(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】側方ダンピング機構及び流体貯蔵部を含む固定構成要素及び可動構成要素用のダンパを有するキネティックシートアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60N 2/02 20060101AFI20240730BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240730BHJP
B60N 2/68 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B60N2/02
B60N2/90
B60N2/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505526
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022038334
(87)【国際公開番号】W WO2023009517
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】524038196
【氏名又は名称】スタビラス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】トッド ルパート マック
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ピー.パターソン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.モーグリング
(72)【発明者】
【氏名】マシュー アール.スペック
(72)【発明者】
【氏名】レオン ティー.トマ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ピロト
(72)【発明者】
【氏名】ラルス レーケン
(72)【発明者】
【氏名】ヤショダン ジョシ
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DB02
3B087DB03
3B087DE01
3B087DE02
3B087DE10
(57)【要約】
キネティックシートアセンブリは、1次シートクッションフレームと、1次シートクッションフレームに対して移動可能である2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、1次シートバックフレームに対して移動可能である2次シートバックフレームと、1次シートバックフレームと2次シートバックフレームとの間で延びている側方ダンパのペアと、2次シートバックフレームと1次シートクッションフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、流体を側方ダンパのペア及び垂直ダンパのペアに提供する流体貯蔵部のペアと、ダンピング効果を制御するために、流体がダンパの各々に提供されダンパの各々から抜き取られる速度を制御するように構成された電子制御ユニットと、を含む。実施形態では、側方ダンパの端は、2次シートバックフレームに対して自由に移動することが可能になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キネティックシートアセンブリであって、
1次シートバックフレームと、
2次シートバックフレームと、
第1の側方ダンパ及び第2の側方ダンパを含む側方ダンピング機構と、
を備え、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは、前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で延びており、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの第1の端は、前記1次シートバックフレームに対して回転可能に固定されており、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの反対側の第2の端は、前記2次シートバックフレームから延びているそれぞれのフランジに形成された孔を通って自由に移動することが可能になる、キネティックシートアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、
外側の管と、
前記1次シートバックフレームに対する前記2次シートバックフレームの移動に基づいて前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの長さを調整するように前記外側の管から伸縮することが可能になる内側の管であって、前記内側の管は、前記それぞれのフランジに形成された前記孔の直径よりも小さい外径を有する、内側の管と、
ストッパであって、前記ストッパが前記フランジと接触すると、前記内側の管が、前記それぞれのフランジに形成された前記孔を通過するのを妨げるように前記内側の管に提供されたストッパと、
を備える、請求項1に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項3】
前記それぞれのフランジに形成された前記孔内に提供されたベアリング筐体と、
前記ベアリング筐体内に提供されており、前記内側の管がスライドする通路を定めているベアリングと、
を更に備え、
前記ベアリングは、前記内側の管が前記それぞれのフランジに対して旋回することを可能にするように、前記ベアリング筐体内で回転可能である、請求項2に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、前記内側の管及び前記外側の管間のダンピング効果を提供する圧縮性流体を含む、請求項2に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは、前記1次シートバックフレームに対する前記2次シートバックフレームの横方向の移動を可能にする、請求項4に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、空気供給部に接続される入口を含み、空気は、前記1次シートバックフレーム及び前記2次シートバックフレーム間のダンピングの度合を制御するために所定量まで前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパに供給される、請求項4に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの一方のみが、前記1次シートバックフレームに対する前記2次シートバックフレームの移動中の任意の所与の時にダンピング効果を提供する、請求項4に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項8】
前記2次シートバックフレームが第1の方向に移動したことに応じて、前記ストッパは、それぞれのフランジと接触し、前記第1の側方ダンパの前記内側の管を前記第1の側方ダンパの前記外側の管内に圧縮させて、ダンピング効果を提供し、前記第2の側方ダンパの前記内側の管は、前記第2の側方ダンパの前記外側の管内に圧縮されることなく、それぞれのフランジに形成された前記孔を通って自由にスライドする、請求項7に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパを1次シートクッションフレームに対して回転可能に接続するために前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの前記第1の端に提供されたボールジョイントを含む、請求項1に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項10】
前記1次シートバックフレームは、シートの固定シートバックフレームであって、前記2次シートバックフレームは、前記シートの可動シートバックフレームである、請求項1に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項11】
キネティックシートアセンブリであって、
1次シートクッションフレームと、
前記1次シートクッションフレームに対して移動可能である2次シートクッションフレームと、
1次シートバックフレームと、
前記1次シートバックフレームに対して移動可能である2次シートバックフレームと、
前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で延びている側方ダンパのペアと、
流体を前記側方ダンパのペアに提供する第1の流体貯蔵部と、
を備え、前記第1の流体貯蔵部は、ダンピング効果を制御するために、流体が前記側方ダンパのペアに提供され前記側方ダンパのペアから抜き取られる速度を制御するように動作可能である、キネティックシートアセンブリ。
【請求項12】
前記2次シートバックフレームと前記1次シートクッションフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、
前記垂直ダンパのペアと流体的に通じている第2の流体貯蔵部と、
を更に備える、請求項11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項13】
各流体貯蔵部は、
空気ばねを含む上方部分と、
前記流体を含む下方部分と、
前記下方部分内で移動可能に提供されており、前記流体貯蔵部の長手方向に延びている、ピストンと、
を備え、
流体が前記下方部分に流入すること、及び流体が前記下方部分から流出することはそれぞれ、前記ピストンが前記流体貯蔵部の前記長手方向に移動して前記上方部分内の圧力が増加すること、及び減少することをもたらす、請求項11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項14】
流体貯蔵部のペアの各々の前記上方部分内に空気を送達するエアポンプを更に備える、請求項13に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項15】
前記流体貯蔵部のペアの各々は、前記流体貯蔵部のペアのそれぞれの流体貯蔵部内の圧力を表示する空気圧ゲージを含む、請求項14に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項16】
前記流体貯蔵部のペアの各々は、前記流体貯蔵部のペアのそれぞれの流体貯蔵部内の空気圧を最小空気圧閾値よりも高く維持する最小圧力バルブを含む、請求項14に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項17】
前記流体貯蔵部のペアの各々は、前記流体貯蔵部のペアのそれぞれの流体貯蔵部内の空気圧を、前記最小空気圧閾値よりも高い最大空気圧閾値未満に維持する最大圧力バルブを含む、請求項16に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項18】
各流体貯蔵部は、それぞれの流体貯蔵部の出口を出入りすることが可能になる流体の量を制御する解放バルブを更に備える、請求項14に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項19】
前記解放バルブが第1の位置にあるとき、前記2次シートクッションフレーム及び前記2次シートバックフレームは、前記1次シートクッションフレーム及び前記1次シートバックフレームに対する移動を妨げられ、
前記解放バルブが第2の位置にあるとき、前記2次シートクッションフレーム及び前記2次シートバックフレームは、前記1次シートクッションフレーム及び前記1次シートバックフレームに対して移動する、請求項18に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項20】
前記1次シートバックフレームは、シートの固定シートバックフレームであって、前記2次シートバックフレームは、前記シートの可動シートバックフレームであって、前記1次シートクッションフレームは、前記シートの固定シートクッションフレームであって、前記2次シートクッションフレームは、前記シートの可動シートクッションフレームである、請求項11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項21】
電子制御ユニットを更に備え、
前記エアポンプは、前記流体貯蔵部の各々の前記上方部分に送達される空気の量を制御するために前記電子制御ユニットに対して通信可能に接続されており、
前記解放バルブは、前記解放バルブを制御して前記出口の開口部を調整するために前記電子制御ユニットに対して通信可能に接続されている、請求項18に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項22】
キネティックシートアセンブリであって、
1次シートクッションフレームと、
前記1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、
1次シートバックフレームと、
前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、
前記2次シートバックフレームと前記1次シートクッションフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、
流体が前記垂直ダンパのペアに提供され前記垂直ダンパのペアから抜き取られる速度を制御するように流体を前記垂直ダンパのペアに提供する流体貯蔵部と、
を備える、キネティックシートアセンブリ。
【請求項23】
前記流体貯蔵部は、
空気ばねを含む上方部分と、
前記流体を含む下方部分と、
前記下方部分内で移動可能に提供されており、前記流体貯蔵部の長手方向に延びている、ピストンと、
を備え、
流体が前記流体貯蔵部の前記下方部分に流入すること、及び流体が前記下方部分から流出することはそれぞれ、前記ピストンが前記流体貯蔵部の前記長手方向に移動して前記流体貯蔵部の前記上方部分内の圧力が増加すること、及び減少することをもたらす、請求項22に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項24】
前記流体貯蔵部は、前記流体貯蔵部内の圧力を表示する空気圧ゲージを含む、請求項23に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項25】
前記流体貯蔵部は、前記流体貯蔵部内の空気圧を最小空気圧閾値よりも高く維持する最小圧力バルブを含む、請求項23に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項26】
前記流体貯蔵部は、それぞれの流体貯蔵部内の空気圧を、前記最小空気圧閾値よりも高い最大空気圧閾値未満に維持する最大圧力バルブを含む、請求項25に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項27】
前記1次シートバックフレームは、車両のシートの固定シートバックフレームであって、前記2次シートバックフレームは、前記シートの可動シートバックフレームであって、前記1次シートクッションフレームは、前記シートの固定シートクッションフレームであって、前記2次シートクッションフレームは、前記シートの可動シートクッションフレームである、請求項21に記載のキネティックシートアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月29日に出願された「固定フレーム並びに可動のシートクッション及びシートバックを有するシートアセンブリ用のダンパ」についての同時係属中の米国仮特許出願第63/227,172号の優先権の利益を主張し、図面を含むその全体の内容を参照により本明細書に援用される。
【0002】
本明細書は概して、車両についてのキネティックアセンブリに関し、より具体的には、旋回動作中における乗員の身体の回転を、逆旋回方向にかかる力で適応させる車両についてのキネティックアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
車両の運転時、運転者は通常、運転者の胴及び骨盤の回転の繰り返しにより疲労を経験する。加えて、運転者の膝及び頭も、車両の旋回中に回転する。したがって、当該移動は、旋回中の回転に関して連続的に補正するように運転者に要求する。経時的に、運転者の胴、骨盤、膝、及び頭の当該回転は、様々な痛み及び苦痛につながり得、運転者が耐えることができる運転時間の量を制限する。
【0004】
乗員の骨盤及び胴の歩行移動を真似たシートバック及びシートクッションを含むシートアセンブリを提供することが知られている。具体的には、既知のシートアセンブリにより、シートクッションは、クッション旋回軸線で旋回することができ、シートバックは、シートバック旋回軸線で旋回することができ、その結果、シートバック及びシートクッションは、反対方向に旋回する。しかしながら、旋回中における骨盤及び胴の反対方向の回転は、一部の運転者において不快感をもたらし得る。
【0005】
したがって、運転者の頭及び膝の中心位置を維持するように同じ方向への胴回転及び骨盤回転を提供する代替的なキネティックシートアセンブリが必要である。更に、垂直方向及び横方向の可動シートバック及び可動シートクッションの移動が制御され得る代替的なキネティックシートアセンブリが必要である。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、キネティックシートアセンブリは、1次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと、第1の側方ダンパ及び第2の側方ダンパを含む側方ダンピング機構と、を含み、第1の側方ダンパ及び第2の側方ダンパは、1次シートバックフレームと2次シートバックフレームとの間で延びており、第1の側方ダンパ及び第2の側方ダンパの第1の端は、1次シートバックフレームに対して回転可能に固定されており、第1の側方ダンパ及び第2の側方ダンパの反対側の第2の端は、2次シートバックフレームから延びているそれぞれのフランジに形成された孔を通って自由に移動することが可能になる。
【0007】
別の実施形態では、キネティックシートアセンブリは、1次シートクッションフレームと、1次シートクッションフレームに対して移動可能である2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、1次シートバックフレームに対して移動可能である2次シートバックフレームと、第1の上方構成要素と2次シートバックフレームとの間で延びている側方ダンパのペアと、流体を側方ダンパのペアに提供する第1の流体貯蔵部と、を含み、流体貯蔵部は、ダンピング効果を制御するために、流体が側方ダンパのペアに提供され側方ダンパのペアから抜き取られる速度を制御するように動作可能である。
【0008】
更に別の実施形態では、キネティックシートアセンブリは、1次シートクッションフレームと、1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと1次シートクッションフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、流体が垂直ダンパのペアに提供され垂直ダンパのペアから抜き取られる速度を制御するように流体を側方ダンパのペアに提供する流体貯蔵部と、を含む。
【0009】
本明細書に記載される実施形態によって提供されるこれらの特徴及び追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮すると、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面に記載される実施形態は本質的に、実例的で例示的なものであって、特許請求の範囲によって定められる主題を限定することを意図したものではない。以下の図面と併せて読むと、実例的な実施形態の以下の詳細な説明を理解することができ、当該図面では、同様の構造は、同様の参照番号を用いて示される。
【0011】
【
図1】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、車両において運転席として示されるキネティックシートアセンブリを有する車両についてのシステムを概略的に描写する図である。
【
図2】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの正面図を概略的に描写する図である。
【
図3】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの背面図を概略的に描写する図である。
【
図4】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの背面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図5】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの別の背面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図6】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの第1の側面図を概略的に描写する図である。
【
図7】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの第2の側面図を概略的に描写する図である。
【
図8】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの上面図を概略的に描写する図である。
【
図9】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの底面図を概略的に描写する図である。
【
図10】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの1次シートバックフレームの正面図を概略的に描写する図である。
【
図11】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの背面図を概略的に描写する図である。
【
図12】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図13】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図14】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの2次シートバックフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図15】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図14の2次シートバックフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図16】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの前方旋回機構の斜視図を概略的に描写する図である。
【
図17】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの上方旋回機構の斜視図を概略的に描写する図である。
【
図18】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの部分背面図を概略的に描写する図である。
【
図19A】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、1次シートバックフレームのフランジに対する第1の位置における2次シートバックフレームの側方ダンパを示す
図18の線19A-19Aに沿って取った断面図を概略的に描写する図である。
【
図19B】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、1次シートバックフレームのフランジに対する第2の位置における2次シートバックフレームの側方ダンパの断面図を概略的に描写する図である。
【
図20】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリに関する側方ダンピング機構のペア及び垂直ダンピング機構のペアと流体的に通じている流体貯蔵部のペアの分離図を概略的に描写する図である。
【
図21】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図20の線21-21に沿って取った、
図20の流体貯蔵部のうちの1つの断面図を概略的に描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、キネティックシートアセンブリを含む車両の実施形態の環境図を概略的に描写する。車両は概して、乗客又は他の乗員が占有する乗客区画を備える。前方運転席、前方客席、及び1つ以上の後方客席を含む複数の車両シートは、車両の乗客区画内で提供され得る。
【0013】
示されているように、キネティックシートアセンブリは、運転席として利用される。しかしながら、複数のキネティックシートアセンブリが車両の複数のシートとして利用され得ることを理解されたい。キネティック車両シートアセンブリは概して、キネティックシートクッションアセンブリと、キネティックシートバックアセンブリと、垂直ダンピング機構と、側方ダンピング機構と、を備える。キネティックシートクッションアセンブリは、1次シートクッションフレームと、2次シートクッションフレームと、1次シートクッションフレームの前方部分を2次シートクッションフレームの前方部分に旋回可能に接続した前方旋回機構と、を含む。キネティックシートバックアセンブリは、1次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと、1次シートバックフレームの上方部分を2次シートバックフレームの上方部分に旋回可能に接続した上方旋回機構と、を含む。
【0014】
垂直ダンピング機構は、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームが車両垂直方向に移動するときにダンピング効果を提供する。側方ダンピング機構は、2次シートクッションフレームの後方端及び2次シートバックフレームの下方端が車両横方向に移動するときにダンピング効果を提供する。前方旋回機構により、2次シートクッションフレームは、1次シートクッションフレームに対して回転することができる。同様に、上方旋回機構により、2次シートバックフレームは、1次シートバックフレームに対して回転することができ、一部の実施形態では、車両垂直方向に移動することができる。
【0015】
旋回動作中、乗員及びキネティックシートアセンブリは、旋回動作と反対方向に乗員及びキネティックシートアセンブリを押す力を受ける。したがって、旋回機構並びに垂直及び側方ダンピング機構は、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームを互いに同じ位相で当該力の方向に回転させる。本明細書で使用される用語「同じ位相」は、2つの物体、例えば、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームが同じ方向に互いに同期して移動することを記載する。したがって、本明細書で使用される用語「異なる位相」は、2つの物体、例えば、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームが互いに同じ方向に同期して移動していないことを記載する。更に、2つの物体が互いに同じ位相で移動している場合、これらの物体が移動している方向は同様に、互いに同じ位相であることを理解されたい。
【0016】
一部の実施形態では、上方旋回機構及びダンピング機構は、2次シートクッションフレーム及び/又は2次シートバックフレームの移動量を増加又は減少させるために手動又は電子的に調整可能である。
【0017】
一部の実施形態では、車両は、ディスプレイユニットとユーザインターフェースとを含む。車両はまた、プロセッサ及びメモリ構成要素を有する電子制御ユニットを含む車載計算デバイスを含む。したがって、旋回機構及びダンピング機構は、ユーザインターフェースにおいて制御を動作させることにより車両の乗員によって動作可能であり得る。一部の実施形態では、電子制御ユニットはまた、送受信機にインターフェース接続してネットワークに接続するように構成されたネットワークインターフェースハードウェアを含む。ネットワークは、乗員が旋回機構及びダンピング機構を無線で制御することを可能にするために、車両をモバイル計算デバイスに接続する。
【0018】
本明細書で使用される用語「車両長手方向」は、車両の前後方向(すなわち、
図1で描写される+/-車両X方向)を指す。用語「車両横方向」は、車両横断方向(すなわち、
図1で描写される+/-車両Y方向)を指し、車両長手方向に対して横向きである。用語「車両垂直方向」は、車両の上下方向(すなわち、
図1で描写される+/-車両Z方向)を指す。本明細書で使用される「上方」及び「上」は、図面に示される座標軸線のプラスZ方向と定められる。本明細書で使用される「下方」及び「下」は、図面に示される座標軸線のマイナスZ方向と定められる。更に、本明細書で使用される用語「外側」又は「外向き」は、車両中心線に対する構成要素の相対的な場所を指す。本明細書で使用される用語「内側」又は「内向き」は、車両中心線に対する構成要素の相対的な場所を指す。車両構造は概して、車両中心線に関して対称的であり得るため、用語「内側」、「内向き」、「外側」、及び「外向き」の使用が指す方向は、評価構成要素が車両の相対する側に沿って位置する場合、車両中心線に関して鏡映され得る。
【0019】
本明細書で使用される用語「キネティックシート垂直方向」は、車両垂直方向と同じ方向を指す。キネティックシートアセンブリが車両において通常の前向きシートである構成では、用語「キネティックシート長手方向」は、車両長手方向に対して平行な方向を指す。しかしながら、キネティックシート長手方向が垂直である、すなわち、車両横方向に対して平行な方向、又は垂直と平行との間の何らかの他の方向にキネティックシートアセンブリが向いた他の構成が想定されることを理解されたい。
【0020】
また、本明細書で使用される「旋回方向」は、乗員が車両を旋回させている方向を意味することを理解されたい。同様に、「逆旋回方向」は、旋回方向と反対の方向を意味する。
【0021】
ここで、本明細書で記載されるキネティックシートアセンブリの様々な実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。同じ部分又は同様の部分を指すために、可能な限り、図面全体を通じて同じ参照番号を使用する。
【0022】
図1を参照すると、車両が、12で概略的に示されている。車両12は、その内部に提供された乗客区画14を含む。乗客区画14は、乗客又は他の乗員が占有する車両12の内部の一部である。運転席16、前方客席(図示せず)、及び第2列の客席又は第3列の客席などの1つ以上の後方客席18を含む複数の車両シートは、車両12の乗客区画14内に提供されている。
【0023】
図1では、運転席16は、キネティックシートアセンブリ10として提供されている。しかしながら、キネティックシートアセンブリ10は、運転席16に限定されない。実施形態では、運転席16、助手席、及び1つ以上の後方客席18のいずれか1つ又は任意の組合せは、キネティックシートアセンブリ10として提供され得る。
【0024】
図1では、車両12は、クーペ、セダン、ミニバン、トラック、クロスオーバ、ハイブリッド、及びスポーツユーティリティビークルを含む自動車として提供されている。しかしながら、キネティックシートアセンブリ10は、自動車に限定されない。実施形態では、キネティックシートアセンブリ10は、船舶、航空機、又は同種のものなどの任意の車両12に提供され得る。
【0025】
車両12は、車両長手方向に運転席16の前方に配置されたステアリングホイール20を含む。車両12は、ディスプレイユニット22とユーザインターフェース24とを含む。一部の実施形態では、ユーザインターフェース24は、ディスプレイユニット22上に提供された手動ボタン又はタッチスクリーン制御を含む。キネティックシートアセンブリ10が提供された車両12は、ステアリングホイール20が提供されない自律車両であってもよいことが理解される。
【0026】
車両12は、車載計算デバイス26を含む。一部の実施形態では、ネットワーク28は、車両12をモバイル計算デバイス30に接続する。ネットワーク28は、インターネット又はセルラネットワーク(例えば、3G、4G、4G LTE、WiMAXなど)などのワイドエリアネットワークを含み得る。同様に、ネットワーク28は、ローカルエリアネットワーク、例えば、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、近距離通信ネットワーク、ハードウェア、及び同種のものを含み得る。
【0027】
車両12の車載計算デバイス26は、電子制御ユニット32を含む。一部の実施形態では、車載計算デバイス26は、電子制御ユニット32と電気通信する送受信機34を含み、送受信機34は、車両12をネットワーク28、したがってモバイル計算デバイス30に接続するためにネットワーク28と2方向通信するように構成されている。
【0028】
モバイル計算デバイス30は、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ、及び/又は本明細書に記載される機能を行う他のデバイスとして構成され得る。モバイル計算デバイス30は、車両12の運転者若しくは他の乗員又は所有者などの第三者によって動作し得る。
【0029】
依然、
図1を参照して、電子制御ユニット32は、ローカルインターフェース36と、プロセッサ38と、入力/出力ハードウェア40と、データストレージ構成要素42と、プロセッサ38に接続されたメモリ構成要素44と、を含む。
【0030】
ローカルインターフェース36は、電子制御ユニット32の構成要素間の通信を容易にするためのバス又は他の通信インターフェースとして実装される。ローカルインターフェース36は、信号を送信するように構成された任意の媒体で形成されている。非限定的な例として、ローカルインターフェース36は、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路、又は同種のもので形成される。ローカルインターフェース36はまた、電磁放射及びそれに対応する電磁波が横切る広がりを指し得る。更に、ローカルインターフェース36は、信号を送信するように構成された媒体の組合せで形成され得る。一実施形態では、ローカルインターフェース36は、導電性トレース、導電性ワイヤ、コネクタ、及びバスの組合せを備え、これらは、モバイル計算デバイス30の様々な構成要素間の電気データ信号の送信を可能にするように協働する。更に、用語「信号」は、DC、AC、正弦波、三角波、矩形波、振動、及び同種のものなどの、媒体を通って進むように構成された波形(例えば、電気波形、光波形、磁気波形、機械的波形、又は電磁波形)を意味することに留意されたい。
【0031】
プロセッサ38は、機械可読命令、例えば、データストレージ構成要素42及び/又はメモリ構成要素44に記憶されるものを受信及び実行するように動作可能な処理構成要素を含み得る。非限定的な例として、プロセッサ38は、共有プロセッサ回路、専用プロセッサ回路、又はグループプロセッサ回路のうちの1つであり得る。
【0032】
入力/出力ハードウェア40は、車両12のハードウェア、モバイル計算デバイス30と相互作用する基本入力/出力システム(BIOS)、車両12の特定のデバイス又はモバイル計算デバイス30と相互作用するドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを指し得る。一部の実施形態では、入力/出力ハードウェア40は、ディスプレイユニット22、ユーザインターフェース24、及び/又は車両12内の他のハードウェアを含む。
【0033】
データストレージ構成要素42は、プロセッサ38に対して通信可能に接続されている。非限定的な例として、データストレージ構成要素42は、NoSQL、MySQL、Oracle、SQL Server、NewSQL、又は同種のものをサポートする1つ以上のデータベースサーバを含み得る。データストレージ構成要素42は、キネティックシートアセンブリ10の所望の動作モードについてユーザ固有のパラメータ及び特徴を記憶する。
【0034】
メモリ構成要素44は、プロセッサ38に対して通信可能に接続されている。非限定的な例として、メモリ構成要素44は、共有メモリ回路、専用メモリ回路、又はグループメモリ回路のうちの1つであり得る。メモリ構成要素44は、検出ロジック46及び通信ロジック48を記憶する。検出ロジック46及び通信ロジック48は各々、複数個の異なるロジックを含み得、その各々は、コンピュータプログラム、ファームウェア、及び/又はソフトウェア/ハードウェアとして具現化され得る。
【0035】
検出ロジック46は、ユーザインターフェース24などの入力/出力ハードウェア40によって提供される1つ以上の信号を検出するようにプロセッサ38によって実行可能である。通信ロジック48は、検出ロジック46に対応するコマンド及び動作を車載計算デバイス26に実行させるようにプロセッサ38によって実行可能である。一部の実施形態では、検出ロジック46及び通信ロジック48は、ネットワークインターフェースハードウェア50及び/又は送受信機34を通じてネットワーク28と通信してモバイル計算デバイス30と通信する。
【0036】
一部の実施形態では、メモリ構成要素44は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリとして構成されており、したがって、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、及び/若しくは他のタイプのRAM)、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(SD)メモリ、レジスタ、コンパクトディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、並びに/又は他のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。特定の実施形態に応じて、当該非一時的コンピュータ可読媒体は、車載計算デバイス26内に、及び/又は車載計算デバイス26の外部に存在し得る。メモリ構成要素44及びデータストレージ構成要素42は、電子制御ユニット32のメモリユニットとして動作する。
【0037】
上述のように、一部の実施形態では、電子制御ユニット32は、ネットワークインターフェースハードウェア50を含む。ネットワークインターフェースハードウェア50は、ネットワーク28に接続するための送受信機34を含み得るか、又は送受信機34にインターフェース接続するように構成され得る。一例として、ネットワークインターフェースハードウェア50は、アンテナ、モデム、LAN、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)カード、WiMAXカード、モバイル通信ハードウェア、並びに/又は他のネットワーク及び/若しくはデバイスと通信する他のハードウェアを含む任意の有線又は無線ネットワークハードウェアと通信するように動作可能である。この接続から、ネットワークインターフェースハードウェア50を使用して送受信機34を通じて通信が行われ、それによって、ネットワーク28を通じて電子制御ユニット32とモバイル計算デバイス30との間の通信が容易になる。
【0038】
上述の構成要素は、電子制御ユニット32内に存在するものとして示されているが、これは、その単なる一例であることを理解されたい。一部の実施形態では、構成要素のうちの1つ以上は、電子制御ユニット32の外部に存在し得る。電子制御ユニット32は、単一のデバイスとして示されているが、これも単なる一例であることも理解されたい。一部の実施形態では、検出ロジック46及び通信ロジック48は、異なる計算デバイス上に存在し得る。その一例として、本明細書に記載される機能及び/又は構成要素のうちの1つ以上は、ネットワーク28を通じて車両12に接続され得るモバイル計算デバイス30によって提供され得る。
【0039】
ここで、
図2~
図9を参照すると、キネティックシートアセンブリ10が概略的に示されており、概して、第1の下方構成要素52と、第1の下方構成要素52に対して旋回可能に接続された第2の下方構成要素54と、第1の上方構成要素56と、第1の上方構成要素56に対して旋回可能に接続された第2の上方構成要素58と、垂直ダンピング機構100と、側方ダンピング機構102と、連結アセンブリ60と、を含む。本明細書でより詳細に述べられるように、垂直ダンピング機構100及び側方ダンピング機構102は、第1の下方構成要素52及び第1の上方構成要素56に対する第2の下方構成要素54及び第2の上方構成要素58間のダンピング効果を提供する。本明細書に示されているように、キネティックシートアセンブリ10は、車両シートなどのシートとして描写されている。したがって、第1の下方構成要素52は、本明細書で1次シートクッションフレーム52と称される場合があって、第2の下方構成要素54は、本明細書で2次シートクッションフレーム52と称される場合があって、第1の上方構成要素56は、本明細書で1次シートバックフレーム56と称される場合があって、第2の上方構成要素58は、本明細書で2次シートバックフレーム58と称される場合がある。しかしながら、本開示の概念、具体的には、垂直ダンピング機構100及び側方ダンピング機構102は、車両シート内に組み込まれた当該実施形態に限定されないことを理解されたい。逆に垂直ダンピング機構100及び側方ダンピング機構102は、本明細書でより詳細に記載されるものなどの任意の2つの固定又は可動構成要素間のダンピング効果を提供し得る。
【0040】
本明細書で使用される用語「ダンピング効果」は、圧縮度合と称される。実施形態では、圧縮は、ばねなどの偏倚部材の長さ、又はオイルなどの流体による圧縮に対する抵抗によって測定され得る。したがって、ダンピング効果は、偏倚部材の端と端との間の移動量、又は流体によって提供される抵抗と直接的に相互に関連付けられる。
【0041】
図3~
図5及び
図20に示されるように、連結アセンブリ60は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58を相互接続している。連結アセンブリ60は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が、互いに異なる位相で移動するのを妨げるように構成されている。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58の移動は、運転中に乗員及び車両12において生じる力による、キネティックシートアセンブリ10内に着座した乗員の回転によってもたらされることを理解されたい。したがって、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58の移動は、任意の電動式の動作、又は他の場合には、電子的にプログラム及び制御された動作の結果ではないことを理解されたい。しかしながら、本明細書でより詳細に述べられるように、移動の度合は、電子プログラム又は制御動作によって制御され得る。キネティックシートアセンブリ10及びキネティックシートアセンブリ10の動作の様々な実施形態は、本明細書でより詳細に記載される。
【0042】
図1に示されるように、2次シートクッションフレーム54は、乗員の臀部及び大腿部などの骨盤をサポートするためのパッド11を含み、2次シートバックフレーム58は、乗員の背中をサポートするためのパッド13を含むことを理解されたい。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58上のパッド11、13は、実施形態をより充分に示すために残りの図において省略される。
【0043】
図6、
図7、及び
図9を参照して、1次シートクッションフレーム52は、略矩形形状を有し得る。1次シートクッションフレーム52は、その前方部分の近くに提供された前方部材62と、その後方部分の近くに提供された後方部材64と、を含む。後方部材64は、相対する側方部材のペア66、68間で横断する。1次シートクッションフレーム52はまた、後方部材64の近くに、1次シートクッションフレーム52の相対する側に提供されたリクライナ機構70のペアを含み得る。1次シートクッションフレーム52は、車両12の乗客区画14の床Fに取り付けられた軌道のペア85、87とスライド可能に係り合うレールのペア81、83を含み得る。軌道85、87に沿ってレールのペア81、83をスライドさせることにより、乗員は、車両12のステアリングホイール20に対してキネティックシートアセンブリ10及び乗員を快適な位置にするために、車両長手方向の前方又は後方にキネティックシートアセンブリ10を移動させることができる。
【0044】
ここで、
図10~
図13を参照して、1次シートバックフレーム56は、略台形形状を有し得る。1次シートバックフレーム56は、その上方部分の近くに提供された上方部材76と、その下方部分の近くに提供された下方部材78と、を含む。下方部材78は、相対する側方部材のペア80、82間で横断する。下方部材78は、そこから延びる下方プレート79を含む。下方プレート79は、側方部材80、82間で実質的に中心の場所に提供されている。孔のペア79Aは、下方プレート79に形成されている。本明細書でより詳細に記載されるように、孔のペア79Aは、1次シートバックフレーム56に対する側方ダンピング機構102の接続を容易にするように提供されている。1次シートバックフレーム56はまた、下方部材78の近くに、1次シートバックフレーム56の側方部材80、82に形成された開口部のペア84、86を含む。1次シートクッションフレーム52におけるリクライナ機構70は、1次シートバックフレーム56が1次シートクッションフレーム52に対してリクライニング軸線Rf周りに回転できるように、1次シートバックフレーム56に形成された開口部のペア84、86と係り合う。
【0045】
キネティックシートアセンブリ10の他の実施形態では、代わりに、開口部のペア84、86は、1次シートクッションフレーム52において形成されており、リクライナ機構70のペアは、1次シートバックフレーム56に提供されている。一部の実施形態では、1次シートクッションフレーム52及び1次シートバックフレーム56の両方が、1次シートクッションフレーム52に対するリクライニング軸線Rf周りの1次シートバックフレーム56の回転を容易にするように互いに係り合う、対応するメス及びオスのリクライナ機構などの対となるリクライナ機構を有する。
【0046】
ここで、
図8を参照して、2次シートクッションフレーム54は、キネティックシートアセンブリ10に着座したときに充分なサポートを提供するために乗員の骨盤に従うような輪郭となる形状を有する。したがって、2次シートクッションフレーム54は、その前方部分の近くに提供された前方端88と、その後方部分の近くに提供された後方端90と、前方端88及び後方端90を相互接続する側方端のペア92、94と、を含む。
【0047】
図6及び
図7に示されるように、2次シートクッションフレーム54は、1次シートクッションフレーム52に対する2次シートクッションフレーム54の旋回及び回転を容易にするように、前方旋回機構98において1次シートクッションフレーム52の上で懸架される。より具体的には、前方旋回機構98は、キネティックシートアセンブリ10に座っている人に対して、反対側のキネティックシート横方向に力がかかると、2次シートクッションフレーム54がキネティックシート横方向において1次シートクッションフレーム52に対して回転するのを可能にする。前方旋回機構98は、最高の度合の回転を容易にするように、2次シートクッションフレーム54の前方部分の近くに提供されている。したがって、2次シートクッションフレーム54の前方端88は、前方旋回機構98によって1次シートクッションフレーム52の前方部材62の上で懸架される。
【0048】
前方旋回機構98は、1次シートクッションフレーム52の上で2次シートクッションフレーム54を懸架するために、1次シートクッションフレーム52と2次シートクッションフレーム54との間で、その前方部分の近くに配置されている。
図16でより詳細に示されるように、前方旋回機構98は、1次シートクッションフレーム52及び2次シートクッションフレーム54の一方に固定される下方の前方旋回機構部分104と、1次シートクッションフレーム52及び2次シートクッションフレーム54の他方に固定される上方の前方旋回機構部分106と、を含み得る。上方の前方旋回機構部分106は、下方の前方旋回機構部分104の端に収容されたボールジョイント108を含む。実施形態では、ボールジョイント108は、上方の前方旋回機構部分106の端に収容された下方の前方旋回機構部分104に提供され得る。
【0049】
ここで、2次シートバックフレーム58に関して
図14及び
図15を参照して、2次シートバックフレーム58は、充分なサポートを提供するために乗員の胴に従うような輪郭となる形状を有する。したがって、2次シートバックフレーム58は、その上方部分の近くに提供された上方端180と、その下方部分の近くに提供された下方端182と、上方端180及び下方端182を相互接続する側方端のペア184、186と、を含む。本明細書でより詳細に記載されるように、2次シートバックフレーム58は、キネティックシート長手方向の後方に延びるフランジ273のペアを含む。孔275は、各フランジ273に形成されている。上方端180は、乗員の頭及び首に対する追加のサポートを提供するために、上方端180と一体的に形成されて上方端180から上向きに延びているヘッドレスト188を含み得る。一部の実施形態では、ヘッドサポートフレーム190が提供されており、2次シートバックフレーム58の側方端184、186から上向きに延びている。ヘッドサポートフレーム190は、2次シートバックフレーム58の側方端184、186に接続されたアームのペア192、194を含む略逆U形状の部材である。以下でより詳細に述べられるように、上方旋回機構212は、ヘッドサポートフレーム190よりも下で2次シートバックフレーム58に接続されている。
【0050】
図6及び
図7に示されるように、2次シートバックフレーム58は、1次シートバックフレーム56に対する2次シートバックフレーム58の旋回及び回転を容易にするように、上方旋回機構212において1次シートバックフレーム56の前方で懸架される。より具体的には、上方旋回機構212は、キネティックシート垂直方向における1次シートバックフレーム56に対する2次シートバックフレーム58の移動を可能にするように2次シートバックフレーム58を1次シートバックフレーム56に接続したボールジョイント213(
図17)及び1つ以上の旋回可能なリンク218を含む。上方旋回機構212は、最高の度合の回転を容易にするように、2次シートバックフレーム58の上方端180の近くに位置している。したがって、2次シートバックフレーム58の上方端180は、上方旋回機構212によって1次シートバックフレーム56の上方部材76の前方で懸架される。
【0051】
図3~
図5で示して上述したように、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58はそれぞれ、連結アセンブリ60によって後方端90及び下方端182で互いに接続されている。連結アセンブリ60は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が、互いに同じ位相で、すなわち、同時に同じ方向で移動することを保証する。
【0052】
ここで、
図18を参照して、垂直ダンピング機構100は、1次シートクッションフレーム52の反対側のレール81、83間で延びている後方ロッド362上に提供されたクランプ360のペアまで連結アセンブリ60から延びている。垂直ダンピング機構100は、第1及び第2の垂直ダンパ144、146を含み、第1及び第2の垂直ダンパ144、146は、1次シートクッションフレーム52並びに2次シートバックフレーム58及び2次シートクッションフレーム54を、それらの間における連結アセンブリ60による接続により相互接続している。示されているように、垂直ダンパ144、146の第1の端又は上方端は、2次シートバックフレーム58に対して直接的又は間接的に取り付けられているか又は接続されており、垂直ダンパ144、146の反対側の第2の端又は下方端は、1次シートクッションフレーム52に対して間接的又は直接的に取り付けられている。しかしながら、垂直ダンパ144、146は、2次シートバックフレーム58と1次シートバックフレーム56との間で延びていてもよいことを理解されたい。
【0053】
各垂直ダンパ144、146は、構造及び動作において同一であって、したがって、
図18を参照して第1の垂直ダンパ144のみが詳細に記載されることを理解されたい。一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、外側の管148と内側の管154とを含む。外側の管148は、第1の端150と、反対側の第2の端152と、を含む。示されているように、第2の端152は、1次シートクッションフレーム52に対して直接的又は間接的に接続されている。内側の管154は、第1の端156と、反対側の第2の端158と、を含む。示されているように、第2の端158は、連結アセンブリ60に対して直接的又は間接的に接続されている。一部の実施形態では、内側の管154及び外側の管148は、互いに対して回転することが可能になる。更に、内側の管154は、外側の管148から伸縮し得るが、内側の管154は、第1の端156が外側の管148の内側で保持されるように、完全に外側の管148外に後退するのを制限され得る。
【0054】
一部の実施形態では、以下でより詳細に述べられるように、内側の管154は、1次シートクッションフレーム52に対する2次シートバックフレーム58の移動に基づいて第1の垂直ダンパ144の長さを調整するために、外側の管148の第1の端150の内外でスライド可能に移動する。一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144はまた、1次シートクッションフレーム52及び/又は2次シートバックフレーム58に対する第1の垂直ダンパ144の必要な回転を提供するように、第1の垂直ダンパ144の一端又は両端にボールジョイント145を含む。外側の管148の第2の端152におけるボールジョイント145は、1次シートクッションフレーム52、具体的には、後方ロッド362上に提供されたクランプ360の一方に対して直接的又は間接的に接続されており、内側の管154の第2の端158におけるボールジョイント145は、例えば、連結アセンブリ60に対して回転可能に接続されることによって、2次シートバックフレーム58に対して直接的又は間接的に接続されている。
【0055】
一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、内側の管154及び外側の管148間のダンピング効果を提供する圧縮性流体又は非圧縮性流体を含み得る。ダンピング効果の度合は、本明細書でより詳細に述べられるように、手動で又は電子的に調整可能であり得る。他の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、内側の管154及び外側の管148間のダンピング効果を提供するばねなどの偏倚部材を含む。
【0056】
第1の垂直ダンパ144及び第2の垂直ダンパ146の変形体が、本開示の範囲内で想定され得ることを理解されたい。例えば、一部の実施形態では、外側の管148及び内側の管154の向きが切り換えられてもよく、その結果、外側の管148は、2次シートバックフレーム58に接続され、内側の管154は、1次シートクッションフレーム52に接続されることを理解されたい。一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144及び第2の垂直ダンパ146は、以下でより詳細に記載される流体の貯蔵部に接続される入口304を含む。
【0057】
依然、
図18を参照して、側方ダンピング機構102は、第1及び第2の側方ダンパ258、260を含み、第1及び第2の側方ダンパ258、260は、1次シートバックフレーム56及び2次シートバックフレーム58を相互接続している。各側方ダンパ258、260は、構造及び動作において同一であって、したがって、第1の側方ダンパ258のみが詳細に記載されることを理解されたい。一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258は、外側の管262と内側の管268とを含む。外側の管262は、第1の端264と、反対側の第2の端265と、を含む。内側の管268は、第1の端270と、反対側の第2の端272と、を含む。一部の実施形態では、内側の管268及び外側の管262は、互いに対して回転することが可能になる。更に、内側の管268は、外側の管262から伸縮し得るが、内側の管268は、第1の端270が外側の管262の内側で保持されるように、完全に外側の管262外に後退するのを制限され得る。ストッパ268Aは、内側の管268において形成されている。実施形態では、ストッパ268Aは、内側の管268の第1の端270と第2の端272との間の実質的に中間の位置に提供されている。実施形態では、ストッパ268Aは、内側の管268と一体化された一体構造である。他の実施形態では、ストッパ268Aは、内側の管268において提供されており、内側の管268に外接している。実施形態では、ストッパ268Aは、Oリングである。第1の側方ダンパ258及び第2の側方ダンパ260の内側の管268は各々、2次シートバックフレーム58から後方向に延びているそれぞれのフランジ273の孔275を通って延びている。
【0058】
ここで、
図19A及び
図19Bを参照して、ベアリング268Bは、ベアリング筐体268C内で提供されており、ベアリング筐体268Cは、フランジ273に形成された孔275内で固定されている。ベアリング268Bは、ベアリング筐体268C内で回転することが可能なセグメントボールジョイントである。第1の側方ダンパ258の内側の管268は、ベアリング268Bに形成された通路268Dの直径よりも小さい外径を有する。したがって、第1の側方ダンパ258の内側の管268は、
図19Aに示されるようにストッパ268Aがフランジ273から離隔した第1の位置から、
図19Bに示されるようにストッパ268Aが第1の側方ダンパ258の更なる伸張を防止する第2の位置までベアリング268Bを通ってスライドすることが可能になる。ストッパ268Aは、ベアリング268Bに形成された通路268Dの直径よりも大きい外径を有する。したがって、第1の側方ダンパ258の内側の管268は、
図19Bに示されるように、ストッパ268Aがベアリング268Bと接触した状態になって第1の側方ダンパ258の更なる伸張を防止するまで、ベアリング268Bを通ってスライドする。他の実施形態では、ベアリング268Bを通る内側の管268の更なる伸張は、例えば、ベアリング筐体268C又はフランジ273などの何らかの他の面とストッパ268Aが接触した状態になることによって防止されることを理解されたい。実施形態では、ストッパ268Aは、内側の管268の外面に外接するベアリング268Bを含み得る。ベアリング268Bがフランジ273に対して回転することが可能になるため、2次シートバックフレーム58がキネティックシート垂直方向に移動するときに、内側の管268もフランジ273に対して旋回することが可能になる。
【0059】
再び
図18を参照して、一部の実施形態では、以下でより詳細に述べられるように、内側の管268は、1次シートバックフレーム56に対する2次シートバックフレーム58の移動に基づいて第1の側方ダンパ258の長さを調整するために、外側の管262の第1の端264の内外でスライド可能に移動する。一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258は、外側の管262の第2の端265においてボールジョイント277を含む。ボールジョイント277は、1次シートバックフレーム56に対する第1の側方ダンパ258の必要な回転を提供するように、1次シートバックフレーム56の下方部材78に対して回転可能に接続されている。具体的には、ボールジョイント277は、1次シートバックフレーム56の下方部材78において提供された下方プレート79に対して回転可能に接続されている。しかしながら、内側の管268の第2の端272は、2次シートバックフレーム58に対して固定の接続ではない。逆に内側の管268は、2次シートバックフレーム58が1次シートバックフレーム56に対して移動するときに、フランジ273に形成された孔275を通ってスライド可能に移動できる。
【0060】
2次シートバックフレーム58及び2次シートクッションフレーム54が矢印A1の方向に移動すると、第1の側方ダンパ258は、矢印B1の方向に移動し、第2の側方ダンパ260は、矢印C1の方向に移動する。第1の側方ダンパ258が矢印B1の方向に移動すると、ストッパ268Aは、ベアリング268B、又は実施形態ではベアリング筐体268C若しくはフランジ273と接触し、内側の管268を外側の管262内に圧縮させ、それによって、第1の側方ダンパ258によるダンピング効果をもたらす。2次シートバックフレーム58及び2次シートクッションフレーム54が矢印A1の方向に移動すると、第2の側方ダンパ260は、矢印C1の方向に移動する。第2の側方ダンパ260が矢印C1の方向に移動するとき、フランジ273に形成された孔275の内径よりも小さい外径を有する第2の側方ダンパ260の内側の管268は、孔275を通ってスライドすることが可能になり、それによって、第2の側方ダンパ260の任意の圧縮又は引張、及び第1の側方ダンパ258によって提供されるダンピング効果を打ち消す追加のダンピング効果を防止する。
【0061】
代替的に、2次シートバックフレーム58及び2次シートクッションフレーム54が矢印A2の方向に移動すると、第2の側方ダンパ260は、矢印C2の方向に移動し、第1の側方ダンパ258は、矢印B2の方向に移動する。第2の側方ダンパ260が矢印C2の方向に移動すると、第2の側方ダンパ260のストッパ268Aは、ベアリング268B、又は実施形態ではベアリング筐体268C若しくはフランジ273と接触し、内側の管268を外側の管262内に圧縮させ、それによって、第2の側方ダンパ260によるダンピング効果をもたらす。2次シートバックフレーム58及び2次シートクッションフレーム54が矢印A2の方向に移動すると、第1の側方ダンパ258は、矢印B2の方向に移動する。第1の側方ダンパ258が矢印B2の方向に移動するとき、フランジ273に形成された孔275の内径よりも小さい外径を有する第1の側方ダンパ258の内側の管268は、孔275を通ってスライドすることが可能になり、それによって、第1の側方ダンパ258の任意の圧縮、及び第2の側方ダンパ260によって提供されるダンピング効果を打ち消す追加のダンピング効果を防止する。したがって、第1の側方ダンパ258及び第2の側方ダンパ260の一方のみが、1次シートバックフレーム56に対する2次シートバックフレーム58の移動中の任意の所与の時にダンピング効果を提供することを理解されたい。
【0062】
一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258及び第2の側方ダンパ260は、内側の管268及び外側の管262間のダンピング効果を提供する圧縮性流体又は非圧縮性流体を含み得る。ダンピング効果の度合は、本明細書でより詳細に述べられるように、手動で又は電子的に調整可能であり得る。他の実施形態では、第1の側方ダンパ258及び第2の側方ダンパ260は、内側の管268及び外側の管262間のダンピング効果を提供するばねなどの偏倚部材を含む。一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258及び第2の側方ダンパ260は、流体の貯蔵部に接続される入口330を含む。
【0063】
ここで、
図20を参照すると、垂直ダンピング機構100及び側方ダンピング機構102は、キネティックシートアセンブリ10の他の構成要素から離隔して示されており、流体貯蔵部のペアと流体的に通じている。具体的には、第1の流体貯蔵部334は、垂直ダンピング機構100、具体的には垂直ダンパ144、146に流体を送達しそこから流体を受け取るように提供されている。第2の流体貯蔵部336は、側方ダンピング機構102、具体的には側方ダンパ258、260に流体を送達しそこから流体を受け取るように提供されている。実施形態では、第1の流体貯蔵部334は、第1の流体貯蔵部334の出口334Eから垂直ダンパ144、146の入口304まで延びている1つ以上の導管335Aを介して、垂直ダンパ144、146に流体を送達し垂直ダンパ144、146から流体を受け取るように提供され得る。同様に、第2の流体貯蔵部336は、第2の流体貯蔵部334の出口334Dから側方ダンパ258、260の入口330まで延びている1つ以上の導管335Bを介して、側方ダンパ258、260に流体を送達し側方ダンパ258、260から流体を受け取るように提供され得る。
【0064】
第1の流体貯蔵部334及び第2の流体貯蔵部336は、同一の構造を有し、同じように動作する。したがって、第1の流体貯蔵部334の構造のみを本明細書でより詳細に述べる。
図20に示されるように、第1の流体貯蔵部334は、空気ばね334A1を含む上方部分334Aと、下方部分334Bと、を含む。圧縮性流体又は非圧縮性流体のいずれかの流体は、下方部分334Bにおいて提供されている。第1の流体貯蔵部334は、ピストン337を含み、ピストン337は、下方部分334B内で提供されており、第1の流体貯蔵部334内で長手方向に延びている。本明細書でより詳細に記載されるように、流体が下方部分334内に流入することに起因するピストン337の移動は、上方部分334A内の圧力を増加させる。同様に、流体が下方部分334Bから流出することに起因するピストン337の移動は、上方部分334A内の圧力を減少させる。第1の流体貯蔵部334は、対応付けられたエアポンプ303と流体的に通じている入口334Cを含み、エアポンプ303は、第1の流体貯蔵部334の上方部分334A内に空気を送達する。エアポンプ303は、流体を含む下方部分334Bについての圧力ブースタとして上方部分が機能するように、第1の流体貯蔵部334の上方部分334Aに送達される空気の量を制御するために電子制御ユニット32と電子通信する。エアポンプ303によって送達される空気の量が増加すると、第1の流体貯蔵部334内の圧力が増加し、結果として、上方部分334A内の空気ばね334A1は、垂直ダンパ144、146に流体が送達される力も増加するように作動することを理解されたい。詳細に述べられていないが、第2の流体貯蔵部336は、同じように動作して、そこで提供される流体が側方ダンパ258、260に送達される力を制御することを理解されたい。
【0065】
第1の流体貯蔵部334は、解放バルブ305を含み、解放バルブ305は、第1の流体貯蔵部334を出入りすることが可能になる流体の量を制御するために出口334Dに提供されている。より具体的には、解放バルブ305は、出口334Dによって定められる開口部のサイズを制御する。解放バルブ305は、手動で制御され得るか、又は実施形態では、解放バルブ305の位置を制御するためにアクチュエータ307が提供され得る。実施形態では、アクチュエータ307は、電子制御ユニット32に対して通信可能に接続されている。解放バルブ305は、開放位置、閉鎖位置、及び開放位置と閉鎖位置との間の複数の中間位置間で動作可能である。
【0066】
実施形態では、第1の流体貯蔵部334は、空気圧ゲージ340を含み、空気圧ゲージ340は、第1の流体貯蔵部334の上方部分334A内の空気圧を表示するか又は他の場合には指し示す。空気圧ゲージ340は、例えば、アナログゲージ、デジタルゲージ、又は同種のものなどの任意の好適なディスプレイであり得る。示されているように、空気圧ゲージ340は、入口334Cの近くにある第1の流体貯蔵部334の上方端に取り付けられている。しかしながら、空気圧ゲージ340は、第1の流体貯蔵部334内の空気圧に関する視覚的な表示を提供するのに好適な任意の場所に提供されてもよい。空気圧ゲージ340は、空気圧ゲージ340によって決定される情報が送信されてディスプレイユニット22(
図1)上に表示され得るように、電子制御ユニット32と通信し得る。
【0067】
第1の流体貯蔵部334はまた、最小圧力バルブ342と、最大圧力バルブ344と、を含み得る。最小圧力バルブ342及び最大圧力バルブ344は、例えば、シュレーダバルブ、プレスタバルブ、ダンロップバルブ、及び同種のものなどの第1の流体貯蔵部334内の圧力を調節するのに好適な任意のバルブであり得る。最小圧力バルブ342は、第1の流体貯蔵部334の上方部分334A内の圧力が最小空気圧閾値未満に下がるのを防止するように動作し得る。最小圧力バルブ342は、手動で制御され得るか、又は実施形態では、最小圧力バルブ342の位置、したがって、最小空気圧閾値を制御するためにアクチュエータ346が提供され得る。実施形態では、アクチュエータ346は、電子制御ユニット32に対して通信可能に接続されている。
【0068】
同様に、最大圧力バルブ344は、第1の流体貯蔵部334の上方部分334A内の圧力がエアポンプ303の動作に応じて最大空気圧閾値を超えるのを防止するように動作し得る。最大空気圧閾値は、最小空気圧閾値よりも大きい。より具体的には、最大圧力バルブ344は、ブローオフバルブとして機能し得、ブローオフバルブは、第1の流体貯蔵部334内の圧力が最大空気圧閾値を超えると過剰圧力を解放するように構成されている。最大圧力バルブ344は、手動で制御され得るか、又は実施形態では、最大圧力バルブ344の位置、したがって、最大空気圧閾値を制御するためにアクチュエータ348が提供され得る。実施形態では、アクチュエータ348は、電子制御ユニット32に対して通信可能に接続されている。
【0069】
最小圧力バルブ342及び最大圧力バルブ344は、第1の流体貯蔵部334の上方部分334Aの反対側の端に配置された別々のバルブとして示されているが、最小圧力バルブ342及び最大圧力バルブ344は、第1の流体貯蔵部334内の最小圧力及び第1の流体貯蔵部334内の最大圧力の両方を制限する単一のバルブに一体化されてもよいことを理解されたい。
【0070】
ここで、
図20及び
図21を参照して、流体貯蔵部334、336の上方部分334A内の空気圧は、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260が圧縮状態から非圧縮状態に戻る速度に直接的に影響を与えることを理解されたい。例えば、流体貯蔵部334、336の上方部分334A内の空気圧が増加すると、流体が流体貯蔵部334、336の下方部分334Bから垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260へ流れる速度は増加する。代替的に、流体貯蔵部334、336の上方部分334A内の空気圧が減少すると、流体が流体貯蔵部334、336の下方部分334Bから垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260へ流れる速度は減少する。
【0071】
流体が流体貯蔵部334、336の下方部分334Bから垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260へ流れるとき、ピストン337は、矢印D1の方向に移動し、流体貯蔵部334、336の上方部分334内の空気圧は減少する。代替的に、流体が垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260から流体貯蔵部334、336の下方部分334Bへ流れて戻るとき、ピストン337は、矢印D2の方向に移動し、流体貯蔵部334、336の上方部分334内の空気圧は増加する。
【0072】
解放バルブ305の開口度合は、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260の剛性に直接的に影響を与えることを理解されたい。例えば、解放バルブ305が開放位置に向けて移動する、すなわち、解放バルブ305の開口部のサイズが増加すると、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260の剛性は減少する。代替的に、解放バルブ305が閉鎖位置に向けて移動する、すなわち、解放バルブ305の開口部のサイズが減少すると、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260の剛性は増加する。したがって、解放バルブ305の開口部が閉鎖位置にあるとき、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260の剛性は、最大であって、その結果、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260は、ダンピング効果を全く提供しない。
【0073】
エアポンプ303、及び各流体貯蔵部334、336に対応付けられた解放バルブ305、より具体的には、提供される場合にはアクチュエータ307は、電子制御ユニット32と通信して、流体貯蔵部334、336から垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260へ流れることが可能になる流体を制御するユーザインターフェース24(
図1)を介して動作可能であり得ることを理解されたい。上述のように、ディスプレイユニット22(
図1)は、ユーザインターフェース24を含み得、任意の好適な場所、例えば、車両12のダッシュボード上に、又は他の場合には、キネティックシートアセンブリ10のダンピング効果及び剛性を乗員が制御し得るように乗員が届く範囲内に配置され得る。エアポンプ303及び解放バルブ305は各々、スポーツモードなどの第1のモード又は位置において電子制御ユニット32又はユーザ操作のいずれかによって動作し得ることを理解されたい。スポーツモードでは、エアポンプ303は、流体貯蔵部334、336内の所定の空気圧を提供するように第1のモードで動作し得、解放バルブ305は、出口334Dの開口部が第1の所定の開口度合まで開放されるように第1の位置において動作し得る。その結果、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260が非圧縮状態に戻る速度は増加し、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260の剛性は減少する。これにより、2次シートバックフレーム58及び2次シートクッションフレーム54は、より自由に移動することができる。
【0074】
エアポンプ303及び解放バルブ305はまた、快適モードなどの第2のモード又は位置において電子制御ユニット32によって自動的に又はユーザ操作によって動作し得る。快適モードでは、エアポンプ303は、第1の所定の空気圧よりも低い流体貯蔵部334、336内の第2の所定の空気圧を提供するように第2のモードで動作し得、解放バルブ305は、出口334Dの開口部が、第1の所定の開放度合よりも小さい第2の所定の開口度合まで開放されるように第2の位置において動作し得る。その結果、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260が非圧縮状態に戻る速度は減少し、垂直ダンパ144、146及び側方ダンパ258、260の剛性は増加する。これにより、2次シートバックフレーム58及び2次シートクッションフレーム54は、より固定された位置にとどまることができる。一部の実施形態では、快適モードは、1次シートクッションフレーム52及び1次シートバックフレーム56に対する2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58間の全ての移動を妨げ得る。本明細書で述べられるスポーツモード及び快適モードは、エアポンプ303及び解放バルブ305の動作を同時に調整するように機能することを理解されたい。しかしながら、エアポンプ303及び解放バルブ305はまた、電子制御ユニット32によって自動的に又はユーザ操作によって、第1のモード又は位置、第2のモード又は位置、及び複数の中間のモード又は位置間で各々独立して動作してもよいことを理解されたい。
【0075】
使用時、乗員は、ステアリングホイール20を回転させることによって車両12の旋回方向を制御する。そうする際、乗員の旋回方向側の肩は、逆旋回方向側の肩に対して下方に移動し、旋回方向側の肩は、逆旋回方向側の肩に対して後方に移動する。このとき、乗員が腰椎を旋回方向に曲げて、逆旋回方向側の骨盤と肩との間の距離と比較して、旋回方向側の骨盤と肩との間の距離を縮め、腰椎をねじり、旋回方向側の肩と同じ方向に骨盤を旋回移動させる場合、ステアリング動作は快適に行われ得る。
【0076】
乗員が旋回方向に車両12を向けると、車両12、したがって乗員に対して逆旋回方向に力がかかる。この力を補正して乗員が骨盤又は胴の位置を調整するのを可能にするような移動性を備えていない標準的な車両シートにおいて、乗員は、膝、ウエスト、及び肩を含む自身の関節に対して負担を示す。シートクッションフレーム及びシートバックフレームが反対方向に回転するシートでは、乗員の関節に対する当該負担は強まる。
【0077】
本開示は、キネティックシートアセンブリ10に着座した乗員が旋回中の車両12に対して示される力で回転するのを可能にすることによって、当該関節ストレスを除去しようとしている。したがって、本キネティックシートアセンブリ10は、乗員の骨盤及び胴が旋回の方向において車両12内で重心を維持するために回転するのを可能にする。
【0078】
乗員が車両12を右に旋回させると、乗員は、腰椎を右に曲げるように右肩を下げて体感筋肉を使用する。これにより、乗員に対して、ロール方向の反時計回り、且つヨー方向の時計回りの骨盤の旋回移動がもたらされる。加えて、乗員は、ロール方向の反時計回り、且つヨー方向の時計回りに胴を旋回移動させている。右への旋回中に、乗員に対して左に力がかかる。これは更に、車両12の運動量により乗員の胴及び骨盤の左への回転を容易にする。したがって、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58は、連結アセンブリ60によるそれらの接続により、互いに同じ位相で左に移動する。具体的には、
図8に示されるように、右旋回動作中、2次シートクッションフレーム54の後方端90は、第1のシートクッション方向X1に移動し、2次シートバックフレーム58の下方端182は、第1のシートバック方向Y1に移動する。第1のシートクッション方向X1及び第1のシートバック方向Y1は各々、同じキネティックシート横方向に沿って向いている。更に、第1のシートクッション方向X1及び第1のシートバック方向Y1は、
図18に示される矢印A1の方向と同じキネティックシート横方向に沿って向いている。したがって、本明細書に記載されるような右旋回中に、第1の側方ダンパ258は、矢印B1の方向に移動し、第2の側方ダンパ260は、矢印C1の方向に移動する。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が左に移動すると、側方ダンピング機構102は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が左に移動する力を低減するように制御されたダンピング効果を提供する。代替的に、乗員が車両12を左に旋回させると、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58は、互いに同じ位相で右に移動する。具体的には、
図8に示されるように、右旋回動作中、2次シートクッションフレーム54の後方端90は、第1のシートクッション方向X1と反対側の第2のシートクッション方向X2に移動し、2次シートバックフレーム58の下方端182は、第1のシートバック方向Y1と反対側の第2のシートバック方向Y2に移動する。第2のシートクッション方向X2及び第2のシートバック方向Y2は各々、同じキネティックシート横方向に沿って向いている。更に、第2のシートクッション方向X2及び第2のシートバック方向Y2は、
図18に示される矢印A2の方向と同じキネティックシート横方向に沿って向いている。したがって、本明細書に記載されるような左旋回中に、第1の側方ダンパ258は、矢印B2の方向に移動し、第2の側方ダンパ260は、矢印C2の方向に移動する。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が右に移動すると、側方ダンピング機構102は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が右に移動する力を低減するように制御されたダンピング効果を提供する。
【0079】
再び
図1を参照して、仮想線Lは、前方旋回機構98から上方旋回機構212まで延びている。キネティックシートアセンブリ10に着座した乗員に関して、線Lは概して、乗員の肩及び乗員の膝を通って延びている。したがって、キネティックシートアセンブリ10の使用中、右旋回又は左旋回中の移動を受けているとき、キネティックシートアセンブリ10は、乗員のウエストが上記開示に従って左及び右方向それぞれに移動するのを可能にしつつ、乗員の肩及び乗員の膝が概して、互いに整列されたままであることを保証する。
【0080】
本明細書に記載される実施形態の更なる態様は、以下の節の主題によって提供される。
【0081】
節1.キネティックシートアセンブリであって、1次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと、第1の側方ダンパ及び第2の側方ダンパを含む側方ダンピング機構と、を備え、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは、前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で延びており、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの第1の端は、前記1次シートバックフレームに対して回転可能に固定されており、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの反対側の第2の端は、前記2次シートバックフレームから延びているそれぞれのフランジに形成された孔を通って自由に移動することが可能になる、キネティックシートアセンブリ。
【0082】
節2.前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、外側の管と、前記1次シートバックフレームに対する前記2次シートバックフレームの移動に基づいて前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの長さを調整するように前記外側の管から伸縮することが可能になる内側の管であって、前記内側の管は、前記それぞれのフランジに形成された前記孔の直径よりも小さい外径を有する、内側の管と、ストッパであって、前記ストッパが前記フランジと接触すると、前記内側の管が、前記それぞれのフランジに形成された前記孔を通過するのを妨げるように前記内側の管に提供されたストッパと、を備える、節1に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0083】
節3.前記それぞれのフランジに形成された前記孔に提供されたベアリング筐体と、前記ベアリング筐体内に提供されており、前記内側の管がスライドする通路を定めているベアリングと、を更に備え、前記ベアリングは、前記内側の管が前記それぞれのフランジに対して旋回することを可能にするように、前記ベアリング筐体内で回転可能である、節2に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0084】
節4.前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、前記内側の管及び前記外側の管間のダンピング効果を提供する圧縮性流体を含む、節2又は節3に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0085】
節5.前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは、前記1次シートバックフレームに対する前記2次シートバックフレームの横方向の移動を可能にする、節4に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0086】
節6.前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、空気供給部に接続される入口を含み、空気は、前記1次シートバックフレーム及び前記2次シートバックフレーム間のダンピングの度合を制御するために所定量まで前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパに供給される、節4又は節5に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0087】
節7.前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの一方のみが、前記1次シートバックフレームに対する前記2次シートバックフレームの移動中の任意の所与の時にダンピング効果を提供する、節4~6のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0088】
節8.前記2次シートバックフレームが第1の方向に移動したことに応じて、前記ストッパは、それぞれのフランジと接触し、前記第1の側方ダンパの前記内側の管を前記第1の側方ダンパの前記外側の管内に圧縮させて、ダンピング効果を提供し、前記第2の側方ダンパの前記内側の管は、前記第2の側方ダンパの前記外側の管内に圧縮されることなく、それぞれのフランジに形成された前記孔を通って自由にスライドする、節7に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0089】
節9.前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパは各々、前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパを1次シートクッションフレームに対して回転可能に接続するために前記第1の側方ダンパ及び前記第2の側方ダンパの前記第1の端に提供されたボールジョイントを含む、節1~8のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0090】
節10.前記1次シートバックフレームは、シートの固定シートバックフレームであって、前記2次シートバックフレームは、前記シートの可動シートバックフレームである、節1~9のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0091】
節11.キネティックシートアセンブリであって、1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して移動可能である2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームに対して移動可能である2次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で延びている側方ダンパのペアと、流体を前記側方ダンパのペアに提供する第1の流体貯蔵部と、を備え、前記第1の流体貯蔵部は、ダンピング効果を制御するために、流体が前記側方ダンパのペアに提供され前記側方ダンパのペアから抜き取られる速度を制御するように動作可能である、キネティックシートアセンブリ。
【0092】
節12.前記2次シートバックフレームと前記1次シートクッションフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、前記垂直ダンパのペアと流体的に通じている第2の流体貯蔵部と、を更に備える、節11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0093】
節13.各流体貯蔵部は、空気ばねを含む上方部分と、前記流体を含む下方部分と、前記下方部分内で移動可能に提供されており、前記流体貯蔵部の長手方向に延びている、ピストンと、を備え、流体が前記下方部分に流入すること、及び流体が前記下方部分から流出することはそれぞれ、前記ピストンが前記流体貯蔵部の前記長手方向に移動して前記上方部分内の圧力が増加すること、及び減少することをもたらす、節11又は節12に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0094】
節14.流体貯蔵部のペアの各々の前記上方部分内に空気を送達するエアポンプを更に備える、節13に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0095】
節15.前記流体貯蔵部のペアの各々は、前記流体貯蔵部のペアのそれぞれの流体貯蔵部内の圧力を表示する空気圧ゲージを含む、節14に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0096】
節16.前記流体貯蔵部のペアの各々は、前記流体貯蔵部のペアのそれぞれの流体貯蔵部内の空気圧を最小空気圧閾値よりも高く維持する最小圧力バルブを含む、節14又は節15に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0097】
節17.前記流体貯蔵部のペアの各々は、前記流体貯蔵部のペアのそれぞれの流体貯蔵部内の空気圧を、前記最小空気圧閾値よりも高い最大空気圧閾値未満に維持する最大圧力バルブを含む、節16に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0098】
節18.各流体貯蔵部は、それぞれの流体貯蔵部の出口を出入りすることが可能になる流体の量を制御する解放バルブを更に備える、節14~17のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0099】
節19.前記解放バルブが第1の位置にあるとき、前記2次シートクッションフレーム及び前記2次シートバックフレームは、前記1次シートクッションフレーム及び前記1次シートバックフレームに対する移動を妨げられ、前記解放バルブが第2の位置にあるとき、前記2次シートクッションフレーム及び前記2次シートバックフレームは、前記1次シートクッションフレーム及び前記1次シートバックフレームに対して移動する、節18に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0100】
節20.前記1次シートバックフレームは、シートの固定シートバックフレームであって、前記2次シートバックフレームは、前記シートの可動シートバックフレームであって、前記1次シートクッションフレームは、前記シートの固定シートクッションフレームであって、前記2次シートクッションフレームは、前記シートの可動シートクッションフレームである、節11~19のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0101】
節21.電子制御ユニットを更に備え、前記エアポンプは、前記流体貯蔵部の各々の前記上方部分に送達される空気の量を制御するために前記電子制御ユニットに対して通信可能に接続されており、前記解放バルブは、前記解放バルブを制御して前記出口の開口部を調整するために前記電子制御ユニットに対して通信可能に接続されている、節18~20のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0102】
節22.キネティックシートアセンブリであって、1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、前記2次シートバックフレームと前記1次シートクッションフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、流体が前記垂直ダンパのペアに提供され前記垂直ダンパのペアから抜き取られる速度を制御するように流体を前記垂直ダンパのペアに提供する流体貯蔵部と、を備える、キネティックシートアセンブリ。
【0103】
節23.前記流体貯蔵部は、空気ばねを含む上方部分と、前記流体を含む下方部分と、前記下方部分内で移動可能に提供されており、前記流体貯蔵部の長手方向に延びている、ピストンと、を備え、流体が前記流体貯蔵部の前記下方部分に流入すること、及び流体が前記下方部分から流出することはそれぞれ、前記ピストンが前記流体貯蔵部の前記長手方向に移動して前記流体貯蔵部の前記上方部分内の圧力が増加すること、及び減少することをもたらす、節22に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0104】
節24.前記流体貯蔵部は、前記流体貯蔵部内の圧力を表示する空気圧ゲージを含む、節23に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0105】
節25.前記流体貯蔵部は、前記流体貯蔵部内の空気圧を最小空気圧閾値よりも高く維持する最小圧力バルブを含む、節23又は節24に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0106】
節26.前記流体貯蔵部は、それぞれの流体貯蔵部内の空気圧を、前記最小空気圧閾値よりも高い最大空気圧閾値未満に維持する最大圧力バルブを含む、節25に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0107】
節27.前記1次シートバックフレームは、車両のシートの固定シートバックフレームであって、前記2次シートバックフレームは、前記シートの可動シートバックフレームであって、前記1次シートクッションフレームは、前記シートの固定シートクッションフレームであって、前記2次シートクッションフレームは、前記シートの可動シートクッションフレームである、節21~26のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0108】
上記から、旋回などの車両の移動中にシートクッションフレーム及びシートバックフレームが互いに同じ位相で回転する、新しい固有のキネティックシートアセンブリが本明細書に定められていることを理解されたい。その際、車両の運転者又は他の乗員は、キネティック車両シートが運転席以外の車両のシートに取って代わると、乗員の胴及びウエストが一緒に移動する、より快適な運転体験を経験する。
【国際調査報告】