(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】錠剤パッケージに使用するシート、およびシートから形成されたパウチ
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240801BHJP
A61J 1/03 20230101ALI20240801BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
A61J1/03 370
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023579062
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022073120
(87)【国際公開番号】W WO2023021157
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】スパイケルボーア,ヘンク ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスカンプ,ヘルマナス ヨハネス アルベルトゥス
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA17
4C047AA22
4C047BB13
4C047BB17
4C047BB20
4C047CC15
4C047FF06
4C047JJ23
(57)【要約】
本開示は、シート、シート材料から製造された錠剤を収容するパウチ、および複数のパウチのウェブに関する。本開示はまた、シートを利用したウェブの製造方法に関する。このパウチは、パウチに印刷された情報の最適な視認性を可能にするとともに、検査目的のために錠剤の最適な視認性を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートであって、
前記シートの長手方向に延在する透明ストリップおよび不透明ストリップを備え、前記透明ストリップおよび不透明ストリップの各々は、前記シートの横断方向に幅があり、
前記透明ストリップおよび不透明ストリップは、前記シートの横断方向に交互に配置され、
各不透明ストリップは、各透明ストリップの幅よりも狭い幅を有する、シート。
【請求項2】
各不透明ストリップの幅は各透明ストリップの幅よりも狭く、その幅差は最大でも10mmである、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
同数の透明ストリップと不透明ストリップを含む、請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
単一の透明ストリップと単一の不透明ストリップを有する請求項3に記載のシート。
【請求項5】
各不透明ストリップは、透明基材シート上の不透明コーティングによって形成されている、請求項1乃至4のいずれかに記載のシート。
【請求項6】
前記不透明コーティングは白色コーティング、好ましくは白色インクである、請求項5に記載のシート。
【請求項7】
前記透明基材シートは透明プラスチックシートである、請求項1乃至6のいずれかに記載のシート。
【請求項8】
前記透明プラスチックシートは、ポリエチレン(PE)の第1の層とポリエチレンテレフタレート(PET)の第2の層を含み、前記不透明コーティングは前記第2の層上に塗布されている、請求項7に記載のシート。
【請求項9】
前記透明ストリップは、ASTM D1003に従って決定されるヘイズが10から12%であり、
前記不透明ストリップは、ASTM D1003に従って決定されるヘイズが73から77%である、請求項1乃至8のいずれかに記載のシート。
【請求項10】
シート材料で形成された錠剤を収容するためのパウチであって、前記パウチは、
最下部シールを介して接続された第1面および第2面と、前記最下部シールとは反対側の最上部シールと、下辺から前記最上部シールまで延在して錠剤を収容するための空間を規定する第1および第2の側部シールと、を備え、
前記パウチの前記第1面は透明であり、前記パウチの前記第2面は、下辺の折り目から前記パウチの幅の20%以内の位置から、前記下辺とは反対側の上辺に向かって実質的に不透明であり、前記シートの透明部分が前記下辺の折り目を形成している、パウチ。
【請求項11】
前記パウチの前記第2面は、前記パウチの前記幅の最大10%まで延在する前記上辺に沿った透明線を含む、請求項10に記載のパウチ。
【請求項12】
前記シートは、ポリエチレン(PE)の内層およびポリエチレンテレフタレート(PET)の外層を含む、請求項10または11に記載のパウチ。
【請求項13】
前記パウチの不透明な前記第2面は、不透明材料のコーティングを含む、請求項10乃至12のいずれかに記載のパウチ。
【請求項14】
前記不透明コーティングは、その上に印刷された情報をさらに含む、請求項13に記載のパウチ。
【請求項15】
前記第1面および第2面、ヒートシールにより前記最上部シールを介して、および前記第1の側部シールおよび第2の側部シールを介して、封止的に相互接続されている、請求項10乃至14のいずれかに記載のパウチ。
【請求項16】
鋸歯状の辺を備えている、および/または、前記上辺または側辺の少なくとも一方に引裂用ノッチを備えている、請求項10乃至15のいずれかに記載のパウチ。
【請求項17】
請求項10乃至16のいずれかに記載の複数のパウチのウェブであって、前記ウェブの前記パウチはそれぞれの第1の側辺および第2の側辺を介して相互接続されている、ウェブ。
【請求項18】
隣接するパウチのそれぞれの第1の側辺と第2の側辺との間にミシン目線を含む、請求項17に記載のウェブ。
【請求項19】
前記ミシン目線には引裂用ノッチが設けられている、請求項18に記載のウェブ。
【請求項20】
前記引裂用ノッチは三角ノッチの形態である、請求項19に記載のウェブ。
【請求項21】
請求項17乃至20のいずれかに記載のウェブを製造するための方法であって、
請求項4乃至10のいずれかに記載のシートを提供することと、
前記不透明ストリップから最大10mmの位置にある長手方向の折り線に沿って前記シートを折り畳むことであって、前記折り線は、透明な第1面と実質的に不透明な第2面とを接続する前記ウェブの下辺を規定する、折り畳むことと、
折り畳まれた前記シートに沿った所定の位置に、前記第2面で提供される情報に従って、前記第1面と前記第2面との間に1つ以上の錠剤を導入することと、
前記1つ以上の錠剤を収容する区画のそれぞれの第1面、第2面、および最上部シールを提供するべく、前記折り目の横断方向の所定の位置および前記折り目とは反対側の位置で、前記第1面を前記第2面にシールすることであって、各シールされた区画がパウチを構成する、シールすることと、を含む方法。
【請求項22】
前記シールすることは、ヒートシールすることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ウェブが製造される元になる前記シートは、前記折り畳むステップの前に情報が提供される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
不透明な前記第2面上の1つ以上の所定の位置に情報を提供することをさらに含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項25】
前記情報は印刷によって提供される、請求項21乃至24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記ウェブの連続するパウチ間にミシン目線が導入される、請求項21乃至25のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シート、シート材料から製造された、錠剤を収容するパウチ、および複数の前記パウチのウェブに関する。本開示は、前記シートを利用する前記ウェブの製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
(導入)
患者への医薬品の処方、特に一投与用の医薬品または複数の医薬品の組み合わせが充填され、かつ患者、収容された医薬品および/または投与のタイミングに関する情報など、前記医薬品の投与に関する情報が印刷されたパウチは、患者または病院によって便利に使用されている。このようなパウチにより、患者は、処方された医薬品を、適切な時間に、適切な量、適切な組み合わせで、手間なく服用することができる。一方、このようなパウチには、処方された投与量の医薬品と、それぞれの医薬品や患者に関する情報などの関連情報が含まれているため、パウチにより医療従事者は、効率的な方法で患者に必要な医薬品を、間違いのリスクの少ない方法で提供することができる。
【0003】
パウチは、一般に、単一のパウチを使用するために互いに分離され得る複数の相互接続されたパウチの長いウェブで製造される。これらのウェブは、折り畳まれてウェブの第1面と第2面を形成する適切な材料のシートから製造され得る。第1面または第2面には、関連情報を提供する情報が印刷され得る。医薬品の所定の処方は、折り畳まれたシートの所定の位置に導入され得る。第1面と第2面は、所定の位置で互いにシールされて、前記処方で充填された区画を提供してもよい。接続位置でパウチをウェブから分離することにより、個々のパウチが得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上記のパウチに関して改良の余地、特に、パウチに記載された情報の読みやすさと、検査目的でのパウチの内容物の視認性に関して、改善の余地があることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これを達成するために、第1の態様は、シートに関し、前記シートは、前記シートの長手方向に延在して各々がシートの横断方向に幅がある透明ストリップおよび不透明ストリップを備え、前記透明ストリップおよび不透明ストリップはシートの横断方向に交互に配置され、各不透明ストリップは各透明ストリップの幅よりも狭い幅を有する。このような幅差は、シートおよびパウチの要件に応じて、0.1mm~10mmの範囲であり得る。
【0006】
さらなる態様において、錠剤を収容するためのパウチがシート材料で形成され、前記パウチは、最下部シールを介して接続された第1面および第2面と、前記最下部シールとは反対側の最上部シールと、下辺の折り目から最上部シールまで延在して錠剤を収容するための空間を規定する第1および第2の側部シールと、を備え、前記パウチの前記第1面は透明であり、前記パウチの前記第2面は、下辺の折り目を越えた位置から前記下辺とは反対側の上辺に向かって不透明であり、前記シートの前記透明部分が前記下辺の折り目を形成している。シート材料は、好ましくは、上記で定義したシートで形成される。
【0007】
さらなる態様では、複数の上記パウチのウェブが形成され、前記ウェブの前記パウチは、それぞれの第1の側辺および第2の側辺を介して相互接続される。
【0008】
さらなる態様は、上記パウチのウェブを製造するための方法に関し、以下を含む:上記で定義されたシートを提供することと、透明部分に配置された長手方向の折り線に沿って前記シートを折り畳むことであって、前記折り線は、透明な第1面と実質的に不透明な第2面とを接続する前記ウェブの下辺を規定する、折り畳むことと、前記不透明な第2面上の1つ以上の所定の位置に情報を提供することと、前記折り畳まれたシートに沿った所定の位置に、前記第2面に提供された情報に従って、前記第1面と第2面との間に1つ以上の錠剤を導入することと、前記1つ以上の錠剤を収容する区画のそれぞれの第1面、第2面、および最上部シールを提供するべく、前記折り目の横断方向の所定の位置および前記折り目とは反対側の位置で、前記第1面を前記第2面にシールすることであって、各シールされた区画がパウチを構成する、シールすること。
【0009】
錠剤パウチの一方の面を実質的に不透明にし、例えば、透明部分をパッケージの面の最大20%、例えば最大10%まで延在させ、一方、折り目に沿った小さいストリップだけを透明にする(例えば、0.1~10mm)ことにより、不透明面に印刷されたあらゆる情報が最大限に見えるようになり、最適な量の情報および/または大きなフォントサイズの文字列を含めることが可能になり、このうち後者は特に高齢の患者にとって有利である。また、不透明な第2面は、そこに収容された錠剤の背景を提供し、パウチの透明な第1面を通した錠剤の良好な視認性を可能にする。このことは、既に錠剤が装填されシールされたパウチを検査し、特定の錠剤や錠剤の量が正確に装填されているかどうかを検査するパウチの検査目的には特に有用である。一面を全面的またはほぼ全面的に形成する不透明な背景は、あらゆる人間の検査および/または検査装置(カメラ、センサなど)が正確な錠剤の検出および計数のために透明な背景を有することを保証する。不透明部分が透明部分と等しいかまたは10mm以内の幅を有することを保証することにより、不透明部分が折り目を横切って第1面の一部を覆うことがない(それにより、第1の透明面から全ての錠剤が見え、折り目を横切る不透明部分によって覆われるものがないことを保証する)。さらに、第2面上のどの透明部分も、パウチの全幅の10%以下の幅を有して、不透明部分が第2面の実質的に全体を覆うことを保証し、検査目的で全錠剤が見えるような良好な背景を提供する(透明な背景では検査がより難しくなるため)。
【0010】
また、製造上、各不透明ストリップの幅が各透明ストリップの幅よりも狭く、その幅差が最大でも10mmである本明細書におけるパウチ/パウチのウェブを構成するシート材料の本構成には利点がある。これは、シートが、パウチ/パウチのウェブの第1面および第2面を構成する2つの等しい部分に折り畳まれ得、不透明部分は折り目の一部ではないという事実によるものである。透明ストリップは、一般的に厚さが薄い故に不透明ストリップよりも柔軟であるため、シートの透明ストリップ部分は折りやすい。加えて、同じ理由から、折り目に沿った不透明ストリップの辺は、折り工程中の折り目の意図しないずれを防止することができ、その結果、折り目は不透明部分の辺、例えば、不透明部分がコーティングを含む場合にはコーティング辺、と良好に整列される。これにより、製造上の欠陥が回避され、シートで製造されたパウチのウェブ内のパウチの均一性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2A】
図2Aは、様々な実施形態に係る、
図1のシートを切断することによって得られるパウチのウェブを製造するためのシートを示す。
【
図2B】
図2Bは、様々な実施形態に係る、
図1のシートを切断することによって得られるパウチのウェブを製造するためのシートを示す。
【
図2C】
図2Cは、様々な実施形態に係る、
図1のシートを切断することによって得られるパウチのウェブを製造するためのシートを示す。
【
図3A】
図3Aは、細長いシートで製造されたパウチ150のウェブ100の不透明面102における概略図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る供給装置および錠剤用包装装置の断面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る錠剤が充填されたパウチのウェブを製造するための
図4の包装装置の概略等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
錠剤が充填されたパウチのウェブを製造するのに使用され得るシートが提供される。ウェブのパウチをパウチから分離して、個々のパウチを形成することができる。それに従って、シートの特性に関する教示は、パウチ/パウチのウェブおよびその製造方法にも適用され得る。
【0013】
シートは、少なくとも1層の透明基材と少なくとも第2層の不透明コーティングとを含む複合シートとして設計され得る。不透明コーティングは、シートの長手方向に均一な幅のストリップとして塗布され得る。この点で、シートの長手方向は、製造されるパウチのウェブのパウチが互いに接続される方向として定義され得る。
【0014】
透明部分と不透明部分とは、シートの長手方向に直交する方向、例えばシートの横断方向において交互に配置される。この結果、シートは、シートの長手方向に延在する透明ストリップと不透明ストリップを含む。この点で、シートは、最大数百メートル、例えば100メートルから1000メートルの間、例えば約600メートルのような長大な基材のロールまたは「マザーロール」として存在し得る。横断方向は、例えば2つの透明ストリップと2つの不透明ストリップを交互に含むシートでは、一般にはるかに小さく、例えば10~100cm、例えば±280mmである。シートは、半径方向に延在するストリップを備えたロールで提供されることで、このように長大なシート材料の保管を可能にすると共に、パウチのストリップを製造する過程における容易な供給を可能にする。
【0015】
シートは、同数の透明ストリップおよび不透明ストリップを含むことが好ましい。このようなシートは、シートを長手方向に切断することによって容易に分割することができ、シート材料の損失なく透明な第1面と不透明な第2面とを有する折り畳まれたシートに折り畳まれ得る小さいシートを得ることができる。原則として、シートは横断方向に任意の偶数のストリップを含んでもよい。パウチのウェブは単一の不透明ストリップと単一の透明ストリップのみを必要とするので、シートは単一の透明ストリップと単一の不透明ストリップから構成されてもよい。単一の透明ストリップと単一の不透明ストリップがあるこのようなシートは、パウチのウェブを製造するために直接使用され得るが、交互に配置された複数の透明ストリップと不透明ストリップとを備えたシートは、単一の透明ストリップと単一の不透明ストリップとを備えたシートを得るために長手方向に切断しなければならず、このシートは、パウチのウェブを得るために折り畳まれ、印刷、充填、シールされ得る。とはいえ、保管のためには、複数の透明ストリップと不透明ストリップが交互に配置されたシートを、最初から好ましくは供給ロールで供給することが好ましい。
【0016】
各不透明ストリップの幅は、各透明ストリップの幅よりも狭く、その幅差は最大でも10mm、例えば最大でも2~8mm、いくつかの実施形態では2mm未満でさえある。このようにして、単一の透明ストリップおよび単一の不透明ストリップがあるシートが折り畳まれて、等しい寸法の第1面および第2面を得るとき、不透明材料は折り目の一部ではなく、または透明ストリップと不透明ストリップの交点に厳密には存在しない。つまり、このシートを用いて製造されたパウチでは、パウチの第1面は完全に(または少なくとも実質的に)透明であり、第2面は実質的に不透明である。これは、前記下辺を規定する折り目から上辺まで少し離れた位置から延在する不透明コーティングで被覆することによって行うことができ、前記下辺を規定する折り目からの前記距離は最大でも2~8mm、好ましくは最大でも1~4mm、例えば、0.1~1mmである。パウチに印刷された情報の最適な読みやすさと、収容された錠剤に関する最適な検査条件を保証するために、距離/幅差は最大でも10mmであるべきである。距離/幅差は10mmより小さくてもよく、シートのコーティング/不透明部分は折り目の一部ではない。この点で好適な距離/幅差は、例えば0.1mmから10mm、例えば0.5mmから8mmの範囲、例えば5mmであってよい。
【0017】
一般的に錠剤は、医薬品、錠剤、またはビタミン剤などの関連錠剤製品である。他の種類の錠剤も異なる文脈において適用可能である。錠剤は、一粒ずつ、個別に、別々に、または用量単位で調剤できるという意味で、好ましくは「個別」である。白色または淡色の錠剤の場合、検査目的のために比較的暗い背景が望ましい場合がある。パウチ内の1つ以上の錠剤は、錠剤の所定の処方であってもよい。この点で、「錠剤の所定の処方」という用語は、医師の処方箋や、ある瞬間や機会に摂取するのに適した錠剤の量や組み合わせに関するものである。
【0018】
錠剤の検査および不透明部分に印刷された情報の視認性の点で最適なコントラストを提供するために、シートの不透明ストリップ、同様にパウチの不透明部分、例えばパウチの第2面は、好ましくは、ASTM D1003に従って決定されるヘイズが73から77%である。
【0019】
各不透明ストリップは、透明基材シート上の不透明コーティングによって形成されてもよい。
【0020】
不透明コーティングは、原則として、任意の所望の色およびデザインを有してもよく、インクとして塗布されてもよい。色およびデザインの選択は、この点で、パウチ内の錠剤の色および/または種類に依存することがある。特に、処方された錠剤の組み合わせの場合、錠剤の色が異なることがある。その場合、白色のコーティングが好ましい。白インクのような白色のコーティングは、その上に印刷された文字列の最適な可読性と、透明な面からの錠剤の検査のための最適なコントラストを可能にするので、好ましい場合もある。さらに、白色は、患者が医薬品のボトルなど他の医薬品製品で慣れ親しんでいるラベルと一致する。これにより、患者に信頼できる印象を与え、患者コンプライアンスに貢献する。
【0021】
また、不透明面の色を、例えば、赤色で朝に摂取すべきことを示し、緑色で夕方に摂取すべきことを示す等、色または色のパターン自体が情報を提供するようにデザインすることも可能である。このようなカラーコード化は、透明でない部分に印刷された情報の一助として使用され得る。例えば、パウチがビタミン剤用である場合、カラーコードが好まれることがある。
【0022】
錠剤の検査に最適なコントラストを提供するために、シートの透明ストリップ、パウチの透明部分、例えば前面は十分に透明であるべきである。この点で、透明部分はASTM D1003に従って決定されたヘイズが10から12%であることが好ましい。
【0023】
適切なパウチは、可撓性、透明性、加工性などに関する要件を満たす様々な基材を用いて製造され得る。この点で、透明プラスチックシートを透明基材シートとして使用することが好ましい。同様に、パウチの基材も透明プラスチック材料であり得る。好適なプラスチックは、限定はしないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、例えば二軸延伸PP、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを含み得る。セルロースもプラスチック材料として好適である。
【0024】
一実施形態では、透明プラスチックシートは、複数のプラスチック層がある複合プラスチックシートである。このような複合シートでは、錠剤と接触することを意図した層(内層)は、パウチの外側部を意図した層(外層)とは異なる特性を有してもよい。例えば、内層はヒートシーリングを可能にするように設計されるのに対し、外層は全体的品質の外観と感触を提供する。
【0025】
一実施形態では、透明プラスチックシートは、ポリエチレン(PE)の第1の層とポリエチレンテレフタレート(PET)の第2の層を含む。この複合シートでは、好ましくは、前記第2の層、PET層に不透明材料のコーティングが塗布されている。従って、パウチにおいて、パウチを構成するシートは、ポリエチレン(PE)の内層とポリエチレンテレフタレート(PET)の外層とを含む。PE層とPET層とは、好ましくは適切な接着剤で接着される。ここで、前記不透明コーティングは、前記外層、特にパウチの第2面に形成され得る。この点で、不透明コーティングは、シートの外面に配設されても、PETシートとPEシートの間に配設されてもよい。
【0026】
より一般的には、パウチ内の不透明コーティングは、このように、パウチの外面上または複合パウチの層間のパウチのシート材料内に配設されてよい。
【0027】
このようなPET/PE複合ラミネートシートは、パウチのウェブの製造という点で非常に適している。これらの材料はまた、優れた湿気保護および酸素保護を提供し、収容された錠剤のより長い貯蔵寿命につながる。総じて、このようなシート材料は、パウチの内容物に十分な強度と保護を与えるが、内容物にアクセスするためにパウチを容易に裂くこともできる。このシート材料で製造されたパウチは、PET外層のため、特に良好な質感と印象をさらに有する。
【0028】
上述したように、不透明面は通常、パウチに情報を提供するためのベースとして機能するが、いくつかの実施形態では、透明面に情報を印刷またはその他の方法で追加することができる。情報は、スタンプまたは印刷等の任意の適切な手段で提供され得る。この点で、パウチは通常、好適には前記不透明コーティング上に印刷された情報を含む。印刷された情報は、前記医薬品の投与に関する情報、例えば、患者に関する情報、収容された医薬品に関する情報および/または投与のタイミングに関する情報である。情報は、文字、写真、QRコード(登録商標)等、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0029】
パウチに対する「最下部」、「最上部」、「第1面」、「第2面」という用語は、パウチの相対的な配置を定義することを意図したものである。例えば、これらの用語は、情報の特定の向きや、ユーザに対する絶対的な向きを示すものではない。
【0030】
その点で、本明細書で使用される最上部は、上下逆さまに保持された場合、パウチの最下部とも考えられ、その逆も同様である。面についても同様であり、様々な実施形態において最上部および最下部と見なすことができる。
【0031】
この点で、情報はどのような向きでもよい。例えば、文字列は上から下へ、またはその逆、第1面から第2面へ、またはその逆、あるいは他の任意の読み取りの向きであってよい。
【0032】
パウチのウェブを製造するプロセスにおいて、前記不透明第2面の所定の位置に前記情報を提供することは、シートの折り畳みおよび/またはパウチの形成の前に行われても後に行われてもよい。通常、情報の提供は、折り畳まれた後に、折り畳まれたシートの第1面と第2面との間に錠剤を導入する直前に、例えば印刷によって行われる。
【0033】
適切な印刷を保証するために、印刷用アンビルは、折り目がアンビルのすぐ外側に来るような大きさまたは位置にすることができ、したがってアンビルによって支持されることはない。折り目では、パウチの厚さが単一のシートの厚さの2倍を少し超える傾向があるため、折り目がアンビルとプリンタヘッドの間にあると、プリンタヘッドがわずかに傾いてしまい、折り目付近の圧力が低い状態で印刷が行われる可能性がある。これは、折り目をアンビルの外側にあることを保証することで回避できる。これはまた、印刷物が折り目を横切らないようにするのにも役立つ(折り畳みの前に印刷されたものでも、折り畳みの後に印刷されたものでも)が、印刷物が折り目を横切ると、滑らかな折り畳みとパウチの形成に悪影響を与えかねない、および/または、印刷物の信頼性を損ないかねない。
【0034】
あるいは、パウチのウェブが製造されるシートは、ウェブの製造工程中に、情報を不透明部分に提供する必要がないようなデザインで提供されてもよい。この場合、ウェブが製造されるシートには、折り畳むステップの前に、絵、文字、会社のロゴなどの情報が既に提供されていてもよいし、または、パウチは、追加の情報が提供されない、または印刷されないタイプであってもよい。
【0035】
パウチは通常、それぞれの第1の側辺および第2の側辺を介して相互に連結されたパウチのウェブとして製造される。本発明の文脈における「ウェブ」という用語は、相互接続された要素のシステム、例えば、相互接続された一連のパウチとして理解される。
【0036】
第1の側辺と第2の側辺は、ミシン目の入った引裂用ラインで分離されてもよく、これによりパウチのウェブから個別のパウチを分離することを可能にする。
【0037】
ウェブの連続したパウチ間のシールは、ヒートシーリングによって実現され得る。この場合、シーリング接続はヒートシールであり得る。
【0038】
連続するパウチ間の接続部は、単一のシール、例えばヒートシールによって形成されてもよく、前記シールに延在する任意の引裂用ラインを伴う。この場合、単一のパウチの側部シールは、その第1および第2の側辺まで延在し、第1および第2の側辺を含む。
【0039】
連続するパウチ間の接続は、隣接するパウチ間の未シール領域によって互いに分離された、第1のパウチの第2のシールと、第2の隣接するパウチの第1の側部シールを含んでもよい。この場合、単一のパウチの側部シールは、その第1および第2の側辺から短い距離にある。未シールのパウチ間に未シール領域が存在することで、未シール領域にミシン目状の引裂用ラインを配置すれば、パウチのウェブから個別のパウチを分離することが容易になる。
【0040】
この点で、1つのパウチの第1面と第2面は、製造工程中のシール工程で設けられるヒートシールによって、最上部シールのところで封止的に相互接続され得る。最上部シールは、パウチの上辺と重なっていてもよいし、または、最上部シールは、上辺から少し離れていてもよい。後者は、単一のパウチを最上部側から開封してパウチの内容物へのアクセスを得るのを容易にし得る。
【0041】
この点で、単一のパウチの第1面と第2面は、ヒートシールによって最下部シールでもシーリング接続され得る。ここでも最下部シールはパウチの下辺と重なっていてもよいし、下辺から少し離れていてもよい。しかしながら、最下部シールに関しては、上述のシート材料の折り目によって規定されるのが一般的である。このようにして、パウチは1枚のシートから製造され得、第1面と第2面との間のシーリング接続は、さらなるシーリング技術を必要とすることなく提供される。
【0042】
パウチの面同士のシーリングはどのような順序で行われてもよい。折り目の横断方向の所定の位置で第1面を第2面にシーリングして前記所定の処方の医薬品を収容する区画を提供するのは、折り畳まれたシートの第1面と第2面との間に錠剤を導入する前でも後でもよい。他方、各区画の上辺またはその近傍で第1面を第2面にシーリングすることは通常、錠剤導入後の最終シーリング工程として行われる。パウチの横シール(側部シール)と最上部シールは同時に行われ得るが、それは、これにより、1台のヒートシール装置の使用を可能にして、パウチのウェブ内でのパウチの均一な寸法を保証するからである。従って、錠剤は、横シールによってパウチ区画を実現する前または後、あるいは意図されたパウチ区画の1つの横シールを実現した後に、前記第1面と第2面との間の折り畳まれたシートに沿って、第2面で提供される情報に従って所定の位置に導入されてもよい。
【0043】
パウチの内容物に容易にアクセスできるようにするために、パウチは、側辺の一方または両方の上部に、直線状のスリット、三角ノッチ、または他の構成のいずれかであり得る引裂用ノッチを備えてもよい。三角ノッチは、特に不透明部分の場合に、視認性を高めるのに役立つ。直線的なスリット状の引裂用ノッチの場合、使用者の視認性を高めるために、印刷マーキングを追加してもよい。この引裂用ノッチにより、滑らかな縁を使用することができ、子供がパウチを開け難くすることができる(「チャイルドセーフ」性が高まる)。また、例えばこの位置に引裂用ノッチを設けることで、シーリング接続部に沿って引裂用ラインを設けることもできる。これにより、パウチの情報を損なうことなく、シールに沿ってパウチの内容物にアクセスすることができる。こうすることで、パウチを開封した後でも、パウチ上の情報が見える状態が保たれる。
【0044】
代替的に、またはそれに加えて、パウチには、例えば上辺に1つ以上の鋸歯状の辺があってもよい。鋸歯状の辺が1つ以上あれば、任意の位置でパウチを裂き開けることができ、誰でも簡単にパウチを開封できるようにする。
【0045】
パウチの第2面の不透明部分は、下辺から10mm以内の位置、例えば2~8mmの位置から、下辺とは反対側の上辺に向かって延在している。好ましくは、不透明部分は少なくとも最上部シールまで延在してもよく、最上部シールを超えて延在してもよい。例えば、不透明部分は、鋸歯状の辺がパウチまたはパウチのウェブに設けられている場合、鋸歯状の辺まで延びてもよい。このような構成には、鋸歯状の辺の視認性が向上し、ユーザがパウチを裂きやすくなるという利点がある。
【0046】
本明細書に記載され示されている様々な態様や特徴は、可能な限り個々に適用され得る。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に記載された態様および特徴は、分割特許出願の対象であり得る。
【0047】
(図面の詳細な説明)
図1は、一実施形態に係るシート1を示す。シート1は、前記シートの長手方向に延在しそれぞれシートの横断方向に幅がある3つの不透明ストリップ2と3つの透明ストリップ3とを備えている。不透明ストリップの幅を矢印Aで示し、透明ストリップの幅を矢印Bで示す。透明ストリップ3と不透明ストリップ4は、シート1の横断方向に交互に配置されている。本図における寸法は必ずしも実際の寸法と一致しないが、各不透明ストリップ2の幅Aは各透明ストリップ3の幅B以下であり、幅差は最大でも10mm、例えば2~8mmである。
【0048】
図2Aは、一実施形態に係るパウチのウェブを製造するためのシート1’を示す。
図2Bおよび
図2Cは、シート1’のさらなる実施形態を示し、
図2Bは外辺に透明ストリップを含み、
図2Cは鋸歯状の辺を示す。図示のシート1’は、
図2Aおよび2Cの実施形態については線Cに沿って、
図2Bについては線Cのやや外側で、
図1のシートを切断することによって得ることができる。このようにして、単一の透明ストリップ3と不透明ストリップ2とを有する3つの別個のシート1’を得ることができる。
図2Aに描かれているシート1’は、これらのシートのうちの1つを表している。シート1’は、折り線Eを介して真ん中で折り畳まれて、折り畳まれたシートを得ることができる。折り線Eは、形成時のパウチの幅の最大でも20%および/または最大でも2~8mm、例えばパウチの幅の最大でも10%または最大でも1~4mmの辺Dの距離にある。折り線Eに沿って折り畳むことによって得られる折り目は、シート1’を用いて製造され得るパウチのウェブの辺(例えば、下辺の折り目)を規定する。
【0049】
図3A~
図5を参照して、製造工程およびパウチのウェブをさらに説明する。
【0050】
図3Aは、細長いシート1’から製造されたパウチ150のウェブ100の不透明面102(第2面)における概略図である。
図3Bはその詳細部分を示す。
図3Cは、
図3Bに示すようなパウチのウェブの透明面103(例えば、前面側または第1面)における概略図である。
図3A~3Cは、完成状態の細長いシート1’で製造されたパウチ150のウェブ100を示す。パウチのウェブは、
図2A~2Cに示すように、折り線Eを介してシート1’に折り目を付けることによってそれ自体に折り返されるプラスチックシート1’から製造されている。ウェブ100は、下辺104を形成する線Eに沿った折り目を介して第1面103に続く不透明ストリップ2を備えた実質的に不透明な第2面102を備えている。第1面103と第2面102は両方とも、下辺104に対して同じ高さに上辺105を有する。第2面102の不透明コーティングは、「INFO」の表示によって視覚化されているように、その上に印刷された(または他の方法で配置された、例えばスタンプされた)情報を含む。ウェブの第2面102における不透明ストリップの辺Dは、下辺104から最大でも10mmの距離にある。第1面103が透明であるため、辺Dは
図3Cに示すように正面からも見える。いくつかの実施形態では、不透明面はシーリング面105にもさらなる透明辺を含み得る。これは、約1~8mm、または当該面から印刷領域の開始箇所前のヒートシールを越えたすぐ先まで延在してもよい。
【0051】
図3Bおよび
図3Cに最もよく示されているように、ウェブ100の各パウチ150は、ウェブ100の長手方向に対して横断方向の細長い第1のヒートシール111と、ウェブ100の長手方向に対して横断方向の細長い第2のヒートシール112と、第1面103と第2面102との間の細長い最上部ヒートシール113とを備えている。各第1のヒートシール111および第2のヒートシール112は、互いに平行に、且つ下辺104に対して横断方向に延び、最上部ヒートシール113は、その間に延在し、上辺105と平行に、且つ上辺105から離隔して延在するが、いくつかの実施形態では、丁度辺のところにあってもよい。
【0052】
分離ミシン目線120は、上辺105と下辺104との間に、下辺104と上辺105との間の距離の半分以上にわたって延在している。この例では、分離ミシン目線120は、下辺104と上辺105との間の距離の70%以上にわたって延在しているが、他のシステムでは、サイズ、使用されるシートのタイプなどによって異なる可能性がある。それにより、分離ミシン目線120と上辺105との間にフォイルブリッジ121が形成され、下辺にミシン目のない部分124が存在し得る。
【0053】
細長いウェブ100は、分離ミシン目線120を引き裂き、次いでフォイルブリッジ121を引き裂くことによって分割され、1つのパウチ150または一連の相互接続されたパウチ150を得ることができる。引裂用ノッチ122は、下辺104に対して最上部ヒートシール113に近いがそれより下の高さで延在している。引裂用ノッチ122が発端となって最上部ヒートシール113を引き裂くことにより、分離されたパウチ150を手動で開封することができる。
【0054】
図4は、実施形態による錠剤の供給装置および包装装置の断面図である。供給装置4は、フレーム5と、それぞれが複数のキャニスタまたはフィーダユニット9を有する複数の半径方向に延在するアレイ8を支持する水平方向に延在する支持ディスク6とを備えている。供給装置4は、支持ディスク6の下に細長い収集ホッパ10を有し、この収集ホッパ10は、垂直軸の周りに回転されるように、半径方向に延在するアーム12を介して、フレーム5上のサーボドライブなどの位置制御モータ7に接続されている。各フィーダユニット9には、異なる個別の医薬品のバッチを充填することができる。フィーダユニット9は、位置制御モータ7によってフィーダユニット9の下で回転される収集ホッパ10によって収集される個々の個別医薬品を排出するように構成されている。このようにして、個別医薬品13の選択物が計数される。収集ホッパ10はホッパ出口11に合流し、個別医薬品13の選択物を、それぞれの編成された個別医薬品13の選択物をパウチ150に包装する包装装置20に供給する。収集ホッパ10は、個別医薬品13の編成された選択物を制御式に放出するためのホッパ出口11にアクチュエータを備えた(図示しない)ホッパ放出弁を備えている。電子コントローラ80は、所望の処理方法を実行するようにプログラムされている。
【0055】
図5に包装装置20をさらに詳細に示す。
図5は、
図3Aに示すパウチのウェブのような、一実施形態に係る錠剤が充填されたパウチのウェブを製造するための
図4の包装装置の概略等角図を示す。
【0056】
包装装置20は、例えば
図2に示すような細長いシート1’にパウチ150を形成し充填するように構成されている。包装装置20は、細長いシート1’を、包装装置20のシート軌跡22にわたって包装装置20を通る搬送方向Tに間欠的に搬送するためのシートドライブ23を備えている。細長いシート1’は通常、ストックリール119からすらすらと出てくる。
【0057】
図5に示すように、包装装置20を通って搬送方向Tに搬送される間に、細長いシート1’は、後続のヒートシール110が施され、区画のウェブ100を提供する。
【0058】
包装装置20を通って搬送される間、ウェブ100はヒートシーリング110同士の間に後続の直線状分離ミシン目線が施される。
【0059】
包装装置20を通って搬送される間、細長いウェブ100には、分離ミシン目線120から開始して分離ミシン目線120に対して横断方向に延在する後続の引裂用ノッチ122も設けられる。
【0060】
シート1’は、ヒートシーリング110内の第2面102に印刷可能エリア117を規定する。印刷可能エリア117の後方で、細長いウェブ100は、下辺104とヒートシーリング110との間に密封区画を形成し、医薬品13の選択物を収容して保存する。
【0061】
図5に示すように、包装装置20は、印刷ステーション30と、充填ステーション40と、シーリングステーション50と、ミシン目加工ステーション60から直列に構成されている。印刷ステーション30は、細長いシート1’の印刷可能エリア117に、「INFO」という表示で視覚化されている文字列や記号を印刷するように構成されたプリンタ31を備えている。充填ステーション40は、ホッパ出口11の下方にスプレッダ41を備えており、このスプレッダは、折り畳まれたシート1’の第2面102と第1面103を上辺105で広げて、個別医薬品13の選択物を受け入れるように構成されている。シーリングステーション50は、2つのL字形ヒートシールスタンプ51を備えており、これらは、概略的に示されたスタンプドライブ52によって対称に、方向Fに、細長いウェブに対して横断方向に移動可能であるか、または駆動されて、1つのパウチ150の最上部ヒートシール113と第2のヒートシール112を形成するとともに、次のパウチ150の第1のヒートシール111を形成する。ミシン目加工ステーション60は、ここではアンビル61として示されている2つのミシン目加工機構を備え、このミシン目加工機構は、概略的に示されているアンビルドライブ62によって対称的に方向Gにパウチのウェブ100に対して横断方向に移動可能または駆動されて、2つのパウチ150の間に分離ミシン目線120と引裂用ノッチ122を形成する。
【0062】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれており、本発明の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。上記の論述から、当業者には多くの変形形態が明白であり得、それらも本発明の趣旨と範囲によって包含される。
【符号の説明】
【0063】
1 複数の透明ストリップおよび不透明ストリップがある細長いシート
1’ 単一の透明ストリップおよび不透明ストリップがある細長いシート
2 不透明ストリップ
3 透明ストリップ
4 供給装置
5 フレーム
6 支持ディスク
7 位置制御モータ
8 半径方向に延在するアレイ
9 フィーダユニット
10 収集ホッパ
11 ホッパ出口
12 アーム
13 個別医薬品
20 包装装置
22 ウェブ軌道
23 ウェブドライブ
30 印刷ステーション
31 プリンタ
40 充填ステーション
41 スプレッダ
50 シーリングステーション
51 シールスタンプ
52 スタンプドライブ
60 ミシン目加工ステーション
61 ミシン目加工アンビル
62 アンビルドライブ
80 電子コントローラ
100 パウチのウェブ
102 第2面
103 第1面
104 下辺
105 上辺
110 ヒートシール
111 第1のヒートシール
112 第2のヒートシール
113 最上部ヒートシール
117 印刷可能エリア
119 ストックリール
120 分離ミシン目線
121 フォイルブリッジ
122 引裂用ノッチ
150 パウチ
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートであって、
前記シートの長手方向に延在する
複数の透明ストリップおよび不透明ストリップを備え、前記透明ストリップおよび不透明ストリップの各々は、前記シートの横断方向に幅があり、
前記
複数の透明ストリップおよび不透明ストリップは、前記シートの横断方向に交互に配置され、
各不透明ストリップは、各透明ストリップの幅よりも狭い幅を有する、シート。
【請求項2】
各不透明ストリップの幅は各透明ストリップの幅よりも狭く、その幅差は最大でも10mmである、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
同数の透明ストリップと不透明ストリップを含む、請求項
1に記載のシート。
【請求項4】
各不透明ストリップは、透明基材シート上の不透明コーティングによって形成されている、請求項
1に記載のシート。
【請求項5】
前記不透明コーティングは白色コーティング、好ましくは白色インクである、請求項
4に記載のシート。
【請求項6】
前記透明基材シートは透明プラスチックシートである、請求項
4に記載のシート。
【請求項7】
前記透明プラスチックシートは、ポリエチレン(PE)の第1の層とポリエチレンテレフタレート(PET)の第2の層を含み、前記不透明コーティングは前記第2の層上に塗布されている、請求項
6に記載のシート。
【請求項8】
前記透明ストリップは、ASTM D1003に従って決定されるヘイズが10から12%であり、
前記不透明ストリップは、ASTM D1003に従って決定されるヘイズが73から77%である、請求項
1に記載のシート。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のシートを切断する方法であって、
前記シートが長手方向に切断されて、2以上のシートが得られ、前記2以上のシートのそれぞれが単一の透明ストリップと単一の不透明ストリップを有する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法で得られたシート材料で形成された錠剤を収容するためのパウチであって、前記パウチは、
最下部シールを介して接続された第1面および第2面と、前記最下部シールとは反対側の最上部シールと、下辺から前記最上部シールまで延在して錠剤を収容するための空間を規定する第1および第2の側部シールと、を備え、
前記パウチの前記第1面は透明であり、前記パウチの前記第2面は、下辺の折り目から前記パウチの幅の20%以内の位置から、前記下辺とは反対側の上辺に向かって実質的に不透明であり、前記シートの透明部分が前記下辺の折り目を形成している、パウチ。
【請求項11】
前記パウチの前記第2面は、前記パウチの前記幅の最大10%まで延在する前記上辺に沿った透明線を含む、請求項10に記載のパウチ。
【請求項12】
前記シートは、ポリエチレン(PE)の内層およびポリエチレンテレフタレート(PET)の外層を含む、請求項1
0に記載のパウチ。
【請求項13】
前記パウチの不透明な前記第2面は、不透明材料のコーティングを含む、請求項1
0に記載のパウチ。
【請求項14】
前記不透明
材料のコーティングは、その上に印刷された情報をさらに含む、請求項13に記載のパウチ。
【請求項15】
前記第1面および第2面、ヒートシールにより前記最上部シールを介して、および前記第1の側部シールおよび第2の側部シールを介して、封止的に相互接続されている、請求項1
0に記載のパウチ。
【請求項16】
鋸歯状の辺を備えている、および/または、前記上辺または側辺の少なくとも一方に引裂用ノッチを備えている、請求項1
0に記載のパウチ。
【請求項17】
請求項1
0に記載の複数のパウチのウェブであって、前記ウェブの前記パウチはそれぞれの第1の側辺および第2の側辺を介して相互接続されている、ウェブ。
【請求項18】
隣接するパウチのそれぞれの第1の側辺と第2の側辺との間にミシン目線を含む、請求項17に記載のウェブ。
【請求項19】
前記ミシン目線には引裂用ノッチが設けられている、請求項18に記載のウェブ。
【請求項20】
前記引裂用ノッチは三角ノッチの形態である、請求項19に記載のウェブ。
【請求項21】
請求項1
7に記載のウェブを製造するための方法であって、
前記シート
を切断して、透明ストリップと不透明ストリップを有するパウチシートを得ることと、
前記不透明ストリップから最大10mmの位置にある長手方向の折り線に沿って前記シートを折り畳むことであって、前記折り線は、透明な第1面と実質的に不透明な第2面とを接続する前記ウェブの下辺を規定する、折り畳むことと、
折り畳まれた前記シートに沿った所定の位置に、前記第2面で提供される情報に従って、前記第1面と前記第2面との間に1つ以上の錠剤を導入することと、
前記1つ以上の錠剤を収容する区画のそれぞれの第1面、第2面、および最上部シールを提供するべく、前記折り目の横断方向の所定の位置および前記折り目とは反対側の位置で、前記第1面を前記第2面にシールすることであって、各シールされた区画がパウチを構成する、シールすることと、を含む方法。
【請求項22】
前記シールすることは、ヒートシールすることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ウェブが製造される元になる前記シートは、前記折り畳むステップの前に情報が提供される、請求項2
1に記載の方法。
【請求項24】
不透明な前記第2面上の1つ以上の所定の位置に情報を提供することをさらに含む、請求項2
1に記載の方法。
【請求項25】
前記情報は印刷によって提供される、請求項2
1に記載の方法。
【請求項26】
前記ウェブの連続するパウチ間にミシン目線が導入される、請求項2
1に記載の方法。
【国際調査報告】