(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】能動的聴診を実施し、音響信号および/またはソニックエネルギー測定値を検出するためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/08 20060101AFI20240801BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61B8/08
A61B5/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502621
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037518
(87)【国際公開番号】W WO2023003833
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524020939
【氏名又は名称】サマイ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥンドゥアガ,マリア
【テーマコード(参考)】
4C038
4C601
【Fターム(参考)】
4C038SV05
4C601FF20
4C601GA01
(57)【要約】
能動的聴診を実施するためのデバイスにおいて、主要本体と、本体取り付け構造と、1つまたは複数のウイングとを備え、前記主要本体が、メモリと、バッテリと、IMUと、トランシーバと、DSPとを備え、前記1つまたは複数のウイングが、マイクロホンウイングとスピーカウイングとを備え、前記マイクロホンウイングが、1つまたは複数のマイクロホンを備え、前記スピーカウイングが、スピーカを備え、前記1つまたは複数のウイングが、温度センサを備え、前記主要本体が、前記本体取り付け構造と係合するように構成され、前記本体取り付け構造が、第1の側で前記主要本体に、第2の側で動物の身体と係合するように構成される、能動的聴診を実施するためのデバイス。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動的聴診を実施するためのデバイスにおいて、
コントローラから受信された電気信号に応答して音響信号を患者の皮膚内に投影するように構成されたスピーカを収容するスピーカウイングハウジングと、
前記患者の皮膚から出現する検出音響信号を検出し、前記検出音響信号を前記コントローラに伝達するように構成されたマイクロホンを収容するマイクロホンウイングハウジングと、
第1のカップリングによって前記マイクロホンウイングハウジングに物理的および通信可能に結合され、第2のカップリングによって前記スピーカウイングハウジングに物理的および機械的に結合された主要本体ハウジングであって、前記主要本体ハウジングは、
前記コントローラおよびメモリに通信可能に結合されたトランシーバであって、前記トランシーバは、前記検出音響信号を外部デバイスに伝達し、前記外部デバイスから命令を受信するように構成され、
前記メモリは、前記コントローラおよび前記トランシーバに通信可能に結合され、前記メモリは、前記トランシーバから命令を受信し、前記コントローラによる実行のための命令のセットを記憶するように構成され、
前記コントローラは、前記メモリ内に記憶された命令に応答して電気信号を生成し、前記電気信号を前記スピーカに伝達し、前記マイクロホンから前記検出音響信号を受信し、前記検出音響信号を前記トランシーバに伝達するように構成される、トランシーバと、
前記スピーカ、前記マイクロホン、前記トランシーバ、前記メモリ、および前記コントローラに電気的に結合されたバッテリであって、電力を前記スピーカ、前記マイクロホン、前記トランシーバ、前記メモリ、および前記コントローラに提供するように構成される、バッテリとを備える、主要本体ハウジングとを備える、能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項2】
前記コントローラが、ノイズを除去するために前記検出音響信号を事前処理するようにさらに構成される、請求項1に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項3】
前記スピーカウイングハウジングが、複数のスピーカのアレイを収容する、請求項1または2に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項4】
前記マイクロホンウイングハウジングが、複数のマイクロホンのアレイを収容する、請求項1、2、または3に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項5】
前記主要本体ハウジングが、可撓性ヒンジによって第2のセクションに物理的に結合された第1のセクションを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項6】
前記マイクロホンウイングハウジング、スピーカウイングハウジング、および主要本体ハウジングのうちの少なくとも1つの表面が、弾性バンド、スリーブ、ガーメント、および接着剤のうちの少なくとも1つによって前記患者の皮膚に音響的に結合されるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項7】
前記第1のカップリングおよび前記第2のカップリングのうちの少なくとも1つが、可撓性であり、デバイスは、前記第1のカップリングおよび前記第2のカップリングのうちの前記少なくとも1つの可撓性によって湾曲するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項8】
前記メモリが、前記検出音響信号を記憶するようにさらに構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項9】
前記デバイスの動きを検出するための動作検出器をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の能動的聴診を実施するためのデバイス。
【請求項10】
前記コントローラが、前記動作検出器からの検出された動きの受信に応答して前記スピーカおよび前記マイクロホンの較正を実施するようにさらに構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
能動的聴診を実施するための方法において、
第1の検出音響信号をプロセッサによって受信するステップであって、前記第1の検出音響信号は、能動的聴診デバイスの着用者の胸郭内に投影された第1の入射音響信号に対応する、ステップと、
前記着用者が動いたという表示を前記プロセッサによって受信するステップと、
前記着用者が動いたという前記表示の受信に応答して、前記能動的聴診デバイスの較正シーケンスの実施を前記プロセッサによって開始するステップと、
第2の検出音響信号を前記プロセッサによって受信するステップであって、前記第2の検出音響信号は、前記能動的聴診デバイスの前記着用者の胸郭内に投影された第2の入射音響信号に対応し、前記第2の検出音響信号および前記第2の入射音響信号は、前記較正シーケンスの実施により、それぞれの前記第1の検出音響信号および前記第1の入射音響信号とは異なる、ステップと、
前記第1の検出音響信号および前記第2の検出音響信号を前記プロセッサによって分析するステップと、
前記分析を使用して着用者の肺の特徴を前記プロセッサによって決定するステップと、
前記特徴の表示を前記プロセッサによってユーザに提供するステップとを含む、方法。
【請求項12】
前記着用者の肺の事前に決定された特徴を前記プロセッサによって受信するステップと、
前記着用者の肺の前記特徴と前記着用者の肺の前記事前に決定された特徴とを前記プロセッサによって比較するステップと、
前記比較の表示を前記プロセッサによって前記ユーザに提供するステップとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記着用者の肺の前記特徴が、音響肺シグネチャである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に閉じ込められた空気のボリュームである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気のポケットの数である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットのサイズである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットの位置である、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記着用者の肺の事前に決定された特徴が、第1の音響肺シグネチャであり、前記着用者の肺の前記特徴が、第2の音響肺シグネチャである、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記着用者の肺の前記事前に決定された特徴が、前記着用者の肺内に閉じ込められた空気の第1のボリュームであり、前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に閉じ込められた空気の第2のボリュームである、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記着用者の肺の前記事前に決定された特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気のポケットの第1の数であり、前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気のポケットの第2の数である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記着用者の肺の前記事前に決定された特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットの第1のサイズであり、前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットの第2のサイズである、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記着用者の肺の前記事前に決定された特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットの第1の位置であり、前記着用者の肺の前記特徴が、前記着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットの位置である、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年7月19日に出願された、「SYSTEMS、DEVICES、AND METHODS FOR PERFORMING ACTIVE AUSCULTATION AND DETECTING SONIC ENERGY MEASUREMENTS」と題する米国仮特許出願第63/222、506号の国際特許出願であり、それに対する優先権を主張するものであり、この文献は、本明細書に全体的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、動物の体内の器官、典型的には心臓または肺の状態を決定するために能動的聴診を実施するためのシステム、デバイス、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの人々は、内臓器官の機能に関連する健康上の問題を有している。特に、空気閉じ込めとして観察され得る、人の肺の内部空気コンパートメントに対する変化は、いつ処置が必要とされ得るかに関する重要な洞察を提供し得る。吐き出し後に肺内に残存する空気のボリュームの異常な増加として定義される空気閉じ込めは、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)(COPD)のキーとなる特性である。現在、空気閉じ込めは、従来のスパイロメトリ尺度より早期の、より高い感受性の高い肺機能不全のマーカであることが数多くの調査で示されている。たとえば、空気閉じ込めは、数年後にCOPDと診断される、正常なスパイロメトリを有し、COPD症状を有さない人において検出することができる。
【0004】
聴診は、動物の体内の器官、典型的には心臓または肺の状態を決定するために使用される。大抵は胸または背中を手で軽く叩くことによって、信号が身体内に導入される。この信号は、関心の器官(典型的には肺)と相互作用した後、聴診器によって検出され、医療施術者によって解釈される。検出された信号を分析することにより、器官の状態を決定することができる。
【0005】
重要なことに、空気閉じ込めの正確な監視は、現時点では、医療施術者、または異常な空気閉じ込めを決定する訓練を受けた人による能動的な監視を必要とする。これは、徐々に悪化する状態の毎日の監視を極めて難しくするため、特に問題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、個体の身体および/または組織(たとえば肺組織)内に含まれる空気ポケットを測定するように構成されたデバイスを対象とする。1つの実施形態では、1つまたは複数の周波数の音波などの信号が、個体内に投影されてもよく、応答する音響信号が、マイクロホンによって検出され、測定されてもよく、それにより、たとえば、入射信号の屈折および反射が、測定され、または別の形で決定され得る。いくつかの実施形態では、これは、個体の身体内の空気ポケットの測定および監視を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、デバイスはまた、信号の発信、反射、および屈折に関する測定値を受信および記憶するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、電源と、設定された時間期間のデータを記録するのに十分なメモリモジュールとを備えてもよく、設定された時間期間は、本明細書の以下で説明するように、外部デバイスへのデータアップロード/ダウンロード間の時間に対応する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示のデバイスは、無線電子通信方法などによって、別個または外部の電子デバイスと電子通信していてもよい。いくつかの無線電子通信方法は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi通信、および他の無線信号を含んでもよい。1つの実施形態では、外部電子デバイスは、スマートフォン、タブレットまたは他のスマートデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、本開示のデバイスは、インターネット、イントラネット、または任意の他のネットワーク通信プロトコルを介して外部の電子デバイスと通信してもよい。
【0008】
1つの実施形態は、能動的聴診を実施するためのデバイスにおいて、主要本体と、本体取り付け構造と、1つまたは複数のウイングとを備え、前記主要本体が、メモリと、バッテリと、IMUと、トランシーバと、DSPとを備え、前記1つまたは複数ウイングが、マイクロホンウイングとスピーカウイングとを備え、前記マイクロホンウイングが、1つまたは複数のマイクロホンを備え、前記スピーカウイングが、スピーカを備え、前記1つまたは複数のウイングが、温度センサ、心電図デバイス、血液酸素センサ、オキシメータ、組織酸素センサ、皮膚導電性センサなどの1つまたは複数のセンサおよび/またはデバイスを備え、前記主要本体が、前記本体取り付け構造と係合するように構成され、前記本体取り付け構造が、第1の側で前記主要本体と、第2の側で動物の身体と係合するように構成される、能動的聴診を実施するためのデバイスであってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、能動的聴診を実施するためのデバイスは、個体の身体に固着されてもよく、高解像度および/または低解像度データ測定値を周期的に記録してもよい。いくつかの実施形態では、能動的聴診を実施するためのデバイスによって記録されたデータは、無線通信方法を介して、携帯電話などの別個の電子デバイスに送信されてもよい。好ましい実施形態では、デバイスは、たとえばバッテリおよびメモリユニットの容量に基づいて許容可能となり得る、できるだけの多くのデータをできるだけ高い品質で記録してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、着用者についてのセンサデータは、経時的に収集されてもよく、その後検出されたセンサデータは、事前に検出されたセンサデータと比較されて、たとえば、着用者の医学的状態の改善または悪化を示し得るこれらの間の相違が決定されてもよい。追加的または代替的に、センサデータの1つまたは複数の特徴が、決定されてもよく、これらの特徴は、たとえば、着用者を診断するためにおよび/またはいつ着用者の有害事象が起こりやすいかを予測するために使用され得る類似性またはパターンを推測するために、着用者の特徴を他の特徴とどのようにして比較するかを決定するために、互いにおよび/または特徴付けのための所定の値と比較されてもよい。
【0011】
追加的または代替的に、いくつかの場合、信号内に含まれる持続時間、強度、および/または周波数は、たとえば、受信音響信号の決定された特徴および/または十分にクリアな受信音響信号の欠如に応答して調整されてもよい。
【0012】
能動的聴診を実施するためのデバイスは、マイクロホンウイングハウジングと、スピーカウイングハウジングと、主要本体ハウジングとを含んでもよい。マイクロホンウイングハウジング、スピーカウイングハウジング、および/または主要本体ハウジングの表面は、たとえば、接着剤、弾性バンド、スリーブ、および/またはガーメント(たとえば、デバイスは、シャツまたはブラの生地に一体化される)を介して、患者の皮膚に機械的および/または音響的に結合されるように構成されてもよい。
【0013】
スピーカウイングハウジングは、コントローラからの命令および/または電気信号の受信に応答して、1つまたは複数の音響信号を患者の皮膚内に肺または肺の領域などの標的組織に向けてそれぞれ投影するように構成されたスピーカまたはスピーカアレイを収容してもよい。
【0014】
マイクロホンウイングハウジングは、患者の皮膚および下にある標的組織から出現する検出音響信号を検出し、検出音響信号をコントローラに伝達するように構成されたマイクロホンまたはマイクロホンアレイを収容してもよい。
【0015】
主要本体ハウジングは、第1の可撓性カップリングを介して、マイクロホンウイングハウジングおよび/またはその内部に収容された構成要素に物理的、電気的、および/または通信可能に結合されてもよく、ならびに/または第2の可撓性カップリングを介して、スピーカウイングハウジングおよび/またはその内部に保管された構成要素に物理的、電気的、および/または機械的に結合されてもよい。主要本体ハウジングは、トランシーバと、メモリと、コントローラと、バッテリとを含んでもよい。
【0016】
トランシーバは、コントローラおよびメモリに通信可能に結合されてもよく、検出音響信号を外部デバイスに伝達し、外部デバイスから命令を受信するように構成されてもよい。メモリは、コントローラおよびトランシーバに通信可能に結合されてもよく、トランシーバから命令を受信し、コントローラによる実行のための命令のセットを記憶し、デバイスおよび/またはその構成要素によってとられた1つまたは複数の測定値を記憶するように構成またはプログラムされてもよい。コントローラは、メモリ内に記憶された命令に応答して電気信号を生成し、この電気信号をスピーカに伝達し、マイクロホンから検出音響信号を受信し、検出音響信号をトランシーバに伝達するように構成またはプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、たとえば、トランシーバへの伝達前にノイズを除去するために、検出音響信号を事前処理するようにさらに構成される。バッテリは、スピーカ、マイクロホン、トランシーバ、メモリ、およびコントローラに電気的に結合されてもよく、それらに電力を提供するように構成されてもよい。
【0017】
本明細書において開示する能動的聴診を実施するためのシステム、デバイス、および/または方法は、少なくとも1つのスピーカと1つのマイクロホンとを含む能動的聴診デバイスの着用者の胸郭内に投影された第1の入射音響信号に対応し得る第1の検出音響信号または検出(det)のセットを受信するように構成またはプログラムされてもよい。任意選択で、着用者が動いたという表示が受信されてもよく、能動的聴診デバイス(たとえば、能動的聴診デバイス内に含まれるマイクロホンおよび/またはスピーカ)に対する較正シーケンスの実施が、着用者が動いたという表示の受信に応答して開始されてもよい。ユーザの動きは、たとえば、能動的聴診デバイス内にある、および/またはこれに結合された動作センサまたは慣性運動ユニットによって検出されてもよい。動きは、それだけに限定されないが、着用者の呼吸、歩行、または姿勢の変更(たとえばベッドで寝返りを打つ)を含む。
【0018】
第2の検出音響信号もまた、受信されてもよい。第2の検出音響信号は、能動的聴診デバイスの着用者の胸郭内に投影された第2の入射音響信号に対応してもよい。第2の検出音響信号および第2の入射音響信号は、較正シーケンスの実施により、第1の検出音響信号および第1の入射音響信号それぞれと異なっていてもよい。
【0019】
第1および第2の検出音響信号は、分析に基づいて、着用者の肺、肺領域、および/または両方の肺の1つまたは複数の特徴を決定するために処理および/または分析されてもよい。特徴の表示は、次いで、たとえばコンピュータデバイスのディスプレイを介してユーザに提供されてもよい。いくつかの実施形態では、この特徴は、着用者の肺の同じ、または異なるタイプの事前に決定された特徴と比較されて、その間の相違が決定されてもよい。事前に決定された特徴は、任意の前の時点(たとえば10秒、20分または1年前)で決定されていてもよく、それにより、着用者の肺の特徴は、その変化を評価するために互いに比較され得る。これらの変化は、毎秒、毎分(たとえば、呼吸療法または運動の実施の前後)、毎日、毎月、および/または毎年(たとえば、毎年の健康診断の一部とする)に起こり得るため、着用者の肺は、経時的な、および/または異なる状況における、および/または異なる角度からの着用者の肺および/または呼吸器の健康状態の意義のある評価、監視および/または診断をもたらし得る頻度/スケジュールで、監視され得る。
【0020】
着用者の肺の例示的に決定された、および/または事前に決定された特徴は、音響的肺シグネチャ、着用者の肺内に閉じ込められた空気のボリューム、着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気のポケットの数、着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットのサイズ、着用者の肺内に存在する閉じ込められた空気の1つまたは複数のポケットの位置を含む。
【0021】
本発明は、添付の図において限定的ではなく例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、ダークスポットとして画像101に示されている、内部に閉じ込められた少量の空気を有する比較的健康な肺の走査画像である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、閉じ込められた空気の複数のポケットまたはボリュームを含むCOPDに罹患している肺の走査画像である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、左右の肺がモデル化または近似され得る例示的な方法のモデル図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態と合致する、本発明の方法をインスタンス化するコンピュータ可読命令が記憶および実行され得る、ネットワーク化されたシステムの例示的な構成要素を示すブロック図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態と合致する、本発明の方法をインスタンス化するコンピュータ可読命令が記憶および実行され得るシステムの例示的な構成要素を示すブロック図である。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態と合致する、例示的な能動的聴診デバイスの例示的な構成要素を示すブロック図である。
【
図2D】本発明のいくつかの実施形態による、第1の例示的なマイクロホンアレイのブロック図である。
【
図2E】本発明のいくつかの実施形態による、第2の例示的なマイクロホンアレイのブロック図である。
【
図2F】本発明のいくつかの実施形態による、第3の例示的なマイクロホンアレイのブロック図である。
【
図2G】本発明のいくつかの実施形態による、第4の例示的なマイクロホンアレイのブロック図である。
【
図2H】本発明のいくつかの実施形態による、第1の例示的なスピーカアレイのブロック図である。
【
図2I】本発明のいくつかの実施形態による、第2の例示的なスピーカアレイのブロック図である。
【
図2J】本発明のいくつかの実施形態による、第3の例示的なスピーカアレイのブロック図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な能動的聴診デバイスの上面図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、
図3Aの例示的な能動的聴診デバイスの側面図である。
【
図3C】本発明のいくつかの実施形態による、取り外し可能な主要本体がクレードル内に着座していない別の例示的な能動的聴診デバイスの上面図である。
【
図3D】本発明のいくつかの実施形態による、
図3Cの能動的聴診デバイスの側面図である。
【
図3E】本発明のいくつかの実施形態による、取り外し可能な主要本体ハウジングの底面図である。
【
図3F】本発明のいくつかの実施形態による、取り外し可能な主要本体がクレードル内に着座している
図3Cの能動的聴診デバイスの側面図である。
【
図3G】本発明のいくつかの実施形態による、ヒンジ留めされた例示的な能動的聴診デバイスの上面図である。
【
図3H】本発明のいくつかの実施形態による、
図3Gのヒンジ留めされた能動的聴診デバイスの側面図である。
【
図3I】本発明のいくつかの実施形態による、ヒンジ留めされた別の例示的な能動的聴診デバイスの上面図である。
【
図3J】本発明のいくつかの実施形態による、
図3Iのヒンジ留めされた能動的聴診デバイスの側面図である。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、能動的聴診デバイスが胸筋下方の胸に取り付けられている、例示的な着用者の図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、着用者の肺の近似から出現する音響エネルギー/波を測定するために使用されている例示的な能動的聴診システムの構成要素の図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、COPDを有さない着用者の肺からの検出音響信号のスペクトログラムの図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、
図5Aの着用者についての経時的なエネルギー変化またはエネルギー発生のスペクトログラムの図である。
【
図5C】本発明のいくつかの実施形態による、
図5Aの着用者が呼吸速度を1分あたり12ブレスまで増加させたときのその着用者についての検出音響信号を示す平滑化スペクトログラムの図である。
【
図5D】本発明のいくつかの実施形態による、検出音響信号についてのエネルギー発生の例示的な低減されたダイナミックレンジの別のスペクトラムグラムの図である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、着用者が1分あたり約12ブレスの速度で呼吸し、肺が重症のCOPDを有するときの着用者の肺からの検出音響信号の平滑化スペクトラムグラムの図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、
図6Aからの着用者の肺の低減されたダイナミックレンジ[-4:1]dBを示すスペクトログラムの図である。
【
図6C】本発明のいくつかの態様による、
図6Aの着用者の呼吸速度が増加するときの検出音響信号を示すスペクトラムグラムの図である。
【
図6D】本発明のいくつかの態様による、着用者の呼吸速度が1分あたり10ブレスまで低下したときの
図6Aの着用者の場合の検出音響信号を示すスペクトラムの図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、ラベル付けされた呼吸周期と推定された呼吸イベントを比較する散布図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による、能動的聴診を実施するための例示的なプロセスのステップを提供するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図を通じて、同じ参照番号および記号は、別途述べない限り、例証する実施形態の同様の特性、要素、構成要素、または部分を示すために使用される。さらに、次に、図を参照しながら本発明を詳細に説明するが、この説明は、例証的な実施形態に関連して行われる。付属の特許請求の範囲によって定義される本発明の真の範囲および趣旨から逸脱することなく、説明する実施形態に対して変更および改変を加えることができることが意図される。
【0024】
明細
COPDは、肺に影響する異種疾患または医学的状態についての包括用語である。COPDと診断された患者は、COPDの動作定義を与えることができるさまざまな異なる表現型(臨床的特性)およびエンド型(生理病理学的原因)を有し得、COPDは、典型的には、0.7以下の、1秒あたりの努力呼気量(FEV1)と努力肺活量(FVC)値との比のスパイロメトリ測定値、汚染物質(タバコ、家庭内の、空気)への関連する暴露に対する応答、および/または呼吸器症状(呼吸困難、せき、痰排出)によって、患者が肺梗塞を有するときに診断される。COPDはそのような幅広い範囲の症状および原因を包含し得るため、患者は、類似の背景、暴露履歴、および/またはスパイロメトリの見せかけ(spirometric affectation)を有するにもかかわらず、大きく異なる機能的状態、生活の質の損失、臨床的ニーズおよび予後を伴って、幅広い疾病重症度を有し得る。
【0025】
COPDの増悪(exacerbations)は、1つまたは複数の医学的処置および/または介入における変更および/またはその追加のニーズを及ぼす、症状重症度の臨床的に明らかな持続的な上昇として定義され得る。COPDの増悪は、COPD患者にかなり一般的なものであり、短期および長期的な患者の予後、ならびに患者の呼吸器の健康状態および全体的な幸福度の劣化に関与している。加えて、増悪の処置は、COPD患者に対するケアが入院による処置を必要とする場合、その総費用の高いシェアを占める。さらに、憎悪は、軽度の閉塞/軽度のCOPDを有する患者であっても存在することがあり、憎悪の2つ以上のエピソードを有する患者、または1年後に入院を必要とする患者として定義され得る増悪患者は、たとえば処置可能な形質アプローチに影響を受けやすい安定的な表現型のように挙動し得る。
【0026】
現在、COPD増悪の発症および/または発生を早期に正確な形で予測することができる臨床的に利用可能なバイオマーカは存在していない。スパイロメトリは、閉塞性肺疾患の確認に使用する最も広範囲の呼吸機能検査であるが、これには、多くの注意および欠点がある。たとえば、スパイロメトリが肺機能または閉塞の正確な尺度を提供するには、スパイロメトリは、典型的には、十分に訓練された人員によって呼吸機能検査室または診療所で実施される必要があり、高価な装置の使用を必要とし得る。したがって、スパイロメトリ測定は、訓練された専門家が検査を管理しながらであっても家庭内で実行することは難しく、頻繁な(たとえば毎日または毎週の)肺機能検査に適したツールではない。加えて、従来のスパイロメトリ方法によって提供されるFEV1について測定された値は、呼吸困難、治療効能、COPD増悪および/または死亡事象との相関付け(ある場合)には不十分であり、肺機能における増悪または低下の早期発症を検出または予測することはできない。したがって、COPDまたは呼吸器患者を正確に監視するために、肺機能の追加の測定値(ボディマス指数、気道閉塞度、呼吸困難、および運動の指数(BODE)、年齢、呼吸困難および閉塞の指数(ADO)指数、ならびに/または慢性閉塞肺疾患ステージ分類のグローバルイニシアティブ(GOLD)のステージ分類)がしばしば必要とされる。
【0027】
しかし、肺の健康状態の他のバイオマーカ、生理学的変数の測定および/または分析、ならびに/または画像ベースの測定は、予後および症状のサロゲートとして働き得る。1つの関心のバイオマーカは、空気閉じ込めによってしばしば引き起こされる肺過膨張(LH)である。空気閉じ込めは、完全に息を吐き出した後に肺内に残存する空気のボリュームとして理解され得る。閉じ込められた空気は、患者が完全に息を吐き出した後に肺組織の別個のポケットに含まれ得る。ほとんどのCOPD患者は、COPDの重症度、エンド型、または表現型にかかわらず、いくらかの空気閉じ込めを患っており/有しており、時には、空気閉じ込めは、診断される/暴露される個体における症状またはスパイロメトリ変化より先行することもあり得る。したがって、患者の肺内に閉じ込められた空気の監視は、疾患状態、呼吸器の健康状態、および/または患者の幸福度に関する貴重な情報を提供することができる。
【0028】
多くのケースでは、空気閉じ込めは、少なくとも2つの解剖学的および生理学的構成要素、すなわち、1)破損した肺組織または肺気腫における部分的に不可逆的で進行性のガス閉じ込め、および2)末梢気道の機能不全によって引き起こされるより動的で潜在的に可逆的なガス閉じ込めを絡め合わせた異種性プロセスである。これらの構成要素(および肺組織全体のポケット内に閉じ込められた空気のボリューム)は、たとえば、連続的な発作、老化、投薬、運動、および増悪によって、各患者において異なる割合で影響される。
【0029】
空気閉じ込めは、さまざまな現象によって引き起こされ得る。たとえば、場合によっては、空気閉じ込めは、肺気腫における組織破壊に関連付けられる肺実質の弾性収縮力の損失、および/または、たとえば慢性気管支炎で見られるような末梢気道の狭窄によって引き起こされ得る。患者の中には、肺気腫を有さない空気閉じ込めを有する者もいれば、優位肺気腫を伴う空気閉じ込めを有する者もいる。後者のグループ(空気閉じ込めおよび肺気腫)では、2つの基本的な表現型、同質性肺気腫および上葉優位肺気腫が存在する。
【0030】
大抵の場合、COPD患者における空気閉じ込めは、解剖学的表現型(たとえば、上葉優位肺気腫対同質性肺気腫)の点および(肺気腫および/または末梢気道の疾患に関連付けられる)生理学的な点において異種性のものであり、COPD患者において生じる空気閉じ込めのパターンおよび/または閉じ込められた空気のポケットは、これらの患者の予後をおおまかに決定するために使用され得る。他のケースでは、空気閉じ込め(または閉じ込められた空気ポケット)は、肺の解剖学的構造全体にわたって拡散して存在し得る。
【0031】
場合によっては、空気閉じ込めは、プレチスモグラフィ、ガス希釈技術、および胸部断層撮影などの、スパイロメトリより一層複雑でコストがかかる技術を使用して従来的に測定されている残気量と全肺気量(RV/TLC)との間の増強された関係として定義され得る。しかし、これらの技術を使用する複雑性および財政コストにより、これに行き着くのは、専門のヘルスケアセンターを訪れることができる厳選された人々に限定されており、大多数の患者および一般人が利用できることはめったにない。
【0032】
加えて、空気閉じ込めは、休息時および運動中の呼吸困難に良好に相関しており、これはさらに、増悪の過程において早期に現れる。したがって、空気閉じ込めの測定値は、呼吸困難およびCOPDの疾患進行に相関付けられ得る。
【0033】
したがって、スパイロメトリの言及した制限を克服することができ、個人化された処置のガイドラインとして働くことができる実用的な生理学的バイオマーカに対する差し迫ったニーズが存在する。さらに、死亡、機能および生活の質の劣化を回避し、また、COPD患者のケア、特にCOPD集団内の増悪の処置に関連付けられる経済的コストを低減するために、増悪の早期の予測器として作用することができる器具に対するニーズも存在する。こうしたニーズは、とりわけ、高価な装置、またはデバイス/システムを操作するために高い訓練を受けた人員を必要とすることなく、短い持続時間(たとえば数分または数時間)および長い持続時間(たとえば、数時間、数日間、数週間、または数カ月)にわたって着用者の肺内の閉じ込められた空気のボリュームを監視するように構成された、本明細書に開示するシステム、デバイス、および方法によって満たされ得る。本明細書に開示するシステムおよびデバイスは、たとえば、短期および/または長期の空気閉じ込めの傾向、ならびに、たとえば、外部刺激および/または患者が行う肉体的な運動に応答した他の肺の健康状態測定値を決定するために、また、たとえば、COPDが特定の集団において積極的に管理され得るようにおよび/またはCOPDの増悪が回避され得るように、傾向における逸脱を早期に、たとえば日単位で警告するために使用されてもよい。
【0034】
音響共鳴は、対象物または系(たとえば、個体の身体、身体部分(たとえば肺)またはその一部などの物理的対象物)が、系の自然振動周波数の1つまたは複数に整合する周波数において音波を増幅することができることである。対象物がその自然振動周波数に関連しない周波数におけるエネルギーによって励起される場合、エネルギーはすばやく消散する。しかし、その励起が対象物の自然振動周波数の1つを近似するとき、対象物は、この周波数において共鳴し、強く振動し始める。対象物の共鳴周波数は、一般に、広帯域信号(すなわち、多くの周波数からなるノイズ)、擬似ランダムに生成された周波数もしくは周波数の範囲、チップ信号(高強度および短い持続時間の音響信号)、および/またはホワイトノイズ信号で対象物を励起させることによって特定される。ほとんどのケースでは、対象物は、最低自然周波数またはその整数倍において共鳴する。
【0035】
空気閉じ込めまたは閉じ込められた空気は、吐き出し終了後に肺内、時として肺組織の別個のポケット内に残存する空気のボリュームの異常な増加として定義されてもよく、これは、COPDのキーとなる特性である。現在、多くの調査では、空気閉じ込めが、COPDなどの状態の従来のスパイロメトリ尺度より早期の、より感度が高い肺機能不全のマーカであることが示されている。たとえば、正常なスパイロメトリを有し、数年後にCOPDと診断されるCOPD症状を有さない人々において、空気閉じ込めを検出することができる。着用者/ユーザの肺内に閉じ込められた空気の程度またはボリュームは、本明細書では、空気閉じ込め指数と称され得る。
【0036】
図1Aは、ダークスポット110として画像101内に示される、内部のポケット内に閉じ込められた少量の空気を有する、比較的健康な肺の走査された画像101を提供する。
図1Bは、複数のダークスポット110として画像102内に示される、閉じ込められた空気の複数のポケットまたはボリュームを含む、COPDに罹患した肺の走査された画像102を提供する。画像101および102は、ダークスポット/閉じ込められた空気ポケット110のサイズを示すために、1cmスケールバーを含む。
【0037】
図1Cは、左肺105Aおよび右肺105Bがモデル化または近似され得る例示的なやり方のモデル103の図を提供する。モデル103は、1つまたは2つの開放端を有する複数のチューブ120で気管支を表し、閉じ込められた空気のボリュームを、球形、またはほぼ球形の閉じ込められた空気のボリューム/ポケット(本明細書では「空気ポケット」と称され得る)を表し得る円125として表す。モデル103のようなモデルは、肺を1つまたは複数の葉部に分割することなく生成されてもよい。追加的または代替的に、モデル103のようなモデルは、肺を2つ以上の葉部に分割する、および/またはチューブおよび球形を肺内の葉部または場所によってグループ化することによって生成されてもよい。
図1Cに示すモデルは、たとえば、閉じ込められた空気のポケットを示す画像101および/もしくは102のような画像、ならびに/または異なる角度からとられた肺の複数のX線画像、MRI画像、CT走査画像、PET走査画像などの肺に関する他の情報に基づいてもよい。モデル103では、肺105Aおよび/もしくは105Bならびに/または閉じ込められた空気ボリューム125の自然に起こる共鳴周波数は、2,000Hzから30,000Hzの範囲内で起こり得、このときこれらの大部分は、6,000Hzから15,000Hzの範囲内にある。
【0038】
本明細書では、音響エネルギー/信号を使用して、音響エネルギー/信号に対する組織および組織内のガス(たとえば、組織の別個のポケット内に閉じ込められた空気、または閉じ込められた空気)の応答に関する情報を測定し、記憶し、および/または報告するシステム、デバイス、および方法が開示される。多くのケースでは、音響エネルギーは、スピーカのようなエミッタを介して個体の身体(典型的には胸郭)内に投影され、結果として生じた音響波/エネルギーは、たとえば、マイクロホンのような検出器によって検出される。検出された音響波/エネルギーは、肺および他の器官組織内に閉じ込められたガス/空気のポケットの特徴(たとえば、数量、サイズ、ボリューム、組成、場所)を決定するために分析される。
【0039】
いくつかの場合、身体内に投影される音響波/エネルギーは、特定の周波数または周波数のセット(たとえば、狭帯域または広帯域スペクトラム)のものであってもよい。身体内に投影するための周波数のセットは、ランダムにおよび/または擬似ランダムに選択されてもよい。時には、音響エネルギーは、低周波数超音波に対応する周波数のセットであってもよく、これは、COPDおよび/または空気閉じ込めのケースでは、肺の健康状態を監視するためのケアの標準(たとえば、プレチスモグラフィ)より正確な肺の健康状態および/または空気閉じ込めを評価するための結果をもたらし得る。いくつかのケースでは、本明細書に開示するデバイスおよび方法は、肺の健康状態を評価する標準的な方法によって検出するには小さすぎる空気ポケットまたは閉じ込められた空気のボリュームを検出および/または監視するように構成されてもよい。たとえば、いくつかの状況では、早期段階のCOPDを有する肺および/または患者は、より深くおよび/またはより速く呼吸することによって、早期段階のCOPDによって引き起こされた肺活量の減少を補償することができることがある。これらの状況において、肺の健康状態を評価する標準的な方法は、早期段階のCOPD、ならびに/または診断未確定のCOPDおよび/もしくは効果的な早期介入処置の投与に繋がり得る少量の閉じ込められた空気を検出しないことがある。
【0040】
本明細書に開示するデバイスは、たとえば低周波数サウンドエミッタであってもよい1つまたは複数の音響エネルギーエミッタまたはスピーカと、
図4Aに示し、以下で論じるように胸に着用するハウジングまたは複数のハウジング内にあってもよい1つまたは複数の音響検出器またはマイクロホンとを含んでもよい。本明細書に開示するスピーカは、動物の身体(たとえば、人の肺、人の肺内の閉じ込められた空気ポケット)内で、好ましくは、音が身体中を進行するときに引き起こされ得るひずみを低減してまたは最小にして、音響共鳴を作りだすように構成されてもよい。本明細書に開示するデバイスは、たとえば、有線および/もしくは無線通信プロトコルならびに/またはインターネットもしくはWi-Fiネットワークのような通信ネットワークを介して、スマートフォンまたはコンピュータなどの外部処理デバイスに通信可能に結合するように構成されてもよい。外部処理デバイスは、たとえば、1つまたは複数のマイクロホンからの検出された音を受信し、共鳴周波数の存在について検出された音を分析し、および/または着用者の身体、肺、またはその一部について肺共鳴シグネチャ(LRS)を決定するように構成されたソフトウェアプログラム/アプリケーションを記憶していてもよい。
【0041】
着用者が経時的に監視されているとき、ソフトウェアプログラムは、着用者の身体、肺、またはその一部の特徴に対する変化を決定するために、異なる時間(たとえば、数時間、数日間、数週間、または数カ月ごとに)とられた測定値を比較するようにさらに構成されてもよい。これは、たとえば、着用者の挙動および/もしくは処置が着用者の状態にどのように影響を与え得るかを決定し、ならびに/または着用者の状態が悪化しており、たとえば、さらなる悪化を防止し、着用者をより快適にさせ、および/もしくは別の形で着用者の生活の質を改善するために介入(たとえば酸素の補充、投薬など)が必要となり得るときを決定するために、着用者の疾患進行を経時的に監視するのに有用になり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示するシステム、デバイス、および方法は、肺機能を確実に監視し、肺機能劣化を劣化サイクルの早期に検出するために使用されてもよく、それにより、低侵襲性で安価の処置が使用されて劣化を逆転または鈍化させ、それによってたとえば着用者のアウトカムを改善し、肺劣化を鈍化させ、死亡事象を回避し得る。たとえばCOPDの増悪中、着用者肺内の空気閉じ込めは、たとえば、1つまたは複数の閉じ込められた空気ポケットのサイズおよび/またはボリュームの変化および/または肺内の閉じ込められた空気ポケットの数の増加によって増加し、これはさらに着用者のLRSもさらに変化させ得ることが知られている。したがって、着用者のLRSを連続的および/または周期的に監視することにより、本明細書に開示するシステム、デバイス、および方法は、肺機能における変化を検出し、劣化の発生時に、好ましくは、着用者が病院に入院または再入院する必要があるか、または侵襲的処置が投与される必要がある前の適切な医学的介入に間に合うように、着用者および/または患者のケア提供者(たとえば、医師、看護師など)に警告するように構成することができる。追加的または代替的に、肺のパフォーマンスのリアルタイムのおよび/または長期的傾向を監視することにより、本明細書に開示するシステム、デバイス、および方法はまた、着用者、ケア提供者、および医療提供者が疾患のトリガを特定し、日周活動を計画し、投薬および他の処置の効能を評価するのを助けてもよい。いくつかのケースでは、肺のパフォーマンスもしくは他の生理系のこうしたリアルタイムのおよび/または長期的な監視は、1つまたは複数の検出器/マイクロホンによって検出された音響データのローカルおよび/もしくはクラウドベースの処理ならびに/または記憶を利用してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、LRSは、着用者の生理学的プロファイルを展開するために着用者の他の側面および/または特徴と組み合わせられてもよい。例示的な着用者の特徴は、それだけに限定されないが、年齢、性別、診断、疾患状態、体重、安静時心拍数、血圧、ヘモグロビン酸素飽和レベル、持久力、投与される処置、着用者の服薬履行率、着用者の知られているアレルギー、ならびに着用者特定の、および/またはその特定の着用者と同様の診断を有する着用者について知られている肺機能劣化機能トリガ(たとえば空気汚染、ストレスなど)を含む。
【0043】
図2Aは、本明細書に開示する1つまたは複数の方法を実施するために使用され得る例示的なシステム201のシステム図を提供する。システム201は、クラウドコンピューティングプラットフォーム21と、通信ネットワーク22と、コンピュータシステム23と、能動的聴診デバイス203と、データベース25と、着用者コンピュータデバイス27と、音響スペクトログラフ28とを含む。いくつかの実施形態では、システム201は、
図2Aに示すすべての構成要素を含まなくてもよく、および/または
図2Aに示されるもの以外の追加の構成要素を含んでもよいことが理解されよう。
【0044】
いくつかの場合、通信ネットワーク22は、インターネットである。追加的または代替的に、通信ネットワーク22は、たとえば、施設(たとえば病院、または医学的処置設備のシステム)内のプライベートネットワークであってもよい。システム201の構成要素は、有線および/または無線通信リンクを介して一緒に結合されてもよい。いくつかの場合、システム201の1つまたは複数の構成要素の無線通信は、比較的短い距離にわたって通信するように設計された、短距離無線通信プロトコル(たとえば、ブルートゥース(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)およびWi-Fi)を、たとえば以下で説明するようなコンピュータまたはパーソナル電子デバイス(たとえば、タブレットコンピュータまたはスマートフォン)と共に使用することによって可能にされてもよい。大抵の場合、システム201の構成要素間の通信は、1つまたは複数のセキュリティプロトコル、法規、ならびに/または、慎重に扱うべき個人特定および/もしくは健康管理データを保護し得る方針を順守し得る。
【0045】
クラウドコンピューティングプラットフォーム21は、情報を受信および/もしくは記憶し、ならびに/または本明細書に開示するプロセスの1つまたは複数を実行するように構成された任意のクラウドコンピューティングプラットフォーム21であってもよい。例示的なクラウドコンピューティングプラットフォームは、それだけに限定されないが、アマゾンウエブサービス(Amazon Web Service)(AWS)、ラックスペース(Rackspace)、およびマイクロソフトアズール(Microsoft Azure)を含む。
【0046】
コンピュータシステム23、能動的聴診デバイス203、および/または着用者コンピュータデバイス27は、たとえば、通信ネットワーク22を介してクラウドコンピューティングプラットフォーム21に対する通信端末として作用するように構成されてもよく、能動的聴診デバイス203によってとられた測定値および/または収集されたデータをクラウドコンピューティングプラットフォーム21に(直接的および/または間接的に)伝達してもよい。例示的なコンピュータシステム23および/または着用者コンピュータデバイス27は、ディスクトップおよびラップトップコンピュータ、サーバ、タブレットコンピュータ、パーソナル電子デバイス、モバイルデバイス(たとえばスマートフォン)などを含む。いくつかの場合では、コンピュータシステム23は、ディスプレイデバイスを含んでもよい。
【0047】
コンピュータシステム23、能動的聴診デバイス203、および/または着用者コンピュータデバイス27は、データベース25に通信可能に結合されてもよく、データベース25は、コンピュータシステム23および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム21についての命令のセットを記憶するように構成されてもよい。音響スペクトログラフ28は、音響信号または音響信号のセットを分析し、音響信号または音響信号のセットの、たとえば時間、周波数、および/または強度を二次元または三次元で生成して、
図5Aから5Dおよび/または6Aから6Dに示すスペクトログラフ画像などのスペクトログラフを生成することができ得るスペクトログラフであってもよい。
【0048】
1つまたは複数の構成要素(たとえば、データベース25、コンピュータシステム23、着用者コンピュータデバイス27、能動的聴診デバイス203、および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム21)は、機械可読命令を記憶し、および/または、たとえば通信ネットワーク22を介して機械可読命令を受信してもよく、機械可読命令は、プロセッサ(たとえばコンピュータシステム23のプロセッサ、着用者コンピュータデバイス27、能動的聴診デバイス203、および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム21)によって実行されたとき、1つまたは複数の方法、プロセス、および/または方法ステップを実施し、ならびに/または本明細書に開示する測定データを生成してもよい。
【0049】
図2Bは、本明細書に論じるコンピューティングシステム(たとえば、クラウドコンピューティングプラットフォーム21、コンピュータシステム23、着用者コンピュータデバイス27、能動的聴診デバイス203、および/またはオーディオスペクトログラフ28)のいずれかを表し得るシステム202の例を提供する。システム202の例は、スマートフォン、ディスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、組み込みシステムなどを含んでもよい。本明細書に開示するさまざまなコンピュータシステムのすべてが、システム202の特性のすべてを有するとは限らないことに留意されたい。たとえば、上記で論じたコンピュータシステムの特定のものは、コンピュータシステムに通信可能に結合されたクライアントコンピュータによってディスプレイ機能が提供され得るか、またはディスプレイ機能が不必要となり得る限り、ディスプレイを含まなくてもよい。そのような詳細は、本発明には重要ではない。
【0050】
システム202は、バス202または情報を伝達するための他の通信機構と、バス202に結合された、情報を処理するためのプロセッサ204とを含む。コンピュータシステム202はまた、バス202に結合された、情報およびプロセッサ204によって実行されるべき命令を受信および/または記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスなどのメインメモリ206を含む。メインメモリ206はまた、プロセッサ204によって実行されるべき命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステム202は、バス202に結合された、静的情報およびプロセッサ204についての命令を記憶するための読み取り専用メモリ(ROM)208または他の静的記憶デバイスをさらに含む。記憶デバイス210、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリベースの記憶媒体、またはプロセッサ204が読み取ることができる他の記憶媒体は、情報および命令(たとえば、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラムなど)を記憶するために設けられ、バス202に結合される。
【0051】
コンピュータシステム202は、情報をコンピュータユーザに表示するために、バス202を介してフラットパネルディスプレイなどのディスプレイ209に結合されてもよい。アルファベットおよび他のキーを含むキーボード、マウス、トラックパッド、および/またはタッチスクリーンなどの入力デバイス214が、情報、命令のセット、コマンド選択、方向情報、ジャスチャを伝達し、カーソルの動き/プロセッサ204へのユーザによる入力を制御するために、バス202に結合されてもよい。
【0052】
本明細書で言及するプロセスは、メインメモリ206内に含まれるコンピュータ可読命令の適切なシーケンスをプロセッサ204が実行することによって実装されてもよい。そのような命令は、記憶デバイス210などの別のコンピュータ可読記憶媒体からメインメモリ206に読み込まれてもよく、メインメモリ206内に含まれる命令のシーケンスの実行により、プロセッサ205は、関連するアクションを実施する。代替の実施形態では、配線接続された回路またはファームウェア制御される処理ユニットが、プロセッサ204およびその関連するコンピュータソフト命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用されて、本発明を実装してもよい。コンピュータ可読命令は、任意のコンピュータ言語でレンダリングされてもよい。
【0053】
全般的に、本明細書に提供するプロセスの説明のすべては、任意のコンピュータ実行可能アプリケーションの顕著な特徴である、所与の目的を達成するために連続的に実施される論理的ステップの任意の組を包含することを意味する。別途具体的に述べない限り、本発明の説明を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「表示する」、「受信する」、「送信する」などの用語の使用は、コンピュータシステム202または類似の電子コンピューティングデバイスなどの、そのレジスタおよびメモリ内の物理的(電子的)数量として表されるデータを操作し、そのメモリもしくはレジスタまたは他のそのような情報記憶装置、送信もしくはディスプレイデバイス内の物理的数量として同様に表される他のデータに変換する、適切にプログラムされたコンピュータシステムのアクションおよびプロセスを指すことを理解されたい。
【0054】
コンピュータシステム202はまた、バス202に結合された通信インターフェース218を含む。通信インターフェース218は、コンピュータネットワークを有するツーウエイ(tow-way)データ通信チャンネルを提供してもよく、それによって上記で論じたさまざまなコンピュータシステムとのおよびその中での接続性を提供する。たとえば、通信インターフェース218は、互換性LANとのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよく、そのLANはそれ自体、1つまたは複数のインターネットサービスプロバイダネットワークを通じてインターネットに通信可能に結合される。そのような通信パスの正確な詳細は、本発明には重要ではない。重要なことは、コンピュータシステム202が通信インターフェース218を通じてメッセージおよびデータを送り、受信することができ、そのようにして、インターネットを介してアクセス可能なホストと通信できることである。システム202の構成要素が、単一デバイス内に配置されてもよく、または物理的および/または地理的に分散された複数のデバイス内に配置されてもよいことが留意される。
【0055】
図2Cは、本明細書に開示する能動的聴診デバイスの1つまたは複数内に含まれ得る構成要素203の例示的なセットのブロック図である。構成要素203のセットはまた、本明細書では能動的聴診デバイス203と称されてもよい。能動的聴診デバイス203を構成する構成要素のセットは、主要本体ハウジング211内に収容される主要本体構成要素224のセットと、マイクロホンウイングハウジング222内に収容されるマイクロホンウイング構成要素205のセットと、スピーカウイングハウジング227内に収容されるスピーカウイング構成要素207のセットとを含む。
【0056】
マイクロホンウイング構成要素205のセットおよびマイクロホンウイングハウジング222は、第1の可撓性カップリング213Aを介して、主要本体構成要素224のセットおよび/または主要本体ハウジング211に機械的に、通信可能に、および/または電気的に結合されてもよく、この第1の可撓性カップリング213Aは、マイクロホンウイングハウジング205と主要本体ハウジング211の両方に物理的および/または機械的に取り付けられてもよく、マイクロホンウイング構成要素205のセットの1つまたは複数の構成要素を、たとえば、第1の可撓性カップリング213A内に埋め込まれたリード線を介して主要本体構成要素224のセットに電気的および/または通信可能に結合してもよい。スピーカウイング構成要素207のセットおよびスピーカウイングハウジング227は、第2の可撓性カップリング213Bを介して、主要本体構成要素224のセットおよび/または主要本体ハウジング211に機械的に、通信可能に、および/または電気的に結合されてもよく、この第2の可撓性カップリング213Bは、スピーカウイングハウジング207と主要本体ハウジング211の両方に物理的および/または機械的に取り付けられてもよく、スピーカハウジング構成要素207のセットの1つまたは複数構成要素を、たとえば、第2の可撓性カップリング213B内に埋め込まれたリード線を介して主要本体構成要素224のセットに電気的および/または通信可能に結合してもよい。第1および/または第2の可撓性カップリング213Aおよび213Bは、たとえば、能動的聴診デバイス203が着用者の身体の湾曲した、または凹凸のある部分(たとえば、胸または側面)に接着し得るようにその能動的聴診デバイス203の全体形状を曲げることを可能にするために、第1および/またはスピーカウイングハウジング227および227が主要本体ハウジング211に対して1つまたは複数の方向に関節運動することを可能にするように構成されてもよい。第1および/または第2の可撓性カップリング213Aおよび213Bは、それだけに限定されないが、コード、メッシュ、プラスチック、および/またはビニールケーブルカバリングを含む任意の可撓性材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1および/または第2の可撓性カップリング213Aおよび213Bは、たとえば、マイクロホンウイングハウジング222、スピーカウイングハウジング227、および/または主要本体ハウジング211内にあるスプールおよび/または拡張可能な材料(たとえば、ばねまたは拡張可能な発泡体)によって拡張可能であってもよい。
【0057】
能動的聴診デバイス203は、短い(たとえば5から20分)および/または長い(数日または数週間)持続時間の間着用者によって着用可能であるように構成されてもよい。能動的聴診デバイス203の下面は、たとえば
図2Bに示すように着用者の皮膚に取り付けるための、取り付け機構(たとえば接着剤または可撓性材料)または機構構成要素(たとえば、ストラップ、スリーブ、ハーネス、および/またはガーメントと共働するように構成された取り付け機構)を含んでもよく、これらは以下で論じる。時には、取り付け機構は、能動的聴診デバイス203の構成要素を外部で発生した音から絶縁するように構成された音響減衰装置および/または絶縁装置であってもよい。能動的聴診デバイス203の例示的な寸法は、幅1から5cm、長さ2から20cm、高さ0.3から2cmである。マイクロホンウイング構成要素205のセットおよびスピーカウイング構成要素207のセットは、主要本体構成要素224のセットに機械的、電気的、および/または通信可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203の1つまたは複数の部分は、取り外し可能であってもよく、および/または類似または異なる構成要素と交換可能であってもよい。
【0058】
いくつかの場合では、能動的聴診デバイスは、オン/オフボタン(図示せず)と、たとえば、光源であってもよいインジケータディスプレイデバイス258とをさらに備えてもよい。光源は、1つまたは複数の色で光を発信する発光ダイオード(LED)であってもよく、いくつかのケースでは、可変の色またはパターンの光が、能動的聴診デバイス203によって外部観察者に提供される異なる情報(たとえば、赤色光は、メモリ240がほとんど満杯であること、またはバッテリ245がほぼ放電されていることを示してもよく、緑色光は、能動的聴診デバイス203のすべの構成要素が適切に機能していることを示してもよい)に対応してもよい。オン/オフボタンは、能動的聴診デバイス203による測定をオンにする、オフにする、またはトリガするように構成されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203は、着用者の胸(たとえば胸筋の下方または肺上)または背中に固着されるように構成されてもよい。いくつかのケースでは、主要本体ハウジング211、マイクロホンウイングハウジング222、および/またはスピーカウイングハウジング227のセット間の機械的結合は、可撓性であってもよく、それにより、マイクロホンウイングハウジング222および/またはスピーカウイングハウジング227は、たとえば、着用者の胴体の湾曲および/または呼吸中の着用者の胴体の動きに対応するように主要本体ハウジング211に対して関節運動し、環境から能動的聴診デバイスへのノイズの侵入および能動的聴診デバイスから環境への音響信号の漏れを阻害する皮膚に密着したフィットを達成し得る。
【0060】
代替の実施形態では、マイクロホンおよびスピーカは、主要本体に組み込まれてもよく、ウイングは、能動的聴診デバイスの構成要素でなくてもよい。追加的または代替的に、能動的聴診デバイス203の1つまたは複数のウイング、または構成要素は、たとえば、第1および/または第2の可撓性カップリング213Aおよび/または213Bを介して、主要本体に物理的に結合されなくてもよい。これらの実施形態では、構成要素またはハウジング(たとえば、マイクロホンウイングハウジング222および/またはスピーカウイングハウジング227)は、主要本体ハウジングに物理的に取り付けられなくてもよく、たとえば近接場通信プロトコル(たとえばブルートゥース(登録商標))を介して、主要本体構成要素224のセットの1つまたは複数の構成要素に通信可能に結合されてもよい。いくつかのケースでは、能動的聴診デバイス203の1つまたは複数の構成要素は、たとえば、着用者の身体の異なる領域内に音響信号を投影すること、その領域から音響信号を検出すること、および/または音響信号を異なる角度で着用者の身体に投影することを容易にするために、主要本体ハウジング211に物理的に結合されていないときに着用者の身体内に位置決めされてもよい。いくつかのケースでは、検出音響信号の分析は、音響信号を投影するおよび/または音響信号を検出する構成要素が着用者の身体に位置決めされるところに基づく場所分析(たとえば三角測量)を組み込んでもよい。
【0061】
主要本体構成要素224のセットは、
図2Bに示すようにハウジング211内に収容された、メモリユニット240、(能動的聴診デバイス203の構成要素の一部またはすべてに電気的に結合された)電源245、デジタル信号プロセッサ(DSP)230、いくつかのケースではブルートゥース(登録商標)低エネルギー/マイクロコントローラユニット(BLE/MCU)であってもよいトランシーバ235、ポート255、インジケータディスプレイデバイス258、心電図(ECG)デバイス268、FIRアレイ247、DSP係数コントローラ249、慣性運動ユニット(IMU)250、および温度プローブ225を備えてもよい。マイクロホンウイング構成要素205のセットは、マイクロホンウイングハウジング222内に収容された1つまたは複数のマイクロホンのマイクロホンアレイ220を含んでもよい。スピーカウイング構成要素207のセットは、1つまたは複数のスピーカを含むスピーカアレイを含んでもよい。いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203は、たとえば、スピーカアレイ230の1つまたは複数のスピーカからの音が着用者に聞こえないように、その音を吸収するように構成され得る、減音材料(図示せず)を含んでもよい。追加的または代替的に、減音材料は、外部ノイズ(たとえば、周辺ノイズおよび/または、たとえば、呼吸および/または咳によって着用者によって生成されるノイズ)からマイクロホンアレイ220のマイクロホンを絶縁し、ならびに/またはマイクロホンアレイ220の第1のマイクロホンをマイクロホンアレイ220の第2のマイクロホンから音響的に分離するように構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203、マイクロホンウイングハウジング222、スピーカウイングハウジング227、第1の可撓性カップリング213Aおよび/または第2の可撓性カップリング213Bのすべてまたは一部は、これらが、たとえば、着用者の汗、ならびに/または、たとえば、能動的聴診デバイス203が着用されているとき(たとえば、着用者がシャワーを浴びているとき)および/または能動的聴診デバイス203が洗濯または洗浄されているときにさらされ得る水を通さないように、耐水性または防水性であってもよい。いくつかの実施形態では、主要本体構成要素224のセットは、能動的聴診デバイス203に取り外し可能に取り付けられてもよく、それにより、たとえば、主要本体構成要素224のセットおよび/または主要本体ハウジング211は、たとえば、電源245を再充電するために能動的聴診デバイス203から取り外されてもよく、および/または、たとえば、主要本体構成要素224のセットを交換するときに主要本体構成要素224の別のセットと交換されてもよい。いくつかの実施形態では、主要本体構成要素224のセットは、着用者が水に暴露される前、たとえばシャワーまたは水泳の前に一時的に取り外されてもよい。例示的な取り外し可能な主要本体ハウジング330の形態の取り外し可能/交換可能な主要本体構成要素の一例が、
図3Eに示され、以下で論じられる。
【0063】
スピーカアレイ230内に含まれるスピーカは、たとえば、DSP/コントローラ230によって起動されたときに、音響エネルギーおよび/または音響信号(本明細書では、時として発信音響信号と称される)を発信するように構成されてもよい。音響エネルギー/信号は、たとえば、特定の周波数、または周波数のセットのもの、典型的には100Hzから25KHzの範囲内であってもよい。いくつかのケースでは、音響エネルギーの周波数は、たとえば、音響エネルギー/信号との着用者の相互作用、および検出され得る任意の共鳴周波数に応答して、経時的に変化してもよい。スピーカアレイ230のスピーカによって発信される周波数のセットは、意図的に、ランダムにおよび/または擬似ランダムに選択されてもよい。時には、音響信号は、超音波範囲内にあってもよい。いくつかの実施形態では、スピーカアレイ230のスピーカによって発信される周波数のセットは、特定の着用者の特徴に応答するものであってもよい。たとえば、着用者が過去に1つまたは複数の特定の周波数(または周波数の帯域)において実証された共鳴を有することが知られている場合、スピーカアレイ230のスピーカは、たとえば、DSP/コントローラ230および/または能動的聴診デバイス203と通信する外部デバイス(たとえば、コンピュータシステム23および/または着用者のコンピュータデバイス27)からの命令および/または信号を介して、着用者の測定をさらにまたは引き続いて行うときにこれらの周波数において音響信号を発信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スピーカアレイ230のスピーカの1つまたは複数は、単一チャンネルスピーカであってもよい。追加的または代替的に、スピーカアレイ230のスピーカの1つまたは複数は、複数の(2つ、3つ、4つなど)のチャンネルで音を発信するように構成されてもよい。スピーカアレイ230のスピーカの例示的な音響パワー範囲は、軸上で測定してスピーカから20cm離したホワイトノイズ刺激について80から110dBAである。
【0064】
マイクロホンアレイ220のマイクロホンの1つまたは複数は、スピーカアレイ230のスピーカの1つまたは複数によって着用者の身体内に発信された音に応答して着用者の身体から出現する音響エネルギーを検出し、検出された音響エネルギー(本明細書では「検出音響信号」とも称される)を外部デバイス(たとえばシステム201および/または202の構成要素の1つまたは複数)に伝達するためにDSP/コントローラ230および/またはトランシーバ235に提供するように構成されてもよい。いくつかのケースでは、検出音響信号は、マイクロホン識別子と関連付けられてもよく、それにより、たとえば、DSP/コントローラ230は、検出音響信号がマイクロホンアレイ220のどのマイクロホンから来たかを決定することができる。この識別子は、たとえば、着用者の身体の共鳴部分の場所(たとえば、閉じ込められた空気のポケット)が位置特定され得るように、たとえば、検出音響信号が来た方向を決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、DSP/コントローラ230は、検出音響信号の成分を分析することによって、検出音響信号がマイクロホンアレイ220のどのマイクロホンから来たかを決定してもよい。この分析は、たとえば、周波数成分、検出音響信号の開始/停止時間、および/または検出音響信号の他の特徴(たとえば、強度、ノイズなど)を決定するために使用されてもよい。
【0065】
いくつかの例示的な実施形態では、マイクロホンアレイ220が2つのマイクロホンを含むとき、第1のマイクロホンおよび/または第2のマイクロホンは、たとえば、5KHzから15KHzの範囲で+/-3dBの周波数応答を有する、500Hzから20kHzの音響信号を検出するための範囲を有してもよい。時には、第1のマイクロホンは、着用者の方に向けられてもよく、第2のマイクロホンは、たとえば、周辺ノイズを捕捉するために着用者から離れるように向けられてもよく、この周辺ノイズは、たとえば、第1のマイクロホンによって検出された音響信号にノイズキャンセリングアルゴリズムを適用することによって、第1のマイクロホンによって検出された音から後で除去されてもよい。ノイズキャンセリングアルゴリズムは、第2のマイクロホンによって検出された周辺ノイズの1つまたは複数の特徴(たとえば周波数および/または強度)に応答して通知および/または調整されてもよい。
【0066】
温度プローブ225は、能動的聴診デバイス203および/または着用者の温度を測定するように構成されてもよい。いくつかのケースでは、能動的聴診デバイス203の温度が閾値を上回ったとき、警告通知が着用者に送られてもよく、および/または能動的聴診デバイス203は、着用者の火傷または不快感を防止するために、電源が切られてもよい。追加的または代替的に、着用者の温度が閾値を上回ったとき(着用者が熱を出したことを示し得るように)、能動的聴診デバイス203は、高解像度測定を行うおよび/または低解像度測定を行うように起動されてもよい。いくつかの実施形態では、温度プローブ225は、周期的(たとえば1分ごと、5分ごと、1時間ごと)に、および/または、たとえば、いくつかの場合では、能動的聴診デバイス203の別の構成要素によって行われる測定に対応し得るDSP/コントローラ230からの命令に応答して必要とされる間隔で、着用者の温度を測定するように構成されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、温度測定値および/または温度測定値における経時的な変化が、すばやくおよび/または低い解像度音響測定を行う、遅くおよび/または高い解像度音響測定を行う、ECG測定を行う、ならびに/または能動的聴診デバイスの1つまたは複数の構成要素を起動させて追加の測定を行い、ならびに/または外部コンピューティングデバイスと通信するなどの能動的聴診デバイス203による1つまたは複数の動作をトリガしてもよい。例示的な伝達は、それだけに限定されないが、アラーム状態、測定値、および/またはシステム機能不良通知(能動的聴診デバイス203(患者ではなく)が高温になりすぎる事象)を含む。能動的聴診デバイス203によるアクションをトリガし得る例示的な測定値は、それだけに限定されないが、経時的な着用者体温の変化(たとえば1時間未満で1度の上昇)、および/または温度変化が測定され、たとえば、活動レベルの変化(たとえば運動)を示すIMU250からの対応するデータがない場合を含む。
【0068】
温度測定値は、たとえば、メモリ240上に記録されてもよく、いくつかの場合では、検出音響信号によってタイムスタンプ付けおよび/または相関付けされてもよい。時には、温度プローブ225は、たとえば、バッテリの寿命に実質的に悪影響を与えずに着用者の温度を連続的に監視し得るように、電源245から比較的少量の電力を引き出すように構成されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、トランシーバ235は、周期的に能動的になり、または立ち上がり、温度を測定するように温度センサ225に命令し、IMU250が着用者の新しい動作を記録したかどうかを決定するためにIMU250に問い合わせるように構成されてもよい。このようにして、能動的聴診デバイス203は、一定の持続時間の間電源245から非常に少量の電流を引き出す低パワーまたはスリープ状態で動作するように構成されてもよく、着用者の温度を測定するために周期的な間隔(たとえば、1秒ごと、30秒ごと、1分ごとまたは1時間ごと)で電源投入し、または立ち上がるように構成されてもよく、トランシーバ235および/またはDSP/コントローラ230は、1つまたは複数の追加の測定を行うために能動的聴診デバイス203の1つまたは複数の追加の構成要素を立ち上げるか、および/または温度測定値に応答して立ち上げずに静止/スリープ状態に戻るかを決定してもよい。
【0069】
1つまたは複数のポート255は、電源245がそれによって充電され得る電力ポートとして構成され得る。追加的または代替的に、ポート255は、能動的聴診デバイス203またはその内部にある構成要素が1つまたは複数の外部デバイス(たとえばコンピュータまたはプロセッサ)とそれによって通信し得る通信ポートとして構成されてもよい。例示的なポート255は、それだけに限定されないが、ミニUSB、マイクロUSB、USB-C、または他のデータ/パワー機構を含む。電源245は、能動的聴診デバイス203の1つまたは複数の構成要素に電力を提供するように構成されてもよく、送電線からエネルギーを引き出すように構成された再充電可能な、または再充電不可の(たとえば、廃棄可能である)バッテリおよび/またはポートであってもよい。いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203の電力は、電気接続を介して、たとえば、外部バッテリパック(図示せず)または送電ラインの電力に結合された壁出力部からポート255に直接提供されてもよい。追加的または代替的に、能動的聴診デバイス203の電力は、たとえば、ハウジング内のバッテリを充電するためにハウジングの外部の導電性電源(たとえば磁石)と共働するように構成された、能動的聴診デバイス203のハウジング内および/またはハウジング上に位置決めされた導電コイル(図示せず)を介して直接提供されてもよい。
【0070】
インジケータディスプレイデバイス258は、能動的聴診デバイス203が外部デバイスと通信している、および/またはエラー状態が生じているとき、バッテリパワーレベル、記憶容量などの能動的聴診デバイス203の動作または状況に関する1つまたは複数の表示を提供するように構成されてもよい。例示的なインジケータディスプレイデバイス258は、それだけに限定されないが、発光ダイオード(LED)、タッチスクリーンディスプレイ、およびLCDディスプレイスクリーンを含む。
【0071】
メモリ240は、マイクロホンアレイ220の1つまたは複数のマイクロホンによって検出される、および/またはDSP/コントローラ230から受信される着用者の皮膚から出現する検出音響信号を受信し、記憶するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、メモリユニット240は、DSP/コントローラ230、スピーカアレイ230のスピーカ、温度プローブ225、IMU250、トランシーバ235、および/またはインジケータディスプレイデバイス258などの能動的聴診デバイス203の1つまたは複数の構成要素の動作に関する命令を記憶するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態では、命令は、たとえば、ポート255および/またはトランシーバ235を介して受信されてもよい。いくつかの実施形態では、DSP/コントローラ230は、能動的聴診デバイス203の1つまたは複数の構成要素の動作を制御するように構成されたマイクロコントローラであってもよい。いくつかの実施形態では、DSP/コントローラ230は、指定された時間が経過した後、能動的聴診デバイス203を起動させ得るようにタイマーモジュールを含んでもよく、および/またはこれと通信していてもよい。
【0072】
トランシーバ235は、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー通信モジュールなどの通信モジュールであってもよい。いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203は、能動的聴診デバイス203と通信し、これに1つまたは複数の命令を提供し、および/または能動的聴診デバイス203から情報を受信するように構成されたソフトウェアアプリケーションを実行し得る外部電子デバイス(たとえば、コンピュータシステム23および/または着用者コンピュータデバイス27)と電気通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、この通信は、着用者および/またはユーザ(たとえば医師またはケア管理者)が能動的聴診デバイス203を遠隔で、または半遠隔で操作し、データを能動的聴診デバイス203から外部電子デバイスに伝送し、および/または命令および他のデータを能動的聴診デバイス203に伝送することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、外部電子デバイスは、次いで、医療施術者、医療施術者と働く企業などの第3者に、および/またはクラウドコンピューティング環境に、および/またはクラウドコンピューティングプラットフォーム21にデータを伝送してもよい。いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203によって使用されるソフトウェアおよび/またはファームウェアは、トランシーバ235によって受信された命令を介して更新および/または変更されてもよい。時には、トランシーバ235は、たとえば、バッテリ充電レベル、診断情報、および/または能動的聴診デバイス203によってとられた1つまたは複数の測定値を、たとえば外部コンピューティングデバイス(たとえば、着用者のスマートフォンまたは本明細書に説明するソフトウェアアプリケーションを実行する他のコンピューティングデバイス)に伝達するように構成されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203は、能動的聴診デバイス203の状況(たとえば、バッテリレベルおよびメモリ内に現在ある測定値の数などの他の診断情報)に関するデータを送信するために、外部電子デバイスと通信してもよい。いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203は、短い時間期間の間データを連続的に送信するように構成されてもよい。
【0074】
IMU250は、着用者が呼吸している、および/または歩行しているときに起こり得るような着用者の動きを検出するように構成された慣性運動ユニット、または加速度計である。いくつかの実施形態では、IMU250は、動きが検出されたときに能動的聴診デバイス203を起動/停止させ、および/またはDSP/コントローラ230に能動的聴診デバイス203を起動させ得る表示をDSP/コントローラ230に提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、IMU250は、動きがIMUによって測定されたときに所定の閾値を超えたときに、能動的聴診デバイス203を起動させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、IMU250および/またはIMU250と通信するDSP/コントローラ230は、歩くおよび/または咳をするなどの着用者の動きのパターンを認識するように構成されてもよく、能動的聴診デバイス203は、検出されたパターンに応答して起動および/または停止されてもよい。着用者の動きおよび/または活動は、周期的に(たとえば、1分、5分、または10分)および/または必要に応じて(たとえば、動きが検出され、次いで着用者は、動きが検出されなくなるか、または動きの低減が検出されるまで動きについて監視される)測定されてもよく、能動的聴診デバイス203からのダウンロードのために記憶されてもよい。追加的または代替的に、動きおよび/または活動測定値は、DSP/コントローラ230に送られてもよく、DSP/コントローラ230は、動きおよび/または活動測定値を分析して、動きおよび/または活動測定値に変化があるかどうか、および/または閾値状態(たとえば、深いブレスを吸い込みおよび/または吐き出すのに類似する動き)に到達しているかどうかを決定してもよく、もしそうであれば、そのような決定は、能動的聴診デバイス203による他の動作および/または測定の実施をトリガするために使用されてもよい。
【0075】
ECGデバイス268は、着用者の心拍数を測定し、着用者の心拍数を外部処理デバイスへの伝達のために、たとえばDSP/コントローラ230および/またはトランシーバ235に提供する心電図デバイスであってもよい。ECGデバイス258によって測定される着用者の心拍数の変動は、たとえば、本明細書に開示するような能動的聴診デバイス203による高解像度および/または低解像度の測定をトリガしてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203は、マイクロホンアレイ220のマイクロホン、DSP/コントローラ230、および/またはトランシーバ235の1つまたは複数に物理的、電子的、および/または通信可能に結合され得る有限インパルスフィルタ(finite impulse filters)(FIR)アレイ247として
図2Cに示す、1つまたは複数のFIRを含んでもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、マイクロホンアレイ220は、第1、第2、および第3のマイクロホンを有し、FIRアレイ247は、第1のマイクロホンに物理的、電子的および/または通信可能に結合された対応する第1のFIRと、第2のマイクロホンに物理的、電子的および/または通信可能に結合された第2のFIRと、第3のマイクロホンに物理的、電子的および/または通信可能に結合された第3のFIRとを有してもよい。これらの実施形態では、第1のマイクロホンは、これが検出した第1の音響信号を第1のFIRに伝達してもよく、第2のマイクロホン220Bは、これが検出した第2の音響信号を第2のFIR410Bに伝達してもよく、第3のマイクロホンは、これが検出した第3の音響信号を第3のFIR410Cに伝達してもよい。第1、第2、および/または第3のFIRは、次いで、たとえば、第1、第2、および/または第3の検出信号の1つまたは複数を混合することによって、ならびに/あるいは有限インパルス応答分析および/または有限インパルス応答フィルタを使用してそれぞれの第1、第2、および/または第3の検出音響信号を処理および/またはフィルタリングすることによって、たとえばリアルタイムでオーディオパフォーマンスを改善するために検出信号を処理してもよい。いくつかのケースでは、第1、第2、および/または第3のFIRによって処理された信号は、さらなる処理、および/または、たとえばDSP係数コントローラ249によって生成された1つまたは複数の係数の適用による最適化のために、DSP/コントローラ230に伝達されてもよい。最適化されたオーディオ信号は、次いで、たとえばトランシーバ235および/またはポート255を介して、外部構成要素および/または処理デバイスにDSP/コントローラ230によって伝達されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、FIRアレイ247のFIRの1つまたは複数は、FIRごとに、および/またはFIRに結合されたマイクロホンごとに、たとえば、DSP係数コントローラ249および/またはDSP/コントローラ230から受信され得る複数の係数(たとえば10から65)を有してもよい。係数は、たとえば、信号品質および/または測定の精度、および/または検出音響信号を使用して決定された分析結果を改善するために、検出音響信号に適用されてもよい。いくつかのケースでは、係数は、たとえば、能動的聴診デバイス203によってとられた測定値および/またはこれらの測定値の品質に影響を与え得る1つまたは複数の因子に応答して確立および/または調整されてもよい。時には、これらの調整は、検出音響信号が受信されるときにリアルタイムで(またはほぼリアルタイムで)行われてもよく、それによって、たとえば、信号品質(たとえばノイズを低減し、信号の所望の部分を増幅するなど)および/または強度を改善し得る、検出音響信号と同期したFIR係数の調整および/または処理が可能になり得る。いくつかのケースでは、係数の1つまたは複数の調整は、たとえば、マイクロホンが検出している、および/またはFIRアレイ247のそのそれぞれのFIRに提供している信号の強度を最大化するために実施され得る1つまたは複数の較正プロセスの実行を含んでもよい。
【0078】
時には、FIRアレイ247のFIRの1つまたは複数の係数は、たとえば、検出音響信号のエネルギーおよび/またはパワーを最大化するように最適化されてもよい。この最適化は、たとえば、DSP/コントローラ230によって伝達および/または受信される検出音響信号の合計および/または混合したものが十分なエネルギー(たとえば強度、パワーなど)および/またはクリア度(たとえば、信号対ノイズ比(SNR))を有しているかどうかを決定し、そうでなければ、検出音響信号を増幅するおよび/またはその内部のノイズを低減する方法を決定することによって行われてもよい。FIRアレイ247内のFIRの中で検出音響信号の最大エネルギーを最適化することにより、各FIRの係数は、マイクロホンのアレイおよび/または検出音響信号にわたって増幅を調整することによって、異なるマイクロホンにわたって一様な(またはほぼ一様な)強力な信号を作りだすように調整および/または較正されてもよい。たとえば、複数のマイクロホンにわたって特定の検出音響信号および/または周波数のパワー/強度/ボリュームを調整し得る1つのFIR係数がマイクロホンごとに存在してもよく、そのため、各マイクロホンの各検出音響信号は、その後の算出において同じ(または類似の)重みが与えられてもよい。
【0079】
いくつかのケースでは、FIRの係数は、検出音響信号の受信におけるタイミングの不一致を考慮してもよく、この不一致は、たとえば、標的組織(たとえば肺または肺内の閉じ込められた空気のポケット)に対する異なるマイクロホンの場所によって引き起こされ得る。たとえば、マイクロホンアレイ220内の第1のマイクロホンが、マイクロホンアレイ220の第4のマイクロホンよりも、発信音響信号源(たとえばスピーカアレイ230のスピーカ)に4cm近い場合、第4のマイクロホンに対応するFIRは、第1のマイクロホンのボリュームよりも多くのボリュームを第4のFIR440Dの係数に付加してもよく、これは、第4のマイクロホン220Dによって受信された遅延した信号を増幅させるように作用し得、および/または第4のマイクロホン220Dによって検出された音響信号自体を重複させ得る(それによって信号の強度/パワーを増加させ得る)。
【0080】
いくつかの実施形態では、マイクロホンアレイ220の1つまたは複数のマイクロホンは、能動的聴診デバイス203が着用されたときに、1つまたは複数のマイクロホンが環境内の周辺ノイズを捕捉するために着用者の胸から外を向くように構成されてもよく、減算係数(たとえば-1)が、このマイクロホンからの検出音響信号に適用されてもよく、それにより、周辺ノイズは、アレイの残りのマイクロホンの検出音響信号から減算される。
【0081】
任意選択で、マイクロホンウイングハウジング222、スピーカウイングハウジング227、および/または主要本体ハウジング211の1つまたは複数の表面は、これらに固着される接着剤および/または遮音材料270を有してもよい。いくつかの実施形態では、接着剤および/または遮音材料270は、能動的聴診デバイス203の構成要素の基板および/またはマイクロホンウイングハウジング222、スピーカウイングハウジング227、および/または主要本体ハウジング211の下側表面であってもよい。接着剤および/または遮音材料270は、一定の時間期間の間(たとえば30分から4週間)着用者の皮膚に接着するように構成されてもよく、いくつかのケースでは、防水性であってもよい。追加的または代替的に、接着剤および/または遮音材料270は、マイクロホンアレイ220のマイクロホンが背景ノイズを検出しにくくなるように、外部音響ノイズ、および/またはスピーカアレイ230のスピーカ以外の何らかによって生成され得る信号ノイズから能動的聴診デバイス203の構成要素を絶縁してもよい。接着剤および/または遮音材料270に使用され得る例示的な材料は、それだけに限定されないが、シリコン、グルー、ゴム、およびプラスチックを含む。時には、接着剤および/または遮音材料270は、着用者の体内への音響信号の投影または着用者の身体から出現する音響信号の検出に干渉しないように、マイクロホンウイングハウジング222、スピーカウイングハウジング227、および/または主要本体ハウジング211の下側部分全体を覆わなくてもよい。これらの実施形態では、接着剤および/または遮音材料270は、マイクロホンウイングハウジング222、スピーカウイングハウジング227、および/または主要本体ハウジング211の下側外部の周りに位置決めされ、および/または、たとえば、マイクロホンアレイ220および/またはスピーカアレイ230を閉塞しないリング様にこれらを取り囲んでもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、スピーカアレイ230内のスピーカおよび/またはマイクロホンアレイ220内のマイクロホンは、マイクロホンウイングハウジング222およびスピーカウイングハウジング227内の異なる位置に配置されてもよく、その例が
図2Dから2Jに示される。特に、
図2Dは、対応する第1のマイクロホンウイングハウジング222A内に三角形状に配置された5つのマイクロホン221を含む第1のマイクロホンアレイ220Aの図であり、
図2Eは、対応する第2のマイクロホンウイングハウジング222B内にダイアモンド様形状に配置された4つのマイクロホン221を含む第2のマイクロホンアレイ220Bの図であり、
図2Fは、対応する第3のマイクロホンウイングハウジング222C内にクロス様形状に配置された5つのマイクロホン221を含む第3のマイクロホンアレイ220Cの図であり、
図2Gは、対応する第4のマイクロホンウイングハウジング222D内に、矩形形状に配置された6つのマイクロホン221と、三角形状に配置された3つのマイクロホンとを含む第4のマイクロホンアレイ220Dの図である。
【0083】
マイクロホンアレイ220A、220B、220C、および/または220Dの1つまたは複数内に含まれるマイクロホンは、同じおよび/または異なる方向に向けられてもよく、またはそれに的を絞ってもよい。たとえば、マイクロホンアレイ220A、220B、220Cおよび/または220D内のマイクロホン221は、着用者から離れるように方向付けられてもよく、マイクロホンアレイ220A、220B、220Cおよび/または220D内のマイクロホン221の残りは、着用者に向けて方向付けられてもよい。いくつかの実施形態では、着用者の方を向くすべてのマイクロホン211は、同じ方向に(たとえば、マイクロホンウイングハウジング220のベースに平行に)配向されてもよく、他の実施形態では、着用者の方を向くマイクロホン211の1つまたは複数は、異なる方向(たとえば、マイクロホンハウジング220のベースに対して5から85度)に配向されてもよい。マイクロホンアレイ220A、220B、220Cおよび/または220D内のマイクロホン221の配置および/または配向は、(たとえば、スピーカアレイ230に向かうおよび/またはスピーカアレイ230から離れる)特定の方向および/または着用者の身体上の特定の場所から来る音を検出するように構成されてもよい。
図2Dから2Gのマイクロホンアレイが例示的であること、およびマイクロホンアレイ220が
図2Dから2Gに示す配置よりも多くのまたは少ないマイクロホン(たとえば、1から3個、または10から25個)を含んでもよいことが理解されよう。
【0084】
スピーカアレイに関して、
図2Hは、第1のスピーカウイングハウジング230A内に水平に配置され、互いにほぼ平行である3つのスピーカ231を含む第1のスピーカアレイ230Aの図であり、
図2Iは、対応する第2のスピーカウイング内に垂直に配置され、互いにほぼ平行である3つのスピーカ231を含み、
図2Jは、対応する第3のスピーカウイングハウジング227C内で、5つのスピーカ231を含み、3つは水平に配置され、互いにほぼ平行であり、2つのスピーカ231は、3つの水平に配置されたスピーカ231の(
図2Jに示すように)上下にある、第3のスピーカアレイ230Cの図である。
【0085】
スピーカアレイ230A、230B、および/または230Cの1つまたは複数内に含まれるスピーカは、同じおよび/または異なる方向に向いてもよく、またはそれに的を絞ってもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、スピーカアレイ230内のすべてのスピーカ231は、着用者の方に向けられてもよく、同じ方向に(たとえば、スピーカウイングハウジング230のベースに平行に)配向されてもよく、他の実施形態では、着用者の方を向くスピーカ231の1つまたは複数は、異なる方向(たとえば、スピーカハウジング230のベースに対して5から85度)に配向されてもよい。
【0086】
いくつかのケースでは、スピーカアレイ230および/またはマイクロホンアレイ220内に含まれるスピーカおよび/またはマイクロホンの起動は、アレイ内のすべてのマイクロホン/スピーカが同時にオンとならないように選択的であってもよい。アレイ内の各スピーカは、たとえば、スピーカアレイ内の異なるスピーカからの音響エネルギーが互いに区別され得るように、異なる時間および/または異なる周波数、または周波数のセット(たとえば多重化)において音を発信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、音響信号は、スピーカアレイ230のスピーカの1つまたは複数によって発信され、マイクロホンアレイ220のマイクロホンの1つまたは複数によって検出されてもよい。マイクロホンの各々からの検出音響信号は、能動的聴診測定を実施するために使用するスピーカおよび/またはマイクロホンの最適な組み合わせを決定するために分析されてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、スピーカアレイ230の1つまたは複数のスピーカ231は、どの周波数で着用者の身体、器官、および/または閉じ込められた空気ポケットが共鳴するかを評価し、引き続いて実施される能動的聴診に使用するための周波数のセットを決定するために、さまざまな周波数を有する音響エネルギーを発信するように構成されてもよい。いくつかの場合では、スピーカアレイ230のスピーカの1つまたは複数によって発信される音響信号の周波数のセットは、ランダムにおよび/または擬似ランダムに選択されてもよい。時には、次いで、検出音響信号の分析は、着用者の身体内で共鳴すると決定された1つまたは複数の周波数に焦点を当ててもよく、いくつかの場合では、着用者の身体内で共鳴すると決定された周波数に基づいて、その後の入射周波数が選択されてもよい。音響信号を生成するための命令が、たとえば、DSP/コントローラ230からスピーカ231および/またはスピーカアレイ230によって受信されてもよい。
【0088】
図3Aは、矩形形状の主要本体ハウジング211内に収容された主要本体構成要素224のセットと、台形形状のマイクロホンウイングハウジング222内に収容されたマイクロホンウイング構成要素205のセットと、台形形状のスピーカウイングハウジング227内に収容されたスピーカウイング構成要素207のセットとを示す、例示的な能動的聴診デバイス301の上面図であり、
図3Bはその側面図である。マイクロホンウイングハウジング222は、第1の可撓性カップリング213Aを介して、主要本体ハウジング211に電気的、物理的、および/または通信可能に結合され、スピーカウイングハウジング227は、第2の可撓性カップリング213Bを介して、主要本体ハウジング211に電気的、物理的、および/または通信可能に結合される。
図3Bに見られ得るように、能動的聴診デバイス301は、能動的聴診デバイス301の(
図3Bに配向されるように)下側の皮膚に面する表面に固着される接着剤および/または遮音材料270を含む。
【0089】
加えて、
図3Bは、たとえば、能動的聴診デバイス301の各構成要素が着用者の皮膚にしっかりと物理的に結合され得るようにおよび/または直接当接し得るように着用者の湾曲に対応するために、主要本体ハウジング211の(
図3Bに示すように)右側に対して第1の非垂直角度215Aに配向されている、第2の可撓性カップリング213B、スピーカウイングハウジング227、ならびに接着剤および/または遮音材料270を示す。第2の可撓性カップリング213B、スピーカウイングハウジング227、ならびに接着剤および/または遮音材料270はすべて、
図3Bでは同じ角度で配向されるように示されているが、これは必ずしもそうである必要はない。たとえば、第2の可撓性カップリング213Bは、第2の可撓性カップリング213Bが主要本体ハウジング211に結合するところで第1の非垂直角度215Aで配向されてもよく、スピーカウイングハウジング227ならびに接着剤および/または遮音材料270は、第2の可撓性カップリング213Bがスピーカウイングハウジング227と結合するところで異なる角度(たとえば、主要本体ハウジング211に平行、または第1の非垂直角度215Aより大きいまたは小さい大きさの角度)で配向されてもよい。第1の可撓性カップリング213Aは、柔軟であってもよく、第2の可撓性カップリング213Bと同様の方法で主要本体ハウジング211に対して角度を付けて配向されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、能動的聴診デバイス203の1つまたは複数の部分は、たとえば、その1つまたは複数の構成要素の洗浄および/または電気充電を容易にするために、能動的聴診デバイスから取り外し可能であってもよい。追加的または代替的に、1つまたは複数の能動的聴診デバイス構成要素は、たとえば、メモリ240、DSP/コントローラ230、DSP係数コントローラ240、および/またはトランシーバ235から/への情報のダウンロードおよび/またはアップロードを容易にするために、取り外し可能であってもよい。追加的または代替的に、1つまたは複数の能動的聴診デバイス構成要素は、たとえば、1つの構成要素(たとえば、主要本体ハウジング)と別の構成要素(たとえば、取り換え用主要本体ハウジング)との交換を容易にするために取り外し可能であってもよく、それにより、たとえば、第1の主要本体ハウジング内に含まれる構成要素(たとえば、電源245)を充電する必要があるとき、情報をそこからダウンロードする必要があるとき、および/または新しい、または変更された命令のセットが第1の主要本体ハウジングの1つまたは複数の構成要素にアップロードされなければならないときに、第1の主要本体ハウジングは、第2の主要本体ハウジングと交換されてもよい。
【0091】
取り外し可能な部分302を有する能動的聴診デバイスの一例が、
図3Cから3Fに示され、
図3Cは、主要本体ハウジングがクレードル305内に形成された空洞310内に配置されていない、取り外し可能な部分302を有する能動的聴診デバイスの上面図を提供し、
図3Dはその側面図を提供する。取り外し可能な部分302を有する能動的聴診デバイスは、マイクロホンウイングハウジング222と、スピーカウイングハウジング227と、第1の可撓性カップリング213Aと、第2の可撓性カップリング213Aとを含む。能動的聴診デバイス302の第1および/または第2の可撓性カップリング213Aおよび/または213Bは、能動的聴診デバイス301に関して上記で説明したものと類似し得る方法で、主要本体ハウジングに対して非垂直の角度で配向されてもよい。
【0092】
図3Cに見られ得るように、クレードル310は、取り外し可能な主要本体ハウジング330(
図3Eに示す)が、
図3Eでその底面図が示される取り外し可能な主要本体ハウジング330に電気的、機械的、および/または通信可能にそれによって結合され得る第1のポート315および第2のポート320を含む。取り外し可能な主要本体ハウジング330は、本明細書に説明する主要本体構成要素224のセットのほとんどまたはすべてをそのようにして収容してもよく、第1のポート315に電気的、機械的、および/または通信可能に結合するように構成された第1のカップリング316と、第2のポート320に電気的、機械的、および/または通信可能に結合するように構成された第2のカップリング321とを含んでもよい。
図3Fは、取り外し可能な部分302を有する能動的聴診デバイスの側面図を提供し、空洞310内のクレードル305内に着座する取り外し可能な主要本体ハウジング330を示す。
【0093】
図3Gは、ヒンジ320によって機械的、電気的、および/または通信可能に一緒に結合された主要本体の第1の部分211Aおよび主要本体の第2の部分221Bを含む能動的聴診デバイス303の別の例示的な実施形態の上面図を提供し、
図3Hはその側面図を提供する。主要本体の第1の部分211Aは、主要本体構成要素のセットの第1の部分224A、またはサブセットを収容するように構成されてもよく、主要本体の第2の部分221Bは、主要本体構成要素のセットの第2の部分224B、またはサブセットを収容するように構成されてもよい。場合によっては、主要本体構成要素のセットの第1の部分224Aおよび第2の部分224Bに割り振られる構成要素は、マイクロホンアレイ222およびスピーカアレイ227それぞれと共に作用するように構成された構成要素を含んでもよい。
【0094】
ヒンジ320は、たとえばZ方向の、主要本体の第2の部分221Bに対する主要本体の第1の部分211Aの関節運動を可能にするように構成されてもよく、関節運動を可能にする可撓性材料および/またはヒンジ様構成要素を含んでもよい。ヒンジ320によって提供される関節運動は、能動的聴診デバイス303の全体的な可撓性に寄与してもよく、それにより、能動的聴診デバイスは、着用者の対応する湾曲にフィットするように湾曲され得る。
図3Hは、主要本体の第2の部分211Bがヒンジ320を介して主要本体の第1の部分221Aに対して(この場合は、図に配向されるように上方向に)関節運動し得る様子の1つの例を示す。
【0095】
図3Hはまた、主要本体ハウジングの第2の部分211Bが主要本体ハウジングの第1の部分211Aに対して関節運動し得る様子の1つの例を提供するために、主要本体ハウジングの第1の部分211Aに対して角度314Aで配向された主要本体ハウジングの第2の部分211Bを示している。加えて、
図3Hはまた、能動的聴診デバイス303の各構成要素が着用者の皮膚にしっかりと物理的に結合され、これと直接当接し得るように着用者の湾曲に対応するために、主要本体ハウジングの第2の部分211Bの(
図3Hに示すように)右側に対して第2の非垂直角度215Bに配向されている、第2の可撓性カップリング213B、スピーカウイングハウジング227、ならびに接着剤および/または遮音材料270を示している。
【0096】
図3Iは、ヒンジ320を介して機械的、電気的、および/または通信可能に一緒に結合された第1の本体350および第2の本体355を含む能動的聴診デバイス304の別の例示的な実施形態の上面図を提供し、
図3Jはその側面図を提供する。第1の本体350は、主要本体構成要素セットの第1の部分224Aまたはサブセットおよびマイクロホンウイング構成要素205を収容するように構成されてもよく、第2の主要本体355は、主要本体構成要素のセットの第2の部分224Bまたはサブセットおよびスピーカウイング構成要素207を収容するように構成されてもよい。場合によっては、能動的聴診デバイス303および304の主要本体構成要素のセットの第1の部分224Aおよび第2の部分224Bに割り振られる構成要素は同じであってもよく、他の場合ではこれらは異なっていてもよい。
図3Jは、第2の本体355がヒンジ320を介して第1の本体350に対して(このケースでは図に配向されるように上方向に)関節運動し得る様子の1つの例を示す。
【0097】
使用前、能動的聴診デバイス(たとえば、203、301、302、303、および/または304)のいずれも、たとえば、着用者の生理学的特性、性別、疾患進行度、疾患位置特定、および/または閉じ込められた空気ポケット集中位置に応答して選択され得る、着用者の身体(たとえば、上側/下側胸、上側/下側背中、胴体の左側および/または右側など)上の1つまたは複数の部位(たとえば、左肺、右肺、肺の上葉、肺の下葉、肺の前側および/または肺の後側の上方/下方の皮膚上)に位置決めされてもよい。場合によっては、着用者の身体上の能動的聴診デバイス203、301、302、303、および/または304の位置および/または配向は、関心領域が調査され得るように、ならびに/または最も強力なおよび/または最小ノイズの検出音響信号を達成するために、および/または干渉因数(たとえば、横隔膜、脂肪組織、および/または他の医療デバイス)を回避するために、医療専門家(たとえば、呼吸器科医、呼吸療法士など)によって選択されてもよい。能動的聴診デバイスは、それだけに限定されないが、接着剤、ストラップおよび/またはテープを含む任意の許容可能な手段によって着用者の身体に取り付けられてもよい。能動的聴診デバイス203、301、302、303、および/または304は、任意の所望の長さの時間の間(たとえば30分から3週間)着用されてもよい。
【0098】
図4Aは、例示的な着用者400の図であり、ここでは能動的聴診デバイス203、301、302、303、および/または304は、胸筋を覆う皮膚の下方の着用者の胸に取り付けられており、それにより、たとえば、着用者の第2の肺から出現する(スピーカアレイ230によって検出された)音響エネルギー/波を分析、たとえば使用して、着用者の肺および/またはその内部に閉じ込められた空気のモデルを、たとえば
図1Cに示して上記で論じ、
図5Aから5Dまたは
図6Aから6Dにそのスペクトログラフの1つまたは複数を示す、モデル化された第2の肺105Bとして生成し、および/またはプロセス800の実行によって結果を生み出してもよい。いくつかのケースでは、着用者400は、着用者の身体上の異なる場所(たとえば、胸郭の左側および右側、着用者の胸および背中など)に位置決めされ得る複数の能動的聴診デバイスを着用してもよい。
【0099】
場合によっては、医療専門家は、身体のどこが(たとえばSNRによって測定される)クリアなおよび/または高い再現性の測定結果を生み出しやすいかの決定に応答して、着用者400の身体上に能動的聴診デバイスを置くための位置を選択してもよい。時には、2つ以上の能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304が、さまざまな異なる位置からの測定値を取得するために使用されてもよく、これは、着用者の肺の代表的な部分から測定値を取得することを容易にし得、それによって肺全体の健康状態および/または疾患進行度のアイデアが得られる。1つの実施形態では、能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304は、右側および/または左側の着用者400の胸郭中央に位置決めされてもよく、それにより、複数の肺葉および/または肺実質内の状態が、上葉優位肺気腫または下葉横隔膜干渉を過剰表現する理論上のリスクを回避しながら同時に測定され得、したがって、上葉優位肺気腫および横隔膜からの干渉の過剰表現を比較的有さない短期および長期にわたる傾向として測定結果を解釈することができる。これらの実施形態では、能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304の測定値の分析は、たとえば、運動、投薬努力、および/またはCOPDの早期の増悪によって引き起こされる測定値の動的変化を見つける/決定することを可能にしてもよい。いくつかのケースでは、これらの動的変化は、たとえば、着用者の肺または胸郭内の特定の位置に局所化され、または関連付けられてもよい。
【0100】
図4Bは、着用者400の肺425の近似(長円として表す)から出現する音響エネルギー/波を測定するために使用する例示的な能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304の代表的な構成要素の図である。肺425は、閉じ込められた空気の第1のポケット405A、第2のポケット405B、および第3のポケット405Cそれぞれを含み、空気は、着用者400がCOPDを有しているときによくあり得るように、着用者400が完全に吐き出した後でも、閉じ込められた空気のポケット405A、405B、および405C内に閉じ込められる。
図4Bはまた、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cの経路も示し、そのすべての信号は、スピーカアレイ230のスピーカ231によって肺425および/または閉じ込められた空気の第1のポケット405A、第2のポケット405B、および第3のポケット405Cに向かって発信される。
図4Bはまた、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cに、(第1の発信音響信号410Aの反射に対応する)第1の検出音響信号415Aとして、(第2の発信音響信号410Bの反射に対応する)第2の検出音響信号415Bとして、および(第3の発信音響信号410Cの反射に対応する)第3の検出音響信号415Cとして応答する反射された音響信号の経路も示す。
【0101】
さまざまな技術が、マイクロホン221による受信時に第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cの間を互いに区別するために利用されてもよく、それにより、たとえば、閉じ込められた空気の第1のポケット405A、第2のポケット405B、および/または第3のポケット405Cの特徴は、たとえば、本明細書に開示する1つまたは複数にプロセスによって決定され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および/または第3の発信音響信号410Cは、たとえば、広帯域ラージフィールドの発信音響信号の一部として同時に発信されてもよい。追加的または代替的に、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cは、異なる時間において発信されてもよく(たとえば多重化)、そのため、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cは、発射/検出の時間を使用して互いに差別化されてもよい。追加的または代替的に、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cは、第1の発信音響信号410Aを閉じ込められた空気の第1のポケット405Aに向けて、第2の発信音響信号410Bを閉じ込められた空気の第2のポケット405Bに向けて、第3の発信音響信号410Cを閉じ込められた空気の第3のポケット405Cに向けて方向付けるようにスピーカ221の配向を調整することによって、肺425の標的領域に向かって方向付けられてもよい。追加的または代替的に、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cは、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cの各々が異なる周波数を有するように、および/または可変のパルスシグネチャを有するように、スピーカ231から発信されてもよい。いくつかの実施形態では、発信音響信号の特徴(たとえば、周波数および/または強度)は、着用者の特徴および/もしくは標的組織の場所(たとえば、閉じ込められた空気のポケットならびに/またはスピーカおよび/もしくはマイクロホンと標的組織との間の距離)に応じるものであってもよい。たとえば、第2の発信音響信号410Bは、第1の発信音響信号410Aまたは第3の発信音響信号410Cの強度より大きい強度で発信されてもよく、これは、第2の発信音響信号410Bの標的組織(すなわち、第2の空気ポケット405B)が、第1の空気ポケット405Aまたは第3の空気ポケット405Cより、肺425内の深いところにある(すなわちスピーカ231およびマイクロホン221からさらに離れている)ためである。
【0102】
第1の検出音響信号415A、第2の検出音響信号415B、および第3の検出音響信号415Cの間を区別するための例示的な技術は、それだけに限定されないが、周波数分析(第1の検出信号415A、第2の検出信号415B、および/または第3の検出信号415Cが音響信号の異なる周波数を含む場合の実施形態において使用され得る)、および/または時間ドメイン分析(たとえば、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および/または第3の発信音響信号410Cが異なる時間に発信される場合の実施形態において使用され得る)を含む。追加的または代替的に、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cの間の相違は、たとえば、標的となる閉じ込められた空気ポケット405A、405Bおよび/または405Cの位置(たとえば、スピーカ231からの距離)および/またはサイズに応答するものであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cの間の相違は、マイクロホン221によって受信されるすべての信号間を区別するために、たとえば、DSP/コントローラ230および/または外部処理デバイスによって使用されてもよい。いくつかのケースでは、第1の検出信号415A、第2の検出信号415B、および/または第3の検出信号415Cは、たとえば、(各々の異なる発信音響信号が異なる時間に着用者に投影されるときに起こり得るときの)これらが受信された時間、ならびに/または検出信号内に含まれる周波数および/もしくは周波数のセットを介して、たとえばDSP/コントローラ230および/または外部プロセッサによって互いに区別されてもよい。追加的または代替的に、発信音響信号の1つまたは複数は、その信号が経時的に発信されるときに発信音響信号内に埋め込まれたシグネチャ(たとえば、周波数のセットまたは音響信号の不在)を含んでもよく、このシグネチャは、1つの発信音響信号を別のものと区別するために使用されてもよい。
【0103】
スピーカ231などのエミッタから、閉じ込められた空気の第1のポケット405A、第2のポケット405B、および第3のポケット405Cのような空気ポケット内に位置決めされた閉じ込められた空気に至り、マイクロホン221のような受信機に戻る距離が、閉じ込められた空気ポケットごとに変わること、および時間におけるこうした相違が、各特定の刺激(または音の周波数)に対する時間遅延を推定することによって異なる閉じ込められた空気ポケット間を区別することを可能にし得ることが予想される。
【0104】
いくつかの実施形態では、発信音響信号は、知られている周波数を使用して生成されてもよく、この周波数は、いくつかのケースでは、擬似ランダムに選択された周波数のセット(たとえば、PNシーケンス)であってもよく、および/またはこれを含んでもよい。これらの知られている周波数および/または周波数のセットは、たとえば、周波数のグループまたはセットからの信号の整合を容易にし、検出音響信号を、比較のために、たとえば時間および/または周波数において互いに整列させ、ならびに/または検出音響信号を一緒にグループ化することによって、検出音響信号の分析をより容易にし得る。分析は、たとえば、着用者の肺内の1つまたは複数の閉じ込められた空気ポケットの特徴(たとえば、サイズ、ボリューム、位置)を検出および/または決定するために実施されてもよい。いくつかのケースでは、発信音響信号内に含まれる擬似ランダムノイズの特徴を変化させることにより、異なる共鳴空洞サイズを有し得る、閉じ込められた空気ポケットなどの身体内の異なる位置および/または存在物から受信された対応する検出音響信号の部分の微調整および/または増幅が容易にされ得る。いくつかのケースでは、PNシーケンスは、知られている公式から導出された1’sおよび0’s(または1’sおよび-1’s)のストリームとして表されてもよく、および/またはこれに対応してもよく、このストリームは、ランダムノイズのように見えおよび/または挙動し得るバイナリ値を出力するが、これらは、そのジェネレーションの初期状態が知られている場合に知られているパターンを有する。PNシーケンスを音響ノイズに変換するために、知られているキャリア信号(たとえば、正弦波および/または異なる周波数における正弦波の組)が、PNシーケンスによって掛け合わされて、ランダム間隔でキャリア信号内に180度の位相シフトを効果的に導入してもよい。一般的な観察者には、元の信号はノイズのように見えるが、PNシーケンスを知っており、元のキャリア信号の特徴を知っている観察者には、検出音響信号を知られている成分を使用して互いに同期し、および/または検出音響信号を元の変更されたキャリア信号と比較してその間の1つまたは複数の相違(たとえば、一部の周波数における損失および/または他の周波数における増強)を決定することが可能になり得る。各1および-1の持続時間は、近くのまたは遠い空気閉じ込めポケットの信号を良好にすることができ、または空気ポケットを位置特定し、および/または検出することをより容易にすることができる。いくつかのケースでは、1および-1のより短い持続時間を有することで、(たとえば、閉じ込められた空気のボリューム(すなわち空気ポケット)の位置を決定するために)より良好な空間解像度が提供されてもよく、その理由は、移行が高速であるほど、より多くのビットを同じ時間にプロセッサに送ることができ、それによってより高い空間解像度が可能になるためである。音は時間をかけて肺または他の動物組織内を前後に進行するため、場合によっては、送信されているより高い密度のビットを有する発信音響信号を使用することで、検出音響信号のより正確な整合が可能になり得る。この空間解像度を達成するために、典型的には聞こえる範囲を超える、(たとえば48kHzを上回る)高いサンプリング周波数が、必要とされ得る。
【0105】
図4Bは、閉じ込められた空気のそれぞれの第1のポケット405A、第2のポケット405B、および第3のポケット405C上に入射する第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および/または第3の発信音響信号410Cのみを示しているが、これは必ずしもそうである必要はない。いくつかの実施形態では、第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および第3の発信音響信号410Cの1つまたは複数は、複数の閉じ込められた空気のポケット405上に入射してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、スピーカ231は、異なる軌道でおよび/または異なる強度(パワーレベル)で第1の発信音響信号410A、第2の発信音響信号410B、および/または第3の発信音響信号410Cを、着用者内の異なる標的場所(たとえば、3つの閉じ込められた空気ポケット405A、405B、および/または405B)の方にその音響信号が方向付けられるように発信してもよい。これは、発信音響信号を1つまたは複数の閉じ込められた空気ポケット405A、405B、および/または405C上に集中させる働きをしてもよい。追加的または代替的に、肺組織の異なる深さ(すなわち、スピーカと空気ポケットとの間の距離)に位置決めされた閉じ込められた空気ポケットと共鳴する可能性を有する発信音響信号の周波数が、選択されてもよく、組織の特定の深さおよび/または位置に関連付けられた周波数において共鳴が見つけられたとき、閉じ込められた空気ポケットの対応する位置が決定されてもよい。このようにして、着用者の肺内のさまざまな閉じ込められた空気ポケットの位置および/または特徴が、プロットまたはマッピングされ得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、能動的聴診システム203、301、302、303および/または304は、単一(または複数の)スピーカ/マイクロホン対に送り出すために最長シーケンスを使用するように構成されてもよい。次いで、整合したフィルタを使用して、距離によって共鳴を推定し、および/または多重共鳴刺激を実施してもよい。最長シーケンスは、反復可能な生成的プロセスまたは生成的パラメータを使用して作りだされた周波数の擬似ランダムに選択されたシーケンスであってもよい。いくつかのケースでは、最長シーケンスは、1つまたは複数の特殊な特徴を有してもよく、それらの周波数スペクトラムは、広帯域(または白色)ノイズのように見える。時には、異なる生成的パラメータを有する2つの最長シーケンスは、非常に類似する平均周波数スペクトラムを有することがあるが、各特定のシーケンスに整合するフィルタを作りだして、異なるパラメータを有する他の信号および/またはシーケンスの存在下でも各個々のシーケンスの検出を可能にすることができる。
【0108】
図5Aから5Dおよび6Aから6Dそれぞれは、音響信号が肺内に投影されたときに、システム201および/もしくは202のようなシステムによって、ならびに/または能動的聴診デバイス203、301、302、303、および/もしくは304のような能動的聴診デバイスによって生成/検出され得る検出音響信号の例示的なスペクトログラムの第1および第2のセットを提供する。これらのスペクトログラムは、第1のY軸(図に配向されるように左)に周波数をHzで示し、第2のY軸(図に配向されるように右)に大きさをデシベル(dB)で示し、x軸上にフレーム×10
4のカウント数を示す。いくつかのケースでは、フレーム数は、時間(すなわち、対応するスペクトログラフ測定がいくつのフレームを通過するか)に対応してもよい。加えて、着用者が吸い込み、吐き出しているときもまた、X軸に沿ってスペクトログラム上に重ね合わせられる。いくつかのケースでは、着用者が呼吸するときの重ね合わせは、たとえば、これが、スペクトログラムを生成するために使用されるデータを収集するために能動的聴診デバイスが使用されている間の患者の呼吸の観察に基づいて得られるときに、手動でデータに挿入されてもよい。
図5Aから5Dおよび6Aから6Dのスペクトログラムの1つまたは複数は、着用者の肺シグネチャを決定および/または確立するために使用されてもよい。
【0109】
より具体的には、
図5Aから5Dは、COPDを有さない肺のスペクトログラムを提供し、
図5Aは、各フレームにおける瞬間エネルギーがグラフの右側に位置決めされたグレースケールバーまたはスケールによって表されるスペクトログラム501を提供し、
図5Bは、7秒の呼吸周期で1分あたり8.57ブレスの速さで呼吸している、休息しているときのCOPDを有さない対称被検者についての経時的なエネルギー変化、またはエネルギー発生のスペクトログラム502を提供する。いくつかのケースでは、
図5Bのスペクトログラム502は、ベースラインとして働いてもよく、同じまたは異なる患者についての他のスペクトログラムのエネルギーの変化は、スペクトログラム502のベースラインと比較され、ベースラインエネルギーからの相違としてプロットされてもよい。
図5Bのスペクトログラム502に示すエネルギー発生のダイナミックレンジは、[-8:6]dB(14dB)の範囲にある。被検者がその呼吸を1分あたり12ブレスの呼吸速度まで増加させたとき、平滑化スペクトログラム503が
図5Cに示すように生み出される。
図5Dは、非常に急で局所化されたエネルギー変化を有し、約7dBであるエネルギー発生の例示的な低減されたダイナミックレンジを示すスペクトログラム504を提供する。
【0110】
例示的なスペクトログラム501から504の第1のセットは、音響信号がCOPDを有さない肺内に投影されたとき、システム201および/もしくは202のようなシステム、ならびに/または能動的聴診デバイス203、301、302、303、および/もしくは304のような能動的聴診デバイスによって生成/検出されてもよく、スペクトログラム501は、平滑化スペクトログラムを示し、スペクトログラム502は、着用者が運動する前の検出音響信号のエネルギー発生を示す。スペクトログラム501および502は、着用者が1分あたり約8.5ブレスの比較的遅い速度で呼吸しているときに得られた[-8:6]dBの範囲間の14個のデシベルの比較的大きいダイナミックレンジを示す。スペクトログラム503は、平滑化スペクトログラムを示し、スペクトログラム504は、スペクトログラム501および502からの着用者が運動中により速く呼吸しているときの検出音響信号のエネルギー発生を示しており、スペクトログラム501および502それぞれと比較して低減されたダイナミックレンジを実証しており、スペクトログラム503および504は、1分あたり約12ブレスの比較的速い速度で着用者が呼吸しているときに得られた[-5:2]dBの範囲間の7個のデシベルのダイナミックレンジを示す。このようにして、着用者の可変の呼吸速度中の肺の音響シグネチャが、対照着用者(すなわち、COPDと診断されていない着用者)の音響シグネチャのベースラインとして測定および/または確立されてもよい。
【0111】
図6A、6B、6C、および6Dは、音響信号が重症のCOPD(すなわち複数の閉じ込められた空気ポケット)を有する肺内に投影されたときにシステム201および/もしくは202のようなシステムによって、ならびに/または能動的聴診デバイス203、301、302、303および/もしくは304のような能動的聴診デバイスによって生成/検出され得る検出音響信号の例示的なスペクトログラム601、602、603、および604それぞれの第2のセットを提供する。より具体的には、
図6Aは、着用者が1分あたり約12ブレスで呼吸しているときの肺の平滑化スペクトログラム601を提供する。
図6Bは、着用者が運動している、および/または1分あたり約12ブレスの比較的速い速度で呼吸している間の検出音響信号のエネルギー発生を示し、また、低減されたダイナミックレンジ[-4:1]dBも示し、ここでは、エネルギー変化は、すべてのスペクトルにわたって非常に一定であり続ける、スペクトログラム602を提供する。
図6Cは、着用者が運動しており、着用者の呼吸速度が増加したときの検出信号を示すスペクトログラム603を提供する。
図6Dは、着用者が運動後に休息しており、着用者の呼吸速度は運動後に1分あたり10ブレスまで低下したが、エネルギー発生は[-4:1]dBまたは5dBのダイナミックレンジであり続けるときの検出信号を示しているスペクトログラム604を提供する。
【0112】
たとえば、本明細書に説明する能動的聴診デバイスによって行われる能動的聴診測定は、スピーカおよびマイクロホンに電力供給することと、大抵の場合は肺および/または肺内の閉じ込められた空気のポケットまたはボリュームであってもよい、着用者の身体内に関心領域に向けて音響信号を送信することとを含んでもよい。発信音響信号は、たとえば、単一の周波数、周波数のセット、周波数の広帯域セット、および/または周波数のホワイトノイズ様広帯域セットであってもよい。いくつかの場合では、音響信号は、経時的に変化してもよい。たとえば、音響信号は、経時的に変調されてもよく、および/または周波数を変化させてもよい。周波数の変化は、ランダム、擬似ランダム、および/または連続的(たとえば、規則的な間隔(たとえば、10Hz、100Hzなど)での増加および/または減少)であってもよい。追加的または代替的に、音響エネルギーは、測定値を生成するのに十分な強度/パワーを有してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書のシステム、デバイス、および方法は、音響信号が着用者および/または着用者近くの他の個体によって聞こえるほどの強度/パワーのものではないように構成されてもよい。
【0113】
発信音響信号から生じる音響信号(すなわち検出音響信号)は、1つまたは複数のマイクロホンによって検出され、デジタル信号に変換されてもよく、このデジタル信号は、DSP/コントローラ230のようなプロセッサ/メモリ構成によって記憶および/または処理されてもよい。検出音響信号は、DSP/コントローラ230によって処理され、メモリ240内に記憶されてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示する能動的聴診デバイスは、可変の持続時間および/または解像度の測定を行うように構成されてもよい。たとえば、測定は、高解像度、中間解像度、および低解像度で行われてもよく、測定値は時間において変化してもよい。
【0115】
高解像度測定は、詳細な測定と称され得る。1つの実施形態では、高解像度測定は、たとえば、1分あたり203から300キロバイトのデータ消費速度で、たとえば3から10分の持続時間を有してもよい。高解像度測定に対する例示的なデータ記憶要件は、たとえば、1.2から1.8メガバイトであってもよい。1つの実施形態では、高解像測定を行うために、能動的聴診デバイスは、無線および/または有線通信接続を介して外部処理デバイス(たとえば、コンピュータシステム23、着用者コンピュータデバイス27など)に接続されることが必要とされ得る。場合によっては、外部処理デバイスは、能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304のような能動的聴診デバイスと通信するように構成されたソフトウェアアプリケーションを実行していてもよく、それにより、たとえば、能動的聴診デバイスは、測定されたときに測定値をリアルタイムで伝達し、それによってメモリ240内に測定値を記憶する必要性が避けられ得る。追加的または代替的に、測定値(たとえば、メモリ240上に記憶された低解像度測定値)は、外部処理デバイスとの通信可能な結合時に外部処理デバイスに伝達されてもよい。いくつかの実施形態では、高解像度測定は、アプリケーションによってトリガされてもよく、このアプリケーションはまた、たとえばある種の測定の実施、測定が行われる前、その間、および/またはその後に着用者がとるアクション(たとえば、呼吸運動および/または運動)を開始するために実施する一連のステップを通じて着用者を誘導してもよい。追加的または代替的に、ソフトウェアアプリケーションは、たとえば、着用者の健康状態、着用者の快適度/生活の質および/または環境状態(たとえば、温度、湿度レベル、空気品質レベルなど)に関する1つまたは複数の質問を着用者に尋ねてもよい。これらの質問に対する答えは、能動的聴診デバイスによって行われ、外部コンピューティングデバイスによって受信された測定値に関連付けられてもよい。いくつかの場合では、高解像度測定値は、リアルタイムでアプリケーションに送信されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの質問に対する答えは、たとえば、答えを定量化し、同じ質問に対する患者の答えを経時的に追跡するために、たとえば、(患者-報告-アウトカム(PRO)器具の場合のように)質問に関連付けられ得るスコアリング公式に従ってスコアリングされてもよい。
【0116】
本明細書に開示するシステムおよびデバイスによって行われる低解像度測定はまた、迅速測定と称され得る。1つの実施形態では、低解像度測定は、たとえば、1分あたり28から30キロバイトの例示的なデータ消費速度で0.5から5分の持続時間を有してもよい。個々の低解像度測定は、40から80キロバイトの最大データ記憶要件を有してもよい。1つの実施形態では、能動的聴診デバイスは、1つまたは複数の低解像度測定値を搭載メモリ内に記憶してもよい。記憶された測定値はその後、たとえば、能動的聴診デバイスと外部通信デバイスの同期時に外部処理デバイスにアップロードされてもよい。メモリが満杯になると、センサおよびアプリケーション上の視覚的表示が表示されてもよく、アプリケーションとメモリの同期が解消されるまで新しい測定は不可能になり得る。
【0117】
いくつかのケースでは、ノイズ低減アルゴリズム(たとえば、決定論的ビーム形成アルゴリズム)が、たとえば、信号対ノイズ比(SNR)を改善するために、検出音響信号に適用されてもよい。次いで、その結果生じたオーディオストリームは、たとえば、持続時間2から30ミリ秒のフレームにセグメント化されてもよく、高速フーリエ変換(FFT)が、各セグメントに適用されてもよい。セグメントは、次いで、たとえば、外れ値またはノイズ発生セグメントを見つけるために、互いに、および/または、直近のセグメントの実行平均と個々に比較されてもよい。セグメントは、次いで、たとえば、患者のLRSを推定し、および/または、その変動を、たとえば0.5、10、および120秒の移動平均を使用して経時的に追跡するために分析されてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、LRSおよび/またはセグメントの分析は、たとえば、肺ボリューム変化、肺共鳴および/または空気ポケット共鳴、換気量などを患者の呼吸サイクルにわたって決定するために使用されてもよい。追加的または代替的に、患者のLRSは、すべてのスペクトルフレーム上(たとえば
図5Aから5Dおよび6Aから6Dを参照)で最高エネルギーレベルであるメインスペクトルピーク(MSP)などの二次特性を導出するために使用されてもよい。他の二次特性は、スペクトルエネルギー発生(たとえば、高速平均と低速平均との間の相違)に相関付けられてもよい。これらの特性(LRS、肺ボリューム変化、二次特性など)は、たとえば、吸い込みおよび吐き出し中の患者のLRSのサイクル変化を追跡するために使用されてもよい。ここから、呼吸周期推定が実施されて、たとえば、患者の視覚的観察によって行われ得るような手動ラベリングと比較されるときに、呼吸事象(吸い込みおよび吐き出し)がマークされてもよい。
図7は、秒単位の推定された呼吸周期の関数として観察される、秒単位の患者のラベル付けされた呼吸周期を比較する散布
図701を提供する。推定された呼吸周期は、100個のテストセグメントから選択された16,000個のフレームの分析によって決定される。散布
図701はまた、R2=0.960の場合の線形回帰も提供する。
【0119】
本明細書に開示するシステム、デバイス、および方法の使用は、COPDおよび/または空気閉じ込めに加えて、多くの呼吸状態を監視するのに適用可能であってもよい。たとえば、能動的聴診、ならびに能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304によって取得された他の測定値は、多くの異なる肺状態および/もしくは肺の健康状態を監視し、ならびに/または1つまたは複数の肺状態を診断するために使用されてもよい。たとえば、能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304によって取得された測定値は、気管支の炎症、ぜんそく、肺炎、癌、肺塞栓症、および/または、肺組織の硬化によって特徴付けられる、間質性肺疾患である例示的な肺の疾患および/または状態によって疾患および/または疾患進行度を測定および/または診断するために使用されてもよい。追加的または代替的に、能動的聴診デバイス203、301、302、303および/または304によって取得される能動的聴診および他の測定値は、たとえば、処置(たとえば、投薬、呼吸療法、および/または運動)の効果性を評価するために、肺状態を経時的に監視するために使用されてもよい。
【0120】
図8は、たとえば、本明細書に開示する能動的聴診デバイスを使用して能動的聴診を実施するための例示的なプロセス800のステップを提供しているフロー図である。プロセス800は、システム201および/もしくは202などの本明細書に開示するシステムおよび/もしくはシステム構成要素、ならびに/または能動的聴診デバイス203、301、302、303のような能動的聴診デバイスのような能動的聴診デバイスの1つまたは複数によって実行されてもよい。
【0121】
任意選択で、ステップ805では、発信音響信号405A、405B、および/または405C音響信号のような音響信号を着用者の胸郭内に投影し始めるための起動および/またはトリガの表示が、たとえば、DSP/コントローラ230などの能動的聴診デバイスのプロセッサによって受信されてもよい。起動および/またはトリガは、たとえば、IMU250などの慣性動作ユニットからの、着用者が動いた(たとえば、吸い込んだ、吐き出した、歩き始めたなど)という表示であってもよく、ならびに/または、メモリ240などのメモリ内に記憶された、たとえば、スケジュールされたおよび/または周期的な能動的聴診測定が能動的聴診デバイスによって行われるべきという命令に応答するものであってもよい。
【0122】
ステップ810では、音響信号および/または音響信号のセットが、たとえば、
図4Bに示すようなスピーカアレイ230のスピーカ231などの1つまたは複数のスピーカによって、着用者の胸郭内に着用者の肺(たとえば肺425)に向けて投影されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ810の実行は、ステップ805の実行に応答するものであってもよい。次いで、ステップ815では、着用者の組織(たとえば肺組織)を通過した、および/またはこれから反射された1つまたは複数の検出音響信号が、マイクロホン220などの1つまたは複数のマイクロホンによって検出され、DSP/コントローラ230および/またはプロセッサ204などのプロセッサによって伝達/受信されてもよい。任意選択で、ステップ820では、受信された検出音響信号は、次いで、ノイズを除去し、たとえば、望ましくない音の周波数をフィルタリング除去し(たとえばバンドパスフィルタの適用)、および/または検出音響信号を構成するデータを圧縮するように事前処理されてもよい。追加的または代替的に、ステップ820では、検出音響信号は、たとえば、周期的な間隔(たとえば、3秒ごとに0.5sサンプルまたは5秒ごとに1sサンプル)でサンプリングされてもよい。
【0123】
任意選択で、ステップ825では、検出音響信号の信号品質が閾値(たとえば、信号対ノイズ比(SNR))を下回っているかどうか、ならびに/またはプロセス800を実行し、および/もしくはプロセス800の実行中に受信され得る情報を提供するために使用される能動的聴診デバイスの動きが検出されたかどうかが決定されてもよい。信号品質が閾値を下回っているかどうかを決定するとき、ステップ825は、たとえば、DSP/コントローラ230および/または外部プロセッサ204のような搭載プロセッサによって実行されてもよい。ステップ825が外部プロセッサによって実施されるとき、ステップ825の実行は、受信された信号が正しく、および/または、たとえば着用者の身体(たとえば水分)からの干渉無く無線で送信されているかを決定するために、受信された信号を分析することを含んでもよい。信号品質が閾値を下回ったとき、較正シーケンスが実施されてもよい(ステップ830)。場合によっては、較正シーケンスを実施することは、たとえば、最もクリアな検出音響信号および/または閾値SNRを上回る検出音響信号を提供する1つまたは複数のスピーカ/マイクロホン対を決定するために、スピーカアレイ230のようなスピーカアレイの1つまたは複数のスピーカからの音響信号、および/またはマイクロホンアレイ220のようなマイクロホンアレイの1つまたは複数のマイクロホンによって受信された検出音響信号の分析を送信することを含んでもよい。
【0124】
ステップ825の実行が、動きが検出されなかったことを示すとき、プロセス800はステップ835に進んでもよい。動きが、たとえば、IMU250、臨床医の視覚的観察によって、および/または能動的聴診デバイスに通信可能に結合されたデバイス(たとえば、コンピュータシステム23および/または着用者のコンピュータデバイス27などの能動的聴診デバイスの位置を三角測量するデバイス)によって検出されたとき、たとえば、検出音響信号を捕捉するために能動的聴診デバイスによって使用されるマイクロホンおよび/またはスピーカの動作を最適化し、それによって検出音響信号の1つまたは複数の特性(たとえば、SNR、強度、パワーなど)を最適化するために、較正プロセスが実施されてもよい。
【0125】
ステップ835では、検出音響信号、サンプリングされた検出音響信号、および/または事前処理された検出音響信号は、その1つまたは複数の特徴を決定するために分析されてもよく、分析の結果は、たとえば、着用者の肺シグネチャ、着用者の肺内の閉じ込められた空気のボリューム、着用者の呼吸器機能の程度、および/または着用者の呼吸器の健康状態の表示を決定するために使用されてもよい(ステップ840)。ステップ845では、ステップ835の分析(たとえばスペクトログラフ)の結果および/または着用者の肺の共鳴シグネチャの表示が、ディスプレイ209のようなディスプレイデバイスに提供されてもよい。
【国際調査報告】