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特表2024-529587ホスフィノ化合物の製造方法及びその応用
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  • 特表-ホスフィノ化合物の製造方法及びその応用 図1
  • 特表-ホスフィノ化合物の製造方法及びその応用 図2
  • 特表-ホスフィノ化合物の製造方法及びその応用 図3
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  • 特表-ホスフィノ化合物の製造方法及びその応用 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ホスフィノ化合物の製造方法及びその応用
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/46 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
C07F9/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528981
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2022112638
(87)【国際公開番号】W WO2024021190
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】202210914636.1
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523178374
【氏名又は名称】浙江揚帆新材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】韓立彪
(72)【発明者】
【氏名】張健秋
(72)【発明者】
【氏名】王▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】王騰
(72)【発明者】
【氏名】韓道青
(72)【発明者】
【氏名】戴小強
(72)【発明者】
【氏名】葛前建
(72)【発明者】
【氏名】劉輝
(72)【発明者】
【氏名】張永彬
(72)【発明者】
【氏名】樊彬
【テーマコード(参考)】
4H050
【Fターム(参考)】
4H050AA02
4H050AD15
4H050BB14
4H050BE21
4H050WA14
4H050WA16
4H050WA23
(57)【要約】
本発明は、ホスフィノ化合物の製造方法及びその応用を開示し、有機合成の技術分野に
属する。不活性ガスまたは窒素ガスの雰囲気下において、ホスフィンオキシド化合物R
POとプロトン性化合物を混合して、混合物を得るステップ1と、前記ステップ1に得ら
れた混合物に金属ナトリウムを加え、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化
合物及び金属ナトリウムは十分に反応した後、NaOHまたはプロトン性化合物ナトリウ
ム塩、RPONa及びR系有機物を生成するステップ2と、反応終了後、反応によって
生成されたNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩、RPONaおよびR系有機
物を分離し、RPONaを得るステップ3と、を含む。本発明が提供する製造方法によ
り、いままでRPOとナトリウムとの反応を用いた製造方法によって製造されたR
PONaの様々な欠陥を補うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスフィノ化合物の製造方法であり、
不活性ガスまたは窒素ガスの雰囲気下において、ホスフィンオキシド化合物RPOと
プロトン性化合物を混合して、混合物を得て、
POは、RPOであり、R1、及びRはそれぞれ芳香族または脂
肪族置換基から独立に選択され、R1、及びRのうちの少なくとも1つは芳香族置
換基であり、
前記プロトン性化合物は、水、アルコール、有機酸または無機酸から選択され、
前記ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物のモル比は0.2-3:1
であるステップ1と、
前記ステップ1に得られた混合物に金属ナトリウムを加え、ホスフィンオキシド化合物
PO、プロトン性化合物及び金属ナトリウムは十分に反応した後、NaOHまたはプ
ロトン性化合物ナトリウム塩、RPONa及びR系有機物を生成し、RPONa構造
に2つのRが含まれ、R、R、Rのいずれか2つのRはRPONaの2つのRで
あり、残りの1つのRはR系有機物のRであるステップ2と、
反応終了後、反応によって生成されたNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩、
PONaおよびR系有機物を分離し、RPONaを得るステップ3と、
を含むことを特徴とするホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項2】
前記ステップ1におけるホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物を混合
した後、混合物におけるホスフィンオキシド化合物RPOはプロトン性化合物と反応し
て錯体を生成し、錯体が生成された後、ステップ2を行うことを特徴とする請求項1に記
載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ1におけるホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物を混合
した後、混合物におけるホスフィンオキシド化合物RPOはプロトン性化合物と反応し
て錯体を生成せず、直接にステップ2を行うことを特徴とする請求項1に記載のホスフィ
ノ化合物の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ2において、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物及び
金属ナトリウムが反応する前に、ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物
との混合物に、第1溶媒を加えることができ、前記第1溶媒はアルカン、芳香族炭化水素
または有機エーテルのうちの1つまたは複数の混合物であることを特徴とする請求項1に
記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項5】
前記ステップ2において、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物及び
金属ナトリウムが反応する前に、ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物
との混合物に、第1溶媒を加えなく、前記第1溶媒はアルカン、芳香族炭化水素または有
機エーテルのうちの1つまたは複数の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のホ
スフィノ化合物の製造方法。
【請求項6】
前記第1溶媒は、非エーテル類有機溶媒である場合、前記ステップ3において、反応終
了後、反応システムに第2溶媒を加えて生成されたRPONaを溶解した後、反応
によって生成されたNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩をろ過除去し、最後に
減圧回転式蒸留によって第1溶媒、第2溶媒及びR系有機物を除去し固体RPONaを
得て、前記第2溶媒は、RPONaが可溶であるがプロトン性化合物ナトリウム塩が不
溶な有機エーテルであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のホスフィノ化
合物の製造方法。
【請求項7】
前記第1溶媒は、RPONaが可溶であるがプロトン性化合物ナトリウム塩が不溶な
有機エーテルである場合、前記ステップ3において、反応終了後、反応によって生成され
たNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩を直接にろ過除去し、有機相を得て、最
後に有機相を減圧回転式蒸留して第1溶媒とR系有機物を除去して固体R2PONaを得
ることを特徴とする請求項4に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項8】
前記第1溶媒は、n-ヘキサン、ヘプタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゼン
、メチルベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼン、THF、ジオキサン、MeOCH
CHOMeのうちの1つまたは複数の混合物から選択されることを特徴とする請求項4
に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項9】
前記第1溶媒は、テトラヒドロフラン、メチルベンゼン、ジオキサンのうちの1つまた
は複数の混合物から選択されることを特徴とする請求項8に記載のホスフィノ化合物の製
造方法。
【請求項10】
、R及びRは、それぞれC-C20の直鎖または分岐鎖アルキル基またはア
ルケニル基、C-C20シクロアルカン基、C-C20のアラルキル基、C-C
のアリール基またはC-C20の複素環基から独立に選択されることを特徴とする請
求項1に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項11】
、R及びRは、それぞれC-Cの長鎖または分岐鎖アルキル基付きのフェ
ニル基、N、O、S原子を含む複素環芳香族炭化水素及びC-C20長鎖または分岐鎖
アルキル基から独立に選択されることを特徴とする請求項1に記載のホスフィノ化合物の
製造方法。
【請求項12】
金属ナトリウムとホスフィンオキシド化合物RPOのモル比は0.1-5:1である
ことを特徴とする請求項1に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項13】
前記第1溶媒とホスフィンオキシド化合物RPOの重量比は0.5-20:1である
ことを特徴とする請求項4に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項14】
前記ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物、金属ナトリウムとの反応
温度は0~170℃であることを特徴とする請求項1に記載のホスフィノ化合物の製造方
法。
【請求項15】
前記プロトン性化合物の構造式はX-OHまたはY-Hであることを特徴とする請求項
1に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項16】
プロトン性化合物の構造式はX-OHを選択する場合、前記ステップ2において、ホス
フィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物と金属ナトリウムが十分に反応してN
aOH、プロトン性化合物ナトリウム塩RX及びRPONaを生成することを特徴とす
る請求項1に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項17】
プロトン性化合物の構造式はY-Hを選択する場合、前記ステップ2において、ホスフ
ィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物と金属ナトリウムが十分に反応してプロ
トン性化合物ナトリウム塩NaY、RHとRPONaを生成することを特徴とする請求
項1に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項18】
前記プロトン性化合物は、水、HO、MeOH、EtOH、MeCOH、HCl及
びPhSHのうちの1つまたは複数の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のホ
スフィノ化合物の製造方法。
【請求項19】
前記プロトン性化合物は、水であることを特徴とする請求項1に記載のホスフィノ化合
物の製造方法。
【請求項20】
前記RPOとプロトン性化合物のモル比は0.5-1.5:1であることを特徴とす
る請求項1に記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【請求項21】
、R及びRは、何れもフェニル基から選択されることを特徴とする請求項1に
記載のホスフィノ化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機合成の技術分野に関し、具体的には、ホスフィノ化合物の製造方法及びその
応用に関する。
【背景技術】
【0002】
リン化合物は工業生産において様々な用途がある。トリフェニルホスフィンオキシドオキ
シドPhP(O)は、ビタミンの製造過程においてWittig(ウィッティヒ)を使
うことにより反応された大量の副生成物の産業廃棄物であり、トリフェニルホスフィンオ
キシドオキシドはよく利用されていなかったため、大量のトリフェニルホスフィンオキシ
ドオキシドは、通常、固体廃棄物として焼却処理され、これはリン資源の浪費及び環境汚
染をもたらした。
【0003】
従来書類の記載によると、PhP(O)とナトリウムの反応は、低温液体アンモニア
において利用価値のあるPhPONa(1:Esteban R.N.Bornaci
niなどの人、J.Org.Chem.1990、55、2332-2326、2:Ma
rek Stankevicなどの人、Tetrahedron 67(2011)86
71-8678)を生成したことが可能であるが、液体アンモニアは毒性が高く、迅速に
気化しやすく、反応操作が煩雑である、また、この条件下でも過剰還元などにより多くの
副生成物が発生した。また、書類の記載によると、PhP(O)はNaH-LiIと反
応してPhP(O)を還元させてPhPONaを生成することができるが、NaHは
高価であるとともに、この反応過程にはLiIを併用しなければならず、プロセスは煩雑
であり、具体的は以下の式により示される(Ciputra Tejoなどの人、Che
m .Commun .,2018 ,54 ,1782-1785)。
【0004】
【化1】
【0005】
ここで、PhNaは溶媒と反応してRONaなどを生成する。RONaとPhP(O
Na)は分離しにくく、混合して使うしかない。
【0006】
さらに文献雑誌によると、THFなどの極性エーテル溶媒において、PhP(O)と
Naが反応してPhPONaを生成できる。しかし、この反応に塊状ナトリウムを使用
し、多くの副生成物を伴う(Zhang、J.etal J.Org.Chem.202
0、85、14166-14173)。また、別書類の記載によると、ミクロンナトリウ
ムを使用することにより、高い選択性でPhPONaを得ることができ、高収率で各種
のホスフィンオキシド化合物を製造することができる(Zhang,J.-Q.etal
COMMUNICATIONS CHEMISTRY|(2020)3:1|http
s://doi.org/10.1038/s42004-019-0249-6|ww
w.nature.com/commschem)、しかし、該反応に生成されたPhN
aは、溶媒を消費するとともに、生成された不純物RONaは溶媒に可溶であるため、P
PONaを溶媒から分離することができず、PhPONaとRONaを効果的に分
離できない。
【0007】
これまで、上記文献には、PhPOとNaの反応によりPhPONaが発生するこ
とが記載されており、いずれも仮説的に提案されただけで、純粋なPhPONaは得ら
れていない。PhPONaの構造も確証されたことがなく、化合物の構造を特徴づける
ために不可欠な水素スペクトルや炭素スペクトルなど、これまでPhPONaが報告さ
れたことがない。
【0008】
さらに、PhPOとNaの反応によって生成された副生成物であるRONaはPh
PONaとともに溶液に溶解し、RONaとPhPONaは似ている反応性を持つため
、競合反応も形成し、PhPONaの反応利用率にも影響を与える。PhPOとNa
の反応生成物PhPONaを、MeSiClと反応をさせることでPhPOSiM
を製造しようとすると、RONaもMeSiCと反応してROSiMeを生成し
、これは原料の浪費をもたらすだけでなく、生成物PhPOSiMeの後続の分離精
製工程を複雑にする。具体的は、以下の式により示される。
【0009】
【化2】
【0010】
ここで、RONaとPhPONaは競合反応を形成し、副生成物ROSiMeを生
成した。
【0011】
上述の分析により、THFなどの極性エーテル溶媒において、PhP(O)とNaと
の反応によってPhPONaを生成する製造方法には、以下のような欠陥が存在し、
第一は、塊状金属ナトリウムを使用する場合、PhPONaの選択性が低く、また多く
の副生成物の生成を伴うことと、
第二は、PhP(O)と金属ナトリウムを反応させると、THF溶媒は破壊されること
と、
第三は、PhP(O)と金属ナトリウムの反応による副生成物と推論的な反応生成物P
PONaはいずれも溶媒に可溶であり、純粋なPh2PONaを得ることができず、
さらにこのPhPONaの用途と応用価値を検証することができないことと、
第四は、既存のPhP(O)と金属ナトリウムの製造方法による反応生成物を用いてP
POSiMeを調製する場合、純粋なPhPOSiMeを得るのは難しい。同
時にPhP(O)と金属ナトリウムとの反応生成物を用いてPhPOSiMeを調
製する場合、過剰なMeSiClを添加する必要があり、原料の浪費を招くこと。
【0012】
上述の技術問題は、早急に解決しなければならない技術的難題である。
[課題を解決するための手段]
【0013】
従来技術に存在する難題に対して、本発明の目的は、今までRPOとナトリウムとの反
応を用いた調製方法によって製造されたRPONaの調製による様々な欠陥を補う
ホスフィノ化合物の製造方法を提供することにある。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は以下の技術的手段を採用し、
ホスフィノ化合物の製造方法であり、前記製造方法は、
不活性ガスまたは窒素ガスの雰囲気下において、ホスフィンオキシド化合物RPOとプ
ロトン性化合物を混合して、混合物を得て、
POは、RPOであり、R1、及びRはそれぞれ芳香族または脂
肪族置換基から独立に選択され、R1、及びRのうちの少なくとも1つは芳香族の
置換基であり、R1、及びRは同じでも異なっていてもよく、
前記プロトン性化合物は、水、アルコール、有機酸または無機酸から選択され、
前記ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物のモル比は0.2-3:1
であるステップ1と、
前記ステップ1で得られた混合物に金属ナトリウムを加え、ホスフィンオキシド化合物
PO、プロトン性化合物及び金属ナトリウムは十分に反応した後、NaOHまたはプ
ロトン性化合物ナトリウム塩、RPONa及びR系有機物を生成し、RPONa構造
に2つのRが含まれ、R、R及びRのいずれか2つのRは、RPONaの2つの
Rであり、残りの1つのRはR系有機物のRであるステップ2と、
反応終了後、反応によって生成されたNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩、
PONaおよびR系有機物を分離し、RPONaを得るステップ3と、を含む。
【0015】
さらに、前記ステップ1におけるホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合
物を混合した後、混合物におけるホスフィンオキシド化合物RPOはプロトン性化合物
と反応して錯体を生成し、錯体が生成された後、ステップ2を行う。
【0016】
さらに、前記ステップ1におけるホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合
物を混合した後、混合物におけるホスフィンオキシド化合物RPOはプロトン性化合物
と反応して錯体を生成せず、直接にステップ2を行う。
【0017】
さらに、前記ステップ2において、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化
合物及び金属ナトリウムが反応する前に、ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン
性化合物との混合物に、第1溶媒を加えることができ、前記第1溶媒はアルカン、芳香族
炭化水素または有機エーテルのうちの1つまたは複数の混合物である。
【0018】
さらに、前記ステップ2において、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化
合物及び金属ナトリウムが反応する前に、ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン
性化合物との混合物に、第1溶媒を加えなく、前記第1溶媒はアルカン、芳香族炭化水素
または有機エーテルのうちの1つまたは複数の混合物である。
【0019】
さらに、前記第1溶媒は、非エーテル類有機溶媒である場合、前記ステップ3において
、反応終了後、反応システムに第2溶媒を加えて生成されたRPONaを溶解した
後、反応によって生成されたNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩をろ過除去し
、最後に減圧回転式蒸留によって第1溶媒、第2溶媒及びR系有機物を除去し固体R
ONaを得て、前記第2溶媒は、RPONaが可溶であるがプロトン性化合物ナトリウ
ム塩が不溶な有機エーテルである。
【0020】
すなわち、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物及び金属ナトリウム
が、第1溶媒なし又はRPONaが不溶、プロトン性化合物ナトリウム塩も不溶な第1
溶媒条件下で、前記ステップ3において、反応終了後、反応システムに第2溶媒を加えて
生成されたRPONaを溶解した後、反応によって生成されたNaOHまたはプロ
トン性化合物ナトリウム塩をろ過除去し、最後に減圧回転式蒸留によって第1溶媒、第2
溶媒及びR系有機物を除去し固体RPONaを得て、前記第2溶媒は、RPONaが
可溶であるがプロトン性化合物ナトリウム塩が不溶な有機エーテルである。
【0021】
前記第2溶媒は、THF等の有機エーテルであってもよい。
【0022】
さらに、前記第1溶媒は、RPONaが可溶であるがプロトン性化合物ナトリウム塩
が不溶な有機エーテルである場合、前記ステップ3において、反応終了後、反応によって
生成されたNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩を直接にろ過除去し、有機相を
得て、最後に有機相を減圧回転式蒸留して第1溶媒とR系有機物を除去して固体RPO
Naを得る。
【0023】
さらに、前記第1溶媒は、n-ヘキサン、ヘプタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ベンゼン、メチルベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼン、THF、ジオキサン、Me
OCHCHOMeのうちの1つまたは複数の混合物から選択される。
【0024】
さらに、前記第1溶媒は、テトラヒドロフラン、メチルベンゼン、ジオキサンのうちの
1つまたは複数の混合物から選択される。
【0025】
さらに、R、R及びRは、それぞれC-C20の直鎖または分岐鎖アルキル基
またはアルケニル基、C-C20のシクロアルカン基、C-C20のアラルキル基、
-C20のアリール基またはC-C20の複素環基から独立に選択される。
【0026】
さらに、R、R及びRは、それぞれC-C長鎖または分岐鎖アルキル基付き
のフェニル基、N、O、S原子を含む複素環芳香族炭化水素及びC-C20長鎖または
分岐鎖アルキル基から独立に選択される。
【0027】
さらに、金属ナトリウムとホスフィンオキシド化合物RPOのモル比は0.1-5:
1である。
【0028】
さらに、金属ナトリウムとホスフィンオキシド化合物RPOのモル比は1-2:1で
ある。
【0029】
さらに、前記第1溶媒とホスフィンオキシド化合物RPOの重量比は0.5-20:
1である。
【0030】
さらに、前記第1溶媒とホスフィンオキシド化合物RPOの重量比は2-5:1であ
る。
【0031】
さらに、前記ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物と金属ナトリウム
との反応温度は0~170℃である。
【0032】
さらに、前記ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物と金属ナトリウム
との反応温度は60~150℃である。
【0033】
さらに、前記プロトン性化合物の構造式はX-OHまたはY-Hである。
【0034】
さらに、プロトン性化合物の構造式はX-OHを選択する場合、前記ステップ2におい
て、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物と金属ナトリウムが十分に反
応して、NaOH、プロトン性化合物ナトリウム塩RX及びRPONaを生成し、反応
式は、以下のように示される。
【0035】
【化3】
【0036】
ここで、Rは、Rであり、R、R、Rはそれぞれ芳香族または脂肪
族置換基から独立に選択される。
【0037】
上記の製造工程は、以下の式により示される。
【0038】
【化4】
【0039】
POは金属ナトリウムと反応してRPONaとRNaを生成し、
Naは第1溶媒と反応せず、RNaは反応システム中のプロトン性化合物X-OH
と反応してRXとNaOHを生成する。
【0040】
第1溶媒なしで、または第1溶媒が非エーテル系有機溶媒である条件下で、ホスフィン
オキシド化合物RPOとプロトン性化合物X-OHとを混合して混合物を得る場合、反
応終了後、分離する前に、反応システムに第2溶媒を加えて生成されたRPONa
を溶解することができ、第2溶媒は有機エーテルであり、RPONaは第2溶媒に
溶解しやすく、NaOHは有機エーテル及び第1溶媒に溶解しなく、その後反応によって
生成された白色沈殿NaOHをろ過除去し、最後に減圧回転式蒸留によって第1溶媒、第
2溶媒及び生成されたR系有機物RXを除去して固体RPONaを得る。
【0041】
第1溶媒がある条件下で、ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物X-
OHとを混合して混合物を得る場合、第1溶媒は有機エーテルであり、RPONa
は有機エーテルに溶解し、NaOHは有機エーテルに溶解しなく、反応終了後、反応によ
って生成された白色沈殿NaOHをろ過除去し有機相を得て、最後に有機相を減圧回転式
蒸留して第1溶媒と生成されたR系有機物RXを除去して固体RPONaを得て
、RPONaはRPONaである。
【0042】
さらに、プロトン性化合物の構造式はY-Hを選択する場合、前記ステップ2において
、ホスフィンオキシド化合物RPO、プロトン性化合物と金属ナトリウムが十分に反応
してプロトン性化合物ナトリウム塩NaY、RHとRPONaを生成し、反応式は、以
下のように示される。
【0043】
【化5】
【0044】
ここで、Rは、Rであり、R、R、Rはそれぞれ芳香族または脂肪族
置換基から独立に選択される。
【0045】
上記の製造工程は、以下の式により示される。
【0046】
【化6】
【0047】
POは金属ナトリウムと反応してRPONaとRNaを生成し、
Naは反応システム中の第1溶媒と反応せず、それは反応システム中のプロトン性化
合物Y-Hと反応してNaYとR系有機物RHを生成する。
【0048】
第1溶媒なしで、または第1溶媒が非エーテル系有機溶媒である条件下で、ホスフィン
オキシド化合物RPOとプロトン性化合物Y-Hとを混合して混合物を得る場合、反応
終了後、分離する前に、反応システムに第2溶媒を加えて生成されたRPONaを
溶解することができ、第2溶媒は有機エーテルであり、プロトン性化合物ナトリウム塩N
aYは有機エーテルに溶解しなく、その後反応によって生成されたプロトン性化合物ナト
リウム塩NaYをろ過除去し有機相を得て、最後に有機相を減圧回転式蒸留して第1溶媒
、第2溶媒及び生成されたR系有機物RXを除去して固体RPONaを得て、R
PONaはRPONaである。
【0049】
第1溶媒がある条件下で、ホスフィンオキシド化合物RPOとプロトン性化合物Y-
Hとを混合して混合物を得る場合、第1溶媒は有機エーテルであり、RPONaは
有機エーテルに溶解し、プロトン性化合物ナトリウム塩NaYは有機エーテルに溶解しな
く、反応終了後、反応によって生成されたプロトン性化合物ナトリウム塩NaYをろ過除
去し有機相を得て、最後に有機相を減圧回転式蒸留して第1溶媒、第2溶媒と生成された
R系有機物RXを除去して固体RPONaを得て、RPONaはRPO
Naである。
【0050】
さらに、前記プロトン性化合物は、水、HO、MeOH、EtOH、MeCOH、
HCl及びPhSHのうちの1つまたは複数の混合物である。
【0051】
さらに、前記プロトン性化合物は、水である。
【0052】
さらに、前記RPOとプロトン性化合物のモル比は0.5-5:1である。
【0053】
さらに、R、R及びRは、何れもフェニル基から選択される。
【0054】
さらに、PhPONaの日本語名称は、ジフェニル次亜リン酸ナトリウムである。
【0055】
PhPONaの構造式は、以下の式により示され、それは空気下や水に出会うと反応
し、不活性ガスまたは窒素ガスの雰囲気下で保存する必要がある。
【0056】
【化7】
【0057】
ナトリウムはPhPOとプロトン性化合物の混合物システムにおいて、第1溶媒の有
無で反応し、分離精製することで純度が99%以上のPhPONaを製造することがで
き、製造された純粋なPhPONaは、他のホスフィンオキシド化合物の製造に使用す
ることができ、良好な収率を得ることができる。
【0058】
本発明が提供する製造方法によって製造されたPhPONaの純度は、背景技術に記
載されているものよりはるかに優れ、例えばPhPONaの製造過程において、プロト
ン性化合物は水であり、第1溶媒はTHF溶媒であることが好ましく、不活性ガスまたは
窒素ガスの雰囲気下で、PhPOはまず金属ナトリウムと反応してPhPONaとP
hNaを生成し、生成されたPhNaの活性は比較的活発であり、PhNaは水と反応し
てベンゼンとNaOHを生成し、NaOHはTHF溶媒に溶解しなく、PhPONaは
THF溶媒に溶解し、不活性ガスまたは窒素ガスの雰囲気下でろ過し、反応によって生成
された白色沈殿NaOHを除去し、最後に減圧回転式蒸留によってTHF溶媒とベンゼン
を除去した後、純粋な固体PhPONaを得て、以下の式により示される。
[化8]
【0059】
PhPO+Na=PhPONa+PhNa、
PhNa+HO=PhH+NaOH
【0060】
背景技術の記載によると、THFなどの極性エーテル溶媒に、PhP(O)とNaの
反応によってPhPONaが生成され、この過程では多くの副生成物が生成され、これ
らの副生成物と生成物PhPONaは溶媒に溶解され、PhPONaと製造過程で生
成された副生成物を分離しにくく、最終的には比較的純粋なPhPONaを得ることが
できない、比較によると、本発明が提供する製造方法によって製造されたPhPONa
の純度は、背景技術に記載されているものよりもはるかに優れていることが分かった。具
体的は、以下の式により示される。
【式9】
【0061】
【0062】
PhP(O)は大量の副産物が生成するとともに、PONaとPhPONaは溶媒
に溶解するため、分離できないのに対して、
PhP(O)/HOは定量的にPhPONaを得て、生成されたNaOHはTH
Fに不溶のため、除去することが可能であり、純粋なPhPONaを得る。
【0063】
ホスフィノ化合物の製造方法によって製造されたRPONaは、中間体として他のホ
スフィンオキシド化合物を製造するための応用。
【0064】
本発明が提供するホスフィノ化合物の製造方法によって製造された純粋なRPO
Naは、他のホスフィンオキシド化合物を製造するための中間体として使用することがで
き、
以下の式により示されるように、RPONaはRZと反応することによってR
PORを製造する。
【0065】
【化10】
【0066】
ここで、RZは芳香族または脂肪族化合物であり、RPONaはRZと反応
してRPORとNaZを生成し、RPORは有機溶媒に溶解し、NaZ
は有機溶媒に溶解しないという特性を利用し、反応終了後、反応システムに有機溶媒を加
え、ろ過してNaZを分離した後、減圧回転式蒸留によって有機溶媒を除去し、水洗浄方
法によってRPORを得る。
【0067】
PONaはZ-R-Zと反応してRPORPORを製造
し、
は芳香族または脂肪族化合物であり、RPONaはZ
反応してRPORPOR、NaZとNaZを生成し、NaZとNa
は有機溶媒に溶解しなく、RPORPORは有機溶媒に溶解するとい
う特性を利用し、ろ過してNaZとNaZを分離した後、減圧回転式蒸留によって有
機溶媒を除去し、RPORPORを得る。
【0068】
Z、Z和Zは何れもハロゲン族である。
【0069】
以下の式に示されるように、RPONaはHOと反応することによってR
POHを製造する。
【0070】
【化11】
【0071】
PONaはHOと反応してRPOHとNaOHを生成し、NaOHは有
機溶媒に溶解しなく、RPOHは有機溶媒に溶解するという特性を利用し、反応終
了後,反応システムに有機溶媒を加え、ろ過してNaOHを分離した後、減圧回転式蒸留
によって有機溶媒を除去し、RPOHを得る。
[発明の効果]
【0072】
既存技術と比べて、本発明は以下の技術効果を有し、
第一は、本発明により、金属ナトリウム、RPO、プロトン性化合物を反応させる混
合物システムを開発し、RPOと金属ナトリウムを反応させて生成されたRNaは、
プロトン性化合物と迅速に反応してNaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩、R
PONaおよびR系有機物を生成し、R系有機物は回転式蒸留除去しやすく、反応終了後
、NaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩、RPONaおよびR系有機物を分離
し、NaOHまたはプロトン性化合物ナトリウム塩が有機エーテル溶媒に溶解しなく、R
PONaおよびR系有機物が有機エーテル溶媒に溶解するという特性を利用して、最後
に分離し、得られたRPONaは比較的に純粋である。
【0073】
第二は、本発明が開発したナトリウムとRPOを反応させて純粋なホスフィノ化合物
PONaを製造する製造方法により、効率的に製造した純粋なRPONa
を利用して一連のリン化合物を製造することができ、いままで製造したRPONa
の不純により、他のリン化合物を製造するために、1倍以上のRPONaのモル倍
数原料を使用してRPONaと反応することは回避され、さらに、RPON
aを原料として他のリン化合物を製造するためのコストを削減する。
【0074】
第三は、本発明が開発した製造方法は適用範囲が広く、技術が簡単で、コストが安く、
安全で制御可能で、工業化増幅生産が容易である。
【0075】
第四は、本発明が提供する製造方法により、いままでRPOとナトリウムとの反応を
用いた製造方法によって製造されたRPONaの様々な欠陥を補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】本発明のPhPONaの構造式である。
図2】本発明のPhPONaの製品図である。
図3】本発明のPhPONaのHスペクトルである。
図4】本発明のPhPONaのCスペクトルである。
図5】本発明のPhPONaのPスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、トリフェニルホスフィンオキシドオキシドでPhPONaを調製することを例と
し、本発明をさらに説明するが、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。
【0078】
(実施形態1)
PhPONaの製造、分離及び精製
窒素の雰囲気下で、トリフェニルホスフィンオキシド10mmol、水10mmol、
THF20mLを30分間混合攪拌した後、室温下で、金属ナトリウム20mmolを小
さく切り、混合溶液に加え、室温で一晩攪拌し、白色沈殿を含む深いダークオレンジ色の
溶液を得た後、窒素の雰囲気下で、白色沈殿NaOHをろ過除去し、その後溶媒などの揮
発物を減圧除去し、淡黄色固体PhPONaを得て、収率92%である。
【0079】
以下の核磁気及び元素分析の特徴付けにより、得られた化合物が純粋なPhPONa
であることを確認した。これは世界で初めて成功した純粋なPhPONaである。
【0080】
ジフェニル次亜リン酸ナトリウム(Sodium diphenylphosphin
ite 、Ph2ONa)淡黄色固体、融点355C(分解)。H NMR(400
MHz,d-THF): δ 7.47-7.44(m,4H),7.18-7.14
(m,4H),7.07-7.03(m,2H); 13C{1H}NMR(100MH
z, d-THF): δ155.1(d,Jp-c= 40.0Hz),128.1
(d,Jp-c=20.0Hz),127.6(d,Jp-c=4.4Hz),126.
2.31PNMR(162MHz,d-THF): δ91.2.Elemental
analysis,calculated for C12H10NaOP: C,
64.29; H, 4.50.Found: C,64.56;H,4.68.
【0081】
(実施形態2)
実施形態1と同様の条件下で、水をMeOHに変えて反応を実施し、収率95%(31
PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0082】
(実施形態3)
実施形態1と同様の条件下で、水をエタノールEtOHに変えて反応を実施し、収率9
7%(31PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0083】
(実施形態4)
実施形態1と同様の条件下で、水をイソプロパノールi-PrOHに変えて反応を実施
し、収率93%(31PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0084】
(実施形態5)
実施形態1と同様の条件下で、水をtert-ブチルアルコールt-BuOHに変えて
反応を実施し、収率91%(31PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0085】
(実施形態6)
実施形態1と同様の条件下で、水を酢酸CH3CO2Hに変えて反応を実施し、収率9
0%(31PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0086】
(実施形態7)
実施形態1と同様の条件下で、THFをMeOCHCHOMeに変えて反応を実施
し、収率98%(31PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0087】
(実施形態8)
実施形態1と同様の条件下で、THFをジオキサンdioxaneに変えて反応を実施
し、収率93%(31PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0088】
(実施形態9)
実施形態1と同様の条件下で、THFをメチルベンゼンに変えて反応を実施し、収率9
0%(31PNMR収率)のPhPONaを得た。
【0089】
実施形態1~9により、RPOは異なるプロトン性化合物と、溶媒なしまたは第1溶
媒の条件下で金属ナトリウムと反応してRPONaを製造することができ、製造さ
れたRPONaは反応システムから容易に分離することができる。
【0090】
実施形態10は、本発明が提供するホスフィノ化合物の製造方法によって製造されたP
PONaを用いてPhP(O)Hを製造する実施形態である。
【0091】
(実施形態10)
実施形態1と同様の条件下で、反応を実施した後、混合反応液中に飽和塩化アンモニウ
ム溶液10mLを加えた後、酢酸エチルで抽出し、揮発物を減圧除去し、収率98%のP
P(O)Hを得た。
【0092】
実施形態11-13は、本発明が提供するホスフィノ化合物の製造方法によって製造さ
れたRPONaとZ芳香族または脂肪族化合物を使ってRPOR
PORを製造する実施形態である。
【0093】
(実施形態11)
実施形態1と同様の条件下で、反応を実施した後、混合反応液中にClCHCH
l 15mLを加え、5時間攪拌後、揮発物を減圧除去し、水洗浄を行い、収率95%の
PhP(O)CHCHP(O)Phを得た。
【0094】
(実施形態12)
実施形態1と同様の条件下で、反応を実施した後、混合反応液中にClCHCH
l 20mLを加え、5時間攪拌後、揮発物を減圧除去し、水洗浄を行い、収率95%の
PhP(O)CHCHP(O)Phを得た。
【0095】
(実施形態13)
実施形態1と同様の条件下で、反応を実施した後、混合反応液中に1,4-ClCH
CHCl10mLを加え、5時間攪拌後、揮発物を減圧除去し、水洗浄を行い
、収率91%のPhP(O)CHCHP(O)Phを得た。
【0096】
実施形態14は、本発明が提供するホスフィノ化合物の製造方法によって製造されたR
PONaとRZ芳香族または脂肪族化合物を使ってRPORを製造する
実施形態である。
【0097】
(実施形態14)
実施形態1と同様の条件下で、反応終了後、NaOHをろ過除去した後、反応液中に1
当量のTMSCl 10mmolを加え、5時間攪拌した後、揮発物を減圧除去し、収率
98%の油状PhPOTMSを得た。
【0098】
本発明は、上記実施形態に加えて、他の実施形態を有してもよい。等価置換または等価
変換を用いて形成されるすべての技術案は、本発明の要求する保護範囲にある。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】