(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】マルチゾーン8Kビデオルーティングを同時に実施するオーディオビデオレシーバ
(51)【国際特許分類】
H04N 21/436 20110101AFI20240730BHJP
H04N 5/268 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N5/268
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522719
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 IB2022000362
(87)【国際公開番号】W WO2023275614
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509273846
【氏名又は名称】レンブルック インダストリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティドセン,グレゴリー,アール.
(72)【発明者】
【氏名】グルーンフェルト,ケビン
【テーマコード(参考)】
5C023
5C164
【Fターム(参考)】
5C023AA21
5C023AA23
5C023BA15
5C164MA02S
5C164UA51S
5C164UB71P
(57)【要約】
オーディオビデオレシーバ(AVR)の一部となることができるビデオスイッチングシステムは、AVRのHDMI入力で受信される複数の独立したビデオストリーム(たとえば、8Kビデオストリーム)をデジタルメディアソースから複数の選択されたデジタルディスプレイデバイスに対して同時にルーティングすることを可能にする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオビデオレシーバ(AVR)コンソールにおけるビデオスイッチングシステムであって、
前記AVRコンソール内の複数のマルチメディアインターフェース接続入力であって、各々が複数のデジタルメディアソースのうちの1つに対して接続可能であり、複数のデジタルメディアソースのうちの1つからビデオストリームを受信する、マルチメディアインターフェース接続入力;
前記マルチメディアインターフェース接続入力に対して接続され、前記マルチメディアインターフェース接続入力からビデオストリームを受信する、前記AVRコンソール内の第1トランシーバのセットであって、各前記第1トランシーバは、複数の入力および複数の出力を有し、前記入力のいずれかにおいて受信されたビデオストリームを前記出力のいずれかに対して同時にルーティングするように構成され、各前記マルチメディアインターフェース接続入力は、前記第1トランシーバのセットの前記入力のうちの異なる1つに接対して続される、第1トランシーバのセット;
前記第1トランシーバのセットに対して接続され、前記第1トランシーバによってルーティングされた前記ビデオストリームを受信する、前記AVRコンソール内の第2トランシーバのセットであって、各前記第2トランシーバは、複数の入力と1つの出力とを有し、前記複数の入力のうちのいずれか1つにおいて受信されたビデオストリームを前記1つの出力に対してルーティングするように構成され、各前記第1トランシーバの出力は各前記第2トランシーバの入力に対して接続され、これにより、各前記第1トランシーバは、選択された第2トランシーバに対して、前記第1トランシーバにおいて受信されたビデオストリームのうちのいずれか1つを選択的に送信することができる、第2トランシーバのセット;
前記AVRコンソール内の複数のマルチメディアインターフェース接続出力であって、それぞれが、前記第2トランシーバのうちの異なる1つの出力に接続され、前記第2トランシーバの出力からビデオストリームを受信し、受信したビデオストリームは、そのマルチメディアインターフェース接続出力に対して取り外し可能に接続可能なデジタルディスプレイデバイス上に表示される、複数のマルチメディアインターフェース接続出力;
前記第1トランシーバおよび前記第2トランシーバのそれぞれの動作を制御して、前記複数のマルチメディアインターフェース接続入力のうちのいずれかにおいて受信されたビデオストリームを前記複数のマルチメディアインターフェース接続出力のうちのいずれかに対して同時にルーティングするように、接続されるとともに構成された、前記AVRコンソール内のコントローラ;
を備えるシステム。
【請求項2】
追加マルチメディアインターフェース接続出力および2:2トランシーバをさらに備え、前記2:2トランシーバは、前記第2トランシーバのうちの1つの前記出力に対して接続された第1入力と、システムセットアップおよび構成機能を提供するグラフィカルユーザインターフェースを提供するオンスクリーンディスプレイビデオストリームに対して接続された第2入力とを有し、前記2:2トランシーバは、前記マルチメディアインターフェース接続出力のうちの1つに対して接続された第1出力と、前記追加マルチメディアインターフェース接続出力に対して接続された第2出力とを有し、前記2:2トランシーバは、前記第1および第2入力のいずれかで受信されたビデオストリームを、前記マルチメディアインターフェース接続出力および前記追加マルチメディアインターフェース接続出力のいずれかに対して同時にルーティングするように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第1トランシーバのセットは、各々が2つの入力および2つの出力を有する4つの2:2トランシーバを備え、 前記第2トランシーバのセットは、各々が4つの入力および1つの出力を有する2つの4:1トランシーバを備える、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記マルチメディアインターフェース接続入力は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)入力を備え、前記マルチメディアインターフェース接続出力は、HDMI出力を備える、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記システムはさらに、 複数の静電気保護デバイスを備え、前記静電気保護デバイスの各々は、前記システムの構成要素に対する静電気による損傷を防止または抑制するために、前記複数のマルチメディアインターフェース接続入力のうちの1つに対して接続される、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、単一の電気回路基板において実装される、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記ビデオストリームは、8K個のビデオストリームを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、1つ以上の電気回路基板アセンブリにおいて実装される、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第1トランシーバおよび前記第2トランシーバは、信号の完全性を維持するためにビデオストリームをバッファし、再ロックするように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
オーディオビデオレシーバ(AVR)コンソール内のビデオスイッチングシステムにおいてビデオ信号を同時にルーティングする方法であって、
(a)前記AVRコンソール内の複数のマルチメディアインターフェース接続入力において複数のデジタルメディアソースから複数のビデオストリームを受信するステップ;
(b)複数の第1トランシーバのうちの1つまたは複数の動作を制御して、前記マルチメディアインターフェース接続入力において受信された前記複数のビデオストリームのうちのいくつかまたはすべてを、前記AVRコンソール内の複数の第2トランシーバのうちの1つまたは複数に対して選択的にルーティングするステップ;
(c)前記複数の第2トランシーバのうちの1つまたは複数の動作を制御して、前記複数の第1トランシーバのうちの1つまたは複数から受信されたビデオストリームの一部またはすべてを、前記AVRコンソール内のマルチメディアインターフェース接続出力に対して選択的にルーティングすることにより、前記マルチメディアインターフェース接続出力に対して接続されたデジタルディスプレイデバイス上に表示し、その結果、前記複数のマルチメディアインターフェース接続入力のうちのいずれかにおいて受信されたビデオストリームを、前記複数のマルチメディアインターフェース接続出力のうちのいずれかに対して選択的かつ同時にルーティングすることができる、ステップ;
を有する方法。
【請求項11】
前記方法はさらに、前記複数のマルチメディアインターフェース接続入力におけるホットプラグイベントについて前記複数の第1トランシーバを監視して、前記ビデオスイッチングシステムに対して接続されたデジタルメディアソースを識別するステップ、前記複数のマルチメディアインターフェース接続出力におけるホットプラグイベントについて前記複数の第2トランシーバを監視して、前記ビデオスイッチングシステムに対して接続されたディスプレイデバイスを識別するステップ、を有する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記方法はさらに、前記第1トランシーバおよび前記第2トランシーバの動作を制御して、信号の完全性を維持するために前記ビデオストリームをバッファリングし、再ロックするステップを有する、請求項10記載の方法。
【請求項13】
オーディオビデオレシーバ(AVR)コンソールにおいて、デジタルメディアソースから受信した選択されたビデオストリームを選択されたデジタルディスプレイデバイスに対してルーティングする方法であって、
(a)前記AVRコンソールの入力接続におけるホットプラグイベントについて、前記AVRコンソール内の複数の入力側トランシーバ装置を監視して、前記AVRコンソールに対して接続されたデジタルメディアソースを識別するステップ;
(b)前記AVRコンソールの出力接続におけるホットプラグイベントについて、前記AVRコンソール内の複数の出力側トランシーバデバイスを監視して、前記AVRコンソールに対して接続されたディスプレイデバイスを識別するステップ;
(c)前記AVRコンソールに対して接続されたソースデバイスおよびディスプレイデバイスに関する情報を、ユーザインターフェースを介してユーザに対して表示するステップ;
(d)前記ユーザインターフェースを介して、選択されたデジタルメディアソースからのビデオストリームを選択された表示デバイス上に表示することについての前記ユーザによる選択を受信するステップ;
(e)前記選択されたソースデバイスに関連付けられた前記AVRコンソール内の入力側トランシーバの入力が、前記選択されたソースから前記ビデオストリームを受信することを可能にし、前記入力側トランシーバの出力が、前記選択されたディスプレイデバイスに関連付けられた前記AVRコンソール内の出力側トランシーバに対して前記ビデオストリームを送信することを可能にするステップ;
(f)前記出力側トランシーバの入力が、前記入力側トランシーバからビデオストリームを受信することを可能にし、前記出力側トランシーバの出力が、前記選択されたディスプレイデバイスに関連付けられた前記AVRコンソールの出力接続に対して前記ビデオストリームを中継して、前記選択されたディスプレイデバイスに対して送信することを可能にするステップ;
を有する方法。
【請求項14】
前記方法はさらに、前記入力側トランシーバおよび前記出力側トランシーバの動作を制御して、前記ビデオストリームをバッファリングし、再ロックして、信号の完全性を維持するステップを有する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
オーディオビデオレシーバ(AVR)コンソールにおけるビデオスイッチングシステムであって、
複数のデジタルメディアソースからビデオストリームを受信する、前記AVRコンソール内の複数のHDMI接続入力であって、前記HDMI接続入力は、第1HDMI入力、第2HDMI入力、第3HDMI入力、第4HDMI入力、第5HDMI入力、第6HDMI入力、第7HDMI入力、および第8HDMI入力を有する、HDMI接続入力;
第1入力、第2入力、第1出力、および第2出力をそれぞれ有し、前記第1入力または前記第2入力において受信したビデオストリームを、前記第1出力または前記第2出力のいずれかに対して同時にルーティングするように構成された、前記AVRコンソール内の複数の2:2トランシーバであって、前記複数の2:2トランシーバは、前記第1HDMI入力および前記第2HDMI入力からのビデオストリームを受信する第1の2:2トランシーバ、前記第3HDMI入力および前記第4HDMI入力からのビデオストリームを受信する第2の2:2トランシーバ、前記第5HDMI入力および前記第6HDMI入力からのビデオストリームを受信する第3の2:2トランシーバ、前記第7HDMI入力および前記第8HDMI入力からのビデオストリームを受信する第4の2:2トランシーバ、を備える、複数の2:2トランシーバ;
前記AVRコンソール内の複数の4:1トランシーバであって、各々が、第1入力、第2入力、第3入力、第4入力、1つの出力を有し、前記第1、第2、第3、および第4入力のうちのいずれか1つにおいて受信されたビデオストリームを前記1つの出力に対してルーティングするように構成され、前記複数の4:1トランシーバは、前記複数の2:2トランシーバの各々の前記第1出力からビデオストリームを受信するように構成された第1の4:1トランシーバと、前記複数の2:2トランシーバの各々の前記第2出力からビデオストリームを受信するように構成された第2の4:1トランシーバとを有する、複数の4:1トランシーバ;
第1ゾーンに配置された第1デジタルディスプレイデバイス上に表示される、前記第1の4:1トランシーバの出力からのビデオストリームを受信する、前記AVRコンソール内の第1ゾーンHDMI接続出力;
第2ゾーンに配置された第2デジタルディスプレイデバイス上に表示される、前記第2の4:1トランシーバの出力からのビデオストリームを受信する、前記AVRコンソール内の第2ゾーンHDMI接続出力;
前記複数の2:2トランシーバおよび前記複数の4:1トランシーバの各々の動作を制御して、前記複数のHDMI接続入力のいずれかにおいて受信されたビデオストリームを前記複数のHDMI接続出力のいずれかに対して同時にルーティングするように、接続されるとともに構成された、前記AVRコンソール内のコントローラ;
を備えるシステム。
【請求項16】
前記システムはさらに、前記複数のHDMI接続入力の各々に対して接続され、静電気による前記システムの構成要素への損傷を防止または抑制する静電気保護デバイスを備える、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記システムはさらに、前記AVRコンソール内の追加第1ゾーンHDMI接続出力と、前記AVRコンソール内の第5の2:2トランシーバとを備え、前記第5の2:2トランシーバは、前記第1の4:1トランシーバの前記出力に対して接続された第1入力と、システムセットアップおよび構成機能を提供するグラフィカルユーザインターフェースを提供するオンスクリーンディスプレイビデオストリームに対して接続された第2入力とを有し、前記第5の2:2トランシーバは、前記第1ゾーンHDMI接続出力に対して接続された第1出力と、前記追加第1ゾーンHDMI接続出力に対して接続された第2出力とを有し、前記第5の2:2トランシーバは、前記第1または第2入力のいずれかにおいて受信したビデオストリームを、前記第1ゾーンHDMI接続出力または前記追加第1ゾーンHDMI接続出力のいずれかに対して同時ルーティングするように構成されている、請求項15記載のシステム。
【請求項18】
前記システムは、単一の電気回路基板において実装される、請求項15記載のシステム。
【請求項19】
前記ビデオストリームは、8K個のビデオストリームを含む、請求項15記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは、電気回路基板アセンブリにおいて実装される、請求項15記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の2:2トランシーバおよび前記複数の4:1トランシーバは、信号の完全性を維持するためにビデオストリームをバッファし、再ロックするように構成される、請求項15記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年6月28日に出願された「AUDIO VIDEO RECEIVER WITH SIMULTANEOUS MULTIZONE 8K VIDEO ROUTING」という名称の米国特許出願第17/360530号からの優先権を主張し、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は一般に、オーディオビデオレシーバ(AVR)に関し、より詳細には、複数の入力と出力との間のAVRにおけるビデオストリームの同時ルーティングに関する。
【背景技術】
【0003】
2000年から間もなくして、全デジタル映像コンテンツ機能を備えた最初のAVRが消費者市場に導入された。当時のDVDおよびデジタルテレビの成功の下、HDMI(登録商標)(High-Definition Media Interface)接続を有するAVRは、消費者が急速なに採用するに至った。これらの最初のHDMI対応AVRは、デジタルメディアソースデバイスからコンテンツを切り換え、ルーティングし、コンテンツを1つまたは複数のデジタルディスプレイデバイスに渡す。デジタルAVRはソースからディスプレイまでのビデオ品質を維持するので、完全デジタルのビデオ接続はアナログビデオ接続を有する従来のAVRよりも大きな進歩であった。その後10年にわたって、HDMIを有するAVRの成功は製造業者間の競争を増加させ、より高いデジタルビデオピクセル解像度を提供する新しいAVRモデルを提供した。1080i (インターレース)の初期分解能は、1080p(プログレッシブ)によって急速に取って代わられた。現在、4Kビデオ解像度のAVRモデルが人気である。8Kの解像度の完全にプロフェッショナルなカメラおよびゲームが、最近、単一の8K入力を用いた最初のAVRの発売を促進した。しかしながら、8Kビデオストリームに必要とされる膨大な量のデータは、ハードウェアエレクトロニクスの設計において大きな設計上の課題を引き起こす。1つの単一のHDMI入力のみで8Kをサポートするという制限に加えて、市場の最初の8K AVRは、8Kビデオを家庭の別部屋のディスプレイデバイスへルーティングすることができない。これは、市場における多くの以前のAVRの重要な特徴であった。顧客が家の2つの異なる部屋でビデオコンテンツの2つの異なるストリームを閲覧することを可能にしたからである(例えば、ニュースチャンネルがキッチンに表示されている間、映画がホームシアターに表示される)。本質的な「マルチゾーン」ビデオ配信機能を可能にする費用効果の高い方法で、複数の8Kビデオチップセットを接続することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
1つまたは複数の実施形態によるビデオスイッチングシステムは、複数のマルチメディアインターフェース接続入力を有し、各入力は複数のデジタルメディアソースの1つに接続可能であり、複数のデジタルメディアソースの1つからビデオストリームを受信する。第1トランシーバのセットはマルチメディアインターフェース接続入力に対して接続され、マルチメディアインターフェース接続入力からビデオストリームを受信する。各第1トランシーバは複数の入力および複数の出力を有し、入力のいずれかにおいて受信されたビデオストリームを出力のいずれかに対して同時にルーティングするように構成され、各マルチメディアインターフェース接続入力は、第1トランシーバのセットの入力のうちの異なる1つに接続される。第2トランシーバのセットは第1トランシーバのセットに対して接続され、第1トランシーバによってルーティングされるビデオストリームを受信する。各第2トランシーバは複数の入力および1つの出力を有し、複数の入力のうちのいずれか1つにおいて受信されたビデオストリームを1つの出力に対してルーティングするように構成され、各第1トランシーバの出力は各第2トランシーバの入力に接続され、これにより各第1トランシーバは、第1トランシーバにおいて受信されたビデオストリームのうちのいずれか1つを、選択された第2トランシーバに対して選択的に送信することができる。複数のマルチメディアインターフェース接続出力は、それぞれ、第2トランシーバの異なる1つの出力に対して接続され、第2トランシーバの出力からビデオストリームを受信し、そのビデオストリームは、そのマルチメディアインターフェース接続出力に対して接続可能なデジタルディスプレイデバイス上に表示される。コントローラは、第1トランシーバの各々および第2トランシーバの各々の動作を制御して、複数のマルチメディアインターフェース接続入力のいずれかにおいて受信されたビデオストリームを複数のマルチメディアインターフェース接続出力のいずれかに対して同時にルーティングするように、接続され構成される。
【0005】
ビデオスイッチングシステムにおいてビデオ信号を同時にルーティングするための1つまたは複数の実施形態による方法が開示される。本方法は以下を有する:(a)複数のマルチメディアインターフェース接続入力において複数のデジタルメディアソースから複数のビデオストリームを受信するステップ、(b)複数の第1トランシーバのうちの1つまたは複数の動作を制御して、マルチメディアインターフェース接続入力において受信された複数のビデオストリームのうちのいくつかまたはすべてを、複数の第2トランシーバのうちの1つまたは複数に対して選択的にルーティングするステップ、(c)複数の第2トランシーバのうちの1つまたは複数の動作を制御して、マルチメディアインターフェース接続出力に対して、複数の第1トランシーバのうちの1つまたは複数から受信されたビデオストリームのうちのいくつかまたはすべてを選択的にルーティングし、ビデオストリームはマルチメディアインターフェース接続出力に対して接続されたデジタルディスプレイデバイス上に表示され、これにより、複数のマルチメディアインターフェース接続入力のうちのいずれかにおいて受信されたビデオストリームを、複数のマルチメディアインターフェース接続出力のうちのいずれかに対して選択的かつ同時にルーティングすることができるようにするステップ。
【0006】
1つまたは複数の実施形態による方法は、デジタルメディアソースから受信された選択されたビデオストリームをオーディオビデオレシーバ(AVR)内の選択されたデジタルディスプレイデバイスに対してルーティングする。方法は以下を有する:(a)AVRの入力接続におけるホットプラグイベントのための複数の入力側トランシーバデバイスを監視して、AVRに対して接続されたデジタルメディアソースを識別するステップ、(b)AVRの出力接続におけるホットプラグイベントのための複数の出力側トランシーバデバイスを監視して、AVRに対して接続されたディスプレイデバイスを識別するステップ、(c)ユーザインターフェースを通して、AVRに対して接続されたソースデバイスおよびディスプレイデバイス上においてユーザに対して情報を表示するステップ、(d)ユーザインターフェースを通して、選択されたデジタルメディアソースからのビデオストリームを選択されたディスプレイデバイス上に表示するためのユーザによる選択を受信するステップ、(e)選択されたソースデバイスに関連付けられた入力側トランシーバの入力が、選択されたソースからビデオストリームを受信することを可能にし、入力側トランシーバの出力が、選択されたディスプレイデバイスに関連付けられた出力側トランシーバに対してビデオストリームを送信することを可能にするステップ、(f)出力側トランシーバの入力が、入力側トランシーバからのビデオストリームを受信することを可能にし、前記出力側トランシーバの出力が、前記ビデオストリームを、前記選択されたディスプレイデバイスに関連付けられた前記AVRの出力接続に対して中継することを可能にして、前記選択されたディスプレイデバイスに対して送信するステップ。
【0007】
1つまたは複数の実施形態によるビデオスイッチングシステムは、複数のデジタルメディアソースからビデオストリームを受信するための複数のHDMI接続入力を有し、HDMI接続入力は、第1HDMI入力と、第2HDMI入力と、第3HDMI入力と、第4HDMI入力と、第5HDMI入力と、第6HDMI入力と、第7HDMI入力と、第8HDMI入力とを有する。それぞれが第1入力、第2入力、第1出力、および第2出力を有する複数の2:2トランシーバは、第1および第2入力のいずれかにおいて受信されたビデオストリームを第1および第2出力のいずれかに対して同時にルーティングするように構成される。複数の2:2トランシーバは、第1HDMI入力および第2HDMI入力からビデオストリームを受信する第1の2:2トランシーバと、第3HDMI入力および第4HDMI入力からビデオストリームを受信する第2の2:2トランシーバと、第5HDMI入力および第6HDMI入力からビデオストリームを受信する第3の2:2トランシーバと、第7HDMI入力および第8HDMI入力からビデオストリームを受信する第4の2:2トランシーバとを含む。それぞれが第1入力、第2入力、第3入力、第4入力、および1つの出力を有する複数の4:1トランシーバは、第1、第2、第3、および第4入力のうちのいずれか1つにおいて受信されたビデオストリームを1つの出力に対してルーティングするように構成される。複数の4:1トランシーバは、複数の2:2トランシーバの各々の第1出力からビデオストリームを受信するように構成された第1の4:1トランシーバと、複数の2:2トランシーバの各々の第2出力からビデオストリームを受信するように構成された第2の4:1トランシーバとを有する。第1ゾーンHDMI接続出力は、第1の4:1トランシーバの出力からビデオストリームを受信し、これは第1ゾーンに配置された第1デジタル表示装置に表示される。第2ゾーンHDMI接続出力は、第2の4:1トランシーバの出力からビデオストリームを受信し、これは第2ゾーンに配置された第2デジタル表示装置上に表示される。コントローラは、複数の2:2トランシーバおよび複数の4:1トランシーバの各々の動作を制御して、複数のHDMI接続入力のいずれかにおいて受信されたビデオストリームを複数のHDMI接続出力のいずれかに対して同時にルーティングするように、接続され構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】1つ以上の実施形態による例示的なAVRシステムを示す図である。
【0009】
【
図2】1つ以上の実施形態による例示的なビデオスイッチングシステムを示す図である。
【0010】
【
図3】1実施形態に係るビデオスイッチングシステムにおけるコントローラの接続を示す図である。
【0011】
【
図4】1つ以上の実施形態による例示的なビデオスイッチングシステムコントローラを示す図である。
【0012】
【
図5】1つ以上の実施形態によるビデオスイッチングシステムの例示的な動作を示すフローチャートである。
【0013】
共通または類似の要素を識別するために、同様または同一の参照番号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に開示される様々な実施形態は、
図1に示されるようなAVR104の一部となることができる、費用効果の高いビデオスイッチングシステム102に関する。ビデオスイッチングシステムは、デジタルメディアソース(DMS)106から複数の選択されたデジタルディスプレイ装置108へ、AVR104のHDMI入力において受信された複数の独立したビデオストリーム(例えば、8Kビデオストリーム)を同時ルーティングすることを可能にする。
【0015】
デジタル表示装置108の非限定的な例は、テレビジョンおよびビデオプロジェクタを含む。デジタルメディアソース106の非限定的な例は、セットトップボックス、メディアストリーミング装置、デジタルカメラ、ブルーレイおよびDVDプレーヤ、ゲームコンソールを含む。
【0016】
以下で論じるように、ビデオスイッチングシステム102は、複数の8Kビデオチップを相互接続する新規のビデオシステムアーキテクチャを採用して、最新の8Kビデオソースデバイスから最新の8Kテレビジョンおよびプロジェクタへの複数の8Kビデオストリームの同時ルーティングを実現する。このシステムは、電子ハードウェア部品コストおよび熱放散を低減した。このシステムは、ホームシアターの設置およびマルチゾーンビデオ配信において特に有利である。
【0017】
図2は、1つ以上の実施形態による例示的なビデオスイッチングシステム102のシステムアーキテクチャを示す。このアーキテクチャには、8つのHDMIビデオ入力と3つのHDMI出力コネクタがある。アーキテクチャは、任意の数の入力および出力を含むように適合され得ることを理解されたい。
【0018】
図2に示すシステムは、単一の電気回路基板アセンブリにおいて実装される。複数の回路基板アセンブリにおける実施も可能である。
【0019】
例示的なビデオシステムアーキテクチャは、7つのHDMIビデオ入力112、114、116、118、120、122、および124を有する。さらに、システムは、AVRコンソールの前面に第8HDMIビデオ入力126を有する。
【0020】
各HDMIコネクタは、繊細で高価なコア構成要素のいずれかを静電気が損傷することを防止するように機能する静電気保護デバイス128に対して結合される。
【0021】
例示的なシステムは、3つのHDMI出力コネクタ130、132、134を有する。
【0022】
電源135は、ビデオスイッチングシステム102に対して電力を供給する。
【0023】
システムのビデオ管理コアは、7つの専用8Kビデオトランシーバチップを有する。これらのトランシーバのうちの5つは、「2:2」(「2X2」とも呼ばれる)136、138、140、142、144であり、2つの同時ビデオストリームをその2つの出力のいずれかに対してルーティングすることができる。他の2つのトランシーバは「4:1」(「4X1」とも呼ばれる)146、148であり、4つの選択された8Kビデオストリームのうちの1つを1つの出力に対してルーティングすることができる。
【0024】
7つのトランシーバチップの各々の動作は
図3に示されるように、コントローラ150によって制御される。コントローラ150は、7つのトランシーバチップと同じまたは異なる回路基板アセンブリ上に設けることができる。
【0025】
図2は、7つのトランシーバ間の相互接続を示す。図に示すように、これらの接続は、HDMI入力コネクタ112、114、116、118、120、122、および124からの8つの入力ビデオストリームのうちのいずれか1つを受け入れるシステムの入力機能を拡張する。これは、2:2トランシーバ136、138、140、142の4つによって実行される。各2:2トランシーバ136、138、140、142の第1出力は、1つの4:1トランシーバ146の入力に対して接続される。各2:2トランシーバ136、138、140、142の第2出力は、第2の4:1トランシーバ148の入力に対して接続される。第2の4:1トランシーバ148は、入力ビデオストリームのいずれか1つを「ゾーン2」HDMI出力コネクタ130に対して渡すことができる。ゾーン2出力130は、典型的にはメインAVRシステム設備から離れた部屋または空間内のディスプレイデバイスに対して接続される。
【0026】
同時に、第1の4:1トランシーバ146は、8つの着信ビデオストリームのうちの任意の1つをツリー内の最後の2:2トランシーバ144に対して渡すことができる。この最後のトランシーバ144は、2つのHDMI出力コネクタ132、134のいずれかまたは両方に対して、入力ビデオストリームのいずれか1つを選択することができる。これらの最後の2つのコネクタ132、134は、一般に「ゾーン1」または「メインゾーン」出力と呼ばれ、通常、8Kディスプレイプロジェクタおよび8Kテレビに対して接続される。
【0027】
最後の2:2トランシーバ144はまた、システムのメインホストプロセッサによって生成された「オンスクリーンディスプレイ」(OSD)ビデオストリーム152を選択することができる。選択されると、このOSDは、メインゾーンディスプレイデバイスのいずれかまたは両方に詳細なグラフィカルユーザインターフェースを提示して、システムセットアップおよび構成機能を提供する。
【0028】
2つの4:1トランシーバ146、148の特定の配置および接続を有する上述の「ツリー」システムトポロジは、システムの入力からその出力への8つのアクティブな8Kビデオストリームのうちの任意の2つのための同時または非ブロッキング経路を提供する。
【0029】
図4は、コントローラ150が実装される、AVR104内のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)160を示す。PCBA160上に配置されたマイクロプロセッサ(SoM-DC1)162は、I2C(Inter-Integrated Circuit)電気制御バスを介してビデオスイッチングシステム回路基板102に対して接続される。ビデオスイッチングシステムボード102上の全ての8Kビデオトランシーバ136~148は、I2Cバスを介してこのマイクロプロセッサ162によって制御される。マイクロプロセッサ162は、中央ビデオスイッチングコントローラ150を実装するオペレーティングシステムソフトウェア(本明細書では「BluOS」として識別される)を実行する。ビデオスイッチングシステムトランシーバデバイス136~148の各々は、I2Cインターフェースを介してBluOSによって直接アドレス指定され、各トランシーバを直接初期化および制御することができる。システム電源投入後、BluOSはビデオスイッチングシステム内の各トランシーバデバイス136~148の存在を列挙し、確認する。
【0030】
BluOSは、入力側トランシーバ装置136、138、140、142の入力接続状態を評価して、どの物理HDMI入力がDMS106に対して接続されたかを確認する。この接続状態は、各トランシーバデバイス内のデジタルステータスレジスタを読み出すことによって決定される。外部DMSデバイス106へのHDMI相互接続は、デジタルコンテンツ保護LLC(DCP)の要件にしたがって暗号化される。これは、入力側トランシーバ136、138、140、142がDMSデバイス106とセキュリティキー値を交換して、DMS106によって送信されるデジタルオーディオ/ビデオデータを「スクランブル」するための一意の暗号化キーを生成することによって実行される。
【0031】
マイクロプロセッサの出力側トランシーバ146、148とのI2C接続を介して、BluOSは、HDMIケーブル接続を介して出力側トランシーバ146、148に対して接続されたディスプレイデバイス108を列挙する。入力側トランシーバ136、138、140、142と同様に、各ディスプレイ装置108への接続は、DCPセキュリティキーを用いて独立して検証され、これにより、出力側トランシーバ146、148および接続されたディスプレイ装置108から送信されたオーディオ/ビデオデータを一意に暗号化し、コピープロテクトする。
【0032】
ビデオスイッチングシステム102に対して電力が供給されている間、BluOSは、オンチップレジスタにおいて示されるHDMI「ホットプラグ」イベントについて、入力側トランシーバと出力側トランシーバの両方をアクティブに監視する。これは、ユーザがDMS106を入力側トランシーバ136、138、140、142のいずれかまたはディスプレイデバイス108のいずれかに対して出力側トランシーバ146、148を接続または切断したことを、BluOSに対して通知する。HDMIホットプラグイベントの検出後、BluOSは、入力側および出力側トランシーバに対して接続されたDMSデバイス106およびディスプレイデバイス108のリストを再列挙する。
【0033】
BluOSソフトウェアは、ユーザがカスタムAndroidまたはiOS(「Mobile」)アプリにおいてリストされた各DMSデバイス106を閲覧し、容易に識別することを可能にするリモートユーザインターフェースを有する。あるいは、ユーザがオンスクリーンディスプレイ(OSD)グラフィックを用いて、TVまたはプロジェクタディスプレイ装置108上に示される利用可能なDMS装置106のリストを見ることもできる。OSDグラフィックは、BluOS内で生成され、152において、トランシーバ144を用いてビデオスイッチングシステム102に対して挿入される。モバイルアプリまたはOSDは、複数のDMSビデオストリームを、その入力からシステムの「ゾーン2」出力130またはその「メイン」ゾーン出力132、134へ、ユーザ選択およびルーティングすることを可能にする。
【0034】
BluOSが2つのDMSデバイス106および2つのディスプレイデバイス108からコンテンツを同時に送信するために、ビデオスイッチングシステムのトランシーバをどのように構成するかを示すために、以下の例を検討する。ユーザは、メインゾーン表示出力132に接続されたデジタルTV108上でゲームボックスによって生成された8Kビデオを表示するために、OSDまたはモバイルアプリのいずれかのユーザインターフェースにおいて選択を実施する。この例では、8KゲームボックスはHDMI入力1(112)に対して接続されている。
【0035】
BluOSは、その第1入力を有効にすることによってゲームボックスビデオを受信するように、入力側トランシーバ136を構成する(トランシーバの第2入力は接続されていないが、HDMIホットプラグ接続イベントのためにBluOSによってアクティブに監視されている)。ディスプレイデバイスがHDMI 3ゾーン2出力130に対して接続されていないので、トランシーバ136の第2出力は、電力を節約するために無効にされる。トランシーバ136の第1出力は有効にされ、ゲームボックスの8Kビデオストリームをビデオスイッチングシステム内の次のトランシーバ146に対して渡すように構成される。マイクロプロセッサ162とビデオスイッチングシステム102との間のI2C接続を介して、BluOSは、トランシーバ146を構成して、ゲームボックスビデオをその単一の出力に渡すようにする。このトランシーバはシステムの内部にあり、外部DMSデバイス106またはディスプレイデバイス108へのHDMI接続を有さないので、このトランシーバ146の他の入力は、HDMIホットプラグイベントについて監視されない。BluOSは、ビデオスイッチングシステムの最終HDMIトランシーバ144を構成して、その第1入力を選択し、8Kゲームボックスビデオストリームデータを受信し、このデータストリームをその第1出力に中継して、HDMIケーブル132を介して接続されたディスプレイデバイス108に送信するようにする。この表示装置108へのHDMI接続は、DCP暗号化されている。
【0036】
ビデオゲームを楽しんだ後、ユーザはゲームを一時停止して、第2DMSデバイス106(この例ではBlu-ray(登録商標)プレーヤ)をビデオスイッチングシステム102のHDMI入力5(120)に対して接続する。ビデオゲームが一時停止されている間、ビデオスイッチングシステム102は、ビデオゲームの一時停止された画像を第1ディスプレイデバイスに対して引き続き渡す。Blu-rayプレーヤをHDMI入力5(120)に対して接続すると、BluOSコントローラソフトウェアは、トランシーバ140のステータスレジスタに問い合わせ、HDMIホットプラグ検出イベントに対して応答する。DMS装置106が再列挙され、Blu-rayプレーヤが、BluOSモバイルアプリおよびOSDのユーザインターフェースに表示される利用可能なDMS装置106のリストに対して追加される。ビデオスイッチングシステム102とブルーレイプレーヤとの間の接続も、DCP認証および暗号化される。
【0037】
次いで、ユーザはBluOS Mobile App内のBlu-rayプレーヤを選択し、Blu-rayプレーヤのビデオストリームの宛先出力としてHDMI3または「Zone2」出力132を選択する。HDMIゾーン2出力にディスプレイデバイスが接続されていないことにユーザは気づくが、AVRの背後に利用可能なHDMIケーブルがある。これは、専門の設置者がホームシアターとしての役割を果たす隣接する部屋にHDMIケーブルを備えた8Kビデオプロジェクタを以前に取り付けたからである。このケーブルをゾーン2出力に差し込んだ後、トランシーバ148によって生成されるホットプラグイベントにより、BluOSコントローラソフトウェアはディスプレイプロジェクタデバイスを列挙し、それをBluOSアプリのディスプレイデバイスのリストに対して追加する。新しいプロジェクタは有効なDCP認証キーを有し、それは、完全に暗号化された接続を確立するために、ゾーン2トランシーバ148と交換する。BluOSマイクロプロセッサ162はビデオトランシーバ140の第1入力を構成して、Blu-rayプレーヤコンテンツをその第2出力に渡し、その後トランシーバ148に渡す。この出力側トランシーバ148の出力は、コンテンツをHDMI出力3(「ゾーン2」)130に渡す。
【0038】
ホームシアターの第2ユーザは、ビデオスイッチングシステムの入力5(120)に対して接続されたブルーレイプレーヤに挿入されたディスクのタイトル画面を見ることができることを確認する。次いで、第1ユーザは第1ディスプレイデバイス(デジタルTV)上で休止されたビデオゲームを依然として見ることができることを確認し、完全な8Kビデオ解像度でビデオゲームを再開する。第2ユーザはBlu-rayプレーヤのiOSアプリを使用して、Blu-rayプレーヤに挿入されたBlu-ray映画タイトルの再生を開始し、他のユーザのビデオゲームを中断することなく、フル8K解像度で映画を楽しむ。
【0039】
その後まもなく、第1ユーザは、HDMI入力4(118)を介してレガシーケーブルセットトップボックス(STB)を接続したことを思い出す。なぜなら、それはビデオスイッチングシステムのOSDにおいてリストされたからである。次に、ユーザは、セットトップボックスが1080pの最大ビデオ解像度しか可能でないことを認識する。1080pの解像度は、STBのリモコンで選択したニュースブロードキャストにおいては十分な品質であるので、これはユーザにとって問題ではない。ユーザはさらに、BluOSモバイルアプリを使用して、メイン表示ゾーンの入力デバイスとしてSTBを選択する。ビデオスイッチングシステム102の関連する入力側トランシーバ138は、STBからこの入力ビデオ解像度を自動的に登録し、ニュースビデオストリームを、ビデオスイッチングシステム102を介して、以前に8Kビデオゲームコンテンツを表示していた同じデジタルTVに渡す。
【0040】
図5は、デジタルメディアソース106から受信された選択されたビデオストリームを選択されたデジタルディスプレイ装置108に対してルーティングするためにビデオスイッチングシステム102において実施される例示的なプロセス200を示すフローチャートである。
【0041】
ステップ202において、コントローラ150は、AVR104の入力接続におけるホットプラグイベントについて入力側トランシーバ装置136~142を監視して、デジタルメディアソース106への接続を判定する。コントローラ150はまた、ホットプラグイベントについて出力側トランシーバ装置146、148を監視して、ディスプレイ装置108のAVR104への接続を判定する。
【0042】
ステップ204において、コントローラ150は、接続されたソースデバイス106および接続されたディスプレイデバイス108に関する情報を、ユーザインターフェースを介してユーザに表示する。
【0043】
ステップ206において、コントローラ150は、選択されたデジタルメディアソース106からのビデオストリームを選択されたディスプレイデバイス108上に表示するためのユーザ選択を、ユーザインターフェースを介して受信する。
【0044】
ステップ208において、コントローラ150は、選択されたソースデバイス106に関連する入力側トランシーバ136~142の入力が、選択されたソースからビデオストリームを受信することを可能にする。コントローラ150はまた、入力側トランシーバ136~142の出力が、選択されたディスプレイデバイス108に関連付けられた出力側トランシーバ146、148に対してビデオストリームを送信することを可能にする。
【0045】
ステップ210において、コントローラ150は、出力側トランシーバ146、148の入力が入力側トランシーバ136~142からビデオを受信することを可能にする。コントローラ150はまた、出力側トランシーバ146、148の出力が、ビデオストリームを、選択されたディスプレイ装置108に関連付けられたAVR104の出力に中継して、選択されたディスプレイ装置108に対して送信する。
【0046】
コントローラ150は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはHDMI接続入力で受信されたビデオストリームを接続出力に同時にルーティングするために様々なトランシーバの動作を制御することを含む、本明細書で説明する機能を実行するようにプログラムまたは構成され得る任意の汎用または専用回路で実装され得る。
【0047】
トランシーバの各々はASIC、特定用途向け標準製品(ASSP)、FPGA、または本明細書で説明する機能を実行するようにプログラムまたは構成され得る任意の汎用または専用回路を備えることができ、この機能は、入力のいずれかで受信されたビデオストリームを出力のいずれかに同時にルーティングすることを含む。
【0048】
ビデオストリームをルーティングするための上記で説明したプロセスは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセスは、好ましくはマイクロプロセッサ上で実行される1つ以上のコンピュータプログラムで実施される。各コンピュータプログラムは、マイクロプロセッサのランダムアクセスメモリに常駐するコードモジュール内の命令(プログラムコード)のセットとすることができる。マイクロプロセッサによって要求されるまで、命令のセットは、別のコンピュータメモリに記憶されるか、または別のコンピュータシステムに記憶され、インターネットまたは他のネットワークを介してダウンロードされ得る。
【0049】
このように、いくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、様々な変更、修正、および改良が当業者に容易に想起されることを理解されたい。そのような変更、修正、および改良は、本開示の一部を形成することが意図され、本開示の趣旨および範囲内にあることが意図される。本明細書に提示されるいくつかの例は機能または構造要素の特定の組み合わせを伴うが、それらの機能および要素は同じまたは異なる目的を達成するために、本開示による他の方法で組合せられ得ることを理解されたい。特に、1つの態様との関連で論じられた行為、要素、および特性は、他の態様における類似のまたは別の役割から除外されることを意図するものではない。
【0050】
さらに、本明細書で説明される要素および構成要素は、さらに追加構成要素に分割されるか、または同じ機能を実行するためのより少ない構成要素を形成するように互いに接合され得る。
【0051】
したがって、前の記載および付属の図面は例示のためのみであり、限定を意図しない。
【国際調査報告】