(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】血管内心房細動治療システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/02 20060101AFI20240801BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61B18/02
A61B18/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503684
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 US2022040163
(87)【国際公開番号】W WO2023018937
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524024513
【氏名又は名称】チェンバーテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】チェンバース、リチャード
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ03
4C160KK03
4C160KK17
4C160MM38
(57)【要約】
革新的な概念によれば、心房性不整脈を治療するためのシステムおよび方法が提供される。当該システムは、細長い近位シャフトおよび遠位アブレーションプローブを有し得、該遠位アブレーションプローブは、(a)細長い近位シャフトの遠位端にて支持され、(b)拘束されていないときには、互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面を少なくとも定める形状であり、かつ、(c)心臓の心房壁に、離間しており、かつ、互いに並んで走る第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを少なくとも含む1つ以上のアブレーション病変を作るように構成される。当該方法は、当該システムを用いて病変を作る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心房性不整脈を治療するためのアブレーションカテーテルであって、当該アブレーションカテーテルは:
細長い近位シャフトと;
遠位アブレーションプローブを有し、該遠位アブレーションプローブは、(a)前記の細長い近位シャフトの遠位端にて支持され、(b)拘束されていないときには、互いに並んで走る第1の細長いアブレーション表面および第2の細長いアブレーション表面を少なくとも定める形状であり、かつ、(c)心臓の心房壁において、互いに離間しており、かつ、互いに並んで走る第1の細長い連続したアブレーション病変セグメントおよび第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを少なくとも含む1つ以上のアブレーション病変を作るように構成される、
前記アブレーションカテーテル。
【請求項2】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が各々、第1の細長い連続したアブレーション表面および第2の細長い連続したアブレーション表面を有する、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項3】
前記の第1の細長いアブレーション表面が、前記の第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を有し、かつ、
前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記の第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を有する、
請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項4】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が各々、第1の細長い不連続のアブレーション表面および第2の細長い不連続のアブレーション表面を有する、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項5】
前記遠位アブレーションプローブが、拘束されていないときには、互いに垂直である最も大きい大寸法および最も大きい小寸法を有し、前記の最も大きい大寸法は前記の最も大きい小寸法の少なくとも3倍である、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項6】
前記の最も大きい大寸法が前記の最も大きい小寸法の少なくとも4倍である、請求項5に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項7】
前記遠位アブレーションプローブが、拘束されていないときには、4~10cmの最大寸法を有する、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項8】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには同一平面上にある、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項9】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには互いに平行である、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項10】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、4~8cmのアブレーション表面長さのために互いに並んで走る、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項11】
前記の第1の細長いアブレーション表面と前記の第2の細長いアブレーション表面との間の最も近い距離が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには5~20mmである、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項12】
前記遠位アブレーションプローブが、1つ以上の感知電極を有する、請求項1に記載のアブレーションプローブ。
【請求項13】
前記の第1の細長いアブレーション表面と前記の第2の細長いアブレーション表面との間の距離が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面に沿って変動しない、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項14】
前記の第1の細長いアブレーション表面と前記の第2の細長いアブレーション表面との間の距離が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面に沿って変動する、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項15】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには直線状である、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項16】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには湾曲している、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項17】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が各々の曲率半径を有し、該曲率半径はそれぞれ0.2~1.2cmである、請求項16に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項18】
前記遠位アブレーションプローブが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面を定める形状である細長い遠位シャフトを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項19】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトが互いに垂直である最も大きい大寸法および最も大きい小寸法を有し、かつ、前記の最も大きい大寸法は前記の最も大きい小寸法の少なくとも3倍に等しい、請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項20】
前記の最も大きい大寸法が前記の最も大きい小寸法の少なくとも4倍である、請求項19に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項21】
前記の細長い遠位シャフトの近位端が前記の細長い近位シャフトの前記遠位端にて支持され、かつ、
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトの近位部が前記の細長い近位シャフトの前記遠位端を通過する前記の細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は45~90度である、
請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項22】
前記角度が60~90度である、請求項21に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項23】
前記の第1の細長いアブレーション表面が、前記の第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を有し、かつ、
前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記の第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を有する、
請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項24】
前記の細長い遠位シャフトの遠位端が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面に沿って配置される、請求項23に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項25】
前記の細長い遠位シャフトの遠位端が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトの近位端に物理的に接触する、請求項24に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項26】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトの内周が2~16cm2の領域を取り囲む、請求項25に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項27】
前記の細長い遠位シャフトが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面を接続する2つの湾曲した接続端部を定める形状である、請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項28】
前記の第1の細長いアブレーション表面および第2の細長いアブレーション表面が湾曲しており、かつ、前記の細長い遠位シャフトが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには卵形面である、請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項29】
前記の細長い遠位シャフトが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときにはスタジアム形状である、請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項30】
請求項18に記載のアブレーションカテーテルを有するアブレーションシステムであって、当該アブレーションシステムはさらに、血管内送達シースを有し、該血管内送達シースの中には、前記の細長い遠位シャフトが前記血管内送達シースによって拘束されるように前記アブレーションカテーテルが送達のために取り外し可能に配置され、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記血管内送達シースに沿った各々の長手方向に重複しない位置に配置されるようになっている、前記アブレーションシステム。
【請求項31】
前記遠位アブレーションプローブが形状記憶材料を有し、該形状記憶材料は、前記の細長い遠位シャフトが、前記の細長い遠位シャフトが拘束されていないときには互いに並んで走る前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2のアブレーション表面を定めることを引き起こす、請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項32】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、
前記の細長い遠位シャフトの近位端が前記の細長い近位シャフトの前記遠位端にて支持され、
前記の第1の細長いアブレーション表面が前記の細長い遠位シャフトの前記近位端を含み、
前記近位端が前記の第1の細長いアブレーション表面の終点から距離をおいて前記の第1の細長いアブレーション表面に沿う位置に配置され、該距離は前記の第1の細長いアブレーション表面の長さの40%~60%に等しい、
請求項18に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項33】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面によって定められる最良適合平面が、前記の細長い近位シャフトの前記遠位端を通過する前記の細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は45~90度である、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項34】
前記角度が60~90度である、請求項33に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項35】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、冷凍アブレーションを適用するように構成される、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項36】
前記遠位アブレーションプローブが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面を定める形状の細長い遠位シャフトを有し、
前記の遠位の細長いシャフトは内側チューブおよび外側チューブを有し、
前記内側チューブは第1のルーメンを定める形状であり、
前記内側チューブおよび前記外側チューブは一緒になって前記内側チューブの外面と前記外側チューブの内面との間に第2のルーメンを定め、かつ、
前記の第1のルーメンおよび前記の第2のルーメンは前記の遠位の細長いシャフトの遠位端の近くで互いと流体連通する、
請求項35に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項37】
請求項36に記載のアブレーションカテーテルを有するアブレーションシステムであって、当該アブレーションシステムはさらに、前記の第1のルーメンおよび前記の第2のルーメンと流体連通して連結された極低温流体源を有する、前記アブレーションシステム。
【請求項38】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、1つ以上のアブレーション電極の各々のセットを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項39】
心房性不整脈を治療するための方法であって、当該方法は:
経カテーテル術において、心臓の心房の中へと、アブレーションカテーテルの細長い近位シャフトの遠位端にて支持された遠位アブレーションプローブを前進させることを有し;
前記心房において前記遠位アブレーションプローブを配備することを有し、前記遠位アブレーションプローブが、互いに並んで走る第1の細長いアブレーション表面および第2の細長いアブレーション表面を少なくとも定める形状であるようになっており;かつ、
前記遠位アブレーションプローブを用いて、心房壁において、互いに離間しており、かつ、互いに並んで走る第1の細長い連続したアブレーション病変セグメントおよび第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを少なくとも含む1つ以上のアブレーション病変を作ることを有する、
前記方法。
【請求項40】
前記の1つ以上のアブレーション病変を作ることが、前記心房壁の各々の場所において前記心房壁の電気的に不活性な境界を接続する前記の第1の細長い連続したアブレーション病変セグメントおよび前記の第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを作ることを有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記の第1の細長い連続したアブレーション病変セグメントおよび前記の第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを作ることが、概して:
・ 左上肺静脈(LSPV)のオリフィスと右上肺静脈(RSPV)のオリフィスとの間、
・ RSPVと僧帽弁(MV)との間、
・ 右下肺静脈(RIPV)とMVとの間、
・ 左下肺静脈(LIPV)とRIPVとの間、
・ LSPVとRIPVとの間、または、
・ RSPVとLIPVとの間を延びる前記の第1の細長い連続したアブレーション病変セグメントおよび前記の第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを作ることを有する、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
当該方法が、前記遠位アブレーションプローブを用いて肺静脈隔離を実行することを有さない、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記の細長い遠位シャフトが血管内送達シースによって拘束されるように前記アブレーションカテーテルが送達のために前記血管内送達シースに取り外し可能に配置されている間に前記遠位アブレーションプローブを前進させ、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記血管内送達シースに沿った各々の長手方向に重複しない位置に配置されるようになっている、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が各々、第1の細長い連続したアブレーション表面および第2の細長い連続したアブレーション表面を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記の第1の細長いアブレーション表面が、前記の第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を含み、かつ、
前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記の第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を含む、
請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が各々、第1の細長い不連続のアブレーション表面および第2の細長い不連続のアブレーション表面を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記遠位アブレーションプローブが、拘束されていないときには、互いに垂直である最も大きい大寸法および最も大きい小寸法を有し、前記の最も大きい大寸法は前記の最も大きい小寸法の少なくとも3倍である、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記の最も大きい大寸法が前記の最も大きい小寸法の少なくとも4倍である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記遠位アブレーションプローブが、拘束されていないときには、4~10cmの最大寸法を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには同一平面上にある、請求項39に記載の方法。
【請求項51】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには互いに平行である、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには直線状である、請求項39に記載の方法。
【請求項53】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには湾曲している、請求項39に記載の方法。
【請求項54】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が各々の曲率半径を有し、該曲率半径はそれぞれ0.2~1.2cmである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記遠位アブレーションプローブが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面を定める形状である細長い遠位シャフトを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項56】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトが互いに垂直である最も大きい大寸法および最も大きい小寸法を有し、かつ、前記の最も大きい大寸法は前記の最も大きい小寸法の少なくとも3倍に等しい、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記の最も大きい大寸法が前記の最も大きい小寸法の少なくとも4倍である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記の細長い遠位シャフトの近位端が前記の細長い近位シャフトの前記遠位端にて支持され、かつ、
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトの近位部が前記の細長い近位シャフトの前記遠位端を通過する前記の細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は45~90度である、
請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記角度が60~90度である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記の第1の細長いアブレーション表面が、前記の第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を含み、かつ、
前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記の第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を含む、
請求項55に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項61】
前記の細長い遠位シャフトの遠位端が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面に沿って配置される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記の細長い遠位シャフトの遠位端が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトの近位端に物理的に接触する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の細長い遠位シャフトの内周が2~16cm2の領域を取り囲む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記の細長い遠位シャフトが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面を接続する2つの湾曲した接続端部を定める形状である、請求項55に記載の方法。
【請求項65】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が湾曲しており、かつ、前記の細長い遠位シャフトが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには卵形面である、請求項55に記載の方法。
【請求項66】
前記の細長い遠位シャフトが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときにはスタジアム形状である、請求項55に記載の方法。
【請求項67】
前記遠位アブレーションプローブが形状記憶材料を含み、該形状記憶材料は、前記の細長い遠位シャフトが、前記の細長い遠位シャフトが拘束されていないときには互いに並んで走る前記の第1のアブレーション表面および前記の第2のアブレーション表面を定めることを引き起こす、請求項55に記載の方法。
【請求項68】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、
前記の細長い遠位シャフトの近位端が前記の細長い近位シャフトの前記遠位端にて支持され、
前記の第1の細長いアブレーション表面が前記の細長い遠位シャフトの前記近位端を含み、
前記近位端が前記の第1の細長いアブレーション表面の終点から距離をおいて前記の第1の細長いアブレーション表面に沿う位置に配置され、該距離は前記の第1の細長いアブレーション表面の長さの40%~60%に等しい、
請求項55に記載の方法。
【請求項69】
前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面によって定められる最良適合平面が、前記の細長い近位シャフトの前記遠位端を通過する前記の細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は45~90度である、請求項39に記載の方法。
【請求項70】
前記角度が60~90度である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、4~8cmのアブレーション表面長さのために互いに並んで走る、請求項39に記載の方法。
【請求項72】
前記の第1の細長いアブレーション表面と前記の第2の細長いアブレーション表面との間の最も近い距離が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには5~20mmである、請求項39に記載の方法。
【請求項73】
前記の第1の細長いアブレーション表面と前記の第2の細長いアブレーション表面との間の距離が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面に沿って変動しない、請求項39に記載の方法。
【請求項74】
前記の第1の細長いアブレーション表面と前記の第2の細長いアブレーション表面との間の距離が、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面に沿って変動する、請求項39に記載の方法。
【請求項75】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、冷凍アブレーションを適用するように構成される、請求項39に記載の方法。
【請求項76】
前記遠位アブレーションプローブが、前記遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面を定める形状の細長い遠位シャフトを含み、
前記の遠位の細長いシャフトは内側チューブおよび外側チューブを含み、
前記内側チューブは第1のルーメンを定める形状であり、
前記内側チューブおよび前記外側チューブは一緒になって前記内側チューブの外面と前記外側チューブの内面との間に第2のルーメンを定め、かつ、
前記の第1のルーメンおよび前記の第2のルーメンは前記の遠位の細長いシャフトの遠位端の近くで互いと流体連通する、
請求項75に記載の方法。
【請求項77】
極低温流体源を前記の第1のルーメンおよび前記の第2のルーメンと流体連通して連結させることをさらに有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記の第1の細長いアブレーション表面および前記の第2の細長いアブレーション表面が、1つ以上のアブレーション電極の各々のセットを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項79】
前記遠位アブレーションプローブが、1つ以上の感知電極を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項80】
その他の請求項のいずれか1つ以上と組み合わされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項81】
その他の請求項のいずれか1つ以上と組み合わされる、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、「血管内心房細動治療」と題する、2021年8月13日付けで出願の米国仮特許出願第63/260,234号への優先権を主張する。
【0002】
本願は、2022年4月28日付けで出願の「組織治療システム」と題する米国仮特許出願第63/335,939号および2021年7月27日付けで出願の「組織治療システム」と題する米国仮特許出願第63/203,606号への優先権を主張した2022年7月27日付けで出願の「組織治療システム」と題する特許協力条約(PCT)出願第PCT/US22/38464号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
本願は、2022年4月28日付けで出願の「病変インデックスを用いたエネルギー送達システム」と題する米国仮出願第63/336245号および2021年7月27日付けで出願の「病変インデックスを用いたエネルギー送達システム」と題する米国仮出願第63/226,040号への優先権を主張する2022年7月27日付けで出願の「病変インデックスを用いたエネルギー送達システム」と題する特許協力条約(PCT)出願第PCT/US22/038461号への優先権は主張しないがそれに関連し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0004】
本願は、2021年2月17日付けで出願の「アブレーションインデックスを用いたエネルギー送達システム」と題する米国仮出願第63/150,555号への優先権を主張する2022年2月17日付けで出願の「アブレーションインデックスを用いたエネルギー送達システム」と題する特許協力条約出願第PCT/US2022/016722号の米国国内段階出願への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
本願は、2016年10月11日付けで出願の「力制御を行うアブレーションシステム」と題する米国仮出願第62/406,748号および2017年5月10日付けで出願の「力制御を行うアブレーションシステム」と題する米国仮出願第62/504,139号への優先権を主張する2017年10月11日付けで出願の「力制御を行うアブレーションシステム」と題する特許協力条約出願第PCT/US2017/056064号の35 USC第371条による国内段階出願である2019年3月22日付けで出願の「力制御を行うアブレーションシステム」と題する米国出願第16/335,893号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0006】
本願は、2016年5月3日付けで出願の「心臓情報動的表示システムおよび方法」と題する米国仮出願第62/331,351号への優先権を主張する2017年5月3日付けで出願の「心臓情報動的表示システムおよび方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2017/030915号の35 USC第371条による国内段階出願である2018年10月31日付けで出願の「心臓情報動的表示システムおよび方法」と題する米国出願第16/097,955号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0007】
本願は、2012年8月31日付けで出願の「心臓組織を診断および治療するためのシステムならび方法」と題する米国特許仮出願第61/695,535号への優先権を主張する2013年8月30日付けで出願の「カテーテルシステムと、心臓の診断および治療での使用を含むカテーテルシステムの医療使用方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2013/057579号の35 USC第371条による国内段階出願である2015年2月20日付けで出願の「カテーテルシステムと、心臓の診断および治療での使用を含むカテーテルシステムの医療使用方法」と題する米国特許第10,004,459号の継続である2018年6月19日付けで出願の「カテーテルシステムと、心臓の診断および治療での使用を含むカテーテルシステムの医療使用方法」と題する米国特許第10,667,753号の継続である2020年4月29日付けで出願の「カテーテルシステムと、心臓の診断および治療での使用を含むカテーテルシステムの医療使用方法」と題する米国特許出願第16/861,814号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0008】
本願は、2013年2月8日付けで出願の「フレキシブルプリント回路板(PCB)電気経路を備える拡張可能なカテーテルアッセンブリ」と題する米国特許仮出願第61/762,363号への優先権を主張する2014年2月7日付けで出願の「フレキシブルプリント回路板(PCB)電気経路を備える拡張可能なカテーテルアッセンブリ」と題する特許協力条約出願第PCT/US2014/015261号の35 USC第371条による国内段階出願である2015年7月23日付けで出願の「フレキシブルプリント回路板(PCB)電気経路を備える拡張可能なカテーテルアッセンブリ」と題する米国特許第10,201,311号の継続である2019年1月8日付けで出願の「フレキシブルプリント回路板(PCB)電気経路を備える拡張可能なカテーテルアッセンブリ」と題する米国特許出願第16/242,810号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0009】
本願は、2006年8月3日付けで出願のスイス国特許出願第1251/06号への優先権を主張する2007年8月3日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題するPCT出願第PCT/CH2007/000380号の35 USC第371条による国内段階出願である2009年2月3日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許第8,417,313号の継続である2013年4月8日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許第8,700,119号の継続である2014年2月25日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許第8,918,158号の継続である2014年11月19日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許第9,167,982号の継続である2015年9月25日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許第9,610,024号の継続である2017年2月17日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許第10,376,171号の継続である2018年6月21日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許第10,413,206号の継続である2019年8月6日付けで出願の「心臓壁の表面電荷および双極子密度を測定ならびに提示するための方法ならびに装置」と題する米国特許出願第16/533,028号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0010】
本願は、2008年1月17日付けで出願のスイス国特許出願第00068/08号への優先権を主張した「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する2009年1月16日付けで出願の特許協力条約出願第PCT/IB2009/000071号の35 USC第371条による国内段階出願である2010年7月16日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第8,512,255号の継続である2013年7月19日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第9,192,318号の継続である2015年10月19日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第9,504,395号の継続である2016年10月25日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第9,913,589号の継続である2018年1月29日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第10,463,267号の継続である2019年9月12日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第11,116,438号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0011】
本願は、2011年3月10日付けで出願の米国特許仮出願第61/451,357号への優先権を主張した2012年3月9日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2012/028593号の35 USC第371条による国内段階出願である2013年9月6日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第9,757,044号の継続である2017年8月8日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第9,968,268号の継続である2018年3月20日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第10,314,497号の継続である2019年4月19日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許第11,278,209号の継続である2022年2月17日付けで出願の「心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置および方法」と題する米国特許出願第17/673,995号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0012】
本願は、2012年8月31日付けで出願の「心臓組織を診断および治療するためのシステムならび方法」と題する米国特許仮出願第61/695,535号への優先権を主張する2013年8月30日付けで出願の「カテーテルシステムと、心臓の診断および治療での使用を含むカテーテルシステムの医療使用方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2013/057579号の35 USC第371条による国内段階出願である2013年12月2日付けで出願の「カテーテル用のトランスデューサー-電極ペア」と題する米国意匠特許第D782,686号の分割である2017年2月6日付けで出願の「カテーテル用のトランスデューサー-電極ペアのセット」と題する米国意匠特許第D851,774号の分割である2019年2月28日付けで出願の「カテーテル用のトランスデューサー-電極ペアのセット」と題する米国意匠特許第29/681,827号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0013】
本願は、2014年1月17日付けで出願の「ガス除去機能付き患者用アクセス機器」と題する米国特許仮出願第61/928,704号への優先権を主張する2015年1月14日付けで出願の「ガス除去機能付き患者用アクセス機器」と題する特許協力条約出願第PCT/US2015/011312号の35 USC第371条による国内段階出願である2016年7月14日付けで出願の「ガス除去機能付き患者用アクセス機器」と題する米国特許第10,071,227号の継続である2018年8月24日付けで出願の「ガス除去機能付き患者用アクセス機器」と題する米国特許出願第16/111,538号への優先権は主張しないがそれに関連し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0014】
本願は、2014年3月25日付けで出願の「心臓解析ユーザインタフェースのシステム及び方法」と題する米国特許仮出願第61/970,027号への優先権を主張する2015年3月24日付けで出願の「心臓解析ユーザインタフェースのシステム及び方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2015/022187号の35 USC第371条による国内段階出願である2016年9月23日付けで出願の「心臓解析ユーザインタフェースのシステム及び方法」と題する米国特許第11,278,231号の継続である2022年1月19日付けで出願の「心臓解析ユーザインタフェースのシステム及び方法」と題する米国特許出願第17/578,522号への優先権は主張しないがそれに関連し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0015】
本願は、2013年9月13日付けで出願の「心臓表面での電気双極子密度の判断のための装置および方法」と題する米国特許仮出願第61/877,617号への優先権を主張する2014年9月10日付けで出願の「心臓表面での電気双極子密度の判断のための装置および方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2014/054942号の35 USC第371条による国内段階出願である2016年3月2日付けで出願の「心臓表面での電気双極子密度の判断のための装置および方法」と題する米国特許第10,828,011号の継続である2020年10月6日付けで出願の「心臓表面での電気双極子密度の判断のための装置および方法」と題する米国特許出願第17/063,901号への優先権は主張しないがそれに関連し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0016】
本願は、2015年5月13日付けで出願の「心臓情報の取得および解析に役立つ位置特定システムおよび方法」と題する米国特許仮出願第62/161,213号への優先権を主張する2016年5月13日付けで出願の「心臓情報の取得および解析に役立つ位置特定システムおよび方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2016/032420号の35 USC第371条による国内段階出願である2017年10月26日付けで出願の「心臓情報の取得および解析に役立つ位置特定システムおよび方法」と題する米国特許第10,653,318号の継続である2020年4月15日付けで出願の「心臓情報の取得および解析に役立つ位置特定システムおよび方法」と題する米国特許出願第16/849,045号への優先権は主張しないがそれに関連し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0017】
本願は、2015年5月12日付けで出願の「心臓仮想化試験タンクならびに試験システムおよび方法」と題する米国特許仮出願第62/160,501号への優先権を主張する2016年5月11日付けで出願の特許協力条約出願第PCT/US2016/031823号の35 USC第371条による国内段階出願である2017年10月25日付けで出願の「心臓仮想化試験タンクならびに試験システムおよび方法」と題する米国特許出願第15/569,231号への優先権は主張しないがそれに関連し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0018】
本願は、2015年5月12日付けで出願の「超音波シーケンス処理システムおよび方法」と題する米国特許仮出願第62/160,529号への優先権を主張する2016年5月12日付けで出願の特許協力条約出願第PCT/US2016/032017号の35 USC第371条による国内段階出願である2017年10月25日付けで出願の「超音波シーケンス処理システムおよび方法」と題する米国特許出願第15/569,185号の継続である2022年5月3日付けで出願の「超音波シーケンス処理システムおよび方法」と題する米国特許出願第17/735,285号への優先権は主張しないがそれに関連し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0019】
本願は、2016年10月26日付けで出願の「効率アルゴリズムを含む心臓マッピングシステム」と題する米国特許仮出願第62/413,104号および2016年5月3日付けで出願の「効率アルゴリズムを含む心臓マッピングシステム」と題する米国特許仮出願第62/331,364号への優先権を主張する2017年5月3日付けで出願の「効率アルゴリズムを含む心臓マッピングシステム」と題する特許協力条約出願第PCT/US2017/030922号の35 USC第371条による国内段階出願である2018年10月31日付けで出願の「効率アルゴリズムを含む心臓マッピングシステム」と題する米国特許出願第16/097,959号の継続である2022年7月6日付けで出願の「効率アルゴリズムを含む心臓マッピングシステム」と題する米国特許出願第17/858174号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0020】
本願は、2018年1月21日付けで出願の「心臓伝導パターンを認識するためのシステム」と題する米国特許仮出願第62/619,897号および2018年5月8日付けで出願の「心臓伝導パターンを識別するためのシステム」と題する米国特許仮出願第62/668,647号への優先権を主張する2019年1月22日付けで出願の「心臓伝導パターンを識別するためのシステム」と題する特許協力条約出願第PCT/US2019/014498号の35 USC第371条による国内段階出願である2020年7月13日付けで出願の「心臓伝導パターンを識別するためのシステム」と題する米国特許出願第16/961,809号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0021】
本願は、2018年5月8日付けで出願の「心臓情報処理システム」と題する米国仮出願第62/668,659号および2019年2月28日付けで出願の「心臓情報処理システム」と題する米国特許仮出願第62/811,735号への優先権を主張する2019年5月7日付けで出願の「心臓情報処理システム」と題する特許協力条約出願第PCT/US2019/031131号の35 USC第371条による国内段階出願である2020年10月16日付けで出願の「心臓情報処理システム」と題する米国特許出願第17/048,151号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0022】
本願は、2018年11月9日付けで出願の「患者情報を計算するためのシステムと方法」と題する米国仮出願第62/757,961号への優先権を主張する2019年11月8日付けで出願の「患者情報を計算するためのシステムと方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2019/060433号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0023】
本願は、2019年4月18日付けで出願の「複合マップを生成させるためのシステム」と題する米国仮出願第62/835,538号および2019年10月23日付けで出願の「複合マップを生成させるためのシステム」と題する米国仮出願第62/925,030号への優先権を主張する2020年4月17日付けで出願の「複合マップを生成させるためのシステム」と題する特許協力条約出願第PCT/US2020/028779号の35 USC第371条による国内段階出願である2021年10月5日付けで出願の「複合マップを生成させるためのシステム」と題する米国特許出願第17/601,661号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0024】
本願は、2019年6月4日付けで出願の「体内で位置特定を実行するためのシステム及び方法」と題する米国仮出願第62/857,055号への優先権を主張する2020年6月4日付けで出願の「体内で位置特定を実行するためのシステム及び方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2020/036110号の35 USC第371条による国内段階出願である2021年11月22日付けで出願の「体内で位置特定を実行するためのシステム及び方法」と題する米国特許出願第17/613,249号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0025】
本願は、2019年11月22日付けで出願の「組織処理システム、装置、及び方法」と題する米国仮出願第62/939,412号および2020年9月7日付けで出願の「組織処理システム、装置、及び方法」と題する米国仮出願第63/075,280号への優先権を主張する2020年11月20日付けで出願の「組織処理システム、装置、及び方法」と題する特許協力条約出願第PCT/US2020/061458号の35 USC第371条による国内段階出願である2022年5月16日付けで出願の「組織処理システム、装置、及び方法」と題する米国特許出願第17/777,104号への優先権は主張しないがそれらに関連し、それらはそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる。
【0026】
出願の分野
本発明は概して経カテーテル手術法に関し、具体的には心房性不整脈を治療するための経カテーテル手術法に関する。
【背景技術】
【0027】
出願の背景
カテーテルアブレーションを経験する持続性心房細動(AF)に苦しむ患者は、50%の初回処置成功率を有すると見積もられる。この成功率を改善するためには、肺静脈隔離が肺静脈に加えて左心房の領域のアブレーションで補足されなければならないと概して信じられている。
【0028】
手術的アブレーションであるコックス-メイズ術は、電気的に不活性である境界間の傷跡/電気ブロックの手術ラインを作り出す純粋に解剖学的なアプローチである。この高度に侵襲的な施術は、通常は開胸アプローチを介して、非常に高い慢性施術成功率(典型的には85%より大きい)を生み出すが、経カテーテル(例えば、経静脈)アブレーションより重大な施術関連の合併症の実質的に大きな危険性を有する。手術的アブレーションはまた、有意にいっそう高価な施術であり、かつ、病院におけるいっそう長い回復時間を必要とする。
【0029】
カテーテルアブレーション技法を用いてコックス-メイズ術を実行することは、非凡な技術レベルを必要とする。成功時、カテーテルアブレーションは肺静脈隔離単独より有意に良好な効能を有するが、結果は実質的に技師の技術レベルに基づいて変動する。
【0030】
線状病変セットは、カテーテルアブレーションについての最も困難な方法論のうちの1つのままであり、かつ、心房頻拍の傾向に起因して広範囲に回避される。心房頻拍は、非連続した病変セットおよび/または組織治癒のいずれかのために起こり続けるであろう。線状病変セットは概して、2つの電気的に不活性な解剖学的境界、例えば心臓組織が筋細胞から非導電性組織へと移行する心臓組織の周辺領域、の間を接続するのに必要とされる。しかしながら、すべての線状病変セットが、いずかの端部または両方の端部において固定されるわけではない。
【発明の概要】
【0031】
出願の概要
革新的概念の態様によれば、心房細動または心房粗動のような心房性不整脈を治療するためのアブレーションカテーテルが提供される。当該アブレーションカテーテルは、細長い近位シャフトと、該細長い近位シャフトの遠位端にて支持された遠位アブレーションプローブを有する。遠位アブレーションプローブは、拘束されていないときには、互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面を少なくとも定める形状であり、かつ、心臓の心房壁において、第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを少なくとも含む1つ以上のアブレーション病変を作るように構成される。遠位アブレーションプローブは、経カテーテル(例えば、経静脈)術において心房へと前進し、かつ、第1および第2の細長いアブレーション表面は各々、第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを作るのに用いられる。
【0032】
革新的概念の態様にしたがうアブレーションカテーテルの種々の実施形態が、必要とされる技師の技術および結果として生じる技師間のバラツキを低減させながら、コックス-メイズ術のような手術的施術とよく似た使用しやすい解決策を提供し得る。当該アブレーションカテーテルの実施形態は概して、概して平行である二重の連続した線状の細長い病変構造の作成を簡略化することによって、アブレーション術の急性および慢性成功率を改善する。対照的に、単一の細長い病変のいっそう単純な作成はしばしば、心房性不整脈の長期の治療を提供しない。なぜなら、健康な組織がしばしば、単一の病変を跨ぐ、すなわち、単一の病変を横切るように成長するからである。
【0033】
したがって、革新的概念の態様によれば、心房性不整脈を治療するのに有用なアブレーションカテーテルが提供され、当該アブレーションカテーテルは:細長い近位シャフトを含み;かつ、遠位アブレーションプローブを含み、該アブレーションプローブは、(a)細長い近位シャフトの遠位端にて支持され、(b)拘束されていないときには、互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面を少なくとも定める形状であり、かつ、(c)心臓の心房壁において、互いに離間しており、かつ、互いに並んで走る第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを少なくとも含む1つ以上のアブレーション病変を作るように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は各々、第1および第2の細長い連続したアブレーション表面を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1の細長いアブレーション表面は、第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を含み、かつ、第2の細長いアブレーション表面は、第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は各々、第1および第2の細長い不連続のアブレーション表面を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、拘束されていないときには、互いに垂直である最も大きい大寸法および小寸法を有し、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも3倍である。
【0038】
いくつかの実施形態では、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも4倍である。
【0039】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、拘束されていないときには、4~10cmの最大寸法を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには同一平面上にある。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには互いに平行である。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、4~8cmのアブレーション表面長さのために互いに並んで走る。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面の間の最も近い距離が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには5~20mmである。
【0044】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、1つ以上の感知電極を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面の間の距離が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面に沿って変動しない。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面の間の距離が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面に沿って変動する。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには直線状である。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには湾曲している。
【0049】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面は各々の曲率半径を有し、該曲率半径はそれぞれ0.2~1.2cmである。
【0050】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面を定める形状である細長い遠位シャフトを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトは互いに垂直である最も大きい大寸法および小寸法を有し、かつ、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも3倍に等しい。
【0052】
いくつかの実施形態では、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも4倍である。
【0053】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトの近位端が細長い近位シャフトの遠位端にて支持され、かつ、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの近位部が細長い近位シャフトの遠位端を通過する細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は60~90度のように45~90度である。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の細長いアブレーション表面は、第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を含み、かつ、第2の細長いアブレーション表面は、第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトの遠位端が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1の細長いアブレーション表面に沿って配置される。
【0056】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトの遠位端が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの近位端に物理的に接触する。
【0057】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの内周が2~16cm2の領域を取り囲む。
【0058】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面を接続する2つの湾曲した接続端部を定める形状である。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は湾曲しており、かつ、細長い遠位シャフトは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには卵形面である。
【0060】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときにはスタジアム形状である。
【0061】
いくつかの実施形態では、アブレーションシステムはさらに、血管内送達シースを含み、該血管内送達シースの中には、細長い遠位シャフトが血管内送達シースによって拘束されるように当該アブレーションカテーテルが送達のために取り外し可能に配置され、第1および第2の細長いアブレーション表面が、血管内送達シースに沿った各々の長手方向に重複しない位置に配置されるようになっている。
【0062】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、細長い遠位シャフトが、細長い遠位シャフトが拘束されていないときには互いに並んで走る第1および第2のアブレーション表面を定めることを引き起こす形状記憶材料を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの近位端が細長い近位シャフトの遠位端にて支持され、第1の細長いアブレーション表面は細長い遠位シャフトの近位端を含み、近位端は第1の細長いアブレーション表面の終点から距離をおいて第1の細長いアブレーション表面に沿う位置に配置され、該距離は第1の細長いアブレーション表面の長さの40%~60%に等しい。
【0064】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面によって定められる最良適合平面が、細長い近位シャフトの遠位端を通過する細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は60~90度のように45~90度である。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、冷凍アブレーションを適用するように構成される。
【0066】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面を定める形状の細長い遠位シャフトを含み、遠位の細長いシャフトは内側チューブおよび外側チューブを含み、内側チューブは第1のルーメンを定める形状であり、内側チューブおよび外側チューブは一緒になって内側チューブの外面と外側チューブの内面との間に第2のルーメンを定め、かつ、第1および第2のルーメンは遠位の細長いシャフトの遠位端の近くで互いと流体連通する。
【0067】
いくつかの実施形態では、アブレーションシステムはさらに、第1および第2のルーメンと流体連通して連結された極低温流体源を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、1つ以上のアブレーション電極の各々のセットを含む。
【0069】
革新的概念の別の態様によれば、心房性不整脈を治療するための方法が提供され、当該方法は:経カテーテル術において、心臓の心房の中へと、アブレーションカテーテルの細長い近位シャフトの遠位端にて支持された遠位アブレーションプローブを前進させることを含み;心房において遠位アブレーションプローブを配備することを含み、遠位アブレーションプローブが互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面を少なくとも定める形状であるようになっており;かつ、遠位アブレーションプローブを用いて、心房壁において、互いに離間しており、かつ、互いに並んで走る第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを少なくとも含む1つ以上のアブレーション病変を作ることを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアブレーション病変を作ることは、心房壁における各々の位置に、心房壁の電気的に不活性な境界を接続する第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを作ることを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを作ることは、左上肺静脈(LSPV)のオリフィスと右上肺静脈(RSPV)との間、RSPVと僧帽弁(MV)との間、右下肺静脈(RIPV)とMVとの間、左下肺静脈(LIPV)とRIPVとの間、LSPVとRIPVとの間またはRSPVとLIPVとの間を概して延びる第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを作ることを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、当該方法は、遠位アブレーションプローブを用いて肺静脈隔離を実行することを含まない。
【0073】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトが血管内送達シースによって拘束されるように、アブレーションカテーテルが血管内送達シースにおいて送達のために配置されている間に遠位アブレーションプローブを前進させ、第1および第2の細長いアブレーション表面が血管内送達シースに沿う各々の長手方向に重複しない位置に配置されるようになっている。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は各々、第1および第2の細長い連続したアブレーション表面を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1の細長いアブレーション表面は、第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を含み、かつ、第2の細長いアブレーション表面は、第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は各々、第1および第2の細長い不連続のアブレーション表面を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、拘束されていないときには、互いに垂直である最も大きい大寸法および小寸法を有し、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも3倍である。
【0078】
いくつかの実施形態では、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも4倍である。
【0079】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、拘束されていないときには、4~10cmの最大寸法を有する。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには同一平面上にある。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには互いに平行である。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには直線状である。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには湾曲している。
【0084】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面は各々の曲率半径を有し、該曲率半径はそれぞれ0.2~1.2cmである。
【0085】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面を定める形状である細長い遠位シャフトを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトは互いに垂直である最も大きい大寸法および小寸法を有し、かつ、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも3倍に等しい。
【0087】
いくつかの実施形態では、最も大きい大寸法は最も大きい小寸法の少なくとも4倍である。
【0088】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトの近位端が細長い近位シャフトの遠位端にて支持され、かつ、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの近位部が細長い近位シャフトの遠位端を通過する細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は60~90度のように45~90度である。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の細長いアブレーション表面は、第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を含み、かつ、第2の細長いアブレーション表面は、第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトの遠位端が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1の細長いアブレーション表面に沿って配置される。
【0091】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトの遠位端が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの近位端に物理的に接触する。
【0092】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの内周が2~16cm2の領域を取り囲む。
【0093】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面を接続する2つの湾曲した接続端部を定める形状である。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は湾曲しており、かつ、細長い遠位シャフトは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには卵形面である。
【0095】
いくつかの実施形態では、細長い遠位シャフトは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときにはスタジアム形状である。
【0096】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、細長い遠位シャフトが、細長い遠位シャフトが拘束されていないときには互いに並んで走る第1および第2のアブレーション表面を定めることを引き起こす形状記憶材料を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、細長い遠位シャフトの近位端が細長い近位シャフトの遠位端にて支持され、第1の細長いアブレーション表面は細長い遠位シャフトの近位端を含み、近位端は第1の細長いアブレーション表面の終点から距離をおいて第1の細長いアブレーション表面に沿う位置に配置され、該距離は第1の細長いアブレーション表面の長さの40%~60%に等しい。
【0098】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面によって定められる最良適合平面が、細長い近位シャフトの遠位端を通過する細長い近位シャフトの中心長手方向軸と角度をなし、該角度は60~90度のように45~90度である。
【0099】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、4~8cmのアブレーション表面長さのために互いに並んで走る。
【0100】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面の間の最も近い距離が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには5~20mmである。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面の間の距離が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面に沿って変動しない。
【0102】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面の間の距離が、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面に沿って変動する。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、冷凍アブレーションを適用するように構成される。
【0104】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面を定める形状の細長い遠位シャフトを含み、遠位の細長いシャフトは内側チューブおよび外側チューブを含み、内側チューブは第1のルーメンを定める形状であり、内側チューブおよび外側チューブは一緒になって内側チューブの外面と外側チューブの内面との間に第2のルーメンを定め、かつ、第1および第2のルーメンは遠位の細長いシャフトの遠位端の近くで互いと流体連通する。
【0105】
いくつかの実施形態では、当該方法はさらに、極低温流体源を第1および第2のルーメンと流体連通した状態で連結することを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1および第2の細長いアブレーション表面は、1つ以上のアブレーション電極の各々のセットを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、遠位アブレーションプローブは、1つ以上の感知電極を含む。
【0108】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願はある程度、それぞれの個別の刊行物、特許または特許出願が具体的かつ個別に参照によって組み込まれると示されたのと同程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願は、すべての目的のためにそれらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【
図1】
図1は、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するのに有用なアブレーションシステムの概略図である。
【
図2A】
図2Aおよび2Bは各々、革新的概念の態様による、遠位および側面図からのアブレーションシステムのアブレーションカテーテルの概略図である。
【
図2B】
図2Aおよび2Bは各々、革新的概念の態様による、遠位および側面図からのアブレーションシステムのアブレーションカテーテルの概略図である。
【
図3A】
図3Aおよび3Bは各々、革新的概念の態様による、
図2Aの線IIIA-IIIAおよびIIIB-IIIBに沿ってとった
図1および2A~Bのアブレーションカテーテルの遠位アブレーションプローブの細長い遠位シャフトの断面図である。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは各々、革新的概念の態様による、
図2Aの線IIIA-IIIAおよびIIIB-IIIBに沿ってとった
図1および2A~Bのアブレーションカテーテルの遠位アブレーションプローブの細長い遠位シャフトの断面図である。
【
図4A】
図4A~Fは、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するための方法の概略図である。
【
図4B】
図4A~Fは、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するための方法の概略図である。
【
図4C】
図4A~Fは、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するための方法の概略図である。
【
図4D】
図4A~Fは、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するための方法の概略図である。
【
図4E】
図4A~Fは、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するための方法の概略図である。
【
図4F】
図4A~Fは、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するための方法の概略図である。
【
図5】
図5は、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するための別のアブレーションシステムの概略図である。
【
図6】
図6は、革新的概念の態様による、心房性不整脈を治療するためのさらに別のアブレーションシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
応用例の詳細な説明
図1を参照すると、該図は、本発明の応用例による、心房細動または心房粗動のような心房性不整脈を治療するためのアブレーションシステム10の概略図である。
【0111】
図2Aおよび2Bも参照すると、該図は各々、本発明の応用例による、遠位および側面図からのアブレーションシステム10のアブレーションカテーテル20の概略図である。
【0112】
アブレーションカテーテル20は、細長い近位シャフト22と、細長い近位シャフト22の遠位端26にて支持された遠位アブレーションプローブ24を有する。遠位アブレーションプローブ24は、(以下に記載する血管内送達シース34によって、または、被験者の解剖学的構造によって、またはその他の方法で)拘束されていないときには、互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bを少なくとも定める形状である。遠位アブレーションプローブ24は、心臓の心房壁において、互いに離間し、かつ、互いに並んで走る第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメントを少なくとも含む1つ以上のアブレーション病変を作るように構成される。第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは一緒になって、
図4E~Fを参照して以下で説明されるように、アブレーションを適用して心房壁において第1および第2の離間した細長いアブレーション病変を作るための透過領域を定める。
【0113】
いくつかの応用例については、遠位アブレーションプローブ24は、遠位アブレーション24が拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bを定める形状である細長い遠位シャフト32を有する。
【0114】
その他の応用例については、遠位アブレーションプローブは、細長い遠位シャフトの代わりに、概して平坦な表面であって、その上に第1および第2の細長いアブレーション表面が配置される前記の概して平坦な表面を有し;例えば、第1および第2の細長いアブレーション表面は、各々の細長い電極接触表面を有していてもよい(構成は図示せず)。例えば、概して平坦な表面は、パドル形状の要素によって提供されてもよい(構成は図示せず)。
【0115】
図1を再び参照する。アブレーションシステム10はさらに、血管内(典型的には、経静脈)送達シース34を有し、その中にはアブレーションカテーテル20が送達のために取り外し可能に配置される。遠位アブレーションプローブ24が細長い遠位シャフト32を有するいくつかの応用例については、アブレーションカテーテル20は送達シース34に取り外し可能に配置され、細長い遠位シャフト32が送達シース34によって拘束され、かつ、典型的には、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bが送達シース34に沿う各々の長手方向に重複しない位置に配置されるようになっている。遠位アブレーションプローブ24(例えば、細長い遠位シャフト32)は十分に可撓性であり、それが血管系における鋭角の屈曲部の周りで送達シース34内を前進するにつれて、それが曲がりくねった幾何学的形態をとることを可能にする。
【0116】
いくつかの応用例については、アブレーションシステム10はさらに、熱的または非熱的エネルギー源であってもよい、エネルギー源35を有する。例えば、エネルギー源35は、
図3A~Bを参照して以下に記載される第1および第2のルーメン74および76のように、遠位アブレーションプローブ24と(近位シャフト22によって定められる各々のルーメンを介して)流体連通して連結した極低温流体源36を有していてもよい。例えば、極低温流体(冷却剤としても知られる)は、本技術分野で既知であるように、気体、液体、臨界または超臨界状態のうちの1つである窒素、亜酸化窒素、水素、アルゴン、プロパン、アルコールまたは二酸化炭素を有していてもよい。例えば、極低温流体原36は、Baustらへの米国特許第10,054,262号および/またはBaustらへの米国特許第9,089,316号に記載の極低温システムの技法を実装してもよく、それらは両方とも参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書において提供される定義がこれらの2つの特許において提供されるものと矛盾する場合、本明細書において提供される定義が優先するであろう。
【0117】
代替的または追加的には、エネルギー源35は、高周波(RF)パワー源のような熱的アブレーションパワー源を有していてもよく、その場合、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは、1つ以上のRFアブレーション電極(図示しないが、
図4Cを参照して以下に記載される感知電極120と同様のもの)の各々のセットを有する。この場合、アブレーションシステム10は、極低温アブレーションの代わりに、または、極低温アブレーションに加えて、RFアブレーションを用いてもよい。
【0118】
さらに代替的または追加的には、エネルギー源35は、本技術分野で既知であるように、パルス磁場アブレーションエネルギー源のような非熱的エネルギー源を有する。
【0119】
典型的には、アブレーションシステム10はさらに、本技術分野で既知であるようにオペレーターハンドルを有し、かつ、任意選択的には本技術分野で既知であるようにアンビリカルコネクターを有する。
【0120】
いくつかの応用例については、遠位アブレーションプローブは、拘束されていないときには、少なくとも4cmであり、10cmを超えず、かつ/あるいは、4~10cmである最大寸法D1を有する。
【0121】
いくつかの応用例については、遠位アブレーションプローブ24は、拘束されていないときには、互いに垂直である最も大きい大寸法D2および最も大きい小寸法D3を有する。いくつかの応用例については、寸法は、以下の絶対値または相対値のうちの1つ以上を有する:
・ 最も大きい大寸法D2は、最も大きい小寸法D3の少なくとも4倍のように最も大きい小寸法Dの少なくとも3倍であり、
・ 最も大きい大寸法D2は、少なくとも4cmであり、10cmを超えず、かつ/あるいは、4~10cmであり、かつ/あるいは、
・ 最も大きい小寸法D3は、少なくとも0.5cmであり、2cmを超えず、かつ/あるいは、0.5~2cmである。
【0122】
遠位アブレーションプローブ24が細長い遠位シャフト32を有する応用例については、上述の寸法はすべて、遠位アブレーションプローブ24の外縁を定める細長い遠位シャフト32の外周によって定められる。
【0123】
遠位アブレーションプローブ24が細長い遠位シャフト32を有するいくつかの応用例については、細長い遠位シャフト32は、その軸に沿って測定される、少なくとも4cmであり、8cmを超えず、かつ/あるいは、4~8cmである長さを有する(長さは軸に沿って測定されるので、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないとき、および、細長い遠位シャフト32が直線状の送達構成へと拘束されるときには、長さは同じままである)。
【0124】
いくつかの応用例については、細長い近位シャフト22は、少なくとも80cm(例えば、少なくとも100cm)であり、150cmを超えず(例えば、130cmを超えず)、かつ/あるいは、80cm(例えば、100cm)~150cm(例えば、130cm)である長さを有する。
【0125】
いくつかの応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは、図示されているように遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには同一平面上にある。代替的には、それらは同一平面上にはない。
【0126】
いくつかの応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは、
図1、2A~Bおよび4D~Eに示されているように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには互いに平行である。その他の応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには互いに平行ではない。
【0127】
いくつかの応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは、
図1、2A~Bおよび4D~Eに示されているように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには直線状である。その他の応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面は、例えば
図6を参照して以下に記載されるように、遠位アブレーションプローブが拘束されていないときには湾曲している。
【0128】
いくつかの応用例については、
図2Bにおいてラベル付けされているように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bによって定められる最良適合平面38が、細長い近位シャフト22の遠位端26を通過する細長い近位シャフト22の中心長手方向軸42と角度α(アルファ)をなし、該角度は60~90度のように45~90度であり、例えば図示されている90度のように75~90度である。遠位アブレーションプローブ24が細長い遠位シャフト32を有するいくつかの応用例については、細長い遠位シャフト32の近位端44が細長い近位シャフト22の遠位端26にて支持され、かつ、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、細長い遠位シャフト32の近位部46が、細長い近位シャフト22の遠位端26を通過する細長い近位シャフト22の中心長手方向軸42と上述の角度α(アルファ)をなす。
【0129】
請求の範囲を含む本願で用いられるとき、遠位アブレーションプローブ24の「最良適合平面」は、平面と遠位アブレーションプローブ24の容量のすべての点との間の距離の2乗の最小和をもたらす表面である。請求の範囲を含む本願で用いられるとき、2つの線または2つの平面の間の角度は、2つの線または2つの平面の間の2つの補角のうちの小さい方であるか、2つの線または2つの平面が垂直であれば90度に等しい。
【0130】
いくつかの応用例については、
図2Aにおいてラベル付けされているように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは、アブレーション表面長さLのために互いに並んで走り、該アブレーション表面長さLは:
・ 少なくとも4cmであり、8cmを超えず、かつ/あるいは、4~8cmである長さに等しく、かつ/あるいは、
・ 第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bの間の最も近い距離D4の4~8倍のように、最も近い距離D4の3~12倍の長さに等しい。
【0131】
いくつかの応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bの間の最も近い距離D4(
図2Aにおいてラベル付けされている)は、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、少なくとも5mmであり、20mmを超えず、かつ/あるいは、5~20mmである。
【0132】
いくつかの応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bの間の距離は、
図1および2A~Bに示されているように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bに沿って変動しない。その他の応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bの間の距離は、
図6を参照して以下に記載される構成におけるように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bに沿って変動する。
【0133】
いくつかの応用例については、図示されているように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、第1の細長いアブレーション表面30Aに沿って細長い遠位シャフト32の遠位端45が配置される。
【0134】
図示されているように、細長い遠位シャフト32の遠位端45が第1の細長いアブレーション表面30Aに沿って配置される応用例のようないくつかの応用例については:
・ 第1の細長いアブレーション表面30Aは、第1の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第1の細長い不連続のアブレーション表面を有し、かつ、
・ 第2の細長いアブレーション表面30Bは、第2の細長い連続したアブレーション病変を作るように構成された第2の細長い連続したアブレーション表面を有する。
【0135】
第1の細長い不連続のアブレーション表面30Aは、一緒になって第1の細長い不連続のアブレーション表面30Aを定める、2つの細長いアブレーション表面(図示されているように)または3つ以上の細長いアブレーション表面(構成は図示せず)を有する。2つ以上の細長いアブレーション表面の間の小さい隙間にも関わらず、2つ以上の細長いアブレーション表面は一緒になって、心房壁において細長い連続したアブレーションセグメントを作る。なぜなら、アブレーション表面は典型的にはアブレーション表面から約2~3mmまで組織をアブレーションし、したがって長手方向に隣接したアブレーション表面間の小さい隙間を跨ぐからである。
【0136】
その他の応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは各々、第1および第2の細長い連続したアブレーション表面を有する(構成は図示せず)。
【0137】
さらに他の応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは各々、第1および第2の細長い不連続のアブレーション表面を有する(構成は図示せず)。
【0138】
いくつかの応用例については、細長い遠位シャフト32は、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bを接続する2つの湾曲した接続端部60Aおよび60Bを定める形状である。典型的には、プローブの2つの湾曲した接続端部60Aおよび60Bはまた、アブレーションエネルギーを印加する。任意選択的には、2つの湾曲した接続端部60Aおよび60Bはそれぞれ、少なくとも0.25cmであり、1cmを超えず、かつ/あるいは、0.25~1cmである曲率半径R(
図2Aにおいてラベル付けされている)を有する。
【0139】
これらの応用例のうちのいくつかについては、細長い遠位シャフト32の遠位端45は、
図1、2A~Bおよび4D~Eに示されているように、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、細長い遠位シャフト32の近位端44に物理的に接触する。これらの応用例のうちのいくつかについては、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、細長い遠位シャフト32の内周48が、少なくとも2cm2であり、16cm2を超えず、かつ/あるいは、2~16cm2である領域50を取り囲む。
【0140】
いくつかの応用例については、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、第1の細長いアブレーション表面30Aは、(細長い近位シャフト22の遠位端26にて支持された)細長い遠位シャフト32の近位端44を含む。近位端44は、第1の細長いアブレーション表面30Aの終点54から距離D5をおいて第1の細長いアブレーション表面30Aに沿う位置52に配置され、距離D5は、第1の細長いアブレーション表面30Aの長さLの少なくとも40%であり、60%は超えず、かつ/あるいは、40%~60%に等しい(例えば45%~55%、例えば50%)。遠位透過領域の中への細長い近位シャフト22の挿入のこの位置52は、遠位アブレーションプローブ24に良好な操作性を提供することを助けるであろう。この位置52はまた、固定された長さ(図示されているように)または可変の長さ(例えば、デバイスのハンドルは、技師が施術中に長さを変化させることを可能にするスライダーを有していてもよい;構成は図示せず)を有していてもよい「T」形を作り出すことを助けるであろう。
【0141】
ここで
図3Aおよび3Bを参照すると、該図は各々、本発明の各々の応用例による、
図2Aの線IIIA-IIIAおよびIIIB-IIIBに沿ってとった遠位アブレーションプローブ24の細長い遠位シャフト32の断面図である。
【0142】
いくつかの応用例については、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは、冷凍アブレーションを適用するように構成される。この目的のために、細長い遠位シャフト32は、内側および外側チューブ70および72を有する。(外側チューブ72は典型的には、細長い遠位シャフト32の外壁を定める。)内側チューブ70は、第1のルーメン74を定める形状である。内側および外側チューブ70および72は一緒になって、内側チューブ70の外面78と外側チューブ72の内面79との間に第2のルーメン76を定める。第1および第2のルーメン74および76は、内側チューブ70の壁を通って定められる少なくとも1つの開口部82を介して(図示されているように)、または、外側チューブ72の遠位端から近位方向に凹んだ内側チューブ70の遠位端を介して(構成は図示せず)、遠位アブレーションプローブ24の細長い遠位シャフト32の遠位端45の近くで(例えば、1cm以内のように2cm以内で)互いと流体連通する(典型的には、細長い遠位シャフト32に沿う他の位置では流体連通しない)。第1および第2のルーメン74および76はしたがって、一緒になって閉ループシステムを提供する。いくつかの応用例については、閉ループシステムは、約2000PSIまでのように非常に高い圧力に抵抗するように設計される。
【0143】
細長い近位シャフト22はまた、第1および第2のルーメン74および76を
図1を参照して上述した極低温流体源36と流体連通した状態で連結する第1および第2のルーメンを有する。例えば、かかる流体連結は、第1のルーメン74が極低温流体を送達し、かつ、第2のルーメン76が極低温流体を戻すように配置されてもよい。
【0144】
いくつかの応用例については、遠位アブレーションプローブ24は、細長い遠位シャフト32が拘束されていないときには細長い遠位シャフト32が互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bを定めることを引き起こす形状記憶材料84(例えば、Ni-Ti合金)を有する。例えば、遠位アブレーションプローブ24は、形状記憶材料84を有する背骨86を有していてもよい。任意選択的には、背骨86は、細長い近位シャフト22を通って技師へと近位方向に延びて、細長い近位シャフト22の剛性を改善する。いくつかの応用例については、形状記憶材料84は非常に低い温度にていっそう可撓性となり(例えば、グニャグニャになり)、このことは、遠位アブレーションプローブ24が平坦でない心臓壁表面にしたがうことを可能にするであろうし;遠位アブレーションプローブ24がいっそう冷たくなるにつれて、それは心臓壁に対して凍りつき、かつ、プローブがいっそう低い極低温にてグニャグニャになるにつれて壁に対して凍りついたままである。
【0145】
典型的には、細長い遠位シャフト32は、閉ループシステムを維持する遠位プラグ92を有する。
【0146】
内側および外側チューブ70および72は典型的には、熱可塑性エラストマー(例えば、PEBA)のような1つ以上の生体適合性材料を有する。
【0147】
遠位アブレーションプローブ24は第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bのみを有するものとして示されているが、いくつかの応用例については、遠位アブレーションプローブはさらに、合計で3つまたは4つの細長いアブレーション表面となるように1つ以上の追加の細長いアブレーション表面を有する。
【0148】
ここで
図4A~Fを参照すると、該図は、本発明の応用例による、心房細動または心房粗動のような心房性不整脈(例えば、複合心房性不整脈)を治療するための方法の概略図である。
【0149】
当該方法は、
図4A~Bに示されているように、経カテーテル術において、アブレーションカテーテル20の細長い近位シャフト22の遠位端26にて支持された遠位アブレーションプローブ24を心臓の心房100の中へと前進させること(典型的には経静脈的のように経血管的に前進させること)を有する。典型的には、前進の最中、遠位アブレーションプローブ24は血管内送達シース34内に拘束され、任意選択的には細長い遠位シャフト32は血管内送達シース34によって拘束され、第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bが血管内送達シースに沿って各々の長手方向に重複しない場所に配置されるようになっている。典型的には、心房は左心房102(図示されているように)であり、かつ、遠位アブレーションプローブ24はまず、
図4Aに示されているように本技術分野で既知の技法を用いて右心房104の中へと前に進められ、かつ、その後で
図4Bに示されているように本技術分野で既知の技法を用いて心房中隔106を通して(例えば、卵円窩にて)左心房102へと前に進められる。代替的には、心房は右心房である(構成は図示せず)。
【0150】
図4C~Dに示されているように、遠位アブレーションプローブ24は心房100(例えば、左心房102)に配備され、遠位アブレーションプローブ24が互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bを定める形状であるようになっている。
【0151】
図4E~Fに示されているように、遠位アブレーションプローブ24を用いて、心房壁112に1つ以上のアブレーション病変(細胞および/または組織死の領域)が作られる。1つ以上のアブレーション病変108は、第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bを少なくとも含む。第1および第2の細長いアブレーション表面30Aおよび30Bは各々、第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bを作る。
【0152】
細長い連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bの位置は、心房壁の電気的に不活性な境界(典型的には、静脈および/または弁)を接続するように選択される。例えば、細長い連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bは概して:
・ 左上肺静脈(LSPV)のオリフィス112Aと右上肺静脈(RSPV)のオリフィス112Bとの間を延びてもよく(図示されているように)、
・ RSPVと僧帽弁(MV)との間を延びてもよく(時々、前斜位または「シートベルト」病変として本技術分野で既知である)(構成は図示せず)、
・ 右下肺静脈(RIPV)とMVとの間を延びてもよく(構成は図示せず)、
・ 左下肺静脈(LIPV)とRIPVとの間を延びてもよく(構成は図示せず)、
・ LSPVとRIPVとの間を延びてもよく(構成は図示せず)、あるいは、
・ RSPVとLIPVとの間を延びてもよい(構成は図示せず)。
【0153】
遠位アブレーションプローブ24がT字形状である構成では、T字形状の性質がデバイスに多くの異なる所望のアブレーション線を作るための汎用性を提供する。
【0154】
いくつかの応用例については、図示されているように、遠位アブレーションプローブ24は、第1および第2の連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bを少なくとも含む単一のアブレーション病変108を作るように構成される。これらの応用例では、アブレーション病変108はさらに、2つの湾曲した接続端部60Aおよび60Bによって作られる2つの湾曲した端部アブレーション病変セグメント114Aおよび114Bのような、第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bに接合する追加の病変セグメントを含む。
【0155】
その他の応用例については、遠位アブレーションプローブ24は、第1および第2の細長い連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bを少なくとも含む複数の別個のアブレーション病変108、例えば、各々第1および第2の細長い連続した病変セグメント110Aおよび110Bを少なくとも含む2つの別個のアブレーション病変を作るように構成される(構成は図示せず)。
【0156】
典型的には、遠位アブレーションプローブ24は、肺静脈隔離を実行するためには用いられない。任意選択的には、従来の肺静脈隔離のような肺静脈隔離は、本技術分野で既知であるように、典型的には遠位アブレーションプローブ24とは別個の1つ以上のアブレーションプローブを用いて、本明細書に記載のアブレーションと組み合わされて実行される。代替的には、いくつかの応用例では、遠位アブレーションプローブはまた、本明細書に記載の線状アブレーション技法の実行の前後に肺静脈隔離を実行するために用いられる。これらの応用例では、遠位アブレーションプローブは、本明細書に記載の構成(互いに並んで走る少なくとも2つの離間した第1および第2の細長いアブレーション表面を有する)と同時に2つの肺静脈の開口部を包囲し、かつ、隔離する形状である楕円形の構成との間を移行可能であるように構成される。例えば、移行の制御を提供するために、外部制御ハンドルから細長い近位シャフトを通ってスライド可能な制御ワイヤーが提供されてもよい。
【0157】
いくつかの応用例については、
図4Eに概略的に示されているように、遠位アブレーションプローブ24は、心臓壁における電気活性を感知して細長い連続したアブレーション病変セグメント110Aおよび110Bが適切に作られたか否かを確認するために用いられる1つ以上の感知電極120を有する。(図の明確性のため、1つ以上の感知電極120は
図4Eには示されているが、その他の図には示されておらず;実際、1つ以上の感知電極120は、配備の全段階の最中、存在し、または、存在しないであろう。)
【0158】
ここで
図5を参照すると、該図は、本発明の応用例による心房性不整脈を治療するためのアブレーションシステム210の概略図である。以下に記載する以外は、アブレーションシステム210は
図1~4Fを参照して上記したアブレーションシステム10と同一であり、かつ、その特徴のいずれかを必要な変更を加えて実装してもよい。アブレーションシステム210は、細長い遠位シャフト232を有する遠位アブレーションプローブ224を有するアブレーションカテーテル220を有する。以下に記載する以外は、アブレーションカテーテル220、遠位アブレーションプローブ224および細長い遠位シャフト232は各々、
図1~4Fを参照して上記したアブレーションカテーテル20、遠位アブレーションプローブ24および細長い遠位シャフト32と同一であり、かつ、それらの特徴のいずれかを必要な変更を加えて実装してもよい。
【0159】
この構成では、細長い遠位シャフト232は、心房の中へと導入され、かつ、心房内へと前に進められるときにはデバイスの安全性を増大させるように構成された可撓性(例えば、グニャグニャの)遠位先端部290を有する。可撓性遠位先端部290は、細長い遠位シャフト232のいっそう近位の部分より可撓性であり、潜在的な心内膜外傷を減少させる。例えば、細長い遠位シャフト232のいっそう近位の部分は、可撓性遠位先端部290とは異なり、増大した破裂強度を提供するために補強コイル(例えば、Ni-Ti合金のような金属を有する)を有していてもよい。任意選択的には、細長い遠位シャフト232の可撓性遠位先端部290およびいっそう近位の部分は両方とも、増大した引っ張り強度を提供するためにブレード(例えば、ステンレス鋼ブレードのような金属ブレード)を有する。例えば、可撓性遠位先端部290は、0.5~2cmの長さを有していてもよい。
【0160】
可撓性遠位先端部290は典型的には、アブレーションを適用しないように構成される。したがって、
図3Aおよび3Bを参照して上記したように細長い遠位シャフト232が第1および第2のルーメン74および76を有する構成については、第1および第2のルーメンは典型的には、可撓性遠位先端部290内へと遠位方向に延びない。
【0161】
これらの応用例のいくつかについては、遠位アブレーションプローブ24が拘束されていないときには、細長い遠位シャフト232の遠位端部および細長い遠位シャフト232の近位端部225が物理的に接触し、かつ、例えば少なくとも5mmの距離、40mmを超えない距離、かつ/あるいは5~40mmの距離を互いに並んで走る。
【0162】
図3Aおよび3Bを参照して上記されたように細長い遠位シャフト232が遠位プラグ92を有する応用例については、可撓性遠位先端部290は典型的には遠位プラグ92から遠位方向に延びる。
【0163】
ここで
図6を参照すると、該図は、本発明の応用例による、心房性不整脈を治療するためのアブレーションシステム310の概略図である。以下に記載する以外は、アブレーションシステム310は
図1~4Fを参照して上記したアブレーションシステム10と同一であり、かつ、その特徴のいずれかを必要な変更を加えて実装してもよい。アブレーションシステム310は、細長い遠位シャフト332を有する遠位アブレーションプローブ324を有するアブレーションカテーテル320を有する。以下に記載する以外は、アブレーションカテーテル320、遠位アブレーションプローブ324および細長い遠位シャフト332は各々、
図1~4Fを参照して上記したアブレーションカテーテル20、遠位アブレーションプローブ24および細長い遠位シャフト32と同一であり、かつ、それらの特徴のいずれかを必要な変更を加えて実装してもよい。代替的または追加的には、アブレーションシステム310はまた、
図5を参照して上記したアブレーションシステム210の特徴のいずれかを実装してもよい。
【0164】
この構成では、遠位アブレーションプローブ324は、拘束されていないときには、互いに並んで走る第1および第2の細長いアブレーション表面330Aおよび330Bを少なくとも定める形状である。第1および第2の細長いアブレーション表面330Aおよび330Bは、遠位アブレーションプローブ324が拘束されていないときには湾曲している。例えば、第1および第2の細長いアブレーション表面は、各々の曲率半径を有し、該曲率半径はそれぞれ、少なくとも0.2cmであり、1.2cmを超えず、かつ/あるいは、0.2~1.2cmである。
【0165】
遠位アブレーションプローブ324が拘束されていないとき、第1および第2の細長いアブレーション表面330Aおよび330Bの間の距離は、第1および第2の細長いアブレーション表面330Aおよび330Bに沿って変動する。
【0166】
本発明は、とりわけ図示され、かつ、上記で説明されたものに限定されないことが当業者によって把握されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記の種々の特徴の組み合わせ、および、部分的組み合わせの両方、ならびに、上記の説明を読んだ当業者が思い浮かべる先行技術にはないそれらの変形および修正を含む。
【国際調査報告】