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特表2024-529597タッチ構造及びその製造方法、表示パネル並びに表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】タッチ構造及びその製造方法、表示パネル並びに表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240801BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240801BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240801BHJP
   H10K 59/40 20230101ALI20240801BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20240801BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20240801BHJP
   H10K 71/60 20230101ALI20240801BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240801BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/00 338
H10K59/12
H10K59/40
H10K50/844
H10K50/84
H10K71/60
G06F3/041 660
G06F3/044 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567029
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2022108197
(87)【国際公開番号】W WO2023016257
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110929096.X
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユー
(72)【発明者】
【氏名】ツゥイ グオイー
(72)【発明者】
【氏名】ガオ タオ
(72)【発明者】
【氏名】リー ヅリアン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB06
3K107BB07
3K107BB08
3K107CC41
3K107CC45
3K107DD03
3K107DD39
3K107EE66
3K107GG11
5C094AA15
5C094BA03
5C094BA27
5C094FA01
5C094FA02
5C094HA02
5C094HA03
5C094HA05
5C094HA08
5G435AA18
5G435BB05
5G435EE49
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL09
5G435LL10
5G435LL14
5G435LL15
5G435LL17
5G435LL18
(57)【要約】
タッチ構造は、少なくとも1つのタッチ機能層群および少なくとも1つの保護パッド層を含む。ここで、少なくとも1つのタッチ機能層群は、順に積層された有機層および導電層を含む。少なくとも1つの保護パッド層は、少なくとも1つのタッチ機能層群と1対1対応で設けられ、前記保護パッド層は、対応するタッチ機能層群の導電層と有機層との間に位置する。前記有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記有機層上の前記導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に積層された有機層および導電層を含む少なくとも1つのタッチ機能層群と、
少なくとも1つのタッチ機能層群と1対1対応で設けられる少なくとも1つの保護パッド層であって、前記保護パッド層は、対応するタッチ機能層群の導電層と有機層との間に位置し、前記有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記有機層上の前記導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる少なくとも1つの保護パッド層と、
を備える、
タッチ構造。
【請求項2】
少なくとも1つのタッチ機能層群は、
順に積層された第1有機層および第1導電層を含む第1タッチ機能層群と、
前記第1導電層の前記第1有機層から離れた一方側に設けられ、順に積層された第2有機層および第2導電層を含む第2タッチ機能層群と、
を含み、
少なくとも1つの保護パッド層は、前記第1導電層および/または前記第2導電層に対応して設けられ、前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の対応する導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる、
請求項1に記載のタッチ構造。
【請求項3】
前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の対応する導電層の正射影とほぼ重なり合い、または、
前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影は、閉図形であり、前記保護パッド層に対応する導電層の前記第1有機層上の正射影は、前記閉図形の範囲内に位置する、
請求項2に記載のタッチ構造。
【請求項4】
前記タッチ構造は、タッチ領域と、前記タッチ領域の一方側に位置するバインディング領域とを含み、
前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記バインディング領域からずらしている、
請求項3に記載のタッチ構造。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保護パッド層は、第1保護パッド層および/または第2保護パッド層を含み、
前記第1保護パッド層は、前記第1導電層に対応して設けられ、前記第1導電層と前記第1有機層との間に位置し、
前記第2保護パッド層は、前記第2導電層に対応して設けられ、前記第2導電層と前記第2有機層との間に位置する、
請求項2から請求項4のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項6】
前記第1導電層および前記第2導電層のうち、保護パッド層が対応して設けられた導電層の厚さは0.3μm以上である、
請求項2から請求項5のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項7】
前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方には、保護パッド層が対応して設けられ、保護パッド層が対応して設けられた導電層の厚さは、他方の導電層の厚さよりも大きい、
請求項6に記載のタッチ構造。
【請求項8】
前記第1導電層および前記第2導電層のうち、保護パッド層が対応して設けられていない導電層の厚さは0.3μm未満である、
請求項7に記載のタッチ構造。
【請求項9】
前記タッチ構造は、タッチ領域を含み、
前記タッチ構造は、
前記タッチ領域に設けられ、複数の第1タッチユニットおよび複数の第2タッチユニットを含む複数のタッチユニットであって、各々の第1タッチユニットは、第1方向に沿って延び、前記複数の第1タッチユニットは、第2方向に沿って並んで設けられ、各々の第2タッチユニットは、第2方向に沿って延び、前記複数の第2タッチユニットは、第1方向に沿って並んで設けられる複数のタッチユニット、を含み、
前記第1タッチユニットは、複数の第1タッチ電極および複数の第1接続部を含み、隣接する2つの第1タッチ電極は、第1接続部を介して電気的に接続され、
前記第2タッチユニットは、複数の第2タッチ電極および複数の第2接続部を含み、隣接する2つの第2タッチ電極は、第2接続部を介して電気的に接続され、
前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第1接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方に設けられ、前記複数の第2接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの他方に設けられ、あるいは、
前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第2接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方に設けられ、前記複数の第1接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの他方に設けられる、
請求項2から請求項8のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項10】
前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第1接続部は、同一の導電層に設けられ、前記複数の第2接続部が位置する導電層には、保護パッド層が対応して設けられ、あるいは、
前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第2接続部は、同一の導電層に設けられ、前記複数の第1接続部が位置する導電層には、保護パッド層が対応して設けられる、
請求項9に記載のタッチ構造。
【請求項11】
前記複数の第1タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方に設けられ、前記複数の補助電極は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの他方に設けられる複数の補助電極、をさらに含み、
前記第1有機層上の各々の補助電極の正射影は、前記第1有機層上の第1タッチ電極または第2タッチ電極の正射影と少なくとも部分的に重なり、前記補助電極は、前記第2有機層におけるビアを介して第1タッチ電極または第2タッチ電極に電気的に接続される、
請求項9又は請求項10に記載のタッチ構造。
【請求項12】
前記保護パッド層の対応する導電層に近い表面は、複数の凹みを有し、前記導電層の対応する保護パッド層から離れた表面は、複数の凹みを有する、
請求項1から請求項11のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項13】
前記保護パッド層の材料は、無機材料を含む、
請求項1から請求項12のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項14】
前記保護パッド層の厚さは、対応するタッチ機能層群の有機層の厚さよりも小さい、
請求項1から請求項13のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項15】
表示基板と、
前記表示基板の光出射側に設けられる請求項1から請求項14のいずれかに記載のタッチ構造と、
を含む、
表示パネル。
【請求項16】
前記表示基板は、パッケージ層を含み、前記タッチ構造は、前記パッケージ層上に直接設けられる、
請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
請求項15又は請求項16に記載の表示パネルを含む、
表示装置。
【請求項18】
タッチ構造の製造方法であって、前記タッチ構造は、少なくとも1つのタッチ機能層群を含み、各々のタッチ機能層群は、順に積層された有機層および導電層を含み、前記製造方法は、
前記有機層と前記導電層を順に形成するステップを含み、
前記導電層を形成する前に、前記製造方法は、前記有機層上に保護パッド層を形成するステップをさらに含み、前記有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記有機層上の前記導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる、
タッチ構造の製造方法。
【請求項19】
少なくとも1つのタッチ機能層群は、第1タッチ機能層群および第2タッチ機能層群を含み、前記第1タッチ機能層群は、順に積層された第1有機層および第1導電層を含み、前記第2タッチ機能層群は、順に積層された第2有機層および第2導電層を含み、
前記製造方法は、
前記第1有機層、前記第1導電層、前記第2有機層および前記第2導電層を順に形成するステップを含み、
前記第1導電層を形成する前に、前記製造方法は、前記第1有機層上に前記第1保護パッド層を形成するステップをさらに含み、前記第1有機層上の前記第1保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の前記第1導電層の正射影と少なくとも部分的に重なり、および/または、
前記第2導電層を形成する前に、前記製造方法は、前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、前記第2保護パッド層を形成するステップをさらに含み、前記第1有機層上の前記第2保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の前記第2導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる、
請求項18に記載のタッチ構造の製造方法。
【請求項20】
前記第1有機層上に第1保護パッド層を形成するステップは、
前記第1有機層上に第1保護膜を形成するステップと、
前記第1保護膜の前記第1有機層から離れた一方側に、前記第1導電層を形成するステップと、
前記第1導電層をマスクとして、前記第1保護膜をパターニングして、前記第1保護パッド層を得るステップと、を含み、あるいは、
前記タッチ構造は、タッチ領域と、前記タッチ領域の一方側に位置するバインディング領域とを含み、前記第1有機層上に第1保護パッド層を形成するステップは、
前記第1有機層上に、第1保護膜を形成するステップと、
前記バインディング領域に位置する前記第1保護膜の一部を除去して、前記第1保護パッド層を得るステップと、を含む、
請求項19に記載のタッチ構造の製造方法。
【請求項21】
前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、第2保護パッド層を形成するステップは、
前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、第2保護膜を形成するステップと、
前記第2保護膜の前記第1有機層から離れた一方側に、前記第2導電層を形成するステップと、
前記第2導電層をマスクとして、前記第2保護膜をパターニングして、前記第2保護パッド層を得るステップと、を含み、あるいは、
前記タッチ構造は、タッチ領域と、前記タッチ領域の一方側に位置するバインディング領域とを含み、前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に第2保護パッド層を形成するステップは、
前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、第2保護膜を形成するステップと、
前記バインディング領域に位置する前記第2保護膜の一部を除去して、前記第2保護パッド層を得るステップと、を含む、
請求項19又は請求項20に記載のタッチ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年8月13日に出願された出願番号が202110929096.Xである中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その開示内容の全ては参照により本願に取り込まれる。
【0002】
本開示は表示技術分野に関し、特に、タッチ構造及びその製造方法、表示パネル並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術分野の発展に伴い、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、略称OLED)表示パネルは、徐々に表示技術分野の主流製品の1つとなっている。
【0004】
現在、大型タッチディスプレイを備えたOLED表示パネルについては、タッチディスプレイのタッチ性能と曲げ性能がより注目されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、タッチ構造が提供される。前記タッチ構造は、少なくとも1つのタッチ機能層群および少なくとも1つの保護パッド層を備える。ここで、前記少なくとも1つのタッチ機能層群は、順に積層された有機層および導電層を含む。少なくとも1つの保護パッド層は、少なくとも1つのタッチ機能層群と1対1対応で設けられ、前記保護パッド層は、対応するタッチ機能層群の導電層と有機層との間に位置する。前記有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記有機層上の前記導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0006】
幾つかの実施例では、少なくとも1つのタッチ機能層群は、第1タッチ機能層群と第2タッチ機能層群とを含み、第1タッチ機能層群は、順に積層された第1有機層および第1導電層を含む。第2タッチ機能層群は、前記第1導電層の前記第1有機層から離れた側に設けられ、前記第2タッチ機能層群は、順に積層された第2有機層および第2導電層を含む。
【0007】
ここで、少なくとも1つの保護パッド層は、前記第1導電層および/または前記第2導電層に対応して設けられる。前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の対応する導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0008】
幾つかの実施例では、前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の対応する導電層の正射影とほぼ重なり合う。または、前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影が閉図形であり、前記保護パッド層に対応する導電層の前記第1有機層上の正射影は、前記閉図形の範囲内に位置する。
【0009】
幾つかの実施例では、前記タッチ構造は、タッチ領域と、前記タッチ領域の一方側に位置するバインディング領域とを含む。前記第1有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記バインディング領域からずらしている。
【0010】
幾つかの実施例では、前記少なくとも1つの保護パッド層は、第1保護パッド層および/または第2保護パッド層を含み、前記第1保護パッド層は、前記第1導電層に対応して設けられ、前記第1導電層と前記第1有機層との間に位置する。前記第2保護パッド層は、前記第2導電層に対応して設けられ、前記第2導電層と前記第2有機層との間に位置する。
【0011】
幾つかの実施例では、前記第1導電層および前記第2導電層のうち、保護パッド層が対応して設けられた導電層の厚さは0.3μm以上である。
【0012】
幾つかの実施例では、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方には、保護パッド層が対応して設けられ、保護パッド層が対応して設けられた導電層の厚さは、他方の導電層の厚さよりも大きい。
【0013】
幾つかの実施例では、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方には、保護パッド層が対応して設けられ、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの他方は、厚さが0.3μm未満である。
【0014】
幾つかの実施例では、前記タッチ構造はタッチ領域を含み、前記タッチ構造は前記タッチ領域に設けられた複数のタッチユニットを含み、前記複数のタッチユニットは複数の第1タッチユニットおよび複数の第2タッチユニットを含む。各々の第1タッチユニットは第1方向に沿って延び、前記複数の第1タッチユニットは第2方向に沿って並んで設けられる。各々の第2タッチユニットは第2方向に沿って延び、前記複数の第2タッチユニットは第1方向に沿って並んで設けられる。
【0015】
前記第1タッチユニットは、複数の第1タッチ電極および複数の第1接続部を含み、隣接する2つの第1タッチ電極は第1接続部を介して電気的に接続される。前記第2タッチユニットは、複数の第2タッチ電極および複数の第2接続部を含み、隣接する2つの第2タッチ電極は第2接続部を介して電気的に接続される。ここで、前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第1接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方に設けられ、前記複数の第2接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの他方に設けられる。
【0016】
あるいは、前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第2接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方に設けられ、前記複数の第1接続部は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの他方に設けられる。
【0017】
幾つかの実施例では、前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第1接続部は、同一の導電層に設けられ、前記複数の第2接続部が位置する導電層には、対応して保護パッド層が設けられる。
【0018】
あるいは、前記複数の第1タッチ電極、前記複数の第2タッチ電極および前記複数の第2接続部は、同一の導電層に設けられ、前記複数の第1接続部が位置する導電層には、対応して保護パッド層が設けられる。
【0019】
幾つかの実施例では、タッチ構造は、複数の補助電極をさらに含み、前記複数の第1タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一方に設けられ、前記複数の補助電極は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの他方に設けられる。前記第1有機層上の各々の補助電極の正射影は、前記第1有機層上の第1タッチ電極または第2タッチ電極の正射影と少なくとも部分的に重なり、前記補助電極は、前記第2有機層のビアを介して第1タッチ電極または第2タッチ電極に電気的に接続される。
【0020】
幾つかの実施例では、前記保護パッド層の対応する導電層に近い表面は、複数の凹みを有し、前記導電層の対応する保護パッド層から離れた表面は、複数の凹みを有する。
【0021】
幾つかの実施例では、前記保護パッド層の材料は無機材料を含む。
【0022】
幾つかの実施例では、前記保護パッド層の厚さは、対応するタッチ機能層群の有機層の厚さよりも小さい。
【0023】
別の態様では、表示パネルが提供される。前記表示パネルは、表示基板と、上記実施例のいずれかに記載の前記タッチ構造とを含み、前記タッチ構造は、前記表示基板の光出射側に設けられる。
【0024】
幾つかの実施例では、前記表示基板はパッケージ層を含み、前記タッチ構造は前記パッケージ層上に直接設けられる。
【0025】
また別の態様では、表示装置が提供される。前記表示装置は、上記実施例のいずれかに記載の表示基板を含む。
【0026】
さらに別の態様では、タッチ構造の製造方法が提供される。前記タッチ構造は、少なくとも1つのタッチ機能層群を含み、各々のタッチ機能層群は、順に積層された有機層および導電層を含む。前記製造方法は以下のステップを含む。
【0027】
前記有機層と前記導電層を順に形成するステップ。ここで、前記導電層を形成する前に、前記製造方法は、前記有機層上に保護パッド層を形成するステップをさらに含み、前記有機層上の前記保護パッド層の正射影は、前記有機層上の前記導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0028】
幾つかの実施例では、少なくとも1つのタッチ機能層群は、第1タッチ機能層群および第2タッチ機能層群を含み、前記第1タッチ機能層群は、順に積層された第1有機層および第1導電層を含み、前記第2タッチ機能層群は、順に積層された第2有機層および第2導電層を含む。前記製造方法は以下のステップを含む。
【0029】
前記第1有機層、前記第1導電層、前記第2有機層および前記第2導電層を順に形成するステップ。ここで、前記第1導電層を形成する前に、前記製造方法は、前記第1有機層上に前記第1保護パッド層を形成するステップをさらに含み、前記第1有機層上の前記第1保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の前記第1導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0030】
および/または、前記第2導電層を形成する前に、前記製造方法は、前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、前記第2保護パッド層を形成するステップをさらに含み、前記第1有機層上の前記第2保護パッド層の正射影は、前記第1有機層上の前記第2導電層の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0031】
幾つかの実施例では、前記第1有機層上に第1保護パッド層を形成するステップは、以下のステップを含む。
【0032】
前記第1有機層上に第1保護膜を形成するステップ。
【0033】
前記第1保護膜の前記第1有機層から離れた一方側に、前記第1導電層を形成するステップ。
【0034】
前記第1導電層をマスクとして、前記第1保護膜をパターニングして、前記第1保護パッド層を得るステップ。
【0035】
あるいは、前記タッチ構造は、タッチ領域と、前記タッチ領域の一方側に位置するバインディング領域とを含む。前記第1有機層上に第1保護パッド層を形成するステップは、以下のステップを含む。
【0036】
前記第1有機層上に、第1保護膜を形成するステップ。
【0037】
前記バインディング領域に位置する前記第1保護膜の一部を除去して、前記第1保護パッド層を得るステップ。
【0038】
幾つかの実施例では、前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、第2保護パッド層を形成するステップは、以下のステップを含む。
【0039】
前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、第2保護膜を形成するステップ。
【0040】
前記第2保護膜の前記第1有機層から離れた一方側に、前記第2導電層を形成するステップ。
【0041】
前記第2導電層をマスクとして、前記第2保護膜をパターニングして、前記第2保護パッド層を得るステップ。
【0042】
あるいは、前記タッチ構造は、タッチ領域と、前記タッチ領域の一方側に位置するバインディング領域とを含む。前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に第2保護パッド層を形成するステップは、以下のステップを含む。
【0043】
前記第2有機層の前記第1有機層から離れた一方側に、第2保護膜を形成するステップ。
【0044】
前記バインディング領域に位置する前記第2保護膜の一部を除去して、前記第2保護パッド層を得るステップ。
【図面の簡単な説明】
【0045】
以下、本開示の実施例に係る技術案をより明確に説明するために、本開示における幾つかの実施例で使用される図面について簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本開示における幾つかの実施例の一部にすぎないことは明らかである。当業者であれば、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。また、以下の説明における図面は、概略図と見なすことができ、本開示の実施形態に係る製品の実際の寸法、方法の実際の流れ、信号の実際のタイミングなどを限定するものではない。
図1図1は、幾つかの実施例に係る表示装置の構造図である。
図2図2は、幾つかの実施例に係る表示パネルの構造図である。
図3図3は、図2における表示パネルの断面線A-A’に沿った部分断面図である。
図4A図4Aは、図2における表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図4B図4Bは、幾つかの実施例に係る別の表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図5図5は、図4AにおけるMの部分拡大図である。
図6図6は、図4Aにおけるタッチ構造の複数の第1保護パッド層の上面図である。
図7図7は、幾つかの実施例に係る別の表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図8図8は、幾つかの実施例に係るさらに別の表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図9図9は、図8におけるタッチ構造の複数の第2保護パッド層の上面図である。
図10図10は、幾つかの実施例に係る様々な表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図11図11は、幾つかの実施例に係る様々な表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図12図12は、幾つかの実施例に係る様々な表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図13図13は、幾つかの実施例に係る様々な表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図14図14は、幾つかの実施例に係る様々な表示パネルの断面線B-B’に沿った部分断面図である。
図15図15は、幾つかの実施例に係る別の表示パネルの構造図である。
図16図16は、図15における表示パネルの断面線C-C’に沿った部分断面図である。
図17図17は、幾つかの実施例に係るまた別の表示パネルの構造図である。
図18図18は、図17における表示パネルの断面線D-D’に沿った部分断面図である。
図19図19は、幾つかの実施例に係るさらに別の表示パネルの構造図である。
図20図20は、図19における表示パネルの断面線E-E’に沿った部分断面図である。
図21図21は、幾つかの実施例に係るさらに別の表示パネルの構造図である。
図22図22は、図21における表示パネルの断面線F-F’に沿った部分断面図である。
図23図23は、幾つかの実施例に係るさらに別の表示パネルの構造図である。
図24図24は、図23における表示パネルの断面線H-H’に沿った部分断面図である。
図25図25は、幾つかの実施例に係る表示パネルにおける隔離部の平面配置図である。
図26図26は、幾つかの実施例に係る表示パネルのタッチ構造における導電層の構造図である。
図27図27は、幾つかの実施例に係る表示パネルのタッチ構造における保護パッド層の構造図である。
図28図28は、関連技術の表示パネルのタッチ構造における導電層の構造図である。
図29図29は、幾つかの実施例に係る様々なタッチ構造の製造方法のステップを示す図である。
図30図30は、幾つかの実施例に係る様々なタッチ構造の製造方法のステップを示す図である。
図31図31は、幾つかの実施例に係る様々なタッチ構造の製造方法のステップを示す図である。
図32図32は、幾つかの実施例に係る様々なタッチ構造の製造方法のステップを示す図である。
図33図33は、幾つかの実施例に係る第1保護パッド層の製造方法の各ステップを示す図である。
図34図34は、幾つかの実施例に係る第1保護パッド層の製造方法の各ステップを示す図である。
図35図35は、幾つかの実施例に係る第1保護パッド層の製造方法の各ステップを示す図である。
図36図36は、図2におけるNの部分拡大図である。
図37図37は、幾つかの実施例に係る第1保護パッド層の別の製造方法の各ステップを示す図である。
図38図38は、幾つかの実施例に係る第1保護パッド層の別の製造方法の各ステップを示す図である。
図39図39は、幾つかの実施例に係る第2保護パッド層の製造方法の各ステップを示す図である。
図40図40は、幾つかの実施例に係る第2保護パッド層の製造方法の各ステップを示す図である。
図41図41は、幾つかの実施例に係る第2保護パッド層の製造方法の各ステップを示す図である。
図42図42は、幾つかの実施例に係る第2保護パッド層の別の製造方法の各ステップ図である。
図43図43は、幾つかの実施例に係る第2保護パッド層の別の製造方法の各ステップ図である。
図44図44は、幾つかの実施例に係る同じパターニングプロセスを用いて第1保護パッド層と第2保護パッド層を製造する各ステップを示す図である。
図45図45は、幾つかの実施例に係る同じパターニングプロセスを用いて第1保護パッド層と第2保護パッド層を製造する各ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図面を参照して、本開示の幾つかの実施例に係る技術案を明確かつ完全に説明する。無論、ここに記載された実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が容易に想到できる他のすべての実施例は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0047】
文脈において別途指摘されない限り、本明細書及び特許請求の範囲において、用語「含む(comprise)」及びその他の形態、例えば、第三人称の単数形である「含む(comprises)」及び現在分詞の形式である「含む(comprising)」は、開放、包括的な意味、即ち「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。明細書の説明において、用語「1つの実施例(one embodiment)」、「幾つかの実施例(some embodiments)」、「例示的な実施例(exemplary embodiments)」、「例(example)」、「特定例(specific example)」、又は「幾つかの例(some examples)」などは、この実施例又は例に関連する特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを示すことが意図される。上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で、任意の1つ又は複数の実施例又は例に含まれ得る。
【0048】
以下、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は暗示する、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものとは理解されない。従って、「第1」、「第2」と定義された特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗示的に含み得る。本開示の実施例の説明では、特に明記しない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0049】
幾つかの実施例を説明する際に、「電気的に接続」及びそれに由来する表現を使用する場合がある。例えば、幾つかの実施例を説明する際に、「電気的に接続」という用語を使用して、2つ以上の構成要素が互いに直接的な物理的又は電気的に接触していることを示す場合がある。
【0050】
「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、及びAとBの組合せの3つの組合せを含む。
【0051】
また、「基づいて」の使用は、1つ又は複数の記載された条件又は値に基づくプロセス、ステップ、計算、又は他の動作が、実際には、追加の条件に基づき得る又は記載された値を超えることができるので、開放的且つ包括的であることを意味する。
【0052】
本明細書でにおいて使用されるように、「ほぼ」は、記載された値、及び特定値の許容可能な偏差範囲内の平均値を含み、ここで、前記許容可能な偏差範囲は、当業者によって検討されている測定及び特定量の測定に関連する誤差(即ち、測定システムの制限性)を考慮して決定される。
【0053】
本明細書では理想化された例示的な図面である断面図及び/又は平面図を参照して例示的な実施形態を説明している。図面において、明確的に表示するために、層及び領域の厚さが拡大されている。したがって、例えば製造技術及び/又は公差に起因する、図面に対する形状の変動が想定され得る。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に示された領域の形状に限定されるものではなく、製造などに起因する形状の偏差を含むものとして解釈すべきである。例えば、矩形として示されるエッチング領域は、通常、湾曲した特徴を有する。したがって、図面に示される領域は、本質的に例示的なものであり、且つそれらの形状は、設備の領域の実際形状を示すことを意図するものではないし、例示的な実施態様の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0054】
本開示の幾つかの実施例では、表示装置が提供され、図1に示すように、表示装置1はエレクトロルミネッセンス表示装置であってもよい。このエレクトロルミネッセンス表示装置はOLED表示装置、例えばアクティブマトリクス有機発光ダイオード(Active Matrix Organic Light-Emitting Diode、略称AMOLED)表示装置であってもよい。
【0055】
上記の表示装置1は、動いている(例えば、ビデオ)または静止している(例えば、静止画像)ことに関係なく、テキストや画像に関係なく表示する任意の装置であってもよい。より明確的には、本実施例は、複数の電子装置に実施されるか、または複数の電子装置に関連付けられることが期待される。前記複数の電気装置は、例えば(これらに限定されないが)携帯電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、GPSレシーバー/ナビゲーター、カメラ、MP4ビデオプレーヤ、ビデオカメラ、ゲームコンソール、腕時計、時計、電卓、テレビモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、カーディスプレイ(例えば、速度・距離メーターディスプレイなど)、ナビゲーター、コクピットコントローラおよび/またはディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、車両におけるリアビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子看板または標識、プロジェクタ、建築構造、パッケージングおよび美的構造体(例えば、1つの宝石の画像のディスプレイ)などが挙げられる。
【0056】
図2および図3に示すように、表示装置1は、表示パネル2を含み、画像を表示する表示領域(Active Area、略称AA)AAを有する。表示パネル2は、表示基板3とタッチ構造4とを含み、タッチ構造4は表示基板3の光出射側Eに設けられる。
【0057】
ここで、図3に示すように、表示基板3は、ベース10と、ベース10上に設けられた複数の駆動回路および複数の発光素子Lとを含む。これに基づいて、表示基板3は複数のサブ画素を含み、各々のサブ画素は1つの画素駆動回路および1つの発光素子Lを含み、この画素駆動回路はこの発光素子Lに電気的に接続される。
【0058】
例示的に、ベース10は多層構造であってもよく、例えば、図3に示すように、ベース10は、順に積層された第1ポリイミド層、バッファ層及び第2ポリイミド層を含んでもよい。他の例として、ベース10は、順次に積層された第1ポリイミド層、第1バッファ層、第2ポリイミド層及び第2バッファ層を含んでもよい。
【0059】
図3に示すように、表示基板3は、ベース10上に順に積層された活性層104、第1ゲート絶縁層105、第1ゲート導電層106、第2ゲート絶縁層107、第2ゲート導電層108、層間誘電体層109及びソースドレイン導電層110をさらに含む。
【0060】
ここで、第1ゲート絶縁層105は、活性層104と第1ゲート導電層106とを絶縁し、第2ゲート絶縁層107は、第1ゲート導電層106と第2ゲート導電層108とを絶縁し、層間誘電体層109は、第2ゲート導電層108とソースドレイン導電層110とを絶縁する。
【0061】
図3に示すように、各々の画素駆動回路は、複数の薄膜トランジスタTFTと少なくとも1つのコンデンサC1とを含み、図3には薄膜トランジスタTFTのうちの1つと1つのコンデンサC1が示されている。
【0062】
薄膜トランジスタTFTは、活性層104と、第1ゲート絶縁層105と、第1ゲート導電層106内に設けられたゲート106Aと、第2ゲート絶縁層107と、層間誘電体層109と、ソースドレイン導電層110内に設けられたソース110A及びドレイン110Bと、を含んでもよい。
【0063】
例示的に、活性層104はベース10上に設けられてもよい。第1ゲート絶縁層105はベース10および活性層104を覆う。ゲート106Aは第1ゲート絶縁層105のベース10から離れた一方側に設けられる。第2ゲート絶縁層107はゲート106Aおよび第1ゲート絶縁層105を覆う。層間誘電体層109は第2ゲート絶縁層107を覆う。ソース110A及びドレイン110Bは、層間誘電体層109のベース10から離れた一方側に設けられる。ソース110A及びドレイン110Bは、それぞれ、層間誘電体層109、第2ゲート絶縁層107及び第1ゲート絶縁層105の3つを貫通するビアを介して、活性層104に電気的に接続され得る。
【0064】
ゲート106Aが、活性層104のベース10から離れた一方側に設けられることが理解される。すなわち、ゲート106Aは、活性層104の上方に位置する。この薄膜トランジスタTFTは、トップゲート型の薄膜トランジスタである。幾つかの他の実施例では、ゲート106Aは、活性層104のベース10に近い一方側に設けられてもよい。すなわち、ゲート106Aは活性層104の下方に位置する。この薄膜トランジスタTFTは、ボトムゲート型の薄膜トランジスタである。
【0065】
コンデンサC1は、第1ゲート導電層106に設けられた第1極板106Bと、第2ゲート導電層108に設けられた第2極板108Aとを含む。第1極板106Bは、ゲート106Aと同層に設けられ、第2極板108Aは、第2ゲート絶縁層107と層間誘電体層109との間に設けられ、かつ第1極板106Bと対向して設けられる。
【0066】
図3に示すように、表示基板3は、ソースドレイン導電層110のベース10から離れた一方側に順に積層されたパッシベーション層111及び平坦化層112を含む。パッシベーション層111及び平坦化層112は、ソース110A及びドレイン110Bを覆い、ソース110A及びドレイン110Bを保護する役割を果たす。
【0067】
また、画素駆動回路が位置する上記複数の膜層は、ゲート線、データ線、VDD線およびVSS線などをさらに含む。各々の画素駆動回路は、発光素子Lに駆動信号を出力するために、ゲート線、データ線、VDD線に電気的に接続される。ここで、VDD線は、表示領域AAにおいて第2方向Yに沿って延びる複数の線であってもよく、VSS線は、周辺領域において表示領域AAを囲むように設けられてもよく、発光素子Lは、VSS線に電気的に接続される。
【0068】
ここで、第2方向Yは、表示基板3においてアレイ状に設けられた複数のサブ画素の列方向と一致する。
【0069】
駆動回路が位置する上記複数の膜層には、ゲート駆動回路と、ゲート駆動回路に電気的に接続されたクロック信号線、STV線、VGH線およびVGL線などと、をさらに含む。
【0070】
図3に示すように、表示基板3は、平坦化層112のベース10から離れた一方側に設けられた第1電極113をさらに含む。第1電極113は、平坦化層112およびパッシベーション層111を貫通するビアを介してソース110Aに電気的に接続される。
【0071】
図3に示すように、表示基板3は、平坦化層112のベース10から離れた一方側に設けられた画素定義層114をさらに含む。画素定義層114は、複数の開口を有し、各々の開口は、第1電極113の少なくとも一部を露出させ、且つ、各々の開口は1つのサブ画素内に位置する。
【0072】
図3に示すように、発光素子Lは、第1電極113と、発光機能層ELと、第2電極116と、を含む。
【0073】
ここで、発光機能層ELは、画素定義層114の開口内に位置し、且つ第1電極113上に形成される。この発光機能層ELは、低分子有機材料または高分子有機材料を含んでもよく、赤色光、緑色光、青色光、または白色光を発光可能な蛍光発光材料またはリン光発光材料であってもよい。さらに、異なる実際のニーズに応じて、異なる例において、発光機能層ELは、電子輸送層(Election Transporting Layer、略称ETL)、電子注入層(Election Injection Layer、略称EIL)、正孔輸送層(Hole Transporting layer、略称HTL)、及び正孔注入層(Hole Injection Layer、略称HIL)のうちの1つまたは複数層を含んでもよい。
【0074】
第2電極116は、発光機能層ELを覆う。なお、各サブ画素における発光素子Lの第2電極116は、互いに接続されて、層全体を覆う平面状電極を形成し、各発光素子Lの共通電極として機能する。
【0075】
例示的に、第1電極113はアノードであってもよく、第2電極116はカソードであってもよく。
【0076】
発光素子Lの第1電極113は、画素駆動回路に電気的に接続され、画素駆動回路からの駆動信号を受信する。第2電極116の端部は、周辺領域まで延びてVSS線に電気的に接続され、VSS線からのVSS信号を受信して、第1電極113と第2電極116との間に電界を形成し、発光機能層ELを励起して発光させる。
【0077】
図3に示すように、表示基板3は、画素定義層114のベース10から離れた一方側に設けられた支持部115をさらに含む。この支持部115は、その下の膜層を支持して保護する役割を果たすことができる。
【0078】
図3に示すように、表示基板3は、第2電極116のベース10から離れた一方側に設けられたパッケージ層117をさらに含む。パッケージ層117は、順次に積層された第1無機パッケージサブ層1171、有機パッケージサブ層1172及び第2無機パッケージサブ層1173を含んでもよい。パッケージ層117は、表示基板3をパッケージして、水や酸素の侵入による発光素子Lの腐食を防止するために使用される。
【0079】
図3に示すように、タッチ構造4を表示基板3のパッケージ層117上に直接設置する技術は、FSLOC(Flexible Single-Layer On Cell)技術およびFMLOC(Flexible Multi-Layer On Cell)技術を含む。
【0080】
そのうち、FSLOC技術は、自己容量 (または電圧)検出の動作原理に基づくことができ、一般的に単層の金属層を使用してタッチ電極を形成する。指が表示装置に触れると、指はタッチユニットの電荷を持ち去り、タッチICはタッチ電極の自己容量値(または電圧値)の変化を検出することにより、指のタッチ位置を特定し、表示装置のタッチ機能を実現する。
【0081】
FMLOC技術は、相互容量検出の動作原理に基づくことができ、タッチ構造4は、一般に2層の金属層を使用してタッチ駆動電極(TX)とタッチ感知電極(RX)を形成する。指が表示装置に触れると、指はタッチ駆動電極またはタッチ感知電極の電荷を持ち去り、タッチICはタッチ駆動電極とタッチ感知電極との間の相互容量値の変化を検出することにより、指の触れ位置を認識し、表示装置のタッチ機能を実現する。
【0082】
本開示の幾つかの実施例では、タッチ構造4が提供される。図4Aおよび図4Bに示すように、タッチ構造4の膜層構造から見ると、タッチ構造4は、少なくとも1つのタッチ機能層群40を含む。少なくとも1つのタッチ機能層群40は、順に積層された有機層43および導電層44を含む。
【0083】
例示的に、図4Aに示すように、タッチ構造4は、2つのタッチ機能層群40を含む。各々のタッチ機能層群40は、順に積層された有機層43および導電層44を含む。すなわち、タッチ構造4は、2つの導電層44を含む。この場合、このタッチ構造4を有する表示パネル2は、FMLOC技術を採用する。
【0084】
例示的に、図4Bに示すように、タッチ構造4は、1つのタッチ機能層群40を含む。このタッチ機能層群40は、順に積層された有機層43および導電層44を含む。すなわち、タッチ構造4は、1つの導電層44を含む。この場合、このタッチ構造4を有する表示パネル2は、FSLOC技術を採用する。
【0085】
図4Aおよび図4Bに示すように、タッチ構造4は、少なくとも1つの保護パッド層205をさらに含む。少なくとも1つの保護パッド層205は、少なくとも1つのタッチ機能層群40と1対1対応で設けられる。保護パッド層205は、対応するタッチ機能層群40の導電層44と有機層43との間に位置する。有機層43上の保護パッド層205の正射影は、有機層43上の導電層44の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0086】
関連技術では、タッチ構造のタッチ機能層群は、順に積層された無機層と導電層を採用することが多く。本開示の発明者らが鋭意検討した結果、幾つかの大きなサイズのディスプレイを有する表示パネルでは、タッチ構造に近い表示基板内の電極(例えば、図3に示した第2電極116)によって伝送される電圧信号は、タッチ構造内の導電層によって伝送される電圧信号と干渉し、それにより、タッチ構造のタッチ性能に影響を与えることを見出した。また、無機層は、無機材料層であるため、曲げ性能が悪く、その結果、表示基板とタッチ構造で形成される表示パネルの曲げ性能が悪く、曲面スクリーンを有する表示パネルの製造に不利である。
【0087】
関連技術と比較すると、本開示の上述の実施例では、タッチ構造4は少なくとも1つのタッチ機能層群40を含む。各々のタッチ機能層群40は、順に積層された有機層43および導電層44を含む。有機材料の抵抗率が無機材料の抵抗率よりも大きいため、無機層の代わりに有機層43使用することにより、表示基板3内のタッチ構造4に近い電極から伝送される電圧信号によるタッチ構造4のタッチ機能層群40内の導電層44から伝送される電圧信号への干渉を低減することができ、それにより、タッチ構造4のタッチ性能を向上させることができる。
【0088】
また、有機層43は有機材料層であり、有機材料層の曲げ性能は無機材料層の曲げ性能より優れており、表示基板3とタッチ構造4で形成される表示パネル2の曲げ性能を向上させることができ、それにより、曲面スクリーンを有する表示パネル2の製造に有利である。
【0089】
また、導電層44を製造する過程において、ドライエッチングプロセスによって導電層44をパターニングする。ドライエッチングプロセスで使用されるエッチングガスは塩素ガスを含み、塩素イオンは有機層43に吸着しやすく、水と接触すると酸を生成し、その酸は導電層44を腐食する(図28を参照し、導電層44は金属格子構造であり、金属格子の格子線のうち、円内に位置する部分が腐食される)。したがって、タッチ機能層群40の導電層44と有機層43との間に、保護パッド層205を設けることにより、有機層43上の保護パッド層205の正射影は、有機層43上の導電層44の正射影と少なくとも部分的に重なり、導電層44とその下方の有機層43との接触面積を減少させることができるので、導電層44をエッチングする過程において、有機層43上の酸により導電層44が腐食される現象を改善することができる(図26を参照し、導電層44は金属格子構造であり、金属格子の格子線に明らかな腐食現象は生じていない)。
【0090】
以下、本開示の実施例では、表示パネル2にFMLOC技術を採用した例を挙げて、具体的に説明する。
【0091】
幾つかの実施例では、図2および図3に示すように、タッチ構造4は、タッチ領域(Touch Area)TAを含む。表示基板3の厚さ方向Zに沿って、タッチ領域TAは表示領域AAとほぼ一致する。
【0092】
タッチ構造4は、タッチ領域TAに設けられた複数のタッチユニットTを含む。複数のタッチユニットTは、複数の第1タッチユニットT1と複数の第2タッチユニットT2とを含む。各々の第1タッチユニットT1は、第1方向Xに沿って延び、複数の第1タッチユニットT1は、第2方向Yに沿って並んで設けられる。各々の第2タッチユニットT2は、第2方向Yに沿って延び、複数の第2タッチユニットT2は第1方向Xに沿って並んで設けられる。複数の第1タッチユニットT1と複数の第2タッチユニットT2とは、互いに絶縁されている。
【0093】
第1タッチユニットT1は、複数の第1タッチ電極(タッチ感知電極)T11と複数の第1接続部T12とを含む。隣接する2つの第1タッチ電極T11は、第1接続部T12を介して電気的に接続される。第2タッチユニットT2は、複数の第2タッチ電極(タッチ駆動電極)T21と複数の第2接続部T22とを含む。隣接する2つの第2タッチ電極T21は、第2接続部T22を介して電気的に接続される。タッチICは、第1タッチ電極T11と第2タッチ電極T21との間の相互容量値の変化を検出することにより、指のタッチ動作を認識し、表示装置のタッチ機能を実現する。
【0094】
ここで、第1方向Xは、表示基板3にアレイ状に設けられた複数のサブ画素の行方向と一致する。
【0095】
図4Aに示すように、タッチ構造4のタッチ機能層群40は、第1タッチ機能層群41と第2タッチ機能層群42とを含む。第1タッチ機能層群41は、順に積層された第1有機層201と第1導電層202とを含む。第2タッチ機能層群42は、第1導電層202の第1有機層201から離れた一方側に設けられ、タッチ機能層群42は、順に積層された第2有機層203及び第2導電層204を含む。
【0096】
タッチ構造4は、少なくとも1つの保護パッド層205をさらに含む。保護パッド層205は、第1導電層202及び/又は第2導電層204に対応して設けられることにより、保護パッド層205を対応するタッチ機能層群40の導電層44と有機層43との間に位置させる。
【0097】
なお、保護パッド層205は、タッチ機能層群40と1対1対応でて設けられ、保護パッド層205は、このタッチ機能層群40の導電層44及び有機層43にも対応して設けられる。
【0098】
例えば、保護パッド層205は、第1タッチ機能層群41に対応して設けられ、保護パッド層205は、第1タッチ機能層群41の第1導電層202及び第1有機層201にも対応して設けられる。
【0099】
他の例として、保護パッド層205は、第2タッチ機能層群42に対応して設けられ、保護パッド層205は、第2タッチ機能層群42の第2導電層204及び第2有機層203にも対応して設けられる。
【0100】
例示的に、図4Aに示すように、少なくとも1つの保護パッド層205は、第1保護パッド層2051を含む。第1保護パッド層2051は、第1タッチ機能層群41の第1導電層202に対応して設けられ、第1保護パッド層2051は、第1導電層202と第1有機層201との間に位置する。
【0101】
例示的に、図8に示すように、少なくとも1つの保護パッド層205は、第2保護パッド層2052を含む。第2保護パッド層2052は、第2導電層204に対応して設けられ、第2保護パッド層2052は、第2導電層204と第2有機層203との間に位置する。
【0102】
例示的に、図11に示すように、タッチ構造4は、第1保護パッド層2051および第2保護パッド層2052を含む。第1保護パッド層2051は、第1導電層202に対応して設けられ、第1保護パッド層2051は、第1導電層202と第1有機層201との間に位置する。第2保護パッド層2052は、第2導電層204に対応して設けられ、第2保護パッド層2052は、第2導電層204と第2有機層203との間に位置する。
【0103】
図4Aに示すように、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は、第1有機層201上の対応する導電層44の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0104】
例示的に、図4Aに示すように、第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0105】
関連技術では、タッチ構造は、第1無機層、第1導電層、第2無機層、および第2導電層が順に積層されたものを多く採用している。本開示の発明者らが鋭意検討した結果、幾つかの大きなサイズのディスプレイを有する表示パネルでは、タッチ構造に近い表示基板内の電極(例えば、図3に示した第2電極116)によって伝送される電圧信号は、タッチ構造内の第1導電層および第2導電層によって伝送される電圧信号と干渉し、それにより、タッチ構造のタッチ性能に影響を与えることを見出した。また、第1無機層および第2無機層は、いずれも無機材料層であるため、それらの曲げ性能が悪く、その結果、表示基板とタッチ構造で形成される表示パネルの曲げ性能が悪く、曲面スクリーンを有する表示パネルの製造に不利である。
【0106】
関連技術と比較すると、本開示の上述の実施形態では、タッチ構造4は、順に積層された第1タッチ機能層群41及び第2タッチ機能層群42を含む。すなわち、タッチ構造4は、順に積層された第1有機層201、第1導電層202、第2有機層203、及び第2導電層204を含む。有機材料の抵抗率は無機材料の抵抗率よりも大きいため、第1無機層の代わりに第1有機層201を使用し、第2無機層の代わりに第2有機層203を使用することにより、表示基板3内のタッチ構造4に近い電極から伝送される電圧信号によるタッチ構造4内の第1導電層202および第2導電層204から伝送される電圧信号への干渉を低減することができ、それにより、タッチ構造4のタッチ性能を向上させることができる。
【0107】
また、第1有機層201と第2有機層203はいずれも有機材料層であり、有機材料層の曲げ性能は無機材料層の曲げ性能より優れており、表示基板3とタッチ構造4で形成される表示パネル2の曲げ性能を向上させることができ、それにより、曲面スクリーンを有する表示パネル2の製造に有利である。
【0108】
また、導電層44(第1導電層202および第2導電層204)を製造する過程において、ドライエッチングプロセスによって導電層44をパターニングする。ドライエッチングプロセスで使用されるエッチングガスには塩素ガスを含み、塩素イオンは有機層43に吸着しやすく、水と接触すると酸を生成し、その酸は導電層44を腐食する(図28を参照し、導電層44は金属格子構造であり、金属格子の格子線のうち、円内に位置する部分が腐食される)。したがって、タッチ機能層群40の導電層44と有機層43との間に、保護パッド層205を設けることにより、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は、第1有機層201上の対応する導電層44の正射影と少なくとも部分的に重なり、導電層44とその下方の有機層43との接触面積を減少させることができるので、導電層44をエッチングする過程において、有機層43上の酸により導電層44が腐食される現象を改善することができる(図26を参照し、導電層44は金属格子構造であり、金属格子の格子線に明らかな腐食現象は生じていない)。
【0109】
幾つかの実施例では、第1有機層201および第2有機層203の材料は、ポリメチルメタクリレート、有機ケイ素化合物、ポリイミドまたはエポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含む。
【0110】
幾つかの実施例では、第1有機層201の厚さの範囲は1μm~4μmであり、例えば、厚さは1μm、2μm、2.5μm、3μmまたは4μmである。
【0111】
幾つかの実施例では、第2有機層203の厚さの範囲は1μm~4μmであり、例えば、厚さは1μm、2μm、2.5μm、3μmまたは4μmである。
【0112】
幾つかの実施例では、保護パッド層205の材料は無機材料を含み、例えば、無機材料は窒化ケイ素を含み得る。
【0113】
無機材料が塩化物イオンを吸着しにくく、導電層をエッチングする過程において、無機材料層に吸着される塩化物イオンは非常に少なく、水と接触して生成する酸の濃度が非常に低いことが理解される。したがって、無機材料を使用して保護パッド層205を形成することにより、導電層の腐食現象を低減することができる。
【0114】
幾つかの実施例では、保護パッド層205の厚さは、対応するタッチ機能層群40の有機層43の厚さよりも小さい。保護パッド層205を薄く設置することにより、保護パッド層205の成膜プロセス及びパターニングプロセスを簡略化するのに有利である。
【0115】
また、上述によれば、無機材料層の曲げ性能は悪く、保護パッド層205を薄く設定することにより、表示基板3とタッチ構造4で形成される表示パネル2の曲げ性能を向上させることができる。
【0116】
例示的に、図4Aに示すように、第1保護パッド層2051の厚さは、第1有機層201の厚さよりも小さい。
【0117】
例示的に、図8に示すように、第2保護パッド層2052の厚さは、第2有機層203の厚さよりも小さい。
【0118】
幾つかの実施例では、保護パッド層205の厚さの範囲は0.05μm~0.1μmであり、例えば、厚さは0.05μm、0.06μm、0.08μm、0.09μmまたは0.1μmである。
【0119】
幾つかの実施例では、図20に示すように、第1導電層202および第2導電層204は金属格子構造である。金属格子構造のタッチ電極は、低抵抗で高感度がであるため、タッチ構造4のタッチ感度を向上させることができる。また、金属格子構造のタッチ電極は、高機械的強度であるため、タッチ構造体4の重量を軽減することができる。
【0120】
幾つかの実施例では、第1導電層202および第2導電層204は、単層構造であってもよい。幾つかの他の実施例では、第1導電層202および第2導電層204は、積層構造であってもよく、例えば、第1導電層202および第2導電層204は、順に積層されたチタン、アルミニウム、およびチタンの金属層であってもよい。
【0121】
幾つかの実施例では、図4Aに示すように、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は、第1有機層201上の対応する導電層44の正射影を少なくとも覆う。
【0122】
このようにして、保護パッド層205は、導電層44とその下方の有機層43とを分離することができるので、導電層44をエッチングする過程において、有機層43上の酸により導電層44が腐食される現象を回避することができる。
【0123】
幾つかの実施例では、図4Aおよび図8に示すように、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は、第1有機層201上の対応する導電層44の正射影とほぼ重なり合う。
【0124】
第1有機層201上の保護パッド層205の正射影が、第1有機層201上の対応する導電層44の正射影とほぼ重なり合うので、保護パッド層205の輪郭が、対応する導電層44の輪郭とほぼ同じであり、保護パッド層205が、ちょうど対応する導電層44とこの導電層44の下方の有機層43とを分離することができることが理解される。そのため、導電層44をエッチングする過程において、有機層43上の酸により導電層44が腐食される問題を回避できる。
【0125】
また、第1導電層202および第2導電層204が金属格子構造である場合、保護パッド層205の輪郭は、対応する導電層44の輪郭とほぼ同じであり、図27に示すように、保護パッド層205の形状も格子状である。
【0126】
例示的に、図4Aに示すように、第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影とほぼ重なり合う。この場合、図6は、タッチ領域TAにおける第1保護パッド層2051の配置を示している。
【0127】
例示的に、図8に示すように、第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は、第1有機層201上の第2導電層204の正射影とほぼ重なり合う。この場合、図9は、タッチエリアTAにおける第2保護パッド層2052の配置を示している。
【0128】
幾つかの実施例では、図7及び図10に示すように、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の保護パッド層205に対応する導電層44の正射影は、閉図形の範囲内に位置する。
【0129】
なお、「閉図形」とは、その次元において、閉じた状態にある図形を指し、N(Nは正の整数)個の線分または円弧から構成される閉じた図形を意味する。したがって、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は閉図形であることは、保護パッド層205が膜層全体であり、保護パッド層205の内部が透かし彫りがないことを意味する。
【0130】
本開示の上述の実施例では、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の保護パッド層205に対応する導電層44の正射影は、閉図形の範囲内に位置することにより、保護パッド層205は、対応する導電層44とこの導電層44の下方の有機層43とをよりよく分離することができるので、導電層44をエッチングする過程において、導電層44が有機層43と接触して、酸によって腐食される問題を回避することができる。
【0131】
例示的に、第1有機層201上の保護パッド層205の正射影は、保護パッド層205に対応する有機層43の第1有機層201上の正射影とほぼ重なり合うことにより、保護パッド層205はこの導電層44の下方に位置する有機層43を覆うので、導電層44をエッチングする過程において、導電層44が有機層43と接触して、酸によって腐食される問題を回避することができる。
【0132】
幾つかの実施例では、図2に示すように、タッチ構造4は、タッチ領域TAの一方側に位置するバインディング領域BDを含む。第1有機層201上の保護パッド層205の正射影はバインディング領域BDからずらしている。
【0133】
表示パネル2が、バインディング領域BDに位置する複数のピン5が設けられ、複数のピン5を介してフレキシブル配線板(Flexible Printed Circuit、略称FPC)にバインディングされ、フレキシブル配線板からの電圧信号を受信することが理解される。第1有機層201上の保護パッド層205の正射影をバインディング領域BDからずらすことにより、保護パッド層205は複数のピン5を露出させることができ、それにより、複数のピン5がフレキシブル配線板に容易にバインディングされる。
【0134】
幾つかの実施例では、図4Aに示すように、第1導電層202には第1保護パッド層2051が対応して設けられ、第2導電層204の下方には保護パッド層205が設けられない。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影とほぼ重なり合う。
【0135】
幾つかの実施例では、図7に示すように、第1導電層202には第1保護パッド層2051が対応して設けられ、第2導電層204の下方には保護パッド層205が設けられない。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の第1導電層202の正射影は閉図形の範囲内に位置し、且つバインディング領域BDからずらしている。
【0136】
幾つかの実施例では、図8に示すように、第1導電層202の下方には保護パッド層205が設けられず、第2導電層204には第2保護パッド層2052が対応して設けられる。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は、第1有機層201上の第2導電層204の正射影とほぼ重なり合う。
【0137】
幾つかの実施例では、図10に示すように、第1導電層202の下方には保護パッド層205が設けられず、第2導電層204には第2保護パッド層2052が対応して設けられる。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の第2導電層204の正射影は閉図形の範囲内に位置し、バインディング領域BDからずらしている。
【0138】
幾つかの実施例では、図11に示すように、第1導電層202には第1保護パッド層2051が対応して設けられ、第2導電層204には第2保護パッド層2052が対応して設けられる。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影とほぼ重なり合う。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は、第1有機層201上の第2導電層204の正射影とほぼ重なり合う。
【0139】
幾つかの実施例では、図12に示すように、第1導電層202には第1保護パッド層2051が対応して設けられ、第2導電層204には第2保護パッド層2052が対応して設けられる。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影とほぼ重なり合う。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の第2導電層204の正射影は閉図形の範囲内に位置し、バインディング領域BDからずらしている。
【0140】
幾つかの実施例では、図13に示すように、第1導電層202には第1保護パッド層2051が対応して設けられ、第2導電層204には第2保護パッド層2052が対応して設けられる。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の第1導電層202の正射影は閉図形の範囲内に位置し、バインディング領域BDからずらしている。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は、第1有機層201上の第2導電層204の正射影とほぼ重なり合う。
【0141】
幾つかの実施例では、図14に示すように、第1導電層202には第1保護パッド層2051が対応して設けられ、第2導電層204には第2保護パッド層2052が対応して設けられる。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の第1導電層202の正射影は閉図形の範囲内に位置し、且つバインディング領域BDからずらしている。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は閉図形であり、第1有機層201上の第2導電層204の正射影は閉図形の範囲内に位置し、且つバインディング領域BDからずらしている。
【0142】
上述によれば、導電層44を製造する工程において、導電層44はドライエッチングプロセスによってパターニングされ、ドライエッチングプロセスで使用されるエッチングガスは塩素ガスを含む。したがって、導電層44の厚さが薄いほど、エッチング時間が短くなり、有機層43に吸着される塩素イオンが少なくなり、水と接触して生成する酸の濃度が低くなる。逆に、導電層44が厚くなるほど、エッチング時間が長くなり、有機層43に吸着される塩素イオンが多くなり、水と接触して生成する酸の濃度が高くなる。
【0143】
これに基づいて、幾つかの実施例では、図4Aおよび図8に示すように、第1導電層202および第2導電層204において、保護パッド層205が対応して設けられていない導電層44に対して、保護パッド層205が対応して設けられている導電層44の方が厚く設定されてもよい。
【0144】
例示的に、保護パッド層205が対応して設けられた導電層44の厚さは0.3μm以上であり、例えば厚さは0.3μm、0.5μm、0.6μm、0.8μmまたは1.0μmであってもよい。
【0145】
導電層44と有機層43との間に保護パッド層205が設けられているため、導電層44を厚く設定することができることが理解される。導電層44をエッチングする過程において、有機層43が水と接触して高濃度の酸が生成しても、導電層44は腐食されない。
【0146】
また、導電層44を厚く設定することにより、導電層44の抵抗を低減することができ、それにより、導電層44が電圧信号を伝送するときに発生する電圧降下を低減することができ、タッチ構造4のタッチ性能を向上させるのに有利である。
【0147】
例示的に、図4Aに示すように、第1導電層202には第1保護パッド層2051が対応して設けられ、第1導電層202はより厚く設定してもよい。
【0148】
例示的に、図8に示すように、第2導電層204には第2保護パッド層2052が対応して設けられ、第2導電層204は厚く設定してもよい。
【0149】
幾つかの実施例では、図4Aおよび図8に示すように、第1導電層202および第2導電層204のうちの一方には、保護パッド層205が対応して設けられ、保護パッド層205が対応して設けられた導電層44の厚さは、他方の導電層44の厚さよりも大きい。
【0150】
第1導電層202および第2導電層204のうちの一方には、保護パッド層205が対応して設けられ、他方には保護パッド層205が対応して設けられていないことが理解される。上述によれば、保護パッド層205が設けられていない導電層44に対して、保護パッド層205が対応して設けられた導電層44を厚く設定することができる。逆に、保護パッド層205が対応して設けられた導電層44に対して、保護パッド層205が対応して設けられていない導電層44を薄く設定し、これにより、保護パッド層205が対応して設けられた導電層44の厚さは、保護パッド層205が対応して設けられていない導電層44の厚さよりも大きくなる。
【0151】
本開示の上述の実施例では、導電層44が比較的に薄く設定されているため、導電層44をエッチングする時間を短縮することができ、有機層43に吸着する塩素イオンを減少させ、有機層43上の塩素イオンが水と接触して生成する酸の濃度を減少させることができる。この場合、導電層44とその下方の有機層43との間に保護パッド層205が設けられなくてもよく、つまり、導電層44が有機層43と直接接触して、導電層44にわずかな腐食現象は生じる。
【0152】
例示的に、図4Aに示すように、第1導電層202には保護パッド層205が対応して設けられ、第2導電層204には保護パッド層205が対応して設けられず、第1導電層202の厚さは、第2導電層204の厚さよりも大きい。
【0153】
例示的に、図8に示すように、第1導電層202には保護パッド層205が対応して設けられず、第2導電層204には保護パッド層205が対応して設けられ、第2導電層204の厚さは、第1導電層202の厚さよりも大きい。
【0154】
幾つかの実施例では、図4Aおよび図8に示すように、第1導電層202および第2導電層204のうちの一方には、保護パッド層205が対応して設けられ、他方の下方には、保護パッド層205が対応して設けられない。保護パッド層205が対応して設けられた導電層44に対して、保護パッド層205が対応して設けられていない導電層44は、薄く設定されている。
【0155】
例示的には、保護パッド層205が設けられていない導電層44の厚さは0.3μm未満であり、例えば、厚さは0.1μm、0.15μm、0.2μm、0.26μmまたは0.28μmであってもよい。
【0156】
幾つかの実施例では、図5に示すように、保護パッド層205の対応する導電層44に近い表面は、複数の凹みSを有し、導電層44の対応する保護パッド層205から離れた表面は、複数の凹みSを有する。
【0157】
なお、保護パッド層205を製造する過程において、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition、略称CVD)プロセスが採用される。すなわち、高速で移動するイオンを使用してターゲット材料に衝突させることで、ターゲット材料が堆積された後に保護パッド層205を形成し、保護パッド層205の第1有機層201から離れた表面は、高速で移動するイオンにより衝突され、複数の凹みSが形成される。したがって、保護パッド層205上に導電層44が製造され、導電層44が重力作用により保護パッド層205の表面に密着されるため、導電層44の対応する保護パッド層205から離れた表面は複数の凹みSを有する。
【0158】
このようにして、導電層44の対応する保護パッド層205から離れた表面に複数の凹みSを有するため、導電層44の表面の粗さが大きくなり、それにより、導電層44による外部環境光の反射を低減し、表示パネル2の表示画面への影響を低減することができる。
【0159】
以下、第1導電層202および第2導電層204における複数のタッチユニットTの配置について説明する。
【0160】
幾つかの実施例では、図2図4A図15及び図16に示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21及び複数の第1接続部T12は、第1導電層202及び第2導電層204のうちの一方に設けられ、複数の第2接続部T22は、第1導電層202及び第2導電層204のうちの他方に設けられる。
【0161】
ここで、隣接する2つの第1タッチ電極T11は、第1接続部T12を介して直接電気的に接続される。第2接続部T22は、第2有機層203のビアHを介して、隣接する2つの第2タッチ電極T21に電気的に接続される。
【0162】
例示的に、図2及び図4Aに示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21及び複数の第1接続部T12は、第2導電層204に設けられ、複数の第2接続部T22は、第1導電層202に設けられる。
【0163】
第2導電層204が、第1導電層202よりも表示基板3から遠く離れており、複数の第1タッチ電極T11及び複数の第2タッチ電極T21を第2導電層204に設けることにより、表示基板3のタッチ構造4に近い電極から伝送される電圧信号による第1タッチ電極T11及び第2タッチ電極T21から伝送される電圧信号への干渉を低減できることが理解される。
【0164】
また、第2導電層204は、第1導電層202よりも表示パネル2の表面に近い。複数の第1タッチ電極T11及び複数の第2タッチ電極T21を第2導電層204に設けることにより、指が表示パネル2の表面に触れると、指が第1タッチ電極T11及び第2タッチ電極T21上の電荷を持ち去るのに有利であり、それにより、タッチ構造4のタッチ感度を向上させるのに有利である。
【0165】
例示的に、図15及び図16に示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21及び複数の第1接続部T12は、第1導電層202に設けられ、複数の第2接続部T22は、第2導電層204に設けられる。
【0166】
幾つかの実施例では、図17図20に示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21及び複数の第2接続部T22は、第1導電層202及び第2導電層204のうちの一方に設けられ、複数の第1接続部T12は、第1導電層202及び第2導電層204のうちの他方に設けられる。
【0167】
ここで、第1接続部T12は、第2有機層203のビアHを通して、隣接する2つの第1タッチ電極T11に電気的に接続される。隣接する2つの第2タッチ電極T21は、第2接続部T22を介して直接電気的に接続される。
【0168】
例示的に、図17及び図18に示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21、及び複数の第2接続部T22は、第1導電層202に設けられ、複数の第1接続部T12は、第2導電層204に設けられる。
【0169】
例示的に、図19及び図20に示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21、及び複数の第2接続部T22は、第2導電層204に設けられ、複数の第1接続部T12は、第1導電層202に設けられる。
【0170】
幾つかの実施例では、図4A及び図16に示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21、及び複数の第1接続部T12は、同一の導電層44に設けられ、複数の第2接続部T22が位置する導電層44には、保護パッド層205が対応して設けられる。
【0171】
隣接する2つの第1タッチ電極T11が、第1接続部T12を介して直接電気的に接続され、第2接続部T22は、第2有機層203のビアHを通して隣接する2つの第2タッチ電極T21に電気的に接続されることが理解される。すなわち、第2接続部T22は、ブリッジ電極として、第1接続部T12にわたって隣接する2つの第2タッチ電極T21を電気的に接続する。
【0172】
第2接続部T22が位置する導電層44の下方に保護パッド層205を設けることにより、上述によれば、第2接続部T22の厚さを増加させ、第2接続部T22の抵抗を低減することができ、それにより、第2接続部T22上で電圧信号を伝送する過程で発生する電圧降下を低減し、タッチ構造4のタッチ性能を向上させるのに有利である。
【0173】
幾つかの実施例では、図18及び図20に示すように、複数の第1タッチ電極T11、複数の第2タッチ電極T21、及び複数の第2接続部T22は、同一の導電層44に設けられ、複数の第1接続部T12が位置する導電層44には、保護パッド層205が対応して設けられる。
【0174】
第1接続部T12が、第2有機層203のビアHを通して、隣接する2つの第1タッチ電極T11に電気的に接続されることが理解される。隣接する2つの第2タッチ電極T21は、第2接続部T22を介して直接電気的に接続される。すなわち、第1接続部T12は、ブリッジ電極として、第2接続部T22にわたって隣接する2つの第1タッチ電極T11を電気的に接続する。
【0175】
前述の実施例の原理は同じであり、第1接続部T12が位置する導電層44の下方に保護パッド層205設けることにより、第1接続部T12の厚さを増加させ、第1接続部T12の抵抗を低減することができ、それにより、第1接続部T12上で電圧信号を伝送する過程で発生する電圧降下を低減し、タッチ構造4のタッチ性能を向上させるのに有利である。
【0176】
幾つかの実施例では、図21および図22に示すように、タッチ構造4は複数の補助電極Fをさらに含む。複数の第1タッチ電極T11および複数の第2タッチ電極T21は、第1導電層202および第2導電層204のうちの一方に設けられ、複数の補助電極Fは、第1導電層202および第2導電層204のうちの他方に設けられる。ここで、第1有機層201上の各々の補助電極Fの正射影は、第1有機層201上の第1タッチ電極T11または第2タッチ電極T21の正射影と少なくとも部分的に重なり、すなわち、各々の補助電極Fは1つのタッチ電極に対応し、補助電極Fは、第2有機層203のビアHを介して対応するタッチ電極(第1タッチ電極T11または第2タッチ電極T21)に電気的に接続される。
【0177】
このようにして、補助電極Fが第1タッチ電極T11または第2タッチ電極T21と並列に接続されることにより、第1タッチ電極T11または第2タッチ電極T21の抵抗を低減することができ、それにより、第1タッチ電極T11または第2タッチ電極T21上で電圧信号を伝送する過程で発生する電圧降下を低減することができ、タッチ構造4のタッチ性能を向上させるのに有利である。
【0178】
例示的に、図22に示すように、複数の第1タッチ電極T11及び複数の第2タッチ電極T21は、第1導電層202に設けられ、複数の補助電極Fは、第2導電層204に設けられる。
【0179】
例示的に、複数の第1タッチ電極T11及び複数の第2タッチ電極T21は、第2導電層204に設けられ、複数の補助電極Fは、第1導電層202に設けられる。
【0180】
幾つかの実施例では、第1タッチ電極T11及び第2タッチ電極T21は、第1導電層202に設けられ、第1接続部T12は、第1導電層202及び第2導電層204のうちの一方に設けられ、第2接続部T22は、第1導電層202及び第2導電層204のうちの他方に設けられる。
【0181】
例示的に、図23および図24に示すように、第1接続部T12は第1導電層202に設けられ、第2接続部T22は第2導電層204に設けられる。
【0182】
図23および図24を参照して、表示基板3上の第1接続部T12の正射影は、表示基板3上の第2接続部T22の正射影と重なり、重なる部分によって規定される領域が重なり領域Bである。
【0183】
図24および図25に示すように、第2有機層203は複数の隔離部2030を含む。各々の重なり領域Bには、1つの隔離部2030が設けられる。表示基板3上の隔離部2030の正射影は、重なり領域Bを少なくとも覆う。第2導電層204の接続部の表示基板3上の正射影の両端は、表示基板3上の隔離部2030の正射影の境界線Cから延びる。
【0184】
関連技術では、第1有機層が耐高温性が悪い有機材料を含むため、第1有機層に開孔するには低温プロセス(例えば、露光及び現像プロセス)が必要であるが、この開孔方法では、分解能が小さく、第1有機層を貫通できない現象が発生し、その結果、第1導電層の導電パターンと第2導電層の導電パターンは、第1有機層のビアを介して、電気的に接続することができず、開放回路になってしまう。また、低温プロセスを使用して、第1有機層に開孔すると、異なる開口のクリティカルディメンション(Critical Dimension、略称CD)の均一性が劣る。
【0185】
本開示の上述の実施例における表示パネル2では、第2有機層203をパターニングして複数の隔離部2030を形成する。各々の重なり領域Bには、1つの隔離部2030が設けられ、表示基板3上の隔離部2030の正射影は、重なり領域Bを少なくとも覆う。第1接続部T12及び第2接続部T22は、隔離部2030によって分離され、重なり領域Bにおける第1接続部T12と第2接続部T22との絶縁を実現する。
【0186】
また、表示基板3上の第2導電層204の接続部の正射影の両端は、表示基板3上の隔離部2030の正射影の境界線Cから延びるため、この接続部の両端は、隣接する2つのタッチ電極の表面と接触して電気的接触を形成し、タッチ電極と接続部との間の安定した電気的接続が確保される。また、低温プロセスを使用して、第2有機層203に開孔することにより、開孔が第2有機層203を貫通できず、タッチ電極と接続部との間の開放回路の問題が回避される。
【0187】
幾つかの実施例では、図23及び図24に示すように、第1接続部T12は第1導電層202に設けられ、第2接続部T22は第2導電層204に設けられ、第1接続部T12の両端は隣接する2つの第1タッチ電極T11に直接電気的に接続され、第2接続部T22の両端は隣接する2つの第2タッチ電極T21の表面と接触して電気接触を形成する。
【0188】
図23を参照して、各々の第1接続部T12は隣接する2つの第1タッチ電極T11と一体的に設けられることにより、第1接続部T12と第1タッチ電極T11との接続部位の抵抗を低減できることが理解される。
【0189】
図24を参照して、表示基板3上の第2接続部T22の正射影の両端は、表示基板3上の隔離部2030の正射影の境界線Cから延び、且つ第2接続部T22に隣接する2つの第2タッチ電極T21は、それぞれ第2接続部T22の表面に載せ、第2接続部T22と第2タッチ電極T21との間の安定した電気的接続が確保される。また、低温プロセスを使用して、第2有機層203に開孔することにより、開孔が第2有機層203を貫通できず、第2タッチ電極T21と第2接続部T22との間の開放回路の問題が回避される。
【0190】
幾つかの実施例では、図4Aに示すように、タッチ構造4は、第3有機層206をさらに含む。第3有機層206は、第2導電層204の第1有機層201から離れた一方側に設けられ、その下方に位置する膜層(例えば、第2導電層204、第2有機層203、第1導電層202、及び第1有機層201)を保護する役割を果たす。
【0191】
幾つかの実施例では、第3有機層206の材料は、ポリメチルメタクリレート、有機ケイ素化合物、ポリイミド、またはエポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0192】
本開示の幾つかの実施例では、タッチ構造の製造方法がさらに提供される。図29に示すように、タッチ構造4は、少なくとも1つのタッチ機能層群40を含む。各々のタッチ機能層群40は、順に積層された有機層43と導電層44とを含む。
【0193】
製造方法は、有機層43と導電層44を順に形成するステップを含む。ここで、導電層44を形成する前に、製造方法は、有機層43上に保護パッド層205を形成するステップをさらに含む。有機層43上の保護パッド層205の正射影は、有機層43上の導電層44の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0194】
関連技術と比較して、本開示の上記製造方法は、無機層の代わりに有機層43を使用するが、これは、有機材料の抵抗率が無機材料の抵抗率よりも大きいため、表示基板3内のタッチ構造4に近い電極にから伝送される電圧信号によるタッチ構造4内の導電層44から伝送される電圧信号への干渉を低減することができ、それにより、タッチ構造4のタッチ性能を向上させることができる。
【0195】
また、有機層43は有機材料層であり、有機材料層の曲げ性能は無機材料層の曲げ性能より優れており、表示基板3とタッチ構造4で形成される表示パネル2の曲げ性能を向上させることができ、それにより、曲面スクリーンを有する表示パネル2の製造に有利である。
【0196】
また、導電層44を製造する過程において、ドライエッチングプロセスによって導電層44をパターニングする。ドライエッチングプロセスで使用されるエッチングガスは塩素ガスを含み、塩素イオンは有機層43に吸着しやすく、水と接触すると酸を生成し、その酸は導電層44を腐食する。したがって、導電層44と有機層43との間に、保護パッド層205を設けることにより、有機層43上の保護パッド層205の正射影は、有機層43上の導電層44の正射影と少なくとも部分的に重なり、導電層44と有機層43との接触面積を減少させることができるので、導電層44をエッチングする過程において、有機層43上の酸により導電層44が腐食される現象を改善することができる。
【0197】
幾つかの実施例では、図30に示すように、少なくとも1つのタッチ機能層群40は、第1タッチ機能層群41及び第2タッチ機能層群42を含む。第1タッチ機能層群41は、順に積層された第1有機層201及び第1導電層202を含む。第2タッチ機能層群42は、順に積層された第2有機層203及び第2導電層204を含む。
【0198】
製造方法は、第1有機層201、第1導電層202、第2有機層203、および第2導電層204を順に形成するステップを含む。
【0199】
ここで、第1導電層202を形成する前に、製造方法は、第1有機層201上に第1保護パッド層2051を形成するステップをさらに含む。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0200】
関連技術と比較して、本開示における上記製造方法では、第1無機層の代わりに第1有機層201を使用し、第2無機層の代わりに第2無機層203を使用することにより、有機材料の抵抗率が無機材料の抵抗率よりも大きいため、表示基板3内のタッチ構造4に近い電極から伝送される電圧信号によるタッチ構造4内の第1導電層202および第2導電層204から伝送される電圧信号への干渉を低減することができ、それにより、タッチ構造4のタッチ性能を向上させることができる。
【0201】
また、第1有機層201と第2有機層203はいずれも有機材料層であり、有機材料層の曲げ性能は無機材料層の曲げ性能より優れており、表示基板3とタッチ構造4で形成される表示パネル2の曲げ性能を向上させることができ、それにより、曲面スクリーンを有する表示パネル2の製造に有利である。
【0202】
また、第1導電層202を製造する過程において、ドライエッチングプロセスによって第1導電層202をパターニングする。ドライエッチングプロセスで使用されるエッチングガスには塩素ガスを含み、塩素イオンは第1有機層201に吸着しやすく、水と接触すると酸を生成し、その酸は導電層44を腐食する。したがって、第1導電層202と第1有機層201との間に、第1保護パッド層2051を設けることにより、第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影と少なくとも部分的に重なり、第1導電層202と第1有機層201との接触面積を減少させることができるので、第1導電層202をエッチングする過程において、第1有機層201上の酸により第1導電層202が腐食される現象を改善することができる。
【0203】
幾つかの実施例では、図31に示すように、製造方法は、第1有機層201、第1導電層202、第2有機層203、及び第2導電層204を順に形成するステップを含む。
【0204】
ここで、第2導電層204を形成する前に、製造方法は、第2有機層203の第1有機層201から離れた一方側に第2保護パッド層2052を形成するステップをさらに含む。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は、第1有機層201上の第2導電層204の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0205】
関連技術と比較して、本開示における上記製造方法では、第1無機層の代わりに第1有機層201を使用し、第2無機層の代わりに第2無機層203を使用することにより、有機材料の抵抗率が無機材料の抵抗率よりも大きいため、表示基板3内のタッチ構造4に近い電極にから伝送される電圧信号によるタッチ構造4内の第1導電層202および第2導電層204から伝送される電圧信号への干渉を低減することができ、それにより、タッチ構造4のタッチ性能を向上させることができる。
【0206】
また、第1有機層201と第2有機層203はいずれも有機材料層であり、有機材料層の曲げ性能は無機材料層の曲げ性能より優れており、表示基板3とタッチ構造4で形成される表示パネル2の曲げ性能を向上させることができ、それにより、曲面スクリーンを有する表示パネル2の製造に有利である。
【0207】
また、第2導電層204を製造する過程において、ドライエッチングプロセスによって第2導電層204をパターニングする。ドライエッチングプロセスで使用されるエッチングガスには塩素ガスを含み、塩素イオンは第2有機層203に吸着しやすく、水と接触すると酸を生成し、その酸は導電層44を腐食する。したがって、第2導電層204と第2有機層203との間に、第2保護パッド層2052を設けることにより、第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は、第1有機層201上の第2導電層202の正射影と少なくとも部分的に重なり、第2導電層204と第2有機層203との接触面積を減少させることができるので、第2導電層204をエッチングする過程において、第2有機層203上の酸により第2導電層204が腐食される現象を改善することができる。
【0208】
幾つかの実施例では、図32に示すように、製造方法は、第1有機層201、第1導電層202、第2有機層203、および第2導電層204を順に形成するステップを含む。
【0209】
ここで、第1導電層202を形成する前に、製造方法は、第1有機層201上に第1保護パッド層2051を形成するステップをさらに含む。第1有機層201上の第1保護パッド層2051の正射影は、第1有機層201上の第1導電層202の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0210】
また、第2導電層204を形成する前に、製造方法は、第2有機層203の第1有機層201から離れた一方側に、第2保護パッド層2052を形成するステップをさらに含む。第1有機層201上の第2保護パッド層2052の正射影は、第1有機層201上の第2導電層204の正射影と少なくとも部分的に重なる。
【0211】
幾つかの実施例では、第1有機層201上に第1保護パッド層2051を形成するステップは、以下のS11~S13を含む。
【0212】
S11:図33に示すように、第1有機層201上に第1保護膜L1を形成するステップ。
【0213】
S12:図34に示すように、第1保護膜L1の第1有機層201から離れた一方側に、第1導電層202を形成するステップ。
【0214】
S13:図35に示すように、第1導電層202をマスクとして、第1保護膜L1をパターニングして、第1保護パッド層2051を得るステップ。
【0215】
幾つかの実施例では、図2および図36に示すように、タッチ構造4は、タッチ領域TAと、タッチ領域TAの一方側に位置するバインディング領域BDとを含む。表示基板3は、バインディング領域BDに位置する複数のピン5を含む。第1有機層201上に第1保護パッド層2051を形成するステップは、以下のS21~S22を含む。
【0216】
S21:図37に示すように、第1有機層201上に第1保護膜L1を形成するステップ。
【0217】
S22:図38に示すように、バインディング領域BDに位置する第1保護膜L1の一部を除去して、第1保護パッド層2051を得るステップ。
【0218】
例示的に、第1保護膜L1の第1有機層201から離れた表面にフォトレジスト層を設け、マスク(Mask)を使用して、バインディング領域BDに位置するフォトレジスト層の一部を露光及び現像し、バインディング領域BDに位置するフォトレジスト層の一部を除去する。残ったフォトレジスト層をマスクとして、バインディング領域BDに位置する第1保護膜L1の一部をエッチングして、第1保護パッド層2051を得る。
【0219】
なお、図36を参照すると、図37図38図42図45に示すタッチ構造4は、いずれも図36における表示パネル2の断面線G-G’に沿った部分断面図であることが分かる。
【0220】
また、図37及び図38に示すように、第1保護膜L1は、表示基板3のバインディング領域BDに位置する複数のピン5を直接覆い、パターニングプロセスを使用して、バインディング領域BDに位置する第1保護膜L1の一部を除去して、バインディング領域BDに位置する表示パネル2の複数のピン5を露出させ、それにより、複数のピン5がフレキシブル配線板に容易にバインディングされる。
【0221】
幾つかの実施例では、第2有機層203の第1有機層201から離れた一方側に、第2保護パッド層2052を形成するステップは、以下のS31~S33を含む。
【0222】
S31:図39に示すように、第2有機層203の第1有機層201から離れた一方側に第2保護膜L2を形成するステップ。
【0223】
S32:図40に示すように、第2保護膜L2の第1有機層201から離れた一方側に第2導電層204を形成するステップ。
【0224】
S13:図41に示すように、第2導電層204をマスクとして、第2保護膜L2をパターニングして、第2保護パッド層2052を得るステップ。
【0225】
幾つかの実施例では、第1有機層201上に第1保護パッド層2051を形成するステップは、以下のS41~S42を含む。
【0226】
S41:図42に示すように、第2有機層203の第1有機層201から離れた一方側に第2保護膜L2を形成するステップ。
【0227】
S42:図43に示すように、バインディング領域BDに位置する第2保護膜L2の一部を除去して、第2保護パッド層2052を得るステップ。
【0228】
例示的に、第2保護膜L2の第1有機層201から離れた表面にフォトレジスト層を設け、マスクを使用して、バインディング領域BDに位置するフォトレジスト層の一部を露光及び現像し、バインディング領域BDに位置するフォトレジスト層の一部を除去する。残ったフォトレジスト層をマスクとして、バインディング領域BDに位置する第2保護膜L2の一部をエッチングして、第2保護パッド層2052を得る。
【0229】
なお、図42および図43に示すように、第2保護膜L2は、表示基板3のバインディング領域BDに位置する複数のピン5を直接覆い、パターニングプロセスを使用して、バインディング領域BDに位置する第2保護膜L2の一部を除去して、バインディング領域BDに位置する表示パネル2の複数のピン5を露出させ、それにより、複数のピン5がフレキシブル配線板に容易にバインディングされる。
【0230】
幾つかの他の実施例では、図44に示すように、第1有機層201上に、第1保護膜L1、第2有機層203、及び第2保護膜L2を順に形成する。
【0231】
図45に示すように、同じパターニングプロセスを使用して、バインディング領域BDに位置する第1保護膜L1及び第2保護膜L2の一部をそれぞれ除去して、第1保護パッド層2051及び第2保護パッド層2052を得る。
【0232】
例示的に、第2保護膜L2の第1有機層201から離れた表面にフォトレジスト層を設け、マスクを使用して、バインディング領域BDに位置するフォトレジスト層の一部を露光及び現像し、バインディング領域BDに位置するフォトレジスト層の一部を除去する。残ったフォトレジスト層をマスクとして、バインディング領域BDに位置する第1保護膜L1及び第2保護膜L2の一部をエッチングして、第1保護パッド層2051及び第2保護パッド層2052を得る。
【0233】
なお、図44および図45に示すように、第1保護膜L1及び第2保護膜L2は、バインディング領域BDに位置する表示基板3の複数のピン5を直接覆い、同じパターニングプロセスを使用して、バインディング領域BDに位置する第1保護膜L1および第2保護膜L2の一部を除去して、バインディング領域BDに位置する表示パネル2の複数のピン5を露出させ、それにより、複数のピン5がフレキシブル配線板に容易にバインディングされる。
【0234】
上記は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、本開示の技術的範囲内で当業者が容易に想到できる変更又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された範囲を準拠するものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図26
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図30
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図32
図33
図34
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図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
【国際調査報告】