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特表2024-529552次亜塩素酸の霧化又はミスティングの装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】次亜塩素酸の霧化又はミスティングの装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/22 20060101AFI20240730BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A61L2/22
A61L2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507912
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022039148
(87)【国際公開番号】W WO2023014701
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/393,018
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/675,841
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524048586
【氏名又は名称】ザイリス インコーポレーティッド
【氏名又は名称原語表記】ZYRIS, INC
【住所又は居所原語表記】6868A Cortona Dr. Santa Barbara, California 93117 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100135194
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 智雄
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシュ ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】バレンタイン ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ハレック ブライン
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058AA13
4C058AA14
4C058AA15
4C058BB07
4C058CC02
4C058DD02
4C058DD03
4C058DD13
4C058DD14
4C058DD16
4C058JJ07
4C058JJ24
(57)【要約】
消毒装置は使用が容易であり、歯科診察室又はその他の同様の環境において、簡単に取り付けられ得る、又は取り外し可能に接続され得る。本装置は、ベースユニットに取り付けられた取り外し可能な溶液チャンバを含み得る。溶液チャンバは、再充填可能なチャンバ又は使い捨て可能なチャンバであり得る。ベースユニットは、典型的には、歯科診察室又は歯科用椅子等に存在する標準接続から、加圧空気を受け取り得る。加圧空気を使用して、溶液チャンバ内の溶液のミスト又は静電気霧を、ノズルから送達し得る。溶液ボトルは、そこから延在するエアホースを用いて、ノズル/噴霧器装置に直接取り付けられ得る。使用中、ユーザは、システムの電源を入れ、アクティブ化機構/非アクティブ化機構を使用して、噴霧されたミスト又は霧を、室内の全ての表面に送達し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を消毒するための装置であって、
エアラインと、
前記エアラインの第1の端部にあるコネクタであって、前記コネクタが、前記エアラインを加圧ガス源に接続するように動作する、コネクタと、
エアラインの第2の端部にある、ハンドピースと、
消毒液を収容するように構成された容器であって、前記容器が、前記ハンドピースから取り外し可能に取り付けられる、容器と、
ミスト又は霧を、前記ハンドピースから追い出すように構成された、ノズルと、
前記ノズルから出る前記消毒液の前記ミスト又は前記霧の流れを制御するように、動作可能な、前記ハンドピース上のトリガー機構と、を備える、表面を消毒するための装置。
【請求項2】
前記コネクタが、診察室における加圧空気源に接続するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コネクタが、前記加圧ガス源に取り外し可能に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記消毒液が、次亜塩素酸溶液である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ミスト又は前記霧が前記ノズルから出る方向に放射するように動作可能なライトを、更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
コンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読プログラムコードを具体的に具体化する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を有する、リモートコンピューティングを更に備え、実行された場合に、コンピュータ装置に方法を実行させ、前記方法が、
前記装置からデータを受信し、
前記装置の使用データを表示し、前記使用データが、ユーザ識別、使用期間、使用日時、使用終了から使用された部屋の占有までの待機時間、又は使用位置データのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
タイマー機構を更に備え、前記タイマー機構は、前記装置からの、前記霧又は前記ミストが処理される部屋の占有準備ができた場合の表示を、提供するように、構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記タイマ機構が、前記装置からデータを受信して、指示を提供するためのカウントダウンを開始する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
表面を消毒するための装置であって、
加圧ガス源から加圧ガスを受け取るように動作可能な、ベースユニットと、
チューブを介して前記ベースユニットに接続された、ハンドピースと、
消毒液を収容するように構成された容器であって、前記容器が、前記ベースユニットから取り外し可能に取り付けられる、容器と、
前記ハンドピースの端部に配置され、ミスト又は霧を前記ハンドピースから放出ように構成された、ノズルと、
前記ノズルから出る前記消毒液の前記ミスト又は前記霧の流れを制御するように動作可能な、トリガー機構と、を備える、表面を消毒するための装置。
【請求項10】
前記ベースユニットと前記ハンドピースとが一体化されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記加圧ガス源で加圧ガスを生成するための加圧ガス発生器に電力を提供するための電源を、前記装置内に更に備え、前記加圧ガス源が、前記装置内に組み込まれている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、手持ち式かつコードレスである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、前記ベースユニットから離れた手持ち式ノズルを含み、前記手持ち式ノズルが、前記チューブによって、前記ベースユニットに接続される、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、ユーザによる前記装置との対話なしに、前記霧又は前記ミストを生成するように、動作可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
部屋を消毒する方法であって、前記方法が、
容器から、消毒液を汲み出すことと、
ミスト又は霧を形成し、加圧ガス源からの加圧ガスを使用して、前記ミスト又は前記霧を送達することと、
前記ミスト又は前記霧を、前記装置のノズルから放出することと、
前記ミスト及び前記霧が、前記部屋の表面に接触することを可能にすることと、を含む、部屋を消毒する方法。
【請求項16】
前記容器は、前記ノズルがその内部に形成されたハンドピースに、取り外し可能に取り付けられており、
前記ハンドピースが、エアラインにより、前記加圧ガス源に取り外し可能に接続する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記消毒液が、次亜塩素酸溶液である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ノズルが、コードレスハンドヘルドユニットと一体化されており、
前記容器が、前記コードレスハンドヘルドユニットに、取り外し可能に取り付けられており、
前記コードレスハンドヘルドユニット内の電源が、前記加圧ガス源に電力を提供し、
前記加圧ガス源が、前記コードレスハンドヘルドユニット内に配置されている、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ノズルが、チューブを介して、ベースユニットに取り付けられており、
前記容器が、前記ベースユニットに、取り外し可能に取り付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
電源が、前記加圧ガス源に電力を提供するために、前記ベースユニット内に配置されており、
前記加圧ガス源が、前記ベースユニット内に配置されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、消毒装置及び方法に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、霧又はエアロゾルミストを使用して、歯科診察室を消毒するための、装置及び方法に関する。
【従来技術及び関連情報の説明】
【0002】
以下の背景情報は、従来技術の特定の態様(例えば、限定されるものではないが、アプローチ、事実、又は常識)の例を示す場合があり、これらは、従来技術の追加の態様について、読者に対して更なる教示を所与することに役立つことが期待されるが、本発明、又はその実施形態を、その中で述べられ、暗示され、又はそこから推論されるものに限定するものとして、解釈されるべきではない。
【0003】
歯科手術室は通常、歯科専門家が、患者に歯科処置を行う部屋である。処置中に、例えば、空気及び水の送達によって、患者の口から飛沫が排出される場合がある。患者からの血液、唾液、組織などのこのような液滴には、潜在的に、感染性病原体が含まれている可能性がある。したがって、患者ごとに、このような歯科手術器具を消毒する必要がある。
【0004】
典型的な方法としては、全ての表面に噴霧する方法があるが、多くの場合、手持ち式のスプレーボトル、及び予め湿潤させた消毒用ワイプを使用する。所定の時間が経過した後に、ユーザは、次に、表面を拭いて乾燥させる必要がある。このようなプロセスには30分以上かかる場合があり、その間、手術室を、患者のケアに利用することができない。
【0005】
上記を考慮すると、患者間の、歯科治療室を消毒するための改良された方法及び装置が、必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、例として示されており、添付図面の図によって限定されるものではなく、同様の参照符号は、同様の要素を示す場合がある。
【0007】
図1】本発明の一実施形態による消毒装置の、側面図である。
図2図1の消毒装置の、溶液ボトルが取り外された状態の噴霧器ユニットの、詳細図を示す。
図3図1の消毒装置の、溶液ボトルが噴霧器ユニットボトル取付部から外された状態の噴霧器ユニットの、詳細図を示す。
図4図1の消毒装置の噴霧器ユニットの、詳細な斜視図を示す。
図5図1の消毒装置用の空気供給コネクタの、詳細な斜視図を示す。
図6】診察室で使用されている、本発明の例示的な実施形態による、手持ち式消毒装置を示す。
図7】診察室で使用されている、本発明の例示的な実施形態による、携帯用消毒装置の斜視図である。
図8】本発明の例示的な実施形態による、診察室において取り付け可能な、固定取り付け型消毒装置を示す。
図9】本発明の例示的な実施形態による、診察室において取り付け可能な、壁掛け式消毒装置を示す。
図10】本発明の例示的な実施形態による、任意選択のポップアップ照明装置を使用する、図6の手持ち式消毒装置を使用しているユーザを示す。
図11】本発明の例示的な実施形態に従って、ユーザの介入なしに消毒ミストを提供するために、消毒装置を、部屋にどのように配置し得るかを、示す。
図12】例えば、霧化データを提供するために、コンピュータ装置と通信する、本発明の消毒装置の能力を、示す。
図13】消毒用ミストを適用した後、適切な時間が経過した後に、ユーザに警告するための、1つ以上のカウントダウンタイマを提供する機能を、示す。
【0008】
特に明記しない限り、図中の図は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。
【0009】
本発明及びその種々の実施形態は、図示された実施形態が説明される以下の詳細な説明に目を向けることによって、より良く理解され得る。図示の実施形態は、例として記載されており、最終的に特許請求の範囲で定義される本発明を限定するものではないことを、明確に理解されたい。
【発明を実施するための好ましい形態及び最良の形態】
【0010】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」には、関連する列挙された項目の1つ又は複数の任意の組み合わせが含まれる。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、単数形だけではなく、複数形も含むものとする。更に、本明細書で使用される「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」という用語は、記載された特徴、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、その存在又は1つ以上のその他の機能、工程、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群追加を排除するものではないこともまた、理解されよう。
【0011】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。更に、一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術及び本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義しない限り、理想化された又は過度に形式化された形で解釈されるべきではないこともまた、理解されよう。
【0012】
本発明を説明する際に、多くの技術及び工程が開示される場合が、理解されよう。これらのそれぞれには個別の利点があり、それぞれはまた、その他の開示された技術の1つ以上、場合によっては全てと組み合わせても、使用され得る。したがって、明確にするために、本説明では、個々の工程のあらゆる可能な組み合わせを不必要に繰り返すことは控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、このような組み合わせが完全に本発明及び特許請求の範囲内にあることを理解して、読まれるべきである。
【0013】
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、これらの特定の詳細がなくても本発明を実施できることが、明らかであろう。
【0014】
本開示は、本発明の例示としてみなされるべきであり、本発明を、図又は以下の説明によって示される特定の実施形態に限定することを、意図するものではない。
【0015】
当業者には周知であるように、任意のシステム、特に、本発明の実施形態の商用的実装の最適な構成を設計する場合、通常、多くの慎重な検討と妥協が、必要となる。本発明の精神及び教示による商用的実装は、特定の用途の必要性に従って構成され得、それによって、本発明の任意の記載された実施形態に関連する本教示のあらゆる態様(複数可)、特徴(複数可)、機能(複数可)、結果(複数可)、構成要素(複数可)、アプローチ(複数可)、又は工程(複数可)は、当業者によって適切に省略され、含まれ、適合され、混合及び適合され、又は改良及び/若しくは最適化され得が、これは、平均的なスキルと周知の技術とを使用して、特定の用途の必要性に対応する望ましい実装を実現する。
【0016】
一般に、本発明の実施形態は、使いやすく、歯科手術又はその他の同様の環境で使用するために簡単に取り付け又は接続され得る、消毒装置を提供する。本装置は、ベースユニットに取り付けられた取り外し可能な溶液チャンバを含み得る。溶液チャンバは、再充填可能なチャンバ又は使い捨て可能なチャンバであり得る。ベースユニットは、典型的には、歯科診察室又は歯科用椅子等に存在する標準接続から、加圧空気を受け取り得る。加圧空気を使用して、溶液チャンバ内の溶液のミスト又は静電気霧を、ノズルから放出し得る。溶液ボトルは、手持ち式噴霧器/ノズルに直接取り付けられ得る。その他の実施形態では、ホースが、ベースユニットをノズルに接続し得るが、ホースは、コイル状、格納可能等で、消毒すべき室内の適切な表面にノズルが到達できるようにし得る。使用中、ユーザは、システムの電源を入れ、ノズルのトリガを使用して、噴霧されたミスト又は霧を、部屋の全ての表面に供給し得る。所定の時間が経過すると、多くの場合、10分未満で、表面を拭いたり、乾燥を待ったりする必要なく、診察室は、次の患者への準備が整う。
【0017】
本装置にはタイマーが組み込まれているため、ミストを適用した後、ハンドユニット及び/又はベースユニットのボタンを押してタイマーを開始し、次の患者のために部屋が消毒される場合に、警告を発し得る。装置は、コンピュータ又はスマート装置上の通知アプリケーションにアラートを送信するための、無線通信機能又は有線通信機能を備え得る。いくつかの実施形態では、装置は、ミストが適用されると、モバイルコンピューティング装置が、治療された場所(どの診察室か、など)を検出し、いつその部屋が使用準備ができているかを示すカウントダウンを開始し得るように、モバイルコンピューティング装置とリンクし得る。
【0018】
装置は、無線通信機能又は有線通信機能もまた備え、消毒データを、データベースに保存し得る。このようなデータには、消毒された部屋、消毒された時間、使用された消毒剤の量、消毒剤の濃度、消毒剤のpH、部屋の温度及び湿度レベルなどが含まれ得る。本データにより、ユーザは、温度と湿度とに基づいて、適切な蒸発速度を計算し得るため、有効性を証明することができる。装置のハンドピースには、部屋全体への消毒剤の適用に関する追加データを提供するために、ジャイロスコープ、加速度計、及び/又はGPS位置情報装置が含まれ得る。
【0019】
したがって、いくつかの実施形態では、装置は、消毒剤の濃度及び/又は消毒剤のpHを検出するためのセンサを含み得る。装置は、この情報の読み取り値を含み得る、又は読み取り値が所定の範囲外にある場合に、単純に警告を発し得る。
【0020】
一実施形態では、消毒剤は、次亜塩素酸溶液又は安定化次亜塩素酸溶液であり得る。いくつかの実施形態では、次亜塩素酸溶液は、約50~約400ppm、典型的には、約100~約200ppmの濃度を有し得る。特定の用途に応じて、濃度は、これらの典型的な範囲から外れ得ない。当然、本発明の装置は、スプレー、霧、ミスト等を介して送達され得る任意の消毒剤と共に、使用され得る。本溶液は市販の溶液であり、ユーザは、必要に応じて溶液容器を購入して、交換し得る。本装置は、容器内の溶液が少なくなった場合にユーザに警告する、センサを含み得る。その他の実施形態では、装置は、電気分解ユニットを含み得るが、ユーザは、塩化ナトリウムなどの塩化物塩と水とを容器に入れ、装置は、所望の濃度で、次亜塩素酸を自動的に生成し得る。このような電気分解装置は、当技術分野で周知である。消毒剤の濃度を検出するセンサは、適切な濃度の次亜塩素酸が生成され、使用されていることを確認するために、使用され得る。
【0021】
本装置は、消毒される部屋の温度及び/又は湿度を測定するセンサもまた含み得る。温度と湿度との測定値を使用して、消毒時間と、部屋が次の患者のために準備ができていることを示すまでどれくらいタイマーが待機するかの時間を、決定し得る。このような温度と湿度とのデータはまた、装置が生成した消毒の待ち時間と共に、データベースに保存され得る。
【0022】
ミスティング/霧化ハンドピース本体は、人間工学に基づいた形状で、片手(左右どちらでも)で保持され得る。ハンドピースは、起動機能/停止機能を含み得る。ハンドピースは、エアロゾル化チップ、又はその他の実施形態では、静電エアロゾル化チップを含み得る。ハンドピースは、異なる動作環境で遭遇する異なる加圧レベルに対応する加圧調整機能を、含み得る。いくつかの実施形態では、消毒液を保持するボトルが、ハンドピースに直接取り付けられ得る。その他の実施形態では、接続チューブは、消毒液を収容する装置の第1の部分と、ミスト又は霧を送達する装置の第2の部分と、の間の接続を、提供し得る。
【0023】
ソフトウェア アプリケーションは、捕捉された全ての日付要素の履歴と、監査中に使用状況を証明するために使用され得るレポートと、を提供し得る。ソフトウェア アプリケーションは、捕捉されたデータを利用して、消毒剤が消毒効果に達し、表面が乾燥するまでに必要な適切な時間を、計算し得る。この期間が完了すると、装置は、視覚的な警告及び/又は聴覚的な警告を発して、手術室の準備ができていることを示す。ソフトウェア アプリケーションは、進行状況/カウントダウン モニタを備えたモバイル装置上のアプリケーションを使用して、音声警告及び/又は視覚的な警告を提示し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、ハンドピースは、消毒液がどこに向けられているかを示すための、光又はレーザーを、含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、ミスティング/霧化ハンドピース自体、及び/又はハンドピースアダプタ、及び/又はハンドピースホース延長部は、以下のタイプを含む歯科用椅子のハンドピースコネクタに、直接又は取り外し可能に接続するように、設計され得る:
●ISO-B5穴標準ねじ込み接続(1211)(ISO-B5-Hole Standard Screw-on Connections(1211))、
●ISO-B5穴簡易コネクト接続(1215)(ISO-B5-Hole Quick-Connect Connections(1215))、
●ISO-B5穴簡易コネクト旋回接続(1216)(ISO-B5-Hole Quick Swivel Connections(1216))、
●ISO-B5穴エコノミーランプ接続(1217)(ISO-B5-Hole Economy Lamp Connections(1217))、
●動的360接続(1221)(Kinetic-360Connections(1221))、
●ISO-C6ピン接続(1240)(ISO-C6-Pin Connections(1240))、
●非光学式4穴接続(2430)(Non-Optic4-Hole Connections(2430))、
●いずれかの新しく開発された接続タイプ。
【0026】
いくつかの実施形態では、消毒液容器は消毒液を保持し、消毒完了後に交換される、歯科用椅子上の既存の水容器を、直接交換するために、使用され得る。消毒液切替バルブによって、消毒液又は標準水の選択が可能であり得る。消毒マニホールドを使用することで、椅子へと、水ボトルと消毒液ボトルの両方を、同時に椅子に接続し得る。消毒マニホールドは、次亜塩素酸を継続的に生成する次亜塩素酸発生器を含み得る。消毒マニホールドは、次亜塩素酸が常に最適な効力であることを保証するために、スケジュールに基づいて、次亜塩素酸を自動的にパージする機構を、含み得る。消毒マニホールドは、各消毒セッションの後に、水ラインから、次亜塩素酸を自動的にパージし、水で洗い流す機構を、含み得る。
【0027】
ここで図1図5を参照すると、消毒装置10は、ハンドピース12に形成されたボトルアダプタ24に取り外し可能に取り付けられた消毒液ボトル16(単に、ボトル16又は容器16とも称される)を含み得る。ハンドピース12は、ボトル16から溶液のミスト又は霧を送達するためのノズル22を、含み得る。トリガ14を、ハンドピース上に配置して、ボトル16からの、及びノズル22から出る、例えば、ミスト又は霧として、溶液の流れを活性化し得る。
【0028】
空気ライン18を使用して、ハンドピース12を、診察室内の加圧空気などの加圧ガス源に接続し得る。このような加圧空気は、例えば、約40~約100psi、典型的には、60~80psiであり得る。エアライン18は、図示のように、コイル状に形成され得るが、これによって、ユーザが操作部の周囲を移動し得、部屋全体にミスト又は霧を適用し得る。エアライン取付金具20を使用して、エアライン18を、加圧ガス源に接続し得る。エアライン取り付け金具20は、ガス源へのエアラインの取り外し可能な取り付けを可能にする任意の取り付け金具によって、行われ得る。このような接続の例は、上で説明されている。
【0029】
図3に示されるように、ボトル16は、ボトル16をハンドピース12に取り外し可能に取り付ける方法を、含み得る。例えば、ボトル16は、図示のように、ねじ山26を含み得る。その他の実施形態では、ボトル16は、ボトル16をハンドピース16に封止するための、簡易接続解除ディスコネクト機能、圧入機能、ツイストロック機能、又はその他の同様の機構を含み得る。いくつかの実施形態では、ボトル16は、その内部に形成された封止部を有し得、ボトル16が、ボトルアダプタ24に接続される場合に、封止部は、自動的に穿孔され得る。その他の実施形態では、ボトル16は、使用者によって開けられ、ハンドピース12のボトルアダプタ24に取り付けられ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、ボトルアダプタ24は、ボトル16がハンドピース12に接続される場合に、ボトル16の底部近くで終端するように、下方に延在する、巻き取りホース(図示せず)を、含み得る。
【0031】
ミスト又は霧は、種々の方法によって生成され得る。例えば、加圧空気の圧力によって、ミスト及び霧が発生し得る。いくつかの実施形態では、静電ノズルが、ミスト又は霧の生成を補助し得る。
【0032】
図4は、ノズルから霧又はミスト28を噴霧する装置10を示す。霧又はミスト28は、例えば、約10~100ミクロンの粒子で形成され得るが、このような霧又はミストはノズルから放出され、噴霧器が向けられる表面を、均一かつ一様に覆い得る。
【0033】
図5は、空気ライン取り付け金具20の一実施例を示しており、端部は、金具20を加圧ガス源上に保持し得るロック機構21を含み得る。取付具20は、一実施例にすぎない。当技術分野で周知のように、エアライン18を加圧ガス源に接続するために、その他の取付具もまた使用され得る。いくつかの実施形態では、エアラインは、加圧ガス源に永久的に接続され得る。このような構成は、例えば、壁取り付けシステム、又は歯科診察用椅子などの取り付け備品要素に恒久的に取り付けられるシステムに、特に有用であり得る。このような構成のいくつかについて、以下で更に詳細に記載する。
【0034】
いくつかの実施形態では、手持ち式消毒装置60は、その内部に消毒液ボトル66を保持するハウジングを含み得る。ハウジングは、充電式電池などの電源62及び空気加圧発生器64を含み得る。装置60は、電源62の充電を可能にするベース(図示せず)内に、保管され得る。ノズル68は、上述の装置10と同様の様式で、霧又はミストを放出し得る。したがって、必要な空気加圧は、手持ち式ユニット内で提供され得るので、エアラインは必要とされない。
【0035】
同様に、図7に示されるように、携帯用消毒装置70は、上述の手持ち式装置60より大きくあり得、消毒液用のより大きなボトル76を含み得る。上記と同様に、装置70は、充電式電池などの電源72及び空気加圧発生器74を含み得る。ノズル78は、チューブ79を介して、ベースユニットに接続され得、それによって、ユーザが、霧又はミストを供給しようとしてノズル78を移動させている間に、装置70を、例えば、図示のように、ユーザの肩にかけることができる。図11に示すように、携帯機器70を使用し得るが、これは、装置を部屋に置き、ユーザがノズルを向ける必要なく、装置が部屋にミスト又は霧を自動的に送達し得るようにすることによって、行われ得る。1つ以上の装置70を使用して、部屋全体を、適切に消毒し得る。いくつかの実施形態では、装置は、噴霧する際に、部屋中を移動するために移動可能であり得る、又は広範囲にわたってミストの霧を送達するために、円を描くように回転し得る。
【0036】
その他の実施形態では、専用システム80は、図8に示すようなものであり得る。このようなシステムは、歯科診察室の既存のポストに取り付けられ得る装置80は、空気加圧を測定するための圧力計と、システムの空気加圧を調整するための調整ノブと、を含み得る。装置80は、溶液容器86の交換を可能にする、オン/オフスイッチ及び空気加圧放出装置を含み得る。本装置は、部屋全体を消毒するために、部屋の中央に取り付けられ得る、又は部屋の出入りの際に、人々が自己消毒できるように、部屋の入口/出口の近傍に取り付けられ得る。溶液容器86は、例えば、空になった場合、期限切れになった場合、濃度が低すぎる場合等に、簡単に交換され得るように、ねじ込み式の容器であり得る。チューブ82は、ベース部分をノズル88に接続し得る。いくつかの実施形態では、ノズル88は、ミストの霧の流れを制御するためのトリガを含み得る。その他の実施形態では、ノズル88は、ベース部分のスイッチを介してシステムがオンになっている間ずっと、霧又はミストを、単に送出し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、装置は、バッテリなどの電源を備えたカート上に配置されたモバイル装置であり得る。モバイルシステムはまた、上述のように、小型の充電式バッテリを備える手持ち式であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、図9に示すように、装置90は、壁の空洞等において、壁91に取り付けられ得る。装置90は、上述のその他の装置と同様のものであり得る。装置90は、消毒液ボトル96、ノズル98、及びノズル98とボトル96とを接続する配管99を、含み得る。装置90は、壁に固定され得、使用者は、管99を使用して、ノズル98を室内で移動させ、ミスト又は霧を送出する。本実施形態では、加圧空気は、建物自体(例えば、診察室の加圧ガス源に接続される図1の装置など)から供給され得る、又は装置自体内に配置された加圧ガス発生器によって、加圧ガスが生成され得る。その他の実施形態では、装置90は、例えば、壁から取り外し可能であり得、図6及び図7に関して説明した充電式装置60、70と同様に、動作する。
【0039】
いくつかの実施形態では、図10に示されるように、手持ち式装置60Aは、照明装置100を含み得る。照明装置100は、ミスト又は霧が、装置から放出される際に、自動的に点灯して、それを照明し得る、又は照明装置は、例えば、別個の電源ボタンを使用して、ユーザによって、手動で操作され得る。いくつかの実施形態では、図10に示すように、照明装置100が、ハウジングから飛び出す場合がある。一方で、図10は、手持ち式装置60A上の照明装置100を示すが、照明装置は、図1の装置10、図7の装置70、又はその他の類似の装置上で使用され得ることを、理解されたい。
【0040】
図12に示すように、装置120は、データを送受信し得るWi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)送信機などの、無線送信機(図示せず)を含み得る。モバイルコンピューティング装置122は、装置120にデータを送受信するように構成された、ソフトウェアを含み得る。ソフトウェアは、装置ごとに毎日実行される霧化の量、霧化を実行するユーザ、各部屋の霧化の量、各部屋の霧化の曜日と時間等などを含むデータを、ユーザに提供し得る。ソフトウェアは、霧化の完了後に占有が発生する可能性がある場合に、ユーザに警告するタイマを、更に含み得る。ソフトウェアは更に、バッテリ充電(装置において、適用可能である場合)、消毒液のレベル、消毒液の濃度等を監視し得る。これらのシステムの場合、装置は、溶液レベルセンサ、次亜塩素酸濃度センサ、バッテリ充電センサ、ユーザセンサ(親指の指紋検出など)等の関連センサが含まれ得るが、これらは、モバイルコンピューティング装置122に、データを送信し得る。いくつかの実施形態では、これらのセンサは、装置自体に指示を提供し得る。例えば、装置は、電池残量の低下(又は電池レベルの低下)、溶液レベル、溶液濃度等を示すインジケータを、含み得る。
【0041】
ここで図13を参照すると、いくつかの実施形態では、タイマ装置130は、種々のタイミング機能に対して、視覚的及び/又は音声インジケータを提供し得る。例えば、タイマ装置130は、ユーザが、室内でどのくらいの時間、積極的に霧を発生させているかの指標を、ユーザに提供し得る。タイマ装置130は更に、霧化が完了した後、消毒が完了し、ユーザが部屋を占有できる所定の期間の表示を、ユーザに提供し得る。このようなタイマは更に、ミスト又は霧中の次亜塩素酸濃度、温度、湿度等の要因に応じて、自動的に調整され得る。
【0042】
添付の要約書及び図面を含む本明細書に開示されている全ての特徴は、特に明記しない限り、同じ、同等、又は同様の目的を果たす代替の特徴によって、置き換えられ得る。したがって、特に明記しない限り、開示される各特徴は、一連の同等又は類似の特徴の、一般的な一実施例にすぎない。
【0043】
本明細書の特許請求の範囲の要素及び工程には、読みやすさと理解を助けるためにのみ、番号が付けられ得る、及び/又は文字が付けられ得る。あらゆるこのような番号付け及び文字自体は、特許請求の範囲における要素及び/又は工程の順序を示すことを意図したものではなく、また、そのように解釈されるべきではない。
【0044】
当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正を行い得る。したがって、図示の実施形態は例としてのみ記載されており、特許請求の範囲によって定義される本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことを、理解されたい。例えば、特許請求の範囲の要素が特定の組み合わせで以下に記載されているという事実にもかかわらず、本発明は、開示された要素のより少ない、より多い、又は異なる要素のその他の組み合わせを含むことを、明確に理解されたい。
【0045】
本発明及びその種々の実施形態を説明するために本明細書で使用される用語は、それらの一般的に定義される意味合いの意味で理解されるだけはでなく、本明細書における特別な定義により、それらが単一種を表現する一般的な構造、材料、又は行為を含むものと、理解されるべきである。
【0046】
したがって、以下の特許請求の範囲の単語又は要素の定義は、文字通り記載された要素の組み合わせだけを含むものではないことが、本明細書において定義される。したがって、この意味において、以下の特許請求の範囲の要素のいずれか1つに対して2つ以上の要素の同等の置換を行い得ること、又は請求項の2つ以上の要素を単一の要素で置き換え得ることが、想到される。要素は、特定の組み合わせで作用するものとして上で説明され、最初はそのように特許請求されている場合もあるが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の要素が、場合によってはその組み合わせから削除され、特許請求された組み合わせが、副次的組み合わせ又は副次的組み合わせの変形形態を対象とする場合があることを、明示的に理解されたい。
【0047】
当業者によって見られる、現在知られている、又は後に考案される、特許請求された主題からの実質的な変更は、特許請求の範囲内に等価に含まれるものとして、明示的に想到される。したがって、当業者に現在又は将来知られる明白な置換は、定義された要素の範囲内にあると、定義される。
【0048】
したがって、特許請求の範囲は、上で具体的に図示し説明したもの、概念的に等価なもの、明らかに置換できるもの、及び本発明の本質的な概念を組み込むものを含むものと、理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】