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特表2024-529529引き抜き可能なクロージャを製造するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】引き抜き可能なクロージャを製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/42 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
B65D41/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506466
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2022056618
(87)【国際公開番号】W WO2023012557
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】102021000020825
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100224627
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 稔
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッラ,ファブリツィオ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA23
3E084AA24
3E084AA32
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC02
3E084DA01
3E084DB03
3E084DC02
3E084FA09
3E084FD08
3E084GA10
3E084GB12
3E084HA03
3E084HB03
3E084HC03
3E084HD01
3E084KA12
(57)【要約】
容器を閉じるためのリングプルクロージャのプルオフクロージャの製造方法が開示され、本方法では、金属材料のシートが、中央閉鎖壁および周縁スカート壁をそれぞれ有する複数のシェルを得るために切断および絞り加工され、各シェルが、絞り加工の後に、シェルに適用された把持要素を引っ張ることによる引き裂きにより優先的に破断するラインを形成する少なくとも1本の周方向に延びたスコア線を得るためにスコアリングされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用のプルオフクロージャ(1)を製造するための方法であって、
前記方法は、
金属材料のシートを提供するステップと、
前記シートを切断して、複数のシート状本体を得るステップと、
前記シート状本体を絞り加工して、各シート状本体から中央閉塞壁(4)と周縁スカート壁(5)とを有するシェル(3)を得るステップと、
前記シェル(3)を彫刻して、各シェル(3)上に少なくとも1本の周方向に延びたスコア線(7;9)を得るステップと
を備え、
前記彫刻ステップは、前記絞り加工ステップの後に実行される、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1本の周方向に延びたスコア線(7;9)は、前記中央閉塞壁(4)を前記周縁スカート壁(5)と結合する前記シェルの連結部(6)の凸状外側面に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
容器の口をシールするためのシール手段(8)を前記シェル(3)の内側に適用するステップを備え、
前記少なくとも1本の周方向に延びたスコア線(7;9)は、前記少なくとも1本の周方向に延びたスコア線が前記シール手段に重ならないように、前記シール手段(8)に対して、径方向においてより周縁の位置に配置される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記シール状体または前記シェル(3)のそれぞれの少なくとも一方側に、特にパンチ手段(13,17)を用いた塑性変形によって、1または複数の突起部(12)を形成するステップと、
前記1または複数の突起部(12)のそれぞれに把持要素(2)の一端を係合させることにより、前記シート状本体または前記シェル(3)のそれぞれに前記把持要素(2)を適用するステップと
を備え、
前記適用するステップは、特に、前記把持要素(2)をそれぞれ対応する前記シート状本体または前記シェル上にオーバーモールドすること、または前記一端をそれぞれ対応する突起部にインターロッキングによりおよび/または強制的に結合することを備え、
前記1または複数の突起部(12)を形成するステップは、特に、前記シート状本体を絞り加工するステップの間、または前記シート状本体を絞り加工するステップの後、または、前記シェルを彫刻するステップの間、または前記シェルを彫刻するステップの後に実行される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記1または複数の突起部(12)を形成するステップは、スクラップを発生させることなく、前記パンチ手段(13;17)により材料を塑性変形させることを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1または複数の突起部(12)を形成するステップは、前記1または複数の突起部(12)のそれぞれについて、それぞれの突起部(12)により少なくとも部分的に画定された少なくとも1つの貫通開口を形成するように、特にせん断および塑性変形をともに実行するための切断縁を有するパンチ(17)により、前記塑性変形とともに材料をせん断することを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記形成ステップは、特に、前記絞り加工を実行するための前記パンチ手段(13)により、前記1または複数の突起部(12)を一方側に形成し、1または複数の対応する窪みを反対側に形成するように材料を絞り加工することを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
プルオフクロージャ(1)を製造するための装置、特に請求項1から7のいずれかに記載の方法を実行するために使用可能な装置であって、
前記装置は、
金属材料のシートを供給するための手段と、
前記供給するための手段から供給されたシートを切断するための手段であって、複数のシート状本体を切断するように構成された手段と、
前記切断するための手段から切断された前記シート状本体を絞り加工するための手段であって、各シート状本体から、中央閉塞壁(4)と、連結部(6)により結合された周縁スカート壁(5)とを有するシェル(3)を形成するように構成された手段と、
絞り加工するための手段から作られた前記シェル(3)の外側を彫刻するための手段であって、各シェルに少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)を作るように構成された手段と、
把持要素(2)を前記シェル(3)に適用するための手段と
を備える、装置。
【請求項9】
前記彫刻するための手段は、前記少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)が前記連結部(6)上、特に、前記連結部の凸面上に配置されるように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記彫刻するための手段は、
少なくとも1つの彫刻ツール(15)と、
少なくとも1つの支持カウンタツール(16)と
を備え、
前記少なくとも1つの彫刻ツールは、少なくとも1本のスコア(7;9;10;11)を前記シェルの外側に型押しするように構成されており、
前記少なくとも1つの支持カウンタツール(10)は、前記シェル(3)を受け入れ、支持するように構成されており、
前記少なくとも1つの彫刻ツールと前記少なくとも1つの支持カウンタツールとは、前記少なくとも1つの彫刻ツール(15)が少なくとも1本のスコア(7;9;10;11)を前記シェルの前記外側に刻印する少なくとも1つの閉位置と、前記シェル(3)が前記少なくとも1つの支持カウンタツール(16)に挿入または取り外すことができる少なくとも1つの開位置とを想定するように、互いに対して移動可能である、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記彫刻するための手段は、前記把持要素(2)を用いて、前記シェルの前記外側に少なくとも1本の周方向スコア線と、前記少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)と結合する少なくとも1本の垂直および/または接続スコア線(10;11)を形成するように構成されている、請求項8から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記適用するための手段および前記彫刻するための手段が配置された加工ラインを備え、特に、前記適用するための手段は、前記彫刻するための手段の下流に配置されており、前記切断するための手段および前記絞り加工するための手段は、特に、同一のプレス機に配置されており、前記彫刻するための手段は、特に、回転機械に配置されている、請求項8から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
1または複数の突起(12)を、特に、パンチ手段(13)を用いた塑性変形により、前記シェル(3)の前記絞シート状本体のそれぞれの一方側に形成するための手段と、
把持要素(2)の一端を前記1または複数の突起(12)のそれぞれ対応する突起(12)に係合させるための手段と
を備え、
前記係合させるための手段は、特に、前記把持要素(2)をそれぞれ対応するシート状本体またはシェル(3)上にオーバーモールドするための手段を含み、
前記係合させるための手段は、特に、前記把持要素(2)の前記一端をそれぞれ対応する突起(12)にインターロッキングによりおよび/または機械的に強制的に結合するための手段を含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記1または複数の突起(12)を形成するための手段は、スクラップを発生させることなく材料の塑性変形を実行するように構成されたパンチ手段(13;17)を備え、
前記パンチ手段は、特に、前記1または複数の突起(12)のそれぞれに、前記それぞれ対応する突起(12)により少なくとも部分的に画定された貫通開口を形成するように、少なくとも1つの前記塑性変形とともに材料のせん断を実行するための切断縁を有するパンチ手段(17)を備え、
前記パンチ手段は、特に、材料の絞り加工を実行して、前記1または複数の突起(12)を一方側に形成し、または複数の対応する窪みを反対側に形成するパンチ手段(13)を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
閉鎖壁(4)、スカート壁(5)、および連結部(6)を備え、前記閉鎖壁(4)は、容器の上部の口を閉鎖するように構成されており、前記スカート壁(5)は、前記閉鎖壁(4)の周縁から下方に延び、前記容器のネックと結合するように構成されており、前記閉鎖壁(4)と前記スカート壁(5)とは前記連結部(6)により互いに結合されている、シェル(3)と、
前記スカート壁(5)から延びており、前記シェルを取り外し、前記容器を開けるように、引っ張られるように構成されている、把持要素(2)と、
前記把持要素(2)が引っ張られたときに前記シェル(3)の取り外しを容易にするように前記シェル(3)上に配置された優先取り外し手段と
を備え、
前記優先取り外し手段は、前記連結部(6)の凸状外表面上に配置された少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)を備える、プルオフクロージャ。
【請求項16】
前記シェル(3)または前記シート本体のそれぞれの少なくとも一方側に設けられた1または複数の突起(12)を備え、
前記把持要素(2)の一端は、前記把持要素をそれぞれ対応するシート状本体またはシェルにオーバーモールドすることにより、または前記一端を前記それぞれに対応する突起にインターロッキングおよび/または強制することにより、前記1または複数の突起(12)のそれぞれに係合されている、請求項15に記載のクロージャ。
【請求項17】
前記少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)は、円周角の少なくとも6分の1、または少なくとも5分の1、または少なくとも4分の1の長さで延びている、請求項15または16に記載のクロージャ。
【請求項18】
前記シェル(3)の内側面上に配置され、前記容器の前記口をシールするように構成されたシール手段(8)を備え、
前記少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)は、前記少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)が前記シール手段(8)上に重ならないように、前記シール手段(8)に対して径方向において最も外側の位置に配置されている、請求項15から17のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項19】
前記優先取り外し手段は、前記連結部(6)の凸状外表面上に配置された少なくとも1本の追加の周方向スコア線(7;9)を備え、前記少なくとも1本の追加の周方向スコア線(9)は、特に、前記少なくとも1本の周方向スコア線(7)と周方向において間隔を開けて配置されており、前記少なくとも1本の追加の周方向スコア線は、特に、円周角の少なくとも6分の1、または少なくとも5分の1、または少なくとも4分の1の長さで延びている、請求項15から18のいずれか一項に記載のクロージャ。
【請求項20】
前記少なくとも1本の追加の周方向スコア線(9)は、前記少なくとも1本の追加の周方向スコア線が前記シール手段上に重ならないように、前記シール手段(8)に対して径方向において最も外側の位置に配置されている、請求項19および18に記載のクロージャ。
【請求項21】
前記少なくとも1本の追加のスコア線と、前記少なくとも1本のスコア線とは、前記把持要素(2)を通る垂直対称平面を基準として、互いに対称に配置されている、請求項19または20に記載のクロージャ。
【請求項22】
前記優先取り外し手段は、前記シェル(3)の外側に配置された少なくとも1本の垂直および/または連結スコア線(10;11)を備え、前記少なくとも1本の垂直および/または連結スコア線(10;11)は、前記スカート壁(5)に配置され、前記把持要素(2)を前記少なくとも1本の周方向スコア線(7;9)に結合するように、前記把持要素に近接して終端している、請求項15から21のいずれか一項に記載のクロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き抜き可能なクロージャを製造するための方法および/または装置に関し、引き抜き可能なクロージャは、特に、容器、例えばボトルなどの口を閉じるために使用することができる。
【0002】
本発明は、具体的には、しかしこれらに限定されるものではないが、リングプルクロージャ、すなわちプルオフクロージャとしても知られ、一般的に金属材料(例えばアルミニウム)製であり、ユーザが引っ張って、クロージャを取り外し、容器を開けることができる要素(例えばリング)を備える、引き抜き可能なクロージャに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許出願公開第2019/0263570号明細書、特開2008-174266号公報、特開平11-115937号公報、特許第4065690号公報、欧州特許出願公開第3037361号明細書、および米国特許第1005046号明細書は、容器を閉じるために使用することができるプルオフクロージャの実施形態を示している。
【0004】
先行技術の特定の側面は、改善することができる。
【0005】
第1に、開封前において高い安全性で容器のシールを保証するとともに、消費者が容器を開けるために把持要素を引っ張る操作をより簡単かつより便利にすることが望ましい。
【0006】
第2に、必要な気密シールを確保するとともに、特に構造材料の使用量を削減できるため、簡単で安価なクロージャを作ることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の1つの目的は、先行技術の前述した限界および欠点の1または複数を克服することができるプルオフクロージャを製造するための方法および/または装置を提供することである。
【0008】
本発明の1つの目的は、先行技術のプルオフクロージャに代わる容器用のプルオフクロージャを提供することである。
【0009】
1つの利点は、開封が特に容易かつ便利で、同時に閉じた容器の高いシール安全性を保証するリングプルクロージャを利用できることである。
【0010】
1つの利点は、特に構造材料の使用量が削減されるため、簡単で安価な製造が可能なことである。
【0011】
一実施形態では、リングプルクロージャを製造するための方法は、金属材料のシートが、中央閉鎖壁および周縁スカート壁をそれぞれ有する複数のシェルを得るために切断および絞り加工され、各シェルが、絞り加工の後に、シェルに適用された把持要素を引っ張ることによる引き裂きにより優先的に破断するラインを形成する少なくとも1本の周方向に延びたスコア線を得るためにスコアリングされることを提供する。
【0012】
本発明は、いくつかの非制限的な例を図示する添付図面を参照して、より良く理解され、実際され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明にしたがって作られた容器用の引き抜き可能なクロージャの実施形態の側面図である。
図2図2は、図1のクロージャの断面図である。
図3図3は、図1の左から見た図である。
図4図4は、シェルへの把持要素の適用前の図1のクロージャの一部であるシェルの断面図である。
図5図5は、図4の右から見た図である。
図6図6は、図1のクロージャの製造のための製造方法の周方向スコア線をスコアリングするステップの図を示す。
図7図7は、第1実施形態における塑性変形によってシェルのタブ部に突起を形成するステップの図を示す。
図8図8は、第2実施形態における塑性変形によってシェルのタブ部に突起を形成するステップの図を示す。
図8A図8Aは、図8の拡大図を示す。
図9図9は、第3実施形態における塑性変形によってシェルのタブ部に突起を形成するステップの図を示す。
図9A図9Aは、図9の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前述の図面を参照すると、1は、特に、容器、例えば(ガラス製、PET製、アルミニウム製などの)ボトルの口を閉じるために使用可能な引き抜き可能なクロージャを全体的に示している。
【0015】
引き抜き可能なクロージャ1は、特に、リングプルタイプ、すなわちプルオフタイプのクロージャを備えてもよい。引き抜き可能なクロージャ1の少なくとも一部は、特に、金属材料(例えばアルミニウム)製であってもよい。引き抜き可能なクロージャ1は、クロージャを取り外し、容器を開けるためにユーザにより引っ張られ得る把持要素2(例えば、プルタブまたはリング)を備える。把持要素2は、特に、プラスチック(例えば、PE)製であってもよい。
【0016】
引き抜き可能なクロージャ1は、特に、閉塞壁4を有するシェル3、すなわちコンクを備えてもよい。シェル3は、特に、金属材料(例えば、アルミニウム)製であってもよい。閉塞壁4は、特に、容器の上部の口を閉じるように構成されてもよい。シェル3は、特に、スカート壁5を備えてもよい。スカート壁5は、特に円筒形の壁であってもよい。
【0017】
スカート壁5は、特に、閉鎖壁4の周縁から下方に延びてもよく、特に、容器のネックと(例えば、既知のタイプの)結合するように構成されてもよい。
【0018】
シェル3は、特に、連結部6を備えてもよい。閉鎖壁4とスカート壁5とは、特に、連結部6により結合されてもよい。把持要素2は、特に、スカート壁5から延びてもよく、スカート壁5に適用されてもよく、特に、シェル3を取り外し、容器を開けるように消費者によって(上方に)に引っ張られるように構成されてもよい。把持要素2は、特にプルリングを備えてもよい。把持要素2は、特に、スカート壁5の下縁に取り付けられた上端部を備えてもよい。把持要素2は、特にスカート壁5の下縁から下方に延びてもよい。
【0019】
引き抜き可能なクロージャ1は、特に、把持要素2が引っ張られたときにシェル3の取り外しを促進させるためにシェル3に取り付けられた優先取り外し手段を備えてもよい。優先取り外し手段は、特に、連結部6の表面上、特に連結部6の凸状外部表面上に配置された少なくとも1本の周方向スコア線7を備えてもよい。周方向スコア線7は、特に、(把持要素2を引っ張ることにより)優先取り外し手段が破損した後のシェル3の取り外しを確実にするように、回転角度の少なくとも6分の1、または少なくとも5分の1、または少なくとも4分の1の長さで延びてもよい。
【0020】
把持要素2と優先取り外し手段とは、把持要素2を引っ張ることで、優先取り外し手段が引き裂かれ、破損する影響により取り外され持ち上げられる閉塞部分が、上方に配置された閉塞壁4の少なくとも一部を備えるように構成されている。
【0021】
引き抜き可能なクロージャ1は、特に、シェル3の内側(特に閉鎖壁4の下方)に配置され、容器の口をシールするように構成されたシール手段8を備えてもよい。シール手段8は、特に、プラスチック(例えば、PE、EVA、または他のPVCを含まない材料)の圧縮モールドによりシェル3の内側に直接適用および成形されたシールを備えてもよい。
【0022】
周方向スコア線7は、特に、周方向スコア線7がシール手段8上に重ならないように、シール手段8に対して径方向においてより周縁の位置に配置されてもよい。
【0023】
このように(連結部6上および/またはシール手段8に対して径方向においてより周縁の位置に)周方向スコア線7を配置するより、引き裂いて開けることが容易になり、開ける前の容器の高い気密シール性を維持することができる。特に、開口部を取り外すための引き裂き操作は、シェル3の内側に配置されたシール手段8を実質的に妨げることなく実行することができる。
【0024】
優先取り外し手段は、特に、連結部6の(外側かつ凸状の)表面上に配置された少なくとも1本の追加の周方向スコア線9を備えてもよい。追加の周方向スコア線9は、特に、周方向において周方向スコア線7と間隔を開けて配置されてもよい。追加の周方向スコア線9は、特に、追加の周方向スコア線9がシール手段8上に重ならないように、シール手段8に対して径方向においてより周縁の位置に配置されてもよい。追加の周方向スコア線9は、特に、(把持要素2を引っ張ることにより)優先取り外し手段が破損した後のシェル3の取り外しを確実にするように、回転角度の少なくとも6分の1、または少なくとも5分の1、または少なくとも4分の1の長さで延びてもよい。
【0025】
追加の周方向スコア線9と周方向スコア線7とは、特に、把持要素2を通る垂直対称平面を基準にして互いに対称に配置されてもよい。周方向スコア線7は、特に、連結部6上(特に連結部6の外側かつ凸状の表面上)に、周方向における範囲の全体または周方向における範囲の大部分にわたって配置されてもよい。追加の周方向スコア線9は、特に、連結部6上(特に連結部6の外側かつ凸状の表面上)に、周方向における範囲の全体または周方向における範囲の大部分にわたって配置されてもよい。
【0026】
優先取り外し手段は、特に、シェル3の(外側の)側面上に配置された少なくとも1つの垂直スコア線および/または連結線10を備えてもよい。垂直スコア線および/または連結線10は、特に、把持要素2近傍で終端するスカート壁5上に配置されてもよい。垂直スコア線および/または連結線10は、特に、把持要素2を周方向スコア線7に結合するために配置されてもよい。優先取り外し手段は、特に、シェル3の(外側の)側面上に配置され、特に、把持要素2を追加の周方向スコア線9に結合する少なくとも1つの垂直スコア線および/または連結線11を備えてもよい。
【0027】
容器用の引き抜き可能なクロージャの製造、特に引き抜き可能なクロージャ1の製造のための方法が開示される。
【0028】
本製造方法は、特に、金属材料(例えばアルミニウム)のシートを提供するステップを備えてもよい。本製造方法は、特に、複数のシート状本体を得るために、前述のシートを切断するステップを備えてもよい。本製造方法は、特に、シート状本体のそれぞれから、中央閉鎖壁4および周縁スカート壁5を有するシェルを得るために前述のシート状本体を絞り加工するステップを備えてもよい。
【0029】
本製造方法は、特に、前述の絞り加工するステップの後に、シェル3のそれぞれに少なくとも1本の周方向に延びたスコア線を得るために、前述のシェル3をスコアリングするステップを備えてもよい。前述のスコアリングステップは、特に、周方向に延びたスコア線が、中央閉塞壁を周縁スカート壁に結合するシェル3の連結部の凸状外部側面に配置されるように実行されてもよい。
【0030】
本製造方法は、特に、シェル3の内側に、容器の口をシールするシール手段8を適用するステップを備えてもよい。周方向に延びたスコア線は、特に、周方向に延びたスコア線が前述のシール手段に重ならないように、前述のシール手段8よりも径方向においてより周縁の位置に配置されてもよい。
【0031】
前述の切断するステップおよび絞り加工するステップは、特に、プレス機において、切断軸に沿った切断手段の移動と、前述の切断軸と一致する絞り加工軸に沿った絞り加工手段の移動とにより実行されてもよい。このプレス機は、特に、加工されるシートの入口ゾーンと、プレスゾーン(切断および絞り加工)と、スクラップ金属シートを排出するための排出ゾーンと、シェルを回収するゾーンとを備えてもよい。このプレス機は、特に公知のタイプのプレス機を備えてもよい。
【0032】
本製造方法は、特に、1または複数の突起12を、前述のシェルの前述のシート状本体のそれぞれの一方側に形成するステップを備えてもよい。特に、各シート状本体または各シェルに2つの突起12を形成することができる。1または複数の突起の形成は、特に、スクラップ、すなわち前述のシート状本体または前述のシェルから一体に分離しその後除去する必要がある材料の部分を発生させることなく、塑性変形させることにより達成することができる。
【0033】
1または複数の突起12は、特に、パンチ手段13,17(絞り加工手段および/または打ち抜き手段および/または切断手段)により実行される塑性変形により作られる。
【0034】
対象物の一方側に1または複数の突起12を形成することにより、特に絞り加工の場合、対象物の反対側に1または複数の凹部を同時に形成することを伴うことがある。
【0035】
突起12の形成に適した塑性変形は、例えば、単純な絞り加工の場合のように、材料にスコアまたは貫通開口を発生させないようなものであってもよく、例えば、切断を伴う打ち抜き加工の場合のように、(スクラップなしに)スコアまたは貫通開口を発生させるようなものであってもよい。
【0036】
突起12の形成は、特に、変形した材料がスクラップを放出することなしに取り付けられたままとなるように、「開いた」切断プロファイル(すなわち、閉じたリングの形態ではない)を備えるパンチ手段17を用いて材料を切断するステップを備えてもよい。
【0037】
突起12の形成は、特に、側面の開口またはスリットの形成を備えてもよく、例えば、材料を一方側のみ切断するパンチングにより達成され、特に半円錐形(一種の突出部)などの形状の突起を生じさせることがある。
【0038】
刃を有するパンチ手段(打ち抜きと切断の複合的な効果)は、特に、突起を生じさせるように材料を変形させ、材料を切断して、関連する開口、穴、またはスコアを、例えば、おろし金の歯および穴、または滑り止めの格子状金属フロアの歯および穴を形成するために金属シートを機械加工するのと類似の方法で発生させるように構成されてもよい。
【0039】
(スクラップの形成がない)非クローズ切断プロファイルによる部分的な切断を伴う打ち抜きは、特に材料にスコア、または開口、または穴が形成されることにより、アンダーカットを画定する突起の形成を可能にする。アンダーカットは、前述のスコア、開口、または穴を囲む突起の内面により画定される。
【0040】
1または複数の突起12の形成は、特に、少なくとも1つの刃を備えるパンチ手段17により実行される塑性変形を備えてもよく、パンチ手段17は、少なくとも1つの突起12の形成を伴うように切れ目を形成し、更にスクラップが形成されない塑性変形による開口、または穴、または貫通スコアの形成を伴うように切れ目を形成するように構成されている。
【0041】
本製造方法は、特に、把持要素2の端部を各突起12に係合させることにより、把持要素2を前述のシート状本体または前述のシェルのそれぞれに適用するステップを備えてもよい。この適用するステップは、特に、把持要素2をそれぞれ対応するシート状本体またはシェル3に(例えばプラスチックの射出または圧縮オーバーモールドにより)直接オーバーモールドするステップを備えてもよい。この適用するステップは、特に、例えば、(予め形成された)把持要素の端部をそれぞれ対応する突起12にインターロッキングおよび/または機械的に強制することにより結合するステップを備えてもよい。
【0042】
述べたように、突起12は、特に、材料に少なくとも1つの開口穴またはスコアを画定してもよい。突起12は、特に、その後の把持要素2の適用操作を促進し、要素の強固で粘り強い把持を改善する、少なくとも1つのアンダーカットを画定してもよい。
【0043】
1または複数の突起12(およびそれぞれ対応する1または複数の窪み)を形成する前述のステップは、特に、シート状本体を絞り加工する前述のステップの間、またはシート状本体を絞り加工する前述のステップの後、またはシェルをスコアリングするスコアリングステップの間、またはシェルをスコアリングするスコアリングステップの後に実行されてもよい。各突起12は、特に、タブ部14において動作する小型のパンチおよび対応する小型のダイを特に有するパンチ手段13,17により、シェルのタブ部14に作られてもよい。各突起12は、(図4および図5の実施形態のように)タブ部14の外側から突出してもよく、(図7-9の実施形態のように)タブ部14の内側から突出してもよい。
【0044】
特に、図4-5の実施形態のように、貫通開口のない材料の少なくとも1つの絞り加工部分を備える各突起12は、(例えば、図7のパンチ手段13のような)絞り加工のためのパンチ手段により作られてもよい。図8-9の実施形態では、貫通開口を有する材料の少なくとも1の切断および変形部分を備える各突起12は、打ち抜きおよび切断ごとに(例えば図8のパンチ手段17のような)パンチ手段により作られてもよい。
【0045】
把持要素2は、特に、シェル3のタブ部14に取り付けられてもよい。タブ部14は、特に、スカート壁5から下方に突出するように配置されてもよい。
【0046】
引き抜き可能なクロージャを製造するための装置、特に引き抜き可能なクロージャ1を製造するために使用可能であり、上述した製造方法を作動させる装置が開示される。
【0047】
本製造装置は、特に、金属材料のシート(例えばアルミニウムシート)を供給するための手段を備える。前述の供給手段は、特に、公知のタイプの供給手段(例えば、ローラ、ベルト、マット、磁気、またはさらに他のタイプのコンベア)を備えてもよく、本明細書ではより詳細には開示しない。
【0048】
本製造装置は、特に、供給手段から供給されたシートを切断するための切断手段を備えてもよい。切断するための切断手段は、特に、複数のシート状(例えば、円盤形状)体を切断するように構成されてもよい。本製造装置は、特に、切断手段により切断されたシート状本体を絞り加工するための手段を備えてもよい。絞り加工手段は、特に、絞り加工されたシート状本体のそれぞれから、中央閉鎖壁4および周縁スカート壁5を有するシェル3を作るように構成されてもよい。中央閉鎖壁および周縁スカート壁は、特に、連結部6により互いに結合されている。
【0049】
切断および絞り加工手段は、特に公知のタイプの、特にプレカット(アルミニウム)シートを使用するように構成された、マルチツールモールドに特に適した、キャップモールド用の単動式(切断および絞り加工)機械プレスを備えてもよい。
【0050】
本製造装置は、特に、シェル3の内側に、容器の口をシールするシール手段8(ガスケット)を適用するための手段を備えてもよい。シール手段8を適用するための手段は、特に、例えば公知のタイプのライニング機械を備えてもよい。
【0051】
本製造装置は、特に、前述の絞り加工手段により作られたシェル3の側面(特に外側面)をスコアリングするための手段を備えてもよい。スコアリング手段は、特に、各シェル上に、少なくとも1本の周方向スコア線7および/または9を作るように構成されてもよい。スコアリング手段は、特に、周方向スコア線が連結部6上、特に連結部の凸面上(シェル3の外側面)に配置されるように構成されてもよい。
【0052】
スコアリング手段(図6の略図参照)は、特に、少なくとも1つのスコアリングツール15と、少なくとも1つの支持カウンタツール16とを備える。スコアリングツール15は、特に、少なくとも1本の周方向スコア線(特に非貫通スコア)をシェル3の一方側(特にシェルの外側)に付けるように構成されてもよい。支持カウンタツール16は、特にシェル3を受け入れ、支持するように構成されてもよい。スコアリングツール15と支持カウンタツール16とは、特に、スコアリングツール15がシェルの外側に少なくとも1本の周方向スコア7または9を付ける少なくとも1つの閉位置と、シェル3を支持カウンタツール16に挿入および/またはカウンタツール16から取り外すことができる少なくとも1つの開位置とを導入するように、互いに対して移動可能であってもよい。特に、スコアリングツール15は、シェル3に向かうまたはシェル3から離れるように両方向の動作方向Fに命令に応じて移動可能であってもよい。
【0053】
スコアリング手段は、特に、シェルの一方側(外側)に、少なくとも1本の周方向スコア線7および/または9、および/または周方向スコア線7および/または9を把持要素2に結合する少なくとも1本の垂直スコア線および/または連結線10および/または11を形成するように構成されてもよい。
【0054】
本製造装置は、特に、把持要素2をシェル3のスカート壁5に適用するための適用手段を備えてもよい。本製造装置は、特に、加工ラインを備えてもよく、加工ラインに沿って、上述の適用手段および上述のスコアリング手段が配置されている。適用手段は、特に、スコアリング手段の下流に配置されてもよい。
【0055】
切断手段および絞り加工手段は、特に、同一のプレス機に配置されてもよい。スコアリング手段は、特に、回転機械に配置されてもよい。
【0056】
本製造装置は、特に、前述のシート状本体または前述のシェル3のそれぞれの一方側に1または複数の突起12を形成するとともに、シート状本体またはシェル3の反対側に1または複数の対応する窪みを形成する手段を備えてもよい。形成手段は、特に、突起12および対応する窪みを、パンチ手段13または17(例えばパンチと、絞り加工または打ち抜き/切断ダイにより)を用いた塑性変形により形成するように構成されてもよい。
【0057】
本製造装置は、特に、把持要素2の端部をそれぞれ対応する突起12に係合させる手段を備えてもよい。この係合手段は、特に、把持要素2をそれぞれ対応するシート状本体またはシェル3にオーバーモールドする手段を備えてもよい。この係合手段は、特に、把持要素2の端部をそれぞれ対応する突起12にインターロッキングおよび/または強制的に結合するための手段を備えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図9
図9A
【国際調査報告】