(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/37 20060101AFI20240730BHJP
C11D 1/00 20060101ALI20240730BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20240730BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20240730BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20240730BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20240730BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20240730BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20240730BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
C11D3/37
C11D1/00
C11D17/08
C11D17/06
C11D17/04
C11D3/386
C11D3/395
C11D3/40
C11D3/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505290
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022074731
(87)【国際公開番号】W WO2023019153
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ビーン、ジェシカ・エレノア
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、ナタリア
(72)【発明者】
【氏名】ベンラーマー、ウィダッド
(72)【発明者】
【氏名】ビュクセ、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】デル・レグノ、アンナローラ
(72)【発明者】
【氏名】フレッケンシュタイン、ピーター・ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ゴルチンスカ-コステロ、カタルジナ
(72)【発明者】
【氏名】ヒェルスケッター、フランク
(72)【発明者】
【氏名】マクラッキー、ケイト・モイラ
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー、ヤン・オレ
(72)【発明者】
【氏名】セテルス、フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】シ、ガン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB27
4H003AC08
4H003AC15
4H003AE05
4H003BA09
4H003BA12
4H003BA17
4H003DA01
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA12
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA19
4H003EA20
4H003EA21
4H003EA28
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB14
4H003EB24
4H003EB28
4H003EB34
4H003EB36
4H003EC01
4H003EC02
4H003ED02
4H003EE01
4H003FA04
4H003FA12
4H003FA26
4H003FA43
(57)【要約】
本発明は、洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、前記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしての、20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%のポリマー骨格であって、
前記ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができ、
前記ポリマー骨格の分子量Mnが、500~5000g/molの範囲内、好ましくは3500g/mol以下、より好ましくは3000g/mol以下、更により好ましくは2500g/mol以下、最も好ましくは2000g/mol以下、例えば1800g/mol以下である、ポリマー骨格と、
(B)前記ポリマー骨格にグラフトされた、5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%のポリマー側鎖(B)であって、前記ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と、を含む
(全てのパーセンテージは前記グラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントである)、洗剤組成物。
【請求項2】
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、前記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしてのポリマー骨格(A)であって、
前記ポリマー骨格(A)がエチレンオキシドの重合によって得ることができる、ポリマー骨格(A)と、
(B)前記ポリマー骨格にグラフトされたポリマー側鎖であって、前記ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、
ここで、積の式P=[前記ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)]×[総ポリマー重量に基づくポリマー側鎖(B)の量のパーセンテージ(ポリマー重量を「1」に設定し、その分数としての(B)の量のパーセンテージ)]が、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下、又は更に300以下であり、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、ポリマー側鎖(B)と、を含む、洗剤組成物。
【請求項3】
i)前記ポリマー骨格(A)が、2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有してもよいか、又は一方の末端若しくは両方の末端がC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされていてもよい、及び/又は
ii)前記グラフトポリマーが、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲内の多分散性Mw/Mnを有する(Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量[g/mol/g/mol])、及び/又は
iii)前記側鎖(B)を得るための前記重合にモノマー(B2)を本質的に用いない、請求項1又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記グラフトポリマーが、モノマー(B2)を本質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記グラフトポリマーの生分解性が、OECD301Fに従って試験した場合、28日以内に少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは少なくとも40%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記製品が、液体、ゲル、粉末、ヒドロコロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単区画サッシェ、パッド、多区画サッシェ、単区画パウチ、又は多区画パウチの形態の組成物である、請求項1~6に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記製品が、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、布地コンディショナー、クレー、泡増進剤、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚シグナル伝達成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固結防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤、又はこれらの任意の組み合わせから選択される成分を更に含む組成物である、請求項1~7に記載の洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄性界面活性剤及び新規グラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、新規グラフトポリマーが、コポリマー骨格(A)にグラフトされたポリマー側鎖(B)を有する、グラフトベースとしてのコポリマー骨格(A)を含む、洗剤組成物に関する。ポリマー側鎖(B)は、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で更なるモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比は、0.5未満である。ポリマー骨格(A)は、エチレンオキシドの重合によって得ることができ、ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)は、500~5000の範囲内である。
【背景技術】
【0002】
特に化粧品製品において、マイクロプラスチックを禁止するイニシアチブは、様々な状態で既に導入されている。この不溶性マイクロプラスチック禁止に加えて、消費者製品に使用される可溶性ポリマーの将来的な要件について、熱心に話し合いが行われている。したがって、そのような用途のために新しい良好な生分解性成分を特定することが非常に望ましい。炭素のみ骨格(酸素などのヘテロ原子を含まない骨格)は微生物による分解が特に困難であるため、この問題は主に、炭素のみ骨格に基づくラジカル重合によって生成されるポリマーにとって深刻である。ポリエチレングリコール骨格を有する工業的に重要なラジカル生成グラフトポリマーであっても、廃水中で限定された生分解性しか示さない。しかしながら、本発明に記載されるポリマーは、好ましくはラジカルグラフト重合によって生成され、最新技術と比較して、強化された生分解特性を提供する。
【0003】
国際公開第2007/138053号は、グラフトベースとしての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)と、ビニルエステル成分(B)の重合により形成される側鎖とに基づく両親媒性グラフトポリマーを開示しており、当該ポリマーは、アルキレンオキシド単位50個当たり1個未満の平均グラフト部位、及び3000~100000の平均モル質量Mを有する。しかしながら、国際公開第2007/138053号は、骨格として「水溶性ポリアルキレンオキシド」のみが特定されており、そこに開示されているそれぞれのグラフトポリマーの生分解性に関するいかなる開示も含んでいない。
【0004】
国際公開第03/042262号は、(A)モノエチレン性不飽和単位を含まないポリマーグラフト骨格と、(B)2つの異なるモノエチレン性不飽和モノマー(B1)及び(B2)のコポリマーから形成されたポリマー側鎖と、を含むグラフトポリマーに関し、(B1)及び(B2)のそれぞれは窒素含有複素環を含み、それによって、側鎖(B)の量の割合は、全ポリマーの35~55重量%になる。しかしながら、国際公開第03/042262号によるグラフトポリマーは、骨格上にグラフトされたそれぞれのポリマー側鎖内のビニルエステルモノマーに基づくものではない。それ以外に、国際公開第03/042262号は、そこに開示されるグラフトポリマーの生分解性に関連するいかなる開示も有していない。
【0005】
米国特許第5,318,719号は、ビルダー特性、抗フィルム化性、分散性、及び閾結晶抑制特性を有し、(a)酸官能性モノマーと、任意に(b)ポリアルキレンオキシド及び/又はポリアルコキシル化材料を含む生分解性基材にグラフトされた、(a)と共重合可能な他の水溶性モノエチレン性不飽和モノマーと、を含む、新規クラスの生分解性水溶性グラフトコポリマーに関する。しかしながら、米国特許第5,318,719号では、当該グラフトポリマーのそれぞれの側鎖が、アクリル酸又はメタクリル酸などの多量の酸官能性モノマーを必ず含むことを必要とする。そのようなタイプの酸モノマーは、本発明の文脈において有用ではない。
【0006】
米国特許出願公開第2019/0390142号は、(a)ポリエチレンオキシド(PEG)などのポリアルキレンオキシドと、(b)N-ビニルピロリドン(vinylpyrrolidone、VP)と、(c)酢酸ビニルなどのビニルエステルと、で構成され得るグラフトコポリマーを含む布地ケア組成物に関する。しかしながら、米国特許出願公開第2019/0390142号は、現在必要とされているような骨格も、いかなる生分解性も開示しておらず、全ての例は、骨格としてポリエチレンオキシドのみを開示している。
【0007】
国際公開第2020/005476号は、グラフトコポリマー及びいわゆる処理補助剤を含む布地ケア組成物を開示しており、グラフトコポリマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドに基づく骨格としてのポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシドと、骨格上のグラフト側鎖としてのN-ビニルピロリドン及びビニルエステルと、を含み、骨格及び両方のモノマーを特定の比で有する。しかしながら、明確に開示されているのは、骨格としてのポリエチレンオキシドのみである。
【0008】
国際公開第2020/264077号は、酵素とポリマーとの組み合わせを含有する洗浄組成物を開示しており、そのような組成物は、汚れた材料から染みを除去するのに好適である。
【0009】
この公報は、ポリ(酢酸ビニル)-g-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)-ポリ(酢酸ビニル)-g-ポリ(エチレングリコール)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、いわゆる「懸濁グラフトコポリマー」を開示している。しかしながら、この骨格は、本発明によって必要とされるものではない。
【0010】
国際公開第0018375号は、ポリエーテルの存在下における脂肪族C1~C24カルボン酸の少なくとも1種のビニルエステルの重合によって得られるグラフトポリマーを含む医薬組成物を開示しており、ビニルエステルは、好ましくは酢酸ビニルである。最も好ましいバージョンでは、グラフトポリマーは、Mwが6000g/molのPEGに酢酸ビニルをグラフトし、その後、酢酸ビニルをアルコールに加水分解することから調製される(そして、これは、仮定上のモノマー「ビニルアルコール」から得られるポリマーに類似し得る)。主な用途は、錠剤などの固体医薬剤形へのコーティング及びフィルムの形成である。
【0011】
国際公開第0018375号におけるポリマー骨格として、500000g/mol未満の範囲、好ましくは300~100000g/molの範囲、特に好ましくは500~20000g/molの範囲、非常に特に好ましくは800~15000g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエーテルが開示されている。更に、エチレンオキシドのホモポリマー又は40~99重量%のエチレンオキシド含有量を有するコポリマーを使用すること、したがって、エチレンオキシドポリマー中のエチレンオキシド単位の含有量は、好ましくは40~100mol%で用いられることが有利であると述べられている。これらのコポリマーのコモノマーとして好適なものは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及び/又はイソブチレンオキシドであると述べられており、好適な例は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのコポリマー、及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドと少なくとも1つのブチレンオキシドとのコポリマーであると述べられている。コポリマー中のエチレンオキシド含有量は、好ましくは40~99mol%であり、プロピレンオキシド含有量は1~60mol%であり、コポリマー中のブチレンオキシド含有量は1~30mol%であると述べられている。グラフト化のためのグラフトベースとしては、直鎖状のホモ-又はコポリマーだけでなく、分枝鎖状のホモ-又はコポリマーも使用可能であると述べられている。
【0012】
しかしながら、国際公開第0018375号には、PEG6000及び9000、「ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー」(平均分子量「約8000」)並びに「ポリグリセロール」(平均分子量「2200」)(全てg/mol)のみが例示されている。5つの例は酢酸ビニルのみを用い、1つの例のみがモノマーとして酢酸ビニル及びメタクリル酸メチルを用いる。他のモノマーは、例示されていない。全ての例は、最終工程として、重合した酢酸ビニルモノマーの加水分解を用いる。
【0013】
したがって、本発明において特許請求されるような非加水分解の酢酸ビニルを含有するポリマーは、国際公開第0018375号では製造されておらず、特徴付けられてもいない。
【0014】
また、ポリマー骨格としてPEG以外のポリアルキレンオキシドポリマーから製造される特定のグラフトポリマーは、国際公開第0018375号では開示も特許請求もされていない。
【0015】
本開示は、したがって、医薬用途におけるフィルム形成ポリマーとして使用するための、酢酸ビニルでグラフトされ、次いでビニルアルコールに加水分解されたPEGのみを含む異なる組成物に焦点を当てている。
【0016】
また、国際公開第0018375号には、洗剤用途及び洗浄用途又は布地ケア用途のための本明細書に開示されるようなポリマーの使用は、開示されていない。本開示では、そのような用途又は使用は、全く言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第2007/138053号
【特許文献2】国際公開第03/042262号
【特許文献3】米国特許第5,318,719号
【特許文献4】米国特許出願公開第2019/0390142号
【特許文献5】国際公開第2020/005476号
【特許文献6】国際公開第2020/264077号
【特許文献7】国際公開第0018375号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の目的は、洗浄性界面活性剤及び新規グラフトポリマーを含む洗剤組成物を提供することである。更に、これらの新規グラフトポリマーは、洗浄組成物などの組成物内で用いられる場合、生分解性及び/又はそれらの洗浄挙動に関して有益な特性を有するべきである。
【0019】
この目的は、洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしての20~95%のポリマー骨格であって、
ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができ、
ポリマー骨格の分子量Mnが、500~5000g/molの範囲内である、ポリマー骨格と、
(B)ポリマー骨格にグラフトされた、5~80%のポリマー側鎖(B)であって、当該ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満である、ポリマー側鎖(B)と、を含む
(全てのパーセンテージはグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントである)、洗剤組成物によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明によるグラフトポリマーは、例えば、洗浄組成物、並びに/又は、布地及びホームケア製品などの洗剤組成物中で使用され得る。それらは、従来技術による対応するポリマー又はグラフトポリマーと比較して、例えば汚れの再付着及び染みの除去に関して、そのような組成物又は製品中で少なくとも同等の、好ましくは更に改善された抗再付着及び洗浄性能をもたらす。これに加えて、本発明によるグラフトポリマーは、例えば、洗浄組成物、並びに/又は、布地及びホームケア製品中で、そのような組成物又は製品内で用いられる場合、改善された生分解性をもたらす。
【0021】
本発明による向上した生分解性を有するグラフトポリマーは、洗濯組成物及び洗浄組成物において有利に使用することができ、それらは、とりわけ、界面活性剤による織物又は硬質表面からの疎水性汚れの除去を支持し、したがって、配合物の洗濯性能及び洗浄性能を改善する。更に、それらはまた、洗濯液又は洗浄液における除去された汚れのより良好な分散をもたらし、洗濯された材料又は洗浄された材料の表面への再付着を防止する。
【0022】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(「include(s)」及び「including」)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0023】
本開示の組成物は、本開示の成分「を含む(comprise)」(すなわち、他の成分を含有する)、「から本質的になる(consist essentially of)」(主に言及された成分又はほぼ言及された成分のみと、主に単なる不純物として非常に少量のみの他の成分とを含む)、又は「からなる(consist of)」(すなわち、言及された成分のみを含有し、加えて、技術的環境において避けられない不純物のみ、好ましくは成分のみを含有し得る)ことができる。
【0024】
同様に、本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」又は「本質的に(含有しない/含まない)((containing/comprising)essentially no)」という用語が使用されてもよく、これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は更には0.1重量%未満、又はより更には0.01重量%未満、又は更には0重量%のレベルで存在してもよい。
【0025】
本明細書で使用するとき、「約」という用語は、例えば「約X%」などのように言及される正確な数「X」、並びにXからのマイナス5~プラス5%の偏差(この計算ではXを100%に設定)、好ましくはマイナス2~プラス2%、より好ましくはマイナス1~プラス1%、更により好ましくはマイナス0,5~プラス0,5%及びより小さい変動を含む、Xの小さな変動を包含する。もちろん、与えられた値X自体が既に「100%」(純度などについて)である場合、「約」という用語は、明らかに「100」よりも小さいその偏差を意味することができ、したがってその偏差のみを意味する。
【0026】
「布地ケア組成物」という句は、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含むことを意味する。そのような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シートの上又は中に含まれる洗剤、並びに本明細書の教示及び組成物を説明する際に本明細書において以下で詳述される教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。そのような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用されてもよく、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加されてもよく、本発明のグラフトポリマー及びそのようなグラフトポリマーを含む組成物の使用並びに用途を説明する際に本明細書において以下で更に詳述されるものでもよい。
【0027】
別途注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0028】
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0029】
グラフトポリマー
したがって、本発明の第1の主題は、グラフトポリマーに関し、このグラフトポリマーは、
(A)グラフトベースとしての、20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%のポリマー骨格であって、
ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができ、
ポリマー骨格の分子量Mnが、500~5000g/molの範囲内、好ましくは3500g/mol以下、より好ましくは3000g/mol以下、更により好ましくは2500g/mol以下、最も好ましくは2000g/mol以下、例えば1800g/mol以下である、ポリマー骨格と、
(B)ポリマー骨格にグラフトされた、5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%のポリマー側鎖(B)であって、当該ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、最も好ましくはモノマー(B2)が本質的に存在しない、ポリマー側鎖(B)と、を含む
(全てのパーセンテージはグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントである)。
【0030】
本発明で例示されるグラフトポリマー内のポリマー骨格(A)対ポリマー側鎖(B)の比は、特定の値に限定されなくてもよく、原理的には、当業者に既知の任意の比を用いることができる。しかしながら、先に詳述した比を使用した場合に良好な結果が得られる。
【0031】
ポリマー骨格(A)自体、並びにそのようなコポリマー骨格を製造するための方法は、当業者に既知である。そのような方法は、典型的には、既知の手段を使用するエチレンオキシドの重合である。
【0032】
したがって、本発明の範囲内で用いられる好適なポリマー骨格(A)は、エチレンオキシドを用いる標準的なアルコキシル化重合プロセスによって容易に得ることができる。
【0033】
代わりの実施形態では、本発明はまた、グラフトポリマーを包含し、このグラフトポリマーは、
(A)グラフトベースとしてのポリマー骨格であって、ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができる、ポリマー骨格と、
(B)ポリマー骨格にグラフトされたポリマー側鎖であって、当該ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、
ここで、積の式
P=[ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)]×[総ポリマー重量に基づくポリマー側鎖(B)の量のパーセンテージ(ポリマー重量を「1」に設定し、その分数としての(B)の量のパーセンテージ)]
が、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下、又は更に300以下であり、
好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、ポリマー側鎖(B)と、を含む。
【0034】
本発明によるグラフトポリマーは、好ましくは、多分散性が低い。
【0035】
本発明のグラフトポリマー及び/又は先に詳述したグラフトポリマーは、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲内の多分散性Mw/Mnを有することが好ましい(Mw=重量平均分子量及びMn=数平均分子量、多分散性は単位を有しない[g/mol/g/mol])。Mw及び/又はMnのそれぞれの値は、以下の実験項内に記載されるように決定され得る。
【0036】
先の実施形態のグラフトポリマー及び/又は先に詳述したグラフトポリマーに関して、モノマー(B2)は、側鎖(B)を得るための重合に用いられないことが更に好ましい。
【0037】
本発明によるグラフトポリマー内に含有されるポリマー骨格(A)及び/又は先に詳述したポリマー骨格(A)は、骨格のそれぞれの末端基においてキャッピングされていてもよく、又はキャッピングされていなくても(非キャッピング)よい。結果として、本発明の範囲内で、コポリマー骨格(A)は、任意に、一方又は両方の末端基においてキャッピングされることが可能であり、好ましくは、コポリマー骨格(A)は、両方の末端基においてキャッピングされない。キャッピングは、C1~C25アルキル基、好ましくはC1~C4の基によって行われる。
【0038】
本発明によるグラフトポリマー内に含有されるポリマー側鎖(B)に関して、ポリマー側鎖(B)は、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)のラジカル重合によって得られることが好ましい。
【0039】
ビニルエステルモノマー(B1)としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルのうちの少なくとも1種が選択される。言及した少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)に加えて、当業者に既知の更なるビニルエステルモノマー(B1)、例えば、吉草酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、デカン酸ビニル及び/又は安息香酸ビニルを用いてもよい。
【0040】
しかしながら、好ましい実施形態では、本発明のグラフトポリマー及び/又は先に詳述したグラフトポリマーが、ポリマー骨格(A)の存在下で、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)のラジカル重合によって得られるか又は得ることができるポリマー側鎖(B)を含み、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、好ましくは本質的に他のモノマー(B2)が用いられない。
【0041】
なおさら、更により好ましい実施形態では、本発明のグラフトポリマー及び/又は先に詳述したグラフトポリマーは、
(A)グラフトベースとしての、20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%のポリマー骨格であって、
ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができ、
ポリマー骨格の分子量Mnが、500~5000g/molの範囲内、好ましくは3500g/mol以下、より好ましくは3000g/mol以下、更により好ましくは2500g/mol以下、最も好ましくは2000g/mol以下、例えば1800g/mol以下である、ポリマー骨格と、
(B)ポリマー骨格にグラフトされた、5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%のポリマー側鎖(B)であって、当該ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と、を含み
(全てのパーセンテージはグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントである)、
少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、
より好ましくは本質的に他のモノマー(B2)が用いられない。
【0042】
代わりの(前述の実施形態に対する)より好ましい実施形態では、本発明のグラフトポリマー及び/又は先に詳述したグラフトポリマーは、
(A)グラフトベースとしてのポリマー骨格(A)であって、
ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができる、ポリマー骨格(A)と、
(B)ポリマー骨格にグラフトされたポリマー側鎖であって、当該ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、
ここで、積の式P=[ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)]×[総ポリマー重量に基づくポリマー側鎖(B)の量のパーセンテージ(ポリマー重量を「1」に設定し、その分数としての(B)の量のパーセンテージ)]が、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下、又は更に300以下であり、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、ポリマー側鎖(B)と、を含み、
少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、
より好ましくは本質的に他のモノマー(B2)が用いられない。
【0043】
本発明のグラフトポリマーは、ビニルエステルから作製される一定量の非グラフトポリマー(「非グラフト側鎖」)、例えば、酢酸ビニルのみが用いられる場合にはポリ酢酸ビニル、並びに/又は更なるモノマーが用いられる場合にはホモポリマー及びビニルエステルと他のモノマーとのコポリマーを含有してもよい。そのような非グラフトビニルエステルホモポリマー及びビニルエステルコポリマーの量は、反応条件に応じて高くても低くてもよいが、低減されることが好ましく、したがって低いことが好ましい。この低減により、グラフト側鎖の量が好ましくは増加する。そのような低減は、好適な反応条件、例えばビニルエステル及びラジカル開始剤の用量並びにそれらの相対量によって、また存在する骨格の量にも関連して、達成することができる。これは、当業者には一般的に既知である。
【0044】
本発明のグラフトポリマーは、それらのグラフト化度(ポリマー骨格(A)上のポリマー側鎖(B)のグラフト部位の数)によって特徴付けられ得る。グラフト度は、反応条件に応じて、高くなり得るか又は低くなり得る。好ましくは、グラフト化度は、低~中、より好ましくは低である。この態様における「低い」とは、統計的に、アルキレンオキシド単位50個当たり2個未満のグラフト部位が存在することを意味する。
【0045】
グラフト化度のこの調節及び非グラフトポリマーのこの量は、特定の関心領域、例えば、特定の(例えば、洗剤)配合物、用途領域又は所望の洗浄などの性能における、性能を最適化するために使用することができる。
【0046】
本発明の別の(好ましくない)実施形態では、本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)は、そのグラフトポリマー自体が得られた後に完全に又は(より好ましくは)少なくとも部分的に加水分解される。これは、ポリマー側鎖(B)の重合プロセスが終了した後に、グラフトポリマーのポリマー側鎖(B)の完全な又は少なくとも部分的な加水分解が実行されることを意味する。
【0047】
本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)のこの完全な又は少なくとも部分的な加水分解により、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)に由来するそれぞれの側鎖単位は、ポリマー側鎖(B)内のそれぞれのエステル官能基からアルコール官能基に変化する。対応するビニルアルコールは、安定性のため、ポリマー側鎖(B)の重合プロセス内のモノマーとして用いるのに好適ではないことに留意されたい。本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)内のアルコール官能基(ヒドロキシ置換基)を得るために、アルコール官能基は、典型的には、側鎖のエステル官能基を加水分解することによって導入される。
【0048】
理論上の観点から、ポリマー側鎖(B)の各エステル官能基は、アルコール官能基(ヒドロキシ基)によって置換され得る。そのような場合、ポリマー側鎖は、完全に加水分解される(「鹸化される」)。
【0049】
加水分解は、当業者に既知の任意の方法によって実行することができる。例えば、加水分解は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの好適な塩基の添加によって誘発され得る。
【0050】
しかしながら、本発明のこの実施形態では、ポリマー側鎖(B)の加水分解は、部分的にのみ、例えば、最大20重量%、最大40重量%、又は最大60重量%の程度まで実行されることが好ましい(ポリマー側鎖の総重量に対して)。更により好ましくは、この実施形態では、ポリマー側鎖(B)は、重合後、完全に又は部分的に、好ましくは重合において用いられる少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の量に対して最大50%の程度まで、加水分解され得る。
【0051】
しかしながら、本発明の最も好ましい実施形態では、ポリマー側鎖(B)は、重合後に加水分解されない。
【0052】
本発明のグラフトポリマー及び/又は先に詳述したグラフトポリマーでは、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意に存在する更なるモノマー(B2)に関連して上記で定義されたもの以外の他のモノマーは、ポリマー側鎖(B)を得るためのそれぞれの重合プロセスにおいて用いられないことが好ましい。しかしながら、(B1)及び任意に(B2)によるモノマー以外の任意の更なるポリマーモノマーが存在する場合、そのようなモノマー(B1及びB2以外)は、ポリマー側鎖(B)を得るために用いられるモノマーの総量の1%未満の量で存在する。好ましくは、当該追加のモノマーの量は、0.5重量%未満、更により好ましくは0.01重量%未満であり、最も好ましくは、モノマー(B1)及び任意に(B2)以外の任意の追加のモノマーが全く存在しない。
【0053】
そのより好ましい実施形態では、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、更により好ましくは、モノマー(B2)も、ポリマー側鎖(B)を得るために用いられるモノマーの総量の1%未満の量で存在する。更により好ましくは、モノマー(B2)の量は、0.5重量%未満、更により好ましくは0.01重量%未満であり、最も好ましくは、モノマー(B1)以外にモノマー(B2)が本質的に存在しない。
【0054】
モノマー(B2)は、原則として、ビニルエステルモノマー(B1)と重合可能な任意のモノマーであり得る。
【0055】
本発明において、酸官能基を含むモノマーが用いられないことが特に好ましい。特に、本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)を得るために用いられるモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、又はアクリルオキシ-プロピオン酸などのいかなる酸官能性モノマーも含まない。
【0056】
本発明のポリマーは、本発明が対象とする様々な用途分野において問題なく用いられるために、以下の特性のうちの少なくとも1つ、好ましくは2つ以上を有する。
a)特定レベルの生分解性、グラフトポリマーのそのような生分解性が、OECD301Fに従って試験した場合(測定方法は実験の項を参照)、28日以内に少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは少なくとも40%、例えば少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%又は85%である。
b)本発明が一般的に対象とする用途分野に典型的に存在する水性環境内でポリマーを用いることができるようにするために、特定の程度のポリマーの水溶性。好ましくは、本発明のポリマーは、様々な種類の配合物、例えば、食器洗い、自動食器洗い、硬質表面洗浄、布地洗浄、布地ケア、化粧品配合物などの分野で典型的に用いられるような、水性配合物の環境において、中程度から良好、より好ましくは非常に良好な溶解度を示すべきである。
c)ポリマー溶液の粘度は、溶媒、典型的には水及び有機溶媒、水のみ又は有機溶媒のみを含有する水溶液に溶解された、例えば「純粋な」(そして典型的には液体の)生成物として、ポリマーの適度に高い固体濃度において、製造中及び製造後に取り扱われるような並びに使用者に提供されるような、粘度であるべきであり、そのようなポリマー又はポリマー溶液の粘度は、例えば注ぐ、ポンピング、投与などの典型的な技術的プロセス工程を可能にする範囲内にある。したがって、粘度は、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、更により好ましくは少なくとも40重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、70重量%、80重量%又は更には90重量%のポリマー濃度(ポリマー溶液の総重量内の乾燥ポリマーの重量パーセントによって定義される、溶液中のポリマーの全固形分に基づく)において、好ましくは最大約4000mPas未満の範囲内、より好ましくは最大3500mPas、更により好ましくは最大3000mPas、例えば最大4500mPas、3750mPas、3250mPas、2750mPas、又は更には2600mPas以下、例えば2500mPas、2000mPas、1750mPas、1500mPas、1250mPas、1000mPas、750mPas、500mPas、250mPas、200mPas、150mPas、又は100mPasの範囲にあるべきである。粘度は、25℃又は高温、例えば、50℃又は更に60℃の温度で測定され得る。これにより、商業規模でのポリマー溶液の好適な取り扱いが可能である。当然のことながら、添加される溶媒の量に応じて、溶媒の量が増加すると粘度は低下し、またその逆も同様であるため、所望の場合に調整可能であることは明らかである。また、測定される粘度は、測定される温度に依存することも明らかであり、例えば、所与の固形分、例えば80重量%の所与のポリマーの粘度は、より低い温度で測定されるとより高く、より高い温度で測定されるとより低くなる。好ましい実施形態では、追加の溶媒が添加されず、調製された状態のポリマーで、固形分は、70~99重量%、より好ましくは75~85重量%である。より好ましい実施形態では、追加の溶媒が添加されず、調製された状態のポリマーで、固形分は、70~99重量%、より好ましくは75~95重量%であり、粘度は、60℃で測定した場合、3000mPas未満、より好ましくは3250mPas未満、又は更には2750mPas未満、2600mPas未満、2500mPas未満、2000mPas未満、1750mPas未満、1500mPas未満、1250mPas未満、1000mPas未満、750mPas未満、500mPas未満又は更には250mPas未満である。粘度は、そのようなポリマーについて一般的に知られているように、好ましくは以下の実験部分に記載されるように決定され得る。
【0057】
これらの要件を達成するために、本発明のポリマーのそのような特性を達成する方法に対して以下のガイダンスが与えられ得る。
【0058】
生分解性は、一般に、以下の条件のうちの少なくとも1つによって増加する。
・ 高分子量と比較して、ポリマー骨格(A)の分子量がより低い、
・ 高重量パーセントと比較して、骨格にグラフトされるポリマー側鎖(モノマーB)の重量パーセントがより低い。
【0059】
更なる基準として、当然のことながら、特定のポリマーの個々の性能を評価する必要があり、したがって特定の用途分野で各個々の配合に対してランク付けされる必要がある。本発明のポリマーの広い有用性により、網羅的な概説はできないものの、本明細書及び実施例は、所望の特性の有用なポリマーを調製及び選択する方法並びに所望のニーズに対して特性を調整する方法に関するガイダンスを提供する。ホームケア及び特に布地ケアの領域についての1つのそのような基準は、当然のことながら、洗浄時の性能、例えば、特定の材料の染みを呈する特定の材料を定義された洗浄手順に供することである。
【0060】
実施例は、布地を洗浄するための用途、すなわち、布地ケアの一般的な領域についてのいくつかのガイダンスを与える。
【0061】
定義された程度の生分解性、水溶性、及び粘度(すなわち、取り扱い特性)を示すポリマーについての個々の必要性に応じて、本明細書の一般的及び特定の教示は、与えられる特定の実施例に限定されることを意図するものではないが、そのようなポリマーを得る方法を導く。
【0062】
グラフトポリマーの作製プロセス
本発明の別の主題は、様々な実施形態及びその変形例において上述した本発明のグラフトポリマーを調製するためのプロセスである。本発明による少なくとも1種のグラフトポリマーを得るためのこのプロセスでは、少なくとも1種のモノマー(B1)及び任意で更なるモノマー(B2)が、少なくとも1種のポリマー骨格(A)の存在下で重合される。
【0063】
ポリマー骨格(A)などのポリマー骨格がポリマー側鎖とグラフトされるグラフト化プロセス自体は、当業者に既知であることに留意されたい。この点で当業者に既知の任意のプロセスを本発明において用いることができる。
【0064】
本発明のプロセスにおいて、ポリマー側鎖(B)がラジカル重合によって得られることが好ましい。
【0065】
そのようなラジカル重合もまた、当業者に既知である。当業者はまた、本発明のプロセスがラジカル形成開始剤(C)及び/又は少なくとも1種の溶媒(D)の存在下で実行され得ることも知っている。当業者は、それぞれの成分自体を知っている。
【0066】
本発明の文脈において使用される「ラジカル重合」という用語は、フリーラジカル重合以外に、その変化型、例えば制御ラジカル重合も含む。好適な制御機構は、好適な制御剤を含み、当業者に各々既知である、RAFT、NMP、又はATRPである。
【0067】
好ましい実施形態では、本発明のグラフトポリマー及び/又は先に詳述したグラフトポリマーを製造するプロセスは、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の更なるモノマー(B2)を、少なくとも1種のポリマー骨格(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)、並びに所望により、成分(A)、(B1)、任意で(B2)及び(C)の合計に基づいて最大50重量%の少なくとも1種の有機溶媒(D)の存在下、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度で、反応混合物中の未変換グラフトモノマー(B1)及び任意のモノマー(B2)及び開始剤(C)の画分がコポリマー骨格(A)に対して常に量的不足に保たれるような方法で、重合することを含む。好ましい実施形態では、モノマー(B2)は用いられない。
【0068】
((フリー)ラジカル形成)開始剤(C)の量は、好ましくは、ポリマー側鎖(B)上の各場合に基づいて、0.1~5重量%、特に0.3~3.5重量%である。
【0069】
本発明によるプロセスの場合、平均重合温度において存在するラジカルの定常状態濃度は、実質的に一定であり、グラフトモノマー(B1)又は(B2)は、反応混合物中に常に低濃度(例えば、合計で5重量%以下)でのみ存在することが好ましい。これにより、反応を制御することができ、グラフトポリマーは、所望の低多分散性を伴い制御された方法で調製することができる。
【0070】
「平均重合温度」という用語は、ここでは、プロセスが実質的に等温であるが、反応の発熱性に起因して、好ましくは+/-10℃の範囲内、より好ましくは+/-5℃の範囲内に維持される温度変動があり得ることを意味することが意図される。
【0071】
本発明によれば、平均重合温度での(ラジカル形成)開始剤(C)は、40~500分、好ましくは50~400分、より好ましくは60~300分の分解半減期を有するべきである。
【0072】
本発明によれば、開始剤(C)及びグラフトモノマー(B1)及び/又は(B2)は、有利には、低く、実質的に一定の濃度の未分解の開始剤及びグラフトモノマー(B1)及び/又は(B2)が反応混合物中に存在するような方法で添加される。反応混合物全体における未分解の開始剤の割合は、モノマー添加中に計量された開始剤の総量に基づいて、好ましくは、15重量%以下、特に10重量%以下である。
【0073】
より好ましい実施形態では、本プロセスは、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の更なるモノマー(B2)を、少なくとも1種のポリマー骨格(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)、並びに所望により、成分(A)、(B1)、任意で(B2)及び(C)の合計に基づいて最大50重量%の少なくとも1種の有機溶媒(D)の存在下、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度で、反応混合物中の未変換グラフトモノマー(B1)及び任意の(B2)及び開始剤(C)の画分がポリマー骨格(A)に対して常に量的不足に保たれるような方法で、重合することを含み、好ましくは、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、(B2)が存在する場合、モノマー(B1)に対する任意のモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である。
【0074】
先の前述の実施形態の更により好ましい実施形態では、モノマー(B1)以外にモノマー(B2)は本質的に用いられない。
【0075】
平均重合温度は、おおよそ50~140℃、好ましくは60~120℃、より好ましくは65~110℃の範囲である。
【0076】
50~140℃の温度範囲における分解半減期が20~500分である好適な開始剤(C)の例は、
- tert-C4~C12-アルキルヒドロペルオキシド及びtert-(C9~C12-アラルキル)ヒドロペルオキシドのO-C2~C12-アシル化誘導体、例えば、tert-ブチルペルオキシアセテート、tert-ブチルモノペルオキシマレエート、tert-ブチルペルオキシイソブチレート、tert-ブチルペルオキシピバレート、tert-ブチルペルオキシネオヘプタノエート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシネオデカノエート、tert-アミルペルオキシピバレート、tert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-アミルペルオキシネオ-デカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、クミルペルオキシネオ-デカノエート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-アミルペルオキシベンゾエート及びジ-tert-ブチルジペルオキシフタレート、
- tert-C8~C14-アルキレンビスペルオキシドのジ-O-C4~C12-アシル化誘導体、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイル-ペルオキシ)ヘキサン及び1,3-ジ(2-ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、
- ジ(C2~C12-アルカノイル)及びジベンゾイルペルオキシド、例えば、ジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジスクシニルペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジ(4-クロロベンゾイル)ペルオキシド及びジ(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、
- tert-C4C5-アルキルペルオキシ(C4C12-アルキル)カルボネート、例えば、tert-アミルペルオキシ(2-エチル-ヘキシル)カルボネート、
- ジ(C2~C12-アルキル)ペルオキシジカルボネート、例えば、ジ(n-ブチル)ペルオキシジカルボネート及びジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネート。
【0077】
平均重合温度に応じて、特に好適な開始剤(C)の例は次の通りである。
- 50~60℃の平均重合温度において、
tert-ブチルペルオキシネオヘプタノエート、tert-ブチルペルオキシネオデカノエート、tert-アミルペルオキシピバレート、tert-アミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、クミルペルオキシネオデカノエート、1,3-ジ(2-ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ(n-ブチル)ペルオキシジカルボネート及びジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネート、
- 60~70℃の平均重合温度において、
tert-ブチルペルオキシピバレート、tert-ブチルペルオキシネオヘプタノエート、tert-ブチルペルオキシネオデカノエート、tert-アミルペルオキシピバレート及びジ(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、
- 70~80℃の平均重合温度において、
tert-ブチルペルオキシピバレート、tert-ブチルペルオキシネオヘプタノエート、tert-アミルペルオキシピバレート、ジプロピオニルペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジ(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、
- 80~90℃の平均重合温度において、
tert-ブチルペルオキシイソブチレート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピオニルペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド及びジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、
- 90~100℃の平均重合温度において、
tert-ブチルペルオキシイソブチレート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルモノペルオキシマレエート、tert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルペルオキシド及びジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、
- 100~110℃の平均重合温度において、
tert-ブチルモノペルオキシマレエート、tert-ブチルペルオキシイソブチレート及びtert-アミルペルオキシ(2-エチルヘキシル)カルボネート、
- 110~120℃の平均重合温度において、
tert-ブチルモノペルオキシマレエート、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート及びtert-アミルペルオキシ(2-エチルヘキシル)カルボネート。
【0078】
好ましい開始剤(C)は、tert-C4~C5-アルキルヒドロペルオキシドのO-C4~C12-アシル化誘導体であり、特に好ましいのは、tert-ブチルペルオキシピバレート及びtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートである。
【0079】
開始剤(C)及び重合温度を正確に調整することによって、特に有利な重合条件を確立することができる。例えば、tert-ブチルペルオキシピバレートを使用する場合の好ましい平均重合温度は、60~80℃であり、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートの場合、80~100℃である。
【0080】
本発明の重合反応は、好ましくは少量の有機溶媒(D)の存在下で実行することができる。当然ながら、異なる溶媒(D)の混合物を使用することも可能である。水溶性又は水混和性溶媒を使用することが好ましい。
【0081】
溶媒(D)が希釈剤として使用される場合、それぞれの場合に成分(A)、(B1)、任意に(B2)、及び(C)の合計に基づいて、一般に1~40重量%、好ましくは1~35重量%、より好ましくは1.5~30重量%、最も好ましくは2~25重量%が使用される。
【0082】
好適な溶媒(D)の例としては、以下が挙げられる。
- 一価アルコール、好ましくは脂肪族C1~C16-アルコール、より好ましくは脂肪族C2~C12-アルコール、最も好ましくはC2~C4-アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec-ブタノール及びtert-ブタノール、
- 多価アルコール、好ましくはC2~C10-ジオール、より好ましくはC2~C6-ジオール、最も好ましくはC2~C4-アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール及び1,3-プロピレングリコール、
- アルキレングリコールエーテル、好ましくはアルキレングリコールモノ(C1~C12-アルキル)エーテル及びアルキレングリコールジ(C1~C6-アルキル)エーテル、より好ましくはアルキレングリコールモノ-及びジ(C1~C2-アルキル)エーテル、最も好ましくはアルキレングリコールモノ(C1~C2-アルキル)エーテル、例えば、エチレングリコールモノメチル及び-エチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチル及び-エチルエーテル、
- ポリアルキレングリコール、好ましくは、2~20個のC2~C4-アルキレングリコール単位を有するポリ(C2~C4-アルキレン)グリコール、より好ましくは、2~20個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2~10個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、最も好ましくは、2~15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2~4個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール、
- ポリアルキレングリコールモノエーテル、好ましくは、2~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C2~C4-アルキレン)グリコールモノ(C1~C25-アルキル)エーテル、より好ましくは、2~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C2~C4-アルキレン)グリコールモノ(C1~C20-アルキル)エーテル、最も好ましくは、3~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C2~C3-アルキレン)グリコールモノ(C1~C16-アルキル)エーテル、
- カルボキシエステル、好ましくは、C1~C6-カルボン酸のC1~C8-アルキルエステル、より好ましくは、C1~C3-カルボン酸のC1~C4-アルキルエステル、最も好ましくは、C2~C3-カルボン酸のC2~C4-アルキルエステル、例えば、エチルアセテート及びエチルプロピオネート、
- 好ましくは3~10個の炭酸原子を有する脂肪族ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びシクロヘキサノン、
- 環状エーテル、特にテトラヒドロフラン。
【0083】
溶媒(D)は、有利には、(例えば、洗濯及び洗浄組成物中に)使用のために本発明のグラフトポリマーを配合するためにも使用され、したがって、重合生成物中に残留し得る。
【0084】
これらの溶媒の好ましい例は、2~15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール、2~6個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、特に、C6~C8-アルコール(アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル)のアルコキシル化生成物である。
【0085】
本明細書において特に好ましいのは、高度の分枝を有するC8~C16アルコールのアルコキシル化生成物であり、これにより、40~70℃で自由流動し、比較的低い粘度において非常に低いポリマー含有量を有するポリマー混合物の配合が可能である。分枝は、アルコールのアルキル鎖及び/又はポリアルコキシレート部分中に存在し得る(少なくとも1つのプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はイソブチレンオキシド単位の共重合)。これらのアルコキシル化生成物の特に好適な例は、1~15molのエチレンオキシドでアルコキシル化された2-エチルヘキサノール又は2-プロピルヘプタノール、1~15molのエチレンオキシド及び1~3molのプロピレンオキシドでアルコキシル化されたC13/C15オキソアルコール又はC12/C14又はC16/C18脂肪族アルコール、好ましくは、1~15molのエチレンオキシド及び1~3molのプロピレンオキシドでアルコキシル化された2-プロピル-ヘプタノールである。
【0086】
本発明によるプロセスでは、ポリマー骨格(A)、グラフトモノマー(B1)、及び適切な場合に(B2)、開始剤(C)、及び適切な場合に溶媒(D)は、通常、反応器内で選択された平均重合温度まで加熱される。
【0087】
本発明によれば、重合は、過剰のポリマー(ポリマー骨格(A)及び形成されたグラフトポリマー(B))が反応器内に常に存在するような方法で実行される。ポリマー対非グラフトモノマー及び開始剤の量比は、一般に、10:1以上、好ましくは15:1以上、より好ましくは20:1以上である。
【0088】
本発明による重合プロセスは、原則として、様々な反応器タイプ内で実行することができる。
【0089】
使用される反応器は、好ましくは、ポリマー骨格(A)が、適切な場合には、グラフトモノマー(B1)又は(B2)、開始剤(C)及び溶媒(D)の一部、一般には特定の総量の最大15重量%とともに、まず完全に又は部分的に投入され、重合温度まで加熱され、(B)、(C)及び適切な場合に(D)の残りの量が、好ましくは別々に計量される、撹拌槽である。(B)、(C)、及び適切な場合に(D)の残りの量は、好ましくは、2時間以上、より好ましくは4時間以上、最も好ましくは5時間以上にわたって計量される。
【0090】
特に好ましい実質的に無溶媒のプロセス変化型の場合、ポリマー骨格(A)の総量を、最初に溶融物として投入し、グラフトモノマー(B1)及び適切な場合に(B2)、更に溶媒(D)のうちの1種中の10~50重量%溶液の形態で好ましくは存在する開始剤(C)も計量され、温度は、重合中に平均して、選択された重合温度が、特に+/-10℃、具体的に+/-5℃の範囲で維持される。
【0091】
更に特に好ましい低溶媒プロセス変化型において、反応混合物の粘度を制限するために、溶媒(D)が重合中に計量されることを除いて、本手順は上記の通りである。高度な重合を伴う後の時間にのみ、溶媒の計量添加を開始するか、又はそれを部分的に添加することも可能である。
【0092】
重合は、標準圧力下又は低圧若しくは高圧で行ってもよい。使用されるモノマー(B1)又は(B2)又は任意の希釈剤(D)の沸点が選択された圧力において超過する場合、重合は還流冷却で実行される。
【0093】
グラフトポリマーの使用
原則として、本発明のグラフトポリマーは、特にグラフトモノマーのタイプ及び量が類似又は同等である場合、(ポリマー骨格及びグラフトモノマーの相対量に関して)同一又は非常に類似した組成の従来のグラフトポリマーを置き換えるために、任意の用途で用いることができる。そのような用途は、例えば、洗浄組成物並びに/又は布地ケア組成物及びホームケア組成物を含む、洗剤組成物である。
【0094】
したがって、本発明の別の主題は、布地及びホームケア製品、特に、改善された油性及び脂肪性染み除去、クレーなどの固体垢の除去、布地表面の灰色化の防止、及び/又はスケール防止剤のための洗浄組成物における、先に詳述した本発明のグラフトポリマーの使用であり、洗浄組成物は、好ましくは洗濯洗剤配合物及び/又は食器洗い用洗剤配合物、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗い用洗剤配合物である。
【0095】
洗濯洗剤などの洗剤組成物、洗浄組成物、並びに/又は布地及びホームケア製品自体は、当業者に既知である。それぞれの使用に関連して、当業者に既知である任意の組成物などを、本発明の文脈において用いることができる。
【0096】
好ましい実施形態では、それは、洗浄性界面活性剤及び上記で定義された少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、洗浄組成物並びに/又は布地及びホームケア製品並びに/又は業務用洗浄製品である。特に、それは、改善された洗浄性能及び/又は再付着防止のための、例えば汚れの再付着及び染みの除去に関して、特に皮脂及び食品グリースを覆う脂性汚れなどの染み除去のための、並びに/又はクレーなどの粒子汚れのための、洗浄組成物であり、好ましくは洗濯洗剤配合物及び/又は手動食器洗い用洗剤配合物であり、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗い用洗剤配合物であり、改善された洗浄/一次洗い並びに/又は油性及び脂肪性染み除去のための、より好ましくは皮脂及び食品グリースを覆う脂性汚れの染み除去のための、並びにクレーなどの粒子汚れのための、好ましくは洗浄組成物、より好ましくは洗濯洗剤配合物及び/又は手動食器洗い用洗剤配合物、最も好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗い用洗剤配合物である。
【0097】
特に、本発明のグラフトポリマーは、身体汚れ、食品及びグリース汚れ、クレー又はカーボンブラックなどの粒子汚れ、草汚れ、化粧、モーター油などの様々な疎水性汚れ及び親水性汚れの、織物又は硬質表面からの界面活性剤による除去を支持し、したがって、その配合物の洗濯性能及び洗浄性能を改善する(「改善された洗浄性能」)。
【0098】
また、本発明のグラフトポリマーは、洗濯又は洗浄液における除去された汚れのより良好な分散をもたらし、洗濯又は洗浄された材料の表面への再付着を防止する(「再付着防止性能」)。本明細書では、除去された汚れには、洗濯プロセスにおいて存在する全ての典型的な汚れ、例えば、身体汚れ、食品及びグリース汚れ、クレー又はカーボンブラックなどの粒子汚れ、草汚れ、化粧、モーター油などが含まれる。そのような再付着防止効果は、綿、ポリコットン、ポリエステル、ポリエーテル/ポリウレアのコポリマー(Spandex(商標))などを含む、様々な布地タイプで観察することができる。更に、そのような再付着防止効果は、布地向上剤の使用歴のある布地においても、又は布地向上剤又はフレッシュネスビーズ若しくは漂白剤などの他の洗濯添加剤の存在下で布地洗いが実行される場合にも効果的である。
【0099】
一実施形態では、本発明において、洗浄組成物が、好ましくは1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ、並びに前述のタイプのうちの少なくとも2種の組み合わせから選択される、少なくとも1種の酵素を(上記の少なくとも1種のグラフトポリマーの他に)更に含むことも好ましい。
【0100】
したがって、本発明の別の主題は、上で定義した少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、布地及びホームケア製品並びに業務用洗浄製品などの洗浄組成物であり、特に、先に詳述した改善された洗浄及び再付着防止性能のための洗浄組成物である。
【0101】
本明細書に記載の少なくとも1種のグラフトポリマーは、当該発明の洗浄組成物中に、そのような組成物又は製品の総重量に対してそのような組成物又は製品の総重量に対して、約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の範囲の量で存在し、そのような洗浄組成物は、約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を更に含んでもよく、好ましくは含む。
【0102】
好ましくは、そのような発明の洗浄組成物は、布地及びホームケア製品又は工業用及び業務用(industrial and institutional、I&I)洗浄製品であり、好ましくは布地及びホームケア製品であり、より好ましくは洗濯洗剤又は手動食器洗い用洗剤であり、少なくとも1種の本発明のグラフトポリマーを含み、任意で少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系を更に含み、汚れの改善された除去、分散及び/若しくは乳化、並びに/又は処理された表面の改質、及び/又は処理された表面の白色度維持を提供する。
【0103】
更により好ましくは、本発明の洗浄組成物は、少なくとも1種の本発明のグラフトポリマーを含み、任意で少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系(全て先に詳述した通り)を更に含み、洗濯用途及び手動食器洗い用途において改善された洗浄及び再付着防止性能を示し、更により具体的には、洗濯用途における、最も好ましくは洗濯洗剤における、改善された洗浄及び再付着防止性能のためのものであり、リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼからなるリストから選択される少なくとも1種の酵素、並びに前述のタイプの酵素のうちの少なくとも2種の組み合わせを更に含み得る。
【0104】
本発明の一実施形態では、本発明のグラフトポリマーは、好ましくは洗濯ケアにおいて、改善された洗浄及び再付着防止のために、並びに/又は更に白色度維持のために使用され得る。別の好ましい実施形態では、本発明のグラフトポリマーは、好ましくは洗濯用途において、布地の灰色化を低減する(抗灰色化)ために使用され得る。
【0105】
好ましい一実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。
【0106】
別の好ましい実施形態では、本発明の洗浄組成物は、手動又は自動食器洗い用の液体又は固体(例えば、粉末又はタブ/単位用量)洗剤組成物であり、好ましくは液体手動食器洗い用洗剤組成物である。そのような組成物は、当業者に既知である。
【0107】
別の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬質木材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスなどの様々な表面を洗浄するために使用され得る硬質表面洗浄組成物である。
【0108】
別の実施形態では、洗浄組成物は、化粧品製品、パーソナルケア組成物及びペットケア組成物に、例えばシャンプー組成物、ボディウォッシュ配合物、液体石鹸又は固体石鹸に使用されるように設計される。
【0109】
一実施形態では、本発明のグラフトポリマーは、一次界面活性剤としてのC10~C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)と、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性若しくは他のアニオン性の界面活性剤、又はそれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む、洗浄組成物において利用されてもよい。
【0110】
更なる実施形態では、本発明のグラフトポリマーは、一次界面活性剤としての1~5個のエトキシ単位を有するC8~C18直鎖状又は分枝状アルキルエーテルサルフェートと、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性若しくは他のアニオン性の界面活性剤、又はそれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む、任意の種類の洗濯洗剤などの洗浄組成物において利用されてもよい。
【0111】
更なる実施形態では、本発明のグラフトポリマーは、一次界面活性剤としての5~10個のエトキシ単位を有するC12~C18アルキルエトキシレート界面活性剤と、アニオン性、カチオン性、両性、双性イオン性若しくは他の非イオン性の界面活性剤、又はそれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む、任意の種類の洗濯洗剤などの洗浄組成物において利用されてもよい。
【0112】
本発明の一実施形態では、グラフトポリマーは、それぞれが少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を更に含む、例えば好ましくは洗濯又は食器洗い用配合物、より好ましくは液体洗濯又は手動食器洗い用配合物などの、洗浄組成物の成分である。
【0113】
これらの実施形態における追加の界面活性剤の選択は、用途及び所望の効果に依存し得る。
【0114】
洗浄組成物、配合物及びそれらの成分の説明
本明細書で使用するとき、「洗浄組成物」という句は、汚れた材料を洗浄するために設計された組成物及び配合物を含む。そのような組成物及び配合物には、任意の種類の汚れた材料又は表面を洗浄するために設計されたものが含まれる。
【0115】
「工業用及び業務用洗浄」のための組成物には、タイル、カーペット、PVC表面、木材表面、金属表面、ラッカー塗装表面を含む任意の種類の表面のための硬質表面クリーナーなど、任意の種類の汚れた材料又は表面の洗浄に使用するためのものなど、工業用及び業務用洗浄に使用するために設計されたそのような洗浄組成物が含まれる。
【0116】
「布地及びホームケア用組成物」としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、食器洗い用組成物、硬質表面洗浄組成物、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、軽質液体洗剤組成物、重質液体洗剤組成物、洗濯で一般に使用される洗剤ゲル、漂白組成物、洗濯添加剤、布地向上剤組成物、並びに本明細書の教示を考慮すると当業者には明白であり得るその他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない洗浄組成物が挙げられる。そのような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用されてもよく、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に、好ましくは洗濯若しくは食器洗い操作の洗浄サイクル中に添加されてもよい。より好ましくは、そのような布地及びホームケア用組成物は、洗濯洗浄組成物、洗濯ケア製品又は洗濯洗浄製品、最も好ましくは液体洗濯洗剤配合物又は液体洗濯洗剤製品である。
【0117】
本発明の洗浄組成物は、任意の形態であってもよく、すなわち、ペースト、ゲル、エマルション、泡及びムースなどの液体含有組成物タイプを含む「液体」組成物の形態であってもよく、粉末、顆粒、マイクロカプセル、ビーズ、ヌードル、パール化ボール、凝集体、錠剤、顆粒組成物、シート、トローチ、ビーズ、繊維状物品、バー、フレークなどの固体組成物であってもよく、又はそれらの混合物であってもよく、単一、デュアル、又は複数の区画パウチ又は入れ物で送達されるタイプであってもよく、単相又は多相の単位用量であってもよく、スプレー又は泡洗剤であってもよく、予め湿らせたワイプ(すなわち、Mackeyらの米国特許第6,121,165号に記載されているような不織布材料と組み合わせた洗浄組成物)であってもよく、使用者又は消費者によって水で活性化される乾燥ワイプ(すなわち、Fowlerらの米国特許第5,980,931号に記載されているような、不織布材料と組み合わせた洗浄組成物)であってもよく、他の均質、不均質又は単相若しくは多相の洗浄製品形態であってもよい。
【0118】
組成物は、単区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねて配置された区画を含んでもよい。パウチ又はその区画に含有される組成物は、液体、固体(粉末など)又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0119】
「液体」/「液体組成物」の非限定的な例としては、軽質液体洗剤組成物、重質液体洗剤組成物、布地向上剤、洗濯で一般に使用される洗剤ゲル、漂白剤及び洗濯添加剤が挙げられる。気体、例えば、懸濁気泡、又は固体、例えば、粒子が、液体に含まれてもよい。
【0120】
本発明の液体洗浄組成物は、好ましくは50~10000mPa*sの粘度を有し、液体手動食器洗い用洗浄組成物(また液体手動「食器洗い用組成物」)は、20 1/s及び20℃において、好ましくは100~10000mPa*s、より好ましくは200~5000mPa*s、最も好ましくは500~3000mPa*sの粘度を有し、液体洗濯洗浄組成物は、20 1/s及び20℃において、好ましくは50~3000mPa*s、より好ましくは100~1500mPa*s、最も好ましくは200~1000mPa*sの粘度を有する。
【0121】
本発明の液体洗浄組成物は、任意の好適なpH値を有し得る。好ましくは、組成物のpHは、4~14の間に調整される。より好ましくは、組成物は、6~13、更により好ましくは6~10、最も好ましくは7~9のpHを有する。組成物のpHは、当技術分野で既知のpH調整成分を使用して調整することができ、25℃の脱塩水中の10%製品濃度として測定される。例えば、NaOHを使用してもよく、NaOHの実際の重量%を変化させて、pH8.0などの所望のpHまで調整してもよい。本発明の一実施形態では、pH>7は、アミン、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンを使用することによって調整される。
【0122】
布地ケア製品及びホームケア製品などの洗浄組成物、並びに工業用及び業務用洗浄のための配合物、より具体的には洗濯洗剤及び手動食器洗い用洗剤などは、当業者に既知である。当業者に既知の任意の組成物などは、それぞれの使用に関連して、少なくとも1種の本発明のポリマー、好ましくは少なくとも1種のポリマーを、特にそのような組成物がその使用領域で使用される場合に、そのような組成物内で特定の特性を発現するのに好適な量で含むことによって、本発明の文脈内で用いることができる。
【0123】
本発明の一態様はまた、洗剤配合物、特に液体洗剤配合物、好ましくは濃縮液体洗剤配合物、又は洗濯用の単一モノ用量のための添加剤としての本発明のポリマーの使用である。
【0124】
本発明の洗浄組成物は、補助洗浄添加剤(本明細書では「補助剤」とも略される)を含有してもよく、好ましくは補助洗浄添加剤を含有し、そのような補助剤は、好ましくは先に定義した界面活性剤系に追加される。
【0125】
好適な補助洗浄添加剤としては、ビルダー、コビルダー、界面活性剤系、脂肪酸及び/又はそれらの塩、構造化剤、増粘剤及びレオロジー調整剤、クレー/汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤などの分散剤、ポリマーグリース洗浄剤、可溶化剤、両親媒性コポリマー(ビニルピロリドンを含有しないものを含む)、キレート剤、酵素、酵素安定化系、カプセル化香料などのカプセル化有益剤、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、触媒材料、増白剤、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、真珠光沢剤、色相剤、移染防止剤、布地柔軟剤、キャリア、泡増進剤、泡抑制剤(消泡剤)、カラースペックル、銀ケア、曇り防止剤及び/又は防食剤、アルカリ性源、pH調整剤、pH緩衝剤、ヒドロトロープ、スクラブ粒子、抗菌剤及び抗微生物剤、防腐剤、抗酸化剤、柔軟剤、キャリア、充填剤、溶媒、加工助剤、プロ香料、並びに香料が挙げられる。
【0126】
補助剤は、組成物の意図された使用に好適なレベルで組成物中に存在してもよい。典型的な使用レベルは、蛍光増白剤などの補助剤についての組成物の0.001重量%という低い濃度から、ビルダーについての組成物の50重量%までの範囲である。
【0127】
液体洗浄組成物は、界面活性剤系及びグラフトポリマーに加えて、レオロジー制御/調整剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、皮膚若返り活性物質、及び溶媒のうちの少なくとも1種を更に含んでもよく、好ましくはこれらのうちの少なくとも1種を更に含む。
【0128】
固体組成物は、充填剤、漂白剤、漂白活性化剤及び触媒材料のうちの少なくとも1種を更に含んでもよく、好ましくはこれらのうちの少なくとも1種を更に含む。
【0129】
そのような洗浄補助剤の好適な例及び使用レベルは、国際公開第99/05242号、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812(B1)号、及び米国特許第6,326,348(B1)号において見出される。
【0130】
当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、汚れた材料に洗浄、染み除去、又は洗濯効果をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。
【0131】
したがって、布地ケア製品及びホームケア製品などの本発明の洗浄組成物、並びに工業用及び業務用洗浄のための配合物、より具体的には洗濯洗剤及び手動食器洗い用洗剤などは、好ましくは追加的に界面活性剤系を含み、より好ましくは、上記及び下記により詳細に記載されるものなどの更なる補助剤も含む。
【0132】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの混合物から選択される1種の界面活性剤から構成され、又はこれらから選択される界面活性剤の組み合わせから構成されてもよい。当業者であれば、洗剤用の界面活性剤系は、汚れた材料に洗浄、染み除去、又は洗濯効果をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。
【0133】
本発明の洗浄組成物は、好ましくは、所望の洗浄特性を与えるのに十分な量の界面活性剤系を含む。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、組成物の約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を含む。他の実施形態では、液体洗浄組成物は、組成物の約2重量%~約60重量%の界面活性剤系を含む。更なる実施形態では、洗浄組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含み得る。
【0134】
洗濯組成物
洗濯配合物において、アニオン性界面活性剤は、通常、そのような配合物中の界面活性剤の圧倒的に最大の割合に寄与する。したがって、好ましくは、洗濯に使用するための本発明の洗浄組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と、任意で、本明細書に記載の界面活性剤クラスのいずれかから選択され、好ましくは非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤から選択される、更なる界面活性剤とを含む。
【0135】
本明細書で有用なアニオン性界面活性剤(1種を超える界面活性剤の組み合わせでも用いることができる)の非限定的な例としては、C9~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(linear alkylbenzene sulfonate、LAS)、C10~C20一級、分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(alkyl sulfate、AS);C10~C18二級(2,3)アルキルサルフェート;C10~C18アルキルアルコキシサルフェート(AExS)(ここで、xは1~30である);1~5個のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載の通りの中鎖分枝アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載の通りの中鎖分枝アルキルアルコキシサルフェート;国際公開第99/05243号、同第99/05242号、及び同第99/05244号に記載の通りの修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(methyl ester sulfonate、MES)、並びにアルファ-オレフィンスルホネート(alpha-olefin sulfonate、AOS)が挙げられる。
【0136】
好適なアニオン性界面活性剤の好ましい例は、C8~C12アルキルサルフェート、C12~C18脂肪族アルコールエーテルサルフェート、C12~C18脂肪族アルコールポリエーテルサルフェート、エトキシル化C4~C12アルキルフェノール(エトキシル化:3~50molのエチレンオキシド/mol)の硫酸半エステル、C12~C18アルキルスルホン酸、C12~C18スルホ脂肪酸アルキルエステル、例えば、C12~C18スルホ脂肪酸メチルエステル、C10~C18アルキルアリールスルホン酸、好ましくはn-C10~C18アルキルベンゼンスルホン酸、C10~C18アルキルアルコキシカルボキシレート及び石鹸、例えばC8~C24カルボン酸などの、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩である。上述の化合物のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
【0137】
本発明の一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、n-C10~C18アルキルベンゼンスルホン酸から及び脂肪族アルコールポリエーテルサルフェートから選択され、これらは、本発明の文脈において、特に、エトキシル化C12~C18アルカノール(エトキシル化:1~50molのエチレンオキシド/mol)の、好ましくはn-C12~C18アルカノールの硫酸半エステルである。
【0138】
本発明の一実施形態では、分枝状(すなわち、合成)C11~C18アルカノール(エトキシル化:1~50molのエチレンオキシド/mol)から誘導されるアルコールポリエーテルサルフェートも用いてもよい。
【0139】
好ましくは、C12~C18脂肪族アルコールに基づく、又は分枝状(すなわち、合成)C11~C18アルコールに基づく、アルコキシル化アルキルサルフェートの両方のタイプのアルコキシル化基は、エトキシル化基であり、アルコキシル化アルキルサルフェートのいずれかの平均エトキシル化度は、1~5、好ましくは1~3である。
【0140】
好ましくは、本発明の洗濯洗剤配合物は、他の成分及び水及び/又は溶媒を含む特定の全組成物に基づいて、1種以上の上記アニオン性界面活性剤を、少なくとも1重量%~50重量%、好ましくは約2重量%以上~約30重量%以下の範囲、より好ましくは3重量%以上~25重量%以下の範囲、最も好ましくは5重量%以上~25重量%以下の範囲で含む。
【0141】
本発明の好ましい実施形態では、アニオン性界面活性剤は、C10~C15直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、1~5個のエトキシ単位を有するC10~C18アルキルエーテルサルフェート、及びC10~C18アルキルサルフェートから選択される。
【0142】
非イオン性界面活性剤(1種を超える他の界面活性剤の組み合わせでも用いることができる)の非限定的な例としては、ShellからのNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC8~C18アルキルエトキシレート;BASFからのPLURONIC(登録商標)としてのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルコキシレート;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号に記載のC14~C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAEx(ここで、xは1~30である);1986年1月26日に発行された米国特許第4,565,647号(Llenado)に記載のアルキル多糖類;特に、米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号に記載のアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号に記載のポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号に記載のエーテル末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0143】
非イオン性界面活性剤の好ましい例は、特に、アルコキシル化アルコール及びアルコキシル化脂肪族アルコール、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのジブロックコポリマー及びマルチブロックコポリマー、並びにソルビタンとエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応生成物、更にはアルキルフェノールエトキシレート、アルキルグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)である。(追加の)両性界面活性剤の例は、いわゆるアミンオキシドである。
【0144】
アルコキシル化アルコール及びアルコキシル化脂肪族アルコールの好ましい例は、例えば、一般式(A)の化合物である
【0145】
【化1】
(式中、可変部分が、以下の通り定義され、
R1は、直鎖状C1~C10アルキル、好ましくはエチル、特に好ましくはメチルから選択され、
R2は、C8~C22アルキル、例えばn-C8H17、n-C10H21、n-C12H25、n-C14H29、n-C16H33又はn-C18H37から選択され、
R3は、C1~C10アルキル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、1,2-ジメチルプロピル、イソアミル、n-ヘキシル、イソヘキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル又はイソデシルから選択され、
m及びnは、ゼロ~300の範囲であり、nとmとの合計は、少なくとも1である。好ましくは、mは、1~100の範囲であり、nは、0~30の範囲である)。
【0146】
ここで、一般式(A)の化合物は、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーが好ましい。
【0147】
アルコキシル化アルコール及びアルコキシル化脂肪族アルコールの他の好ましい例は、例えば、一般式(B)の化合物である
【0148】
【化2】
(式中、可変部分が、以下の通り定義され、
R
1は、同一であるか又は異なり、直鎖状C
1~C
4アルキルから選択され、好ましくはそれぞれの場合で同一であり、エチル及び特に好ましくはメチルであり、
R
4は、C
6~C
20アルキル、特にn-C
8H
17、n-C
10H
21、n-C
12H
25、n-C
14H
29、n-C
16H
33、n-C
18H
37から選択され、
aは、ゼロ~6、好ましくは1~6の範囲の数であり、
bは、ゼロ~20、好ましくは4~20の範囲の数であり、
dは、4~25の範囲の数である)。
【0149】
好ましくは、a及びbの少なくとも1つは、ゼロより大きい。
【0150】
ここで、一般式(B)の化合物は、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーが好ましい。
【0151】
更なる好適な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドから構成される、ジブロックコポリマー及びマルチブロックコポリマーから選択される。更なる好適な非イオン性界面活性剤は、エトキシル化又はプロポキシル化ソルビタンエステルから選択される。アルキルフェノールエトキシレート又はアルキルポリグリコシド又はポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)も同様に好適である。好適な更なる非イオン性界面活性剤の概要は、欧州特許出願公開第0851023(A)号及びドイツ特許出願公開第19819187(A)号に見出すことができる。
【0152】
もちろん、2種以上の異なる非イオン性界面活性剤の混合物も存在してよい。
【0153】
本発明の好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤は、C12/14及びC16/18脂肪族アルコールアルコキシレート、C13/15オキソアルコールアルコキシレート、C13アルコールアルコキシレート、及び2-プロピルへプチルアルコールアルコキシレートから選択され、それらの各々は、3~15個のエトキシ単位を、好ましくは5~10個のエトキシ単位を、又は1~3個のプロポキシ単位及び2~15個のエトキシ単位を有する。
【0154】
両性界面活性剤(1種を超える他の界面活性剤の組み合わせでも用いることができる)の非限定的な例としては、約8~約18個の炭素原子を有する1つのアルキル部分と、約1~約3個の炭素原子を有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される2つの部分とを含む水溶性アミンオキシド、並びに約10~約18個の炭素原子を有する1つのアルキル部分と、約1~約3個の炭素原子を有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分とを含む水溶性スルホキシドが挙げられる。国際公開第01/32816号、米国特許第4,681,704号、及び同第4,133,779号を参照のこと。したがって、好適な界面活性剤には、ラウリルジメチルアミンオキシド(「ラウラミンオキシド」)などの、いわゆるアミンオキシドが含まれる。
【0155】
両性界面活性剤の好ましい例は、アミンオキシドである。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖状アミンオキシドには、1つのR1=C8~18アルキル部分と、C1~C3アルキル基及びC1~C3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2部分及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが含まれる。好ましくは、アミンオキシドは、以下の式で特徴付けられ、
R1-N(R2)(R3)-O
式中、R1は、C8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖状C10、直鎖状C10~C12、及び直鎖状C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「中分枝状(mid-branched)」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分における1つのアルキル分枝がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分上の窒素からのアルファ炭素上に位置する。アミンオキシドのこの種の分枝は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。n1とn2との合計は、10~24個の炭素原子、好ましくは12~20個、より好ましくは10~16個である。1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝とが対称となるように、1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、1つのアルキル分枝の炭素原子数(n2)とおよそ同じでなければならない。本明細書で使用するとき、「対称」とは、本明細書で使用される中分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%において、(n1-n2)が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0~4個の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1~C3アルキル、C1~C3ヒドロキシアルキル基、又は平均で約1個~約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2つの部分は、C1~C3アルキルから選択され、より好ましくはいずれもC1アルキルとして選択される。
【0156】
本発明の好ましい実施形態では、両性界面活性剤は、C8~C18アルキル-ジメチルアミンオキシド及びC8~C18アルキル-ジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシドから選択される。
【0157】
洗浄組成物はまた、双性イオン性界面活性剤を含有してもよく、双性イオン性界面活性剤は、1種を超える他の界面活性剤の組み合わせでも用いることができる。
【0158】
好適な双性イオン性界面活性剤には、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインなどのベタインが含まれる。好適なベタイン及びスルホベタインの例は、以下の(INCIに従って表記されている)、アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、キャノーラミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、ジメチコーンプロピルPG-ベタイン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パーミタミドプロピルベタイン、パーミトイルカルニチン、パーム核アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノレアミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタインである。
【0159】
好ましいベタインは、例えば、C12~C18アルキルベタイン及びスルホベタインである。双性イオン性界面活性剤は、好ましくはベタイン界面活性剤、より好ましくはココアミドプロピルベタイン界面活性剤である。
【0160】
カチオン性界面活性剤(1種を超える他の界面活性剤の組み合わせでも用いることができる)の非限定的な例としては、最大26個までの炭素原子を有することができる、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、米国特許第6,136,769号で議論されているようなアルコキシル化四級アンモニウム(alkoxylated quaternary ammonium、AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号で議論されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号、及び同第98/35006号で議論されているようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844号で議論されているようなカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開第00/47708号で議論されているようなアミノ界面活性剤、具体的には、アミドプロピルジメチルアミン(amido propyldimethyl amine、APA)が挙げられる。
【0161】
本発明による組成物は、少なくとも1種のビルダーを含み得る。本発明の文脈では、ビルダーと、他の場所で「コビルダー」と呼ばれるそのような成分との間に区別はなされない。ビルダーの例は、錯化剤(以下、錯化剤とも呼ばれる)、イオン交換化合物、分散剤、スケール防止剤及び沈殿剤である。ビルダーは、クエン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、ホスホネート、アミノカルボキシレート及びポリカルボキシレートから選択される。
【0162】
本発明の文脈では、クエン酸塩という用語には、クエン酸のモノアルカリ金属塩及びジアルカリ金属塩、特にモノナトリウム塩及び好ましくはトリナトリウム塩、クエン酸のアンモニウム塩又は置換アンモニウム塩、並びにクエン酸が含まれる。クエン酸塩は、無水化合物として、又は水和物として、例えばクエン酸ナトリウム二水和物として、使用することができる。クエン酸塩の量は、無水クエン酸トリナトリウムを参照して計算される。
【0163】
リン酸塩という用語には、メタリン酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、及びトリポリリン酸ナトリウムなどのポリリン酸塩が含まれる。しかしながら、好ましくは、本発明による組成物は、リン酸水素塩が包含される、リン酸塩及びポリリン酸塩を含まず、例えば、リン酸トリナトリウム、トリポリリン酸ペンタナトリウム及びメタリン酸ヘキサナトリウムを含まない(「リン酸塩非含有」)。リン酸塩及びポリリン酸塩に関連して、「含まない」とは、リン酸塩及びポリリン酸塩の含有量が、重量法によって測定して、合計で、それぞれの組成物の10ppm~0.2重量%の範囲にあることを意味すると本発明の文脈内では理解されるべきである。
【0164】
炭酸塩という用語には、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩が含まれ、ナトリウム塩が好ましい。特に好ましいのは、Na2CO3である。
【0165】
ホスホネートの例は、ヒドロキシアルカンホスホネート及びアミノアルカンホスホネートである。ヒドロキシアルカンホスホネートの中でも、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート(HEDP)は、ビルダーとして特に重要である。これは、好ましくはナトリウム塩として使用され、二ナトリウム塩は中性であり、四ナトリウム塩はアルカリ性(pH9)である。好適なアミノアルカンホスホネートは、好ましくはエチレンジアミン-テトラ-メチレン-ホスホネート(ethylene diamine-tetra-methylene-phosphonate、EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタ-メチレン-ホスホネート(diethylenetriaminepenta-methylene-phosphonate、DTPMP)、及びそれらの高級同族体である。それらは、好ましくは中性反応ナトリウム塩の形態で用いられ、例えばEDTMPのヘキサナトリウム塩として、又はDTPMPのヘプタナトリウム塩及びオクタナトリウム塩として使用される。
【0166】
アミノカルボキシレート及びポリカルボキシレートの例は、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、プロピレンジアミンテトラ酢酸、エタノール-ジグリシン、メチルグリシンジアセテート、及びグルタミンジアセテートである。アミノカルボキシレート及びポリカルボキシレートという用語には、それらの各々の非置換又は置換アンモニウム塩及びアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、特に各々の完全に中和された化合物の塩も含まれる。
【0167】
本発明の文脈におけるケイ酸塩には、特に、二ケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸ナトリウム、アルモシリケート、例えばゼオライト及び層状ケイ酸塩、特に式α-Na2Si2O5、β-Na2Si2O5、及びδ-Na2Si2O5のものが含まれる。
【0168】
本発明による組成物は、上記で言及されていない材料から選択される1種以上のビルダーを含有してもよい。ビルダーの例は、α-ヒドロキシプロピオン酸及び酸化デンプンである。
【0169】
本発明の一実施形態では、ビルダーは、ポリカルボキシレートから選択される。用語「ポリカルボキシレート」には、コハク酸、C2~C16アルキルジスクシネート、C2~C16アルケニルジスクシネート、エチレンジアミンN,N’-二コハク酸、酒石酸ジアセテート、アルカリ金属マロン酸塩、酒石酸モノアセテート、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸及びシクロペンタンテトラカルボン酸などの非ポリマーポリカルボキシレートが含まれる。
【0170】
オリゴマー又はポリマーのポリカルボキシレートは、例えばポリアスパラギン酸及びそのアルカリ金属塩、特にそのナトリウム塩、(メタ)アクリル酸ホモポリマー及び(メタ)アクリル酸コポリマー及びそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩である。
【0171】
好適なコモノマーは、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸及びシトラコン酸などのモノエチレン性不飽和ジカルボン酸である。好適なポリマーは、特にポリアクリル酸であり、これは、好ましくは、2000~40000g/mol、好ましくは2000~10000g/mol、特に3000~8000g/molの範囲の重量平均分子量Mwを有する。更なる好適なコポリマーポリカルボキシレートは、特に、アクリル酸とメタクリル酸とのもの、並びにアクリル酸又はメタクリル酸とマレイン酸及び/又はフマル酸又はそれらの無水物、例えば無水マレイン酸とのものである。好適なコポリマーは、特に、2000~100000、好ましくは3000~80000の範囲の重量平均分子量Mwの、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。
【0172】
ポリアスパラギン酸の好ましい重量平均分子量Mwは、1000g/mol~20000g/mol、好ましくは1500~15000g/mol、特に好ましくは2000~10000g/molの範囲にある。
【0173】
モノエチレン性不飽和C3~C10モノカルボン酸又はC4~C10ジカルボン酸又はそれらの無水物、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸、からなる群からの少なくとも1種のモノマーと、以下に挙げる少なくとも1種の親水的に又は疎水的に改質されたコモノマーとのコポリマーを使用することも可能である。
【0174】
好適な疎水性コモノマーは、例えばイソブテン、ジイソブテン、ブテン、ペンテン、ヘキセン及びスチレン、10個以上の炭素原子を有するオレフィン又はそれらの混合物、例えば1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン及び1-ヘキサコセン、C22α-オレフィン、C20~C24α-オレフィンの混合物及び1分子当たり平均12~100個の炭素原子を有するポリイソブテンである。
【0175】
好適な親水性コモノマーは、スルホネート基又はホスホネート基を有するモノマー、及びヒドロキシル官能基又はアルキレンオキシド基を有する非イオン性モノマーである。例として、アリルアルコール、イソプレノール、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(プロピレンオキシド-コ-エチレンオキシド)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート及びエトキシポリ(プロピレンオキシド-コ-エチレンオキシド)(メタ)アクリレートを挙げることができる。ここで、ポリアルキレングリコールは、1分子当たりに、3~50個、特に5~40個、とりわけ10~30個のアルキレンオキシド単位を含むことができる。
【0176】
ここで特に好ましいスルホン酸基含有モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及び当該酸の塩、例えば、それらのナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩である。
【0177】
特に好ましいホスホネート基含有モノマーは、ビニルホスホン酸及びその塩である。
【0178】
更に好適なオリゴマー又はポリマーのポリカルボキシレートは、分解デンプンなどの多糖類、カルボキシメチル化セルロースなどのカルボキシメチル化多糖類、カルボキシメチル化イヌリン又はカルボキシメチル化デンプン又はポリエポキシコハク酸及びそれらのアルカリ金属塩への、特にそれらのナトリウム塩への、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸のグラフトポリマーを含む。
【0179】
更に、両性ポリマーもビルダーとして使用することができる。
【0180】
本発明による組成物は、特に固体配合物の場合、例えば、合計で0.1~90重量%、好ましくは5~80重量%、好ましくは最大70重量%までの範囲のビルダーを含むことができる。本発明による液体配合物は、好ましくは、0.1~20重量%の範囲のビルダー、例えば、最大で85重量%、75重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、35重量%、15重量%、又は10重量%までのビルダーを含む。
【0181】
本発明による配合物は、1種以上のアルカリキャリアを含むことができる。アルカリキャリアは、例えば、アルカリ性pHが望ましい場合、少なくともpH9を確保する。例えば、上述したアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、及びアルカリ金属メタケイ酸塩、更にはアルカリ金属水酸化物が好適である。好ましいアルカリ金属は、各場合でカリウムであり、ナトリウムが特に好ましい。本発明の一実施形態では、pH>7は、アミン、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンを使用することによって調整される。
【0182】
本発明の一実施形態では、本発明による洗濯配合物は、少なくとも1種の酵素を更に含む。
【0183】
有用な酵素は、例えば、1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ、並びに前述のタイプのうちの少なくとも2種の組み合わせから好ましくは選択されるlから選択される、1種以上のヒドロラーゼである。
【0184】
そのような酵素は、洗浄に有効な量を提供するのに十分なレベルで組み込むことができる。好ましい量は、本発明による洗剤組成物中の0.001重量%~5重量%の活性酵素の範囲である。酵素とともに、例えばカルシウムイオン、ホウ酸、ボロン酸、プロピレングリコール及び短鎖カルボン酸などの酵素安定化系も使用することができる。本発明の文脈では、短鎖カルボン酸は、1分子当たり1~3個の炭素原子を有するモノカルボン酸から選択され、及び1分子当たり2~6個の炭素原子を有するジカルボン酸から選択される。好ましい例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、HOOC(CH2)3COOH、アジピン酸及び前述のうちの少なくとも2種からの混合物、並びにそれぞれのナトリウム塩及びカリウム塩である。
【0185】
本発明による組成物は、1種以上の漂白剤(ブリーチ)を含んでもよい。
【0186】
好ましい漂白剤は、無水の過ホウ酸ナトリウム、又は例えば一水和物若しくは四水和物若しくはいわゆる二水和物としての過ホウ酸ナトリウム、無水の過炭酸ナトリウム、又は例えば一水和物としての過炭酸ナトリウム、及び過硫酸ナトリウムから選択され、ここで「過硫酸塩」という用語は、各場合において、過酸H2SO5の塩及びペルオキソ二硫酸塩も含む。
【0187】
これに関連して、アルカリ金属塩は、各場合において、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属過ホウ酸水素塩及びアルカリ金属過硫酸水素塩であってもよい。しかしながら、それぞれの場合においてジアルカリ金属塩が好ましい。
【0188】
本発明による配合物は、1種以上の漂白触媒を含むことができる。漂白触媒は、オキサジリジニウム系漂白触媒、漂白促進性遷移金属塩又は遷移金属錯体、例えばマンガン-、鉄-、コバルト-、ルテニウム-、モリブデン-サレン錯体又はカルボニル錯体から選択することができる。窒素含有三脚配位子を有するマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、
バナジウム及び銅の錯体、更にはコバルト-、鉄-、銅-、及びルテニウム-アミン錯体も、漂白触媒として使用することができる。
【0189】
本発明による配合物は、1種以上の漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン、テトラアセチルメチレンジアミン、テトラアセチルグリコールウリル、テトラアセチルヘキシレンジアミン、アシル化フェノールスルホネート、例えばn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート、N-メチルモルホリニウム-アセトニトリル塩(「MMA塩」)、トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩、N-アシルイミド、例えばN-ノナノイルスクシンイミド、1,5-ジアセチル-2,2-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(「DADHT(1,5-diacetyl-2,2-dioxohexahydro-1,3,5-triazine)」)又はニトリルクワット(トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩)を含むことができる。
【0190】
本発明による配合物は、1種以上の腐食防止剤を含むことができる。本発明の場合、これは金属の腐食を防止する化合物を含むものとして理解されるべきである。好適な腐食防止剤の例は、トリアゾール、特にベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾール、更にフェノール誘導体、例えばヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシノール又はピロガロールである。
【0191】
本発明の一実施形態では、本発明による配合物は、合計で0.1~1.5重量%の範囲の腐食防止剤を含む。
【0192】
本発明による配合物はまた、更なる洗浄ポリマー及び/又は汚れ放出ポリマー及び/又は抗灰色化ポリマーを含んでもよい。
【0193】
更なる洗浄ポリマーには、限定されないが、「多官能性ポリエチレンイミン」(例えば、BASFのSokalan(登録商標)HP20)及び/又は「多官能性ジアミン」(例えば、BASFのSokalan(登録商標)HP96)が含まれ得る。そのような多官能性ポリエチレンイミンは、典型的には、3000~250000g/mol、好ましくは5000~200000g/mol、より好ましくは8000~100000g/mol、より好ましくは8000~50000g/mol、より好ましくは10000~30000g/mol、最も好ましくは10000~20000g/molの範囲の重量平均分子量Mwを有するエトキシル化ポリエチレンイミンである。好適な多官能性ポリエチレンイミンは、材料の総重量に基づいて、80重量%~99重量%、好ましくは85重量%~99重量%、より好ましくは90重量%~98重量%、最も好ましくは93重量%~97重量%又は94重量%~96重量%のエチレンオキシド側鎖を有する。エトキシル化ポリエチレンイミンは、典型的には、ポリエチレンイミンコア及びポリエチレンオキシドシェルに基づく。好適なポリエチレンイミンコア分子は、500~5000g/molの範囲の重量平均分子量Mwを有するポリエチレンイミンである。好ましくは、500~1000g/molの分子量が用いられ、更により好ましくは、600~800g/molのMwが用いられる。そして、エトキシル化ポリマーは、NH官能基当たりに、平均5~50個、好ましくは10~35個、更により好ましくは20~35個のエチレンオキシド(ethylene oxide、EO)単位を有する。
【0194】
好適な多官能性ジアミンは、典型的にはエトキシル化C2~C12アルキレンジアミンであり、好ましくはヘキサメチレンジアミンであり、これらは更に四級化され、任意で硫酸化されている。典型的な多官能性ジアミンは、2000~10000、より好ましくは3000~8000、最も好ましくは4000~6000g/molの範囲の重量平均分子量Mwを有する。本発明の好ましい実施形態では、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、更には四級化及び硫酸化されたものを用いてもよく、このエトキシル化ヘキサメチレンジアミンは、NH官能基当たりに平均10~50個、好ましくは15~40個、更により好ましくは20~30個のエチレンオキシド(EO)基を含有し、好ましくは2個のカチオン性アンモニウム基及び2個のアニオン性サルフェート基を有する。
【0195】
本発明の好ましい実施形態では、洗浄組成物は、好ましくは汚れ除去能力、特に洗濯洗剤のポリエステル布地上の粒子汚れの一次洗浄力を改善するなど、洗浄性能を改善するために、少なくとも1種の多官能性ポリエチレンイミン及び/又は少なくとも1種の多官能性ジアミンを含有してもよい。上の説明による多官能性ポリエチレンイミン又は多官能性ジアミン又はそれらの混合物は、他の成分及び水及び/又は溶媒を含む特定の組成物全体に基づいて、一般に0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.25~5重量%、更には最大2重量%までの少量で、洗濯洗剤及び洗浄組成物に添加され得る。
【0196】
したがって、本発明の一態様は、(i)少なくとも1種の本発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン及び多官能性ジアミン並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含む、洗濯洗剤組成物、特に液体洗濯洗剤である。
【0197】
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の本発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン及び多官能性ジアミン並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物との比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは3:1~1:3である。
【0198】
好適な抗灰色化ポリマーは、アクリル酸又はマレイン酸とスチレンとのコポリマー、マルトデキストリン又はカルボキシメチル化セルロースへのアクリル酸のグラフトポリマー、及びそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩を含む。
【0199】
本発明のポリマーを含む洗濯配合物はまた、少なくとも1種の錯化剤を含んでもよい。
【0200】
好ましい錯化剤は、メチルグリシン二酢酸(methylglycinediacetic acid、MGDA)及びグルタミン酸二酢酸(glutamic acid diacetic acid、GLDA)並びにそれらの塩である。特に好ましい錯化剤は、メチルグリシン二酢酸及びその塩である。本発明によれば、1~50重量%、又は更には1~20重量%の錯化剤が好ましい。
【0201】
MGDA及びGLDAは、ラセミ化合物として、又は鏡像異性的に純粋な化合物として存在することができる。GLDAは、好ましくは、L-GLDA、又は少なくとも80mol%、好ましくは少なくとも90mol%のL-GLDAが存在するL-GLDAの鏡像異性的に富化された混合物から選択される。
【0202】
本発明の一実施形態では、錯化剤は、ラセミ型MGDAである。本発明の別の実施形態では、錯化剤は、L-MGDAから選択され、並びにL-MGDAが優勢であり、L/Dモル比が55:45~95:5、好ましくは60:40~85:15の範囲であるL-MGDAとD-MGDAとの鏡像異性体混合物から選択される。L/Dモル比は、例えば、偏光分析法によって、又はクロマトグラフィー手段によって、好ましくはキラルカラムを備えた、例えば固定相としてシクロデキストリンを又はカラム上に固定化された光学活性アンモニウム塩を用いるHPLCによって、決定することができる。例えば、固定化D-ペニシラミン塩を使用することが可能である。
【0203】
MGDA又はGLDAは、塩として好ましく使用される。好ましい塩は、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩、特に好ましくはカリウム塩、特にナトリウム塩である。これらは、例えば、一般式(CA I)又は(CA II)を有することができ、
[CH3-CH(COO)-N(CH2-COO)2]Na3-x-yKxHy (CA I)
xは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大0.25であり、
yは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大0.25であり、
[OOC-(CH2)2-CH(COO)-N(CH2-COO)2]Na4-x-yKxHy (CA II)
xは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大0.25であり、
yは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大0.25である。
【0204】
非常に特に好ましいのは、MGDAのトリナトリウム塩及びGLDAのテトラナトリウム塩である。
【0205】
本発明のポリマーを含む洗濯配合物はまた、少なくとも1種の抗微生物剤を含んでもよい。
【0206】
抗微生物剤は、2-フェノキシエタノール(CAS-no.122-99-6、例えば、BASFから入手可能なProtectol(登録商標)PE)及び4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(CAS:3380-30-1)、並びにそれらの組み合わせからなるリストから選択してもよい。
【0207】
4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルは、溶液、例えば、1,2-プロピレングリコール中の30重量%の4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルの溶液、例えば、BASFから入手可能なTinosan(登録商標)HP 100として使用され得る。
【0208】
本発明の洗濯配合物は、上記リストからの少なくとも1種の抗微生物剤及び/又はそれらの組み合わせ、及び/又は本明細書に列挙されていない少なくとも1種の更なる抗微生物剤との組み合わせを含んでいてもよい。
【0209】
抗微生物剤は、本発明の洗濯配合物に、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%の濃度で添加され得る。
【0210】
好ましくは、配合物は、2-フェノキシエタノールを0.01重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~2重量%の濃度で、及び/又は4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.002重量%~0.6重量%の濃度で含有する(全ての場合において組成物の総重量に対して)。
【0211】
本発明による配合物はまた、水及び/又は追加の有機溶媒、例えばエタノール又はプロピレングリコール、及び/又は硫酸ナトリウムなどの充填剤を含んでもよい。
【0212】
更なる任意成分は、粘度調整剤、カチオン性界面活性剤、泡増進剤又は減泡剤、香料、染料、蛍光増白剤、及び移染防止剤であってもよいが、これらに限定されない。
【0213】
食器洗い用組成物
本発明の別の態様はまた、少なくとも1種の上記の本発明のポリマーを含む食器洗い用組成物である。
【0214】
したがって、本発明の一態様は、手動又は自動の食器洗い用途などの食器洗い用途における、上記の本発明のポリマーの使用でもある。
【0215】
本発明による食器洗い用組成物は、液体、半液体、クリーム、ローション、ゲル、又は固体組成物の形態であることができ、固体の実施形態は、例えば、粉末及び錠剤を包含する。手動食器洗い用途には液体組成物が典型的に好ましく、一方で自動食器洗い用組成物には固体配合物及びパウチ配合物(パウチが液体成分に加えて固体も含有し得る場合)が典型的に好ましいが、世界のいくつかの地域では、液体自動食器洗い用組成物も使用されており、したがって、当然ながら「食器洗い用組成物」という用語にも包含される。
【0216】
食器洗い用組成物は、食器並びに金属及びガラス表面、例えば、飲用グラス及び他のグラス、ビーカー、皿、並びにポット及び平鍋のような調理用具、並びにフォーク、スプーン、ナイフなどのようなカトラリーへの直接的又は間接的な適用を意図している。
【0217】
食器、金属及び/又はガラス表面を洗浄する本発明の方法は、好ましくは液体の形態で、表面上に直接、又は洗浄器具によって、すなわち未希釈の形態のいずれかで食器洗い用洗浄組成物を適用する工程を含む。組成物は、適用前(直前)に大幅に希釈されることなく、処理される表面及び/又は洗浄装置若しくは器具、例えば布巾、スポンジ又は皿用ブラシなどに直接適用される。洗浄装置又は器具は、組成物が供給される前又は後で濡れていることが好ましい。本発明の方法では、組成物は、希釈形態でも適用されることができる。
【0218】
未希釈適用及び希釈適用の両方で、優位な洗浄性能を生じ、すなわち、少なくとも1種の本発明のポリマーを含有する本発明の配合物は、優れた脱脂特性を示す。食器、金属及び/又はガラス表面から脂肪汚れ及び/又は油性汚れを除去する労力は、使用される界面活性剤のレベルが従来の組成物よりも低い場合であっても、本発明のポリマーの存在により低減される。
【0219】
好ましくは、組成物は、優位なグリース洗浄(脱脂)特性、長く持続する泡及び/又は低減された温度曝露での改善された粘度制御を提供するように配合され、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つ全ての特性が、本発明の食器洗い用組成物に存在する。本発明の手動食器洗い用組成物の任意の(好ましくは存在する)更なる効果としては、汚れ除去、光沢、及び/又は手のケアが挙げられ、より好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは3つ全ての更なる効果が、本発明の食器洗い用組成物に存在する。
【0220】
本発明の一実施形態では、本発明のポリマーは、少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を更に含む手動食器洗い用配合物の一成分である。
【0221】
本発明の別の実施形態では、本発明のポリマーは、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と、好ましくは両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1種の他の界面活性剤とを更に含む、手動食器洗い用配合物の一成分である。本発明の好ましい実施形態では、手動食器洗い用配合物は、洗剤組成物の起泡、洗浄力、及び/又はマイルドさを補助するために、少なくとも1種の両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド、又は少なくとも1種の双性イオン性界面活性剤、好ましくはベタイン、又はそれらの混合物を含有する。
【0222】
好適なアニオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上述した。
【0223】
食器洗い用組成物に好ましいアニオン性界面活性剤は、C10~C15直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、1~5個のエトキシ単位を有するC10~C18アルキルエーテルサルフェート、及びC10~C18アルキルサルフェートから選択される。
【0224】
好ましくは、本発明の手動食器洗い用洗剤配合物は、他の成分及び水及び/又は溶媒を含む特定の全組成物に基づいて、1種以上の上記アニオン性界面活性剤を、少なくとも1重量%~50重量%、好ましくは約3重量%以上~約35重量%以下の範囲、より好ましくは5重量%以上~30重量%以下の範囲、最も好ましくは5重量%以上~20重量%以下の範囲で含む。
【0225】
本発明による食器洗い用組成物は、少なくとも1種の両性界面活性剤を含んでもよい。
【0226】
食器洗い用組成物に好適な両性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上述されている。
【0227】
食器洗い用組成物に好ましい両性界面活性剤は、C8~C18アルキル-ジメチルアミンオキシド及びC8~C18アルキル-ジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシドから選択される。
【0228】
本発明の手動食器洗い用洗剤組成物は、好ましくは、組成物の1重量%~15重量%、好ましくは2重量%~12重量%、より好ましくは3重量%~10重量%の両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド界面活性剤を含む。好ましくは、本発明の組成物は、約10:1未満、より好ましくは約8:1未満、より好ましくは約5:1~約2:1の重量比のアニオン性界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキシドとの混合物を含む。
【0229】
両性界面活性剤の添加は、食器洗い用組成物において良好な起泡特性を与える。
【0230】
本発明による食器洗い用組成物は、少なくとも1種の双性イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0231】
食器洗い用組成物に好適な双性イオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上述されている。
【0232】
食器洗い用組成物に好ましい双性イオン性界面活性剤は、ベタイン界面活性剤から選択され、より好ましくはココアミドプロピルベタイン界面活性剤から選択される。
【0233】
本発明の好ましい実施形態では、双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0234】
本発明の手動食器洗い用洗剤組成物は、任意で、組成物の1重量%~15重量%、好ましくは2重量%~12重量%、より好ましくは3重量%~10重量%の双性イオン性界面活性剤、好ましくはベタイン界面活性剤を含む。
【0235】
本発明による食器洗い用組成物は、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0236】
食器洗い用組成物に好適なカチオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上述されている。
【0237】
カチオン性界面活性剤は、組成物中に存在する場合、有効量で、より好ましくは組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%で存在する。
【0238】
本発明による食器洗い用組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0239】
食器洗い用組成物に好適な非イオン性界面活性剤の例は、洗濯組成物に関して既に上述されている。
【0240】
好ましい非イオン性界面活性剤は、ゲルベアルコールと、アルコール1モル当たり2~18モル、好ましくは2~15モル、より好ましくは5~12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。本明細書における使用のための他の好ましい非イオン性界面活性剤には、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグルコシド、及び脂肪酸グルカミドが含まれる。
【0241】
本発明の食器用手動洗剤組成物は、2~6、好ましくは3~5の平均アルコキシル化度を有する直鎖状又は分枝状C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤を、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.3重量%~5重量%、より好ましくは0.4重量%~2重量%で含み得る。好ましくは、直鎖状又は分枝状C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、2~6、好ましくは3~5の平均エトキシル化度を有する分枝状C10エトキシル化非イオン性界面活性剤である。好ましくは、組成物は、直鎖状又は分枝状C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤の合計の60重量%~100重量%、好ましくは80重量%~100重量%、より好ましくは100重量%の分枝状C10エトキシル化非イオン性界面活性剤を含む。直鎖状又は分枝状C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、好ましくは、3~5の平均エトキシル化度を有する2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤である。4の平均エトキシル化度を有する好適な2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤は、BASF SE(Ludwigshafen、Germany)から市販されているLutensol(登録商標)XP40である。3~5の平均エトキシル化度を有する2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤の使用は、改善された泡レベル及び長く持続する泡をもたらす。
【0242】
したがって、本発明の一態様は、(i)少なくとも1種の本発明のポリマーと、(ii)3~5の平均エトキシル化度を有する少なくとも1種の更なる2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤とを含む、手動食器洗い用洗剤組成物、特に液体手動食器洗い用洗剤組成物である。
【0243】
本発明による食器洗い用組成物は、水との液体手動食器洗い用洗剤組成物の相溶性を確保するために、少なくとも1種のヒドロトロープを有効量で含んでもよい。
【0244】
本明細書で用いられるのに好適なヒドロトロープには、米国特許第3,915,903号に開示されているような、アニオン性ヒドロトロープ、特に、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、及びそれらの混合物、並びに関連する化合物が含まれる。
【0245】
本発明の液体手動食器洗い用洗剤組成物は、典型的には、総液体洗剤組成物の0.1重量%~15重量%のヒドロトロープ又はその混合物を含み、好ましくは総液体手動食器洗い用組成物の1重量%~10重量%、最も好ましくは2重量%~5重量%のヒドロトロープ又はその混合物を含む。
【0246】
本発明による食器洗い用組成物は、少なくとも1種の有機溶媒を含んでもよい。
【0247】
有機溶媒の例は、C4~C14のエーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C6~C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化直鎖状C1~C5アルコール、直鎖状C1~C5アルコール、アミン、C8~C14のアルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにそれらの混合物である。
【0248】
存在する場合、液体食器洗い用組成物は、液体洗剤組成物の0.01重量%~20重量%、好ましくは0.5重量%~15重量%、より好ましくは1重量%~10重量%、最も好ましくは1重量%~5重量%の溶媒を含有する。これらの溶媒は、水などの水性液体キャリアとともに使用してもよく、又は水性液体キャリアが存在しない状態で使用してもよい。高溶媒系では、粘度の絶対値が低下する可能性があるが、粘度プロファイルには極大点が存在する。
【0249】
本明細書の食器洗い用組成物は、他の必須成分及び任意成分が溶解、分散又は懸濁されている、水を含む水性液体キャリアを30重量%~90重量%で更に含んでもよい。より好ましくは、本発明の組成物は、45重量%~85重量%、更により好ましくは60重量%~80重量%の水性液体キャリアを含む。しかしながら、水性液体キャリアは、室温(25℃)で液体の、又はその液体キャリアに溶解する、不活性充填剤の機能以外の何らかの他の機能も果たし得る、他の材料を含有してもよい。
【0250】
本発明による食器洗い用組成物は、少なくとも1種の電解質を含んでもよい。
【0251】
好適な電解質は、好ましくは無機塩から選択され、更により好ましくは一価の塩から選択され、最も好ましくは塩化ナトリウムである。
【0252】
本発明による液体手動食器洗い用組成物は、組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%の電解質を含んでもよい。
【0253】
本発明のポリマーを含む手動食器洗い用配合物はまた、少なくとも1種の抗微生物剤を含んでもよい。
【0254】
食器洗い用組成物に好適な抗微生物剤の例は、洗濯組成物に関して既に上述されている。
【0255】
抗微生物剤は、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%の濃度で、本発明の食器手洗い用組成物に添加されてもよい。好ましくは、配合物は、2-フェノキシエタノールを0.01重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~2重量%の濃度で、及び/又は4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.002重量%~0.6重量%の濃度で含有する(全ての場合において組成物の総重量に対して)。
【0256】
更なる追加成分は、コンディショニングポリマー、洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、汚れ凝集ポリマー、レオロジー調整ポリマー、酵素、構造化剤、ビルダー、キレート剤、環状ジアミン、皮膚軟化剤、湿潤剤、皮膚若返り活性物質、カルボン酸、スクラブ粒子、漂白剤及び漂白活性化剤、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、抗菌剤、NaOH及びモノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを含むpH調整剤並びに緩衝手段などであるが、これらに限定されない。
【0257】
一般洗浄組成物及び配合物
好ましい実施形態では、本発明によるグラフトポリマーは、洗濯洗剤中で使用される。
【0258】
本発明による液体洗濯洗剤は、以下から構成される。
0,05~20%の少なくとも1種の本発明のポリマー
1~50%の界面活性剤
0,1~40%のビルダー、コビルダー及び/又はキレート剤
0,1~50%の他の補助剤
合計して100%にするための水。
【0259】
本発明による好ましい液体洗濯洗剤は、以下から構成される。
0,5~15%の少なくとも1種の本発明のポリマー
5~40%の、C10~C15-LAS及び1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテルサルフェートから選択されるアニオン性界面活性剤
1,5~10%の、3~10個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性界面活性剤
2~20%の、C10~C18脂肪酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸及びヒドロキシトリカルボン酸、アミノポリカルボキシレート並びにポリカルボン酸から選択される可溶性有機ビルダー/コビルダー
0,05~5%の、洗剤用途に好適な少なくとも1種の酵素及び好ましくは酵素安定化系も含有する酵素系
0,5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールから選択されるモノ又はジオール
0,1~20%の他の補助剤
合計して100%にするための水。
【0260】
本発明による固体洗濯洗剤(例えば、粉末、顆粒又は錠剤など)は、以下から構成される。
0,2~20%の少なくとも1種の本発明のポリマー
1~50%の界面活性剤
0,1~90%のビルダー、コビルダー及び/又はキレート剤
0~50%の充填剤
0~40%の漂白活性物質
0,1~30%の他の補助剤及び/又は水
ここで、成分の合計は100%になる。
【0261】
本発明による好ましい固体洗濯洗剤は、以下から構成される。
0,5~10%の少なくとも1種の本発明のポリマー
5~30%の、C10~C15-LAS、C10~C18アルキルサルフェート、及び1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテルサルフェートから選択されるアニオン性界面活性剤
1,5~7,5%の、3~10個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性界面活性剤
20~80%の、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、可溶性ケイ酸塩、硫酸ナトリウムから選択される無機ビルダー及び充填剤
0,5~15%の、C10~C18脂肪酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸及びヒドロキシトリカルボン酸、アミノポリカルボキシレート並びにポリカルボン酸から選択されるコビルダー
0,1~5%の、洗剤用途に好適な少なくとも1種の酵素及び好ましくは酵素安定化系も含有する酵素系
0,5~30%の漂白活性物質
0,1~20%の他の補助剤
合計して100%にするための水
【0262】
好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、手動食器洗い用洗剤において使用される。
【0263】
本発明による液体手動食器洗い用洗剤は、以下から構成される。
0,05~10%の少なくとも1種の本発明のポリマー
1~50%の界面活性剤
0,1~50%の他の補助剤
合計して100%にするための水。
【0264】
本発明による好ましい液体手動食器洗い用洗剤は、以下から構成される。
0,2~5%の少なくとも1種の本発明のポリマー
5~40%の、C10~C15-LAS、1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテルサルフェート、及びC10~C18アルキルサルフェートから選択されるアニオン性界面活性剤
2 10%のコカミドプロピルベタイン
0~10%のラウラミンオキシド
0~2%の非イオン性界面活性剤、好ましくはC10ゲルベアルコールアルコキシレート
0~5%の酵素、好ましくはアミラーゼ、及び好ましくは更に酵素安定化系
0,5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールから選択されるモノ又はジオール
0,1~20%の他の補助剤
合計して100%にするための水
【0265】
以下の表は、世界の様々な地域及び国で典型的に用いられる典型的な洗浄条件と相関する典型的な組成物に対応する、特定のタイプの一般洗浄組成物を示す。少なくとも1種の本発明のポリマーは、本明細書に概説される好適な量でそのような配合物に添加され得る。
【0266】
本発明による洗濯洗剤組成物の一般的な配合:(重量%)
【0267】
【0268】
本発明による液体洗濯フレーム配合物:
【0269】
【0270】
本発明による液体洗濯フレーム配合物-続き:
【0271】
【0272】
本発明による洗濯用粉末フレーム配合物:(重量%)
【0273】
【0274】
本発明による洗濯用粉末フレーム配合物-続き:(重量%)
【0275】
【0276】
更なる典型的な液体洗剤配合物LD1、LD2及びLD3を以下の3つの表に示す(全ての数は重量%)
【0277】
液体洗剤1-LD1「優れた」洗剤
【0278】
【0279】
液体洗剤2-LD2「中」性能洗剤
【0280】
【0281】
液体洗剤3-LD3「中」性能バイオ系洗剤
【0282】
【0283】
前の3つの表全て:*「グラフトポリマー」=(60重量%の酢酸ビニル(全ポリマー重量に基づく)でグラフトされた、グラフトベースとしてのMn6000g/molのポリエチレングリコール。国際公開第2007138054(A1)号の一般的開示に従って製造した。)
【0284】
本発明による液体手動食器洗い用フレーム配合物:
【0285】
【0286】
それぞれの洗濯洗剤、食器洗い用組成物、洗浄組成物並びに/又は布地及びホームケア製品において、少なくとも1種のグラフトポリマーは、そのような組成物又は製品の総重量に対してそのような組成物又は製品の総重量に対して約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の濃度で存在することが好ましく、それぞれの重量%は、そのような組成物又は製品の総重量に対する重量%であり、その間の全ての数値は、言及された下限のいずれかを選択することから生じる全ての範囲を含み、更に0.2、0.3、0.4、1、1,5、2、2.5、3、3.5及び4を含み、言及された上限のいずれかと組み合わされ、19、18、17、16、14、13、12、11、9、8、7及び6を含む。
【0287】
洗剤組成物
本洗剤組成物は、洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む。
【0288】
本洗剤組成物は、典型的には洗浄組成物であり、及び/又は、布地及びホームケア製品自体は、当業者に既知である。それぞれの使用に関連して、当業者に既知である任意の組成物などを、本発明の文脈において用いることができる。
【0289】
布地及びホームケア製品は、典型的には、(a)完成した織物のケア、完成した織物の洗濯、完成した織物の衛生化、完成した織物の消毒、洗剤、染み除去剤、柔軟剤、布地向上剤、染み除去又は完成した織物の処理、予洗及び後洗処理、洗濯機の洗浄及びメンテナンス(完成した織物とは、衣類及び布製品を含むことを意図する)、(b)食器洗浄機、利用水の両方、及びその内容物のための洗剤、予備的後処理及び機器洗浄及びメンテナンス製品などの、自動食洗機における、皿、グラス、陶器、鍋、フライパン、台所用品、カトラリーなどのケア、又は、(c)食器手洗い用洗剤に好適である。
【0290】
洗濯洗剤組成物:好適な洗濯洗剤組成物には、洗濯洗剤粉末組成物、洗濯ビーズ、洗濯洗剤液体組成物、洗濯洗剤ゲル組成物、洗濯シート、及び水溶性単位用量洗濯洗剤組成物が含まれる。
【0291】
布地向上剤:好適な布地向上剤は、コンパクト液体布地向上剤を含む液体布地向上剤、及び布地向上剤ビーズを含む固体布地向上剤である。
【0292】
食器洗い用洗剤組成物:好適な食器洗い用洗剤組成物には、食器手洗い用洗剤組成物及び自動食器洗い用洗剤組成物が含まれる。例えば、自動食器洗い用粉末、錠剤及びパウチなど。
【0293】
硬質表面クレンザー:好適な硬質表面クレンザー組成物には、例えばスプレーによって硬質表面上に直接適用することができる製品、及び硬質表面上に適用される前に水で希釈することができる製品が含まれる。
【0294】
界面活性剤系:組成物は、典型的には所望の洗浄特性を与えるのに十分な量で、洗浄性界面活性剤を界面活性剤系として含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を含む。他の実施形態では、液体組成物は、組成物の約2重量%~約60重量%の界面活性剤系を含む。更なる実施形態では、組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含んでもよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、汚れた材料に洗浄、染み除去、又は洗濯効果をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。
【0295】
アニオン性界面活性剤:いくつかの例では、組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の重量で約1%~約70%の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。他の例では、組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の重量で約2%~約60%の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。更なる例では、組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の重量で約5%~約30%の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。更なる例では、界面活性剤系は、本質的に1種以上のアニオン性界面活性剤から構成されてもよく、又は更には1種以上のアニオン性界面活性剤から構成される。
【0296】
好適なアニオン性界面活性剤の具体的で非限定的な例としては、任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。
【0297】
その他の有用なアニオン性界面活性剤は、アルキル基が約9個~約15個の炭素原子を直鎖状(直鎖)又は分枝鎖状の構造で含有する、アルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩を含み得る。
【0298】
好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖状アルキルベンゼン(linear alkyl benzene、LAB)をスルホン化することによって得ることができる。好適なLABとしては、商標名Isochem(登録商標)としてSasolによって供給されているもの又は商標名Petrelab(登録商標)としてPetresaによって供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、商標名Hyblene(登録商標)としてSasolによって供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が使用される。
【0299】
洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝アニオン性洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝アルキルベンゼンスルホネート、例えば、中鎖分枝アルキルサルフェートであってもよい。一態様では、中鎖分枝は、C1~4アルキル基、通常、メチル及び/又はエチル基である。
【0300】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤は、約8~約24個(いくつかの例では、約12~18個)の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート及び二級アルカンスルホネートの水溶性塩;アルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にC8~18アルコール(例えば、獣脂及びココナッツ油由来のもの)のエーテルである。アルキルベンゼンスルホネートと、上述のパラフィンスルホネート、二級アルカンスルホネート及びアルキルグリセリルエーテルスルホネートとの混合物も有用である。更なる好適なアニオン性界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート及びアルキルエーテルカルボキシレートが挙げられる。
【0301】
アニオン性界面活性剤は酸形態で存在してもよく、酸形態は中和されて界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。これらの酸形態のアニオン性界面活性剤を中和するための更なる好適な中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンの非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野において既知の他の直鎖状又は分枝状アルカノールアミンが挙げられる。好適なアルカノールアミンとしては、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1-アミノ-3-プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、またアニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0302】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、アルキルエトキシルカルボキシレート及びその塩も含まれる。
【0303】
非イオン性界面活性剤:組成物の界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。いくつかの例では、界面活性剤系は、界面活性剤系の重量の最大約25重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤を例えば共界面活性剤として含む。いくつかの例では、組成物は、界面活性剤系の重量の約0.1重量%~約15重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤を含む。更なる例では、組成物は、界面活性剤系の重量の約0.3重量%~約10重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤を含む。
【0304】
本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、任意の従来の非イオン性界面活性剤を含むことができる。これらには、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール、及びアミンオキシド界面活性剤が含まれ得る。
【0305】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、C8~C18アルキルエトキシレート(NEODOL(登録商標))非イオン性界面活性剤(Shell)など);C6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの組み合わせとすることができる);C12~C18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC6~C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標))(BASF)など);C14~C22中鎖分枝アルコール(branched alcohol、BA);C14~C22中鎖分枝アルキルアルコキシレート、BAEx(式中、xは1~30である);アルキル多糖類;具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びにエーテル末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0306】
好適な非イオン性界面活性剤としては、商標名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものも挙げられる。
【0307】
アニオン性及び非イオン性の組み合わせ:界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤材料及び非イオン性界面活性剤材料の組み合わせを含んでもよい。いくつかの例では、アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は少なくとも約2:1である。他の例では、アニオン性界面活性剤:非イオン性界面活性剤の重量比は少なくとも約5:1である。更なる例では、アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は少なくとも約10:1である。
【0308】
カチオン性界面活性剤:界面活性剤系は、カチオン性界面活性剤を含んでもよい。いくつかの態様では、界面活性剤系は、界面活性剤系の約0重量%~約7重量%、約0.1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約4重量%のカチオン性界面活性剤を、例えば共界面活性剤として含む。いくつかの態様では、本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤、及びpH7未満又はpH6未満でカチオン性となる界面活性剤を実質的に含まない。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0309】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0310】
双性イオン性界面活性剤:双性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインを含むベタイン、C8~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド、並びにN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタインが挙げられる(ここで、アルキル基は、C8~C18、特定の実施例ではC10~C14とすることができる)。
【0311】
両性界面活性剤:両性界面活性剤の例としては、二級又は三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族基が直鎖状又は分枝鎖状であってよく、脂肪族置換基のうちの1つが少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8個~約18個の炭素原子を含有し、脂肪族置換基のうちの少なくとも1つがアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。この定義の範囲内に入る化合物の例は、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロパン-1-スルホネート、ナトリウム2-(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ナトリウム2-(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、ジナトリウム3-(N-カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1-スルホネート、ジナトリウムオクタデシル-イミノジアセテート、ナトリウム1-カルボキシメチル-2-ウンデシルイミダゾール、及びナトリウムN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-スルファト-3-ドデコキシプロピルアミンである。好適な両性界面活性剤としては、サルコシネート、グリシネート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0312】
分枝状界面活性剤:好適な分枝状洗浄性界面活性剤としては、分枝状サルフェート界面活性剤又は分枝状スルホネート界面活性剤、例えば、分枝状アルキルサルフェート、分枝状アルキルアルコキシル化サルフェート、及び分枝状アルキルベンゼンスルホネートから選択され、1つ以上のランダムアルキル分枝、例えば、C1~4アルキル基、典型的にはメチル基及び/又はエチル基を含む、アニオン性分枝状界面活性剤が挙げられる。
【0313】
分枝洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝洗浄性界面活性剤、通常、中鎖分枝アニオン性洗浄性界面活性剤、例えば、中鎖分枝アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝アルキルベンゼンスルホネートであり得る。いくつかの態様では、洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝アルキルサルフェートである。いくつかの態様では、中鎖分枝は、C1~4アルキル基、通常、メチル基及び/又はエチル基である。
【0314】
更に好適な分枝アニオン性洗浄性界面活性剤は、2-アルキル位置で分枝したアルコールに由来する界面活性剤を含み、それらは商品名Isalchem(登録商標)123、Isalchem(登録商標)125、Isalchem(登録商標)145、Isalchem(登録商標)167などで販売されており、オキソ法から誘導される。オキソ法に起因して、分枝は2-アルキル位に位置している。これらの2-アルキル分枝アルコールは、通常、長さC11~C14/C15の範囲であり、全て2-アルキル位置で分枝した構造異性体を含む。
【0315】
他の洗浄添加剤:本発明の組成物はまた、他の洗浄添加剤を含有してもよい。好適な洗浄添加剤には、ビルダー、構造化剤又は増粘剤、クレー汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、ポリマーグリース洗浄剤、酵素、酵素安定化系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、増白剤、染料、色相剤、移染防止剤、キレート剤、泡抑制剤、柔軟剤及び香料が含まれる。
【0316】
酵素:本明細書に記載される組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす1種以上の酵素を含み得る。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素カクテルである。組成物中に存在するとき、上記の追加の酵素は、組成物の約0.00001重量%~約2重量%、約0.0001重量%~約1重量%、又は更には約0.001重量%~約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在していてよい。
【0317】
一態様では、好ましい酵素は、プロテアーゼを含む場合がある。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのバチルスから誘導されたものを含む)。
(b)フサリウムプロテアーゼ、及びCellumonasに由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む(例えば、ブタ起源又はウシ起源の)トリプシン等のトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)バチルス・アミロリケファシエンスに由来するものを含むメタロプロテアーゼ。
【0318】
好ましいプロテアーゼとしては、バチルス・ギブソニィ又はバチルス・レンタスに由来するものが挙げられる。
【0319】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)より、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor Internationalより、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay Enzymesより、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraより入手可能なもの、すなわちBLAP(以下の変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する、以下BLAPという)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(全てHenkel/Kemiraより入手可能)、並びに花王のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィルス由来のサブチリシン)が挙げられる。
【0320】
好適なアルファ-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性アルファ-アミラーゼは、バチルスの菌種から、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のバチラス種、例えばバチルス種、NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378、KSM K36、若しくはKSM K38などの、バチルスの菌株に由来する。
【0321】
好適な市販のアルファ-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(Kao(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0322】
一態様では、かかる酵素は、「第1のサイクルのリパーゼ」を含む、リパーゼからなる群から選択され得る。一態様では、リパーゼは第1の洗浄用リパーゼ、好ましくは、T231R及びN233R突然変異のうちの1つ以上を含む、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼのバリアントである。野生型配列は、Swissprotのアクセッション番号Swiss-Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(フミコーラ・ラヌギノサ)由来の269個のアミノ酸(アミノ酸23~291)である。好ましいリパーゼとしては、商品名Lipex(登録商標)及びLipolex(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
【0323】
一態様では、他の好ましい酵素には、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する微生物由来のエンドグルカナーゼ及びその混合物が含まれる。好適なエンドグルカナーゼは、商品名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))として販売されている。
【0324】
他の好ましい酵素としては、商品名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)として販売されているペクチン酸リアーゼ、及び商品名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))で販売されているマンナーゼが挙げられる。
【0325】
他の好適な酵素には、DNアーゼなどのホスホジエステラーゼが含まれる。
【0326】
酵素安定化系:本明細書に記載される酵素含有組成物は、任意で、組成物の約0.001重量%~約10重量%、いくつかの例では、約0.005重量%~約8重量%、及び別の例では、約0.01重量%~約6重量%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のある任意の安定化系であってよい。プロテアーゼを含む水性洗剤組成物の場合は、ボレート、4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、及びこれらの誘導体を含む、ホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム及び1,2-プロパンジオールなどの化合物を添加して、安定性を更に改善してもよい。
【0327】
ビルダー:本発明の組成物は、任意で、ビルダーを含んでもよい。ビルダー入り組成物は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%のビルダーを含む。液体組成物は、組成物の総重量の最大約10%、及びいくつかの例では、最大8%のビルダーを含み得る。顆粒組成物は、組成物の最大約30重量%のビルダー、及びいくつかの例では、最大5重量%のビルダーを含み得る。
【0328】
アルミノシリケート(例えば、ゼオライトA、ゼオライトP、及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)及びシリケートから選択されるビルダーは、洗浄水の鉱物質硬度、特にカルシウム及び/若しくはマグネシウムの制御、又は表面からの微粒子汚れの除去を補助する。好適なビルダーは、ポリリン酸塩(例えばトリ-ポリリン酸ナトリウム)、特にそのナトリウム塩などのリン酸塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ-、ジ-、トリ-、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族の種類を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート、並びにフィチン酸からなる群から選択され得る。これらは、例えば、pH緩衝化の目的のためのボレートによって、又は硫酸塩、特に硫酸ナトリウム、及び安定な界面活性剤及び/又はビルダー含有組成物の工学に重要となり得る任意の他の充填剤又はキャリアによって補完されてもよい。追加の好適なビルダーは、クエン酸、乳酸、脂肪酸、ポリカルボキシレート及びその塩、例えば、アクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸並びに様々な種類の追加の官能基を有する他の好適なエチレン系モノマーのコポリマーから選択され得る。また、本明細書のビルダーとしての使用に好適なものは、鎖構造を有し、以下の一般的な無水物形態x(M2O)・ySiO2・zM’Oによって表される組成を有する、合成された結晶性イオン交換材料又はその水和物であり、式中、Mは、Na及び/又はKであり、M’は、Ca及び/又はMgであり、y/xは、0.5~2.0であり、z/xは、0.005~1.0である。
【0329】
あるいは、組成物はビルダーを実質的に含まなくてもよい。
【0330】
構造化剤/増粘剤:好適な構造化剤/増粘剤には、以下が含まれる。
i. ジ-ベンジリデンポリオールアセタール誘導体
ii. 細菌セルロース
iii. コーティングされた細菌セルロース
iv. 非細菌セルロース由来のセルロース繊維
v. 非ポリマー結晶性ヒドロキシ官能性材料
vi. ポリマー構造化剤
vii. ジアミドゲル化剤
viii. 上記の任意の組み合わせ。
【0331】
ポリマー分散剤:本明細書に記載される組成物は、組成物の約0.01重量%~約10.0重量%、典型的には、約0.1重量%~約5重量%、いくつかの態様では、約0.2重量%~約3.0重量%のポリマー分散剤を含んでもよい。
【0332】
組成物は、1種以上のポリマー分散剤を含んでもよい。例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマー、スルホン化モノマーを含有するポリカルボキシレートである。
【0333】
本組成物は、次の一般構造:ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)-N+-CxH2x-N+-(CH3)-ビス((C2H5O)(C2H4O)n)[式中、n=20~30であり、x=3~8である]を有する化合物、又はそのサルフェート化若しくはスルホネート化バリアントなどの、1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含んでいてよい。
【0334】
組成物は、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性との特性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含んでもよい。本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基を含む。これらは、例えば内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有する、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでもよい。
【0335】
アルコキシル化ポリアミンは、グリース及び粒子の除去のために使用され得る。そのような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン及びその硫酸化体を挙げることができるが、これらに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げることができる。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例は、NH1個当たり20のEO基までエトキシル化されている600g/モルポリエチレンイミンコアであり、BASFから入手可能である。
【0336】
組成物は、例えば、不飽和C1~C6カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、ポリグルカン及び他の多糖類を含む糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロールなどの飽和ポリアルコール、及びそれらの混合物などのモノマーを含む親水性骨格と、例えば1つ以上のC4~C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C1~C6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1~C6アルキルエステル、及びそれらの混合物などの疎水性側鎖と、含むランダムグラフトポリマーを含んでもよい。ポリアルキレンオキシド及びビニルエステル、特に酢酸ビニルに基づくそのようなグラフトポリマーの具体的な例。これらのポリマーは、典型的には、ポリアルキレンオキシドの存在下でビニルエステルを重合することによって調製され、開始剤は、過酸化ジベンゾイル、ジラウロイルペルオキシド、又はジアセチルペルオキシドである。
【0337】
組成物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドのブロックを含み得る。そのようなブロックポリマーの例としては、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(ethylene oxide-propylene oxide-ethylene oxide、EO/PO/EO)トリブロックコポリマーが挙げられ、コポリマーは、第1のEOブロック、第2のEOブロック、及びPOブロックを含み、第1のEOブロック及び第2のEOブロックが、POブロックに連結されている。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドのブロックはまた、(EO/PO)ジブロックコポリマー、(PO/EO/PO)トリブロックコポリマーなどの他の方法で配置され得る。ブロックポリマーはまた、追加のブチレンオキシド(butylene oxide、BO)ブロックを含有し得る。
【0338】
カルボキシレートポリマー-本発明の組成物はまた、マレイン酸塩/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの1つ以上のカルボキシレートポリマーを含んでいてもよい。好適なカルボキシレートポリマーは、4,000Da~9,000Da又は6,000Da~9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。別の好適なカルボキシレートポリマーは、50,000Da~120,000Da、又は60,000Da~80,000Daの分子量を有するアクリル酸及びマレイン酸のコポリマーである。
【0339】
好適なカルボキシレートポリマーはまた、エーテル部分及びスルホネート部分を含むことができる。
【0340】
好適なカルボキシレートポリマーは、アルコキシル化ポリカルボキシレートであり得る。化学的に、これら材料は、7~8つのアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式-(CH2CH2O)m(CH2)nCH3[式中、mは、2~3であり、nは、6~12である]のものである。側鎖は、ポリアクリレート「骨格」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型の構造を提供する。分子量は、変動し得るが、約2000~約50,000の範囲内であってよい。
【0341】
汚れ放出ポリマー:本明細書に記載される組成物は、組成物の約0.01重量%~約10.0重量%、典型的には約0.1重量%~約5重量%、いくつかの態様では、約0.2重量%~約3.0重量%の汚れ放出ポリマー(ポリマー汚れ放出剤又は「SRA(soil release agent)」としても知られる)を含んでもよい。
【0342】
汚れ放出ポリマーは、典型的には、ポリエステル及びナイロンなど疎水性繊維の表面を親水化するための親水性区分、並びに疎水性繊維上に堆積し、洗浄及びすすぎサイクルの完了までそこに付着し続け、それによって親水性区分のためのアンカーとしての機能を果たす疎水性区分を有する。これにより、後の洗浄手順において、汚れ放出剤による処理後に浮かび上がる汚れを、更に容易に洗浄可能にし得る。汚れの放出を促進することは、布地のウィッキング特性を改善する又は維持するのに役立つとも考えられる。
【0343】
汚れ放出ポリマーの構造及び電荷分布は、異なる種類の繊維又は生地への適用、及び異なる洗剤又は洗剤添加製品での配合に合わせて調整されてよい。汚れ放出ポリマーは、直鎖状、分枝鎖状、又は星形であってよい。
【0344】
汚れ放出ポリマーはまた、様々な帯電単位(例えば、アニオン性若しくはカチオン性単位)及び/又は非帯電(例えば、非イオン性)モノマー単位を含んでもよい。典型的には、SRPが、四級アンモニウムエステル化合物などカチオン性布地コンディショニング活性物質と組み合わせて使用される場合、SRPとカチオン性活性物質との間の潜在的に負の相互作用を回避するために、非イオン性SRPが特に好ましいことがある。
【0345】
汚れ放出ポリマーは、ポリマーの分子量を制御する、又はポリマーの物理的特性若しくは表面活性特性を変化させるのに特に有効である末端キャッピング部分を含んでよい。
【0346】
好適な汚れ放出ポリマーの1つの好ましいクラスには、構造単位(I)及び/又は(II)を含むテレフタレート由来ポリエステルポリマーが挙げられ、
(I)-[(OCHR1-CHR2)a-O-OC-Ar-CO-]d
(II)-[(OCHR3-CHR4)b-O-OC-sAr-CO-]e
式中、
a、bは、1~200であり、
d、eは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO3Mで置換されている1,3-置換フェニレンであり、
Mは、Na、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラ-アルキルアンモニウム(アルキル基は、C1~C18アルキル又はC2~C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物から選択される対イオンであり、
R1、R2、R3、R4は、独立して、H又はC1~C18n-アルキル若しくはイソ-アルキルから選択され、
【0347】
任意に、ポリマーは、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルから誘導された1つ以上の末端基(III)を更に含み、好ましくは構造(IV-a)から選択され、
【0348】
【化3】
式中、
R
7は、直鎖状若しくは分枝状C
1~30アルキル、C
2~C
30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC
8~C
30アリール基、又はC
6~C
30アリールアルキル基、好ましくは、C
1~4アルキル、より好ましくはメチルであり、
c、d及びeは、モル平均に基づいて、0~200から独立して選択される数であり、c+d+eの合計は2~500であり、
末端気(IV-a)の[C
2H
4-O]、[C
3H
6-O]及び[C
4H
8-O]基は、ブロックに、交互に、周期的に、及び/又は統計的に、好ましくはブロックに及び/又は統計的に配置していてよく、末端気(IV-a)の[C
2H
4-O]、[C
3H
6-O]及び[C
4H
8-O]基のいずれかは、-R
7及び/又は-Oに連結し得る。
【0349】
任意に、ポリマーは、欧州特許第3222647号に記載されるように、1つ以上のアニオン性末端単位(IV)及び/又は(V)を更に含む。Mは、Na、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラ-アルキルアンモニウムから選択される対イオンであり、アルキル基は、C1~C18アルキル又はC2~C10ヒドロキシアルキル、又はこれらの混合物である。
【0350】
【0351】
任意に、ポリマーは、エステル化反応が可能な少なくとも3つの官能基を有する架橋多官能性構造単位を含み得る。官能基は、例えば、酸、アルコール、エステル、無水物、又はエポキシ基などであってよい。
【0352】
任意に、ポリマーは、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6、-ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ジフェノキシエタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカン-1,10-ジカルボン酸、フマル酸、コハク酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジ酢酸、グルタル酸、アゼライン酸、又は、それらの塩若しくはそれらの(ジ)アルキルエステル、好ましくはそれらの(C1~C4)-(ジ)アルキルエステル、より好ましくはそれらの(ジ)メチルエステル、又はそれらの混合物などの、他のジ-又はポリカルボン酸を含み得るか、又は、それらの塩若しくはそれらの(ジ)アルキルエステルを、本発明のポリエステル中で使用できる。
【0353】
好ましくは、好適なテレフタレート由来汚れ放出ポリマーは、非イオン性であり、上記構造(II)を含まない。更に特定の好ましい非イオン性テレフタレート由来汚れ放出ポリマーは、以下の式による構造を有し、
【0354】
【化5】
式中、
R
5及びR
6は、独立して、H又はCH
3から選択される。より好ましくは、R
5及びR
6のうちの一方はHであり、他方はCH
3である。
c、dは、モル平均に基づいて、0~200から独立して選択される数であり、c+dの合計は2~400であり、
より好ましくは、dは、0~50であり、cは、1~200であり、
より好ましくは、dは1~10であり、cは5~150であり、
R
7は、C
1~4アルキルであり、より好ましくはメチルであり、
nは、モル平均に基づいて、1~50である。
【0355】
最も好ましい上記好適なテレフタレート由来汚れ放出ポリマーの1つの例は、R5及びR6のうちの一方がHであり、他方がCH3であり、dは、0であり、cは、5~100であり、R7は、メチルである。
【0356】
好適なテレフタレート由来汚れ放出ポリマーはまた、エンドキャップされたもの及びエンドキャップされていないものの両方の、スルホン化及び非スルホン化PET/POET(ポリエチレンテレフタレート/ポリオキシエチレンテレフタレート)ポリマーとして記載され得る。好適な汚れ放出ポリマーの例としては、Clariantより供給されているTexCare(登録商標)SRA-100、SRA-300、SRN-100、SRN-170、SRN-240、SRN-260、SRN-260life、SRN-300、及びSRN-325を含む、TexCare(登録商標)ポリマーが挙げられる。
【0357】
他の好適なテレフタレート由来汚れ放出ポリマーは、国際公開第2014019903号、同第2014019658号、及び同第2014019659号に記載されている。
【0358】
別のクラスの汚れ放出ポリマーとして、改質セルロースも挙げられる。好適な改質セルロースとして、セルロースアルキルエーテル及びセルロースヒドロキシアルキルエーテルなどの非イオン性改質セルロース誘導体を挙げることができる。そのようなセルロースアルキルエーテル及びセルロースヒドロキシアルキルエーテルの例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロースが挙げられる。いくつかの実施形態では、改質セルロースは、C4以上の炭化水素を含むことができ、アルキル基の好ましい長さは、C4、C6、C8、C10、C12、C14、C16、C18であってよく、好適な改質セルロースの例は、国際公開第2019111948号及び同第2019111949号に記載されている。いくつかの実施形態では、改質セルロースは、追加のカチオン性修飾を含み得、追加のカチオン性修飾を有する好適な改質セルロースの例は、国際公開第2019111946号及び同第2019111947号に記載されている。
【0359】
他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、国際公開第2014124872号に記載されているスルホエチルセルロース、国際公開第2015044061号に記載されているセルロースカルバメート、国際公開第2017137295号に記載されている修飾6-デスオキシ-6-アミノ-セルロース、国際公開第2019243071号に記載されているキシロースカルバメート、国際公開第2019243072号に記載されているカルボキシ又はスルホアルキル化プルラン、国際公開第2019243108号に記載されているカルボキシ又はスルホアルキル化キトサンが挙げられる。
【0360】
市販の汚れ放出ポリマーの別の例は、Rhodiaにより供給されているREPEL O-TEX(登録商標)ラインのポリマーであり、REPEL O-TEX(登録商標)SF、SF-2、及びSRP6などである。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Sasolより供給されているMarloquest(登録商標)ポリマーであり、Marloquest(登録商標)SL、HSCB、L235M、B、G82などである。異なる種類の更に好適な汚れ放出ポリマーとしては、市販の材料であるZELCON 5126(DuPont)及びMILEASE T(ICI)、Sorez 100(ISP)が挙げられる。
【0361】
セルロース系ポリマー:本明細書に記載される組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、典型的には、約0.5重量%~約7重量%、いくつかの態様では、約3重量%~約5重量%のセルロース系ポリマーを含んでもよい。
【0362】
好適なセルロース系ポリマーとしてはアルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びアルキルカルボキシアルキルセルロースが挙げられる。いくつかの態様では、セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。いくつかの態様では、セルロース系ポリマーは、約0.5~約0.9のカルボキシメチル置換度、及び約100,000Da~約300,000Daの分子量を有するカルボキシメチルセルロースである。
【0363】
カルボキシメチルセルロースポリマーとしては、Finnfix(登録商標)GDA(CP Kelkoによって販売)、例えば、商品名Finnfix(登録商標)SH1(CP Kelko)として販売されているカルボキシメチルセルロースのアルキルケテンダイマー誘導体、又は商品名Finnfix(登録商標)V(CP Kelkoによって販売)として販売されているブロック系カルボキシメチルセルロース等の、疎水変性カルボキシメチルセルロースが挙げられる。
【0364】
追加のアミン:本明細書に記載される組成物において、汚れた材料からのグリース及び粒子の除去を向上するために、追加のアミンが使用され得る。本明細書に記述される組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、いくつかの例では、約0.1重量%~約4重量%、他の例では、約0.1重量%~約2重量%の追加のアミンを含んでもよい。追加のアミンの非限定的な例としては、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタミン、テトラアミン、又はこれらの組み合わせを挙げてもよいが、これらに限定されない。好適な追加のアミンの具体的な例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0365】
漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤及び漂白触媒:本明細書に記載される組成物は、漂白剤、又は漂白剤及び1種以上の漂白活性化剤を含有する漂白組成物を含有してもよい。漂白剤は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約30重量%、及びいくつかの例では、約5重量%~約20重量%の濃度で存在してもよい。存在する場合、漂白活性化剤の量は、漂白剤に加え漂白活性化剤を含む漂白組成物の約0.1重量%~約60重量%、及びいくつかの例では、約0.5重量%~約40重量%であってもよい。
【0366】
漂白剤の例としては、酸素漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、過カルボン酸漂白剤、及びそれらの塩、過酸素漂白剤、過サルフェート漂白剤、過炭酸塩漂白剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0367】
いくつかの例では、組成物はまた、遷移金属漂白触媒を含み得る。
【0368】
酸素漂白剤以外の漂白剤もまた当該技術分野で既知であり、組成物において使用できる。それらは、例えば、光活性化漂白剤、又はペルオキシカルボン酸若しくはその塩などの予備形成有機過酸、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩を含む。好適な有機過酸は、フタロイルイミドペルオキシカプロン酸である。使用する場合、本明細書に記載の組成物は、典型的には、そのような漂白剤、及びいくつかの例では亜鉛フタロシアニンスルホネートを組成物の約0.025重量%~約1.25重量%を含有し得る。
【0369】
組成物は、アシルヒドロゾン及びイミダゾリンなどの漂白促進剤を含んでもよい。
【0370】
増白剤:蛍光増白剤若しくは他の増白剤又は白色剤は、組成物の約0.01重量%~約1.2重量%のレベルで、本明細書に記載される組成物に組み込んでもよい。本明細書で使用され得る市販の増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾオキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員複素環、並びに他の様々な剤の誘導体が挙げられるが必ずしもこれらに限定されないサブグループに分類することができる。
【0371】
いくつかの例では、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(増白剤15、商標名Tinopal AMS-GXとしてCiba Geigy Corporationにより市販)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ビス-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(商標名Tinopal UNPA-GXとしてCiba-Geigy Corporationにより市販)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(商標名Tinopal 5BM-GXとしてCiba-Geigy Corporationにより市販)からなる群から選択される。より好ましくは、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウムである。
【0372】
増白剤は、粒子の形で又は好適な溶剤、例えば非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0373】
布地色相剤:組成物は、布地色相剤(シェーディング剤、青味剤又は白色剤と称されることもある)を含んでもよい。典型的には、色相剤は、布地に青色又は青紫色の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用され、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑-青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料の化学分類から選択され得る。
【0374】
移染防止剤:組成物はまた、洗浄プロセス中に、ある布地から別の布地に染料が移るのを防止するのに有効な1種以上の物質を含んでもよい。概して、このような移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物を挙げることができる。使用する場合、これらの剤は、組成物の約0.0001重量%~約10重量%、いくつかの例では、組成物の約0.01重量%~約5重量%、他の例では、組成物の約0.05重量%~約2重量%の濃度で使用されてもよい。
【0375】
キレート剤:本明細書に記載される組成物はまた、1種以上の金属イオンキレート剤を含有してもよい。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤並びにこれらの混合物が挙げられる。このようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能的に置換された芳香族キレート剤、2-ピリジノール-Nーオキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、酸の形態、又は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む、塩の形態で存在することができる。
【0376】
キレート剤は、組成物の約0.005重量%~約15重量%、約0.01重量%~約5重量%、約0.1重量%~約3.0重量%、又は約0.2重量%~約0.7重量%、又は約0.3重量%~約0.6重量%で、本明細書に開示される組成物中に存在し得る。
【0377】
キレート剤として有用なアミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミンテトラアセテート(ethylenediaminetetracetate、EDTA)、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸(ethylenediamine-N,N’-disuccinic acid、EDDS)、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(1-hydroxyethylidene-1,1-diphosphonic acid、HEDP)、N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート(N-(hydroxyethyl)ethylenediaminetriacetate、HEDTA);ニトリロトリアセテート(nitrilotriacetate、NTA)、エチレンジアミンテトラプロプリオナート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミン-ペンタアセテート(diethylenetriamine-pentaacetate、DTPA)、メチルグリシン二酢酸(methylglycinediacetic acid、MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、エタノールジグリシン、トリエチレンテトラアミン六酢酸(triethylenetetraaminehexaacetic acid、TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(N-hydroxyethyliminodiacetic acid、HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(dihydroxyethylglycine、DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(ethylenediaminetetrapropionic acid、EDTP)、及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0378】
カプセル化剤:組成物は、カプセル化剤を含んでもよい。いくつかの態様では、カプセル化剤は、コア、内表面及び外表面を有するシェルを含み、シェルはコアをカプセル封入する。
【0379】
特定の態様では、カプセル化剤はコアとシェルとを含み、コアは、香料、増白剤、染料、防虫剤、シリコーン、ワックス、着香剤、ビタミン、布地柔軟化剤、スキンケア剤、例えば、パラフィン、酵素、抗菌剤、漂白剤、感覚剤、又はこれらの混合物から選択される材料を含み、シェルは、ポリエチレン、ポリアミド、任意に他のコモノマーを含有するポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリオレフィン、多糖類、例えば、アルギネート及び/若しくはキトサン、ゼラチン、シェラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、水不溶性無機材料、シリコーン、アミノ樹脂、又はこれらの混合物から選択される材料を含む。シェルがアミノプラストを含むいくつかの態様では、アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン及び/又はポリ尿素ウレタンを含む。ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含み得る。
【0380】
液体洗濯洗剤組成物。布地及びホームケア製品は、液体洗濯洗剤組成物などの洗濯洗剤組成物であり得る。好適な液体洗濯洗剤組成物は、非石鹸界面活性剤を含み、非石鹸界面活性剤は、アニオン性非石鹸界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含んでよい。洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の10重量%~60重量%、又は20重量%~55重量%の非石鹸界面活性剤を含み得る。非石鹸アニオン性界面活性剤鯛非イオン性界面活性剤は、1:1~20:1、1.5:1~17.5:1、2:1~15:1、又は2.5:1~13:1である。好適な非石鹸アニオン性界面活性剤としては、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、又はそれらの混合物が挙げられる。直鎖状アルキルベンゼンスルホネート対アルキルサルフェート重量比は、1:2~9:1、1:1~7:1、又は1:1~5:1、又は1:1~4:1であり得る。好適な直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、C10~C16アルキルベンゼンスルホン酸、又はC11~C14アルキルベンゼンスルホン酸である。好適なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルサルフェート、非アルコキシル化アルキルサルフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、HLAS界面活性剤は、50%超のC12、好ましくは60%超、好ましくは70%超のC12、より好ましくは75%超のC12を含む。好適なアルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤として、エトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が挙げられる。好適なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤としては、1~5、1~3、又は2~3のモル平均エトキシル化度を有する、エトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が挙げられる。アルキルアルコキシル化サルフェートは、広いアルコキシ分布又はピークのあるアルコキシ分布を有し得る。AESのアルキル部分は、平均して、13.7~約16個、又は13.9~14.6個の炭素原子を含み得る。少なくとも約50%、又は少なくとも約60%のAES分子は、14個以上の炭素原子、好ましくは14~18個、又は14~17個、又は14~16個、又は14~15個の炭素原子を有するアルキル部分を含み得る。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、非エトキシル化アルキルサルフェート及びエトキシル化アルキルサルフェートを含み得、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のモル平均エトキシル化度は、1~5、1~3、又は2~3である。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルキル画分は、脂肪族アルコール、オキソ合成アルコール、ゲルベアルコール、又はそれらの混合物から誘導され得る。好ましいアルキルサルフェートとしては、任意に、2-アルキル分枝一級アルコールサルフェート、特に2-分枝C12~15一級アルコールサルフェート、直鎖一級アルコールサルフェート、特に直鎖C12~14一級アルコールサルフェート、及びそれらの混合物を含む、エトキシル化アルコールサルフェートが挙げられる。洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の10重量%~50重量%、又は15重量%~45重量%、又は20重量%~40重量%、又は30重量%~40重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含み得る。
【0381】
好適な非イオン性界面活性剤は、広い又は狭い範囲のアルコキシレート度のアルコール、オキソ合成アルコールアルコキシレート、ゲルベアルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコールアルコキシレート、又はそれらの混合物から選択され得る。洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の0.01重量%~10重量%、0.01重量%~8重量%、0.1重量%~6重量%、又は0.15重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0382】
洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、又は2重量%~15重量%、又は3重量%~10重量%、又は4重量%~8重量%の脂肪酸塩などの石鹸を含む。そのような石鹸は、例えば、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを使用して、アミン中和され得る。
【0383】
洗濯洗剤組成物は、クエン酸塩を含むビルダー、酵素、漂白剤、漂白触媒、染料、色相染料、ロイコ染料、増白剤、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミン、両親媒性コポリマー、汚れ放出ポリマー、を含む洗浄ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染防止剤、キレート剤、ジアミン、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレート、構造化剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗微生物剤、防腐剤、並びにそれらの混合物を含む群から選択される補助原料を含み得る。
【0384】
洗濯洗剤組成物は、2~11、又は6.5~8.9、又は7~8のpHを有し得、洗濯洗剤組成物のpHは、20℃の脱塩水中の10%製品濃度で測定される。
【0385】
液体洗濯洗剤組成物は、ニュートン性であっても、非ニュートン性であってもよく、好ましくは非ニュートン性であり得る。
【0386】
液体洗濯洗剤組成物において、組成物は、液体洗剤組成物の5重量%~99重量%、又は15重量%~90重量%、又は25重量%~80重量%の水を含み得る。
【0387】
本発明による洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物であり得る。以下は、例示的な液体洗濯洗剤配合物である。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、本発明による洗剤組成物の0.1重量%~4.0重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%、より好ましくは1重量%~2.5重量%の硫酸塩化エステルアミンを含む。
【0388】
【0389】
【0390】
上付き番号の説明:
1 AESのアルキル部分が、約13.9~約14.6個の炭素原子を含む、C12~15のEO2.5Sアルキルエトキシサルフェート
2 BASFから入手可能なPE-20
3 ヌクレアーゼ酵素は、同時係属中の欧州特許出願19219568.3に特許請求されている通りである
4 酸化防止剤1は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル[6386-38-5]である
5 酸化防止剤2は、BASFから市販されているTinogard TSである
6 衛生剤は、BASFから市販されているTinosan HP100である
7 Dow Corningから供給された消泡剤ブレンド、80~92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、5~14%のステアリン酸オクチル中のMQ樹脂、3~7%の変性シリカ。
8 蛍光増白剤は、二ナトリウム4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホネート又は2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4、4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩である。
【0391】
水溶性単位用量物品。
布地及びホームケア製品は、水溶性単位用量物品であり得る。水溶性単位用量物品は、少なくとも1つの単位用量内部区画を作成するように配向された少なくとも1つの水溶性フィルムを含み、少なくとも1つの単位用量内部区画は、洗剤組成物を含む。水溶性フィルムは、好ましくは、ポリビニルアルコールホモポリマー又はポリビニルアルコールコポリマー、例えば、ポリビニルアルコールホモポリマー及び/又はポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、例えば、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択されるコポリマー、例えば、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施例では、水溶性フィルムは、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310として供給されているものがある。洗剤製品は、洗剤組成物、より好ましくは洗濯洗剤組成物を含む。好ましくは、水溶性単位用量物品内に封入された洗濯洗剤組成物は、本発明の洗剤組成物の0.1重量%~8重量%、好ましくは0.5重量%~7重量%、より好ましくは1.0重量%~6.0重量%の硫酸塩化エステルアミンを含む。好ましくは、溶解性単位用量洗濯洗剤組成物は、非石鹸界面活性剤を含み、非石鹸界面活性剤は、アニオン性非石鹸界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む。より好ましくは、洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の10重量%~60重量%、又は20重量%~55重量%の非石鹸界面活性剤を含む。非石鹸アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する重量比は、好ましくは、1:1~20:1、1.5:1~17.5:1、2:1~15:1、又は2.5:1~13:1である。非石鹸アニオン性界面活性剤は、好ましくは、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含む。直鎖状アルキルベンゼンスルホネートのアルキルサルフェートに対する重量比は、好ましくは、1:2~9:1、1:1~7:1、1:1~5:1、又は1:1~4:1である。例示的な直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、C10~C16アルキルベンゼンスルホン酸又はC11~C14アルキルベンゼンスルホン酸である。「直鎖状」とは、本明細書では、アルキル基が直鎖状であることを意味する。例示的なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェート、若しくは非アルコキシル化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含んでもよい。例示的なアルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、エトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含む。例示的なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、1~5、1~3、又は2~3のモル平均エトキシル化度を有する、エトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含んでもよい。例示的なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、非エトキシル化アルキルサルフェート及びエトキシル化アルキルサルフェートを含んでもよく、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のモル平均エトキシル化度は、1~5、1~3、又は2~3である。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の例示的なアルキル画分は、脂肪族アルコール、オキソ合成アルコール、ゲルベアルコール、又はこれらの混合物から誘導される。好ましくは、洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の10重量%~50重量%、15重量%~45重量%、又は20重量%~40重量%、又は30重量%~40重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施例では、非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート、オキソ合成アルコールアルコキシレート、ゲルベアルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコールアルコキシレート、又はこれらの混合物から選択される。好ましくは、洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の0.01重量%~10重量%、0.01重量%~8重量%、又は0.1重量%~6重量%、又は0.15重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を含む。好ましくは、洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、2重量%~15重量%、3重量%~10重量%、又は4重量%~8重量%の石鹸、いくつかの例では、脂肪酸塩、いくつかの例では、アミン中和された脂肪酸塩を含み、いくつかの例では、アミンは、アルカノールアミン、好ましくはモノエタノールアミンである。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の15重量%未満、又は12重量%未満の水を含む。好ましくは、洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の10重量%~40重量%、又は15重量%~30重量%の、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、又はこれらの混合物から選択される非水性溶媒を含む。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、洗剤組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~8重量%の更なる汚れ放出ポリマーを含み、好ましくは、ClariantからTexcareブランド名で市販されている非イオン性及び/又はアニオン変性ポリエステルテレフタレート汚れ放出ポリマー、ポリアルキレンオキシド及びビニルエステルに基づくものなどの両親媒性グラフトポリマー、ポリアルコキシル化ポリエチレンイミン、及びそれらの混合物の群から選択される。好ましくは、液体洗剤組成物は、0.1%~10%、好ましくは1%~5%のキレート剤を更に含む。いくつかの例では、洗濯洗剤組成物は、クエン酸塩、酵素、漂白剤、漂白触媒、染料、色相染料、増白剤、(双性イオン性)アルコキシル化ポリアミンを含む洗浄ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染防止剤、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレート、構造化剤、pH調整剤、並びにこれらの混合物を含むビルダーを含む群から選択される補助成分を含む。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、6~10、6.5~8.9、又は7~8のpHを有し、液体洗濯洗剤組成物のpHは、20℃で脱塩水中の10%生成物濃度として測定される。液体の場合、洗濯洗剤組成物は、ニュートン性であっても、非ニュートン性であってもよく、好ましくは非ニュートン性であり得る。
【0392】
以下は、例示的な水溶性単位用量配合物である。組成物は、単一チャンバ水溶性単位用量物品の一部であってもよく、又は複数の区画にわたって分割されて、以下の「区画全体が平均化された」全物品組成物をもたらし得る。組成物は、ポリビニルアルコール系水溶性体で封入され、ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールホモポリマーとアニオン性、例えばカルボキシル化ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを含む。
【0393】
【表11】
上付きの説明:
*ヌクレアーゼ酵素は、同時係属中の欧州特許出願第19219568.3号に特許請求されている通りである
**ポリエチレングリコール骨格(Pluriol E6000)と疎水性酢酸ビニル側鎖とを含むポリエチレングリコールグラフトポリマーであって、ポリエチレングリコール骨格ポリマーのポリマー系40重量%と、グラフトされている酢酸ビニル側鎖のポリマー系60重量%とを含む、ポリエチレングリコールグラフトポリマー
【0394】
食器手洗い用液体組成物。
布地及びホームケア製品は、食器手洗い用洗剤組成物などの食器用洗剤組成物、より好ましくは液体食器手洗い用洗剤組成物であり得る。好ましくは、液体食器手洗い用洗剤組成物は、本発明の洗剤組成物の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.5重量%~4重量%、より好ましくは1.0重量%~3.0重量%の硫酸塩化エステルアミンを含む。液体食器手洗い用洗剤組成物は、好ましくは、全組成物の50重量%~90重量%、好ましくは60重量%~75重量%の水を含む水性組成物である。好ましくは、20℃の脱塩水中で10%の製品濃度として測定される本発明の洗剤組成物のpHは、3~14、より好ましくは4~13、より好ましくは6~12、最も好ましくは8~10に調整される。本発明の組成物は、ニュートン流体又は非ニュートン流体であり得るが、好ましくはニュートン流体である。好ましくは、本組成物は、10mPa・s~10,000mPa・s、好ましくは100mPa・s~5,000mPa・s、より好ましくは300mPa・s~2,000mPa・s、又は最も好ましくは500mPa・s~1,500mPa・s、あるいはこれらの組み合わせの粘度を有する。粘度は、40%~60%のトルクを達成するように粘度計のRPMが調整されたスピンドル31を使用して、ブルックフィールドRT粘度計を用いて20℃で測定される。
【0395】
組成物は、全組成物の5重量%~50重量%、好ましくは8重量%~45重量%、より好ましくは15重量%~40重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、好ましくは、界面活性剤系の60重量%~90重量%、より好ましくは70重量%~80重量%のアニオン性界面活性剤を含む。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、具体的には、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、好ましくはアルキルエトキシサルフェート、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましい。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、好ましくは8~18個、好ましくは10~14個、より好ましくは12~14個、最も好ましくは12~13個の炭素原子の平均アルキル鎖長を有する。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、好ましくは、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは0.5~2.0、最も好ましくは0.5~0.9の平均アルコキシル化度、好ましくはエトキシル化度を有する。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、好ましくは、10%超、好ましくは20%超、より好ましくは30%超、更により好ましくは30%~60%、最も好ましくは30%~50%の重量平均分枝度を有する。好適な対イオンとしては、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アルカノールアンモニウム、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。市販のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の好適な例としては、Shellによって商品名Neodol(登録商標)で、若しくはSasolによって商品名Lial(登録商標)、Isalchem(登録商標)、及びSafol(登録商標)で販売されているアルコールに由来するもの、又はProcter&Gamble Chemicals社によって生産された天然アルコールのうちのいくつかが挙げられる。
【0396】
界面活性剤系は、好ましくは、液体食器手洗い用洗剤組成物の0.1重量%~20重量%、より好ましくは0.5重量%~15重量%、特に2重量%~10重量%の補助界面活性剤を含む。好ましい補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。アニオン性界面活性剤対補助界面活性剤の重量比は、1:1~8:1、好ましくは2:1~5:1、より好ましくは2.5:1~4:1であり得る。補助界面活性剤は、好ましくは両性界面活性剤、より好ましくはアミンオキシド界面活性剤である。好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びそれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくはC12~C14アルキルジメチルアミンオキシドである。好適な双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン界面活性剤、好ましくはコカミドプロピルベタインが挙げられる。
【0397】
好ましくは、本発明の組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の1重量%~25重量%、好ましくは1.25重量%~20重量%、より好ましくは1.5重量%~15重量%、最も好ましくは1.5重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を更に含む。好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、アルキルポリグルコシド(alkyl polyglucoside、APG)界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。好適なアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、直鎖又は分枝の一級又は二級アルキルアルコキシル化、好ましくはアルキルエトキシル化非イオン性界面活性剤であり、そのアルキル鎖に平均9~15個、好ましくは10~14個の炭素原子を含み、アルコール1モル当たり平均5~12単位、好ましくは6~10単位、最も好ましくは7~8単位のエチレンオキシドを含むものである。最も好ましくは、アルキルポリグルコシド界面活性剤は、10~16、好ましくは10~14、最も好ましくは12~14の平均アルキル炭素鎖長を有し、平均重合度は0.5~2.5、好ましくは1~2、最も好ましくは1.2~1.6である。C8~C16アルキルポリグリコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic Corporation製のSimusol(登録商標)界面活性剤;並びにBASF Corporation製のGlucopon(登録商標)600 CSUP、Glucopon(登録商標)650 EC、Glucopon(登録商標)600 CSUP/MB、及びGlucopon(登録商標)650 EC/MB)。
【0398】
本明細書における液体食器手洗い用洗剤組成物は、任意に、ビルダー(例えば、好ましくはクエン酸塩)、キレート剤(例えば、好ましくはGLDA)、コンディショニングポリマー、ポリアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、汚れ凝集ポリマー、EO-PO-EOトリブロックコポリマーを含む起泡ポリマー、環状ポリアミンを含むグリース洗浄アミン、構造化剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、皮膚若返り活性物質、酵素、カルボン酸、スクラブ粒子、漂白剤及び漂白活性化剤、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、有機溶媒、Ca/Mgイオンなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤(例えば、NaCl、並びに他の一価、二価、及び三価の塩などの塩)、並びにpH調整剤及び緩衝手段(例えば、クエン酸などのカルボン酸、HCl、NaOH、KOH、アルカノールアミン、リン酸及びスルホン酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、イミダゾールなど)などの多くの他の補助原料を含んでもよい。
【0399】
以下は、例示的な液体食器手洗い用洗剤配合物である。配合物は、個々の成分の標準的な混合によって作製することができる。
【0400】
【0401】
布地及びホームケア製品は、固体自由流動性粒子状洗濯洗剤組成物であり得る。以下は、例示的な固体自由流動性粒子状洗濯洗剤組成物である。
【0402】
【0403】
使用方法
本発明は、標的表面を洗浄する方法を含む。本明細書で使用される場合、「標的表面」は、布地、皿、グラス、及び他の調理面、硬質表面、毛髪又は皮膚などのかかる表面を含み得る。本明細書で使用される場合、「硬質表面」は、硬質木材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスなどの典型的な家庭に見られる硬質表面を含む。そのような方法は、修飾ポリオール化合物を含む組成物を、未希釈の形態で又は洗浄液中で希釈して、標的表面の少なくとも一部と接触させ、次いで、任意に、標的表面をすすぐ工程を含む。好ましくは、標的表面は、上記任意のすすぎ工程の前に、洗浄工程に供される。本発明の目的に関して、洗浄は、こすり洗い、拭き取り、及び機械的撹拌を含むが、これらに限定されない。
【0404】
当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物は理想的にはホームケア(硬質表面洗浄組成物)及び/又は洗濯用途に用いるのに適している。
【0405】
組成物溶液のpHは、約3~約11の広範囲のpHにわたって洗浄される標的表面に最も相補的であるように選択される。皮膚及び毛髪洗浄などのパーソナルケアにおいて、そのような組成物のpHは、好ましくは約5~約8のpHを有し、洗濯洗浄組成物のpHは約5~約11である。組成物は、好ましくは、溶液中約200ppm~約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは、約5℃~約100℃の範囲である。
【0406】
洗濯洗浄組成物で使用するために、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm~約10000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃~約60℃の範囲である。水と布地との比は、好ましくは、約1:1~約20:1である。
【0407】
方法は、本発明の組成物の実施形態で含浸された不織布基材を接触させる工程を含み得る。本明細書において使用するとき、「不織布基材」は、好適な秤量、キャリパー(厚み)、吸収性、及び強度特性を有する従来式の任意の不織布シート又はウェブを含み得る。好適な市販の不織布基材の例としては、DuPontにより商品名SONTARA(登録商標)及びJames River Corp.により商品名POLYWEB(登録商標)として市販されているものが挙げられる。
【0408】
当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物は理想的には液体食器洗浄組成物で用いるのに適している。本発明の液体食器組成物(liquid dish composition)を使用するための方法は、汚れた皿を、有効量、典型的には約0.5ml~約20ml(処理される食器25個当たり)の、水で希釈された本発明の液体食器洗浄組成物に接触させる工程を含む。
【0409】
本発明はまた、汚れ懸濁性能、汚れ放出性能、染み除去性能、再付着防止性能、及び/又は悪臭抑制性能の改善のために、かかるグラフトポリマーを使用するための方法も含む。
【0410】
以下の特定の実施形態は、本発明の一部を更に形成する。
【0411】
実施形態1:
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、上記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしての、20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%のポリマー骨格であって、
上記ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができ、
上記ポリマー骨格の分子量Mnが、500~5000g/molの範囲内、好ましくは3500g/mol以下、より好ましくは3000g/mol以下、更により好ましくは2500g/mol以下、最も好ましくは2000g/mol以下、例えば1800g/mol以下である、ポリマー骨格と、
(B)上記ポリマー骨格にグラフトされた、5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%のポリマー側鎖(B)であって、当該ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と、を含む
(全てのパーセンテージは上記グラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントである)、洗剤組成物。
【0412】
実施形態2:
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、上記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしてのポリマー骨格(A)であって、
上記ポリマー骨格(A)がエチレンオキシドの重合によって得ることができる、ポリマー骨格(A)と、
(B)上記ポリマー骨格にグラフトされたポリマー側鎖であって、当該ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、
ここで、積の式
P=[上記ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)]×[総ポリマー重量に基づくポリマー側鎖(B)の量のパーセンテージ(ポリマー重量を「1」に設定し、その分数としての(B)の量のパーセンテージ)]
が、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下、又は更に300以下であり、
好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、ポリマー側鎖(B)と、を含む、洗剤組成物。
【0413】
実施形態3:
i)上記ポリマー骨格(A)が、2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有してもよいか、又は一方の末端若しくは両方の末端がC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされていてもよい、及び/又は
ii)上記グラフトポリマーが、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲内の多分散性Mw/Mnを有する(Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量[g/mol/g/mol])、及び/又は
iii)上記側鎖(B)を得るための上記重合にモノマー(B2)を本質的に用いない、実施形態1又は2に記載の洗剤組成物。
【0414】
実施形態4:
ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、実施形態1~3のいずれか1つに記載の洗剤組成物。
【0415】
実施形態5:
上記グラフトポリマーが、モノマー(B2)を本質的に含まない、実施形態1~4のいずれか1つに記載の洗剤組成物。
【0416】
実施形態6:
上記グラフトポリマーの生分解性が、OECD301Fに従って試験した場合、28日以内に少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは少なくとも40%である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の洗剤組成物。
【0417】
実施形態7:
上記製品が、液体、ゲル、粉末、ヒドロコロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単区画サッシェ、パッド、多区画サッシェ、単区画パウチ、又は多区画パウチの形態の組成物である、実施形態1~6に記載の洗剤組成物。
【0418】
実施形態8:
上記製品が、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、布地コンディショナー、クレー、泡増進剤、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚シグナル伝達成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固結防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤、又はこれらの任意の組み合わせから選択される成分を更に含む組成物である、実施形態1~7に記載の洗剤組成物。
【実施例】
【0419】
ポリマー測定:
K値は、希釈ポリマー溶液の相対粘度を測定するものであり、平均分子量の相対的尺度である。特定のポリマーについてポリマーの平均分子量が増加するにつれて、K値も増加する傾向がある。K値は、
「Cellulosechemie」,1932,13,58におけるH.Fikentscherの方法に従って、23℃の3重量%NaCl溶液中、1%ポリマーのポリマー濃度で求められる。
【0420】
本発明のグラフトポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(molecular weight、Mw)、及び多分散性Mw/Mnは、テトラヒドロフラン中のゲル浸透クロマトグラフィーによって決定された。使用した移動相(溶離液)は、0.035mol/Lのジエタノールアミンを含むテトラヒドロフランであった。テトラヒドロフラン中のグラフトポリマーの濃度は、1mL当たり2.0mgであった。濾過後(孔径0.2μm)、この溶液100μLをGPCシステムに注入した。分離には4つの異なるカラム(60℃に加熱)を使用した(SDVプレカラム、SDV1000A、SDV100000A、SDV1000000A)。GPCシステムは1分当たり1mLの流量で操作された。DRI Agilent 1100が検出システムとして使用された。106~1378000g/molの分子量Mnを有するポリ(エチレングリコール)(Poly(ethylene glycol)、PEG)標準(PL)を較正に使用した。
【0421】
本発明のポリマー実施例1~7の合成手順
本発明のポリマー1:酢酸ビニル(50重量%)のPEG(Mn600g/mol、50重量%)へのグラフト重合。
【0422】
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず500gのPEGを投入し、90℃に加熱した。
【0423】
29.86gのトリプロピレングリコールに溶解した3.57gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(500gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で反応容器に投入した。供給が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解した4.90gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、90℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。
【0424】
モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0425】
本発明のポリマー2:酢酸ビニル(30重量%)のPEG(Mn600g/mol、70重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず700gのPEGを投入し、90℃に加熱した。
【0426】
47.61gのトリプロピレングリコールに溶解した10.20gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間投入した。供給1の開始から10分後、フィード2(300gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で反応容器に投入した。供給が完了したら、22.39gのトリプロピレングリコールに溶解した4.90gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、90℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。
【0427】
モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0428】
本発明のポリマー3:酢酸ビニル(30重量%)のPEG(Mn1500g/mol、70重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず595gのPEGを投入し、90℃で融解した。
【0429】
42.76gのトリプロピレングリコールに溶解した10.41gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(255gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で反応容器に投入した。供給が完了したら、16.75gのトリプロピレングリコールに溶解した4.16gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、90℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。
【0430】
モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0431】
本発明のポリマー4:酢酸ビニル(25重量%)のPEG(Mn1500g/mol、75重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず750gのPEGを投入し、90℃で融解した。
【0432】
29.86gのトリプロピレングリコールに溶解した3.57gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(250gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で反応容器に投入した。供給が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解した4.90gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、90℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。
【0433】
モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0434】
本発明のポリマー5:酢酸ビニル(20重量%)のPEG(Mn1500g/mol、80重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず800gのPEGを投入し、90℃で融解した。
【0435】
29.86gのトリプロピレングリコールに溶解した3.57gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(200gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で反応容器に投入した。供給が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解した4.90gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、90℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。
【0436】
モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0437】
本発明のポリマー6:酢酸ビニル(15重量%)のPEG(Mn1500g/mol、85重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず850gのPEGを投入し、90℃で融解した。
【0438】
29.86gのトリプロピレングリコールに溶解した3.57gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(150gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で反応容器に投入した。供給が完了したら、41.00gのトリプロピレングリコールに溶解した4.90gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、90℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。
【0439】
モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0440】
本発明のポリマー7:酢酸ビニル(20重量%)及びラウリン酸ビニル(5重量%)のPEG(Mn1500g/mol、75重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず750gのPEGを投入し、90℃で融解した。
【0441】
29.50gのトリプロピレングリコールに溶解した3.57gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(200gの酢酸ビニル)及びフィード3(50gのラウリン酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で反応容器に投入した。供給が完了したら、40.48gのトリプロピレングリコールに溶解した4.90gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード4を、90℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を90℃で1時間撹拌した。
【0442】
モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0443】
比較例1~比較例4の比較ポリマーの合成手順
比較ポリマー1:酢酸ビニル(40重量%)のPEG(Mn6000g/mol、60重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず660gのPEG(Mn6000g/mol)を投入し、90℃で融解した。35.09gの1,2-プロパンジオールに溶解した4.42gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(440gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で投入した。フィード1及びフィード2の完了後、温度を95℃に上げ、23.21gの1,2-プロパンジオールに溶解した2.81gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、95℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を95℃で1時間撹拌した。モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0444】
比較ポリマー2:酢酸ビニル(30重量%)のPEG(Mn6000g/mol、70重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず700gのPEG(Mn6000g/mol)を投入し、90℃で融解した。50.30gのトリプロピレングリコールに溶解した12.24gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(300gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で投入した。フィード1及びフィード2の完了後、温度を95℃に上げ、19.70gのトリプロピレングリコールに溶解した4.80gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、95℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を95℃で1時間撹拌した。モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0445】
比較ポリマー3:酢酸ビニル(40重量%)のPEG(Mn4000g/mol、60重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず600gのPEG(Mn4000g/mol)を投入し、90℃で融解した。29.90gのトリプロピレングリコールに溶解した3.57gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(400gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で投入した。フィード1及びフィード2の完了後、温度を95℃に上げ、41.00gのトリプロピレングリコールに溶解した4.90gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、95℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を95℃で1時間撹拌した。モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0446】
比較ポリマー4:酢酸ビニル(60重量%)のPEG(Mn6000g/mol、40重量%)へのグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、窒素雰囲気下でまず400gのPEG(Mn6000g/mol)を投入し、90℃で融解した。23.6gのトリプロピレングリコールに溶解した4.8gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートを含有するフィード1を、90℃で6:10時間かけて撹拌容器に投入した。フィード1の5.56%を最初の10分間で投入し、残りを一定の供給速度で6:00時間で投入した。フィード1の開始から10分後、フィード2(600gの酢酸ビニル)を開始し、一定の供給速度及び90℃にて6:00時間以内で投入した。フィード1及びフィード2の完了後、温度を95℃に上げ、15.70gのトリプロピレングリコールに溶解した3.16gのtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートからなるフィード3を、95℃にて一定の流量で56分間以内で投入した。フィードを完全に添加した後、混合物を95℃で1時間撹拌した。モノマーの残留量を、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0447】
ポリマー生分解性
OECD 301F manometric respirometry法を使用し、廃水中のポリマー生分解を3回試験した。30mg/mLの試験物質をMannheim Wastewater処理プラントから採取した廃水に接種し、密閉フラスコ内にて25℃で28日間にわたりインキュベートする。この期間中の酸素の消費は、OxiTop C(WTW)を使用してフラスコ内の圧力の変化として測定される。発生したCO2は、NaOH溶液を使用して吸収される。ブランクを使用して補正した後の、試験物質の生分解中に微生物群によって消費された酸素の量は、ThOD(理論的酸素必要量)の%として表される。
【0448】
OECD 301F試験の28日目における本発明のポリマー及び比較ポリマーの生分解データを、表5にまとめる。本発明のグラフトポリマーは、比較ポリマーよりもはるかに高い生分解性を示すことが明らかである。
【0449】
【表14】
P=[ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)]×[総ポリマー重量に基づくポリマー側鎖(B)のグラフト化のパーセンテージ(ポリマー重量を「1」に設定し、その分数としてのグラフト化のパーセンテージ)]
*グラフトポリマーの総重量に対するポリマー側鎖の重量パーセント
VAc:酢酸ビニル、VLa:ラウリン酸ビニル
【0450】
ポリマーの白色度効果を評価する方法
白色度保持とも呼ばれる白色度維持は、汚れの存在下で洗浄されたときに白色物品の白色度が失われるのを防ぐ洗剤の能力である。白い衣類は、汚れた衣類から汚れが除去され、洗浄水中に懸濁し、その後、これらの汚れが衣類に再付着し得るときに、経時的に汚れて/くすんで見える場合があるので、衣類は洗浄されるたびに白色が失われる。
【0451】
本開示のポリマーの白色度効果は、洗濯用配合物試験のために10個のポットを有する自動ターゴトメーターを使用して評価される。
【0452】
消費者の汚れレベル(身体汚れ、食物、垢などの混合物)をシミュレートするために、WFK Testgewebe GmbHによって供給されるSBL2004試験汚れストリップを使用する。平均して、1つのSBL2004ストリップごとに8gの汚れをロードする。SBL2004試験汚れストリップを、試験で使用するために5×5cmの正方形に切断した。
【0453】
いくつかの条件については、Alfa Aesarによって供給された0.02gのカーボンブラックを添加する。カーボンブラックを5mlの水と混合し、添加前に超音波浴中に15分間置いた。
【0454】
WFK Testgewebe GmbHから購入した以下の表6の白色布地見本を白色度トレーサーとして使用する。
【0455】
【0456】
追加のバラスト(バックグラウンド布地見本)もまた、布の荷重をシミュレートし、実際の洗濯プロセス中の機械的エネルギーを提供するために使用される。バラスト負荷は、5×5cmのサイズで綿及びポリコットンニットの見本からなる。
【0457】
試験を完了するためには、4回の洗浄サイクルが必要である。
サイクル1:所望の量の洗剤を、各ターゴトメーターのポート内で1Lの水(規定の硬度)と混合することによって、完全に溶解させる。白色度トレーサーを含む60グラムの布(4種類、4回ずつ測定)、21個の5×5cmのSBL2004、及びバラストを、定義された条件下でターゴトメーターのポット内で洗浄し、すすぐ。
【0458】
水溶性単位用量組成物の試験では、洗浄濃度は2000ppmである。追加の47ppmのPVOHフィルムも、ターゴトメーターのポットに追加される。洗浄温度は30℃であり、水硬度は20gpgである。
【0459】
サイクル2:次いで、サイクル1のプロセスの後、各ポットの白色度トレーサー及びバラストを新しいセットのSBL2004(5×5cm、21個)とともに再度洗浄し、すすぐ。全ての他の条件は、サイクル1と同じままである。
【0460】
サイクル3:次いで、サイクル1のプロセスの後、各ポットの白色度トレーサー及びバラストを新しいセットのSBL2004(5×5cm、21個)とともに再度洗浄し、すすぐ。全ての他の条件は、サイクル1と同じままである。
【0461】
サイクル4:次いで、サイクル1のプロセスの後、各ポートの白色度トレーサー及びバラストを新しいセットのSBL2004(5×5cm、21個)とともに再度洗浄し、すすぐ。全ての他の条件は、サイクル1と同じままである。
【0462】
いくつかの試験条件については、Alfa Aesarによって供給された0.02gのカーボンブラックを、上述の各洗浄サイクルにおいて21個のSBLに加えて添加する。
【0463】
サイクル4の後、全ての白色度トレーサー及びバラストを乾燥状態まで60~65℃にてタンブル乾燥させ、次いで、乾燥トレーサーのWI(CIE)をKonica Minolta CM-3610D分光光度計を使用して測定する。
【0464】
いくつかの試験条件でカーボンブラックを使用する場合、白色度トレーサーは、気流キャビネット内で乾燥させる。
【0465】
ポリマーの洗浄効果を評価する方法
ポリマーの洗浄効果は、ターゴトメーターを使用して評価される。この試験に好適な試験染みのいくつかの例は、次の通りである。
スタンダードグラス、Equest製
スタンダードブラックトッドクレー、Equest製
ASTMダスト皮脂、CFT製
ポリコットン上の高度判別皮脂、CFT製
ニットコットン上の焦げたバター、Equest製
ニットコットン上の染色ベーコン、Equest製
【0466】
染みは、L値、a値、b値について、市販の画像解析システムを使用して分析する。
【0467】
本発明のポリマーは、典型的には、試験用の他の成分と一緒に最終製品に配合される。洗浄溶液は、試験製品を水(規定の硬度)で規定の洗浄濃度に希釈することによって調製する。
【0468】
水溶性単位用量組成物の試験では、追加の47ppmのPVOHフィルムもターゴトメーターポットに加える。洗浄温度は30℃であり、水硬度は8gpgである。
【0469】
各ターゴトメーターポットで洗浄される布地には、2個の各試験染み(2つの内部レプリカ)、5×5cmのWfK SBL 2004汚れシートの13枚の見本、及び総布地重量を最大60gにするための追加のニットコットンバラストが含まれる。
【0470】
洗浄溶液を入れたターゴトメーターポットに全ての布地を加えたら、洗浄溶液を40分間撹拌する。次いで、洗浄溶液を排出し、布地を5分間のすすぎ工程に1回又は2回供した後、排水し、回転乾燥させた。洗浄した染みを気流キャビネット内で乾燥させ、次いで、L値、a値、b値について、市販の画像解析システムを使用して分析した。
【0471】
この手順を更に繰り返して、合計3~4つの外部レプリカを得る。
【0472】
染み除去指数(Stain Removal Index、SRI)は、以下に示される式を使用して、L、a、b値から計算される。SRIが高いほど、染み除去に優れている。
SRI=100*((ΔEb-ΔEa)/ΔEb)
ΔEb=√((Lc-Lb)2+(ac-ab)2+(bc-bb)2)
ΔEa=√((Lc-La)2+(ac-aa)2+(bc-ba)2)
下付き文字「b」は、洗浄前の染みのデータを示す
下付き文字「a」は、洗浄後の染みのデータを示す
下付き文字「c」は、染みのない布のデータを示す
【0473】
液体洗剤におけるポリマー白色度及び洗浄性能
列挙する成分(表7)を混合することにより、当業者に既知の従来の手段によって、以下の水溶性単位用量洗剤組成物E及びFを調製する。
【0474】
本発明のポリマーの白色度維持は、参照組成物Eと試験組成物Fの白色度性能を直接比較することでポリマーの白色度性能を評価する方法に従って評価する。組成物F対組成物EのΔWI(CIE)を、ポリマー白色度性能の効果の指標として表8に報告する。組成物F対参照組成物EのΔSRIは、ポリマー洗浄性能の指標として表9に報告する。
【0475】
【0476】
表8に示すように、本発明のポリマーは、液体洗濯洗剤において顕著な白色度効果をもたらす。
【0477】
【表17】
a布地:100%ポリエステルニット(PE)。汚れ条件:追加のカーボンブラックを有するSBL
*グラフトポリマーの総重量に対するポリマー側鎖の重量パーセント
【0478】
表9に示すように、本発明のポリマーは、液体洗濯洗剤において、特に皮脂染みに対して、顕著な洗浄効果をもたらす。
【0479】
【表18】
aポリコットン上の高度判別皮脂、CFT製
*グラフトポリマーの総重量に対するポリマー側鎖の重量パーセント
【0480】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定のない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0480
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0480】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定のない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
[1]
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、前記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしての、20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%のポリマー骨格であって、
前記ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができ、
前記ポリマー骨格の分子量Mnが、500~5000g/molの範囲内、好ましくは3500g/mol以下、より好ましくは3000g/mol以下、更により好ましくは2500g/mol以下、最も好ましくは2000g/mol以下、例えば1800g/mol以下である、ポリマー骨格と、
(B)前記ポリマー骨格にグラフトされた、5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%のポリマー側鎖(B)であって、前記ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と、を含む
(全てのパーセンテージは前記グラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントである)、洗剤組成物。
[2]
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、前記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしてのポリマー骨格(A)であって、
前記ポリマー骨格(A)がエチレンオキシドの重合によって得ることができる、ポリマー骨格(A)と、
(B)前記ポリマー骨格にグラフトされたポリマー側鎖であって、前記ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、
ここで、積の式P=[前記ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)]×[総ポリマー重量に基づくポリマー側鎖(B)の量のパーセンテージ(ポリマー重量を「1」に設定し、その分数としての(B)の量のパーセンテージ)]が、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下、又は更に300以下であり、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、ポリマー側鎖(B)と、を含む、洗剤組成物。
[3]
i)前記ポリマー骨格(A)が、2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有してもよいか、又は一方の末端若しくは両方の末端がC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされていてもよい、及び/又は
ii)前記グラフトポリマーが、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲内の多分散性Mw/Mnを有する(Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量[g/mol/g/mol])、及び/又は
iii)前記側鎖(B)を得るための前記重合にモノマー(B2)を本質的に用いない、[1]又は[2]に記載の洗剤組成物。
[4]
ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、[1]~[3]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[5]
前記グラフトポリマーが、モノマー(B2)を本質的に含まない、[1]~[4]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[6]
前記グラフトポリマーの生分解性が、OECD301Fに従って試験した場合、28日以内に少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは少なくとも40%である、[1]~[5]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[7]
前記製品が、液体、ゲル、粉末、ヒドロコロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単区画サッシェ、パッド、多区画サッシェ、単区画パウチ、又は多区画パウチの形態の組成物である、[1]~[6]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[8]
前記製品が、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、布地コンディショナー、クレー、泡増進剤、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚シグナル伝達成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固結防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤、又はこれらの任意の組み合わせから選択される成分を更に含む組成物である、[1]~[7]のいずれかに記載の洗剤組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、前記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしての、20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%のポリマー骨格であって、
前記ポリマー骨格がエチレンオキシドの重合によって得ることができ、
前記ポリマー骨格の分子量Mnが、500~5000g/molの範囲内、好ましくは3500g/mol以下、より好ましくは3000g/mol以下、更により好ましくは2500g/mol以下、最も好ましくは2000g/mol以下、例えば1800g/mol以下である、ポリマー骨格と、
(B)前記ポリマー骨格にグラフトされた、5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%のポリマー側鎖(B)であって、前記ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と、を含む
(全てのパーセンテージは前記グラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントである)、洗剤組成物。
【請求項2】
洗浄性界面活性剤及びグラフトポリマーを含む洗剤組成物であって、前記グラフトポリマーが、
(A)グラフトベースとしてのポリマー骨格(A)であって、
前記ポリマー骨格(A)がエチレンオキシドの重合によって得ることができる、ポリマー骨格(A)と、
(B)前記ポリマー骨格にグラフトされたポリマー側鎖であって、前記ポリマー側鎖(B)が、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意で少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、存在する場合、モノマー(B1)に対するモノマー(B2)の重量比が、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、
ここで、積の式P=[前記ポリマー骨格の分子量Mn(g/mol)]×[総ポリマー重量に基づくポリマー側鎖(B)の量のパーセンテージ(ポリマー重量を「1」に設定し、その分数としての(B)の量のパーセンテージ)]が、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下、又は更に300以下であり、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、ポリマー側鎖(B)と、を含む、洗剤組成物。
【請求項3】
i)前記ポリマー骨格(A)が、2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有してもよいか、又は一方の末端若しくは両方の末端がC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされていてもよい、及び/又は
ii)前記グラフトポリマーが、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲内の多分散性Mw/Mnを有する(Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量[g/mol/g/mol])、及び/又は
iii)前記側鎖(B)を得るための前記重合にモノマー(B2)を本質的に用いない、請求項1又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルから選択され、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量が、任意の他の既知のビニルエステルであってもよく、好ましくは少なくとも60重量パーセント、より好ましくは少なくとも70重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセント、更により好ましくは少なくとも90重量パーセントの酢酸ビニル、最も好ましくは本質的に酢酸ビニルのみ(すなわち、約100重量%又は更には100重量%)がビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量に基づく)、請求項1
又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記グラフトポリマーが、モノマー(B2)を本質的に含まない、請求項1
又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記グラフトポリマーの生分解性が、OECD301Fに従って試験した場合、28日以内に少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは少なくとも40%である、請求項1
又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記製品が、液体、ゲル、粉末、ヒドロコロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単区画サッシェ、パッド、多区画サッシェ、単区画パウチ、又は多区画パウチの形態の組成物である、請求項1
又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記製品が、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、布地コンディショナー、クレー、泡増進剤、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚シグナル伝達成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固結防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤、又はこれらの任意の組み合わせから選択される成分を更に含む組成物である、請求項1
又は2に記載の洗剤組成物。
【国際調査報告】