(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ナチュラルキラー(NK)細胞用の細胞培養培地
(51)【国際特許分類】
C12N 1/00 20060101AFI20240730BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20240730BHJP
C12N 1/04 20060101ALI20240730BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240730BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20240730BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20240730BHJP
C12N 15/86 20060101ALN20240730BHJP
【FI】
C12N1/00 F
C12N5/0783
C12N1/04
C12N5/10
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N15/86 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532364
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022039376
(87)【国際公開番号】W WO2023014855
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524048933
【氏名又は名称】アンヤディ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】オーリ ラチット
(72)【発明者】
【氏名】ソンタグ ドナ
(72)【発明者】
【氏名】カフーン ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ランバート グレアム
【テーマコード(参考)】
4B065
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AA94X
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BB32
4B065BD09
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
(57)【要約】
本開示の発明は、ナチュラルキラー(NK)免疫細胞の培養のために有用な細胞培養培地製剤を提供する。該培養培地製剤を含む、NK細胞の培養、凍結保存、および形質導入の方法もまた含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのツーパート培地製剤であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H
2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ(Withania Somnifera))植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ(Fortunella Japonica))植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス(Pelargonium sidoides))植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア(Echinacea purpurea))植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン(Panax ginseng))植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ(Sambucus nigra))植物抽出物
を含み、
NK細胞が第1の培地製剤中で培養された後に第2の培地製剤中で培養される、
ツーパート培地製剤。
【請求項2】
以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのワンパート培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H
2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物)。
【請求項3】
以下の構成要素のうちの少なくとも9種を含む、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのワンパート培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H
2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物。
【請求項4】
サプリメントとして基本細胞培養培地に添加される、請求項1~3のいずれか一項記載の製剤。
【請求項5】
ナチュラルキラー(NK)細胞またはその前駆細胞を培養するための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H
2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地製剤中でNK細胞またはその前駆細胞を培養する工程を含む、前記方法。
【請求項6】
NK細胞またはその前駆細胞が第1の培地製剤中で培養される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
NK細胞またはその前駆細胞が第2の培地製剤中で培養される、請求項5記載の方法。
【請求項8】
NK細胞またはその前駆細胞が、第1の培地製剤中で培養された後に第2の製剤中で培養される、請求項5記載の方法。
【請求項9】
NK細胞またはその前駆細胞がエクスビボで培養される、請求項5記載の方法。
【請求項10】
NK細胞またはその前駆細胞がインビトロで培養される、請求項5記載の方法。
【請求項11】
標的細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性が増強される、請求項5記載の方法。
【請求項12】
標的細胞ががん細胞である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
NK細胞の活性化が増強される、請求項5記載の方法。
【請求項14】
NK細胞の機能障害が低下する、請求項5記載の方法。
【請求項15】
機能障害が疲弊である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
NK細胞の代謝機能が増強される、請求項5記載の方法。
【請求項17】
NK細胞の高い生存度および細胞増殖が達成される、請求項5記載の方法。
【請求項18】
血清の使用が除去されるかまたは低下する、請求項5記載の方法。
【請求項19】
サイトカインサプリメントの使用が除去されるかまたは低下する、請求項5記載の方法。
【請求項20】
抗原提示細胞(APC)またはフィーダー細胞の使用が除去されるかまたは低下する、請求項5記載の方法。
【請求項21】
NK前駆細胞の培養がそれらの分化を誘導する、請求項5記載の方法。
【請求項22】
NK細胞または前駆細胞の培養がNK細胞サブセットの分布および相対集団を調節する、請求項5記載の方法。
【請求項23】
NK細胞サブセットがメモリーNK細胞である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
NK細胞サブセットが活性化受容体および抑制性受容体の相対発現によって定義される、請求項22記載の方法。
【請求項25】
ナチュラルキラー(NK)細胞の凍結保存のための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H
2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む凍結保存培地でNK細胞の凍結が達成される、前記方法。
【請求項26】
凍結保存培地が第1の培地製剤を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
凍結保存培地が第2の培地製剤を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
ナチュラルキラー(NK)免疫細胞の形質導入のための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H
2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地でNK細胞を培養することを含む、第1の細胞培養工程;
(b)NK細胞をウイルスベクターと接触させる工程;ならびに
(c)形質導入されたNK細胞を、工程(a)の細胞培養培地製剤を含む細胞培養培地で培養することを含む、第2の細胞培養工程
を含む、前記方法。
【請求項29】
第1および第2の細胞培養工程が第1の細胞培養製剤中で実施される、請求項28記載の方法。
【請求項30】
第1および第2の細胞培養工程が第2の細胞培養製剤中で実施される、請求項28記載の方法。
【請求項31】
第1の細胞培養工程が第1の細胞培養製剤中で実施され、第2の細胞培養工程が第2の細胞培養製剤中で実施される、請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記ベクターがキメラ抗原受容体(CAR)をコードする、請求項28記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2021年8月6日に出願された米国仮特許出願第63/230,189号による35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権を有する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
細胞治療薬のエクスビボおよび/またはインビトロの維持、研究、または増大は、細胞の健康、細胞の機能および表現型の維持のためにも、細胞周期の制御のためにも、細胞の各カテゴリーまたは各種類のために特別に製剤化された液体培地を、エネルギーおよび化合物の適切な供給源として、必要とする。
【0003】
NK細胞の細胞培養のための既存の培地は、特に、補足的なサイトカインおよび/またはフィーダー細胞の非存在下では、維持および/または増殖のために培養されたNK細胞の活性化および細胞傷害性能の支持に関して限定されている。具体的には、これらの培地の、特定の成分(例えば、インターロイキン15(IL-15)などのサイトカイン他)に対する依存は、エフェクター分子(例えば、インターフェロン-ガンマ(IFNγ))の産生の減少、およびがん細胞などの標的細胞に対する細胞傷害活性の障害を特徴とする、培養されたNK細胞の「疲弊」をもたらす。さらに、これらの培地は、相当量の、典型的には、10~20%体積/体積(v/v)の範囲の動物血清(例えば、ウシ胎仔血清、ヒト血清等)をしばしば必要とし、次いで、それが、バッチ間の変動性の増加、ならびにNK細胞免疫治療薬のコストおよび混入リスクの増加の原因になる。さらに、NK細胞の適切な増大を達成するための抗原提示細胞(APC、即ち、フィーダー細胞)の共培養は、望ましくないコスト、複雑さ、および品質の課題を、NK細胞治療薬に導入する。NK細胞の凍結保存も、NK細胞の生存度、解凍後の細胞傷害活性、およびその他の機能の減少のため、困難である。NK細胞の代謝、形質導入、亜集団/サブセット含量、および分化も、最適ではない。
【0004】
したがって、より効果的なNK細胞免疫治療薬の生成のため、現在のインビトロおよびエクスビボの培養系に関する課題および問題を解決する、NK細胞培養のための培地製剤および技術が、当技術分野において必要とされている。本発明は、この必要性を解決する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ナチュラルキラー(NK)免疫細胞のエクスビボの培養または遺伝子修飾または保存のために有用な培地製剤に関する。具体的には、本発明の局面は、NK細胞免疫治療薬に関する研究開発(R&D)に関し、ナチュラルキラー(NK)細胞を使用した細胞免疫治療薬のバイオマニュファクチャリング(例えば、バイオリアクターでの増大)および臨床使用にも関する。
【0006】
したがって、1つの局面において、本発明は、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのツーパート培地製剤であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ(Withania Somnifera))植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ(Fortunella Japonica))植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス(Pelargonium sidoides))植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア(Echinacea purpurea))植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン(Panax ginseng))植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ(Sambucus nigra))植物抽出物
を含み、NK細胞が第1の培地製剤中で培養された後に第2の培地製剤中で培養される、ツーパート培地製剤を含む。
【0007】
もう1つの局面において、本発明は、以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのワンパート培地製剤を含む:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物)。
【0008】
もう1つの局面において、本発明は、以下の構成要素のうちの少なくとも9種を含む、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのワンパート培地製剤を含む:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物。
【0009】
ある特定の態様において、製剤は、サプリメントとして基本細胞培養培地に添加される。
【0010】
もう1つの局面において、本発明は、ナチュラルキラー(NK)細胞またはその前駆細胞を培養するための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地製剤中でNK細胞またはその前駆細胞を培養する工程を含む、前記方法を含む。
【0011】
ある特定の態様において、NK細胞またはその前駆細胞は、第1の培地製剤中で培養される。
【0012】
ある特定の態様において、NK細胞またはその前駆細胞は、第2の培地製剤中で培養される。
【0013】
ある特定の態様において、NK細胞またはその前駆細胞は、第1の培地製剤中で培養された後に第2の製剤中で培養される。
【0014】
ある特定の態様において、NK細胞またはその前駆細胞は、エクスビボで培養される。
【0015】
ある特定の態様において、NK細胞またはその前駆細胞は、インビトロで培養される。
【0016】
ある特定の態様において、標的細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性が増強される。
【0017】
ある特定の態様において、標的細胞はがん細胞である。
【0018】
ある特定の態様において、NK細胞の活性化が増強される。
【0019】
ある特定の態様において、NK細胞の機能障害が低下する。
【0020】
ある特定の態様において、機能障害は疲弊である。
【0021】
ある特定の態様において、NK細胞の代謝機能が増強される。
【0022】
ある特定の態様において、NK細胞の高い生存度および細胞増殖が達成される。
【0023】
ある特定の態様において、血清の使用が除去されるかまたは低下する。
【0024】
ある特定の態様において、サイトカインサプリメントの使用が除去されるかまたは低下する。
【0025】
ある特定の態様において、抗原提示細胞(APC)またはフィーダー細胞の使用が除去されるかまたは低下する。
【0026】
ある特定の態様において、NK前駆細胞の培養は、それらの分化を誘導する。
【0027】
ある特定の態様において、NK細胞または前駆細胞の培養は、NK細胞サブセットの分布および相対集団を調節する。
【0028】
ある特定の態様において、NK細胞サブセットは、メモリーNK細胞である。
【0029】
ある特定の態様において、NK細胞サブセットは、活性化受容体および抑制性受容体の相対発現によって定義される。
【0030】
もう1つの局面において、本発明は、ナチュラルキラー(NK)細胞の凍結保存のための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む凍結保存培地でNK細胞の凍結が達成される、前記方法を含む。
【0031】
ある特定の態様において、凍結保存培地は、第1の培地製剤を含む。
【0032】
ある特定の態様において、凍結保存培地は、第2の培地製剤を含む。
【0033】
もう1つの局面において、本発明は、ナチュラルキラー(NK)免疫細胞の形質導入のための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地でNK細胞を培養することを含む、第1の細胞培養工程;
(b)NK細胞をウイルスベクターと接触させる工程;ならびに
(c)形質導入されたNK細胞を、工程(a)の細胞培養培地製剤を含む細胞培養培地で培養することを含む第2の細胞培養工程
を含む、前記方法を含む。
【0034】
ある特定の態様において、第1および第2の細胞培養工程は、第1の細胞培養製剤中で実施される。
【0035】
ある特定の態様において、第1および第2の細胞培養工程は、第2の細胞培養製剤中で実施される。
【0036】
ある特定の態様において、第1の細胞培養工程は、第1の細胞培養製剤中で実施され、第2の細胞培養工程は、第2の細胞培養製剤中で実施される。
【0037】
ある特定の態様において、ベクターは、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする。
【0038】
もう1つの局面において、本発明は、前駆細胞からナチュラルキラー(NK)細胞を分化させる方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地で前駆細胞を培養する工程を含む、前記方法を提供する。
【0039】
ある特定の態様において、培養培地は、第1の培地製剤を含む。
【0040】
ある特定の態様において、培養培地は、第2の培地製剤を含む。
【0041】
ある特定の態様において、培養培地は、第1の培地製剤を含み、続いて、第2の培地製剤を含む。
【0042】
ある特定の態様において、ナチュラルキラー(NK)細胞の培養は、NK細胞サブセットの分布および相対集団を調節する。
【0043】
ある特定の態様において、NK細胞サブセットは、メモリーNK細胞である。
【0044】
ある特定の態様において、NK細胞サブセットは、活性化受容体および抑制性受容体の相対発現によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明の具体的な態様の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれた時、よりよく理解されるであろう。本発明を例示する目的のため、例示的な態様が図面に示されている。しかしながら、本発明は、図面に示された態様の正確な配置および機器に限定されないことが理解されるべきである。
【0046】
【
図1】
図1は、本発明の一態様による、各パートが表01による成分およびそれらの濃度範囲の特定のリストによる、ツーパート培地製剤の図形表示である。
【
図2】
図2は、本発明のさらなる態様による、各パートが既製培地へのサプリメントの添加によって作製され、サプリメントが表01による成分およびそれらの濃度範囲の特定のリストによって製剤化される、ツーパート培地製剤の図形表示である。
【
図3】
図3は、ツーパート培地製剤の一方または両方のパートが使用される、
図01または
図02からのツーパート培地製剤の使用例を表す工程を例示するプロセスフローチャートである。
【
図4】
図4A~4Bは、本発明の培地製剤中で成長させた初代NK細胞および細胞株NK細胞の傷害性を例示する。
図4Aは、5:1のエフェクター:標的(E:T)比で、エフェクターKHYG1細胞と共に一晩インキュベートした後、標的K562白血病細胞において観察された細胞傷害に相当する。
図4Bは、5:1のエフェクター:標的(E:T)比で、(健常成人ドナーに由来する)エフェクター初代NK細胞と共に一晩インキュベートした後、標的K562白血病細胞において観察された細胞傷害に相当する。いずれのケースにおいても、対照培地は、DMEM-F12であり、測定された細胞傷害は、自然細胞傷害のみ(ADCC(抗体依存性細胞傷害)なし)である。統計的有意性のために使用された表記は、以下の通りである(対応のないt検定)。nsは有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図5】
図5A~5Bは、比較が、(ADCC(抗体依存性細胞傷害)のための)抗GD2抗体の非存在下(
図5A)でなされたか、存在下(
図5B)でなされたかに関わらず、Enable-NK(商標)培地で増大させた初代ヒトNK細胞の細胞傷害が、対照培地で増大させた同じドナーに由来するNK細胞を一貫して上回ったことを例示する。標的細胞は、5:1(NK:CHLA-20)のエフェクター:標的(E:T)比のCHLA-20-GFP(ヒト小児神経芽腫細胞株)であった[DMEM培地での共培養]。標的細胞死は、GFPシグナルの経時的な損失によって決定された。エラーバーは、平均値の標準誤差(SEM)を示す。
【
図6】
図6A~6Bは、比較が、(ADCC(抗体依存性細胞傷害)のための)抗GD2抗体の非存在下(
図6A)でなされたか、存在下(
図6B)でなされたかに関わらず、Enable-NK(商標)培地で増大させた初代ヒトNK細胞の細胞傷害が、対照培地で増大させた同じドナーに由来するNK細胞を一貫して上回ったことを例示する。標的細胞は、5:1(NK:M21)のエフェクター:標的(E:T)比のM21-GFP(ヒトメラノーマ細胞株)であった[DMEM培地での共培養]。標的細胞死は、GFPシグナルの経時的な損失によって決定された。全てのエラーバーは、平均値の標準誤差(SEM)を示す。
【
図7】
図7A~7Bは、単独で培養されたエフェクターNK細胞または標的K562細胞と共培養されたエフェクターNK細胞のインキュベーション後に、対照培地およびEnable-NK培地の上清試料において測定されたインターフェロン-ガンマ(IFNγ)のレベルの比較を図示する。NK細胞は、疾患に対する他の免疫細胞を動員するため、IFNγを分泌する。
図7Aは、5:1のエフェクター:標的(E:T)比で、一晩のインキュベーションの後に、KHYG1 NK細胞で測定されたIFNγレベルに相当し、
図7Bは、健常成人ドナーに由来する初代NK細胞で測定されたIFNγレベルに相当する。バーは、平均値の標準誤差(SEM)を示す。統計的有意性のために使用された表記は、以下の通りである(対応のないt検定)。nsは有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図8】
図8A~8Dは、NK細胞活性化に対応する初代NK細胞の細胞表面バイオマーカー、即ち、[
図8A]NKG2D、[
図8B]NKp46、[
図8C]CD69、[
図8D]CD16のフローサイトメトリー定量化を例示する。グラフは、細胞数(y軸)および蛍光(x軸)を表す。統計的有意性のために使用された表記は、以下の通りである(対応のないt検定)。nsは有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図9】
図9は、0日目に、1:1のエフェクター:標的比で、KHYG-1エフェクター細胞とK562-GFP標的細胞との共培養をセットアップした後の、標的細胞(K562-GFP)のパーセンテージ(y軸)および死滅した標的細胞(K562-GFP)のパーセンテージ(y軸)を、いずれも時間(x軸)の関数として例示する。バーは、平均値の標準誤差を示す。統計的有意性のために使用された表記(対応のないt検定):nsは有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図10】
図10は、実験の様々な時点(単独培養および共培養の両方の実験条件での02日目、10日目)の、KHYG-1 NK細胞のバイオマーカーレベルの平均蛍光強度の比較を例示する。統計的有意性のために使用された表記は、以下の通りである(対応のないt検定)。nsは有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図11】
図11は、0日目に、1:1のエフェクター:標的比で、KHYG-1エフェクター細胞とK562-GFP標的細胞との共培養をセットアップした後の、標的細胞(K562-GFP)のパーセンテージ(y軸)および死滅した標的細胞(K562-GFP)のパーセンテージ(y軸)を、いずれも時間(x軸)の関数として例示する。バーは、平均値の標準誤差を示す。統計的有意性のために使用された表記(対応のあるt検定):nsは有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図12】
図12は、単独培養および共培養の両方の実験条件での03日目の初代NK細胞のバイオマーカーレベルの平均蛍光強度の比較を例示する。表されたデータは、2つの培地条件の間のペアドナーワイズ(paired donor-wise)の初代NK細胞の3人の健常成人ドナーについてのものである。統計的有意性のために使用された表記は、以下の通りである(対応のあるt検定)。ns(p値)は有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図13】
図13は、3人の健常成人ドナーに由来する初代NK細胞(CD3-CD56+)において評価された、03日目の2つの培地条件の間のCD56
dimCD16
+CD57
+亜集団の比較(ペアドナーワイズのデータ)を例示する。統計的有意性(対応のあるt検定)のために使用された表記は、以下の通りである。ns(p値)は有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01。
【
図14】
図14は、3人の健常成人ドナーに由来する初代NK細胞(CD3-CD56+)において評価された、03日目の2つの培地条件の間のCD56
dimCD57
+NKG2A
-亜集団の比較(ペアドナーワイズのデータ)を例示する。統計的有意性(対応のあるt検定)のために使用された表記は、以下の通りである。ns(p値)は有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01。
【
図15】
図15は、3人の健常成人ドナーに由来する初代NK細胞(CD3-CD56+)において評価された、03日目の2つの培地条件の間のCD56
dimCD16
+亜集団の比較(ペアドナーワイズのデータ)を例示する。統計的有意性(対応のあるt検定)のために使用された表記は、以下の通りである。nsは有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図16】
図16は、3人の健常成人ドナーに由来する初代NK細胞(CD3-CD56+)において評価された、03日目の2つの培地条件の間のCD56
dim亜集団の比較(ペアドナーワイズのデータ)を例示する。統計的有意性(対応のあるt検定)のために使用された表記は、以下の通りである。ns(p値)は有意でない、
* p<0.05、
** p<0.01、
*** p<0.001、
**** p<0.0001。
【
図17】
図17は、Enable-NK培地条件でのKHYG1 NK細胞について、正規化されたNAD値が、3倍以上高かったことを例示する。バーは、標準偏差を示す。統計的有意性(対応のないt検定)のために使用された表記は、以下の通りである。
* p<0.05、
** p<0.01。
【
図18】
図18は、NKp-44およびFLAGの両方の二重染色によって確認された、Enable-NKパートII培地(62.8%)と比較された、α-MEM培地(21.0%)における、NK-92細胞の形質導入の効率の比較を例示する。対照的に、親細胞は有意な染色を示さなかった(<1%)。
【
図19】
図19は、Sartorius Incucyte Instrumentからの顕微鏡観察に基づく、時間の関数としての、NK細胞との共培養物の1ウェル当たりのCHLA-20-GFP標的がん細胞の数を例示する。(抗GD2 Abのありなし両方で)Enable-NK培地について、対照培地と比べて、より大きいCHLA-20-GFP標的細胞の細胞傷害が観察された。エラーバーは、平均値の標準誤差である。
【
図20】
図20は、対照培地と比較された、フィーダー細胞の非存在下で、低下した血清レベルで、NK細胞をエクスビボで培養した時、Enable-NK培地(様々なパート)によって達成された増大倍率を例示する:[A]NK細胞株NK3.3、[B]NK細胞株KHYG1、および[C](健常成人ドナーに由来する)初代ヒトNK細胞。エラーバーは、平均値の標準誤差(SEM)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
詳細な説明
定義
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似のまたは等価な任意の方法および材料が、本発明の試行のための実施において使用され得るが、好ましい材料および方法が本明細書に記載される。本発明の説明および特許請求の範囲の記載において、以下の用語法が使用される。本明細書において使用される用語法は、特定の態様を説明することのみを目的とし、限定するためのものではないことも理解されたい。冠詞「a」および「an」は、本明細書において、その冠詞の文法上の目的語の1つまたは複数(即ち、少なくとも1つ)をさすために使用される。例として、「要素」とは、1つの要素または複数の要素を意味する。
【0048】
「約」とは、本明細書において使用されるように、測定可能な値、例えば、量、時間の長さ等に言及する時、指定された値から±20%または±10%、より好ましくは、±5%、さらに好ましくは、±1%、さらに好ましくは、±0.1%の変動を包含するものとするが、それは、そのような変動が、開示された方法を実施するために適切であるためである。
【0049】
「基本培地」とは、本明細書において使用されるように、「既製培地」、「出発培地」、および「基礎培地」と交換可能であり、例には、DMEM/F12(ダルベッコ改変イーグル培地/栄養混合物F-12)、RPMI-1640(RPMI:Roswell Park Memorial Institute)、MEM(最小必須培地)、およびIMDM(イスコフ改変ダルベッコ培地)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0050】
「有効量」または「治療的に有効な量」とは、本明細書において交換可能に使用され、特定の生物学的結果を達成するために、または治療的もしくは予防的な利益を提供するために有効な、本明細書に記載される化合物、製剤、材料、または組成物の量をさす。そのような結果には、当技術分野において適当な任意の手段によって決定される抗腫瘍活性が含まれ得るが、これに限定されるわけではない。
【0051】
「細胞培養」または「培養すること」という用語は、本明細書において使用されるように、コントロールされた条件での、一般に、天然環境外での細胞(例えば、NK細胞)の維持をさす。後に治療的、産業的、または科学的に使用するため、細胞の集団を増大させ、維持するため、細胞を培養することができる。細胞の培養は、凍結保存、および、例えば、形質導入またはトランスフェクションを通して、外来性核酸を挿入することによる細胞機能の改変またはその他の操作を含むが、これらに限定されるわけではない、生細胞が関与する他のプロセスの主要部分であり得る。
【0052】
「疲弊」または「免疫疲弊」という用語は、本明細書において使用されるように、増殖活性、サイトカイン産生、および/または細胞傷害活性の障害または低下を特徴とする、免疫細胞(例えば、NK細胞)の機能的状態をさす。疲弊は、反復刺激、抑制性シグナル伝達受容体を通したシグナル伝達、直近の微小環境におけるある特定の栄養素の枯渇、またはこれらの要因の全ての組み合わせによって引き起こされ得る。疲弊の発生は、機能障害のため、治療用の免疫細胞、例えば、NK細胞の臨床的有効性を制限する。
【0053】
本明細書において使用されるように、「説明材料」には、本発明の組成物および方法の有用性を通知するために使用され得る、刊行物、記録、図表、またはその他の任意の表現媒体が含まれる。本発明のキットの説明材料は、例えば、本発明の核酸、ペプチド、および/もしくは組成物を含有する容器に添付されてもよいし、または、核酸、ペプチド、および/もしくは組成物を含有する容器と一緒に輸送されてもよい。あるいは、説明材料および化合物が、受容者によって協調的に使用されることを意図して、説明材料は、容器とは別に輸送されてもよい。
【0054】
本発明に関して、一般的に存在する核酸塩基のための以下の略語が使用される。「A」はアデノシンをさし、「C」はシトシンをさし、「G」はグアノシンをさし、「T」はチミジンをさし、「U」はウリジンをさす。他に指定されない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」には、互いの縮重バージョンであり、同じアミノ酸配列をコードする、全てのヌクレオチド配列が含まれる。タンパク質またはRNAをコードするヌクレオチド配列という語句には、タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、いくつかのバージョンにおいて、イントロンを含有し得るという程度に、イントロンも含まれ得る。
【0055】
本明細書において使用されるように、「Enable-NK培地」とは、特許請求の範囲によって定義される本発明の培地をさす。
【0056】
「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書において使用されるように、ヌクレオチドの鎖として定義される。さらに、核酸は、ヌクレオチドの重合体である。したがって、核酸およびポリヌクレオチドは、本明細書において使用されるように、交換可能である。核酸は、単量体「ヌクレオチド」に加水分解され得るポリヌクレオチドであるという一般的な知識を、当業者は有する。単量体ヌクレオチドは、ヌクレオシドに加水分解され得る。本明細書において使用されるように、ポリヌクレオチドには、組換え手段、即ち、通常のクローニングテクノロジーおよびPCR(商標)等を使用した組換えライブラリまたは細胞ゲノムからの核酸配列のクローニング、ならびに合成手段を含むが、これらに限定されるわけではない、当技術分野において利用可能な任意の手段によって得られる全ての核酸配列が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0057】
本明細書において使用されるように、「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」という用語は、交換可能に使用され、ペプチド結合によって共有結合したアミノ酸残基から構成される化合物をさす。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2個のアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質またはペプチドの配列を構成し得るアミノ酸の最大数には制限がない。ポリペプチドには、ペプチド結合によって互いに接合した2個以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質が含まれる。本明細書において使用されるように、この用語は、当技術分野において、一般的に、例えば、ペプチド、オリゴペプチド、およびオリゴマーとも呼ばれる短鎖、ならびに、多くの種類が存在する、当技術分野において、一般に、タンパク質と呼ばれるより長い鎖の両方をさす。「ポリペプチド」には、例えば、生物学的活性を有する断片、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドの変異体、修飾型ポリペプチド、誘導体、類似体、融合タンパク質が、とりわけ含まれる。ポリペプチドには、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0058】
範囲:本開示全体を通じて、本発明の様々な局面が、範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は、便宜および簡潔のためのものに過ぎず、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、全ての可能な部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値も具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は、部分範囲、例えば、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等のみならず、その範囲内の個々の数、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、および6も具体的に開示していると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関わらず当てはまる。
【0059】
説明
本開示によって提供される本発明は、より強力で、より高性能のNK細胞治療薬の生成を可能にする、ナチュラルキラー(NK)細胞のエクスビボまたはインビトロの培養または遺伝子修飾または保存のための独特の培地製剤を含む。新しい培地製剤には、NK細胞のエクスビボの培養または遺伝子修飾または保存のためのシングルパートまたはマルチパートの培地を作製するため、特定の濃度範囲の成分の新規の組み合わせが組み入れられている。本発明の複数の態様を表し得る以下の例において、実施可能に詳細に本発明を説明する。
【0060】
図1は、好ましい態様でもある本発明の一態様による、各パートが表01による成分およびそれらの濃度範囲の特定のリストによる、ツーパート培地製剤の図形表示である。培地製剤100は、この例において、NK細胞の培養のためのツーパート培地である。この例において、ツーパート培地製剤100は、表01の「パート01サブフォーミュレーション」にリストされた特定の濃度範囲で各成分を含む、表01の「パート01サブフォーミュレーション」セクションからの成分リストを使用して製剤化された第1パート101を有する。この例において、ツーパート培地製剤100は、表01の「パート02サブフォーミュレーション」にリストされた特定の濃度範囲で各成分を含む、表01の「パート02サブフォーミュレーション」セクションからの成分リストを使用して製剤化された第2パート102を有する。
【0061】
図02は、本発明のさらなる態様による、各パートが既製培地へのサプリメントの添加によって作製され、サプリメントが表01による成分およびそれらの濃度範囲の特定のリストによって製剤化される、ツーパート培地製剤の図形表示である。培地製剤200は、この例において、NK細胞の培養のためのツーパート培地であり、ここで、パート201は、表01の「パート01サブフォーミュレーション」にリストされた指定された濃度範囲で各成分を含む、表01の「パート01サブフォーミュレーション」セクションからの成分リストを使用して製剤化されたサプリメントであり、パート202は、表01の「パート02サブフォーミュレーション」にリストされた指定された濃度範囲で各成分を含む、表01の「パート02サブフォーミュレーション」セクションからの成分リストを使用して製剤化されたサプリメントである。この例において、ツーパート培地製剤200は、サプリメントであるパート201の、既製培地であるパート203への添加によって作製される第1パートを有する。この例において、ツーパート培地製剤200は、サプリメントであるパート202の、既製培地であるパート204への添加によって作製される第2パートを有する。この例において、「既製」培地とは、任意の市販されている、または市販されていない培地製剤、例えば、DMEM/F12(ダルベッコ改変イーグル培地/栄養混合物F-12)、RPMI-1640(RPMI:Roswell Park Memorial Institute)、MEM(最小必須培地)、IMDM(イスコフ改変ダルベッコ培地)他をさす。
【0062】
図03は、ツーパート培地製剤の一方または両方のパートが使用される、
図01または
図02からのツーパート培地製剤の使用例を表す工程を例示するプロセスフローチャートである。
【0063】
図03に例示されたプロセスの一例において、NK細胞の培養を実施する時、ツーパート培地製剤の2つのパートが順番に使用され、第1パート培地は、血清低下または完全血清除去(即ち、無血清培地)のオプションと共に、NK細胞の増殖のために使用される。続いて、培養されたNK細胞は、遠心分離、第2パート培地による第1パート培地の希釈、またはその他の手段によって、ツーパート培地製剤の第1パート培地から第2パート培地へ移される。続いて、第2パート培地が、活性化のためのNK細胞の培養のために使用される。
【0064】
図03に例示されたプロセスのもう1つの例において、NK細胞の培養を実施する時、第2パート培地の使用なしに、ツーパート培地製剤の第1パート培地が使用される。第1パート培地は、血清低下または完全血清除去(即ち、無血清培地)のオプションと共に、NK細胞の増殖のために使用される。第1パート培地は、活性化のためのNK細胞の培養のためにも使用される。
【0065】
図03に例示されたプロセスのさらにもう1つの例において、NK細胞の培養を実施する時、第1パート培地の使用なしに、ツーパート培地製剤の第2パート培地が使用される。第2パート培地は、血清低下または完全血清除去(即ち、無血清培地)のオプションと共に、NK細胞の増殖のために使用される。第2パート培地は、NK細胞の活性化のための培養のためにも使用される。
【0066】
本発明者らは、より頑強なNK細胞の細胞傷害活性を容易にしながら、培地中の低下した血清レベルでの細胞維持および細胞増殖も支持する、ナチュラルキラー(NK)免疫細胞のための独特の細胞培養培地製剤を提供する。本発明の前記の態様および例は、得られるNK細胞治療薬の特定の望ましい特性のために最適化された培地製剤の個々のバージョン(即ち、サブフォーミュレーション)の使用を通して、NK細胞治療薬の望ましい特性(例えば、血清低下、増殖、活性化に起因するより高い細胞傷害性)を最適に達成することを目的とするが、その他の望ましい特性も支持される。一例として、本発明者らは、以下の表01に表される、最適化された個々の成分の特定の組み合わせ、および培地製剤中の最適化された個々の成分の特定の濃度範囲によって、より頑強なNK細胞の細胞傷害活性を容易にしながら、培地中の低下した血清レベルでの細胞維持および細胞増殖も支持する、ナチュラルキラー(NK)免疫細胞のための独特の細胞培養培地製剤を提供する。
【0067】
【表1】
表01:パート01サブフォーミュレーション、(パート01サブフォーミュレーション成分に追加される)パート02サブフォーミュレーション、ならびに(パート01およびパート02のサブフォーミュレーション成分に追加される)パート03サブフォーミュレーションを含む各サブフォーミュレーションについての成分およびそれらの濃度範囲の表形式の要約
【0068】
表01においては、以下の頭字語が使用されている:HSA(ヒト血清アルブミン)、PVA(ポリ酢酸ビニル)、2-ME(2-メルカプトエタノール)、IGF-1(インスリン様増殖因子1)、4-1BBL(4-1BBリガンドまたはCD137のリガンド)、mM(ミリモル濃度)、mg/L(ミリグラム/リットル)。表01において、植物抽出物について、(表01に要約される)本発明の好ましい態様におけるそれらの濃度は、mg/L濃度単位で表される、培地の最終体積の中の等価乾燥植物抽出物に基づき決定された。表01に記載された植物抽出物の植物名は、以下の通りである:アシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ、科:ナス科);キンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカまたはシトラス・ジャポニカ(Citrus Japonica)、科:ミカン科);ウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス、科:フウロソウ科);エキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア、科:キク科);オタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン、科:ウコギ科);セイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ、科:レンプクソウ科);レイシ(植物名:ガノデルマ・ルシダム(Ganoderma Lucidum)、科:マンネンタケ科);ヤドリギ(植物名:ビスカム・アルバム(Viscum Album)、科:ビャクダン科)。本発明の代替的な態様において、前記の植物抽出物の使用は、前記の植物抽出物の植物学的変種によって置き換えられてもよい。また、本発明の代替的な態様において、前記の植物抽出物の使用は、化学合成された植物化学物質、または植物化学物質の組み合わせ、または前記の植物抽出物を構成する植物化学物質のサブセットによって置き換えられてもよい。
【0069】
パート01サブフォーミュレーション、パート02サブフォーミュレーション、およびパート03サブフォーミュレーションを含む、表01に要約された特定の成分の組み合わせおよび濃度範囲によって表される培地製剤は、これらの成分のうちのいくつかの、DMEM/F12培地(ダルベッコ改変イーグル培地/栄養混合物F-12)への添加によって作製された。表01に要約される成分濃度範囲は、基礎培地であるDMEM/F12培地(ダルベッコ改変イーグル培地/栄養混合物F-12)によって既に寄与されているいくつかの成分の濃度を含んでいる。したがって、DMEM/F12基礎培地が培地製剤開発のために使用されたが、基本培地であってもよいし複合培地(例えば、RPMI1640、MEM、IMDM等)であってもよい代替的な培地が、本発明の代替的な態様を生成するため、付加的な成分が添加され得る基礎既製培地または出発既製培地として、代わりに使用されてもよい;RPMI1640(RPMI:Roswell Park Memorial Institute;MEM:最小必須培地;IMDM:イスコフ改変ダルベッコ培地)。使用される基礎/既成培地に関わらず、追加された成分を含む成分の最終濃度を、表01に概説されているレベルに達するようにすることは可能であるため、基礎DMEM/F12培地は、他の培地と交換可能である。
【0070】
本発明の代替的な態様は、表01にリストされた成分のサブセットの独特な組み合わせを含む。本発明の代替的な態様は、表01にリストされていない成分と組み合わされた時の、表01(リスト全体またはリストのサブセットのいずれか)にリストされた成分の独特な組み合わせも含む。本発明の代替的な態様は、パートの数が2を超えるマルチパート培地製剤、例えば、3パート培地製剤をさらに含む。3パート培地製剤の例は、表01の「パート01サブフォーミュレーション」セクションからの成分リストおよび濃度範囲を使用して第1パートが製剤化され、表01の「パート02サブフォーミュレーション」セクションからの成分リストおよび濃度範囲を使用して第2パートが製剤化され、表01の「パート03サブフォーミュレーション」セクションからの成分リストおよび濃度範囲を使用して第3パートが製剤化されるものである。この例において、3パート培地製剤の第1パートは、段階的な血清低下または血清除去のために最適化されていながら、NK細胞治療薬の他の望ましい特性(例えば、増殖または活性化)も支持する。この例において、3パート培地製剤の第2パートも、NK細胞増殖のために最適化されていながら、NK細胞治療薬の他の望ましい特性(例えば、血清低下または活性化)も支持する。この例において、3パート培地製剤の第3パートも、NK細胞の活性化のために最適化されていながら、NK細胞治療薬の他の望ましい特性(例えば、増殖または血清低下)も支持する。本発明のさらに他の代替的な態様において、マルチパート培地製剤の他の例が作製されてもよく、ここで、マルチパート培地製剤の各パートは、NK細胞治療薬の特定の望ましい特性のために最適化されていながら、NK細胞治療薬の他の望ましい特性も支持する。
【0071】
以下の表02は、表01のサブセットであり、表01に表される包括的な培地製剤の一部として、特定の濃度範囲で組み合わせられ、DMEM/F12の基礎培地に添加された、いくつかの独特な非典型的な培地製剤成分の例を要約したものである。表01は、成分のより包括的なリストであるため、非典型的/非自明成分(表02の例)を含み、細胞を培養するための培地製剤に組み込まれる、より慣習的/典型的な成分のうちのいくつかも含む。特定の濃度範囲(表01)での非典型的成分および慣習的成分の両方の独特な組み合わせの組み入れ、ならびにこの独特な組み合わせのフレームワーク(表01)から出現し得る培地製剤の全ての変形形態は、本発明の代替的な態様を表す。本発明に関して、個々の各成分の「一次」濃度範囲は、より広く、「二次」範囲を含み、次に「二次」範囲は「三次」範囲を含む。
【0072】
【表2】
表02:各サブフォーミュレーションについての非典型的/非自明成分のうちのいくつかの例およびそれらの濃度範囲の表形式の要約。リストされているのは、パート01サブフォーミュレーションについての5種の非典型的/非自明成分の例である。パート02サブフォーミュレーションについて、付加的な3種の成分の例がリストされている。パート03サブフォーミュレーションについて、付加的な1種の非典型的/非自明成分の例がリストされている。
【0073】
本発明の可能な態様は、NK細胞用のスタンドアロン培地生成物を構成し得る[成分についての特定の濃度範囲での、表01に由来する]成分の特定の組み合わせ、または任意の既製培地に添加され得る補足的な成分の特定の組み合わせを組み入れることによって独特に作製され得る様々な個々の培地製剤によって表され得る。
【0074】
代替的な態様に関してさらに詳細に記載するため、本発明は、表01に要約された特定の製剤の詳細(組み合わせおよび濃度範囲)のみならず、表01に基づくことができる派生的かつ/または代替的な製剤もカバーする。本発明の代替的な態様の例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
・パート01またはパート02またはパート03の培地についての派生的または代替的なサブフォーミュレーションを作製するための、表01にリストされた成分のサブセットの順列および組み合わせ、例えば、以下に限定されるわけではないが、分子成分のみのサブセット、植物抽出物成分のみのサブセット、または同じ植物学的科に由来する植物抽出物変種。
・植物に由来するか、化学合成されたか、組換え合成されたかに関わらない、植物抽出物の分子的構成要素のサブセットの順列および組み合わせ。例には、ヤドリギの分子的構成要素に由来するイスカドール(iscador)ペプチド、セイヨウニワトコに由来するフラボノイド分子等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
・表01にリストされた成分(およびそれらのサブセット)の、表01にリストされていない他の成分、例えば、表01にリストされていない分子成分および植物抽出物との組み合わせ。他の植物抽出物/成分の例には、レスベラトロール、カラギーナン(例えば、ラムダカラギーナン)、インドセンダン(植物名:アザディラクタ・インディカ(Azadirachta Indica))、ウコン(Curcuma Longa)、チャボタイゲキ(Euphorbia Peplus)、ママラ(Homalanthus Nutans)(トウダイグサ科)、フィランサス・ポイラネイ(Phyllanthus Poilanei)、アスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、アファニゾメノン・フロスアクエ(Aphanizomenon flos-aquae)、ニゲラ・サティバム(Nigella Sativum)、ニンニク(Allium Sativum)、タマネギ(Allium Cepa)、ゴロツキアザミ(Onopordum Acanthium)が含まれるが、これらに限定されるわけではなく、(ニンニクに由来する)ジアリルジスルフィド、ゲニステイン、クルクミン、インゲノールメブテート、プロストラチン、フィランサスミン(Phyllanthusmin)C、アスコフィラン、フコイダンを含むが、これらに限定されるわけではない、植物/植物学的起源に由来する特定の化合物も含まれる。
・表01にリストされた成分およびそれらの濃度範囲のより高い、またはより低い濃度(個々の成分の濃度の相対比は維持される)。
・表01に概説されたもの(またはそのサブセット)と同じであるが、表01に要約されたものとは異なる濃度レベルでの成分の組み合わせ。
・乾燥植物/草本全体、または多様な抽出方法、例えば、溶媒抽出(浸漬/ソックスレー)、もしくは超音波、マイクロ波、もしくは超臨界流体の使用によって作製された植物抽出物。
・以下の3つの目的:血清低下、増殖、および細胞傷害性増強の全てを達成するための、記載された好ましい態様の任意の1つのサブフォーミュレーションの使用。
・基礎培地によって事前に製剤化されるのではなく、(例えば、キットの一部として、例えば、凍結乾燥形態で)別個に提供される、予め混合された、かつ/または個々の成分による、培地のサプリメントとしての、表01にリストされた成分の製剤化。
【0075】
本発明の培地製剤は、本発明の本旨および範囲から逸脱することなく、言及された特色および構成要素の一部または全部を使用して提供され得ることが、当業者には明らかであろう。前記の態様は、教示された特異な説明のいずれかより広い範囲を有し得る単一のより広い発明の具体例であることも、当業者には明らかであろう。本発明の本旨および範囲から逸脱することなく、説明に多くの変更が施され得る。
【0076】
本発明は、[a]NK細胞の研究使用、および[b](例えば、エクスビボ/バイオリアクターでの増大後の)NK細胞治療薬の臨床使用の状況を含むが、これらに限定されるわけではない、多岐にわたる有用性および利用可能性をもたらす、細胞免疫治療適用のために使用され得る。NK細胞についての本発明の主要な望ましいアウトカムには、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない:
[i]より良い治療アウトカムにつながり得る、疾患細胞(例えば、がん細胞またはウイルス感染細胞またはその他の疾患細胞)の死滅の増強をもたらす、NK細胞のより高い細胞傷害活性。細胞傷害活性の増強のそのような利用可能性は、NK細胞の自然細胞傷害機序もしくはNK細胞のADCC(抗原依存性細胞傷害)機序の増強、または他の免疫細胞へのNK細胞のシグナル伝達を通した全体的な免疫応答の増幅と共に、またはそれらなしに、アポトーシスまたは壊死の機序を通して付与され得る。
[ii]より良い研究および臨床のアウトカムにつながり得る、NK細胞の細胞傷害性の改善のみならず、全体的な生物学的機能の改善ももたらす、NK細胞の活性化の増強。
[iii]細胞疲弊の低下のみならず、コストの低下ももたらし得る、細胞傷害性または増殖のためのNK細胞の細胞培養におけるサイトカインまたはケモカインに対する依存性の排除または低下。
[iv]NK細胞の増殖(即ち、エクスビボの増大もしくは成長)または活性化のためのAPC(抗原提示細胞、「フィーダー細胞」とも呼ばれる)の排除または低下。
[v]バッチ間の一貫性の改善、およびNK細胞のエクスビボ/バイオリアクターでの増大のコストの低下をもたらす、細胞の維持および増殖のためのNK細胞の血清依存性の低下またはアダプテーション(例えば、無血清培地につながる完全な血清除去または血清排除)。従来の血清レベルでの細胞増殖の増強、または様々な血清条件での細胞生存度の増強も、活用され得る他の利益である。
[vi]特に、腫瘍微小環境において、NK細胞のインビボ持続性の改善をもたらす、細胞機能障害(例えば、疲弊またはアネルギーまたは老化)の軽減。
[vii]NK細胞の細胞傷害性、NK細胞疲弊の低下、自然免疫系と獲得免疫系との間の有効なインターフェース、または免疫増幅もしくは免疫ホメオスタシスを通した全体的な免疫応答の調節を含むが、これらに限定されるわけではない、NK細胞機能の全ての局面において、より良い性能をもたらす、NK細胞の代謝の増強。
[viii]NK細胞治療薬のロジスティックス、サプライチェーン、および効力の改善につながる、NK細胞の凍結保存の改善。関連する利益には、凍結NK細胞の低血清(または無血清)培地条件への直接解凍が容易になることが含まれる。利益には、NK細胞の細胞運動または遊走の増強も含まれ、次に、それは、NK細胞の凍結保存に正の影響を与える。
[ix]より効果的である、または最も高性能のクローン性CAR-NK集団の同定が本発明によって容易になる、遺伝子改変または遺伝子修飾されたNK細胞治療薬(例えば、CAR-NK細胞;CAR:キメラ抗原受容体)をもたらす、例えば、ウイルスベクターを使用した、より良い形質導入効率のための、NK細胞の形質導入の改善。
[x]例えば、電気穿孔などの非ウイルス方法を使用するための、NK細胞のトランスフェクションの改善。
[xi]例えば、NK細胞表面受容体(例えば、活性化受容体および抑制性受容体)またはNK細胞メモリーに対する本発明の影響に基づく、NK細胞のサブセット分布および相対集団の調節。これは、インビボ(例えば、腫瘍微小環境)でのNK細胞の性能に影響するという利益を提供し得る。
[xii]本発明によって、より有効かつ効率的にされ、より有効なNK細胞治療薬(例えば、より高い生物学的活性を有するiPS細胞由来NK細胞;iPS細胞は誘導多能性幹細胞である)をもたらし得る、幹細胞または前駆細胞のNK細胞への分化。
【0077】
NK細胞免疫治療薬に特異的に関係する、本発明の上記の要約された利用可能性に加えて、本発明の付加的な利用可能性が、以下のことを通して提供され得る。
【0078】
[xiii]免疫系の他の細胞の生物学的機能、即ち、細胞性免疫を付与することができる、NK細胞以外の免疫細胞、例えば、T細胞、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球(それらのサブセットおよび組み合わせを含む)によって示される細胞性免疫の増強。ナチュラルキラーT細胞(NK-T細胞)およびガンマ-デルタ(γδ)T細胞などの免疫細胞の特定のサブセットも含まれる。具体例は、(いくつかの可能な例の中でもとりわけ)、本発明において記載される培地製剤の好ましい態様で培養された時、マクロファージによって示される食作用の増強である。単剤治療または組み合わせ治療について、より良い治療アウトカムが達成され得る。
[xiv]例えば、特定の抗原に対する抗体を生成する免疫系のB細胞の生物学的機能の改善を通した、体液性免疫の有効性の増強。単剤治療または組み合わせ治療について、より良い治療アウトカムが達成され得る。
[xv]エクスビボで免疫細胞を培養するためではなく、例えば、本発明に起因する製剤が、(例えば、がんに対するより良い免疫機能を誘導するため、腫瘍内に)インビボで直接注射された場合の、直接治療薬としての本発明の使用。
[xvi]例えば、個別化免疫治療レジメンを開発する目的のための、免疫細胞の生物学的機能が増強され、インビトロ診断薬の感度の改善が達成される、免疫細胞を使用したインビトロ診断薬のための本発明の使用。
[xvii]高分子バイオテクノロジー生成物のバイオマニュファクチャリングにおける生産性の改善という利益を提供することができる、非免疫細胞(具体例には、ハイブリドーマ細胞、CHO細胞(CHO:チャイニーズハムスター卵巣)等が含まれる)の生物学的機能の増強。
【0079】
上記に本発明の説明が与えられ、特に、表01に相当する好ましい態様に関して要約されたため、以下の次のセクションは、例示的な実験データによって、実施化のいくつかの実施例、ならびに本発明の好ましい態様およびその他の態様の利用可能性の説明を強調する。
【実施例】
【0080】
実験例
ここでは、以下の実施例を参照しながら、本発明を説明する。これらの実施例は、例示を目的として提供されるに過ぎず、本発明は、これらの実施例に限定されず、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明らかである全ての変形形態を包含する。
【0081】
実施例1:Enable-NK培地によるNK細胞の細胞傷害性の増強
Enable-NK培地は、がん細胞などの疾患細胞に対するナチュラルキラー(NK)細胞の細胞傷害性を増強する。Enable-NK培地によって容易にされるNK細胞の細胞傷害性の増強は、包括的であり、NK細胞の細胞傷害性の3つの広域の機序:[a]抗原認識に依存しない自然/細胞性細胞傷害、[b]抗原認識に基づくADCC(抗体依存性細胞傷害)、および[c]免疫応答の増幅のための他の免疫細胞へのシグナル伝達を全てカバーする。本明細書に開示される実験データによって例示されるように、Enable-NK培地は、NK細胞のこれらの3つの細胞傷害機序の全ての出現を増強する。
【0082】
実験方法論:ナチュラルキラー(NK)細胞の細胞傷害性に対するEnable-NK培地の影響を実験的に評価するため、方法論は、NK細胞の存在下で共培養された時のがん細胞の生存度のインビトロ定量化を中心にした。エフェクターNK細胞と標的がん細胞との比率(エフェクター:標的比、即ち、E:T比)、および共培養の期間は、そのような共培養アッセイのアウトカムに直接影響する実験的要因の例であり、E:T比が高く、共培養インキュベーションの期間が長いほど、標的がん細胞の細胞傷害が高くなる。
【0083】
前記の実験フレームワークを中核として、NK細胞の細胞傷害性に対するEnable-NK培地の特異的影響の実験的決定は、実験群間の相対的な細胞傷害の定量化に基づいた。ここで、実験群は、培養され/増大させたNK細胞を、前記のがん細胞との共培養アッセイにおいて使用する前の、NK細胞の培養/増大のための培地組成物のみが異なっていた。
図4~8に概説されるように、培地組成物の比較を実施し、例えば、それぞれの培地条件で実施された(NKエフェクター細胞と標的がん細胞との)共培養アッセイインキュベーションによって、(より高い血清濃度の)DMEM-F12培地を、(より低い血清濃度の)Enable-NK成分と組み合わせられたDMEM-F12培地と比較した(
図4、7、8)。もう1つの例は、
図5および6に例示されるような、同一の培地条件(2つの実験群のいずれとも異なるDMEM)で実施された(NKエフェクター細胞と標的がん細胞との)共培養アッセイインキュベーションによる、(両方とも同じ血清レベルの)NK細胞の増大のためのRPMI-1640培地とEnable-NK培地との比較である。これらの共培養アッセイにおいて使用されたNK細胞は、ヒトNK細胞株KHYG1(
図4、7)および健常成人ドナーに由来する初代ヒトNK細胞(
図4~8)であった。使用された標的がん細胞は、K562白血病細胞(
図4、7)、CHLA-20神経芽腫細胞(
図5)、およびM21メラノーマ細胞(
図6)であった。
【0084】
標的細胞生存度のエンドポイント定量化を、フローサイトメトリーを通して評価されたヨウ化プロピジウム(P.I.)染色(
図4)によって調査し、バイオマーカー定量化(
図8)によっても調査し、その際、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)染色を使用して、標的細胞をエフェクター細胞から区別した。Sartorius Incucyte(登録商標)生細胞分析系を通して、生存標的がん細胞における緑色蛍光タンパク質(GFP)の定量化によっても、標的細胞生存度を決定した(
図5、6)。NK細胞上清試料中の可溶性インターフェロン-ガンマ(IFNγ)の定量化(
図7)は、Luminex Magpix装置を使用して調査された。
【0085】
主要な結果:
図4についての培地条件は、以下の通りであった。対照培地は、DMEM/F12[
図4Aについては、20%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)、
図4Bについては、10%ヒトAB血清]であった。
図4A(KHYG1 NK細胞)についてのEnable-NK培地は、独自のEnable-NK成分を含むDMEM/F12[単独のパートIについては、5%(v/v)、(パートIインキュベーション後の)パートII培地については、3.5%(v/v)の最終FBS濃度]であった。
図4B(初代NK細胞)についてのEnable-NK培地は、独自のEnable-NK成分を含むDMEM/F12[2.5%(v/v)の最終ヒトAB血清濃度]であった。異なる実験群についてのK562細胞との共培養インキュベーションは、同じE:T比(5:1)で、それぞれの培地でセットアップされた。
【0086】
図5に要約されたデータは、標的がん細胞株CHLA-20に対して観察された初代NK細胞の細胞傷害が、対照培地(RPMI-1640)と直接比較して、Enable-NK培地の場合の方が大きかったことを例示している。これは、Enable-NK培地条件についてのy軸の値(共培養物中に残存している標的細胞の数)が、対応する対照培地条件と比較した時、より低かったことによって示される。Enable-NK培地に対応するNK細胞の細胞傷害の方が大きいことは、初代NK細胞の増大がK562フィーダー細胞の存在下で調査されたか否か、および抗GD2抗体(ADCC)が使用されたか否かに関わらず、当てはまる。
【0087】
図6に要約されたデータは、標的がん細胞株M21に対して観察された初代NK細胞の細胞傷害が、対照培地(RPMI-1640)と直接比較して、Enable-NK培地の場合の方が大きかったことを例示している。これは、Enable-NK培地条件についてのy軸の値(共培養物中に残存している標的細胞の数)が、対応する対照培地条件と比較した時、より低かったことによって示される。Enable-NK培地に対応するNK細胞の細胞傷害の方が大きいことは、初代NK細胞の増大がK562フィーダー細胞の存在下で調査されたか否か、および抗GD2抗体(ADCC)が使用されたか否かに関わらず、当てはまる。
【0088】
図7についての培地条件は、以下の通りであった。対照培地は、DMEM/F12[
図7Aについては、20%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)、
図7Bについては、10%ヒトAB血清]であった。
図7A(KHYG1 NK細胞)についてのEnable-NK培地は、独自のEnable-NK成分を含むDMEM/F12[(パートIインキュベーションにおいて、血清を20%から2%に徐々に低下させた後)パートII培地においては2%(v/v)の最終FBS濃度]であった。
図4B(初代NK細胞)についてのEnable-NK培地は、独自のEnable-NK成分を含むDMEM/F12[(パートIインキュベーションにおいて、血清を10%から2.5%に徐々に低下させた後)パートII培地においては2.5%(v/v)の最終ヒトAB濃度]であった。NK細胞を、それぞれの培地で1週間増大させた後、一晩インキュベートした。初代NK細胞データ(
図7B、単独培養)に対応して、NK細胞活性化に関連するいくつかの細胞表面バイオマーカーも、フローサイトメトリーによって定量化し、これらを以下の
図8に要約した。
【0089】
図8に要約されたデータは、
図7に関する同じ実験からの初代NK細胞に対応しており、培地組成物およびこれらの培地条件でのNK細胞インキュベーションについての実験条件は同一であった。NKG2D、NKp46、およびCD69は、NK細胞表面の活性化マーカーであり、CD16は、NK細胞の細胞傷害性にも対応し、ADCC(抗体依存性細胞傷害)の機序の中心となっている。
【0090】
NK細胞治療薬についての考察、結論、および意義:
図4~8に例示されるように、KHYG1 NK細胞株についても、初代NK細胞についても、NK細胞の細胞傷害性の3つの異なる、しかし補完的な局面、即ち、[i]自然細胞傷害、[ii]抗体依存性細胞傷害(ADCC)、および[iii](他の免疫細胞を動員し、癌に対する全体的な免疫応答を増幅するための)他の免疫細胞へのNKシグナル伝達が、Enable-NK培地によって増強される。
【0091】
NK細胞の細胞傷害性の増強の生物学的意義は、がんおよびその他の疾患に対するナチュラルキラー免疫治療薬の効力の増強である(Myers et al,2021;Shimasaki et al,2020)。具体的には、疾患細胞に対するNK細胞の細胞傷害性には、異なるが補完的である3つの広い機序、即ち、[i]自然/細胞性細胞傷害(Kumar et al,2022)、[ii]ADCC(抗体依存性細胞傷害、Ochoa et al,2017)、ならびに[iii]インターフェロン-ガンマ(IFNγ)などのサイトカインの分泌を通したNK細胞シグナル伝達および他の免疫細胞(例えば、T細胞)の動員(Hodgins et al,2019)が存在する。NK細胞表面の活性化受容体と抑制性受容体とのバランスが活性化受容体に有利にシフトした時には、自然細胞傷害が増強され、このセクション(実施例1)および次のセクション(実施例2)のデータは、Enable-NK培地によって容易にされる、このバランスの変化を例示している。NK細胞の特定の亜集団の調節(実施例2のデータ)も、NK細胞の細胞傷害性に影響する。Enable-NK培地による、NK細胞の細胞傷害性のこれらの機序のうちの3つ全ての増強は、がんを含む様々な疾患に対するNK細胞治療薬の相乗効果および広い臨床適用可能性の機会を提供する(Kumar et al,2022;Nigro et al,2019)。
【0092】
要約すると、この実施例において要約された実験結果は、Enable-NK培地製剤が、NK細胞の細胞傷害性および他の免疫細胞へのNK細胞シグナル伝達を増強することによって、NK細胞治療のより大きい有効性を支持し得るという証拠を提供する。
【0093】
【0094】
実施例2:Enable-NK培地によるNK細胞疲弊の軽減
Enable-NK培地は、ナチュラルキラー(NK)細胞の疲弊を軽減し、NK細胞機能障害の他の機序、即ち、アネルギーおよび老化も軽減する。NK細胞の機能障害は、[a]疾患細胞(例えば、がん細胞)に対するNK細胞のエフェクター機能の低下、即ち、細胞傷害活性の低下、ならびに[b]バイオマーカーの発現レベルの修飾、即ち、PD-1、TIM-3、LAG-3、TIGIT、NKG2Aの増加、ならびにCD16およびCD57の減少によって表される、細胞の疲弊および/またはアネルギーおよび/または老化を伴う。以下に要約される実験データによって例示されるように、Enable-NK培地は、NK細胞機能障害のこれらのアウトカムの出現を軽減する。
【0095】
実験方法論:実験方法論は、Wilson Wolf Manufacturing Corporation(St Paul,MN)からのG-Rex(登録商標)[Gas Permeable Rapid Expansion]プレートにおけるNK細胞と標的がん細胞との長期共培養の実行に基づいた。メンブレンベースのG-Rex(登録商標)プラットフォームは、メンブレン上に置かれた細胞を妨害しない穏やかな培地交換を容易にするため、より長い期間にわたる同じ共培養試料の評価を可能にした。
【0096】
別々の実験において、KHYG-1 NK細胞および(3人の健常成人ドナーに由来する)初代NK細胞の両方を、対照培地(DMEM/F12)またはEnable-NK培地(DMEM/F12+Enable-NK成分/添加剤)のいずれかで培養した後、1:1のエフェクター:標的(E:T)比でのK562-GFP白血病細胞との共培養実験をセットアップした。KHYG-1細胞株による実験については、Enable-NK培地での培養を、まず、Enable-NKパートI培地(DMEM/F12+Enable-NKパートI成分/添加剤)で7日間、続いて、Enable-NKパートII培地(DMEM/F12+Enable-NKパートII成分/添加剤)で1日、調査した。次いで、0日目に、300万個のエフェクター細胞および300万個の標的細胞を各ウェルに添加して、G-Rex 24穴プレート(Wilson Wolf、P/N 80192M)の別々のウェルにおいて、1:1共培養物を確立した。ウシ胎仔血清(FBS)含量を、対照培地においては、20%(v/v)に維持し、Enable-NKパートI培地においては、20%(v/v)から5%(v/v)まで徐々に低下させ、その後、5%FBS含量のEnable-NKパートII培地に移行した。(3人のドナーに由来する)初代NK細胞による実験については、Enable-NK培地での培養を、まず、Enable-NKパートI培地で3日間、続いて、Enable-NKパートII培地で1日、調査した。次いで、0日目に、200万個のエフェクター細胞および200万個の標的細胞を各ウェルに添加して、G-Rex 24穴プレートの別々のウェルにおいて、1:1共培養物を確立した。血清含量は、対照培地(DMEM/F12)およびEnable-NK培地(DMEM/F12+Enable-NK成分/添加剤)の両方について、10%(v/v)ヒトAB血清に維持された。
【0097】
標的K562-GFP白血病細胞は、緑色蛍光タンパク質(GFP)蛍光によって、エフェクターNK細胞と区別された。K562-GFP細胞は、American Type Culture Collection(ATCC、カタログ番号CCL-243-GFP)から入手された。ヨウ化プロピジウム(PI)染色が、細胞の生死の決定のために使用された。様々な細胞表面タンパク質(例えば、PD-1、TIM-3、LAG-3、TIGIT等)に対する蛍光標識抗体が、検出のために使用され、フローサイトメトリー分析は、University of Connecticut Health Flow Cytometry Facilityにおいて(ゲーティングおよび補正のための適切な工程によって)実施された。
【0098】
主要な結果:主要な実験結果は、NK細胞株KHYG-1については
図9および10に、初代NK細胞による実験については
図11~16に要約されている。
【0099】
図9および10についての2つの培地条件は、以下の通りであった:対照培地は、20%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)のDMEM/F12であった。Enable-NK培地は、独自のEnable-NK添加剤を含む、5%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)の最終血清濃度のDMEM/F12であった。
【0100】
図11および12についての2つの培地条件は、以下の通りであった:対照培地は、10%(v/v)ヒトAB血清(HS)のDMEM/F12であった。Enable-NK培地は、独自のEnable-NK添加剤を含む、10%(v/v)ヒトAB血清(HS)のDMEM/F12であった。
【0101】
図13および14についての2つの培地条件は、以下の通りであった。対照培地は、10%(v/v)ヒトAB血清(HS)のDMEM/F12であった。Enable-NK培地は、独自のEnable-NK添加剤を含む、10%(v/v)ヒトAB血清(FBS)のDMEM/F12であった。
【0102】
図15および16についての2つの培地条件は、以下の通りであった。対照培地は、10%(v/v)ヒトAB血清(HS)のDMEM/F12であった。Enable-NK培地は、独自のEnable-NK添加剤を含む、10%(v/v)ヒトAB血清(FBS)のDMEM/F12であった。
【0103】
NK細胞治療薬についての考察、結論、および意義:細胞疲弊を表す主要エンドポイントは、[i]細胞傷害性の減弱、ならびに[ii]5種の抑制性細胞表面バイオマーカー、即ち、PD-1、TIM-3、LAG-3、TIGIT、およびNKG2Aのちの全てまたはいくつかの発現レベルの増加である。
図9~12に例示されるように、これらのエンドポイント傾向の両方が、Enable-NK培地でNK細胞を培養することによって軽減され、NK細胞疲弊表現型のこの軽減は、NK細胞株KHYG-1(
図9~10)でも初代NK細胞(
図11~12)でも観察された。
【0104】
NK細胞機能障害(疲弊および/またはアネルギーおよび/または老化)の軽減の生物学的意義は、NK細胞による固形腫瘍浸潤の可能性の増加、および腫瘍微小環境におけるNK細胞の機能障害の減少である(Judge et al,2020およびWang et al,2020)。
図9~14に表されたデータに基づき、Enable-NKは、NK細胞疲弊を軽減し(PD-1、TIM-3、LAG-3、およびTIGITのレベルの低下)、NK細胞アネルギーを軽減し(CD16発現のより高いレベル)、NK細胞老化も軽減する(NKG2A発現の低下およびCD57発現の増加)。さらに、Enable-NKによって支持されたCD56
dim亜集団(
図10、12、16)、CD56
dimCD16
+CD57
+亜集団(
図13)、CD56
dimCD57
+NKG2A
-亜集団(
図14)、およびCD56
dimCD16
+亜集団(
図15)のより高いレベルの生物学的意義は、NK細胞のこれらの亜集団によって表されるより高い細胞傷害レベルである(Lopez-Verges et al,2010;Beziat et al,2010、Haanen et al,2018)。
【0105】
要約すると、この実施例において要約された実験結果は、Enable-NK培地製剤が、疲弊および/またはアネルギーおよび/または老化によって表されるNK細胞機能障害の軽減によって、NK細胞治療薬のより大きい有効性を支持し得るという証拠を提供する。
【0106】
【0107】
実施例3:Enable-NK培地によるNK細胞代謝の増強
Enable-NK培地は、ナチュラルキラー(NK)細胞の代謝を増強し、この効果は、(実施例2においてカバーされた)NK細胞疲弊の軽減と一致する。NK細胞の代謝活性は、細胞内NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)のレベルによって表される。以下に要約される実験データによって例示されるように、NADレベルによって表されるNK細胞の代謝活性は、Enable-NK培地によって増強される。
【0108】
実験方法論:KHYG-1 NK細胞を対照培地(DMEM/F12)またはEnable-NK培地(DMEM/F12+Enable-NK成分/添加剤)で培養した。Enable-NK培地でのNK細胞の培養を、まず、Enable-NKパートI培地(DMEM/F12+Enable-NKパートI成分/添加剤)で3日間、続いて、Enable-NKパートII培地(DMEM/F12+Enable-NKパートII成分/添加剤)でさらに4日間(合計1週間のインキュベーション時間)、調査した。KHYG-1 NK細胞による実験については、ウシ胎仔血清(FBS)含量を、対照培地においては20%(v/v)に維持し、Enable-NKパートI培地においては20%(v/v)から5%(v/v)まで徐々に低下させ、その後、5%FBS含量のEnable-NKパートII培地に移行した。
【0109】
NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の検出方法は、Promega Corporationからの生物発光ベースのキット(Madison WI、カタログ番号G9071)によって測定される、NADの酸化型および還元型の両方(NAD+/NADH)の総量の定量化を通したものであった。総細胞内NADを、対照培地(NT、即ち、処理なし)において観察されたものに対して正規化した。
【0110】
結果:2つの培地条件について、細胞内NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)のレベル、即ち、対照培地に対して正規化されたNAD値は、
図17に要約されており、2つの培地条件の間には3倍を超える差があった。
【0111】
図17についての2つの培地条件は、以下の通りであった。対照培地は、20%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)のDMEM/F12であった。Enable-NK培地は、独自のEnable-NK添加剤を含む、5%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)の最終血清濃度のDMEM/F12であった。
【0112】
NK細胞治療薬についての考察、結論、および意義。この研究において、正規化されたNAD測定値は、NK細胞の代謝頑強性の指標である。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)は、解糖系、β酸化、および酸化的リン酸化を含む様々な代謝経路の制御に関与する補酵素である。NADは、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)、サーチュイン、およびNADグリコヒドロラーゼの基質としても機能する。さらに、NADは、DNA修復、遺伝子発現、エネルギー代謝、およびストレス応答を制御する(Yaku et al,2019)。一般に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびそのメタボローム(NADome)は、細胞ホメオスタシスの維持において重要な役割を果たす(Braidy et al,2021)。NK細胞の免疫代謝とのNADの関連性は、例えば、エネルギー代謝全般、具体的には、ミトコンドリア代謝に関して、十分に確立されており(O'Brien et al,201、Choi et al,2021、およびStein et al,2012)、NAD代謝の治療可能性の基礎を提供している(Xie et al,2020、Takeda et al,2021)。
【0113】
NK細胞代謝に対する腫瘍微小環境(TME)の負の影響を考えると、NK細胞の代謝の増強の生物学的意義は、固形腫瘍に対するナチュラルキラー免疫治療薬の効力の増強である(Terren et al,2019)。抗腫瘍エフェクター機能のためのNK細胞の活性化は、解糖系および栄養素トランスポーターのアップレギュレーションなどの代謝活性の増強として出現し、したがって、病態生理学的条件におけるNK細胞の免疫代謝の増強は、NK細胞免疫治療薬の臨床有効性を増強し得る(Wang et al,2020、Terren et al,2020)。
【0114】
要約すると、このセクションCにおいて要約された実験結果は、Enable-NK培地製剤が、NK細胞の代謝の増強によって、NK細胞治療薬のより大きい有効性を支持し得るという証拠を提供する。
【0115】
【0116】
実施例4:Enable-NK培地によるNK細胞ウイルス形質導入の増強
以下に要約される実験データによって例示されるように、Enable-NKは、NK細胞株NK-92のレトロウイルス形質導入によって例証される、ナチュラルキラー(NK)細胞のウイルス形質導入の効率を増強する。
【0117】
実験方法論:配列内リボソーム進入部位(IRES)を含有するバイシストロニックレトロウイルスベクターを介した、NKp44-FLAG構築物のNK-92細胞へのウイルス形質導入を調査した[FLAG(細胞外末端)によってタグ付けされたNKp44を、(GFPを編集して除去した)pBMN-IRES-GFPベクター、Phoenix-Amphoウイルスパッケージング細胞株に入れた]。NK-92細胞をα-MEM培地またはEnable-NKパートII培地で2週間培養した後、形質導入し、次いで、2つの培地でさらに6日間培養した。いずれの培地条件も、100IU/ml IL-2を有していた。α-MEM培地は、10%(v/v)熱不活化FBSおよび10%(v/v)ウマ血清を有していたが、Enable-NKフェーズII培地は、5%(v/v)熱不活化FBSを有していた。次いで、NKp44およびFLAGの両方について細胞を染色し、形質導入効率(全NK細胞集団のうち、NKp44およびFLAGの両方について二重染色された細胞のパーセント)を決定するため、分析した(フローサイトメトリー)。
【0118】
結果:
図18は、NKp-44およびFLAGの両方の二重染色によって確認された、Enable-NKパートII培地(62.8%)と比較された、α-MEM培地(21.0%)での、NK-92細胞における形質導入の効率の比較を示している。対照的に、親細胞は、有意な染色を示さなかった(<1%)。
【0119】
NK細胞治療薬についての考察、結論、および意義。Enable-NKパートII培地によるNK-92細胞のレトロウイルス形質導入について、α-MEM培地(21.0%)と比較して、有意に高い形質導入効率(62.8%)が達成された。
【0120】
NK細胞のウイルス形質導入の増強の生物学的意義は、NK細胞の遺伝子操作を通したナチュラルキラー免疫治療薬の効力の増強の機会である(Childs et al,2015;Matosevic,2018)。NK細胞についての特異的遺伝子操作戦略の例には、[a]遺伝子(例えば、外来性サイトカインへの依存性を排除し得るIL-2、IL-15)の導入による、NK細胞のより良い自己分泌サイトカイン刺激、[b]抑制性NK細胞受容体(例えば、NKG2A)の遺伝子サイレンシングによって誘導される、より良い腫瘍ターゲティング、および[c]NK細胞表面のCAR(キメラ抗原受容体)の遺伝子操作による、特定の抗原に対する腫瘍ターゲティングの改善(Carlsten et al,2015;Xie et al,2020)が含まれる。遺伝子操作を目的として、ナチュラルキラー(NK)細胞のウイルス形質導入を達成することは、T細胞と比較して、より困難である(Allan et al,2021;Carlsten et al,2016)。具体例には、ウイルス形質導入の低い効率、およびウイルス形質導入されたNK細胞の生存度の低下が含まれ、それらは、次世代NK細胞免疫治療薬の生成に対する障壁となっている。したがって、NK細胞のウイルス形質導入の効率および有効性の改善は、より広範囲のNK細胞治療薬、およびNK細胞治療薬の有効性の改善につながり得る。
【0121】
要約すると、この実施例において要約された実験結果は、Enable-NK培地製剤が、NK細胞のウイルス形質導入の効率の増強によって、NK細胞治療薬のより大きい有効性を支持し得るという証拠を提供する。
【0122】
【0123】
実施例5:Enable-NK培地によるNK細胞の凍結保存の改善
初代NK細胞の凍結保存性能についての以下に要約される実験データによって例示されるように、Enable-NKはナチュラルキラー(NK)細胞の凍結保存を改善する。
【0124】
実験方法論:初代NK細胞を、健常成人ヒトドナーから単離し、対照培地[(膜結合型のIL-15および4-1BBLを含む)1:1 K562フィーダー細胞を含むRPMI-1640]またはEnable-NKフェーズI培地(フィーダー細胞なし)で、2週間、2~3日毎に新鮮な培地を添加して、増大させた(12日目にEnable-NKフェーズI培地からフェーズII培地に切り替えた)。両方の培地条件が、10%v/v ヒトAB血清FBSおよび100IU/ml IL-2(さらに、Enable-NK培地については、10ng/ml IL-15)を有していた。(フィーダー細胞を含む対照培地での増大後に磁気によって分離された)増大させたNK細胞を、それぞれの凍結培地で凍結させた。対照培地で増大させたNK細胞を[10%v/v DMSO+45%v/v FBS+45%v/v対照培地]の凍結培地レシピで凍結させ、Enable-NKパートI培地で増大させたNK細胞を[10%v/v DMSO+45%v/v FBS+45%v/v EnableパートI培地]の凍結培地レシピで凍結させた。[10%v/v DMSO+45%v/v FBS+45%v/v対照培地]の凍結培地レシピで凍結させたNK細胞を、対照培地(フィーダー細胞なし)に一晩解凍し、[10%v/v DMSO+45%v/v FBS+45%v/v EnableパートI培地]の凍結培地レシピで凍結させたNK細胞を、EnableパートII培地(フィーダー細胞なし)に一晩解凍した。10IU/ml IL-2を一晩培養物に添加した。翌日、両実験群からのNKエフェクター細胞を、2.5:1のエフェクター:標的比(E:T比)で、ヒト小児神経芽腫細胞CHLA-20-GFP標的細胞と共培養した。これらの共培養研究を、Sartorius Incucyte(登録商標)生細胞分析装置を介した細胞傷害分析のため、抗ジシアロガングリオシド(抗GD2)抗体のありなし両方で、(10%v/v FBS、100IU/ml IL-2を含む)同一のDMEM培地条件で調査した。
【0125】
結果:Sartorius Incucyte(登録商標)装置から取得されたデータは、
図19に要約されている。
【0126】
NK細胞治療薬についての考察、結論、および意義。抗GD2抗体の非存在下(自然細胞傷害)および抗GD2抗体の存在下(自然+抗体依存性細胞傷害(ADCC))の両方で、対照培地と比較して有意に高い凍結保存性能が、Enable-NK(商標)培地によって示された。NK細胞の凍結保存の改善の生物学的意義は、臨床使用のための既製のNK細胞治療薬をより高性能にする機会である(Fang et al,2022)。インビトロ研究(Mark et al,2020;Damodharan et al,2020;Min et al,2018)、インビボ研究(Miller et al,2014)、および臨床研究(Szmania et al,2015)に基づき、NK細胞の凍結保存(即ち、凍結)およびその後の解凍は、T細胞の凍結保存(Fang et al,2019)よりはるかに大きく、主要な機能(例えば、細胞傷害性)および生存度に負の影響を与えることが、発表された文献においてよく立証されている。これらの考慮は、NK細胞のはるかに短い半減期と共に、NK細胞治療薬の臨床使用に関するロジスティックスに対する相当の制限を表す。NK細胞治療薬が完全な臨床的可能性を実現するためには、NK細胞の凍結保存に関する継続的な改善が重要であるというコンセンサスが、NK研究の分野において存在する(Kundu et al,2021)。
【0127】
要約すると、このセクションEにおいて要約された実験結果は、Enable-NK培地製剤が、NK細胞の凍結保存の改善によって、NK細胞治療薬のより大きい有効性を支持し得るという証拠を提供する。
【0128】
【0129】
実施例6:Enable-NK培地によるNK細胞の培養および増大のための血清依存性およびフィーダー細胞使用の軽減
Enable-NK培地は、[a]動物血清依存性が最小化され、[b]フィーダー細胞の必要性が最小化されるか、または排除されるような、ナチュラルキラー(NK)細胞の培養および増大を支持する。ナチュラルキラー(NK)細胞の培養および増大のためのこれらの利益は、下記の実験結果によって要約されるような、Enable-NK培地を使用したヒトNK細胞株KHYG1および(健常成人ドナーに由来する)初代ヒトNK細胞のエクスビボ増大によって例示される。
【0130】
実験方法論:NK細胞株NK3.3およびKHYG1、ならびに健常成人ドナーに由来する初代NK細胞を、以下に要約される培地条件で培養した。NK細胞は、血球計数器またはCountess-II装置(Thermo Fisher、Waltham MA)を使用して計数された。
【0131】
結果:NK細胞増殖のいくつかの主要な結果が
図20に示される。
図20Aについて、対照培地は、[10%(v/v)ヒトAB血清の]標準培地であり、Enable-NK培地は、
図20Aに示される低下した血清レベルの、独自のEnable-NK添加剤を含むDMEM/F12であり、いずれも50IU/ml IL-2を含んでいた。
図20Bおよび
図20Cについて、対照媒体は、[
図20Bについては、20%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)、
図20Cについては、10%(v/v)ヒトAB血清の]DMEM/F12であり、Enable-NK培地は、
図20Bおよび20Cに示される低下した血清レベルの、独自のEnable-NK添加剤を含むDMEM/F12であり、いずれも100IU/ml IL-2を含んでいた。
【0132】
NK細胞治療薬についての考察、結論、および意義。累積的に、この実施例についての実験結果は、有意に低下した血清を含むEnable-NK培地において、フィーダー細胞の非存在下で、NK細胞の培養および増大が可能であることを証明している。
【0133】
ナチュラルキラー(NK)細胞の培養および増大における血清依存性の軽減の生物学的意義は、バッチ間の変動性、コスト、および病原体混入のリスクなどの、血清含量によって提示される課題を回避する機会である(Karnieli et al,2017)。これらの考慮によって、血清依存性の軽減は、細胞治療薬全般(Campbell et al,2015)、具体的には、NK細胞治療薬(Moseman et al,2020)の主要なプロセス開発目標である。同様に、ナチュラルキラー(NK)細胞のエクスビボの培養および増大について、フィーダー細胞の使用は、NK細胞の増殖後の大きい増大倍率の達成を容易にするが(Gurney et al,2022)、フィーダー細胞の使用は、増大させたNK細胞の最適でない細胞傷害性能(Childs et al,2013)、および得られたNK細胞治療薬への生フィーダー細胞の混入の可能性などの欠点を導入する(Kundu et al,2021)。
【0134】
要約すると、この実施例において要約された実験結果は、Enable-NK培地製剤が、低下した血清による、または血清の非存在下でのNK細胞の培養および増大によって、NK細胞治療薬のより大きい有効性を支持し得るという証拠を提供する。これらの結果は、Enable-NK培地製剤が、フィーダー細胞の非存在下での、または低下したフィーダー細胞によるNK細胞の培養および増大によって、NK細胞治療薬のより大きい有効性を支持し得るという証拠も提供する。血清の低下/非存在下かつフィーダー細胞の低下/非存在下で、NK細胞を培養し、増大させる機会、即ち、組み合わせられた相乗的な利益も、Enable-NK培地によって提供される。
【0135】
【0136】
列挙された態様
列挙された態様が以下に提供されるが、その番号付けは、重要度を示すものと解釈されてはならない。
【0137】
態様1は、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのツーパート培地製剤であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ(Withania Somnifera))植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ(Fortunella Japonica))植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス(Pelargonium sidoides))植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア(Echinacea purpurea))植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン(Panax ginseng))植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ(Sambucus nigra))植物抽出物
を含み、
NK細胞が第1の培地製剤中で培養された後に第2の培地製剤中で培養される、
ツーパート培地製剤を提供する。
【0138】
態様2は、以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのワンパート培地製剤を提供する:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物)。
【0139】
態様3は、以下の構成要素のうちの少なくとも9種を含む、ナチュラルキラー(NK)細胞を培養するためのワンパート培地製剤を提供する:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物。
【0140】
態様4は、サプリメントとして基本細胞培養培地に添加される、態様1~3のいずれかの製剤を提供する。
【0141】
態様5は、ナチュラルキラー(NK)細胞またはその前駆細胞を培養するための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地製剤中でNK細胞またはその前駆細胞を培養する工程を含む、前記方法を提供する。
【0142】
態様6は、NK細胞またはその前駆細胞が第1の培地製剤中で培養される、態様5の方法を提供する。
【0143】
態様7は、NK細胞またはその前駆細胞が第2の培地製剤中で培養される、態様5の方法を提供する。
【0144】
態様8は、NK細胞またはその前駆細胞が、第1の培地製剤中で培養された後に第2の製剤中で培養される、態様5の方法を提供する。
【0145】
態様9は、NK細胞またはその前駆細胞がエクスビボで培養される、態様5の方法を提供する。
【0146】
態様10は、NK細胞またはその前駆細胞がインビトロで培養される、態様5の方法を提供する。
【0147】
態様11は、標的細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性が増強される、態様5の方法を提供する。
【0148】
態様12は、標的細胞ががん細胞である、態様11の方法を提供する。
【0149】
態様13は、NK細胞の活性化が増強される、態様5の方法を提供する。
【0150】
態様14は、NK細胞の機能障害が低下する、態様5の方法を提供する。
【0151】
態様15は、機能障害が疲弊である、態様14の方法を提供する。
【0152】
態様16は、NK細胞の代謝機能が増強される、態様5の方法を提供する。
【0153】
態様17は、NK細胞の高い生存度および細胞増殖が達成される、態様5の方法を提供する。
【0154】
態様18は、血清の使用が除去されるかまたは低下する、態様5の方法を提供する。
【0155】
態様19は、サイトカインサプリメントの使用が除去されるかまたは低下する、態様5の方法を提供する。
【0156】
態様20は、抗原提示細胞(APC)またはフィーダー細胞の使用が除去されるかまたは低下する、態様5の方法を提供する。
【0157】
態様21は、NK前駆細胞の培養がそれらの分化を誘導する、態様5の方法を提供する。
【0158】
態様22は、NK細胞または前駆細胞の培養がNK細胞サブセットの分布および相対集団を調節する、態様5の方法を提供する。
【0159】
態様23は、NK細胞サブセットがメモリーNK細胞である、態様22の方法を提供する。
【0160】
態様24は、NK細胞サブセットが活性化受容体および抑制性受容体の相対発現によって定義される、態様22の方法を提供する。
【0161】
態様25は、ナチュラルキラー(NK)細胞の凍結保存のための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む凍結保存培地でNK細胞の凍結が達成される、前記方法を提供する。
【0162】
態様26は、凍結保存培地が第1の培地製剤を含む、態様25の方法を提供する。
【0163】
態様27は、凍結保存培地が第2の培地製剤を含む、態様25の方法を提供する。
【0164】
態様28は、ナチュラルキラー(NK)免疫細胞の形質導入のための方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地でNK細胞を培養することを含む、第1の細胞培養工程;
(b)NK細胞をウイルスベクターと接触させる工程;ならびに
(c)形質導入されたNK細胞を、工程(a)の細胞培養培地製剤を含む細胞培養培地で培養することを含む、第2の細胞培養工程
を含む、前記方法を提供する。
【0165】
態様29は、第1および第2の細胞培養工程が第1の細胞培養製剤中で実施される、態様28の方法を提供する。
【0166】
態様30は、第1および第2の細胞培養工程が第2の細胞培養製剤中で実施される、態様28の方法を提供する。
【0167】
態様31は、第1の細胞培養工程が第1の細胞培養製剤中で実施され、第2の細胞培養工程が第2の細胞培養製剤中で実施される、態様28の方法を提供する。
【0168】
態様32は、前記ベクターがキメラ抗原受容体(CAR)をコードする、態様28の方法を提供する。
【0169】
態様33は、前駆細胞からナチュラルキラー(NK)細胞を分化させる方法であって、
(a)以下の構成要素のうちの少なくとも6種を含む第1の培地製剤:
(i)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のグリシン;
(ii)1.10E-02mM~1.10E+03mMの濃度のL-アラニン;
(iii)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン;
(iv)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-アスパラギン酸;
(v)1.50E-03mM~1.50E+02mMの濃度のL-グルタミン酸;
(vi)2.50E-03mM~2.50E+02mMの濃度のL-プロリン;
(vii)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-セリン;
(viii)1.30E-02mM~1.30E+03mMの濃度のL-アルギニンHCl;
(ix)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のL-シスチン;
(x)3.50E-03mM~3.50E+02mMの濃度のL-ヒスチジンHCl-H2O;
(xi)8.20E-03mM~8.20E+02mMの濃度のL-イソロイシン;
(xii)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-ロイシン;
(xiii)8.96E-03mM~8.96E+02mMの濃度のL-リジン塩酸塩;
(xiv)2.21E-03mM~2.21E+02mMの濃度のL-メチオニン;
(xv)4.20E-03mM~4.20E+02mMの濃度のL-フェニルアラニン;
(xvi)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-トレオニン;
(xvii)9.00E-04mM~9.00E+01mMの濃度のL-トリプトファン;
(xviii)4.09E-03mM~4.09E+02mMの濃度のL-チロシン;
(xix)8.50E-03mM~8.50E+02mMの濃度のL-バリン;
(xx)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のピルビン酸ナトリウム;
(xxi)3.28E-07mM~3.28E-02mMの濃度のアラキドン酸;
(xxii)3.78E-06mM~3.78E-01mMの濃度のリノール酸;
(xxiii)1.80E-06mM~1.80E-01mMの濃度のリノレン酸;
(xxiv)2.19E-06mM~2.19E-01mMの濃度のミリスチン酸;
(xxv)1.77E-06mM~1.77E-01mMの濃度のオレイン酸;
(xxvi)1.95E-06mM~1.95E-01mMの濃度のパルミチン酸;
(xxvii)1.76E-06mM~1.76E-01mMの濃度のステアリン酸;
(xxviii)2.84E-05mM~2.84E+00mMの濃度のコレステロール;
(xxix)8.40E-05mM~8.40E+00mMの濃度のTween-80;
(xxx)7.40E-06mM~7.40E-01mMの濃度の酢酸トコフェロール;
(xxxi)5.95E-04mM~5.95E+01mMの濃度のPluronic F-68;
(xxxii)1.72E-05mM~1.72E+00mMの濃度のインスリン;
(xxxiii)6.88E-07mM~6.88E-02mMの濃度のトランスフェリン;
(xxxiv)3.87E-07mM~3.87E-02mMの濃度の亜セレン酸ナトリウム;
(xxxv)2.00E-03mM~2.00E+02mMの濃度のミオイノシトール;
(xxxvi)2.22E-01mM~2.22E+04mMの濃度のグルコース;
(xxxvii)1.50E-05mM~1.50E+00mMの濃度のヒト血清アルブミン(HSA);
(xxxviii)8.10E-06mM~8.10E-01mMの濃度のビオチン;
(xxxix)2.40E-04mM~2.40E+01mMの濃度の葉酸;
(xL)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のビタミンB12;
(xLi)2.84E-03mM~2.84E+02mMの濃度のビタミンC;
(xLii)2.40E-03mM~2.40E+02mMの濃度のビタミンE;
(xLiii)1.50E-08mM~1.50E-03mMの濃度の亜鉛;
(xLiv)5.00E-04mM~5.00E+01mMの濃度のL-オルニチン;
(xLv)1.00E-02mM~1.00E+03mMの濃度のクレアチン無水物;
(xLvi)1.16E-01~1.16E+04mMの濃度のポリビニルアルコール(PVA);
(xLvii)5.00E-04~5.00E+01mMの濃度のエタノールアミン;
(xLviii)1.00E-03mM~1.00E+02mMの濃度の2-メルカプトエタノール(2-ME);
(xLix)1.00E-05~1.00E+00mMの濃度のアンドロステンジオン;
(L)1.00E+01~1.00E+06mg/Lの濃度のデキストラン;
(Li)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のL-アラニル-L-グルタミン(Glutamax);
(Lii)1000倍ストックの0.01倍~1000倍の濃度のポリアミンサプリメント(ポリアミンサプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号P8483または等価物)、および
(Liii)1000倍の0.01倍~1000倍の濃度の抗酸化サプリメント(抗酸化サプリメントはSigma-Aldrichカタログ番号A1345または等価物);ならびに
(b)第1の培地製剤と以下の構成要素のうちの少なくとも3種とを含む第2の培地製剤:
(Liv)2.50E-02mM~2.50E+03mMの濃度のニコチンアミド;
(Lv)2.60E-08mM~2.60E-03mMの濃度のIGF-1(インスリン様増殖因子1);
(Lvi)4.20E-09mM~4.20E-04mMの濃度の4-1BBL[4-1BBリガンドまたは表面抗原分類137(CD137)のリガンド];
(Lvii)6.00E-01mg/L~6.00E+04mg/Lの濃度のアシュワガンダ(植物名:ウィタニア・ソムニフェラ)植物抽出物;
(Lviii)1.40E-22mg/L~1.40E-02mg/Lの濃度のキンカン(植物名:フォーチュネラ・ジャポニカ)植物抽出物;
(Lix)5.00E-01mg/L~5.00E+05mg/Lの濃度のウンカロアボ(植物名:ペラルゴニウム・シドイデス)植物抽出物;
(Lx)1.01E-01mg/L~1.00E+05mg/Lの濃度のエキナセア(植物名:エキナセア・プルプレア)植物抽出物;
(Lxi)8.43E-02mg/L~8.43E+03mg/Lの濃度のオタネニンジン(植物名:パナクス・ジンセン)植物抽出物;
(Lxii)9.01E-02mg/L~9.01E+03mg/Lの濃度の2,3-ブタンジオール;および
(Lxiii)1.06E-01mg/L~1.06E+04mg/Lの濃度のセイヨウニワトコ(植物名:サンブカス・ニグラ)植物抽出物
を含む細胞培養培地で前駆細胞を培養する工程を含む、前記方法を提供する。
【0170】
態様34は、培養培地が第1の培地製剤を含む、態様33の方法を提供する。
【0171】
態様35は、培養培地が第2の培地製剤を含む、態様33の方法を提供する。
【0172】
態様36は、培養培地が第1の培地製剤を含み、続いて、第2の培地製剤を含む、態様35の方法を提供する。
【0173】
態様37は、ナチュラルキラー(NK)細胞の培養がNK細胞サブセットの分布および相対集団を調節する、態様33の方法を提供する。
【0174】
態様38は、NKサブセットがメモリーNK細胞である、態様33の方法を提供する。
【0175】
態様39は、NK細胞サブセットが活性化受容体および抑制性受容体の相対発現によって定義される、態様33の方法を提供する。
【0176】
他の態様
本明細書における変数の定義における要素のリストの記載は、リストされた要素のうちの任意の単一の要素または組み合わせ(または部分的組み合わせ)としての、その変数の定義を含む。本明細書における態様の記載は、任意の単一の態様としての、または他の態様もしくはその一部分と組み合わせられた、その態様を含む。
【0177】
本明細書において引用された各々の全ての特許、特許出願、および刊行物の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる。本発明は、具体的な態様を参照して開示されているが、本発明の真の本旨および範囲から逸脱することなく、本発明の他の態様および変形形態が、当業者によって考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、そのような態様および等価な変形形態を全て含むと解釈されるものとする。
【国際調査報告】