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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】膣挿入のための組成物及び技術
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/10 20170101AFI20240730BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 31/196 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240730BHJP
   A61K 31/5575 20060101ALI20240730BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61K47/10
A61K9/06
A61K45/00
A61P25/04
A61K31/196
A61K47/36
A61K47/12
A61K31/5575
A61P15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505214
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 US2022038234
(87)【国際公開番号】W WO2023009461
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/225,872
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/285,447
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/331,749
(32)【優先日】2022-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509331663
【氏名又は名称】デア バイオサイエンス, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】524033847
【氏名又は名称】フレンド,デイビッド
(71)【出願人】
【識別番号】524033858
【氏名又は名称】キアン,ジェニファー
(71)【出願人】
【識別番号】524033869
【氏名又は名称】パセリ,ニコラス,ジェイ.
(71)【出願人】
【識別番号】524033870
【氏名又は名称】ウォルターズ,マーク
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】フレンド,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】キアン,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】パセリ,ニコラス,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルターズ,マーク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA94
4C076BB30
4C076CC17
4C076DD37
4C076DD37R
4C076DD43
4C076EE23A
4C076FF31
4C084AA17
4C084MA28
4C084MA56
4C084NA12
4C084ZA08
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA01
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA28
4C086MA56
4C086NA12
4C086ZA08
4C086ZA81
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA31
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA48
4C206MA76
4C206NA12
4C206ZA08
(57)【要約】
本開示は、概して、膣挿入のための組成物及び技術に関する。いくつかの実施形態では、比較的粘性であるゲルなどの組成物は、例えば、室温で少なくとも150万cPの粘度で、対象の膣に適用されてもよい。組成物はまた、有効成分、例えば、ジノプロストン、ジクロフェナク、及び/またはそれらの塩を含んでもよい。そのような比較的高い粘度を有する組成物は、例えば、組成物が膣から容易に出る、またはあまりにも速く分解することを防ぐのに有用であり得る。これは、例えば、組成物が、比較的長い期間にわたって有効成分を膣に放出することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、そのような組成物は、その粘度を増加させるため、または組成物にゲルを形成させるなどのために組成物から空気を除去することによって調製されてもよい。加えて、本明細書に記載されるある特定の実施形態は、概して、そのような組成物、そのような組成物を含むキットなどを製造または使用するための技術を対象とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、及び
月経困難症を治療するための有効成分、を含み、
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、前記組成物。
【請求項2】
前記組成物が、ゲルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、室温で少なくとも200万cPの粘度を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、室温で少なくとも300万cPの粘度を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、室温での前記組成物の前記粘度を+/-100,000センチポイズを超えて変化させる他の成分を含有しない、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポロキサマーが10~20重量%で存在する、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポロキサマーの少なくとも90重量%が、ポロキサマー407である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポロキサマーが、Pluronic(登録商標)F-127を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポロキサマーが、9kDa~16kDaの重量平均分子量を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポロキサマーが、以下の構造:
HO-[CH-CH-O]-[CH-CH(CH)-O]-[CH-CH-O]-Hを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
a:bが、2:1~4:1である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
aが、99~103である、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
bが、54~58である、請求項11~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
aが、約101である、請求項11~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
bが、約56である、請求項11~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、5体積%以下の空気を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、1体積%以下の空気を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、実質的に空気を含まない、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、少なくとも1g/cmの密度を有する、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記有効成分が、ジクロフェナク及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記有効成分が、ジクロフェナクカリウムを含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記有効成分が、1~5重量%で存在する、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記安定化ポリマーが、1~5重量%で存在する、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、シトレート及び/またはクエン酸塩をさらに含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸一水和物を含む、請求項27または28に記載の組成物。
【請求項30】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸ナトリウムを含む、請求項27~29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸ナトリウム二水和物を含む、請求項27~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、0.5~2重量%で存在する、請求項27~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物が、ベンジルアルコールをさらに含む、請求項1~32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記ベンジルアルコールが、0.5~5重量%で存在する、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記粘度が、レオメータを使用して決定される、請求項1~34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
前記粘度が、粘度計を使用して決定される、請求項1~35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
対象の膣に、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む組成物を適用することを含み、適用されるとき、前記組成物が少なくとも150万cPの粘度を有する、方法。
【請求項38】
前記有効成分が、プロスタグランジン及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記プロスタグランジンが、ジノプロストン及び/またはその塩を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記対象が、ヒトである、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物が、ゲルである、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項37~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項37~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
アプリケータを介して、前記膣に前記組成物を適用することを含む、請求項37~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む組成物を提供することと、
前記組成物から空気を除去することと、を含む、方法。
【請求項47】
前記有効成分が、プロスタグランジン及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記プロスタグランジンが、ジノプロストン及び/またはその塩を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
空気を除去することが、前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項46~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
空気を除去することが、前記組成物を50mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項46~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
空気を除去することが、前記組成物を40mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項46~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物を前記圧力に少なくとも30分間曝露することを含む、請求項49~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
空気を除去することが、前記組成物を100RPMで遠心分離することを含む、請求項46~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記組成物を少なくとも30分間遠心分離することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記組成物が15体積%以下の空気を含むように、空気を除去することを含む、請求項46~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項46~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項46~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項46~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む組成物を提供することと、
前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露して、ゲルを形成することと、を含む、方法。
【請求項60】
前記有効成分が、プロスタグランジン及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記プロスタグランジンが、ジノプロストン及び/またはその塩を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記ゲルが、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項59~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記ゲルが15体積%以下の空気を含むまで、前記組成物を前記100mbar未満の圧力に曝露することを含む、請求項59~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項59~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項59~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、及び
子宮頸管熟化を誘導するための有効成分、を含み、
前記組成物が、前記ポロキサマー、前記安定化ポリマー、及び前記有効成分を含む組成物を形成することと、前記組成物から空気を除去することと、を含むプロセスによって作製される、前記組成物。
【請求項67】
前記有効成分が、プロスタグランジン及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項66に記載の組成物。
【請求項68】
前記プロスタグランジンが、ジノプロストン及び/またはその塩を含む、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
前記組成物が、ゲルである、請求項66~68のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項70】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項66~69のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項71】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項66~70のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項72】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項66~71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項73】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項66~72のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項74】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、及び
子宮頸管熟化を誘導するための有効成分、を含み、
前記組成物が、前記ポロキサマー、前記安定化ポリマー、及び前記有効成分を含む組成物を形成することと、前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露することと、を含むプロセスによって作製される、前記組成物。
【請求項75】
前記有効成分が、プロスタグランジン及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記プロスタグランジンが、ジノプロストン及び/またはその塩を含む、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記組成物が、ゲルである、請求項74~76のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項78】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項74~77のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項79】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項74~78のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項80】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項74~79のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項81】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項74~80のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項82】
子宮頸管熟化を誘導するための組成物であって、前記組成物の少なくとも90重量%が、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、
子宮頸管熟化を誘導するための有効成分、及び
水、から本質的になる、前記組成物。
【請求項83】
前記有効成分が、プロスタグランジン及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
前記プロスタグランジンが、ジノプロストン及び/またはその塩を含む、請求項82に記載の組成物。
【請求項85】
前記組成物の少なくとも75重量%が水である、請求項82~84のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項86】
前記組成物の少なくとも95重量%が、ポロキサマー407、キサンタンガム、ジノプロストン及び/またはその塩、シトレート及び/またはクエン酸塩、ならびにベンジルアルコールから本質的になる、請求項82~85のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項87】
前記組成物の少なくとも99重量%が、ポロキサマー407、キサンタンガム、ジノプロストン及び/またはその塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、及びベンジルアルコールから本質的になる、請求項82~86のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項88】
前記組成物が、ゲルである、請求項82~87のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項89】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項82~88のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項90】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項82~89のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項91】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項82~90のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項92】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項82~91のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項93】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、及び
子宮頸管熟化を誘導するための有効成分、を含み、
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、前記組成物。
【請求項94】
前記組成物が、ゲルである、請求項93に記載の組成物。
【請求項95】
前記組成物が、室温で少なくとも200万cPの粘度を有する、請求項93または94に記載の組成物。
【請求項96】
前記組成物が、室温で少なくとも300万cPの粘度を有する、請求項93~95のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項97】
前記組成物が、室温での前記組成物の前記粘度を+/-100,000センチポイズを超えて変化させる他の成分を含有しない、請求項93~96のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項98】
前記ポロキサマーが、10~20重量%で存在する、請求項93~97のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項99】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項93~98のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項100】
前記ポロキサマーの少なくとも90重量%が、ポロキサマー407である、請求項93~99のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項101】
前記ポロキサマーが、Pluronic(登録商標)F-127を含む、請求項93~100のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項102】
前記ポロキサマーが、9kDa~16kDaの重量平均分子量を有する、請求項93~101のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項103】
前記ポロキサマーが、以下の構造:
HO-[CH-CH-O]-[CH-CH(CH)-O]-[CH-CH-O]-Hを有する、請求項93~102のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項104】
a:bが、2:1~4:1である、請求項103に記載の組成物。
【請求項105】
aが、99~103である、請求項103または104に記載の組成物。
【請求項106】
bが、54~58である、請求項103~105のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項107】
aが、約101である、請求項103~106のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項108】
bが、約56である、請求項103~107のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項109】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項93~108のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項110】
前記組成物が、5体積%以下の空気を含む、請求項93~109のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項111】
前記組成物が、1体積%以下の空気を含む、請求項93~110のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項112】
前記組成物が、実質的に空気を含まない、請求項93~111のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項113】
前記組成物が、少なくとも1g/cmの密度を有する、請求項93~112のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項114】
前記有効成分が、プロスタグランジン及び/またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項93~113のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項115】
前記有効成分が、1~5重量%で存在する、請求項93~114のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項116】
前記プロスタグランジンが、ジノプロストン及び/またはその塩を含む、請求項114に記載の組成物。
【請求項117】
前記有効成分が、ジクロフェナクナトリウムを含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項118】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項93~117のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項119】
前記安定化ポリマーが、1~5重量%で存在する、請求項93~118のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項120】
前記組成物が、シトレート及び/またはクエン酸塩をさらに含む、請求項93~119のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項121】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸を含む、請求項120に記載の組成物。
【請求項122】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸一水和物を含む、請求項120または121に記載の組成物。
【請求項123】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸ナトリウムを含む、請求項120~122のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項124】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、クエン酸ナトリウム二水和物を含む、請求項120~123のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項125】
前記シトレート及び/またはクエン酸塩が、0.5~2重量%で存在する、請求項120~124のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項126】
前記組成物が、ベンジルアルコールをさらに含む、請求項93~125のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項127】
前記ベンジルアルコールが、0.5~5重量%で存在する、請求項126に記載の組成物。
【請求項128】
前記粘度が、レオメータを使用して決定される、請求項93~127のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項129】
前記粘度が、粘度計を使用して決定される、請求項93~128のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項130】
対象の膣に、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む組成物を適用することを含み、適用されるとき、前記組成物が少なくとも150万cPの粘度を有する、方法。
【請求項131】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記対象が、月経困難症を有する、請求項130または131に記載の方法。
【請求項133】
前記対象が、月経困難症のリスクにある、請求項130~132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
前記対象が、ヒトである、請求項130~133のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
前記組成物が、ゲルである、請求項130~134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項130~135のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項130~136のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項130~137のいずれか1項に記載の方法。
【請求項139】
アプリケータを介して、前記膣に前記組成物を適用することを含む、請求項130~138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項140】
ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、
前記組成物から空気を除去することと、を含む、方法。
【請求項141】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
空気を除去することが、前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項140または141に記載の方法。
【請求項143】
空気を除去することが、前記組成物を50mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項140~142のいずれか1項に記載の方法。
【請求項144】
空気を除去することが、前記組成物を40mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項140~143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項145】
前記組成物を前記圧力に少なくとも30分間曝露することを含む、請求項140~144のいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
空気を除去することが、前記組成物を100RPMで遠心分離することを含む、請求項140~145のいずれか1項に記載の方法。
【請求項147】
前記組成物を少なくとも30分間遠心分離することを含む、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記組成物が15体積%以下の空気を含むように、空気を除去することを含む、請求項140~147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項149】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項140~148のいずれか1項に記載の方法。
【請求項150】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項140~149のいずれか1項に記載の方法。
【請求項151】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項140~150のいずれか1項に記載の方法。
【請求項152】
ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、
前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露して、ゲルを形成することと、を含む、方法。
【請求項153】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記ゲルが、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項152または153に記載の方法。
【請求項155】
前記ゲルが15体積%以下の空気を含むまで、前記組成物を前記100mbar未満の圧力に曝露することを含む、請求項152~154のいずれか1項に記載の方法。
【請求項156】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項152~155のいずれか1項に記載の方法。
【請求項157】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項152~156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項158】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、及び
月経困難症を治療するための有効成分、を含み、
前記組成物が、前記ポロキサマー、前記安定化ポリマー、及び前記有効成分を含む組成物を形成することと、前記組成物から空気を除去することと、を含むプロセスによって作製される、前記組成物。
【請求項159】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項158に記載の組成物。
【請求項160】
前記組成物が、ゲルである、請求項158または159に記載の組成物。
【請求項161】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項158~160のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項162】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項158~161のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項163】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項158~162のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項164】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項165】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、及び
月経困難症を治療するための有効成分、を含み、
前記組成物が、前記ポロキサマー、前記安定化ポリマー、及び前記有効成分を含む組成物を形成することと、前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露することと、を含むプロセスによって作製される、前記組成物。
【請求項166】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項165に記載の組成物。
【請求項167】
前記組成物が、ゲルである、請求項165または166に記載の組成物。
【請求項168】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項165~167のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項169】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項165~168のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項170】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項165~169のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項171】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項165~170のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項172】
月経困難症の治療のための組成物であって、前記組成物の少なくとも90重量%が、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、
月経困難症を治療するための有効成分、及び
水、から本質的になる、前記組成物。
【請求項173】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項172に記載の組成物。
【請求項174】
前記組成物の少なくとも75重量%が水である、請求項172または173に記載の組成物。
【請求項175】
前記組成物の少なくとも95重量%が、ポロキサマー407、キサンタンガム、ジクロフェナク及び/またはその塩、シトレート及び/またはクエン酸塩、ならびにベンジルアルコールから本質的になる、請求項172~174のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項176】
前記組成物の少なくとも99重量%が、ポロキサマー407、キサンタンガム、ジクロフェナク及び/またはその塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、及びベンジルアルコールから本質的になる、請求項172~175のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項177】
前記組成物が、ゲルである、請求項172~176のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項178】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項172~177のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項179】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項172~178のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項180】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項172~179のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項181】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項172~180のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項182】
対象の膣に、室温で少なくとも150万cPの粘度を有するゲルを適用することを含む、方法。
【請求項183】
組成物を単回用量として適用することを含む、請求項182に記載の方法。
【請求項184】
前記組成物を前記対象に一度だけ適用することを含む、請求項182または183に記載の方法。
【請求項185】
前記組成物を前記対象に30日毎に1回以下適用することを含む、請求項182または183に記載の方法。
【請求項186】
組成物であって、
ポロキサマー、及び
安定化ポリマー、を含み、
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、前記組成物。
【請求項187】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、及び
ジクロフェナク、を含み、
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、前記組成物。
【請求項188】
組成物であって、
ポロキサマー、
安定化ポリマー、ならびに
子宮頸管熟化の誘導及び/または月経困難症の治療及び/または原発性月経困難症の治療のための有効成分、を含み、
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、前記組成物。
【請求項189】
前記組成物が、ゲルである、請求項186~188のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項190】
前記組成物が、室温で少なくとも200万cPの粘度を有する、請求項186~188のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項191】
前記組成物が、室温で少なくとも300万cPの粘度を有する、請求項190に記載の組成物。
【請求項192】
前記組成物が、室温での前記組成物の前記粘度を+/-100,000センチポイズを超えて変化させる他の成分を含有しない、請求項186~191のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項193】
前記ポロキサマーが、10~20重量%で存在する、請求項186~192のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項194】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項186~193のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項195】
前記ポロキサマーの少なくとも90重量%が、ポロキサマー407である、請求項186~194のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項196】
前記ポロキサマーが、Pluronic(登録商標)F-127を含む、請求項186~195のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項197】
前記ポロキサマーが、9kDa~16kDaの重量平均分子量を有する、請求項186~196のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項198】
前記ポロキサマーが、以下の構造:
HO-[CH-CH-O]-[CH-CH(CH)-O]-[CH-CH-O]-Hを有する、請求項186~197のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項199】
a:bが、2:1~4:1である、請求項198に記載の組成物。
【請求項200】
aが、99~103である、請求項198または199に記載の組成物。
【請求項201】
bが、54~58である、請求項198~200のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項202】
aが、約101である、請求項198~201のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項203】
bが、約56である、請求項198~202のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項204】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項186~203のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項205】
前記組成物が、5体積%以下の空気を含む、請求項186~204のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項206】
前記組成物が、1体積%以下の空気を含む、請求項186~205のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項207】
前記組成物が、実質的に空気を含まない、請求項186~206のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項208】
前記組成物が、少なくとも1g/cmの密度を有する、請求項186~207のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項209】
対象の子宮頸管熟化を促進するための方法であって、前記対象の膣に、請求項1~36、66~129、158~172、174~181、または186~208のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項210】
対象の月経困難症を治療するための方法であって、前記対象の膣に、請求項1~36、66~129、158~172、174~181、または186~208のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項211】
請求項1~36、66~129、158~172、174~181、または186~208のいずれか1項に記載の組成物を含むキットであって、前記キットが、膣への適用に適したアプリケータを含む、前記キット。
【請求項212】
前記アプリケータが、請求項1~36、66~129、158~172、174~181、または186~208のいずれか1項に記載の組成物で予め充填されている、請求項211に記載のキット。
【請求項213】
前記アプリケータが、請求項1~36、66~129、158~172、174~181、または186~208のいずれか1項に記載の組成物で予め充填されていない、請求項211に記載のキット。
【請求項214】
前記アプリケータを前記膣に挿入するための説明書、及び前記組成物を充填した前記アプリケータを適用することによって、子宮頸管熟化を誘導するための説明書、月経困難症を治療するための説明書、月経過多を治療するための説明書、または子宮頸管熟化を促進するための説明書、のうちの1つ以上をさらに含む、請求項211に記載のキット。
【請求項215】
前記組成物が、前記アプリケータを予め充填するために約4℃の温度にある、請求項212に記載のキット。
【請求項216】
対象の膣に、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を適用することを含み、適用されるとき、前記組成物が、少なくとも150万cPの粘度を有する、方法。
【請求項217】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
前記対象が、月経過多を有する、請求項216または217に記載の方法。
【請求項219】
前記対象が、月経過多のリスクにある、請求項216~218のいずれか1項に記載の方法。
【請求項220】
前記対象が、ヒトである、請求項216~219のいずれか1項に記載の方法。
【請求項221】
前記組成物が、ゲルである、請求項216~220のいずれか1項に記載の方法。
【請求項222】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項216~221のいずれか1項に記載の方法。
【請求項223】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項216~222のいずれか1項に記載の方法。
【請求項224】
前記組成物が、15体積%以下の空気を含む、請求項216~223のいずれか1項に記載の方法。
【請求項225】
アプリケータを介して、前記膣に前記組成物を適用することを含む、請求項216~224のいずれか1項に記載の方法。
【請求項226】
ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、
前記組成物から空気を除去することと、を含む、方法。
【請求項227】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項226に記載の方法。
【請求項228】
空気を除去することが、前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項226または227に記載の方法。
【請求項229】
空気を除去することが、前記組成物を50mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項226~228のいずれか1項に記載の方法。
【請求項230】
空気を除去することが、前記組成物を40mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む、請求項226~229のいずれか1項に記載の方法。
【請求項231】
前記組成物を前記圧力に少なくとも30分間曝露することを含む、請求項226~230のいずれか1項に記載の方法。
【請求項232】
空気を除去することが、前記組成物を100RPMで遠心分離することを含む、請求項226~231のいずれか1項に記載の方法。
【請求項233】
前記組成物を少なくとも30分間遠心分離することを含む、請求項232に記載の方法。
【請求項234】
前記組成物が15体積%以下の空気を含むように、空気を除去することを含む、請求項226~233のいずれか1項に記載の方法。
【請求項235】
前記組成物が、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項226~234のいずれか1項に記載の方法。
【請求項236】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項226~235のいずれか1項に記載の方法。
【請求項237】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項226~236のいずれか1項に記載の方法。
【請求項238】
ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、
前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露して、ゲルを形成することと、を含む、方法。
【請求項239】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項238に記載の方法。
【請求項240】
前記ゲルが、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項238または239に記載の方法。
【請求項241】
前記ゲルが15体積%以下の空気を含むまで、前記組成物を前記100mbar未満の圧力に曝露することを含む、請求項238~240のいずれか1項に記載の方法。
【請求項242】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項238~241のいずれか1項に記載の方法。
【請求項243】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項238~242のいずれか1項に記載の方法。
【請求項244】
ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、
前記組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露して、ゲルを形成することと、を含む、方法。
【請求項245】
前記有効成分が、ジクロフェナクを含む、請求項244に記載の方法。
【請求項246】
前記ゲルが、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する、請求項244または245に記載の方法。
【請求項247】
前記ゲルが15体積%以下の空気を含むまで、前記組成物を前記100mbar未満の圧力に曝露することを含む、請求項244~246のいずれか1項に記載の方法。
【請求項248】
前記ポロキサマーが、ポロキサマー407を含む、請求項244~247のいずれか1項に記載の方法。
【請求項249】
前記安定化ポリマーが、キサンタンガムを含む、請求項244~248のいずれか1項に記載の方法。
【請求項250】
対象の月経過多を治療するための方法であって、前記対象の膣に、請求項1~36、66~129、158~172、174~181、または186~208のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項251】
対象の骨盤痛を治療するための方法であって、前記対象の膣に、請求項1~36、66~129、158~172、174~181、または186~208のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項252】
前記骨盤痛が、一般的な骨盤痛、急性骨盤痛、または慢性骨盤痛である、請求項251に記載の方法。
【請求項253】
前記骨盤痛が、子宮内膜症、腺筋症、排卵痛、卵巣嚢胞痛及び/または骨盤筋関連痛から生じる、請求項251または252に記載の方法。
【請求項254】
前記組成物が、約10時間~約50時間で前記有効成分の約50%を放出する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法または組成物。
【請求項255】
前記組成物が、約30時間~約60時間で前記有効成分の約80%を放出する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法または組成物。
【請求項256】
前記組成物が、約30時間~約80時間で前記有効成分の約100%を放出する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法または組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年7月26日に出願された米国仮出願第63/225,872号、2021年12月2日に出願された米国仮出願第63/285,447号、及び2022年4月15日に出願された米国仮出願第63/331,749号の優先権の利益を主張し、その各々の全容が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、膣挿入のための組成物及び技術に関する。
【背景技術】
【0003】
膣を有する対象において、膣は、例えば、その大きな表面積及び血液供給のため、薬物投与のための重要な経路を表す。局所及び全身送達の両方を含む対象への送達のために、様々な材料を膣に適用することができる可能性がある。しかしながら、膣に適用された材料は、例えば、重力、及び膣分泌物によって、比較的迅速に排出され得る。さらに、膣内の粘膜層は、薬物侵入のための重要な課題を提示する。したがって、膣送達技術の改善が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、概して、膣挿入のための組成物の処置及び技術に関する。本開示の主題は、いくつかの場合では、相互に関連する製品、特定の問題に対する代替的な解法、及び/または1つ以上のシステム及び/または物品の複数の異なる使用を含む。
【0005】
一態様では、本開示は、組成物を対象とする。実施形態の1セットでは、組成物は、ポロキサマー及び安定化ポリマーを含む。組成物は、室温で少なくとも150万cPの粘度を有し得る。
【0006】
実施形態の別のセットでは、組成物は、ポロキサマー、及び安定化ポリマーを含む。組成物は、ポロキサマー及び安定化ポリマーを含む組成物を形成することと、組成物から空気を除去することと、を含むプロセスによって作製され得る。
【0007】
実施形態の別のセットでは、組成物は、ポロキサマー及び安定化ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ポロキサマー及び安定化ポリマーを含む組成物を形成することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露することと、を含むプロセスによって作製される。
【0008】
実施形態の1セットでは、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む。いくつかの場合では、組成物は、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する。
【0009】
実施形態の別のセットでは、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む。いくつかの場合では、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び有効成分を含む組成物を形成することと、組成物から空気を除去することと、を含むプロセスによって作製される。
【0010】
実施形態のさらに別のセットでは、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む。いくつかの場合では、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び有効成分を含む組成物を形成することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露することと、を含むプロセスによって作製される。
【0011】
実施形態のさらに別のセットでは、組成物は、子宮頸管熟化を誘導するための組成物である。いくつかの場合では、組成物の少なくとも90重量%は、ポロキサマー、安定化ポリマー、子宮頸管熟化を誘導するための有効成分、及び水から本質的になる。
【0012】
実施形態の1セットでは、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む。いくつかの場合では、組成物は、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する。
【0013】
実施形態の別のセットでは、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む。いくつかの場合では、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び有効成分を含む組成物を形成することと、組成物から空気を除去することと、を含むプロセスによって作製される。
【0014】
実施形態のさらに別のセットでは、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む。いくつかの場合では、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び有効成分を含む組成物を形成することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露することと、を含むプロセスによって作製される。
【0015】
実施形態のさらに別のセットでは、組成物は、月経困難症の治療のための組成物である。いくつかの場合では、組成物の少なくとも90重量%は、ポロキサマー、安定化ポリマー、月経困難症を治療するための有効成分、及び水から本質的になる。
【0016】
別の態様では、本開示は、方法を対象とする。実施形態の1セットによれば、方法は、対象の膣に、室温で少なくとも150万cPの粘度を有するゲルを適用することを含む。
【0017】
実施形態の別のセットでは、方法は、対象の膣に、ポロキサマー及び安定化ポリマーを含む組成物を適用することを含む。ある特定の実施形態では、組成物は、適用されるとき、少なくとも150万cPの粘度を有する。
【0018】
実施形態の別のセットでは、方法は、ポロキサマー及び安定化ポリマーを含む組成物を提供することと、組成物から空気を除去することと、を含む。
【0019】
実施形態のさらに別のセットでは、方法は、ポロキサマー及び安定化ポリマーを含む組成物を提供することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露して、ゲルを形成することと、を含む。
【0020】
実施形態の1セットでは、方法は、対象の膣に、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む組成物を適用することを含む。いくつかの場合では、組成物は、適用されるとき、少なくとも150万cPの粘度を有する。
【0021】
実施形態の別のセットでは、方法は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む組成物を提供することと、組成物から空気を除去することと、を含む。
【0022】
実施形態のさらに別のセットでは、方法は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び子宮頸管熟化を誘導するための有効成分を含む組成物を提供することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露してゲルを形成することと、を含む。
【0023】
実施形態の1セットでは、方法は、対象の膣に、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む組成物を適用することを含む。いくつかの場合では、組成物は、適用されるとき、少なくとも150万cPの粘度を有する。
【0024】
実施形態の別のセットでは、方法は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、組成物から空気を除去することと、を含む。
【0025】
実施形態のさらに別のセットでは、方法は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経困難症を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露してゲルを形成することと、を含む。
【0026】
特定の状態の予防または治療のために、対象に化合物を投与するいくつかの方法が本明細書に開示される。本開示のそれぞれのそのような態様において、本開示はまた、その特定の状態の治療または予防に使用するための化合物、ならびにその特定の状態の治療または予防のための薬剤の製造のための化合物の使用を具体的に含むことを理解されたい。
【0027】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載される実施形態のうちの1つ以上、例えば、本明細書に記載される組成物を作製する方法を包含する。さらに別の態様では、本開示は、本明細書に記載される実施形態のうちの1つ以上を使用する方法、例えば、本明細書に記載される及び他の適応症の治療のための組成物、を包含する。
【0028】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の組成物を含むキットを提供し、キットは、膣への適用に適したアプリケータを含む。いくつかの実施形態では、アプリケータは、本明細書に記載の組成物で予め充填されている。いくつかの実施形態では、アプリケータは、本明細書に記載の組成物で予め充填されていない。
【0029】
いくつかの実施形態では、キットは、アプリケータを膣に挿入するための説明書、及び組成物またはゲルを充填したアプリケータを適用することによって、子宮頸管熟化を誘導するための説明書、月経困難症を治療するための説明書、月経過多を治療するための説明書、または子宮頸管熟化を促進するための説明書、のうちの1つ以上を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、組成物は、アプリケータを予め充填するために約4℃の温度にある。
【0031】
いくつかの態様では、本明細書では、月経過多を治療するための方法を提供し、方法は、対象の膣に、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を適用することを含み、組成物は、適用されるとき、少なくとも150万cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、有効成分は、ジクロフェナクである。実施形態では、対象は、月経過多を有する。いくつかの実施形態では、対象は、月経過多を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0032】
いくつかの態様では、本明細書では、骨盤痛を治療するための方法を提供し、方法は、対象の膣に、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を適用することを含み、組成物は、適用されるとき、少なくとも150万cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、有効成分は、ジクロフェナクである。いくつかの実施形態では、骨盤痛は、一般的な骨盤痛、急性骨盤痛、または慢性骨盤痛である。例えば、骨盤痛は、子宮内膜症、腺筋症、排卵痛、卵巣嚢胞痛及び/または骨盤筋関連痛に起因し得る。いくつかの実施形態では、対象は、骨盤痛を経験している。実施形態では、対象は、骨盤痛のリスクがある。実施形態では、対象は、一般的な骨盤痛を有する。実施形態では、対象は、急性骨盤痛を有する。実施形態では、対象は、慢性骨盤痛を有する。実施形態では、対象は、子宮内膜症を有する。実施形態では、対象は、腺筋症を有する。実施形態では、対象は、排卵痛を有する。実施形態では、対象は、卵巣嚢胞痛を有する。実施形態では、対象は、卵巣嚢胞を有する。実施形態では、対象は、骨盤筋関連痛を有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、組成物は、ゲルである。実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー407を含む。実施形態では、安定化ポリマーは、キサンタンガムである。
【0034】
実施形態では、組成物は、15体積%以下の空気を有する。
【0035】
実施形態では、方法は、アプリケータを介して膣に組成物を適用することを含む。
【0036】
態様では、本明細書では、月経過多を治療するための方法を提供し、方法は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、組成物から空気を除去することと、を含む。実施形態では、有効成分は、ジクロフェナクである。
【0037】
いくつかの実施形態では、空気を除去することは、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、空気を除去することは、組成物を50mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、空気を除去することは、組成物を40mbar未満の(絶対)圧力に曝露することを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、方法は、組成物を少なくとも30分間圧力に曝露することを含む。実施形態では、空気を除去することは、組成物を100RPMで遠心分離すること、例えば、組成物を少なくとも30分間遠心分離することを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、方法は、組成物が15体積%以下の空気を有するように、空気を除去することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、組成物は、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー407である。実施形態では、安定化ポリマーはキサンタンガムである。
【0041】
実施形態では、本明細書では、月経過多を治療するための方法を提供し、方法は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を含む組成物を提供することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露してゲルを形成することとを含む。
【0042】
実施形態では、有効成分は、ジクロフェナクである。
【0043】
いくつかの実施形態では、ゲルは、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法は、ゲルが15体積%以下の空気を含むまで、組成物を100mbar未満の圧力に曝露することを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー407である。いくつかの実施形態では、安定化ポリマーは、キサンタンガムである。
【0046】
態様では、本明細書では、月経過多を治療するための方法を提供し、方法は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び月経過多を治療するための有効成分を有する組成物を提供することと、組成物を100mbar未満の(絶対)圧力に少なくとも30分間曝露してゲルを形成することとを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、有効成分は、ジクロフェナクである。
【0048】
いくつかの実施形態では、ゲルは、室温で少なくとも150万cPの粘度を有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、方法は、ゲルが15体積%以下の空気を有するまで、組成物を100mbar未満の圧力に曝露することを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー407である。いくつかの実施形態では、安定化ポリマーは、キサンタンガムである。
【0051】
また、対象の膣に本明細書に記載の組成物のいずれかを投与することを含む、対象の月経過多を治療するための方法を本明細書に提供する。
【0052】
本開示の他の利点及び新規の特徴は、添付の図面と併せて考慮すると、本開示の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0053】
本開示の非限定的な実施形態を、添付の図を参照して例示的に説明するが、これらの図は概略的なものであり、縮尺通りに描かれることを意図したものではない。図において、図示される各々の同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には、単一の数字によって表される。明瞭化のために、全ての構成要素が全ての図に表示されているわけではなく、また、当業者が本開示を理解するために図示が必要でない場合には、本開示の各実施形態の全ての構成要素が示されているわけでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本明細書に記載の一実施形態による、温度の関数としての組成物の粘度を示す。
図2】薬物放出対時間(SQRT:平方根)のインビトロ放出試験(IVRT)比較を示すグラフである。
図3】薬物負荷に対する放出速度の回帰モデルを示すグラフである。
図4】1%ゲル組成物の放出プロットを示すグラフである。
図5】1%ゲル組成物の線形時間プロットを示すグラフである。
図6】3%ゲル組成物の放出プロットを示すグラフである。
図7】3%ゲル組成物の線形時間プロットを示すグラフである。
図8】バッチ178003-2201(1%ジクロフェナク、左)、バッチ178003-2202(2%ジクロフェナク、中央)、バッチ178003-2203(3%ジクロフェナク、右)の外観結果を示す画像である。
図9】バッチ178003-2201(1%ジクロフェナク、左)、バッチ178003-2202(2%ジクロフェナク、中央)、バッチ178003-2203(3%ジクロフェナク、右)の200倍の顕微鏡画像である。画像は、API(医薬品有効成分)が低球度の角状結晶棒状材料であることを示した。バッチ178003-2202及び178003-2203は、医薬品においてより高い量のAPI凝集を示した。視覚観察では凝集の兆候は報告されなかった。
図10】熱粘度プロファイル比較を示すグラフである。
図11A】1%ゲル組成物における熱ランプを示すグラフである。
図11B図11Aの熱ランプグラフからのデータを示す表である。
図12A】2%ゲル組成物における熱ランプを示すグラフである。
図12B図12Aの熱ランプグラフからのデータを示す表である。
図13A】3%ゲル組成物における熱ランプを示すグラフである。
図13B図13Aの熱ランプグラフからのデータを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示は、概して、膣挿入のための組成物及び技術に関する。いくつかの実施形態では、ゲルなどの組成物は、比較的粘性であり、例えば、室温で少なくとも150万cPの粘度で、対象の膣に適用され得る。組成物はまた、有効成分、例えば、ジノプロストン、ジクロフェナク、及び/またはそれらの塩を含んでもよい。そのような比較的高い粘度を有する組成物は、例えば、組成物が膣から容易に出る、またはあまりにも速く分解することを防ぐのに有用であり得る。これは、例えば、組成物が比較的長い期間にわたって有効成分を膣に放出することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、そのような組成物は、その粘度を増加させるため、または組成物にゲルを形成させるなどのために組成物から空気を除去することによって調製されてもよい。加えて、本明細書に記載されるある特定の実施形態は、概して、そのような組成物、そのような組成物を含むキットなどを製造または使用するための技術を対象とする。
【0056】
皮膚または表面適用のための組成物とは対照的に、本明細書に記載の組成物は、膣への適用(例えば、粘膜表面)のために製剤化される。膣上皮は、他の皮膚表面と比較して完全に異なる生物物理学的特性を有する。例えば、膣の内層は、(扁平上皮)細胞の複数の層で構成される。基底膜は、上皮-基底層の第1の層の支持体を提供する。中間層は基底層の上にあり、表層は上皮の最外層である。膣組成物の開発において、粘度を含む、追加の要因が考慮される。これは、膣に適用される材料が比較的速く(例えば、重力または膣分泌物によって)排出され得、したがって、膣組成物の粘度(厚さまたは粘着性)が特に関連するためである。また、膣内の粘膜層は、薬物侵入に対して独自の課題を呈し、膣は、正常な子宮分泌物の通過(例えば、膣分泌物のフラッシング)を可能にするように設計されている。これらの課題に照らして、膣組成物の開発は、他の皮膚用途のための組成物の開発と比較して、独自のハードルを呈する。さらに、膣(局所)送達のための組成物を調製及び製剤化する利点は、より低い全身濃度の薬物による全身性副作用がより低いが、罹患した組織への薬物の局所送達による同等またはより良好な症状緩和を含む。
【0057】
本明細書で論じられる一態様は、概して、比較的高い粘度、または流れもしくは変形に対する抵抗を有する組成物を対象とする。いくつかの実施形態では、そのような組成物は、例えば、少なくとも100万cP、300万cP、もしくはそれ以上の粘度、または以下でより詳細に説明するような他の粘度を有してもよい。そのような比較的高い粘度を有する流体は、容易に流れず、いくつかの場合では重力による流れに抵抗することさえあり得る。
【0058】
組成物は、組成物の粘度を増加させることができるポリマーを含有し得る。例えば、ポリマーには、いくつかの場合ではゲルを形成し得るポロキサマーが含まれ得る。さらに、いくつかの場合では、組成物はまたキサンタンガムを含有してもよく、例えば、安定剤または増粘剤としても作用し得、これは粘度を増加させるのに役立ち得る。組成物はまた、好適な期間にわたって組成物から放出され得る、ジノプロストン、ジクロフェナクなどの有効成分を含有してもよい。組成物は、例えば、有効成分の放出が、例えば、本明細書に記載されるような適応症を治療または予防するために所望される場合、対象の膣または別の好適な体腔に適用され得る。様々な実施形態による、これらの組成物及び他の組成物のさらなる詳細は、以下に提供される。
【0059】
比較的高い粘度を含むそのような組成物は、ある特定の実施形態では、組成物が膣(または他の空洞)から容易に出ることを防止し、及び/または適用後の早すぎる分解を防止するために特に有用であり得る。これは、例えば、対象、例えば、対象の膣への有効成分の送達を補助するために使用され得る。例えば、比較的高い粘度を有する流体は、有効成分をよりゆっくりと及び/または均一に放出し得、それによって、有効成分をより長い期間にわたって対象に送達することを可能にし得る。また、粘度が高いほど、膣の自然な排出機能に抵抗することができる。したがって、本明細書でより詳細に考察されるように、有効成分は、例えば、好適に有効な濃度または量で、例えば、少なくとも1日、1週間、またはいくつかの場合ではさらに長い期間にわたって送達されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、例えば、組成物が膣を容易に出ることがないため、対象を治療するために、組成物の単回用量のみが必要とされ得る。
【0060】
非限定的な例として、実施形態の1セットでは、組成物を妊娠中の対象などの対象に送達して、対象の子宮頸管熟化を含んでもよい。いくつかの場合では、組成物を膣に挿入してもよく、ジノプロストンなどの有効成分を、例えば、膣に送達してもよい。これは、例えば、分娩の前または分娩中に、子宮頸管熟化を促進または誘導するために有用であり得る。別の例として、ある特定の実施形態では、組成物は、月経困難症、月経痙攣、月経過多、及び/または骨盤痛を有するか、またはそのリスクがある対象に送達されてもよい。組成物を対象の膣に適用してもよく、ジクロフェナクなどの有効成分を膣に送達してもよい。
【0061】
膣(または他の体腔)に有効成分を送達するための他の技術もまた、比較的高い粘度の流体の使用を含み得るが、これらの流体は、しばしば、室温(例えば、約25℃)でより低い粘度、及び体温(例えば、37℃)でより高い粘度を有するように選択される。例えば、それらは、室温では液体であってもよいが、体温ではゲルになる。加えて、それらは、100万cP以上の高粘度を有さなくてもよく、例として、そのような組成物は、室温で300,000cPの粘度を有してもよく(及び比較的流動性であってもよい)、体温でわずか約800,000cPに増加してもよい。
【0062】
対照的に、本明細書で論じられる組成物は、室温であっても、比較的高い粘度、例えば、100万cP、150万cP以上の粘度を有し得る。そのような組成物は、その高い粘度のために、実際には製造が困難であることに留意されたい。したがって、他のほとんどの技術は、より低い粘度、または室温で少なくとも低い粘度、典型的には100万cPをはるかに下回る粘度のいずれかを有する組成物を使用する。しかしながら、任意の理論に拘束されることを望まないが、例えば、膣への適用時に高い初期粘度を有することは、迅速な症状緩和に驚くほど有用であり得ると考えられる。比較的高い粘度を有する組成物は、すなわち、膣に適用する前に有効成分を失う可能性が低く、したがって、液体または粘性の低い組成物よりも、対象への放出のために有効成分をより容易に保持する。例えば、組成物は、例えば、有効成分による治療を促進するために、膣をよりよく少なくとも部分的に密封してもよい。加えて、比較的高い粘度を有する組成物自体も、より長く膣内に留まり得る。さらに、いくつかの実施形態では、ゲル自体の存在は、有益であり得る、すなわち、ジノプロストン、ジクロフェナクなどの有効成分は存在しなくてもよい。したがって、有効成分が必ずしも必要とされるわけではないことが理解されるべきである。したがって、そのような組成物は、例えば、室温で比較的低い粘度を有する製剤と比較して、より良い症状解決をもたらし得る。
【0063】
そのような高い粘度は、様々な実施形態では、組成物から空気を除去するなどの技術を使用して達成することができ、これは、その粘度を増加させ、及び/またはゲルを形成させ得る。本明細書に記載されるもののいずれかを含む、他の技術も使用され得る。例えば、ある特定の実施形態では、組成物は、例えば、ポロキサマー、有効成分、キサンタンガム、水などを含んで調製されてもよく、組成物は、例えば、組成物を15体積%以下の空気に低減するように、組成物から空気を除去するように処理されてもよい。空気を除去するための技術としては、遠心分離または比較的高い真空、例えば、100mbar未満への曝露などの様々な技術が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、組成物は、上記に記載されるものに限定される必要はなく、他の実施形態では、他の組成物も使用され得ることを理解されたい。かかる組成物の例を次に示す。
【0064】
例えば、いくつかの態様では、組成物は、1つ以上のポロキサマー、キサンタンガム、及び/または別の安定化ポリマー、ならびに本明細書で論じられるもののいずれかなどの有効成分を含んでもよい。水は、いくつかの場合では、例えば組成物がゲルであるように、及び/または本明細書に記載されるように、室温で比較的高い粘度を有するように、存在してもよい。ある特定の実施形態では、他の成分、例えば、シトレート及び/またはクエン酸塩、ベンジルアルコールなども存在し得る。これらは、例えば、賦形剤、防腐剤、抗菌剤、増量剤、安定剤、抗酸化剤、緩衝剤、pH調節剤などとして作用し得る。さらに、いくつかの場合では、組成物の粘度を増加させる他の成分、例えば、ヒアルロン酸、アルギン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの変性セルロースを、ポロキソマーに加えてまたはその代わりに使用してもよい。
【0065】
上述したように、組成物は、実施形態の1セットでは、1つ以上のポロキサマーを含んでもよい。ポロキサマーは、例えば、本明細書に記載されるように、組成物の粘度を増加させるために使用され得る。いくつかの場合では、例えば、室温(約25℃)及び/または体温(約37℃)で、組成物にゲルを形成させるのに十分なポロキサマーが存在してもよい。さらに、いくつかの場合では、組成物はゲル化温度を有してもよいが、ゲル化温度は、生理学的に無関係な範囲であってもよい。例えば、ゲル化温度は、40℃超、または25℃未満であってもよく、したがって、組成物は、通常の生理学的温度または体温で相またはゲルを変化させない。
【0066】
ポロキサマーは、一般に、様々なポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロックコポリマーのいずれかを含む。いくつかの場合では、ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリエチレンオキシド)の2つの親水性鎖に隣接するポリオキシプロピレン(ポリプロピレンオキシド)の中央疎水性鎖から構成される非イオン性ブロックコポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、ポロキサマーは、水及び他の極性及び非極性溶媒に可溶であってもよい。
【0067】
ポリマーブロックの長さは独立してカスタマイズすることができるため、わずかに異なる特性を有する多くの異なるポロキサマーが存在する。例えば、ポルキソキサマーは、以下の構造:
HO-[CH-CH-O]-[CH-CH(CH)-O]-[CH-CH-O]-Hを有し得る。
【0068】
この構造は、典型的には両側にエチレンオキシドサブユニット(上の図では「a」で表される)に隣接する、プロピレンオキシドのコア(上の図では「b」で表される)を含む。2つのaの合計は、例えば、50~500、100~300、150~250、または200であり得る。別の例として、aは、99と103との間、例えば、101であってもよい。実施形態では、bは、例えば、30~100、50~80、60~70、または65であり得る。別の例として、bは、54と58との間、例えば、56であってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、ポロキサマーを形成するエチレンオキシドサブユニットは、プロピレンオキシドサブユニットに対してモル過剰であり得る。例えば、ある特定の実施形態では、エチレンオキシドサブユニット対プロピレンオキシドサブユニット(すなわち、a:b)の比は、例えば、3:1~5:1、または2:1~4:1であり得る。
【0070】
いくつかの好適なポロキサマーは、ポロキサマー407、Pluronic(登録商標)F-127などを含んで市販されており、容易に得ることができる。組成物は、単一のポロキサマー、または2つ以上のタイプのポロキサマーを含んでもよい。いくつかの場合では、組成物内のポロキサマーの少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%は、単一のタイプのポロキサマー、例えば、ポロキサマー407またはPluronic(登録商標)F-127である。
【0071】
ポロキサマーの分子量は、一実施形態では、5kDa~25kDaであってもよい。いくつかの場合では、コポリマーの分子量は、9kDa~16kDaであってもよい。いくつかの場合では、ポロキサマーの分子量は、少なくとも1kDa、少なくとも2kDa、少なくとも3kDa、少なくとも4kDa、少なくとも5kDa、少なくとも7kDa、少なくとも9kDa、少なくとも10kDa、少なくとも15kDa、少なくとも16kDa、少なくとも20kDa、少なくとも25kDa、少なくとも50kDaなどであってもよい。さらに、ある特定の実施形態では、ポロキサマーの分子量は、50kDa以下、25kDa以下、20kDa以下、16kDa以下、15kDa以下、10kDa以下、9kDa以下、5kDa以下、4kDa以下、3kDa以下、2kDa以下、1kDa以下などであり得る。これらのいずれかの組み合わせも可能である。例えば、ポロキサマーは、10kDa~15kDaの分子量を有してもよい。他の非限定的な例として、分子量は、3kDa~5kDa、2kDa~4kDa、5kDa~20kDa、9kDa~16kDaなどであってもよい。分子量は、いくつかの場合において、重量平均分子量として決定されてもよい。
【0072】
ある特定の実施形態では、ポロキサマーは、組成物中に、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%の濃度で存在してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ポロキサマーは、組成物中に、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下などの濃度で存在してもよい。他の実施形態では、これらのうちのいずれかの組み合わせも可能である。例えば、ポロキサマーは、組成物中に、10重量%~20重量%、5重量%~15重量%、15重量%~30重量%などで存在してもよい。
【0073】
一実施形態では、組成物中で使用されるポロキサマーは、Pluronic(登録商標)F-127である。Pluronic(登録商標)F-127では、上記ブロックポリマー構造中の2つのaの合計は200であり得、bは65の値を有し得る。Pluronic(登録商標)F-127では、ポロキサマー中の2つのaの和:bの比(すなわち、a:b)は、2:1~4:1であり得る。表1及び2は、Pluronic(登録商標)F-127の化学組成及び仕様を示す。
【表1】
【表2】
【0074】
さらに、実施形態の1セットでは、組成物は、キサンタンガム、及び/または別の安定化ポリマーを含んでもよい。他の安定化ポリマーの例としては、ヒアルロン酸、アルギン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの改変セルロース、または本明細書に記載されるような他のものが挙げられる。キサンタンガムは一般に、当業者に既知であるように、食品添加物及びレオロジー改質剤として使用される高分子量多糖を指す。さらに、多くのかかるキサンタンガムは、市販されている。キサンタンガムは、非限定的な例として、Xanthomonas campestris細菌によるグルコースまたはスクロースの発酵を伴うプロセスによって生成し得る。いくつかの実施形態では、多糖鎖の骨格は、1位及び4位を介して連結された2つのベータ-D-グルコース単位を有してもよい。側鎖は2つのマンノース及び1つのグルクロン酸で形成されているため、この鎖は5つの糖単位の反復モジュールを有する。側鎖は、3位で骨格の他の全てのグルコースに連結される。末端マンノース単位の約半数は、その4位及び6位にケタールとして連結されたピルビン酸基を有する。他方のマンノース単位は、6つの位置にアセチル基を有する。これらの鎖のうちの2つは、二重らせんを形成するように並べられてもよく、水の粘度付与剤としてのその高効率を説明するかなり剛性のあるロッド構成を与えてもよい。
【0075】
しかしながら、全てのキサンタンガムが正確に上記の分子構成または特性を有するわけではなく、キサンタンガムは、例えば、キサンタンガムの供給源、特に異なる生物学的供給源に応じて、分子組成が変化し得ることを理解されたい。加えて、キサンタンガムの代わりに(またはそれに加えて)他の安定化ポリマー、例えば、KELTROL(登録商標)BT及び/またはKELTROL(登録商標)RD、KELZAN(登録商標)XC、KELZAN(登録商標)XCD、KELZAN(登録商標)D、KELZAN(登録商標)CC、XANTURAL(登録商標)180、XANTURAL(登録商標)75などを使用することができ、これらの全ては様々な供給業者から商業的に入手することができる。
【0076】
キサンタンガムまたは他の安定化ポリマーの分子量は変化し得る。例えば、キサンタンガムまたは他の安定化ポリマーは、任意の好適な分子量、例えば、少なくとも約100万、少なくとも約200万、少なくとも約500万、少なくとも約1000万、少なくとも約2500万、または少なくとも約5000万を有し得る。他の実施形態では、分子量は、例えば、それがどのように調製されるかなどの様々な要因に応じて、約100万~5000万に変化し得る。いくつかの実施形態では、分子量は、例えば、ブルックフィールド粘度計または他の好適なデバイスによって測定された場合、約100万~約2500万の範囲であり得る。さらに他の実施形態では、分子量は、例えば、1、2、3、4、もしくは5(+/-0.5)百万、または6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、21、22、23、24、もしくは25(+/-2)百万であり得る。さらに他の分子量も可能である。
【0077】
キサンタンガム(及び/または別の安定化ポリマー)は、組成物内に、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも7.5重量%、少なくとも8重量%、少なくとも8.5重量%、少なくとも9重量%、少なくとも9.5重量%、少なくとも10重量%などの濃度で存在し得る。さらに、いくつかの場合では、キサンタンガム及び/または他の安定化ポリマーは、10重量%以下、9.5重量%以下、9重量%以下、8.5重量%以下、8重量%以下、7.5重量%以下、7重量%以下、6.5重量%以下、6重量%以下、5.5重量%以下、5重量%以下、4.5重量%以下、4重量%以下、3.5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.5重量%以下、1重量%以下、0.8重量%以下、0.6重量%以下、0.4重量%以下、0.2重量%以下などで存在し得る。さらに、特定の例では、これらの範囲のいずれかの組み合わせも可能である。例えば、キサンタンガム及び/または他の安定化ポリマーは、1重量%~5重量%、0.5重量%~2重量%、0.5重量%~5重量%、0.5重量%~2重量%などで存在してもよい。
【0078】
実施形態の1セットでは、組成物はまた、有効成分を含んでもよい。有効成分は、本明細書に記載される状態のいずれかを治療するのに適したものであってもよい。例えば、有効成分は、有効成分が膣または別の好適な体腔に送達されるときの状態の対象の治療に好適なものであってもよい。いくつかの実施形態では、有効成分は、治療有効量で存在する。1つまたは2つ以上の有効成分が、実施形態に応じて使用されてもよい。
【0079】
例えば、ある特定の実施形態では、有効成分は、例えば、分娩の前または分娩中に、子宮頸管熟化を促進または誘導するのに好適なものであってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような組成物は、例えば、子宮頸部の開口を誘導または促進するために、対象の膣に挿入され得る。一実施形態では、例えば、組成物は、有効成分としてジノプロストン及び/またはその塩を含有してもよい。しかしながら、他の実施形態では、他の好適な有効成分としては、限定するものではないが、ミソプロストール、ミフェプリストン、リラキシン、オキシトシンなどのプロスタグランジン、及び/またはそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0080】
実施形態の別のセットでは、有効成分は、月経困難症または月経痙攣を有するか、またはそのリスクがある対象を治療するのに好適なものであってもよい。いくつかの場合では、本明細書に記載されるような組成物を対象の膣に挿入することができる。有効成分は、対象を治療するために組成物から放出されてもよい。一実施形態では、例えば、組成物は、有効成分としてジクロフェナク及び/またはその塩、例えば、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウムなどを含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、他の好適な有効成分としては、イブプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナメート、メフェナム酸、カミロフィン、セレコキシブ、デキシブプロフェン、エストロピペート、フルルビプロフェン、レボノルゲステレル、ナプロキセン、ニメスリド、ノルゲスチメート、及びエチニルエストラジオール、サリチル酸トロラミン、バルデコキシブ、バレタメートなど、及び/またはそれらの薬学的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
実施形態のさらに別のセットでは、有効成分としては、リンコマイシン、メトロニダゾール、クロトリマゾール、セクニダゾール、オルニダゾール、チニダゾール、プロバイオティクス、ホウ酸など、及び/またはそれらの薬学的に許容される塩が挙げられ得るが、これらに限定されない。薬学的製剤はまた、特定の場合において、有効成分として抗生物質を含んでもよい。実施形態の別のセットでは、有効成分は、例えば、対象への局所的または全身的な送達のために、膣に送達され得る成分であり得る。いくつかの実施形態では、有効成分は、本明細書に記載の組成物、例えば、ゲル内に溶解及び/または懸濁することができる任意の有効成分であり得る。例えば、有効成分は、少なくとも部分的に水溶性なものであってもよい。ゲルは、例えば、本明細書で論じられるように、比較的粘性であってもよい。好適な有効成分の非限定的な例としては、リドカイン、ヒドロコルチゾン、プロゲステロン、ミソプロストール、メトロニダゾール、ケトコナゾール、クロベタゾール、アシクロビル、ミコナゾール、ノノキシノール-9、乳酸菌、チニダゾール、ブトコナゾール、フルシトシン、グリセロールモノラウレート(GML)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
塩が存在する場合、いくつかの実施形態では、塩は、薬学的に許容される塩であり得る。薬学的に許容される塩としては、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく対象(例えば、ヒト)の組織と接触して使用するのに好適であり、妥当なベネフィット/リスク比に見合ったものが挙げられる。薬学的に許容される塩はまた、一般に安全であり、非毒性であり、生物学的にも他にも望ましくないものではなく、ヒトの薬学的使用に許容されるものを含む塩であってもよい。薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩としては、好適な無機及び有機酸及び塩基に由来するものが挙げられる。薬学的に許容される非毒性酸塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸などの有機酸、またはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN(C1~4アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩としては、適切な場合、第四級塩が挙げられる。
【0083】
いくつかの場合では、有効成分は、任意の好適な期間にわたって組成物から放出されてもよい。例えば、治療有効量の有効成分は、1~21日間放出されてもよい。いくつかの場合では、治療有効量の有効成分は、投与後、最大約1~7日、約5もしくは15日、または約8~29日間放出され得る。さらに他の例として、有効成分は、対象に適用した後、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30日以上、組成物から治療有効量で放出され得る。いくつかの実施形態では、対象への組成物の単回適用のみが必要とされ得る。しかしながら、他の実施形態では、組成物は、例えば、本明細書で論じられる時間の長さのいずれかによって分離された適用において、2回以上対象に適用されてもよい。
【0084】
例えば、いくつかの場合では、tmax、または(組成物による放出によって)有効成分の最大濃度が膣内に存在する時間は、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日など、または上記のような他の時間であってもよい。加えて、いくつかの実施形態では、tmaxは、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、または2日未満であってもよい。これらのいずれかの組み合わせも可能であり、例えば、tmaxは1日~3日、または4日~6日などであってもよい。任意の理論に拘束されることを望まないが、これは、組成物の比較的高い粘度及び/または組成物からのより遅い放出動力学に起因し得ると考えられる。
【0085】
有効成分は、任意の好適な濃度で組成物内に存在してもよい。例えば、有効成分は、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも7.5重量%、少なくとも8重量%、少なくとも8.5重量%、少なくとも9重量%、少なくとも9.5重量%、少なくとも10重量%などで存在し得る。さらに、いくつかの場合では、有効成分は、10重量%以下、9.5重量%以下、9重量%以下、8.5重量%以下、8重量%以下、7.5重量%以下、7重量%以下、6.5重量%以下、6重量%以下、5.5重量%以下、5重量%以下、4.5重量%以下、4重量%以下、3.5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.5重量%以下、1重量%以下、0.8重量%以下、0.6重量%以下、0.4重量%以下、0.2重量%以下などで存在し得る。さらに、特定の例では、これらの範囲のいずれかの組み合わせも可能である。例えば、有効成分は、1重量%~5重量%、0.5重量%~2重量%、0.5重量%~5重量%などで存在し得る。
【0086】
さらに、ある特定の実施形態によれば、組成物は、長期間にわたって有効成分を放出し得る。いくつかの場合では、これは、特定の期間後、例えば、1日後、2日後、3日後など、膣の粘液中の有効成分の濃度を決定することによって決定され得る。例えば、実施形態の1セットでは、有効成分の濃度は、少なくとも100マイクログラム/g、少なくとも200マイクログラム/g、少なくとも300マイクログラム/g、少なくとも400マイクログラム/g、少なくとも500マイクログラム/g、少なくとも600マイクログラム/g、少なくとも700マイクログラム/gなどであり得る。粘液は、例えば、スワブ、または当業者に既知の他の技術を使用してサンプリングされてもよい。
【0087】
さらに、ある特定の実施形態によれば、組成物は、長期間にわたって有効成分を放出し得る。いくつかの場合では、これは、特定の期間後、例えば、1日後、2日後、3日後など、膣の粘液中の有効成分の濃度を決定することによって決定され得る。例えば、実施形態の1セットでは、有効成分の濃度は、少なくとも100マイクログラム/g、少なくとも200マイクログラム/g、少なくとも300マイクログラム/g、少なくとも400マイクログラム/g、少なくとも500マイクログラム/g、少なくとも600マイクログラム/g、少なくとも700マイクログラム/gなどであり得る。粘液は、例えば、スワブ、または当業者に既知の他の技術を使用してサンプリングされてもよい。
【0088】
他の成分もまた、組成物内に存在してもよい。非限定的な例として、実施形態の1セットでは、組成物は、シトレート及び/またはクエン酸塩を含んでもよい。これらは、例えば、クエン酸、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物などを含み得る。他の例としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどのクエン酸緩衝剤を作製するための他の好適な塩が挙げられる。これらのような緩衝剤は、例えば、組成物のpHを維持するために使用され得る(例えば、約4.5、または別の好適なpH)。別の例として、組成物は、ベンジルアルコールを含んでもよい。ベンジルアルコールは、例えば、溶媒または防腐剤として有用であり得る。
【0089】
これらのような成分は、それぞれ独立して、任意の好適な量または濃度で存在してもよい。例えば、成分は、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも7.5重量%、少なくとも8重量%、少なくとも8.5重量%、少なくとも9重量%、少なくとも9.5重量%、少なくとも10重量%などで存在し得る。さらに、いくつかの場合では、成分は、10重量%以下、9.5重量%以下、9重量%以下、8.5重量%以下、8重量%以下、7.5重量%以下、7重量%以下、6.5重量%以下、6重量%以下、5.5重量%以下、5重量%以下、4.5重量%以下、4重量%以下、3.5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下、2重量%以下、1.5重量%以下、1重量%以下、0.8重量%以下、0.6重量%以下、0.4重量%以下、0.2重量%以下などで存在し得る。さらに、特定の例では、これらの範囲のいずれかの組み合わせも可能である。例えば、成分は、1重量%~5重量%、0.5重量%~2重量%、0.5重量%~5重量%、0.5重量%~2重量%などで存在してもよい。
【0090】
加えて、実施形態の1セットでは、水は、組成物内に存在し得る。任意の好適な量の水が、例えば、組成物がゲルを形成するように、本明細書で論じられるように比較的高い粘度を有するなどのように存在し得る。例えば、いくつかの場合では、組成物の少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%は水であってもよい。
【0091】
実施形態の1セットでは、組成物はゲルである。カンは、例えば、上述したように、比較的多くの量または濃度の水を含む半固体材料であってもよい。いくつかの場合では、ポリマー(例えば、1つ以上のポロキサマー)は、ゲル内に水を含有する足場構造に由来してもよい。
【0092】
例えば、本明細書に記載されるように、ゲルまたは他の組成物は、少なくとも実施形態の1セットにおいて、比較的高い粘度を有し得る。当業者は、例えば、レオメータ、粘度計などのデバイスを使用して、試料の粘度を決定するための技術を知っているであろう。
【0093】
いくつかの場合では、組成物は、室温で少なくとも100万cP、少なくとも110万cP、少なくとも120万cP、少なくとも130万cP、少なくとも140万cP、少なくとも150万、少なくとも160万cP、少なくとも180万cP、少なくとも200万cP、少なくとも220万cP、少なくとも240万cP、少なくとも260万cP、少なくとも280万cP、少なくとも300万cP、少なくとも350万cP、少なくとも400万cPなどの粘度を有し得る。さらに、ある特定の実施形態では、組成物は、400万cP以下、350万cP以下、300万cP以下、280万cP以下、260万cP以下、240万cP以下、220万cP以下、200万cP以下、180万cP以下、160万cP以下、150万cP以下、140万cP以下、130万cP以下、120万cP以下、110万cP以下、100万cP以下などの粘度を有し得る。これらのいずれかの組み合わせも可能であり、例えば、組成物は、150万cP~200万cP、180万cP~240万cP、120万cP~300万cPなどの粘度を示し得る。
【0094】
いくつかの場合では、組成物は、キサンタンガム及び/または別の安定化ポリマー、ならびにポロキサマーなどのポリマーを含有してもよく、これにより、組成物は比較的高い粘度を有することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、室温での前記組成物の粘度を+/-100,000センチポイズを超えて変化させる他の成分を含有していない場合がある。
【0095】
膣の自然な酸性のために、膣組成物は、典型的には、約4.5のpHを目指す。実施形態では、組成物のpHは、約4~約7であり得る。実施形態では、組成物のpHは、約4~約5.5であり得る。実施形態では、組成物のpHは、約4~約5であり得る。実施形態では、組成物のpHは、約4.5~約5.5であり得る。例えば、組成物は、約4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、または4.9のpHを有してもよい。実施形態では、本明細書に記載の膣組成物(例えば、ジクロフェナクを使用した)は、最大約pH5.5、例えば、pH5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、または5.5を有する。実施形態では、本明細書に記載の膣組成物(例えば、ジクロフェナクを使用した)は、最大約pH7、例えば、pH5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0を有する。
【0096】
実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約1時間~約80時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約70時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約70時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約60時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約50時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約40時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約30時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約60時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約50時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約40時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約30時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約60時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約50時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約40時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約30時間で組成物内の薬物の約50%を放出し得る。時間は、列挙された範囲内の任意の値またはサブ範囲であってもよい。
【0097】
実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約1時間~約80時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約70時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約70時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約60時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約50時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約40時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約30時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約60時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約50時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約40時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約30時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約60時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約50時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約30時間~約60時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約40時間~約50時間で組成物内の薬物の約80%を放出し得る。時間は、列挙された範囲内の任意の値またはサブ範囲であってもよい。
【0098】
実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約1時間~約80時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約70時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約70時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約60時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約50時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約40時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約10時間~約30時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約15時間~約60時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約20時間~約60時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約30時間~約60時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約40時間~約60時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約45時間~約60時間で組成物内の薬物の約100%を放出し得る。時間は、列挙された範囲内の任意の値またはサブ範囲であってもよい。
【0099】
さらに、実施形態の1セットでは、組成物は、比較的低い濃度または空気の量を有し得る。例えば、一実施形態において、組成物は、実質的に空気を含まない。いくつかの場合では、製造中に、例えば、泡または気泡などとして、大量の空気が組成物に導入され得る。しかしながら、この空気は、ある特定の実施形態に従って望ましくない場合もあり、したがって、組成物は、製造中に導入された組成物から空気を除去するステップも含むことによって調製されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、組成物は、空気の少なくとも一部を除去した後、20体積%以下、15体積%以下、12体積%以下、10体積%以下、8体積%以下、6体積%以下、5体積%以下、4体積%以下、3体積%以下、2体積%以下、または1体積%以下などの空気を含有してもよい。いくつかの場合では、組成物内に気泡が視覚的に存在しないように空気を除去することができる。
【0101】
任意の理論に拘束されることを望まないが、空気の存在は、組成物の粘度を低下させ、例えば、組成物の流れを容易にし得ると考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、導入される任意の空気を除去し、それによって、組成物の粘度を、例えば、少なくとも100万cP、または本明細書に記載されるもののいずれかのような他の粘度範囲を増加させてもよい。さらに、いくつかの場合では、空気を除去することはまた、最終的な組成物の密度を増加させ得る。例えば、組成物の密度は、少なくとも0.98g/cm、少なくとも0.99g/cm、少なくとも1g/cm、少なくとも1.01g/cm、少なくとも1.02g/cm、少なくとも1.03g/cm、少なくとも1.05g/cm、少なくとも1.1g/cmなどであってよい。いくつかの場合では、組成物の密度は、1.1g/cm以下、1.05g/cm以下、1.03g/cm以下、1.02g/cm以下、1.01g/cm以下などであり得る。さらに、いくつかの実施形態では、これらの範囲のいずれかの組み合わせが可能である。例えば、組成物の最終密度は、1.00g/cm~1.01g/cm、0.99g/cm~1.02g/cmなどであってもよい。
【0102】
一実施形態では、空気は、組成物に大気圧または周囲圧力未満の圧力を加えることによって、例えば、形成中または形成後に、組成物から除去されてもよい。例えば、印加される圧力は、1バール未満、800mbar未満、600mbar未満、500mbar未満、400mbar未満、300mbar未満、200mbar未満、100mbar未満、75mbar未満、60mbar未満、50mbar未満、40mbar未満、30mbar未満、20mbar未満、10mbar未満、5mbar未満、3mbar未満、2mbar未満、1mbar未満などであってもよい。1気圧は約1バールであり、これらの圧力は絶対圧力である(すなわち、約1バール未満の圧力は、大気圧よりも低い圧力、すなわち、真空圧を意味する)ことに留意されたい。そのような圧力は、任意の好適な長さの時間、例えば、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも24時間、少なくとも1日などの間、印加され得る。さらに、いくつかの場合では、組成物が特定の量の空気未満、例えば、15体積%未満、または本明細書に記載のような他のパーセンテージを含むまで圧力を印加してもよい。さらに別の例として、いくつかの場合では、溶液は、溶液から一定量の空気を除去することによってゲルを形成させ得る。
【0103】
ある特定の実施形態では、別の例として、空気は、Versatorまたは他の脱気装置、脱ガス装置、及び/または消泡装置を使用して、組成物から除去されてもよい。Versatorでは、液体などの材料が、真空下で回転するVersatorディスクの内側に広げられ、閉じ込められた空気、泡、ガスなどを除去する。液体がディスクを横切って移動する間、高真空は液体から気泡などを引き抜く。Versatorは、いくつかの商業的供給源から入手することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のような組成物は、任意の好適な長さの時間、例えば、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも24時間、少なくとも1日など、及び/または組成物が特定の量未満の空気、例えば、15体積%未満、または本明細書に記載のものなどの他のパーセンテージを含むまで、Versatorを使用して処理されてもよい。
【0104】
さらに別の例として、いくつかの場合において、空気は、遠心分離を使用して組成物から除去されてもよい。任意の理論に拘束されることを望まないが、組成物を遠心分離することによって、空気(密度が低い)が組成物から押し出され得ると考えられる。したがって、例えば、材料は、任意の好適な速度、例えば、少なくとも500RPM、少なくとも1,000RPM、少なくとも2,000RPM、少なくとも3,000RPM、少なくとも5,000、少なくとも10,000RPMなどで、任意の好適な長さの時間、例えば、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも24時間、少なくとも1日などで、及び/または組成物が特定の量未満の空気、例えば、15体積%未満、または本明細書に記載されるものなどの他のパーセンテージ未満を含むまで遠心分離されてもよい。
【0105】
さらに、これらの技術は非限定的であり、遠心分離機またはVersator以外の空気を除去する他の方法も、さらに他の実施形態では可能であることを理解されたい。
【0106】
実施形態では、生成物は、手動で、または自動充填機を使用して充填することができる。いくつかの実施形態では、自動充填機(例えば、Capmatic自動充填機)は、特に、膣アプリケータベースの製品などのアプリケータベースの製品を充填するように設計されている。生成物の粘度が、冷蔵温度、例えば、約4℃の温度で低下すると(例えば、粘度が2~3倍低下)、生成物は、膣アプリケータへの自動充填に好適となり得る。いくつかの実施形態では、冷却されたジャケット付き容器で、冷却された生成物を充填ホッパーに供給し、アプリケータを充填することが使用される。
【0107】
使用方法
したがって、上記で考察されるように、様々な組成物は、ポロキサマー、キサンタンガム及び/または別の安定化ポリマー、有効成分、及び水などの上記の成分のいずれかの任意の好適な組み合わせを含む様々な実施形態でカバーされる。例えば、実施形態の1セットでは、組成物の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%は、ポロキサマー、キサンタンガム及び/または別の安定化ポリマーなどのポリマー、有効成分、及び水を含むか、または本質的にそれらからなる。有効成分は、本明細書に記載されるもののいずれか、例えば、ジノプロストン、ジクロフェナクなど、ならびにそれらの塩を含むことができる。
【0108】
さらに、言及されるように、本明細書に記載される特定の態様は、概して、そのような組成物を、本明細書に記載される適応症のいずれかなどの適応症の治療または予防のために、例えば、ヒトなどの対象の膣に適用するための組成物及び方法を対象とする。対象はまた、ヒト以外の動物であってもよい。実施形態では、対象は女性である。
【0109】
他の実施形態では、本明細書に記載のものなどの組成物で治療することができる適応症としては、外陰膣カンジダ症(酵母感染症)、外陰膣痛、子宮頸癌または膣癌、ホルモン療法などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
実施形態の1セットでは、本明細書に記載されるような組成物を使用して、例えば、分娩の前または分娩中に、対象の子宮頸管熟化を促進または誘導してもよい。出産しようとしている対象では、子宮頸部が開くかまたは拡張し、赤ん坊が生まれることを可能にし得る。しかしながら、いくつかの場合では、子宮頸管熟化が発生しない、及び/または発生するが、速度が遅すぎるため、したがって、子宮頸管熟化を促進または誘導するためにいくつかの介入が必要とされ得る。いくつかの場合では、対象は、例えば、子宮頸管熟化を促進または誘導するために、本明細書に記載されるような組成物を膣に適用することによって治療されてもよい。この組成物は、ジノプロストン及び/またはその塩などの好適な有効成分、及び/または本明細書に記載されるものなどの他の有効成分を有してもよい。挿入後、有効成分は、例えば、膣または子宮頸部に放出され得、したがって、子宮頸管熟化を促進または誘導し得る。
【0111】
実施形態の別のセットでは、本明細書に記載されるような組成物は、月経困難症または月経痙攣を有するか、またはそのリスクがある対象を治療するために使用され得る。これらは、多くの場合、月経中の子宮収縮によって引き起こされる。月経痛の中には正常なものもあるが、月経困難症の対象はしばしば激しい痛みを経験し、数日間の正常な活動を妨げることがあり、多くの場合、3、4、またはそれ以上の日数が続く。いくつかの場合では、対象は、本明細書に記載されるような組成物を膣に適用して、月経困難症を治療することによって治療されてもよい。この組成物は、ジクロフェナク及び/またはその塩などの好適な有効成分、及び/または本明細書に記載されるものなどの他の有効成分を有してもよい。挿入後、有効成分は、例えば、膣または子宮頸部に放出されて、月経困難症を治療または予防し得る。
【0112】
実施形態の別のセットでは、本明細書に記載されるような組成物を使用して、月経過多を有するまたは月経過多を有するリスクがある対象を治療してもよい。月経過多は、重度な経血である。これは、思春期及び生殖年齢の女性で一般的な障害であり、未治療の場合、貧血、職場及び学校の欠勤、ならびに日常生活活動へのその他の混乱を引き起こす可能性がある。月経困難症及び月経過多は、銅(Cu)子宮内避妊器具(IUD)の一般的な副作用でもある。第一選択では、月経過多の非ホルモン治療には、ジクロフェナクなどの経口非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の投与が含まれる。データは、経口NSAIDが、子宮内膜ロイコトリエン及び炎症の減少を含む、月経困難症の減少ももたらす同様のメカニズムによって月経過多を減少させることを支持する。トラネキサム酸もまた、月経過多を有意に軽減する非ホルモン性薬剤であるが、この非ホルモン性薬剤は、血栓症のリスクがあるため、長期間使用することができない。
【0113】
経口NSAIDの利点は、それらが一般的に店頭で入手可能であり、Cu IUD使用者においてさえ、月経過多及び月経困難症を低減するのに有効であることである。しかしながら、経口NSAIDの一般的な用量依存性の副作用としては、胃腸出血、下痢、及び吐き気が挙げられる。さらに、Cu IUDの月経過多及び/または月経困難症及び/または副作用を管理するために数ヶ月間毎日経口NSAIDを服用するには、高度な遵守が必要とされ、特に若年集団では困難であり、最も重要なことに、NSAIDの長期の全身使用が腎障害を引き起こす可能性がある。経口NSAIDはまた、子宮内膜症、腺筋症、排卵痛(Mittleschmirtz)、卵巣嚢胞痛及び/または骨盤筋関連痛に起因し得る、一般的な骨盤痛、急性骨盤痛及び慢性骨盤痛の管理のための第1選択の非ホルモン治療である。
【0114】
経口NSAID用量及び経口投与の頻度は、月経過多、月経困難症、一般的な骨盤痛、急性骨盤痛、排卵痛、卵巣嚢胞痛及び骨盤筋関連痛の治療について同じである。経口NSAIDは、最も一般的に、必要に応じて、または疼痛の治療のために「(prn)」投与される。経口NSAIDの治療期間は、一般に、急性骨盤痛、排卵痛、月経困難症及び月経過多に対して、より短い。NSAIDのより長期の慢性投与は、一般に、子宮内膜症、腺筋症、及び一般的な骨盤痛などの慢性状態に必要である。ジクロフェナク膣ヒドロゲルの治療期間は、個体の特定の疼痛レベル及び原因因子に基づいて、同じ柔軟な投与スケジュールに従うことが予想される。
【0115】
月経困難症及び月経過多のためのNSAIDの局所性器送達
膣粘膜を通る医薬品有効成分の局所送達は、低用量を使用して局所性器組織及び子宮筋を標的とすることができるため、理想的である。データは、全身血中濃度と比較して、膣内で送達された薬物が性器組織及び体液中で10~100倍高く濃縮し、全身の副作用を低減することを一貫して支持している。これは、患者が子宮内膜症または一般的な骨盤痛などの状態のために長期または慢性のNSAID療法を必要とすることが予想される場合に特に重要である。
【0116】
実施形態の別のセットでは、本明細書に記載されるような組成物を使用して、一般的な骨盤痛、急性骨盤痛及び慢性骨盤痛を有するか、または有するリスクがある対象を治療してもよい。理論に拘束されることを望まないが、これらは、子宮内膜症、腺筋症、排卵痛、卵巣嚢胞痛、及び/または骨盤筋関連痛に起因し得る。
【0117】
投薬は、根本的な原因に応じて異なる場合もあれば、そうでない場合もある。いくつかの実施形態では、投薬の唯一の違いは、治療期間であり、例えば、慢性状態(子宮内膜症など)からの慢性骨盤痛は、より長い治療期間(例えば、数週間~数ヶ月)を必要とする可能性があり、一方、急性疼痛または疼痛フレア(例えば、月経困難症、排卵痛)は、より短い疼痛期間を必要とする可能性が高い。ほとんどの場合、経口NSAIDは、必要に応じて投与され、例えば、月経困難症のためには、これは通常、月経前の時間、子宮収縮が始まっているとき、及びおそらく月経の最初の数日間である。
【0118】
実施形態では、組成物は、対象に1回~10回投与される。実施形態では、組成物は、月経周期あたり1回~10回の間で対象に投与される。実施形態では、組成物は、月経周期あたり1回~5回の間で対象に投与される。実施形態では、組成物は、月経周期あたり1回~3回の間で対象に投与される。実施形態では、組成物は、月経周期あたり1回、対象に投与される。実施形態では、組成物は、月経周期あたり2回、対象に投与される。
【0119】
実施形態では、組成物は、毎日投与される。実施形態では、組成物は、2日毎に投与される。実施形態では、組成物は、3、4、5、6、7、8、9、10、20、28、または30日毎に投与される。実施形態では、組成物は、必要に応じて、例えば対象が疼痛にあるときに投与される。
【0120】
「治療する」、「治療」、「治療すること」などの用語は、特に明らかな形態で、すでに疾患を発症している対象の治療的治療を含む。治療的治療は、疾患の徴候及び/または症状を軽減するための対症療法、または疾患の進行を後退、部分的に後退、停止、または遅延させるための原因療法であってもよい。したがって、本開示の組成物及び方法は、例えば、治療的治療として(例えば、急性または慢性療法のために)使用することができる。
【0121】
加えて、「予防する」、「予防すること」、または「予防」などの用語は、概して、統計的に有意な様式で、未治療の対照試料と比較して、治療された試料中の疾患、及び/またはその徴候及び/または症状の発生の低減を指すか、または未治療の対照試料と比較して、疾患の1つ以上の徴候及び/または症状の発症を遅延させる。疾患、及び/またはその徴候及び/または症状を予防することは、疾患、徴候、及び/または症状の開始を予防または遅延させることを含む。予防はまた、疾患、徴候、及び/または症状の再発の予防を含む。
【0122】
特定の態様では、組成物は、対象、例えば、対象の膣、及び/または別の体腔、例えば、口または直腸に適用することができる。任意の好適な技術を使用して、組成物を対象に適用することができる。例えば、組成物は、例えば、アプリケータまたは他の好適なデバイスを介して投与されてもよいように、フリー(free)またはマスフローイング(mass flowing)であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、対象または別の人によって適用することができる膣アプリケータまたはシリンジなどのアプリケータ内に含有され得る。
【0123】
対象は、ヒト(すなわち、任意の年齢層の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人))及び/または他の非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル、チンパンジーなどのサル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、マウス、ラット、ヤギ、ネコ、イヌなどの商業的に関連する哺乳動物)及び鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、シチメンチョウなどの商業的に関連する鳥類)であり得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、対象は哺乳動物である。対象は、男性または女性であってもよく、発達の任意の段階にあってもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物であってもよい。
【0124】
実施形態の1セットでは、論じられるように、組成物を適用して、対象を治療有効量の有効成分、例えば本明細書に記載されるもののいずれかで治療する。治療有効量は、疾患を治療または予防するために対象に投与された場合、例えば、本明細書に記載されるもののいずれかの疾患に対するそのような治療または予防を達成するのに十分な量であり得る。例としては、例えば、本明細書で論じられるような、外陰膣カンジダ症(酵母感染症)、外陰膣痛、子宮頸癌または膣癌、ホルモン療法などが挙げられるが、これらに限定されない。治療有効量はまた、所望の生物学的応答を誘発する、すなわち症状を緩和するのに十分な量であり得る。治療有効量は、所望の生物学的エンドポイント、投与様式、及び/または対象の年齢及び健康などの要因に応じて変化してもよい。
【0125】
キット
本開示のさらに別の態様は、キットを対象とする。キットは、本明細書に記載される組成物のうちの1つ以上、及び/または他の組成物を含むパッケージまたはアセンブリを含み得る。キットの各組成物は、液体形態(例えば、溶液)、または固体形態(例えば、乾燥粉末)、またはいくつかの場合では気体形態で提供され得る。特定の場合において、組成物のいくつかは、例えば、キットとともに提供されても、または提供されなくてもよい好適な溶媒または他の種の添加によって、構成可能または他の方法で(例えば、活性形態に)加工可能であってもよい。他の構成要素の例としては、例えば、特定の使用、例えば、試料及び/または対象への、組成物成分の、使用、投与、変更、組み立て、保管、包装、調製、混合、希釈、及び/または保存のための、溶媒、界面活性剤、希釈剤、塩、緩衝液、乳化剤、キレート剤、充填剤、抗酸化剤、結合剤、増量剤、防腐剤、乾燥剤、抗菌薬、針、シリンジ、梱包材、チューブ、ボトル、フラスコ、ビーカー、皿、フリット、フィルター、リング、クランプ、ラップ、パッチ、コンテナなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
キットは、いくつかの場合では、本明細書に記載の組成物に関連して提供される任意の形態の説明書を、説明書がそれらの組成物に関連付けられることを当業者が認識するような様式で含んでもよい。例えば、説明書は、組成物及び/またはキットに関連する他の組成物の使用、修正、混合、希釈、保存、投与、組み立て、保管、包装、及び/または調製のための説明書を含み得る。いくつかの場合では、説明書はまた、組成物の送達及び/または投与のための説明書、例えば、試料及び/または対象への、例えば、特定の使用のための説明書を含んでもよい。説明書は、任意の様式で提供される、そのような説明書、例えば、書かれた、または公開された、口頭、可聴(例えば、電話)、デジタル、光学、視覚(例えば、ビデオテープ、DVDなど)、または電子通信(インターネットまたはウェブベースの通信を含む)を含むための好適な媒体として、当業者によって認識可能な任意の形態で提供されてもよい。
【0127】
一実施形態では、本明細書に記載された組成物及びゲルを含むキットが本明細書に提供される。例えば、キットは、膣への適用に適したアプリケータを含む。他の例では、アプリケータは、本明細書に記載の組成物またはゲルで予め充填される。他の実施形態では、アプリケータは、本明細書に記載の組成物またはゲルで予め充填されていない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物またはゲルは、アプリケータを予め充填する前に、冷蔵温度(例えば、約4℃)にある。いくつかの実施形態では、キットは、組成物で予め充填されたアプリケータを含み、組成物は、ポロキサマー、安定化ポリマー、及び有効成分(例えば、ジクロフェナクまたは子宮頸管熟化を誘導するための、または月経困難症を治療するための、または原発性月経困難症を治療するための任意の他の治療剤)を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、キットは、アプリケータを膣に挿入するための1つ以上の説明書をさらに含む。他の実施形態では、キットは、本明細書に記載の組成物またはゲルを充填したアプリケータを適用することによって、子宮頸管熟化を誘導、月経困難症を治療、原発性月経困難症を治療するための説明書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、アプリケータに組成物またはゲルを充填するための説明書をさらに含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、室温で保管される(アプリケータ、または別個の保管容器に予め充填される)。いくつかの実施形態では、組成物は、1日間、2日間、10日間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、またはそれ以上、室温で保管することができる。
【実施例
【0130】
以下の実施例は、本開示のある特定の実施形態を図示することを意図しているが、本開示の全範囲を例示するものではない。
【0131】
実施例1:組成物
この予言的な例では、一実施形態による組成物は、以下のとおりである(全ての成分はUSPグレード)。有効成分は、ジノプロストン、ジクロフェナクなどであり得る。
【表3】
【0132】
実施例2:組成物の作製方法
この予言的な例は、別の実施形態による、実施例1に記載の組成物の作製方法を示す。
【0133】
精製水をケトル(または他の好適な容器)に加え、12インチのスタンド溶解器ブレードを備えた溶解器(30~60HP)の下に置く。溶解器が開始され、有効成分がケトルに添加される。溶解器を、少なくとも10分間、または有効成分が水に視覚的に溶解するまで混合させる。
【0134】
その後、クエン酸一水和物及びクエン酸ナトリウム二水和物をケトルに添加しながら混合を継続する。次いで、ケトルを冷却された冷却水、例えば、8℃の温度で冷却する。混合を少なくとも5分間、またはこれらが視覚的に溶解するまで継続する。
【0135】
次いで、ベンジルアルコール及びポロキサマー407を添加しながら、混合及び冷却を継続する。これらは、水が透明になり、全てが視覚的に溶けるまで混合される。
【0136】
キサンタンガムをゆっくりと添加しながら、混合及び冷却を継続する。キサンタンガムの混合は、少なくとも10分間、または組成物が視覚的に均一になるまで継続する。混合速度は、例えば、組成物が濃くなり、その粘度が増加するにつれて、及び/または組成物内に多すぎる気泡を閉じ込めるのを避けるために調整されてもよい。
【0137】
次に、組成物を、丸底で、ジャケット付きの、ステンレス鋼の圧力/真空ケトル、または別の好適な容器に移す。ケトルは、前のように、例えば、冷却された冷却水を使用して8℃で冷却される。ケトル内での混合が開始され、バッチは真空下でゆっくりと再循環される。混合、冷却された冷却水での冷却、及び真空下での再循環は、少なくとも30分間、または組成物が十分に脱気されるまで行われる。
【0138】
上記は単なる例であり、本明細書に記載される組成物を作製するための他の技術も企図されることを理解されたい。例えば、ポロキサマー407及びキサンタンガムを添加する順番は、ポロキサマーが最初に混合物に入るように逆順とされてもよい。空気は、遠心分離機、Versatorなどを使用して除去され得る。
【0139】
実施例3:組成物の作製方法
この予言的な例は、別の実施形態による組成物の作製方法を示す。
【0140】
本実施例における一次配合相は、270Lのケトルに154kgの精製水USPを添加することによって調製される。ケトルは、10インチの標準ブレードを備えた溶解器の下に置かれる。混合は約600rpmで開始する。4.86kgの有効成分を添加し、視覚的に溶解するまで10分間混合する。混合を続け、1200gのクエン酸及び1100gのクエン酸ナトリウムを添加し、視覚的に溶解するまで6分間混合する。バッチの冷却は、このステップ中に、冷却された水をケトルのジャケットに流すことによって開始される。
【0141】
混合を継続し、2000gのベンジルアルコール及び33.0kgのポロキサマー407を添加する。溶液が透明になり、ポロキサマーが視覚的に溶解するまで、冷却及び混合を継続する。このステップ中、バッチ温度は約11℃に達する。このステップは、バッチの表面に泡を作り、泡を消散させるために混合速度を低下させる。次いで混合速度を上げ、最終的にキサンタンガム4.00kgを添加するために1200rpmに達する。キサンタンガムの添加後、製品の粘度は急速に上昇し、プロセスのこの段階での混合をより容易にするために、元の混合ブレードサイズは12インチのブレードに切り替えられる。14インチのブレードもまた、このスケールで使用され得る。
【0142】
プロセスのこのステップの後、生成物は大量の発泡を生じた。泡は、生成物を冷却されたジャケット付き真空容器に移し、空気を除去するのを助けるために生成物を何回かのパスにわたって再循環させることによって減少させることができる。別のアプローチは、液体及び半固体から空気を除去するためのデバイスであるVersatorを使用することである。全ての空気が除去されるまで、生成物を、Versatorに数回通過させた。Versator処理後の粘度の測定値は、室温で、Versatorを使用する前の120万cPから、300万cP超に上昇した。
【0143】
実施例4:組成物の粘度
本実施例は、一実施形態による温度の関数としての組成物の粘度を示す。室温(約25℃)であっても、組成物は、100万cPを超える粘度を有することに留意されたい。
【0144】
図1は、実施例1に示される組成物の温度の関数としてプロットされた粘度(mPA s、cPに等しい)を示す。粘度は、ブルックフィールド粘度計を使用して測定した。
【0145】
本実験では、37℃(体温)での粘度が1,759,000cPであるのに対し、25℃での粘度が1,798,000cPであることが分かった。
【0146】
実施例5:インビトロ放出試験(IVRT)結果
インビトロ放出試験(IVRT)を、2mmのステンレス鋼プローブを有するPDA(200~720nm)を有するPION Rainbow(登録商標)インサイチュファイバオプティクスプローブを使用して、ジクロフェナクナトリウムゲル1%、2%、及び3%(n=6)について評価した。平均放出及び放出速度(傾き)の結果を表4(以下)に示す。
【0147】
放出速度は、用量に比例して増加した(図2及び図3)。放出速度は、マトリックスからの懸濁液の薬物放出についての古典的なHiguchiモデルに厳密には従っておらず、これは、製剤中の固形含量の増加に相関するレオロジーの追加的な変化によって説明され得る。結果は、製剤組成物と薬物放出との間のより複雑な関係を説明する。
【表4】
【0148】
3つの試験バッチについてIVRT中に得られた放出速度を使用して、一定の放出速度を仮定して、約0.23g/cmの用量カバレッジに基づいて、50、80、及び100%の薬物放出の推定時間を計算した(以下の表5)。典型的には、放出速度は、用量が枯渇するにつれて遅くなるため、80%及び100%の薬物放出の実際の時間は、この推定によって提供されるよりも長くなると予想される。
【0149】
この放出データには、少なくとも2つの注目すべき側面がある。第一に、ジクロフェナクは、溶液ではなく懸濁液中にあり、ゲル内にある。可溶化活性剤(例えば、クリンダマイシン)を含有するポロキサマーゲルと比較して、ジクロフェナクは、等量のゲルマトリックスから放出するのにより時間がかかると予想される。第二に、pHとジクロフェナク放出速度との間の関係が観察されている。それは、API濃度が上昇するにつれて、放出速度の非線形分散を示す表4のデータに暗示されている。API濃度が上昇するにつれてpHが上昇するという表17のデータと組み合わせると、より高いpHがより速い放出を支持するという結論を支持する。表5は、3%ゲルが1%または2%ジクロフェナク組成物よりも50%、80%及び100%速く放出することを示すことによって、これをさらに支持する。
【表5】
【0150】
1%及び3%w/wのジクロフェナクゲルのIVRT
追加のIVRTを、ジクロフェナク膣ゲル1%及び3%w/wについて行った。この分析のために、レセプター培地をリン酸緩衝液pH7から模擬膣液に変更した。サンプリングは、60分毎に6時間、T=24時間で一点実行した。模擬膣液中の原薬の溶解度が低いために、各時間点での総容積置換を実施した(約16μg/mL)。
【0151】
両方の用量強度の結果は、24時間を通して平方根(t)モデルに従った。薬物放出は、少なくとも6時間を通して時間に対して線形であり、その後24時間までにわずかに先細りし始めた。これは、粘弾性マトリックスに懸濁した原薬の典型的な放出プロファイルを示した。ベッセル間分散(%RSD)は、両方のランで<4%であり、SQRT(t)のR値は24時間を通じて>0.99であった。
【0152】
24時間を通して収集されたデータから、適用された用量(約0.4g)の薬物放出対時間は、IVRT膜の総表面積、及び膣の平均表面積に基づいて、Higuchi平方根方程式に従って推定された(P. Pendergrass, M Belovicz.Surface Area of the Human Vagina as Measured from Vinyl Polysiloxane Casts.February 2003.Gynecologic and Obstetric Investigation 55(2):110-3(その全体が参照により本明細書に取り込まれる)を参照されたい)。T=24時間での薬物放出パーセント(それぞれ4.3%及び2.4%)を、回帰モデルに対する測定結果との比較のための推定に含めた。以下の表6及び7は、それぞれ1%ジクロフェナクゲル及び3%ジクロフェナクゲルの推定関連を示す。
【表6】
【表7】
【0153】
推定時間は、Higuchiモデルのパラメータが薬物放出を通して維持され、総用量枯渇、pH変化、マトリックスの腫脹、またはゲルの溶解を考慮しないと仮定する。推定として、総用量と薬物放出時間との関係は、用量の二乗の変化としてモデル化することができる。
【数1】
式中、
RTは放出時間であり
Q1は参照用量であり
Q2は新用量である
例:87.5cmの表面積に基づいた、1%ゲルの0.4g用量~1g用量に対する100%放出時間の変化。
【数2】
【表8】
【表9】
【0154】
実施例6:放出速度の評価
この研究は、模擬膣液中のジクロフェナク1%及び3%ゲルのインビトロ放出試験によってジクロフェナクの放出速度を評価した。2リットルの模擬膣液を調製し、1%及び3%ゲルからのジクロフェナクの放出速度を評価した。模擬膣液の製剤組成物を以下の表10に示す。模擬膣液を調製するために、約1700mLの精製水を撹拌棒を備えた重量測定された2Lビーカーに移し、成分を溶解するまで混合し、pHを1.0N HCl/NaOHで4.5に調整し、溶液を2Lのメスフラスコに移し、精製水で容積的に希釈し、よく混合し、溶液を使用する前に30分間脱気した。
【表10】
【0155】
試験結果を以下の表に示す。178003-2201は1%w/wジクロフェナクゲルに対応し、178003-2203は3%w/wジクロフェナクゲルに対応する。
【表11】
【表12】

【0156】
実施例7:ゲル製剤1におけるジクロフェナクゲルの適合性アッセイ
ゲル製剤1組成物中の1%、2%、及び3%ジクロフェナクナトリウムゲルの適合性についての分析結果を本明細書に提供する。各ジクロフェナクナトリウムゲルの製剤組成は、以下の表13~15に概説される。
【表13】
【表14】
【表15】
【0157】
粘度
粘度は、較正された平行プレート振動レオメータ、Anton PaarによるモデルMCR102、及びPP25測定デバイスを使用して評価した。単一点の粘度を、25℃及び37℃で60秒間、0.22 1/sで2重で測定した。医薬品中の過剰な空気のために、粘度を測定する前に、各バッチの一部を6,000RPMで10分間遠心分離した。15に概説された結果は、平均粘度を示す。バッチ178003-2201及び178003-2202は、25℃での粘度と比較して、37℃での粘度の有意な低下を示した。バッチ178003-2203は、37℃で粘度が17%増加したいくらかの熱可逆的ゲル特性を示した。
【0158】
組成物の温度と粘度の関係(相関)が重要であった。通常、ポロキサマーゲルの粘度は、温度とともに増加する。しかしながら、本明細書に記載される組成物では、粘度は一定であるまたは減少する。理論に拘束されることなく、これは室温での粘度に関連し得ると考えられる(例えば、室温でより高い粘度を有するゲルは、温度が上昇すると速度が低下する可能性がより高い)。
【表16】
【0159】
pH
医薬品の粘性のために、医薬品の一部分を等量の全有機炭素(TOC)水で希釈し、均一になるまで混合することによってpHを評価した。各プロトタイプのpH結果を以下の表17に示す。これらの結果は、ジクロフェナクナトリウム濃度の増加に伴うpHの有意な増加を示した。いくつかの実施形態では、この相関は、成分の化学的性質によるものであり得る。
【0160】
ジクロフェナクの溶解度はpHに依存することが示され、より高い溶解度はゲルのより高いpHと相関した。
【0161】
膣の自然な酸性度のため、膣組成物は、典型的には、約4.5のpHを目指す。本明細書に記載される膣組成物(例えば、ジクロフェナクを使用する)は、最大約5.5のpH値を有し得る。いくつかの実施形態では、ジクロフェナクを含有する本明細書に記載のゲルは、他の活性剤を含有するゲルと比較して、追加の緩衝液(例えば、クエン酸ナトリウム濃度の増加)を必要とし得る。
【表17】
【0162】
外観
外観は、色及び凝集物の非存在及び粒子状物質の非存在などの一般的な物理的特性に基づいて視覚的に評価した。外観の結果を表18、図8及び図9に示す。
【表18】
【0163】
3つのプロトタイプ間のレオロジー比較は、バッチ178003-2203が、37℃での平均粘度の17%の増加を伴ういくつかの熱可逆的ゲル特性を示したことを示した。pHの変動がプロトタイプ間で報告されたが、APIの化学的性質のためと予想された。外観結果は、プロトタイプ間の色のわずかな差を示し、バッチ178003-2203は、APIの濃度がより高いため、より顕著な白色を示す。
【0164】
これらのデータに基づいて、ジクロフェナクナトリウムは、ゲル製剤1組成物と両立できる。実施例8:均一性及び粘度
ジクロフェナクナトリウム及びベンジルアルコールのアッセイの結果は、予想される範囲内であった。バッチ2201(1%ジクロフェナクゲル)及び2203(3%ジクロフェナクゲル)の均一性は、アッセイのために得られた値と同様であり、本方法の検証された精度である2%RSD以内であった。API(ジクロフェナク)濃度の増加と相関するレオロジーの変化が観察された。特に、これらの効果は、流動点の剪断応力及び熱粘度において観察された。これらの変化は、製剤中の固形分及び/または水の違いに起因し得る。驚くべきことに、(溶液ではなく)懸濁液中にジクロフェナクを有する組成物は、同量のゲルマトリックスを放出するのにより時間がかかると予想された。また、放出速度に対するpH効果が本明細書に記載される。それは、API濃度が上昇するにつれて、放出速度の非線形分散を示す表4のデータに暗示されている。API濃度が上昇するにつれてpHが上昇するという表17のデータと組み合わせると、より高いpHがより速い放出を支持するという結論を支持する。表5は、3%ゲルが1%または2%ジクロフェナク組成物よりも50%、80%及び100%速く放出することを示すことによって、これをさらに支持する。
【0165】
均一性
均一性を評価し、結果を以下の表19に提供する
【表19】
【0166】
レオロジー
試験を25℃、10rad/s、0.1~100%の振幅(対数ランプ)で実施し、結果を下の表20に示す。
【0167】
熱粘度
熱粘度試験を0.221/s、5℃~45℃、1分間隔、プレ剪断3 1/s、60秒で実施し、結果を図X及び下記の表21に示す。熱ランプアップレポートを図11A~11B、12A~12B、及び13A~13Bに示す。

【表21】
【0168】
実施例9:空気除去
この実施例では、組成物からの空気除去、ならびに組成物を膣アプリケータに充填することを説明する製造プロセスが概説される。
【0169】
混合中に、2000gのベンジルアルコール及び33.0kgのポロキサマー407を添加した。溶液が透明になり、ポロキサマーが視覚的に溶解するまで、冷却及び混合を継続した。このステップ中に、バッチ温度は約11℃に達した。このステップは、バッチの表面に泡を生成し、混合速度を低下させて、泡を消散させた。次いで混合速度を上げ、最終的にキサンタンガム4.00kgを添加するために1200rpmに達した。キサンタンガムを添加した後、製品は急速に粘度を高め、元の混合ブレードのサイズが不十分であることが判明した。プロセスのこの段階での混合をより容易にするために、12インチのブレードに切り替えた。
【0170】
プロセスのこのステップの後、生成物は大量の泡を生成した。最初に、生成物を冷却ジャケット付き真空容器に移し、空気を除去するのに役立つように生成物をいくつかのパスで再循環させた。2番目のアプローチは、液体及び半固体から空気を除去するために特別に設計されたデバイスであるVersatorを使用した。生成物を、全ての空気が除去されるまで、Versatorを数回通過させた。Versator処理後の粘度の測定値は、室温で1.2Cp(Versatorの使用前)から3M Cpを超えるまで上昇した。
【0171】
このステップに続いて、生成物は手動で、または自動充填機を使用して充填することができる。いくつかの実施形態では、自動充填機(例えば、Capmatic自動充填機)は、特に、膣アプリケータベースの製品を充填するように設計されている。生成物の粘度が、冷蔵温度、例えば、約4℃の温度で低下すると(例えば、粘度が2~3倍低下)、膣アプリケータへの自動充填に適した生成物が提供される。いくつかの実施形態では、冷却されたジャケット付き容器で、冷却された生成物を充填ホッパーに供給し、アプリケータを充填することが使用される。
【0172】
実施例10:放出速度に対するpHの影響
本研究の目的は、医薬品からのジクロフェナクの放出速度(拡散)に対するマトリックスpHの影響を評価することである。
【0173】
目的
・pH3.5、5.5、及び6.5で100gバッチのジクロフェナク3%ゲルを3つ調製する
・試験方法RD-0240に従って、24時間にわたり、IVRTによる各pH調整されたバッチの放出速度を評価する。
・pH3.5及び5.5の模擬膣液で、24時間にわたってIVRTを実施する
・ジクロフェナク膣ゲルの放出速度に対するpHの影響を決定する。
【表22】
【0174】
2%ジクロフェナク組成物は、1%と比較して所与の時点で約2倍の量の薬物を放出すること、または逆に3%と比較しての3倍の量を放出することが予想された。しかしながら、驚くべきことに、これは観察されなかった。より高い濃度は、はるかに速く放出され、実際には、2%ジクロフェナク組成物は、1%ジクロフェナク組成物がその有効成分の全てを放出したよりも速く、全ての有効成分を放出した。理論に拘束されることを望まないが、pHの増加がジクロフェナクの放出速度を増加させることが想定される。
【0175】
定義
本開示のいくつかの実施形態が本明細書に記載され、図示されているが、当業者は、機能を実行し、及び/または結果及び/または本明細書に記載された利点のうちの1つ以上を取得するための様々な他の手段及び/または構造を容易に想定し、このような変形及び/または修正のそれぞれは、本開示の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/または構成が、本開示の教示が使用される特定の用途(複数可)に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される本開示の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか、または日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は単なる例として提示され、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、本開示は具体的に記載及び特許請求される以外の方法で実施され得ることを理解されたい。本開示は、本明細書に記載される各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法を対象とする。さらに、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0176】
本明細書及び参照により組み込まれる文書が矛盾する及び/または一貫性のない開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。参照により組み込まれる2つ以上の文書が、互いに矛盾する、及び/または一貫性のない開示を含む場合、後の発効日を有する文書が優先されるものとする。
【0177】
本明細書で定義及び使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書の定義、及び/または定義された用語の通常の意味に優先すると理解されるべきである。
【0178】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、不定冠詞「a」及び「an」は、それとは反対に明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0179】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/または」という語句は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/または」で列挙された複数の要素は、同じ様式で、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上」で解釈されるべきである。他の要素は、「及び/または」節によって具体的に識別された要素以外に、特に識別されたそれらの要素に関連するか否かにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「A及び/またはB」への言及は、「含む(comprising)」などのオープンエンドの言語と併せて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的に他の要素を含む)などを指すことができる。
【0180】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記に定義される「及び/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する場合、「または」または「及び/または」は、包括的であると解釈されなければならず、すなわち、要素の数またはリストのうちの少なくとも1つを含むが、複数も含む、ならびに任意選択的に追加のリストされていない項目を含む。反対に明確に示されている用語、例えば「のうちの1つのみ」または「正確に1つ」など、または、特許請求の範囲で使用される場合、「からなる」という用語のみが、数または要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、排他性の用語、例えば、「どちらか」、「の1つ」、「の1つのみ」「の正確に1つ」が先行するとき、排他的な代替(つまり、「1または他方であるが両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。
【0181】
本明細書中で、明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素のリストを参照して、「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の要素のいずれか1つ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に具体的にリストされた各要素及び全ての要素の少なくとも1つを含み、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しないことを意味すると理解されるべきである。この定義はまた、「少なくとも1つの」という語句が言及する要素のリスト内で具体的に識別された要素以外の要素が、具体的に識別されたそれらの要素に関連するか否かにかかわらず、任意選択的に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(または、等価的に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または、等価的に「A及び/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない(及び、任意選択的にB以外の要素を含む)少なくとも1つ、任意選択的に複数のAを含むことを指すことができ、別の実施形態では、Aが存在しない(及び、任意選択的にA以外の要素を含む)少なくとも1つ、任意選択的に複数のBを含むことを指すことができ、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択的に複数のAを含むこと、及び少なくとも1つ、任意選択的に複数のBを含むこと(及び、任意選択的に他の要素を含む)を指すことができるなどである。
【0182】
「約」という単語が数値を参照して本明細書で使用される場合、本開示のさらに別の実施形態は、「約」という単語の存在によって修正されない数値を含むことを理解されたい。
【0183】
本開示による「溶液」は、溶媒または相互に混和性のある溶媒の混合物に溶解された1つ以上の化学物質を含有する、透明で均質な液体剤形である。溶液は、好適な溶媒または相互に混和性のある溶媒の混合物中に1つ以上の溶解した化学物質を含有する液体調製物である。溶液中の原薬の分子は均一に分散されるため、剤形としての溶液の使用は、一般に、溶液が希釈されるか、またはそうでなければ混合されるとき、投与時の均一な投与量及び良好な精度の保証を提供する。
【0184】
本明細書で使用される場合、「懸濁液」は、液体ビヒクルに分散された固体粒子を含有する液体剤形である。
【0185】
範囲の上限とは別に範囲の下限を指定することによって範囲が与えられる場合、範囲は、下限変数のいずれか1つを数学的に可能である上限変数のいずれか1つと選択的に組み合わせることによって定義され得ることを理解されたい。範囲が列挙される場合、エンドポイントを含む、列挙される範囲内の任意のサブ範囲または値が企図されることが理解されるであろう。
【0186】
また、反対が明確に示されない限り、2つ以上のステップまたは行為を含む本明細書に特許請求される任意の方法において、方法のステップまたは行為の順序は、本方法のステップまたは行為が列挙される順序に必ずしも限定されないことを理解されたい。
【0187】
特許請求の範囲において、ならびに上述の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「から構成される」などの全ての移行句は、オープンエンドであると理解されるべきであり、すなわち、これに限定されないが、これを含むことを意味する。「からなる」及び「から本質的になる」という移行句のみが、それぞれ、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に記載されているように、クローズドまたはセミクローズドの移行句でなければならない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
【国際調査報告】