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特表2024-529648パイプ‐イン‐パイプシステムのための断熱溶接継手
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】パイプ‐イン‐パイプシステムのための断熱溶接継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/14 20060101AFI20240801BHJP
   F16L 13/02 20060101ALI20240801BHJP
   F16L 1/028 20060101ALI20240801BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20240801BHJP
   F24T 10/10 20180101ALI20240801BHJP
   F03G 4/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
F16L59/14
F16L13/02
F16L1/028 D
F28D7/10 A
F24T10/10
F03G4/00 501
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024506754
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022038572
(87)【国際公開番号】W WO2023014560
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/228,301
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524044474
【氏名又は名称】エックス ジー エス エネルギー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】モンカーズ,ピョートル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】マッギルヴァレイ,マーク ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】マン,ヘンリック
【テーマコード(参考)】
3H013
3H036
3L103
【Fターム(参考)】
3H013BA02
3H036AA04
3H036AB24
3H036AB25
3H036AB32
3H036AB42
3H036AD09
3L103AA01
(57)【要約】
【課題】
改良された断熱パイプ‐イン‐パイプシステム、及び特に顕著な曲げ及び矯正力に耐え及びパイプ‐イン‐パイプセグメント間の継手に亘る熱損失を最小にし、簡単な組み立てが可能である構成と方法を提供する。
【解決手段】
2つの内側パイプを接続する溶接部を含む断熱継手パイプ‐イン‐パイプシステムであって、各外側パイプは内側パイプの周囲を取り囲み及び該溶接部から遠位位置で終端する。各リングは遠位位置で内側パイプに結合され、外側パイプがリングに溶接される。継手断熱材が溶接部を覆い、及びスリーブセグメントが該溶接部及び継手断熱材を覆う。好ましくは、スリーブセグメントが2つのハーフパイプ部分から形成され、リングに溶接されて、接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントにスリーブセグメントを固定する。企図されるパイプ‐イン‐パイプシステムは顕著に減じられた熱損失を示し及びパイプ曲げ及びパイプ矯正を含むパイプ敷設プロセスに十分な強度を供する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ‐イン‐パイプシステムにおける断熱継手であって、
第一パイプ‐イン‐パイプセグメント及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各パイプ‐イン‐パイプセグメントは内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び各パイプ‐イン‐パイプセグメントは該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に断熱材料を有する、第一パイプ‐イン‐パイプセグメント及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント;
ここで、各パイプ‐イン‐パイプセグメントは該外側及び該内側パイプの間にリングを有し、そこで該外側パイプが終端し、及びそこへ該外側パイプが結合され、及びそこへ該内側パイプが結合され及びそれを超えて該内側パイプが伸び;
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプの各端部間の溶接継手;
長手方向の溶接を介して互いに結合されてスリープセグメントを形成する第一及び第二ハーフ‐パイプスリーブ;
ここで、該スリーブセグメントは該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該リングに溶接されて(a)該リングの該溶接部は該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該スリーブを介して結合し、及び(b)該リングの該溶接部は該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該リングを介して該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの夫々の内側パイプに結合し、
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該リングの間及び該溶接継手と該スリープの間の継手断熱物質;
を含む、パイプ‐イン‐パイプシステムにおける断熱継手。
【請求項2】
該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有する、請求項1の断熱継手。
【請求項3】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプが約10-20cmの直径を有し、該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが約15-25cmの直径を有し、及び該スリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する、請求項1の断熱継手。
【請求項4】
該リングが約 3-10cmの半径方向の幅及び約2-5cmの厚みを有する、請求項4の断熱継手。
【請求項5】
該内側パイプと該外側パイプの間の距離が、該リングの半径方向の幅に等しい、前出の請求項のいずれかの断熱継手。
【請求項6】
該リングが該第一及び該第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々の該内側パイプに溶接される、請求項1の断熱継手。
【請求項7】
該第一及び/又は第二ハーフ‐パイプスリーブが該長手方向の溶接部に沿って支持バーを含む、請求項1の断熱継手。
【請求項8】
該スリーブセグメント及び該第一及び該第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが同じ外径を有する、請求項1の断熱継手。
【請求項9】
該継手断熱材が該溶接継手の周囲に巻かれる、請求項1の断熱継手。
【請求項10】
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの該溶接部、該リング、及び該スリーブセグメントがパイプの曲げ及び矯正を含むパイプ敷設プロセスのために十分な強度を有する、請求項1の断熱継手。
【請求項11】
第一パイプ‐イン‐パイプセグメントを第二パイプ‐イン‐パイプセグメントに接続する方法であって、該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は、外側パイプを超えて伸びる内側パイプを取り囲む該外側パイプを有し、及び該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に絶縁材を有し:
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプの各端部の間に溶接継手を形成する;
該溶接継手を継手断熱材で覆う;
第一及び第二ハーフパイプスリーブを一緒に長手方向溶接部を介して溶接し、該溶接継手の上側にスリーブセグメントを形成する;及び
該スリーブセグメントを該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント上の各リングの上に溶接して、a)該リングの溶接部が、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該スリーブを介して接続し、及び(b)該リングの溶接部が、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該リングを介して第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプに接続する;
ことを含む方法。
【請求項12】
該溶接継手が該溶接継手の周囲に該継手絶縁材料を巻くことによって覆われる、請求項11の方法。
【請求項13】
第一及び第二ハーフパイプスリーブが該長手方向溶接部に沿って支持バーを含む、請求項11の方法。
【請求項14】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント上の該各リングが該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプに溶接される、請求項11の方法。
【請求項15】
該スリーブセグメント及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが同じ外径を有する、請求項11の方法。
【請求項16】
該スリーブセグメント及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが該各リングの共通溶接部を共用する、請求項11の方法。
【請求項17】
少なくとも20のパイプ‐イン‐パイプセグメントが直列に接続される、請求項11の方法。
【請求項18】
該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有し、及び該スリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する、請求項11の方法。
【請求項19】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプが約 10-20cmの直径を有し、及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが約15-25cmの直径を有する、請求項11の方法。
【請求項20】
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの該溶接部、該リング、及び該スリーブセグメントがパイプの曲げ及び矯正を含むパイプ敷設プロセスのために十分な強度を有する、請求項11の方法。
【請求項21】
地熱回収プラントに断熱戻し管を設置する方法であって、
複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各々は内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は断熱材料を該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に有する、複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントを供する;
該パイプ‐イン‐パイプセグメントを、
(1)該内側パイプの各端部が互いに溶接される;
(2)該外側パイプの各端部が該パイプセグメントの該内側パイプ上の各リングに溶接される;
(3)スリーブセグメントが該パイプセグメントの該リングの間に置かれ、該リングに溶接され、及びさらに該外側パイプの該各端部に溶接され、それによって、該内側パイプを接続する溶接部を取り囲む連続した外側パイプを形成する、
ように互いに水平方向に溶接する;及び
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントを曲げデバイス及び矯正デバイスを使用して水平方向から垂直方向へと地層内への坑井へと進める;
ことを含む方法。
【請求項22】
該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有する、請求項21の方法。
【請求項23】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプが約 10-20cmの直径を有し、及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが約15-25cmの直径を有し、及び該スリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する、請求項21の方法。
【請求項24】
該リングが約 3-10cmの半径方向の幅及び約2-5cmの厚みを有する、請求項21の方法。
【請求項25】
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが該地層中のケーシング内へと進められる、請求項21の方法。
【請求項26】
該地層が少なくとも500mの深さに在る、請求項21の方法。
【請求項27】
曲げ及び矯正の間の屈曲力が該外側パイプから該内側パイプへと該リングを介して伝達される、請求項21の方法。
【請求項28】
該リングが該環状空間の減少により該環状空間内の該断熱材の圧縮を防ぐ距離で間隔を空けて離して配置される、請求項21の方法。
【請求項29】
該パイプ‐イン‐パイプセグメント内の各々の該内側パイプが少なくとも2,000psiの圧力及び少なく200℃の温度の流体を運ぶのに十分な強度を有する、請求項21の方法。
【請求項30】
地熱回収プラントであって、
地層内のケーシングであって、該ケーシングは、複数の直列に接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各々が内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び各々が該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に断熱材を有する、パイプ‐イン‐パイプシステムを取り囲む、地層内のケーシング;
該パイプ‐イン‐パイプセグメントは、
(1)該内側パイプの各端部が互いに溶接される;
(2)該外側パイプの各端部が該パイプセグメントの該内側パイプ上の各リングに溶接される;
(3)スリーブセグメントが該パイプセグメントの該リングの間に置かれ、該リングに溶接され、及び該外側パイプの該各端部にさらに溶接され、それによって該内側パイプを接続する溶接部を取り囲む連続する外側パイプを形成する、
ように互いに結合されている、
を含み、及び
該ケーシングと該パイプ‐イン‐パイプシステム及び熱交換器が流動的に結合され、熱回収及び発電のための閉鎖ループ動作流体回路を形成する、地熱回収プラント。
【請求項31】
該地層が少なくとも500mの深さに在る、請求項30のプラント。
【請求項32】
該地層が少なくとも200℃の温度を有する、請求項30のプラント。
【請求項33】
該直列に接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが少なくとも1,000mの長さを有する、請求項30のプラント。
【請求項34】
該閉鎖ループ動作流体回路が発電機に熱的に結合される、請求項30のプラント。
【請求項35】
複数の直列に接続された請求項1~10のいずれかのパイプ‐イン‐パイプセグメントを含むパイプアセンブリ。
【請求項36】
請求項35の該パイプアセンブリを含む地熱プラント。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本発明は我々の同時係属の8/2/2021出願の米国仮出願63/228,301号の優先権を主張し、それは引用によりここに組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の分野は断熱パイプ‐イン‐パイプシステムを接続するためのデバイス及び方法である。
【背景技術】
【0003】
背景記述は、本発明を理解する上で有用であり得る情報を含む。ここに提供される情報のいずれも先行技術である、もしくは現在請求されている発明に関連する、又は具体的にもしくは暗黙的に参照される任意の刊行物が先行技術である、と認めるものでは無い。
【0004】
明細書中の全ての刊行物及び特許出願は、各刊行物もしくは特許出願が特定的に及び個々に引用により包含される旨が示されているかのような程度で、引用により包含される。包含される参照文献中の文言の定義もしくは使用法が、ここで提供される文言の定義と不整合もしくは反する場合には、ここで提供される文言の定義が適用され、そして該参照文献中の該文言の定義は適用されない。
【0005】
当業界で知られているパイプをつなぐ方法は、例えばネジ、フランジ又は溶接など、数多くある。多くの場合、しかし、従来のパイプ接続は、内側パイプが外側パイプの中に配置されており、及びパイプ間の空間が、熱もしくは冷却損失を避けるために断熱されなければならない、断熱されたパイプ‐イン‐パイプシステムの場合には、適切ではない。そのようなパイプ‐イン‐パイプシステムを接続することを可能にするために、各断熱されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの断熱空間の端部をキャップし環状断熱空間を取り囲むことができ、各キャップされた端部を溶接もしくはスリーブで接続することができる。そのような接続は現場での実施が比較的簡単であるが、多くの欠点が残る。最も顕著には、環状断熱空間の端部キャップが熱伝導経路を形成し、それが顕著な熱もしくは冷却損失へとつながる。該損失はパイプ‐イン‐パイプシステムが顕著な長さを有し比較的多くの継手を要する場合、特に好ましくない。
【0006】
熱損失及び熱ストレスを減じるために、米国特許US8,998,267に記載されるように、2つのパイプ‐イン‐パイプセグメントの間に隔壁を採用することができる。ここで、極低温パイプ‐イン‐パイプシステムにおける隔壁は、内側トランジション要素、及び内側トランジション要素に結合し及び少なくとも部分的に内側トランジション要素を囲む、離れた第一及び第二外側遷移要素を含む。次いで、隔壁は隣接するパイプ‐イン‐パイプセグメントの内側及び外側トランジションパイプの各端部に溶接できる。そのようなシステムは熱伝達経路を有利に減じ、それによって熱もしくは冷却損失を減じる。さらに、熱ストレス(例えば、極低温液体を受け取ると、収縮によって)は内側から外側パイプへと伝達され得る。しかし、比較的複雑な構成のために、比較的多い溶接部及び溶接手順が要求され、従って、多くの組み立て時間及び費用が必要とされる。
【0007】
加えて、キャップされた断熱環状空間もしくは隔壁を備えるパイプ‐イン‐パイプシステムは、パイプ‐イン‐パイプシステムが、顕著な機械力及びパイプの曲げ及びパイプの矯正工程を要するパイプ敷設に供されたら遭遇するであろう力に晒されて、機械的故障を生じ易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このとおり、断熱パイプ‐イン‐パイプシステムの種々のシステム及び方法が知られているが、全てもしくは殆ど全てがいくつかの欠点を被っている。従って、改良された断熱パイプ‐イン‐パイプシステム、及び特に顕著な曲げ及び矯正力に耐え及びパイプ‐イン‐パイプセグメント間の継手に亘る熱損失を最小にし、簡単な組み立てが可能である構成と方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
発明の主題は種々のパイプ‐イン‐パイプシステムの内側及び外側パイプが、内側パイプの該表面に結合されたリングを介して互いに結合され断熱されたパイプ‐イン‐パイプシステム及び方法に向けられる。最も典型的には、外側パイプは内側パイプより内側に置かれてリングで終端し、及び一旦2つのパイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプの各端部が共に溶接されると、スリーブセグメントが形成され、及び継手断熱材が溶接継手に結合された後、リングに結合され、それによって継手の機械的強度が増大される一方、熱伝導率を最少にする。
【0010】
発明主題の一側面において、発明者らはパイプ‐イン‐パイプシステムにおける断熱された継手であって、第一パイプ‐イン‐パイプセグメント及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントを含み、該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は断熱材を該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に有するものを企図する。さらに、該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は該外側及び該内側パイプの間にリングを有し、そこで該外側パイプが終端し、及びそこへ該外側パイプが結合され、及びそこへ該内側パイプが結合され、及びそれを超えて該内側パイプが延びる。溶接継手が第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプの各端部を接続し、第一及び第二ハーフ‐パイプスリーブが長手方向の溶接部を介して接続されてスリーブセグメントを形成する。スリーブセグメントは第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントのリングに、(a)リングでの溶接が第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントのスリーブを介して外側パイプを接続し、(b)リングでの溶接部が第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの外側パイプを第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプに接続する。最後に、継手断熱材が第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントのリングの間及び溶接継手をスリーブの間に配置される。
【0011】
いくつかの実施態様において、パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有し、 第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプが約 10-20cmの直径を有し、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが約15-25cmの直径を有し、及び/又は該スリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する。
【0012】
リングに関し、リングが約 3-10cmの半径方向の幅及び約2-5cmの厚みを有することが企図される。従って、内側パイプと外側パイプの間の距離が、リングの半径方向の幅に等しいことが企図される。最も典型的には、リングが各第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプに溶接される。
【0013】
さらなる実施態様において、第一及び/又は第二ハーフパイプスリーブが長手方向の溶接部に沿って支持バーを(ハーフパイプの内側上に)含む。さらに、スリーブセグメント及び第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが同じ外径を有することが企図される。好ましくは、継手断熱材が溶接継手の周囲に巻かれ、及び接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの溶接部、リング、及びスリーブセグメントがパイプの曲げ及び矯正を含むパイプ敷設プロセスのために十分な強度を有することが特に好ましい。
【0014】
そして、本発明は第一パイプ‐イン‐パイプセグメントを第二パイプ‐イン‐パイプセグメントに接続する方法を企図し、ここでパイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は、外側パイプを超えて伸びる内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及びパイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は外側パイプと内側パイプの間の環状空間に絶縁材を有する。該方法は、典型的には第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプの各端部の間に溶接継手を形成する工程、さらに溶接継手を継手断熱材で覆う工程を含む。さらに他の工程は、第一及び第二ハーフパイプスリーブを一緒に長手方向溶接部を介して溶接し、溶接継手の上側にスリーブセグメントを形成し、及び、次いで該スリーブセグメントを第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント上の各リングの上に、(a)リングの溶接部が第一パ及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの外側パイプを、スリーブを介して接続し、及び(b)リングの溶接部が第一パ及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの外側パイプのリングを介して、外側パイプを各々の内側パイプに接続するように溶接する。
【0015】
好ましくは、しかし必須ではないが、該溶接継手が該溶接継手の周囲に該継手絶縁材料を巻くことによって覆われる。さらに、第一及び第二ハーフパイプスリーブが該長手方向溶接部に沿って支持バーを含み、及び/又は該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント上の各リングが該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプに溶接されることが典型的には好ましい。加えて、該スリーブセグメント及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが同じ外径を有することが好ましい。
【0016】
いくつかの例において、少なくとも20のパイプ‐イン‐パイプセグメントが直列に接続され、パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有し及びスリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する。さらなる例において、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプが約 10-20cmの直径を有し、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの外側パイプが約15-25cmの直径を有する。最も好ましくは、接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの溶接部、リング、及びスリーブセグメントがパイプの曲げ及び矯正を含むパイプ敷設プロセスのために十分な強度を有する。
【0017】
従って、企図される方法の利用の一例において、発明者らは地熱回収プラントに断熱戻し管を設置する方法を企図し、該方法は複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各々は内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及びパイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は断熱材料を外側パイプと内側パイプの間の環状空間に有する、パイプ‐イン‐パイプセグメントを供する工程を含む。他の工程において、該パイプ‐イン‐パイプセグメントを(1)内側パイプの各端部が互いに溶接される;(2)外側パイプの各端部がパイプセグメントの内側パイプ上の各リングに溶接される;(3)スリーブセグメントがパイプセグメントのリングの間に置かれ、リングに溶接され、及びさらに外側パイプの各端部に溶接され、それによって連続し内側パイプを接続する溶接部を取り囲む外側パイプを形成する、ように互いに水平方向に溶接される。さらに他の工程において、該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが曲げデバイス及び矯正デバイスを使用して水平方向から垂直方向へと地層内への坑井へと進められる。
【0018】
そのような方法において、パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有し、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプが約 10-20cmの直径を有し、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの外側パイプが約15-25cmの直径を有し、及び/又はスリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する。最も典型的には、リングが約 3-10cmの半径方向の幅及び約2-5cmの厚みを有する。いくつかの実施態様において、接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが地層中のケーシング内へと進められ、及び/又は該地層が少なくとも500mの深さに在る。
【0019】
最も好ましくは、曲げ及び矯正の間の屈曲力が外側パイプから内側パイプへとリングを介して伝えられる。リングが環状空間の減少による環状空間内の断熱材の圧縮を防ぐ距離、間隔を空けて離して配置されることがさらに企図される。加えて、各パイプ‐イン‐パイプセグメント内の内側パイプが少なくとも2,000psiの圧力及び少なく200℃の温度の流体を運ぶのに十分な強度を有する。
【0020】
結果的に、発明者らは地熱回収プラントであって、複数の直列に接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントであって各々が内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及びパイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は外側パイプと内側パイプの間の環状空間に断熱材を有する、パイプ‐イン‐パイプシステムを取り囲む、地層内のケーシングを含む地熱回収プラントも企図する。最も好ましくは、パイプ‐イン‐パイプセグメントは、(1)内側パイプの各端部が互いに溶接される;(2)外側パイプの各端部が該パイプセグメントの該内側パイプ上の各リングに溶接される;及び(3)スリーブセグメントが該パイプセグメントの該リングの間に置かれ、該リングに溶接され、及びさらに該外側パイプの該各端部に溶接され、それによって連続し該内側パイプを接続する溶接部を取り囲む外側パイプを形成する、ように互いに結合される。最も典型的には該ケーシングと該パイプ‐イン‐パイプシステム及び熱交換器が流動的に結合され、熱回収及び発電のための閉鎖ループ動作流体回路を形成する。
【0021】
他の好適な選択は、該地層が少なくとも500mの深さに在ってよく、該地層が少なくとも200℃の温度を有してよい。いくつかの態様において該直列に接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが少なくとも1,000mの長さを有する。好ましくは、該閉鎖ループ動作流体回路が電気発電機に熱的に結合される。
【発明の効果】
【0022】
発明の主題の種々の目的、特徴、側面及び利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な記載からより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本発明の主題に従うパイプ‐イン‐パイプセグメントの長手方向の断面の例を示す概略図である。
【0024】
図2図2は内側パイプで第二パイプ‐イン‐パイプセグメント(第二セグメントについてはリング及び外側パイプは図示していない)に溶接された本発明の主題に従う第一パイプ‐イン‐パイプセグメントの長手方向の断面の例を示す概略図である。
【0025】
図3図3は継手断熱材を備える、図2の接合されたセグメントの長手方向の断面の例を示す概略図である。
【0026】
図4図4は、発明主題に従う、継手断熱材と、リングに溶接されたスリーブを有する2つの接合されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの長手方向の断面の例を示す概略図である。
【0027】
図5図5は発明主題に従う、リングに溶接されたスリーブセグメント及び2つの接合されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの長手方向の断面の例を示す概略図である(継手断熱材は図示されていない)。
【0028】
図6図6は2つのハーフパイプスリーブでそのうちの一のスリーブが支持バーを有する断面概略図の例である。
【0029】
図7図7は発明の主題に従うスリーブセグメントを備える2つの接合されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの長手方向断面概略図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
発明者らは種々のパイプ‐イン‐パイプシステム及び得られるパイプ‐イン‐パイプシステムがパイプ‐イン‐パイプセグメントを結合する継手間の減じられた熱損失を有し、及び、パイプ‐イン‐パイプシステムが曲げ及び矯正操作に十分な機械的強度/耐性を有し、現場での実質的に水平方向の作成及び地熱井戸への実質的に垂直方向の設置を容易にするように、複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントを結合する方法を見出した。
【0031】
一例において、パイプ‐イン‐パイプシステムが複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントから構築され、各セグメントは内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び各セグメントは断熱材を外側パイプと内側パイプの間の環状空間に含む。リングが内側と外側パイプの間に配置され、典型的には、内管の外面にリングを溶接することによって配置される。好ましくは、しかし必要ではなく、リングがその一部に外側パイプを溶接することを可能にし、リングの別の部分を使用してスリーブをリングおよび/または外側パイプに溶接することができる幅を有する。構築の間、それは通常、現場で一般に水平方向に行われ(即ち、生成されたパイプ‐イン‐パイプシステムがその中を進めされる垂直井戸の近くで)、一のパイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプが他のパイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプに溶接される。第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプの各々の端部で溶接継手が完成すると、継手断熱材料が(例えばシートストックからのラップとして)第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントのリングの間に、溶接継手を覆うように、及び好ましくは第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントのリングの間の殆どもしくは全ての空間を覆うように、施与される。そのような実施態様において、各々のリングで終端する引っ込んだ外側パイプの間のギャップが、次いで、好ましくは2つのハーフパイプスリーブから形成されるスリーブで覆われる。容易に理解されるように、2つのハーフパイプスリーブは一緒に及びリングに溶接されてパイプ‐イン‐パイプシステムの断熱継手を完成する。
【0032】
図1は内側パイプ110及び外側パイプ120を有するパイプ‐イン‐パイプセグメント100の長手方向断面の末端部分を例示する。リング130が内側パイプ110の外側表面に溶接され、及び、外側パイプ120はリングの或る位置の上に在る。所望であれば、外側パイプ120の末端部分はリングに溶接されることができる。外側と内側パイプの間の環状空間115は断熱材料(図示されていない)を含む。パイプ‐イン‐パイプシステムの組立ての間、図2に示すようにパイプ‐イン‐パイプセグメントの各々の2つの内側パイプの端部が互いに隣接して置かれ、溶接継手112で互いに溶接される(第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの外側パイプ及びリングは図示されていない)。図3に示すように、継手断熱材料140が次いで溶接部のリングの間の空間内に施与され、及び、溶接継手及び継手断熱材料が2つのハーフパイプスリーブから形成されたスリーブ150で覆われる。図4の例では、スリーブの各端部は各リングに溶接されている。ここで、溶接部152はスリーブをリングに接続し、さらにスリーブの端部をパイプ‐イン‐パイプセグメントの外側パイプの各端部に接続する。溶接部154は、2つのハーフパイプスリーブを接続する。このような接続は、負荷がリングを介して外側及び内側パイプの間、及び、リング及びスリーブを介して外側のパイプの間で移動されるので、特に有利である。
【0033】
図5はパイプ‐イン‐パイプシステムの断熱継手の他の例の図である。ここに見られるように、継手溶接部112は内側パイプを接続し、一方、外側パイプ120は、内側パイプの外側表面に溶接されたリング溶接部132で溶接されたリング130で終端する。リング溶接部132はスリーブ150の端部も外側パイプに接続する。環状空間内の断熱材料及び継手溶接部を覆う継手断熱材料は図示されていない。図6は第一及び第二ハーフパイプスリーブを図示し、それらは支持バー156をさらに有してよい。ハーフパイプスリーブが溶接継手の周囲に置かれたら、ハーフパイプスリーブは長手方向に支持バー156(図4の溶接部154を参照されたい)に沿って一緒に溶接されて、スリーブを形成し得る(図4の溶接部152を参照されたい)。このようにして、スリーブの外側表面及び外側パイプは同じレベルにあり及び連続し、それによって、パイプ‐イン‐パイプシステムを、引張り、曲げ及び矯正デバイス内を通して進めるのを非常に容易にすることに注意されたい。
【0034】
しかし、図7に示す他の実施態様では、1以上のスリーブもスリーブ750として構成されることができ、それらは内側パイプ710、継手断熱材料(図示せず)及びリング730を、スリーブの内側表面が外側パイプ720の外側表面に隣接するように接続する溶接継手712を覆って周囲に配置される。そのような場合、リングは内側及び外側パイプと接合(典型的には溶接される)されるだけであり、スリーブには溶接されない。容易に分かるように、そのようなスリーブは、上述のとおりハーフパイプから作ることができ、外側パイプと摺動係合する閉じたパイプセグメントであってもよい。そのような「外側」スリーブの使用は、組立てを有利に簡素化し及び高速化する。さらに、そのような組立ては、伸縮(テレスコーピング)/接合(アーティキュレーション)を可能とし、それは曲げ及び矯正操作に要求される可撓性を増強する。所望であれば、スリーブは外側パイプに溶接されるか、スリーブと外側パイプの間の摩擦、摩擦材料、もしくは摩擦構造により外側パイプと接合される。
【0035】
ここに提示されるシステム及び方法は種々の利益及び利点を提供することが認められるべきである。とりわけ、リングは顕著な引張及び圧縮負荷を支持し、及び特に負荷が断熱パイプ‐イン‐パイプシステムの設置及び曲げの間に生成されるとき、支持し、それはリング及びスリーブが内側及び外側パイプの間での負荷を分けることを可能とすることが認められるべきである。その点で、曲げ及び矯正力(プラスチックの変形へとつながる)が主に外側パイプに負荷され、次いでそれが支持リングを介して内側パイプへと伝達されることに注意されるべきである。そのような安定性/靭性の向上は、従来設計よりも内側及び外側パイプのより薄い壁を可能とし、それは総重量を有利に減じる。そのような減じられた重量は、パイプ‐イン‐パイプシステムがかなりの長さを有するときに特に好ましい。さらに、ここに提示されるシステム及び方法は、安定性及び構造一体性の損失及び環状空間内及び/又は溶接継手上の空間での断熱材料の圧縮へと導く外側パイプの座屈を顕著に減じ、又はより典型的には除去する。
【0036】
ここで提示されるパイプ‐イン‐パイプセグメントに関しパイプ‐イン‐パイプセグメントの特定の構成及び寸法は、かなり変えることができ、及び特定の構成及び大きさは特定の用途及び環境パラメータによって決定されることが企図される。しかし、特に好ましいパイプ‐イン‐パイプセグメンは、坑井中へと配置される場所で多数のパイプ‐イン‐パイプセグメントが互いに接続される(溶接される)地熱回収/ハーベスティング操作の戻し管として使用されるものが含まれる。従って、企図されるパイプ‐イン‐パイプセグメントは典型的には5-20mの間又は20-40mの間、及びさらに長くさえあり、例えば7-15mの間又は10-20mの間、又は20-30mの間、又は30-40mの間、及びより長くさえある。
【0037】
内側及び外側パイプの外径に関し、内側パイプは外側パイプ内に収められるので、内側パイプは外側パイプより小さい外径を有する事が企図される。さらに、パイプ‐イン‐パイプアセンブリは断熱材料も含むので、直径の差は環状空間に断熱材料が存在することを考慮されたものでなければならない。例えば、内側パイプの適切な外径は、少なくとも7cm、又は少なくとも9cm、又は少なくとも11cm、又は少なくとも13cm、又は少なくとも15cm又は少なくとも20cm、及びそれ以上でさえあるものを含む一方、外側パイプの適切な外径は少なくとも10cm、又は少なくとも12cm、又は少なくとも14cm、又は少なくとも16cm、又は少なくとも18cm、又は少なくとも20cm、又は少なくとも25cm、又はそれ以上でさえある。従って、環状空間の内側パイプと外側パイプの壁の間の距離は、例えば1.0-2.0cm又は2.0-3.0cmの間、又は3.0-4.0cmの間、又は4.0-5.0cmの間又はそれ以上でさえある。
【0038】
最も典型的には、内側及び外側パイプの壁材の厚みは一定である。例えば、内側パイプの壁厚は、0.2-2.0cmの間、及びより典型的には約0.2-0.5cmの間、又は0.5-0.75cmの間、0.75-1.0cmの間、及びさらに典型的には、1.0-1.5cmの間、又は1.5-2.0cmの間、又はより厚くさえあってよい。外側パイプは加熱された作動流体の圧力により少なく曝されるので、壁厚は一般的に内側パイプより薄い。従って、外側パイプの典型的な壁厚は約0.1-1.5cmの間、及びより典型的には約0.1-0.25cmの間、又は0.25-0.40cmの間、又は0.40-0.65cmの間、及びより典型的には0.5-0.8cmの間、又は0.65-1.0cmの間、又はより厚くさえあってよい。
【0039】
容易に分かるように、内側及び外側パイプの材料は好ましくは地熱ハーベスティングにおける顕著な温度及び圧力に耐えるように選ばれる。内側及び外側パイプの材料は、非常に異なっていてよく、及び、材料の適切な選択は、意図された目的の観点から当業者には自明であろう。例えば、適切な材料は種々の金属及び合金、ポリマー及びこれらの合理的な組み合わせの全てを包含する。しかし、及び特に内側パイプが上昇された圧力温度で液及び/又は気相の動作流体を運ぶとき、内側及び外側パイプの材料が鉄、及び特に鋼(例えば、軟炭素鋼又はその合金)であることが好ましい。他のパラメータのうち、材料は内側及び外側パイプ内の動作流体の圧力は、少なくとも500psig、又は少なくとも1,000psig、又は少なくとも1,500psig、又は少なくとも2,000psig、又は少なくとも2,500psig又は少なくとも3,000psig又は少なくとも4,000psig,又は少なくとも5,000psig,及びより高くさえあってよい。同様に、材料は管状パイプ内の動作流体が少なくとも30℃、又は少なくとも50℃、又は少なくとも80℃、又は少なくとも100℃、又は少なくとも150℃、又は少なくとも200℃、又は少なくとも250℃、又は少なくとも300℃、又は少なくとも350℃、又は少なくとも400℃、又はそれより高い温度さえ有してよい。
【0040】
これに関連して、及び特に地熱用途においてパイプ‐イン‐パイプシステムが使用されるとき、仕上げられ及び配置されたパイプ‐イン‐パイプシステムは少なくとも500メートル、又は少なくとも1,000メート、又は少なくとも2,000メートル又は少なくとも3,000メートル、又は少なくとも4,000メートル、又は少なくとも5,000メートル、又は少なくとも6,000メートル、又はより長くさえあってよい。従って、鋼パイプが特に好ましく、及び特により高いグレードの鋼で比較的高い引張強度及びを有するものが好ましい。例えば、好適な鋼はP110 グレードの鋼材及び類似の物理的特性を有するものを包含する。容易に分かるように、溶接は使用される材料について広く知られているプロトコルに従う。
【0041】
ここに提示されるシステム及び方法で使用されるリングに関して、リングはいくつかの重要な機能を行うことが理解されるべきである。とりわけ、リングは内側と外側パイプの間の熱伝導(及びそれに伴う熱損失)を顕著に減じること及びリングがそれに沿って実質的な曲げ力を伝える機構を提供することが理解されるべきである。その為に、リングの材料は好ましくは優れた溶接可能性及び耐腐食性を有しながら顕著な強度、靭性を有する中炭素低合金鋼であることが企図される。例えば、好適なリング材料は4130及び4140鋼である。
【0042】
さらなる実施態様において、リングが一旦内側及び外側パイプへと溶接されると、接続スリーブへの主たる支持体として機能すること、及び、リングが一旦内側及び外側パイプ及びスリーブへと溶接されると、曲げ力の伝達を可能とすることが企図される。従って、リングはこれらの機能を受容するために最小サイズを有しなければならない。しかし、これらの内側パイプへの結合によって、リングは熱が内側から外側パイプへとリングを通ることで、限定された熱伝導も提供する。従って、リングの所定の厚みは、全体的熱伝導に貢献する。何故なら、熱い内側流体から冷たい外側流体へと直接的な熱伝導経路があり、及び、その機械的な機能を維持しながら内側流路への接触表面を最小にすることが一般的に好ましいからである。よって、内側及び外側パイプのサイズに依存して、少なくとも或る割合で、リングの大きさは変わり得る。
【0043】
例えば、好適なリングは、1.0-1.5cmの間、又は1.5-2.0cmの間、又は2.5-3.0cmの間、又は3.0-3.5cmの間、又は3.5-4.0の間、又は4.0-4.5cmの間、又は4.5-5.0cmの間、及びより厚い厚みを有してよい。同様に、及び内側及び外側パイプのサイズに依存して、リングは半径方向の厚み(即ち、半径方向に測定した内側縁から外側縁までの幅)は2-4cmの間、又は4-6cmの間、又は6-8cmの間、又は8-10cmの間、又は10-12cmの間、又は12-15cmの間、又はより厚くさえあってよい。最も典型的には、単一のパイプ‐イン‐パイプセグメントのリングは同じ寸法を有するが、異なる寸法もここでの用途に好適であることが認められるべきである。さらに、例えば図1に示すように、パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は少なくとも2つのリングを有し、各リングは外側パイプの各端部に置かれることが好ましい。企図されるパイプ‐イン‐パイプシステムに2以上のリングが配置されるとき、リングが等間隔で配置されることが好ましい。同様に、内側パイプと外側パイプの距離がリングの半径方向の幅と同じであることが典型的に好ましい。より好ましい側面において、外側パイプから内側パイプへの曲げ力の伝達を可能とし、及び内側と外側管の間の環状空間の局部的減少を最小もしくは完全になくするために、リングの間隔は十分に小さい。このようにして、リングは内側及び外側パイプ間の断熱材料の保護手段としても寄与する。というのは、外側パイプと内側パイプの間の断熱材料の中程度の圧縮でさえ断熱能力(及びそれに伴う熱効率)の損失になり得るからである。さらに企図される側面において、リングはリングを通って垂直に伸びる孔を有して、安定性を維持するが熱伝導経路を減じてもよい。加えて、パイプの形状/プロファイルは改変されてよく、例えば、外側パイプの壁厚が増加されて、圧縮に対する機能を改良してもよいことが企図される。
【0044】
企図されるスリーブは典型的には、スリーブが一旦設置されると、溶接継手及び継手断熱材料を覆い、それによって内側及び外側パイプの間の断熱層を完成するような寸法及び大きさ(ディメンジョン)にされる。もちろん、及び既に上で述べたように、スリーブは外側パイプを互いに機械的に結合し、及びスリーブはリングに機械的に結合される。実装を容易にするために、スリーブは典型的には、長手方向溶接部に沿った支持バーと共に、ハーフパイプ(又はより小さい部分)から成る。従って、一旦、設置されると、スリーブの外表面は、外側パイプの外側表面と連続である。異なる観点から観ると、スリーブは内側パイプ、リング、及び外側パイプの間の環状空間を封鎖し、減じられた熱損失及び増大された機械的強度を有する連続したパイプ‐イン‐パイプシステムを形成する。
【0045】
溶接継手及び環状空間のための好適な断熱材料に関して、全ての断熱材料がここでの使用に適切であるとされることが企図され、断熱発泡体、エアロゲル、鉱物/ガラスファイバーマット等が包含される。容易に理解されるように、断熱材料はパイプ‐イン‐パイプセグメント中の環状空間中及び溶接継手上の空間の材料間で同一である必要は無い。例えば、環状空間の断熱材料は、ハーフパイプ発泡体インセットとして予備成形及び寸法決めされていてよい一方、継手断熱材料はテープ又はブランケットから溶接継手の周囲に巻かれてもよい。
【0046】
容易に理解できるように、このような配置が地熱プラントで使用される場合、管状ケーシングは地層(ジオロジカルフォーメーション)から動作流体への熱伝導に曝される。これに関して、ここで使用される用語「地熱」は、産業動力及び熱生成のために抽出できる、しばしば非常に深い所の、高温の岩に見いだされる熱源であることが注目される。最も典型的には、熱源は、流体の付随的な抽出(例えば地層からの塩水(部ライン)や処理された注入水など)無く熱が抽出され得る「乾いた」源である。例えば、管状パイプ及びケーシングは動作流体が循環する閉鎖ループシステムの一部であってよい。最も典型的には、そのような閉鎖システムは、米国特許8020382号に例示されているような熱交換器及びタービン及び発電機をさらに含んで電気エネルギーを生成し、引用によりその全体がここに組み込まれる。
【0047】
これに関して、閉鎖ループ地熱技術は、岩からの完全に閉鎖された環境内で循環する動作流体中への熱を収集する(ハーベスティング)事が理解されるべきである。最も典型的には、閉鎖ループ井戸は、熱伝導グラウトによって岩石に熱的に結合されたより大きなケーシングパイプ及び加熱された流体を表面に戻すための内側断熱管を含む。動作流体はケーシングと断熱戻り管の間の環状空間を通って流れ下り、ケーシング壁を通して岩石からの熱を得、次いで、断熱された戻りパイプを流れ上がり、発電を含む複数の目的へのエネルギーを供給する。最も好ましくは、地層は液体の動作流体(例えば水)を、トップ側に輸送され、膨張タービン内で膨張され及び冷却され、又は発電機の第二動作流体を加熱する熱交換機へと供給される、気体流体(蒸気)へと転換するのに十分な温度を有する。閉鎖ループ地熱システムの例は米国特許US 8201409及び米国特許公開US 2018/0274524に記載され、引用によりその全体がここに包含される。
【0048】
結果として、本発明者らは、複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントが備えられ、及び所望により後の使用のために保存されている、地熱回収プラントにおいて断熱戻し管を設置する方法も企図する。各セグメントは内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び各パイプ‐イン‐パイプセグメントは外側パイプと内側パイプの間の環状空間に断熱材料を有する。熱井戸への設置時に、パイプ‐イン‐パイプセグメントは互いに連続的に端部が端部へ(エンド‐ツー‐エンド様に)溶接され、(1)内側パイプの各端部は互いに溶接される;(2)外側パイプの各端部はパイプセグメントの内側パイプ上の各リングに溶接される(又は事前に溶接されている);(3)スリーブセグメントはパイプセグメントのリングの間に置かれ及びリングに溶接され、及びさらに外側パイプの各端部に溶接されて、それによって溶接されて接続された内側パイプを取り囲む連続的外側パイプを形成するように、水平方向に在る。このようにして繋がれたパイプ‐イン‐パイプセグメントは、次いで、水平方向から垂直方向へと地層内への坑井へと(典型的にはテンショナーを用いて)進められる。容易に理解されるように、このようにして接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントは曲げデバイスの中を通過して、接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが再方向付けされ、及び、矯正デバイスの中を通過して接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが垂直向きとなるように曲げが反転される。もちろん、接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントは、必ずしも水平向きでなくてもよいが、組立て体(アセンブリ)において、いくらかの角度付けも実施できることが認められるべきである。同様に、井戸が完全に垂直でない場合、他の角度も企図される。さらに、井戸はある深さで湾曲していてもよく、接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントによって、機械的欠陥無く、曲げが受容されることが可能である。さらに企図される側面は、ケーシング内への断熱パイプ‐イン‐パイプシステムの設置は、1以上のグライダーピースの付加によって、より容易されてよく、特に企図されるグライダーは国際出願PCT/US2022/025717に記載され、引用によりここに包含される。
【0049】
このように、地層内のケーシングを含む地熱回収発電所も企図され、ケーシングは複数の直列に接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各々が内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及びパイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は外側パイプと内側パイプの間の環状空間に断熱材料を有するものを含む、パイプ‐イン‐パイプシステムを取り囲む。最も典型的には、パイプ‐イン‐パイプセグメントは上述のように接続され、ケーシングとパイプ‐イン‐パイプシステムが、次いで互いに及び熱交換器に流動的に接続され、熱回収及び発電のための閉鎖ループ動作流体回路が形成される。
【0050】
いくつかの実施態様において、発明の或る実施態様を記載及び請求するのに使用される成分の量、濃度等の特性、反応条件等を表す数値は、いくつかの場合において、用語「約」によってある程度修飾されることが理解される。従って、いくつかの実施態様において、明細書及び添付の請求の範囲に記載の数値パラメータは、特定の実施態様によって得ようとする所望の特性に依存して変わり得る近似である。ここでの数値範囲の規定は、その範囲内の各別々の値を個別に言及する簡易な方法として役立つことが単に意図されているに過ぎない。特に断りのない限り、各個別の値が、個別に列挙されたかのように本明細書に組み込まれる。
【0051】
ここに記載される全ての方法は、断りの無い限り又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順で実施することができる。ここの或る実施態様に関し、任意の及び全ての例の使用、又は例示表現(「例えば」等)は、単に、発明をよりよく明らかにし及び断りの無い限り、発明の範囲を制限しないことが意図される。明細書中のいかなる表現も発明の実施に必要な、クレームされていないものを示していると見做されるべきではない。
【0052】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して使用されるように、「a」「an」「the」は、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、複数の参照を含む。また、本明細書の説明において使用されるように、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、「in」は「in」及び「on」を含む。ここで使用されるように、及び文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、用語「に結合され」は直接結合(2つの要素が互いに結合されている)および間接結合(少なくとも1つの追加要素が2つの要素の間に配置される)を含むことを意図している。従って、「に結合された」および「と結合された」という用語は、同義的に使用される。
【0053】
本明細書の発明概念から逸脱することなく、既に説明したもの以外の多くの変形が可能であることは当業者には明らかである。本発明の主題は、従って、特許請求の範囲を除いて制限されない。さらに、本明細書と特許請求の範囲の両方の解釈において、すべての用語は、文脈と一致する最も広い可能な様式で解釈されるべきである。特に、用語「含む」及び「含んでいる」は要素、成分、又は工程を非排他的に参照すると解釈されるべきであり、参照された要素、成分、又は工程が存在し、又は使用され、又は明示的に参照されていない他の要素、成分、又は工程と組み合わされ得ることを示す。本明細書又は特許請求の範囲がA、B、C・・・及びNからなる群から選択される少なくとも1つを指すとき、A+N又はB+Nなどではなく、群から1つの要素のみを必要とすると解釈されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ‐イン‐パイプシステムにおける断熱継手であって、
第一パイプ‐イン‐パイプセグメント及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各パイプ‐イン‐パイプセグメントは内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び各パイプ‐イン‐パイプセグメントは該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に断熱材料を有する、第一パイプ‐イン‐パイプセグメント及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント;
ここで、各パイプ‐イン‐パイプセグメントは該外側及び該内側パイプの間にリングを有し、そこで該外側パイプが終端し、及びそこへ該外側パイプが結合され、及びそこへ該内側パイプが結合され及びそれを超えて該内側パイプが伸び;
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプの各端部間の溶接継手;
長手方向の溶接を介して互いに結合されてスリープセグメントを形成する第一及び第二ハーフ‐パイプスリーブ;
ここで、該スリーブセグメントは該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該リングに溶接されて(a)該リングの該溶接部は該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該スリーブを介して結合し、及び(b)該リングの該溶接部は該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該リングを介して該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの夫々の内側パイプに結合して曲げ及び矯正力を該外側から該内側パイプへと伝達するのを可能とし
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該リングの間及び該溶接継手と該スリープの間の継手断熱物質;
を含む、パイプ‐イン‐パイプシステムにおける断熱継手。
【請求項2】
該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有する、請求項1の断熱継手。
【請求項3】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプが約10-20cmの直径を有し、該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが約15-25cmの直径を有し、及び該スリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する、請求項1の断熱継手。
【請求項4】
該リングが約 3-10cmの半径方向の幅及び約2-5cmの厚みを有する、請求項の断熱継手。
【請求項5】
該内側パイプと該外側パイプの間の距離が、該リングの半径方向の幅に等しい、請求項1の断熱継手。
【請求項6】
該リングが該第一及び該第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々の該内側パイプに溶接される、請求項1の断熱継手。
【請求項7】
該第一及び/又は第二ハーフ‐パイプスリーブが該長手方向の溶接部に沿って支持バーを含む、請求項1の断熱継手。
【請求項8】
該スリーブセグメント及び該第一及び該第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが同じ外径を有する、請求項1の断熱継手。
【請求項9】
該継手断熱材が該溶接継手の周囲に巻かれる、請求項1の断熱継手。
【請求項10】
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの該溶接部、該リング、及び該スリーブセグメントがパイプの曲げ及び矯正を含むパイプ敷設プロセスのために十分な強度を有する、請求項1の断熱継手。
【請求項11】
第一パイプ‐イン‐パイプセグメントを第二パイプ‐イン‐パイプセグメントに接続する方法であって、該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は、外側パイプを超えて伸びる内側パイプを取り囲む該外側パイプを有し、及び該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に絶縁材を有し:
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプの各端部の間に溶接継手を形成する;
該溶接継手を継手断熱材で覆う;
第一及び第二ハーフパイプスリーブを一緒に長手方向溶接部を介して溶接し、該溶接継手の上側にスリーブセグメントを形成する;及び
該スリーブセグメントを該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント上の各リングの上に溶接して、a)該リングの溶接部が、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該スリーブを介して接続し、及び(b)該リングの溶接部が、第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプを、該リングを介して第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの内側パイプに接続して曲げ及び矯正力を該外側から該内側パイプへと伝達するのを可能とする
ことを含む方法。
【請求項12】
該溶接継手が該溶接継手の周囲に該継手絶縁材料を巻くことによって覆われる、請求項11の方法。
【請求項13】
第一及び第二ハーフパイプスリーブが該長手方向溶接部に沿って支持バーを含む、請求項11の方法。
【請求項14】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメント上の該各リングが該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプに溶接される、請求項11の方法。
【請求項15】
該スリーブセグメント及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが同じ外径を有する、請求項11の方法。
【請求項16】
該スリーブセグメント及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが該各リングの共通溶接部を共用する、請求項11の方法。
【請求項17】
少なくとも20のパイプ‐イン‐パイプセグメントが直列に接続される、請求項11の方法。
【請求項18】
該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有し、及び該スリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する、請求項11の方法。
【請求項19】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプが約 10-20cmの直径を有し、及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが約15-25cmの直径を有する、請求項11の方法。
【請求項20】
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントの該溶接部、該リング、及び該スリーブセグメントがパイプの曲げ及び矯正を含むパイプ敷設プロセスのために十分な強度を有する、請求項11の方法。
【請求項21】
地熱回収プラントに断熱戻し管を設置する方法であって、
複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各々は内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は断熱材料を該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に有する、複数のパイプ‐イン‐パイプセグメントを供する;
該パイプ‐イン‐パイプセグメントを、
(1)該内側パイプの各端部が互いに溶接される;
(2)該外側パイプの各端部が該パイプセグメントの該内側パイプ上の各リングに溶接される;
(3)スリーブセグメントが該パイプセグメントの該リングの間に置かれ、該リングに溶接され、及びさらに該外側パイプの該各端部に溶接され、それによって、該内側パイプを接続する溶接部を取り囲む連続した外側パイプを形成して該外側から該内側パイプへの曲げ及び矯正力の伝達を可能にする
ように互いに水平方向に溶接する;及び
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントを曲げデバイス及び矯正デバイスを使用して水平方向から垂直方向へと地層内への坑井へと進める;
ことを含む方法。
【請求項22】
該パイプ‐イン‐パイプセグメントの各々は約10-20mの長さを有する、請求項21の方法。
【請求項23】
該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該内側パイプが約 10-20cmの直径を有し、及び該第一及び第二パイプ‐イン‐パイプセグメントの該外側パイプが約15-25cmの直径を有し、及び該スリーブセグメントが約20-50cmの長さを有する、請求項21の方法。
【請求項24】
該リングが約 3-10cmの半径方向の幅及び約2-5cmの厚みを有する、請求項21の方法。
【請求項25】
該接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが該地層中のケーシング内へと進められる、請求項21の方法。
【請求項26】
該地層が少なくとも500mの深さに在る、請求項21の方法。
【請求項27】
該溶接されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが該外側パイプの座屈を除去する、請求項21の方法。
【請求項28】
該リングが該環状空間の減少により該環状空間内の該断熱材の圧縮を防ぐ距離で間隔を空けて離して配置される、請求項21の方法。
【請求項29】
該パイプ‐イン‐パイプセグメント内の各々の該内側パイプが少なくとも2,000psiの圧力及び少なく200℃の温度の流体を運ぶのに十分な強度を有する、請求項21の方法。
【請求項30】
地熱回収プラントであって、
地層内のケーシングであって、該ケーシングは、複数の直列に接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントであって、各々が内側パイプを取り囲む外側パイプを有し、及び各々が該外側パイプと該内側パイプの間の環状空間に断熱材を有する、パイプ‐イン‐パイプシステムを取り囲む、地層内のケーシング;
該パイプ‐イン‐パイプセグメントは、
(1)該内側パイプの各端部が互いに溶接される;
(2)該外側パイプの各端部が該パイプセグメントの該内側パイプ上の各リングに溶接される;
(3)スリーブセグメントが該パイプセグメントの該リングの間に置かれ、該リングに溶接され、及び該外側パイプの該各端部にさらに溶接され、それによって該内側パイプを接続する溶接部を取り囲む連続する外側パイプを形成し、及び曲げ及び矯正力を該外側パイプから該内側パイプへと伝達することを可能とする
ように互いに結合されている、
を含み、及び
該ケーシングと該パイプ‐イン‐パイプシステム及び熱交換器が流動的に結合され、熱回収及び発電のための閉鎖ループ動作流体回路を形成する、地熱回収プラント。
【請求項31】
該地層が少なくとも500mの深さに在る、請求項30のプラント。
【請求項32】
該地層が少なくとも200℃の温度を有する、請求項30のプラント。
【請求項33】
該直列に接続されたパイプ‐イン‐パイプセグメントが少なくとも1,000mの長さを有する、請求項30のプラント。
【請求項34】
該閉鎖ループ動作流体回路が発電機に熱的に結合される、請求項30のプラント。
【請求項35】
複数の直列に接続された請求項1のパイプ‐イン‐パイプセグメントを含むパイプアセンブリ。
【請求項36】
請求項35の該パイプアセンブリを含む地熱プラント。
【国際調査報告】