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特表2024-529643スルフォラファンとグリシンとを含む混合物及び組成物
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  • 特表-スルフォラファンとグリシンとを含む混合物及び組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】スルフォラファンとグリシンとを含む混合物及び組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/26 20060101AFI20240801BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240801BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 36/31 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 35/741 20150101ALI20240801BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61K31/26
A61K31/198
A61P43/00 121
A61K47/18
A61P39/06
A61K36/31
A61K45/00
A61K35/741
A61K31/7088
A61P35/00
A61P9/00
A61P25/00
A61P19/02
A61P1/16
A61P29/00
A61P3/10
A61P3/00
A61P11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506258
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2022072870
(87)【国際公開番号】W WO2023021040
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,436
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(71)【出願人】
【識別番号】591127113
【氏名又は名称】ノースイースタン・ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100167597
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ブルム‐スぺリセン, ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】ガット, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツィヒ, セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】テベネット, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】バラバシ, アルバート‐ラズロ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ヴァッレ, イタロ ファリア
(72)【発明者】
【氏名】ルパート, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ナシリアン, ファルザネ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C087
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076BB01
4C076BB13
4C076BB16
4C076CC01
4C076CC04
4C076CC09
4C076CC11
4C076CC27
4C076DD51
4C076FF70
4C084AA13
4C084AA19
4C084MA52
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA02
4C084ZA36
4C084ZA59
4C084ZA81
4C084ZA96
4C084ZB11
4C084ZB15
4C084ZB26
4C084ZC21
4C084ZC35
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZC21
4C086ZC35
4C086ZC75
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC32
4C087MA52
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA02
4C087ZA36
4C087ZA59
4C087ZA81
4C087ZA96
4C087ZB11
4C087ZB15
4C087ZB26
4C087ZC21
4C087ZC35
4C087ZC75
4C088AB15
4C088BA18
4C088BA34
4C088MA52
4C088MA66
4C088NA14
4C088ZA02
4C088ZA36
4C088ZA59
4C088ZA81
4C088ZA96
4C088ZB11
4C088ZB15
4C088ZB26
4C088ZC21
4C088ZC35
4C088ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA70
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA72
4C206MA86
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZA36
4C206ZA59
4C206ZA81
4C206ZA96
4C206ZB11
4C206ZB15
4C206ZB26
4C206ZC21
4C206ZC35
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、概して、スルフォラファン又はその類似体と、少なくとも1つのアミノ酸又はその類似体とを含む混合物及び組成物に関する。特に、本開示は、酸化ストレスを治療又は予防するための上記混合物及び組成物の使用に関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルフォラファン又はその類似体とグリシン又はその類似体とを含む混合物。
【請求項2】
前記スルフォラファンの類似体が、
6-イソチオシアナト-2-ヘキサノン、
エキソ-2-アセチル-6-イソチオシアナトノルボルナン、
エキソ-2-イソチオシアナト-6-メチルスルホニルノルボルナン、
6-イソチオシアナト-2-ヘキサノール、
1-イソチオシアナト-4-ジメチルホスホニルブタン、
エキソ-2-(1’-ヒドロキシエチル)-5-イソチオシアナトノルボルナン、
エキソ-2-アセチル-5-イソチオシアナトノルボルナン、
1-イソチオシアナト-5-メチルスルホニルペンタン、
cis-又はtrans-3-(メチルスルホニル)シクロヘキシルメチルイソチオシアネート、及び
これらの組み合わせ、
からなる群から選択される、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
前記混合物が、スルフォラファンとグリシンとを含む、請求項1又は2に記載の混合物。
【請求項4】
前記混合物が、酸化ストレスに関連する疾患又は状態の治療又は予防に使用するためのものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
前記混合物が、
がん、
心血管疾患、
神経疾患、
呼吸器疾患、
関節リウマチ、
肝疾患、
腎疾患、
炎症、
糖尿病、
代謝異常、及び
加齢
からなる群から選択される、少なくとも1つの疾患又は状態の治療又は予防に使用するためのものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
スルフォラファン又はその類似体、及びグリシン又はその類似体が、必要としている対象への同時投与又は逐次投与のために配合されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項7】
スルフォラファン又はその類似体の、グリシン又はその類似体に対するモル比が、約1:1000~約1000:1、好ましくは約1:800~約800:1、最も好ましくは約1:500である、請求項1~6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
スルフォラファン又はその類似体と、
グリシン又はその類似体と、
任意選択で、製薬上許容される担体と、
からなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項9】
前記混合物が、少なくとも1つの原材料を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの原材料が、
脂質、
タンパク質、
炭水化物、
プレバイオティクス、
プロバイオティクス、
必須脂肪酸、
ヌクレオチド、
ヌクレオシド、
ビタミン類、及び
ミネラル類
からなる群から選択される、請求項9に記載の混合物。
【請求項11】
前記混合物が、静脈内投与、皮下投与、又は経口投与のために配合されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項12】
スルフォラファン又はその類似体とグリシン又はその類似体との前記組み合わせが、別々に投与された場合のスルフォラファン若しくはその類似体又はグリシン若しくはその類似体と比較して、疾患又は状態を治療又は予防するために相乗的に作用することができる、請求項1~11のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項13】
スルフォラファン又はその類似体と、
グリシン又はその類似体と、
任意選択で、少なくとも1つの原材料及び/又は製薬上許容される担体と、
を含む、組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの原材料が、
脂質、
タンパク質、
炭水化物、
プレバイオティクス、
プロバイオティクス、
必須脂肪酸、
ヌクレオチド、
ヌクレオシド、
ビタミン類、及び
ミネラル類
からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記スルフォラファン又はその類似体を、前記少なくとも1つのアミノ酸又はその類似体、並びに任意選択で前記少なくとも1つの追加原材料及び/又は前記製薬上許容される担体と混合するステップを含む、請求項13又は14に記載の組成物を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、スルフォラファン又はその類似体とグリシン又はその類似体とを含む混合物及び組成物に関する。特に、本開示は、酸化ストレスを治療又は予防するための上記混合物及び組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]酸化ストレスは、細胞及び組織における活性酸素種(ROS)の産生及び蓄積と、これらの反応性産物を解毒する生体システムの能力との間に不均衡が存在する現象である。細胞の正常なレドックス状態が乱れると、タンパク質、細胞膜、脂質、及びDNAなどといった細胞成分を損傷させる過酸化物及びフリーラジカルの産生により、毒性効果が生じ、最終的に細胞死をもたらす可能性がある。
【0003】
[0003]フリーラジカル及び酸化体は、がん(例えば、DNA損傷を介するもの1~3)、心血管疾患4~6、神経疾患7~9、呼吸器疾患10~12、関節リウマチ2,13,14、肝疾患15及び腎疾患16、炎症17~19、糖尿病20,21、代謝異常(脂質及びグルコース)22~24、及び加齢25,26を含む多くの疾患及び状態への寄与因子として関連付けられている。
【0004】
[0004]ヒトの健康の観点から、フリーラジカル曝露及び酸化ストレスを完全に回避することは不可能である。しかしながら、酸化ストレスは、食事により抗酸化物質を補給することによって減少させることができる。ビタミンC及びビタミンE、フラボノイド(ポリフェノール化合物の1分類)、並びにカロテノイドは、ヒトの健康に対する利益に関して包括的に研究されてきた抗酸化化合物の例である。典型的には、医療従事者は、かかる抗酸化物質の天然供給源である果物及び野菜を1日に複数回摂取することを推奨する。したがって、他の天然抗酸化化合物を特定することが、酸化ストレスの原因物質に抗うことによってヒトの健康を更に改善しようとする強化研究の焦点であった。
【0005】
[0005]スルフォラファンは、アブラナ科(Brassicaceae)の野菜に含まれる天然の有機硫黄化合物(イソチオシアネート)である。この科には、カリフラワー、キャベツ、ケール、ガーデンクレス、チンゲンサイ、及び芽キャベツが含まれるが、最も注目すべきは、スルフォラファンが高レベルで存在するブロッコリーである27,28。スルフォラファンは、4-メチルスルフィニルブチルイソチオシアネート又は1-イソチオシアネート-4-メチルスルフィニルブタンの化学構造を有し、生物学的に不活性な前駆体グルコラファニンの形態で植物中に存在する植物化学物質である。グルコラファニンは、グルコシノレートと呼ばれる植物化学物質の群に属する。グルコシノレートは、その構造内に組み込まれた糖成分(ほとんどの場合、d-グルコース)を有し、ミロシナーゼと呼ばれる酵素によってイソチオシアネート形態に素早く変換される29。変換のプロセスは、植物組織の破壊(例えば、噛む、咀嚼する、スライスすることなどによる)の後に、酵素ミロシナーゼが放出されたときに起こる。加熱調理又は電子レンジ処理による食事準備中のミロシナーゼの破壊は、イソチオシアネートの生物学的利用能を大きく低下させ得るが、加熱調理した野菜の摂取によるイソチオシアネートの代替供給源として、腸内細菌叢によるグルコシノレートの分解による供給が可能である。細菌叢による分解は、いずれにせよ効率的ではなく、かつ変動し得る30,31
【0006】
[0006]抽出又は精製形態のスルフォラファンを用いた研究は、酸化ストレスに抗うにあたり、この化合物がヒトに有益となり得る(抗酸化物質32及び防御化学物質(chemoprotectant)33の両方として)ことを示している。さらには、スルフォラファンが転写因子Nrf2の強力な活性化因子であり、ひいてはNrf2が酸化ストレスに対する細胞防御の強力な活性化因子であることを示唆している調査もある34
【0007】
[0007]したがって、酸化ストレスに抗う際のスルフォラファンの有益な活性が増進された組成物を提供することが望ましい。
【0008】
[0008]本明細書における任意の先行技術の議論又は言及は、その先行技術が本明細書の当業者の共通の一般知識の一部であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0009】
[0009]この発明の概要は、以下の発明を実施するための形態において更に説明される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用されることを意図するものでもない。
【0010】
[0010]本開示は、スルフォラファン又はその類似体とグリシン又はその類似体との組み合わせが、別々に適用された個別成分と比較して酸化ストレスの治療又は予防を増進し得るという知見に基づく。
【0011】
[0011]本開示の一態様によれば、スルフォラファン又はその類似体とグリシン又はその類似体とを含む混合物が提供される。
【0012】
[0012]実施形態において、スルフォラファンの類似体は、
6-イソチオシアナト-2-ヘキサノン、
エキソ-2-アセチル-6-イソチオシアナトノルボルナン、
エキソ-2-イソチオシアナト-6-メチルスルホニルノルボルナン、
6-イソチオシアナト-2-ヘキサノール、
1-イソチオシアナト-4-ジメチルホスホニルブタン、
エキソ-2-(1’-ヒドロキシエチル)-5-イソチオシアナトノルボルナン、
エキソ-2-アセチル-5-イソチオシアナトノルボルナン、
1-イソチオシアナト-5-メチルスルホニルペンタン、
cis-又はtrans-3-(メチルスルホニル)シクロヘキシルメチルイソチオシアネート、及び
これらの組み合わせからなる群から選択される。
【0013】
[0013]実施形態において、混合物は、酸化ストレスに関連する疾患又は状態、好ましくは、
がん、
心血管疾患、
神経疾患、
呼吸器疾患、
関節リウマチ、
肝疾患、
腎疾患、
炎症、
糖尿病、
代謝異常、及び
加齢
からなる群から選択される少なくとも1つの疾患又は状態の治療又は予防に使用するためのものである。
【0014】
[0014]本開示の混合物の実施形態において、スルフォラファン又はその類似体、及びグリシン又はその類似体は、必要とする対象への同時投与又は逐次投与のために配合される。
【0015】
[0015]本開示の混合物の実施形態において、スルフォラファン又はその類似体とグリシン又はその類似体とのモル比は、約1:1000~約1000:1、好ましくは約1:800~約800:1、最も好ましくは約1:500である。
【0016】
[0016]別の態様では、本開示は、
スルフォラファン又はその類似体と、
グリシン又はその類似体と、
任意選択で少なくとも1つの追加原材料と、を含む組成物を提供する。
【0017】
[0017]実施形態において、少なくとも1つの原材料は、
脂質、
タンパク質、
炭水化物、
プレバイオティクス、
プロバイオティクス、
必須脂肪酸、
ヌクレオチド、
ヌクレオシド、
ビタミン類、及び
ミネラル類
からなる群から選択される。
【0018】
[0018]更に別の態様では、本開示の組成物を製造する方法が提供される。実施形態において、本方法は、スルフォラファン又はその類似体を、グリシン又はその類似体及び任意選択で少なくとも1つの追加原材料と混合するステップを含む。
【0019】
[0019]更に別の態様では、本開示は、酸化ストレスに関連する疾患又は状態を治療又は予防する方法を提供する。
【0020】
[0020]本開示による栄養組成物の他の実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】過酸化水素及び他の添加剤の不在下及び存在下、インビトロでのゼブラフィッシュ稚魚(zebrafish larvae)の生存率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
解釈に関する定義及び記述
[0022]実施形態に記載の文脈で(特に特許請求の範囲において)使用される、用語「ある(a)」、「ある(an)」及び「その(the)」及び同様の参照は、本明細書において別途記載のない限り、又は文脈に明示的に矛盾しない限り、単数及び複数のいずれをも包含するものとして解釈される。
【0023】
[0023]本明細書に記載の方法及びプロセスは、本明細書において別途記載のない限り、あるいは文脈により明確に否定されない限り、任意の好適な順序で実施することができる。
【0024】
[0024]本明細書で提供される、任意の及びすべての実施例、あるいは例示を表す言葉(例えば、「など」)は、単に明らかにすることを意図するものであり、特許請求の範囲について制限することを意図するものではない。明細書中のいかなる文言も、特許請求されていない必須の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0025】
[0025]本明細書における値範囲についての引用は、単に範囲内に包含されるそれぞれの別個の値を個別に参照する簡略法としての提供が意図される。本明細書において、別途記載のない限り、各値は、本明細書に個別に引用されているかのように本明細書に組み込まれる。例えば、範囲が約1~約50である場合、この範囲は、例えば、1、7、34、46.1、23.7、又はその範囲内の任意の他の値若しくは範囲を含むとみなされる。
【0026】
[0026]別途記載のない限り、本明細書中のすべての百分率は、該当する場合、重量百分率を指す。
【0027】
[0027]本明細書及び特許請求の範囲における用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」若しくは「含んでいる(comprising)」、「含む(including)」又は「有する(having)」などは、他を包含し得るという意味で使用され、すなわち、表記された特徴の存在を規定するが、追加の又はさらなる特徴の存在を排除しない。
【0028】
[0028]本明細書に開示される具体的な実施形態は、言葉の構成又は言葉の本質的な構成をもとに、特許請求の範囲において更に制限され得る。特許請求の範囲において使用するとき、出願の通りのもの又は補正で加えられる通りのもののいずれであっても、移行句「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲において記載されていない構成要素、工程、又は原材料を除外するものである。移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲を、記載の材料又は工程、並びに基本特性及び新規特性(複数可)に物質的な影響を及ぼさないものに限定する。よって、特許請求する実施形態は、本明細書において本質的に又は明示的に記載され、可能になる。
【0029】
[0029]別途定義がない限り、全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関係する技術分野の当業者に共通して理解されるものと同じ意味を有し、同じ意味を与えられるべきである。
【0030】
[0030]「医薬組成物」、「ニュートラシューティカル組成物」又は「組成物」は、1つ以上の活性原材料を含むように製造された製品を意味し、1つ以上の不活性原材料と、原材料の任意の2つ以上の組み合わせから、錯体形成若しくは凝集から、又は原材料の1つ以上の解離から、又は原材料の1つ以上の他のタイプの反応若しくは相互作用から、直接的又は間接的に生じる任意の生成物とを含み得る。したがって、本開示の組成物は、本開示の化合物、物質又は原材料と、任意選択で製薬上又は栄養補助上(nutraceutically)許容される賦形剤(製薬上許容される担体)とを混合することによって作製される任意の組成物を包含する。
【0031】
[0031]生物活性物質の製薬上又は栄養補助上許容される誘導体は、本開示の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0032】
[0032]「製薬上又は栄養補助上許容される誘導体」という用語は、製薬上又は栄養補助的に許容される塩、エステル、かかるエステルの塩、エーテル、又はプロドラッグ及び代謝産物を含む任意の他の誘導体を含むが、これらに限定されず、これらは、必要とする対象(例えば、患者、ヒト又は動物)への投与時に、本明細書に別途記載されるような生物活性物質を直接又は間接的に提供することができる。
【0033】
[0033]本明細書で使用される場合、「製薬上又は栄養補助上許容される塩」という用語は、穏当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合う塩を指す。
【0034】
[0034]「スルフォラファン類似体」という用語は、本明細書において、天然に存在するスルフォラファンの類似体、例えば、スルフォラフェン、エルシン(硫黄が酸化されていない、すなわちメチルスルフィド基を有するスルフォラファン)、及びエリソリン(硫黄が過酸化されている、すなわちメチルスルホン基を有するスルフォラファン)などを指すために使用される。
【0035】
[0035]「アミノ酸類似体」(又は「非標準アミノ酸」)は、天然に存在するタンパク質において一般的に見出される20個のL-アミノ酸(WIPO Standard ST.25(2009)、Annex C、Appendix2、Table3において定義及び列挙されるような、Ala又はA、Cys又はC、Asp又はD、Glu又はE、Phe又はF、Gly又はG、His又はH、Ile又はI、Lys又はK、Leu又はL、Met又はM、Asn又はN、Pro又はP、Gln又はQ、Arg又はR、Ser又はS、Thr又はT、Val又はV、Trp又はW、Tyr又はY)のうちの1つ以上に構造及び/又は全体形状が類似する全てのアミノ酸様化合物を含むことを意味する。アミノ酸類似体は、修飾された側鎖又は骨格を含む天然アミノ酸を含み得る。修飾には、関連する1原子(例えば、S)の1原子(例えば、N)置換、基(例えば、メチル基、又はヒドロキシル基)若しくは原子(例えば、Cl又はBr)の付加、基の欠失、共有結合の(例えば、二重結合の単結合への)置換、又はこれらの組合せが含まれ得るが、これらに限定されない(例えば、WIPO Standard ST.25(2009),Annex C,Appendix2,Table4も参照)。本明細書で使用される場合、酸化ストレスに抗うための組成物及び方法に関する「アミノ酸」への言及は、アミノ酸類似体を含む。
【0036】
[0036]他の文脈における物質の「類似体」は、機能的に等価な物質を含む。機能的等価性は、化学技術又は組換え技術を用いて元の物質の構造を修飾することによって、又は元の物質と同じ若しくは類似の機能を有する異なる構造を有する物質を同定することによって達成され得る。
【0037】
[0037]「混合物」という用語は、成分(化合物、物質又は原材料など)の組み合わせを指し、ここで混合物の成分は個別に調製され、混合は使用前又は使用中に成分を混ぜることによって実現される。この点で、混合物は、必要とする対象に混合物を投与する前に成分を混ぜることによって実現されてもよい。実施形態において、混合物は、成分の同時投与又は逐次投与によって実現されてもよい。したがって、混合物は、必要とする対象内で実現される混合物を含む。
【0038】
[0038]本開示の混合物又は組成物の作製において使用される化合物、物質又は原材料は、任意の考えられる供給源に由来し得る。この供給源には、動物、野菜、ミネラル類、又は合成(「人工」)供給源を含み得る。
【0039】
[0039]「単離された」又は「精製された」という用語は、もとの環境(例えば、それが天然に存在する場合は、自然環境)から取り出された材料を指す。例えば、材料が、特定の組成物又は混合物中に、天然若しくは野生型の生物中に存在する濃度よりも高い濃度で存在する場合、又は天然若しくは野生型生物からの発現時に通常存在しない成分と組み合わせて存在する場合、その材料は「精製されている」と言われる。例えば、生体中に存在する天然に生じるタンパク質/ポリペプチドは単離されていないが、同じタンパク質/ポリペプチドであって、天然の系において共存する材料の一部又は全部から分離されたものは単離されている。このようなタンパク質/ポリペプチドは、例えば、組成物の一部であり得、及びかかる組成物がタンパク質/ポリペプチドの天然環境の一部ではないという点でやはり単離されたものであり得る。
【0040】
[0040]「併用投与」又は「同時投与する」などの用語は、2つ以上の活性物質を含有する単一組成物の投与、又は各活性物質の別々の組成物としての投与、及び/又は別々の経路によって送出される各活性物質の同時期若しくは同時のいずれかの投与、又は有効な結果が全てのこのような活性物質が単一組成物として投与される場合に得られる結果と同等となるような十分に短い時間内での逐次的な投与を指す。「同時に」とは、活性薬剤が実質的に同じ時間に、好ましくは同じ製剤で一緒に、投与されることを意味する。
【0041】
[0041]本明細書で使用される場合、疾患又は障害を「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、次の1つ以上を達成することを意味する:(a)障害の重症度及び/又は持続期間を低減すること、(b)治療される障害(複数可)に特徴的な症状の発症を制限又は予防すること、(c)治療される障害に特徴的な症状の悪化を抑制すること、(d)過去に障害(複数可)を有していた患者における障害(複数可)の再発を制限又は予防すること、及び(e)過去に障害(複数可)の症状を示した患者における症状の再発を制限又は予防すること。本明細書で使用される場合、疾患又は障害の「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」、「予防(prevention)」、又は「発症予防(prophylaxis)」は、対象において疾患又は障害が生じることを予防することを意味する。
【0042】
[0042]「有効量」又は「治療量」という用語は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医によって求められている組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する物質の量を意味することを意図する。「予防有効量」という用語は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医によって、組織、系、動物又はヒトにおいて予防されることが求められる生物学的又は医学的事象の発生のリスクを予防又は低減する物質の量を意味することを意図する。
【0043】
[0043]本明細書で使用される場合、「投与のためである」及び「投与される」という表現は、「投与されるために調製される」と同じ意味を有する。言い換えれば、活性化合物が「投与のためのものである」という記述は、上記活性化合物がその治療活性を発揮することができる状態にあるように、配合され、投与量に構成されていると理解されなければならない。
【0044】
本開示による混合物
[0044]本開示は、酸化ストレスを治療又は予防するための混合物に関する。
【0045】
[0045]一態様では、本開示は、スルフォラファン又はその類似体とグリシン又はその類似体とを含む混合物を提供する。
【0046】
[0046]実施形態において、スルフォラファンは、4-メチルスルフィニルブチルイソチオシアネート又は1-イソチオシアナト-4-(メチルスルフィニル)ブタンである。
【0047】
[0047]他の実施形態において、本発明の混合物を調製するのに有用なスルフォラファン類似体としては、6-イソチオシアナト-2-ヘキサノン、エキソ-2-アセチル-6-イソチオシアナトノルボルナン、エキソ-2-イソチオシアナト-6-メチルスルホニルノルボルナン、6-イソチオシアナト-2-ヘキサノール、1-イソチオシアナト-4-ジメチルホスホニルブタン、エキソ-2-(1’-ヒドロキシエチル)-5-イソチオシアナトノルボルナン、エキソ-2-アセチル-5-イソチオシアナトノルボルナン、1-イソチオシアナト-5-メチルスルホニルペンタン、及びcis-若しくはtrans-3-(メチルスルホニル)シクロヘキシルメチルイソチオシアネート、又はこれらの混合物のうちの1つ以上が挙げられる。
【0048】
[0048]好ましくは、本開示のスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体は、任意の適切な天然供給源由来であってもよい。例えば、スルフォラファン及び/又はその類似体は、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、チンゲンサイ、ケール、コラード、カイラン菜、ブロッコリーラーブ、コールラビ、カラシ、カブ、ダイコン、ルッコラ、クレソン又は他の天然供給源から抽出することができる。したがって、実施形態において、天然供給源は、これらの天然の野菜供給源の1つ以上から選択される。スルフォラファン又はその類似体は、供給源材料から直接抽出されてもよく、又は天然の供給源材料から調製された抽出物から抽出されてもよい。他の実施形態において、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体は、合成(すなわち、人工)であってもよい。
【0049】
[0049]実施形態において、本開示の混合物は、酸化ストレスに関連する疾患又は状態の治療又は予防に使用するためのものである。この文脈において、「関連する」とは、酸化ストレスが疾患又は状態に直接的又は間接的に結びつき得ることを意味する。好ましくは、疾患又は状態は、がん、心血管疾患、神経疾患、呼吸器疾患、関節リウマチ、肝疾患、腎疾患、炎症、糖尿病、代謝異常、又は加齢のうちの少なくとも1つから選択される。
【0050】
[0050]実施形態において、本開示の混合物は、必要とする対象への投与のために配合される。対象は、ヒト又はヒト以外の動物であり得る。混合物は、同時投与、すなわち、混合物の成分が、必要とする対象に同時に投与されるために配合されてもよい。同時投与は、混合物の成分を予め混合すること、又は別々の成分を同時に投与することを含む。あるいは、混合物の成分は、逐次的に投与してもよい。この点で、本開示はまた、本明細書に開示される混合物又は組成物の対象への投与を含む、必要とする対象における疾患又は状態を治療又は予防する方法も包含する。
【0051】
[0051]本開示の混合物、混合物を実現するために組み合わされる成分、又は組成物は、任意の開口部又は表面による投与のための液体調製物を含んでもよく、投与には、経口投与(oral)、経鼻投与、経肛門投与、経膣投与、経口的(peroral)投与、胃内投与、及び経粘膜(例えば、舌下(perlinqual)、歯槽粘膜、歯肉粘膜、嗅粘膜、又は気道粘膜)投与が含まれる。液体には、懸濁液、シロップ又はエリキシル、及び非経口、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内又は静脈内投与(例えば、注射投与)のための調製物、例えば滅菌懸濁液又はエマルジョンが含まれ得る。実施形態において、液体混合物(又はその成分)又は組成物は、担体、希釈剤、又は賦形剤、例えば、滅菌水、生理食塩水、又はグルコースなどを含んでもよい。実施形態において、本開示の混合物(又はその成分)又は組成物は、投与経路及び所望の調製物に応じて、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、ゲル化又は増粘添加剤、保存料、香味料、及び着色剤などの補助物質を含有し得る。参照により本明細書に援用される「REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCE」、第17版、1985年などの標準的な教科書を参考にして、過度の実験を行うことなく適切な調製物を調製することができる。
【0052】
[0052]実施形態において、本開示の混合物(又は混合物を実現するために組み合わされた成分)又は組成物は、丸剤、錠剤、カプセル、及びカプレットなどの「固体」形態で提供されてもよく、これらには、徐放性の「固体」調製物、又は液体充填物(liquid tilling)例えばゼラチン被覆液体を有することによってゼラチンが胃内で溶解されて腸に送出される「固体」調製物が含まれる。経鼻又は呼吸器(粘膜)投与が望ましい場合、組成物は、成形され、圧搾スプレーディスペンサー、ポンプディスペンサー又はエアロゾルディスペンサーによって供給されてもよい。エアロゾルは、通常、炭化水素によって加圧される。ポンプディスペンサーは、好ましくは、計量された1回用量又は特定の粒子径を有する1回用量を供給することができる。
【0053】
[0053]液体調製物は、動物、小児、特に幼児、及び丸剤、錠剤、カプセルなどの嚥下が困難となり得るその他の対象への、又は複数回投与の状況における、注射又は経口による投与の好ましい形態であり得る。一方、粘性調製物は、粘膜(例えば、胃又は鼻粘膜の内膜)との接触期間を長くするために適切な粘度範囲内で配合され得る。
【0054】
[0054]適切な担体及び他の添加剤の選択は、正確な投与経路及び特定の剤形の性質、例えば、液体剤形(すなわち、溶液、懸濁液、ゲル又は別の液体形態)、又は固体剤形(すなわち、丸剤、錠剤、カプセル、カプレット、徐放性形態又は液体充填形態)の性質に応じて決まる。
【0055】
[0055]溶液、懸濁液及びゲルは、通常、活性原材料に加えて多量の水(好ましくは精製水)を含有する。微量の他の原材料、例えば、pH調整剤(例えば、NaOHなどの塩基)、乳化剤又は分散剤、緩衝剤、保存料、湿潤剤、ゲル化剤(例えば、メチルセルロース)、着色剤、及び/又は香味剤なども存在してもよい。組成物は等張性であることができ、すなわち、血液及び涙液と同じ浸透圧を有することができる。
【0056】
[0056]本開示の組成物の所望の等張性は、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール、又はその他の無機若しくは有機溶質を用いて達成され得る。塩化ナトリウムは、ナトリウムイオンを含有する緩衝液に特に好ましい。
【0057】
[0057]組成物の粘度は、製薬上許容される増粘剤を使用して、選択したレベルに維持できる。メチルセルロースは、容易かつ経済的に入手可能であり、取り扱いが容易であることから、好ましい。その他の適切な増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボマーなどが挙げられる。増粘剤の好ましい濃度は、選択される薬剤によって異なる。重要な点は、選択した粘度を達成する量を使用することである。粘性組成物は、通常、かかる増粘剤の添加によって溶液から調製される。
【0058】
[0058]製薬上許容される保存料を使用して、組成物の保存期限を延ばすことができる。ベンジルアルコールが好適であり得るが、例えば、パラベン、チメロサール、クロロブタノール、又は塩化ベンザルコニウムなどの種々の保存料も使用できる。保存料の適切な濃度は、総重量を基準にして約0.02%~約2%であるが、選択した薬剤に応じてかなりの変動があり得る。
【0059】
[0059]他の実施形態において、本開示の混合物は、スルフォラファン又はその類似体、及びグリシン又はその類似体を、約1:1000~約1000:1、好ましくは約1:800~約800:1、最も好ましくは約1:500のモル比で含んでもよい。
【0060】
[0060]実施形態において、本開示の混合物又は組成物の調製のための成分は、化合物、物質又は原材料を、約1μmol/kg体重~約100mmol/kg体重、好ましくは約10μmol/kg体重~約1mmol/kg体重、より好ましくは約100μmol/kg体重~約500μmol/kg体重の量で含み得る。
【0061】
[0061]実施形態において、スルフォラファン又はその類似体は、約50nmol/kg体重~約500μmol/kg体重、好ましくは約500nmol/kg体重~約100μmol/kg体重、より好ましくは約100nmol/kg体重~約50μmol/kg体重、より好ましくは約50nmol/kg体重~約5μmol/kg体重の用量で投与するために配合することができる。好ましくは、投与は経口経路による。
【0062】
[0062]実施形態において、グリシン又はその類似体は、約10μmol/kg体重~約500mmol/kg体重、好ましくは10μmol/kg体重~100mmol/kg体重、より好ましくは10μmol/kg体重~10mmol/kg体重、より好ましくは50μmol/kg体重~2mmol/kg体重の用量で投与するために配合され得る。
【0063】
[0063]別の態様では、本開示は、
スルフォラファン又はその類似体と、
グリシン又はその類似体と、
任意選択で少なくとも1つの原材料と、を含む組成物を提供する。
【0064】
[0064]実施形態において、少なくとも1つの原材料は、脂質、タンパク質、炭水化物、プレバイオティクス、プロバイオティクス、必須脂肪酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ビタミン類、及びミネラル類からなる群から選択される。
【0065】
[0065]実施形態において、タンパク質としては、カゼイン、α-ラクトアルブミン、ラクトフェリン、血清アルブミン、乳清、大豆タンパク質、米タンパク質、トウモロコシタンパク質、オート麦タンパク質、大麦タンパク質、小麦タンパク質、ライ麦タンパク質、エンドウマメタンパク質、卵タンパク質、ヒマワリ種子タンパク質、ジャガイモタンパク質、魚タンパク質、食肉タンパク質、免疫グロブリン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0066】
[0066]実施形態において、炭水化物としては、ラクトース、サッカロース、マルトデキストリン、デンプン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
[0067]実施形態において、脂質としては、パームオレイン、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸ベニバナ油、キャノーラ油、魚油、ココナッツ油、牛乳脂肪、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0068】
[0068]実施形態において、必須脂肪酸としては、リノール酸(LA)、α-リノレン酸(ALA)、及び多価不飽和脂肪酸(PUFA)が挙げられ得る。本発明の栄養組成物は、ガングリオシドのモノシアロガングリオシド-3(GM3)及びジシアロガングリオシド3(GD3)、リン脂質、例えばスフィンゴミエリン、リン脂質ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリンなど、及びこれらの組み合わせを更に含有し得る。
【0069】
[0069]実施形態において、プレバイオティクスとしては、任意選択でフルクトース、ガラクトース、マンノースを含有するオリゴ糖;食物繊維、特に可溶性繊維、大豆繊維;イヌリン;又はこれらの混合物が挙げられる。好ましいプレバイオティクスは、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、キシロオリゴ糖(XOS)、アラビノキシロオリゴ糖(AXOS)、マンナンオリゴ糖(MOS)、大豆オリゴ糖、グリコシルスクロース(GS)、ラクトスクロース(LS)、ラクツロース(LA)、パラチノースオリゴ糖(PAO)、マルトオリゴ糖、ガム及び/又はその加水分解物、ペクチン及び/又はその加水分解物、並びにこれらの組み合わせである。
【0070】
[0070]実施形態において、プロバイオティクスとしては、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、クルイウェロマイセス属(Kluyveromyces)、サッカロマイセス属(Saccharoymces)、カンジダ属(Candida)が挙げられ、特に、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ラクチス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトコッカス・ラクチス、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)又はこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001(ATCC BAA-999)、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC490(CNCM I-2170)、ビフィドバクテリウム・ラクチスNCC2818(CNCM I-3446)、ビフィドバクテリウム・ブレーベA株、ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461(CNCM I-2116)、ラクトバチルス・ジョンソニイNCC533(CNCM I-1225)、ラクトバチルス・ラムノーサスGG(ATCC53103)、ラクトバチルス・ラムノーサスNCC4007(CGMCC 1.3724)、エンテロコッカス・フェシウムSF68(NCC2768;NCIMB10415)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0071】
[0071]実施形態において、ヌクレオチドとしては、シチジン一リン酸(CMP)、ウリジン一リン酸(UMP)、アデノシン一リン酸(AMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、又はこれらの任意の混合物若しくは誘導体が挙げられる。
【0072】
[0072]実施形態において、ビタミン類及びミネラル類としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンD、葉酸、イノシトール、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、コリン、カルシウム、リン、ヨウ素、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、塩化物、カリウム、ナトリウム、セレン、クロム、モリブデン、タウリン、及びL-カルニチン、並びにこれらの混合物が挙げられる。ミネラル類は、通常、塩形態で添加される。
【0073】
[0073]別の態様において、本開示は、混合物(又はその成分)及び組成物を製造する方法を提供する。実施形態において、混合物及び組成物を調製する際に使用するための成分を調製する方法は、合成による製造、又は天然供給源から物質、化合物若しくは原材料を抽出、単離若しくは精製すること、及び任意選択で、かかる物質、化合物若しくは原材料を投与のために配合すること、を含み得る。物質、化合物、又は原材料は、液体形態又は固体形態であってもよく、補助物質などを含むことができる。
【0074】
[0074]実施形態において、本開示の組成物を製造する方法は、物質、化合物又は原材料を混合するステップを含む。実施形態において、本方法は、スルフォラファン又はその類似体を、少なくとも1つの物質及び任意選択で少なくとも1つの追加原材料と混合するステップを含む。本方法は、製薬上許容される担体又は賦形剤を混合するステップを任意選択で更に含み得る。
【0075】
[0075]当業者は、本明細書に開示される本開示の全ての特徴を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。更に、本開示の異なる実施形態について記載された特徴を組み合わせてもよい。
【0076】
[0076]更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0077】
[0077]本開示のさらなる例を以下に記載する。しかしながら、本開示は、これらの例に限定されるべきではなく、本明細書に開示される態様及び実施形態は、具体的に記載されているもの以外の変形、修正、及び/又は追加が可能であり、本開示は、特許請求の範囲内に入るすべてのそのような変形、修正、及び/又は追加を含むことを理解されたい。
【実施例
【0078】
実施例1-ゼブラフィッシュにおける酸化ストレスの低減
[0078]ゼブラフィッシュ稚魚は、インビトロで酸化ストレスを研究するための適切な脊椎動物モデルを提供する35図1は、インビトロでのゼブラフィッシュ幼生の生存率の調査によって生成されたデータを示す。生存率アッセイは、過去に記載されたプロトコル36に、いくつかの変更を加えて実施した。簡潔に述べると、野生型ゼブラフィッシュ稚魚(AB株、ZFIN ID:ZDB-GENO-960809-7)を使用した。受精後3.5日目(dpf)に、5mLの飼育水(egg water)(0.6g/L海水塩、Tecniplast)を含む60mmペトリ皿に一条件当たり24匹の稚魚を入れた。対象の化合物を飼育水に直接添加し、12時間置いた。続いて、化合物を受精後4日目(dpf4)に除去し、稚魚を96ウェルプレートの2.5mMの過酸化水素(H;Sigma Merck)を含有する体積200μLの新鮮な飼育水中に移した。処置の24時間後に生存率をモニターした。
【0079】
[0079]添加剤を含まない飼育水(ビヒクル)中の稚魚を、Hと共にインキュベートした飼育水中の様々な群、すなわち、ビヒクル+2.5mM H、ビヒクル+2.5mM H+1μMスルフォラファン(Sfn;Molport MolPort-003-850-350、DMSOで調製したストック、Sigma Merck)、ビヒクル+2.5mM H+500μM L-グリシン(Gly;Sigma Merck、水で調製したストック)、又はビヒクル+2.5mM H+1μMスルフォラファン+500μM L-グリシンと比較した。
【0080】
[0080]図1は、ビヒクルでのみ稚魚の100%が24時間後に生存したことを示す。比較すると、ビヒクル+2.5mM H中の稚魚は約10%のみが生存し、この生存はビヒクル+2.5mM H+1μM Sfn又はビヒクル+2.5mM H+500μM L-グリシンのいずれかの稚魚とも同等であった。驚くべきことに、ビヒクル+2.5mM H+1μMスルフォラファン+500μM L-グリシン中でインキュベートした稚魚は、他のH群と比べて統計的に有意な生存率の増進を示した。統計的有意性は、表1に要約されるように、2元配置分散分析、テューキーの多重比較検定によって計算された。
【0081】
【表1】
【0082】
[0081]例示的な態様及び実施形態を、本発明者らが知る最良の形態を含めて、図示及び説明してきたが、当業者は、態様及び実施形態の変形が本開示の範囲内にあるとみなされることを認識するであろう。
【0083】
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図1
【国際調査報告】