(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-07
(54)【発明の名称】オレガヌム種を含む新規なエアロゾル発生基体
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20240731BHJP
A24B 15/14 20060101ALI20240731BHJP
A24B 15/30 20060101ALI20240731BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240731BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240731BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/14
A24B15/30
A24D1/20
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024500633
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2022069746
(87)【国際公開番号】W WO2023285597
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】アルント ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】カンパノーニ プリスカ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB11
4B043BB17
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC04
4B043BC12
4B043BC14
4B045AA41
4B045AB08
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB23
4B162AB28
(57)【要約】
エアロゾル発生物品(1000)(4000a、4000b)(5000)は、エアロゾル発生基体(1020)を含み、エアロゾル発生基体は、オレガノ粒子、エアロゾル形成体、および結合剤を含む均質化したオレガノ材料から形成される。エアロゾル発生基体はさらに、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生基体が、均質化したオレガノ材料を含み、前記均質化したオレガノ材料が、オレガノ粒子、エアロゾル形成体、および結合剤を含み、前記エアロゾル発生基体が、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、
を含む、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記基体1グラム当たりのウルソール酸の量が、前記基体1グラム当たりのイソチモールの量の少なくとも8倍であり、前記基体1グラム当たりのウルソール酸の量が、前記基体1グラム当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも25倍である、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり1ミリグラム~20ミリグラムのニコチンをさらに含む、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体と、1重量パーセント~10重量パーセントの結合剤と、を含む、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記結合剤がグアーガムを含む、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、少なくとも0.5重量パーセントの前記オレガノ粒子を含む、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記均質化したオレガノ材料が、たばこ粒子をさらに含み、オレガノ粒子のたばこ粒子に対する重量比が、1:4以下である、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記エアロゾル発生基体中の前記均質化したオレガノ材料が、キャストリーフの形態である、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記エアロゾル発生基体中の前記均質化したオレガノ材料が、オレガノ紙の形態である、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
試験方法Aによる前記エアロゾル発生基体の加熱に伴い、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのウルソール酸と、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのイソチモールと、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのチモビドロキノンと、
を含むエアロゾルが発生する、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
試験方法Aによる前記エアロゾル発生基体の加熱に伴い、前記エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルが、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸と、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のイソチモールと、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンと、
を含み、
エアロゾルの吸煙が、喫煙機械によって生成されるときに55ミリリットルの体積を有し、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の前記量が、エアロゾルの吸煙当たりのイソチモールの前記量の少なくとも2倍であり、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の前記量が、エアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの前記量の少なくとも2倍である、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
オレガノ粒子、エアロゾル形成体および結合剤を含む均質化したオレガノ材料を含む、エアロゾル発生基体であって、前記エアロゾル発生基体が、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、
乾燥重量基準で、前記基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、
を含む、エアロゾル発生基体。
【請求項13】
エアロゾル発生システムであって、
発熱体を備えるエアロゾル発生装置と、
請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生物品と、
を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
請求項12に記載のエアロゾル発生基体を加熱する際に生成されるエアロゾルであって、前記エアロゾルが、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸と、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のイソチモールと、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンと、
を含み、
エアロゾルの吸煙が、喫煙機械によって生成されるときに55ミリリットルの体積を有し、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の前記量が、エアロゾルの吸煙当たりのイソチモールの前記量の少なくとも2倍であり、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の前記量が、エアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの前記量の少なくとも2倍である、エアロゾル。
【請求項15】
エアロゾル発生基体を作製する方法であって、
オレガノ粒子、水、エアロゾル形成体、結合剤、および随意にたばこ粒子を含むスラリーを形成する工程と、
前記スラリーをシートまたはストランドの形態にキャスティングまたは押出成形する工程と、
前記シートまたはストランドを摂氏80度~摂氏160度で乾燥させる工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレガノ粒子から形成された均質化した植物材料を含むエアロゾル発生基体、およびかかるエアロゾル発生基体を組み込んだエアロゾル発生物品に関する。本発明はさらに、オレガノ粒子を含むエアロゾル発生基体に由来するエアロゾルに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品が、当技術分野で公知である。典型的に、こうした物品では、エアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生し、このエアロゾル発生基体または材料は、熱源と接触して、熱源内に、熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によって基体から放出され、そして物品を通して引き出される空気中に同伴される。放出された化合物は冷えると凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
一部のエアロゾル発生物品は、消費者に異なる感覚体験を提供するため、例えば、エアロゾルの風味を高めるために物品の使用中に消費者に送達される風味剤を備える。風味剤は、エアロゾルを吸入するユーザーに、味覚(味わい)、嗅覚(匂い)、または味覚および嗅覚の両方を送達するのに使用されうる。風味剤を含む加熱式エアロゾル発生物品を提供することは公知である。
【0004】
また、たばこロッドが燃焼するように、紙巻きたばこのマウスピースの反対端を点火して吸入可能な煙を発生させることによって喫煙される従来の可燃性紙巻たばこに、風味剤を提供することも公知である。たばこが燃焼されるにつれて主流煙に追加的な風味を提供するために、典型的には一つ以上の風味剤がたばこロッド内のたばこと混合される。こうした風味剤は、例えば、精油として提供されうる。
【0005】
口内に位置する受容体と相互作用する多数の成分を含む従来の紙巻たばこからのエアロゾルは、「こく」という感覚、すなわち比較的強い口あたりを提供する。「口あたり」とは、本明細書で使用される場合、食物、飲料、またはエアロゾルによって引き起こされる口内の物理的な感覚を指し、味わいとは異なる。口あたりは、味わいや匂いと共に、食品やエアロゾルの全体的な風味を決定する基本的な感覚属性である。
【0006】
従来の可燃性紙巻たばこによって提供される消費者体験を、エアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品によって再現することには困難さがある。これは、こうしたエアロゾル発生物品の加熱中に達する温度がより低温であり、それによって異なるプロファイルの揮発性化合物が放出されることに部分的に起因する。
【0007】
改善された風味およびこくを有するエアロゾルを提供する加熱式エアロゾル発生物品のための新規なエアロゾル発生基体を提供することが望ましい。こうしたエアロゾル発生基体は、従来の可燃性紙巻たばこによって提供されるものに匹敵する感覚体験を有するエアロゾルを提供することができる場合に特に望ましい。また、こうしたエアロゾル発生基体は、例えば、たばこのみを含有するものなど、既存のエアロゾル発生基体と比較して、望ましくないエアロゾル化合物のレベルが低下したエアロゾルを提供することができる場合に特に望ましい。
【0008】
エアロゾル発生物品に容易に組み込むことができ、かつ既存の高速な方法および装置を使用して製造することができる、こうしたエアロゾル発生基体を提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、エアロゾル発生基体を含む、エアロゾル発生物品に関し、エアロゾル発生基体は、本明細書では「均質化したオレガノ材料」と称される、オレガノ粒子を含む均質化した植物材料から形成される。均質化したオレガノ材料は、エアロゾル形成体をさらに含み得る。均質化したオレガノ材料は、結合剤をさらに含み得る。エアロゾル発生基体はさらに、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約50マイクログラムのウルソール酸を含み得る。エアロゾル発生基体はさらに、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約5マイクログラムのイソチモールを含み得る。エアロゾル発生基体はさらに、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約1.5マイクログラムのチモビドロキノン(thymohydroquinone)を含み得る。
【0010】
本発明によれば、エアロゾル発生基体を含み、エアロゾル発生基体がオレガノ粒子を含む均質化したオレガノ材料で形成されている、エアロゾル発生物品が提供されている。本発明によれば、均質化したオレガノ材料は、オレガノ粒子、エアロゾル形成体、および結合剤を含む。エアロゾル発生基体はさらに、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約50マイクログラムのウルソール酸と、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約5マイクログラムのイソチモールと、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む。
【0011】
以下に記載する試験方法Aによる本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約1.5マイクログラムのウルソール酸と、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約0.5マイクログラムのイソチモールと、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約0.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含むエアロゾルが発生されることが好ましい。
【0012】
好ましくは、試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸を含み得る。試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のイソチモールを含み得る。試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンを含み得る。エアロゾルの吸煙は、喫煙機械によって発生したときに55ミリリットルの容積を有する。
【0013】
本発明によれば、エアロゾル発生基体を含み、エアロゾル発生基体がオレガノ粒子を含む均質化したオレガノ材料で形成されている、エアロゾル発生物品が提供されている。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約50マイクログラムのウルソール酸と、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約5マイクログラムのイソチモールと、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む。
【0014】
本開示はまた、本明細書では「均質化したオレガノ材料」と称される、オレガノ粒子を含む均質化した植物材料で形成されるエアロゾル発生基体に関する。均質化したオレガノ材料は、エアロゾル形成体をさらに含み得る。均質化した植物材料は、結合剤をさらに含み得る。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約50マイクログラムのウルソール酸を含み得る。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約5マイクログラムのイソチモールを含み得る。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約1.5マイクログラムのチモビドロキノンを含み得る。
【0015】
本発明によれば、均質化したオレガノ材料で形成されたエアロゾル発生基体が提供され、均質化したオレガノ材料は、オレガノ粒子、エアロゾル形成体、および結合剤を含む。エアロゾル発生基体はさらに、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む。
【0016】
本開示は加えて、エアロゾル発生基体の加熱に伴い生成されるエアロゾルに関する。エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸を含み得る。エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.01マイクログラムの量のイソチモールを含み得る。エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンを含み得る。エアロゾルの吸煙は、喫煙機械によって発生したときに55ミリリットルの容積を有する。
【0017】
本発明によれば、エアロゾル発生基体の加熱に伴い生成されるエアロゾルであって、エアロゾルが、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.04マイクログラムの量のウルソール酸と、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.01マイクログラムの量のイソチモールドと、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンと、を含み、エアロゾルの吸煙が、喫煙機械によって発生したときに55ミリリットルの容積を有する、エアロゾルがさらに提供される。
【0018】
本発明は、オレガノ粒子、水、エアロゾル形成体、結合剤、および任意選択的にたばこ粒子を含むスラリーを形成することと、スラリーをシートまたはストランドの形態にキャスティングまたは押出成形することと、シートまたはストランドを、好ましくは、摂氏80度~摂氏160度の温度で乾燥させることと、を含む、エアロゾル発生基体を作製する方法をさらに提供する。エアロゾル発生基体のシートが形成される場合、シートは、任意選択的にストランドに切断されてもよく、またはシートを集合してロッドを形成してもよい。シートは、任意選択的に、集合工程の前に捲縮されてもよい。
【0019】
本発明のエアロゾル発生基体およびエアロゾルに対する以下の言及は、別途記載のない限り、本発明のすべての態様に適用可能であると考えられる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを生成するための物品を指し、ここで物品は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、加熱または燃焼されることが適切であって意図されるエアロゾル発生基体を備える。従来の紙巻たばこは、ユーザーが紙巻たばこの一方の端に炎を当てて、もう一方の端を通して空気を引き出す時に点火される。炎と紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素によって提供された局在化した熱は、紙巻たばこの端部を点火させて、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、「加熱式エアロゾル発生物品」では、エアロゾル発生基体を燃焼することによってではなく、エアロゾル発生基体を加熱することによってエアロゾルが発生される。知られている加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば、電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル発生基体への熱の伝達によってエアロゾルが発生するエアロゾル発生物品と、が挙げられる。
【0021】
また、エアロゾル発生物品へとエアロゾル形成体を供給するエアロゾル発生システムで使用されるように適合されたエアロゾル発生物品も知られている。こうしたシステムでは、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体は、動作中にエアロゾルを形成するために使用される実質的にすべてのエアロゾル形成体を担持および提供するエアロゾル発生基体に対して、実質的により少ないエアロゾル形成体を含有する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に伴い生成する能力を有する基体を指す。エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、人の目で見えても見えなくてもよく、ベイパー(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の気体状の微粒子)、ならびに凝縮されたベイパーの気体および液滴を含んでもよい。
【0023】
本明細書で使用される「均質化した植物材料」という用語は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本発明のエアロゾル発生基体のための均質化した植物材料のシートまたはウェブは、オレガノ植物材料および随意に、たばこ葉身またはたばこ葉茎などのたばこ材料をすり潰す、粉砕する、または細分することによって取得された植物材料の粒子を凝集することによって形成され得る。均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当業界で公知の他の任意の適切なプロセスによって生成されてもよい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「均質化したオレガノ材料」という用語は、随意にたばこ粒子と組み合わされたオレガノ粒子を含む均質化した植物材料を指す。「均質化したたばこ材料」という用語は、たばこ粒子を含むが、オレガノ粒子を含まない均質化した植物材料を指し、したがって、これは本発明に従っていない。
【0025】
本明細書で使用される場合、「オレガノ粒子」という用語は、オレガノ(Oreganum vulgare)の葉に由来する粒子を包含する。Oreganum vulgare L.は、ユーラシア大陸西部から南西部、地中海沿岸地域原産のシソ科の顕花植物である。オレガノは料理用のハーブであり、その葉は一般的に料理に独特の風味を与えるために使用される。
【0026】
対照的に、オレガノ精油は、オレガノ植物の葉から抽出される蒸留物である。オレガノ精油中に含まれる主な風味化合物は、イソチモール(カルバクロール)およびチモールを含む。
【0027】
本発明は、本明細書で均質化したオレガノ材料と称される、オレガノ粒子を含む均質化した植物材料で形成されるエアロゾル発生基体を組み込むエアロゾル発生物品を提供する。本発明はまた、こうしたエアロゾル発生基体に由来するエアロゾルも提供する。本発明の発明者らは、オレガノ粒子をエアロゾル発生基体に組み込むことによって、有利なことに、新規な感覚体験を提供するエアロゾルを生成することが可能であることを見出した。こうしたエアロゾルは、独特の風味を提供し、増大したレベルのこく味を提供し得る。
【0028】
さらに、発明者らは、オレガノオイルなどのオレガノ添加剤の添加によって生成されるエアロゾルと比較して、有利なことに、改善されたオレガノアロマおよび風味を有するエアロゾルを生成することが可能であることを見出した。オレガノオイル(CAS登録番号8007-11-2)は、オレガノ植物のシードから蒸気蒸留によって得られ、オレガノ粒子とは異なる風味剤の組成を有するが、これは、特定の風味剤を選択的に除去または保持し得る蒸留プロセスに起因すると考えられる。イソチモール(カルバクロール)は、オレガノオイルの主な成分であり、オレガノオイルの最大75パーセントを占める。
【0029】
さらに、本明細書で提供される特定のエアロゾル発生基体では、オレガノ粒子は望ましいオレガノ風味を提供するのに十分なレベルで組み込まれ、一方で消費者に望ましいレベルのニコチンを提供するのに十分なたばこ材料を維持する。
【0030】
さらに、驚くべきことに、エアロゾル発生基体中にタオレガノ粒子を含めることは、オレガノ粒子を伴わずに、100パーセントのたばこ粒子を含むエアロゾル発生基体から生成されたエアロゾルと比較して、特定の望ましくないエアロゾル化合物の有意な低減を提供することが見出された。特に、下記の通り、驚くべきことにエアロゾル発生基体中にオレガノ粒子を含めることは、オレガノ粒子を有さない、100パーセントのたばこ粒子を含むエアロゾル発生基体から生成されるエアロゾルと比較して、特定のフェノール化合物の有意な低減を提供することが見出された。さらに、この低減は、たばこ粒子の低減の結果として、比例的に予想されるものよりも大きいことが見出されている。
【0031】
均質化した植物材料(キャストリーフなど)中のオレガノの存在は、DNAバーコーディングによって確実に識別されうる。核遺伝子ITS2、rbcLおよびmatK系統、ならびに色素体遺伝子間スペーサーtrnH-psbAに基づいてDNAバーコーディングを実施するための方法は、当該技術分野で公知であり、使用することができる(Chen S,Yao H,Han J,Liu C,Song J,et al.
(2010)Validation of the ITS2 Region as a Novel DNA Barcode for Identifying Medicinal Plant Species.
PLoSONE 5(1):e8613;Hollingsworth PM,Graham SW,Little DP(2011)Choosing and Using a Plant DNA Barcode.
PLoS ONE 6(5):e19254)。
【0032】
発明者らは、オレガノ粒子およびオレガノ粒子とたばこ粒子の混合物を組み込んだ本発明のエアロゾル発生基体から発生されたエアロゾルの複雑な分析および特徴付け、およびこうしたエアロゾルと、オレガノ粒子を有さないたばこ材料から形成された既存のエアロゾル発生基体から発生されたエアロゾルとの比較を実行した。これに基づいて、発明者らは、エアロゾル中に存在し、オレガノ粒子に由来する化合物である「特徴的な化合物」の群を識別することができた。したがって、特定の範囲内の重量割合のエアロゾル内における特徴的な化合物の検出を使用して、オレガノ粒子を含むエアロゾル発生基体に由来するエアロゾルを識別することができる。これらの特徴的な化合物は特に、たばこ材料から発生されるエアロゾル中には存在しない。さらに、エアロゾル内における特徴的な化合物の割合および特徴的な化合物の互いに対する比は、オレガノオイルではなく、オレガノ植物材料の使用を明確に示している。同様に、これらの特徴的な化合物が特定の割合でエアロゾル発生基体内に存在することは、基体内にオレガノ粒子が含まれていることを示している。
【0033】
特に、基体およびエアロゾル内の特徴的な化合物の定義されたレベルは、均質化したオレガノ材料内に存在するオレガノ粒子に固有である。特徴的な化合物それぞれのレベルは、均質化したオレガノ材料の製造中にオレガノ粒子が処理された方法に依存する。レベルはまた、均質化したオレガノ材料の組成にも依存し、特に、均質化したオレガノ材料内の他の成分のレベルによって影響を受ける場合がある。均質化したオレガノ材料内の特徴的な化合物のレベルは、出発オレガノ材料内の同じ化合物のレベルとは異なり得る。また、これは、オレガノ粒子を含有するが、本明細書に定義される本発明によらない材料内の特徴的な化合物のレベルとは異なり得る。
【0034】
エアロゾルの特徴付けを実行するために、発明者らは、飛行時間型質量分析計(GCxGC-TOFMS)に結合された二次元ガスクロマトグラフィーと並行して、高分解能精密質量分析計(LC-HRAM-MS)に結合された液体クロマトグラフィーを使用する相補的な非標的ディファレンシャルスクリーニング(NTDS)を使用した。
【0035】
非標的スクリーニング(NTS)は、未知の検出された化合物の特徴をスペクトルデータベースと一致させる(サスペクトスクリーニング[SSA])、または事前知識の一致がない場合に、例えば、化合物データベースからのインシリコの予測フラグメントに一致する一次フラグメンテーション(MS/MS)由来情報を使用して未知の構造を解明する(非標的分析[NTA])、のいずれかによって、複雑なマトリクスの化学組成を特徴付けるための重要な方法である。NTSは、公平なアプローチを使用して、サンプルから多数の小分子を半定量するための同時測定と能力を可能にする。
【0036】
上述の通り、サンプル間の化学組成の有意な差を管理されていない方法で評価するために二つ以上のエアロゾルサンプルの比較に焦点を当てる場合、または事前知識に関連する群がサンプル群間で入手可能な場合には、非標的ディファレンシャルスクリーニング(NTDS)が実施されうる。飛行時間型質量分析計(GCxGC-TOFMS)に結合された二次元ガスクロマトグラフィーと並行して、高分解能精密質量分析計(LC-HRAM-MS)に結合された液体クロマトグラフィーを使用する相補的なディファレンシャルスクリーニングは、粒子状植物材料としてオレガノを100重量%含む物品に由来するエアロゾルと、粒子状植物材料としてたばこを100重量%含む物品に由来するエアロゾルの間のエアロゾル組成の最も関連性がある差を識別するための包括的な分析範囲を確実とするために適用される。
【0037】
エアロゾルを、以下に詳細に記載する装置および方法を使用して発生および収集した。
【0038】
フルスキャンモードとデータ依存型モードの両方で、Thermo QExactive(商標)高分解能質量分析計を使用してLC-HRAM-MS分析を実行した。よって、異なるイオン化特性および化合物クラスを有する広範囲の物質を網羅するために、三つの異なる方法を適用した。正のモードおよび負のモードの加熱式エレクトロスプレーイオン化(HESI)、および正のモードの大気圧化学イオン化(APCI)によるRPクロマトグラフィーを使用してサンプルを分析した。方法は:Arndt,D.et al,“In depth characterization of chemical differences between heat-not-burn tobacco products and cigarettes using LC-HRAM-MS-based non-targeted differential screening”(DOI:10.13140/RG.2.2.11752.16643)、Wachsmuth,C. et al,“Comprehensive chemical characterisation of complex matrices through integration of multiple analytical modes and databases for LC-HRAM-MS-based non-targeted screening”(DOI:10.13140/RG.2.2.12701.61927)、および“Buchholz,C.et al,“Increasing confidence for compound identification by fragmentation database and in silico fragmentation comparison with LC-HRAM-MS-based non-targeted screening of complex matrices”(DOI:10.13140/RG.2.2.17944.49927)(全て、66th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics,San Diego,USA(2018)より)に記載されている。方法は:Arndt,D.ら,“A complex matrix characterization approach,applied to cigarette smoke,that integrates multiple analytical methods and compound identification strategies for non-targeted liquid chromatography with high‐resolution mass spectrometry”(DOI:10.1002/rcm.8571)にさらに記載されている。
【0039】
GCxGC-TOFMS分析を、エアロゾル内の非極性化合物、極性化合物、または高揮発性化合物に対して三つの異なる方法で、オート液体インジェクター(モデル7683B)を備えたAgilent GC Model 6890Aまたは7890A測定器、およびLECO Pegasus 4D(商標)質量分析計に結合された熱変調器を使用して実行した。方法は:Almstetter et al,“Non-targeted screening using GC×GC-TOFMS for in-depth chemical characterization of aerosol from a heat-not-burn tobacco product”(DOI:10.13140/RG.2.2.36010.31688/1)、および Almstetter et al,“Non-targeted differential screening of complex matrices using GC×GC-TOFMS for comprehensive characterization of the chemical composition and determination of significant differences”(DOI:10.13140/RG.2.2.32692.55680)(それぞれ、66th and 64th ASMS Conferences on Mass Spectrometry and Allied Topics,San Diego,USAより)に記載されている。
【0040】
分析方法からの結果は、こうした物品によって発生されるエアロゾルの差の原因である主要な化合物に関する情報を提供した。分析プラットフォームLC-HRAM-MSおよびGCxGC-TOFMSの両方を使用する非標的ディファレンシャルスクリーニングの焦点は、100パーセントのたばこ粒子を含むエアロゾル発生基体の比較サンプルに対して、100パーセントのオレガノ粒子を含む本発明によるエアロゾル発生基体のサンプルのエアロゾル中に、より多い量で存在した化合物に置かれた。NTDS方法は、上記に列挙した文献で説明されている。
【0041】
この情報に基づいて、発明者らは、基体中のオレガノ粒子に由来する「特徴的な化合物」と考えられ得るエアロゾル内の特定の化合物を識別することができた。オレガノに由来する特徴的な化合物としては、以下に限定されないが、ウルソール酸(3β-ヒドロキシウルス-12-エン-28-オイック酸)、化学式:C30H48O3、CAS登録番号77-52-1);カルバクロールまたはシモフェノールとしても知られるイソチモール、(2-メチル-5-(プロパン-2-イル)フェノール)、化学式:C10H14O、CAS登録番号499-75-2);およびチモビドロキノン、(2-メチル-5-プロパン-2-イルベンゼン-1,4-ジオール)、化学式:C10H14O2、CAS登録番号2217-60-9)が含まれる。
【0042】
本発明の目的のために、標的スクリーニングを、エアロゾル発生基体のサンプルに実施して、基体中の特徴的な化合物のそれぞれの存在および量を識別しうる。こうした標的スクリーニング方法について以下に説明する。記載の通り、特徴的な化合物は、エアロゾル発生基体およびエアロゾル発生基体に由来するエアロゾルの両方において検出および測定されうる。
【0043】
上記で定義されるように、本発明のエアロゾル発生物品は、オレガノ粒子を含む均質化した植物材料から形成されたエアロゾル発生基体を含む。オレガノ粒子を含む結果として、エアロゾル発生基体は、上述の通り、特定の割合のオレガノの「特徴的な化合物」を備える。特に、エアロゾル発生基体は、好ましくは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む。
【0044】
望ましいレベルの特徴的な化合物に対してエアロゾル発生基体を定義することによって、原材料中の特徴的な化合物のレベルの潜在的な差にもかかわらず、製品間の一貫性を確実にすることが可能である。これにより、有利なことに、製品の品質をより効果的に制御することが可能になる。
【0045】
エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約200マイクログラムのウルソール酸を含むことが好ましく、基体1グラム当たり少なくとも約500マイクログラムのウルソール酸を含むことがより好ましい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約6500マイクログラム以下のウルソール酸を含むことが好ましく、基体1グラム当たり約4000マイクログラム以下のウルソール酸を含むことがより好ましく、基体1グラム当たり約2500グラム以下のウルソール酸を含むことがより好ましい。
【0046】
例えば、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約50マイクログラム~約6500マイクログラムのウルソール酸、または基体1グラム当たり約200マイクログラム~約4000マイクログラムのウルソール酸、または基体1グラム当たり約500マイクログラム~約2500マイクログラムのウルソール酸を含んでもよい。
【0047】
特定の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体1グラム当たり約1000マイクログラム~約2000マイクログラムのウルソール酸を含み得ることが好ましく、エアロゾル発生基体1グラム当たり約1200マイクログラム~約1800マイクログラムのウルソール酸を含み得ることがより好ましい。例えば、ウルソール酸のレベルは、乾燥重量基準で、エアロゾル発生基体が15重量パーセント~20重量パーセントのオレガノ粒子を含む、本発明の好ましい実施形態に対するこれらの範囲内であり得る。
【0048】
エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約50マイクログラムのイソチモールを含むことが好ましく、基体1グラム当たり少なくとも約100マイクログラムのイソチモールを含むことがより好ましい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約600マイクログラム以下のイソチモールを含むことが好ましく、基体1グラム当たり約400マイクログラム以下のイソチモールを含むことがより好ましく、基体1グラム当たり約250マイクログラム以下のイソチモールを含むことがより好ましい。
【0049】
例えば、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約5マイクログラム~約600マイクログラムのイソチモール、または基体1グラム当たり約50マイクログラム~約400マイクログラムのイソチモール、または基体1グラム当たり約100マイクログラム~約250マイクログラムのイソチモールを含んでもよい。
【0050】
特定の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体1グラム当たり約100マイクログラム~約200マイクログラムのイソチモールを含んでもよく、より好ましくは、エアロゾル発生基体1グラム当たり約120マイクログラム~約160マイクログラムのイソチモールを含んでもよい。例えば、イソチモールのレベルは、乾燥重量基準で、エアロゾル発生基体が15重量パーセント~20重量パーセントのオレガノ粒子を含む、本発明の好ましい実施形態に対するこれらの範囲内であり得る。
【0051】
エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約10マイクログラムのチモビドロキノンを含むことが好ましく、基体1グラム当たり少なくとも約25マイクログラムのチモビドロキノンを含むことがより好ましい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約200マイクログラム以下のチモビドロキノンを含むことが好ましく、基体1グラム当たり約150マイクログラム以下のチモビドロキノンを含むことがより好ましく、基体1グラム当たり約100マイクログラム以下のチモビドロキノンを含むことがより好ましい。
【0052】
例えば、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約1.5マイクログラム~約200マイクログラムのチモビドロキノン、または基体1グラム当たり約10マイクログラム~約150マイクログラムのチモビドロキノン、または基体1グラム当たり約25マイクログラム~約100マイクログラムのチモビドロキノンを含んでもよい。
【0053】
特定の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体1グラム当たり約20マイクログラム~約60マイクログラムのチモビドロキノンを含んでもよく、より好ましくは、エアロゾル発生基体1グラム当たり約30マイクログラム~約50マイクログラムのチモビドロキノンを含んでもよい。例えば、チモビドロキノンのレベルは、乾燥重量基準で、エアロゾル発生基体が15重量パーセント~20重量パーセントのオレガノ粒子を含む、本発明の好ましい実施形態に対するこれらの範囲内であり得る。
【0054】
エアロゾル発生基体中の特徴的な化合物の比は、基体1グラム当たりのウルソール酸の量が基体1グラム当たりのイソチモールの量の少なくとも8倍であることが好ましく、基体1グラム当たりのイソチモールの量の少なくとも10倍であることがより好ましい。
【0055】
エアロゾル発生基体中の特徴的な化合物の比は、基体1グラム当たりのウルソール酸の量が基体1グラム当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも25倍であることが好ましく、基体1グラム当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも30倍であることがより好ましい。
【0056】
したがって、ウルソール酸のイソチモールおよびチモビドロキノンに対するこれらの比は、エアロゾル発生基体にオレガノ粒子を包含させることの特徴である。
【0057】
上記で定義されるように、本発明はまた、オレガノ粒子を含む均質化した植物材料で形成されたエアロゾル発生基体を備え、エアロゾル発生基体の加熱に伴い、オレガノの「特徴的な化合物」を含むエアロゾルが発生する、エアロゾル発生物品を提供する。
【0058】
本発明の目的のために、エアロゾル発生基体は「試験方法A」に従って加熱される。試験方法Aでは、エアロゾル発生基体を組み込むエアロゾル発生物品は、カナダ保健省の機械式喫煙レジメン下で、たばこ加熱システム2.2ホルダー(THS2.2ホルダー)内で加熱される。試験方法Aを実施する目的で、エアロゾル発生基体は、THS2.2ホルダーと互換性のあるエアロゾル発生物品に提供される。
【0059】
たばこ加熱システム2.2ホルダー(THS2.2ホルダー)は、Smith et al.,2016,Regul.
Toxicol.
Pharmacol.
81(S2)S82-S92に記載される市販のiQOS装置(Philip Morris Products SA、スイス)に対応する。IQOS装置と併用するためのエアロゾル発生物品がまた市販されている。
【0060】
カナダ保健省の喫煙レジメンは、カナダ法務省発行のHealth Canada 2000-Tobacco Products Information Regulations SOR/2000-273,Schedule 2で定義されているように、明確に定義され、かつ受け入れられている喫煙プロトコルである。試験方法はISO/TR 19478-1:2014に記述されている。カナダ保健省の喫煙試験では、通気が存在する場合には、すべての通気を遮断した状態で、55ミリメートルの吸煙体積、2秒の吸煙持続時間、および30秒の吸煙間隔を用いた12回の吸煙にわたって試料のエアロゾル発生基体からエアロゾルが収集される。
【0061】
それ故に、本発明の文脈では、「試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い」という表現は、カナダ法務省発行のHealth Canada 2000-Tobacco Products Information Regulations SOR/2000-273,Schedule 2に定義されるように、カナダ保健省の機械式喫煙レジメン下で、THS2.2ホルダー内でのエアロゾル発生基体の加熱に伴うことを意味し、この試験方法はISO/TR 19478-1:2014に記述されている。
【0062】
分析の目的のために、エアロゾル発生基体の加熱から発生されるエアロゾルを、使用される分析方法に応じて、適切な装置を使用して閉じ込める。LC-HRAM-MSによる分析のためにサンプルを発生させるための好適な方法では、粒子相は、調整された44mmのCambridgeガラス繊維フィルターパッド(ISO 3308に準拠)およびフィルターホルダー(ISO4387およびISO3308に準拠)を使用して閉じ込められる。残りの気相は、それぞれメタノールおよび内部標準(ISTD)溶液(10mL)を含有する二つの連続したマイクロインピンジャー(20mL)を使用して、フィルターパッドから下流に収集され、ドライアイスとイソプロパノールの混合物を使用して摂氏-60度に維持した。次いで、閉じ込められた粒子相および気相を再び組み合わせ、サンプルを振とうし、5分間攪拌して遠心分離(4500g、5分間、摂氏10度)することによって、メタノールを用いてマイクロインピンジャーから抽出する。結果として得られた抽出物をメタノールで希釈し、Eppendorf ThermoMixer で混合する(摂氏5度、2000rpm)。抽出物からの試験サンプルを、特徴的な化合物を識別するために、フルスキャンモードおよびデータ依存型フラグメンテーションモードの組み合わせで LC-HRAM-MS によって分析する。本発明の目的のため、LC-HRAM-MS分析は、ウルソール酸の識別および定量に適している。
【0063】
GCxGC-TOFMSによる分析のためのサンプルは、同様の方法で発生されうるが、GCxGC-TOFMS分析については、異なる溶媒が、エアロゾル全体から分離された極性化合物、非極性化合物、および揮発性化合物の抽出および分析に適切である。
【0064】
非極性化合物および極性化合物については、エアロゾル全体は、調整された44mmのCambridgeガラス繊維フィルターパッド(ISO 3308に準拠)およびフィルターホルダー(ISO 4387およびISO 3308に準拠)を使用して収集され、続いて、二つのマイクロインピンジャーが直列に接続されて密封される。各マイクロインピンジャー(20mL)は、内部標準(ISTD)および保持指標マーカー(RIM)化合物を含む10mLのジクロロメタン/メタノール(80:20v/v)を含有する。マイクロインピンジャーは、ドライアイスとイソプロパノールの混合物を使用して摂氏-80度に維持される。非極性化合物の分析のために、エアロゾル全体の粒子相を、マイクロインピンジャーの内容物を使用してガラス繊維フィルターパッドから抽出する。結果として得られる抽出物のアリコート(10mL)に水を添加し、上述のようにサンプルを振とうして遠心分離する。ジクロロメタン層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、フルスキャンモードでGCxGC-TOFMSにより分析する。極性化合物の分析については、上述の非極性サンプル調製からの残りの水層を使用する。ISTDおよびRIM化合物を水層に添加し、次いでこれをフルスキャンモードでGCxGC-TOFMSにより直接分析する。
【0065】
揮発性化合物については、エアロゾル全体は、それぞれISTDおよびRIM化合物を含む10mLのN,N-ジメチルホルムアミドで充填された、直列に接続および密封された二つのマイクロインピンジャー(20mL)を使用して収集される。マイクロインピンジャーは、ドライアイスとイソプロパノールの混合物を使用して、摂氏-50度~摂氏-60度に維持される。収集後、二つのマイクロインピンジャーの内容物を組み合わせ、フルスキャンモードでGCxGC-TOFMSによって分析する。
【0066】
本発明の目的のため、GCxGC-TOFMS分析は、イソチモールおよびチモビドロキノンの識別および定量に適している。
【0067】
試験方法Aによる、本発明のエアロゾル発生基体の加熱に伴い発生されるエアロゾルは、好ましくは、上記に定義したように、特徴的な化合物、ウルソール酸、イソチモールおよびチモビドロキノンの量および比によって特徴付けられる。
【0068】
上記に記載されるエアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品では、試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのウルソール酸と、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのイソチモールと、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含むエアロゾルが発生することが好ましい。
【0069】
範囲は、エアロゾル発生基体(本明細書では「基体」とも称される)1グラム当たりの発生されたエアロゾル中の特徴的な化合物のそれぞれの量を定義する。これは、試験方法A中に収集されたエアロゾルにおいて測定された特徴的な化合物の総量を、加熱前のエアロゾル発生基体の乾燥重量で割った量と等しい。
【0070】
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約10マイクログラムのウルソール酸を含むエアロゾルが発生することが好ましい。本発明によるエアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約25マイクログラムのウルソール酸を含むことがより好ましい。
【0071】
代替的にまたはさらに、エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約200マイクログラムのウルソール酸を含むことが好ましい。エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約150マイクログラムのウルソール酸を含むことがより好ましい。エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約100マイクログラムのウルソール酸を含むことがさらにより好ましい。
【0072】
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約5マイクログラムのイソチモールを含むエアロゾルが発生されることが好ましい。本発明によるエアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約10マイクログラムのイソチモールを含むことがより好ましい。
【0073】
代替的に、または追加的に、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約50マイクログラムのイソチモールを含むことが好ましい。エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約35マイクログラムのイソチモールを含むことがより好ましい。エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約25マイクログラムのイソチモールを含むことがなおより好ましい。
【0074】
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約5マイクログラムのチモビドロキノンを含むエアロゾルが発生されることが好ましい。本発明によるエアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約10マイクログラムのチモビドロキノンを含むことがより好ましい。
【0075】
代替的に、または追加的に、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約50マイクログラムのチモビドロキノンを含むことが好ましい。エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約35マイクログラムのチモビドロキノンを含むことがより好ましい。エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約25マイクログラムのチモビドロキノンを含むことがなおより好ましい。
【0076】
好ましくは、試験方法Aの間に本発明によるエアロゾル発生基体から生成したエアロゾルは、乾燥重量基準で、1グラムの基体当たり少なくとも約0.1マイクログラムのニコチンを、より好ましくは、1グラムの基体当たり少なくとも約1マイクログラムのニコチンを、より好ましくは、1グラムの基体当たり少なくとも約2マイクログラムのニコチンをさらに含む。好ましくは、エアロゾルは、乾燥重量基準で、1グラムの基体当たり最大で約10マイクログラムのニコチンを、より好ましくは1グラムの基体当たり最大で約7.5マイクログラムのニコチンを、より好ましくは1グラムの基体当たり最大で約4マイクログラムのニコチンを含む。例えば、エアロゾルは、乾燥重量基準で、1グラムの基体当たり約0.1マイクログラム~約10マイクログラムのニコチンを、または1グラムの基体当たり約1マイクログラム~約7.5マイクログラムのニコチンを、または1グラムの基体当たり約2マイクログラム~約4マイクログラムのニコチンを含んでもよい。本発明の一部の実施形態では、エアロゾルは、ゼロマイクログラムのニコチンを含有してもよい。
【0077】
エアロゾル中のニコチンの量を測定するために、当技術分野で知られている様々な方法を適用することができる。
【0078】
代替的に、または追加的に、試験方法A中に本発明によるエアロゾル発生基体から生成されるエアロゾルは、随意に、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約20ミリグラムのカンナビノイド化合物、より好ましくは基体1グラム当たり少なくとも約50ミリグラムのカンナビノイド化合物、より好ましくは基体1グラム当たり少なくとも約100ミリグラムのカンナビノイド化合物をさらに含み得る。エアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で約250ミリグラムのカンナビノイド化合物を含むことが好ましく、基体1グラム当たり最大で約200ミリグラムのカンナビノイド化合物を含むことがより好ましく、基体1グラム当たり最大で約150ミリグラムのカンナビノイド化合物を含むことがより好ましい。例えば、エアロゾルは、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約20ミリグラム~約250ミリグラムのカンナビノイド化合物、または基体1グラム当たり約50ミリグラム~約200ミリグラムのカンナビノイド化合物、または基体1グラム当たり約100ミリグラム~約150ミリグラムのカンナビノイド化合物を含み得る。本発明の一部の実施形態において、エアロゾルは、ゼロマイクログラムのカンナビノイド化合物を含んでもよい。
【0079】
カンナビノイド化合物は、CBDおよびTHCから選択されることが好ましい。カンナビノイド化合物はCBDであることがより好ましい。
【0080】
当技術分野で公知の様々な方法を適用して、エアロゾル中のカンナビノイド化合物の量を測定することができる。
【0081】
また、試験方法A中に本発明によるエアロゾル発生基体から発生されるエアロゾル中に一酸化炭素が存在する場合があり、エアロゾルをさらに特徴付けるために測定および使用され得る。酸化窒素および二酸化窒素などの窒素の酸化物もエアロゾル中に存在する場合があり、エアロゾルをさらに特徴付けるために測定および使用され得る。
【0082】
本発明によると、試験方法Aの間にエアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、好ましくは基体1グラム当たりのイソチモールの量の少なくとも2倍である、基体1グラム当たりのウルソール酸の量を有する。したがって、ウルソール酸とイソチモールの比は、少なくとも2:1である。より好ましくは、試験方法Aの間にエアロゾル発生基体から発生するエアロゾル中のウルソール酸の量は、基体1グラム当たりのイソチモールの量の少なくとも3倍であり、そのため、ウルソール酸とイソチモールの比は、少なくとも3:1である。
【0083】
本発明によると、試験方法Aの間にエアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、好ましくは基体1グラム当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも2倍である、基体1グラム当たりのウルソール酸の量を有する。したがって、ウルソール酸とチモビドロキノンの比は、少なくとも2:1である。より好ましくは、試験方法Aの間にエアロゾル発生基体から発生するエアロゾル中のウルソール酸の量は、基体1グラム当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも3倍であり、そのため、ウルソール酸とチモビドロキノンの比は、少なくとも3:1である。
【0084】
ウルソール酸とイソチモールおよびチモビドロキノンの定義された比は、オレガノ粒子に由来するエアロゾルを特徴付ける。対照的に、オレガノオイルから生成されるエアロゾルでは、ウルソール酸とイソチモールおよびチモビドロキノンとの比は、大きく異なることになる。
【0085】
試験方法Aの間に本発明によるエアロゾル発生基体から生成されたエアロゾルは、1グラムのエアロゾル発生基体当たり少なくとも約5ミリグラムのエアロゾル形成体を、または1グラムの基体当たり少なくとも約10ミリグラムのエアロゾルを、または1グラムの基体当たり少なくとも約15ミリグラムのエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾルは、1グラムの基体当たり最大で約30ミリグラムのエアロゾル形成体を、または1グラムの基体当たり最大で約25ミリグラムのエアロゾル形成体を、または1グラムの基体当たり最大で約20ミリグラムのエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、エアロゾルは、1グラムの基体当たり約5ミリグラム~約30ミリグラムのエアロゾル形成体を、または1グラムの基体当たり約10ミリグラム~約25ミリグラムのエアロゾル形成体を、または1グラムの基体当たり約15ミリグラム~約20ミリグラムのエアロゾル形成体を含んでもよい。代替的な実施形態では、エアロゾルは、1グラムの基体当たり5ミリグラム未満のエアロゾル形成体を含んでもよい。これは、例えば、エアロゾル形成体が別個にエアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置内に提供される場合、適切である場合がある。
【0086】
本発明で使用するための適切なエアロゾル形成体を、下記に記載する。
【0087】
エアロゾル中のエアロゾル形成体の量を測定するために、当技術分野で知られている様々な方法を適用することができる。
【0088】
上述のように、定義された量および比におけるエアロゾル中の特徴的な化合物の存在は、エアロゾル発生基体を形成する均質化した植物材料におけるオレガノ粒子の包含を示している。
【0089】
本発明によるエアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で少なくとも約0.5重量パーセントのオレガノ粒子を含む均質化したオレガノ材料を含むことが好ましい。好ましくは、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、少なくとも約0.75重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約1.5重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約2.5重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約3重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約4重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約5重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約6重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約7重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも約8重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも9重量パーセントのオレガノ粒子、より好ましくは少なくとも10重量パーセントのオレガノ粒子を含む。
【0090】
本発明の特定の実施形態において、均質化したオレガノ材料を形成する植物粒子は、植物粒子の乾燥重量に基づいて、少なくとも99.5重量パーセントのオレガノ粒子、または少なくとも95重量パーセントのオレガノ粒子、または少なくとも90重量パーセントのオレガノ粒子を含みうる。したがって、こうした実施形態において、エアロゾル発生基体はオレガノ粒子を含み、実質的に他の植物粒子は有さない。例えば、均質化したオレガノ材料を形成する植物粒子は、約100重量パーセントのオレガノ粒子を含み得る。
【0091】
本発明の代替的な実施形態において、均質化したオレガノ材料は、以下に記述されるように、たばこ粒子またはカンナビス粒子のうちの少なくとも一つと組み合わせてオレガノ粒子を含み得る。
【0092】
本発明の以下の説明では、「粒子状植物材料」という用語は、均質化した植物材料を形成するために使用される植物材料の粒子を集合的に指すために使用される。粒子状植物材料は、オレガノ粒子から実質的に成ってもよく、または、オレガノ粒子と、たばこ粒子、カンナビス粒子、またはたばこ粒子およびカンナビス粒子の両方との混合物であってもよい。
【0093】
均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、最大で約100重量パーセントのオレガノ粒子を含み得る。均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、最大で約90重量パーセントのオレガノ粒子を含むことが好ましく、最大で約80重量パーセントのオレガノ粒子を含むことがより好ましく、最大で約70重量パーセントのオレガノ粒子を含むことがより好ましく、最大で約60重量パーセントのオレガノ粒子を含むことがより好ましく、最大で約50重量パーセントのオレガノ粒子を含むことがより好ましい。
【0094】
例えば、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約0.5重量パーセント~約100重量パーセントのオレガノ粒子、または約2.5重量パーセント~約90重量パーセントのオレガノ粒子、または約10重量パーセント~約80重量パーセントのオレガノ粒子、または約15重量パーセント~約70重量パーセントのオレガノ粒子、または約20重量パーセント~約60重量パーセントのオレガノ粒子、または約30重量パーセント~約50重量パーセントのオレガノ粒子を含み得る。
【0095】
本発明の特定の特に好ましい実施形態では、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約15重量パーセント~約20重量パーセントのオレガノ粒子を含む。
【0096】
上述のように、発明者らは、オレガノ植物の特徴であり、したがって、エアロゾル発生基体内にオレガノ植物粒子が含まれていることを示す化合物である、多数の「特徴的な化合物」を識別した。
【0097】
純粋なオレガノ粒子中に存在する特徴的な化合物の量は、エアロゾル発生基体中に存在する量とは異なることが予想される。スラリーまたは懸濁液中の水和、および高温での乾燥を含む基体の作製プロセス、ならびに、エアロゾル形成体などの他の成分の存在は、特徴的な化合物の各々の量を差示的に修正する。製造中の温度および操作対象下にあるオレガノ粒子の完全性および化合物の安定性は、基体中に存在する化合物の最終的な量に影響を与え得る。したがって、オレガノ粒子が様々な物理的形態、例えば、シート、ストランド、および顆粒などの基体に組み込まれた後、特徴的な化合物の互いに対する比は異なることが意図される。
【0098】
エアロゾル発生基体内のオレガノの存在およびエアロゾル発生基体内に提供されるオレガノの割合は、基体内の特徴的な化合物の量を測定し、これを純粋なオレガノ材料中の特徴的な化合物の対応する量と比較することによって決定することができる。特徴的な化合物の存在および量は、当業者に公知であろう任意の好適な技術を使用して実施され得る。
【0099】
適切な技術では、250ミリグラムのエアロゾル発生基体のサンプルを5ミリリットルのメタノールと混合し、振とう、5分間の攪拌および遠心分離(4500g、5分間、摂氏10度)によって抽出する。抽出物のアリコート(300マイクロリットル)をシラン処理されたクロマトグラフィーバイアルに移し、メタノール(600マイクロリットル)および内部標準(ISTD)溶液(100マイクロリットル)で希釈する。バイアルを閉じ、Eppendorf ThermoMixerを使用して5分間混合する(摂氏5度、2000rpm)。結果として得られる抽出物からのサンプルを、特徴的な化合物の識別のために、フルスキャンモードとデータ依存型フラグメンテーションモードの組み合わせでLC-HRAM-MSにより分析する。
【0100】
一部の実施形態では、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、最大で約75重量パーセントのたばこ粒子をさらに含む。
【0101】
例えば、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約10重量パーセント~約75重量パーセントのたばこ粒子を含むことが好ましく、約15重量パーセント~約70重量パーセントのたばこ粒子を含むことがより好ましく、約20重量パーセント~約65重量パーセントのたばこ粒子を含むことがより好ましく、約25重量パーセント~約60重量パーセントのたばこ粒子を含むことがより好ましく、約30重量パーセント~約70重量パーセントのたばこ粒子を含むことがより好ましい。
【0102】
一部の好ましい実施形態では、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約20重量パーセントのオレガノ粒子、および約55重量パーセント~約70重量パーセントのたばこ粒子を含む。
【0103】
均質化したオレガノ材料を形成する粒子状植物材料中のオレガノ粒子およびたばこ粒子の重量比は、エアロゾルの望ましい風味特性および組成に応じて変化し得る。好ましくは、均質化したオレガノ材料は、1:4以下のオレガノ粒子のたばこ粒子に対する重量比を含む。これは、オレガノ粒子が、粒子状植物材料全体の20%以下を占めることを意味する。より好ましくは、均質化したオレガノ材料は、1:5以下、およびより好ましくは1:6以下の、オレガノ粒子のたばこ粒子に対する重量比を含む。
【0104】
例えば、第一の好ましい実施形態では、オレガノ粒子とたばこ粒子の重量比は、1:4である。1:4の比率は、約20重量パーセントのオレガノ粒子および約80重量パーセントのたばこ粒子からなる粒子状植物材料に相当する。約75重量パーセントの粒子状植物材料で形成された均質化したオレガノ材料については、これは、乾燥重量に基づいて、均質化したオレガノ材料中の約15重量パーセントオレガノ粒子、および約60重量パーセントのたばこ粒子に対応する。
【0105】
別の実施形態において、均質化したオレガノ材料は、1:9のオレガノ粒子とたばこ粒子との重量比を含む。さらに別の実施形態において、均質化したオレガノ材料は、1:30のオレガノ粒子とたばこ粒子との重量比を含む。
【0106】
本発明に関して、用語「たばこ粒子」は、Nicotiana種の任意の植物部材の粒子を指す。「たばこ粒子」という用語は、たばこの処理、取り扱い、および発送中に形成された粉砕または粉末たばこ葉ラミナ、粉砕または粉末たばこ葉茎、たばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物を包含する。好ましい実施形態では、たばこ粒子は実質的にすべてがたばこ葉ラミナに由来する。対照的に、単離ニコチンおよびニコチン塩は、たばこに由来する化合物であるが、本発明の目的上、たばこ粒子とは見なされず、粒子状植物材料の割合には含まれない。
【0107】
たばこ粒子は、一つ以上のたばこ植物の品種から調製され得る。任意のタイプのたばこが、ブレンドに使用され得る。使用され得るタイプのたばこの例には、日光乾燥たばこ、火力乾燥たばこ、バーレー種たばこ、メリーランド種たばこ、オリエント種たばこ、バージニア種たばこ、およびその他の特殊たばこが含まれるが、これに限定されない。
【0108】
火力乾燥は、バージニア種たばこで特に使用されるたばこの乾燥方法である。火力乾燥プロセス中、加熱された空気が密集したたばこを通して循環する。第一の段階中に、たばこ葉が黄色くなって枯れる。第二の段階中に、葉のラミナが完全に乾燥する。第三の段階中に、葉の茎が完全に乾燥する。
【0109】
バーレー種たばこは、多くのたばこブレンドにおいて重要な役割を果たしている。バーレー種たばこは独特の風味と芳香を有し、大量のケーシングを吸収する能力を有する。
【0110】
オリエント種は、小さな葉を有し、高い芳香品質を有するたばこの一種である。ただし、オリエント種たばこは、例えばバーレー種よりもマイルドな風味を有する。したがって、概して、オリエント種たばこは、たばこブレンドにおいて比較的少ない割合で使用される。
【0111】
カストリ(Kasturi)、マドゥラ(Madura)、ジャティム(Jatim)は、使用可能な日光乾燥たばこのサブタイプである。カストリたばこおよび火力乾燥たばこがブレンドに使用されてたばこ粒子を生成することが好ましい。したがって、粒子状植物材料中のたばこ粒子は、カストリたばこと火力乾燥たばこのブレンドを含み得る。
【0112】
たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて少なくとも約2.5重量パーセントのニコチン含有量を有し得る。より好ましくは、たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて、少なくとも約3重量パーセントのニコチン含有量を有してもよく、少なくとも約3.2重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約3.5重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約4重量パーセントのニコチン含有量を有し得ることが最も好ましい。エアロゾル発生基体がたばこ粒子をオレガノ粒子と組み合わせて含む場合、より高いニコチン含有量を有するたばこは、オレガノ粒子を含まない典型的なエアロゾル発生基体に対して類似のレベルのニコチンを維持することが好ましいが、これは、そうでなければニコチンの総量がたばこ粒子をオレガノ粒子と置換することに起因して低減することになるためである。
【0113】
あるいは、たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて、約2.5重量パーセント未満のニコチン含有量を有し得る。例えば、たばこ粒子は、約2重量パーセント未満、約1.5重量パーセント未満、または約1重量パーセント未満のニコチン含有量を有し得る。一部の実施形態では、たばこ粒子は、実質的にゼロのニコチンレベルを有し得る。
【0114】
たばこ粒子の含有の結果として、このような実施形態のエアロゾル発生基体およびエアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、たばこの特定の割合の「特徴的な化合物」を含む。たばこから発生される特徴的な化合物には、アナタビン、コチニン、およびダマセノンが含まれるが、これらに限定されない。
【0115】
ニコチンは、随意にエアロゾル発生基体に組み込まれてもよいが、これは本発明の目的上、非たばこ材料とみなされる。ニコチンは、乳酸ニコチン、クエン酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、安息香酸ニコチン、ペクチン酸ニコチン、アルギン酸ニコチン、およびサリチル酸ニコチンから成るリストから選択される一つ以上のニコチン塩を含んでもよい。ニコチンは、低ニコチン含有量のたばこに加えて組み込まれてもよく、またはニコチンは、低減されたたばこ含有量またはゼロのたばこ含有量を有するエアロゾル発生基体の中へと組み込まれてもよい。
【0116】
本発明の特定の実施形態では、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体に組み込まれたニコチン塩などのニコチンを有する、オレガノ粒子のみから成る粒子状植物材料から形成された均質化したオレガノ材料を含む。
【0117】
エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約0.1mgのニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも約0.5mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり少なくとも約1mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり少なくとも約1.5mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり少なくとも約2mgのニコチン、より好ましくは、基体の1グラム当たり少なくとも約3mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり少なくとも約4mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり少なくとも約5mgのニコチンを含むことがより好ましい。
【0118】
エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大約50mgのニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大約45mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり最大約40mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり最大約35mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり最大約30mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり最大約25mgのニコチン、より好ましくは、基体1グラム当たり最大約20mgのニコチンを含むことがより好ましい。
【0119】
例えば、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約0.1mg~約50mgのニコチン、または基体1グラム当たり約0.5mg~約45mgのニコチン、または基体1グラム当たり約1mg~約40mgのニコチン、または基体1グラム当たり約2mg~約35mgのニコチン、または基体1グラム当たり約5mg~約30mgのニコチン、または基体1グラム当たり約10mg~約25mgのニコチン、または基体1グラム当たり約15mg~約20mgのニコチンを含み得る。本発明の特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり約1mg~約20mgのニコチンを含む。
【0120】
エアロゾル発生基体に対する定義された範囲のニコチン含有量は、たばこ材料中に本質的に存在するニコチン、ならびに随意に、例えば、ニコチン塩の形態で、エアロゾル発生基体に別々に添加されたニコチンを含む、エアロゾル発生基体中に存在し得る、すべての形態のニコチンを含む。
【0121】
一部の実施形態において、エアロゾル発生基体は実質的にゼロのニコチンを含む。
【0122】
本発明によるエアロゾル発生基体の均質化したオレガノ材料にたばこ粒子を含めることの代替として、または含めることに加えて、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、最大で75重量パーセントのカンナビス粒子を含み得る。「カンナビス粒子」という用語は、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)などのカンナビス植物の粒子を指す。
【0123】
例えば、粒子状植物材料は、乾燥重量基準で、約40重量パーセント~約75重量パーセントのカンナビス粒子、より好ましくは約45重量パーセント~約60重量パーセントのたばこ粒子、より好ましくは約50重量パーセント~約65重量パーセントのたばこ粒子を含み得る。
【0124】
一つ以上のカンナビノイド化合物は、任意選択的にエアロゾル発生基体に組み込まれてもよいが、これは本発明の目的上、非カンナビス材料とみなされる。本発明に関して本明細書で使用される場合、「カンナビノイド化合物」という用語は、カンナビス植物、すなわち、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)の一部に見られる天然の化合物の任意の一つの種類を説明する。カンナビノイド化合物は雌の頭状花で特に濃縮され、カンナビス油として一般に販売される。カンナビス植物における天然のカンナビノイド化合物は、テトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)を含む。本発明の文脈において、「カンナビノイド化合物」という用語は、天然由来のカンナビノイド化合物および合成的に製造されたカンナビノイド化合物の両方を説明するために使用される。
【0125】
例えば、エアロゾル発生基体は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビバリン(CBV)、カンナビジバリン(CBDV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロル(CBL)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)、およびその組み合わせからなる群から選択されるカンナビノイド化合物を含み得る。
【0126】
均質化したオレガノ材料は、オレガノ粒子、またはオレガノ粒子とたばこ粒子およびカンナビス粒子のうちの少なくとも一つとの組み合わせ(「粒子状植物材料」)に加えて、ある割合のその他の植物風味粒子をさらに含みうる。
【0127】
本発明の目的のために、「その他の植物風味粒子」という用語は、加熱に伴い一つ以上の風味剤を発生する能力を有する非オレガノ、非たばこ、および非カンナビス植物材料の粒子を指す。この用語は、エアロゾル発生基体の感覚出力に寄与しない、セルロースなどの不活性植物材料の粒子を除外するものと考えられる。粒子は、その他の植物からの粉砕または粉末葉ラミナ、果実、葉柄、茎、根、種子、蕾または皮に由来し得る。本発明によるエアロゾル発生基体に含めるための好適な植物風味粒子は、当業者に公知であり、クローブ粒子、茶粒子、竹粒子、工業用麻粒子およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0128】
均質化したオレガノ材料の組成物は、有利なことに、異なる植物粒子の望ましい量および種類をブレンドすることによって調整されうる。これは、エアロゾル発生基体は、例えば従来のカットフィラーの製造の場合のように、異なるブレンドの組み合わせまたは混合を必要とせずに、望ましい場合、単一の均質化したオレガノ材料から形成することを可能にする。したがって、エアロゾル発生基体の製造が潜在的に簡略化されうる。
【0129】
本発明のエアロゾル発生基体に使用される粒子状植物材料は、望ましい粒子サイズ分布を提供するように適合され得る。本明細書の粒子サイズ分布は、D値として述べられ、これによってD値は、所与のD値以下の直径を有する粒子の数の割合を指す。例えば、D95粒子サイズ分布では、粒子の95パーセントの数が所与のD95値以下の直径であり、粒子の5パーセントの数が所与のD95値よりも大きい直径である。同様に、D5粒子サイズ分布では、粒子の5パーセントの数がD5値以下の直径であり、粒子の95パーセントの数が所与のD5値よりも大きい直径である。したがって、組み合わせて、D5およびD95値は、粒子状植物材料の粒子サイズ分布の表示を提供する。
【0130】
粒子状植物材料は、50ミクロン以上のD95値~400ミクロン以下のD95値を有し得る。これは、粒子状植物材料が所与の範囲内の任意のD95値によって表される分布のものであり得ることを意味しており、すなわち、D95は、50ミクロン、またはD95は55ミクロン等であってもよく、D95は最大で400ミクロンまでであり得る。この範囲内のD95値を提供することによって、比較的大きな植物粒子を均質化したオレガノ材料内に包含することが回避される。このような大きな植物粒子からのエアロゾルの発生は比較的非効率である可能性が高いため、これは望ましい。さらに、均質化したオレガノ材料に大きな植物粒子を包含することは、材料の一貫性に悪影響を及ぼしうる。
【0131】
粒子状植物材料は、約50ミクロン以上のD95値~約350ミクロン以下のD95値、より好ましくは約75ミクロン以上のD95値~約300ミクロン以下のD95値を有し得ることが好ましい。粒子状オレガノ材料および粒子状たばこ材料は両方とも、約50ミクロン以上のD95値~約400ミクロン以下のD95値、好ましくは75ミクロン以上のD95値~約350ミクロン以下のD95値、より好ましくは約100ミクロン以上のD95値~約300ミクロン以下のD95値を有し得る。
【0132】
粒子状植物材料は、約10ミクロン以上のD5値~約50ミクロン以下のD5値を有し得ることが好ましく、約20ミクロン以上のD5値~約40ミクロン以下のD5値を有することがより好ましい。この範囲内でD5値を提供することによって、均質化したオレガノ材料に非常に小さなダスト粒子が含まれることが回避され、これは製造の観点から望ましい場合がある。
【0133】
一部の実施形態において、オレガノ粒子を含有する粒子状植物材料は、望ましい粒子サイズ分布を有する粒子を形成するために故意に粉砕されてもよい。故意に粉砕された植物材料の使用は有利なことに、粒子状植物材料の均質性および均質化したオレガノ材料の一貫性を改善する。
【0134】
粒子状植物材料の100パーセントの直径は、約300ミクロン以下、より好ましくは約275ミクロン以下であってもよい。粒子状オレガノ材料の100パーセントおよび粒子状たばこ材料の100パーセントの直径は、約300ミクロン以下、より好ましくは約275ミクロン以下であってもよい。オレガノ粒子の粒子サイズ範囲は、オレガノ粒子を既存のキャストリーフプロセスにおいてたばこ粒子と組み合わせることを可能にする。
【0135】
均質化したオレガノ材料は、好ましくは、乾燥重量基準で、上述のようにオレガノ粒子を含む、少なくとも約55重量パーセントの粒子状植物材料、より好ましくは少なくとも約60重量パーセントの粒子状植物材料、より好ましくは少なくとも約65重量パーセントの粒子状植物材料を含む。均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約95重量パーセント以下の粒子状植物材料を含むことが好ましく、約90重量パーセント以下の粒子状植物材料を含むことがより好ましく、約85重量パーセント以下の粒子状植物材料を含むことがより好ましい。例えば、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約55重量パーセント~約95重量パーセントの粒子状植物材料、または約60重量パーセント~約90重量パーセントの粒子状植物材料、または約65重量パーセント~約85重量パーセントの粒子状植物材料を含みうる。一つの特に好ましい実施形態において、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で約75重量パーセントの粒子状植物材料を含む。
【0136】
したがって、粒子状植物材料は、典型的には、一つ以上の他の成分と組み合わされて、均質化したオレガノ材料を形成する。
【0137】
上記で定義されるように、均質化したオレガノ材料は、エアロゾル形成体をさらに含む。揮発に伴い、エアロゾル形成体は、エアロゾル中のニコチンおよび風味剤などの、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される他の気化した化合物を搬送することができる。エアロゾル発生基体からの特定の化合物のエアロゾル化は、その沸点によってのみ決定されるものではない。エアロゾル化される化合物の量は、基体の物理的形態によって、ならびに基体中にも存在する他の成分によって影響を受け得る。エアロゾル化の温度および時間枠下の化合物の安定性はまた、エアロゾル中に存在する化合物の量にも影響を与える。
【0138】
均質化したオレガノ材料内の包含のために適切なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、また多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-、またはトリアセテート)、およびモノ-、ジ-、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。均質化したオレガノ材料は、単一のエアロゾル形成体、または二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含み得る。
【0139】
均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約10重量%~約25重量%、または乾燥重量基準で、約15重量%~約20重量%など、乾燥重量基準で、約5重量%~約30重量%のエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。
【0140】
例えば、基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を含み得ることが好ましい。基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、エアロゾル形成体はグリセロールであることが好ましい。
【0141】
他の実施形態では、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で約1重量パーセント~約5重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。例えば、基体が、エアロゾル形成体が基体から分離された貯蔵部内に保持されるエアロゾル発生物品での使用を意図される場合、基体は、1パーセントよりも大きく、約5パーセント未満のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。こうした実施形態において、エアロゾル形成体は加熱に伴い揮発し、エアロゾル形成体の流れは、エアロゾル中のエアロゾル発生基体からの風味を混入するようにエアロゾル発生基体と接触する。
【0142】
エアロゾル形成体は、エアロゾル発生基体において湿潤剤として作用しうる。
【0143】
代替的に、または追加的に、均質化したオレガノ材料は、酸をさらに含み得る。酸はカルボン酸を含み得る。カルボン酸はケトン基を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、レブリン酸または乳酸などの約10個未満の炭素原子、または約6個未満の炭素原子または約4個未満の炭酸原子を有するケトン基を含み得る。酸を含めることは、以下に記載されるように、エアロゾル発生基体がゲルの形態である場合に特に有利であり得る。
【0144】
上記で定義したように、均質化したオレガノ材料は、粒子状植物材料の機械的特性を変化させるための結合剤をさらに含み、ここで、結合剤は、本明細書に記載のように、製造中に均質化したオレガノ材料に含まれる。当業者に公知である好適な外来性結合剤は、当技術分野で公知であり、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガムおよびローカストビーンガムなどのガム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーガムを含むことが好ましい。
【0145】
結合剤は、均質化したオレガノ材料の乾燥重量基準で、約1重量%~約10重量%の量、好ましくは、均質化したオレガノ材料の乾燥重量基準で、約2重量%~約5重量%の量で存在することが好ましい。
【0146】
加えて、均質化したオレガノ材料は、任意選択で、揮発性成分(例えば、エアロゾル形成体、(E)-アネトール、およびニコチン)の拡散率を促進するための一つ以上の脂質をさらに含んでもよく、脂質は、本明細書に記載されるように、製造中に均質化したオレガノ材料中に含まれる。均質化した植物材料に含めるための好適な脂質には、以下に限定されないが、中鎖トリグリセリド、ココアバター、パーム油、パーム核油、マンゴー油、シアバター、大豆油、綿実油、ココナッツ油、水素化されたココナッツ油、カンデリラワックス、カルナウバワックス、シェラック、ヒマワリワックス、ヒマワリ油、ライスブラン、およびRevel A、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0147】
代替的に、または追加的に、均質化したオレガノ材料は、pH調製剤を更に含んでもよい。
【0148】
代替的に、または追加的に、均質化したオレガノ材料は、均質化したオレガノ材料の機械的特性を変化させるために補強繊維をさらに含んでもよく、ここで、補強繊維は、本明細書に記載する製造中に均質化したオレガノ材料に含まれる。均質化したオレガノ材料中に含めるための好適な外来性繊維は当業界で公知であり、セルロース繊維、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、非たばこ材料および非オレガノ材料から形成された繊維を含む。たばこおよび/またはオレガノに由来する外来性繊維を添加することもできる。均質化したオレガノ材料に添加される任意の繊維は、上記に定義された「粒子状植物材料」の一部を形成するとはみなされない。均質化したオレガノ材料に含める前に、繊維は当技術分野で公知の好適なプロセスによって処理されてもよく、これには機械式パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白化、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。典型的には、繊維は、その幅よりも大きな長さを有する。
【0149】
好適な繊維は、典型的には、400マイクロメートルよりも大きく、4mm以下の長さ、好ましくは0.7mm~4mmの範囲内の長さを有する。繊維は、基体の乾燥重量で、少なくとも約2重量パーセントの量で存在することが好ましい。均質化したオレガノ材料中の繊維の量は、材料のタイプ、特に、均質化したオレガノ材料を生成するために使用される方法に依存し得る。一部の実施形態では、繊維は、基体の乾燥重量で、約2重量パーセント~約15重量パーセントの量、最も好ましくは、約4重量パーセントの量で存在し得る。例えば、このレベルの繊維は、均質化した植物材料がキャストリーフの形態であるところに存在し得る。他の実施形態では、繊維は、少なくとも約30重量パーセント、または少なくとも約40重量パーセントの量で存在し得る。例えば、このより高いレベルの繊維は、均質化したオレガノ材料が製紙プロセスにおいて形成されるオレガノ紙である場合に提供される可能性が高い。
【0150】
本発明の好ましい実施形態では、均質化したオレガノ材料は、オレガノ粒子、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体、および約1重量パーセント~約10重量パーセントの結合剤を含む。こうした実施形態では、均質化したオレガノ材料は、好ましくは、約2重量パーセント~約15重量パーセントの繊維をさらに含む。特に好ましくは、結合剤は、グアーガムである。
【0151】
本発明によるエアロゾル発生基体の均質化した植物材料は、単一のタイプの均質化した植物材料、または相互に異なる組成または形態を有する二つ以上の種類の均質化した植物材料を含み得る。例えば、一実施形態において、エアロゾル発生基体は、同一の均質化した植物材料のシート内に含まれるオレガノ粒子およびたばこ粒子またはカンナビス粒子を含む。しかしながら、他の実施形態において、エアロゾル発生基体は、相互に異なるシート内に、たばこ粒子またはカンナビス粒子、およびオレガノ粒子を含んでもよい。
【0152】
均質化したオレガノ材料は、固体またはゲルの形態であることが好ましい。しかしながら、一部の実施形態において、均質化した材料は、ゲルではない固体の形態であってもよい。均質化した材料は、膜の形態ではないことが好ましい。
【0153】
均質化した植物材料は、任意の好適な形態で提供されうる。例えば、均質化したオレガノ材料は、一つ以上のシートの形態であり得る。本発明に関して本明細書で使用される場合、「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を記述する。
【0154】
別の方法として、または追加的に、均質化したオレガノ材料は、複数のペレットまたは顆粒の形態であってもよい。
【0155】
別の方法として、または追加的に、均質化したオレガノ材料は、カートリッジもしくはシーシャ消耗品を充填することができる、またはシーシャ装置で使用することができる形態であってもよい。本発明は、均質化したオレガノ材料を含むカートリッジまたはシーシャ装置を含む。
【0156】
別の方法として、または追加的に、均質化したオレガノ材料は、複数のストランド、細片、または断片の形態であってもよい。本明細書で使用される場合、「ストランド」という用語は、その幅および厚さより実質的に大きい幅および長さを有する材料の細長い要素を記述する。「ストランド」という用語は、細片、断片、および類似の形態を有する任意のその他の均質化したオレガノ材料を包含するものとみなされるべきである。均質化したオレガノ材料のストランドは、例えば切断する若しくは細かく切ることによって、または他の方法、例えば押出成形方法によって、均質化したオレガノ材料のシートから形成されてもよい。
【0157】
いくつかの実施形態では、ストランドは、エアロゾル発生基体の形成中の均質化したオレガノ材料のシートの分割又は分解の結果として、例えば、捲縮の結果として、エアロゾル発生基体内の原位置で形成され得る。エアロゾル発生基体内の均質化したオレガノ材料のストランドは、相互から分離されてもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体内の均質化したオレガノ材料の各ストランドは、ストランドの長さに沿った隣接した一つまたは複数のストランドに少なくとも部分的に接続されてもよい。例えば、隣接したストランドは、一つ以上の繊維によって接続されてもよい。これは例えば、上述の通り、エアロゾル発生基体の製造中の均質化したオレガノ材料のシートの分割に起因してストランドが形成されている場合に生じる場合がある。
【0158】
エアロゾル発生基体は、均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートの形態であることが好ましい。本発明の様々な実施形態では、均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、キャスティングプロセスによって生成されてもよい。本発明の様々な実施形態では、均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、製紙プロセスによって生成されてもよい。本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、100マイクロメートル~600マイクロメートル、好ましくは150マイクロメートル~350マイクロメートル、最も好ましくは200マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さを有し得る。個々の厚さは個々のシートの厚さを指し、組み合わされた厚さはエアロゾル発生基体を構成する全てのシートの合計厚さを指す。例えば、エアロゾル発生基体が二つの個々のシートから形成される場合、組み合わされた厚さは、二つの個々のシートの厚さ、または二つのシートの測定された厚さの合計であり、二つのシートはエアロゾル発生基体内に積み重ねられる。
【0159】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、約100g/m2~約300g/m2の坪量を有し得る。
【0160】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、約0.3g/cm3~約1.3g/cm3の密度を有してもよく、約0.7g/cm3~約1.0g/cm3の密度を有することが好ましい。
【0161】
「引張強さ」という用語は、本明細書を通して、均質化したオレガノ材料のシートを破壊するまで引き伸ばすために必要な力の測定値を示すために使用される。より具体的には、引張強さはシート材料が破壊する前に耐えることになる単位幅当たりの最高引張り力であり、シート材料の機械方向または交差方向で測定される。これはニュートン/材料のメートル(N/m)の単位で表現される。シート材料の引張強さ測定のための試験は周知である。好適な試験は、下記の表題で2014年版国際標準ISO 1924-2に説明されている。「紙および板紙-引張特性試験方法-第2部:定速伸長法」。
【0162】
ISO1924-2に従って試験を実施するために必要な材料および設備は、汎用引張/圧縮試験機(Instron 5566、または同等品)と、100ニュートンの引張ロードセル(インストロン、または同等品)と、二つの空圧作動式のグリップと、180±0.25ミリメートルの長さの鋼ゲージブロック(幅:約10ミリメートル、厚さ:約3ミリメートル)と、ダブルブレードストリップカッター(サイズ15±0.05x約250ミリメートル、Adamel Lhomargy、または同等品)と、外科用メスと、コンピュータ作動取得ソフトウェア(マーリン、または同等品)と、圧縮空気とである。
【0163】
サンプルを、まず、試験の前に、均質化したオレガノ材料のシートを摂氏22±2度、相対湿度60±5%で少なくとも24時間調整することによって調製する。次いで、ダブルブレードストリップカッターで、機械方向または横断方向にサンプルを約250×15±0.1ミリメートルに切断する。試験片の端は、三つを越える試験用標本を同時に切断しないように、きちんと切断しなければならない。
【0164】
引張/圧縮試験装置は、100ニュートンの引張ロードセルを設置し、汎用引張/圧縮試験機とコンピュータの電源を入れ、ソフトウェアで事前定義された測定方法を選択し、試験速度を8ミリメートル/分に設定することでセットアップされる。次いで、引張ロードセルを較正し、空気圧作用グリップを取り付ける。空圧作動式のグリップ間の試験距離を鋼ゲージブロックによって180±0.5ミリメートルに調節し、距離および力をゼロに設定する。
【0165】
次いで、試験用標本をグリップ間にまっすぐにかつ中央に置き、試験対象の領域に指が触れることを回避する。上側グリップを閉じ、紙細片を開かれた下側グリップ内につるす。力をゼロに設定する。紙細片を軽く引き下げてから、下側グリップを閉じるが、開始時の力は0.05~0.20ニュートンでなければならない。上側グリップが上方向に移動する間、試験用標本が破断するまで徐々に増大する力がかけられる。残りの試験用標本で同じ手順を繰り返す。結果は、試験用標本が、グリップが10ミリメートルを越える距離で離れるよう移動する時に破断した時に有効である。そうでない場合、その結果を不合格にして、追加的な測定を実施する。
【0166】
利用可能な均質化したオレガノ材料の試験用標本が、上述のように、ISO1924-2に従う試験において記述されたサンプルよりも小さい場合、試験用標本の利用可能なサイズを収容するために、試験を容易にスケールダウンすることができる。
【0167】
本明細書に記載する均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、各々個別に、公差方向のピークにおいて、50N/m~400N/m、または好ましくは150N/m~350N/mの引張強さを有しうる。シート厚さが引張強さに影響を与えること、およびシートのバッチが厚さの変動を示す場合を考慮すると、値を特定のシート厚さに正規化することが望ましい場合がある。
【0168】
本明細書に記載する一つ以上のシートは、各々個別に、機械方向のピークにおいて100N/m~800N/m、または好ましくは280N/m~620N/mの引張強さを有して、215μmのシート厚さに正規化され得る。機械方向とは、シート材料がボビン上に巻かれる、またはボビンから巻き出されて機械に供給される方向を指し、公差方向とは、機械方向に直角を成す。引張強さのこうした値は、本明細書に記載のシートおよび方法を、機械的応力を伴う後続動作に対して特に好適にする。
【0169】
上記に定義するレベルの厚さ、坪量、および引張強さを有するシートの提供は、有利なことに、エアロゾル発生基体を形成するためのシートの機械加工性を最適化し、シートの引き裂きなどの損傷がシートの高速処理中に回避されることを確実にする。
【0170】
エアロゾル発生基体が均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートを含む本発明の実施形態において、シートは、一つ以上のシートの集合体の形態であることが好ましい。本明細書で使用される「集合」という用語は、均質化したオレガノ材料のシートが、プラグまたはロッドの円筒軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされる、折り畳まれる、または別の方法で圧縮または収縮されていることを意味する。シートを「集合する」工程は、シートの必要な横断方向の圧縮を提供する任意の適切な手段によって実行されてもよい。
【0171】
本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端との間に延びる、エアロゾル発生物品の主な長軸方向軸に対応する方向を指す。使用中、空気は長軸方向でエアロゾル発生物品を通して引き出される。「横断方向」という用語は、長軸方向軸に対して直角を成す方向を指す。本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、長軸方向における構成要素の寸法を指し、また「幅」という用語は、横断方向における構成要素の寸法を指す。例えば、円形断面を有するプラグまたはロッドの場合、最大幅は円の直径に対応する。
【0172】
本明細書で使用される場合、「プラグ」という用語は、実質的に多角形状、円形状、長円形状、または楕円形状の断面を有する概して円筒状の要素を意味する。本明細書で使用される場合、「ロッド」という用語は、実質的に多角形状の断面、および好ましくは円形状、長円形状または楕円形状の断面の、概して円筒状の要素を指す。ロッドは、プラグの長さ以上の長さを有してもよい。典型的に、ロッドは、プラグの長さより長い長さを有する。ロッドは、長軸方向に整列していることが好ましい、一つ以上のプラグを備えてもよい。
【0173】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を記述する。気流経路の下流端は、エアロゾルが物品のユーザーに送達される端である。
【0174】
均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、その長手方向軸に対して横断方向に集合され、またラッパーで取り囲まれて連続的なロッドまたはプラグを形成してもよい。連続的なロッドは、複数の個別のロッドまたはプラグへと切り離されてもよい。ラッパーは、以下でより詳細に記載するように、紙ラッパーまたは非紙ラッパーとし得る。
【0175】
別の方法として、均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、上記で言及された通りに、ストランドへと切断されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化したオレガノ材料の複数のストランドを含む。ストランドは、プラグを形成するために使用されてもよい。典型的に、こうしたストランドの幅は、少なくとも約0.2mm、または少なくとも約0.5mmである。こうしたストランドの幅は、約5mm、または約4mm、または約3mm、または約1.5mm以下であることが好ましい。例えば、ストランドの幅は、約0.25mm~約5mm、または約0.25mm~約3mm、または約0.5mm~約1.5mmであってもよい。
【0176】
ストランドの長さは、約5mmより長い、例えば、約5mm~約20mm、または約8mm~約15mm、または約12mmであることが好ましい。ストランドは、相互に実質的に同じ長さを有することが好ましい。ストランドの長さは、それによってロッドがより短いプラグに切断される製造プロセスによって決定されてもよく、ストランドの長さはプラグの長さに対応する。ストランドは壊れやすく、特に移行中に破損する可能性がある。こうした場合、ストランドの一部の長さは、プラグの長さよりも短くなり得る。
【0177】
複数のストランドは、長手方向軸と整列して、実質的に長手方向にエアロゾル発生基体の長さに沿って延在することが好ましい。したがって、複数のストランドは相互に実質的に平行に整列していることが好ましい。エアロゾル発生材料の複数の長軸方向ストランドは、好ましくは、実質的に非コイル状である。
【0178】
均質化したオレガノ材料のストランドは、好ましくは、各々、少なくとも約0.02ミリグラム毎平方ミリメートルの、より好ましくは少なくとも約0.05ミリグラム毎平方ミリメートルの質量対表面積比を有する。均質化したオレガノ材料のストランドは、好ましくは、各々、約0.2ミリグラム毎平方ミリメートル以下の、より好ましくは約0.15ミリグラム毎平方ミリメートル以下の質量対表面積比を有する。質量対表面積比は、均質化したオレガノ材料のストランドの質量をミリグラムで、均質化したオレガノ材料のストランドの幾何学的表面積を平方ミリメートルで割ることによって計算される。
【0179】
均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、捲縮、エンボス加工、または穿孔によってテクスチャ加工されてもよい。一つ以上のシートは、集合される前に、またはストランドへと切断される前に、テクスチャ加工されてもよい。均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、均質化したオレガノ材料が捲縮したシートの形態、より好ましくは捲縮したシートの集合体の形態となりうるように、集合の前に捲縮されることが好ましい。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、通常物品の長軸方向に整列されている複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
【0180】
一実施形態において、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の単一のプラグの形態であってもよい。エアロゾル発生基体のプラグは、均質化したオレガノ材料の複数のストランドを含みうることが好ましい。エアロゾル発生基体のプラグは、均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートを含みうることが最も好ましい。均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートは、実質的にプラグの円筒軸に平行な複数の隆起または波形を有するように捲縮されうることが好ましい。この処理は、有利なことに、均質化したオレガノ材料の捲縮したシートを集合してプラグを形成することを容易にする。均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートが集合され得ることが好ましい。当然のことながら、均質化したオレガノ材料の捲縮したシートは、別の方法として又は追加的に、プラグの円筒軸に対して鋭角又は鈍角をなす複数の実質的に平行な隆起又は波形を有し得る。シートは、シートの完全性が複数の平行な隆起部または波形において中断され、材料の分離を引き起こし、均質化したオレガノ材料の断片、ストランドまたは細片の形成をもたらす程度に捲縮され得る。
【0181】
エアロゾル発生基体の別の実施形態では、均質化した植物材料は、第一の均質化した植物材料を含む第一のプラグと、第二の均質化した植物材料を含む第二のプラグと、を含み、ここで、第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料は、異なるレベルのオレガノ粒子およびたばこ粒子を含む。例えば、第一の均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、約50重量パーセント~約75重量パーセントのオレガノ粒子を含んでもよく、第二の均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、約50重量パーセント~約75重量パーセントのたばこ粒子を含む。全体として、本発明によれば、エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、少なくとも2.5重量パーセントのオレガノ粒子、および最大で70重量パーセントのたばこ粒子を含むことが好ましい。
【0182】
かかる配置では、第一の均質化した植物材料は、好ましくは、第二の均質化した植物材料よりも高い割合のオレガノ粒子を有する第一の粒子状植物材料を含む。第二の均質化した植物材料は、実質的にはオレガノ粒子のない均質化したたばこ材料であってもよい。
【0183】
好ましくは、第一の均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態であってもよく、第二の均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態であってもよい。
【0184】
任意選択的に、エアロゾル発生基体は、一つ以上のプラグを含んでもよい。基体は、第一のプラグおよび第二のプラグを含んでもよく、第一の均質化した植物材料は第一のプラグ内に位置し、第二の均質化した植物材料は第二のプラグ内に位置し得ることが好ましい。
【0185】
二つ以上のプラグは、端と端をつないで当接関係で組み合わせられてロッドを形成するように延在してもよい。二つのプラグは、それらの間に隙間を有して長軸方向に定置され、それによってロッド内に空洞を作り出してもよい。プラグは、ロッド内の任意の適切な配設にあってもよい。
【0186】
例えば、好ましい配設では、主な割合のオレガノ粒子を含む下流プラグが、主な割合のたばこ粒子を含む上流プラグに当接してロッドを形成してもよい。また、それぞれのプラグの上流および下流位置が互いに対して変更される代替な構成も想定される。第三の均質化した植物材料が異なる割合のオレガノ粒子、およびたばこ粒子を含有して第三のプラグを形成する、代替的な構成もまた想定される。二つ以上のプラグが提供される場合、均質化した植物材料は、各プラグにおいて同じ形態で、または各プラグにおいて異なる形態で、すなわち、集合されて、または細断されて提供され得る。一つ以上のプラグは、任意選択的に、以下に記載されるように、熱伝導性シート材料に個別にまたは一緒に包装されてもよい。
【0187】
第一のプラグは、第一の均質化した植物材料の一つ以上のシートを含んでもよく、第二のプラグは、第二の均質化した植物材料の一つ以上のシートを含んでもよい。プラグの長さの合計は、約10mm~約40mm、好ましくは約10~約15mm、より好ましくは約12mmであってもよい。第一のプラグおよび第二のプラグは、同じ長さであってもよく、または異なる長さを有してもよい。第一のプラグおよび第二のプラグが同じ長さを有する場合、各プラグの長さは、好ましくは約6mm~約20mmであり得る。第二のプラグは、基体におけるたばこ粒子とオレガノ粒子の望ましい比を提供するために、第一のプラグよりも長くてもよいことが好ましい。概して、好ましくは、基体は、乾燥重量基準で、0~75重量パーセントのたばこ粒子および0.5~75重量パーセントのオレガノ粒子を含んでもよい。第二のプラグは、第一のプラグよりも少なくとも40パーセント~50パーセント長いことが好ましい。
【0188】
第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料が一つ以上のシートの形態である場合、第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料の一つ以上のシートは、シートの集合体であり得ることが好ましい。第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料の一つ以上のシートは、捲縮したシートであり得ることが好ましい。当然のことながら、単一の均質化した植物材料が存在する実施形態に関して説明される他のすべての物理的特性は、第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料が存在する実施形態に等しく適用可能である。さらに、当然のことながら、単一の均質化した植物材料が存在する実施形態に関する添加剤(例えば、結合剤、脂質、繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、およびそれらの組み合わせ)の説明は、第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料が存在する実施形態に等しく適用可能である。
【0189】
エアロゾル発生基体のさらなる別の実施形態において、第一の均質化した植物材料は第一のシートの形態であり、第二の均質化した植物材料は第二のシートの形態であり、第二のシートは少なくとも部分的に第一のシートの上にある。
【0190】
第一のシートがテクスチャ加工されたシートであって、第二のシートがテクスチャ加工されていないシートであってもよい。
【0191】
第一および第二のシートの両方は、テクスチャ加工されたシートであってもよい。
【0192】
第一のシートは、第二のシートとは異なる方法でテクスチャ加工されたテクスチャ加工されたシートであってもよい。例えば、第一のシートが捲縮されて、第二のシートが穿孔されてもよい。代替的に、第一のシートが穿孔されて、第二のシートが捲縮されてもよい。
【0193】
第一および第二のシートの両方は、互いに形態的に異なる捲縮したシートであってもよい。例えば、第二のシートは、第一のシートと比較して、一シート単位幅当たり異なる数の捲縮を有して捲縮されてもよい。
【0194】
シートを集合してプラグを形成してもよい。集合してプラグを形成するシートは、異なる物理的寸法を有してもよい。シートの幅および厚さは変化してもよい。
【0195】
それぞれが異なる厚さを有する、またはそれぞれが異なる幅を有する二つのシートを集合することが望ましい場合がある。これにより、プラグの物理的特性が変化し得る。これは、異なる化学組成のシートからの、エアロゾル発生基体のブレンドされたプラグの形成を容易にし得る。
【0196】
第一のシートは第一の厚さを有してもよく、第二のシートは第一の厚さの倍数である第二の厚さを有してもよく、例えば、第二のシートは、第一の厚さの二倍または三倍の厚さを有してもよい。
【0197】
第一のシートが第一の幅を有してもよく、第二のシートが第一の幅とは異なる第二の幅を有してもよい。
【0198】
第一のシートおよび第二のシートは、一緒に集合される前、または一緒に集合される時点で、重なり合う関係で配設され得る。シートは、同じ幅および厚さを有してもよい。シートは異なる厚さを有してもよい。シートは異なる幅を有してもよい。シートは、異なるようにテクスチャ加工されてもよい。
【0199】
第一のシートおよび第二のシートの両方がテクスチャ加工されることが望ましい場合、シートは、集合される前に同時にテクスチャ加工されてもよい。例えば、シートは、重なり合う関係にされて一対の捲縮ローラーなどのテクスチャ加工手段を通過してもよい。同時捲縮のための適切な装置およびプロセスは、WO-A-2013/178766の
図2を参照して説明される。好ましい実施形態において、第二の均質化した植物材料の第二のシートは、第一の均質化した植物材料の第一のシートの上にあり、組み合わされたシートは、集合してエアロゾル発生基体のプラグを形成する。任意選択的に、シートは、集合の前に一緒に捲縮されて集合を容易にしてもよい。
【0200】
代替的に、各シートは別個にテクスチャ加工された後、一緒にプラグへと集合されてもよい。例えば、二つのシートが異なる厚さを有する場合、第一のシートを第二のシートに対して異なるように捲縮することが望ましい場合がある。
【0201】
当然のことながら、単一の均質化した植物材料が存在する実施形態に関して説明される他のすべての物理的特性は、第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料が存在する実施形態に等しく適用可能である。さらに、当然のことながら、単一の均質化した植物材料が存在する実施形態に関する添加剤(例えば、結合剤、脂質、繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、およびそれらの組み合わせ)の説明は、第一の均質化した植物材料および第二の均質化した植物材料が存在する実施形態に等しく適用可能である。
【0202】
本発明によるエアロゾル発生基体で使用される均質化した植物材料は、製紙、キャスティング、軟塊再構成、押出成形または任意のその他の適切なプロセスを含む様々な方法によって生成されうる。
【0203】
均質化したオレガノ材料は、「キャストリーフ」の形態であることが好ましい。「キャストリーフ」という用語は本明細書において、植物粒子(例えば、オレガノ粒子、または混合物中のたばこ粒子およびオレガノ粒子)および結合剤(例えば、グアーガム)を含むスラリーを支持表面(ベルトコンベヤーなど)上にキャスティングすることと、スラリーを乾燥させることと、乾燥したシートを支持表面から取り外すこととに基づくキャスティングプロセスによって作製されたシート製品を指すために使用される。キャスティングまたはキャストリーフプロセスの一実施例は、例えばキャストリーフたばこの作製についての米国特許第A-5,724,998号に記載されている。キャストリーフプロセスでは、粒子状植物材料を液体成分、典型的には水と混合してスラリーを形成する。スラリー中のその他の添加される構成成分には、繊維、結合剤、およびエアロゾル形成体が含まれ得る。粒子状植物材料は、結合剤の存在下で凝集されうる。スラリーは、支持表面上にキャストされ、乾燥されて、均質化したオレガノ材料のシートを形成する。
【0204】
ある特定の好ましい実施形態では、本発明による物品で使用される均質化したオレガノ材料は、キャスティングによって製造される。キャスティングプロセスによって作製される均質化したオレガノ材料は、典型的には、凝集した粒子状植物材料を含む。
【0205】
キャストリーフプロセスでは、実質的にすべての可溶性画分が植物材料内に保持されるので、ほとんどの風味は有利なことに保たれる。追加的に、エネルギー集約的な製紙工程も回避される。
【0206】
本発明の一つの好ましい実施形態において、均質化したオレガノ材料を形成するために、粒子状植物材料、水、結合剤、およびエアロゾル形成体を含む混合物が形成される。混合物からシートが形成され、次いで、シートは乾燥される。混合物は水性混合物であることが好ましい。本明細書で使用される場合、「乾燥質量」は、割合で表現された、混合物中のすべての水以外の構成成分の重量の総和に対する粒子状の水以外の構成成分の重量を指す。水性混合物の組成は、「乾燥質量割合」によって言及されてもよい。これは、割合として表現される、水性混合物全体の重量に対する水以外の構成成分の重量を指す。
【0207】
混合物はスラリーであってもよい。本明細書で使用される場合、「スラリー」は、比較的低い乾燥質量を有する均質化した水性混合物である。本明細書の方法で使用される場合、スラリーは、好ましくは5パーセント~60パーセントの乾燥質量を有してもよい。
【0208】
別の方法として、混合物は軟塊であってもよい。本明細書で使用される場合、「軟塊」とは、比較的高い乾燥質量を有する水性混合物である。本明細書の方法で使用される場合、軟塊は、好ましくは、少なくとも60パーセント、より好ましくは少なくとも70パーセントの乾燥質量を有してもよい。
【0209】
30パーセント超の乾燥質量を含むスラリーおよび軟塊が、本発明の方法のある特定の実施形態では好ましい場合がある。
【0210】
粒子状植物材料、水、およびその他の随意の構成成分を混合する工程は、任意の適切な手段によって実行されてもよい。低粘度の混合物、すなわち一部のスラリーについては、混合は、高エネルギーミキサーまたは高剪断ミキサーを使用して実施されることが好ましい。こうした混合は、混合物の様々な相を破壊し、かつ均一に分散させる。より高い粘度の混合物、すなわち一部の軟塊については、混練プロセスは、混合物の様々な相を均一に分布させるために使用されてもよい。
【0211】
本発明による方法は、混合物を振動させて様々な構成成分を分散させる工程をさらに含んでもよい。混合物を振動させること、すなわち、例えば、均質化した混合物が存在するタンクまたはサイロを振動させることは、特に混合物が低粘度の混合物、すなわち、一部のスラリーである場合に、混合物の均質化に役立つ場合がある。混合だけでなく、振動も実施される場合、キャスティングするために最適な標的値まで混合物を均質化するために、より短い混合時間しか要求されない場合がある。
【0212】
混合物がスラリーである場合、均質化したオレガノ材料のウェブは、ベルトコンベアなどの支持表面上にスラリーをキャスティングすることを含むキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。均質化したオレガノ材料の製造方法は、シートを形成するために当該キャストウェブを乾燥させる工程を含む。キャストウェブは、室温で、または少なくとも摂氏約60度、より好ましくは、少なくとも摂氏約80度の周囲温度で、適切な長さの時間の間乾燥してもよい。キャストウェブは、摂氏200度以下の、より好ましくは、摂氏約160度以下の周囲温度で乾燥することが好ましい。例えば、キャストウェブは、摂氏約60度~摂氏約200度、または摂氏約80度~摂氏約160度の温度で乾燥してもよい。乾燥後のシートの水分含量は、シートの総重量に基づいて約5パーセント~約15パーセントであることが好ましい。次いで、シートは、乾燥後に支持表面から取り外されてもよい。キャストシートは、引張強さを有し、これにより機械的に操作することができ、かつ破損または変形することなくボビンに巻くことができる、またはボビンから巻き出すことができる。
【0213】
混合物が軟塊である場合、押出成形された混合物を乾燥する工程の前に、軟塊は、シート、ストランド、または細片の形態で押出成形されてもよい。好ましくは、軟塊は、シートの形態で押出成形されてもよい。押出成形された混合物は、室温で、または少なくとも摂氏約60度で、より好ましくは、少なくとも摂氏約80度の温度で、適切な長さの時間、乾燥してもよい。押出成形された混合物は、摂氏200度以下の、より好ましくは、摂氏約160度以下の周囲温度で乾燥することが好ましい。例えば、押出成形された混合物は、摂氏約60度~摂氏約200度、または摂氏約80度~摂氏約160度の温度で乾燥してもよい。乾燥後の押出成形された混合物の水分含量は、シートの総重量に基づいて約5パーセント~約15パーセントであることが好ましい。スラリーから形成されたウェブに対して著しくより低い含水量の結果として、軟塊から形成されたシートは、より短い乾燥時間および/またはより低い乾燥温度しか必要としない。
【0214】
シートを乾燥した後、本方法は、国際公開第A-2015/082652号の開示に記述されるように、ニコチン塩を、好ましくはエアロゾル形成体とともにシートの上へとコーティングする工程を随意に含んでもよい。
【0215】
シートが乾燥した後、本発明による方法は、随意に、上述のように、エアロゾル発生基体の形成のためにシートをストランド、断片、または細片へと切断する工程を含んでもよい。ストランド、断片、または細片は、エアロゾル発生基体のロッドを形成するために、適切な手段を使用して一緒にされてもよい。エアロゾル発生基体の形成されたロッドでは、ストランド、断片、または細片は、例えば、ロッドの長軸方向に実質的に整列されてもよい。別の方法として、ストランド、断片、または細片は、ロッド内でランダムに配向させてもよい。
【0216】
本発明による方法は、任意選択的に、乾燥工程の後に、シートをボビン上に巻く工程をさらに含んでもよい。
【0217】
本発明はさらに、植物「紙」の形態の均質化した植物材料のシートを生成するための代替的な製紙方法を提供する。植物紙とは、可溶性植物化合物の抽出物および繊維状植物材料の不溶性残滓を生成するために、植物原料を溶媒で抽出し、抽出物を不溶性残滓と再結合するプロセスによって形成される再構成された植物シートを指す。抽出物は、不溶性残渣と再結合される前に、任意選択的に濃縮されてもよく、またはさらに処理されてもよい。不溶性残渣は、抽出物と再結合される前に、任意選択的に精製され、追加の植物繊維と組み合わされてもよい。本発明による方法では、植物原料は、随意にオレガノの粒子と組み合わせた、たばこの粒子を含むことになる。
【0218】
より詳細には、植物紙を生成する方法は、植物材料と水とを混合して希釈懸濁液を形成する第一の工程を含む。希釈懸濁液は、主に別個のセルロース繊維を含む。懸濁液は、キャスティングプロセスで製造されるスラリーよりも粘度が低く、含水量が高い。この第一の工程は、随意に水酸化ナトリウムなどのアルカリの存在下で浸漬することと、随意に熱を印加することと、を伴ってもよい。
【0219】
方法は、懸濁液を、繊維状植物材料の不溶性残渣を含む不溶性部分と、可溶性植物化合物を含む液体または水性部分とに分離する第二の工程をさらに含む。繊維状植物材料の不溶性残渣中に残っている水は、ランダムに織り込まれた繊維のウェブを下に置くことができるように、シーブとして作用するスクリーンを通して排出され得る。場合によっては吸引または真空による支援を受けてローラーで押し付けることにより、水はこのウェブからさらに除去され得る。
【0220】
水性部分および水を除去した後、不溶性残渣をシートへと形成する。概して平坦で均一な植物繊維のシートが形成されることが好ましい。
【0221】
方法は、シートから除去された可溶性植物化合物の抽出物を濃縮し、濃縮された抽出物を繊維状植物材料の不溶性残滓のシートに添加して、均質化した植物材料のシートを形成する工程をさらに含むことが好ましい。別の方法として、または追加的に、別のプロセスからの可溶性植物物質または濃縮した植物物質をシートに追加することができる。抽出物または濃縮された抽出物は、同じ種の植物の別の変種由来、または別の種の植物由来であってもよい。
【0222】
このプロセスは、米国特許第A-3,860,012号に記述されるように、たばこを用いて、たばこ紙としても知られる再構成たばこ製品を作製するために使用されてきた。同じプロセスを一つ以上の植物で使用して、オレガノ紙のシートなどの紙様シート材料を生成しうる。
【0223】
ある特定の好ましい実施形態において、本発明による物品で使用される均質化した植物材料は、上記に定義される紙製プロセスによって生成される。こうした実施形態では、均質化したオレガノ材料は、オレガノ紙の形態である。
【0224】
均質化したたばこ材料またはこうしたプロセスによって生成される均質化したオレガノ材料は、たばこ紙またはオレガノ紙と呼ばれる。製紙プロセスによって作製された均質化した植物材料は、特に紙が水によって湿らされている場合、目で、または光学顕微鏡下で見える材料全体にわたる複数の繊維の存在によって区別可能である。対照的に、キャスティングプロセスによって作製された均質化した植物材料は、紙よりも少ない繊維を含み、湿らされるとスラリーに分離する傾向がある。混合されたたばこオレガノ紙は、たばこ材料とオレガノ材料混合物を使用したこうしたプロセスによって生成される均質化した植物材料を指す。
【0225】
エアロゾル発生基体がオレガノ粒子およびたばこ粒子の組み合わせを含む実施形態において、エアロゾル発生基体は、オレガノ紙の一つ以上のシートおよびたばこ紙の一つ以上のシートを含みうる。オレガノ紙およびたばこ紙のシートは、集合してロッドを形成する前に、相互に交互に配置される、または重ねられてもよい。任意選択的に、シートを捲縮してもよい。代替的に、オレガノ紙およびたばこ紙のシートを、ストランド、細片、または断片に切断した後、組み合わせてロッドを形成してもよい。エアロゾル発生基体中のたばこおよびオレガノの相対量は、たばこおよびオレガノシートのそれぞれの数、またはロッド内のオレガノおよびたばこストランド、細片または断片のそれぞれの量を変更することによって調整することができる。
【0226】
例えば、たばこおよびオレガノシートまたはストランドの数または量は、約1:4、または約1:9、または約1:30のクミンとたばこの比率を提供するように調整されてもよい。
【0227】
均質化した植物材料の製造に適用されうるその他の公知のプロセスは、例えば、US-A-3,894,544号に記載されるタイプの軟塊再構成プロセス、ならびに例えばGB-A-983,928号に記載されるタイプの押出成形プロセスである。一般に、押出成形プロセスおよび軟塊再構成プロセスにより生成された均質化した植物材料の密度は、キャスティングプロセスにより生成された均質化した植物材料の密度よりも大きい。
【0228】
本発明の代替的な実施形態では、均質化したオレガノ材料は、オレガノ粒子、エアロゾル形成体、および結合剤で形成されたゲル組成物の形態である。
【0229】
均質化したオレガノ材料がオレガノ粒子を含有するゲル組成物の形態である場合、結合剤は、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテルを含むことが好ましい。結合剤は、ゲルの合計重量に基づいて、約1重量パーセント~約5重量パーセントの量で存在し得る。例えば、ゲル組成物は、1.5重量パーセント~3.5重量パーセントのカルボキシメチルナトリウムセルロースを含み得る。
【0230】
ゲル組成物は、ゲルの合計重量に基づいて、グリセリンなどの少なくとも約60重量パーセントのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。例えば、ゲル組成物は、65重量パーセント~85重量パーセントのグリセリンを含み得る。
【0231】
任意選択的に、ゲル組成物は、乳酸などの酸をさらに含み得る。酸は、ゲル組成物の合計重量に基づいて、最大約6重量パーセントの量で存在し得る。任意選択的に、ゲル組成物は、ゲル組成物の合計重量に基づいて、最大約5重量パーセントのニコチンを含み得る。任意選択的に、ゲル組成物は、ゲル組成物の合計重量に基づいて、約10重量パーセント~約30重量パーセントの水を含む。
【0232】
均質化したオレガノ材料がゲル組成物の形態である実施形態では、エアロゾル発生基体は、ゲル組成物が装填された多孔質媒体を備えることが好ましい。「多孔質」という用語は本明細書において、材料を通した空気の通過を可能にする複数の細孔または開口部を提供する材料を指すために使用される。
【0233】
多孔性媒体は、ゲル組成物を保持(hold)または保持(retain)することができる任意の適切な多孔性材料であってもよい。理想的には、多孔質媒体は、ゲル組成物がその中で移動することを可能にすることができる。特定の実施形態では、多孔質媒体は、天然材料、合成、もしくは半合成、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質媒体は、シート材料、発泡体、もしくは繊維、例えば、ばらの繊維、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質媒体は、織布、不織布、または押出材、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質媒体は、綿、紙、ビスコース、PLA、もしくはセルロースアセテート、またはそれらの組み合わせを含むことが好ましい。多孔質媒体は、シート材料、例えば、綿または酢酸セルロースを含むことが好ましい。特に好ましい実施形態では、多孔質媒体は、綿繊維から作製されたシートを含む。
【0234】
本発明で使用される多孔質媒体は、捲縮または細断されてもよい。好ましい実施形態では、多孔質媒体は捲縮される。代替的な実施形態では、多孔質媒体は、細断した多孔質媒体を含む。捲縮または細断プロセスは、ゲル組成物を装填する前または後とすることができる。
【0235】
好ましくは、均質化したオレガノ材料が、多孔質媒体上に装填されたゲル組成物の形態である場合、エアロゾル発生基体は、多孔質媒体を通して、または多孔質媒体に隣接して長軸方向に延びる細長いサセプタ要素を備える。
【0236】
本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体は、少なくとも約200mgの均質化したオレガノ材料、より好ましくは少なくとも約250mgの均質化したオレガノ材料、より好ましくは少なくとも約275mgの均質化したオレガノ材料を含むことが好ましい。
【0237】
本発明によるエアロゾル発生物品は、一つ以上のプラグにエアロゾル発生基体を含むロッドを含む。エアロゾル発生基体のロッドは、約5mm~約120mmの長さを有してもよい。例えば、ロッドは、好ましくは、約10~約45mm、より好ましくは、約10mm~15mm、最も好ましくは、約12mmの長さを有する。代替的な実施形態では、ロッドは、約30mm~約45mm、または約33mm~約41mmの長さを有することが好ましい。ロッドがエアロゾル発生基体の単一のプラグから形成される場合、プラグは、ロッドと同じ長さを有する。
【0238】
エアロゾル発生基体のロッドは、それらの意図される用途に応じて約5mm~約10mmの外径を有し得る。例えば、一部の実施形態では、ロッドは、約5.5mm~約8mm、または約6.5mm~約8mmの外径を有し得る。エアロゾル発生基体のロッドの「外径は、任意のラッパーを含むロッドの直径に対応する。
【0239】
本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体のロッドは、その長さの少なくとも一部に沿って一つ以上のラッパーによって囲まれていることが好ましい。一つ以上のラッパーは、紙ラッパーもしくは紙ではないラッパー、またはその両方を含んでもよい。本発明の特定の実施形態で使用するための適切な紙ラッパーは、当技術分野で知られており、またシガレットペーパーおよびフィルタープラグラップが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態で使用するための好適な紙以外のラッパーは当技術分野で公知であり、均質化しタバコ材料のシートを含むがこれに限定されない。均質化したたばこラッパーは、エアロゾル発生基体が粒子状植物材料から形成された均質化したオレガノ材料の一つ以上のシートを備える実施形態での使用に特に好適であり、粒子状植物材料は、乾燥重量に基づいて、20重量パーセント~0重量パーセントのたばこ粒子などの低い重量パーセントのたばこ粒子と組み合わせてオレガノ粒子を含有する。
【0240】
本発明のある特定の実施形態では、エアロゾル発生基体は、例えば、アルミ箔などの金属箔、または金属化紙などの熱伝導性シート材料によって、その長さの少なくとも一部に沿って囲まれる。金属箔または金属化紙は、エアロゾル発生基体全体にわたって熱を急速に伝導する目的を果たす。加えて、金属箔または金属化紙は、消費者がそれに点火しようと試みる場合には、エアロゾル発生基体の着火を防止するように機能してもよい。さらに、使用中に、金属箔または金属化紙は、外側ラッパーの加熱に伴い生成される臭気が、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルに入るのを防止する場合がある。例えば、これは、エアロゾルを発生するために使用中に外部から加熱されるエアロゾル発生基体を有するエアロゾル発生物品にとって問題である場合がある。別の方法として、または追加的に、使用中にエアロゾル発生装置の中へと挿入される時に、エアロゾル発生物品の検出または認識を容易にするために、金属化ラッパーが使用されてもよい。金属箔または金属化紙は、鉄粒子などの金属粒子を含んでもよい。
【0241】
エアロゾル発生基体を囲む一つ以上のラッパーは、約0.1mm~約0.9mmの総厚さを有することが好ましい。
【0242】
エアロゾル発生基体のロッドの内径は、好ましくは、約3mm~約9.5mm、より好ましくは、約4mm~約7.5mm、より好ましくは、約5mm~約7.5mmである。「内径」は、ラッパーの厚さを含まない、エアロゾル発生基体のロッドの直径に対応するが、依然として定位置にあるラッパーとともに測定される。本発明によるエアロゾル発生物品はまた、カートリッジまたはシーシャ消耗品を含むが、これらに限定されない。
【0243】
本発明によるエアロゾル発生物品は随意に、エアロゾル発生基体のすぐ下流に少なくとも一つの中空管を含む、支持要素を含み得る。管の一つの機能は、エアロゾル発生基体を、発熱体と接触できるように、エアロゾル発生物品の遠位端に向けて位置付けることである。管は、発熱体がエアロゾル発生基体の中へと挿入された時に、エアロゾル発生基体が他の下流要素に向かってエアロゾル発生物品に沿って強制されるのを防止するように作用する。また、管は、下流要素をエアロゾル発生基体から分離するためのスペーサー要素としても作用する。管は、セルロースアセテート、ポリマー、厚紙、または紙などの任意の材料で作製することができる。
【0244】
代替的にまたはさらに、本発明によるエアロゾル発生物品は、随意に、エアロゾル発生基体の下流かつ支持要素を形成する中空管のすぐ下流に、エアロゾル冷却要素を備える。使用時に、エアロゾル発生基体から放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルは、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素を通過し、かつエアロゾル冷却要素によって冷却される。低温は、ベイパーがエアロゾルに凝縮されることを可能にする。エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生基体のすぐ下流にある支持要素と類似し得る、中空のセルロースアセテートチューブまたはボール紙管などの中空管であってもよい。エアロゾル冷却要素は、外径は等しいが、内径が支持要素を形成する中空管より小さい、または大きい中空管であってもよい。一実施形態では、紙の中に巻かれたエアロゾル冷却要素は、金属箔、箔でラミネートされた紙、好ましくは合成ポリマーで作製された高分子シート、および実質的に非多孔性の紙または厚紙などの、任意の適切な材料で作製された一つ以上の長軸方向チャネルを含む。一部の実施形態では、紙で巻かれたエアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)、高分子シートでラミネートされた紙、およびアルミ箔から成る群から選択される材料で作製された一つ以上のシートを含んでもよい。別の方法として、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、およびセルロースアセテート(CA)から成る群から選択される材料の織られたフィラメント、または不織フィラメントで作製されてもよい。好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、フィルターペーパーの中に巻かれたポリ乳酸の捲縮したシートの集合体である。別の好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、長軸方向チャネルを含み、紙で巻かれたポリ乳酸フィラメントなどの合成ポリマーの織られたフィラメントで作製される。
【0245】
一つ以上の追加の中空管は、エアロゾル冷却要素の下流に提供されてもよい。
【0246】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体、および存在する場合、支持要素およびエアロゾル冷却要素の下流にフィルターまたはマウスピースをさらに含んでもよい。フィルターは、粒子状成分、ガス状成分、またはそれらの組み合わせを除去するための一つ以上の濾過材料を含みうる。好適な濾過材料が当業界で公知であり、例えば、セルロースアセテートトウおよび紙などの繊維質の濾過材料、例えば、活性化アルミナ、ゼオライト、分子ふるい、およびシリカゲルなどの吸着剤、例えば、ポリ乳酸(PLA)、マタビー(登録商標)、疎水性ビスコース繊維、およびバイオプラスチックを含む生分解性高分子、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。フィルターはエアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルターは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態では、フィルターは約7mmの長さであるが、約5mm~約10mmの長さを有してもよい。
【0247】
本発明によるエアロゾル発生物品は、物品の下流端において口側端空洞を含んでもよい。口側端空洞は、フィルターまたはマウスピースから下流に延びる一つ以上のラッパーによって画定されてもよい。別の方法として、口側端空洞は、エアロゾル発生物品の下流端に提供される別個の管状要素によって画定されてもよい。
【0248】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品に沿った場所に提供される通気ゾーンをさらに含むことが好ましい。例えば、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流に提供される中空管に沿った場所に提供されてもよい。
【0249】
本発明によるエアロゾル発生物品は、随意に、エアロゾル発生基体の上流端に上流要素をさらに含み得る。上流要素は、酢酸セルロースなどの繊維性濾過材料のプラグなどの多孔性プラグ要素であってもよい。
【0250】
本発明の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体、エアロゾル発生基体の下流の少なくとも一つの中空管、および少なくとも一つの中空管の下流のフィルターを含む。随意に、エアロゾル発生物品は、フィルターの下流端に口側端空洞をさらに含む。通気ゾーンは、少なくとも一つの中空管に沿った場所に提供されることが好ましい。
【0251】
この配設を有する特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体、エアロゾル発生基体の上流端にある上流要素、エアロゾル発生基体の下流の支持要素、支持要素の下流のエアロゾル冷却要素、およびエアロゾル冷却要素の下流のフィルターを含む。支持要素およびエアロゾル冷却要素は両方とも、中空管の形態であることが好ましい。エアロゾル発生基体は、その基体を通して長軸方向に延びる細長いサセプタ要素を含むことが好ましい。
【0252】
一つの特に好ましい実施例では、エアロゾル発生基体は、約33mmの長さおよび約5.5mm~6.7mmの外径を有し、エアロゾル発生基体は、複数のストランドの形態で約340mgの均質化したオレガノ材料を含み、均質化したオレガノ材料は、乾燥重量基準で、約14重量パーセントのグリセロールを含む。この実施形態では、エアロゾル発生物品は、約74mmの全体長さを有し、約10mmの長さを有する酢酸セルローストウフィルター、ならびに約6~7mmの長さを有する中空管によって画定される口側端空洞を含む。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流の中空管を含み、中空管は、約25mmの長さを有し、通気ゾーンが提供されている。
【0253】
本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも約30mm、または少なくとも約40mmの全体長さを有してもよい。エアロゾル発生物品の全長は、90mm未満、または約80mm未満であってもよい。
【0254】
一実施形態では、エアロゾル発生物品は、約40mm~約50mm、好ましくは、約45mmの全長を有する。別の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約70mm~約90mm、好ましくは約80mm~約85mmの全体長さを有する。別の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約72mm~約76mm、好ましくは約74mmの全長を有する。
【0255】
エアロゾル発生物品は、約5mm~約8mm、好ましくは、約6mm~約8mmの外径を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、約7.3mmの外径を有する。
【0256】
本発明によるエアロゾル発生物品は、一つ以上のエアロゾル修飾要素をさらに備えてもよい。エアロゾル修飾要素は、エアロゾル修飾剤を提供してもよい。本明細書で使用される場合、エアロゾル修飾剤という用語は、使用時に、フィルターを通過するエアロゾルの一つ以上の特徴または特性を修正する任意の物質を説明するために使用される。適切なエアロゾル修飾剤には、使用中に、フィルターを通過するエアロゾルに味わいまたは芳香を付与する薬剤、または、使用中に、フィルターを通過するエアロゾルから香味を除去する薬剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0257】
エアロゾル修飾剤は、水分または液体風味剤のうちの一つ以上であってもよい。水または水分は、例えば、発生されたエアロゾルを湿らせることによって、ユーザーの感覚的体験を修正してもよく、これはエアロゾルに冷却効果をもたらし、ユーザーによって経験されるえぐみの知覚を低減しうる。エアロゾル修飾要素は、一つ以上の液体風味剤を送達するための風味送達要素の形態であってもよい。別の方法として、液体風味剤を、均質化したオレガノ材料に直接的に、例えば、均質化したオレガノ材料の製造中にスラリーもしくは原料に風味を加えることによって、または均質化したオレガノ材料の表面上に液体風味剤を噴霧することによって、添加することができる。
【0258】
一つ以上の液体風味剤は、エアロゾル発生物品の使用中に生成されるエアロゾルの味わいを高めるために、風味送達要素内に液体の形態で放出可能なように配置するのに適した任意の風味化合物または植物抽出物を含み得る。液体または固体の風味剤はまた、セルロースアセテートトウなどのフィルターを形成する材料に直接配置され得る。適切な風味または風味剤としては、メントール、ミント(ハッカおよびオランダハッカなど)、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果物風味、γオクタラクトン、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味、スパイス風味(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、オイゲノール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、カンナビス油、およびたばこ風味などが挙げられるが、これらに限定されない。その他の適切な風味としては、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、これらの組み合わせ、またはこれらのブレンド、およびこれに類するものから成る群から選択される風味化合物が挙げられうる。
【0259】
本発明の特定の実施形態では、エアロゾル修飾剤は、一つ以上の植物に由来する精油であってもよい。例えば、均質化したオレガノ材料は、加熱時に消費者に送達されるオレガノ風味をさらに強化するために、オレガノ精油などのオレガノオイルを含み得る。
【0260】
本発明の特定の実施形態では、エアロゾル発生基体は、茶粒子などの粒子状オレガノ材料とオレガノオイルとの組み合わせを含む均質化した植物材料を含み得る。
【0261】
エアロゾル修飾剤は、フィルターを通過するエアロゾルのある特定の成分を除去し、そしてそれによって、エアロゾルの風味および芳香を修飾する、活性炭などの吸着剤材料であってもよい。
【0262】
一つ以上のエアロゾル修飾要素は、エアロゾル発生基体の下流、またはエアロゾル発生基体内に位置してもよい。エアロゾル発生基体は均質化したオレガノ材料およびエアロゾル修飾要素を含みうる。様々な実施形態において、エアロゾル修飾要素は、均質化したオレガノ材料に隣接して配置されてもよく、または均質化したオレガノ材料に埋め込まれてもよい。典型的には、エアロゾル修飾要素は、エアロゾル発生基体の下流、最も典型的には、エアロゾル冷却要素内、エアロゾル発生物品のフィルター内、例えば、フィルタープラグ内、または空洞内、好ましくは、フィルタープラグ間の空洞内に位置し得る。一つ以上のエアロゾル修飾要素は、スレッド、カプセル、マイクロカプセル、ビーズまたは高分子マトリクス材料、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上の形態であってもよい。
【0263】
エアロゾル修飾要素が糸の形態である場合、国際公開第A-2011/060961号に記載されるように、糸は、フィルタープラグラップなどの紙から形成されてもよく、また糸には、少なくとも一つのエアロゾル修飾剤が装填され、そしてフィルターの本体内に位置してもよい。糸を形成するために使用することができるその他の材料としては、セルロースアセテートおよび綿が挙げられる。
【0264】
エアロゾル修飾要素がカプセルの形態である場合、WO-A-2007/010407、WO-A-2013/068100およびWO-A-2014/154887に記載されるように、カプセルは、フィルター内に位置した壊れやすいカプセルであってもよく、カプセルの内部コアは、フィルターが外力に供されたときにカプセルの外部シェルの破損に伴い放出されうるエアロゾル修飾剤を含有する。カプセルは、フィルタープラグ内、もしくは空洞内、好ましくはフィルタープラグ間の空洞内に位置し得る。
【0265】
エアロゾル修飾要素が高分子マトリクス材料の形態である場合、高分子マトリクス材料は、WO-A-2013/034488に記載されるように、高分子マトリクスが高分子マトリクス材料の融点を超えて加熱されるときなど、エアロゾル発生物品が加熱されると、風味剤を放出する。典型的には、こうした高分子マトリクス材料は、エアロゾル発生基体内のビーズ内に位置しうる。別の方法として、または追加的に、風味剤は、高分子マトリクス材料のドメイン内に閉じ込められ、高分子マトリクス材料の圧縮に伴い高分子マトリクス材料から放出可能であってもよい。風味剤は、約15ニュートンの力で高分子マトリクス材料の圧縮時に放出されることが好ましい。こうした風味修飾要素は、WO2013/068304に記載されるように、5N~20Nなど、少なくとも5ニュートンの範囲の力にわたって、液体風味剤の持続的な放出を提供しうる。典型的には、こうした高分子マトリクス材料は、フィルター内のビーズ内に位置しうる。
【0266】
エアロゾル発生物品は、可燃性熱源と、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル発生基体とを備えてもよく、エアロゾル発生基体は、本発明の第一の態様に関して上述した通りである。
【0267】
例えば、本明細書に記述されるような基体は、国際公開第A-2009/022232号で開示されたタイプの加熱式エアロゾル発生物品で使用されてもよいが、これは可燃性炭素系熱源と、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル発生基体と、可燃性炭素系熱源の後方部分およびエアロゾル発生基体の隣接した前方部分の周りにあり、かつそれらと接触する熱伝導性要素と、を備える。しかし、当然のことながら、本明細書に記述されるような基体はまた、その他の構造を有する可燃性熱源を備える加熱式エアロゾル発生物品でも使用されてもよい。
【0268】
本発明は、発熱体を含むエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムを提供し、エアロゾル発生物品は、上述のようなエアロゾル発生基体を含む。
【0269】
好ましい実施形態では、本明細書に記述されるようなエアロゾル発生基体は、加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体が電気的熱源によって加熱される電気的に作動するエアロゾル発生システムで使用するための加熱式エアロゾル発生物品で使用されてもよい。
【0270】
例えば、本明細書に記述されるようなエアロゾル発生基体は、欧州特許第A-0 822 760号で開示されるタイプの加熱式エアロゾル発生物品で使用されてもよい。
【0271】
こうしたエアロゾル発生装置の発熱体は、熱を伝導するための任意の適切な形態であってもよい。エアロゾル発生基体の加熱は、内部から、外部から、またはその両方から達成されてもよい。発熱体は、好ましくは、基体が内側から加熱されるように、基体の中へと挿入されるように適合されたヒーターブレードまたはピンであってもよい。別の方法として、発熱体は、基体を部分的または完全に取り囲み、基体を外部から円周方向に加熱してもよい。
【0272】
エアロゾル発生システムは、誘導加熱装置を備えた電気的に作動するエアロゾル発生システムであってもよい。誘導加熱装置は、典型的には、サセプタに結合されるように構成された誘導源を含み、これは、エアロゾル発生基体の外部へ、またはエアロゾル発生基体の内部へ提供されてもよい。誘導源により交流電磁場が発生し、これがサセプタ内に磁化または渦電流を誘起する。サセプタは、ヒステリシス損失または誘起された渦電流の結果として加熱されてもよく、これはオーム加熱または抵抗加熱を通してサセプタを加熱する。
【0273】
誘導加熱装置を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムはまた、エアロゾル発生基体およびエアロゾル発生基体と熱的に近接したサセプタを有するエアロゾル発生物品も備える。典型的には、サセプタはエアロゾル発生基体と直接接触し、熱はサセプタから主に伝導によってエアロゾル発生基体に伝達される。誘導加熱装置およびサセプタを有するエアロゾル発生物品を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムの例は、WO-A1-95/27411およびWO-A1-2015/177255に記述されている。
【0274】
サセプタは、エアロゾル発生基体上に堆積される、またはエアロゾル発生基体内に埋め込まれ得る複数のサセプタ粒子であってもよい。エアロゾル発生基体が一つ以上のシートの形態である場合、複数のサセプタ粒子は、一つ以上のシート上に堆積されるか、またはその中に埋め込まれてもよい。サセプタ粒子は、例えば、シート形態で基体によって固定され、初期位置にとどまる。サセプタ粒子は、エアロゾル発生基体の均質化したオレガノ材料中に均一に分布しうることが好ましい。サセプタの粒子状の性質に起因して、熱は基体の均質化したオレガノ材料シート内の粒子の分布に従い生成される。別の方法として、一つ以上のシート、細片、断片、またはロッドの形態のサセプタはまた、均質化したオレガノ材料の隣に定置されてもよく、または均質化したオレガノ材料に埋め込まれるものとして使用されてもよい。一実施形態において、エアロゾル形成基体は、一つ以上のサセプタ細片を含む。例えば、エアロゾル発生基体のロッドは、その基体を通して長軸方向に延びる細長いサセプタ要素を含み得る。別の実施形態において、サセプタは、エアロゾル発生装置内に存在する。
【0275】
サセプタは、0.05ジュール/キログラムよりも大きい、好ましくは0.1ジュール/キログラムよりも大きい熱損失を有し得る。熱損失は熱を周囲の材料に移動させるサセプタの容量である。サセプタ粒子はエアロゾル発生基体内に均一に分布することが好ましいため、サセプタ粒子からの均一な熱損失が達成され、したがって、エアロゾル発生基体内に均一な熱分布が発生し、エアロゾル発生物品内に均一な温度分布がもたらされ得る。サセプタ粒子中の0.05ジュール/キログラムの特定の最小熱損失は、エアロゾル発生基体を実質的に均一な温度に加熱することを可能にして、エアロゾル発生を提供することが見出された。こうした実施形態において、エアロゾル発生基体内で達する平均温度は、摂氏約200度~摂氏約240度であることが好ましい。
【0276】
エアロゾル発生基体の過熱のリスクの低減は、キュリー温度を有するサセプタ材料の使用によって支持される場合があり、これはヒステリシス損失に起因する加熱プロセスが、ある特定の最高温度までにしか達しないことを可能にする。サセプタは、摂氏約200度~摂氏約450度、好ましくは摂氏約240度~摂氏約400度、例えば摂氏約280度のキュリー温度を有し得る。サセプタ材料がそのキュリー温度に達した時、磁性が変化する。サセプタ材料はキュリー温度で、強磁性の相から常磁性の相に変化する。この時点で、強磁性領域の向きに起因するエネルギー損失に基づく加熱は停止する。その後、さらなる加熱は、サセプタ材料のキュリー温度に達すると加熱プロセスが自動的に低減されるように、主に渦電流の形成に基づく。サセプタ材料およびそのキュリー温度は、最適なエアロゾル発生のためにエアロゾル発生基体内での最適な温度および温度分布を達成するために、エアロゾル発生基体の組成に適合されることが好ましい。
【0277】
本発明によるエアロゾル発生物品の一部の好ましい実施形態において、サセプタはフェライトで作製される。フェライトは高い透磁率を有する強磁性体であり、またサセプタ材料として特に適切である。フェライトの主な成分は鉄である。その他の金属成分(例えば、亜鉛、ニッケル、マンガン)または非金属成分(例えば、ケイ素)は様々な量で存在してもよい。フェライトは比較的安価な市販の材料である。フェライトは、本発明による均質化した植物材料を形成する粒子状植物材料で使用される粒子のサイズ範囲内の粒子形態で入手可能である。粒子は、例えば、PPT(米国インディアナ州)によるFP160、FP215、FP350などの完全焼結フェライト粉末であることが好ましい。
【0278】
本発明の特定の実施形態において、エアロゾル発生システムは、上記に定義するエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品、エアロゾル形成体の供与源、およびエアロゾル形成体を気化させるための手段、好ましくは上述の発熱体を備える。エアロゾル形成体の供与源は、エアロゾル発生装置上に存在する、再充填可能または交換可能とすることができる貯蔵部とすることができる。貯蔵部は、エアロゾル発生物品から物理的に分離しており、発生したベイパーは、エアロゾル発生物品を通して方向付けられる。ベイパーは、粒子状植物材料中のニコチンおよび風味剤などの揮発性化合物を放出してエアロゾルを形成するエアロゾル発生基体と接触する。随意に、エアロゾル発生基体内の化合物の揮発を支援するために、エアロゾル発生システムは、好ましくはエアロゾル形成体と調整された、エアロゾル発生基体を加熱するための発熱体さらに備えてもよい。しかしながら、ある特定の実施形態では、エアロゾル発生物品を加熱するために使用される発熱体は、エアロゾル形成体を加熱するヒーターから分離される。
【0279】
上記に定義したように、本発明は、エアロゾル発生基体の加熱に伴い生成されるエアロゾルをさらに提供し、エアロゾルは、上記に定義するオレガノ粒子に由来する特徴的な化合物の特定の量および比を含む。
【0280】
本発明によれば、エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸と、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のイソチモールと、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンと、を含み、エアロゾルの吸煙は、喫煙機械によって発生したときに55ミリリットルの容積を有する。本発明の目的のために、「吸煙」は、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出され、分析のために収集されるエアロゾルの容積として定義され、エアロゾルの吸煙は、喫煙機械によって発生される55ミリリットルの吸煙容積を有する。したがって、エアロゾルの「吸煙」に対する本明細書の任意の言及は、別途記載されない限り、55ミリリットルの吸煙を指すものと理解される。
【0281】
示した範囲は、エアロゾルの55ミリリットルの吸煙で測定された各成分の総量を定義する。エアロゾルは、任意の適切な手段を使用してエアロゾル発生基体から発生されてもよく、エアロゾル内の特徴的な化合物を識別し、その量を測定するために、上述のように閉じ込められて分析され得る。例えば、「吸煙」は、本明細書に記載のカナダ保健省の試験方法で用いられるものなどの喫煙機械で測定される55ミリリットルの吸煙に対応し得る。
【0282】
好ましくは、本発明によるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.1マイクログラムのウルソール酸、より好ましくはエアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.5マイクログラムのウルソール酸を含む。代替的に、または追加的に、エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり最大で約5マイクログラムのウルソール酸、好ましくはエアロゾルの吸煙当たり最大で約4マイクログラムのウルソール酸、より好ましくはエアロゾルの吸煙当たり最大で約3マイクログラムのウルソール酸を含む。例えば、エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり約0.04マイクログラム~約5マイクログラムのウルソール酸、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.1マイクログラムのウルソール酸~エアロゾルの吸煙当たり約4マイクログラムのウルソール酸、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.5マイクログラム~約3マイクログラムのウルソール酸を含み得る。
【0283】
本発明によるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.05マイクログラムのイソチモールを含むことが好ましく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.2マイクログラムのイソチモールを含むことがより好ましい。代替的に、または追加的に、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、好ましくはエアロゾルの吸煙ごとに最大で約1.25マイクログラムのイソチモール、より好ましくはエアロゾルの吸煙ごとに最大で約1マイクログラムのイソチモール、さらにより好ましくはエアロゾルの吸煙ごとに最大で約0.75マイクログラムのイソチモールを含む。例えば、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり約0.01マイクログラム~約1.25マイクログラムのイソチモール、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.05マイクログラム~約1マイクログラムのイソチモール、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.2マイクログラム~約0.75マイクログラムのイソチモールを含み得る。
【0284】
本発明によるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.05マイクログラムのチモビドロキノンを含むことが好ましく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.1マイクログラムのチモビドロキノンを含むことがより好ましい。代替的に、または追加的に、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、好ましくはエアロゾルの吸煙ごとに最大で約1.25マイクログラムのチモビドロキノン、より好ましくはエアロゾルの吸煙ごとに最大で約1マイクログラムのチモビドロキノン、さらにより好ましくはエアロゾルの吸煙ごとに最大で約0.75マイクログラムのチモビドロキノンを含む。例えば、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり約0.01マイクログラム~約1.25マイクログラムのチモビドロキノン、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.05マイクログラム~約1マイクログラムのチモビドロキノン、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.2マイクログラム~約0.75マイクログラムのチモビドロキノンを含み得る。
【0285】
本発明によれば、エアロゾル組成物は、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量が、好ましくはエアロゾルの吸煙当たりイソチモールの量の少なくとも2倍であるようなものである。したがって、エアロゾル中のウルソール酸とイソチモールとの比は、好ましくは少なくとも約2:1である。エアロゾル組成物は、エアロゾルの吸煙ごとのウルソール酸の量が、エアロゾルの吸煙当たりのイソチモールの量の少なくとも三倍であることが好ましい。
【0286】
本発明によれば、エアロゾル組成物は、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量が、好ましくはエアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも2倍であるようなものである。したがって、エアロゾル中のウルソール酸とチモビドロキノンとの比は、好ましくは少なくとも約2:1である。エアロゾル組成物は、エアロゾルの吸煙ごとのウルソール酸の量が、エアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも3倍であることが好ましい。
【0287】
ウルソール酸とイソチモールおよびチモビドロキノンの定義された比は、オレガノ粒子に由来するエアロゾルを特徴付ける。対照的に、オレガノ精油から生成されるエアロゾルでは、ウルソール酸とイソチモールおよびチモビドロキノンとの比は、大きく異なることになる。
【0288】
本発明によるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.1ミリグラムのエアロゾル形成体をさらに含むことが好ましく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.2ミリグラムのエアロゾルをさらに含むことがより好ましく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.3ミリグラムのエアロゾル形成体をさらに含むことがより好ましい。エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり最大で0.6ミリグラムのエアロゾル形成体を含むことが好ましく、エアロゾルの吸煙当たり最大で0.5ミリグラムのエアロゾル形成体を含むことがより好ましく、エアロゾルの吸煙当たり最大で0.4ミリグラムのエアロゾル形成体を含むことがより好ましい。例えば、エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり約0.1ミリグラム~約0.6ミリグラムのエアロゾル形成体、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.2ミリグラム~約0.5ミリグラムのエアロゾル形成体、またはエアロゾルの吸煙当たり約0.3ミリグラム~約0.4ミリグラムのエアロゾル形成体を含み得る。これらの値は、上記で定義するとおり、55ミリリットルの吸煙容積に基づく。
【0289】
本発明で使用するための適切なエアロゾル形成体は、上記で説明される。
【0290】
本発明によるエアロゾル発生基体から生成されるエアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約2マイクログラムのニコチンをさらに含むことが好ましく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約20マイクログラムのニコチンをさらに含むことがより好ましく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約40マイクログラムのニコチンをさらに含むことがより好ましい。エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり最大で約200マイクログラムのニコチンを含むことが好ましく、エアロゾルの吸煙当たり最大で約150マイクログラムのニコチンを含むことがより好ましく、エアロゾルの吸煙当たり最大で約75マイクログラムのニコチンを含むことがより好ましい。例えば、エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり約2マイクログラム~約200マイクログラムのニコチン、またはエアロゾルの吸煙当たり約20マイクログラム~約150マイクログラムのニコチン、またはエアロゾルの吸煙当たり約40マイクログラム~約75マイクログラムのニコチンを含んでもよい。これらの値は、上記で定義するとおり、55ミリリットルの吸煙容積に基づく。本発明の一部の実施形態では、エアロゾルは、ゼロマイクログラムのニコチンを含有してもよい。
【0291】
代替的にまたは追加的に、本発明によるエアロゾルは、任意選択的に、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約0.5ミリグラムのカンナビノイド化合物をさらに含んでもよく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約1ミリグラムのカンナビノイド化合物をさらに含むことがより好ましく、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも約2ミリグラムのカンナビノイド化合物をさらに含むことがより好ましい。エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり最大で約5ミリグラムのカンナビノイド化合物を含むことが好ましく、エアロゾルの吸煙当たり最大で約4ミリグラムのカンナビノイド化合物を含むことがより好ましく、エアロゾルの吸煙当たり最大で約3ミリグラムのカンナビノイド化合物を含むことがより好ましい。例えば、エアロゾルは、エアロゾルの吸煙当たり約0.5ミリグラム~約5ミリグラムのカンナビノイド化合物、またはエアロゾルの吸煙当たり約1ミリグラム~約4ミリグラムのカンナビノイド化合物、またはエアロゾルの吸煙当たり約2ミリグラム~約3ミリグラムのカンナビノイド化合物を含み得る。本発明の一部の実施形態において、エアロゾルは、ゼロマイクログラムのカンナビノイド化合物を含んでもよい。これらの値は、上記で定義するとおり、55ミリリットルの吸煙容積に基づく。
【0292】
カンナビノイド化合物は、CBDおよびTHCから選択されることが好ましい。カンナビノイド化合物はCBDであることがより好ましい。
【0293】
また、一酸化炭素が本発明によるエアロゾル中に存在してもよく、エアロゾルをさらに特徴付けるために測定および使用されてもよい。酸化窒素および二酸化窒素などの窒素の酸化物もエアロゾル中に存在する場合があり、エアロゾルをさらに特徴付けるために測定および使用され得る。
【0294】
オレガノ粒子からの特徴的な化合物を含む本発明によるエアロゾルは、約0.01~200ミクロン、または約1~100ミクロンの範囲の空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する粒子から形成されうる。エアロゾルが上述のニコチンを含む場合、エアロゾルは、エアロゾルからのニコチンの送達を最適化するために、約0.1~約3ミクロンの範囲のMMADを有する粒子を含むことが好ましい。
【0295】
エアロゾルの空気動力学的中央粒子径(MMAD)は、エアロゾルの粒子状質量の半分が、MMADよりも大きな空気力学的直径を有する粒子によって占められ、半分が、MMADよりも小さな空気力学的直径を有する粒子によって占められる、粒子力学的直径を指す。空気力学的直径は、特徴付けられる粒子と同じ沈降速度を有する1g/cm3の密度を有する球状粒子の直径として定義される。
【0296】
本発明によるエアロゾルの空気動力学的中央粒子径は、Schallerら,“Evaluation of the Tobacco Heating System 2.2.の第2.8節 第2部:Chemical composition,genotoxicity,cytotoxicity and physical properties of the aerosol,”Regul.Toxicol.and Pharmacol.,81(2016)S27-S47に従って決定され得る。
【0297】
上記に定義されるように、本発明は、エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体が、均質化したオレガノ材料を含み、試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルが、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸と、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のイソチモールと、エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンと、を含み、エアロゾルの吸煙が、喫煙機械によって発生したときに55ミリリットルの容積を有する、エアロゾル発生物品をさらに提供する。
【0298】
本発明の目的のために、「吸煙」は、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出され、分析のために収集されるエアロゾルの容積として定義され、エアロゾルの吸煙は、喫煙機械によって発生される55ミリリットルの吸煙容積を有する。したがって、エアロゾルの「吸煙」に対する本明細書の任意の言及は、別途記載されない限り、55ミリリットルの吸煙を指すものと理解される。示した範囲は、エアロゾルの55ミリリットルの吸煙で測定された各成分の総量を定義する。エアロゾルは、任意の適切な手段を使用してエアロゾル発生基体から発生されてもよく、エアロゾル内の特徴的な化合物を識別し、その量を測定するために、上述のように閉じ込められて分析され得る。例えば、「吸煙」は、本明細書に記載のカナダ保健省の試験方法で用いられるものなどの喫煙機械で測定される55ミリリットルの吸煙に対応し得る。
【0299】
好ましくは、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量は、エアロゾルの吸煙当たりのイソチモールの量の少なくとも2倍であり、より好ましくは、エアロゾルの吸煙当たりのイソチモールの量の少なくとも3倍である。
【0300】
好ましくは、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量は、エアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも2倍であり、より好ましくは、エアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも3倍である。
【0301】
上記に定義されるように、本発明はまた、オレガノ粒子、エアロゾル形成体および結合剤を含む均質化した植物材料から形成されたエアロゾル発生基体を提供し、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む。
【0302】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例】
【0303】
実施例1.
エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体が、均質化したオレガノ材料を含み、均質化したオレガノ材料が、オレガノ粒子、エアロゾル形成体、および結合剤を含み、エアロゾル発生基体が、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む、エアロゾル発生物品。
実施例2.
基体1グラム当たりのウルソール酸の量が、基体1グラム当たりのイソチモールの量の少なくとも8倍である、実施例1に記載のエアロゾル発生物品。
実施例3.
基体1グラム当たりのウルソール酸の量が、基体1グラム当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも25倍である、実施例1または2に記載のエアロゾル発生物品。
実施例4.
エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり50マイクログラム~6000マイクログラムのウルソール酸を含む、実施例1、2または3に記載のエアロゾル発生物品。
実施例5.
エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり5マイクログラム600マイクログラムのイソチモールを含む、実施例1~4のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例6.
エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり1.5マイクログラム~200マイクログラムのチモビドロキノンを含む、実施例1~5のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例7.
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのウルソール酸と、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのイソチモールと、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む、エアロゾルが発生する、実施例1~6のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例8.
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で200マイクログラムのウルソール酸を含むエアロゾルが発生する、実施例7に記載のエアロゾル発生物品。
実施例9.
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で50マイクログラムのイソチモールを含むエアロゾルが発生する、実施例7または8に記載のエアロゾル発生物品。
実施例10.
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり最大で50マイクログラムのチモビドロキノンを含むエアロゾルが発生する、実施例7、8または9に記載のエアロゾル発生物品。
実施例11.
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、基体1グラム当たり0マイクログラムのニコチンを含むエアロゾルが発生する、実施例7~10のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例12.
カナダ保健省の機械式喫煙レジメン下で、THS2.2ホルダーでのエアロゾル発生基体の加熱に伴い、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのウルソール酸と、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのイソチモールと、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも0.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む、エアロゾルが発生する、実施例1~6のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例13.
均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、少なくとも0.5重量パーセントのオレガノ粒子を含む、実施例1~12のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例14.
均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、最大で50重量パーセントのオレガノ粒子を含む、実施例1~13のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例15.
均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、最大で約75重量パーセントのたばこ粒子をさらに含む、実施例1~実施例14のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例16.
均質化したオレガノ材料が、たばこ粒子をさらに含み、オレガノ粒子のたばこ粒子に対する重量比が、1:4以下である、実施例1~15のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例17.
均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、5重量パーセント~20重量パーセントのオレガノ粒子と、55重量パーセント~70重量パーセントのたばこ粒子と、を含む、実施例15または16に記載のエアロゾル発生物品。
実施例18.
均質化したオレガノ材料が、実質的にゼロのニコチンを含む、実施例1~17のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例19.
エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも0.1mgのニコチンをさらに含む、実施例1~17に記載のエアロゾル発生物品。
実施例20.
エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、基体1グラム当たり1ミリグラム~20ミリグラムのニコチンを含む、実施例19に記載のエアロゾル発生物品。
実施例21.
オレガノ粒子が、約50ミクロン以上のD95値~約400ミクロン以下のD95値を有する、実施例1~20のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例22.
オレガノ粒子が、約10ミクロン以上のD5値~約50ミクロン以下のD5値を有する、実施例1~21のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例23.
オレガノ粒子が意図的に粉砕されている、実施例1~実施例22のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例24.
100パーセントのオレガノ粒子の直径が、300ミクロン以下である、実施例1~23のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例25.
均質化したオレガノ材料が、最大で75重量パーセントの粒子状植物材料を含み、粒子状植物材料がオレガノ粒子を含む、実施例1~24のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例26.
均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、実施例1~25のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例27.
結合剤が、例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガムおよびローカストビーンガムなどのガム、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース系結合剤、例えば、デンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウムなどの有機酸の共役塩基塩、寒天、ペクチンなどの多糖類、ならびにこれらの組み合わせから選択される、実施例1~26のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例28.
結合剤がグアーガムを含む、実施例1~27のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例29.
均質化したクオレガノ材料が、乾燥重量基準で、1重量パーセント~10重量パーセントの結合剤を含む、実施例1~28のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例30.
均質化したオレガノ材料が、繊維をさらに含む、実施例1~29のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例31.
繊維が400マイクロメートル超の長さを有する、実施例30に記載のエアロゾル発生物品。
実施例32.
繊維が、エアロゾル発生基体の乾燥重量に基づいて、約2重量パーセント~約15重量パーセントの量で存在する、実施例30または31に記載のエアロゾル発生物品。
実施例33.
繊維が、エアロゾル発生基体の乾燥重量に基づいて、少なくとも30重量パーセントの量で存在する、実施例30または実施例31に記載のエアロゾル発生物品。
実施例34.
均質化したオレガノ材料が、オレガノ粒子と、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体と、約1重量パーセント~約10重量パーセントの結合剤と、を含む、実施例1~33のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例35.
均質化したオレガノ材料が、約2重量パーセント~約15重量パーセントの繊維をさらに含む、実施例34に記載のエアロゾル発生物品。
実施例36.
結合剤がグアーガムである、実施例34または35に記載のエアロゾル発生物品。
実施例37.
均質化したオレガノ材料が、一枚以上のシートの形状である、実施例1~36のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例38.
一枚以上のシートのそれぞれが、100マイクロメートル~600マイクロメートルの厚さを有する、実施例37に記載のエアロゾル発生物品。
実施例39.
一枚以上のシートのそれぞれが、100g/m2~300g/m2のグラム数を有する、実施例38に記載のエアロゾル発生物品。
実施例40.
一枚以上のシートのそれぞれが、0.3g/m3~1.3g/m3の密度を有する、実施例38または39に記載のエアロゾル発生物品。
実施例41.
一枚以上のシートのそれぞれが、50N/m~400N/mの交差方向のピーク時の引張強度を有する、実施例38、39または40に記載のエアロゾル発生物品。
実施例42.
一枚以上のシートのそれぞれが、100N/m~800N/mの機械方向のピーク時の引張強度を有する、実施例38~40のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例43.
一枚以上のシートが、一つ以上のシート集合体の形態である、実施例38~42のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例44.
均質化したオレガノ材料が、複数のストランドの形態である、実施例1~36のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例45.
ストランドの幅が少なくとも0.2mmである、実施例44に記載のエアロゾル発生物品。
実施例46.
複数のストランドが、長手方向軸と整列して、実質的に長手方向にエアロゾル発生基体の長さに沿って延在する、実施例44または45に記載のエアロゾル発生物品。
実施例47.
複数のストランドがそれぞれ、平方ミリメートル当たり少なくとも0.02ミリグラムの質量対表面積比を有する、実施例44、45または46に記載のエアロゾル発生物品。
実施例48.
エアロゾル発生基体中の均質化したオレガノ材料が、キャストリーフの形態である、実施例1~47のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例49.
エアロゾル発生基体中の均質化したオレガノ材料が、オレガノ紙の形態である、実施例1~47のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例50.
試験方法Aによるエアロゾル発生基体の加熱に伴い、エアロゾル発生基体から発生するエアロゾルが、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸と、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のイソチモールと、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンと、を含み、
エアロゾルの吸煙が、喫煙機械によって生成されるときに55ミリリットルの体積を有し、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量が、エアロゾルの吸煙当たりのイソチモールの量の少なくとも2倍であり、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量が、エアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも2倍である、実施例1~49のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例51.
エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品であって、均質化したオレガノ材料を含むエアロゾル発生基体が、オレガノ粒子と、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体と、約1重量パーセント~約10重量パーセントの結合剤と、を含む、エアロゾル発生物品。
実施例52.
均質化したオレガノ材料が、精油、好ましくはオレガノ精油をさらに含む、実施例51に記載のエアロゾル発生物品。
実施例53.
均質化したオレガノ材料が、たばこ粒子をさらに含む、実施例51または52に記載のエアロゾル発生物品。
実施例54.
均質化したオレガノ材料が、乾燥重量基準で、少なくとも0.5重量パーセントのオレガノ粒子を含む、実施例51~53のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例55.
オレガノ粒子、エアロゾル形成体および結合剤を含む、均質化したオレガノ材料を含む、エアロゾル発生基体であって、エアロゾル発生基体が、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも50マイクログラムのウルソール酸と、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも5マイクログラムのイソチモールと、
乾燥重量基準で、基体1グラム当たり少なくとも1.5マイクログラムのチモビドロキノンと、を含む、エアロゾル発生基体。
実施例56.
エアロゾル発生システムであって、
発熱体を備えるエアロゾル発生装置と、
実施例1~54のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例57.
発熱体が、エアロゾル発生基体の中に挿入されるように適合されたヒーターブレードである、実施例56に記載のエアロゾル発生システム。
実施例57.
実施例55に記載のエアロゾル発生基体を加熱する際に生成されるエアロゾルであって、エアロゾルが、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.04マイクログラムの量のウルソール酸と、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のイソチモールと、
エアロゾルの吸煙当たり少なくとも0.01マイクログラムの量のチモビドロキノンと、を含み、
エアロゾルの吸煙が、喫煙機械によって生成されるときに55ミリリットルの体積を有し、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量が、エアロゾルの吸煙当たりのイソチモールの量の少なくとも2倍であり、エアロゾルの吸煙当たりのウルソール酸の量が、エアロゾルの吸煙当たりのチモビドロキノンの量の少なくとも2倍である、エアロゾル。
実施例58.
エアロゾル発生基体を作製する方法であって、
オレガノ粒子、水、エアロゾル形成体、結合剤、および随意にたばこ粒子を含む、スラリーを形成する工程と、
スラリーをシートまたはストランドの形態でキャスティングまたは押出成形する工程と、
シートまたはストランドを摂氏80度~摂氏160度で乾燥させる工程と、を含む、方法。
実施例59.
スラリーを支持面上にキャストし、乾燥させて、キャストリーフのシートを形成する、実施例58に記載の方法。
実施例60.
エアロゾル発生基体を作製する方法であって、
オレガノ粒子、水、および任意選択的にたばこ粒子を含む希釈懸濁液を形成する工程と、
懸濁液を不溶性部分および液体抽出物に分離する工程と、
不溶性部分をシートに形成する工程と、
液体抽出物を濃縮し、濃縮液体抽出物をシートに加えて、オレガノ紙を形成する工程と、を含む、方法。
【0304】
具体的な実施形態を以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0305】
【
図1】
図1は、本明細書に記述されるようなエアロゾル発生物品の基体の第一の実施形態を図示する。
【
図2】
図2は、エアロゾル発生物品と、電気発熱体を備えるエアロゾル発生装置と、を備えるエアロゾル発生システムを図示する。
【
図3】
図3は、エアロゾル発生物品および可燃性発熱体を含むエアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システムを図示する。
【
図4】
図4aおよび4bは、本明細書に記載のエアロゾル発生物品の基体の第二の実施形態を図示する。
【
図5】
図5は、本明細書に記載のエアロゾル発生物品の基体の第三の実施形態を図示する。
【
図6】
図6a、6bおよび6cはそれぞれ、エアロゾル修飾要素をさらに含むフィルター1050の断面図である。
図6aは、フィルタープラグ内の球状のカプセルまたはビーズの形態のエアロゾル修飾要素を図示する。
図6bは、フィルタープラグ内のスレッドの形態のエアロゾル修飾要素を図示する。
図6cは、フィルター内の空洞内の球状のカプセルの形態のエアロゾル修飾要素を図示する。
【
図7】
図7は、細長いサセプタ要素をさらに含むエアロゾル発生基体1020のプラグの断面図である。
【
図8】
図8は、特徴的な化合物を測定するために分析されるエアロゾルサンプルを収集するための実験セットアップを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0306】
図1は、本明細書に記載の基体を含む加熱式エアロゾル発生物品1000を図示する。物品1000は、四つの要素、すなわち、エアロゾル発生基体1020と、中空のセルロースアセテートチューブ1030と、スペーサー要素1040と、マウスピースフィルター1050とを備える。これらの四つの要素は逐次的にかつ同軸に整列して配設され、またシガレットペーパー1060によって組み立てられて、エアロゾル発生物品1000を形成する。物品1000は、ユーザーが使用中に自分の口の中へと挿入する口側端1012と、口側端1012に対して物品の反対側の端に位置する遠位端1013を有する。
図1に図示したエアロゾル発生物品の実施形態は、エアロゾル発生基体を加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置とともに使用するために特に適切である。
【0307】
組み立てられた時、物品1000は長さが約45ミリメートルであり、また約7.2ミリメートルの外径および約6.9ミリメートルの内径を有する。
【0308】
エアロゾル発生基体1020は、オレガノ粒子を含む均質化したオレガノ材料のシートから形成されるプラグを、単独でまたはたばこ粒子と組み合わせて含む。
【0309】
エアロゾル発生基体1020を形成するための適切な均質化したオレガノ材料のいくつかの例が、以下の表1に示されている(サンプルB~Dを参照)。シートは、プラグを形成するために、集合され、捲縮され、そしてフィルターペーパー(図示せず)内に巻かれる。シートは、エアロゾル形成体としてのグリセロールを含む添加物を含む。
【0310】
図1に図示するようなエアロゾル発生物品1000は、消費するためにエアロゾル発生装置と係合するように設計されている。こうしたエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基体1020を十分な温度に加熱してエアロゾルを形成する手段を含む。典型的に、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基体1020に隣接したエアロゾル発生物品1000を囲む発熱体、またはエアロゾル発生基体1020の中へと挿入される発熱体を備えてもよい。
【0311】
エアロゾル発生装置と係合されると、ユーザーは喫煙物品1000の口側端1012を吸い、そしてエアロゾル発生基体1020は摂氏約375度の温度に加熱される。この温度において、揮発性化合物がエアロゾル発生基体1020から放出される。これらの化合物は凝縮されてエアロゾルを形成する。エアロゾルはフィルター1050を通し、そしてユーザーの口の中へと引き込まれる。
【0312】
図2は、エアロゾル発生物品1000のエアロゾル発生基体1020を加熱するために加熱ブレード2100を利用する電気的に作動するエアロゾル発生システム2000の一部分を図示する。加熱ブレードは、電気的に作動するエアロゾル発生装置2010のエアロゾル物品受容チャンバー内に取り付けられる。エアロゾル発生装置は、空気がエアロゾル発生物品1000へと流れることができるようにするための複数の空気穴2050を画定する。気流は、
図2の矢印で示されている。エアロゾル発生装置は電源および電子機器を含むが、
図2では図示されていない。
図2のエアロゾル発生物品1000は、
図1に関して説明した通りである。
【0313】
図3に示す代替的な構成では、エアロゾル発生システムは、可燃性発熱体とともに示されている。
図1の物品1000はエアロゾル発生装置と併せて消費されることが意図されるが、
図3の物品1001は、点火し、そして熱をエアロゾル発生基体1020に伝達して吸入可能なエアロゾルを形成してもよい可燃性熱源1080を含む。可燃性熱源80は、ロッド11の遠位端13においてエアロゾル発生基体に近接して組み立てられる木炭要素である。
図1の各要素と本質的に同じ要素には同じ番号が付けられている。
【0314】
図4aおよび4bは、加熱式エアロゾル発生物品4000a、4000bの第二の実施形態を図示する。エアロゾル発生基体4020a、4020bは、オレガノ粒子を含む粒子状植物材料から形成された第一の下流プラグ4021と、主にたばこ粒子を含む粒子状植物材料から形成された第二の上流プラグ4022とを備える。第一の下流プラグで使用するための好適な均質化したオレガノ材料を以下の表1にサンプルA~Dのうちの一つとして示す。第二の上流プラグで使用するための好適な均質化したたばこ材料を以下の表1にサンプルEとして示す。サンプルEは、たばこ粒子のみを含み、比較のみを目的として含まれている。
【0315】
各プラグにおいて、均質化した植物材料は、シートの形態であり、シートは、捲縮されて、フィルターペーパー(図示せず)に巻かれる。シートは両方とも、エアロゾル形成体としてのグリセロールを含む添加剤を含む。
図4aに示す実施形態において、プラグは、端と端をつないで当接する関係で組み合わされてロッドを形成しており、それぞれ約6mmの長さである。より好ましい実施形態(図示せず)において、第二のプラグは、第一のプラグよりも長いことが好ましく、例えば、2mm長いことが好ましく、3mm長いことがより好ましく、その結果、第二のプラグは、7または7.5mmの長さであり、第一のプラグは5または4.5mmの長さであって、基体中のたばこ粒子とオレガノ粒子の望ましい比を提供する。
図4bでは、セルロースアセテートチューブ支持要素1030は省略されている。
【0316】
図1の物品1000と類似の物品4000a、4000bは、
図2に示すヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生システム2000での使用に特に好適である。
図1の各要素と本質的に同じ要素には、同じ番号が付けられている。可燃性熱源(図示せず)が、
図3の物品1001の可燃性熱源1080を含む構成に類似した構成において、電気発熱体の代わりに、第二の実施形態で代替的に使用され得ることは、当業者に想定され得る。
【0317】
図5は、加熱式エアロゾル発生物品5000の第三の実施形態を図示する。エアロゾル発生基体5020は、ある割合のオレガノ粒子を含む粒子状植物材料で形成された均質化したオレガノ材料の第一のシート、および主にキャストリーフたばこを含む均質化したたばこ材料の第二のシートから形成されている、ロッドを備える。
【0318】
第一のシートとして使用するための好適な均質化したオレガノ材料を以下の表1にサンプルA~Dのうちの一つとして示す。第二のシートとして使用するための適切な均質化したたばこ材料を以下の表1にサンプルEとして示す。サンプルEは、たばこ粒子のみを含み、比較のみを目的として含まれている。
【0319】
第二のシートは第一のシートの上にあり、組み合わされたシートは、捲縮、集合され、少なくとも部分的にフィルターペーパー(図示せず)で巻かれてロッドの一部であるプラグを形成する。両方のシートは、エアロゾル形成体としてのグリセロールを含む添加剤を含む。
図1の物品1000と類似の物品5000は、
図2に示すヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生システム2000での使用に特に好適である。
図1の各要素と本質的に同じ要素には、同じ番号が付けられている。可燃性熱源(図示せず)が、
図3の物品1001の可燃性熱源1080を含む構成に類似した構成において、電気発熱体の代わりに、第三の実施形態で代替的に使用され得ることは、当業者に想定され得る。
【0320】
図6a、6bおよび6cは、エアロゾル修飾要素をさらに含むフィルター1050の断面図である。
図6aにおいて、フィルター1050は、球状カプセルまたはビーズ605の形態のエアロゾル修飾要素をさらに備える。
【0321】
図6aの実施形態において、カプセルまたはビーズ605はフィルターセグメント601内に埋め込まれ、フィルター材料603によってすべての側が囲まれている。この実施形態で、カプセルは外部シェルおよび内部コアを備え、その内部コアは液体風味剤を含む。液体風味剤は、フィルターを提供されたエアロゾル発生物品の使用中にエアロゾルを風味付けるためのものである。カプセル605は、例えば消費者による圧迫によってフィルターが外力に供された時に、液体風味剤の少なくとも一部を放出する。図示した実施形態において、カプセルは概して球状であり、液体風味剤を含む実質的に連続した外側シェルを有する。
【0322】
図6bの実施形態において、フィルターセグメント601は、フィルター材料603のプラグと、フィルター1050の長軸方向軸に平行にフィルター材料603のプラグを通して軸方向に延在する中央風味支持スレッド607とを備える。中央風味支持スレッド607は、中央風味支持スレッド607の端部がフィルターセグメント601の端部において見えるように、フィルター材料603のプラグと実質的に同じ長さである。
図6bでは、フィルター材料603は、セルロースアセテートトウである。中央風味支持スレッド607は、ねじれたフィルタープラグラップから形成され、エアロゾル修飾剤が装填されている。
【0323】
図6cの実施形態において、フィルターセグメント601は、二つ以上のフィルター材料のプラグ603、603’を備える。フィルター材料603、603’のプラグは、エアロゾル発生物品によって提供されるエアロゾルを濾過することができるように、セルロースアセテートから形成される。ラッパー609が周りに巻かれ、フィルタープラグ603、603’を接続する。空洞611の内部には、外部シェルおよび内部コアを含むカプセル605があり、内部コアは液体風味剤を含む。あるいは、カプセルは
図6aの実施形態と類似している。
【0324】
図7は、細長いサセプタの細片705をさらに含むエアロゾル発生基体1020の断面図である。エアロゾル発生基体1020は、たばこ粒子およびオレガノ粒子を含む均質化したオレガノ材料のシートから形成されるプラグ703を備える。細長いサセプタ細片705は、プラグ703内に埋め込まれ、またプラグ703の上流端と下流端との間で長軸方向に延びる。使用中、細長いサセプタ細片705は、上述のように、誘導加熱によって均質化したオレガノ材料を加熱する。
【0325】
実施例
図を参照して上述したように、本発明によるエアロゾル発生基体で使用するための均質化した植物材料の異なるサンプルは、表1に示す組成物を有する水性スラリーから調製され得る。サンプルAは、本発明により、オレガノ粒子のみを含み、たばこ粒子は含まない。サンプルB~Dは、本発明によるオレガノ粒子およびたばこ粒子を含む。サンプルEは、たばこ粒子のみを含み、比較の目的のためにのみ含まれる。
【0326】
すべてのサンプルA~E中の粒子状植物材料は、均質化した植物材料の乾燥重量の約75パーセントを占め、グリセロール、グアーガム、およびセルロース繊維は、均質化した植物材料の乾燥重量の残りの約25パーセントを占める。サンプルは、100kgのスラリー当たり78~79kgの水を含有する水性スラリーから調製される。
【0327】
下記の表において、%DWBは、「乾燥質量基準」を指し、この場合、均質化した植物材料の乾燥質量に対して計算された重量パーセントである。オレガノ粉末は、乾燥オレガノリーフから形成されてもよく、これは三重衝撃粉砕によって最終D95=175ミクロンに粉砕されてもよい。
【表1】
【0328】
スラリーを、キャスティングバー(0.6mm)を使用してガラス板上にキャストし、オーブンで7分間摂氏140度にて乾燥させ、次いで第二のオーブンで30秒間摂氏120度にて乾燥させてもよい。
【0329】
均質化した植物材料のサンプルA~Eの各々について、均質化した植物材料の単一の連続的なシートからプラグを生成することができ、シートは各々、100mm~125mmの幅を有する。個々のシートは、約235マイクロメートルの厚さおよび約180g/m2の坪量を有することが好ましい。各シートの切断幅は約132mmである。シートを165マイクロメートル~170マイクロメートルの高さに捲縮し、そして約12mmの長さおよび約7mmの直径を有するプラグへと丸め、紙ラッパーで囲んでもよい。各プラグにおける均質化した植物材料の重量は約285であり、各プラグの総重量は約293.6mgである。
【0330】
プラグの各々について、約45mmの全体的な長さを有するエアロゾル発生物品が、下流端から、口側端セルロースアセテートフィルター(約7mmの長さ)と、ポリ乳酸ポリマーの捲縮したシートを備えるエアロゾルスペーサー(約18mmの長さ)と、中空アセテート管(約8mmの長さ)と、エアロゾル発生基体のプラグと、を備える、
図3に示すような構造を有して形成されてもよい。
【0331】
オレガノ粒子が粒子状植物材料の20パーセントを占める均質化した植物材料のサンプルBについて、特徴的な化合物を、上記に詳述したメタノールを使用して均質化した植物材料のプラグから抽出した。抽出物を上記のように分析し、特徴的な化合物の存在を確認して、特徴的な化合物の量を測定した。この分析の結果を以下の表2に示すが、ここで示される量は、エアロゾル発生物品あたりの量に対応し、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体は、285mgの均質化した植物材料のサンプルBを含む。
【0332】
比較の目的で、サンプルBを形成するために使用される粒子状植物材料(オレガノ粒子)中に存在する特徴的な化合物の量も示す。粒子状材料については、示される量は、285mgのサンプルBを含有するエアロゾル発生物品中の粒子状植物材料の総重量に対応する重量を有する粒子状植物材料のサンプル中の特徴的な化合物の量に対応する。
【0333】
ある割合のオレガノ粒子を含むサンプルA、CおよびDのそれぞれについて、特徴的な化合物の量は、その量がオレガノ粒子の重量に比例して存在すると仮定することによって、表2の値に基づいて推定することができる。
【表2】
【0334】
均質化した植物材料のサンプルA~Eから形成されたエアロゾル発生基体を組み込んだエアロゾル発生物品の主流エアロゾルを、上記に定義されるように、試験方法Aに従って発生させることができる。各サンプルについて、生成されたエアロゾルを閉じ込めて分析することができる。
【0335】
上記で詳述するように、試験方法Aに従い、エアロゾル発生物品を、市販されているPhilip Morris Products SAのIQOS(登録商標)加熱非燃焼式装置たばこ加熱システム2.2ホルダー(THS2.2ホルダー)を使用して試験することができる。エアロゾル発生物品を、カナダ保健省の機械式喫煙レジメン下で、55mlの吸煙容積、2秒の吸煙持続時間、および30秒の吸煙間隔を用いて30回の吸煙にわたって加熱した(ISO/TR19478-1:2014に記述されるように)。
【0336】
喫煙試験中に発生したエアロゾルを、Cambridgeフィルターパッドに収集して液体溶媒で抽出する。
図10は、エアロゾル発生物品からエアロゾルを発生および収集するための適切な装置を示している。
【0337】
図10に示すエアロゾル発生装置111は、市販のタバコ加熱装置(IQOS)である。上記に詳述するカナダ保健省の喫煙試験中に発生された主流エアロゾルの内容物は、エアロゾル収集ライン120上のエアロゾル収集チャンバー113に収集される。ガラス繊維フィルターパッド140は、ISO4387およびISO3308に準拠した44mmのCambridgeガラス繊維フィルターパッド(CFP)である。
【0338】
LC-HRAM-MS分析の場合:
この場合メタノールおよび内部標準(ISTD)溶液である抽出溶媒170、170aは、各マイクロインピンジャー160、160a中に10mLの容積で存在する。冷浴161、161aはそれぞれ、マイクロインピンジャー160、160aをそれぞれ約-60°Cに維持するためのドライアイス-イソプロピルエーテルを含む。気体‐蒸気相は、マイクロインピンジャー160、160aを通してエアロゾルが泡立つのに伴い抽出溶媒170、170a内に閉じ込められる。二つのマイクロインピンジャーからの組み合わせられた溶液は、工程181において、インピンジャーに閉じ込められた気体-蒸気相溶液180として分離される。
【0339】
CFPおよびインピンジャーに閉じ込められた気体‐蒸気相溶液180は、工程190で清浄なPyrex(登録商標)管に組み合わされる。工程200において、全ての粒子状物質は、十分に振とう(CFPを分解)して5分間攪拌し、最後に遠心分離(4500g、5分、10℃)することによって、インピンジャーに閉じ込められ気体‐蒸気相溶液180(溶媒としてメタノールを含む)を使用して、CFPから抽出される。全ての再構成エアロゾル抽出物220のアリコート(300μL)をシラン処理されたクロマトグラフィーバイアルに移し、メタノール(700μL)で希釈したが、これは抽出溶媒170、170aが既に内部標準(ISTD)溶液を含むためである。バイアルを閉じ、Eppendorf ThermoMixer(5℃、2000rpm)を使用して5分間混合した。
【0340】
化合物識別のために、希釈した抽出物のアリコート(1.5μL)を注入し、フルスキャンモードおよびデータ依存型フラグメンテーションモードの両方でLC-HRAM-MSにより分析した。
【0341】
GCxGC-TOFMS分析について:
上述のように、GCxGC-TOFMS実験のためのサンプルを調製する場合、全エアロゾルから分離された極性化合物、非極性化合物、および揮発性化合物の抽出および分析には、異なる溶媒が適切である。実験のセットアップは、以下に示した例外を除き、LC-HRAM-MSのサンプル収集に関して説明したものと同一である。
【0342】
非極性および極性
抽出溶媒171、171aは、10mLの容量で存在し、80:20v/vのジクロルメタンおよびメタノールの混合物であり、同じく保持指標マーカー(RIM)化合物および安定同位体標識内部標準(ISTD)を含む。冷浴162、162aはそれぞれ、マイクロインピンジャー160、160aをそれぞれ約-78°Cに維持するためのドライアイス-イソプロパノール混合物を含む。気体‐蒸気相は、マイクロインピンジャー160、160aを通してエアロゾルが泡立つのに伴い抽出溶媒171、171a内に閉じ込められる。二つのマイクロインピンジャーからの組み合わせられた溶液は、工程182において、インピンジャーに閉じ込められた気体-蒸気相溶液210として分離される。
【0343】
非極性
CFPおよびインピンジャーに閉じ込められた気体‐蒸気相溶液210は、工程190で清浄なPyrex(登録商標)管に組み合わされる。工程200において、全ての粒子状物質は、十分に振とう(CFPを分解)して5分間攪拌し、最後に遠心分離(4500g、5分、10℃)して、エアロゾル抽出物230全体の極性成分および非極性成分を分離することによって、インピンジャーに閉じ込められ気体‐蒸気相溶液210(溶媒としてジクロロメタンおよびメタノールを含む)を使用して、CFPから抽出される。
【0344】
工程250において、エアロゾル抽出物230全体の10mLのアリコート240を取り出した。工程260において、10mLの水のアリコートを添加し、サンプル全体を振とうし、遠心分離する。非極性分画270を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フルスキャンモードでGCxGC-TOFMSにより分析した。
【0345】
極性
ISTDおよびRIM化合物を極性分画280に添加し、これをフルスキャンモードでGCxGC-TOFMSによって直接分析した。
【0346】
各喫煙複製(n=3)は、各サンプルについて、閉じ込められた再構成非極性分画の270および非極性分画280の蓄積を含む。
【0347】
揮発性成分
エアロゾル全体を、二つのマイクロインピンジャー160、160aを直列に使用して閉じ込めた。この場合はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)保持指標マーカー(RIM)化合物および安定同位体標識内部標準(ISTD)である抽出溶媒172、172aは、各マイクロインピンジャー160、160a中に10mLの容積で存在する。冷浴161、161aはそれぞれ、マイクロインピンジャー160、160aをそれぞれ約-60°Cに維持するためのドライアイス-イソプロパノールエーテルを含む。気体‐蒸気相は、マイクロインピンジャー160、160aを通してエアロゾルが泡立つのに伴い抽出溶媒170、170a内に閉じ込められる。二つのマイクロインピンジャーからの組み合わせられた溶液は、工程183において揮発性含有相211として分離される。揮発性含有相211は、他の相とは別個に分析され、さらなる調製を行うことなく、クールオンカラムを用いてGCxGC-TOFMSに直接注入される。
【0348】
以下の表3は、オレガノ粒子のみを含む均質化した植物材料のサンプルBを組み込んだエアロゾル発生物品から発生されたエアロゾル中のオレガノ粒子からの特徴的な化合物のレベルを示す。比較の目的で、表3はまた、たばこ粒子のみを含む(したがって本発明によらない)均質化した植物材料のサンプルEを組み込んだエアロゾル発生物品から発生されるエアロゾル中の特徴的な化合物のレベルを示す。
【表3】
【0349】
サンプルBから発生したエアロゾルでは、比較的高いレベルの特徴的な化合物が測定された。ウルソール酸とイソチモールとの比は1を超え、イソチモールとチモビドロキノンとの比も8を超えていた。したがって、特徴的な化合物のレベルは、サンプル中のオレガノ粒子の存在を示した。対照的に、オレガノ粒子を実質的に含まないたばこのみのサンプルEについては、特徴的な化合物のレベルがゼロであるか、またはほぼゼロであることが見出された。
【0350】
オレガノ粒子を含むサンプルA、CおよびDの各々について、エアロゾル中の特徴的な化合物の量は、その量が、それからエアロゾルが発生されたエアロゾル発生基体におけるオレガノ粒子の重量に比例して存在すると仮定することによって、表3の値に基づいて推定することができる。
【0351】
以下の表4は、サンプルB(20:80のオレガノ対たばこの比率)を組み込むエアロゾル発生物品から発生されるエアロゾル中の特定のエアロゾル成分のレベルを、たばこのみのサンプルEから発生されるエアロゾルと比較する。示される減少は、サンプルEの均質化した材料中のたばこ粒子の20パーセントをオレガノ粒子で置き換えることによってもたらされる減少パーセントである。
【0352】
表4に示すように、粒子状植物材料の乾燥重量に基づいて20重量パーセントのオレガノ粒子を含むサンプルBから生成されたエアロゾルは、粒子状植物材料の乾燥重量に基づいて100重量パーセントのたばこを含むサンプルEから生成されたエアロゾルの同じ化合物のレベルと比較した場合に、フェノール、o-クレゾールおよびm-クレゾールのレベルが低減する結果となった。
【0353】
ほとんどの場合、これらの望ましくないエアロゾル化合物のレベルの減少は、たばこ粒子の20パーセントをオレガノ粒子に置き換えた結果として予想される割合の減少よりも著しく大きい。したがって、オレガノ粒子とたばこ粒子の組み合わせは、これらの化合物のレベルにおける予想外に高い減少をもたらす。したがって、オレガノ粒子の含有は、エアロゾル中の特定の望ましくない化合物のレベルを低減する一方、感覚的特性が改善されたエアロゾルを提供することができる。
【表4】
【国際調査報告】