(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】拭き取りシステム及び拭き取りシステムにおける洗浄流体注入の制御
(51)【国際特許分類】
B60S 1/08 20060101AFI20240730BHJP
B60S 1/62 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B60S1/08 D
B60S1/62 110B
B60S1/62 120B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505422
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022070976
(87)【国際公開番号】W WO2023006766
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ジロー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、フィユー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AC02
3D225AD22
3D225AE11
3D225AG52
3D225AG78
(57)【要約】
本発明は、アーム(103)と、自動車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成され、アームによって駆動されることが可能であるとともに、少なくとも1つの長手方向チャネルを備え、前記少なくとも1つの長手方向チャネルと流体連通して可視ゾーンの外側に配置される少なくとも1つのセンサに向けて洗浄流体を噴射するように構成されるノズル要素を伴う、ワイパーブレードとを備える拭き取りシステムに関する。ノズル要素は、ワイパーブレードの長手方向端部ゾーンに配置される。注入アセンブリ(301)は、制御ユニット(303)の制御下で長手方向チャネル内に洗浄流体を注入することができる。アーム又はワイパーブレードが所定の角度セクタ(312)内にあると制御ユニットが決定すると、長手方向チャネル内への洗浄流体の注入が指令される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用の拭き取りシステム(100)であって、
-アーム(103)と、
-前記アームを回転させることができるモータ(302)と、
-前記自動車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成され、前記アームによって駆動されることが可能であるとともに、少なくとも1つの長手方向チャネル(230)と、前記少なくとも1つの長手方向チャネルと流体連通して前記可視ゾーンの外側に配置される少なくとも1つのセンサ(320)に向けて洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも1つのノズル要素(113)とを備えるワイパーブレード(105)であって、前記ノズル要素が、前記ワイパーブレードの長手方向端部ゾーン(120)に配置される、ワイパーブレード(105)と、
-洗浄流体を前記長手方向チャネル内に注入することができ、少なくとも1つのポンプを備える、注入アセンブリ(301)と、
-前記アーム又は前記ワイパーブレードに関する位置データに基づいて注入アセンブリをリアルタイムで制御できる制御ユニット(303)と、
を備え、
前記アーム又は前記ワイパーブレードが前記拭き取りシステムの角度拭き取り範囲(311)よりも小さい所定の角度セクタ(312)内にあると前記制御ユニットが決定すると、前記制御ユニットは、前記洗浄流体注入アセンブリによる前記長手方向チャネル内への注入を制御することができる、
拭き取りシステム(100)。
【請求項2】
前記所定の角度セクタ(312)は、前記拭き取りシステム(100)の幾何学的形状、前記センサ(320)の光学面(321)の幾何学的形状、及び前記拭き取りシステムが前記センサを備える自動車両に装着されるときの前記拭き取りシステムと前記センサとの相対位置に応じて決定され、それにより、前記アーム又は前記ブレードが前記角度セクタ内に位置されるときに前記ノズル要素が前記センサの前記光学面に向かって洗浄流体を噴射する、請求項1に記載の拭き取りシステム。
【請求項3】
前記アーム(103)又は前記ブレード(105)に関する前記位置データが前記モータ(302)によって又は検出装置(304)によってもたらされる、請求項1又は2に記載の拭き取りシステム。
【請求項4】
前記ワイパーブレードは、少なくとも1つの他の長手方向チャネル(220;230)と、前記他の長手方向チャネルと流体連通するとともに前記ブレードの長手方向に対して傾斜した方向で前記他の長手方向チャネルによってもたらされる洗浄流体を前記可視ゾーンに噴射するように構成される少なくとも1つの他のノズル要素(111;112)とを備え、
前記注入アセンブリ(301)は、前記長手方向チャネル内に及び/又は前記他の長手方向チャネル内に洗浄流体を選択的に注入することができる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の拭き取りシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの他の長手方向チャネルは、少なくとも第1の長手方向チャネル(210)及び第2の長手方向チャネル(220)を備え、前記長手方向チャネルが第3の長手方向チャネル(230)であり、
前記少なくとも1つの他のノズル要素は、少なくとも前記第2の長手方向チャネルと流体連通するとともに前記ブレードの長手方向に対して傾斜した第1の方向で洗浄流体を噴射するように構成される第1のノズル要素(111)と、前記第3の長手方向チャネルと流体連通するとともに前記ブレードの長手方向に対して傾斜した第2の方向で洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも第2のノズル要素(112)とを備え、前記ノズル要素が第3のノズル要素であり、
前記注入要素(301)は、前記第1の長手方向チャネル、前記第2の長手方向チャネル、及び/又は前記第3の長手方向チャネルに前記洗浄流体を選択的に注入することができる、
請求項4に記載の拭き取りシステム。
【請求項6】
前記注入アセンブリ(301)は、第1の注入チャネル(402.1)によって前記第1の長手方向チャネル(210)に接続される第1のポンプ(401.1)と、第2の注入チャネル(402.2)によって前記第2の長手方向チャネル(220)に接続される第2のポンプ(401.2)と、第3の注入チャネル(402.3)によって前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第3のポンプ(401.3)とを備え、前記制御ユニット(303)は、前記第1、第2、及び第3のポンプを選択的に作動させることができる、請求項5に記載の拭き取りシステム。
【請求項7】
前記注入アセンブリは、少なくとも第1の圧力レベル又は第2の圧力レベルに従って洗浄流体を第1の注入チャネル(422.1;435.1;442.1)に注入することができる第1の二重圧力ポンプ(421.1;431;441)と、前記流体が前記第1のレベル又は前記第2の圧力レベルで前記第1の注入チャネルに注入されるかどうかに応じて前記第1の注入チャネルを前記第1の長手方向チャネル(210)又は前記第2の長手方向チャネル(220)に接続する差圧弁(423;433;443)とを備え、
前記制御ユニット(303)は、前記二重圧力ポンプの圧力レベルを制御することができる、
請求項5に記載の拭き取りシステム。
【請求項8】
前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2の注入チャネル(422.2)に洗浄流体を注入することができる第2のポンプ(421.2)を更に備え、前記制御ユニット(303)は、前記第2のポンプの作動を制御することができる、請求項7に記載の拭き取りシステム。
【請求項9】
前記第1のポンプは、前記第1のポンプのポンプモータの回転方向に応じて、前記第1の注入チャネル(442.1)又は前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2の注入チャネル(442.2)に洗浄流体を選択的に注入することができる二重圧力二方向ポンプ(441)であり、
前記制御ユニット(303)は、前記第1のポンプの前記ポンプモータの回転方向を制御できる、
請求項7に記載の拭き取りシステム。
【請求項10】
前記第1のポンプ(431)は、単一のチャネル(432)を介して電磁弁(436)に接続され、前記電磁弁は、前記制御ユニット(303)から受信される制御信号に応じて、前記第1のポンプによって前記単一のチャネルに注入される洗浄流体を、前記第1の注入チャネル(435.1)に向けて、又は前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2の注入チャネル(435.2)に向けて送ることができる、請求項7に記載の拭き取りシステム。
【請求項11】
前記注入システム(301)が第1の二方向ポンプ(411.1)を備え、前記第1のポンプは、第1の注入チャネル(412.1)によって前記第1の長手方向チャネル(210)に接続されるとともに、第2の注入チャネル(412.2)によって前記第2の長手方向チャネル(220)に接続され、前記第1のポンプは、前記第1のポンプのポンプモータの回転方向に応じて洗浄流体を前記第1の注入チャネル内に又は前記第2の注入チャネル内に注入することができ、
前記注入アセンブリは、第3の注入チャネル(412.3)によって前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2のポンプ(411.2)を更に備え、前記制御ユニット(303)は、前記第2のポンプの作動を制御することができる、
請求項5に記載の拭き取りシステム。
【請求項12】
自動車両用の拭き取りシステム(100)への洗浄流体の注入を制御するための方法であって、前記拭き取りシステムが、アーム(103)と、前記アームを回転させることができるモータ(302)と、前記自動車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成され、前記アームによって駆動されることが可能であるとともに、長手方向チャネル(230)と、前記少なくとも1つの長手方向チャネルと流体連通して前記可視ゾーンの外側に配置される少なくとも1つのセンサ(320)に向けて洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも1つのノズル要素(113)とを備えるワイパーブレード(105)であって、前記ノズル要素が、前記ワイパーブレードの長手方向端部ゾーン(120)に配置される、ワイパーブレード(105)とを備え、
前記方法は、制御ユニット(303)によって実施される以下のステップ、すなわち、
-前記アーム又は前記ワイパーブレードに関する位置データをリアルタイムに受信するステップ(500)と、
-前記位置データに基づいて、前記長手方向チャネル内への洗浄流体の注入をリアルタイムで制御するための制御信号を生成するステップ(501)と、
-前記拭き取りシステムの注入アセンブリに制御信号を送信するステップ(502)と、
を含み、
前記アーム又は前記ワイパーブレードが前記拭き取りシステムの角度拭き取り範囲(311)よりも小さい所定の角度セクタ(312)内にあると前記制御ユニットが決定すると、生成された前記制御信号が、前記洗浄流体注入アセンブリによる少なくとも前記長手方向チャネル内への注入を制御する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車両用の拭き取りシステムに関し、特に、そのようなシステムへの洗浄流体の注入の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
窓の洗浄を可能にするべく、ワイパーブレードに長手方向チャネルを設けて、ワイパーブレードの前方で洗浄流体を車両の光沢面上に噴射することは、光沢面のための、特に自動車両のフロントガラス又はリアウィンドウのための拭き取りシステムの分野において周知のやり方である。
【0003】
2つの長手方向チャネルを有する拭き取りシステムが知られており、一方の長手方向チャネルは、第1の拭き取り方向でブレードの前方に洗浄流体を噴射するためのものであり、他方の長手方向チャネルは、第2の拭き取り方向でブレードの前方に洗浄流体を噴射するためのものである。
【0004】
他の拭き取りシステムは、ブレード以外の他の場所で窓上に流体の噴射をもたらし、例えば、「ウェットアーム」と呼ばれる幾つかの拭き取りシステムは、ブレードを回転させるアームから、又は自動車両のフード上の所定位置から噴射をもたらす。
【0005】
自動車両はますますセンサを含むようになっており、その大部分は光学面を有する。このような光学面は、取得されるデータの品質を向上させるために洗浄する必要がある。
【0006】
しかしながら、車両のそれぞれのセンサごとに専用の洗浄システムを設けることは、高価で嵩張る。
【0007】
したがって、洗浄システムの数を増やすことなく車両の光沢面又は光学面の洗浄を可能にする一方で、洗浄システムを単純化してそのコスト及びその嵩を低減し、洗浄流体の使用を最適化する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
-アームと、
-アームを回転させることができるモータと、
-自動車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成され、アームによって駆動されることが可能であるとともに、少なくとも1つの長手方向チャネルと、少なくとも1つの長手方向チャネルと流体連通するとともに可視ゾーンの外側に配置される少なくとも1つのセンサに向けて洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも1つのノズル要素とを備えるワイパーブレードであって、前記ノズル要素が、ワイパーブレードの長手方向端部ゾーンに配置される、ワイパーブレードと、
-洗浄流体を長手方向チャネル内に注入することができ、少なくとも1つのポンプを備える注入アセンブリと、
-アーム又はワイパーブレードに関する位置データに基づいてリアルタイムに注入アセンブリを制御することができる制御ユニットと、
を備える拭き取りシステムに関する。
【0009】
アーム又はワイパーブレードが拭き取りシステムの角度拭き取り範囲よりも小さい又は角度拭き取り範囲よりもより制限された所定の角度セクタにあると制御ユニットが決定すると、制御ユニットは、少なくとも長手方向チャネル内への洗浄流体注入アセンブリによる注入を制御することができる。
【0010】
したがって、ノズル要素は、他のノズル要素が洗浄流体を噴射することができるフロントガラスの可視表面に向かう方向以外の方向に向くことができる。例えば、可視ゾーンの外側のセンサに向けて噴射する方向は、主に、ワイパーブレードの長手方向であってもよく、このことは、所定の方向が長手方向となす角度が、所定の方向が長手方向に垂直な方向となす角度よりも小さいことを意味する。これにより、ワイパーブレードの端部ゾーンが所定の角度セクタにおいて面する自動車両センサの光学面を洗浄することができる。
【0011】
一実施形態によれば、所定の角度セクタは、拭き取りシステムの幾何学的形状、センサの光学面の幾何学的形状、及び拭き取りシステムがセンサを備える自動車両に装着されるときの拭き取りシステムとセンサとの相対位置に応じて決定され、それにより、アーム又はブレードが角度セクタ内に位置されるときにノズル要素がセンサの光学面に向かって洗浄流体を噴射してもよい。
【0012】
したがって、ブレードがセンサの光学面の前方又は近くを通過するときにのみ流体が噴射されるため、長手方向チャネルへの洗浄流体の注入が最適化される。そのような角度セクタは、事前に規定されてもよいが、特にセンサ及びその光学面の追加又は移動に応じて構成可能であってもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、アーム又はブレードに関する位置データは、モータからによってもたらされてもよく、又は検出装置からもたらされてもよい。
【0014】
拭き取りシステムのモータによってもたらされる位置データを使用することにより、アーム又はワイパーブレードの位置及び速度に関するリアルタイムデータを有しながら、使用される検出装置の数を制限することができる。
【0015】
実施形態によれば、ワイパーブレードは、少なくとも1つの他の長手方向チャネルと、他の長手方向チャネルと流体連通するとともにブレードの長手方向に対して傾斜した方向で可視ゾーンに洗浄流体を噴射することができる少なくとも1つの他のノズル要素とを備えてもよく、注入アセンブリは、長手方向チャネル内に及び/又は他の長手方向チャネル内に洗浄流体を選択的に注入することができてもよい。
【0016】
ブレードの長手方向に対して傾斜する方向は、特に、ブレードの長手方向に対して垂直であってもよく、又はブレードの長手方向に対する法線に対して20°未満の小さい角度をなしてもよい。
【0017】
更に、実施形態によれば、他の長手方向チャネルは、少なくとも第1の長手方向チャネル及び第2の長手方向チャネルを備え、長手方向チャネルが第3の長手方向チャネルである。他のノズル要素は、第1の長手方向チャネルと流体連通するとともにブレードの長手方向に対して傾斜した第1の方向で洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも第1のノズル要素と、第2の長手方向チャネルと流体連通するとともにブレードの長手方向に対して傾斜した第2の方向で洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも第2のノズル要素とを備え、ノズル要素が第3のノズル要素である。注入要素は、第1の長手方向チャネル、第2の長手方向チャネル、及び/又は第3の長手方向チャネルに洗浄流体を選択的に注入することができてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、注入アセンブリは、第1の注入チャネルによって第1の長手方向チャネルに接続される第1のポンプと、第2の注入チャネルによって第2の長手方向チャネルに接続される第2のポンプと、第3の注入チャネルによって第3の長手方向チャネルに接続される第3のポンプとを備えてもよく、制御ユニットは、第1、第2、及び第3のポンプを選択的に作動させることができる。
【0019】
そのような実施形態は、ポンプのそれぞれを制御ユニットによって独立して制御できるようにする。したがって、ポンプのそれぞれに異なる圧力レベルで洗浄流体を注入することが可能である。
【0020】
或いは、注入アセンブリは、少なくとも第1の圧力レベル又は第2の圧力レベルに従って洗浄流体を第1の注入チャネルに注入することができる第1の二重圧力ポンプと、流体が第1の圧力レベル又は第2の圧力レベルで注入チャネルに注入されるかどうかに応じて、注入チャネルを第1の長手方向チャネル又は第2の長手方向チャネルに接続する差圧弁とを備えてもよい。制御ユニットは、第1の二重圧力ポンプの圧力レベルを制御することができてもよい。
【0021】
これにより、第1及び第2の長手方向チャネル内に注入するためのポンプを共有することによって、注入アセンブリ内のポンプの数を減らすことが可能になる。更に、2つのチャネルは異なる拭き取り方向に専用であってもよいため、これらの2つのチャネルに同時に流体を注入する必要はない。したがって、拭き取りシステムに関連する嵩及びコストが低減される。
【0022】
更に、注入アセンブリは、第3の長手方向チャネルに接続される第2の注入チャネルに洗浄流体を注入することができる第2のポンプを更に備えてもよく、制御ユニットは、第2のポンプの作動を制御することができてもよい。
【0023】
したがって、第3の長手方向チャネル内への注入は、他の2つの長手方向チャネルへの注入とは無関係に制御される。したがって、長手方向チャネル内への選択的注入を可能にしながら、注入システムでは2つのポンプのみが使用される。
【0024】
或いは、第1のポンプは、第1のポンプのポンプモータの回転方向に応じて、第1の注入チャネル又は第3の長手方向チャネルに接続される第2の注入チャネルに洗浄流体を選択的に注入することができる二重圧力二方向ポンプである。制御ユニットは、第1ポンプのポンプモータの回転方向を制御可能であってもよい。
【0025】
したがって、単一のポンプが3つの長手方向チャネル内への注入に使用され、これにより、選択的な注入を可能にしながら、システムに関連する嵩が大幅に低減される。
【0026】
或いは、第1のポンプは、単一のチャネルを介して電磁弁に接続されてもよく、電磁弁は、制御ユニットから受信される制御信号に応じて、第1のポンプによって注入された洗浄流体を単一のチャネルに、第1の注入チャネルに向けて、又は第3の長手方向チャネルに接続された第2の注入チャネルに向けて送ることができる。
【0027】
この場合も先と同様に、単一のポンプが3つの長手方向チャネルへの注入に使用され、これにより、選択的な注入を可能にしながら、システムに関連する嵩が大幅に低減される。
【0028】
或いは、注入アセンブリが第1の二方向ポンプを備えてもよく、第1のポンプは、第1の注入チャネルによって第1の長手方向チャネルに接続されるとともに、第2の注入チャネルによって第2の長手方向チャネルに接続され、第1のポンプは、第1のポンプのポンプモータの回転方向に応じて、第1の注入チャネル内又は第2の注入チャネル内に洗浄流体を注入することができる。注入システムは、第3の注入チャネルによって第3の長手方向チャネルに接続される第2のポンプを更に備えてもよく、制御ユニットは、第2のポンプの作動を制御することができる。
【0029】
したがって、3つの長手方向チャネル間で洗浄流体を選択的に注入することを可能にしながら、ポンプの数を2つに減らすことが可能である。
【0030】
本発明の第2の態様は、自動車両用の拭き取りシステムへの洗浄流体の注入を制御するための方法に関し、拭き取りシステムは、アームと、アームを回転させることができるモータと、自動車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成され、アームによって駆動されることができるとともに、少なくとも1つの長手方向チャネルと、少なくとも1つの長手方向チャネルと流体連通して可視ゾーンの外側に配置される少なくとも1つのセンサに向けて洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも1つのノズル要素とを備えるワイパーブレードであって、ノズル要素がワイパーブレードの長手方向端部ゾーンに配置される、ワイパーブレードとを備える。
【0031】
方法は、制御ユニットによって実施される以下のステップ、すなわち、
-アーム又はワイパーブレードに関する位置データをリアルタイムに受信するステップと、
-位置データに基づいて、長手方向チャネルへの洗浄流体の注入をリアルタイムで制御するための制御信号を生成するステップと、
-拭き取りシステムの注入アセンブリに制御信号を送信するステップと、
を含む。
【0032】
アーム又はワイパーブレードが拭き取りシステムの角度拭き取り範囲よりも小さい所定の角度セクタにあると制御ユニットが決定すると、生成された制御信号は、少なくとも長手方向チャネル内への洗浄流体注入アセンブリによる注入を制御する。
【0033】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の概略図を参照して非限定的な指示として与えられる以下の説明及び幾つかの例示的な実施形態の両方からより明確に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施形態に係る拭き取りシステムを示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係る拭き取りシステムのワイパーブレードの断面図を示す。
【
図3】自動車両のフロントガラスに装着される、本発明に係る拭き取りシステムを示す。
【
図4a】本発明の第1の実施形態に係る拭き取りシステムの注入アセンブリを示す。
【
図4b】本発明の第2の実施形態に係る拭き取りシステムの注入アセンブリを示す。
【
図4c】本発明の第3の実施形態に係る拭き取りシステムの注入アセンブリを示す。
【
図4d】本発明の第4の実施形態に係る拭き取りシステムの注入アセンブリを示す。
【
図4e】本発明の第5の実施形態に係る拭き取りシステムの注入アセンブリを示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る、拭き取りシステムへの洗浄流体の注入を制御するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
まず、図は、本発明をその実施のために詳細に説明しているが、当然のことながら、必要に応じて、本発明をより良く規定するために使用されてもよいことに留意すべきである。また、全ての図において、同様である及び/又は同じ機能を果たす構成要素は、同じ番号を使用して示されることにも留意すべきである。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動車両用の拭き取りシステム100を示す。拭き取りシステムは、車両の光沢面、好ましくはフロントガラス、又はリアウィンドウに設置されるのに適している。
【0037】
拭き取りシステムは、少なくとも1つのアーム103と、取り付け装置104によってアームに取り付けられるとともに車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成されるワイパーブレード105と、アーム103のための駆動装置101とを備える。
【0038】
可視ゾーンは、車両の運転者又は搭乗者に面して位置されるフロントガラスの部分であり、この部分を通じて搭乗者又は運転者が車両の外部の環境を見ることができる。
【0039】
駆動装置101は、アーム103を介してワイパーブレード104を動作させるように構成され、ワイパーブレード105は可視ゾーンと接触している。アーム103の移動は、典型的には前後移動、好ましくは円形移動である。この目的のために、駆動装置101自体は、拭き取りシステム100の円形移動を実行できるようにする回動接続部101の周りでモータによって移動されてもよい。
【0040】
アーム103に対するワイパーブレード105の機械的な取り付けを可能にするようになっている取り付け装置104に制限は課されない。機械的な取り付けは、特に、クランプによって、互いに嵌合することによって、又は任意の他の手段によって実行されてもよい。取り付け装置104によりもたらされる機械的な接続によって許容される自由度に制限は課されない。
【0041】
本発明に係る拭き取りシステム100は、以下を読めばより良く理解されるように、可視ゾーンの外側に位置されるセンサの光学面に向けて、主にワイパーブレード115の長手方向の方向で、洗浄流体を噴射又は分散させるように構成される少なくとも1つのノズル要素113と流体連通する少なくとも1つの長手方向チャネル内に洗浄流体を選択的に分配するために、
図1には示されないが以下に記載されるリザーバからアーム103に向けて、その後にワイパーブレード105に向けて洗浄流体を注入するためのアセンブリを更に備える。この目的のために、ノズル要素113は、ワイパーブレード105の長手方向端部ゾーン120に、特に拭き取りシステムがフロントガラスに装着されるときに上方に向けられる長手方向端部に配置されてもよい。「長手方向端部ゾーン」という用語は、その位置の全てがワイパーブレードの中央位置よりもワイパーブレードの長手方向端部に近いゾーンを意味する。中央位置は、特に、ワイパーブレード105と拭き取りシステムのアーム103との間の取り付け装置104の位置に対応し得る。好ましくは、長手方向端部ゾーンは、ワイパーブレードの中央位置に対して長手方向端部に2倍近い、又は更には3倍近い全ての位置を含む。
【0042】
ノズル要素113は、搬送アセンブリから洗浄流体を受けるための入口と、洗浄流体を噴射するための少なくとも1つの開口、例えば2つの開口とを備えてもよい。ノズル要素113が2つの開口を備える場合、ノズル要素113の各開口に供給するために2つの長手方向チャネル230がワイパーブレード103に設けられてもよい。
【0043】
以下では、例示として、長手方向端部ゾーンに配置されたノズル要素113と流体連通する長手方向チャネルは、第3の長手方向チャネルであると考えられ、注入アセンブリは、洗浄流体を、
-可視ゾーン上にわたって下向きの拭き取り方向で洗浄流体を噴射又は分散させるために、第1のノズル要素111と流体連通する第1の長手方向チャネル内へ、
-可視ゾーン上にわたって下向きの拭き取り方向で洗浄流体を噴射又は分散させるために、第2のノズル要素112と流体連通する第2の長手方向チャネル内へ、
選択的に分配することもできる。上向きの方向は、車両のフードからルーフに向かう拭き取り動作に対応することができる。これは、洗浄流体がワイパーブレード105の前方で常に噴射されるようにする。これにより、フロントガラスの可視ゾーンを通じた運転者の視認性を向上させることができ、ワイパーブレード105による拭き取りをより効率的に行うことができる。
【0044】
したがって、以下では、ノズル要素113を第3のノズル要素113と称する。
【0045】
当業者に周知のそのようなノズル要素の構造に制限は課されない。
【0046】
なお、第1及び第2の長手方向チャネル並びに第2及び第3のノズル要素111及び112は、任意選択的であり、ワイパーブレードが拭き取られるべき可視ゾーンに洗浄流体を2つの異なる拭き取り方向で噴射することができる所定の実施形態に対応する。ワイパーブレード105は、「二重噴射器」ワイパーブレードと呼ばれる。
【0047】
或いは、ワイパーブレード105は、第3の長手方向チャネルに加えて、下向き及び/又は上向きで光沢面上に洗浄流体を噴射することができる第1のノズル要素111又は第2のノズル要素112などの少なくとも1つのノズル要素に通じる第1の及び第2の長手方向チャネルの一方のみを備えてもよい。したがって、ワイパーブレードは、2つの長手方向チャネルを備える。
【0048】
また、代替的に、ワイパーブレード105は、ワイパーブレードの長手方向端部ゾーンに配置されるノズル要素113に接続された長手方向チャネルのみを備える。この場合、光沢面上への洗浄流体の噴射は、ワイパーブレード105ではなくアーム103に位置されるノズル要素によって確保されてもよい。或いは、システム100は、光沢面上に洗浄流体を噴射することができる、車両のフード上の固定位置にあるノズル要素を備える。
【0049】
以下では、可視ゾーンに流体を噴射するための2つの長手方向チャネルと、センサに噴射するための第3の長手方向チャネルとを備える二重噴射器ワイパーブレード105との関連で本発明を説明する。そのような状況が例示のみを目的として提示されており、光沢面上に洗浄流体を噴射することができるノズル要素が、ワイパーブレード105以外の他の場所、アーム103、又は特にフード上に配置されてもよいことが理解される。
【0050】
以下に説明する文脈によれば、ノズル要素は全てワイパーブレード105に配置される。
【0051】
ブレード105は、
図2を参照して示される少なくとも3つの長手方向チャネルを備える。
【0052】
図2は、本発明の一実施形態に係る拭き取りシステム100のワイパーブレード105の断面図を示す。
【0053】
したがって、断面は、
図1に示されるワイパーブレード105の長手方向Yに垂直な平面X-Zに沿っている。
【0054】
図2には単なる例示として三角形断面のワイパーブレード105が示される。ワイパーブレード105は、異なる形状の断面を有してもよいことが理解される。
【0055】
第1の長手方向チャネル210は、特にワイパーブレード105の下向きの拭き取り方向で、前述の第1のノズル要素111に向けて洗浄流体を搬送することができる。
【0056】
第2の長手方向チャネル220は、特にワイパーブレード105の上向き拭き取り方向で、前述の第2のノズル要素112に向けて洗浄流体を搬送することができる。
【0057】
したがって、ノズル要素111及び112がアーム103に又はフード上にある実施形態では、ワイパーブレードは、第1及び第2の長手方向チャネル210及び220を含まない。
【0058】
以下でより明確に説明されるように、拭き取りシステムの可動部分、すなわちアーム又はブレードが、位置のセットを画定する所定の角度セクタ内にあるときに、第3の長手方向チャネル230は、前述の第3のノズル要素113に向けて洗浄流体を搬送することができる。第3のノズル要素113は、主に長手方向に、したがって主に平面Y-Xと平行に、例えば実質的に軸Yに沿って洗浄流体を分散又は噴射することができてもよい。或いは、第3のノズル要素113は、光沢面に向けられた傾斜を伴って斜めに噴射してもよい。
【0059】
したがって、第3のチャネル230が他の2つのチャネル210及び220に対して中央位置にあることが有利である。第3のチャネル230は、特に、拭き取りシステム100が車両に設置されるときに、軸Zに沿って、他の2つのチャネル210及び220よりも光沢面から更に離れていてもよい。
【0060】
図2に示されるように、第1及び第2のノズル要素の噴射方向は、光沢面がワイパーブレード105によって拭き取られる前に光沢面に噴射するように、主に平面X-Y内に延びる拭き取られるべき可視ゾーンに対して斜めであることが好ましい。
【0061】
図3は、本発明の一実施形態に係る自動車両のフロントガラス310に装着される拭き取りシステム100を示す。
【0062】
図示のように、拭き取りシステム100は、アーム105を駆動するためのモータ302と、制御ユニット303と、流体を搬送アセンブリに注入するための注入アセンブリ301とを更に備えてもよい。
【0063】
モータ302に制限は課されず、モータ302は、拭き取りシステム100の可動部分を一方向に、次いで他方向に回転させることができるようにする任意の可逆モータを含む。
【0064】
以下の図の説明を読むとより明確に理解されるように、注入アセンブリ301は、アーム105及び/又は車両のフードに装着される要素を備えてもよい。
【0065】
拭き取りシステム100の専用の制御ユニットであってもよく、或いは「Electronic Control Unit」の略称であるECU又は「Body Controller」とも呼ばれる車両の中央制御ユニットであってもよい制御ユニット303に制限は課されない。
【0066】
ECU303は、本発明によれば、特にアーム103及びワイパーブレード105を含む拭き取りシステムの可動部分に関する位置データを受信することができる。そのような位置データは、拭き取りシステム100が作動されるときに、約10ヘルツよりも大きい周波数で定期的に受信されることが好ましい。
【0067】
位置データは、モータ302から、或いは拭き取りシステムの可動部分の位置を検出することができる検出装置304から受信されてもよい。検出装置304に制限は課されず、検出装置が例えばカメラであってもよい。
【0068】
位置データは、
-フロントガラスの可視ゾーンに対応する拭き取り角度311の所定の範囲内のアーム103及び/又はワイパーブレード105の角度位置、及び/又は
-アーム103及び/又はワイパーブレード105の回転速度、
を含んでもよい。
【0069】
注入アセンブリ301は、制御信号に基づいて、第3の長手方向チャネル230に洗浄流体を選択的に注入することができ、すなわち、第3の長手方向チャネル230に洗浄流体を注入してもしなくてもよい。ワイパーブレードに3つの長手方向チャネルを有する例では、注入アセンブリ301は、長手方向チャネル210,220及び230のうちの1つ以上に洗浄流体を選択的に注入することができる。そのような注入アセンブリ301の実施形態が
図4a~
図4eに関連して提示される。特に、注入アセンブリ301は、所定の瞬間に(又は位置データの連続的な受信間の時間範囲にわたって)、長手方向チャネル210,200及び230のうちの1つ又は2つに流体を注入することができる。
【0070】
1つ又は2つの長手方向チャネル210,220及び230の選択は、制御ユニット303によって送信される制御信号に依存する。
【0071】
制御ユニット303は、モータ302又は検出装置304のいずれかから受信される位置データに基づいてそのような制御信号を決定する。特に、制御ユニット303は、位置データに基づいて、ワイパーブレード105が上向き又は下向きに拭き取っているかどうかを決定してもよい。制御ユニット303は、その後、注入ユニット301に制御信号を発して、
-ブレード105が下向きの拭き取り方向にあるときに洗浄流体を第1の長手方向チャネル210に注入し、
-ブレード105が下向きの拭き取り方向にあるときに、洗浄流体を第2の長手方向チャネル220に注入する。
【0072】
したがって、好ましくは、所定の瞬間に、洗浄流体は、第1の長手方向チャネル210及び第2の長手方向チャネル220の両方に決して注入されない。
【0073】
拭き取り方向の変化が近づくにつれて、ブレード105の速度がゼロになる前に絶対値で低くなると、第1及び第2の長手方向チャネル210、220への洗浄流体の注入が停止されてもよい。
【0074】
本発明によれば、制御ユニット330は、アーム103及び/又はワイパーブレード105が厳密に前述の角度範囲311に含まれる角度セクタ312に位置されるときに、注入アセンブリ301による第3の長手方向チャネル230への洗浄流体の注入を制御するように構成される。角度セクタは、特に30°未満、例えば20°未満であってもよい。
【0075】
角度セクタ312は、フロントガラスの可視ゾーンの外側に位置する車両のセンサ320の光学面321に向けて拭き取りシステムが第3のノズル要素113を介して洗浄流体を噴射するように規定される。例えばライダであってもよい対象のセンサ320にも、このセンサ320の位置にも制限は課されない。例として、
図3には、車両のフロントガラス310の上の中心に位置するライダタイプのセンサが示される。
【0076】
したがって、角度セクタ312は、第3のノズル要素113がセンサ320の光学面321の一部に面しているか、又は光学面に接近している位置のセットを規定することを可能にする。
【0077】
角度セクタ312は、好適には、
-拭き取りシステム、特にアーム103及びワイパーブレード105の幾何学的特性、
-光学面321の幾何学的特性、
-拭き取りシステム100と光学面321との間のそれぞれの位置決め、
-洗浄されるべき光学面321の部分、具体的には、角度セクタ312は、光学面321の一部のみ、例えば中央部分に洗浄流体を噴射するように規定されてもよい、及び/又は
-拭き取りシステム100の拭き取り速度、
に依存し得る。したがって、制御信号は、第3のノズル要素113が光学面321に面する前に生成物の注入を引き起こすことができる。
【0078】
制御ユニット303は、洗浄流体を第3の長手方向チャネル内に注入するように、すなわち、
-アーム及び/又はワイパーブレード105が角度セクタ312にあるときには、上向きの拭き取り方向で注入するように、
アーム及び/又はワイパーブレード105が角度セクタ312にあるときには、下向きの拭き取り方向で注入するように、及び/又は
アーム及び/又はワイパーブレード105が角度セクタ312内にあるときには、拭き取り方向に関係なく注入するように、
注入アセンブリ301を制御してもよい。
【0079】
これにより、洗浄流体の消費を最適化しながら、特にセンサ用の洗浄装置を追加する必要なく、拭き取りシステムが装着される光沢面の近くに位置するセンサの光学面の洗浄を可能にすることができる。
【0080】
図3に示されるように、拭き取りシステムは、単一のアーム/ワイパーブレードアセンブリを備える。しかしながら、拭き取りシステムは2つのそのようなアセンブリを備えてもよく、一方のアセンブリが運転者側に位置し、他方のアセンブリが助手席側に位置する。2つのアセンブリは、前述のように制御ユニット303によって制御されてもよい。或いは、これらのアセンブリのうちの一方のみが、ノズル要素113及び長手方向チャネル230を備える。そのようなアセンブリは、例えば、助手席側のアーム/ブレードアセンブリであってもよく、或いは運転者側のアーム/ブレードアセンブリであってもよい。
【0081】
以下に説明する実施形態は、洗浄流体注入アセンブリ301に関して異なる。この場合も先と同様に、これらの実施形態は全て、3つの長手方向チャネルを有する二重噴射器ブレード103との関連で説明される。しかしながら、注入アセンブリ301は、より一般的には、センサを洗浄できるようにする長手方向チャネル230に洗浄流体を選択的に注入することができ、すなわち、流体を長手方向チャネル230に注入することができる又は注入しないことが理解され得る。相補的な態様で、注入アセンブリ301は、車両フード上の固定ノズル要素又はアーム103のノズル要素において、単一の噴射器ブレード又は二重噴射器ブレードとの関連で、ワイパーブレード105の1つ以上の他の長手方向チャネルへの洗浄流体の噴射を選択的に制御することもできる。
【0082】
図4aは、本発明の第1の実施形態に係る拭き取りシステムの第1の流体注入アセンブリ301を示す。
【0083】
第1の実施形態において、注入アセンブリ301は、
-洗浄流体リザーバから第1の長手方向チャネル210内に洗浄流体を注入することができる第1のポンプ401.1及び第1の注入チャネル402.1と、
-洗浄流体リザーバから第2の長手方向チャネル220内に洗浄流体を注入することができる第2のポンプ401.2及び第2の注入チャネル402.2と、
-洗浄流体リザーバから第3の長手方向チャネル230に洗浄流体を注入することができる第3のポンプ401.3及び第3の注入チャネル402.3と、
を備える。
【0084】
ポンプ401.1~401.3の種類に制限はない。ポンプは、
図3を参照して説明した制御機能を果たすために、制御ユニット303からの制御信号によって選択的に作動/停止されてもよい。
【0085】
したがって、制御ユニット303は、制御信号を介して、
-第1のポンプ401.1を下向きの拭き取り方向で作動させる、
-第2のポンプ401.2を上向きの拭き取り方向で作動させる、
-角度セクタ312内で、上向き及び/又は下向きで第3のポンプ401.3を作動させる、
ことができることが理解される。
【0086】
注入チャネル402.1から402.3は、好ましくは、拭き取りシステム100の可動部分による拭き取りを妨げないように、アーム103に接続される又はアーム103の保護下で一体化される。以下の図の実施形態に示される注入チャネルについても同じことが言える。長手方向チャネル210,220及び230は、取り付け装置104内で注入チャネル402.1~402.3と接合することができる。
【0087】
図4bは、本発明の第2の実施形態に係る拭き取りシステムの第2の流体注入アセンブリ301を示す。
【0088】
第2の実施形態において、注入アセンブリ301は、
-第1の注入チャネル412.1及び第2の注入チャネル412.2に関連する第1のポンプ411.1であって、洗浄流体リザーバから第1の長手方向チャネル210又は第2の長手方向チャネル220に洗浄流体を注入することができる第1のポンプ411.1を備える。この目的のために、第1のポンプ411.1は、第1のポンプ411.1のモータの回転方向に応じて、洗浄流体を第1の注入チャネル412.1又は第2の注入チャネル412.2に注入することができる二方向ポンプであってもよい。
【0089】
注入アセンブリ301は、
-洗浄流体リザーバから第3の長手方向チャネル230内に洗浄流体を注入することができる第2のポンプ411.2及び第3の注入チャネル412.3、
を備える。
【0090】
ポンプは、
図3を参照して説明した態様で制御ユニット303によって制御することができる。
【0091】
したがって、制御ユニット303は、制御信号を介して、
-拭き取りシステムが下向きに拭き取っているときに、第1のポンプ411.1のモータを第1の回転方向に作動させる、
-拭き取りシステムが上向きに拭き取っているときに、第1のポンプ411.1のモータを第2の回転方向に作動させる、
-拭き取りシステム100が角度セクタ312にあるときに、上向き及び/又は下向きに第2のポンプ411.2を作動させる、
ことができることが理解される。
【0092】
これにより、拭き取りシステム内のポンプの数を減らすことができ、これにより、嵩及びコストが削減される。更に、第1の二方向ポンプ412.1は、好適には、第1及び第2の長手方向チャネル210及び220間で共有され、これらの2つの長手方向チャネル間で同時に注入する必要はない。
【0093】
図4cは、本発明の第3の実施形態に係る拭き取りシステムの第3の流体注入アセンブリ301を示す。
【0094】
第3の実施形態において、注入アセンブリ301は、
-第1のポンプ421.1と、第1のポンプ421.1を差圧弁423に接続する第1の注入チャネル422.1とを備え、差圧弁423は、第1の分配チャネル424.1を介して第1の長手方向チャネル210に接続され、第2の分配チャネル424.2を介して第2の長手方向チャネル220に接続される。「Yバルブ」とも呼ばれる差圧弁423は、第1の注入チャネル422.1内の流体の圧力に応じて、第1の注入チャネル424.1から第1の分配チャネル422.1に向けて又は第2の分配チャネル424.2に向けて流体を導くことができる。第1のポンプ421.1は、注入チャネル422.1及び422.2の一方又は他方を選択するために洗浄流体の注入圧力を変化させることができる。これは二重圧力ポンプと呼ばれる。
【0095】
注入アセンブリ301は、
-洗浄流体リザーバから第3の長手方向チャネル230内に洗浄流体を注入することができる第2のポンプ411.2及び第2の注入チャネル422.2、
を備える。
【0096】
ポンプ421.1及び421.2は、
図3を参照して説明した態様で制御ユニット303によって制御することができる。
【0097】
したがって、制御ユニット303は、制御信号を介して、
-拭き取りシステムが下向きで拭き取っているときに、第1のポンプ421.1のモータを作動させて、第1の圧力レベルの洗浄流体を第1の注入チャネル422.1内に注入する、
-拭き取りシステムが上向きで拭き取っているときに、第1のポンプ421.1のモータを作動させて、第2の圧力レベルの洗浄流体を第1の注入チャネル422.1内に注入する、
-拭き取りシステム100が角度セクタ312にあるときに、上向き及び/又は下向きに第2のポンプ421.2を作動させる、
ことができることが理解される。
【0098】
したがって、ポンプの数が第1の実施形態と比較して減少し、注入チャネルの数が第2の実施形態と比較して減少し、それにより、注入アセンブリ301に関連する嵩が減少する。
【0099】
図4dは、本発明の第4の実施形態に係る拭き取りシステムの第4の流体注入アセンブリ301を示す。
【0100】
第4の実施形態において、注入アセンブリ301は、
単一のチャネル432によって電磁弁436に接続される単一のポンプ431を備え、電磁弁436は、単一のチャネル432を第1の注入チャネル435.1もしくは第2の注入チャネル435.2に、又は注入チャネル435.1及び435.2の両方に接続するように制御されることが可能である。ポンプ431及び電磁弁436はいずれも制御ユニット303によって制御される。したがって、電磁弁436は、2つの注入チャネル435.1及び435.2と単一のチャネル432との間のスイッチとして作用し、制御信号によって制御され得る。
【0101】
注入アセンブリ301は、
-第1の分配チャネル434.1を介して第1の長手方向チャネル210に接続されるとともに、第2の分配チャネル434.2を介して第2の長手方向チャネル220に接続される差圧弁433、
を備える。Yバルブ433は、第1の注入チャネル435.1内の流体の圧力に応じて、第1の注入チャネル435.1から第1の分配チャネル434.1に向けて又は第2の分配チャネル434.2に向けて流体を導くことができる。したがって、ポンプ431は、電磁弁436が少なくとも第1の注入チャネル422.1を選択するとき、注入チャネル435.1及び422.2の一方又は他方を選択するために洗浄流体の注入圧力を変化させることができる。
【0102】
ポンプ431及び電磁弁436は、
図3を参照して説明した態様で制御ユニット303によって制御することができる。
【0103】
したがって、制御ユニット303は、制御信号を介して、
-拭き取りシステムが下向きに拭き取っているときに、第1の圧力レベルで洗浄流体を注入するようにポンプ431のモータを作動させ、少なくとも第1の注入チャネル435.1を選択するように電磁弁を制御する、
-拭き取りシステムが上向きに拭き取っているときに、第2の圧力レベルで洗浄流体を注入するようにポンプ431のモータを作動させ、少なくとも第1の注入チャネル435.1を選択するように電磁弁を制御する、
-上向き及び/又は下向きで、拭き取りシステム100が角度セクタ312にあるときに、ポンプ431のモータを作動させ、電磁弁436を制御して少なくとも第2の注入チャネル435.2を選択する、
ことができることが理解される。
【0104】
したがって、第1の実施形態と比較してポンプの数が削減され、単一の二重圧力ポンプが設けられる。注入チャネル数も第3実施形態と同様に2つである。しかしながら、先の実施形態と比較して、追加の電磁弁も設ける必要がある。
【0105】
図4eは、本発明の第5の実施形態に係る拭き取りシステムの第5の流体注入アセンブリ301を示す。
【0106】
第5の実施形態において、注入アセンブリ301は、
-第1の注入チャネル442.1によって差圧弁443に接続され、第2の注入チャネル442.2によって第3の長手方向チャネル230に接続される二圧力二方向型の単一ポンプ441を備える。ポンプ441は、ポンプのモータの回転方向に応じて、第1の注入チャネル442.1又は第2の注入チャネル442.2に流体を選択的に注入することができるという点で二方向である。更に、少なくとも2つの異なる圧力レベルで洗浄流体を注入することができる。
【0107】
注入アセンブリ301は、
-第1の分配チャネル444.1を介して第1の長手方向チャネル210に接続され、第2の分配チャネル444.2を介して第2の長手方向チャネル220に接続される差圧弁443、
を備える。Yバルブ443は、第1の注入チャネル442.1内の流体の圧力に応じて、第1の注入チャネル442.1から第1の分配チャネル444.1に向けて又は第2の分配チャネル444.2に向けて流体を導くことができる。したがって、ポンプ441は、ポンプ441が第1の注入チャネル442.1への注入に関連する方向に回転するとき、分配チャネル444.1及び444.2の一方又は他方を選択するために洗浄流体の注入圧力を変化させることができる。
【0108】
ポンプ441.1及び441.2は、
図3を参照して説明した態様で制御ユニット303によって制御することができる。
【0109】
したがって、制御ユニット303は、制御信号を介して、
-拭き取りシステムが下向きに拭き取っているときに、第1の圧力レベルで洗浄流体を注入するためにポンプ441のモータを第1の方向に作動させる、
-拭き取りシステムが上向きに拭き取っているときに、第2の圧力レベルで洗浄流体を注入するためにポンプ441のモータを第1の方向に作動させる、
-上向き及び/又は下向きで、拭き取りシステム100が角度セクタ312にあるときに、第2の噴射チャネル435.2を選択するためにポンプ441のモータを第2の方向に作動させる、
ことができることが理解される。
【0110】
したがって、第5の実施形態は、長手方向チャネル210,220及び230への選択的な注入を可能にしながら、注入アセンブリ301の要素の数を可能な限り制限することを可能にする。したがって、注入アセンブリに関連する嵩が低減される。
【0111】
全てが3つの長手方向チャネルを有する二重噴射器ワイパーブレードとの関連で言及する前述の実施形態よりもより一般的には、制御ユニット303は、注入アセンブリ301の少なくとも1つのポンプを介して、所定の角度セクタにおける第3の長手方向チャネル230への洗浄流体の注入を選択的に制御することができる。
【0112】
図5は、本発明に係る拭き取りシステム100の制御ユニット303によって実施される洗浄流体の注入を制御するための方法のステップを示す図である。
【0113】
ステップ500において、制御ユニット303は、アーム103又はブレード105に関する位置データをリアルタイムで受信する。リアルタイムで位置データを受信する周波数に制限はない。そのような周波数は、好ましくは10Hz超、又は100Hzでさえある。
【0114】
ステップ501において、制御ユニット303は、受信した位置データに基づいて、長手方向チャネル230への洗浄流体の注入を選択的に制御するための制御信号を生成する。制御信号は、所定の角度セクタに対するアーム103又はブレード105の位置に従って、前述のように生成される。
【0115】
相補的に、二重噴射器ワイパーブレードとの関連では、制御ユニット303は、受信した位置データに応じて、第1の長手方向チャネル210、第2の長手方向チャネル220、及び/又は第3の長手方向チャネル230への洗浄流体の注入を選択的に制御するための制御信号を生成する。制御信号は、ワイパーブレード105の拭き取り方向及び所定の角度セクタに対するアーム103又はブレード105の位置に応じて前述のように生成される。
【0116】
ステップ502において、制御ユニット303は、制御信号を注入アセンブリ301に送信する。
【0117】
実施形態に応じて、注入アセンブリ301は変化してもよく、したがって、制御信号は、
-ポンプ起動/停止信号、
-ポンプが二重圧力であるときのポンプの注入圧力のレベル、
-ポンプが二方向である場合のポンプモータの回転方向、
-注入アセンブリが電磁弁を含むときの、電磁弁制御信号、
から成り得る。
【0118】
無論、本発明は今しがた説明した例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなくこれらの例に対して多くの変更を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用の拭き取りシステム(100)であって、
-アーム(103)と、
-前記アームを回転させることができるモータ(302)と、
-前記自動車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成され、前記アームによって駆動されることが可能であるとともに、少なくとも1つの長手方向チャネル(230)と、前記少なくとも1つの長手方向チャネルと流体連通して前記可視ゾーンの外側に配置される少なくとも1つのセンサ(320)に向けて洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも1つのノズル要素(113)とを備えるワイパーブレード(105)であって、前記ノズル要素が、前記ワイパーブレードの長手方向端部ゾーン(120)に配置される、ワイパーブレード(105)と、
-洗浄流体を前記長手方向チャネル内に注入することができ、少なくとも1つのポンプを備える、注入アセンブリ(301)と、
-前記アーム又は前記ワイパーブレードに関する位置データに基づいて注入アセンブリをリアルタイムで制御できる制御ユニット(303)と、
を備え、
前記アーム又は前記ワイパーブレードが前記拭き取りシステムの角度拭き取り範囲(311)よりも小さい所定の角度セクタ(312)内にあると前記制御ユニットが決定すると、前記制御ユニットは、前記洗浄流体注入アセンブリによる前記長手方向チャネル内への注入を制御することができる、
拭き取りシステム(100)。
【請求項2】
前記所定の角度セクタ(312)は、前記拭き取りシステム(100)の幾何学的形状、前記センサ(320)の光学面(321)の幾何学的形状、及び前記拭き取りシステムが前記センサを備える自動車両に装着されるときの前記拭き取りシステムと前記センサとの相対位置に応じて決定され、それにより、前記アーム又は前記ブレードが前記角度セクタ内に位置されるときに前記ノズル要素が前記センサの前記光学面に向かって洗浄流体を噴射する、請求項1に記載の拭き取りシステム。
【請求項3】
前記アーム(103)又は前記ブレード(105)に関する前記位置データが前記モータ(302)によって又は検出装置(304)によってもたらされる、請求項1又は2に記載の拭き取りシステム。
【請求項4】
前記ワイパーブレードは、少なくとも1つの他の長手方向チャネル(220;230)と、前記他の長手方向チャネルと流体連通するとともに前記ブレードの長手方向に対して傾斜した方向で前記他の長手方向チャネルによってもたらされる洗浄流体を前記可視ゾーンに噴射するように構成される少なくとも1つの他のノズル要素(111;112)とを備え、
前記注入アセンブリ(301)は、前記長手方向チャネル内に及び/又は前記他の長手方向チャネル内に洗浄流体を選択的に注入することができる、
請求項1
又は2に記載の拭き取りシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの他の長手方向チャネルは、少なくとも第1の長手方向チャネル(210)及び第2の長手方向チャネル(220)を備え、前記長手方向チャネルが第3の長手方向チャネル(230)であり、
前記少なくとも1つの他のノズル要素は、少なくとも前記第2の長手方向チャネルと流体連通するとともに前記ブレードの長手方向に対して傾斜した第1の方向で洗浄流体を噴射するように構成される第1のノズル要素(111)と、前記第3の長手方向チャネルと流体連通するとともに前記ブレードの長手方向に対して傾斜した第2の方向で洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも第2のノズル要素(112)とを備え、前記ノズル要素が第3のノズル要素であり、
前記注入要素(301)は、前記第1の長手方向チャネル、前記第2の長手方向チャネル、及び/又は前記第3の長手方向チャネルに前記洗浄流体を選択的に注入することができる、
請求項4に記載の拭き取りシステム。
【請求項6】
前記注入アセンブリ(301)は、第1の注入チャネル(402.1)によって前記第1の長手方向チャネル(210)に接続される第1のポンプ(401.1)と、第2の注入チャネル(402.2)によって前記第2の長手方向チャネル(220)に接続される第2のポンプ(401.2)と、第3の注入チャネル(402.3)によって前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第3のポンプ(401.3)とを備え、前記制御ユニット(303)は、前記第1、第2、及び第3のポンプを選択的に作動させることができる、請求項5に記載の拭き取りシステム。
【請求項7】
前記注入アセンブリは、少なくとも第1の圧力レベル又は第2の圧力レベルに従って洗浄流体を第1の注入チャネル(422.1;435.1;442.1)に注入することができる第1の二重圧力ポンプ(421.1;431;441)と、前記流体が前記第1のレベル又は前記第2の圧力レベルで前記第1の注入チャネルに注入されるかどうかに応じて前記第1の注入チャネルを前記第1の長手方向チャネル(210)又は前記第2の長手方向チャネル(220)に接続する差圧弁(423;433;443)とを備え、
前記制御ユニット(303)は、前記二重圧力ポンプの圧力レベルを制御することができる、
請求項5に記載の拭き取りシステム。
【請求項8】
前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2の注入チャネル(422.2)に洗浄流体を注入することができる第2のポンプ(421.2)を更に備え、前記制御ユニット(303)は、前記第2のポンプの作動を制御することができる、請求項7に記載の拭き取りシステム。
【請求項9】
前記第1のポンプは、前記第1のポンプのポンプモータの回転方向に応じて、前記第1の注入チャネル(442.1)又は前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2の注入チャネル(442.2)に洗浄流体を選択的に注入することができる二重圧力二方向ポンプ(441)であり、
前記制御ユニット(303)は、前記第1のポンプの前記ポンプモータの回転方向を制御できる、
請求項7に記載の拭き取りシステム。
【請求項10】
前記第1のポンプ(431)は、単一のチャネル(432)を介して電磁弁(436)に接続され、前記電磁弁は、前記制御ユニット(303)から受信される制御信号に応じて、前記第1のポンプによって前記単一のチャネルに注入される洗浄流体を、前記第1の注入チャネル(435.1)に向けて、又は前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2の注入チャネル(435.2)に向けて送ることができる、請求項7に記載の拭き取りシステム。
【請求項11】
前記注入システム(301)が第1の二方向ポンプ(411.1)を備え、前記第1のポンプは、第1の注入チャネル(412.1)によって前記第1の長手方向チャネル(210)に接続されるとともに、第2の注入チャネル(412.2)によって前記第2の長手方向チャネル(220)に接続され、前記第1のポンプは、前記第1のポンプのポンプモータの回転方向に応じて洗浄流体を前記第1の注入チャネル内に又は前記第2の注入チャネル内に注入することができ、
前記注入アセンブリは、第3の注入チャネル(412.3)によって前記第3の長手方向チャネル(230)に接続される第2のポンプ(411.2)を更に備え、前記制御ユニット(303)は、前記第2のポンプの作動を制御することができる、
請求項5に記載の拭き取りシステム。
【請求項12】
自動車両用の拭き取りシステム(100)への洗浄流体の注入を制御するための方法であって、前記拭き取りシステムが、アーム(103)と、前記アームを回転させることができるモータ(302)と、前記自動車両のフロントガラスの可視ゾーンを拭き取るように構成され、前記アームによって駆動されることが可能であるとともに、長手方向チャネル(230)と、前記少なくとも1つの長手方向チャネルと流体連通して前記可視ゾーンの外側に配置される少なくとも1つのセンサ(320)に向けて洗浄流体を噴射するように構成される少なくとも1つのノズル要素(113)とを備えるワイパーブレード(105)であって、前記ノズル要素が、前記ワイパーブレードの長手方向端部ゾーン(120)に配置される、ワイパーブレード(105)とを備え、
前記方法は、制御ユニット(303)によって実施される以下のステップ、すなわち、
-前記アーム又は前記ワイパーブレードに関する位置データをリアルタイムに受信するステップ(500)と、
-前記位置データに基づいて、前記長手方向チャネル内への洗浄流体の注入をリアルタイムで制御するための制御信号を生成するステップ(501)と、
-前記拭き取りシステムの注入アセンブリに制御信号を送信するステップ(502)と、
を含み、
前記アーム又は前記ワイパーブレードが前記拭き取りシステムの角度拭き取り範囲(311)よりも小さい所定の角度セクタ(312)内にあると前記制御ユニットが決定すると、生成された前記制御信号が、前記洗浄流体注入アセンブリによる少なくとも前記長手方向チャネル内への注入を制御する、
方法。
【国際調査報告】