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  • 特表-フレキシブル回路板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】フレキシブル回路板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20240801BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240801BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H05K3/28 B
H05K1/02 B
H05K1/03 610N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575749
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2022112369
(87)【国際公開番号】W WO2024021184
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】202210892200.7
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 国▲輝▼
【テーマコード(参考)】
5E314
5E338
【Fターム(参考)】
5E314AA36
5E314BB02
5E314BB12
5E314CC15
5E314EE03
5E314FF06
5E314FF19
5E314GG11
5E314GG24
5E338AA01
5E338AA12
5E338BB55
5E338CD13
5E338EE27
5E338EE33
(57)【要約】
【課題】本発明はフレキシブル回路板を提供する。
【解決手段】
本発明のフレキシブル回路板は、基材、基材に形成され、隙間を有する導電層と、基材及び導電層を覆う第1カバーフィルムと、前記第1カバーフィルムの前記基材から離れる側に覆う少なくとも1層の第2カバーフィルムとを含む。第1カバーフィルムの第1接着層は、第1保護膜と基材との間に位置し、かつ第1保護膜の厚さは1mil未満であり、それにより第1接着層は、基材に設けられた導電層の空隙を効果的に充填することができ、第1カバーフィルムの導電層に対する封止を向上させ、導電層が空気と接触して酸化する可能性を低減し、第2カバーフィルムの第2接着層は、第1保護膜と第2保護膜との間に位置し、第2カバーフィルムと第1カバーフィルムを接着するために用いられ、少なくとも1層の第2カバーフィルムは、第1カバーフィルムの保護膜の厚さを変更することなく、フレキシブル回路板の厚さ及び硬度を向上させ、それにより第1接着層は、導電層間の空隙を効果的に充填することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル回路板であって、
基材と、
前記基材に形成され、隙間を有する導電層と、
前記基材の前記導電層が設けられた側に位置し、かつ前記基材及び前記導電層を覆う第1カバーフィルムと、
前記第1カバーフィルムの前記基材から離れる側に覆う少なくとも1層の第2カバーフィルムとを含み、
前記第1カバーフィルムは、第1保護膜と、第1接着層とを含み、前記第1接着層は、前記第1保護膜と前記基材との間に位置し、前記第2カバーフィルムは、第2保護膜と、第2接着層とを含み、前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿って、前記第2接着層は、前記第1保護膜と前記第2保護膜との間に位置し、
前記第1保護膜の厚さはhであり、かつ以下の条件式(1)を満たすことを特徴とするフレキシブル回路板。
≦1mil (1)
【請求項2】
前記フレキシブル回路板は、少なくとも2層の第2カバーフィルムを含み、各前記第2カバーフィルムは、前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿って順に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路板。
【請求項3】
前記第2保護膜の厚さはhであり、かつ以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路板。
≦1mil (2)
【請求項4】
前記第1接着層の厚さはhであり、かつ以下の条件式(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路板。
10μm≦h≦35μm (3)
【請求項5】
前記第2接着層の厚さはhであり、かつ以下の条件式(4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路板。
10μm≦h≦35μm (4)
【請求項6】
前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿った投影のうち、前記導電層の投影は、前記基材の投影と前記第1カバーフィルムの投影の範囲内に位置することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のフレキシブル回路板。
【請求項7】
前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿った投影のうち、前記基材の投影及び前記第1カバーフィルムの投影は、いずれも前記第2カバーフィルムの投影の範囲内に位置することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のフレキシブル回路板。
【請求項8】
前記第1保護膜及び前記第2保護膜は、いずれもポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のフレキシブル回路板。
【請求項9】
前記基材は、ポリイミド樹脂と銅が複合された銅基板又はポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のフレキシブル回路板。
【請求項10】
前記導電層は、銅箔であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のフレキシブル回路板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路板の分野に関し、特にフレキシブル回路板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術におけるフレキシブル回路板は、大きな厚さ又は硬度をすることが必要である場合、カバーフィルムPI層の厚さを大きくし、PIのヤング率はいずれも3.0G以上であり、回路板に圧着する時、カバーフィルムの接着剤は、導電線路の隙間を効果的に充填することができない。したがって、フレキシブルプリント基板の品質要求及び性能仕様における導電線路の隙間に不純物及び気泡が存在してはならないという要求を満たすことができない。
【0003】
したがって、フレキシブル回路板を提供し、厚さ又は硬度の要求を満たす場合に、カバーフィルムの接着剤が導電線路の隙間を効果的に充填できないという問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、フレキシブル回路板を提供することであり、カバーフィルムの接着剤が導電線路の隙間を効果的に充填できないという問題を解決するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術案は以下のとおりであり、フレキシブル回路板であって、
基材と、
前記基材に形成され、隙間を有する導電層と、
前記基材の前記導電層が設けられた側に位置し、かつ前記基材及び前記導電層を覆う第1カバーフィルムと、
前記第1カバーフィルムの前記基材から離れる側に覆う少なくとも1層の第2カバーフィルムとを含み、
前記第1カバーフィルムは、第1保護膜と、第1接着層とを含み、前記第1接着層は、前記第1保護膜と前記基材との間に位置し、前記第2カバーフィルムは、第2保護膜と、第2接着層とを含み、前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿って、前記第2接着層は、前記第1保護膜と前記第2保護膜との間に位置い、
前記第1保護膜の厚さはhであり、かつ以下条件式(1)を満たす。
≦1mil (1)
【0006】
可能な実施例において、前記フレキシブル回路板は、少なくとも2層の第2カバーフィルムを含み、各前記第2カバーフィルムは、前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿って順に設置されている。
【0007】
可能な実施例において、前記第2保護膜の厚さはhであり、かつ以下条件式(2)を満たす。
≦1mil (2)
【0008】
可能な実施例において、前記第1接着層の厚さはいずれもhであり、かつ以下条件式(3)を満たす。
10μm≦h≦35μm (3)
【0009】
可能な実施例において、前記第2接着層の厚さはhであり、かつ以下条件式(4)を満たす。
10μm≦h≦35μm (4)
【0010】
可能な実施例において、前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿った投影のうち、前記導電層の投影は、前記基材の投影と前記第1カバーフィルムの投影の範囲内に位置し、
可能な実施例において、前記フレキシブル回路板の厚さ方向に沿った投影のうち、前記基材の投影及び前記第1カバーフィルムの投影はは、いずれも前記第2カバーフィルムの投影の範囲内に位置する。
【0011】
可能な実施例において、前記第1保護膜及び前記第2保護膜は、いずれもポリイミド樹脂である。
【0012】
可能な実施例において、前記基材は、ポリイミド樹脂と銅を複合された銅基板又はポリイミド樹脂である。
【0013】
可能な実施例において、前記導電層は、銅箔である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は、第1カバーフィルムの第1接着層は、第1保護膜と基材との間に位置し、かつ基材に設けられた導電層の隙間を効果的に充填することができ、第1カバーフィルムの導電層に対する封止を向上させ、導電層が空気と接触して酸化する可能性を低減することができ、第2カバーフィルムの第2接着層は、第1保護膜と第2保護膜との間に位置し、第2カバーフィルムと第1カバーフィルムを接着するために用いられ、少なくとも1層の第2カバーフィルムは、第1カバーフィルムの保護膜の厚さを変更することなく、フレキシブル回路板の厚さ及び硬度を向上させ、第1保護膜の厚さは1mil未満であり、それにより第1接着層は、導電層間の空隙を効果的に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のフレキシブル回路板の断面図である。
図2】本発明のフレキシブル回路板の他の角度の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明は、フレキシブル基板を提供し、基材1と、基材1に形成され、隙間を有する導電層2とを含み、基材1の導電層2が設置された側に第1カバーフィルム3が設置され、第1カバーフィルム3は、第1保護膜31と、第1接着層32とを含み、第1接着層32は、第1保護膜31と基材1との間に位置し、かつ導電層2間の隙間を充填することができ、第1保護膜31と基材1を接続するために用いられ、第1保護膜31の厚さはhであり、h≦1milであり、第1カバーフィルム3の基材1から離れる側には、少なくとも1層の第2カバーフィルム4が設置され、第2カバーフィルム4は、第2保護膜41と、第2接着層42とを含み、フレキシブル基板の厚さ方向に沿って、第2接着層42は、第1保護膜31と第2保護膜41との間に位置し、第1保護膜31と第2保護膜41を接続するために用いられる。
【0018】
第1カバーフィルム3は、基材1の導電層2が設置された側に覆い、第1カバーフィルム3の第1接着層32は、導電層2の隙間に充填され、それにより、導電層2が空気に露出する可能性を低減することができ、導電層2の酸化速度を低減することに役立ち、更にフレキシブル回路板の耐用年数を向上させる。第1保護膜31のヤング率がいずれも3.0GPa以上であり、第1保護膜31の厚さが大きいほど、第1保護膜31の剛性が大きくなり、第1カバーフィルム3が基材1に取り付けられる場合、第1保護膜31に接続された第1接着層32の導電層2間の隙間を充填できる体積が小さうなり、それにより、第1保護膜31の厚さが1milより大きい場合、第1接着層32が導電層2間の隙間を効果的に充填することができず、第1接着層32は、2つの隣接する導電層2間に位置する基材1と完全に接触することができず、両者間に隙間を有し、導電層2が空気に接触して酸化される可能性を大きくする。第1保護膜31の厚さは、1/2mil又は1milであってもよく、それにより、第1接着層32が導電層2間の隙間を効果的に充填できない可能性を低減することができ、導電層2が空気に接触する可能性を低減し、フレキシブル回路板の耐用年数を向上させることに有利である。
【0019】
第1カバーフィルム3の表面には、第2カバーフィルム4が設置され、第2カバーフィルム4によりフレキシブル回路板の厚さ及び硬度を向上させることができ、フレキシブル回路板の適用範囲を広くすることに役立つ。従来技術において第1保護膜31の厚さを大きくすることによりフレキシブル回路板の厚さ及び硬度を向上させ、第1接着層32が導電層2間の隙間を効果的に充填することができず、フレキシブル回路板が製造基準を満たすことができず、かつ導電層2が空気と接触し、導電層2の酸化速度を向上させ、フレキシブル回路板の導電性能を低下させる。これに対して、本発明の提供するフレキシブル回路板は、第2カバーフィルム4によりフレキシブル回路板の厚さ又は硬度を向上させ、第1保護膜31の厚さを大きくする必要がなく、第1接着層32が導電層2の隙間を充填することができ、導電層2が空気と接触する可能性を低減させる。
【0020】
図1及び図2に示すように、可能な実施例において、フレキシブル回路板は、第1カバーフィルム3の表面に設置された少なくとも1層の第2カバーフィルム4を含む。フレキシブル回路板に必要な厚さ及び硬度を向上させる場合、2層又は2層以上の第2カバーフィルム4を設置することができ、複数の第2カバーフィルム4は、フレキシブル回路板の厚さ方向に沿って順に設置されている。
【0021】
フレキシブル回路板の厚さ及び硬度は、第2カバーフィルム4の増加に伴って増加し、フレキシブル回路板の使用時の需要に応じて、複数の第2カバーフィルム4が設置されることにより、フレキシブル回路板の適用範囲を向上させることができる。
【0022】
図1に示すように、可能な実施例において、第2保護膜41の厚さはhであり、h≦1milである。
【0023】
第2保護膜41の厚さは1/2mil又は1milであってもよく、第1保護膜31の基材1から離れる側に第2保護膜41が設置され、フレキシブル回路板の厚さ及び硬度を段階的に向上させることができる。
【0024】
図1に示すように、可能な実施例において、第1接着層32の厚さはhであり、10μm≦h≦35μmであり、第2接着層42の厚さはhであり、10μm≦h≦35μmである。
【0025】
第1接着層32及び第2接着層42の厚さが大きいと、第1カバーフィルム3及び/又は第2カバーフィルム4のエッジでの接着剤溢れの可能性を大きくし、第1接着層32及び第2接着層42の厚さが小さいと、第1接着層32の導電層2間の隙間に対する充填効果を低下させ、さらに導電層2に対する封止効果を低下させ、導電層2が酸化される可能性を大きくし、フレキシブル回路板の導電能力を低下させる。第1接着層32の厚さh及び第2接着層42の厚さhはいずれも10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm等であってもよく、導電層2間に対する充填効果を保証すると共に、接着剤溢れの可能性を低減することができる。
【0026】
図2に示すように、可能な実施例において、フレキシブル回路板の厚さ方向に沿った投影のうち、導電層2の投影は、基材1の投影の範囲内に位置し、同時に第1カバーフィルム3の投影の範囲内に位置する。
【0027】
基材1及び第1カバーフィルム3は、導電層2の両側に位置し、導電層2をを封止するために用いられ、導電層2が空気と接触する可能性を低減させ、導電層2の投影が基材1及び第1カバーフィルム3の投影内に位置することで、導電層2の側壁も基材1及び第1カバーフィルム3に覆われることが可能であり、導電層2に対する封止程度を向上させることに役立つ。
【0028】
図2に示すように、可能な実施例において、フレキシブル基板の厚さ方向に沿った投影のうち、第1カバーフィルム3の投影と基材1の投影は、いずれも第2カバーフィルム4の投影の範囲内にある。
【0029】
第2カバーフィルム4は、フレキシブル基板の厚さ及び硬度を向上させることができ、第1カバーフィルム3の投影及び基材1の投影は、いずれも第2カバーフィルム4の範囲内にあり、それにより、フレキシブル基板における各位置の厚さ及び硬度を一致させることができる。
【0030】
可能な実施例において、基材1、第1保護膜31及び第2保護膜41の材料は、いずれもポリイミド樹脂(PI、Polymide)であり、ポリイミド樹脂は、有機高分子材料であり、耐高温、耐摩耗性の特性を有し、フレキシブル回路板が溶接の方式により他の部材に接続される場合、導電層2が影響される可能性を低減し、かつフレキシブル回路板の耐用年数を向上させることができる。ポリイミド樹脂は、さらに優れた柔軟性及び絶縁性を有し、フレキシブル回路板を使用環境に応じて変形させることができ、フレキシブル回路板の適用範囲を広くすることに役立ち、フレキシブル回路板に漏電が発生する可能性を低減することができる。基板1は、さらにポリイミド樹脂と銅が複合された銅基板であってもよく、それにより、フレキシブル回路板の寸法の安定性を向上させることができ、フレキシブル回路板が電子デバイスに接続される場合、物理的支持、及び応力の放出を提供する。
【0031】
可能な実施例において、導電層2は銅箔である。
【0032】
銅箔は、良好な導電性を有するため、銅箔を導電層2として採用し、フレキシブル回路板の導電能力を向上させることができる。
【0033】
可能な実施例において、第1カバーフィルム3は、高温高圧の方式で基材1及び導電層2に接続される。
【0034】
第1接着層32と第2接着層42は粘着性を有し、高温高圧の条件下で、第1接着層32は、第1カバーフィルム3を基材1又は導電層2に接着させることができ、かつ導電層2間の隙間を効果的に充填することができる。
【0035】
第2カバーフィルム4は、高温高圧の方式で第1カバーフィルム3または第2カバーフィルム4に接続されている。
【0036】
高温高圧の環境下では、第2接着層42は、第2カバーフィルム4を第1カバーフィルム3に接着させることができる。
【0037】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。










図1
図2
【国際調査報告】