(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】暗号化された印鑑及び棒状データの2次暗号化方法
(51)【国際特許分類】
B41K 1/02 20060101AFI20240801BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20240801BHJP
G09C 5/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B41K1/02 Z
G06K19/06 028
B41K1/02 A
G09C5/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504213
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 CN2022101405
(87)【国際公開番号】W WO2023005544
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110845169.7
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523488332
【氏名又は名称】矩網科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】桑海明
(72)【発明者】
【氏名】甘戈
(57)【要約】
本願は暗号化された印鑑と棒状データの2次暗号化方法を開示し、図形及び文字領域と印鑑枠、棒状データ暗号化領域を含み、図形及び文字領域と前記棒状データ暗号化領域はいずれも印鑑枠内に設けられ、棒状データ暗号化領域には暗号化コードが埋め込まれ、暗号化コードには押印書類の押印情報が記載され、異なる押印書類は異なる暗号化コードに対応し、棒状データ暗号化領域は前記図形及び文字領域と前記印鑑枠との間の空白スペースに設けられ、棒状データの2次暗号化方法は、処理対象の棒状コードまたは文字列を取得することと、処理対象の棒状コードまたは文字列を分割することと、2つの情報が欠落したセグメントコードを結合することと、を含む。棒状データ暗号化領域を設置することにより印鑑の偽造防止暗号化を行い、印鑑や押印書類の真偽の検証を容易になり、棒状データを2次暗号化することにより、他人が棒状データの情報を直接読み取ることを防止し、棒状データの安全性を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形及び文字領域と印鑑枠を含む暗号化された印鑑であって、
棒状データ暗号化領域をさらに含み、前記図形及び文字領域と前記棒状データ暗号化領域はいずれも前記印鑑枠内に設けられ、前記棒状データ暗号化領域には暗号化コードが埋め込まれ、前記暗号化コードには押印書類の押印情報が記載され、異なる押印書類は異なる暗号化コードに対応し、前記棒状データ暗号化領域は前記図形及び文字領域と前記印鑑枠との間の空白スペースに設けられていることを特徴とする暗号化された印鑑。
【請求項2】
前記印鑑枠には、円形、楕円形、四角形が含まれるが、これらに限定されないことを特徴とする請求項1に記載の暗号化された印鑑。
【請求項3】
前記暗号化コードには、図形、数字、アルファベット、記号、または図形、数字、文字、記号の組み合わせで形成された可変識別可能なコードが含まれるが、これらに限定されないことを特徴とする請求項1に記載の暗号化された印鑑。
【請求項4】
前記暗号化コードは、印鑑を2次暗号化するための2次暗号化された棒状コードまたは文字列であることを特徴とする請求項3に記載の暗号化された印鑑。
【請求項5】
前記棒状コードはバーコードまたはバーコードと他の暗号化された図形との組み合わせであり、前記文字列は数字またはアルファベットまたは数字とアルファベットとの組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の暗号化された印鑑。
【請求項6】
前記2次暗号化するのは、
処理対象の棒状コードまたは文字列を取得するステップと、ここで、前記処理対象の棒状コードまたは文字列の画素情報を取得することを含み、
前記処理対象の棒状コードまたは文字列を分割し、前記処理対象の棒状コードまたは文字列上で分割点として一つの位置をランダムまたは固定的に選択し、かつ前記分割点の位置情報を記録し、前記処理対象の棒状コードまたは文字列を第1セグメントと第2セグメントに分割し、2つの情報が欠落したセグメントコードを形成するステップと、ここで、前記第1セグメントの先端が前記処理対象の棒状コードまたは文字列のコード先頭であり、第2セグメントの後端が前記処理対象の棒状コードまたは文字列のコード末尾であり、
2つの情報が欠落したセグメントコードを再結合し、前記第1セグメントを第2セグメントの位置と交換し、すなわち、前記第2セグメントの後端を第1セグメントの先端と結合して、2次暗号化された棒状コードまたは文字列を形成するステップと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の暗号化された印鑑。
【請求項7】
前記分割点はランダムに選択されたものであることを特徴とする請求項6に記載の暗号化された印鑑。
【請求項8】
前記印鑑枠内には、暗号化情報を設定するための検証領域がさらに設けられ、前記暗号化情報は前記分割点の前記位置情報であり、前記検証領域は前記印鑑枠内の空白スペースに設けられていることを特徴とする請求項7に記載の暗号化された印鑑。
【請求項9】
前記検証領域は、修正デジット、チェックデジット及び表示デジットを含み、
前記修正デジットには前記暗号化情報が設けられ、前記暗号化情報は前記分割点の前記位置情報であり、前記修正デジットは前記2次暗号化された棒状コードまたは文字列を修正するために用いられ、
前記チェックデジットにはチェック情報が設けられ、前記チェックデジットは前記暗号化コードの長さが正確であるかどうかをチェックするために用いられ、
前記表示デジットには押印回数が設けられており、前記表示デジットは押印回数を表示ために用いられていることを特徴とする請求項8に記載の暗号化された印鑑。
【請求項10】
前記分割点は固定的に選択されたものであることを特徴とする請求項6に記載の暗号化された印鑑。
【請求項11】
プリセット場所にあるスタートキャラクタをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の暗号化された印鑑。
【請求項12】
前記スタートキャラクタと印鑑中心との連結線の延長線は前記棒状データ暗号化領域と交差し、前記延長線と前記棒状データ暗号化領域との交差点を前記分割点とすることを特徴とする請求項11に記載の暗号化された印鑑。
【請求項13】
前記スタートキャラクタは、前記図形及び文字領域の文字または図形であることを特徴とする請求項12に記載の暗号化された印鑑。
【請求項14】
前記スタートキャラクタは、印鑑枠上のプリセットポイントであることを特徴とする請求項12に記載の暗号化された印鑑。
【請求項15】
前記暗号化コードは、バーコードまたはバーコードと他の暗号化された図形との組み合わせであることを特徴とする請求項7または請求項10に記載の暗号化された印鑑。
【請求項16】
前記処理対象の棒状コードまたは文字列を分割するのは、さらに
前記画素情報と前記分割点の位置情報に基づいて前記分割点の位置を判断するステップと、
前記分割点がバーコードの縦線にある場合、前記分割点の位置を縦線の後ろまたは前の最初の空白スペースに移動した後、処理対象の棒状コードまたは文字列を分割し、かつ第2セグメントの先端または第1セグメントの後端に一つの縦線を補充するステップと、
前記分割点がバーコード内の空白スペースにある場合、処理対象の棒状コードまたは文字列を直接分割し、かつ第2セグメントの先端または第1セグメントの後端に一つの縦線を補充するステップと、を含むことを特徴とする請求項15に記載の暗号化された印鑑。
【請求項17】
前記2つの情報が欠落しているセグメントコードを再結合するのは、さらに、
前記第2セグメントと前記第1セグメントとの間に一つのマージンを設け、前記マージンの幅はバーコードの最も狭いマージンの幅の整数倍であり、かつバーコードの中で最も広いマージンの幅を超えず、さらに前記第2セグメント、前記マージン、前記第1セグメントの順番に従い結合するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の暗号化された印鑑。
【請求項18】
前記暗号化コードは文字列であり、前記文字列は数字またはアルファベットまたは数字とアルファベットとの組み合わせであることを特徴とする請求項7または請求項10に記載の暗号化された印鑑。
【請求項19】
前記処理対象の棒状コードまたは文字列を分割するのは、さらに、
前記画素情報と前記分割点の位置情報とに基づいて前記分割点の位置を判断するステップと、
前記分割点が前記文字列のある文字上にある場合、前記分割点の位置の文字を前記第1セグメントに組み込むか、または前記第2セグメントに組み込むステップと、
前記分割点が前記文字列の二つの文字の間の空白スペースにある場合、前記処理対象の棒状コードまたは文字列を直接分割するステップと、を含むことを特徴とする請求項18に記載の暗号化された印鑑。
【請求項20】
前記暗号化コードは、前記印鑑枠に沿って円弧、棒状またはその他の便利に識別できる形状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の暗号化された印鑑。
【請求項21】
前記暗号化された印鑑の色は、赤色、青色、黒色及びその他の様々な色の1つまたは複数の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の暗号化された印鑑。
【請求項22】
前記押印書類の表示形式としては、電子形式、現物形式が挙げられるが、これらに限定されないことを特徴とする請求項1に記載の暗号化された印鑑。
【請求項23】
前記押印書類には、電子または紙ドキュメント、契約書、手形、図形、書画、書類、証明書、説明書、マニュアル、および製品包装が含まれるが、これらに限定されないことを特徴とする請求項22に記載の暗号化された印鑑。
【請求項24】
前記現物形式は、前記暗号化された印鑑を紙材料、紡績材料、革材料、木質材料、化学材料、セラミックス材料、金属材料、ガラス材料などの様々な実体現物に出力することを含むが、これらに限定されないことを特徴とする請求項22に記載の暗号化された印鑑。
【請求項25】
棒状データの2次暗号化方法であって、
暗号化対象データを取得するステップと、ここで、前記暗号化対象データの画素情報を取得することを含み、
前記暗号化対象データを分割し、前記暗号化対象データ上でランダムに1つの位置を選択し分割点として、かつ前記分割点の位置情報を記録し、前記分割点の位置によって前記暗号化対象データを前部データと後部データに分割し、2つの情報が欠落したセグメントコードを形成するステップと、
前記2つの情報が欠落したセグメントコードを再結合し、前記前部データと前記後部データの位置を交換し、すなわち前記後部データの後端と前記前部データの先端とを結合して2次暗号化データを形成するステップと、を含むことを特徴とする棒状データの2次暗号化方法。
【請求項26】
前記棒状データは、図形、数字、文字、記号、または図形、数字、文字、記号の組み合わせにより形成された可変識別可能な暗号化データであることを特徴とする請求項25に記載の棒状データの2次暗号化方法。
【請求項27】
電子書類であって、前記電子書類は、請求項1~21のいずれか1項に記載の暗号化された印鑑を含むことを特徴とする電子書類。
【請求項28】
前記電子書類は、電子ドキュメント、契約書、手形、図形、書画、文書、証明書、説明書、マニュアル、および製品包装が含まれるが、これらに限定されないこと特徴とする請求項27に記載の電子書類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は偽造防止技術の分野に属し、特に暗号化された印鑑及び棒状データの2次暗号化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業の印鑑は企業の身分や権利を証明するためのものである。企業の印鑑が押された書類は、法律で保護された有効な書類であるとともに、企業が書類の内容に対して法的責任を負うことを意味する。企業の印鑑が他人に盗用されたり悪用されたりすると、企業に不必要なトラブルや企業が負えない責任を与えかねない。
【0003】
現在使用されている印鑑の殆どは印鑑枠にテクスチャを設置したり、印鑑の書体を偽造防止書体にしたりして印鑑の偽造防止を行っているが、このようにして作られた印鑑は偽造されやすく、しかも印鑑には押印書類の情報を記載することができず、押印書類の真偽と印鑑の真偽の検証も非常に困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は暗号化された印鑑及び棒状データの2次暗号化方法を提供し、従来技術の存在する問題を解決することができる。
【0005】
本願の上記技術的課題を解決するための技術的手段は以下の通りであり、暗号化された印鑑を提供し、図形及び文字領域と印鑑枠を含み、棒状データ暗号化領域をさらに含み、前記図形及び文字領域と前記棒状データ暗号化領域はいずれも前記印鑑枠内に設けられ、前記棒状データ暗号化領域には暗号化コードが埋め込まれ、前記暗号化コードには押印書類の押印情報が記載され、異なる押印書類は異なる暗号化コードに対応し、前記棒状データ暗号化領域は前記図形及び文字領域と前記印鑑枠との間の空白スペースに設けられている。
【0006】
好ましくは、前記印鑑枠には、円形、楕円形、四角形が含まれるが、これらに限定されない。
【0007】
好ましくは、前記暗号化コードには、図形、数字、アルファベット、記号、または図形、数字、文字、記号の組み合わせで形成された可変識別可能なコードが含まれるが、これらに限定されない。
【0008】
好ましくは、前記暗号化コードは、印鑑を2次暗号化するための2次暗号化された棒状コードまたは文字列である。
【0009】
好ましくは、前記棒状コードはバーコードまたはバーコードと他の暗号化された図形との組み合わせであり、前記文字列は数字またはアルファベットまたは数字とアルファベットとの組み合わせである。
【0010】
好ましくは、前記2次暗号化するのは、
処理対象の棒状コードまたは文字列を取得するステップと、ここで、前記処理対象の棒状コードまたは文字列の画素情報を取得することを含み、
前記処理対象の棒状コードまたは文字列を分割し、前記処理対象の棒状コードまたは文字列上で分割点として一つの位置をランダムまたは固定的に選択し、かつ前記分割点の位置情報を記録し、前記処理対象の棒状コードまたは文字列を第1セグメントと第2セグメントに分割し、2つの情報が欠落したセグメントコードを形成するステップと、ここで、前記第1セグメントの先端が前記処理対象の棒状コードまたは文字列のコード先頭であり、第2セグメントの後端が前記処理対象の棒状コードまたは文字列のコード末尾であり、
2つの情報が欠落したセグメントコードを再結合し、前記第1セグメントを第2セグメントの位置と交換し、すなわち、第2セグメントの後端を第1セグメントの先端と結合して、2次暗号化された棒状コードまたは文字列を形成するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記分割点はランダムに選択されたものである。
【0012】
好ましくは、前記印鑑枠内には、暗号化情報を設定するための検証領域がさらに設けられ、前記暗号化情報は前記分割点の前記位置情報であり、前記検証領域は前記印鑑枠内の空白スペースに設けられている。
【0013】
好ましくは、前記検証領域は、修正デジット、チェックデジット及び表示デジットを含み、
前記修正デジットには前記暗号化情報が設けられ、前記暗号化情報は前記分割点の前記位置情報であり、前記修正デジットは前記2次暗号化された棒状コードまたは文字列を修正するために用いられ、
前記チェックデジットにはチェック情報が設けられ、前記チェックデジットは前記暗号化コードの長さが正確であるかどうかをチェックするために用いられ、
前記表示デジットには押印回数が設けられており、前記表示デジットは押印回数を表示ために用いられている。
【0014】
好ましくは、前記分割点は固定的に選択されたもの。
【0015】
好ましくは、プリセット場所にあるスタートキャラクタをさらに含む。
【0016】
好ましくは、前記スタートキャラクタと印鑑中心との連結線の延長線は前記棒状データ暗号化領域と交差し、前記延長線と前記棒状データ暗号化領域との交差点を前記分割点とする。
【0017】
好ましくは、前記スタートキャラクタは、前記図形及び文字領域の文字または図形である。
【0018】
好ましくは、前記スタートキャラクタは、印鑑枠上のプリセットポイントである。
【0019】
好ましくは、前記暗号化コードは、バーコードまたはバーコードと他の暗号化された図形との組み合わせである。
【0020】
好ましくは、前記処理対象の棒状コードまたは文字列を分割するのは、さらに
前記画素情報と前記分割点の位置情報に基づいて前記分割点の位置を判断するステップと、
前記分割点がバーコードの縦線にある場合、前記分割点の位置を縦線の後ろまたは前の最初の空白スペースに移動した後、処理対象の棒状コードまたは文字列を分割し、かつ第2セグメントの先端または第1セグメントの後端に一つの縦線を補充するステップと、
前記分割点がバーコード内の空白スペースにある場合、処理対象の棒状コードまたは文字列を直接分割し、かつ第2セグメントの先端または第1セグメントの後端に一つの縦線を補充するステップと、を含む。
【0021】
好ましくは、前記2つの情報が欠落しているセグメントコードを再結合するのは、さらに、
前記第2セグメントと前記第1セグメントとの間に一つのマージンを設け、前記マージンの幅はバーコードの最も狭いマージンの幅の整数倍であり、かつバーコードの中で最も広いマージンの幅を超えず、さらに前記第2セグメント、前記マージン、前記第1セグメントの順番に従い結合するステップを含む。
【0022】
好ましくは、前記暗号化コードは文字列であり、前記文字列は数字またはアルファベットまたは数字とアルファベットとの組み合わせである。
【0023】
好ましくは、前記処理対象の棒状コードまたは文字列を分割するのは、さらに、
前記画素情報と前記分割点の位置情報とに基づいて前記分割点の位置を判断するステップと、
前記分割点が前記文字列のある文字上にある場合、前記分割点の位置の文字を前記第1セグメントに組み込むか、または前記第2セグメントに組み込むステップと、
前記分割点が前記文字列の二つの文字の間の空白スペースにある場合、前記処理対象の棒状コードまたは文字列を直接分割するステップと、を含む。
【0024】
好ましくは、前記暗号化コードは、前記印鑑枠に沿って円弧、棒状またはその他の便利に識別できる形状に配列されている。
【0025】
好ましくは、前記暗号化された印鑑の色は、赤色、青色、黒色及びその他の様々な色の1つまたは複数の組み合わせである。
【0026】
好ましくは、前記押印書類の表示形式としては、電子形式、現物形式が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
好ましくは、前記押印書類には、電子または紙ドキュメント、契約書、手形、図形、書画、書類、証明書、説明書、マニュアル、および製品包装が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
好ましくは、前記現物形式は、前記暗号化された印鑑を紙材料、紡績材料、革材料、木質材料、化学材料、セラミックス材料、金属材料、ガラス材料などの様々な実体現物に出力することを含むが、これらに限定されない。
【0029】
従来技術に比べて、本願の有益な効果は以下の通り、本願の暗号化された印鑑は棒状データ暗号化領域内に暗号化コードを追加して押印情報を記載することにより、押印書類の真偽を容易に検証することができ、毎回異なる押印書類は異なる暗号化コードに対応し、効果的に印鑑偽造の問題を防止することができる。
【0030】
本発明は、棒状データの2次暗号化方法を提供し、
暗号化対象データを取得するステップと、ここで、前記暗号化対象データの画素情報を取得することを含み、
前記暗号化対象データを分割し、前記暗号化対象データ上でランダムに1つの位置を選択し分割点として、かつ前記分割点の位置情報を記録し、前記分割点の位置によって前記暗号化対象データを前部データと後部データに分割し、2つの情報が欠落したセグメントコードを形成するステップと、
前記2つの情報が欠落したセグメントコードを再結合し、前記前部データと前記後部データの位置を交換し、すなわち前記後部データの後端と前記前部データの先端とを結合して2次暗号化データを形成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0031】
好ましくは、前記棒状データは、図形、数字、文字、記号、または図形、数字、文字、記号の組み合わせにより形成された可変識別可能な暗号化データであることを特徴とする。
【0032】
本願は電子書類をさらに提供し、前記電子書類は、暗号化された印鑑を含む。
【0033】
好ましくは、前記電子書類は、電子ドキュメント、契約書、手形、図形、書画、文書、証明書、説明書、マニュアル、および製品包装が含まれるが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本願の実施例または先行技術における技術的態様をより明確に説明するために、以下に実施例または先行技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働性を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】実施例1に係る暗号化された印鑑の概略図である。
【
図2】実施例1に係る暗号化された印鑑の検証領域を持たない概略図である。
【
図3】実施例1に係る暗号化された印鑑の処理対象のバーコードの概略図である。
【
図4】実施例1に係る第1セグメントのバーコード概略図である。
【
図5】実施例1に係る第2セグメントのバーコード概略図である。
【
図6】実施例1に係る再結合後のバーコード概略図である。
【
図8】実施例2に係る暗号化された印鑑の概略図である。
【
図9】実施例4に係る暗号化された印鑑の概略図である。
【
図10】実施例3に係る暗号化された印鑑の概略図である。
【
図12】実施例5の棒状データ2次暗号化方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に添付図面を用いて本願の原理と特徴を説明するが、挙げた例は本願を説明するためだけに用いられ、本願の範囲を限定するために用いられるものではない。
【0036】
(実施例1)
図2に示すように、本願の印鑑は円形、楕円形、方形を含み、本実施例で用いた印鑑枠は円形であり、本実施例は暗号化された印鑑を提供し、図形及び文字領域110と印鑑枠120、棒状データ暗号化領域130を含み、図形及び文字領域110と棒状データ暗号化領域130はいずれも印鑑枠120内に設けられ、棒状データ暗号化領域130には暗号化コードが埋め込まれ、また、本実施例の棒状デジタル暗号化領域は、長尺状を呈し、押印要求を受けたときに暗号化コードを生成し、かつ押印書類の押印情報を暗号化コードにロードし、異なる押印書類は異なる暗号化コードに対応し、また、棒状データ暗号化領域130は図形及び文字領域110と印鑑枠120との間の空白スペースに設けられている。
【0037】
本願の暗号化コードには、図形、数字、アルファベット、記号、または図形、数字、文字、記号の組み合わせで形成された可変識別可能なコードが含まれるが、これらに限定されない。本実施例において、
図2に示すように、暗号化コードはバーコードを用いており、該バーコードは棒状データ暗号化領域130に埋め込まれる前に2次暗号化処理を行い、バーコードの生成と2次暗号化処理の過程は以下の通り、
バーコードを生成し、
図3に示すように、押印書類の押印情報に基づいてバーコードを生成し、本実施例におけるバーコードの縦線の数は27本であり、
処理対象のバーコードを取得するステップと、ここで、処理対象のバーコードの画素情報を取得することを含み、
処理対象のバーコードを分割し、バーコード上で分割点として一つの位置をランダムまたは固定的に選択し、本実施例において、ランダムに選択された分割点は16番目の縦線と17番目の縦線の間にあり、
図4および
図5に示すように、
図3に示すバーコードを第1セグメント131と第2セグメント132に分割し、2つの情報が欠落したセグメントコードを形成し、ここで、第1セグメント131の先端がバーコードのコード先頭であり、第2セグメント132の後端がバーコードのコード末尾であり、
図6に示すように、2つの情報が欠落したセグメントコードを再結合し、第1セグメント131を第2セグメント132の位置と交換し、第2セグメント132と第1セグメント131との間にバーコードのマージンの最も狭い幅と等幅のマージン133を設け、第2セグメント132が前、マージン133が中間、第1セグメント131が後の順に従い結合して2次暗号化されたバーコードを形成する。第2セグメントの後端と第1セグメントの先端がすべて縦線であるため、直接結合すると情報が失われたり、結合後のバーコードを解析できなかったりすることがある。
【0038】
上記2次暗号化の処理により、棒状データ暗号化領域の安全性をより高くし、印鑑の使用をより安全にすることができる。
【0039】
上述2次暗号化されたバーコードを棒状データ暗号化領域に埋め込んで2次暗号化された印鑑を形成する。
【0040】
図1に示すように、本実施例の円形印鑑枠120内には、暗号化情報を設定するための検証領域140がさらに設けられ、暗号化情報は分割点の位置情報であり、検証領域140は印鑑枠120内の空白スペースに設けられている。
【0041】
具体的には、
図7に示すように、検証領域140は、修正デジットa、チェックデジットb及び表示デジットcを含み、本実施例における検証領域140は、数字の組み合わせを用いており、
修正デジットaには暗号化情報が設けられ、本実施例における暗号化情報により選択された分割点から元のバーコードの先頭の最初の縦線までの範囲内の縦線の数であり、本実施例の修正デジットa内の数は16であり、
チェックデジットbにはチェック情報が設けられ、本実施例におけるチェックデジットbは、バーコードのすべての縦線の数27であり、
表示デジットcには押印回数が設けられており、本実施例における表示デジットcは119であり、119回目に暗号化された印鑑を使用することを示す。
【0042】
また、本実施例において、処理対象の棒状コードまたは文字列を分割するのは、さらに、
画素情報と分割点の位置情報に基づいて分割点の位置を判断するステップと、
分割点がバーコードの縦線にある場合、分割点の位置を縦線の後ろまたは前の最初の空白スペースに移動した後、処理対象の棒状コードまたは文字列を分割し、かつ第2セグメント132の先端または第1セグメント131の後端に一つの縦線を補充するステップと、
分割点がバーコード内の空白スペースにある場合、処理対象の棒状コードまたは文字列を直接分割し、かつ第2セグメント132の先端または第1セグメント131の後端に一つの縦線を補充するステップと、を含む。
【0043】
上記の操作により、バーコードを分割したり結合したりする際の情報の完全性を保証することができる。
【0044】
また、本実施例における暗号化された印鑑の色は、赤色、青色、黒色及びその他の様々な色の1つまたは複数の組み合わせである。
【0045】
同時に、本実施例における押印書類の表示形式としては、電子形式、現物形式が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
同時に、本実施例における押印書類には、電子または紙ドキュメント、契約書、手形、図形、書画、書類、証明書、説明書、マニュアル、および製品包装が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
同時に、本実施例における現物形式は、前記暗号化された印鑑を紙材料、紡績材料、革材料、木質材料、化学材料、セラミックス材料、金属材料、ガラス材料などの様々な実体現物に出力することを含むが、これらに限定されない。
【0048】
(実施例2)
図8に示すように、本実施例と実施例1の違うところは、棒状データ暗号化領域は円弧状のデータ暗号化領域を採用しており、棒状データ暗号化領域における暗号化コードは印鑑枠120に沿って円弧状に配列されており、異なるカスタマーまたは異なる需要の暗号化領域の形状視覚に対する需要を満たすことができる。
【0049】
(実施例3)
図10に示すように、本実施例と実施例2の違うところは、棒状データ暗号化領域130内の暗号化コードには、数字とアルファベットを組み合わせた文字列が用いられていることである。本実施例では、押印書類の押印情報を「FD16414F123184FSS15」という文字列に記載し、2次暗号化を行う手順は以下の通りであり、
処理対象の文字列を取得するステップと、ここで、処理対象の文字列の画素情報を取得することを含み、
処理対象の文字列を分割し、処理対象の文字列上でランダムに1つの位置を選択し分割点として、かつ分割点の位置情報を記録し、本実施例におけるランダムに選択された分割点は、
図4及び
図5に示すように、10文字目の「5」と11文字目の「F」の中間に位置し、処理対象の文字列を第1セグメント131と第2セグメント132に分割し、2つの情報が欠落したセグメントコードを形成し、ここで、第1セグメント131の先端は文字列の最初の文字「2」であり、第2セグメント132の後端は文字列の最後の文字「1」であり、
2つの情報が欠落したセグメントコードを再結合し、
図6に示すように、第1セグメント131と第2セグメント132の位置を交換し、すなわち第2セグメント132の最後の文字と第1セグメント131の最初の文字を結合して2次暗号化データを形成する。
【0050】
図11に示すように、本実施例において、修正デジットaは第1セグメント131中の文字の合計数「10」であり、チェックデジットbは処理対象の文字列の合計文字数「19」であり、今回の押印回数は本実施例の9回目の押印であるため、表示デジットcは「009」である。
【0051】
また、本実施例おいて処理対象の棒状コードまたは文字列を分割するのは、
画素情報及び分割点の位置情報に基づいて分割点の位置を判断することと、
分割点が文字列のある文字上にある場合、分割点に位置する文字を第1セグメント131に組み込むか、または第2セグメント132に組み込むことと、を含むことができる。
【0052】
(実施例4)
図9に示すように、本実施例と実施例2の違うところは、本実施例では検証領域140が設けられておらず、2次暗号化を行う際には分割点が固定的に選択されており、本実施例では図形及び文字領域の「科」字の構成要素「禾」の最下部にあらかじめスタートキャラクタが設けられており、その後、スタートキャラクタに基づいて分割点の位置を決定する。
【0053】
具体的には、本実施例におけるスタートキャラクタと印鑑中心との連結線150の延長線160は棒状データ暗号化領域130と交差し、延長線160と棒状データ暗号化領域130との交差点を分割点として処理対象の棒状コードを分割する。
【0054】
(実施例5)
図12に示すように、本実施例は棒状データの2次暗号化方法を提供し、
暗号化対象データを取得するステップと、ここで、暗号化対象データの画素情報を取得することを含み、
暗号化対象データを分割し、暗号化対象データ上でランダムに1つの位置を選択し分割点として、かつ分割点の位置情報を記録し、分割点の位置によって暗号化対象データを前部データと後部データに分割し、2つの情報が欠落したセグメントコードを形成するステップと、
2つの情報が欠落したセグメントコードを再結合し、前部データと前記後部データの位置を交換し、すなわち後部データの後端と前部データの先端とを結合して2次暗号化データを形成するステップと、を含む。
【0055】
具体的には、棒状データは、図形、数字、文字、記号、または図形、数字、文字、記号の組み合わせにより形成された可変識別可能な暗号化データ。
【0056】
(実施例6)
本実施例は電子書類を提供し、、該電子書類は、上記実施例のいずれか一種に記載の暗号化された印鑑を含む。
【0057】
本実施例における電子書類は、電子ドキュメント、契約書、手形、図形、書画、文書、証明書、説明書、マニュアル、および製品包装が含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
本明細書の説明において、用語「前」、「後」、「実施例」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」などを参照した説明は、その実施例または例に関連して説明された具体的な方法、装置、または特徴が本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要はない。さらに、記載された特定の特徴、方法、装置、または特徴は、いずれか1つまたは複数の実施例または例において適切な方法で組み込むことができる。さらに、矛盾することなく、当業者は、本明細書に記載されている異なる実施例または例、および異なる実施例または例の特徴を組み合わせて組み合わせることができる。
【0059】
以上述べたのは本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神と原則の中で行われたいかなる修正、等価置換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0060】
110、図形及び文字領域;120、印鑑枠;130、棒状データ暗号化領域;131、第1セグメント;132、第2セグメント;133、マージン;140、検証領域;150、スタートキャラクタと印鑑中心との連結線;160、延長線;a、修正デジット;b、チャックデジット;c、表示デジット。
【国際調査報告】