(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】流体ダンパおよび流体リザーバを含む減衰システム
(51)【国際特許分類】
F16F 9/32 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
F16F9/32 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024502605
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 EP2022070922
(87)【国際公開番号】W WO2023006734
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514062655
【氏名又は名称】スタビラス ゲ―エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レーケン,ラルス
(72)【発明者】
【氏名】ピロート,ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】プロブスト,ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ウンケルバッハ,ニコ
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA50
3J069AA64
3J069CC33
3J069EE41
3J069EE50
(57)【要約】
本発明は、減衰流体を内包する減衰体積を含む少なくとも1つの流体ダンパ(110)と、流体リザーバ(120)の内部体積を、減衰流体を内包する減衰チャンバ(123)および反動流体を内包する反動チャンバ(124)に分割するリザーバ・ピストン(122)を含む流体リザーバ(120)とを備えた、減衰システム(100)に関する。少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積は、流体リザーバの減衰チャンバに流体導通するように連結される。リザーバ・ピストンは、減衰チャンバの体積を増加させ反動チャンバの体積を減少させる圧縮方向(CD)に運動可能である。リザーバ・ピストンは、減衰チャンバの体積を減少させ反動チャンバの体積を増加させる膨張方向(DD)に運動可能である。リザーバ・ピストンは、減衰チャンバに対向する減衰チャンバ表面(128)、および反動チャンバに対向する反動チャンバ表面(129)を含む。減衰チャンバ表面の表面積は反動チャンバ表面の表面積よりも小さい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減衰システム(100)であって、
a.減衰流体を内包する減衰体積を含む少なくとも1つの流体ダンパ(110)と、
b.流体リザーバ(120)であって、前記流体リザーバ(120)の内部体積を、前記減衰流体を内包する減衰チャンバ(123)および反動流体を内包する反動チャンバ(124)に分割するリザーバ・ピストン(122)を含む流体リザーバ(120)とを備え、
c.前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)の前記減衰体積が、前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)に流体導通するように連結され、
d.前記リザーバ・ピストン(122)が、前記減衰チャンバ(123)の体積を増加させ前記反動チャンバ(124)の体積を減少させる圧縮方向(CD)に運動可能であり、
e.前記リザーバ・ピストン(122)が、前記減衰チャンバ(123)の前記体積を減少させ前記反動チャンバ(124)の前記体積を増加させる膨張方向(DD)に運動可能である、減衰システム(100)において、
f.前記リザーバ・ピストン(122)が、前記減衰チャンバ(123)に対向する減衰チャンバ表面(128)、および前記反動チャンバ(124)に対向する反動チャンバ表面(129)を含み、
g.前記減衰チャンバ表面(128)の表面積が前記反動チャンバ表面(129)の表面積よりも小さいことを特徴とする、減衰システム(100)。
【請求項2】
前記減衰システム(100)が、前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)の前記減衰体積を前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)に流体導通するように連結する流体導管(130)を含む、請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項3】
前記減衰システム(100)が、前記反動チャンバ(124)内の前記反動流体の圧力を調節するために前記流体リザーバ(120)の前記反動チャンバ(124)に流体導通するように連結されるポンプ(140)を含む、請求項1または2に記載の減衰システム(100)。
【請求項4】
前記流体リザーバ(120)の前記リザーバ・ピストン(122)が、前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)へ延びるリザーバ・ピストン・ロッド(132)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項5】
前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)が、前記流体リザーバ(120)の前記反動チャンバ(124)よりも小さい直径を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項6】
前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)および前記反動チャンバ(124)を区画している前記流体リザーバ(120)の横リザーバ壁(131)が、
a.前記減衰チャンバ(123)および前記反動チャンバ(124)において同一の壁厚を有し、ならびに/または
b.一体となって作られている、請求項1から5のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項7】
前記流体リザーバ(120)が前記反動チャンバ(124)の体積を調節するための調節手段を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項8】
前記流体リザーバ(120)の横リザーバ壁(131)が、前記流体リザーバ(120)の前記横リザーバ壁(131)と前記リザーバ・ピストン(122)との間の摩擦を低減するための低摩擦表面層を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項9】
a.前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)がダンパ・ピストンを含み、
b.前記ダンパ・ピストンが、前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)の前記減衰体積を後チャンバおよび前チャンバに分割し、
c.前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)が、前記前チャンバに流体導通するように連結され、
d.前記ダンパ・ピストンが、前記後チャンバの体積を増加させ前記前チャンバの体積を減少させる挿入方向(ID)に運動可能であり、
e.前記ダンパ・ピストンが、前記後チャンバの前記体積を減少させ前記前チャンバの前記体積を増加させる抜去方向(ED)に運動可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)が、前記後チャンバを前記前チャンバに流体導通するように連結する少なくとも1つの越流水路を含む、請求項9に記載の減衰システム(100)。
【請求項11】
a.前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)が、前記後チャンバから前記前チャンバへのみ前記減衰流体が流れることを可能にする第1の越流水路(116a)と、前記前チャンバから前記後チャンバへのみ前記減衰流体が流れることを可能にする第2の越流水路(116b)とを含み、
b.前記第1の越流水路(116a)が前記減衰流体に対して前記第2の越流水路(116b)とは異なる流動抵抗を有する、請求項10に記載の減衰システム(100)。
【請求項12】
前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)が、前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)の前記後チャンバおよび前記前チャンバに流体導通するように連結される、請求項9から11のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項13】
前記減衰システム(100)が、前記少なくとも1つの流体ダンパ(110)の前記後チャンバと前記前チャンバとの間の前記減衰流体の流れを調節するための少なくとも1つの越流弁を含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項14】
a.前記減衰システム(100)が、第1の流体ダンパ(110a)および第2の流体ダンパ(110b)を含み、
b.前記第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)の各々の前記減衰体積が、前記流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)に流体導通するように連結される、請求項1から13のいずれか一項に記載の減衰システム(100)。
【請求項15】
a.前記減衰システム(100)が、静止位置から第1の方向および第2の方向に変位可能なある構成要素の運動を減衰するように構成されており、
b.前記第1の流体ダンパ(110a)が、前記構成要素が前記静止位置から前記第1の方向に変位されるとき、前記構成要素の運動を減衰するように構成されており、
c.前記第2の流体ダンパ(110b)が、前記構成要素が前記静止位置から前記第2の方向に変位されるとき、前記構成要素の運動を減衰するように構成されている、請求項14に記載の減衰システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減衰流体を内包する減衰体積を含む少なくとも1つの流体ダンパと、流体リザーバの内部体積を、減衰流体を内包する減衰チャンバおよび反動流体を内包する反動チャンバに分割するリザーバ・ピストンを含む流体リザーバとを備える、減衰システムに関する。少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積は、流体リザーバの減衰チャンバに流体導通するように連結される。リザーバ・ピストンは、減衰チャンバの体積を増加させ反動チャンバの体積を減少させる圧縮方向に運動可能である。リザーバ・ピストンは、減衰チャンバの体積を減少させ反動チャンバの体積を増加させる膨張方向に運動可能である。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2016/0076617(A1)号(特許文献1)、米国特許出願公開第2019/0154100(A1)号(特許文献2)、および米国特許出願公開第2020/0114719(A1)号(特許文献3)の文献は、流体ダンパおよび流体リザーバを含む減衰システムを示す。これら減衰システムは、例えば車両のサスペンション・ダンパとして使用される。知られている減衰システムの主要な欠点は、それらの重要なサイズ、質量、およびコストである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0076617号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0154100号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2020/0114719号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3141295号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1795777号明細書
【特許文献6】国際公開第2021/233842号
【特許文献7】欧州特許出願公開第3967898号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎となる課題は、既存のシステムよりも小さく軽量で安価な減衰システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は請求項1に記載の減衰システムにより解決される。有利な実施形態は従属請求項の主題である。
【0006】
減衰システムは、減衰流体を内包する減衰体積を含む少なくとも1つの流体ダンパを備える。減衰流体は好ましくは液体、特に作動油である。減衰体積は好ましくは減衰流体で完全に満たされる。
【0007】
減衰システムは、流体リザーバの内部体積を、減衰流体を含む減衰チャンバおよび反動流体を含む反動チャンバに分割するリザーバ・ピストンを含む流体リザーバを備える。反動流体は好ましくはガス、特に空気である。反動チャンバは好ましくは反動流体で完全に満たされる。上記分割は好ましくは流体密封式に設計されている。
【0008】
少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積は、流体リザーバの減衰チャンバに流体導通するように連結される。例えば、流体リザーバは少なくとも1つの流体ダンパに直接取り付けられ、少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積の流体リザーバの減衰チャンバへの直接連結を可能にしてもよい。
【0009】
リザーバ・ピストンは、減衰チャンバの体積を増加させ反動チャンバの体積を減少させる圧縮方向に運動可能である。反動チャンバが圧縮性の反動流体で満たされている場合、リザーバ・ピストンが圧縮方向に動くと、反動流体が圧縮される。結果として、圧縮された反動流体の圧力がリザーバ・ピストンを膨張方向に強制的に動かし、減衰流体を流体リザーバの減衰チャンバから少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積内へ押し込む。したがって、流体リザーバが少なくとも1つの流体ダンパと直列するガス・スプリングとして機能する。
【0010】
リザーバ・ピストンは、減衰チャンバの体積を減少させ反動チャンバの体積を増加させる膨張方向に運動可能である。反動チャンバが圧縮性の反動流体で満たされている場合、リザーバ・ピストンが膨張方向に動くと、反動流体が膨張する。
【0011】
圧縮方向および膨張方向は好ましくは、流体リザーバの直線長手方向軸に沿って互いに反対方向に方向付けられ、リザーバ・ピストンはこの長手方向軸に沿って線形的に運動可能である。代替的な実施形態において、リザーバ・ピストンは、回転軸周りの回転により、またはリザーバ・ピストンの弾性変形により運動可能である。
【0012】
流体リザーバのリザーバ・ピストンは好ましくは、減衰チャンバに対向する減衰チャンバ表面および反動チャンバに対向する反動チャンバ表面を含む。減衰チャンバ表面の表面積は反動チャンバ表面の表面積よりも好ましくは小さい。例えば、リザーバ・ピストンの減衰チャンバ表面および反動チャンバ表面は円盤形状であり得、減衰チャンバ表面は反動チャンバ表面よりも短い直径を有する。
【0013】
表面積が異なるため、リザーバ・ピストンは、反動チャンバ表面に働く反動流体の小さい圧力を、減衰チャンバ表面を介して減衰流体に働くリザーバ・ピストンの大きい圧力に変換する圧力伝達装置として機能できる。結果として、反動流体のより低い圧力が減衰システムの所与の用途のために使用され得る。反動流体の圧力が低くなることで、流体リザーバの機械的安定性および流体密封性に関する必要条件が緩くなり、流体リザーバがより小型で、より軽量で、より安価な設計となることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明による減衰システムの流体リザーバの概略縦断面を示す図である。
【
図3】本発明による別の減衰システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
減衰システムは好ましくは、少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積を流体リザーバの減衰チャンバに流体導通するように連結する流体導管を含む。この導管により、流体リザーバは少なくとも1つの流体ダンパから離隔して配置されることができ、減衰システムの設置に利用可能な空間のより効率的な使用が可能になる。導管の少なくとも一区域、特に導管全体、は好ましくは可撓性を有する。導管は例えばホースを含んでもよい。導管が可撓性を有する場合、減衰システムは制限された空間でより容易に配置され得る。
【0016】
減衰システムは好ましくは、反動チャンバ内の反動流体の圧力を調節するために流体リザーバの反動チャンバに流体導通するように連結されるポンプを含む。このポンプは例えば手動操作されてもよい。このポンプは、好ましくは電動式であり、より好ましくはコンピュータ制御式である。反動流体の圧力を調節することで、減衰システムの動作中に減衰システムの弾性反動力が、変化する必要条件に適合されてもよい。
【0017】
リザーバ・ピストンは好ましくは、流体リザーバの減衰チャンバへ延びるリザーバ・ピストン・ロッドを含む。例えば、リザーバ・ピストンは円盤として形成され、その円盤の中心に取り付けられたリザーバ・ピストン・ロッドを有していてもよい。リザーバ・ピストン・ロッドは、反動チャンバ表面積よりも小さい減衰チャンバ表面積を有するリザーバ・ピストンを実現するための簡便な方法である。さらに、リザーバ・ピストン・ロッドは、従来の軸封を使用して、確実な方式で流体リザーバの横リザーバ壁に封止され、流体密封式に減衰チャンバを反動チャンバから分離してもよい。
【0018】
流体リザーバの減衰チャンバは好ましくは、特に流体リザーバの長手方向軸に直交する、流体リザーバの反動チャンバよりも小さい直径を有する。リザーバ・ピストンによる圧力伝達により、減衰チャンバ内は反動チャンバ内よりも高い圧力を持つ。減衰チャンバの直径を縮めることで、減衰チャンバを区画している流体リザーバの横リザーバ壁に働く力が低減し、特に横リザーバ壁の厚さの増大を必要とせずに流体リザーバの機械的安定性を高めることにつながる。
【0019】
流体リザーバの減衰チャンバおよび反動チャンバを区画している流体リザーバの横リザーバ壁は、好ましくは、減衰チャンバおよび反動チャンバにおいて同一の壁厚を有し、ならびに/または好ましくは一体となって、好ましくはアルミニウムで作られている。流体リザーバのこれら実施形態は非常に軽量で、例えば衝撃押し出しにより非常に容易に生産され得る。例えば、横リザーバ壁は流体リザーバの長手方向軸を包囲していてもよく、および/または横リザーバ壁は少なくとも区域が円筒状に形成されていてもよい。
【0020】
流体リザーバは好ましくは、反動チャンバの体積を調節するための調節手段を含む。例えば、この調節手段は、流体リザーバの壁を通り反動チャンバ内へ延びるねじを含み得る。反動チャンバの体積を増加させると反動流体の圧力は減少する場合があり、逆も同様である。反動流体の圧力を調節することで、減衰システムの動作中に減衰システムの弾性反動力が、変化する必要条件に適合されてもよい。特に、反動チャンバの体積は、反動流体の温度変動による反動流体の圧力変動を補償するために調節されてもよい。
【0021】
調節手段は好ましくは、反動流体の温度変動による反動流体の圧力変動を自動的に補償するために反動流体の温度上昇に合わせて反動チャンバの体積を自動的に増加させるように設計されている。この目的のために、調節手段は例えばDE3141295A1(特許文献4)、EP1795777A2(特許文献5)、WO2021/233842A1(特許文献6)またはEP3967898A1(特許文献7)の文献に記載されるような補償媒体および補償ピストンを含んでいてもよい。
【0022】
流体リザーバの横リザーバ壁は好ましくは、流体リザーバの横リザーバ壁とリザーバ・ピストンとの間の摩擦を低減するために、低摩擦表面層、例えば表面コーティング、表面構造体、および/または電解酸化層を含む。例えば、横リザーバ壁は流体リザーバの長手方向軸を包囲していてもよく、および/または横リザーバ壁は少なくとも区域が円筒状に形成されていてもよい。
【0023】
少なくとも1つの流体ダンパは好ましくはダンパ・ピストンを含み、ダンパ・ピストンは、少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積を後チャンバおよび前チャンバに分割する。上記分割は好ましくは流体密封式に設計されている。
【0024】
流体リザーバの減衰チャンバは好ましくは、前チャンバに流体導通するように連結される。ダンパ・ピストンは好ましくは、後チャンバの体積を増加させ前チャンバの体積を減少させる挿入方向に運動可能である。ダンパ・ピストンは好ましくは、後チャンバの体積を減少させ前チャンバの体積を増加させる抜去方向に運動可能である。
【0025】
挿入方向および抜去方向は好ましくは、少なくとも1つの流体ダンパの直線長手方向軸に沿って互いに反対方向に方向付けられ、ダンパ・ピストンはこの長手方向軸に沿って直線的に運動可能である。代替的な実施形態において、ダンパ・ピストンは、回転軸周りの回転により、またはダンパ・ピストンの弾性変形により運動可能である。
【0026】
ダンパ・ピストン・ロッドは好ましくは、ダンパ・ピストンに取り付けられ、減衰体積の後チャンバを通って少なくとも1つのダンパから案内される。ダンパ・ピストン・ロッドは好ましくは、少なくとも1つのダンパの直線長手方向軸に沿って案内される。
【0027】
減衰システムが第1の構成要素および第2の構成要素の運動を互いに対して減衰するために使用される場合、ダンパ・ピストン、特にダンパ・ピストン・ロッドは第1の構成要素に取り付けられてもよく、減衰体積を区画している少なくとも1つのダンパのダンパ壁は第2の構成要素に取り付けられてもよい。
【0028】
ダンパ・ピストンが静止位置から挿入方向へ動かされる場合、流体は、ダンパ・ピストンおよび/またはダンパ・ピストン・ロッドにより、少なくとも1つのダンパの減衰体積の前チャンバから減衰体積の後チャンバおよび/または流体リザーバの減衰チャンバへ押し出される。その結果、減衰流体はリザーバ・ピストンを圧縮方向に押し込み、流体リザーバの反動チャンバ内の反動流体を圧縮する。圧縮された反動流体の圧力がリザーバ・ピストンを膨張方向に押し戻し、それにより減衰流体を少なくとも1つのダンパの減衰体積内へ押し戻す。
【0029】
このようにして、静止位置からの挿入方向へのピストンの運動が、ガス・スプリングのように機能する流体リザーバ内の反動流体により抜去方向への運動に逆転される。類似の方式で、静止位置からの抜去方向へのピストンの運動が、流体リザーバ内の反動流体により挿入方向への運動に逆転される。
【0030】
前チャンバから後チャンバおよび/または減衰チャンバへ流れ、その逆方向に流れる減衰流体の流動抵抗は、ダンパ・ピストンの挿入方向および抜去方向への運動を減衰する。
【0031】
少なくとも1つの流体ダンパは好ましくは、後チャンバを前チャンバに流体導通するように連結する少なくとも1つの越流水路(overflow channel)を含み、この少なくとも1つの越流水路は好ましくは、ダンパ・ピストンおよび/または減衰体積の横ダンパ壁に配置される。越流水路は、少なくとも1つの流体ダンパの減衰体積を流体リザーバの減衰チャンバと流体導通するように連結する流体導管の少なくとも一部を形成してもよい。
【0032】
越流水路により、減衰流体は前チャンバから後チャンバへ、制御された方式で流れることができ、逆も同様である。したがって、ダンパ・ピストンと減衰体積を包囲しているダンパ壁との間での減衰流体の漏出は、減衰システムの挙動に影響を及ぼさない。結果的に、ダンパ・ピストンは封止のない設計であってもよく、その設計により減衰システムが特に製造しやすく安価になる。
【0033】
越流水路を有する実施形態において、ダンパ・ピストンおよび取り付けられたダンパ・ピストン・ロッドの運動により変位する減衰流体の量は、減衰体積内に挿入されるダンパ・ピストン・ロッドの体積により画定される。したがって、少なくとも1つのダンパの減衰力および反動力は、ダンパ・ピストン・ロッドを異なる直径を有するダンパ・ピストン・ロッドに替えることで容易に適合され得る。
【0034】
少なくとも1つの流体ダンパは好ましくは、後チャンバから前チャンバへのみ減衰流体が流れることを可能にする第1の越流水路、および前チャンバから後チャンバへのみ減衰流体が流れることを可能にする第2の越流水路を含み、第1の越流水路は好ましくは、減衰流体に対して第2の越流水路とは異なる流動抵抗を有する。
【0035】
異なる流動抵抗を有する2つの越流水路により、挿入方向および抜去方向のダンパ・ピストンの運動に対して異なる減衰力を画定することが可能になる。このようにして、減衰システムの減衰特性を様々な用途に合致させることができる。
【0036】
本発明の実施形態において、流体リザーバの減衰チャンバは、少なくとも1つの流体ダンパの後チャンバおよび前チャンバに流体導通するように連結される。このようにして、少なくとも1つの流体ダンパのダンパ・ピストンは、特に小型な流体ダンパの設計を可能にする複動式ピストンとして機能できる。
【0037】
減衰システムは好ましくは、少なくとも1つの流体ダンパの後チャンバと前チャンバとの間の減衰流体の流れを調節するための少なくとも1つの越流弁(overflow valve)を含む。越流弁は好ましくは、後チャンバを前チャンバに流体導通するように連結する越流水路内に配置される。越流弁は、減衰流体に対する流動抵抗の調節を可能にし、それにより減衰システムの減衰力を調節する。
【0038】
減衰システムは好ましくは、例えば少なくとも1つのダンパのダンパ・ピストンの運動方向および/または運動速度に応じて、減衰システムの2つ以上の減衰力を画定するための2つ以上の越流弁を含む。
【0039】
少なくとも1つの越流弁は好ましくは、減衰システムの1つまたは複数の減衰力を変化する必要条件に適合させるために、減衰システムの動作中に調節可能である。
【0040】
減衰システムは好ましくは少なくとも第1の流体ダンパおよび第2の流体ダンパを含み、第1の流体ダンパおよび第2の流体ダンパの各々の減衰体積は流体リザーバの減衰チャンバに流体導通するように連結される。2つ以上の流体ダンパを単一の流体リザーバに連結することで、減衰システムは特に小型で軽量になる。さらに、2つ以上の流体ダンパの減衰挙動は、それら流体ダンパを同一の流体リザーバに連結することで簡便な方式で同期され得る。
【0041】
減衰システムは好ましくは、静止位置から第1の方向および第2の方向に変位可能なある構成要素の運動を減衰するように構成されており、第1の流体ダンパは、この構成要素が静止位置から第1の方向に変位されるとき、この構成要素の運動を減衰するように構成されており、第2の流体ダンパは、この構成要素が静止位置から第2の方向に変位されるとき、この構成要素の運動を減衰するように構成されている。
【0042】
好ましくは、第1の流体ダンパおよび第2の流体ダンパのうちの1つのみが、静止位置から外れた任意の位置の上記構成要素の運動を減衰する。静止位置から外れた上記構成要素の任意の位置において2つの流体ダンパのうちの1つのみが稼働する場合、2つのダンパは特に効率的に同一の流体リザーバを共有し得る。
【0043】
第1の流体ダンパのダンパ・ピストン・ロッドは好ましくは上記構成要素の第1のフランジの第1の孔を通り案内され、第2の流体ダンパのピストン・ロッドは好ましくは上記構成要素の第2のフランジの第2の孔を通り案内される。ダンパ・ピストン・ロッドの各々は好ましくはストッパを含み、ストッパはストッパがそれぞれのフランジと接触するとき、それぞれのピストン・ロッドがそれぞれの孔を通り抜けるのを妨げる。この実施形態は、第1の流体ダンパおよび第2の流体ダンパのうちの1つのみが静止位置から外れた任意の位置の上記構成要素の運動を減衰することを、特に簡便な方式で生じさせ得る。
【0044】
例えば、上記構成要素が静止位置から第1の方向に動かされる場合、第1の流体ダンパのストッパは、それぞれのフランジに当接し、第1の横ダンパのダンパ・ピストン・ロッドを第1の流体ダンパ内に挿入させ、減衰効果をもたらしてもよく、第2の流体ダンパのダンパ・ピストン・ロッドは、第2の流体ダンパのダンパ・ピストン・ロッドを第2の流体ダンパに挿入せずに、それぞれのフランジの孔を通って自由に摺動してもよい。
【0045】
第1の流体ダンパおよび/または第2の流体ダンパは好ましくは、上記構成要素を静止位置に強制的に位置させるために、例えば流体リザーバの反動チャンバ内の反動流体の圧力により、与圧される。このようにして、上記構成要素は各運動の後に確実に静止位置に戻ることで、上記構成要素が静止位置から外れた不定位置に残ることで起き得る任意の問題を回避する。
【0046】
本発明の様々な実施形態の下記の説明および添付の図面は例示を目的として提示されるが、網羅的であることまたは開示される実施形態に限定されることは意図されない。
【0047】
図1
図1は、本発明による減衰システム100の流体リザーバ120の長手方向軸RAに沿った概略縦断面を示す図である。
【0048】
流体リザーバ120は、流体リザーバ120の内部体積を、減衰流体、例えば作動油を内包する減衰チャンバ123および反動流体、例えば空気を内包する反動チャンバ124に分割するリザーバ・ピストン122を含む。流体リザーバ120のリザーバ・ピストン122は、流体リザーバ120の減衰チャンバ123へ延びるリザーバ・ピストン・ロッド132を含む。
【0049】
リザーバ・ピストン・ロッド132を含むリザーバ・ピストン122は、減衰チャンバ123の体積を増加させ反動チャンバ124の体積を減少させる圧縮方向CDに運動可能である。さらに、リザーバ・ピストン122は、減衰チャンバ123の体積を減少させ反動チャンバ124の体積を増加させる膨張方向DDに運動可能である。例えば、圧縮方向CDおよび膨張方向は、流体リザーバ120の長手方向軸RAに沿って互いに反対方向に方向付けられる。
【0050】
リザーバ・ピストン・ロッド132を含むリザーバ・ピストン122は、減衰チャンバ123に対向する減衰チャンバ表面128、および反動チャンバ124に対向する反動チャンバ表面129を含み、減衰チャンバ表面128の表面積は反動チャンバ表面129の表面積よりも好ましくは小さい。
【0051】
減衰システム100は好ましくは、減衰システムの少なくとも1つの流体ダンパ(図示せず)の減衰体積を流体リザーバ120の減衰チャンバ123に流体導通するように連結する流体導管130を含む。
【0052】
減衰システム100は好ましくは、反動チャンバ124内の反動流体の圧力を調節するために流体リザーバ120の反動チャンバ124に流体導通するように連結されるポンプ140を含む。
【0053】
流体リザーバ120の減衰チャンバ123は好ましくは、流体リザーバ120の長手方向軸RAに直交する、流体リザーバ120の反動チャンバ124よりも小さい直径を有する。
【0054】
流体リザーバ120の減衰チャンバ123および反動チャンバ124を区画している、流体リザーバ120の横リザーバ壁131、例えば流体リザーバ120の長手方向軸RAを包囲する円筒壁は、反動チャンバ124における壁厚よりも厚い壁厚を減衰チャンバ123において有していてもよい。
【0055】
図2
図2は、本発明による減衰システム100の概略図である。
【0056】
図1に示されるように設計され得る流体リザーバ120に加えて、減衰システム100は、第1の流体ダンパ110aおよび第2の流体ダンパ110bの減衰体積を流体リザーバ120の減衰チャンバに流体導通するように連結する導管130、130a、130b、例えば分岐ホースを含む。
【0057】
流体ダンパ110a、110bの各々は、それぞれのダンパ・ピストン(図示せず)に取り付けられ、流体ダンパ110a、110bから案内されるダンパ・ピストン・ロッド115a、115bを含む。流体ダンパ110a、110bの各々は、流体ダンパ110a、110bを第1の構成要素(図示せず)に固定するためのダンパ固定手段109a、109bを含む。ダンパ・ピストン・ロッド115a、115bの各々は、ダンパ・ピストン・ロッド115a、115bを第2の構成要素(図示せず)に固定するためのロッド固定手段108a、108bを含む。このようにして、流体ダンパ110a、110bは第2の構成要素に対する第1の構成要素の運動を減衰できる。
【0058】
図3
図3は、本発明による別の減衰システム100の概略図である。
【0059】
図3に示される減衰システム100は、ダンパ・ピストン・ロッド115a、115bの各々がロッド固定手段108a、108bの代わりにストッパ119a、119bを含むという点で、
図2に示されるものとは異なる。ストッパ119a、119bは、ストッパ119a、119bがそれぞれのフランジと接触するとき、それぞれのピストン・ロッド115a、115bが第2の構成要素のフランジの孔を通り抜けるのを妨げるように設計されている。
【符号の説明】
【0060】
100 減衰システム
108 ロッド固定手段
109 ダンパ固定手段
110 流体ダンパ
115 ダンパ・ピストン・ロッド
119 ストッパ
120 流体リザーバ
122 リザーバ・ピストン
123 減衰チャンバ
124 反動チャンバ
128 減衰チャンバ表面
129 反動チャンバ表面
130 流体導管
131 横リザーバ壁
132 リザーバ・ピストン・ロッド
140 ポンプ
RA 流体リザーバの長手方向軸
CD 圧縮方向
DD 膨張方向
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減衰システム(100)であって、
a.減衰流体を内包する減衰体積を
各々が含む
第1の流体ダンパ(110a)および第2の流体ダンパ(110b)と、
b.
単一の流体リザーバ(120)であって、前記
単一の流体リザーバ(120)の内部体積を、前記減衰流体を内包する減衰チャンバ(123)および反動流体を内包する反動チャンバ(124)に分割するリザーバ・ピストン(122)を含む
単一の流体リザーバ(120)と
、
c.
前記第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)の前記減衰体積を前記単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)に流体導通するように連結する流体導管(130)とを備え、
d.前記リザーバ・ピストン(122)が、前記減衰チャンバ(123)の体積を増加させ前記反動チャンバ(124)の体積を減少させる圧縮方向(CD)に運動可能であり、
e.前記リザーバ・ピストン(122)が、前記減衰チャンバ(123)の前記体積を減少させ前記反動チャンバ(124)の前記体積を増加させる膨張方向(DD)に運動可能
であり、
f.前記リザーバ・ピストン(122)が、前記減衰チャンバ(123)に対向する減衰チャンバ表面(128)、および前記反動チャンバ(124)に対向する反動チャンバ表面(129)を含み、
g.前記減衰チャンバ表面(128)の表面積が前記反動チャンバ表面(129)の表面積よりも小さい、減衰システム(100)。
【請求項2】
前記減衰システム(100)が、前記反動チャンバ(124)内の前記反動流体の圧力を調節するために前記
単一の流体リザーバ(120)の前記反動チャンバ(124)に流体導通するように連結されるポンプ(140)を含む、
請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項3】
前記
単一の流体リザーバ(120)の前記リザーバ・ピストン(122)が、前記
単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)へ延びるリザーバ・ピストン・ロッド(132)を含む、
請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項4】
前記
単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)が、前記
単一の流体リザーバ(120)の前記反動チャンバ(124)よりも小さい直径を有する、
請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項5】
前記
単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)および前記反動チャンバ(124)を区画している前記
単一の流体リザーバ(120)の横リザーバ壁(131)が、前記減衰チャンバ(123)および前記反動チャンバ(124)において同一の壁厚を
有する、
請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項6】
前記単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)および前記反動チャンバ(124)を区画している前記単一の流体リザーバ(120)の横リザーバ壁(131)が、一体となって作られている、請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項7】
前記
単一の流体リザーバ(120)が前記反動チャンバ(124)の体積を調節するための調節手段を含む、
請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項8】
前記
単一の流体リザーバ(120)の横リザーバ壁(131)が、前記
単一の流体リザーバ(120)の前記横リザーバ壁(131)と前記リザーバ・ピストン(122)との間の摩擦を低減するための低摩擦表面層を含む、
請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項9】
a.前記
第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)の各々がダンパ・ピストンを含み、
b.前記ダンパ・ピストンが、前記
それぞれの流体ダンパ(110
a、110b)の前記減衰体積を後チャンバおよび前チャンバに分割し、
c.前記
単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)が、前記前チャンバに流体導通するように連結され、
d.前記ダンパ・ピストンが、前記後チャンバの体積を増加させ前記前チャンバの体積を減少させる挿入方向(ID)に運動可能であり、
e.前記ダンパ・ピストンが、前記後チャンバの体積を減少させ前記前チャンバの体積を増加させる抜去方向(ED)に運動可能である、
請求項1に記載の減衰システム(100)。
【請求項10】
前記
第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)の各々が、前記後チャンバを前記前チャンバに流体導通するように連結する少なくとも1つの越流水路を含む、請求項9に記載の減衰システム(100)。
【請求項11】
a.前記
第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)が、前記後チャンバから前記前チャンバへのみ前記減衰流体が流れることを可能にする第1の越流水路(116a)と、前記前チャンバから前記後チャンバへのみ前記減衰流体が流れることを可能にする第2の越流水路(116b)とを
各々含み、
b.前記第1の越流水路(116a)が前記減衰流体に対して前記第2の越流水路(116b)とは異なる流動抵抗を有する、請求項10に記載の減衰システム(100)。
【請求項12】
前記
単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)が、前記
第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)の前記後チャンバおよび前記前チャンバに流体導通するように連結される、
請求項9に記載の減衰システム(100)。
【請求項13】
前記減衰システム(100)が、前記
第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)の前記後チャンバと前記前チャンバとの間の前記減衰流体の流れを調節するための少なくとも1つの越流弁を含む、
請求項9に記載の減衰システム(100)。
【請求項14】
前記第1の流体ダンパ(110a)および前記第2の流体ダンパ(110b)の各々の
前記前チャンバのみが、前記
単一の流体リザーバ(120)の前記減衰チャンバ(123)に流体導通するように連結される、
請求項9に記載の減衰システム(100)。
【請求項15】
a.前記減衰システム(100)が、静止位置から第1の方向および第2の方向に変位可能なある構成要素の運動を減衰するように構成されており、
b.前記第1の流体ダンパ(110a)が、前記構成要素が前記静止位置から前記第1の方向に変位されるとき、前記構成要素の運動を減衰するように構成されており、
c.前記第2の流体ダンパ(110b)が、前記構成要素が前記静止位置から前記第2の方向に変位されるとき、前記構成要素の運動を減衰するように構成されている、請求項14に記載の減衰システム(100)。
【国際調査報告】