(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】エッチング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507184
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 CN2021131430
(87)【国際公開番号】W WO2023015762
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110925686.5
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519453825
【氏名又は名称】江蘇魯▲もん▼儀器股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LEUVEN INSTRUMENTS CO. LTD
【住所又は居所原語表記】Liaohe West Road 8, Pizhou Economic Development Zone Xuzhou, Jiangsu 221300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬 兵
(72)【発明者】
【氏名】彭 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】車 東晨
(72)【発明者】
【氏名】叶 聯
(72)【発明者】
【氏名】陳 兆超
(72)【発明者】
【氏名】許 開東
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BA20
5F004BB13
5F004CA02
5F004CA03
5F004CA06
5F004DA01
5F004DA16
5F004DA23
5F004DA25
5F004DA26
5F004EA01
(57)【要約】
本願の実施形態は、第1の側面にフォトレジスト層を有するウェハを用意すること、ウェハをエッチングチャンバ内に置き、エッチングチャンバはバイアス信号を出力するためのバイアス電源を有すること、エッチングチャンバ内にプラズマを形成すること、及び、バイアス電源の電力を調整し、バイアス電源から出力されるバイアス信号によりプラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングすること、を含むエッチング方法を開示する。プラズマを利用してエッチングする場合、バイアス電源の電力が異なると、バイアス信号により駆動されるプラズマのウェハの第1の側面に平行なエッチングレートとウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートとの比が異なるため、バイアス電源の電力を調整することによりプラズマによるフォトレジスト層のエッチングを制御することができ、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立つことができ、さらに前記エッチング方法がフォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立つようになる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面にフォトレジスト層を有するウェハを用意すること、
前記ウェハをバイアス信号を出力するためのバイアス電源を有するエッチングチャンバ内に置くこと、
前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成すること、及び、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整すること、
を含むことを特徴とする、エッチング方法。
【請求項2】
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することは、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、予め設定された方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することを含み、
ここで、前記予め設定された方向は第1の方向、第2の方向及び第3の方向を含み、前記第1の方向は前記ウェハの第1の側面に垂直であり、前記第2の方向は前記ウェハの第1の側面に平行であり、前記第3の方向は前記ウェハの第1の側面に平行ではなく、前記ウェハの第1の側面に垂直ではないことを特徴とする、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記予め設定された方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することは、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記第1の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第1の予め設定された電力よりも大きくなるように調整すること、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記第2の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第2の予め設定された電力よりも小さくなるように調整すること、及び、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記第3の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第3の予め設定された電力に調整すること、を含み、
ここで、前記第1の予め設定された電力は前記第2の予め設定された電力よりも大きく、前記第3の予め設定された電力の値の範囲は、エンドポイント値を含めて前記第1の予め設定された電力と前記第2の予め設定された電力との間であることを特徴とする、請求項2に記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングすることは、
前記プラズマが前記フォトレジスト層に接触するように、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動すること、及び、
前記プラズマと前記フォトレジスト層との接触状態を予め設定された時間維持して前記フォトレジスト層をエッチングすること、を含み、
ここで、前記予め設定された時間の値の範囲はエンドポイント値を含めて400s~2000sであり、前記バイアス電源の電力の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200Wであることを特徴とする、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記エッチングチャンバは無線周波数磁場を生成するための無線周波数電源をさらに有し、前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成することは、
予め設定されたガスを前記エッチングチャンバ内に注入し、前記無線周波数電源から生成される前記無線周波数磁場により前記予め設定されたガスを励起し、前記プラズマを形成することを含み、
ここで、前記無線周波数電源の電力の値の範囲はエンドポイント値を含めて200W~1200Wであることを特徴とする、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項6】
前記エッチングチャンバ内に前記プラズマを形成する前に、前記エッチングチャンバ内に注入される前記予め設定されたガスの流量を制御して、前記エッチングチャンバ内の圧力を制御することをさらに含み、
ここで、前記エッチングチャンバ内の圧力の値の範囲はエンドポイント値を含めて5mT~200mTであることを特徴とする、請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項7】
前記予め設定されたガスは、酸素ガス、アルゴンガス、窒素ガス、四フッ化炭素、トリフルオロメタンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項8】
前記酸素ガスの流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて50sccm~500sccmであり、前記アルゴンガスの流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200sccmであり、前記窒素ガスの流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200sccmであり、前記四フッ化炭素流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~100sccmであり、前記トリフルオロメタン流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~100sccmであることを特徴とする、請求項7に記載のエッチング方法。
【請求項9】
前記エッチングチャンバはステージを有し、前記ウェハは前記ステージ上に位置しており、前記予め設定されたガスを前記エッチングチャンバ内に注入することは、
前記予め設定されたガスを前記ステージの上方から吸気孔を介して前記エッチングチャンバ内に注入することを含み、
ここで、前記吸気孔は前記エッチングチャンバの頂部又は側面に位置することを特徴とする、請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項10】
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整した後、このエッチング方法は、さらに
前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出することを含み、
ここで、前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出することは、
排気孔を介して前記プラズマを前記ステージの下方から抽出することを含み、
ここで、前記排気孔は前記エッチングチャンバの底部又は側面に位置することを特徴とする、請求項9に記載のエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
この出願は、2021年08月12日中国国家知識産権局に提出された、出願番号202110925686.5、発明の名称「エッチング方法」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全内容を援用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、半導体の技術分野に関し、特にエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体の技術分野では、フォトレジスト層は一般的に、半導体デバイスの作製過程において、その下層にある材料を保護するための犠牲層又はバリア層として使用され、その機能が完了すると除去される。
【0004】
しかし、半導体デバイスの多様化に伴い、半導体デバイスの構造はますます複雑化しており、半導体デバイス作製プロセスに対する要求もますます高くなっている。半導体デバイスの信頼性を確保するために、半導体デバイスの作製の一部のプロセスノードでは、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングする必要がある。従って、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立つエッチング方法を提供することが、当業者にとって研究の焦点となっている。
【発明の概要】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本願の実施形態は、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立ち、それによって半導体デバイスの製造プロセス中に半導体デバイスの信頼性を確保するのに役立つエッチング方法を提供する。
【0006】
上記の課題を解決するために、本願の実施形態は以下の技術案を提供する。
【0007】
第1の側面にフォトレジスト層を有するウェハを用意すること、
前記ウェハをバイアス信号を出力するためのバイアス電源を有するエッチングチャンバ内に置くこと、
前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成すること、及び、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整すること、
を含むエッチング方法。
【0008】
任意選択で、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することは、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、予め設定された方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することを含み、
ここで、前記予め設定された方向は第1の方向、第2の方向及び第3の方向を含み、前記第1の方向は前記ウェハの第1の側面に垂直であり、前記第2の方向は前記ウェハの第1の側面に平行であり、前記第3の方向は前記ウェハの第1の側面に平行ではなく、前記ウェハの第1の側面に垂直ではない。
【0009】
任意選択で、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記予め設定された方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することは、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記第1の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第1の予め設定された電力よりも大きくなるように調整すること、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記第2の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第2の予め設定された電力よりも小さくなるように調整すること、及び、
前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記第3の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源電力を第3の予め設定された電力に調整すること、を含み、
ここで、前記第1の予め設定された電力は前記第2の予め設定された電力よりも大きく、前記第3の予め設定された電力の値の範囲は、エンドポイント値を含めて前記第1の予め設定された電力と前記第2の予め設定された電力との間である。
【0010】
任意選択で、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングすることは、
前記プラズマが前記フォトレジスト層に接触するように前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動すること、及び、
前記プラズマと前記フォトレジスト層との接触状態を予め設定された時間維持し、前記フォトレジスト層をエッチングすること、を含み、
ここで、前記予め設定された時間の値の範囲はエンドポイント値を含めて400s~2000sであり、前記バイアス電源電力の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200Wである。
【0011】
任意選択で、前記エッチングチャンバは無線周波数磁場を生成するための無線周波数電源をさらに有しており、前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成することは、
予め設定されたガスを前記エッチングチャンバ内に注入し、前記無線周波数電源から生成される前記無線周波数磁場により前記予め設定されたガスを励起し、前記プラズマを形成することを含み、
ここで、前記無線周波数電源電力の値の範囲はエンドポイント値を含めて200W~1200Wである。
【0012】
任意選択で、前記エッチングチャンバ内に前記プラズマを形成する前に、前記エッチングチャンバ内に注入される前記予め設定されたガスの流量を制御して、前記エッチングチャンバ内の圧力を制御することをさらに含み、
ここで、前記エッチングチャンバ内の圧力の値の範囲はエンドポイント値を含めて5mT~200mTである。
【0013】
任意選択で、前記予め設定されたガスは、酸素ガス、アルゴンガス、窒素ガス、四フッ化炭素、トリフルオロメタンのうちの少なくとも1つを含む。
【0014】
任意選択で、前記酸素ガスの流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて50sccm~500sccmであり、前記アルゴンガスの流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200sccmであり、前記窒素ガスの流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200sccmであり、前記四フッ化炭素流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~100sccmであり、前記トリフルオロメタン流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~100sccmである。
【0015】
任意選択で、前記エッチングチャンバはステージを有し、前記ウェハは前記ステージ上に位置しており、前記予め設定されたガスを前記エッチングチャンバ内に注入することは、
前記予め設定されたガスを前記ステージの上方から吸気孔を介して前記エッチングチャンバ内に注入することを含み、
ここで、前記吸気孔は前記エッチングチャンバの頂部又は側面に位置する。
【0016】
任意選択で、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするようにm前記バイアス電源の電力を調整した後、このエッチング方法は、さらに
前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出することを含み、
ここで、前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出することは、
排気孔を介して前記プラズマを前記ステージの下方から抽出することを含み、
ここで、前記排気孔は前記エッチングチャンバの底部又は側面に位置する。
【0017】
従来技術に比べて、上記の技術案は以下の利点を有する。
【0018】
本願の実施形態によって提供される技術案は、第1の側面にフォトレジスト層を有するウェハを用意すること、前記ウェハをバイアス信号を出力するためのバイアス電源を有するエッチングチャンバ内に置くこと、前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成すること、及び、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整すること、を含む。プラズマを利用してフォトレジスト層をエッチングする場合、バイアス電源の電力がプラズマによるフォトレジスト層のエッチング時のエッチングレート比を決定するため、バイアス電源の電力が異なると、前記プラズマの前記ウェハの第1の側面に平行なエッチングレートと前記ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートとの比が異なり、バイアス電源の電力が増加すると、前記プラズマのウェハの第1の側面に平行なエッチングレートが上昇し、ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートが低下し、逆に、前記プラズマのウェハの第1の側面に平行なエッチングレートが低下し、ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートが上昇することで、前記バイアス電源の電力を調整することにより、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチング時のエッチングレート比を制御することができ、さらに前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングを制御し、前記フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立ち、前記エッチング方法を用いて前記フォトレジスト層をエッチングし、前記フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立ち、さらに半導体デバイスの作製過程において、半導体デバイスの信頼性を確保するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施形態又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下に実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本発明の一部の実施形態にすぎず、当業者であれば創造的な努力をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】
図1は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法におけるウェハの断面図である。
【
図3】
図3は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法におけるエッチングチャンバの構造概略図である。
【
図4】
図4は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法における別のエッチングチャンバの構造概略図である。
【
図5】
図5は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法におけるさらに別のエッチングチャンバの構造概略図である。
【
図6】
図6は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法におけるウェハの上面図である。
【
図7】
図7は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法におけるウェハ内の結晶粒の上面図である。
【
図8】
図8は、本願の実施形態により提供されるエッチング方法におけるウェハ内の結晶粒の断面図である。
【
図9】
図9は、実施例1のエッチング結果の概略図である。
【
図10】
図10は、実施例2のエッチング結果の概略図である。
【
図11】
図11は、実施例3のエッチング結果の概略図である。
【
図12】
図12は、実施例4のエッチング結果の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の実施形態における技術案は、本願の実施形態の図面を参照にして以下に明確、完整に説明されるが、明らかに、説明される実施形態は本願の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではない。本願の実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得た他のすべての実施形態は、本願の保護の範囲に入る。
【0021】
本願を完全に理解するために、多くの具体的な詳細が以下の説明に記載されるが、本願は、ここで説明される方法とは異なる他の方法でも実施することができ、当業者であれば、本願の趣旨を逸脱することなく同様の一般化を行うことができるため、本願は、以下に開示される特定の実施形態によって限定されない。
【0022】
次に、本願を概略図を参照して詳細に説明するが、本願の実施形態を詳細に説明する際に、説明の便宜上、デバイス構造を示す断面図は一般的な縮尺に従わずに部分的に拡大しており、前記概略図は単なる例であり、本願の保護の範囲を限定するものではない。さらに、実際の作製では長さ、幅、奥行きの三次元寸法を含む必要がある。
【0023】
背景技術の部分で述べたように、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立つエッチング方法を提供することが、当業者にとって研究の焦点となっている。
【0024】
半導体デバイスの作製過程では、一部のプロセス工程にフォトレジスト層を使用する必要があり、半導体デバイスの信頼性を確保するために、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングし、機能が完了した後に除去する必要がある。
【0025】
通常、フォトレジスト層の形状の定義及びフォトレジスト層の除去は、露光・現像プロセスを用いて行われる。しかし、半導体デバイスの作製プロセスの多様化に伴い、一部のプロセスノードでは、露光・現像プロセスによりフォトレジスト層を特定の形状にエッチングすることが困難になり、機能完了後のフォトレジスト層を完全に除去することが困難になり、露光・現像プロセスが一部のプロセスノードにおけるフォトレジスト層の形状の定義及びフォトレジスト層の除去にもはや適用されなくなる。
【0026】
また、半導体デバイスの作製過程では、デバイスのピックアップや搬送などの特殊なプロセスノードに関わる場合、デバイスのピックアップや搬送を達成するために、フォトレジスト層に一定の支持能力が必要となる。その場合、フォトレジスト層の厚さは通常十数ミクロンと厚く、このように厚いフォトレジスト層では、露光・現像プロセスによりフォトレジスト層の形状の定義及び除去を行うことが困難になり、デバイスのピックアップや搬送などの特殊なプロセスノードに関わる場合、露光・現像プロセスはもはや適用されなくなる。
【0027】
また、フォトレジスト層をエッチングするとき、ドライアッシング機でドライエッチングプロセスを用いてフォトレジスト層の形状の定義及びフォトレジスト層の除去を行うこともできるが、ドライアッシング機でフォトレジスト層の形状の定義及びフォトレジスト層の除去を行う場合、通常、エッチング温度が高く、エッチングの均一性が悪く、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに不利である。また、デバイスのピックアップや搬送などの特殊なプロセスノードに関わる場合に、エッチング温度が高く、エッチングの均一性が悪いため、フォトレジスト層は高温により支持能力が低下し、フォトレジスト層はエッチングの均一性の悪さによりエッチング後のフォトレジスト層の厚さが不均一となり、デバイスのピックアップや搬送中にデバイスの崩壊が生じ、ひいてはデバイスの破損につながることもある。
【0028】
これに基づいて、本願の実施形態は、
図1に示すように、以下を含むエッチング方法を提供する。
S1:
図2に示すように、第1の側面にフォトレジスト層11を有するウェハ10を提供する。
S2:
図3に示すように、バイアス信号を出力するためのバイアス電源22を有するエッチングチャンバ20内に前記ウェハ10を置く。任意選択で、本願の一実施形態では、前記エッチングチャンバは誘導結合プラズマエッチングチャンバであるが、本願はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
S3:前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成する。
S4:前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整する。
【0029】
具体的には、本願の実施形態では、プラズマを利用してフォトレジスト層をエッチングする場合、バイアス電源の電力がプラズマによるフォトレジスト層のエッチング時のエッチングレート比を決定し、バイアス電源の電力が異なると、前記プラズマの前記ウェハの第1の側面に平行なエッチングレートと前記ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートとの比が異なり、バイアス電源の電力が増加すると、前記プラズマのウェハの第1の側面に平行なエッチングレートが上昇し、ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートが低下し、逆に、前記プラズマのウェハの第1の側面に平行なエッチングレートが低下し、ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートが上昇することで、前記バイアス電源の電力を調整することにより、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチング時のエッチングレート比を制御することができ、さらに前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングを制御し、前記フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立ち、その結果、前記エッチング方法を用いて前記フォトレジスト層をエッチングし、前記フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立ち、さらに半導体デバイスの作製過程において、半導体デバイスの信頼性を確保するのに役立つ。同時に、前記エッチング方法は、前記バイアス電源の電力を調整することにより、プラズマによるフォトレジスト層のエッチング時のエッチングレート比を制御し、即ち、前記プラズマの前記ウェハの第1の側面に平行なエッチングレートと前記ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートとの比を制御し、さらに即ち、前記プラズマの前記ウェハの第1の側面に平行なエッチングレートと前記ウェハの第1の側面に垂直なエッチングレートを制御し、前記フォトレジスト層をエッチングする際の異方性エッチング効果が向上し、前記フォトレジスト層をエッチングする際のエッチングの均一性が良好になる。
【0030】
また、本願の実施形態により提供されるエッチング方法は、プラズマを利用してフォトレジスト層をエッチングし、エッチング過程中、高温処理は必要なく、前記プラズマはガスであるため、前記プラズマを利用して前記フォトレジスト層をエッチングする場合、温度が低く均一性が良好であり、過度の温度や均一性の低下によるフォトレジスト層の支持能力の低下を回避でき、前記フォトレジスト層を制御可能に一定の形状に維持でき、前記エッチング方法によりエッチングされたフォトレジスト層は、半導体デバイスの作製過程におけるデバイスのピックアップ及び搬送に役立ち、さらに前記エッチング方法によりエッチングされたフォトレジスト層は、デバイスのピックアップ及び搬送という特殊なプロセスノードの要件を満たすことができる。
【0031】
上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することは、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、予め設定された方向に前記フォトレジスト層をエッチングし、前記フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することを含む。ここで、前記予め設定された方向は第1の方向、第2の方向及び第3の方向を含み、前記第1の方向は前記ウェハの第1の側面に垂直であり、前記第2の方向は前記ウェハの第1の側面に平行であり、前記第3の方向は前記ウェハの第1の側面に平行ではなく、前記ウェハの第1の側面に垂直ではない。
【0032】
上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を調整することは、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、第1の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第1の予め設定された電力よりも大きくなるように調整すること、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、第2の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第2の予め設定された電力よりも小さくなるように調整すること、及び、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、第3の方向に前記フォトレジスト層をエッチングするように、前記バイアス電源の電力を第3の予め設定された電力に調整すること、を含み、その結果、前記エッチング方法は、前記フォトレジスト層を特定の形成にエッチングすることができる。ここで、前記第1の予め設定された電力は前記第2の予め設定された電力よりも大きく、前記第3の予め設定された電力の値の範囲は、エンドポイント値を含めて前記第1の予め設定された電力と前記第2の予め設定された電力との間であり、前記第1の方向は前記ウェハの第1の側面に垂直であり、前記第2の方向は前記ウェハの第1の側面に平行であり、前記第3の方向は前記ウェハの第1の側面に平行ではなく、前記ウェハの第1の側面に垂直ではない。なお、本願の実施形態は、前記第1の予め設定された電力及び第2の予め設定された電力の具体的な値に限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0033】
また、なお、本願の実施形態で提案するエッチング方法は、具体的な使用において、前記フォトレジスト層をより正確に特定の形状にエッチングすることを確保するために、前記エッチング方法を段階的に複数回利用して前記フォトレジスト層をエッチングすることができ、どのように前記エッチング方法を段階的に複数回利用して前記フォトレジスト層をエッチングするかをより明確に理解するために、以下の説明では、具体的な実施形態を通じて、どのように前記エッチング方法を段階的に複数回利用して前記フォトレジスト層をエッチングするのについて詳細に説明することにも留意されたい。
【0034】
上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、前記バイアス電源により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングすることは、前記プラズマが前記フォトレジスト層と接触するように、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動すること、及び、前記プラズマと前記フォトレジスト層との接触状態を予め設定された時間維持し、前記フォトレジスト層をエッチングし、前記フォトレジスト層を特定の形状にエッチングすること、を含む。なお、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングは完了するまでに一定の時間がかかるため、前記バイアス信号により前記プラズマが前記フォトレジスト層と接触した後、前記プラズマと前記フォトレジスト層との接触状態を一定の時間維持する必要がある。ここで、前記予め設定された時間の値の範囲は、エンドポイント値を含めて400s~2000sであるが、本願の実施形態はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0035】
本願の実施形態により提供されるエッチング方法は、前記プラズマが前記フォトレジスト層に接触した後、前記プラズマと前記フォトレジスト層との接触状態を予め設定された時間維持し、前記フォトレジスト層をエッチングすることで、前記エッチング方法によりフォトレジスト層をエッチングし、前記フォトレジスト層の厚さが厚い場合、フォトレジスト層の厚さに応じて前記プラズマと前記フォトレジスト層との接触状態の時間を調整して、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチング及び除去を行うことができ、さらに前記エッチング方法は、前記エッチング層を特定の形状にエッチングするだけではなく、前記フォトレジスト層の厚さが厚い場合に、フォトレジスト層のエッチングを達成し、フォトレジスト層がその機能を完了した後に除去することができる。
【0036】
上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、引き続き
図3に示すように、前記エッチングチャンバ20は無線周波数磁場を生成するための無線周波数電源21をさらに有し、前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成することは、前記予め設定されたガスを前記エッチングチャンバ内に注入し、前記無線周波数電源から生成される前記無線周波数磁場により前記予め設定されたガスを励起し、前記プラズマを形成することを含む。
【0037】
具体的には、本願の一実施形態では、前記エッチングチャンバはインダクタコイルを有し、前記無線周波数電源は前記インダクタコイル接続され、前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成することは、前記無線周波数電源は前記インダクタコイル内に無線周波数磁場を生成し、前記無線周波数磁場は前記予め設定されたガスを励起し、高密度プラズマを形成し、即ち、前記プラズマを形成して、前記フォトレジスト層をエッチングすることを含む。
【0038】
任意選択で、本願の一実施形態では、前記無線周波数電源の電力の値の範囲は、エンドポイント値を含めて200W~1200Wであるが、本願の実施形態はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0039】
上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、前記エッチングチャンバ内に前記プラズマを形成する前に、前記方法は、さらに
S21:前記エッチングチャンバ内に注入される前記予め設定されたガスの流量を制御して、前記エッチングチャンバ内の圧力を制御することを含み、ここで、前記エッチングチャンバ内の圧力の値の範囲はエンドポイント値を含めて5mT~200mTである。しかし、本願の実施形態はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0040】
なお、前記エッチングチャンバ内の圧力は、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングのレート及び前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングの均一性に関係する。通常、前記プラズマを利用して前記フォトレジスト層をエッチングすると、前記エッチングチャンバ内の圧力が増加し、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングのレートが増加し、逆に、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングのレートが低下する。しかし、エッチングレートは大きいほど良いわけではなく、エッチングレートが大きすぎると、エッチングの均一性に影響を与える。従って、前記プラズマを利用して前記フォトレジスト層をエッチングする場合、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングのレート及び均一性を確保するために、前記エッチングチャンバ内に注入される前記予め設定されたガスの流量を制御し、さらに前記エッチングチャンバ内の圧力を制御し、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングのレート及び均一性を確保する必要がある。
【0041】
任意選択で、本願の一実施形態では、前記予め設定されたガスは、酸素ガス、アルゴンガス、窒素ガス、四フッ化炭素、トリフルオロメタンのうちの少なくとも1つを含む。しかし、本願の実施形態はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0042】
上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、前記酸素ガスのガス流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて50sccm~500sccmであり、前記アルゴンガスのガス流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200sccmであり、前記窒素ガスのガス流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~200sccmであり、前記四フッ化炭素のガス流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~100sccmであり、前記トリフルオロメタンのガス流量の値の範囲はエンドポイント値を含めて0~100sccmである。しかし、本願の実施形態はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0043】
なお、前記予め設定されたガスのガス流量、前記予め設定された圧力、前記無線周波数電源の電力、及び前記バイアス電源の電力は、前記フォトレジスト層をエッチングする際のプロセスパラメータである。具体的なエッチングの際には、実際の状況に応じてプロセスパラメータを設定する必要があり、前記エッチングパラメータは同時に設定してもよく、段階的に設定してもよく、エッチングプロセスのプロセスステップ数を制限することはない。
【0044】
上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、
図4に示すように、前記エッチングチャンバ20はステージ23を有し、前記ウェハ10を前記エッチングチャンバ20内に置くことは、前記ウェハ10を前記ステージ23上に置くことを含む。また、前記予め設定されたガスを前記エッチングチャンバ内に注入することは、前記予め設定されたガスを前記ステージ23の上方から吸気孔24を介して前記エッチングチャンバ内に注入することを含み、引き続き
図4に示すように、前記吸気孔24は前記エッチングチャンバ20の頂部に位置し、前記吸気孔24は前記ステージ23の上方に位置するか、又は
図5に示すように、前記吸気孔24は前記エッチングチャンバ20の側面に位置し、前記吸気孔24は前記ステージ23の上方に位置する。なお、前記ウェハは前記ステージ上に置かれるため、前記予め設定されたガスは前記ステージの上方から前記エッチングチャンバ内に注入されることにより、前記予め設定されたガスを前記ウェハの上方から前記エッチングチャンバ内に注入することができ、前記予め設定されたガスに基づいて形成された前記プラズマが前記フォトレジスト層と接触する際に、前記フォトレジスト層との接触面に均一に分布させるのに有利であり、前記フォトレジスト層の均一エッチングに有利である。
【0045】
具体的には、前記ウェハを前記エッチングチャンバ内に置く具体的な動作は、ロボットアーム装置によってウェハロードチャンバ内のウェハをエッチングチャンバ内の電極モジュールの直上に送り込み、その後、電極モジュールの下方に位置するセラミックエジェクターピン機構が上昇してモーターモジュールとロボットアーム装置の中空領域を順に通過し、前記ウェハを突き上げ、前記ステージ上に置くことを含む。前記ウェハを前記エッチングチャンバ内にどのように置くかに関する操作方法は当業者に公知の技術手段であるため、このプロセスについて詳細な説明を省略する。なお、本願の一実施形態では、前記ウェハをステージ上に置いた後、前記ウェハと前記電極モジュールとの間の距離は9mmであるが、本願の実施形態はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0046】
なお、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマが前記フォトレジスト層に接触するように駆動され、前記フォトレジスト層をエッチングした後、前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出する必要がある。そのため、上記の実施形態に基づいて、本願の一実施形態では、前記バイアス電源により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングし、第2のフォトレジスト層を形成するように、前記バイアス電源の電力を調整した後、前記エッチング方法は、さらに
S5:前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出することを含み、ここで、前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出することは、排気孔を介して前記プラズマを前記ステージの下方から抽出することを含み、ここで、前記排気孔は前記エッチングチャンバの底部又は側面に位置する。
【0047】
具体的には、本願の一実施形態では、引き続き
図4に示すように、前記エッチングチャンバ20は排気孔25をさらに有し、前記排気孔25は前記エッチングチャンバ20の底部に位置し、前記排気孔25は前記ステージ23の下方に位置するか、又は引き続き
図5に示すように、前記排気孔25は前記エッチングチャンバ20の側面に位置し、前記排気孔25は前記ステージ23の下方に位置して、前記プラズマを前記ステージ23の下方から抽出し、前記プラズマを前記エッチングチャンバ20から抽出する際に前記プラズマが前記フォトレジスト層を2回エッチングし、エッチングされた前記フォトレジスト層の形状を破壊することが防止される。
【0048】
なお、前記プラズマを前記エッチングチャンバ内から抽出する際に、前記エッチングチャンバ内に無線周波数電源から提供される無線周波数磁場によりイオン化されなかった予め設定されたガスが存在する場合には、前記プラズマとともに抽出することもできる。しかし、本願の実施形態はこれに限定されず、具体的には状況に応じて決定する。
【0049】
本願の実施形態により提供されるエッチング方法をより明確に理解するために、以下、具体的な実施形態を通じて前記エッチング方法を詳細に説明する。
【0050】
なお、以下の具体的な実施形態では、
図6に示すように、前記ウェハ10の第1の側面はフォトレジスト層11及び複数の結晶粒13を有し、
図7に示すように、各結晶粒13は複数のデバイス131を含み、前記デバイス131の寸法はミクロンレベルであり、
図8に示すように、前記デバイス131の上面を除く残りの表面は前記フォトレジスト層11で覆われており、前記デバイス131の底部と前記ウェハ10の第1の側面との間の距離の値の範囲は0.5μm~8μmである。また、なお、本願の実施形態は、前記デバイスの底部と前記ウェハの第1の側面との距離に限定されず、具体的には状況に応じて決定する。また、ここでのデバイスのサイズの限定、デバイス表面がフォトレジスト層によって覆われる状況の限定、及びウェハの第1の側面におけるデバイスの配置規則の限定は、具体的な実施形態の説明にすぎず、本願の実施形態により提供されるエッチング方法の適用シナリオを限定するものではない。
【実施例】
【0051】
実施例1:
本願の実施形態においてフォトレジスト層をエッチングする際に、単一ステップのエッチングが採用され、具体的には、ウェハを前記エッチングチャンバ内に置き、酸素ガス及びアルゴンガスを含む予め設定されたガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は50sccm~150sccm、アルゴンガスのガス流量は0~30sccmであり、エッチングチャンバ内の圧力を6mT~9mT、前記無線周波数電源の電力を400W~600W、前記バイアス電源の電力を40W~80W、予め設定された時間を800s~1000sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及びアルゴンガスをイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。
【0052】
この具体的な実施例では、ウェハの第1の側面に位置するデバイスの長さ、幅、高さはそれぞれ25μm、40μm、8μmであり、前記ウェハ基板の第1の側面におけるデバイスの配列態様は横縦方向に規則的に配列され、デバイスの底部と前記ウェハ基板の第1の側面との距離は3μmであり、エッチング結果を
図9に示し、エッチングされたフォトレジスト層は、デバイスと同じ長さと幅で高さが3μmの直方体になった。
【0053】
実施例2:
フォトレジスト層の正確なエッチングを達成し、フォトレジスト層を特性的な形状にエッチングするために、この具体的な実施例では、フォトレジスト層に多段階エッチング及び周期的エッチングを行った。具体的には、ウェハを前記エッチングチャンバ内に置き、第1の段階のエッチングでは、酸素ガス及びアルゴンガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は120sccm~150sccm、アルゴンガスのガス流量は10sccm~30sccmであり、エッチングチャンバ内の圧力を6mT~9mT、前記無線周波数電源の電力を400W~600W、前記バイアス電源の電力を40W~80W、予め設定された時間を800s~1200sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及びアルゴンガスをイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングし、初期の形状にエッチングした。第2の段階のエッチングでは、まず酸素ガス及び窒素ガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は100sccm~150sccm、窒素ガスのガス流量は10sccm~30sccmであり、予め設定された圧力を8mT~20mT、前記無線周波数電源の電力を800W~1000W、前記バイアス電源の電力を20W~60W、予め設定された時間を80s~100sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及び窒素ガスをイオン化してプラズマを形成し、前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。次に、酸素ガス及び窒素ガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は140sccm~180sccm、窒素ガスのガス流量は18~36sccmであり、予め設定された圧力を30mT~60mT、前記無線周波数電源の電力を600W~1000W、前記バイアス電源の電力を0W~40W、予め設定された時間を100s~130sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及び窒素ガスをイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。第2の段階のエッチングにおける各サブエッチングステップの順序に従って3回サイクルし、フォトレジスト層を微細にエッチングし、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングした。
【0054】
この具体的な実施例では、ウェハ基板の第1の側面に位置するデバイスの長さ、幅、高さはそれぞれ40μm、25μm、8μmであり、前記ウェハ基板の第1の側面におけるデバイスの配列態様は横縦方向に規則的に配列され、デバイスの底部と前記ウェハ基板の第1の側面との距離は5μmであり、エッチング結果を
図10に示し、エッチングされたフォトレジスト層は、長さ、幅、高さがそれぞれ25μm、10μm、5μmの直方体になった。
【0055】
なお、上記実施例で説明したようにフォトレジスト層を直方体にエッチングすることに加えて、実際のニーズに応じてフォトレジスト層を他の異なる形状にエッチングする必要があることに留意されたい。フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするために、異なる形状に応じてエッチングステップを調整する必要がある。以下、具体的な実施例を通じて詳細に説明するが、以下の具体的な実施例のエッチング結果は、本願のある具体的な実施例のエッチング結果にすぎず、前記エッチング方法を利用してエッチングしたエッチング結果を限定するものではなく、前記エッチング方法を利用して実際のニーズに応じてフォトレジスト層を他の形状にエッチングすることができ、具体的には状況に応じて決定する。
【0056】
実施例3:
この具体的な実施例では、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするために、フォトレジスト層に多段階エッチングが行われており、具体的には、ウェハを前記エッチングチャンバ内に置き、第1の段階のエッチングでは、酸素ガス及びアルゴンガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は100sccm~150sccm、アルゴンガスのガス流量は10sccm~30sccmであり、予め設定された圧力を6mT~15mT、前記無線周波数電源の電力を600W~800W、前記バイアス電源の電力を60W~80W、予め設定された時間を300s~500sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及びアルゴンガスをイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。第2の段階のエッチングでは、酸素ガス及び窒素ガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は130sccm~180sccm、窒素ガスのガス流量は18sccm~36sccmであり、予め設定された圧力を40mT~60mT、前記無線周波数電源の電力を600W~1000W、前記バイアス電源の電力を0W~20W、予め設定された時間を500s~800sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及び窒素ガスをイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。
【0057】
この具体的な実施例では、ウェハ基板の第1の側面に位置するデバイスの長さ、幅、高さはそれぞれ40μm、25μm、8μmであり、前記ウェハ基板の第1の側面におけるデバイスの配列態様は横縦方向に規則的に配列され、デバイスの底部と前記ウェハ基板の第1の側面との距離は5μmであり、エッチング結果を
図11に示し、エッチングされたフォトレジスト層は台形体になり、その上底、下底、長さ、高さはそれぞれ9.8μm、13.6μm、22.3μm、5μmであった。
【0058】
実施例4:
この具体的な実施例では、フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするために、多段階エッチングが行われており、具体的には、ウェハを前記エッチングチャンバ内に置き、第1の段階のエッチングでは、酸素ガス及びアルゴンガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は100sccm~150sccm、アルゴンガスのガス流量は10sccm~30sccmであり、予め設定された圧力を6mT~15mT、前記無線周波数電源の電力を500W~800W、前記バイアス電源の電力を40W~80W、予め設定された時間を800s~1000sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及びアルゴンガスをイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。第2の段階のエッチングでは、まず酸素ガス及び四フッ化炭素をエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は150sccm~250sccm、四フッ化炭素のガスの流量は20sccm~40sccmであり、予め設定された圧力を50mT~100mT、前記無線周波数電源の電力を700W~1000W、前記バイアス電源の電力を0~20W、予め設定された時間を300s~500sに制御し、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及び四フッ化炭素をイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。次に、酸素ガス及び窒素ガスをエッチングチャンバ内に注入し、酸素ガスのガス流量は130sccm~180sccm、窒素ガスのガス流量は18sccm~36sccmであり、予め設定された圧力を20mT~40mT、前記無線周波数電源の電力を700W~1000W、前記バイアス電源の電力を0~20W、予め設定された時間を200s~300sとし、前記無線周波数電源から提供された無線周波数磁場により、エッチングチャンバ内に注入された酸素ガス及び窒素ガスをイオン化してプラズマを形成し、さらに前記バイアス電源から出力された前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、フォトレジスト層をエッチングした。
【0059】
この具体的な実施例では、ウェハ基板の第1の側面に位置するデバイスの長さ、幅、高さはそれぞれ40μm、25μm、8μmであり、前記ウェハ基板の第1の側面におけるデバイスの配列態様は横縦方向に規則的に配列され、デバイスの底部と前記ウェハ基板の第1の側面との距離は2μmであり、その結果、エッチングされたフォトレジスト層は台形体になり、その上底、下底、長さ、高さはそれぞれ10μm、6.3μm、21.4μm、2μmであった。
【0060】
上記の具体的な実施例によれば、前記エッチング方法を利用して前記フォトレジスト層をエッチングする場合、エッチングパラメータの調整及びエッチングステップの調整により前記フォトレジスト層をエッチングし、エッチングされたフォトレジスト層の形状及び寸法を制御する、即ち、前記フォトレジスト層の形状を制御することができ、前記エッチング方法を利用して前記フォトレジスト層をエッチングすることにより、半導体デバイスの作製過程における各プロセスノードの要件を満たす特定の形状を有するフォトレジスト層を得ることができる。
【0061】
以上のように、本願の実施形態は、第1の側面にフォトレジスト層を有するウェハを用意すること、前記ウェハをエッチングチャンバ内に置き、前記エッチングチャンバはバイアス信号を出力するためのバイアス電源を有すること、前記エッチングチャンバ内にプラズマを形成すること、及び、前記バイアス電源の電力を調整し、前記バイアス電源から出力される前記バイアス信号により前記プラズマの動きを駆動し、前記フォトレジスト層をエッチングすること、を含むエッチング方法を提供した。プラズマを利用してエッチングする場合、バイアス電源の電力がプラズマによるフォトレジスト層のエッチング時のエッチングレート比を決定するため、前記エッチング方法は、前記バイアス電源の電力を調整することにより、前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチング時のエッチングレート比を調整することができ、さらに前記プラズマによる前記フォトレジスト層のエッチングを制御し、前記フォトレジスト層を特定の形状にエッチングするのに役立ち、さらに半導体デバイスの作製過程において半導体デバイスの信頼性を確保するのに役立つ。
【0062】
また、本願の実施形態により提供されるエッチング方法は、プラズマを利用してフォトレジスト層をエッチングするものであり、エッチング温度が低く、均一性が良好であり、半導体デバイスの作製過程におけるデバイスのピックアップ及び搬送に役立ち、さらに前記エッチング方法によりエッチングされたフォトレジスト層は、デバイスのピックアップ及び搬送という特殊なプロセスノードの要件を満たすことができる。
【0063】
また、本願の実施形態により提供されるエッチング方法は、前記フォトレジスト層の厚さが厚い場合に、フォトレジスト層のエッチングを達成し、フォトレジスト層がその機能を完了した後に除去することもできる。
【0064】
本明細書の各部分は、並列と進歩を組み合わせて説明され、各部分では、他の部分との相違点に焦点を当て説明され、各部分間での同じ部分や類似している部分は互いに参照すればよい。
【0065】
開示された実施形態の上記の説明に関して、本明細書の各実施形態に記載されている特徴は、当業者が本願を実施又は使用できるように、互いに置き換えまたは組み合わせることができる。これらの実施形態に対する様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本願の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態で実施することができる。従って、本願は、本明細書に示される実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【国際調査報告】