(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】迅速挿入型中心静脈カテーテル挿入アセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506735
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 US2022039614
(87)【国際公開番号】W WO2023014994
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511300891
【氏名又は名称】バード・アクセス・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル、グレード エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ブランチャード、ダニエル ビー.
(72)【発明者】
【氏名】リンデクゲル、エリック ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ソーンリー、カイル ジー.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267AA15
4C267AA17
4C267AA24
4C267AA28
4C267BB04
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB33
4C267CC08
4C267EE01
4C267GG34
4C267HH08
4C267HH22
(57)【要約】
本明細書には、迅速挿入型中心静脈カテーテル(RICC)挿入アセンブリおよび方法が開示される。例えば、RICC挿入アセンブリ(100)は、RICC(102)と、アクセスガイドワイヤ(106)と、イントロデューサニードル(104)と、前述の構成要素を互いに連結するカプラ(108)とを含むことができる。イントロデューサニードル(104)は、ニードルシャフト(140)及びシース(142)を含むことができる。ニードルシャフト(140)は、長手方向に延びるニードルスロット(148)を含むことができる。シース(142)は、シース(142)の近位部分におけるシース開口部(162)を除いて、その下のニードルスロット(148)を封止することができる。カプラ(108)は、カプラハウジング(178)と、カプラハウジング(178)内に配置されたバルブモジュール(180)とを含むことができる。バルブモジュール(180)は、ニードルシャフト(140)及びシース(142)をその中に封止することができる。アクセスガイドワイヤ(106)は、カプラ(108)に連結された近位端と、イントロデューサニードル(104)内に配置された遠位端とを含むことができ、それによってアクセスガイドワイヤ(106)にループを形成する。RICC(102)は、RICC挿入アセンブリ(100)の展開準備完了状態においてループ上に配置され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
迅速挿入型中心静脈カテーテル(RICC)挿入アセンブリであって、
RICCと、
イントロデューサニードルであって、
ニードルシャフトであって、該ニードルシャフトの近位部分から遠位ニードル先端部まで長手方向に延びるニードルスロットを含むニードルシャフトと、
シースであって、該シースの近位部分のシース開口部の下の前記ニードルスロットの一部分を除いて前記ニードルスロットを封止するニードルシャフトを覆うシースと
を含むイントロデューサニードルと、
前記RICC及び前記イントロデューサニードルを互いに連結するカプラであって、
カプラハウジングと、
前記カプラハウジング内に配置されたバルブモジュールであって、前記ニードルシャフトの近位部分及び前記シースを内部に封止するバルブモジュールと
を含むカプラと、
アクセスガイドワイヤであって、
前記カプラの旋回アームに連結された近位端と、
前記イントロデューサニードル内に配置された遠位端と
を含むアクセスガイドワイヤと
を備え、
前記アクセスガイドワイヤの前記近位端及び前記遠位端は、前記アクセスガイドワイヤにループを形成し、前記RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態において、前記RICCが前記アクセスガイドワイヤの前記ループ上に配置される、RICC挿入アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のRICC挿入アセンブリは、前記RICC挿入アセンブリの前記展開準備完了状態において前記イントロデューサニードルに流体接続されたシリンジを更に備え、前記シースは、前記バルブモジュールの外側で前記シースの下の前記ニードルシャフトの前記ニードルスロットを封止し、前記バルブモジュールは、前記シースの前記シース開口部を内部に封止し、前記バルブモジュールは、前記アクセスガイドワイヤの周囲を封止して前記シリンジが血液を吸引することを可能にする、RICC挿入アセンブリ。
【請求項3】
前記バルブモジュールは、前記シース開口部の遠位端の下の前記ニードルスロット内に配置された一体型のブレードを含み、前記ブレードは、前記イントロデューサニードルが前記カプラから引き抜かれるときに、前記シースを前記ニードルシャフトから切り離すように構成された遠位向きのブレード縁部を含み、切り離しによって前記アクセスガイドワイヤが前記ニードルシャフトの前記ニードルスロットを経由して前記ニードルシャフトから出ることが可能となる、請求項1又は2に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項4】
前記カプラハウジングは、前記イントロデューサニードルが前記カプラから引き抜かれるときに、前記アクセスガイドワイヤが前記カプラハウジングから出ることを可能にするように構成された、長手方向に延びるカプラハウジングスロットを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項5】
前記バルブモジュールは、前記ニードルシャフト及びシースの周囲にある分離可能な部品を含み、該分離可能な部品は、前記イントロデューサニードルが前記カプラから引き抜かれるときに分離して、前記アクセスガイドワイヤが前記バルブモジュールから出ることを可能にするように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項6】
迅速挿入型中心静脈カテーテル(RICC)挿入アセンブリであって、
RICCであって、
カテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブの近位部分に連結されたカテーテルハブと、
1つ以上の延長レッグであって、前記1つ以上の延長レッグの各延長レッグは、該各延長レッグの遠位部分によって前記カテーテルハブに連結されている1つ以上の延長レッグと、
1つ以上の延長レッグコネクタであって、前記1つ以上の延長レッグコネクタの各延長レッグコネクタは、前記1つ以上の延長レッグのうちの1つの延長レッグの近位部分上にある、1つ以上の延長レッグコネクタと
を含むRICCと、
イントロデューサニードルであって、
ニードルシャフトであって、該ニードルシャフトの近位部分から前記ニードルシャフトの遠位部分のニードル先端部まで長手方向に延びるニードルスロットを含むニードルシャフトと、
前記ニードルシャフトを覆うシースであって、前記シースは、該シースの近位部分にシース開口部を含む、シースと、
前記ニードルシャフトの前記近位部分及び前記シースの前記近位部分を覆うニードルハブと
を含むイントロデューサニードルと、
前記RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態において前記RICCと前記イントロデューサニードルとを互いに連結するカプラであって、
ニードルハブレセプタクルを含むカプラハウジングであって、前記ニードルハブは前記ニードルハブレセプタクルに挿入されている、カプラハウジングと、
前記カプラハウジング内に配置されたバルブモジュールであって、前記ニードルシャフト及び前記シースが、前記ニードルハブから前記バルブモジュールを通って前記カプラハウジングの遠位端から外へ延びる、バルブモジュールと、
前記カプラハウジングに旋回可能に連結された旋回アームであって、前記1つ以上の延長レッグコネクタのうちの1つの延長レッグコネクタに接続された旋回アームコネクタを含む旋回アームと
を含むカプラと、
アクセスガイドワイヤであって、
前記旋回アームコネクタに連結された近位端部と、
前記RICCの一次管腔に沿って延びる近位部分と、
前記RICCの前記一次管腔に沿って延びる遠位部分であって、前記RICCの遠位端から出て、前記ニードルハブ上の前記バルブモジュール内へ入り、前記シース開口部と前記ニードルスロットの両方を通って前記ニードルシャフト内へ入り、前記イントロデューサニードルのニードル管腔に沿って延びる遠位部分と、
前記ニードル管腔内で前記ニードル先端部のすぐ近位に配置される遠位端と
を含むアクセスガイドワイヤと
を備えるRICC挿入アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のRICC挿入アセンブリは、前記RICC挿入アセンブリの前記展開準備完了状態において前記イントロデューサニードルに流体接続されたシリンジを更に含み、前記シースは、前記バルブモジュールの外側で前記シースの下にある前記ニードルシャフトの前記ニードルスロットを封止し、前記バルブモジュールは、前記シースの前記シース開口部を内部に封止し、前記バルブモジュールは、前記シリンジが血液を吸引することを可能にすべく前記アクセスガイドワイヤの周囲を封止する、RICC挿入アセンブリ。
【請求項8】
前記旋回アームコネクタに連結された前記アクセスガイドワイヤの前記近位端部と前記ニードル管腔内に配置された前記アクセスガイドワイヤの前記遠位端とは、前記アクセスガイドワイヤ内にループを形成し、該ループ上に前記RICCが前記RICC挿入アセンブリの前記展開準備完了状態で配置される、請求項6又は7に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項9】
前記旋回アームは、前記RICC挿入アセンブリを用いて左利きと右利きの両方による静脈穿刺に対応するために、前記RICC挿入アセンブリの左側と前記RICC挿入アセンブリの右側との間でループを反転させるように構成されている、請求項8に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項10】
前記カプラは前記ニードルハブレセプタクルの前記ニードルハブをロックするように構成されたニードルハブロックと、前記カプラの両側面の間に割り当てられた、前記ニードルハブロックの一対のロックボタンであって、前記カプラから前記イントロデューサニードルを引き抜くために前記ロックボタンが前記カプラに押し込まれたときに、前記ニードルハブをロック解除するように構成された、一対のロックボタンとを含む、請求項6乃至9のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項11】
前記バルブモジュールは、前記シース開口部の遠位端の下の前記ニードルスロット内に配置された一体型のブレードを含み、前記ブレードは、前記イントロデューサニードルが前記カプラから引き抜かれるときに、前記シースを前記ニードルシャフトから切り離すように構成された遠位向きのブレード縁部を含み、切り離しによって前記アクセスガイドワイヤが前記ニードルシャフトの前記ニードルスロットを経由して前記ニードルシャフトから出ることが可能となる、請求項6乃至10のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項12】
前記カプラハウジングは、前記イントロデューサニードルが前記カプラから引き抜かれるときに、前記アクセスガイドワイヤが前記カプラハウジングから出ることを可能にするように構成された、長手方向に延びるカプラハウジングスロットを含む、請求項6乃至11のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項13】
前記バルブモジュールは、前記ニードルシャフト及び前記シースの周りに設けられた分離可能な部品を含み、該分離可能な部品は、前記イントロデューサニードルが前記カプラから引き抜かれるときに分離し、前記アクセスガイドワイヤが前記バルブモジュールから出ることを可能にするように構成されている、請求項6乃至12のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項14】
請求項6乃至13のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリであって、前記カテーテルチューブは、
第1のデュロメータ硬さを有する第1のポリマー材料で形成された第1のセクションであって、前記カテーテルチューブの遠位部分に位置する第1のセクションと、
前記第1のデュロメータ硬さより低い第2のデュロメータ硬さを有する第2のポリマー材料で形成された第2のセクションであって、前記カテーテルチューブの前記遠位部分において前記第1のセクションの近位側に位置する第2のセクションと、
前記カテーテルチューブの前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間のテーパ状の接合部と
を含み、前記接合部は、前記カテーテルチューブの第1のセクションの露出部分の長さと第2のセクションの露出部分の長さとの間の長さを有する、RICC挿入アセンブリ。
【請求項15】
前記カテーテルチューブの前記第1のセクションの近位部分は、前記接合部の遠位部分の穴内に配置され、前記穴に接着されている、請求項14に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項16】
前記カテーテルチューブの前記第2のセクションの遠位端は、前記接合部の近位端と同一平面上にあり、前記近位端に接着されている、請求項14又は15に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項17】
前記カテーテルチューブは、別個の拡張器を用いて穿刺経路の周囲の組織又は血管系のいかなる血管も予め拡張することなく、前記イントロデューサニードルで経皮的穿刺によって確立された前記穿刺経路に挿入されて、患者の前記血管系を通じて前進させる場合に、前記カテーテルチューブの座屈を防止するのに十分なカラム強度を有する、請求項14乃至16のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項18】
前記RICCは、3つの管腔のセットを含み、該3つの管腔のセットは、3つのカテーテルチューブ管腔、3つのカテーテルハブ管腔、及び3つの延長レッグ管腔の流体接続された部分から形成される、一次管腔、二次管腔、及び三次管腔を含む、請求項14乃至17のいずれか一項に記載のRICC挿入アセンブリ。
【請求項19】
前記一次管腔は、前記カテーテルチューブの遠位端に一次管腔開口を有し、前記二次管腔は、前記カテーテルチューブの前記遠位部分の側面に二次管腔開口を有し、前記三次管腔は、前記二次管腔開口の近位側の前記カテーテルチューブの前記遠位部分の側面に三次管腔開口を有する、請求項18に記載のRICC挿入アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
中心静脈カテーテル(CVC:central venous catheter)は一般にセルジンガー法によって患者の体内へと導入され、患者の脈管構造内で前進させられる。セルジンガー法では、多くのステップと医療機器(例えば、針、外科用メス、ガイドワイヤ、イントロデューサシース、ディレータ、CVC等)が利用される。セルジンガー法は有効ではあるものの、多くのステップには時間がかかり、多数の医療機器を扱うことは煩雑であり、これらは何れも患者に外傷を負わせる可能性がある。それに加えて、セルジンガー法を実施中に交換が必要な医療機器が多いことから、接触による汚染の可能性が比較的高い。そのため、CVCのようなカテーテルを患者の体内へと導入し、カテーテルをその脈管構造内で前進させることに関わるステップと医療機器の数を減らす必要がある。
【0002】
本明細書では、上記に対処する迅速挿入型中心静脈カテーテル(RICC:rapidly insertable central catheter)挿入アセンブリ及び方法が開示される。
【0003】
本明細書では、いくつかの実施形態では、RICCと、RICC内に配置されたアクセスガイドワイヤと、イントロデューサニードルと、RICC及びイントロデューサニードルを互いに連結するカプラとを含む、RICC挿入アセンブリが開示される。イントロデューサニードルは、ニードルシャフト及びニードルシャフトを覆うシースを含む。ニードルシャフトは、ニードルシャフトの近位部分から遠位ニードル先端部まで長手方向に延びるニードルスロットを含む。シースは、シースの近位部分のシース開口部の下のニードルスロットの一部分を除いて、シースの下にあるニードルスロットを封止する。カプラは、カプラハウジングと、カプラハウジング内に配置されたバルブモジュールとを含む。バルブモジュールは、ニードルシャフトの近位部分及びシースをその中に封止する。アクセスガイドワイヤは、カプラの旋回アームに連結された近位端と、イントロデューサニードル内に配置された遠位端とを含む。アクセスガイドワイヤの近位端及び遠位端は、アクセスガイドワイヤにループを形成する。RICCは、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態において、アクセスガイドワイヤのループ上に配置される。
【0004】
いくつかの実施形態では、RICC挿入アセンブリは、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態においてイントロデューサニードルに流体接続されたシリンジを更に含む。シースは、バルブモジュールの外側でシースの下にあるニードルシャフトのニードルスロットを封止する。バルブモジュールは、シースのシース開口部をその中に封止する。加えて、バルブモジュールは、アクセスガイドワイヤの周囲を封止し、シリンジが血液を吸引することを可能にする。
【0005】
いくつかの実施形態では、バルブモジュールは、シース開口部の遠位端の下のニードルスロット内に配置された一体型のブレードを含む。ブレードは、イントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに、シースをニードルシャフトから切り離すように構成された遠位向きのブレード縁部を含む。シースをニードルシャフトから切り離すことは、アクセスガイドワイヤがニードルシャフトのニードルスロットを経由して、ニードルシャフトから出ることを可能にする。
【0006】
いくつかの実施形態では、カプラハウジングは、イントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤがカプラハウジングから出ることを可能にするように構成された、長手方向に延びるカプラハウジングスロットを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、バルブモジュールは、ニードルシャフト及びシースの周囲に分離可能な部品を含む。分離可能な部品は、イントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに分離し、アクセスガイドワイヤがバルブモジュールから出ることを可能にするように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、RICCと、RICC内に配置されたアクセスガイドワイヤと、イントロデューサニードルと、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態においてRICCとイントロデューサニードルとを互いに連結するカプラとを含むRICC挿入アセンブリもまた本明細書で開示される。RICCは、カテーテルチューブと、カテーテルハブと、1つ以上の延長レッグと、1つ以上の延長レッグコネクタとを含む。カテーテルハブは、カテーテルチューブの近位部分に連結される。1つ以上の延長レッグの各延長レッグが、その遠位部分によってカテーテルハブに連結される。1つ以上の延長レッグコネクタの各延長レッグコネクタは、1つ以上の延長レッグのうちの1つの延長レッグの近位部分上にある。イントロデューサニードルは、ニードルシャフトと、ニードルシャフトを覆うシースと、ニードルシャフトの近位部分及びシースの近位部分を覆うニードルハブとを含む。ニードルシャフトは、ニードルシャフトの近位部分からニードルシャフトの遠位部分のニードル先端部まで長手方向に延びるニードルスロットを含む。シースは、シースの近位部分にシース開口部を含む。カプラは、カプラハウジングと、カプラハウジング内に配置されたバルブモジュールと、カプラハウジングに旋回可能に連結された旋回アームとを含む。カプラハウジングは、ニードルハブレセプタクルを含み、ニードルハブはニードルハブレセプタクルに挿入されている。ニードルシャフト及びシースは、ニードルハブから、バルブモジュールを通って、カプラハウジングの遠位端から外へ延びる。旋回アームは、1つ以上の延長レッグコネクタのうちの1つの延長レッグコネクタに接続された旋回アームコネクタを含む。アクセスガイドワイヤは、近位端を含む近位部分と、遠位端を含む遠位部分とを含む。アクセスガイドワイヤの近位端は、旋回アームコネクタに連結される。アクセスガイドワイヤの近位部分は、RICCの一次管腔に沿って延びる。アクセスガイドワイヤの遠位部分は、RICCの一次管腔に沿って、RICCの遠位端から出て、ニードルハブ上のバルブモジュール内へ入り、シース開口部とニードルスロットの両方を通ってニードルシャフト内へ入り、かつイントロデューサニードルのニードル管腔に沿って延びる。アクセスガイドワイヤの遠位端は、ニードル管腔内でニードル先端部のすぐ近位に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、RICC挿入アセンブリは、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態においてイントロデューサニードルに流体接続されたシリンジを更に含む。シースは、バルブモジュールの外側でシースの下にあるニードルシャフトのニードルスロットを封止する。バルブモジュールは、シースのシース開口部をその中に封止する。そして、バルブモジュールは、アクセスガイドワイヤの周囲を封止し、シリンジが血液を吸引することを可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態では、アクセスガイドワイヤの近位端は、旋回アームコネクタに連結され、アクセスガイドワイヤの遠位端は、ニードル管腔内に配置され、それによって、アクセスガイドワイヤ内にループを形成する。RICCは、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態において、アクセスガイドワイヤのループ上に配置される。
【0011】
いくつかの実施形態では、旋回アームは、RICC挿入アセンブリを用いて左利きと右利きの両方による静脈穿刺に対応するために、RICC挿入アセンブリの左側とRICC挿入アセンブリの右側との間でループを反転させるように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、カプラは、ニードルハブレセプタクルにニードルハブをロックするように構成されたニードルハブロックを含む。ニードルハブロックの一対のロックボタンは、カプラの両側面の間に割り当てられる。ロックボタンは、カプラからイントロデューサニードルを引き抜くためにロックボタンがカプラに押し込まれたときに、ニードルハブをロック解除するように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、バルブモジュールは、シース開口部の遠位端の下のニードルスロット内に配置された一体型のブレードを含む。ブレードは、イントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに、シースをニードルシャフトから切り離すように構成された遠位向きのブレード縁部を含む。シースをニードルシャフトから切り離すことは、アクセスガイドワイヤがニードルシャフトのニードルスロットを経由して、ニードルシャフトから出ることを可能にする。
【0014】
いくつかの実施形態では、カプラハウジングは、イントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤがカプラハウジングから出ることを可能にするように構成された、長手方向に延びるカプラハウジングスロットを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、バルブモジュールは、ニードルシャフト及びシースの周囲に分離可能な部品を含む。分離可能な部品は、イントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに分離し、アクセスガイドワイヤがバルブモジュールから出ることを可能にするように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、カテーテルチューブは、カテーテルチューブの遠位部分の第1のセクションと、カテーテルチューブの第1のセクションの近位のカテーテルチューブの遠位部分の第2のセクションと、カテーテルチューブの第1のセクションと第2のセクションとの間のテーパ状接合部とを含む。第1のセクションは、第1のデュロメータ硬さを有する第1のポリマー材料から形成される。第2のセクションは、第1のデュロメータよりも小さい第2のデュロメータ硬さを有する第2のポリマー材料から形成される。接合部は、カテーテルチューブの第1のセクションの露出部分の長さと第2のセクションの露出部分の長さとの間の長さを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、カテーテルチューブの第1のセクションの近位部分は、接合部の遠位部分の穴内に配置され、その穴に接着されている。
いくつかの実施形態では、カテーテルチューブの第2のセクションの遠位端は、接合部の近位端と同一平面上にあり、その近位端に接着されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルチューブは、イントロデューサニードルで経皮的穿刺によって確立された穿刺経路に挿入されたときに、カテーテルチューブの座屈を防止するのに十分なカラム強度を有する。また、カラム強度は、別個の拡張器を用いて穿刺経路周囲の組織又は血管系のいかなる血管も予め拡張することなく、患者の血管系を通してカテーテルチューブを前進させるときに、カテーテルチューブの座屈を防止するのにも十分である。
【0019】
いくつかの実施形態では、RICCは、3つの管腔のセットを含み、該3つの管腔のセットは、3つのカテーテルチューブ管腔、3つのカテーテルハブ管腔、及び3つの延長レッグ管腔の流体接続された部分から形成された、一次管腔、二次管腔、及び三次管腔を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、一次管腔は、カテーテルチューブの遠位端に一次管腔開口を有し、二次管腔は、カテーテルチューブの遠位部分の側面に二次管腔開口を有し、三次管腔は、二次管腔開口の近位のカテーテルチューブの遠位部分の側面に三次管腔開口を有する。
【0021】
また、本明細書では、RICCを患者の血管内腔に挿入するための方法が開示される。本方法は、いくつかの実施形態では、挿入アセンブリを取得ステップ、穿刺経路確立ステップ、アクセスガイドワイヤ前進ステップ、イントロデューサシース引き抜きステップ、及びRICC前進ステップを含む。挿入アセンブリ取得ステップは、RICC挿入アセンブリを取得することを含む。RICC挿入アセンブリは、カプラによって互いに連結された、RICCと、ニードルシャフトを覆うシースを含むイントロデューサニードルと、アクセスガイドワイヤとを含む。アクセスガイドワイヤの近位端は、カプラの旋回アームに連結され、アクセスガイドワイヤの遠位端は、カプラのバルブモジュールを経由してイントロデューサニードル内に配置される。アクセスガイドワイヤの近位端及び遠位端は、結果として、アクセスガイドワイヤにループを形成する。RICCは、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態において、アクセスガイドワイヤのループ上に配置される。穿刺経路確立ステップは、イントロデューサニードルを用いて皮膚の領域から血管内腔への穿刺経路を確立することを含む。アクセスガイドワイヤ前進ステップは、アクセスガイドワイヤの遠位端を、ニードルシャフト内でニードルシャフトのニードル先端部のすぐ近位のその初期位置から血管内腔内へ前進させることを含む。イントロデューサニードル引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤを血管内腔内の定位置に残したままで、イントロデューサニードルをカプラから引き抜くことを含む。イントロデューサニードルは、ニードルシャフトの近位部分からニードル先端部まで長手方向に延びるニードルスロットを含み、これにより、イントロデューサニードル引き抜きステップを用いて、アクセスガイドワイヤがイントロデューサニードルから出ることが可能になる。RICC前進ステップは、RICCのカテーテルチューブをアクセスガイドワイヤ上で血管内腔内へ前進させることによって、RICCを血管内腔へ挿入することを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、穿刺経路確立ステップは、RICC挿入アセンブリを用いた、左利きによる静脈穿刺のためのRICC挿入アセンブリの左側と右利きによる静脈穿刺のためのRICC挿入アセンブリの右側との間で、旋回アーム、したがって、ループを反転させることを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、穿刺経路確立ステップは、血液が、イントロデューサニードルのニードルハブ、イントロデューサニードルに流体接続されたシリンジのシリンジ先端部、シリンジのバレル、又はそれらの組み合わせ内に逆流することを確実にすることを含む。前述に従って血液が逆流することを確実にすることにより、穿刺経路が血管内腔内に延びていることが確認される。
【0024】
いくつかの実施形態では、穿刺経路確立ステップは、穿刺経路を確立する際に血液が少なくともイントロデューサニードルのニードルハブ内に逆流するように、穿刺経路を確立する間にシリンジを用いてわずかな真空を引くことを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、血液吸引ステップを更に含む。血液吸引ステップは、イントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードルをカプラから引き抜く前に、穿刺経路が血管内腔内に延びていることを確認するために、シリンジを用いて血液を吸引することを含む。ニードルシャフトを覆うシースは、血液吸引ステップのために、シースの下にあるニードルスロットを封止する。
【0026】
いくつかの実施形態では、バルブモジュールは、アクセスガイドワイヤの遠位部分並びにシースのシース開口部の周囲で封止される。シース開口部は、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態において、アクセスガイドワイヤがニードルスロットを経由してニードルシャフト内へ通過することを可能にする。
【0027】
いくつかの実施形態では、イントロデューサニードル引き抜きステップは、イントロデューサニードルがカプラから引き抜かれる間に、バルブモジュールに一体化されたブレードを用いて、ニードルシャフトからシースを同時に切り離すことを含む。ニードルシャフトからシースを切り離すことにより、アクセスガイドワイヤがニードルシャフトのニードルスロットを経由してニードルシャフトから出ることが可能になる。
【0028】
いくつかの実施形態では、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態におけるニードルシャフト及びシースの周囲のバルブモジュールの分離可能な部品は、イントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤがバルブモジュールから出ることを可能にするように分離する。
【0029】
いくつかの実施形態では、カプラハウジングは、イントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードルがカプラから引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤがカプラハウジングから出ることを可能にする長手方向に延びるカプラハウジングスロットを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法は、アクセスガイドワイヤ引き抜きステップを更に含む。アクセスガイドワイヤ引き抜きステップは、カテーテルチューブを血管内腔内に残したままで、アクセスガイドワイヤを引き抜くことを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、操縦ガイドワイヤ前進ステップと、別のRICC前進ステップと、操縦ガイドワイヤ引き抜きステップとを更に含む。操縦ガイドワイヤ前進ステップは、RICCの一次管腔を経由して血管内腔内へ操縦ガイドワイヤを前進させることを含む。他のRICC前進ステップは、カテーテルチューブの遠位部分を、操縦ガイドワイヤ上で患者の心臓の上大静脈(SVC:superior vena cava)の下部1/3まで血管内腔内に更に前進させることを含む。操縦ガイドワイヤ引き抜きステップは、SVCの下部1/3にカテーテルチューブを残したままで、操縦ガイドワイヤを引き抜くことを含む。
【0032】
本明細書で提供される構想の、これらの特徴及び他の特徴は、そのような構想の特定の実施形態をより詳細に説明する、添付図面及び以下の説明を考慮することで、当業者にとってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリの上面図を示す。
【
図2】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリの斜視図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリの底面図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリのカプラの切り欠き図を示す。
【
図5】いくつかの実施形態による、カプラの別の切り欠き図を示す。
【
図6】いくつかの実施形態による、カプラの更に別の切り欠き図を示す。
【
図7】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリのカプラ及びイントロデューサニードルの長手方向の断面を示す。
【
図8】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリのカプラ、イントロデューサニードル、及びアクセスガイドワイヤの長手方向の断面を示す。
【
図9】いくつかの実施形態による、イントロデューサニードルの上面図を示す。
【
図10】いくつかの実施形態による、イントロデューサニードルのシースを示す。
【
図11】いくつかの実施形態による、イントロデューサニードルのニードルシャフトを示す。
【
図12】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリのRICCを示す。
【
図13】いくつかの実施形態による、RICCのカテーテルチューブの遠位部分の詳細図を示す。
【
図14】いくつかの実施形態による、カテーテルチューブの遠位部分の横断面を示す。
【
図15】いくつかの実施形態による、カテーテルチューブの遠位部分の別の横断面を示す。
【
図16】いくつかの実施形態による、カテーテルチューブの遠位部分の長手方向の断面を示す。
【
図17】いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリの使用方法の穿刺経路確立ステップの図を示す。
【
図18】いくつかの実施形態による、本方法の血液吸引ステップを示す。
【
図19】いくつかの実施形態による、本方法のアクセスガイドワイヤ前進ステップを示す。
【
図20】いくつかの実施形態による、本方法のイントロデューサニードル引き抜きステップを示す。
【
図21】いくつかの実施形態による、本方法のRICC前進ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他の多数の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、または置換することができる特徴を有することができることも理解されたい。
【0035】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、複数の特徴または複数の工程のグループ内の異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、連続的な限定または数値制限を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。加えて、前述の特徴またはステップのいずれかは、明記されていない限り、1つまたは複数の特徴もしくはステップをさらに含むことができる。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」、などのラベルは、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表記は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、および「前記」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0036】
「近位」に関しては、例えばカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0037】
「遠位」に関しては、例えば、カテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0038】
他に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
セルジンガー法に関して前述したように、多くのステップには時間がかかり、多数の医療機器を扱うことは煩雑であり、これらは何れも患者に外傷を負わせる可能性がある。それに加えて、セルジンガー法を実施中に交換が必要な医療機器が多いことから、接触による汚染の可能性が比較的高い。そのため、CVCのようなカテーテルを患者の体内へと導入し、カテーテルをその脈管構造内で前進させることに関わるステップと医療機器の数を減らす必要がある。
【0039】
本明細書では、前述の必要性に対処するRICC挿入アセンブリ及び方法が開示される。例えば、RICC挿入アセンブリは、RICCと、アクセスガイドワイヤと、イントロデューサニードルと、前述の構成要素を互いに連結するカプラとを含むことができる。イントロデューサニードルは、ニードルシャフト及びシースを含むことができる。ニードルシャフトは、長手方向に延びるニードルスロットを含むことができる。シースは、シースの近位部分におけるシース開口部を除いて、シースの下にあるニードルスロットを封止することができる。カプラは、カプラハウジングと、カプラハウジング内に配置されたバルブモジュールとを含むことができる。バルブモジュールは、ニードルシャフト及びシースをその中に封止することができる。アクセスガイドワイヤは、カプラに連結された近位端と、ニードルシャフト内に配置された遠位端とを含むことができ、それによってアクセスガイドワイヤにループを形成する。RICCは、RICC挿入アセンブリの展開準備完了状態においてループ上に配置され得る。
【0040】
前述の特徴並びにRICC挿入アセンブリの他の特徴及び本明細書で提供される方法は、RICC挿入アセンブリ及び方法の特定の実施形態をより詳細に説明する添付の図面及び以下の説明を考慮すれば、当業者にはより明らかになるであろう。しかしながら、RICC挿入アセンブリのRICCは、本明細書で提供されるRICC挿入アセンブリのRICCのようなカテーテル挿入アセンブリに組み込まれ得るカテーテルの1つのタイプにすぎないことを理解されたい。実際、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC:peripherally inserted central catheters)、透析カテーテルなどもまた、カテーテル挿入アセンブリ及び方法に組み込まれ得る。
【0041】
RICC挿入アセンブリ
図1~
図3は、いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリ100の様々な図を示す。
【0042】
示されるように、RICC挿入アセンブリ100は、RICC102と、イントロデューサニードル104と、アクセスガイドワイヤ106と、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態においてRICC102、イントロデューサニードル104、及びアクセスガイドワイヤ106を互いに連結するカプラ108とを含む。特に、アクセスガイドワイヤ106の近位端は、カプラ108に連結され、アクセスガイドワイヤ106の遠位端は、以下に説明するように、イントロデューサニードル104のニードル管腔158内に配置される。このことがアクセスガイドワイヤ106にループを形成し、そのループ上にRICC102がRICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態で配置され、RICC挿入アセンブリ100を比較的コンパクトな形態に保つ。
【0043】
RICC挿入アセンブリ100は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、イントロデューサニードル104に流体接続されたシリンジ110を更に含むことができる。以下に説明するように、シース142は、ニードルシャフト140のニードルスロット148を封止する。特に、シース142は、バルブモジュール180の外側でニードルスロット148を封止する。次に、バルブモジュール180は、次に、ニードルスロット148に対して開くシース142のシース開口部162を覆って封止する。バルブモジュール180はまた、アクセスガイドワイヤ106の周囲を封止する。このような封止により、シリンジ110が、後述する方法の血液吸引ステップに従って血液を吸引することが可能になる。
【0044】
図12は、いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリ100のRICC102を示す。
示されるように、RICC102は、カテーテルチューブ112と、カテーテルハブ114と、1つ以上の延長レッグ116と、1つ以上の延長レッグコネクタ118とを含む。
【0045】
図13~
図16は、いくつかの実施形態による、RICC102のカテーテルチューブ112の様々な図を示す。
カテーテルチューブ112は、カテーテルチューブ112の遠位部分の第1のセクション120と、第1のセクション120の近位のカテーテルチューブ112の遠位部分の第2のセクション122と、カテーテルチューブ112の第1のセクション120と第2のセクション122との間のテーパ状接合部124とを含む。
【0046】
カテーテルチューブ112の第1のセクション120は、接合部124の遠位にある第1のセクション120の遠位部分の外径から第1のセクション120の遠位端の外径まで、比較的短いテーパを有するカテーテル先端部126を含む。カテーテル先端部126のテーパは、イントロデューサニードル104で確立された穿刺経路の周囲にある組織を、カテーテルチューブ112の第1のセクション120の遠位部分の外径まで、即時に拡張するように構成されている。
図16に最もよく示されるように、カテーテルチューブ112の第1のセクション120はまた、接合部124の遠位部分の穴内に配置され、かつ、溶剤結合、接着剤結合、又は熱溶接などによってその穴に固定的に結合された近位部分を含む。
【0047】
カテーテルチューブ112の第2のセクション122は、第2のセクション122の遠位端から第2のセクション122の近位端まで、その長さにわたって一定の外径を含む。カテーテルチューブ112の第2のセクション122の一定の直径は、カテーテルチューブ112の第1のセクション120及び接合部124による任意の拡張後の、穿刺経路及び標的血管系内への円滑な挿入のために構成されている。カテーテルチューブ112の第2のセクション122の遠位端は、接合部124の平坦面近位端と同一平面上にあり、溶剤結合、接着剤結合、又は熱溶接などによってその近位端に固定的に連結された平坦面を有する。
【0048】
接合部124は、接合部124の近位端から接合部124の遠位端まで、その長さにわたってテーパを含む。接合部124のテーパは、穿刺経路の周囲にある組織を、カテーテルチューブ112の第1のセクション120の近位部分における外径からカテーテルチューブ112の第2のセクション122の外径まで、即時に拡張するように構成されている。接合部124の反管腔側表面は、カテーテルチューブ112が穿刺経路に挿入されるときに皮膚に引っ掛かる縁部を生じることなく、カテーテルチューブ112の第1のセクション120の反管腔側表面からカテーテルチューブ112の第2のセクション122の反管腔側表面へ滑らかに移行する。縁部が最小限ないし無視できる程度であることに加えて、縁部は、カテーテルチューブ112を形成するポリマー材料のうちの溶媒相互拡散ポリマー材料を含むことができ、これにより、カテーテルチューブ112の第1のセクション120から接合部124への移行、及び接合部124からカテーテルチューブ112の第2のセクション122への移行が滑らかになる。特に、接合部124は、カテーテルチューブ112の第1のセクション120の露出部分の長さにほぼ相当する長さ、又はカテーテルチューブ112の第1のセクション120の露出部分の長さと第2のセクション122の露出部分の長さとの間の長さを有する。このように、カテーテルチューブ112の第1のセクション120の露出部分の長さは、接合部124の長さよりも短く、最大で接合部124の長さにほぼ相当する。
【0049】
カテーテルチューブ112の第1のセクション120は、第1のデュロメータ硬さを有する第1のポリマー材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、又はポリウレタン)から形成される。カテーテルチューブ112の第2のセクション122は、第1のデュロメータ硬さよりも小さい第2のデュロメータ硬さを有する第2のポリマー材料(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、別のポリウレタン、又はシリコーン)から形成される。例えば、カテーテルチューブ112の第1のセクション120は、第1のデュロメータ硬さを有する第1のポリウレタンから形成することができ、カテーテルチューブ112の第2のセクション122は、第1のデュロメータ硬さよりも小さい第2のデュロメータ硬さを有する第2の異なるポリウレタン(例えば、同じ又は異なるジイソシアネート若しくはトリイソシアネートが、異なるジオール又はトリオールと反応したもの、異なるジイソシアネート又はトリイソシアネートが、同じ又は異なるジオール若しくはトリオールと反応したもの、異なるジイソシアネート又はトリイソシアネートが、異なる条件下で又は異なる添加剤を用いて、同じジオール又はトリオールと反応したものなど)から形成され得る。実際、ポリウレタンは、室温では相対的に剛性であり得るが、生体内では体温でより可撓性になり得、これにより血管壁への刺激並びに静脈炎が低減されるという点で、カテーテルチューブ112に好都合である。また、ポリウレタンは、いくつかの他のポリマーよりも血栓形成性が低くなり得るという点でも好都合である。接合部124は、第1のデュロメータ硬さよりも小さく、かつ第2のデュロメータ硬さに比べて、大きいか、ほぼ等しいか、又は小さい第3のデュロメータ硬さを有する第2のポリマー材料又は第3のポリマー材料(例えば、更に別のポリウレタン)から形成される。
【0050】
第1のポリマー材料の第1のデュロメータ硬さ、第2のポリマー材料の第2のデュロメータ硬さ、及び第3のポリマー材料の第3のデュロメータ硬さは、異なるスケールによるもの(例えば、タイプA又はタイプD)であってもよいことを理解されたい。この理解により、第2のポリマー材料の第2のデュロメータ硬さ又は第3のポリマー材料の第3のデュロメータ硬さは、第2のデュロメータ硬さ又は第3のデュロメータ硬さが第1のデュロメータ硬さよりも小さい場合に、絶対値的には、第1のポリマー材料の第1のデュロメータ硬さよりも小さくない可能性がある。実際に、第2のポリマー材料又は第3のポリマー材料の硬度は、やはり第1のポリマー材料の硬度よりも低い場合がある。それぞれ0~100の範囲である異なるスケールが、同様の硬度を有する材料の群における別々の材料を特徴付けるように設計されているためである。
【0051】
上述したカテーテルチューブ112の第1のセクション120、カテーテルチューブ112の第2のセクション122、及びカテーテルチューブ112の第1のセクション120と第2のセクション122との間の接合部124によれば、カテーテルチューブ112は、イントロデューサニードル104で確立された穿刺経路内に挿入されたときに、カテーテルチューブ112の座屈を防止するのに十分なカラム強度を有する。また、カテーテルチューブ112のカラム強度は、別個の拡張器を用いて穿刺経路周囲の組織又は血管系のいかなる血管も予め拡張することなく、患者の血管系を通してカテーテルチューブ112を前進させるときに、カテーテルチューブ112の座屈を防止するのにも十分である。
【0052】
カテーテルチューブ112は、カテーテルチューブ112を通って延びる1つ以上のカテーテルチューブ管腔を含む。しかしながら、通常、多管腔RICC(例えば、二管腔RICC、三管腔RICC、四管腔RICC、五管腔RICC、六管腔RICCなど)において、カテーテルチューブ112の近位端からカテーテルチューブ112の遠位端まで延びるカテーテルチューブ管腔は1つだけである。(
図13~
図16を参照。)実際、カテーテルチューブ112の第1のセクション120は、
図14及び
図16に示されるように、通常、そこを通る単一の管腔を含む。
【0053】
カテーテルハブ114は、カテーテルチューブ112の近位部分に連結される。カテーテルハブ114は、1つ以上のカテーテルチューブ管腔に数が対応する1つ以上のカテーテルハブ管腔を含む。1つ以上のカテーテルハブ管腔は、カテーテルハブ114の近位端からカテーテルハブ114の遠位端までカテーテルハブ114の全体を通って延びる。
【0054】
1つ以上の延長レッグ116の各延長レッグが、その遠位部分によってカテーテルハブ114に連結される。1つ以上の延長レッグ116はそれぞれ、1つ以上の延長レッグ管腔を含み、ひいては、この延長レッグ管腔の数は、1つ以上のカテーテルハブ管腔の数に対応する。1つ以上の延長レッグ管腔の各延長レッグ管腔は、延長レッグの近位端から延長レッグの遠位端まで延長レッグ全体を通って延びる。
【0055】
1つ以上の延長レッグコネクタ118の各延長レッグコネクタは、1つ以上の延長レッグ116のうちの1つの延長レッグの近位部分上にある。例えば、1つ以上の延長レッグコネクタ118の各延長レッグコネクタは、1つ以上の延長レッグ116のうちの1つの延長レッグの近位部分上のルアーコネクタであり得る。そのような延長レッグコネクタを通して、対応する延長レッグ及びその延長レッグ管腔は、別の医療デバイス及びその管腔に接続されることができる。しかしながら、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態では、少なくとも1つの延長レッグコネクタ(例えば、RICC102の一次管腔128の一部を含む延長レッグコネクタ)が、カプラ108の旋回アーム182の旋回アームコネクタ194に接続されて、アクセスガイドワイヤ106及びその上のRICC102にループを形成する。
【0056】
示されるように、RICC102は、3つの管腔セットを含む三管腔RICCである。しかしながら、RICC102は、上述の3つの管腔のセットに限定されない。3つの管腔のセットは、3つのカテーテルチューブ管腔、3つのカテーテルハブ管腔、及び3つの延長レッグ管腔の流体接続された部分から形成される、一次管腔128、二次管腔130、及び三次管腔132を含む。一次管腔128は、カテーテルチューブ112の第1のセクション120の遠位端に一次管腔開口134を有し、一次管腔開口134は、カテーテルチューブ112の遠位端及びRICC102の遠位端に対応する。二次管腔130は、カテーテルチューブ112の遠位部分の側面に二次管腔開口136を有する。三次管腔132は、二次管腔開口136の近位のカテーテルチューブ112の遠位部分の側面に三次管腔開口138を有する。
【0057】
図7~
図11は、いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリ100の、イントロデューサニードル104の様々な図を示す。
示されるように、イントロデューサニードル104は、ニードルシャフト140と、ニードルシャフト140を覆うシース142と、ニードルシャフト140の近位部分とシース142の近位部分の両方を覆うニードルハブ144とを含む。少なくともRICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、ニードルシャフト140及びシース142は、ニードルハブ144から、バルブモジュール180を通って、カプラハウジング178の遠位端から外へ延びる。
【0058】
ニードルシャフト140は、ニードルシャフト140の遠位部分のニードル先端部146と、ニードル先端部146までニードルシャフト140の近位部分から長手方向に延びるニードルスロット148とを含む。
【0059】
ニードル先端部146は、先端部ベベル152と、先端部ベベル152の近位にある一次ベベル154とを有するベベルを含む。先端部ベベル152の先端部ベベル角度は、ベベルがニードル先端部146にわたって滑らかな移行を提供するように、一次ベベル154の一次ベベル角度よりも大きい。したがって、そのようなニードル先端部は、後述する方法の穿刺経路確立ステップに従って、皮膚の領域から患者の血管内腔内までの穿刺経路を確立するように構成されている。
【0060】
ニードルスロット148は、ニードルシャフト140の近位部分からニードル先端部146まで延び、それによってニードルシャフト140を通るニードル管腔とは対照的に、ニードルシャフト140の長さの大部分に沿ってニードルチャネル156を形成する。ニードルスロット148は、アクセスガイドワイヤ106の外径に従って寸法決めされた幅を有し、これにより、後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップが実行されるときに、アクセスガイドワイヤ106が、ニードルシャフト140の近位部分からニードル先端部146まで通過することが可能になる。
【0061】
ニードルシャフト140は、前述のニードルスロット148を含むが、イントロデューサニードル104は、ニードル管腔158を含むことを理解されたい。しかしながら、ニードル管腔158は、ニードルシャフト140とニードルシャフト140を覆うシース142との組み合わせでもたらされる。実際、ニードルシャフト140を覆うシース142は、シースの下にあるニードルスロット148を封止して、イントロデューサニードル104のニードル管腔158を形成し、シリンジ110が後述する方法の血液吸引ステップに従って血液を吸引することを可能にする。
【0062】
シース142は、シース142の遠位部分のシース先端部160と、シース142の近位部分の側面にシース開口部162とを含む。
シース先端部160は、シース142の遠位部分の外径からシース142の遠位端の外径までの比較的短いテーパを含み、その後者は、ニードルシャフト140の遠位部分の外径に相当する。テーパは、ニードル先端部146の一次ベベル154の一次ベベル角度よりも小さいテーパ角度を有し、ひいては、このテーパ角度は、ニードル先端部146の先端部ベベル152の先端部ベベル角度よりも小さい。このようなテーパを含むシース先端部160は、後述する方法の穿刺経路確立ステップのために、ニードル先端部146からシース本体への滑らかな移行を提供するように構成されている。
【0063】
シース開口部162は、ニードルシャフト140のニードルスロット148に対して開いており、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、アクセスガイドワイヤ106がシース開口部162を通過してニードルスロット148に入ることを可能にする。従って、シース開口部162は、ニードルスロット148の幅にほぼ相当する幅を有し、ひいては、ニードルスロットは、アクセスガイドワイヤ106の直径に従って寸法決めされる。また、シース開口部162は、アクセスガイドワイヤ106がシース開口部162を通過してニードルスロット148に入るのに十分な長さを有し、またシース開口部162の遠位端の下にバルブモジュール180のブレード192を収容する。特に、ニードルシャフト140を覆うシース142は、シース開口部162の下を除いて、シースの下にあるニードルスロット148を封止する。しかしながら、バルブモジュール180は、その中のニードルシャフト140及びシース142の近位部分を封止することによって、シース開口部162によって露出されるニードルスロット148を覆って封止し、それにより、シリンジ110が、後述する方法の血液吸引ステップに従って血液を吸引することを可能にする。
【0064】
シース142又はそのシース本体は、後述する方法の穿刺経路確立ステップに従って、患者の皮膚の領域から血管内腔へのイントロデューサニードル104の滑らかで一貫した挿入を容易にするように構成されたポリマー材料から形成される。加えて、ポリマー材料は、後述する方法の血液吸引ステップが行われるときに、ニードルシャフト140のニードルスロット148内へのシース142の圧潰に耐えるのに十分なシース142の厚さにおける機械的特性を有し、特にまた後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップに従ってニードルシャフト140からシース142を切り離すことも容易にする。そのようなポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリテトラフルオロエチレンを含むことができるが、これらに限定されない。
【0065】
ニードルハブ144は、ニードルハブ144の遠位部分にアクセスガイドワイヤチャネル164と、ニードルハブ144の近位部分にニードルハブコネクタ166とを含むことができる。
【0066】
ニードルハブ144のアクセスガイドワイヤチャネル164は、アクセスガイドワイヤ106がニードルハブ144上を通過し、アクセスガイドワイヤ106をバルブモジュール180のアクセスガイドワイヤ導管190内に方向決めすることを可能にするように構成されている。アクセスガイドワイヤチャネル164は、少なくともRICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態においてアクセスガイドワイヤ106がアクセスガイドワイヤチャネル164内に位置するように開いている。有利には、開放アクセスガイドワイヤチャネル164は、後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップに従って、イントロデューサニードル104がRICC挿入アセンブリ100から引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤ106が定位置に留まることを可能にする。
【0067】
ニードルハブコネクタ166は、ニードルハブ穴168と、ニードルハブコネクタ166の周囲の任意選択のニードルハブフランジ170とを含む。
ニードルハブコネクタ166のニードルハブ穴168は、イントロデューサニードル104をシリンジ110に流体接続するために、シリンジ110のシリンジ先端部172をその中に受け入れるように構成されている。実際、ニードルハブ穴168は、その中にシリンジ先端部172を受け入れるように構成されたルアーテーパ(例えば、6%テーパ)を有することができ、シリンジ先端部172は、ルアーテーパを用いて相補的に構成され得る。
【0068】
ニードルハブコネクタ166のニードルハブフランジ170は、シリンジ110のシリンジ先端部172の周囲のねじ山付きカラー176のめねじ174と螺合するように構成されている。シリンジ110のねじ山付きカラー176は任意選択であるが、ニードルハブフランジ170は、有利には、両方が存在する場合、ねじ山付きカラー176のめねじ174とのいわゆるルアーロック式接続を提供する。これにより、イントロデューサニードル104とシリンジ110との不用意な分離に対する安全性が、別様のルアースリップ型の接続による安全性よりも高くなる。
【0069】
図4~
図8は、いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリ100のカプラ108の様々な図を示す。
示されるように、カプラ108は、カプラハウジング178と、カプラハウジング178内に配置されたバルブモジュール180と、カプラハウジング178に旋回可能に連結された旋回アーム182とを含む。
【0070】
カプラハウジング178は、RICC挿入アセンブリ100を用いて、左利きによる静脈穿刺には左手で、若しくは右利きによる静脈穿刺には右手で、アンダーハンド(例えば、ゆりかご状)又はオーバーハンドで快適に保持できるように構成された卵形本体を形成するように、互いに連結された2つの成形された半体を含む。このような静脈穿刺を更に容易にするために、2つの成形された半体の各半体の外側は、示されるように、把持を強化する弓状の隆起部184などでテクスチャ加工され得る。2つの成形された半体の各半体の内側は、2つの成形された半体が示されるように互いに連結されるとき、バルブモジュールコンパートメント及びニードルハブレセプタクルを形成するくぼみを含む。(
図4~
図8参照、バルブモジュールコンパートメントを形成する2つの成形された半体のうちの成形された半体のくぼみに配置されたバルブモジュール180を含む。
図4~
図8はまた、ニードルハブレセプタクルを形成する2つの成形された半体のうちの成形された半体のくぼみに配置されたイントロデューサニードル104のニードルハブ144を含む)。加えて、2つの成形された半体の各半体は、ニードルハブロックの一対のロックボタン188のうちの対応するロックボタンのためのロックボタン貫通孔を含む。(ロックボタン貫通孔の対応する対を通って延びるロックボタン188については
図3を参照。)特に、カプラハウジング178は、2つの成形された半体の間に形成された長手方向に延びるカプラハウジングスロット186を含む。カプラハウジングスロットは、後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードル104がカプラ108から引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤ106がカプラハウジング178から出ることを可能にするように構成されている。
【0071】
バルブモジュールコンパートメントは、その中にバルブモジュール180を保持するように構成されている。実際に、バルブモジュールコンパートメントは、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、その中に配置されたバルブモジュール180を含む。特に、バルブモジュールコンパートメントは、後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードル104がカプラ108から引き抜かれるときに、後述するバルブモジュール180の分離可能な部品がアクセスガイドワイヤ106の脱出のために分離することを可能にするのに十分な空間を有して更に構成されている。
【0072】
ニードルハブレセプタクルは、その中にイントロデューサニードル104のニードルハブ144を保持するように構成されている。実際に、ニードルハブレセプタクルは、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、その中に挿入されたニードルハブ144を含む。特に、ニードルハブレセプタクル内にニードルハブ144をロックするように構成されたニードルハブロックは、ニードルハブレセプタクルの周囲に位置決めされる。ニードルハブロックの一対のロックボタン188(例えば、ばね仕掛けロックボタン)は、カプラ108の両側面の間に、特に、カプラハウジング178の2つの成形された半体のロックボタン貫通孔内に割り当てられ、それにより、ロックボタン188の各ロックボタンは、カプラ108のそれぞれの側面上でカプラハウジング178を通って延びる。ロックボタン188は、後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップにおいて、カプラ108からイントロデューサニードル104を引き抜くためにロックボタン188がカプラ108に押し込まれたときに、ニードルハブ144をロック解除するように構成されている。
【0073】
バルブモジュール180は、アクセスガイドワイヤ導管190と、一体化されたブレード192と、いくつかの分離可能な部品とを含む。
アクセスガイドワイヤ導管190は、アクセスガイドワイヤ106を、ニードルハブ144のアクセスガイドワイヤチャネル164から、シース142のシース開口部162及びその下のニードルシャフト140のニードルスロット148の両方内に方向決めするように構成されている。実際に、アクセスガイドワイヤ導管190は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、その中に配置されたアクセスガイドワイヤ106を含む。特に、バルブモジュール180は、シリンジ110は、後述する方法の血液吸引ステップに従って血液を吸引することができるように、アクセスガイドワイヤ導管190内のアクセスガイドワイヤ106の周囲を封止する。
【0074】
ブレード192は、ブレード192がシース142のシース開口部162の遠位端の下のニードルスロット148内に配置されるように、バルブモジュール180内の取付点からニードルシャフト140のニードルスロット148内に延びる。ブレード192は、後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードル104がカプラ108から近位方向に引き抜かれるときに、シース142をニードルシャフト140から切り離すように構成された遠位向きのブレード縁部を含む。シース142をニードルシャフト140から切り離すことにより、アクセスガイドワイヤ106がニードルスロット148を経由してニードルシャフト140から出ることが可能になる。
【0075】
バルブモジュール180の分離可能な部品は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、ニードルシャフト140及びシース142の周囲に配置される。例えば、バルブモジュール180の分離可能な部品は、ニードルシャフト140及びシース142の周囲に配置されたバルブモジュール180の分離可能な半体であり得る。バルブモジュール180の分離可能な部品は、後述する方法のイントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードル104がカプラ108から引き抜かれるときに分離し、アクセスガイドワイヤ106がバルブモジュール180から出ることを可能にするように構成されている。
【0076】
旋回アーム182は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、1つ以上の延長レッグコネクタ118のうちの1つの延長レッグコネクタに接続された旋回アームコネクタ194を含む。示されていないが、旋回アームコネクタ194は、旋回アームコネクタ194内に、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態においてアクセスガイドワイヤ106の近位端が取り付けられるアクセスガイドワイヤ取付点を含む。イントロデューサニードル104のニードル管腔158内に配置されているアクセスガイドワイヤ106の遠位端と組み合わせて、上述のアクセスガイドワイヤ106のループが形成される。有利には、旋回アーム182は、RICC挿入アセンブリ100を用いた左利きによる及び右利きによる両方の静脈穿刺に対応するために、RICC挿入アセンブリ100の左側とRICC挿入アセンブリ100の右側との間で、ループ又はそのRICC102の少なくとも1つ以上の延長レッグ116を反転させるように構成されている。実際、旋回アーム182は、RICC挿入アセンブリ100による左利きによる静脈穿刺に対応するために、
図1に示すような、RICC挿入アセンブリ100の左側から、RICC挿入アセンブリ100の右側にループを反転させるように構成されている。同様に、旋回アーム182は、RICC挿入アセンブリ100による右利きによる静脈穿刺に対応するために、RICC挿入アセンブリ100の右側からRICC挿入アセンブリ100の左側にループを反転させるように構成されている。
【0077】
図1、
図2、及び
図8は、いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリ100のアクセスガイドワイヤ106の様々な図を示す。
アクセスガイドワイヤ106は、近位端を含む近位部分と、遠位端を含む遠位部分とを含む。RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態では、アクセスガイドワイヤ106の近位端は、旋回アーム182、特に旋回アーム182の旋回アームコネクタ194内のアクセスガイドワイヤ取付点に連結される。加えて、アクセスガイドワイヤ106の近位部分は、RICC102の一次管腔128に沿って延びる。アクセスガイドワイヤ106の遠位部分はまた、RICC102の一次管腔128に沿って延びるが、アクセスガイドワイヤ106の遠位部分は更に、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、RICC102の遠位端から出て、アクセスガイドワイヤチャネル164を経由してニードルハブ144上のバルブモジュール180内に入り、シース142のシース開口部162及びニードルシャフト140のニードルスロット148の両方を通ってニードルシャフト140内に入り、イントロデューサニードル104のニードル管腔158に沿って延びる。
図8に示されるように、アクセスガイドワイヤ106の遠位端は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、ニードル管腔158内でニードル先端部146のすぐ近位に配置される。また、アクセスガイドワイヤ106の近位端及び遠位端は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、アクセスガイドワイヤ106にループを形成し、そのループ上にRICC102が配置され、それによって、RICC挿入アセンブリ100を比較的コンパクトな形態に保つ。
【0078】
アクセスガイドワイヤ106は、アクセスガイドワイヤ106の遠位部分にガイドワイヤ先端部196を含むことができ、これは、血管の後壁を穿刺することを防止するように構成された「J」字形を採用する。そのようなガイドワイヤ先端部は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において真っ直ぐな状態をとり、RICC挿入アセンブリ100の展開状態においてガイドワイヤ先端部196がニードル先端部146を越えて前進させられる(例えば、血管内腔内に前進させられる)ときに湾曲状態をとる。
【0079】
アクセスガイドワイヤ106は、裸線部分と、裸線部分の遠位側にあるか、裸線部分の近位にあるか、又はその両方にある巻線部分とを更に含むことができる。図示されていないが、裸線部分は、存在する場合、バルブモジュール180がアクセスガイドワイヤ106の裸線部分の周囲に流体密封封止を形成するように、少なくともRICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、バルブモジュール180のアクセスガイドワイヤ導管190を通って遠位方向に延びる。特に、前述の裸線部分は、代わりに、アクセスガイドワイヤ106の平坦巻き又は接地巻き部分であってもよく、平坦巻き部分は、円形ワイヤの代わりにテープの巻線を含み、接地巻き部分は、巻線を平坦にするように接地された円形ワイヤの巻線を含む。
【0080】
方法
図17~
図21は、いくつかの実施形態による、RICC挿入アセンブリ100の使用方法の様々なステップを示す。
【0081】
示されるように、RICC挿入システム100の方法は、RICC102を患者の血管内腔に挿入するための方法を含む。このような方法は、挿入アセンブリ取得ステップ、穿刺経路確立ステップ、血液吸引ステップ、アクセスガイドワイヤ前進ステップ、イントロデューサニードル引き抜きステップ、RICC前進ステップ、アクセスガイドワイヤ引き抜きステップ、操縦ガイドワイヤ前進ステップ、別のRICC前進ステップ、及び操縦ガイドワイヤ引き抜きステップから選択される1つ以上のステップを含む。
【0082】
挿入アセンブリ取得ステップは、RICC挿入アセンブリ100を取得することを含む。上述したように、RICC挿入アセンブリ100は、カプラ108によって互いに連結された、RICC102と、ニードルシャフト140を覆うシース142を含むイントロデューサニードル104と、アクセスガイドワイヤ106とを含む。アクセスガイドワイヤ106の近位端は、カプラ108の旋回アーム182に連結され、アクセスガイドワイヤ106の遠位端は、カプラ108のバルブモジュール180を経由してイントロデューサニードル104内に配置される。また、アクセスガイドワイヤ106の近位端及び遠位端は、結果として、アクセスガイドワイヤ106にループを形成する。RICC102は、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態において、アクセスガイドワイヤ106のループ上に配置される。
【0083】
図17は、いくつかの実施形態による、本方法の穿刺経路確立ステップを示す。
穿刺経路確立ステップは、イントロデューサ104を用いて皮膚の領域から血管内腔への穿刺経路を確立することを含む。そのような穿刺経路確立ステップは、イントロデューサニードル104を用いて皮膚の領域を穿刺する前に、旋回アーム182、したがって、RICC挿入アセンブリ100の2つの側面間のループを反転させることを含むことができる。穿刺経路確立ステップはまた、穿刺経路を確立にする間に、血液逆流を確実にすることを含むことができる。
【0084】
旋回アーム182を反転させること、したがって、RICC挿入アセンブリ100の2つの側の間のループを反転させることは、RICC挿入アセンブリ100を用いて、左利きによる静脈穿刺のためのRICC挿入アセンブリ100の左側と、右利きによる静脈穿刺のためのRICC挿入アセンブリ100の右側との間でループを反転させることを含む。実際、ループをRICC挿入アセンブリ100の左側からRICC挿入アセンブリ100の右側に反転させることは、RICC挿入アセンブリ100を用いた左利きによる静脈穿刺に対応する。同様に、ループをRICC挿入アセンブリ100の右側からRICC挿入アセンブリ100の左側に反転させることは、RICC挿入アセンブリ100による右利きによる静脈穿刺に対応する。
【0085】
穿刺経路を確立する間に血液逆流を確実にすることは、イントロデューサニードル104のニードルハブ144、イントロデューサニードル104に流体接続されたシリンジ110のシリンジ先端部172、シリンジ110のバレル、又はそれらの組み合わせ内に血液が逆流することを確実にすることを含む。穿刺経路を確立すると、血液が少なくともイントロデューサニードル104のニードルハブ144内に逆流するように、穿刺経路を確立する間に、シリンジ110を用いてわずかな真空を引き込むことができる。前述に従って血液が逆流することを確実にすることにより、穿刺経路が血管内腔内に延びていることが確認される。
【0086】
図18は、いくつかの実施形態による、本方法の血液吸引ステップを示す。
血液吸引ステップは、イントロデューサニードル引き抜きステップにおいてカプラ108からイントロデューサニードル104を引き抜く前に、穿刺経路が血管内腔内に延びていることを確認するために、シリンジ110を用いて血液を吸引することを含む。また、ニードルシャフト140を覆うシース142は、シース142の下にあるニードルシャフト140のニードルスロット148を封止する。特に、シース142は、バルブモジュール180の外側でニードルスロット148を封止する。次に、バルブモジュール180は、シース142のシース開口部162を覆って封止し、シース開口部162は、アクセスガイドワイヤ106が、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態においてニードルスロット148を経由してニードルシャフト140内へ通過することを可能にする。バルブモジュール180はまた、アクセスガイドワイヤ106の遠位部分の周囲を封止する。このような封止により、血液吸引ステップにおいてシリンジ110が血液を吸引することが可能になる。
【0087】
図19は、いくつかの実施形態による、本方法のアクセスガイドワイヤ前進ステップを示す。
アクセスガイドワイヤ前進ステップは、アクセスガイドワイヤ106の遠位端を、ニードルシャフト140内でニードル先端部146のすぐ近位のその初期位置から血管内腔内へ前進させ、それによって、RICC前進ステップにおけるRICC102のための血管アクセスを確保することを含む。
【0088】
図20は、いくつかの実施形態による、本方法のイントロデューサニードル引き抜きステップを示す。
イントロデューサニードル引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤ106を血管内腔内の定位置に残したままで、イントロデューサニードル104をカプラ108から引き抜くことを含む。イントロデューサニードル引き抜きステップは、イントロデューサニードル104がカプラ108から引き抜かれるときに、バルブモジュール180のブレード192でニードルシャフト140からシース142を同時に切り離すことを含む。ニードルシャフト140からシース142を切り離すことは、アクセスガイドワイヤ106がニードルシャフト140からそのニードルスロット148を経由して出ることを可能にする。また、イントロデューサニードル104は、ニードルシャフト140の近位部分からニードル先端部146まで延びるニードルスロット148を含み、それにより、アクセスガイドワイヤ106が、ニードルシャフト140からシース142を切り離すことによってイントロデューサニードル104から出ることを可能にする。特に、RICC挿入アセンブリ100の展開準備完了状態におけるニードルシャフト140及びシース142の周囲のバルブモジュール180の分離可能な部品は、イントロデューサニードル引き抜きステップにおいて、イントロデューサニードル104がカプラ108から引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤ106がバルブモジュール180から更に出ることを可能にするように分離する。加えて、カプラハウジング178は、イントロデューサニードル引き抜きステップにおいてイントロデューサニードル104がカプラ108から引き抜かれるときに、アクセスガイドワイヤ106がカプラハウジング178から更になお出ることを可能にするように構成されたカプラハウジングスロット186を含む。(例えば、アクセスガイドワイヤ106の遠位部分がカプラ108から完全に出ており、アクセスガイドワイヤ106の近位端が旋回アームコネクタ194内のアクセスガイドワイヤ取付点に取り付けられたままである
図21を参照されたい)
図21は、いくつかの実施形態による、本方法のRICC前進ステップを示す。
【0089】
RICC前進ステップは、RICC102のカテーテルチューブ112をアクセスガイドワイヤ106上で、及び血管内腔内へ前進させ、それによって、RICC102を血管内腔に挿入することを含む。
【0090】
アクセスガイドワイヤ引き抜きステップは、カテーテルチューブ112を血管内腔内の定位置に残したままで、アクセスガイドワイヤ106を引き抜くことを含む。
操縦ガイドワイヤ前進ステップは、RICC102の一次管腔128を経由して血管内腔内へ、及び患者の心臓のSVCの下部1/3まで操縦ガイドワイヤを前進させることを含む。
【0091】
他のRICC前進ステップは、カテーテルチューブ112の遠位部分を、操縦ガイドワイヤ上で患者の心臓のSVCの下部1/3まで血管内腔内に更に前進させることを含む。
操縦ガイドワイヤを引き抜きステップは、カテーテルチューブ112をSVCの下部1/3内の定位置に残したままで、操縦ガイドワイヤを引き抜くことを含む。
【0092】
いくつかの特定の実施形態が本明細書で開示されており、それら特定の実施形態が、ある程度詳細に開示されているが、それら特定の実施形態が、本明細書で提供される概念の範囲を限定することは意図されていない。更なる適合又は修正が、当業者には明らかとなる可能性があり、より広範な態様においては、これらの適合又は修正も同様に包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態からの展開を実施することができる。
【国際調査報告】