアセンブリに容易に組み込まれ得ることが企図される。例えば、特定の実施形態において、より大きなマットレス(例えばキングサイズ)を調節可能なベースに固定するために、2つ以上の磁石部材及び/又は3つ以上の磁石ハウジング及び付随する磁石が例示的な調節可能なベッドアセンブリに含まれてもよい。あるいは、他の実施形態において、より小さいマットレス(例えば、ツインサイズ)を調節可能なベースに固定するために、2つ未満の磁石部材及び/又は3つ未満の磁石ハウジング及び付随する磁石が例示的な調節可能なベッドアセンブリに含まれてもよい。
【0037】
次に
図1及び
図4を参照すると、この例示的な実施形態における磁石部材50は、細長い固体金属バーの形態であり、マットレス20を包囲するカバー21上のポケット24に磁石部材50をスライドさせることによってマットレス20の下面22に固定される。例示的なカバー21は、ジッパ23を含んでおり、ジッパ23は、磁石アタッチメントシステム40がマットレス20に任意の変更を要求することなく利用され得るように、カバー21をマットレス20から取り外すことを可能とする。しかし、他の実施形態において、ポケット24がマットレスの下面に直接形成されるように、カバーがマットレス自体の一部であることが企図される。明確に示されていないが、他のいくつかの実施形態において、ポケットを使用することなく、磁石部材をマットレス自体に直接貼り付けることができる。そのような実施形態において、カバー又は他の布層は依然として、磁石部材自体を覆って設けられ得る。
【0038】
カバー21の特定の構成にかかわらず、この実施形態において、ポケット24は、磁石部材40をカバー21に固定するために、カバー21を完全に取り囲み包んでいる。しかし、後述されるように、他の実施形態において、ポケットが、磁石部材の特定の一部のみを取り囲んでカバーに固定するが、磁石部材の他の一部を露出させたままとし、それにより、例示的な磁石アタッチメントシステムの、磁石部材と、磁石ハウジング及び関連する磁石との間のより直接的な接触を可能とし得ることが企図される。例えば、ポケットは、磁石部材を取り囲んで固定する分離した別個の部分を有する分割型スリーブの形態となり得、又は、
図13~17を参照して後述されるように、ポケットは、磁石部材の一部を露出させる窓を画定し得る。
【0039】
磁石ハウジングに関して、次に
図2、
図3、
図5及び
図6を参照すると、磁石ハウジング60は概して、十分に硬いプラスチック材料(例えば、ポリプロピレン)又は他の非磁性材料で構成されており、おそらく
図5~
図6に最もよく示されているように、磁石ハウジング60の両側の隆起部分を通って延びる多数の締結具73(例えばねじ)を使用して、調節可能なベース30の上面32に直接固定される。このようにして、磁石ハウジング60は、磁石ハウジング60の全長に延びる中央チャネル62を画定し、中央チャネル62は、中央チャネル62内で且つ磁石70に対して磁石部材50を受け入れて固定するのに十分な幅を有する。
【0040】
磁石70自体に関して、おそらく
図6に最もよく示されているように、磁石70はそれぞれ、中央開口部72を画定しており、中央開口部72は、中央開口部72を通る適切な締結具73を配置することによって、磁石70が磁石ハウジング60及び基礎となる調節可能なベース30に固定されることを可能とする。磁性物と磁石70との間の非特異的な相互作用を低減するために、磁石70の周囲にはさらにプラスチックシェル74と金属リング76とが配置されており、磁石70が締結具73で磁石ハウジング60及び基礎となる調節可能なベース30に固定されることによって、所定の位置に保持される。この点に関して、例示的な磁石アタッチメントシステム40において、磁石70はネオジム磁石であり、磁石アタッチメントシステム40がマットレス20を調節可能なベース30に対して固定するのに十分な強度を有することを可能とするために、それぞれの磁石ハウジング60に最大2つの磁石70が含まれている。磁石の異なる種類と数を含む異なる配置が、特定の用途の必要に応じて、例示的な磁石ハウジング及び磁石アタッチメントアセンブリに容易に含まれ得ることが、さらに企図される。
【0041】
改良点として、次に
図7~
図8を参照すると、本発明の他の実施形態において、
図1~
図6に示された磁石アタッチメントシステム40と同様に、中央チャネル162を含む磁石ハウジング160を含む磁石アタッチメントシステム140が提供されている。磁石アタッチメントシステム140はさらに、磁石170の中央開口部172を通って挿入される締結具173を使用して磁石ハウジング160に固定されており、プラスチックシェル174及び金属リング176に取り囲まれる、磁石170を含む。しかし、
図1~
図7に示された磁石アタッチメントシステム40とは異なり、磁石アタッチメントシステム140に含まれる磁石部材150は、細長い固体金属バーではない。むしろ磁石部材150は、磁石部材150の重量を軽減するために役立つ1つ以上の軽量化穴152を有する細長い金属バーである。
【0042】
なおさらなる改良として、次に
図9~
図11を参照すると、本発明のさらなる実施形態において、
図1~
図8に示されたものと同様に、中央チャネル262を有する磁石ハウジング260と磁石270とを含む他の磁石アタッチメントシステム240が提供されており、磁石270は、磁石270の中央開口部272を通って挿入される締結具73を使用して磁石ハウジング260に固定されており、プラスチックシェル274及び金属リング276に取り囲まれている。しかし、磁石アタッチメントシステム240において、磁石部材250は単に、単一の金属片のみで構成されていない。むしろ、磁石部材250は複数の材料で構成されており、より具体的には、柔軟なプラスチック材料(例えばポリエチレン)で作られたバー252と、柔軟なバー252の全長に沿って所定の位置に配置される1つ以上の金属プレート254とで構成される。このようにして、
図11に示されるように、例示的な調節可能なベッドアセンブリの組み立て時に、金属プレート254はしたがって、金属プレート254が、調節可能なベース230に接続されている基礎となる磁石ハウジング260及び磁石270の位置と整列することが可能となるように、柔軟なバー252上に配置される。さらに、柔軟なバー252を柔軟なプラスチック材料から作ることにより、柔軟なバー252はしたがって、磁石アタッチメントシステム240の重量を減少させるだけでなく、さらに、例示的な調節可能なベッドアセンブリのマットレスが基礎となる調節可能なベースからより容易に解放されることを可能にする総合的な柔軟性をシステムに組み込むように作用する。
図9~
図11に示される実施形態は、金属プレート254を柔軟なバー252に固定するための締結具(例えば、ネジ)を利用しているが、接着、溶接、成形、オーバーモールド等を含む多数の任意の固定手段が企図される。
【0043】
上述された磁石アタッチメントシステム40、140、240のそれぞれは、磁石70、170、270が配置される磁石ハウジング60、160、260を含むが、他のいくつかの実施形態によれば、次に
図12を参照すると、磁石370は、調節可能なベース330の上面332に直接取り付けられる。この例示的な実施形態において、磁石370は、一方の磁石部材(図示せず)と係合するように整列された3組の磁石370と、他方の磁石部材(図示せず)と係合するように整列された2組の磁石370とを伴う、2つのグループに配置されている。もちろん、磁石370の特定の数及び配置は限定されない。数又は配置にかかわらず、例示的な磁石370は、磁石370が調節可能なベース330に固定されることを可能とする中央開口部を備えた上述された磁石70、170、270と同様に構成され、磁石370の周囲にはさらにプラスチックシェルと金属リングとが配置される。
【0044】
次に
図17を参照すると、本発明の他の例示的な実施形態において、
図1に示されるマットレス20と同様に、マットレス420の下面422において磁石部材(図示せず)をカバー421に固定するために使用されるポケット424を有するカバー421を含むマットレス420が提供されている。それぞれのポケット424は、ポケット424の両端にアクセス穴428を画定しており、磁石部材、例えば、上述された磁石部材50、150、250のいずれかがポケット424に挿入されることを可能とする。さらに、前述されたように、例示的なポケット424は、磁石部材の特定の一部を取り囲んでカバーに固定する一方で、ポケット424は、磁石部材の他の一部を露出させたままにして、それによって、例示的な磁石アタッチメントシステムの、磁石部材と関連する磁石との間のより直接的な接触を可能とする。このため、
図17に示されるそれぞれのポケット424はまた、ポケット424に挿入された磁石部材の一部を露出させる複数の窓426を含む。いくつかの実施形態において、窓426の位置は、磁石部材がポケットに受け入れられたときに1つ以上の金属プレートが窓を介して露出されるように、柔軟なバーの全長に沿った所定の位置に配置される金属プレートの所定の位置に対応する。
【0045】
本発明のいくつかの例示的な方法によれば、
図1に示される例示的なマットレス20を参照すると、磁石部材50を受け入れるポケット24は、マットレス20の下面22に隣り合うようにカバー21にポケット24を縫製することによって形成される。この方法によれば、おそらく
図4に最もよく示されているように、得られるポケット24は、磁石部材50がポケット24の中にスライドすることを可能にする開口端を有する。しかし、他のいくつかの実施形態において、次に
図13~17を参照すると、ポケットは、単一の布パネルを折り畳んでループを形成し、次にこれらの折り畳みに沿ってパネルを縫製し、ループを閉じてポケットを形成することによって形成される。有利に、これらの「折り畳み縫製」ポケットは、枢動軸を提供し、調節可能なベースが連接する際に、マットレスが調節可能なベースに対してよりよく適合することを可能にする。さらに、ポケットが縫製線周りに枢動することが可能となることで、マットレスの寿命中におけるポケットの摩耗を低減する。
【0046】
そのような「折り畳み縫製」ポケットを形成する1つの例示的な方法において、特に
図13を参照すると、まず、布パネル480の辺に沿った4組の切り目482a~482dを含む布パネル480が提供される。これらの切り目482a~482dは、さらに後述されるように、布パネル480を横切って延びる対応する縫い線484a~484dの位置合わせに役立つ。縫い線484a~484dは必ずしも見えるものではなく、むしろ対応する切り目482a~482dの間の布パネル480の横軸をわたって延びる想像線であると理解されるべきである。布パネル480はまた、縫い線484a~484dのうちの2本の側で縁取られた複数の大きな切り抜き486と複数の小さな切り抜き488とを画定する。
【0047】
次に
図14を参照すると、布パネル480は、2組の上側の縫い線484a、484b(
図13参照)を互いに向かって第1ループを形成し始めるように折り畳まれ、同様に、2組の下側の縫い線484c、484d(
図13参照)を互いに向かって第2ループを形成し始めるように折り畳まれる。前述されたように、いくつかの実施形態において、縫い線484a~484dは想像上のものであり、実際には見えない。このため、切り目482a~482dは、ループが適切なサイズと位置にあることを確実にするために必要な視覚的及び物理的特定点を提供することが企図される。
【0048】
次に
図15を参照すると、布パネル480の折り畳みは、第1ループが完成し(すなわち、第1組の切り目482aが第2組の切り目482bに隣り合う)、布パネル480が今や接している縫い線484a、484b(
図13参照)に沿って縫われて第1ポケット424を形成するまで、持続される。同様に、第2ループが完成し(すなわち、第3組の切り目482cが第4組の切り目482dに隣り合う)、布パネル480は、今や接している縫い線484c、484d(
図13参照)に沿って縫われて第2ポケット424を形成する。
【0049】
次に
図16を参照すると、ポケット424は、さらに後述されるように、後で磁石部材を挿入できるように平坦にされる。
【0050】
再び
図17を参照すると、布パネル480は、布パネル480と共にマットレス420をマットレス420の下面422に隣り合って取り囲むカバー421に組み込まれる。具体的には、ポケット424の端部は、例えば、カバー421を形成する過程において布パネル480の外周に追加の布片を縫製する又は綴じることによって閉じられる。このため、布パネル480の複数の小さな切り抜き488は、磁石部材(例えば、上述された磁石部材50、150、250)がポケット424に挿入されることを可能とするアクセス穴428を形成する。大きな切り抜き486も同様に、ポケット424に挿入された磁石部材の一部を露出させる窓426を形成する。
【0051】
当業者であれば、本発明の教示又は以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、追加の実施形態も可能であることを認識する。この詳細な説明、特に本明細書に開示された例示的な実施形態の具体的な詳細は、主に理解を明確にするために与えられており、そこから不必要な限定と理解されるべきでなく、修正は、本開示を読むにあたり当業者にとって明らかとなり、特許請求される発明の意図又は範囲から逸脱することなく、行われ得る。
【国際調査報告】