(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】光符号遅延反射率測定(OCoDR)のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01D 5/353 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
G01D5/353 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504160
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 US2022073969
(87)【国際公開番号】W WO2023167745
(87)【国際公開日】2023-09-07
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524029105
【氏名又は名称】シークエント・ロジック・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・シーリー
(72)【発明者】
【氏名】レット・エイチ・レッド
【テーマコード(参考)】
2F103
【Fターム(参考)】
2F103CA03
2F103CA07
2F103CA08
2F103EB01
2F103EB11
2F103EC09
2F103ED14
2F103ED28
2F103ED37
(57)【要約】
光符号遅延反射率測定(OCoDR)のための装置および方法が開示される。装置は、変調器、受信器、および制御回路を含む。変調器は、1つまたは複数のEM放射源によって生成された実質的に固定された周波数の入射電磁(EM)放射を受信するように構成される。入射EM放射は連続波EM放射を含む。変調器は、変調EM放射を生成するために、系列(シーケンス)を入射EM放射の振幅、位相、またはそれらの両方に与えるように構成される。変調EM放射は連続波EM放射を含む。受信器は、参照EM放射を受信するように構成される。受信器は、また、変調EM放射に応答して光学系からの反射EM放射を受信し、参照EM放射および反射EM放射に応答して干渉EM放射を生成するように構成される。受信器は、干渉EM放射に応答して連続インターフェログラムを生成するようにさらに構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調器と受信器とを備える装置であって、
前記変調器は、1つ以上の電磁放射源によって生成された実質的に固定された周波数の入射電磁放射を受信するように構成され、前記入射電磁放射は連続波電磁放射を含み、前記変調器は、変調電磁放射を生成するために、シーケンスを前記入射電磁放射の振幅、位相、またはそれらの両方に与えるように構成され、前記変調電磁放射は連続波電磁放射を含み、
前記受信器は、
前記1つ以上の電磁放射源によって生成された前記実質的に固定された周波数の参照電磁放射を受信することであって、前記参照電磁放射は連続波電磁放射を含む、受信することと、
前記変調電磁放射に応答して光学系から反射電磁放射を受信することと、
前記参照電磁放射および前記反射電磁放射に応答して干渉電磁放射を生成することと、
前記干渉電磁放射に応答して連続インターフェログラムを生成することと
を行うように構成されている、装置。
【請求項2】
前記シーケンスは、擬似ランダムシーケンス、少なくとも実質的にゼロである自己相関シーケンス、一定振幅ゼロ相関(CAZAC)シーケンス、またはZadoff-Chuシーケンスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光学系は、光ファイバを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記光ファイバは、前記光ファイバ内の様々な位置で前記変調電磁放射を反射するファイバブラッググレーティングと、前記光ファイバ内の様々な位置で前記変調電磁放射を反射する反射素子と、レイリー散乱を介して前記変調電磁放射を後方散乱する製造欠陥と、のうちの1つ以上を含む、請求項3記載の装置。
【請求項5】
二重偏光受信器をさらに備え、
前記二重偏光受信器は、
試験対象の前記光学系からの前記反射電磁放射を、公称偏光状態に対応する第1の場成分と直交偏光状態に対応する第2の場成分とに分割することと、
前記第1の場成分および前記第2の場成分を共偏光局部発振器光と干渉させて2つのインターフェログラムを形成することと
を行うように構成され、
前記2つのインターフェログラムは前記公称偏光状態と前記直交偏光状態のそれぞれに対する前記光学系の応答を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
二重偏光変調器をさらに備え、
前記二重偏光変調器は、
入射局部発振器光を2つの場に分割することと、
前記2つの場の各々における光の位相、振幅、または前記位相および前記振幅の両方を、それぞれの実電気信号または複素電気信号で独立に変調することと、
一方の場は公称偏光状態で構成され、重ね合わされた第2の場は直交偏光状態で構成される前記2つの場を単一の光出力場に結合することと
を行うように構成され、
前記2つの場を駆動する電気信号は、同じ実質的にゼロの自己相関シーケンスを含み、前記公称偏光状態を駆動する前記同じ実質的にゼロの自己相関シーケンスは前記直交偏光状態を駆動する前記同じ実質的にゼロの自己相関シーケンスに関して遅延され、信号処理後のベクトルは、前記公称偏光状態に応答する前記光学系の1つ以上の領域、および前記直交偏光状態に応答する試験対象のシステムの1つ以上の第2領域を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
異なる光飛行時間遅延に対応するフェーザを抽出するために前記連続インターフェログラムのデジタル化されたバージョンに前記シーケンスまたは前記シーケンスの複素共役のうちの一方を適用するように構成された制御回路をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記光学系の光路長変化、または前記フェーザに応答して前記光路長変化に変換される任意の効果のうちの少なくとも一方を感知するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記制御回路によって感知される前記光路長変化は、前記光学系に作用する歪みと、前記光学系の温度と、前記光学系に作用する横方向力と、のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
受信器と制御回路とを備える装置であって、
前記受信器は、
参照電磁放射および反射電磁放射に応答して干渉電磁放射を生成することであって、前記反射電磁放射は試験対象のシステムから、前記試験対象のシステムに供給される変調電磁放射に応答して受信され、前記参照電磁放射および前記変調電磁放射は連続波電磁放射を含む、生成することと、
前記干渉電磁放射に応答して連続インターフェログラムを生成することと
を行うように構成され、
前記制御回路は、
前記変調電磁放射を生成するために、入射電磁放射に応答してシーケンスを変調信号源に供給することと、
デジタル化された連続インターフェログラムを取得するために、前記連続インターフェログラムをデジタル化することと、
前記シーケンスまたは前記シーケンスの複素共役のうちの一方を前記デジタル化された連続インターフェログラムに適用したことに応答して異なる遅延に対応するフェーザを抽出することと
を行うように構成されている、装置。
【請求項11】
光符号遅延反射率測定(OCoDR)を行う方法であって、
変調電磁放射を取得するために入射電磁放射上のシーケンスを変調するステップであって、前記シーケンスは前記シーケンスの非ゼロシフトに対して少なくとも実質的にゼロの循環自己相関を有する、ステップと、
前記変調電磁放射を試験対象のシステムに注入するステップと、
干渉電磁放射を取得するために前記変調電磁放射に応答して前記試験対象のシステムから受信された反射電磁放射を参照電磁放射と干渉させるステップであって、前記参照電磁放射は実質的に固定された周波数の連続波電磁放射を含む、ステップと、
前記干渉電磁放射を電気信号に変換するステップと、
デジタル化された連続インターフェログラムを取得するために前記電気信号をデジタル化するステップと、
異なる遅延に対応するフェーザを取得するために前記シーケンスまたは前記シーケンスの複素共役のうちの一方を前記デジタル化された連続インターフェログラムに適用するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記シーケンスまたは前記シーケンスの複素共役のうちの一方を前記デジタル化された連続インターフェログラムに適用するステップは、
積を取得するために前記シーケンスの様々な循環シフトされたまたは時間シフトされたコピーを前記デジタル化された連続インターフェログラムに乗算するステップと、
フェーザを回復するために前記シーケンスのシーケンス長にわたって積を総和するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フェーザの振幅は、前記シーケンスのシフトに比例する前記試験対象のシステム内の位置における前記反射電磁放射の振幅に実質的に対応する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記フェーザの位相は、前記シーケンスのシフトに比例する前記試験対象のシステム内の位置における前記試験対象のシステムの光飛行時間遅延または遅延変化に実質的に対応する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記シーケンスまたは前記シーケンスの複素共役のうちの一方を前記デジタル化された連続インターフェログラムに適用するステップは、
前記シーケンスの周波数領域表現を推定するステップと、
前記デジタル化された連続インターフェログラムの周波数領域表現を推定するステップと、
前記シーケンスの前記周波数領域表現または前記デジタル化された連続インターフェログラムの前記周波数領域表現のうちの一方を複素共役するステップと、
積を取得するために前記シーケンスの前記周波数領域表現と前記デジタル化された連続インターフェログラムの前記周波数領域表現のうちの複素共役された一方と、前記シーケンスの前記周波数領域表現と前記デジタル化された連続インターフェログラムの前記周波数領域表現のうちの他方とを乗算するステップと、
フェーザのベクトルを取得するために前記積の逆周波数領域表現を推定するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
光符号遅延反射率測定(OCoDR)を行う方法であって、
変調電磁放射を取得するために入射電磁放射上のZadoff-Chuシーケンスを変調するステップであって、前記入射電磁放射および前記変調電磁放射は連続波電磁放射を含む、ステップと、
前記変調電磁放射を光ファイバに注入するステップと、
干渉電磁放射を生成するために前記変調電磁放射に応答して前記光ファイバから受信された反射電磁放射を参照電磁放射と干渉させるステップと、
前記干渉電磁放射をインターフェログラムを含む電気信号に変換するステップと、
デジタル化されたインターフェログラムを生成するために前記電気信号をデジタル化するステップと、
前記Zadoff-Chuシーケンスまたは前記デジタル化されたインターフェログラムのうちの一方の複素共役を決定するステップと、
積を生成するために前記Zadoff-Chuシーケンスまたは前記デジタル化されたインターフェログラムのうちの一方の前記複素共役を、前記Zadoff-Chuシーケンスまたは前記デジタル化されたインターフェログラムのうちの他方と乗算するステップと、
フェーザのベクトルを回復するために前記積の周波数領域表現を決定するステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記周波数領域表現は、前記Zadoff-Chuシーケンスの長さよりも小さいサンプルの数にわたってとられ、前記Zadoff-Chuシーケンスの前記長さに対応する光飛行時間遅延の逆数よりも速い出力サンプルレートを生み出す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フェーザの振幅は、前記Zadoff-Chuシーケンスのシフトに比例する前記光ファイバ内の位置における後方反射信号の振幅に対応する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フェーザの位相は、前記Zadoff-Chuシーケンスのシフトに比例する前記光ファイバ内の位置における前記光ファイバの光飛行時間遅延または遅延変化に対応する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記光ファイバは、
前記光ファイバ内の様々な位置で前記変調電磁放射を反射するファイバブラッググレーティングと、
前記光ファイバ内の様々な位置で前記変調電磁放射を反射する反射素子と、
前記変調電磁放射を前記光ファイバ内で後方散乱させるレイリー散乱を示す欠陥と
のうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記フェーザのベクトルの振幅、位相、またはそれらの両方に基づき前記光ファイバの状態を推定するステップをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記状態を推定するステップは、複屈折、温度、歪み、または前記複屈折、前記温度、もしくは前記歪みに変換される任意の効果のうちの1つ以上を推定するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、この参照により開示全体が本明細書に組み込まれている、2021年7月20日に出願した米国仮特許出願第63/203363号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、一般的に、光センシングのための装置および方法に関するものであり、より具体的には、連続波電磁(EM)放射を使用する光センシングに関するものである。
【0003】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、米国エネルギー省から発注された契約番号DE-SC0020755および米国海軍省から発注された契約番号N6833520C0183に基づき政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
光ファイバなどの光学系は、様々な用途においてセンサーとして使用され得る。たとえば、歪みまたは温度の変動に起因する光学系の機械的応力の変調は、光学系の測定可能な光学特性を変化させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、特定の実施形態を特に指示し、明確に主張する請求項で締め括るが、本開示の範囲内の実施形態の様々な特徴および利点は、添付図面と併せて読んだときに、以下の説明からより容易に判明し得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】いくつかの実施形態による、測定システムのブロック図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、OCoDRを実行するための乗算器-アキュムレータアーキテクチャを例示する信号処理図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、OCoDRを実行するための周波数領域アーキテクチャを例示する信号処理図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、OCoDRを実行するためのZadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャを例示するデジタル信号処理図である。
【
図5】1乗根、ゼロシフトZadoff-Chuデジタル系列(シーケンス)(first-root, zero-shift Zadoff-Chu digital sequence)の位相導関数の一例を例示するプロットである。
【
図6】試験対象の合成システムの一例の反射率を例示するプロットである。
【
図7】
図6の反射体の位相導関数を例示するプロットである。
【
図8】アナログデジタル変換器とのインターフェログラムのデジタル化および変調器にも送信された元のZadoff Chu系列(シーケンス)の複素共役とのインターフェログラムの乗算の後で、信号のデジタルサンプリングの影響が十分に考慮される前の、反射体信号の位相導関数(
図7の位相導関数)のプロットである。
【
図9】信号のデジタルサンプリングの影響が完全に考慮された後の、3つの例示的な反射体から生じる位相微分(周波数)を例示するプロットである。
【
図10】いくつかの実施形態による、単純な位相変調器の一表現の図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、実変調器(たとえば、限定されないが、マッハツェンダー変調器)の一表現の図である。
【
図12】非限定的な例による、受信波形に対して実行されるデジタル化、混合、フィルタリング、および再サンプリングを例示するプロットの集まりである。
【
図13】いくつかの実施形態による、複素変調器の一表現の図である。
【
図14】いくつかの実施形態による、複素受信器の一表現の図である。
【
図15】いくつかの実施形態による、実受信器の一表現の図である。
【
図16】非限定的な例による、受信波形に対して実行されるデジタル化、混合、フィルタリング、および再サンプリングを例示するプロットの集まりである。
【
図17】実変調器(たとえば、
図11の実変調器)および実受信器(たとえば、
図15の実受信器)とともに使用するのに適切な信号処理方式の機能フロー図である。
【
図18】いくつかの実施形態による、二重偏光複素受信器の一表現の図である。
【
図19】いくつかの実施形態による、二重偏光複素変調器の一表現の図である。
【
図20】偏光多様性OCoDR実施形態とともに使用するのに適切な信号処理方式2000に対する機能フロー図である。
【
図21】いくつかの実施形態による、PRBS系列(シーケンス)の一例を示すプロットである。
【
図22】
図21のPRBS系列(シーケンス)の循環自己相関を例示するプロットである。
【
図23】いくつかの実施形態による、インターフェログラム信号のプロットである。
【
図24】いくつかの実施形態による、インターフェログラム信号のx成分およびy成分の振幅を例示するプロットである。
【
図25】いくつかの実施形態による、0°におけるシンボルと180°におけるシンボルとの間のインターフェログラム信号の横断を例示するプロットである。
【
図26】いくつかの実施形態による、ψ=25°に対するMZ変調器アプローチを使用する、0°から180°への横断およびその戻りの横断のx成分およびy成分を例示するプロットである。
【
図29】いくつかの実施形態による、試験対象のシステムの絶対測定を実行する方法を例示するフローチャートである。
【
図30】いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている様々な機能、動作、活動、プロセス、および/または方法を実施するために使用され得る回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、開示の一部をなす、本開示が実践され得る実施形態の特定の例が、図解を用いて示されている、添付図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本開示を実践することを可能にする十分な詳しさで説明されている。しかしながら、本明細書において使用可能にされた他の実施形態が利用されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく構造、材料、およびプロセスの変更が加えられ得る。
【0008】
本明細書において提示されている図解は、任意の特定の方法、システム、デバイス、または構造の実際の図であることを意図しておらず、本開示の実施形態を説明するために採用されている単なる理想化された表現である。いくつかの事例において、様々な図面中の類似の構造またはコンポーネントは、読者の便宜のために同一または類似の番号付けを保持し得るが、番号付けの類似性は、構造またはコンポーネントが、サイズ、組成、構成、または任意の他の特性に関して同一であることを必ずしも意味しない。
【0009】
次の説明は、開示された実施形態を当業者が実施することを可能にするのを助ける例を含み得る。「例示的な」、「例として」、および「たとえば」という用語の使用は、関係する説明が例示的であることを意味し、本開示の範囲は、例および法的等価物を包含することを意図されているが、そのような用語の使用は、実施形態または本開示の範囲を、指定されたコンポーネント、ステップ、特徴、機能、または同様のものに限定することを意図されていない。
【0010】
本明細書において一般的に説明され、図面中で例示されているような実施形態のコンポーネントは、広範な異なる構成で配置構成され、設計され得ることは容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の次に示す説明は、本開示の範囲を制限することを意図されておらず、単に様々な実施形態を代表しているのにすぎない。実施形態の様々な態様は、図面に提示され得るが、図面は、特に断りのない限り、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0011】
さらに、図示され、説明されている特定の実装形態は、例にすぎず、本明細書において特に断りのない限り本開示を実装する唯一の方法として解釈されるべきではない。要素、回路、および機能は、本開示を不必要に詳細にして曖昧にしないために、ブロック図の形態で示されることがある。逆に、図示され、説明されている特定の実装形態は、例にすぎず、本明細書において特に断りのない限り本開示を実装する唯一の方法として解釈されるべきではない。それに加えて、ブロック定義および様々なブロックの間のロジックの分割は、特定の実装形態の例示である。当業者であれば、本開示は、多数の他の分割ソリューションによって実施され得ることは容易に理解するであろう。大部分において、タイミング考慮事項および同様のものに関する詳細は省略されており、そのような詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要でなく、当技術分野の当業者の能力の範囲内にある。
【0012】
当業者であれば、情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれを使用しても表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、提示および説明を明確にするために、信号を単一の信号として例示することがある。信号は信号のバスを表し、バスは様々なビット幅を有し、本開示は単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号に関して実施され得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0013】
本明細書において開示されている実施形態に関して説明されている様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラム可能ロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書において説明されている機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装されるか、または実行され得る。汎用プロセッサ(本明細書ではホストプロセッサもしくは単にホストとも称され得る)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的実施形態では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成などの、コンピューティングデバイスの組合せとしても実装され得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは、専用コンピュータとみなされるが、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関係するコンピューティング命令(たとえば、ソフトウェアコード)を実行するように構成される。
【0014】
これらの実施形態は、フローチャート、流れ図、構造図、またはブロック図として表されているプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、動作活動を逐次プロセスとして記述している場合があるけれども、これらの活動の多くは、別の順序で、並行して、または実質的に同時に実行され得る。それに加えて、活動の順番は並べ替えられ得る。プロセスは、メソッド、スレッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム、他の構造体、またはこれらの組合せに対応し得る。さらに、本明細書において開示されている方法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの両方で実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、これらの関数は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令もしくはコードとして記憶されるか、伝送され得る。コンピュータ可読媒体は、一方の場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。
【0015】
本明細書において、「第1」、「第2」などの指定を用いて要素に言及することは、そのような制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の量または順序を制限しない。むしろ、これらの指定は、2つもしくはそれ以上の要素間または要素のインスタンス間を区別する便宜上の方法として本明細書において使用され得る。そのため、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで使用され得ること、または第1の要素が何らかの形で第2の要素の前に来なければならないことを意味しない。それに加えて、断りのない限り、要素のセットは、1つまたは複数の要素を含み得る。
【0016】
本明細書において使用されるように、所与のパラメータ、特性、または条件に関して「実質的に」という言い回しは、当業者であれば、所与のパラメータ、特性、または条件が、たとえば、許容可能製造公差の範囲内など、小さな程度のばらつきで満たされることを理解する程度を意味し、また、その程度を含む。例として、実質的に満たされている特定のパラメータ、特性、または条件に応じて、パラメータ、特性、または条件は、少なくとも90%満たされている、少なくとも95%満たされている、または少なくとも99%満たされていることすらあり得る。
【0017】
本明細書において使用されているように、「連続波電磁(EM)放射」という用語は、パルスベースの電磁(EM)放射とは対照的に、連続波を含む電磁(EM)放射を指す。連続波EM放射は、少なくとも実質的に正弦波であり得るか、または変調され得る(たとえば、振幅変調、位相変調、またはそれらの両方)。連続波EM放射は、試験対象のシステムの所望の光飛行時間遅延範囲に沿って新しい一連の測定が行われる所与のサンプル期間にわたって連続的であることを指すものとしてよい。パルスOTDRまたはOFDRシステムでは、EM放射はサンプル期間のわずか0.1%またはそれ以下において放射され得るが、連続波EM放射は、たとえばサンプル期間の50%またはそれ以上において放射され得る。
【0018】
パルスベースのEM放射は、光センシングに使用され得る。EM放射はパルス期間中のみ活性であり、パルスとパルスとの間では不活性であるので、比較的少ない光子が光学系に供給され得る。その結果、比較的少ない光子が、検出器でも受信される。検出器は比較的少ない光子を受信するので、検出器によって受信される反射EM放射の比較的低い信号対雑音比(SNR)が、パルスベースのEM放射光センシングにおいて予想され得る。また、比較的短い到達距離(たとえば、比較的短いセンシングファイバ)は、パルスベースのEM放射光センシングを使用して使用可能にされ得る。それに加えて、増幅器(たとえば、半導体光増幅器(SOA)、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)、ラマン増幅器)の使用が、平均して低出力である反射EM放射を増幅するために必要とされ得る。その結果、コスト増大、ノイズペナルティ増大、またはそれらの両方が、パルスベースのEM放射を使用する光センシングでは予想され得る。
【0019】
パルスベースの光周波数領域反射測定法(OFDR)では、サンプルレートは1回の光周波数掃引に結び付けられている。掃引速度を上げることは、サンプルレートを改善するが、より高い必要な復調帯域幅を要する。パルスベースの光時間領域反射測定(OTDR)では、サンプルレートは、試験対象のセンサーネットワークを通過する全体的な飛行時間によって制限される。これは、単一のパルスからパルス列を生成する必要があるためである。
【0020】
パルスベースのOFDR(時間ゲートOFDRを含む)では、測定量SNRは、歪み測定については1マイクロストレイン(με)または数百ナノストレイン(nε)程度、または摂氏(℃)の10分の1程度に制限される。過渡現象は、必要な擬似線形光周波数掃引にわたって平均化され、典型的には単一の値として返される。パルスベースのOTDRは、パルスベースのOFDRと同じSNR制限を有しているように見え、それに伴う歪み制限がある。
【0021】
OFDRでは、所与の周波数スペクトルに対して、効率的なスペクトル利用は、センサー(または反射特徴)が等間隔でOFDR周波数スペクトルを高い占有率で有するように関心のあるセンサーまたは特徴が等間隔(たとえば、試験対象のファイバまたは試験対象の空間に沿って等間隔)であることを必要とする。センサー(または特徴)がスペクトルのサブセットまたは不規則な間隔の部分をカバーする場合、センサー(特徴)を効率的に復調することが困難であり得る。
【0022】
パルスベースのOTDRおよびOFDR技術は、比較的高価な専用部品を必要とすることがあり、パルスベースのOTDRおよびOFDRシステムの製造コストを全体的に押し上げる。
【0023】
パルスベースのEM放射を使用する光センシングの具体例として、1メートル(m)の空間分解能を有する50キロメートル(km)の光時間領域反射率計(OTDR)システムが使用され得る。10ナノ秒(ns)のパルス幅を有するEM放射パルスを仮定すると、パルス繰り返し率は、二重経路光飛行時間遅延(実質的に(10ns/m)×(50×103m)に起因して実質的に0.5ミリ秒(ms)に制限される。Ppkのピークパルス電力を仮定すると、平均電力Paveは、Ppk×10ns/0.5ms以下、すなわちPave≦2×10-5である。様々な技術が、空間分解能を維持しながらパルス幅を広げるために使用され得るが、平均電力Paveは実質的に1桁しか増大し得ない。その結果、平均電力Paveは、それでも、ピークパルス電力Ppkに比べて実質的に1/10,000に減少され得る。
【0024】
本明細書において開示されるのは、連続波EM放射を使用する光センシングである。EM放射は、パルスベースのEM放射を使用するのではなくむしろ連続的に光学系に供給され得る。その結果、所与のEM放射源出力に対して、パルスベースのEM放射と比較して、連続波EM放射において、著しく多くのEM放射が光学系に供給される。
【0025】
連続波EM放射を使用する一例は、OCoDR(OPTICAL CODE-DELAY REFLECTOMETRY,光符号遅延反射率測定)であり、これは連続波技術として使用され得る。測定量は、OFDR技術に比べ、最大で数桁も速い、比較的高速で連続的に利用可能である。その結果、OCoDRは、OFDRと比較して優れたサンプルレートの恩恵を受け得る。
【0026】
OCoDRは連続波EM放射源を使用し得、したがって試験対象のシステム内のすべてのセンサー(または反射特徴)から連続的にデータを捕捉する。OTDRと比較して、OCoDRは、単位時間あたりにより多くの光子を捕捉することを可能にし得、したがって所与のサンプルレートに対する測定のSNRは優れている。OTDRおよびOFDRと比較すると、時間データの欠落がない(たとえば、OTDRパルス間、またはOFDR掃引パルス内ベースのOFDRの間で、掃引は、掃引しながら出力が試験対象のファイバに注入され、次いで出力がオフにされるか、またはデータが無視されるパルスであり得る)。その代わり、データは、時間的に連続的であり、切れ目がないモノとしてよい。
【0027】
OCoDRでは、試験対象のシステムのスペクトル応答が、擬似的な(あるいは多少なりとも)固定波長の光源を横切って「スライド」し得る。したがって、OCoDRのダイナミックレンジは、OFDRのように波長掃引範囲によって制限されることはない。
【0028】
OCoDRに関連付けられるコストは、また、OFDRおよびOTDRに関連付けられるコストよりも一般的に低いものとしてよい。比較的安価なコンポーネント、さらにはより低コストのセンシングファイバが使用され得る。非限定的な例では、1つまたは複数のレイリー散乱現象および/またはラマン散乱現象が、標準的な電気通信ファイバまたは従来の光センサー(たとえば、ファイバブラッググレーティング)を組み込んでいない他のファイバを使用してセンシングを実行するために使用され得る。
【0029】
OCoDRでは、必要なスペクトル帯域幅は、試験対象のファイバ(または空間)内のセンサー(または特徴)の所望の数に合わせてチューニングされ得る。それに加えて、OCoDRは、オンザフライで変更され得る選択性を提供する。したがって、OCoDRは、OFDRやOTDRと比較して優れたスペクトラム利用を提供し得る。
【0030】
OCoDRは干渉計測技術であるので、SNRは、非干渉計測技術(たとえば、いくつかのOTDR技術のように)に関して向上する。光場の振幅は、光検出器および/または信号処理ユニット内の信号強度にエンコードされる。
【0031】
OCoDRは、また、数十メートルまたは数百メートルに制限され得る、OFDRと比較して、優れた検出長を有し得る。OCoDRは、OTDR技術と同様に、数キロメートルまたは数十キロメートル程度のセンシング長を達成し得る。連続波EM放射を使用する光センシングの具体的な例として、50km光学系が使用され得る。連続波EM放射が使用されるので、平均電力Paveはピーク電力Ppkに等しい。その結果、パルスベースのEM放射を使用する光センシングと比較して、数桁以上のEM放射がインテロゲーションと取得に利用可能である。EM放射が多ければ多いほど、SNRはよくなるか、到達距離が長くなるか、またはそれらの両方である。
【0032】
OCoDRは、また、複素偏光多様性光場をもたらし得る。OCoDRは、直交および偏光多様性変調/受信と組み合わせて使用され、偏光の伝送状態によって区別される試験対象のシステムに沿った各センサー(または特徴もしくは位置)における偏光の状態を含む、完全な複素光場を回復し得る。したがって、OCoDRはファイバの複屈折を測定するために使用され、次いで、これは、限定することなく、軸方向荷重および他の現象を測定するために利用され得る。
【0033】
図1は、いくつかの実施形態による、測定システム100のブロック図である。OCoDRは、試験対象の光学系116にインテロゲートするために、1つまたは複数の固有の符号系列(シーケンス)を利用する。試験対象のシステム116は、複数のセンサー(または、たとえば、特徴、層、またはセグメント)を含み得る。測定システム100は、EM放射源102、光学スプリッタ118、変調器112、変調信号源114、光サーキュレータ120、試験対象のシステム116、受信器140、および制御回路104を備える。EM放射源102は、実質的に固定された光周波数(すなわち、固定波長)で連続波EM放射122を供給するように構成される。非限定的な例として、EM放射源102は、固定周波数レーザーであってもよい。光位相雑音帯域幅が狭いような狭線幅レーザーを使用することには利点がある。
【0034】
光スプリッタ118は、スプリッタ入力132、第1のスプリッタ出力134、および第2のスプリッタ出力136を含む。スプリッタ入力132は、EM放射源102から連続波EM放射122を受信するように構成される。光スプリッタ118は、連続波EM放射を入射EM放射124として第1のスプリッタ出力134に、参照EM放射130として第2のスプリッタ出力136に送出するように構成される。
【0035】
変調信号源114は、変調信号138(1つまたは複数の電気信号)を変調器112に供給し、入射EM放射124を変調する。変調器112は、第1のスプリッタ出力134から入射EM放射124を受信するように構成される。変調器112は、変調EM放射126を生成するために、変調信号源114からの変調信号138に応答して系列(シーケンス)を入射EM放射124の振幅、位相、またはそれらの両方に与えるように構成される。非限定的な例として、変調器112は、実パターン変調(たとえば、二位相偏移変調(BPSK))または複素パターン変調(たとえば、四位相偏移変調(QPSK))を使用し得る。また、非限定的な例として、変調器112は、実または複素系列(シーケンス)を、入射EM放射124の単一偏光成分に、または二重(たとえば、限定することなく、直交)偏光成分に与え得る。変調されたEM放射126は、連続波EM放射を含む。非限定的な例として、入射EM放射124の位相は、単純な位相変調器で変調され得る。また、非限定的な例として、入射EM放射124は、実または複素(たとえばマッハツェンダー)変調器で変調され得る。
【0036】
光サーキュレータ120は、変調されたEM放射126を変調器112から試験対象のシステム116に受け渡し、反射されたEM放射128を試験対象のシステム116から受信器140(受信器140の第2の入力146)に受け渡すように構成される。いくつかの実施形態において、光サーキュレータ120を使用するのではなくむしろ、その代わりに、スプリッタ、またはスプリッタおよびアイソレータが、変調されたEM放射126を試験対象のシステム116に受け渡し、反射されたEM放射128を受信器140に受け渡すために使用され得る。
【0037】
図1は、スプリッタおよび/またはコンバイナ(たとえば、光スプリッタ118、光サーキュレータ120)として使用される光カプラを例示しているが、他のデバイスに使用可能である。スプリッタの非限定的な例示的実施形態は、光ファイバカプラ、自由空間ビームスプリッタ、フォトニック集積回路(PIC)導波路スプリッタ、または他のスプリッタを含む。コンバイナの非限定的な例示的実施形態は、光ファイバカプラ、自由空間ビームスプリッタ、フォトニック集積回路(PIC)導波路コンバイナ、または他のコンバイナを含む。光スプリッタ118の別の非限定的な例示的実施形態は、自由空間または光ファイバサーキュレータであり得る。それに加えて、偏光ビームスプリッタ、アイソレータ、または他のコンポーネントなどの他のコンポーネントが、信号電力または測定システム100の他の態様を改善するために使用され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、試験対象のシステム116は、光ファイバを含み得る。光ファイバは、コア楕円度、同心度、ドーパント濃度、および他の特性における不規則変動に起因するレイリー後方散乱を示す。光ファイバの製造における欠陥に起因するこれらの不規則変動は、光ファイバに作用する機械的応力または温度作用を測定するための検出可能な痕跡を有し得る。いくつかの実施形態において、光ファイバは、ファイバブラッググレーティング(FBG)センサー、部分反射体、または他のセンサーを含み得る。いくつかの実施形態において、試験対象のシステム116は、自由空間光学素子(たとえば、空気を含み得る、または含み得ない、自由空間環境または試験対象の空間)であり得る。非限定的な例として、変調されたEM放射126は、3次元空間が走査されるように、レンズ、他の導光装置などのシステムを使用して自由空間光学素子にインターフェースされ得る。
【0039】
ファイバブラッググレーティングは、センサーとして使用され得るが、いくつかの実施形態において、リターンロスが波長の強い関数であり、したがって所望のセンサーが波長λ0で弱い応答を示し、不所望のセンサーが試験対象のシステム116に作用する環境条件の所与のセットに対して同じ波長で強い応答を示す場合にSNRが悪くなる可能性があるという欠点を有し得る。チャープファイバブラッググレーティングは、その波長応答にわたって比較的一定のリターンロスを示し、したがってこの欠点に悩まされることはない。広帯域(所望のシステムダイナミックレンジに関する)応答を示すファイバブラッググレーティングも、この欠点に関して動作を改善し得る。標準的な電気通信ファイバは、楕円度およびコア同心度の微小変動を示し、その結果、本開示によるセンシングを実行するのに十分なレベルのレイリー散乱が生じる。光ファイバのランダム散乱中心は、ランダム屈折率変動を有するファイバブラッググレーティングとしてモデル化され、多数の広帯域ファイバブラッググレーティングを含む試験対象のシステム116と同様の利点を提供する。レイリー散乱解析を介してOCoDRと併せて標準的な電気通信ファイバを使用する利点は、センサーファイバのコストが劇的に低下することである。
【0040】
受信器140は、1つまたは複数の光ハイブリッド110(たとえば、90度ハイブリッド)および複数の光検出器(光検出器106、光検出器108)を含む。非限定的な例として、受信器140は、偏光スプリッタおよびフィルタ(たとえば、偏光ビームスプリッタ)ならびに各直交偏光状態に対して2つの信号を生成する2つの光ハイブリッドとともに構成され得る。いくつかの実施形態において、受信器140は、光ハイブリッドを使用しなくてもよい(たとえば、
図15に例示されるような光ハイブリッド110ではなくむしろ単一のカプラが使用され得る)。そのような実施形態では、単一のカプラが、単一の光検出器への出力をインターフェースするために使用され得る。そのような変調方式は、単側波帯であってもよく、複素変調を利用し得る。受信器140は、第2のスプリッタ出力136から参照EM放射130を受信し、変調されたEM放射126に応答して試験対象のシステム116から反射EM放射128を受信し、参照EM放射130および反射EM放射128に応答して干渉EM放射142を生成するように構成される。
【0041】
光ハイブリッド110の各々は、第1の入力144(「局部発振器」入力として呼ばれることもある)、第2の入力146、第1の出力148、および第2の出力150を含む。光ハイブリッド110の各々は、入力として、2つの光場(すなわち、参照EM放射130および反射EM放射128)を受信する。第1のハイブリッド入力144は参照EM放射130を受信し、第2の入力146は反射EM放射128を受信する。光ハイブリッド110の各々は、参照EM放射130および反射EM放射128を分割し、参照EM放射130および反射EM放射128のうちの一方を他方に関して公称波長λで実質的に1/4波(λ/4)だけ遅延させる。光ハイブリッド110は、参照EM放射130および反射EM放射128を干渉させて干渉EM放射142を生成する。
【0042】
干渉EM放射142は、第1のハイブリッド出力148で供給される同相干渉計測出力152と、第2のハイブリッド出力150で供給される直角位相干渉計測出力154とを含む。いくつかの実施形態において、光ハイブリッド110は、同相に対する2つの出力および直角位相に対する別の2つの出力を供給し得る。同相干渉計測出力152および直角位相干渉計測出力154の強度は、参照EM放射130と反射EM放射128との干渉によって形成されるビート信号の振幅に比例し得る。
【0043】
光検出器106は、同相干渉計測出力152を第1の測定信号156に変換し、第1の測定信号156を制御回路104に供給するように構成される。同様に、光検出器108は、直角位相干渉計測出力154を第2の測定信号158に変換し、第2の測定信号158を制御回路104に供給するように構成される。光検出器106および光検出器108は、フォトダイオードを含み得る。非限定的な例として、光ハイブリッド110が同相に対する2つの出力および直角位相に対する別の2つの出力を含む実施形態において、光検出器106および光検出器108は、2つの同相出力を対にして、一方のフォトダイオード電流を他方のフォトダイオード電流から減算するものとしてよい。同じことが、2つの直角位相出力に対して行われてもよい。
【0044】
制御回路104は、第1の測定信号156および第2の測定信号158を受信し、第1の測定信号156および第2の測定信号158を解釈し、試験対象のシステム116の各センサー、特徴、層、および/またはセグメントから情報を一意に抽出するために適切な信号処理を適用するように構成される。いくつかの実施形態において、制御回路104は、変調信号源114を含み、したがって、変調信号138を生成し、変調信号138を変調器112に供給し得る。いくつかの実施形態において、制御回路104は、トランスインピーダンス増幅器を含み、これは、光検出器106および光検出器108によって供給される電流を電位に変換するために制御回路104の入力に使用され得る。いくつかの実施形態において、制御回路104は、電位をサンプリングするための波形取得ユニット(たとえば、アナログ信号調整電子機器、アナログデジタル変換器)を含む。
【0045】
制御回路104は、また、第1の測定信号156および第2の測定信号158を処理して、第1の測定信号156および第2の測定信号158によって表される干渉EM放射142に応答して、光ハイブリッド110の結合カプラに生成され得る、連続インターフェログラムを処理するように構成される。いくつかの実施形態において、制御回路104は、コントローラ(たとえば、中央演算処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックプロセッシングユニット(GPU)、システムオンチップ(SoC)、他の処理ユニット、またはそれらの組合せなどの処理ユニット)を含む。
【0046】
動作時に、EM放射源102は、実質的に固定された光周波数(波長)で連続波EM放射122を供給する。光スプリッタ118は、連続波EM放射122を分割して変調器112および(光ハイブリッド110の)受信器140の第1のハイブリッド入力144(たとえば、局部発振器入力)に供給する。変調器112がない場合、議論のためだけに、試験対象のシステム116が1つの無視できない反射(たとえば、ミラー)のみを有する試験対象のファイバであると仮定すると、EM放射は試験対象のファイバに入射し、EM放射はミラーから反射する(反射EM放射128)。反射EM放射128は、参照EM放射130の干渉を受ける。
【0047】
光場は、複素フェーザ
u(t)=ρ(t)eiφ(t)
によって表され得る。局部発振器および試験対象システム経路における損失αl、αdをそれぞれ仮定すると、受信器におけるこれらの光場を
【0048】
【0049】
【0050】
のように書くことができ、ここで、ρ(t)は光場の振幅であり、τlおよびτdはそれぞれ局部発振器経路および試験対象システム経路を通る光飛行時間遅延である。
【0051】
2つの場(ul(t)およびud(t))は、受信器140(複素受信器)において干渉を受け、光ハイブリッド110の出力でインターフェログラムを生成する。受信器140では、整合検出器が使用されるものとしてよく、そこでコモンモード電流が減算される。結果として得られる干渉計測電気信号は、制御回路104の波形取得ユニットを介してデジタル化され得る。同相信号および直角位相信号は、それぞれ、複素数の実部および複素数部に割り当てられ得る。その結果得られる信号は、
Ucplx(t)∝αlαdρ(t-τl)ρ(t-τd)eiθ(t)
によって与えられるものとしてよく、ここで、
θ(t)=φ(t-τl)-φ(t-τd)
である。連続波EM放射122が固定光周波数である場合、周波数および位相展開は、
v(t)=v0
φ(t)=2π∫v(t)dt=2πv0t
によって与えられるものとしてよく、ここで、v0は連続波EM放射122の公称固定光周波数である。この場合、
θ(t)=2πv0Δτ
であり、ここで、
Δτ=τd-τl
である。
【0052】
したがって、信号Ucplx(t)は、試験対象のシステムを通る損失(αd)に比例する大きさと、局部発振器経路と試験対象システム経路との間の光飛行時間差に比例する位相とを有するフェーザである。この位相は、Δτが量1/v0だけ変化するときに2πラジアンを横断する。v0=193.4テラヘルツ(THz)(波長1550ナノメートル(nm))の例を考えると、フェーザが完全に発振するための光路長は実質的に5.2フェムト秒(fs)である。典型的な光ファイバの二重経路光路長が1mあたり実質的に10nsであるとした場合、干渉計測フェーザの1回の発振のための光路長は、光ファイバにおいて実質的に0.5μmの物理的な経路長の変化である。また、(フェーザが置かれる)複素平面がマルチビット精度でデジタル化され得るとすれば、干渉計測フェーザを分析することによって等価な物理的経路長変化の1nmまたはそれ以上程度の精度が可能である。
【0053】
この例では、試験対象のシステム内の1つの無視できない要素のみが入射光場を反射する場合を考えた。分散型光センシングシナリオでは、試験対象のシステムは、ファイバに沿って書き込まれる多数(数十、数百、数千、数万、またはそれ以上)のセンサーを含む可能性があり、そのすべてが一意に復調され(すなわち、インテロゲートされ)得る。代替的に、またはそれに加えて、光ファイバは、光ファイバに沿って分布するレイリー後方散乱を示す任意の光ファイバであってもよく、この後方散乱は、光ファイバ内のランダムな欠陥(たとえば、不完全な製造プロセスの結果としての)に起因する。
【0054】
前述したように、変調器112は、入射EM放射124に実変調パターンまたは複素変調パターンを与えるために使用され、多数のセンサーまたは配置が一意に復調されることを可能にする変調EM放射126を生成する。
【0055】
いくつかの実施形態において、光変調器112を介して光に与えられる変調信号138は、擬似ランダム2値系列(シーケンス)(PRBS)である。そのような実施形態では、EM放射源102から出る(および変調器112に供給される入射EM放射124上の)連続波EM放射122の光フェーザは、実質的に+1または-1のいずれかを乗算される。非限定的な例として、ei0=1およびeiπ=-1であるので、+1および-1によるこの乗算は、π/2ラジアンまたは-π/2ラジアン(または実際にはπラジアンだけ隔てられる任意の2つの角度)のいずれかを通して入射光場を移動する位相変調器によって達成され得る。この場合、変調器から出る光場の振幅は変化しない。フェーザは、採用されるPRBSの2進数に応じて単位円の周りに回転され得る。
【0056】
また、非限定的な例として、+1および-1による乗算は、マッハツェンダー干渉計を使用して実行されてもよい。そのような実施形態では、入射EM放射124のフェーザは、フェーザを単位円の原点を通って移動させることによって公称ゼロラジアン状態からπラジアンだけ離れた点まで移動され得る。市販の光変調器は、変調器内にマッハツェンダー干渉計を実装していることが多く、変調器112としてこの目的に使用することができる。マッハツェンダー干渉計を使用する変調は、BPSK光変調に類似し、この目的には実変調器で十分であろう。また、複素変調器も、BPSKコンスタレーションを入射光場に与えるために使用することが可能である。
【0057】
いくつかの実施形態において、変調信号138に対するPRBSは、高効率デジタルプロセッサ(たとえば、CPU、FPGA、GPU、SoCなど)の線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)を介して生成され得る。LFSRがM個のビットで構成される場合、最大長またはm系列(シーケンス)のPRBSは、最大長2M-1で生成され得る。この最大長PRBSは、変調器112を介して入射EM放射124に与えることができ、試験対象のシステム116(たとえば、試験対象のファイバ)に変調EM放射126として注入され得る。本明細書において使用されるように、「チップ時間」という用語は、PRBSの1つのサンプル(すなわち、チップ)から続くサンプルに進行するのに要する時間を指す。本明細書において使用されるように、「系列(シーケンス)時間」という用語は、変調信号138の系列(シーケンス)全体(この非限定的な例では、2M-1個の)を変調するのに要する時間を指す。
【0058】
1つの反射体を有する試験対象のシステム116へのPRBSの適用を例示することは有益であり得る。2値信号は、結果として所望のゼロラジアンまたはπラジアンシフトをもたらすように、
【0059】
【0060】
として定義されるものとしてよく、ここで、A(t)は、集合{-1,+1}内の値を有するPRBSである。これは、Vπだけ互いに異なる2つの電位値を有する信号で位相変調器を駆動することによって達成されるものとしてよく、ここで、Vπは、変調器112(たとえば、光位相変調器)に印加されたときに、πラジアンの位相シフトを結果としてもたらす電位である。
【0061】
光源電力ρ(t)が、系列(シーケンス)時間と比較してゆっくりと変化している場合、干渉計測信号は、
【0062】
【0063】
によって与えられるものとしてよい。制御回路104は、Ucplx(t)を(たとえば、波形取得ユニットを使用して)デジタル化し、Ucplx(t)に擬似ランダム2値系列(シーケンス)A(t-τd)を乗算すると、
【0064】
【0065】
が求められ得る。(t)は、2つの値(+1および-1)しかとらないので、
【0066】
【0067】
は1になる、すなわち、
【0068】
【0069】
【0070】
であることに注意されたい。したがって、インターフェログラムにPRBSを乗算すると、信号は所望のフェーザ
【0071】
【0072】
に復元される。
【0073】
PRBSは、自己相関関数がゼロシフトとした場合に1になるが、Nをシーケンス長として任意の他のシフト値に対しては小さな値-1/Nを示すという点で有用な自己相関特性を示す。言い換えると、PRBSがゼロシフトで同じPRBSと乗算された場合、-1値は-1値と乗算され、+1値は+1と乗算され、信号は完全に相関する。これらの値が1系列(シーケンス)時間にわたって合計されると、結果はNとなる。任意の他のシフトについては、PRBSおよび循環シフトの乗算の結果、積が+1となる乗算の結果は2M-1-1個となり、積が-1となる乗算の結果は2M-1個となる。これらの値が1系列(シーケンス)時間にわたって合計されると、結果は-1となる。
【0074】
ゼロシフトおよび非ゼロシフトの場合、これらの相関値は、Nで正規化され、ゼロシフトに対しては1の相関、および非ゼロシフトに対しては-1/Nの相関をもたらし得る。その結果、
【0075】
【0076】
となり、ここで、tcはチップ時間であり、tc=1/fsであり、fsはPRBSのサンプルレートである。系列(シーケンス)長Nが増大するにつれ、非ゼロシフトに対する自己相関関数の値は減少する。
【0077】
PRBSのm系列(シーケンス)が時間的に継続的に繰り返される場合、循環シフト(たとえば「circshift」)は必要ない場合がある。総和において考慮される長い信号の単一の系列(シーケンス)時間を有する、別の信号に関する一方の信号の標準的シフトは、類似の結果を示す。
【0078】
単一の反射体の場合について説明されたので、次に複数の反射素子の場合について例示される。試験対象のシステム116(たとえば、試験対象のファイバ)は、n個の反射素子(たとえば、複数の反射体、FBG、レイリー散乱配置、またはそれらの組合せ)を含むと仮定される。また、PRBS信号(変調信号138)を入射EM放射124に与えて、試験対象のシステム116に変調EM放射126を供給するために位相変調器が使用されると仮定される。試験対象のシステム116からの各反射は、一意的な位置τj、j=1、…、nにおいて生じる。n個の後方反射は重ね合わされて、
【0079】
【0080】
を形成する。固定周波数の連続波EM放射122が与えられると、この場は干渉して
【0081】
【0082】
を形成する。加えて追加の項があり、
【0083】
【0084】
である。追加の項は、
【0085】
【0086】
における成分を有し、pは試験対象ファイバ項にわたる追加の総和のインデックスである。局部発振器場が反射された試験対象システム場よりもかなり強い(すなわちαl≫αd)場合、これらの追加の項が全体的インターフェログラムにもたらす寄与は無視できるくらい小さい。制御回路104(たとえば、制御回路104の処理ユニット)は、Ucplx(t)をデジタル化し、擬似ランダム系列(シーケンス)を乗算してから系列(シーケンス)時間にわたって総和し、
【0087】
【0088】
を形成するものとしてよく、ρ(t)は、系列(シーケンス)時間にわたって一定であると仮定されている。
【0089】
PRBSの上述の相関特性に基づき、
【0090】
【0091】
および
【0092】
【0093】
となる。上述のように、Mが増大するにつれ、1/Nが減少し、第2の項の影響も減少する。v0Δτjは環境摂動に起因して容易に2πラジアンを横切るので、かなりの個数nの反射体に対する
【0094】
【0095】
は、単位円にわたってほぼ一様に分布しているとみなしてよく、前式の第2項がさらに潰ることになり、その結果、
【0096】
【0097】
になる。したがって、m系列(シーケンス)PRBSに合成インターフェログラムを乗算し、その結果を系列(シーケンス)時間にわたって積分することによって、フェーザが、試験対象のシステム116内の任意の所望の反射素子について回復され得る。試験対象のシステム116内の所望の素子は、それぞれの素子への光飛行時間遅延に等しい量だけPRBSを適切に遅延させることによってチューニングされ得る。
【0098】
擬似ランダム2値系列(シーケンス)は、変調信号源114が変調器112に変調信号138を供給するために使用し得る系列(シーケンス)のホストの一例にすぎない。変調信号138の任意の非ゼロシフトに対して実質的にゼロの自己相関を示す変調信号138に対する任意の信号も使用され得る。いくつかの実施形態において、変調信号源114は、一定振幅、ゼロ自己相関(CAZAC)信号として知られる信号のファミリーさらにはゼロ自己相関ゾーン(ZACZ)または領域を有する信号を使用し得る。CAZAC系列(シーケンス)は、系列(シーケンス)のすべての非ゼロシフトに対して正確にゼロの自己相関を示す。その結果、変調信号138に使用されるCAZAC系列(シーケンス)は、非ゼロシフトに対して小さいが非ゼロである自己相関を有する、PRBSよりも優れた性能を発揮し得る。CAZAC系列(シーケンス)の一例は、Zadoff-Chu系列(シーケンス)である。ZACZ信号は、自己相関が実質的にまたは正確にゼロである切れ目のない遅延シフトの領域を有する。
【0099】
これらのゼロまたは小さな自己相関系列(シーケンス)のいずれかを変調信号138に適用する手順は、PRBSについて上述されているのと同じである。実数値または複素数値のゼロ自己相関(または小さい自己相関)系列(シーケンス)は、信号(実部または実部および虚部)を合成し、それぞれの信号(変調信号138)で実変調器または複素変調器(変調器112)を駆動することによって実質的に固定された周波数のレーザー光に与えられる。この系列(シーケンス)は、変調されたEM放射126を介して試験対象のシステム116に注入される。変調されたEM放射126は、固有の飛行時間遅延を、固有の反射素子(FBG、レイリー散乱、他の散乱機構、または他の反射機構を問わず)にもたらす。反射EM放射128(変調され、可変的に遅延されたEM放射)は、実質的に単一周波数のEM放射(参照EM放射130)との干渉を受け、インターフェログラム142(すなわち、干渉EM放射)を生成する。干渉EM放射142は、アナログ電気信号(第1の測定信号156および第2の測定信号158)に変換され、次いでデジタル化されて連続的なデジタル化インターフェログラムを形成する(たとえば、制御回路104のデジタル信号プロセッサにおいて)。
【0100】
インターフェログラムがサンプリングされた後、時間領域アプローチまたは周波数領域アプローチがとられ得る。時間領域アプローチでは、その系列(シーケンス)の時間シフトされた複素共役バージョンがインターフェログラムと乗算される。時間シフトは、試験対象のシステム116の飛行時間位置に対応する。この積は、1系列(シーケンス)時間にわたって積分されて、フェーザを形成する。フェーザの大きさは、試験対象のシステムに沿った位置への光飛行時間に対応する位置における反射率に比例する。フェーザの位相は、反射(または散乱)素子の光飛行時間位置に比例して変化する。
【0101】
周波数領域アプローチでは、デジタル化されたインターフェログラムおよび実質的にゼロの自己相関の信号は、フーリエ変換され得る。元の系列(シーケンス)(この信号の1期間もしくは系列(シーケンス)時間)またはインターフェログラムの1系列(シーケンス)時間のいずれかのフーリエ変換の複素共役がとられる。2つの信号の積の逆フーリエ変換が施される。結果として得られる信号は、フェーザのベクトルである。ベクトル内のフェーザの大きさは、試験対象のシステム116に沿った飛行時間位置における反射率に比例する。フェーザの位相は、試験対象のシステム116に沿った位置への光飛行時間に比例する。
【0102】
図2は、いくつかの実施形態による、OCoDRを実行するための乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200を例示する信号処理図である。動作202において、乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200は、系列(シーケンス)を生成することを含む。非限定的な例として、乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200は、
図1の制御回路104によって実装され得る。乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200は、特定の光飛行時間遅延において
図1の試験対象のシステム116内の要素を一意に復調するために使用され得る。
【0103】
動作202において、乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200は、系列(シーケンス)(たとえば、PRBS、ゼロ自己相関系列(シーケンス)、実質的にゼロの自己相関系列(シーケンス)、CAZAC系列(シーケンス)、Zadoff Chu系列(シーケンス))を生成することを含む。系列(シーケンス)の値は、様々な実施形態により、実数成分、虚数成分、またはそれらの両方を含み得る。値は、光検出器106および光検出器108からそれぞれ受信された第1の測定信号156および第2の測定信号158から個別のフェーザ218を抽出する際に後で使用するために遅延ネットワーク208に提供され得る(
図1)。
【0104】
動作204において、乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200は、複素数の連続ストリームから連続する(繰り返し)系列(シーケンス)を実部210および虚部212に変換することを含む。動作214、216のそれぞれにおいて、乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200は、たとえばデジタル-アナログコンバータを介して、系列(シーケンス)の実部、虚部をそれぞれデジタル表現からアナログ表現に変換することを含む。実部210は変調信号138の同相成分として伝達され、虚部212は変調信号138の直角位相成分として伝達され得る。前述のように、変調信号138は変調器112に供給され、これは入射EM放射124を変調して変調EM放射126を生成し、変調EM放射126は試験対象のシステム116に供給される(
図1)。これに応答して、反射EM放射128が試験対象のシステム116から受信され、参照EM放射130の干渉を受け、干渉EM放射142が光検出器106および光検出器108によって変換されて、第1の測定信号156および第2の測定信号158をもたらす(
図1)。それぞれ、同相成分および直角位相成分を含む、第1の測定信号156および第2の測定信号158は、たとえばデジタル-アナログコンバータを介して、動作220、222のそれぞれにおいてアナログ表現からデジタル表現に変換される。動作206において、乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200は、連続インターフェログラムの同相成分(たとえば、実数成分)および直角位相成分(たとえば、虚数成分)を複素数の連続ストリームに変換することを含む。複素数ストリームは、次いで、系列(シーケンス)の共役の遅延値(複素系列(シーケンス)を仮定するが、実系列(シーケンス)は複素共役を使用しないか、または実系列(シーケンス)の複素共役は単に同じ実系列(シーケンス)になる)で乗算され、これらの値は動作202(系列(シーケンス)を生成する)で供給されている。PRBSについては、乗算器はアキュムレータへの動作モード入力を単純化し得る。複素数と系列(シーケンス)の遅延された、共役値との積は、系列(シーケンス)時間にわたって総和され、遅延ネットワーク208の遅延の各々について個別のフェーザ218を生成する。代替的に、複素系列(シーケンス)の共役がとられ、動作204に送られた場合、ネイティブ値(すなわち、非共役値)が遅延ネットワーク208に供給され得る。
【0105】
PRBSは、PRBS信号をアキュムレータの動作モード入力に供給し、N回の動作サイクル毎にアキュムレータをリセットし、リセットに先立つ動作サイクルにおいて応答をとることによって複合信号に適用され得る。次いで、その応答の2進点がMビットだけ左シフトされ、応答をNで近似的に除算し得る。
【0106】
図3は、いくつかの実施形態による、OCoDRを実行するための周波数領域アーキテクチャ300を例示する信号処理図である。大きなnについて、デジタル信号処理実装における複雑さは、周波数領域(たとえば、フーリエ変換領域)において擬似ランダム系列(シーケンス)を適用することによって改善され得る。これは、擬似ランダム系列(シーケンス)のフーリエ変換を行う(たとえば、任意選択で擬似ランダム系列(シーケンス)のフーリエ変換を保存する)ことによって達成され得る。各系列(シーケンス)時間について、受信器140(
図1)から出力される干渉計測信号が取得され、デジタル化され、インターフェログラムのフーリエ変換が行われ、インターフェログラムのフーリエ変換が、ゼロの(または実質的にゼロのもしくは小さい)自己相関系列(シーケンス)(系列(シーケンス)のフーリエ変換またはインターフェログラムのフーリエ変換のいずれかが複素共役をとられる)のフーリエ変換によって乗算され、その結果の逆フーリエ変換が行われ得る。
【0107】
これらの動作は結果として、フェーザのベクトルが得られ得る。各フェーザは、試験対象のシステム116(
図1)(たとえば、ファイバ)に沿ったそのそれぞれの飛行時間遅延における素子の振幅および位相をもたらし得る。系列(シーケンス)とインターフェログラムとの循環相互相関が返され得る。系列(シーケンス)は系列(シーケンス)長に等しい繰り返し長を有する繰り返し信号であるので、系列(シーケンス)の単一の繰り返し長の循環シフトは、繰り返し系列(シーケンス)ストリーム中の線形シフトと同じである。その結果、循環相互相関は、適切に遅延された系列(シーケンス)をインターフェログラムに個別に適用したのと同じ結果をもたらす。この結果、複雑度ΩNlogNのアルゴリズムが得られる。log
2N<nである場合、この結果、より効率的な実装形態がもたらされ得る。
【0108】
フェーザが遅延k=0…N-1毎に回復される場合、周波数領域アーキテクチャ300は、系列(シーケンス)とインターフェログラムとの循環畳み込みに等しい。時間領域内の循環畳み込みは、周波数領域内の乗算を介して実装され得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、系列(シーケンス)の複素共役をとる代わりに、受信器からの複素信号の複素共役をとってもよい。
【0110】
図4は、いくつかの実施形態による、OCoDRを実行するためのZadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400を例示するデジタル信号処理図である。任意の長さのr乗根Zadoff-Chu系列(シーケンス)が(たとえば、変調信号源114(
図1)によって)生成され得る。Zadoff-Chu系列(シーケンス)は、波形合成サブシステムを介して変調器(たとえば、
図1の変調器112)に(たとえば、変調信号源114によって)伝送され得る。変調された後方反射フェーザの重ね合わせである複素信号(インターフェログラム)は、試験対象のシステム116(
図1)(たとえば、ファイバ)から(たとえば、制御回路104で)受信され得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、系列(シーケンス)またはインターフェログラムのいずれかの複素共役がとられ得る。いくつかの実施形態において、系列(シーケンス)の複素共役は、波形合成モジュールに送られ、複素乗算およびフーリエ変換の前には系列(シーケンス)およびインターフェログラムの複素共役はとられることはあり得ない。系列(シーケンス)とインターフェログラムとの複素乗算が実行され、その積のフーリエ変換が行われ得る。結果はフェーザのベクトルである。光飛行時間遅延における線形性は、フェーザのベクトルの所与の1つについて決定され得る。フェーザの大きさは、試験対象のシステム116に沿ったその光飛行時間遅延における反射率に比例する。フェーザの位相は、試験対象のシステム116に沿った光飛行時間遅延に比例する。
【0112】
信号処理がZadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400に従って実行されるときに、インターフェログラムに乗算された共役Zadoff-Chu系列(シーケンス)のフーリエ変換が行われ得る。共役Zadoff-Chu乗算は、フーリエ級数をセットアップする。この級数における位相オフセットが、フーリエ級数の複数のサンプルの位相が解析される場合に考慮され得る。
【0113】
Zadoff-Chu系列(シーケンス)は、
【0114】
【0115】
として計算されるものとしてよく、ここで、Nは系列(シーケンス)長であり、cf=mod(N,2)であり、q∈Zは循環シフトをゼロシフト(たとえば、Zadoff-Chu)系列(シーケンス)に与え、r∈Zは系列(シーケンス)をr乗根系列(シーケンス)であるものとして定義する。
【0116】
t=1/fsのときにk=1と定義するとk=tfsが得られる。したがって、Zadoff-Chu系列(シーケンス)は連続時間で
【0117】
【0118】
のように表され得る。このZadoff-Chu系列(シーケンス)は、τだけ遅延され、共役z(t)と乗算すると
【0119】
【0120】
となり得るが、これは離散化されたときに
【0121】
【0122】
となる。離散時間インデックスkは、1だけ増分され得る。項
【0123】
【0124】
は、qがその系列(シーケンス)へのシフトとして働いたようにフーリエ級数へのシフトとして働くので顕著であり得る。項cfは0(偶系列(シーケンス))または1(奇系列(シーケンス))のいずれかであり、これは奇系列(シーケンス)長に対する半サンプルシフトを意味する。
【0125】
2πのサンプルあたりの位相増分は、
【0126】
【0127】
または
【0128】
【0129】
で生じ得る。したがって、サンプルレートfsのZadoff-Chu系列(シーケンス)にN個のサンプルがある場合、フーリエ変換内にN個の位置があり、遅延領域内の空間分解能は1/fsとなる。シフトがなく、偶である1乗根系列(シーケンス)(すなわち、q=cf=0、r=1)については、
【0130】
【0131】
である。インデックス毎の位相増分は、この式の第2の項である。各サンプルに対するτが1/fsずつ増加することは既に確定している。
局部発振器場は
【0132】
【0133】
で与えられ得る。
試験対象のシステムの単一の反射体(散乱中心)から反射(または散乱)された変調DUT場は、
【0134】
【0135】
で与えられるものとしてよく、ここで、Zadoff-Chu系列(シーケンス)z(t)(z(t)=e(-iζ(t))として定義される)は、変調器112を介して入射光138に与えられ、変調EM放射126を形成する。
【0136】
156におけるインターフェログラムは、
Ure(t,τd )∝ρ(t-τd)αd(τd)cos(φ(t-τl)-φ(t-τd)-ζ(t-τd ))
で与えられ、158におけるインターフェログラムは、
Uim(t,τd )∝ρ(t-τd )αd(τd)sin(φ(t-τl)-φ(t-τd)-ζ(t-τd))
で与えられる。
【0137】
関数Ucplxは、
【0138】
【0139】
として与えられ得る。ここで、
θd(t,τd)=φ(t-τl)-φ(t-τd)-ζ(t-τd)
である。
【0140】
固定周波数レーザーは、位相
φ(t)=2πνot
を示すものとしてモデル化され、
θd(t,τd)=-2πνoτl+2πνoτd-ζ(t-τd)
をもたらし得る。
【0141】
次いで、共役Zadoff Chu系列(シーケンス)を、インターフェログラムに適用することが可能であり、
【0142】
【0143】
がもたらされる。
レーザー出力は、ρ(t)=ρとなるような系列(シーケンス)長にわたって一定であると仮定されてもよい。
【0144】
【0145】
上記は、左側のτlおよび右側のτdの項を含む。所望のフェーザ
【0146】
【0147】
は、位相軌跡が時間的に線形であるτdに比例する追加のフェーザ
【0148】
【0149】
と乗算される。フーリエ変換領域において、これは所望のフェーザ
【0150】
【0151】
を飛行時間遅延τdに比例する周波数に割り当てることと等価である。
【0152】
試験対象のシステムが多数の反射体(または散乱中心など)を含む場合、各フェーザ
【0153】
【0154】
は、周波数が
【0155】
【0156】
に比例する複素指数で乗算される。したがって、z*(t)・Ucplx(t,τd)でτd.におけるフーリエ級数をセットアップする。次いで、フーリエ変換が行われ、フェーザのベクトル
【0157】
【0158】
を生成することができ、ここで、インデックスmは0からN-1までである。αd(τd)の代替的表現は
【0159】
【0160】
である。したがって、フーリエ変換は、位置m/rfsにおける振幅αd(τd)およびフェーザ
【0161】
【0162】
のベクトルをもたらす。結果全体は、局部発振器経路を通る損失αlによってスケーリングされ、局部発振器経路の飛行時間遅延τlに比例する局部発振器経路を通る位相によって位相でオフセットされる。
【0163】
フーリエ変換項は、フーリエ変換出力に
【0164】
【0165】
を乗算することによって同じ位相基準にされ得、最終項を排除し、その結果、
【0166】
【0167】
が得られる。
【0168】
任意選択で、Zadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400は、フェーザ対遅延のベクトルの位相補正を含み得る。非限定的な例として、位相補正は、上記の数学的取り扱いにおける最終位相項による乗算を含み得る。
【0169】
図5、
図6、
図7、
図8、および
図9は、Zadoff Chu系列(シーケンス)の適用の一例を例示するプロットである。
【0170】
図5は、1乗根、ゼロシフトZadoff-Chuデジタル系列(シーケンス)の位相導関数500の一例を例示するプロットである。このZadoff Chu系列(シーケンス)は、ゼロ位相導関数(すなわちゼロ周波数)から始まり、負の周波数を経て負のナイキスト(-πの位相導関数)まで進み、次いで正のナイキストにラッピングしてからゼロ周波数まで直線的に進むように構成されている。このデジタルZadoff Chu系列(シーケンス)は、上で与えられた定義に従う、すなわち、
【0171】
【0172】
であり、ここで、cf=0、r=1、およびq=0である。N、cf、r、およびqに対する他の選択肢も選ばれ得る。たとえば、OCoDRに対してZadoff Chu系列(シーケンス)を使用するときに、長さ領域は周波数にマッピングされるので、所与のサンプルレートfsについて、Nは、センシング長を増加させるために増大させられ得るか、またはNは、システムの出力サンプルレート(すなわち、Zadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400のフーリエ変換の繰り返し率)を増加させるために減少させられ得る。
【0173】
図6は、試験対象の合成システムの一例の反射率600を例示するプロットである。試験対象の合成システムは、実質的に-75dBのレベルの散乱のうち約-35dBの反射率を有する3つの反射特徴(第1の反射体602、第2の反射体604、および第3の反射体606)を含む。横軸は系列(シーケンス)サンプルで描かれており、非限定的な例示的系列(シーケンス)長4096が図示されている。たとえば、デジタル-アナログコンバータに送られ、変調器に送られるデジタルZadoff Chu系列(シーケンス)のサンプルレートがf
s=200MHzであった場合、各系列(シーケンス)サンプルは、1/f
s=5nsの光飛行時間遅延を表すことになり、これはガラス光ファイバにおける0.5メートルにほぼ対応する。
図6の例では、それぞれ試験対象のファイバに沿っておおよそ448.5、1118.5、1889.5メートルに対応する系列(シーケンス)サンプル位置897、2237、および3779での反射体602、604、および606を示している。他の散乱事象は、ファイバに沿って、かなり低い反射率で描かれている。f
s=200MHzの例におけるN=4096の選択は、2048メートルのアドレス指定可能なセンシング長を有するOCoDRシステムをもたらす。より長いファイバがOCoDRシステムに接続された場合、2048-メートルを超えるファイバ部分はゼロメートルにラップし、システムの2048-メートルの能力にエイリアスされる。この場合のNは、ファイバの長さを受け入れるように増大され得る。N=4096、f
s=200MHzであれば、f
s/Nの出力サンプルレート(試験対象のファイバに沿ったN個すべての位置に対する)がもたらされ、これはこの例では実質的に48.8kHzであることに留意されたい。その結果、Nの増大はセンシング長を伸ばすが出力サンプルレートを減少し、Nの減少はその逆である。
【0174】
図7は、
図6の反射体(第1の反射体602、第2の反射体604、第3の反射体606)の位相導関数700を例示するプロットである。位相導関数は、第1の反射体602に対応する第1の位相導関数702、第2の反射体604に対応する第2の位相導関数704、および第3の反射体606に対応する第3の位相導関数706を含む。位相導関数700は、ゼロ遅延に対応する参照位相導関数708も含む。
【0175】
3つの例示的な反射体602、604、および606の448.5、1118.5、1889.5メートルの位置は、結果として、それぞれ、897、2237、3779のサンプルのデジタルZadoff Chu系列(シーケンス)の遅延をもたらす。これらの信号は
図7にグラフで描かれており、変調信号138の元の系列(シーケンス)に対応する参照導関数708(すなわち、変調器に送信されたものも参照のために含まれる)は黒い実線で示されている。この描画は、第1の位相導関数702、第2の位相導関数704、および第3の位相導関数706が、どのように参照位相導関数708の897-、2237-、3779-サンプル遅延コピーであるかを示すために、2つの系列(シーケンス)長にわたって延びている。
図6に描かれている無視できない反射率を有する他の特徴(すなわち、はるかに高い反射率の3つの例示的な一次反射体に比べて小さい反射体に対応する)の位相導関数は図示されていない。この描画は、変調信号138のZadoff Chu系列(シーケンス)が、遅延された反射体がサンプルゼロの前に変調系列(シーケンス)を既に供給されたように図中ゼロと示されるそのサンプルの前に出力されたことを仮定していることに留意されたい。
図7は、連続する繰り返しZadoff Chu系列(シーケンス)の2つの系列(シーケンス)長のみを示しているが、Zadoff Chu系列(シーケンス)は、実質的に固定された周波数の入射放射124(
図1)を、中断することなく繰り返し系列(シーケンス)を介して継続的に変調するために使用されることは理解されるであろう。
【0176】
図8は、変調器にも送信された元のZadoff Chu系列(シーケンス)の複素共役とインターフェログラムとの乗算後、ナイキストサンプリング定理によって達成される周波数ラッピング効果を完全に考慮する前の、反射体信号の位相導関数800(
図7の位相導関数700)のプロットである。位相導関数800は、
図7の第1の位相導関数702に対応する第1の位相導関数802、
図7の第2の位相導関数704に対応する第2の位相導関数804、および
図7の第3の位相導関数706に対応する第3の位相導関数806を含む。
【0177】
複素共役および元のZadoff Chu系列(シーケンス)との乗算は、
図7に示されている位相導関数間の垂直方向の差をとる効果を有する。たとえば、
図7の第1の位相導関数702と参照導関数708との間の差は、
図8の長点線(第1の導関数802)で観察され、第2の位相導関数704と参照位相導関数708との間の差は、一点鎖線(第2の導関数804)で観察され、第3の位相導関数706と第3の参照導関数708との間の差は、短点線(第3の参照導関数806)で観察され得る。時間的ないくつかの事例(系列(シーケンス)サンプル)において、
図7の反射体トレースは参照(実線)トレースの上にある。
図8の対応する時間は、正の一定の位相導関数(すなわち、正の周波数)を示し得る。他の時間では、
図7の反射体トレースは、参照トレースより下にあり、
図8の対応するサンプル番号は、負の一定の周波数(すなわち、位相導関数)を示し得る。
【0178】
図9は、ナイキストサンプリング定理によって達成される周波数ラッピング効果を十分に考慮した後の、3つの例示的な反射体(
図6の第1の反射体602、第2の反射体604、および第3の反射体606)から生じる位相導関数900(周波数)を示すプロットである。位相導関数900は、第1の反射体602に対応する第1の位相導関数902、第2の反射体604に対応する第2の位相導関数904、および第3の反射体606に対応する第3の位相導関数906を含む。
【0179】
正のナイキスト周波数f
nyqはπラジアンの位相導関数に対応し、負のナイキスト-f
nyqは-πラジアンに対応する。Zadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400の共役および乗算が実行されるときに、各反射体は、系列(シーケンス)時間中の異なる時間において、2つの位相導関数(周波数)のうちの1つでエンコードされるものとしてよく、一方の位相導関数は-πから+πラジアンの範囲内にあり、他方の位相導関数は-πから+πラジアンの範囲外にある。共役系列(シーケンス)との乗算の前にデジタルサンプリングまたはリサンプリングを正しく選択することは、-πから+πラジアンの範囲外の結果として得られる周波数成分が系列(シーケンス)との乗算後に-πから+πラジアンの範囲内にエイリアスすることを可能にする。このエイリアシング動作は、
図7からの-πから+πラジアンの範囲を、-πラジアンが+πラジアンに一致するような概念的な「管」に「ラップする」ことによって可視化され得る。ラッピングが他の範囲(-3πから-πおよび+πから+3π)に同じ-πから+πの範囲に継続する場合に、所与の反射体から生じる-πから+πの範囲外の所与の周波数は、他の時間に-πから+πの範囲にあった反射体から生じる同じ周波数にエイリアスする。
【0180】
その結果、系列(シーケンス)帯域幅に相当するサンプルレートでアナログデジタルコンバータを介してデジタル化し(または元々より高いサンプルレートを系列(シーケンス)帯域幅に相当するそのサンプルレートまで下げて信号を再サンプリングし)、共役系列(シーケンス)を適用した後、-πから+πの範囲外のすべての周波数は、
図9に示されているように、-πから+πの範囲内の対応する周波数にエイリアスし、試験対象のシステム内の各位置は、結果として得られる信号におけるすべての時間について単一の周波数に対応する。次いで、フーリエ変換が行われ(Zadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400に示されるように)、所与の反射体(または散乱中心、もしくはセンサーなど)の反射率および所与の反射体までの光飛行時間をエンコードする試験対象のシステムに沿った各位置に対するフェーザを回復し得る。この例におけるフーリエ変換の大きさのトレースは、
図6のように見えるであろう。
【0181】
任意の長さNのZadoff Chu系列(シーケンス)が選択されてもよい。長さNのフーリエ変換が選択されることもあり得るが、任意の長さが利用され得る。また、フーリエ変換されるデータの(適用されるZadoff Chu系列(シーケンス)に関する)開始位置または終了位置に関する要件はない。実際、本開示は、時間的に連続的なフーリエ級数をセットアップし、パルスまたは個別の掃引が利用され得るOTDRまたはOFDR技術とは反対に、試験対象のシステムが中断なく連続的に照射され、インテロゲートされることを可能にする。その結果、所与のレーザー出力に対して、より多くの光子が試験対象のシステムに注入され、より多くの光子が試験対象のシステムから反射され、受信器の光検出器に統合され、利点は他にもあるがとりわけ、SNRの強化、センシング長の延長、および/または出力サンプルレートの改善がもたらされる。フーリエ変換長は、空間分解能に対してサンプルレートをトレードオフするように選択され得る。たとえば、系列(シーケンス)長よりも短いフーリエ変換長を選択すると、試験対象のシステムに沿った最も遠い位置までの光飛行時間遅延の逆数よりも速いシステムサンプルレートが得られるが、系列(シーケンス)帯域幅の逆数に対応する最大空間分解能に関して空間分解能を損なう。
【0182】
上記の取り扱いでは、局部発振器の光がDC(すなわち0Hz)を実質的に中心とする帯域幅を有する電子変調器入力信号で変調されるという点でベースバンド系列(シーケンス)変調および受信を仮定している。この信号が試験対象のシステムから反射され、局部発振器の光の干渉を受けたときに、結果として得られる電子インターフェログラムはDC(すなわちベースバンド)を実質的に中心とする帯域を示す。光ハイブリッドを組み込んだ複素受信器が、試験対象のシステムからの反射光を同相および直角位相の局部発振器の光と干渉させ、試験対象のシステムに沿った各位置に対するフェーザが推測され得る複素インターフェログラムを形成するために使用され得る。
【0183】
この系列(シーケンス)はDCを中心とする必要はない。この系列(シーケンス)は、実正弦波または複素正弦波のいずれかを使用してDCから離れるように混合され得る。いくつかの実施形態は、系列(シーケンス)が実変調器を使用してDCから離れるように混合されるシナリオを含む。そのような実施形態では、2つの帯域が、
図12を参照しつつ説明されるように、実混合正弦波に起因して生じることがあり、正弦波振幅エンベロープは、信号の配向を示すために使用され得るが、使用できる様々な系列(シーケンス)のスペクトル成分に関して表現するためには使用され得ない。
【0184】
図10は、いくつかの実施形態による、単純な位相変調器1000の一表現の図である。単純な位相変調器1000は、
図1の変調器112の一例である。単純な位相変調器1000は、局部発振器の光1002を受信し、局部発振器の光に応答して変調光1004を供給するように構成される。単純な位相変調器1000は、チューニング可能な光飛行時間遅延を発生させるために(たとえば、チューニング可能な電場を介して)操作される導波路1006を備える。非限定的な例として、チューニング可能な光飛行時間遅延に影響を与える電子駆動波形は、デジタルプロセッサで作成され、デジタル-アナログコンバータを介して合成され、単純な位相変調器1000に供給される前にアナログ電子機器によって調整され得る。
【0185】
図11は、いくつかの実施形態による、実変調器1100(たとえば、限定されないが、マッハツェンダー変調器)の一表現の図である。実変調器1100は、
図1の変調器112の一例である。実変調器1100は、局部発振器の光1102を受信し、局部発振器の光1102に応答して変調光1104を供給するように構成される。実変調器1100は、入力光を2つの経路に分割するように構成され、各経路はチューニング可能な光飛行時間遅延が生じる。2つの電子変調器駆動波形1106、1108は、公称オフセット電位または電流が与えられた両方の分岐において静的光飛行時間遅延を引き起こすように構成され得る。次いで、変調器波形が、プッシュプル構成(すなわち、一方の摂動が他方の摂動の負である)においてこのDC光飛行時間遅延からの摂動を引き起こすように構成される場合に、実変調器1100が形成される。そのような実変調器1100は、
図12の受信波形1202として示される表現にベースバンド系列(シーケンス)を混合するために使用されてよく、系列(シーケンス)帯域は、正および負の両方の周波数に混合されることが分かる。
【0186】
図12は、非限定的な例による、受信波形1202に対して実行されるデジタル化、混合、フィルタリング、および再サンプリングを例示するプロット1200の集まりである。変調された光波形が試験対象のシステムから反射され、局部発振器の光の干渉を受けた後、
図12に例示されているような受信波形1202が受信される。元の系列(シーケンス)(または、試験対象のシステムに沿った素子に対する異なる光飛行時間遅延における系列(シーケンス)の重ね合わせ)は、上述されている系列(シーケンス)信号処理動作が実行される前に信号がベースバンドに混合され、フィルタリングされ、任意選択で再サンプリングされる際に用いられる様々な手段を介して回復され得る。非限定的な例示的な実施形態は、ナイキスト周波数f
Nyqが最高信号周波数よりも高いサンプルレートを使用して、受信波形1202をデジタル化することを含むこともあり得、その結果デジタル化された受信波形1204が得られる。この信号は、次いで、混合信号1206を形成するために複素正弦波とデジタル混合され、フィルタ処理済み信号1208を形成するためにローパスフィルタリングされ、任意選択で、再サンプリング済み信号1210を形成するために再サンプリングされ得る。次いで、様々な実施形態によるデジタル信号処理動作は、試験対象のシステムに沿った各位置に対するフェーザを回復するために受信信号に対して実行される。
【0187】
Zadoff Chu系列(シーケンス)を利用するときに、信号は、共役系列(シーケンス)が適用されるときに試験対象のシステムに沿った各光飛行時間位位置が固有の周波数にマッピングされることをエイリアシングが保証するようにナイキスト周波数を系列(シーケンス)(
図12E)の帯域幅の範囲に置くように再サンプリングされ得る。
【0188】
図13は、いくつかの実施形態による、複素変調器1300の一表現の図である。複素変調器1300は、
図1の変調器112の一例である。複素変調器1300は、また、実受信器(たとえば、
図15の実受信器1500)とともに利用され得る。複素変調器1300は、入射する局部発振器の光1302を分割し、分割された光を2つの内側のマッハツェンダー(MZ)干渉計1306、1308に送出し、内側のMZ干渉計1306、1308の出力を外側のMZ干渉計1310に結合する。外側の(後者の)MZ干渉計1310の電場は、内側のMZ干渉計1306、1308の出力を直角位相にするために利用され、内側のMZ干渉計1306、1308は、複素正弦波を介してアップミックスされた系列(シーケンス)の実成分および複素成分を供給される。複素正弦波と混合された後、
図16の受信波形1602に示されているように、系列(シーケンス)のスペクトルは全体がDCより下または上に来る。複素正弦波との変調および混合の後の基本動作は、信号をサンプリングすること、信号を混合してベースバンドに戻すこと、ローパスフィルタリングすること、および任意選択で信号を再サンプリングすることを含む。
【0189】
図14は、いくつかの実施形態による、複素受信器1400の一表現の図である。複素受信器1400は、
図1の受信器140に類似している。たとえば、複素受信器1400は、
図1の光検出器106、108および光ハイブリッド110と同様の光検出器1402、1404および光ハイブリッド1406を備える。複素受信器は、局部発振器の光1408および試験対象のシステムからの光1410を受信するように構成される。
【0190】
図15は、いくつかの実施形態による、実受信器1500の一表現の図である。実受信器1500は、
図14の複素受信器1400と同様の複素受信器として例示されている、
図1の受信器140の代わりに、
図1の測定システム100において使用されてもよい。しかしながら、光90°ハイブリッドを形成するために1/4波遅延λ/4を利用する、複素受信器1400とは異なり、
図15(非限定的な例)に示されているような実受信器1500は、局部発振器の光1504および試験対象システム光1506を干渉させるために単一の結合器1502を利用する。
【0191】
図16は、非限定的な例による、受信波形1602に対して実行されるデジタル化、混合、フィルタリング、および再サンプリングを例示するプロット1600の集まりである。プロット1600は、受信波形1602、デジタル化波形1604、混合信号1606、フィルタリング信号1608、および再サンプリング信号1610を含む。
図16の干渉光1604は、実受信器1500で干渉を受けた後の信号を描いている。結果として生じる実信号は、アナログ-デジタルコンバータを使用してデジタル化され、複素正弦波と混合されて、いずれかの信号をベースバンドに混合するものとしてよい。混合信号1606は、ベースバンドに混合された正周波数系列(シーケンス)スペクトルを示す。次いで、ローパスフィルタリングは、フィルタリング信号1608をもたらし、その後、通常の系列(シーケンス)処理が実行され得る。信号は、任意選択で、再サンプリングされ(再サンプリング信号1610)、提示された様々な実施形態により信号処理を円滑にし得る。
図16は、実受信器1500(
図15)が利用される処理フローを示しているが、複素受信器1400(
図14)が代わりに利用されることも可能である。
【0192】
実際、本明細書では様々な異なる実施形態が企図される。たとえば、実変調器または複素変調器が、実受信器または複素受信器とともに使用され得る。系列(シーケンス)は、ベースバンド、アップ信号、ダウン信号、またはアップ/ダウン混合信号として伝送され得る。1つまたは複数の信号は、ベースバンドに混合されその後ローパスフィルタリングされる代わりにバンドパスフィルタリングされ得る。1つまたは複数の信号は、アナログ領域で処理されるかまたはデジタル化(サンプリング)されるかのいずれかがなされ、デジタル領域で処理されることも可能である。
【0193】
図17は、実変調器(たとえば、
図11の実変調器1100)および実受信器(たとえば、
図15の実受信器1500)とともに使用するのに適切な信号処理方式1700の機能フロー図である。系列(シーケンス)が生成され、系列(シーケンス)のフーリエ変換1720がされ、フーリエ変換済み系列(シーケンス)の複素共役1722が決定され得る。
図17に示されているように、適切な周波数の正弦波が、デジタルロジックにおいて生成され1702、実変調器への送出生成系列(シーケンス)を混合し1704、実変調器からの入力受信データを混合する1706ために使用される。フィルタリング1708は、受信信号に対する混合1706動作に続く。任意選択の再サンプリング1710は、変調経路における混合1704の前に系列(シーケンス)上で実行され、任意選択の再サンプリング1712は、受信経路内のフィルタリング1708の後に実行される。フィルタリングされ、任意選択で再サンプリングされた、受信データのフーリエ変換1724がされ得る。複素共役1722の結果とフーリエ変換1724の結果との積のフーリエ変換1726がされる。結果として得られる信号は、フェーザ対遅延1728のベクトルである。
【0194】
動作1714、1716においてそれぞれ、信号処理方式1700は、たとえば、デジタル-アナログコンバータを介して系列(シーケンス)をデジタル表現からアナログ表現に変換することを含む。系列(シーケンス)は、変調信号(たとえば、
図1の変調信号138)の同相成分として伝達され得る。
【0195】
偏光分解センシング方式は、システム内の単一の偏光参照に関して試験対象のシステムに沿った各位置における直交偏光成分を分解するように編成され得る。偏光分解センシングは、試験対象のシステムに沿った各位置に対する直交参照偏光状態のセットに関して2つの直交偏光状態(SoP)の各々について独立した大きさと位相の測定を区別することができることを指す。任意の直交状態がサポートされ得るが、直接的な直交SoPの選択は、垂直および面内の直線偏光であり、一般にS状態およびP状態と称される。
【0196】
偏光分解OCoDRセンシングは、試験対象のシステムがレーザーからの直線偏光を照射され、2つの偏光状態での入射光への応答が独立して分解されるシステムアーキテクチャを利用する。直交SoPは、二重偏光受信器のコンポーネント、たとえば偏光ビームスプリッタによって定義される。
【0197】
図18は、いくつかの実施形態による、二重偏光複素受信器1800の一表現の図である。二重偏光複素受信器1800は、ビームスプリッタ1804(BS 1804)を介して直線偏光局部発振器光1802を2つの経路に分割し、一方の経路を回転させ1806(ROT 1806)、その結果一組の場が直交SoPを有する。二重偏光複合受信器1800は、試験対象システム光1810を2つの直交直線SoPに分割する偏光ビームスプリッタ1808(PBS 1808)も含む。この例では、PBS 1808はシステムに対する受信器偏光参照を形成する。各PBS出力は、(局部発振器光1802からの)共偏光局部発振器光との干渉を受け、各SoPに固有の(1つまたは複数の)検出器(たとえば、光検出器1812、1814、1816、および1818)を介して電気信号に変換され、独立した信号-直交SoP毎に1つを回復する。
図18に示されている複素二重偏光受信器は、2つの複素インターフェログラム-直交SoP毎に1つを生成する。
【0198】
直交SoPに対する他の選択も、本明細書において企図されており、これは左旋円偏光および右旋円偏光、または直交SoPの任意の他のセットを含む。
【0199】
二重偏光複素受信器1800に対応するように、デジタルサブシステムは、追加のアナログ-デジタルコンバータ、取得回路および/もしくはロジック、ならびに追加のチャネルをデジタル形式に変換し、同じ信号処理を各SoPに適用するための信号処理ロジックを含み得る。
【0200】
本明細書において開示されている様々な実施形態に従って信号処理が実行された後、結果は、2つの直交SoPを表す2つの複素ベクトルとなる。トレースの大きさは、直交SoPにおける試験対象のシステム内の所与の位置における所与の特徴の反射率を表す。トレースの位相は、それぞれのSoPに対する光飛行時間(またはその変化)を表す。
【0201】
偏光多様性センシングは、試験対象のシステムが2つの直交変調器SoPによる照射を受け、2つの直交受信器SoPでの応答が2つの直交変調器SoPの各々について独立して解決されるシステムアーキテクチャを指す。直交発射SoPに対する信号分離の例示的な実施形態は、時分割多重(TDM)および同時直交偏光照明を含む。TDM直交SoP照明および受信は、時間に関して直交SoPを配列するために光スイッチまたはシャッタを利用することを伴う。
【0202】
図19は、いくつかの実施形態による、二重偏光複素変調器1900の一表現の図である。二重偏光複素変調器1900は、
図1の変調器112の一例である。同時直交SoP照明および受信は、連続的な偏光多様性測定の利点を提供する。直線偏光入力局部発振器光1902は、ビームスプリッタ1904(BS 1904)を介して分割され、1つの分岐が回転されて1906(ROT 1906)、第2の経路内に直交SoPを生成し、各SoPに対する複素変調器は各々の出力が偏光ビームコンバイナ1908(PBC 1908)を介して単一の出力に結合される前に各SoP上に複素系列(シーケンス)を与え、変調光1910をもたらす。
【0203】
図20は、偏光多様性OCoDR実施形態とともに使用するのに適切な信号処理方式2000に対する機能フロー図である。信号処理方式2000では、系列(シーケンス)を生成すること2002を含む。フーリエ変換2050が生成された系列(シーケンス)に対して実行され、複素共役演算2052が変換された系列(シーケンス)に対して実行され得る。生成された系列(シーケンス)は、また、二重偏光複素変調器(たとえば、
図19の二重偏光複素変調器1900)のS偏光およびP偏光(または任意の2つの直交SoP)入力に送られる。K個のサンプルの遅延差2004が、直交SoPに送られる系列(シーケンス)に関して1つのSoPに送られる系列(シーケンス)に与えられる。生成された系列(シーケンス)は、複素数の連続ストリームから実部2012と虚部2014に変換され得る2010。生成された系列(シーケンス)の遅延されたバージョンは、実部2018および虚部2020に変換され得る2016。
【0204】
動作2022および2024のそれぞれにおいて、信号処理方式2000は、たとえばデジタル-アナログコンバータを介して、系列(シーケンス)の実部および虚部をそれぞれデジタル表現からアナログ表現に変換することを含む。実部2012は公称変調信号2030の同相成分として伝達され、虚部2014は公称変調信号2030の直角位相成分として伝達され得る。同様に、動作2026および2028のそれぞれにおいて、信号処理方式2000は、遅延系列(シーケンス)の実部および虚部をそれぞれデジタル表現からアナログ表現に変換することを含む。実部2018は直交変調信号2032の同相成分として伝達され、虚部2020は直交変調信号2030の直角位相成分として伝達され得る。公称-SoP変調信号2030および直交-SoP変調信号2032は、変調器(たとえば、
図19の二重偏光複素変調器1900)に提供されてもよい。
【0205】
信号処理方式2000は、また、動作2034および2036において、公称測定信号2006の位相成分および直角位相成分をそれぞれ、アナログからデジタルに変換することを含む。信号処理方式2000は、また、連続インターフェログラムの同相成分および直角位相成分を、フーリエ変換2046を使用して変換される複素数の連続ストリームに変換する2038ことを含む。複素数の変換されたストリームは、複素共役演算2052からの複素共役変換された系列(シーケンス)と乗算され、フーリエ変換2054は、公称受信器SoPに対するフェーザ対遅延のベクトル2056を提供するために実行され得る。
【0206】
同様に、信号処理方式2000は、動作2040および2042において、直交測定信号2008からの位相成分および直角位相成分をそれぞれ、アナログからデジタルに変換することを含む。信号処理方式2000は、連続インターフェログラムの同相成分および直角位相成分を、フーリエ変換2048を使用して変換される複素数の連続ストリームに変換する2044ことをさらに含む。複素数の変換されたストリームは、複素共役演算2052からの複素共役変換された系列(シーケンス)と乗算され、フーリエ変換2058は、直交受信器SoPに対するフェーザ対遅延のベクトル2060を提供するために実行され得る。
【0207】
他の動作は、本明細書において提示されている様々な実施形態に従って実行される。いくつかの実施形態において、Kが2倍の系列(シーケンス)長の実施的に1/2に設定されるように所望の試験対象のシステムの光路長に関して系列(シーケンス)長を2倍にすることは有益であり得る。信号処理が様々な実施形態に従って実行され、フェーザのベクトルが回復されるときに、ベクトル空間の1つの領域は、(二重偏光変調器によって定義される)1つの発射SoPから生じるフェーザを含むが、ベクトル空間の別の領域は、直交発射SoPから生じるフェーザを含むであろう。系列(シーケンス)長および/またはパラメータKは、直交SoPにおける所望の特徴がフェーザのベクトル内の固有の位置を占有することを確実にするようにチューニングされ得る。
【0208】
二重偏光変調器とともに二重偏光受信器を使用することによって、4つの独立した信号が受信される-2つの直交発射SoPが2つの直交受信SoPによって識別される。これら4つの信号は、偏光伝達関数の摂動に対する感度が抑制された試験対象のシステムの環境摂動(たとえば、温度、歪み、振動)に応答する物理的な経路長または経路長差を推測するために使用され得る。代替的に、これらの信号は、環境摂動の効果を抑制し、空間および時間にわたって試験対象のシステムの偏光発生を測定するために使用され得る。
【0209】
このアプローチには、各直交偏光状態に応答して試験対象のシステムの状態の検出および分離を同時に行うとともに直交入射偏光状態と同時に試験対象のシステムへの照射を行うという利点がある。次いで、試験対象のシステムの応答の独立した分析が、一方または両方の直交状態に対して実行されてよく、遅/速軸配向、複屈折、横方向力、および他のものなどの試験対象のシステムの追加の条件を、試験対象のシステムに沿った時間および位置の関数として推定し得る。
【0210】
図21は、いくつかの実施形態による、PRBS系列(シーケンス)2100の一例を示すプロットである。PRBS系列(シーケンス)2100は、長さ7を有し、集合{+1,-1}内の値を有する。
図1および
図21を一緒に参照すると、変調信号源114は、遅延時間ゼロでは1であり、他の遅延ではゼロに近づく自己相関を示す変調信号138を出力するように構成され得る。PRBSは、ランダムであるように見えるが、実際には容易に計算され複製され得る特別な2進数系列(シーケンス)(すなわち、2つの値、この場合、+1と-1を有する)である。
【0211】
PRBSは、遅延時間ゼロで1であり、他の遅延ではゼロに近づく循環自己相関を示す。具体的には、長さN=2
m-1の最大長PRBSは、遅延ゼロで1であり、ゼロチップ時間外のすべての(非周期的な)遅延時間で-1/Nである自己相関を示し、ここで、1チップ時間はPRBSの原子時間単位(すなわちサンプル時間)であり、PRBSはN個のチップを含む。長さN=7のPRBS系列(シーケンス)2100の一例が、
図21に示されている。このPRBS系列(シーケンス)2100の循環自己相関は、
図22に示されている。
【0212】
図22は、
図21のPRBS系列(シーケンス)2100の循環自己相関2200を例示するプロットである。
図22は、遅延時間0での1の自己相関値(さらには系列(シーケンス)長の倍数)を示し、他のすべての遅延時間で-1/7の値を示す。いくつかの実施形態において、その系列(シーケンス)の代わりに、受信器からの複素信号が複素共役されることも可能である。
【0213】
図23は、いくつかの実施形態による、インターフェログラム信号2300のプロットである。本開示により、反射素子識別を達成するために他の変調手段が使用されてもよい。たとえば、位相変調器の代わりに、マッハツェンダー変調器がプッシュプル構成で使用され、それにより一方の分岐の位相を他方の分岐に関してπラジアンだけ変調して所望の位相関係を達成することも可能である。この場合、フェーザは、単位円の周に沿ってではなく、原点を直接通って単位円を横断する。二位相偏移変調(BPSK)に対して構成されたマッハツェンダー変調器は、所望の変調を達成することになる。
【0214】
位相変調器は、PRBS信号(たとえば、いくつかの実施形態における
図1の変調信号138)を入射EM放射124に与えるために使用され得る。位相変調器は、入射EM放射124を変調するために使用され得、次いで、これは、単一のセンサーに対する参照EM放射130との干渉を受ける。この場合、位相変調器への入力信号が公称0°の一方のシンボルから180°の他方のシンボルへ移動されると、単位円の周を横断する直角位相波形のセットが受信器から取得される。これは、
図23に示されており、ここで、シンボルは2つの点で表され、シンボル間の横断は実線の矢印で示されている。この図は、位相変調器を使用したときに、出力が一方のシンボルから他方のシンボルへと横断するときに位相の連続があるが、振幅は一定であることを示している。
【0215】
図23は、0°のシンボルと180°のシンボルとの間(実線の矢印)および0°と-180°との間(点線の矢印)のインターフェログラム信号(直角位相を形成するx信号およびy信号)の横断を示している。両方のシンボルは、光位相角ψだけオフセットされる。PRBSを計算する一方法は、線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)の使用を介したものである。最大長PRBSは、レジスタ長mを有するLFSRを使用して形成され得る。mが大きくなるにつれ、-1/Nの非1の自己相関関数の値は1/2
mで漸近的にゼロに近づく。
【0216】
図1の変調器112は、高周波(RF)電気信号で供給されるものとしてよく、その値は整数チップ時間でPRBSを形成する。この信号が、センサーネットワーク(たとえば、
図1の試験対象のシステム116)に供給される前に入射EM放射124に重ね合わされたときに、センサーネットワークの個別の反射素子は、固有の遅延でこの信号を反射する。たとえば、センサーネットワークに沿った10メートルの反射素子は、実質的に100nsの公称遅延でPRBS信号を反射するが(光ファイバ内の実質的に10ns/mの二重経路光飛行時間遅延が与えられた場合に)、センサーネットワークに沿った20メートルの反射素子は、実質的に200nsの遅延でPRBS信号を反射する。PRBSのチップ時間が、たとえば、10ns(たとえば、100MCpsのPRBSチップレート)の場合、20mで反射するPRBS信号は、10mの素子から反射するPRBS波形より10チップ遅れることになる。
【0217】
受信器出力はAC結合されているので、振幅を適切に回復するために、+180°でのシンボルと-180°でのシンボルとの間で反復が実行され得る。180°および-180°でのシンボルは、同じであるが、横断は異なる。-180°のシンボルへの横断は、
図12において点線の矢印として示されている。波形発生器の限界が与えられた場合に、+180°シンボルと-180°シンボルとの間でシンボル毎に反復するのは困難な場合がある。したがって、反復は系列(シーケンス)に基づき実行されるものとしてよく、これは信号のAC結合にもかかわらず振幅の回復を可能にするために十分である。
【0218】
位相変調器を使用することの欠点は、ほとんどの位相オフセットにおいて、シンボルが横断されるときに信号のx成分およびy成分が鋭い方向転換点を有することである。
【0219】
図24は、いくつかの実施形態による、インターフェログラム信号のx成分2402およびy成分2404の振幅を例示するプロットである。
図24は、ψ=25°に対する位相変調器アプローチを使用する0°から180°への横断およびその逆の横断のx成分2402およびy成分2404を示す。
図24は、
図23に示されている角度オフセットが与えられた場合にシンボル0°、180°、0°、180°が横断されるときの信号のx成分2402およびy成分2404を示す。鋭い転換に起因して実信号と虚信号を表現するためにより広い帯域幅が必要である。信号を適切に回復するためには、受信信号の帯域幅がチップレートの2から3倍あるべきであるので、これは欠点である。位相変調器を使用することの欠点は、ほとんどの位相オフセットにおいて、シンボルが横断されるときに信号のx成分およびy成分が鋭い方向転換点を有することである。
【0220】
いくつかの実施形態において、複素振幅変調は、マッハツェンダー(MZ)変調器-すなわち、スプリッタと、その後に続く2つの位相変調経路、さらにその後に続くコンバイナとともに使用され得る。基本的な配置構成において、変調器への位相変調入力は2つある。両方に同じ信号が供給される場合、MZ変調器は位相変調器になる。反対の信号が各々に供給される場合、MZ変調器は振幅変調器になる。MZ変調器にV
πでバイアスをかけ、入力を0から2V
πまで横断するように変調することによって、
図25に示されているように、振幅は、+1状態および-1状態(たとえば、180°で+1状態)に変調され得る。
【0221】
図25は、いくつかの実施形態による、0°でのシンボルと180°でのシンボル(実線の矢印)との間のインターフェログラム信号2500(直角位相を形成するx信号およびy信号)の横断を例示するプロットである。振幅変調に対してMZ変調器を使用することの結果は、信号が一方のシンボルから他方のシンボルへ横断させられるとき、信号の位相は、0°または180°のいずれかであるが、振幅は連続である。これは、OCoDRに適しているが、それは、横断振幅軌跡が対称である場合に、シンボル間の軌跡信号は常に0°または180°位相のいずれかを有するので、チューニングされていないセンサーの良好なキャンセルがあるからである。
【0222】
この方法のもう1つの利点は、変調器入力信号が一方のシンボルから他方のシンボルへ直線的に変化するときに、振幅は、正弦波で変化し、信号のx成分およびy成分は追加の高周波成分を有しないことである。
図26は、
図25に示されている角度オフセットが与えられた場合にシンボル0°、180°、0°、180°が横断されるときの信号のx成分およびy成分を示している。
【0223】
図26は、いくつかの実施形態による、ψ=25°に対するMZ変調器アプローチを使用する、0°から180°への横断およびその逆の横断のx成分2602およびy成分2604を例示するプロットである。x成分2602およびy成分2604は正弦波であり、それらを表現するために高周波成分は必要ない。x成分2602およびy成分2604は同相であるが、
図24ではx成分2402およびy成分2404は直角位相である。
【0224】
インターフェログラムのx成分2602およびy成分2604は、MZ変調器駆動信号に類似の機能形態を有し、より広い帯域幅を占有しない。位相変調器の場合に受信信号を表現するために変調器駆動帯域幅に対して2から3倍の帯域幅を必要とする代わりに、MZ変調器が使用されてよく、駆動帯域幅に類似する帯域幅のみを必要とする。非限定的な例として、1のβパラメータを有する根上げ余弦(RRC)フィルタが使用され得、その結果、占有帯域幅はチップレートの2倍になる。必要なサンプルレートもチップレートの2倍になる。必要な帯域幅が実質的にチップレートの1.2倍に近くなるように、βパラメータを小さくしてそれに応じて余分な帯域幅を縮小することも可能であり得る。
【0225】
MZ変調器を使用するもう1つの利点は、デバイスがプッシュプルドライブで製造され得ることである、すなわち、±Vπを超える変調は2つの差動入力から導出され、したがって各々範囲±Vπ/2にわたってスイングすることだけしなければならない。非限定的な例として、変調器は、Vπ=3.5を示すものとしてよく、したがって各出力は±1.75ボルトをスイングすることだけしなければならない。
【0226】
電気通信コンポーネントは、BPSK、QPSK、16QAM、および高次変調用に設計され利用可能である。多くのコンポーネントは、2つのMZ変調器を有しそれらの間で90度オフセットされ直角位相変調器を形成するように設計されている。直角位相変調器は、たとえばCAZAC(Zadoff Chuを含む)、ZACZ、または他の複素数値系列(シーケンス)に従って変調信号138の複素数値系列(シーケンス)を生成するために上述された様々な実施形態により使用され得る。また、多くは、一方の変調器がS偏光に設定され、他方の変調器がP偏光に設定されて設計される。
【0227】
図27は、光ファイバ2702の一例の側面図である。OCoDRは、試験対象のシステムに沿った反射体(散乱中心など)への光飛行時間の変化を測定する。センシングは、ファイバブラッググレーティング、部分反射体、レイリー後方散乱、または他の後方反射もしくは後方散乱機構を介して達成され得る。
図27は、光ファイバ2702内の入射放射2704がFBGまたは散乱中心2708(ファイバコア2706内の3つの点で描かれている)に入射する様子を示している。光の一部は透過光2710として透過され、光の(通常はより小さい)一部は反射光2712として反射される。本明細書において開示されるいくつかの実施形態は、局部発振器経路と試験対象システム経路との間の光飛行時間差が測定されることを可能にする。局部発振器(または参照)経路内の光飛行時間が実質的に一定(または既知)であるように局部発振器経路を実質的に分離(または追跡)することによって、任意の所与の反射体までの試験対象システム経路の光飛行時間の変化が測定され得る。たとえば、
図27における反射素子(たとえば、散乱中心1608)が振動している基板に貼り付けられた場合、それらの振動は、反射体へのおよび反射体からの経路内の光飛行時間の変化を引き起こし得る。等価な機械的経路長の変化は、本明細書において開示されているいくつかの実施形態を使用して1nmまたはそれ以上のオーダーで推定され得る。その結果、本明細書において開示されている実施形態を使用することで、対応する機械的変位~1nm(またはそれ以上)を有する振動が解決され得る。同様に、試験対象システム経路内の累積歪みおよび/または温度は、試験対象システム媒質の屈折率および/または物理的経路長に変化を引き起こし得る。所与の反射素子に対応する干渉計測フェーザの位相を監視し積分する(すなわち、アンラップする)ことによって、所与の反射素子までの試験対象システム経路の温度および/または歪みの変化が監視され得る。
【0228】
図28は、光ファイバ2802の別の例である。
図28に示されている例では、2つのFBG2804および2806が部分反射体として利用され得る。短いFBGは、応答スペクトルが広いという利点を有し、したがって、広い温度および/または歪み(または光路長変化に変換され得る他の効果)のダイナミックレンジをサポートする。2つの反射体(たとえば、散乱中心など)が利用される場合、反射体の間の温度および/または歪みの測定が実施され得る。これは、2つの反射素子に対応するフェーザの位相を監視し、アンラップし(すなわち、積分し)、次いで一方の反射体からの位相を他方の反射体の位相から減算することによって達成され得る。そのような動作は、2つの反射体の間の経路のみに起因する温度および/または歪みの効果を絶縁する。たとえば、第1の反射素子(たとえば、FBG 2804)に対応するフェーザと、第2の反射素子(たとえば、FBG 2806)に対応する別のフェーザの複素共役との乗算を実行し、次いでその積の位相をアンラップすることなどの、代替的な等価な数学的演算が実行され得る。
【0229】
図4のZadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400(および
図3の周波数領域アーキテクチャ300を含む他のアーキテクチャ)では、フーリエ変換出力が、反射体がサンプルレートの逆数の偶数倍ではない光飛行時間遅延に位置される場合にフーリエ変換の複数のサンプルのうちの単一の反射体をエンコードし得る。この場合、複数のサンプルが、公称状態で位相オフセットキャリブレーションを実行し、次いで複数のフェーザ(複素サンプル)を同じ角度にしてからフェーザを加算することによって単一のフェーザ(すなわち、単一の複素変換領域サンプル)に関してSNRを高めた単一のフェーザを推定するために利用され得る。
【0230】
光ファイバ内の光路長は、歪みおよび温度の両方に敏感である。温度測定は、光ファイバを歪みから絶縁し、試験対象のシステムに沿った2つの反射(散乱)素子からのアンラップされている位相の差を監視し、キャリブレーション定数を介して位相を温度に変換することによって行われ得る。歪み測定は、歪み結合ファイバに熱密結合された歪み絶縁ファイバを同じ場所に配置し、歪み結合ファイバの歪みプラス温度測定値から歪み絶縁ファイバの温度のみの測定値を差し引くことによって行われ得る。
【0231】
図29は、いくつかの実施形態による、試験対象のシステムの絶対測定を実行する方法2900を例示するフローチャートである。上述したように、OCoDRは、公称状態からの温度または歪みの変化を測定することが可能であり、公称状態は干渉計測フェーザの位相が積分される(すなわち、アンラップされる)開始時刻における状態である。本明細書において開示されている実施形態は、
図29に概略的に示されている方法2900を実行することによって絶対測定に拡張され得る。動作2902において、注目する2つの反射体に対応する干渉計測フェーザの位相の差分がとられる(すなわち、一方のフェーザと他方のフェーザとの差がとられる)。動作2904で、結果の差が経時的にアンラップ(追跡)される。動作2906において、実質的に固定周波数のレーザー光源が、公称周波数ν
oから光周波数ν
o+Δνまでゆっくりと動かされるが、光周波数が変化Δνを通って移動する限り、必ずしも線形である必要はない。いくつかの実施形態において、実質的に固定周波数のレーザー光源を公称周波数から光周波数まで動かすことは、所与の特徴に対する干渉計測フェーザのフーリエ変換位置内のゼロ(または既知)のドップラー偏移を誘発するように実質的に固定周波数のレーザーをゆっくりと(または直線的に)チューニングすることを含む(干渉計測フェーザが
【0232】
【0233】
で与えられ、νの変化の結果、注目する反射体のフーリエ変換領域においてオフセットが生じるとする)。所与の反射体に対して考慮されるフーリエ変換サンプルを調整することによってドップラー偏移が考慮されることが与えられた場合にレーザーの高速チューニングも可能である。
【0234】
2つの光飛行時間遅延の干渉計測フェーザ(すなわち、試験対象のシステムに沿った位置)の差分がとられる場合、結果の位相は、νΔτdに比例し、ここで、
【0235】
【0236】
であり、
【0237】
【0238】
【0239】
は注目する2つの位置に対応する。試験対象のシステムが、レーザーがΔνにわたってチューニングされる時間の間、環境摂動から絶縁されている場合、位相差は、Δψd=2π(νo+Δν)Δτd-2πνoΔτd=2πΔνΔτdで与えられる全位相変位Δψdを得るために追跡(すなわち、アンラップまたは積分)され得る。Δνの正確な知識があれば、注目する2つの反射体(散乱中心)の間の絶対飛行時間差は、Δτd=2πΔν/Δψdとして計算され得る。したがって、動作2908において、方法2900は、注目する2つの反射体の間の絶対飛行時間差を計算することを含む。非限定的な例として、公称温度および/または歪みでΔτdをキャリブレートすることによって、キャリブレーションΔτdは、現在のΔτdと比較され、それにより絶対温度および/または歪みを推定し得る。
【0240】
いくつかの実施形態において、絶対温度および/または歪み(または温度および/または歪みに変換される他の効果)は、
図28に示されているものと似たキャリブレーション参照構造を含めることによって測定され得る。キャリブレーション参照構造は、温度および/または歪みから実質的に絶縁される(またはキャリブレーション構造に作用する温度および/または歪みを測定するための測定デバイス、すなわち2つの反射体の間の試験対象のシステムの領域に結合される)2つの反射体(散乱中心など)を含む。参照キャリブレーション構造は、試験対象のシステムに沿った任意の場所にあってよい。
【0241】
【0242】
をキャリブレートし推定する別の手段(ここで、
【0243】
【0244】
はキャリブレーション構造の反射素子の間の光飛行時間差である)は、
【0245】
【0246】
の正確な測定を得るために使用される。実質的に固定周波数のレーザー源は、実質的に知られている光周波数の変化Δνを通ってゆっくりと(場合によってはより速く)動かされる。レーザーがΔνにわたってチューニングされるときにキャリブレーション構造の干渉計測フェーザの差が追跡され、これはΔψrefと表される。温度および/または歪みを受ける試験対象のシステム(すなわち、キャリブレーション構造とは反対の試験対象のシステムの測定部分)における任意の2つの干渉計測フェーザの差は、Δψdと表される。この場合、Δτdの正確な絶対測定値は、
【0247】
【0248】
をとることによって取得され得る。
【0249】
試験対象のシステムが静止している間(キャリブレーションを実行するのにかかる時間、すなわち、レーザーをΔνにわたって動かすのにかかる時間)に任意の所望の反射体の対にΔτdの絶対測定を実行し、次いで干渉計測フェーザをその後追跡することを続けることによって、OCoDRによって可能になった動的な相対測定は、絶対温度(および/または歪み、および/または光路長変化に変換され得る任意の他の効果)によって正しくオフセットされ、試験対象のシステムの任意の所望のセグメントにわたって測定される平均値を表す動的な絶対測定値を形成し得る。
【0250】
本明細書において開示されている実施形態の機能要素(たとえば、機能、動作、活動、プロセス、および/または方法)は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組合せで実装され得ることは、当業者には理解されるであろう。
図30は、本明細書において開示されている機能要素の実装形態の非限定的な例を例示する。いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている機能要素の一部または全部は、機能要素を実施するために特別に構成されたハードウェアによって実施され得る。
【0251】
図30は、いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている様々な機能、動作、活動、プロセス、および/または方法を実施するために使用され得る回路3000のブロック図である。回路3000は、1つまたは複数のデータストレージデバイス(本明細書では「ストレージデバイス3004」と称されることもある)に動作可能に結合された1つまたは複数のプロセッサ3002(本明細書では「プロセッサ3002」と称されることもある)を含む。ストレージ3004は、その上に記憶された機械実行可能コード3006を含み、プロセッサ3002は、ロジック回路3008を含む。機械実行可能コード3006は、ロジック回路3008によって実装され得る(たとえば、実行される)機能要素を記述する情報を含む。ロジック回路3008は、機械実行可能コード3006によって記述される機能要素を実装する(たとえば、実行する)ように適合される。回路3000は、機械実行可能コード3006によって記述される機能要素を実行するときに、本明細書において開示される機能要素を実行するように構成された専用ハードウェアとみなされるべきである。いくつかの実施形態において、プロセッサ3002は、機械実行可能コード3006によって記述される機能要素を逐次的に、同時に(たとえば、1つもしくは複数の異なるハードウェアプラットフォーム上で)、または1つまたは複数の並列プロセスストリームで実行するように構成され得る。
【0252】
プロセッサ3002の論理回路3008によって実装されるときに、機械実行可能コード3006は、本明細書において開示されている実施形態の動作を実行するようにプロセッサ3002を適合させるように構成される。たとえば、機械実行可能コード3006は、
図1の制御回路104、
図1の変調信号源194、
図2の乗算器-アキュムレータアーキテクチャ200、
図3の周波数領域アーキテクチャ300、
図4のZadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ400、
図17の信号処理方式1700、
図20の信号処理方式2000、および/または
図29の方法2900について説明されている動作の少なくとも一部または全部を実行するようにプロセッサ3002を適合させるように構成され得る。
【0253】
プロセッサ3002は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、中央演算処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックプロセッシングユニット(GPU)、または本明細書において開示されている機能を実行するように設計された他のプログラム可能ロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、他のプログラム可能デバイス、またはそれらの任意の組合せを含み得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは、汎用コンピュータが本開示の実施形態に関係する機械実行可能コード3006(たとえば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード、ハードウェア記述)に対応する機能要素を実行するように構成される一方で専用コンピュータとみなされる。汎用プロセッサ(本明細書ではホストプロセッサもしくは単にホストとも称され得る)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的実施形態では、プロセッサ3002は、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械を含んでもよい。プロセッサ3002は、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成などの、コンピューティングデバイスの組合せとしても実装され得る。
【0254】
いくつかの実施形態において、ストレージ3004は、揮発性データストレージ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性データストレージ(たとえば、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)など)を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサ3002およびストレージ3004は、単一のデバイス(たとえば、半導体デバイス製品、システムオンチップ(SoC)など)内に実装され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ3002およびストレージ3004は、別個のデバイスに実装されてもよい。
【0255】
いくつかの実施形態において、機械実行可能コード3006は、コンピュータ可読命令(たとえば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード)を含み得る。非限定的な例として、コンピュータ可読命令は、ストレージ3004によって記憶され、プロセッサ3002によって直接アクセスされ、少なくともロジック回路3008を用いてプロセッサ3002によって実行され得る。また、非限定的な例として、コンピュータ可読命令は、ストレージ3004上に記憶され、実行のためにメモリデバイス(図示せず)に転送され、少なくともロジック回路3008を使用してプロセッサ3002によって実行され得る。したがって、いくつかの実施形態において、ロジック回路3008は、電気的に構成可能なロジック回路3008を含む。
【0256】
いくつかの実施形態において、機械実行可能コード3006は、機能要素を実行するためにロジック回路3008内に実装されるハードウェア(たとえば、回路)を記述し得る。このハードウェアは、低レベルトランジスタレイアウトから高レベル記述言語まで、様々な抽象化レベルのいずれかで記述され得る。高レベルの抽象化では、IEEE標準ハードウェア記述言語(HDL)などのハードウェア記述言語(HDL)が使用され得る。非限定的な例として、Verilog(登録商標)、SystemVerilog(登録商標)、または超大規模集積(VLSI)ハードウェア記述言語(VHDL(登録商標))が使用され得る。
【0257】
HDL記述は、必要に応じて多数の他の抽象化レベルのうちの任意の抽象化レベルの記述に変換され得る。非限定的な例として、高レベル記述は、レジスタ転送レベル(RTL)、ゲートレベル(GL)記述、レイアウトレベル記述、またはマスクレベル記述などの論理レベル記述に変換することができる。非限定的な例として、ロジック回路3008のハードウェアロジック回路(たとえば、限定はしないが、ゲート、フリップフロップ、レジスタ)によって実行されるマイクロ動作は、RTLで記述され、次いで、合成ツールによってGL記述に変換され、GL記述は、配置配線ツールによってプログラム可能ロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの組合せの集積回路の物理的レイアウトに対応するレイアウトレベル記述に変換され得る。したがって、いくつかの実施形態において、機械実行可能コード3006は、HDL、RTL、GL記述、マスクレベル記述、他のハードウェア記述、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0258】
機械実行可能コード3006が(任意の抽象化レベルの)ハードウェア記述を含む実施形態では、システム(図示しないが、ストレージ3004を含む)は、機械実行可能コード3006によって記述されるハードウェア記述を実装するように構成され得る。非限定的な例として、プロセッサ3002は、プログラム可能ロジックデバイス(たとえば、FPGAまたはPLC)を含んでもよく、ロジック回路3008は、ハードウェア記述に対応する回路をロジック回路3008内に実装するように電気的に制御され得る。また、非限定的な例として、ロジック回路3008は、機械実行可能コード3006のハードウェア記述に従って製造システム(図示しないが、ストレージ3004を含む)によって製造されたハードワイヤードロジックを含んでもよい。
【0259】
機械実行可能コード3006がコンピュータ可読命令を含むかまたはハードウェア記述を含むかにかかわらず、ロジック回路3008は、機械実行可能コード3006の機能要素を実装するときに機械実行可能コード3006によって記述された機能要素を実行するように適合される。ハードウェア記述は機能要素を直接的に記述し得ないが、ハードウェア記述は、ハードウェア記述によって記述されるハードウェア要素が実行することができる機能要素を間接的に記述することに留意されたい。
【0260】
本開示において使用されているように、「モジュール」または「コンポーネント」という用語は、コンピューティングシステムの汎用ハードウェア(たとえば、コンピュータ読み取り可能媒体、処理デバイスなど)上に記憶され、および/またはそれによって実行され得るモジュールまたはコンポーネントおよび/またはソフトウェアオブジェクトまたはソフトウェアルーチンの動作を実行するように構成された特定のハードウェア実装形態を指すものとしてよい。いくつかの実施形態において、本開示において説明される異なるコンポーネント、モジュール、エンジン、およびサービスは、コンピューティングシステム上で実行されるオブジェクトまたはプロセスとして(たとえば、別個のスレッドとして)実装され得る。本開示において説明されているシステムおよび方法のいくつかは、(汎用ハードウェア上に記憶され、および/または汎用ハードウェアによって実行される)ソフトウェアで実装されるものとして一般的に説明されるが、特定のハードウェア実装形態、またはソフトウェアおよび専用ハードウェアの実装形態の組合せも可能であり、企図される。
【0261】
本開示において使用されているように、複数の要素を参照する「組合せ」という語は、すべての要素の組合せ、またはいくつかの要素の様々な異なる部分組合せを含み得る。たとえば、「A、B、C、D、またはそれらの組合せ」という言い回しは、A、B、C、またはDのいずれか1つ、A、B、C、およびDのうちの各々の組合せ、ならびにA、B、およびCの組合せ、A、B、およびDの組合せ、A、C、およびDの組合せ、B、C、およびDの組合せ、AおよびBの組合せ、AおよびCの組合せ、AおよびDの組合せ、BおよびCの組合せ、BおよびDの組合せ、もしくはCおよびDの組合せなどのA、B、C、またはDの任意の部分組合せを指すものとしてよい。
【0262】
本開示および特に添付の請求項(たとえば、添付の請求項の本文)で使用されている言い回しは、「制約のない」言い回し(たとえば、「含むこと」という言い回しは、「限定はしないが、含むこと」と解釈すべきであり、「有する」という言い回しは、「少なくとも有する」と解釈すべきであり、「含む」という言い回しは、「限定はしないが、含む」と解釈すべきである、など)として一般的に意図されている。
【0263】
それに加えて、導入される請求項列挙の特定の数が意図されている場合、そのような意図は、請求項内で明示的に記載され、そのような列挙がない場合は、そのような意図は存在しない。たとえば、理解の助けとして、添付の請求項に、導入句「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」を入れて請求項列挙を導入することができる。しかし、英語原文において、このような語句を使用したとしても、不定冠詞「a」または「an」による請求項列挙の導入によって、たとえその請求項が導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」、および「a」または「an」などの不定冠詞を含むとしても、そのような導入される請求項列挙を含む特定の請求項がそのような列挙を1つしか含まない実施形態に制限されることを意味すると解釈すべきではなく(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)、請求項列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが成り立つ。
【0264】
それに加えて、特定の数の導入される請求項列挙が明示的に記載されるとしても、当業者であれば、そのような列挙は、少なくとも記載されている数を意味するものと解釈すべきであることを理解するであろう(たとえば、他に修飾子を付けない「2つの列挙」という飾りのない列挙は、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」または「A、B、およびCなどのうちの1つまたは複数」に類似する慣用句が使用される事例では、一般に、このような構文は、A単独、B単独、C単独、AおよびB一緒、AおよびC一緒、BおよびC一緒、またはA、B、およびC一緒などを含むことを意図されている。
【0265】
さらに、説明中であろうと、請求項中であろうと、図面中であろうと2つ以上の代替語を示す任意の離接語または語句は、複数の語のうちの1つ、複数の語いずれか、または両方の語を含む可能性を企図するものとして理解されるべきである。たとえば、語句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【0266】
本開示は、特定の例示された実施形態に関して本明細書において説明されてきたが、当業者であれば、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、例示され説明されている実施形態に対する多くの追加、削除、および修正が、それらの法的等価物とともに請求項に記載の本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。それに加えて、一方の実施形態からの特徴は、本発明者によって企図されているような本発明の範囲内に包含されたまま他方の実施形態の特徴と組み合わされ得る。
【符号の説明】
【0267】
100 測定システム
102 EM放射源
104 制御回路
106 光検出器
108 光検出器
110 光ハイブリッド
112 変調器
114 変調信号源
116 光学系
116 試験対象のシステム
118 光学スプリッタ
120 光サーキュレータ
122 連続波EM放射
126 変調されたEM放射
128 反射EM放射
130 参照EM放射
132 スプリッタ入力
134 第1のスプリッタ出力
136 第2のスプリッタ出力
138 変調信号
140 受信器
142 干渉EM放射
144 第1の入力
146 第2の入力
148 第1の出力
150 第2の出力
152 同相干渉計測出力
154 直交干渉計測出力
156 第1の測定信号
158 第2の測定信号
200 乗算器-アキュムレータアーキテクチャ
208 遅延ネットワーク
210 実部
212 虚部
218 フェーザ
300 周波数領域アーキテクチャ
400 Zadoff-Chu系列(シーケンス)アーキテクチャ
500 位相導関数
600 反射率
602 第1の反射体
604 第2の反射体
606 第3の反射体
700 位相導関数
702 第1の位相導関数
704 第2の位相導関数
706 第3の位相導関数
708 参照位相導関数
800 位相導関数
802 第1の位相導関数
804 第2の位相導関数
806 第3の位相導関数
897、2237、および3779 系列(シーケンス)サンプル配置
900 位相導関数
902 第1の位相導関数
904 第2の位相導関数
906 第3の位相導関数
1000 位相変調器
1002 局部発振器の光
1004 変調光
1006 導波路
1100 実変調器
1102 局部発振器の光
1106、1108 電子変調器駆動波形
1200 プロット
1202 受信波形
1204 受信波形
1300 複素変調器
1302 入射する局部発振器の光
1306、1308 内側のマッハツェンダー(MZ)干渉計
1310 外側のMZ干渉計
1400 複素受信器
1402、1404 光検出器
1406 光ハイブリッド
1408 局部発振器の光
1410 光
1500 実受信器
1502 単一の結合器
1504 局部発振器の光
1506 試験対象システム光
1600 受信波形
1602 プロット
1602 受信波形
1604 デジタル化波形
1606 混合信号
1608 フィルタリング信号
1610 再サンプリング信号
1700 信号処理方式
1702 生成
1704 混合
1706 混合
1708 フィルタリング
1710 再サンプリング
1712 再サンプリング
1720 フーリエ変換
1722 複素共役
1724 フーリエ変換
1726 フーリエ変換
1728 フェーザ対遅延
1800 二重偏光複素受信器
1804 ビームスプリッタ
1806 ROT
1808 偏光ビームスプリッタ
1810 試験対象システム光
1812、1814、1816、および1818 光検出器
1900 二重偏光複素変調器
1902 直線偏光入力局部発振器光
1904 ビームスプリッタ
1906 ROT
1908 偏光ビームコンバイナ
1910 変調光
2000 信号処理方式
2002 系列(シーケンス)
2012 実部
2014 虚部
2018 実部
2020 虚部
2030 公称変調信号
2030 直交変調信号
2032 直交変調信号
2046 フーリエ変換
2048 フーリエ変換
2050 フーリエ変換
2052 複素共役演算
2054 フーリエ変換
2056 フェーザ対遅延のベクトル
2058 フーリエ変換
2060 フェーザ対遅延のベクトル
2100 PRBS系列(シーケンス)
2200 循環自己相関
2300 インターフェログラム信号
2402 x成分
2404 y成分
2500 インターフェログラム信号
2602 x成分
2604 y成分
2702 光ファイバ
2704 入射放射
2706 ファイバコア
2708 FBGまたは散乱中心
2710 透過光
2712 反射光
2802 光ファイバ
2804および2806 FBG
2900 方法
3000 回路
3002 プロセッサ
3004 ストレージデバイス
3006 機械実行可能コード
3008 ロジック回路
4096 系列(シーケンス)長
【国際調査報告】