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特表2024-529580洗浄システムを備えたプラスチック材料用の濾過装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-07
(54)【発明の名称】洗浄システムを備えたプラスチック材料用の濾過装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/64 20060101AFI20240731BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20240731BHJP
   B01D 29/62 20060101ALI20240731BHJP
   B01D 29/01 20060101ALI20240731BHJP
   B29B 7/80 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
B01D29/38 550B
B01D35/02 L
B01D29/38 550D
B01D29/38 550Z
B01D29/38 580D
B01D29/04 510B
B01D29/04 520D
B01D29/04 530Z
B29B7/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531739
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 IB2022057152
(87)【国際公開番号】W WO2023012656
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】102021000021380
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524048885
【氏名又は名称】ブレーク マシナリー エスアールエル
(71)【出願人】
【識別番号】524048896
【氏名又は名称】サルトリ,アレッサンドロ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】サルトリ,アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
4D116
4F201
【Fターム(参考)】
4D116AA01
4D116BB01
4D116BC05
4D116DD04
4D116DD07
4D116KK04
4D116QA05C
4D116QA05F
4D116RR01
4D116RR21
4D116RR22
4D116VV16
4F201AA50
4F201AJ08
4F201BC02
4F201BC25
4F201BP26
(57)【要約】
溶融状態のプラスチック材料用の濾過装置(10;110)は、開口部(16)及びカバー(20)を備えた中空体(14)と、濾過されたプラスチック材料のための少なくとも1つの流入路(22)及び少なくとも1つの流出路(24)と、並んで配置された2つのフィルタと、フィルタ間に配置され、濾過表面(32A)と協働するスクレイピング要素(48)を備えた回転洗浄装置(40)と、不純物を排出口(82)に向けて排出するよう構成された排出装置(80;180)と、を備える。排出装置(80;180)が中央に配置されることで、不純物が、同じ流量で同じ経路を通って移動し、排出装置(80;180)上にバランスよく不純物が排出される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融状態のプラスチック材料用の濾過装置(10;110)であって、
開口部(16)及び前記開口部(16)に対応するよう構成されたカバー(20)を備え、濾過チャンバ(12)を画定する中空体(14)と、
前記濾過チャンバ(12)内に溶融状態の前記プラスチック材料を導入するための少なくとも1つの流入路(22)、及び、前記濾過チャンバ(12)から溶融状態にある前記濾過プラスチック材料の排出するための少なくとも1つの流出路(24)と、
前記濾過チャンバ(12)内で、前記少なくとも1つの流入路(22)及び前記少なくとも1つの流出路(24)の間の位置に隣り合って配置される、第1のフィルタ(32)及び第2のフィルタ(34)であって、前記プラスチック材料を濾過し、不純物を回収するよう構成された第1の表面(32A)を画定するよう構成された第1のフィルタ(32)、及び、前記プラスチック材料を濾過し、不純物を回収するよう構成された第2の表面(34A)を画定するよう構成された第2のフィルタ(34)と、
前記第1のフィルタ(32)及び前記第2のフィルタ(34)の間に配置された洗浄装置(40)と、
前記洗浄装置(40)によって回収された前記不純物を排出口(82)に向けて排出するよう構成された排出装置(80;180)であって、前記洗浄装置(40)に対して中央に配置されている前記排出装置(80;180)と、
を備え、
前記洗浄装置(40)は、回転本体(42)を備え、前記回転本体(42)は、
前記第1のフィルタ(32)に対向する第1の側部(44)であって、前記第1のフィルタ(32)の前記第1の濾過表面(32A)と協働する第1のスクレイピング要素(48)を有する第1の側部(44)と、
前記第2のフィルタ(34)に対向する第2の側部(46)であって、前記第2のフィルタ(34)の前記第2の濾過表面(34A)と協働する第2のスクレイピング要素(50)を備える第2の側部(46)と、
を備え、
前記本体(42)は、
前記第1の側部(44)に連通する複数の第1の軸対称チャネル(60A,60B,60C)と、
前記第2の側部(46)に連通する複数の第2の軸対称チャネル(70A,70B,70C)と、
を備え、
前記複数の第1の軸対称チャネル(60A,60B,60C)及び前記複数の第2の軸対称チャネル(70A,70B,70C)は、それぞれ、前記第1のスクレイピング要素(48)及び前記第2のスクレイピング要素(50)によって回収された前記不純物を受容し、前記不純物を前記排出装置(80;180)に向けて搬送するよう構成され、
前記複数の第1の軸対称チャネル(60A,60B,60C)及び前記複数の第2の軸対称チャネル(70A,70B,70C)は、前記本体(42)に互い違いに配置され、さらに、前記本体(42)の中間平面(M)に対して対称に配置され、これにより、前記不純物が、同じ流量で、同じ経路を通って、前記複数の第1のチャネル(60A,60B,60C)及び前記複数の第2のチャネル(70A,70B,70C)を通過し、前記中間平面(M)上に配置された排出口(66)を介して、前記排出装置(80;180)上にバランスよく排出されるため、完全な等価位置において、前記排出装置(80;180)に不純物を確実に導入できる、
ことを特徴とする、濾過装置(10;110)。
【請求項2】
前記洗浄装置(40)の前記本体(42)を回転させる第1の回転手段(27)をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の濾過装置(10;110)。
【請求項3】
前記排出装置(80)は、回転排出要素(84)、好ましくは、ウォームスクリューを収容する排出チャネル(85)を備え、前記排出チャネル(85)は、前記濾過チャンバ(12)で回収された前記不純物を、前記排出口(82)に向かって、長手方向に沿って受容・移動させるよう構成されている、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の濾過装置(10)。
【請求項4】
前記回転排出要素(84)を回転させる、第2の回転手段(28)をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項3に記載の濾過装置(10)。
【請求項5】
前記洗浄装置(40)の前記本体(42)と前記回転排出要素(84)が同一回転方向に回転し、
前記回転排出要素(84)の回転速度は、前記排出口(66)からの材料の流出速度の接線方向成分を生成する値の分だけ、前記排出装置(42)の回転速度よりも高いことが好ましく、前記流出速度は、前記回転排出要素(84)の接線速度と一致する、
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の濾過装置(10)。
【請求項6】
前記複数の第1のチャネル(60A,60B,60C)及び/又は前記複数の第2のチャネル(70A,70B,70C)のうち、1つ以上のチャネルが、前記排出装置(80;180)に向かって増加する断面積を有する、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の濾過装置(10;110)。
【請求項7】
前記第1のスクレイピング要素(48)及び/又は前記第2のスクレイピング要素(50)が、前記第1のフィルタ(32)の前記第1の濾過表面(32A)及び/又は前記第2のフィルタ(34)の前記第2の濾過表面(34A)に接触して配置されるよう構成された、スクレイピングブレード、好ましくは、可撓性を有するスクレイピングブレードを備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の濾過装置(10;110)。
【請求項8】
前記、可撓性を有するスクレイピングブレード(48)が、前記回転本体(42)を、前記第1のフィルタ(32)及び前記第2のフィルタ(34)間を中心とする動作位置に維持し、前記回転本体(42)が軸方向に拘束されない、
ことを特徴とする、請求項7に記載の濾過装置(10;110)。
【請求項9】
前記排出装置(180)は、排出チャネル(85)と開閉弁(190)とを備え、前記開閉弁(190)は、開状態となることで、圧力の作用下で、前記濾過チャンバ(12)で回収された前記不純物を前記排出口(82)に向けて移動するよう構成されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の濾過装置(10;110)。
【請求項10】
前記カバー(20)によって閉じられた前記中空体(14)において、全ての前記スクレイピング要素(48,50)が同程度の圧縮を受ける、
ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の濾過装置(10;110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願特許は、溶融状態のプラスチック材料を濾過するシステム、より具体的には、プラスチックリサイクル処理中に溶融状態のプラスチック材料を濾過するシステムに関する。
【0002】
より具体的には、本願特許は、溶融状態のプラスチック材料用の濾過装置の洗浄システム、特に、プラスチックリサイクル処理中に溶融状態のプラスチック材料を濾過するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
新製品の製造に再利用するためのプラスチック材料の回収/リサイクルの問題は広く知られており、特に重要視されている。
【0004】
リサイクルされるプラスチック材料は、溶融プロセスにかけられると同時に、不純物を除去するために濾過される。典型的には、溶融及び濾過された材料は、その後、適切に処理されて、粒状製品として製造される。こうした粒状製品は、例えば、公知のプラスチック製造プロセスに再導入される。
【0005】
溶融状態のプラスチック原料の濾過を行う公知のタイプの装置は、1つ以上の濾材を備えた円筒状の濾過チャンバを備えている。濾材は、濾過される原料プラスチック材料の供給入口と、濾材の下流にあって、濾過された溶融プラスチック材料を排出する排出口との間に設けられる。公知のタイプの濾過チャンバは、底部が閉じた第1の部分、好ましくは、底部が閉じた円筒状の第1の部分と、第1の部分の開口部に対応するカバーと、を備える。カバーが第1の部分の開口部に対応・固定されると、濾過チャンバが閉じられ、濾過装置が使用可能な状態となる。カバーは、通常のメンテナンス作業及び/又は修理の際に、簡単に緩めることができるようなネジ及びナットによって、第1の部分に固定されることが好ましい。
【0006】
公知の技術によれば、溶融状態のプラスチック原料は、濾過チャンバに導入され、加圧された状態で、濾材を通って運ばれる。濾材は、典型的には、所望の濾過能力を確保するよう適切なサイズで構成された濾過用貫通孔を有する、実質的に平面状(又は円筒状)のフィルタによって構成される。
【0007】
運転時、原料を連続的に供給する間に、不純物がフィルタ表面に徐々に蓄積する傾向がある。そのため、濾過チャンバの内部に位置する洗浄システムが設けられ、フィルタ表面を確実に継続して洗浄するようにしている。
【0008】
公知の技術によれば、洗浄システムは、少なくとも1つの固定式又は移動式(好ましくは回転式)スクレーパーを備える。スクレーパーには、フィルタ表面にわたってスライドし、その上に蓄積した不純物を除去するスクレイピング要素が設けられている。同時に、除去された不純物は、濾過チャンバから運ばれる。スクレイピング要素によって回収された不純物は、好ましくは、湾曲した経路に沿ってフィルタの中心に向かって運ばれ、そこから、チャネルを通って、フィルタの中心から延びるウォームスクリュー/スクリューフィーダ又は開閉弁によって外部に運ばれ、濾過チャンバから出る。
【0009】
第1の既知の技術によれば、スクレーパー及びスクリューフィーダは、電動手段、通常は、電動モータによって便利に駆動されることで、共通の回転軸周りに、合わせて回転するよう設けられている。
【0010】
このタイプの濾過装置に関連する欠点としては、スクリューフィーダの回転速度とスクレーパーの回転速度を個別に管理できず、廃棄物を最適化及び最小限に抑えることができない点が挙げられる。
【0011】
一方、第2の既知の技術によれば、スクレーパーが固定され、濾材が回転するように設けられる。さらに、独立したスクリューフィーダが、濾材それぞれに対応している。
【0012】
この第2の既知の技術に関連する欠点としては、濾過表面ごとに1つのスクレーパーしか存在せず、各濾過表面にスクリューフィーダが必要である点が挙げられる。
【発明の概要】
【0013】
前述の欠点を克服するため、溶融状態のプラスチック材料用の濾過装置として、新しいタイプの濾過装置が設計及び構築された。
【0014】
ここで、公知のタイプの装置に比べて、濾材の清浄度を向上させることを可能とする、プラスチック材料用の濾過装置を提供することを目的とする。
【0015】
特に、本発明の第1の態様は、溶融状態のプラスチック材料用の濾過装置に関し、該濾過装置は、
開口部及び該開口部に対応するよう構成されたカバーを備え、濾過チャンバを画定する中空体と、
濾過チャンバ内に溶融状態のプラスチック材料を導入するための少なくとも1つの流入路、及び、濾過チャンバから溶融状態にある濾過プラスチック材料の排出するための少なくとも1つの流出路と、
濾過チャンバ内で、少なくとも1つの流入路及び少なくとも1つの流出路の間の位置に隣り合って配置される、第1のフィルタ及び第2のフィルタであって、プラスチック材料を濾過し、不純物を回収するよう構成された第1の表面を画定するよう構成された第1のフィルタ、及び、プラスチック材料を濾過し、不純物を回収するよう構成された第2の表面を画定するよう構成された第2のフィルタと、
第1のフィルタ及び第2のフィルタの間に配置された洗浄装置と、
洗浄装置によって回収された不純物を排出口に向けて排出するよう構成された排出装置であって、洗浄装置に対して中央に配置されている排出装置と、
を備え、
洗浄装置は、回転本体を備え、該回転本体は、
第1のフィルタに対向する第1の側部であって、第1のフィルタの第1の濾過表面と協働する第1のスクレイピング要素を有する第1の側部と、
第2のフィルタに対向する第2の側部であって、第2のフィルタの第2の濾過表面と協働する第2のスクレイピング要素を備える第2の側部と、
を備え、
本体は、
第1の側部に連通する複数の第1の軸対称チャネルと、
第2の側部に連通する複数の第2の軸対称チャネルと、
を備え、
複数の第1の軸対称チャネル及び複数の第2の軸対称チャネルは、それぞれ、第1のスクレイピング要素及び第2のスクレイピング要素によって回収された不純物を受容し、不純物を排出装置に向けて搬送するよう構成され、
複数の第1の軸対称チャネル及び複数の第2の軸対称チャネルは、本体に互い違いに配置され、さらに、本体の中間平面に対して対称に配置され、これにより、不純物が、同じ流量で、同じ経路を通って、複数の第1のチャネル及び複数の第2のチャネルを通過し、中間平面上に配置された排出口を介して、排出装置上にバランスよく排出されるため、完全な等価位置において、排出装置に不純物を確実に導入できる、
ことを特徴とする。
【0016】
本発明の対象である装置のさらなる具体的な動作特性は、対応する従属特許請求の範囲に例示される。新たな装置の特性は、非限定的な例として、本明細書に添付された図面を参照して、以下の説明においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態による濾過装置の軸測図を示す。
図2図2は、図1に示した濾過装置を水平面に沿った断面図で示す。
図2A図2Aは、図2の詳細を拡大したものである。
図3図3は、図1に示す濾過装置を垂直断面に沿った断面図で示す。
図4図4は、図2Aの要素を他の要素から分離して拡大した詳細を示す。
図5図5は、図4に示した要素の第1の側部から見た軸測図を示す。
図5A図5Aは、図5の分解図を示す。
図6図6は、図4に示した要素の第2の側部から見た第2の軸測図を示す。
図6A図6Aは、図6の分解図を示す。
図7A図7Aは、図5Aの要素の平面図を示す。
図7B図7Bは、図6Aの要素の平面図を示す。
図8図8は、図1に示す濾過装置を、材料を導入するための開口部を通る、垂直断面面に沿った断面図で示す。
図9図9は、本発明の変形実施形態による濾過装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態に係る濾過装置は、図1から図4において、符号数字10で示されている。
【0019】
本発明による濾過装置10は、プラスチックのリサイクル工程において好適に用いられる。
【0020】
濾過装置10は、使用する濾材のメッシュの大きさに応じた程度の純度を得るように、リサイクルされるプラスチック原料中に存在する不純物を濾過/除去する機能を有する。
【0021】
この濾過操作を行うには、まず、リサイクルされるプラスチック原料を加熱して溶融状態にし、次いで、濾過装置10内、より具体的には、濾過装置10自体の濾過チャンバ12内に搬送する。
【0022】
濾過装置10は、濾過チャンバ12を画定するために開口部16及び開口部16に対応するよう構成されたカバー20を有する中空体14を備えることが好ましい(図2、3)。
【0023】
本明細書に例示される好ましい実施形態に係る中空体14は、好ましくは、円筒状を有し、その結果、カバー20は、好ましくは円形断面を有する。
【0024】
流入路22は、溶融状態で濾過されるプラスチック材料を濾過チャンバ12に導入できるように、中空体14に対応している。流出路24も、濾過されたプラスチック材料を溶融状態のまま濾過チャンバ12から排出できるように、中空体14に対応している。
【0025】
好ましくは、流入路22は、図示しない、公知のタイプのコンベア手段と対応しており、コンベア手段は、加圧下で、濾過される溶融状態の材料を流入路22に向けて搬送するよう構成されている。
【0026】
濾過手段30は、濾過チャンバ12内の入口路22と流出路24との間の位置に配置されることが好ましい。
【0027】
本発明の態様によれば、濾過手段30は、濾過チャンバ12内の入口路22と流出路24との間の位置に並んで配置された第1のフィルタ32と第2のフィルタ34とを備える。
【0028】
第1のフィルタ32及び第2のフィルタ34は、互いに平行に配置された2つの平面濾過ディスクを備えることが好ましい。変形実施形態では、異なる形状であってもよく、濾過チャンバの内部形状に従うことができる。第1のフィルタ32は、濾過プロセス中に不純物を回収するよう構成された第1の濾過表面32Aを画定し、第2のフィルタ34は、濾過プロセス中に不純物を回収するよう構成された第2の濾過表面34Aを画定する(図2A参照)。濾過された材料のための2つのそれぞれの回収チャネル25,26は、好ましくは最終的に流出路24のレベルで合流し、2つのフィルタ32,34の下流に画定される。
【0029】
流路25,26は、同じ流量及び圧力を有する流れを得るため、対称の経路として形成される。
【0030】
以下でより詳細に説明する洗浄装置40は、好ましくは、第1及び第2のフィルタ32,34の間に配置され、洗浄装置40は、第1のフィルタ32の第1の濾過表面32A及び第2のフィルタ34の第2の濾過表面34Aを洗浄する機能を有する。
【0031】
好ましくは、図3に見られる排気排出口82に向けて、洗浄装置40によって回収された不純物を搬送するよう構成された、排出装置80も設けられる。また、排出装置80は、洗浄装置40に対して中央に配置されることが好ましい。
【0032】
排出装置80は、好ましくは、回転排出要素84、好ましくは、ウォームスクリュー又はスクリューフィーダを収容する排気流路85を備え、濾過チャンバ12で回収された不純物を受け入れ、それらを排出口82に向かって長手方向に沿って移動させるよう構成されている。
【0033】
図9に示され、以下でより詳細に説明される変形実施形態では、排出装置180は、好ましくは、排気チャネル85と開閉弁190とを備える。開閉弁190は、開状態となることで、圧力の作用下で、濾過チャンバ12内で回収された不純物を排出口82に向けて移動するよう構成されている。
【0034】
好適な回転手段28は、好ましくは、制御された速度で動作する電動モータ28Aであり、濾過装置10の動作中に、回転排出要素84の回転を制御する。
【0035】
本発明の態様によれば、洗浄装置40は、好ましくは円形の回転本体42を備え、回転本体42は、第1のフィルタ32に対向する第1の側部44と、第2のフィルタ34に対向する第2の側部46とを有する。第1の側部44には、第1のフィルタ32の第1の濾過表面32Aに協働する第1のスクレイピング要素48が設けられ、第2の側部46には、第2のフィルタ34の第2の濾過表面34Aに協働する第2のスクレイピング要素50が設けられている。
【0036】
したがって、回転本体42は、軸方向に拘束されない間、自身の回転軸を中心に回転することができる。
【0037】
第1のスクレイピング要素48及び/又は第2のスクレイピング要素50は、好ましくは、本体42のそれぞれの側部44,46に強固に連結されたスクレイピングブレードを備える。より好ましくは、第1のフィルタ32の第1の濾過表面32A及び第2のフィルタ34の第2の濾過表面34Aのそれぞれに接触して配置されるよう構成された、可撓性を有するスクレイピングブレードを備える。スクレイピングブレード48,50が可撓性を有することにより、装置10がカバー20によって閉じられた際に、それらが2つのフィルタ32,34によって圧縮され、濾過表面32A,34Aと接触するスクレイピングブレード48,50に対し、表面32A,34Aから不純物を掻き取って除去するのに必要な圧力が提供される。これは、本体42が軸方向に拘束されておらず、したがって、スクレイピングブレード48,50からの圧力によって中央に位置づけられることによっても、促進される。スクレイピングブレード48,50は、本体42自体の中間平面Mに対して、本体42の両側部44,46に対称に配置されることが好ましい。利点としては、スクレイピングブレード48,50が本体42の両側部44,46において、実質的に同様に変形し、フィルタ32,34の表面32A,34Aに同じ圧力を加えるため、フィルタ32,34の濾過品質(フィルター32,34の同程度の清浄度)が向上し、フィルタ32,34やスクレイピングブレード48,50の定期的かつ均等な摩耗が保証される。スクレイピングブレード48,50は、固定ネジによって本体42の各側部44,46に固定されている。
【0038】
図示の好ましい実施形態によれば、3枚のスクレイピングブレード48,50が各側部44,46に設けられている。但し、変形実施形態では、ブレードの枚数は異なっていてもよい。
【0039】
好適な回転手段27により、濾過装置10の作動中に回転本体42の回転制御が可能となる。
【0040】
回転手段27は、好ましくは電動モータ27Aを備え、より好ましくは制御された速度で、駆動軸27Bを回転させるように作用する。駆動軸27Bの端部は、洗浄装置40の本体42の第1の側部44の中央に形成された、対応するシート44Aに係合する(詳細は、図5及び図5A参照)。
【0041】
本体42における駆動軸27B及び対応するシート44Aの端部は、多角形状であることが好ましく、六角形状であることがより好ましい。
【0042】
本発明の他の態様によれば、本体42は、第1の側部44に連通する複数の第1のチャネル60A,60B,60Cと、第2の側部46に連通する複数の第2のチャネル70A,70B,70Cとを備える。
【0043】
複数の第1のチャネル60A,60B,60Cは、第1のスクレイピング要素48によって回収された不純物を受容し、それらを排出装置80に向けて中央に搬送するよう、より好ましくは、回転排出要素84の外面に搬送するか、あるいは、排出装置180に向けて搬送するよう、本体42内に作成される。
【0044】
同様に、複数の第2のチャネル70A,70B,70Cは、第2のスクレイピング要素50によって回収された不純物を受容し、それらを排出装置80に向かって中央に搬送するよう、より好ましくは、回転排出要素84の外面に搬送するか、あるいは、排出装置180に向けて搬送するよう、本体42内に作成される。
【0045】
したがって、図示の好ましい実施形態によれば、第1の側部44の対応する3つのスクレイピングブレード48に対応する3本の軸対称チャネル60A,60B,60C(図5A及び7A)と、第2の側部46の対応する3つのスクレイピングブレード50に対応する3本の軸対称チャネル70A,70B,70C(図6A及び7B)が存在する。しかしながら、変形実施形態では、チャネルの本数は異なっていてもよい。
【0046】
好ましくは、複数の第1のチャネル60A,60B,60C及び複数の第2のチャネル70A,70B,70Cは、本体42内に画定され、中間平面Mに対して対称になるよう、互い違いに配置される。これにより、不純物は、複数の第1のチャネル60A,60B,60C及び複数の第2のチャネル70A,70B,70Cを等しい経路で通過し、同様に均等でバランスの取れた方法で排出されて、排出装置80に排出される。
【0047】
各チャネル60A,60B,60C,70A,70B,70Cは、好ましくは、それぞれのスクレイピングブレード48,50のレベル及びその下のレベルで画定される第1の部分62(図5A及び6A参照)と、対応する排出口66を通って、環状の排出チャンバで終端する第2の部分64と、を備える。排出チャンバでは、回転排出要素84(スクリューフィーダ84)が挿入される。第1の部分62は、好ましくは直線部分を備え、一方、第2の部分64は、排出開口66に達することができるように湾曲していることが好ましい。したがって、チャネル60A,60B,60C、70A,70B,70Cは、非放射状パターンに従うことが好ましい。
【0048】
このパターンは、図中にRで示す洗浄装置40の好ましい回転方向が考慮されており、それにより、不純物が排出口66に向って容易に流れる。
【0049】
また、全ての流路60A,60B,60C,70A,70B,70Cの排出口66は、図示の好ましい実施形態における6つの開口部66でああり、排出室68の周囲に互いに等間隔に配置される。また、それらは全て本体42の中間平面Mに位置しているため、完全に同等な位置において、排出装置80への不純物を含む材料が確実に導入されるようにしている。
【0050】
このようにして、利点として、チャネル60A,60B,60C、70A,70B,70Cを通る流量を、同等でバランスの取れた状態に維持し、また、2つのフィルタ32,34の下流側で、対応する同等でバランスの取れた圧力を得ることができる。
【0051】
さらに、好ましくは、チャネル60A,60B,60C、70A,70B,70Cは、排出装置80に向かう方向に断面積が増加し、排出口66に向かう流出が容易になっている。
【0052】
したがって、本発明による実施形態により、洗浄装置40を対称的に構成することが可能となる。これにより、1つの排出装置80又は180のみを使用して、両フィルタ32,34からの除去材料の、均衡のとれた等価流量を維持することができる。
【0053】
図示の実施形態によれば、回転本体42は、図5A及び図6Aに示される、組み立て、分解、及び洗浄を容易にするための3つのモジュラー部品42A,42B,及び42C、すなわち、2つの中央部品42A、42B及び外側部品42Cを備える。複数の第1のチャネル60A,60B,60Cの第1の直線部分62(図7A)は、外側部品42Cの第1の側部44に画定されることが好ましく、複数の第2のチャネル70A,70B,70Cの第1の直線部分62(図7B)は、外側部品42Cの第2の側部46に画定されることが好ましい。
【0054】
したがって、この解決策では、スクリューフィーダ84又は開閉弁190を備えた排気システムを使用することで、フィルタ32,34の清浄度及び濾過品質を向上することができる。
【0055】
図示の実施形態によれば、さらに、回転本体42及び回転排出要素84は、それぞれの回転手段27,28によって独立して回転するように設定されている。利点としては、それぞれの回転方向及びそれぞれの回転速度が互いに独立しているため、不純物が可能な限り効率的に確実に除去されるよう調整できる。
【0056】
好ましくは、動作中、回転本体42と回転排出要素84は同一方向に回転する。さらに、回転排出要素84の回転速度は、排出口66からの材料の流出速度の接線方向成分を生成する値の分だけ、排出装置42の回転速度よりも高いことが好ましく、該流出速度は、回転排出要素84の接線速度と一致する。このようにして、流路66から出た材料は、良好な流体力学的効率で回転排出要素84に接触する。
【0057】
また、有利な態様として、流入路22は、洗浄装置40の回転方向Rと一致する方向に流体が回転するように、濾過チャンバ12の内径に接線する傾斜した流入部22A(図8)を備えて構成される。
【0058】
図9は、本発明による濾過装置110の変形実施形態を示す。第1実施形態のものに対応する又は同等の構成部品には、同一の符号を付して識別する。
【0059】
実施形態は、上述したように、排出装置180が、排気チャネル85及び開閉弁190を備えることが好ましい。開閉弁190は、好ましくは、開状態となることで、圧力の作用下で、濾過チャンバ12内で回収された不純物を排出口82に向けて移動するよう構成されている。したがって、排出装置180には、回転排出要素(計量スクリュー)が装備されていない。そのため対応する回転手段も省略する。
【0060】
したがって、実施形態によれば、第1及び第2のスクレイピング要素48,50によって回収された不純物は、それぞれの流路60A,60B,60C,70A,70B,70Cを通って排出装置180に向かって中央に搬送される。ここで、圧力の作用下で、開閉弁190が開き、不純物が排気流路85に沿って移動し、排出口82に到達する。
【0061】
したがって、本発明による装置により、設定された目的が達成され得ることは、上記の説明から明らかである。
【0062】
そこで、上記説明及び添付図面を参照して、以下の特許請求の範囲がなされる。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図5A
図6
図6A
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】