(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-07
(54)【発明の名称】車両バッテリ環境のための漏れ検出システム及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20240731BHJP
G01M 17/007 20060101ALI20240731BHJP
G01M 3/32 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G01M3/26 N
G01M17/007 K
G01M3/32 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579206
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022034179
(87)【国際公開番号】W WO2022271599
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515084937
【氏名又は名称】レッドライン ディテクション エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】REDLINE DETECTION,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、メリッサ アレックス
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA44
2G067BB04
2G067DD02
(57)【要約】
バッテリケース漏れ試験装置は試験ポートを有するハウジングを含む。ポンプは試験ポートと流体連通しているとともに試験ポートにおいて予め設定された圧力を生成するように構成される。圧力センサは、試験ポートにおける流体圧力を測定するために試験ポートと流体連通する。コントローラは、ポンプ及び圧力センサと動作可能に通信するとともに第1のモード及び第2のモードにおいてポンプの動作を容易にするように構成される。第1のモードでは、ポンプは、試験ポートにおいて第1の予め設定された圧力を生成するように動作する。第2のモードでは、ポンプは、試験ポートにおいて第2の予め設定された圧力を生成するように動作する。コントローラは、ポンプが第1のモードで動作するときに圧力センサが予め設定された圧力特性を測定すると、ポンプを第1のモードから第2のモードに移行させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車バッテリのバッテリケースを試験する方法であって、前記バッテリケースはバッテリケースサービスポートを有し、前記方法は、
ポンプ及び圧力センサを有する漏れ検出器を前記バッテリケース上の前記サービスポートに流体接続するステップと、
前記バッテリケースの容積に基づいて前記漏れ検出器の動作を構成するステップと、
前記ポンプを動作させ、前記バッテリケースの容積に第1の圧力を加え、前記圧力センサからの感知された圧力に基づいて、加えられた前記圧力が前記バッテリケースの容積内の圧力の変化をもたらすかどうかを判定することによって、予備試験を行うステップと、
圧力変化が検出された場合に、前記ポンプを作動させて前記バッテリケースの容積に第2の圧力を加えて主試験を行うステップと、
前記バッテリケースの容積に前記第2の圧力を加えた後に、前記バッテリケースの容積内の圧力を感知するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
第2の圧力を加える前記ステップが、前記バッテリケースの容積に負圧を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の圧力を加える前記ステップが、前記バッテリケースの容積に正圧を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
感知された圧力に関連付けられた情報を表示するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記感知された圧力に関連付けられたレポートを生成するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
受信した車両情報に基づいて前記バッテリケースの容積を判定するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
バッテリケース漏れ試験装置であって、
該バッテリケース漏れ試験装置は試験ポートを有するハウジングを備え、
該バッテリケース漏れ試験装置は前記試験ポートと流体連通するポンプを備え、前記ポンプは前記試験ポートにおいて予め設定された圧力を生成するように構成され、
該バッテリケース漏れ試験装置は前記試験ポートにおける流体圧力を測定するために前記試験ポートと流体連通する圧力センサを備え、
該バッテリケース漏れ試験装置は、前記ハウジングに結合されるとともに前記ポンプ及び前記圧力センサと動作可能に通信するコントローラを備え、前記コントローラは、第1のモード及び第2のモードにおいて前記ポンプの動作を容易にするように構成され、前記第1のモードでは、前記ポンプが前記試験ポートにおいて第1の予め設定された圧力を生成するように動作し、前記第2のモードでは、前記ポンプが前記試験ポートにおいて第2の予め設定された圧力を生成するように動作し、前記圧力センサが予め設定された圧力特性を測定した場合に前記ポンプが前記第1のモードで動作するときには、当該コントローラが前記ポンプを前記第1のモードから前記第2のモードに移行させる、
バッテリケース漏れ試験装置。
【請求項8】
前記第2のモードにある場合には、前記圧力センサは予め設定された期間にわたって前記試験ポートにおける圧力を測定するように構成されるとともに、前記コントローラは前記測定された圧力が予め設定された圧力プロファイルに適合する場合には、合格信号を生成するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記予め設定された圧力プロファイルが、車両特有であり、試験中の前記車両に関連付けられた車両情報に基づいて前記プロセッサによって決定可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記試験ポートに流体接続可能なホースを更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記ホースに結合されるとともに前記サービスポートに接続可能であるように構成されるアダプタを更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ポンプと前記試験ポートとの間の流体経路と、
前記流体経路と流体連通するとともに開位置と閉位置との間で移行することが可能な弁であって、前記閉位置において前記ポンプと前記弁との間の流体連通を妨げる弁と、
を更に備える、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記ポンプが、前記試験ポートにおいて負圧を生成するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記ポンプが、前記試験ポートにおいて正圧を生成するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項15】
バッテリケース漏れ試験装置であって、
該バッテリケース漏れ試験装置は正圧試験ポート及び負圧試験ポートを有するハウジングを備え、
該バッテリケース漏れ試験装置はコントローラと動作可能に通信するとともに前記負圧試験ポートと流体連通する負圧ポンプを備え、前記負圧ポンプは前記負圧試験ポートにおいて予め設定された負圧を生成するように構成され、
該バッテリケース漏れ試験装置はコントローラと動作可能に通信するとともに前記正圧試験ポートと流体連通する正圧ポンプを備え、前記正圧ポンプは前記正圧試験ポートにおいて予め設定された正圧を生成するように構成され、
該バッテリケース漏れ試験装置は、前記負圧試験ポートと流体連通して前記負圧試験ポートにおける流体圧力を測定する負圧センサを備え、
該バッテリケース漏れ試験装置は、前記正圧試験ポートと流体連通して前記正圧試験ポートにおける流体圧力を測定する正圧センサを備え、
該バッテリケース漏れ試験装置は、前記ハウジングに結合されるとともに前記負圧ポンプ、前記正圧ポンプ、前記負圧センサ、及び前記正圧センサと動作可能に通信するコントローラを備え、前記コントローラは、負圧試験モード及び正圧試験モードにおいて前記装置の動作を容易にするように構成され、前記負圧試験モードでは、前記負圧ポンプが前記負圧試験ポートにおいて予め設定された負圧を生成するように作動され、前記正圧試験モードでは、前記正圧ポンプが前記正圧試験ポートで予め設定された正圧を生成するように作動され、試験中のバッテリケースに関連して受信された情報に基づいて、前記負圧試験モード及び前記正圧試験モードのうちの1つの動作を当該コントローラが決定するように構成される、
バッテリケース漏れ試験装置。
【請求項16】
前記負圧試験モードにあるとき、前記負圧センサは、予め設定された期間にわたって前記負圧試験ポートにおける圧力を測定するように構成され、前記コントローラは、前記測定された圧力が予め設定された圧力プロファイルに適合する場合には、合格信号を生成するように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記予め設定された圧力プロファイルが、車両特有であり、試験中の前記車両に関連付けられた車両情報に基づいて前記プロセッサによって決定可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記正圧試験モードにあるとき、前記正圧センサは、予め設定された期間にわたって前記正圧試験ポートにおける圧力を測定するように構成され、前記コントローラは、前記測定された圧力が予め設定された圧力プロファイルに適合する場合には、合格信号を生成するように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記負圧試験ポート及び前記正圧試験ポート前記試験ポートのうちの1つに流体接続可能なホースを更に備える、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記ホースに結合されており前記サービスポートに接続可能であるように構成されるアダプタを更に備える、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、漏れ検出装置及び関連する方法に関し、より具体的には、電気自動車バッテリ用のバッテリケース又は関連する構造若しくはシステムにおける漏れを検出するための漏れ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新興の車両推進技術は、多くの車両分類にわたって高電圧部品が組み入れられることによって促進され得る。新車両技術で大きく発展したのが、バッテリ電気自動車(BEV)であり、BEVは、電気モータに電力を供給するために貯蔵エネルギー用の高電圧バッテリパックに依存する。バッテリパックは、典型的には、集合的に高電圧を提供する多くの小電圧モジュールから構成され、典型的には大きくて重いバッテリケース内に安全にまとめられている。ほとんどの場合、バッテリケースは、最適な性能を達成するために封止完全性を維持しなければならない。
【0003】
BEVがしばらくの間動作した後、運転者は、車両の走行距離の減少にしばしば関連するバッテリの健全状態の変化に気づくことがある。運転者は、車両を販売代理店に持って行き、バッテリの健全性を改善するための診断及び処置を求め得る。
【0004】
バッテリケース内の封止完全性を維持することに関連する重要性を考慮すると、当該技術分野において、バッテリケースの封止完全性を試験することを可能にする装置及び関連する方法が必要とされている。本開示の様々な態様は、以下でより詳細に説明するように、この特定の必要性に対処する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態によれば、電気自動車バッテリのバッテリケースを試験する方法が提供され、バッテリケースはバッテリケースサービスポートを有する。本方法は、ポンプ及び圧力センサを有する漏れ検出器をバッテリケース上のサービスポートに流体接続することを含む。漏れ検出器の動作は、バッテリケースの容積に基づいて構成される。バッテリケースの容積に第1の圧力を加えてポンプを動作させて、圧力センサからの感知された圧力に基づいて、加えられた圧力がバッテリケースの容積内の圧力の変化をもたらすかどうかを判定することによって、予備試験が行われる。圧力の変化が検出されると、本方法は、ポンプを動作させてバッテリケースの容積に第2の圧力を加えることによって主試験を行うことを含む。本方法は、バッテリケースの容積に第2の圧力を加えた後に、バッテリケースの容積内の圧力を感知することを更に含む。
【0006】
第2の圧力を加えるステップは、バッテリケースの容積に負圧を加えることを含み得る。第2の圧力を加えるステップは、バッテリケースの容積に正圧を加えることを含み得る。
【0007】
本方法は、感知された圧力に関連付けられた情報を表示することを更に含み得る。
本方法は、感知された圧力に関連付けられたレポートを生成するステップを更に含み得る。
【0008】
本方法はまた、受信した車両情報に基づいてバッテリケースの容積を判定するステップを含み得る。
別の実施形態によれば、試験ポートを有するハウジングを備えるバッテリケース漏れ試験装置が提供される。ポンプが、試験ポートと流体連通しているとともにポンプは、試験ポートにおいて予め設定された圧力を生成するように構成される。圧力センサは、試験ポートにおける流体圧力を測定するために試験ポートと流体連通する。コントローラは、ハウジングに結合され、ポンプ及び圧力センサと動作可能に通信し、コントローラは、第1のモード及び第2のモードにおいてポンプの動作を容易にするように構成される。第1のモードでは、ポンプは、試験ポートにおいて第1の予め設定された圧力を生成するように動作する。第2のモードでは、ポンプは、試験ポートにおいて第2の予め設定された圧力を生成するように動作する。コントローラは、ポンプが第1のモードで動作するときに圧力センサが予め設定された圧力特性を測定すると、ポンプを第1のモードから第2のモードに移行させる。
【0009】
第2のモードにあるとき、圧力センサは、予め設定された期間にわたって試験ポートにおける圧力を測定するように構成される場合があり、コントローラは、測定された圧力が予め設定された圧力プロファイルに適合する場合には、合格信号を生成するように構成され得る。予め設定された圧力プロファイルは、車両特有であってもよく、試験中の車両に関連付けられた車両情報に基づいてプロセッサによって決定可能であり得る。
【0010】
装置は、試験ポートに流体接続可能なホースを含み得る。装置は、ホースに結合されておりサービスポートに接続可能であるように構成されるアダプタを更に備えてもよい。
装置は、ポンプと試験ポートとの間に流体経路を更に備えてもよい。弁は、流体経路と流体連通し、開位置と閉位置との間で移行することが可能であり得る。閉位置において、弁は、ポンプと弁との間の流体連通を妨げ得る。
【0011】
ポンプは、試験ポートにおいて負圧を生成するように構成され得る。あるいは、ポンプは、試験ポートにおいて正圧を生成するように構成され得る。
更に別の実施形態によれば、バッテリケース漏れ試験装置は、正圧試験ポート及び負圧試験ポートを有するハウジングを含む。負圧ポンプは、コントローラと動作可能に通信し、負圧試験ポートと流体連通し、負圧ポンプは、負圧試験ポートにおいて予め設定された負圧を生成するように構成される。正圧ポンプは、コントローラと動作可能に通信し、正圧試験ポートと流体連通し、正圧ポンプは、正圧試験ポートにおいて予め設定された正圧を生成するように構成される。負圧センサは、負圧試験ポートと流体連通して、負圧試験ポートにおける流体圧力を測定する。正圧センサは、正圧試験ポートと流体連通して、正圧試験ポートにおける流体圧力を測定する。コントローラがハウジングに結合され、負圧ポンプ、正圧ポンプ、負圧センサ、及び正圧センサと動作可能に通信する。コントローラは、負圧試験モード及び正圧試験モードにおける装置の動作を容易にするように構成される。負圧試験モードでは、負圧ポンプを作動させて負圧試験ポートに予め設定された負圧を発生させる。正圧試験モードでは、正圧ポンプを作動させて正圧試験ポートに予め設定された正圧を発生させる。コントローラは、試験中のバッテリケースに関連付けられた受信情報に基づいて、負圧試験モード及び正圧試験モードのうちの1つの動作を決定するように構成される。
【0012】
負圧試験モードにあるとき、負圧センサは、予め設定された期間にわたって負圧試験ポートにおける圧力を測定するように構成される場合があり、コントローラは、測定された圧力が予め設定された圧力プロファイルに適合する場合には、合格信号を生成するように構成され得る。
【0013】
予め設定された圧力プロファイルは、車両特有であってもよく、試験中の車両に関連付けられた車両情報に基づいてプロセッサによって決定可能であり得る。
正圧試験モードにあるとき、正圧センサは、予め設定された期間にわたって正圧試験ポートにおける圧力を測定するように構成される場合があり、コントローラは、測定された圧力が予め設定された圧力プロファイルに適合する場合には、合格信号を生成するように構成され得る。
【0014】
装置は、負圧試験ポート及び正圧試験ポートのうちの1つに流体接続可能なホースを含み得る。ホースに結合されてサービスポートに接続可能であるように構成されたアダプタを更に備えてもよい。
【0015】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
本明細書に開示される様々な実施形態のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の説明及び図面に関してより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】電気自動車のバッテリケースを試験するために使用されるバッテリケース漏れ検出器の概略図。
【
図2】漏れ検出器の一実施形態に含まれる電気部品の概略図。
【
図3】負圧漏れ検出試験を行う際に使用するための漏れ検出器の電空回路の概略図。
【
図4】正圧漏れ検出試験を行う際に使用するための漏れ検出器の電空回路の概略図。
【
図5】漏れ検出器の一実施形態に含まれる空気圧アセンブリの概略図。
【
図6】漏れ検出器の一実施形態に含まれる単一の空気圧回路の概略図。
【
図7】漏れ検出器といくつかの異なる構成のサービスポートとの接続可能性を示す概略図。
【
図8】時間軸及び圧力軸で表した、バッテリケースに加えられる低真空の参照プロットである。
【
図9】時間軸及び圧力軸で表した、バッテリ冷却システムに加えられる低圧の参照プロットである。
【
図10】バッテリケース漏れ試験の試験レポートの例示的な図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面及び詳細な説明を通して、同じ要素を示すために共通の参照番号が使用される。
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、電気自動車バッテリケース漏れ検出器の特定の実施形態の説明として意図されており、開発又は利用され得る唯一の形態を表すことは意図されていない。説明は、図示された実施形態に関連して様々な構造及び/又は機能を記載するが、同じ又は同等の構造及び/又は機能が、本開示の範囲内に包含されることも意図される異なる実施形態によって達成され得ることが理解されるべきである。第1及び第2などの関係用語の使用は、そのような実体間の任意の実際のそのような関係又は順序を必ずしも要求又は暗示することなく、1つの実体を別の実体から区別するためにのみ使用されることが更に理解される。
【0018】
ここで図面を参照する。これらの図面は、本開示の好ましい実施形態を例示するためのものであり、本開示を限定するためのものではない。本開示の様々な態様は、電気自動車のバッテリケース12又は関連する環境(例えば、バッテリ冷却システム)における漏れを検出するように構成された漏れ検出器10に関する。漏れ検出器10は、バッテリケース12上のサービスポート14に流体接続可能であり、バッテリケース12の完全性を試験する目的でバッテリケース12内のエンクロージャに予め設定された圧力を加えることが可能である。圧力がバッテリケース12に加えられると、あらゆる圧力減衰が漏れ検出器10によって監視されて、バッテリケース12内に漏れが存在する可能性を識別し得る。この点に関して、予め設定された閾値を超える圧力減衰のレートは漏れを示し得、予め設定された閾値未満に収まる圧力減衰のレートは漏れがないことを示し得る。バッテリケース12の完全性を試験する能力は、バッテリが効率的なレベルで動作することを可能にするとともに、漏れのあるバッテリケース12から生じ得る任意の性能問題を軽減することを可能にし得る。
【0019】
充電インフラストラクチャ及び環境規制の開発によって支えられた、消費者及び商業主体によるバッテリ式電気自動車の採用の加速は、新興電気自動車製造業者及び従来のOEMの両方による新しい電気自動車の製造速度を急速に増大させた。これらの新しい電気乗用車及び商用車が市場に加速されるにつれて、信頼性及び消費者の安全性を保証するために、そのような車両を整備及び修理するための手順及びツールに対する緊急の必要性に焦点が当てられてきた。
【0020】
特に、バッテリシステムにおける破局的な熱事象は、パック又はバッテリエンクロージャへの水の侵入又は埃及び破片の侵入によって引き起こされ得ることが十分に実証されている。このタイプの漏れの原因となり得るものには、組み立て中の誤った封止手順、硬化、貯蔵、封止、又は封止された材料及び部品の劣化、バッテリパックの輸送中又は車両への設置中の撓み及びねじれ、蓋を取り外した手順通りのバッテリ修理及び保守後におけるバッテリパック及び冷却剤システムの通常の再封止、任意の保守又は修理の後に車両に戻されたときのバッテリパック及び冷却剤システムの再設置、様々な道路条件での通常の車両使用における疲労及び摩耗、バッテリ格納ユニット内への力をもたらす任意の表面上への車両の衝突、フレーム及びバッテリ取付点に応力を加える衝突又は車体修理、フレーム及びバッテリのストレス又はねじれをもたらす車両の不正確な持ち上げ又は牽引、及び、車両が通常の使用中に縁石を乗り越えるか又はくぼみにぶつかるなどの通常の予想される力からの車両のねじれがある。
【0021】
電気自動車及びハイブリッド自動車のバッテリパックは、国際電気標準会議のIP67規格、欧州EN60529、及び、部品が「有害な量」の水に侵入されることなく1メートルの水に30分間浸漬可能であることを要求し得るといった、追加的な要件を満たすことが期待され得る。しかしながら、この試験プロセスは、自動車製造業者にとってコストがかかり、時間がかかる。本明細書で説明される漏れ検出器10は、バッテリパックが水中に沈められる準備ができていることを保証するための予備試験と、任意の故障を特定するための事後試験とを提供し得る。この技術をエンジニアリング、試験、及びラインポイントの終わりに適用することにより、最大安全規格を保証しながら車両の生産が高速化される。
【0022】
作業場又はガレージのレベルでは、過去においては、従来の吸引式推進システムにおけるこの種の漏れは、システムを加圧し、石鹸水を噴霧して気泡を見ること、可聴な手がかりを使用すること、すなわち、漏れを聞き取ること、又は、漏れを識別するために、しばしばスモークマシンと呼ばれる可視蒸気診断の漏れ検出器を使用すること、によって検出されていた。しかしながら、バッテリ電気自動車では、異物、石鹸水、又は鉱油の蒸発によって生成される煙の導入は、バッテリエンクロージャを汚染物質のない状態に保つための十分に文書化された要件に反するものであり、従って、そのような従来技術の手順は、この用途には効果的でなく、不適切である。漏れ検出器10は、更なる問題を引き起こす可能性がある汚染物質を導入することなく、効果的な漏れ検出及びバッテリシステムにおけるすべての漏れの正確な特定という目標を達成し得る。漏れ検出器10は更に、車両の寿命の間、試験の完全性及び安全性を保証するために、作業場設定での使用を通して、エンジニアリング設計からライン試験の終わりまでの試験の連続性を作り出すように独自に設計され得る。
【0023】
ここで特に
図1を参照すると、車両16内に配置された複数のバッテリケース12の流体完全性を試験するための漏れ検出器10の概略図が示されている。本明細書で使用される場合、バッテリケース12という用語は、1つ以上のバッテリを収容する構造を広く指す。バッテリケース12は、本体18と、本体18に接続され、本体18の内部容積又は空洞と流体連通するサービスポート14とを含み得る。バッテリケース12のサイズ、形状、及び構成は、バッテリ又は車両製造業者によって異なり得る。バッテリケース12の内部容積(例えば、試験容積)は、200リットル以下であり得るが、多くのバッテリケース12は、9~160リットルの内部容積に関連付けられてもよいことが想定される。バッテリケース12の構成に応じて、漏れ検出器10は、バッテリケース12が車両16上にある間に、あるいはバッテリケース12が車両16から取り外されているときに、バッテリケース12に流体接続され得ることが想定される。
【0024】
図1に示すように、漏れ検出器10は、以下でより詳細に説明するように、1つ以上の車両関連サービスを容易にするのに有益であり得るように、試験データ又は試験基準の通信を容易にするために、ユーザの電子装置20、車両販売代理店22、政府機関24、保険代理店/保険機関26などの1つ以上の遠隔リソース、エンティティ、機関などと動作可能に通信し得る。
【0025】
漏れ検出器10は、漏れ検出器10内に格納されたいくつかの構成要素を収容するハウジング28を含み得る。ここで特に
図2を参照すると、漏れ検出器10の一実施形態の概略図が示されており、漏れ検出器10は、負圧ポンプ30と、正圧ポンプ31と、ディスプレイ/ユーザインターフェース32と、ステータスLED34と、可聴アラート回路36と、負圧変換器(複数可)38と、正圧変換器(複数可)40と、記憶回路42と、ソレノイド弁44と、USBポート(複数可)46と、電源48と、電力管理回路50と、通信回路52とを含み、これらはすべてプロセッサ54と電気通信する。この点に関して、プロセッサ54は、種々の構成要素(例えば、ディスプレイ/ユーザインターフェース32、圧力変換器40、42など)からデータ信号を受信し、種々の構成要素(例えば、ポンプ30、31、ステータスLED34、ソレノイド弁(複数可)44など)のための動作コマンド信号を生成して、漏れ検出器10の動作を容易にし得る。
【0026】
ハウジング28は、漏れ検出器10の電気部品の多くを収容し得る。ハウジング28は、金属、プラスチック、ゴム、又は当該技術分野で知られている他の材料で形成され得る。例示的な一実施形態では、ハウジング28は、幅20インチ、高さ18インチ、及び深さ10インチ以下であり得る。しかしながら、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他のサイズ、形状、及び構成が使用され得る。ハウジング28は、漏れ検出器10を一人で運ぶことができるようにする大きさ及び形状であり得る。この点に関して、ハウジング28は、その運搬を容易にするために、それに接続されたハンドル及び/又は車輪を含み得る。
【0027】
漏れ検出器10は、異なる漏れ検出試験を実施するときに必要とされ得る負圧又は正圧を生成するために、1つ以上の負圧ポンプ30及び/又は1つ以上の正圧ポンプ31の両方を含み得る。特定の一実施形態では、負圧ポンプ30は、約200リットルの容積の封止エンクロージャ(例えば、バッテリケース12)に対して高真空(負圧)を含む、ある範囲の負圧を引き込むことが可能であり得る。負圧ポンプ30は、12VDCによって電力供給される場合があり、7CFM(200L/m)の最小流量で0.10132barA(-0.91192barG)の最大高真空(負圧)信号を生成することが可能であり得る。
【0028】
正圧ポンプ31に関して、一実装形態によれば、正圧ポンプ31は、75PSIG未満の圧力などの低い正圧を加えるように構成され得る。低正圧ポンプ31は、7CFM(200L/m)の最小流量で4.5barA(3.5barG)の最大正圧信号を生成することが可能であり得る。
【0029】
負圧ポンプ30及び正圧ポンプ31は両方ともハウジング28内に配置される場合があり、それぞれの空気圧回路に関連付けられてもよい。この点に関して、負圧ポンプ30に固有の内部配管と、正圧ポンプ31に固有の別個の内部配管とがあり得る。
【0030】
ポンプ(複数可)30、31の動作は、ポンプ(複数可)30、31に所望の試験プロファイルに従って圧力を生成させるソフトウェア又はアルゴリズムによって制御され得る。この点に関して、ポンプ30、31は、所与の試験にわたって可変圧力を加えることが可能であってもよく、圧力の変動は、記憶回路42上に記憶され得る、又は通信回路52を介して遠隔制御源から受信され得る、アルゴリズム又は他の実行可能命令に従ってもよい。漏れ検出器10にローカルな任意のアルゴリズム又は他のプログラミングは、通信回路52を介して及び/又はUSBポート46(例えば、データ転送ポート)を介して定期的に更新され得る。
【0031】
上述したように、漏れ検出器10は、試験中にバッテリケース12に加えられる圧力又はバッテリケース12内の圧力を測定するための1つ以上の圧力変換器38、40を含み得る。圧力変換器38、40の各々は、漏れ検出器10によって行われる試験のタイプに応じて、それら自体の動作機能を実行し得る。同様に、漏れ検出器10は、バッテリケース漏れ検出試験、バッテリ冷却システム過小圧漏れ検出試験、又はバッテリ冷却システム過圧漏れ検出試験を実行することが可能であり得る。各試験は、異なる期間にわたる異なる圧力の印加に関連付けられてもよい。試験はいくつかの点で異なり得るが、試験の各々は、1)加圧の開始、2)安定化の開始、及び3)評価の開始を含み得る、同一の一般的な段階的ステップ(複数可)を含み得る。
【0032】
圧力変換器38、40は、試験圧力が沿って加えられた流体通路と流体連通し得る。例えば、圧力変換器38、40は、ポンプ30、31と試験中のシステムとの間に配置され得る。圧力変換器38、40は、圧力を測定することが可能であり、かつ、測定された圧力を、プロセッサ54に通信され得る電気信号に変換することが可能であり得る。プロセッサ54は、試験を行うときに、測定された圧力を試験アルゴリズム又はプログラムに入力し得る。プロセッサ54は、検出された圧力を1つ以上のベースライン圧力と比較して、漏れ減衰が生じているかどうかを判定し得ることも想定される。特定の一実施形態では、負圧変換器38は、0.0~1.01325barの範囲の大きさを有する圧力を検出することが可能であり得る。低正圧変換器40は、0~4.05300bar絶対基準の範囲の信号を検出するように構成され得る。更に、圧力変換器38、40は、0.00001barの大きさである圧力信号を測定することが可能であり得る。
【0033】
変換器38、40は、プロセスの各ステップに固有のレートでサンプリングし得る。変換器38、40のサンプリングレートの制御は、予めプログラムされた命令に基づいてもよく、プロセッサ54から変換器38、40で受信されるコマンド信号を介して実装され得る。例えば、1つの特定の実施形態では、変換器(複数可)38、40は、加圧の開始及び安定化ステップの開始の間、10Hzのレートでサンプリングし、試験プロセスの評価ステップの開始の間、50Hzのレートでサンプリングし得る。当然ながら、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他のサンプリング周波数が採用され得る。
【0034】
1つの特定の実装形態によれば、漏れ検出器10は、車両製造業者によって設定され得る合格/不合格基準を満たすために必要であり得る、小数点以下5桁(例えば、x.xxxxx)までに規定された精度で圧力データを測定可能であり得る。このレベルの測定を達成するために、漏れ検出器10は、高分解能をサポートするアナログ-デジタル変換器(A2D)を利用し得る。16ビットA2Dは、変換器38、40からアナログ信号を受け入れ、集積回路間(I2C)プロトコルを介してアナログ信号(複数可)をデジタルストリームに変換する。
【0035】
一実施形態によれば、漏れ検出器10は、第2の主試験モードに進む前に、第1の予備試験モードで動作するように構成され得る。予備試験は、ポンプ30、31のうちの1つを動作させ、バッテリケース12の容積に第1の圧力(正又は負)を加えて、加えられた圧力がバッテリケース12の容積内の圧力の変化をもたらすかどうかを判定することによって行われ得る。圧力の変化が検出された場合、漏れ検出器10は、ポンプ30、31のうちの1つを動作させて、所望の試験手順に関連付けられた第2の圧力(正又は負)を加えることによって、主試験を進めるように構成され得る。漏れの大きさは、バッテリケース12の感知可能な加圧を可能にしない場合があるので、予備試験は、大きな漏れの迅速かつ容易な判定を可能にし得る。予備試験が漏れの存在を明らかにした場合、主試験を回避することができる。第1の予備試験モードから第2の主試験モードへの移行は、予備試験中に特定の条件(例えば、圧力(複数可))が検出された場合、自律的に進行し得る。あるいは、漏れ検出器10は、予備試験データが主試験を進めるのに十分であることのユーザ確認/入力を要求するように構成され得る。確認/入力は、ユーザインターフェース32を介して、又は漏れ検出器10とペアリングされ得るか、若しくは動作可能にリンクされ得るスマートフォン若しくは他の電子装置を介して入力され得る。
【0036】
ディスプレイ/ユーザインターフェース32は、漏れ検出器10のユーザ制御を提供するために、及び試験に関連するデータ又は結果の表示を容易にするために、ハウジング28上に含まれ得る。ディスプレイ/ユーザインターフェース32は、単一のタッチスクリーンに統合される場合があり、又は代替として、ディスプレイスクリーン及び別個のユーザ制御機構(例えば、スイッチ(複数可)、ボタン(複数可)、ノブ(複数可)など)に一体化され得る。ユーザインターフェース32は、手動開始/停止試験スイッチを含んでもよく、手動開始/停止試験スイッチは、作動されると、新しい漏れ検出試験を開始してもよく、非作動にされると、進行中の試験を停止してもよく、試験は、予め設定された停止点に達するまで、試験を繰り返し続けてもよい。ユーザインターフェース32はまた、即時シャットダウン又はパニック終了など、進行中の試験を試験の任意の時点でシャットダウンするための手段を提供し得る。
【0037】
漏れ検出器10は、一体化されたディスプレイを含み得るが、漏れ検出器10は、外部ディスプレイに接続可能に構成される場合があることも想定される。一実施形態において、外部ディスプレイは、2.0速度のUSBタイプAコネクタに接続され得る。外部ディスプレイの使用は、トレーニングイベントにおいて特に有用であり得、動作データ、試験、情報などの表示は、より多くの視聴者にとって好まれ得る。
【0038】
漏れ検出器10は、漏れ検出器10の特定の動作モードを示すために選択的に点灯するように構成され得る複数の発光ダイオード(LED)34を含み得る。LED34は、ハウジング28上の外部に配置される場合があり、漏れ検出器10の動作ステータスの迅速な視覚的インジケータをユーザに提供するように配置され得る。LED34は、プロセッサ54と動作可能に通信して、そこから動作命令又はコマンド信号を受信し得る。例示的な実施形態では、4つのLED34が含まれ、各LED34は異なる色に関連付けられている。漏れ検出器10が準備完了ステータスにあることを示すために、1つの色(例えば、青色)が点灯され得る。漏れ検出器10が現在試験を行っていることを示すために、別の色(例えば、オレンジ色)が点灯され得る。試験が完了し、試験中のバッテリケースが試験に合格すると、更に別の色(例えば、緑色)が点灯され得る。試験が完了し、試験中のバッテリケースが試験に不合格になると、最終色(例えば、赤色)が点灯され得る。LED34が点灯していない場合、そのことは漏れ検出器10がオフ状態にあることを示し得る。
【0039】
LED34によって提供され得る視覚アラートに加えて、可聴アラート回路36(例えば、ビープ音発生器)が漏れ検出器10の動作に関連する可聴アラートを提供し得ることが想定される。この点に関して、可聴アラート回路36は、プロセッサ54からステータス信号を受信するためにプロセッサ54と通信することができ、可聴アラート回路36は、受信したステータス信号に対応する可聴信号を発し得る。例えば、バッテリケース12の試験中に、可聴アラート回路36は、いくつかの異なる装置ステータス条件(例えば、試験進行中、試験不合格、試験合格)のそれぞれに対して異なるトーン持続時間及び/又は周波数の信号を出力し得る。可聴アラート信号を生成する能力は、漏れ検出器10が試験を行っている間に、ユーザが他のタスクを実行することを可能にし得る。特定の一実施形態では、可聴トーンは、85dBA/10cmの音圧最小値を有する約2400Hzの共振周波数であるが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の音特性が使用され得る。
【0040】
記憶回路42は、プロセッサ54と通信し得、漏れ検出器10の動作中に実行又は実施され得るコンピュータ実行可能命令、ソフトウェア、アルゴリズム、プログラムなどを記憶し得る。加えて、試験データ、車両データ及び情報、顧客データなどもまた、長期ベースで(例えば、複数の試験にわたって)、又は短期ベースで(1つの試験又は少数の試験にわたって)記憶回路42によって記憶され得る。この点に関して、記憶回路42は、漏れ検出器10の動作を容易にするために必要とされ得るように、記憶された命令、データ、情報などを取り出すために、プロセッサ54によってアクセス可能であり得る。例示的な実施形態は、記憶回路42をハウジング28内に配置されているものとして示するが、クラウドベースのストレージ又はリモートデータサーバなどのリモートメモリリソースも、漏れ検出器10によってアクセスされ、使用され得ることが想定される。
【0041】
ソレノイド弁44は、所望に応じて空気圧配管セグメント(例えば、負圧セグメント、低正圧セグメント)を封止するためのロックアウト弁として漏れ検出器10に含まれ得る。例えば、ソレノイド弁44は、ポンプ30、31と試験中のシステムとの間に位置する空気圧配管セグメントと流体連通して、ポンプ30、31を加圧セグメントからロックアウトし得る。この点に関して、ソレノイド弁44が閉じられているとき、ソレノイド弁44の対向する側の流体構成要素又はセグメントは、互いに流体的に隔離され得る。ソレノイド弁44は、プロセッサ54から動作(例えば、閉位置と開位置との間の移行)のための命令/コマンドを受信し得る。特定の一実装形態では、ソレノイド弁44は、ポンプ30、31の動作中に開いて、ポンプ30、31が、試験中のシステムに接続された空気圧配管セグメントに予め設定された圧力を加えることを可能にし得る。ポンプ30、31によって圧力が生成され、加えられた後、ソレノイド弁44は閉じられ得、ポンプ30、31はオフにされ得る。従って、ソレノイド弁44が閉じられると、ポンプ30、31は、加圧された空気圧配管セグメントから隔離又はロックアウトされ得る。
【0042】
漏れ検出器10は、負圧空気圧回路56(
図3参照)及び正圧空気圧回路58(
図4参照)など、漏れ検出器10内に含まれる1つ以上の空気圧回路を含み得る。各空気圧回路56、58、及び種々の空気圧制御構成要素(例えば、ポンプ、弁、変換器、管類など)は、空気圧回路内の所望の圧力を生成、送達、及び監視するために必要とされ得る。
【0043】
漏れ検出器10は、それぞれの空気圧回路56、58を開き、予め設定された圧力リリーフの大きさが所与の空気圧回路56、58内で達成されたときに周囲空気に通気するように構成された1つ以上の圧力リリーフ弁を含み得る。バッテリ冷却システム圧力試験のために、別個の圧力リリーフ弁が、負圧及び正圧空気圧回路56、58のそれぞれに利用され得る。バッテリハウジング圧力試験のために、別個の圧力リリーフ弁が、超低正圧空気圧回路に利用され得る。圧力リリーフ弁は、試験中の車両システムの内部構成要素又は漏れ検出器10自体に損傷を引き起こす可能性がある圧力の注入に対して、漏れ検出器10に安全防護を提供し得る。
【0044】
ここで特に
図3を参照すると、一対の内部負圧リリーフ弁60が示されており、この一対の内部負圧リリーフ弁60は、負圧空気圧回路56用のロックアウトソレノイド44の試験回路側に接続され得る。試験回路が、-0.90barG(-13.0PSIG)の作動圧力及び-1.01barG(-14.695PSIG)のリリーフ圧力が与えられた場合に10.5%の安全マージンを表し得る0.00barAに達したときに、負圧リリーフ弁60のうちの1つ以上が、周囲空気に対して開放し得る。加えられた負圧がリリーフ弁圧力を超えて上昇する場合、負圧リリーフ弁は、自己リセット機能が可能であり得る。圧力リリーフ弁(複数可)60は、指定された変換器過圧仕様よりも小さい値で開かれ得る。
【0045】
圧力リリーフ弁60のうちの1つは、試験回路が2.0barAに達したときに周囲空気に対して開くように構成された超低正圧リリーフ弁であってもよく、このことは、1.5barG(22.0PSIG)の作動圧力及び2.0barG(29.3PSIG)のリリーフ圧力が与えられた場合に28%の安全マージンを表し得る。加えられた超低正圧がリリーフ弁圧力を下回る場合、超低圧リリーフ弁60は、自己リセット機能が可能であり得る。圧力リリーフ弁60は、指定された変換器過圧仕様よりも小さい値で開かれ得る。
【0046】
ここで特に
図4を参照すると、正圧空気圧回路58の例が示されており、正圧空気圧回路58は、正圧リリーフ弁62(例えば、低正圧リリーフ弁)を含み、この正圧リリーフ弁62は、低正圧空気圧回路58用のロックアウトソレノイド44の試験回路側に接続され得る。低正圧リリーフ弁62は、試験回路が4.5barAに達したときに周囲空気に対して開くことができ、このことは、2.5barG(36.2PSIG)の作動圧力及び3.5barG(51.4PSIG)のリリーフ圧力が与えられた場合に33%の安全マージンを表し得る。加えられた低正圧がリリーフ弁圧力を下回る場合、低圧リリーフ弁62は、自己リセット機能が可能であり得る。圧力リリーフ弁62は、指定された変換器過圧仕様よりも小さい値で開かれ得る。
【0047】
図5は、漏れ検出器10に含まれ得る空気圧アセンブリの一実施形態の概略図である。図から分かるように、空気圧アセンブリは3つのポンプを含み、各ポンプはそれ自身の空気圧回路に関連付けられている。特に、第1のポンプは、冷却剤システムを試験するように構成された真空ポンプであり得る。第1のポンプは、第1の逆止弁、第1の変換器、第1の圧力リリーフ弁、及び第1の試験ラインパージソレノイドと連通する場合があり、これらは集合的に第1の流体回路を画定し得る。空気圧アセンブリは、バッテリケースを試験するように構成された第2の圧力ポンプを更に含み得る。第2のポンプは、第2の逆止弁、第2の変換器、第2の圧力リリーフ弁、及び第2の試験ラインパージソレノイドと連通する場合があり、これらは集合的に第2の流体回路を画定し得る。空気圧アセンブリは、冷却剤システムを試験するように構成された第3の圧力ポンプを更に含み得る。第3のポンプは、貯蔵タンク、試験ロックアウトソレノイド、第3の変換器、第3の圧力リリーフ弁、及び第3の試験ラインパージソレノイドと連通する場合があり、これらは集合的に第3の流体回路を画定し得る。
図6は、第3の回路単独の概略図である。各流体回路は、他のものから流体的に独立していてもよい。更に、漏れ検出装置10は、その中に任意の数の流体回路を含み得る。
【0048】
封止環境を必要とし得る、バッテリエンクロージャ、又は冷却システム、モータハウジング、インバータ、若しくは任意の他のシステム、車両及びその他などの他の環境に対して正確な漏れ試験を実行する場合、漏れ検出器10が実行される各試験の前に較正されるように構成されることが必須であり得る。一実施形態によれば、漏れ検出器10の較正は、変換器から読み取りを行うことを含み得る。より詳細には、あらゆる試験が行われる前に、変換器は、大気圧読み取り値を取得し得る(例えば、第1の変換器は、第1の較正圧力読み取り値を取得する場合があり、第2の変換器は、第2の較正圧力読み取り値を取得する場合があり、第3の変換器は、第3の較正圧力読み取り値を取得する場合がある)。すべての変換器間の較正圧力読み取り値を比較し得る(例えば、三角測量)。いずれかの変換器が他の変換器と同じ読み取り値(又は予め設定された誤差マージン内の同様の読み取り値)を取り込むことができない場合、漏れ検出器10は、圧力変換器のうちの1つ以上が誤った読み取り値を提供することを較正が明らかにした場合、試験を妨げるように構成され得る。従って、較正プロセスは、実行される任意の試験が信頼できる正確な試験データを生成することを保証し得る。同様に、漏れ検出器10は、実行された任意の試験に対するデータログを提供し得、較正機能が完了し合格したことの検証を含む。
【0049】
電源48は、壁の電源コンセントなどの外部電源に接続可能な電気プラグを含み得る。漏れ検出器10の構成要素への電力の流れの選択的制御を可能にするために、オン/オフ電力スイッチがハウジング28の外部に取り付けられ得る。電源スイッチがオン位置にあるとき、外部電力は、漏れ検出器10上のすべての適用可能な構成要素に流れ得る。逆に、電源スイッチがオフ位置にあるとき、電力信号は構成要素に流れるのを停止される。
【0050】
漏れ検出器10は、漏れ検出器10上の電子部品を過電流及び過電圧状態から保護するように構成された電力管理回路50を更に含み得る。一実施形態によれば、電力管理回路50によって提供される過電流保護は、1アンペアシンク電流値から装置上の電子機器を保護及び安全防護し得る。更に、電力管理回路によって提供される過電圧保護は、140VAC電圧サージから装置上の電子機器を保護及び安全防護し得る。
【0051】
通信回路52は、プロセッサ54と動作可能に通信して、遠隔装置と漏れ検出器10との間のデータ又は他の電気信号の通信を容易にし得る。通信回路52は、イーサネット(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、セルラー通信を介して、又は当該技術分野で知られている他の通信モダリティを介して、通信を容易にすることが可能であり得る。この点に関して、ユーザのスマートフォン又はタブレットコンピュータは、通信回路52を介して漏れ検出器10にペアリングされ、リンクされ、又は他の方法で動作可能に接続され得る。
【0052】
1つ以上のUSBポート46又は類似の電気ポート(例えば、マイクロUSBなど)が、外部電子装置と漏れ検出器10との間の電力通信及び/又はデータ通信を容易にするために、漏れ検出器10上に含まれ得る。USBポート46は、USB2.0業界規格をサポートし得る。
【0053】
漏れ検出器10とバッテリケース12又は他の試験中の装置との間の流体相互接続を容易にするために、漏れ検出器10は、急速脱着取付具を介してハウジング28に取り付け可能なホース64を含み得る。この点に関して、雄型急速脱着式プラグ66は、ホース64上の対応する雌型急速脱着式取付具68と係合するように適合されたハウジング28に結合され得る。ホース64の本体は、使用中に加えられ得る圧力に耐えるのに十分な内部強度を提供するために、圧潰防止ホースであり得る。特定の一実施形態では、圧潰防止ホースは、-2.0PSI真空信号がホースに印加されたときに圧潰しないようにできる。
【0054】
上述したように、サービスポートアダプタを利用して、ホースとバッテリケース上のサービスポートとの間の封止された流体連通/接続を容易にし得る。サービスポートアダプタの特定の構成/外部輪郭は、流体接続を容易にするために、サービスポートの構成/外部輪郭に相補的であり得る。
図7は、ホース64とハウジング28上のポート66との間のインターフェースを可能にするように構成されたいくつかの異なるサービスポートアダプタ70~80を示す。サービスポートアダプタ70~80の一方の端部は、ホース64上の端部取付具82に接続するために類似であるか又は汎用であってもよく、サービスポートアダプタ70~80の他方の端部は、サービスポート14a~14fに対して構成が相補的であり得る。
【0055】
漏れ検出器10は、車両搭載電子制御モジュールからの動作パラメータデータの取得を可能にするように構成された車両通信インターフェース84を含み得る。例えば、車両通信インターフェース84は、車両識別番号、オドメータ読み取り値、及びバッテリモジュール動作の受信を可能し得る。車両通信インターフェース84は、適用可能なシリアル通信プロトコル(例えば、CAN)をサポートすることもできる。車両通信インターフェース84は、漏れ検出器10に一体化される場合があり、又は車両データリンクコネクタに接続可能であり、漏れ検出器10の主要部分と無線通信することが可能な別個のモジュールであり得ることが想定される。この点に関して、車両通信インターフェース84は、直接有線通信又は無線通信のいずれかを介してプロセッサ54と動作可能に通信し得る。
【0056】
車両通信インターフェース84は、車両から車両識別番号(VIN)を取り出すために使用され得る。しかしながら、VINは、所有者ドキュメンテーション、車両上で可視のデジタルコーディング、又は電子制御ユニットメモリを含む、車両上の複数のソースから取り出され得る。VINは、車両製造業者、年式、メーカー、及びモデルに復号される場合があり、そこから、適用可能なバッテリケースアダプタ及びバッテリケース試験容積を検索することができる。従って、VINを検索又は他の方法で受信することによって、試験中の車両上の特定のバッテリケース12とインターフェース接続するのに必要な特定のサービスポートアダプタ70~80を決定し得る。この点に関して、記憶回路42は、VIN情報と一致する異なるバッテリケース12及びそれぞれのサービスポート14を有するルックアップテーブルと、サービスポートアダプタ70~80とを含み得、VINを知ることによって、ルックアップテーブルを参照して、関連付けられたサービスポート14が決定され得、関連付けられたサービスポート14は、サービスポートアダプタ70~80を決定することにも使用できる。
【0057】
試験が完了すると、漏れ検出器10は、試験後レポートを生成するように構成される場合があり、試験後レポートは、試験の日時、試験を完了した店舗の名前、修理注文番号、車両情報(例えば、VIN、年式、メーカー、モデル)、バッテリケース情報(例えば、容積)、試験中に使用されたアダプタ、試験の結果(例えば、合格、不合格、未完了)を含み得るが、これらに限定されない。
【0058】
上述したように、所与の試験中、漏れ検出器10は、所与の持続時間にわたって圧力を監視し得る。経時的に検出された圧力は、蓄積され、ディスプレイ32上にグラフィック形式で提示され得る。
図8は、負圧試験中のある期間にわたる圧力を示すグラフの一例であり、
図9は、正圧試験中のある期間にわたる圧力を示すグラフの一例である。各グラフでは、加圧の開始(SOP)、安定化の開始(SOS)、評価の開始(SOE)及び試験の終了(EOT)が並べられている。
【0059】
図10は、試験に続いて生成され得る試験レポートの例である。図から分かるように、試験レポートは、試験を実行した施設の名称、行われた試験のタイプ、試験の日付及び時間、VIN、バッテリケース容積、修理注文番号、及び結果を含み得る。
【0060】
一実施形態によれば、漏れ検出器10は、電源投入の25秒以内に試験を実行するように構成され得る。しかしながら、いくつかの試験は、実行するために25秒より長い電源投入を要する場合があり、従って、本開示はそれに限定されない。
【0061】
漏れ検出器10及び関連する使用方法は、試験に続く正確な結果をレポートし得る、ガイド付きの、構造化された、繰り返し可能な漏れ検出試験の使用を通して、バッテリケースの完全性の確認を可能にし得る。漏れ検出器10によって実行された試験の結果は、いくつかの異なるエンティティにとって有用であり得る。例えば、試験を実行する自動車販売代理店22は、バッテリケースに関連付けられた可能な診断傾向を試して識別するために、試験を追跡したい場合がある。例えば、特定のモデルのバッテリケースが特に漏れやすいと識別された場合、販売代理店22は、顧客に連絡を取って、起こり得る問題について顧客にアラートを出し、顧客に試験のために販売代理店を訪れるようにアドバイスし得る。このことは、顧客の車両が可能な限り安全かつ効率的に動作することを保証するために、顧客にとって望ましいことであり得る。また、販売代理店が顧客との信用を生成し、販売代理店の繰り返しの愛顧を促進する手段としても望ましいことであり得る。
【0062】
政府機関24が、漏れ試験の結果を知ることを望むことも想定される。この点に関して、可能な規制は、従来の燃焼機関車両に対するスモッグ試験と同様に、許容できない漏れレベルに関連付けられ得る。従って、漏れ検出器10は、試験を実施し、関連する政府機関24に情報をアップロードする、容易かつ合理化されたプロセスを提供し得る。
【0063】
また、保険会社26も、漏れの存在が車両に関する起こり得る問題の早期の指標であり得るので、漏れ検出試験の結果について有用であり得る。逆に、検出された漏れがないことは、車両の状態が健全であることを示し得る。従って、保険会社26は、保険料率及び保険料を調整する目的で漏れ検出試験の結果を使用し得る。特に、1つ以上の漏れが車両上で検出されたとき、保険会社は、被保険者の保険料を上げるためにその情報を使用することができ、漏れがないこと、又は許容可能な数の漏れがあることは、被保険者の保険料を下げることになり得る。
【0064】
上記では、漏れ検出器10が、漏れ検出試験に必要な圧力を生成するための1つ以上の内部ポンプ又は一体化ポンプを含むものとして説明したが、漏れ検出器10のいくつかの実施形態は、漏れ検出試験に必要な圧力を生成するための外部圧力源(正圧源又は負圧源のいずれか)への流体取付けを容易にするように構成され得ることが想定される。例えば、高圧試験(例えば、50PSIGを超える)が必要とされる場合、漏れ検出器10を、サービスベイで利用可能であり得る工場空気などの圧縮空気源に接続することが可能であり得る。
【0065】
漏れ検出を行う目的で加圧することに加えて、漏れ検出に含まれるポンプ30、31のうちの1つ以上が、システムを試験する前にシステムから流体をパージするための所望の圧力を生成するために使用されてもよいことも想定される。
【0066】
同様に、電気自動車バッテリ技術は、典型的には、その組成がエネルギーを生成する化学セルを利用する。このエネルギー生成の一般的な副産物は熱であり、この熱は所望の温度範囲内に制御することを必要とし得る。バッテリセルを定義された動作温度範囲に保つことは、適切なバッテリセルの健全性及び保守を可能にし得る。加えて、理想的な温度範囲内で動作するとき、バッテリ自体は、成分を消費することによって、ほぼ完全なエネルギー抽出を可能にし得る。
【0067】
冷却システムは、バッテリセルを理想的な温度範囲で取り囲む手段として使用され得る。通常、従来のバッテリ冷却システムに含まれるのは、ポンプ、ホース、熱交換器、液体冷却剤、及び他の構成要素であり、従って、冷却システムは、いくつかの故障点を示す可能性がある。従って、バッテリケース冷却システムの1つの試験は、システムに圧力を加えることによるチェックライン及びホースの完全性を含み得る。
【0068】
このような試験が行われる前に、液体冷却剤は冷却システム回路(複数可)から排出されなければならない。これを達成するための一般的な方法は、冷却システムを開放し、液体冷却剤の重力排出を可能にすることである。しかしながら、バッテリケース内の冷却システム回路ルーティングは、典型的には複雑な一連の管及びフィン設計であるため、少量の液体冷却剤がバッテリケース内に残る可能性がある。
【0069】
従って、漏れ検出器10は、管及びフィン構造内の小さな区画から、事実上すべてではないにしてもほとんどの残りの冷却剤を除去し得る冷却剤除去機能に関連付けられ得る。時間間隔で生じる正圧のバーストは、機能全体にわたってスケジュールされ得る。これらのパルスは、層流空気波を生成し得、この層流空気波を使用して、管及びフィン区画内に見られる小さな開口部及び割れ目から液溜まりした液体冷却剤を押し出し得又は追い出し得る。
【0070】
圧力波は、ある量の空気を蓄積及び貯蔵する貯蔵タンクの使用を通して増加され得る、「試験」空気量で構成され得る。試験圧力で準備され得る空気の量は、バッテリ冷却システム回路内に放出され得る。貯蔵タンク内に貯蔵された空気の量は、診断試験(複数可)を実行するときに、試験中のシステムの充填時間の短縮につながり得る。試験中のシステムに入るとき、ブーストされた空気波は、バッテリ冷却システム回路から冷却剤を取り除き得る。
【0071】
ブーストされた空気波をバッテリ冷却システム回路に送るプロセスは、スケジュールされた持続時間又は間隔にわたって繰り返され得る。バッテリケース冷却システムから冷却剤を除去することは、液体冷却システム封止完全性に関する診断試験(複数可)からのより正確な結果を可能にし得る。
【0072】
本明細書で提供される任意の寸法、大きさ、流量、又は他の値は、単に例示の目的のためであり、本開示の範囲を限定する目的のためではないことが理解される。更に、本明細書で提供される任意の値に対して、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、任意の産業上許容可能な公差が使用され得る。上記では、電気自動車バッテリエンクロージャ内の漏れの存在を検出するのに有用であるものとして漏れ検出器10を説明したが、漏れ検出器10の使用はそのことに限定されないことが想定される。この点に関して、漏れ検出器10の様々なバージョンが、車両上の他の構成要素を含むほとんどの任意の封止環境に対して漏れを検出するために使用され得、同様に、他の機器(例えば、家庭用機器)又は他の封止環境における漏れの試験に使用され得る。この点に関して、異なるアダプタを使用して、漏れ検出器10と試験中のユニットとの間のインターフェースを容易にすることがあり得、アルゴリズム又はコンピュータソフトウェアに対する修正を実施して、試験を試験中の特定の環境に適合させることがあり得る。
【0073】
本明細書に示される詳細は、例示的な議論の目的のみのための例であり、本開示の様々な実施形態の原理及び概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されるものではない。この点に関して、様々な実施形態の異なる特徴の基本的な理解のために必要である以上の詳細を示す試みはなされておらず、図面と共に考慮される説明は、これらが実際にどのように実装され得るかを当業者に明らかにする。
【国際調査報告】