(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-07
(54)【発明の名称】熱磁気シフト可能材料に基づく過電流保護デバイス
(51)【国際特許分類】
H02H 9/02 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
H02H9/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580503
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022067948
(87)【国際公開番号】W WO2023006328
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(71)【出願人】
【識別番号】523487128
【氏名又は名称】インサ リヨン
(71)【出願人】
【識別番号】503161615
【氏名又は名称】ウニベルシテ クロード ベルナール リヨン 1
(71)【出願人】
【識別番号】501411097
【氏名又は名称】エコール・セントラル・ドゥ・リヨン
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】ララー ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】セバルド ガエル
(72)【発明者】
【氏名】三木 寛之
【テーマコード(参考)】
5G013
【Fターム(参考)】
5G013BA01
5G013CA02
(57)【要約】
本発明は、監視される回路のための過電流保護デバイスであって、少なくとも1つのトリガ状況において回路を遮断するように構成され、かつ監視される電流を伝導するように構成された少なくとも1つの導体セクション(40)と、導体セクションを通って流れる電流によって誘発される温度に応じて磁気特性を変化させるように構成された少なくとも1つの熱磁気シフト可能材料を備える少なくとも1つの導電性トリガ要素(30、31、32)と、導電性磁気モジュール(20、21)と、導電性磁気コア(10)とを備える、少なくとも1つのトリガユニットを有し、導電性磁気モジュールが、導体セクションを通る電流の伝導を可能にする導電性トリガ要素に対向する第1の位置と、導体セクションを通る電流の伝導を遮断する導電性磁気コアに対向する第2の位置との間で移動可能である、過電流保護デバイスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視される回路のための過電流保護デバイスであって、少なくとも1つのトリガ状況において前記回路を遮断するように構成され、かつ監視される電流を伝導するように構成された少なくとも1つの導体セクション(40)と、前記導体セクションを通って流れる電流によって誘発される温度に応じて磁気的に変化するように構成された少なくとも1つの熱磁気シフト可能材料を備える少なくとも1つの導電性トリガ要素(30、31、32)と、導電性磁気モジュール(20、21)と、導電性磁気コア(10)とを備える、少なくとも1つのトリガユニットを有し、前記導電性磁気モジュール(20、21)が、磁力の結果として、2つの位置、すなわち、前記導体セクション(40)を通る前記電流の前記伝導を可能にする前記導電性トリガ要素(30、31、32)に対向する第1の位置と、前記導体セクションを通る前記電流の前記伝導を遮断する前記導電性磁気コア(10)に対向する第2の位置との間でのみ移動可能であり、前記過電流保護デバイスが、機械ばね復帰力も重力効果も使用しない、過電流保護デバイス。
【請求項2】
前記熱磁気シフト可能材料が、単独で非常に小さい導電性トリガ要素(30、31、32)を構成するように、導電特性及び加熱特性を与えられていることを特徴とする、請求項1に記載の過電流保護デバイス。
【請求項3】
前記熱磁気シフト可能材料が、強磁性材料又は強磁性形状記憶合金からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の過電流保護デバイス。
【請求項4】
前記熱磁気シフト可能材料が、調整された公称電流と比較して、抵抗を増加させ、かつ応答時間を減少させるために、蛇行形状又はジグザグ形状を有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の過電流保護デバイス。
【請求項5】
前記熱磁気シフト可能材料が、前記調整された公称電流と比較して、前記抵抗を増加させ、かつ前記応答時間を減少させるために、多層材料として折り畳まれていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の過電流保護デバイス。
【請求項6】
前記導電性トリガ要素(30、31、32)が、導電特性を与えられた熱磁気シフト可能材料(30、31)と、加熱デバイス(32)とから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の過電流保護デバイス。
【請求項7】
前記導電性トリガ要素(30、31、32)が、熱磁気シフト可能材料(30)と、加熱デバイス(32)と、導電性要素(31)とから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の過電流保護デバイス。
【請求項8】
前記導電性トリガ要素(30、31、32)が、熱磁気材料(30)と、導電性加熱要素(31、32)とから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の過電流保護デバイス。
【請求項9】
前記導電性磁気モジュール(20、21)が、導電性永久磁石又は電磁石などの、磁気コア(10)又はトリガ要素(30、31、32)に向かう磁力を可能にする材料から構成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の過電流保護デバイス。
【請求項10】
前記導電性磁気モジュール(20、21)が、第1の磁気要素(20)と、第2の導電性要素(21)とから構成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の過電流保護デバイス。
【請求項11】
前記導電性磁気コア(10)が、電磁石を形成するために巻線(11)で巻かれており、前記巻線が、定格電流を十分に上回る高電流が流れる場合に電磁石として作用することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の過電流保護デバイス。
【請求項12】
前記導電性磁気モジュール(20、21)を前記第2の位置から前記第1の位置に、及びその逆に倒す手段(50)を備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の過電流保護デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視される回路のための過電流保護に関する。
【0002】
電磁短絡電流トリガユニットと熱過電流保護トリガユニットとを備える過電流保護スイッチが従来技術から知られている。
【0003】
電磁短絡電流トリガユニットは、しばしば、リラクタンス原理に従って動作するトリガアーマチュアを有する。それは、磁気コイルを使用し、その結果、高電流がコイルを通って流れるとき、磁界が確立され、接点を押し離して回路を開く電磁石を作り出す。磁気保護は、厳しいデフォルト(定格電流の数十倍)に応答する非常に速い反応時間を有する。
【0004】
更に、過電流保護トリガユニットは、バイメタルトリガユニットを備えることが多い。この部品は、ジュール効果による電流によって誘発される熱で変形する。バイメタルの小さな変形は、最終的にホルダを上方に持ち上げ、回路を開く。このような保護は、長い応答時間で定格電流をわずかに上回る電流に対して機能し、中程度のデフォルトに対する保護を可能にする。
【0005】
従来の回路遮断器は、中程度のサージに対して、中程度の過電流から回路を保護するためにバイメタルストリップに依拠しているので、このようなバイメタルストリップは、かなり大きな寸法と小さな撓みを有している。
【0006】
それらは実際、2つの金属層の熱膨張係数の差に基づいている。これは、かさばるばね及びピニオン機構からなるある種の増幅機構を必要とする。
【0007】
加えて、熱保護及び場合によっては磁気保護の両方が双安定ではなく、回路が開かれてバイメタルストリップが冷却されると、回路を開いた状態に維持するためにピニオンを必要とする。
【0008】
最後に、熱及び磁気保護は、異なる物理的効果を使用し、実装のためにより多くの空間を必要とし、トリガをあまり正確でなくする多くの追加の機械部品を必要とする。
【0009】
したがって、文献:ドイツ特許第959475C号は、熱に敏感な低キュリー点部材を使用する回路遮断器と組み合わせた電磁回路遮断器に関する。低温状態では、磁石4は、戻りばね5の力に抗して固定熱磁気部材2に向かって揺動し、固定熱磁気部材2を通って、監視される電流が流れる。電流が所定の値を超えると、加熱された熱磁気要素は、その変態点(キュリー点)を超えて、非磁性となる。次いで、ばね5によって及ぼされる力の下で、磁石4が落下し、例えば、電気回路の開放をトリガする。
【0010】
文献:米国特許第3702980号は、熱磁気要素を使用する回路遮断器と組み合わされた熱磁気回路遮断器に関し、
図4において、磁化可能かつ導電性であるモノリシック鋼板によって構成された導体4を備える回路遮断器を記載している。端子2及び3は、左右のサイドプレート1e及び1fにそれぞれ取り付けられている。上部プレート1cの内側に取り付けられた磁石7は、部分11で導体4と直接接触する。端子2及び3を通る高電流が所与の大きさを超えると、それにより、導体4及び部分11の両方を同じ極性に瞬時に磁化して、それらの間に反発力を誘発し、導体4を下部プレート1dに向かって角度移動させ、結果として接点5及び6を分離する。アクチュエータ14は、底部プレート1dに配置され、ハウジングから突出するようにアクチュエータ14を垂直に付勢するコイルばね19によって囲まれている。プランジャ14は、導体4が部分11と再係合されることを可能にする。導体4が熱磁性鋼で作製されている場合、温度変化による透磁率の大きな変化により、定格電流よりも高レベルの電流フローが可能になり、導体4がジュール熱により十分に加熱されて透磁率が実質的に低下するので、磁石7によって導体4に及ぼされる引力の低下に起因して、回路が遮断される。
【0011】
文献:ドイツ特許第7029288U号は、電流閾値に従ったトリップによる回路遮断器を記載しており、この回路遮断器は、一方が永久磁石であり、他方が低キュリー点を有する磁性材料で作製され、一方がケーシングに取り付けられ、他方がプランジャ14によってスイッチングブリッジに接続された、2つの吸引磁気部品を備え、プランジャ14によってスイッチングブリッジを固定接点に対して移動させることができる。ばね7は、2つの磁気部品6と10との間の引力に抗して、ハウジングに配置された磁気部品6に作用する。したがって、よりコンパクトでかつより正確な機構によって、バイメタルストリップを置き換え、電子回路遮断器内の機械ばねを除去することが必要であると思われる。
【0012】
本発明の目的は、特に、コンパクト設計に関して有利な特性を有する汎用過電流保護デバイスを提供することである。
【0013】
更に、本発明の1つの目的は、特に、高レベルの信頼性を達成することである。
【0014】
更に、本発明の1つの目的は、特に、様々な部品を削減することである。
【0015】
この目的は、本発明によれば、監視される回路のための過電流保護デバイスであって、少なくとも1つのトリガ状況において回路を遮断するように構成され、かつ監視される電流を伝導するように構成された少なくとも1つの導体セクションと、導体セクションを通って流れる電流によって誘発される温度に応じて磁気的に変化するように構成された少なくとも1つの熱磁気シフト可能材料を備える少なくとも1つのトリガ要素と、導電性磁気モジュールと、磁気コアとを備える、少なくとも1つのトリガユニットを有し、導電性磁気モジュールが、2つの安定位置、すなわち、導体セクションを通る電流の伝導を可能にする導電性トリガ要素に対向する第1の位置と、導体セクションを通る電流の伝導を遮断する導電性磁気コアに対向する第2の位置との間でのみ移動可能であり、過電流保護デバイスが、機械ばね復帰力も重力効果も使用しない、過電流保護デバイスによって達成される。
【0016】
一実施形態によれば、熱磁気シフト可能材料は、単独で非常に小さいトリガ要素を構成するように、導電特性及び加熱特性を与えられていてもよい。
【0017】
この場合、熱磁気シフト可能材料は、有利には従来の強磁性合金からなる群から選択されてもよく、より有利には強磁性形状記憶合金からなる群から選択されてもよい。
【0018】
1つの好ましい構成によれば、熱磁気シフト可能材料は、調整された公称電流と比較して、抵抗を増加させ、かつ応答時間を減少させるために、蛇行形状又はジグザグ形状を有してもよい。
【0019】
別の好ましい構成によれば、熱磁気シフト可能材料は、調整された公称電流と比較して、抵抗を増加させ、かつ応答時間を減少させるために、多層材料として折り畳まれていてもよい。
【0020】
他の一実施形態によれば、導電性トリガ要素は、導電特性を与えられた熱磁気シフト可能材料と、加熱デバイスとから構成されていてもよい。
【0021】
他の一実施形態によれば、導電性トリガ要素は、熱磁気シフト可能材料と、加熱デバイスと、導電性要素とから構成されていてもよい。
【0022】
他の一実施形態によれば、導電性トリガ要素は、熱磁気材料と、導電性加熱要素とから構成されていてもよい。
【0023】
他の一実施形態によれば、導電性磁気モジュールは、電流も伝導する永久磁石から構成されていてもよい。
【0024】
他の一実施形態によれば、導電性磁気モジュールは、第1の磁気要素(永久磁石など)と、第2の導電性要素とから構成されていてもよい。
【0025】
有利には、導電性磁気コアは、電磁石を形成するために巻線で巻かれていてもよく、巻線は、定格電流をはるかに上回る高電流が流れる場合に、電磁石として作用する。
【0026】
有利には、過電流保護デバイスは、導電性磁気モジュールを第2の位置から第1の位置に、及びその逆に倒す手段を備えてもよい。
【0027】
本発明の好ましい実施形態は、そのような発明の単なる例示である以下の説明及び添付の図面において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の特定の実施形態を表す。機能は以下のように表される。参照番号20:硬質強磁性要素(磁石)。参照番号21:導電性要素。参照番号30:導電性要素。参照番号31:熱磁気シフト可能な特性。参照番号32:加熱要素。単一の材料がこれらの機能のいくつかを包含することができる。
【
図2】本発明の特定の実施形態を表す。機能は以下のように表される。参照番号20:硬質強磁性要素(磁石)。参照番号21:導電性要素。参照番号30:導電性要素。参照番号31:熱磁気シフト可能な特性。参照番号32:加熱要素。単一の材料がこれらの機能のいくつかを包含することができる。
【
図3】本発明の特定の実施形態を表す。機能は以下のように表される。参照番号20:硬質強磁性要素(磁石)。参照番号21:導電性要素。参照番号30:導電性要素。参照番号31:熱磁気シフト可能な特性。参照番号32:加熱要素。単一の材料がこれらの機能のいくつかを包含することができる。
【
図4】本発明の特定の実施形態を表す。機能は以下のように表される。参照番号20:硬質強磁性要素(磁石)。参照番号21:導電性要素。参照番号30:導電性要素。参照番号31:熱磁気シフト可能な特性。参照番号32:加熱要素。単一の材料がこれらの機能のいくつかを包含することができる。
【
図5】本発明の特定の実施形態を表す。機能は以下のように表される。参照番号20:硬質強磁性要素(磁石)。参照番号21:導電性要素。参照番号30:導電性要素。参照番号31:熱磁気シフト可能な特性。参照番号32:加熱要素。単一の材料がこれらの機能のいくつかを包含することができる。
【
図6】本発明の特定の実施形態を表す。機能は以下のように表される。参照番号20:硬質強磁性要素(磁石)。参照番号21:導電性要素。参照番号30:導電性要素。参照番号31:熱磁気シフト可能な特性。参照番号32:加熱要素。単一の材料がこれらの機能のいくつかを包含することができる。
【
図7】本発明の特定の実施形態を表す。機能は以下のように表される。参照番号20:硬質強磁性要素(磁石)。参照番号21:導電性要素。参照番号30:導電性要素。参照番号31:熱磁気シフト可能な特性。参照番号32:加熱要素。単一の材料がこれらの機能のいくつかを包含することができる。
【0029】
【0030】
図面の
図1~
図7を参照すると、特定の実施形態によるトリガユニットを有する監視される回路のための過電流保護デバイスが示されている。
【0031】
各実施形態について、少なくとも1つのトリガ状況において回路を遮断するように構成されたトリガユニットは、監視される電流を伝導するように構成された少なくとも1つの導体セクション40と、導体セクションを通って流れる電流によって誘発される温度に応じて磁気的に変化するように構成された少なくとも1つの熱磁気シフト可能材料を備える少なくとも1つの導電性トリガ要素30、31、32と、導電性磁気モジュール20、21と、導電性磁気コア10とを備える。
【0032】
特に永久磁石又は電磁石を備える導電性磁気モジュール20、21は、導体セクション40を通る電流の伝導を可能にする導電性トリガ要素30、31、32に対向する第1の位置と、導体セクションを通る電流の伝導を遮断する導電性磁気コア10に対向する第2の位置との間でのみ移動可能である。
【0033】
過電流保護デバイスは、機械ばね復帰力も重力効果も使用しない。
【0034】
「機械ばね復帰力を使用せずに」という表現は、過電流保護デバイスが、磁気モジュールがもはや導電性トリガ要素に引き付けられていないときに磁気モジュールをある位置に戻すように意図されたいかなるばねも含まないことを意味する。
【0035】
「重力効果を使用せずに」という表現は、磁気モジュールがもはや導電性トリガ要素に引き付けられていないときに、磁気モジュールがその重量に起因してある位置に戻らないことを意味する。
【0036】
熱保護に関して、動作原理を以下に詳述する。
【0037】
通常動作中、導電性磁気モジュール20、21は、強磁性材料又は強磁性形状記憶合金と接触している。両方とも導電性であること、又は導電性要素を別の導電性要素と接触させることにより、これによって電気回路を閉じる。
【0038】
流れる電流が小さいので、強磁性材料又は強磁性形状記憶合金の温度は中程度であり、その結果、材料は、その磁気特性を維持する。
【0039】
導電性磁気コア10が巻線11で巻かれている場合、電磁石によって及ぼされる磁力は、スイッチングユニットに取り付けられた磁石を引き付けるには小さすぎる。
【0040】
したがって、導電性磁気モジュール20、21は、強磁性材料又は強磁性形状記憶合金と接触した状態に保たれ、回路は、閉じたままである。
【0041】
要約すると、予め設定された電流値未満の電流の下で、導電性トリガ要素30、31、32は、制限された温度上昇を示す。
【0042】
したがって、それは、その磁気特性を維持し、導電性磁気モジュール20、21を引き付け、したがって、電流が流れることを可能にする導体セクション40の内側の電気的接触を確実にする。
【0043】
定格電流をわずかに上回る中程度の電流が流れる場合、これにより、強磁性材料又は強磁性形状記憶合金の加熱をもたらし、その磁気特性が部分的に失われる。
【0044】
したがって、強磁性材料又は強磁性形状記憶合金は、巻線の導電性磁気コアに対して磁石により小さい力を及ぼし、巻線の導電性磁気コアは、磁石を引き付ける。
【0045】
よって、回路が開かれる。
【0046】
しかしながら、巻線自体は、プロセスに介入せず、電流が小さすぎて十分な磁力を提供しない。
【0047】
要約するに、わずかな過電流が生じると、導電性トリガ要素30、31、32は、加熱され(自己加熱又は外部加熱のいずれか)、その磁気特性を失う。
【0048】
したがって、導電性磁気モジュール20、21は、導電性磁気コア(10)によって引き付けられ、導体セクション40を開く。
【0049】
一旦開かれると、導電性磁気モジュール20、21は、導電性トリガ要素30、31、32が冷えて磁気特性を回復しても、導電性磁気コア(10)に付着する。
【0050】
磁気保護に関して、定格電流を十分に上回る高電流が流れる場合、巻線は、電磁石として作用する。
【0051】
それにより、磁石が引き付けられ、その結果、回路が開かれる。
【0052】
これは、強磁性材料又は強磁性形状記憶合金が加熱される前であっても、迅速に起こる。
【0053】
導電性磁気モジュール20、21と導電性磁気コア10との間の磁気引力は、導電性トリガ要素30、31、32と導電性磁気モジュール20、21との間よりも高く、したがって回路を開いた状態に維持するので、一旦開かれると、外部のオペレータは、導電性トリガ要素30、31、32(及びそれに固定された潜在的に関連する要素)に外部から機械的作用を加えて回路を再び閉じることによって、回路を回復させる必要がある。
【0054】
有利には、トリガユニットは、導電性磁気モジュール20、21を第2の位置から第1の位置に倒す手段50を備える。
【0055】
有利には、モジュール(20、21)によって、及びモジュール(20、21)に及ぼされる磁力の効果は、機械的相互作用を通して、例えば、ばね効果又は重力を使用して、調整することができる。
【0056】
導電性トリガ要素30、31、32は、少なくとも部分的に強磁性材料で構成されている。
【0057】
強磁性材料は、磁気特性を有するが、温度が上昇するにつれて磁気特性を失う材料である。
【0058】
永久磁石(外部磁界によって磁化することができ、外部磁界が除去された後に磁化されたままである材料)は、強磁性又はフェリ磁性のいずれかであり、それらに顕著に引き付けられる材料も同様である。少数の物質のみが強磁性である。一般的なものは、鉄、コバルト、ニッケル、及びそれらの合金の大部分、並びにネオジムなどの希土類金属のいくつかの化合物である。
【0059】
強磁性材料は、磁化することができるが磁化されたままである傾向がない焼きなまし鉄のような磁気的に「軟質」材料と、磁化されたままである傾向がある磁気的に「硬質」材料とに分けることができる。永久磁石は、アルニコなどの「硬質」強磁性材料、及びフェライトなどのフェリ磁性材料から作製され、これらは、製造中に、それらの内部微結晶構造を整列させるために強磁界中で特別な処理を受け、それらを消磁するのが非常に困難になる。飽和磁石を消磁するためには、特定の磁界が印加されなければならず、この閾値は、それぞれの材料の保磁力に依存する。「硬質」材料は、高い保磁力を有するが、「軟質」材料は、低い保磁力を有する。磁石の全体的な強度は、その磁気モーメントによって測定される、又は代わりに、磁石が生成する全磁束によって測定される。材料における磁気の局所的な強度は、その磁化によって測定される。
【0060】
強磁性材料は、印加された磁界に対して温度依存応答を可能にする限り、好ましい材料である。より正確には、それらは、低温で中程度~高透磁率を特徴とし、それらを外部磁界に対して敏感にする(すなわち、それらは、例えば磁石によって引き付けられる)が、温度誘導二次相転移に続いて、それらは、所与の温度(キュリー温度)を超えるとこの磁気挙動を失い、その結果、例えば磁石によって引き付けられなくなる。強磁性材料の一例は、鉄材料及びニッケル材料に基づく化合物である。
【0061】
強磁性形状記憶合金は、オーステナイト相の強磁性挙動を構造相転移と組み合わせる限り、好ましい材料である。
【0062】
高温相は磁性ではないので(すなわち、マルテンサイト相)、これにより、従来の強磁性材料(すなわち、構造相転移がない)と比較して、磁気特性の更に鋭い損失をもたらす。低温では、それらは、磁石によって引き付けることができるが、(キュリー温度によって与えられる転移を上回る)高温では引き付けられない。
【0063】
強磁性形状記憶合金(FSMA)又はマルチフィジックメモリ合金(MPMA)とも呼ばれる磁気形状記憶合金(MSMA)は、磁界に応答して力及び変形を生成する特定の形状記憶合金である。これらの材料においても、熱形状記憶効果が得られている。
【0064】
MSM合金は、中程度の磁界下で運動及び力を生成することができる強磁性材料である。典型的には、MSM合金は、ニッケル、マンガン、及びガリウムの合金(Ni-Mn-Ga)である。
【0065】
大きな磁気誘導ひずみ、並びに短い応答時間は、MSM技術を革新的なアクチュエータの設計にとって非常に魅力的なものにしている。
【0066】
MSM合金は、変形に応じてそれらの磁気特性を変化させる。熱応答と共存するこのコンパニオン効果は、変位センサ、速度センサ、又は力センサ、及び機械式エナジーハーベスタの設計に有用であり得る。
【0067】
磁気形状記憶効果は、合金の低温オーステナイト相において生じ、合金を構成する基本セルは、正方晶形状を有する。温度がマルテンサイト-オーステナイト変態温度を超えて上昇する場合、合金は、基本セルが立方体形状を有するマルテンサイト相に移行する。このような幾何学的形状では、磁気効果が失われる。
【0068】
オーステナイトからマルテンサイトへの(及びその逆の)転移は、力及び変形を生成する。したがって、MSM合金は、熱形状記憶合金(例えば、ニッケル-チタン(Ni-Ti)合金を参照)のように熱的に駆動することもできる。
【0069】
MSM合金の大きなひずみの原因となる機構は、いわゆる磁気誘導再配向(magnetically induced reorientation、MIR)である。
【0070】
他の強磁性材料と同様に、MSM合金は、外部磁界にさらされると、磁界方向に沿った基本磁化の整列から生じる巨視的磁化を示す。しかしながら、標準的な強磁性材料とは異なり、整列は、合金を構成する基本セルの幾何学的回転によって得られ、(磁気歪みにおけるような)セル内の磁化ベクトルの回転によっては得られない。
【0071】
市販の要素についてのMSM効果の主な特性は、[9]に要約されており(本技術及び関連出願の他の態様が記載されている)、以下の典型的な特性をもたらす(しかしながら、合金ごとに変化する可能性がある)。
最大6%のひずみ
最大3MPaの最大発生応力
最大ひずみに対する最小磁界:500kA/m
最大2MPa負荷の全ひずみ(6%)
約150kJ/m3の単位体積当たりの仕事出力
エネルギー効率(入力磁気エネルギーと出力機械仕事との間の変換)約90%
約0.5MPaの内部摩擦応力
磁気及び熱活性化
-40~60℃の動作温度
変形中の透磁率及び電気抵抗率の変化
【0072】
標準的な合金は、ニッケル-マンガン-ガリウム(Ni-Mn-Ga)合金であり、これは、最初の関連するMSM効果が1996年に発表されて以来研究されている。[1]研究中の他の合金は、鉄-パラジウム(Fe-Pd)合金、ニッケル-鉄-ガリウム(Ni-Fe-Ga)合金、及び、鉄(Fe)、コバルト(Co)、又は銅(Cu)を更に含有する基本Ni-Mn-Ga合金のいくつかの誘導体である。新しい合金の継続的な開発及び試験の背後にある主な動機は、いくつかの用途におけるMSM合金の使用を可能にする、より低い内部摩擦、より高い変態温度、及びより高いキュリー温度などの改善された熱磁気機械特性を達成することである。実際には、実際の合金の実際の温度範囲は、最大50℃である。最近、80℃の合金が提示された。
【0073】
図1は、熱磁気シフト可能材料が更に導電性加熱材料であり、その結果、単独で導電性トリガ要素30、31、32を構成する、最小数の部品を有する特定のコンパクトな実施形態を示す。
【0074】
有利には、強磁性材料(単数又は複数)又は強磁性形状記憶合金は、蛇行形状を有する、又は多層材料として折り畳まれている。
【0075】
これらの特別な形状は、調整された公称電流と比較して、抵抗を増加させ、かつ応答時間を減少させることを可能にする。
【0076】
導電性磁気モジュール20、21は、ニッケル-鉄化合物又はネオジム化合物などの磁性材料から構成されている。
【0077】
図2は、導電性トリガ要素30、31、32が、導電性である熱磁気シフト可能材料30、31と、加熱デバイス32とから構成される特定の実施形態を示す。
【0078】
加熱デバイスは、有利には、加熱抵抗器、カートリッジ、又はテルル化ビスマス材料などの熱電材料である。
【0079】
図3は、熱磁気シフト可能材料が更に導電性加熱材料であり、その結果、
図1のように導電性トリガ要素30、31、32を構成し、導電性磁気モジュール20、21が第1の磁気要素20と第2の導電性要素21とから構成される、特定の実施形態を示す。
【0080】
図4は、導電性トリガ要素30、31、32が、
図2による、導電性である熱磁気シフト可能材料30、31と、加熱デバイス32とから構成される特定の実施形態を示す。
【0081】
導電性磁気モジュール20、21は、
図3による第1の磁気要素20と第2の導電性要素21とから構成されている。
【0082】
図5は、導電性磁気モジュール20、21が
図3による第1の磁気要素20と第2の導電性要素21とから構成される特定の実施形態を示す。
【0083】
導電性トリガ要素30、31、32は、熱磁気シフト可能材料31と、加熱デバイス32と、導電性要素30とから構成されている。
【0084】
図6は、導電性トリガ要素30、31、32が、
図5による、熱磁気シフト可能材料30と、加熱デバイス32と、導電性要素30とから構成される特定の実施形態を示す。
【0085】
図7は、導電性トリガ要素30、31、32が熱磁気材料30と導電性加熱要素31、32とから構成される特定の実施形態を示す。
【0086】
有利なことに、前述の全ての実施形態に関して、導電性磁気コア10は、電磁石を形成するために巻線11で巻かれていてもよい。
【0087】
同じデバイスを使用することによって、熱保護(2.5A超)と電磁保護(7Aから)とを組み合わせるために、電気遮断器の解決策が開発されている。
【0088】
この過電流保護デバイスは、正確に、次のものから構成されている。
【0089】
22 AWGワイヤの30巻きのコイルを有する電磁石10、11を製造した。導電性磁気コア10(直径10mm及び長さ40mm)は、高さ6mm及び最終直径6mmの磁束集中のための円錐によって終端されている。それは、高い透磁率を有する軟鉄で作製されている。
【0090】
軟鉄製の回転ビーム(幅5mm、長さ32mm、及び厚さ1mm)を製造した。それは、回転軸から26mmにおいて、直径5mm及び厚さ2mmの4つのネオジム磁石20(ビームの各側に2つ)で覆われている。ビームの頂部には、湾曲した真鍮シート21が結合されている。
【0091】
平らな形状(9×14×2mm3)の0.1オームの電気抵抗32の上に、熱磁気材料31の小さな棒(長さ5mm、幅2mm、及び厚さ1mm)が結合されている。この部分の上には、部分的に折り畳まれた真鍮シート30も結合されており、第2の真鍮部分との電気的接触を確実にしている。熱磁気材料31に密着させて熱電対が挿入されている。
【0092】
熱磁気材料は、Aperam製のPHYTHERM 45(FeNi30合金)の棒である。
【0093】
電磁石と回転ビームの磁石との間の距離は、遮断器が開いているときに5mmに設定されている。
【0094】
ここで実験設定を参照すると、電流源(モデルIPS1820HD、RS PRO)を使用してデバイスを試験する。
【0095】
電流値を設定した後、電流は、保護が回路を開くまで電気遮断器を通して印加される。
【0096】
熱磁気材料の温度は、K型熱電対を用いて監視される。
【0097】
遮断器を通って流れる電流は、0.1オームのシャント抵抗器を使用して監視される。
【0098】
負荷は遮断器に接続されていない(すなわち、発電機は遮断器及びシャントにプラグ接続されているだけである)。
【0099】
遮断器上の温度、電流、及び電圧は、Dewesoft KRYPTONi-8xLV及びDewesoft KRYPTONi-8xTHデータ取得システムを使用して取得される。
【0100】
電圧測定及び電流測定のサンプリング周波数は、20kHzであったが、温度測定については100Hzであった。
【0101】
遮断器機能の再現性をチェックするために、各試験電流を2回連続して印加した。
【0102】
同時の電圧測定及び電流測定から、
電気遮断器の全抵抗は、0.3オーム~0.4オームの範囲であることが見出され、加熱抵抗器についての0.1オームと、ワイヤ及び真鍮部品間の接触抵抗についての0.2~0.3オームとから構成されていた。
【0103】
ワイヤのより大きな直径及び接触抵抗の最適化により、遮断器抵抗を更に低減することができることに留意されたい。
【0104】
この概念実証は、部分的な電気遮断器の開発に対応し、接点の最適化又は開放時の電気アークの制御を含まないことにも留意されたい。
【0105】
更なる開発により、接点を開くプロセスを改善することができる。
【0106】
図8a及び
図8bは、閾値よりも低い電流の場合を示す。
【0107】
熱磁気要素の温度は、遷移温度より低い約47℃のプラトーに達し、したがって、その強磁性特性を維持する。
【0108】
図8a及び
図8bに詳述されるように、遮断器は、2.5A未満の電流に対して閉じたままであり、これは、閾値電流未満の動作において、遮断器端子間の電圧降下が、0V~1Vの範囲であることを意味する。
【0109】
2.5A以下の電流では、500秒後でも遮断器が閉じたままであることが観察された。
【0110】
電流に起因して、熱磁気要素の温度は上昇し、材料の相転移よりもはるかに低い値に安定した。
【0111】
【0112】
図9は、遮断器に印加される異なるDC電流に対する電流及び温度の測定を示す。
【0113】
最初の2つの結果は、電磁システム(定格電流よりもはるかに大きい電流)による遮断器の高速開放に対応する。
【0114】
他の5つの試験された電流に関して、遮断器は、熱保護により開き、印加電流を低下させたときに開く時間が増加した。
【0115】
図10aは、開放時間対印加電流を示す。実線は目へのガイドである。2.65A未満の電流に対する垂直線は、閾値電流を強調するために描かれている。
【0116】
図10aは、従来の電気遮断器の典型的なスイッチング時間対電流を示す。
【0117】
2.65A以上のものから、印加電流に依存する所与の時間後に回路の開放が観察された。
【0118】
試験した全ての電流の記録を
図9に示す。I=8A及びI=7Aの場合、開放時間は、電磁保護に対応して非常に短かった(<20ms)。
【0119】
温度は試験中一定であることがわかった。2.65A~5.8Aの電流に対して、熱保護は、回路の開放をもたらした。
【0120】
予想通り、最も高い電流は、最も短い開放時間をもたらした(I=5.8Aで3sからI=2.65Aで190s)。また、開放時の熱磁気要素の温度は電流にも依存することが観察された。
【0121】
これらの中間電流に対して、電磁力はまた磁石を引き付け、その結果、キュリー温度未満の温度での強磁性の部分的な損失は、遮断器の開放を引き起こすのに十分である。
【0122】
この温度は、I=5.8Aで38℃からI=2.65Aで51℃の範囲である。
【0123】
最後に、
図10aには、開放時間が印加電流に対してプロットされており、
図10bに示されている従来の遮断器応答と非常に良好に一致していることを示している。
【0124】
各測定は2回行われ、全てのデータ点が示されたグラフに含まれている。図では、3つの作業ゾーンが追加されており、2.65Aの電流閾値未満では、遮断器は閉じたままであった。
【0125】
中間電流(2.65A~5.8A)に対して、熱保護は、遮断器の開放を誘発し、電流の増加に対して開放時間が指数関数的に減少した。
【0126】
より大きな電流に対しては、電磁保護が開放時間の急激な減少の原因となる。
【0127】
この実験設定は、熱磁気材料に基づく熱及び磁気保護の可能性を検証している。
【0128】
それは磁力に基づくので、同じ磁気コアを使用して電磁保護とうまく組み合わせられた。
【0129】
幾何学形状及び特性(例えば、定格電流)は、3つのレジーム閾値を修正するために、例えば、導電性磁気コアと回転ビームとの間の距離を増加させることによって、又はコイルの巻き数を調節することによって(微調整のための回転ばねも追加してもよい)、容易に調節することができる。
【0130】
距離を増加させる場合、電磁保護は、より高い電流で開始し、一方、熱保護閾値電流も増加する。熱保護閾値を調節するために、(より大きい又はより小さいキュリー温度を有するために)熱磁気合金組成を修正する、又は
その周りの断熱を修正することも可能である。例えば、現在の概念実証では、熱磁気材料は、ABS部品上に結合された。
【0131】
アルミニウム部品を使用することにより、温度上昇を減少させ、熱保護の閾値電流を増加させる。
【0132】
反対に、断熱材料を追加することにより、所与の電流に対してより高い温度上昇をもたらし、それはひいては、電流閾値を低下させる。
【0133】
同様に、遮断器が閉じられているときの磁石と強磁性材料との間の距離は、別の可能性である。
【0134】
したがって、従来の熱保護(バイメタルストリップ)を熱ベースの磁気効果によって置き換える提案は、熱保護機構(可動磁石によって単に置き換えられたばね及びピニオン)の空間の低減を可能にするだけでなく、磁気保護と同じ物理的根源を共有することも可能にする。したがって、これは、よりコンパクトな電子遮断器を可能にする。
【0135】
従来の同様のデバイスに対する差異及び利点(はるかによりコンパクトなサイズでの同じ機能、場合によっては埋め込みデバイスに適合される)に関する上記の説明に加えて、以下の2つの点に留意することができる。
【0136】
温度依存性磁性材料は、非常に安価な材料(例えば、強磁性材料)から作製することができる。
【0137】
換言すれば、本発明による過電流保護デバイスは、従来の遮断器と同様の磁気保護を提供する。
【0138】
有利なことに、熱保護は、バネ及びかさばる機械部品が必要とされないので、バイメタルよりも一体化されている。
【0139】
更に、磁気保護及び熱保護は、同じ材料及び効果に基づく。
【0140】
更に、磁気相互作用により開回路が維持されるので、依然としてかさばる機械部品が不要である。
【0141】
したがって、本発明による過電流保護デバイスは、小型回路のためのはるかにより集積可能な解決策を構成する。
【国際調査報告】