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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】開創器用カメラシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20240801BHJP
   A61B 90/00 20160101ALI20240801BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61B17/02
A61B90/00
A61B10/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506853
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 US2022039201
(87)【国際公開番号】W WO2023014734
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/444,328
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524044865
【氏名又は名称】ヴィゼオン,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VISEON,INC.
【住所又は居所原語表記】13700 Alton Parkway,Suite 167,Irvine,CA 92618,USA
(74)【代理人】
【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100205730
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 重輝
(74)【代理人】
【識別番号】100213551
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 智貴
(72)【発明者】
【氏名】マッキンタイア トッド ディー
(72)【発明者】
【氏名】ファム アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】チヒット ラヴァット
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス ピーター ジー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160AA02
4C160AA04
(57)【要約】
開創器と共に使用するためのカメラシステムである。このシステムは、カメラ組立体の全体が開創器システムの近位端に配置されるように、ブレードの近位端などの開創器システムの近位端に取り付けるように構成されたカメラ組立体を含み、最遠位光学素子が開創器によって確立された作業チャネルから張り出すように配置されてもよく、反射素子と反射素子のための回転可能なマウントを含み、カメラ組立体の視軸は、カメラ組立体全体の位置を変更することなく、変更されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体内の外科標的部位にアクセスするためのカメラ及び開創器システムであって、前記カメラ及び開創器システムは、
患者の身体内の外科標的部位にアクセスするための開創器システムの前記開創器要素によって画定された外科作業チャネルを形成するために、身体組織を開いておくように動作可能な少なくとも1つの開創器要素を含む開創器システムと、
前記外科作業チャネルの近位端で前記開創器システムに固定されたカメラ組立体であって、前記カメラ組立体の一部が、前記外科作業チャネルから張り出し、カニューレ管の前記外科作業チャネルによって画定された空間内に延在する、カメラ組立体と、
前記カメラ組立体は、視軸を特徴とし、イメージセンサ軸を有するイメージセンサと、前記外科作業チャネルからの光を前記イメージセンサに反射するように位置決めされた第1の反射素子とを備え、
前記カメラ組立体は、前記カメラ組立体内に配置され、前記第1の反射素子を回転させて前記外科作業チャネルからの画像を前記イメージセンサに向けるように構成された回転可能な反射素子マウントをさらに備える、
カメラ及び開創器システム。
【請求項2】
前記イメージセンサと前記反射素子との間に配置された回転可能な反射素子マウントであって、前記イメージセンサと前記第1の反射素子との間に配置された光学的に透過性のある部分を備え、前記第1の反射素子が前記回転可能な反射素子マウントに固定されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項3】
前記回転可能な反射素子マウントが、前記反射素子と前記外科作業チャネルとの間に配置された第2の光学的に透過性のある部分を備える、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項4】
前記回転可能な反射素子マウントが、視軸と一直線になった第1のボアセグメント及び前記イメージセンサ軸と一直線になった第2のボアセグメントとを有する、切頭の球状体からなる、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項5】
光学的に透過性のある部分が、前記回転可能な反射素子マウントを通過するボアからなる、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項6】
前記回転可能な開創器マウントが、前記カメラ組立体の外部からアクセス可能なソケットを含み、ユーザが前記回転可能な反射素子マウントを操作するための要素を受け入れるように構成されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項7】
前記回転可能な反射素子マウントに固定された支柱が、前記回転可能な反射素子マウントから延び、前記回転可能な反射素子マウントを回転させ、それにより、前記視軸が前記外科作業チャネル内で変更され得る、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項8】
前記カメラ組立体が最遠位光学面を有し、前記最遠位光学面が前記開創器要素の近位端に近接して配置される、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項9】
前記開創器システムが、長手軸、近位端及び遠位端を有する管からなる管状開創器を備え、前記遠位端が、患者の体内に挿入されるように構成され、前記管が、前記外科作業チャネルを構成する内腔を有し、前記カメラ組立体が、前記管の近位端に回転不能に固定され、前記視軸が、前記管の前記遠位端に向けられ、前記回転可能な反射素子マウントが、前記管の前記長手軸に対する視野角の角度を変更するように動作可能である、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項10】
前記管状開創器が、複数の部分管ブレードを有する分割管開創器からなり、前記カメラ組立体が部分管ブレードの1つに固定されている、請求項7に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項11】
前記開創器が単一ブレードからなり、前記カメラ組立体が前記単一ブレードの前記近位端に固定されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項12】
前記カメラ組立体が、前記開創器要素上の取付機構を介して前記開創器要素に固定されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項13】
前記開創器システムは、複数のブレードからなるマカロック開創器を備え、前記ブレードは、前記ブレードの近位端に対応する近位端及び前記ブレードの遠位端に対応する遠位端を有する前記作業チャネルを画定し、前記遠位端は、患者の体内に前記作業チャネルを確立するために患者の体内に挿入するように構成され、前記作業チャネルは、前記ブレードの遠位端近傍の手術部位から前記ブレードの近位端の開口部まで延びる長手方向軸を有し、前記ブレードは、フレームに固定され、
前記カメラ組立体は、前記視軸が前記作業チャネルの遠位端に向けられるように、前記ブレードまたは前記フレームの一方の近位端に固定され、前記支柱は、前記作業チャネルの前記長手軸に対する視野角の角度を変更するために前記回転可能な反射素子マウントを回転させるように操作可能である、
請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項14】
前記カメラ組立体を前記開創器要素に取り外し可能に取り付けるための取り外し可能取付手段をさらに含む、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項15】
前記第1の反射素子は、第1の反射素子反射軸によって特徴付けられ、前記イメージセンサは、前記反射素子反射軸からオフセットされたイメージセンサ軸によって特徴付けられ、前記システムは、
前記反射素子反射軸からオフセットされた前記イメージセンサ軸に沿って前記第1の反射素子からの光をリダイレクトするように動作可能な第2の反射素子、
をさらに備える、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項16】
前記イメージセンサが、前記反射素子の前記視軸、及び/又は前記カメラ組立体の中心視軸に平行であるが、前記反射素子の前記視軸からオフセットされたイメージセンサ軸を有するように配置され、前記システムが、
前記第2の反射素子からの光を前記イメージセンサに向けてリダイレクトするように動作可能な第3の反射素子、
をさらに備える、請求項14に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項17】
第1の開創器要素を備える第1の開創器システムと共に使用するためのカメラ組立てキットであって、
前記第1の開創器要素は、外科作業チャネルを形成するために患者の体内に挿入するように構成された遠位端を有し、前記第1の開創器システムは、第1の固定機構を備え、
第2の開創器要素を備える第2の開創器システムであって、前記第2の開創器要素は、外科作業チャネルを形成するために患者の体内に挿入するように構成された遠位端を有し、前記第2の開創器システムは、第2の固定機構を備え、
前記カメラ組立体キットは、
視軸を特徴とし、イメージセンサ軸を有するイメージセンサと、前記作業チャネルからの光を、前記イメージセンサまで反射するように位置決めされた第1の反射素子と、を備えるカメラ組立体と、
前記カメラ組立体内に配置され、前記第1の反射素子を回転させて前記視軸からの画像を前記イメージセンサに向けるように構成された回転可能な反射素子マウントと、
前記カメラ組立体を第1の固定機構に固定するように構成された第1のカメラ-開創器取付手段と、
少なくとも、前記カメラ組立体を第2の固定機構に固定するように構成された第2のカメラ-開創器取付手段と、
を備え、ここで、
前記カメラ組立体は、前記カメラ組立体を両方のカメラ-開創器取付手段に接続するためのコネクタ手段の第1の構成要素からなり、
各カメラ-開創器装置取付手段は、前記カメラ組立体を両方のカメラ-開創器装置取付手段に接続するためのコネクタ手段の第2の構成要素からなり、前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素と嵌合するように構成されている、
カメラ組立てキット。
【請求項18】
前記回転可能な反射素子マウントは、前記イメージセンサと前記第1の反射素子との間に配置され、第1の光学的に透過性のある部分は、前記イメージセンサと前記第1の反射素子との間に配置され、前記第1の反射素子は、前記回転可能な反射素子マウントに固定されている、請求項17に記載のカメラ組立体キット。
【請求項19】
前記回転可能な反射素子マウントは、前記反射素子と前記外科作業チャネルとの間に配置された第2の光学的に透過性のある部分を備える、請求項17または請求項18に記載のカメラ組立体キット。
【請求項20】
前記回転可能な反射素子マウントが、視軸と一直線になった第1のボアセグメント及び前記イメージセンサ軸と一直線になった第2のボアセグメントとを有する切頭の球状体からなる、請求項17から請求項19のいずれかに記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項21】
前記第1の光学的に透過性のある部分は、前記回転可能な反射素子マウントを貫通するボアからなる、請求項18に従属する場合、請求項19に記載のカメラ組立体キット。
【請求項22】
前記回転可能な反射素子マウントが、前記カメラ組立体の外側からアクセス可能なソケットを含み、ユーザが前記回転可能な反射素子マウントを操作するための要素を受け入れるように構成されている、請求項17から請求項21のいずれかに記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項23】
前記回転可能な反射素子マウントに固定された支柱が、前記回転可能な開創器マウントから延び、前記回転可能な開創器マウントを回転させるためのものであり、それにより、前記視軸が前記作業チャネル内で変更され得る、請求項17から請求項22のいずれかに記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項24】
前記第1の反射素子は、第1の反射素子反射軸によって特徴付けられ、前記イメージセンサは、前記反射素子反射軸からオフセットされたイメージセンサ軸によって特徴付けられ、前記システムは、
前記反射素子反射軸からオフセットされた前記イメージセンサ軸に沿って前記第1の反射素子からの光をリダイレクトするように動作可能な第2の反射素子、
をさらに備える、先行する請求項のいずれかに記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項25】
前記イメージセンサが、前記反射素子の前記視軸、及び/又は前記カメラ組立体の中心視軸に平行であるが、前記反射素子の前記視軸からオフセットされたイメージセンサ軸を有するように配置され、前記システムが、
前記第2の反射素子からの光を前記イメージセンサに向けてリダイレクトするように動作可能な第3の反射要素、
をさらに備える、請求項15に記載のカメラ及び開創器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明する発明は、低侵襲手術の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
開創器の構成部品にカメラを取り付けた開創器は、脊椎手術や腹部手術を含む様々な手術に使用されてきた。テーザー(Tesar)、米国特許番号第9,492,065号(2016年11月15日)には、開創器の円形フレーム、またはブレードにカメラを取り付けた腹部手術用開創器が開示されている。チヒット(Chhit)、米国出願公開第20200261071号(2020年8月20日)には、開創器フレームまたは開創器ブレードに取り付けられたカメラ組立体を備えた脊椎手術用開創器が開示されている。これらのシステムの各々において、カメラ組立体全体は、開創器ブレードの遠位端における術野の異なる領域にカメラを向けるために、開創器システムに対して相対的に回転させることができる。カメラ組立体は、開創器に対して相対的に回転可能であるため、外科医が開創器によって確立された作業チャネルに手術器具を出し入れする際に、偶発的な衝撃を受け、カメラ組立体の視軸が変更されることもある。
【発明の概要】
【0003】
以下に説明する装置及び方法は、開創器で開いた状態に保持された外科作業空間の改善された視覚化を提供する。ブレードの近位端、開創器フレーム、またはカニューレ管の近位縁などの開創器システムの近位端に取り付けるように構成されたカメラ組立体であって、好ましい実施形態では、カメラ組立体の全体が開創器システムの近位端に配置されるように、カニューレシステムの近位端に配置される最遠位光学面を含む。カメラ組立体における最遠位光学素子は、開創器システムの近位端に配置されてもよく、開創器要素(ブレードまたはカニューレ管)の近位端の近位に配置されてもよく、最遠位光学素子が開創器によって確立された作業チャネルから張り出すように配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】開創器システムとカメラ組立体の典型的な配置を示す患者の冠状横断面であり、回転可能なミラーは、カメラ組立体の視野角を開創器ブレードの遠位端における外科作業空間の異なる領域に向けるために使用されてもよい。
図2】カメラ組立体の視軸を調整するように構成されたカメラ組立体を示す。
図3】カメラ組立体の視軸を調整するように構成されたカメラ組立体を示す。
図4】カメラ組立体の視軸を調整するように構成されたカメラ組立体を示す。
図5】カメラ組立体の視軸を調整するように構成されたカメラ組立体を示す。
図6】カメラ組立体の視軸を調節するように構成されたカメラ組立体を示す。
図7】カメラ組立体の実施形態の分解図である。
図8図6によるカメラ組立体の分解図である。
図9図2図3及び図7のカメラ組立体が使用され得る典型的な開創器を示す。
図10図2図3及び図7のカメラ組立体が使用され得る典型的な開創器を示す。
図11図2図3及び図7のカメラ組立体が使用され得る典型的な開創器を示す。
図12図9図10及び図11の開創器ブレードと共に使用するのに適した取付け構造を有するカメラ組立体を示す。
図13図2図3及び図7のカメラ組立体と組み合わせたマカロック(McCulloch)開創器を示す。
図14図2図3及び図7のカメラ組立体と組み合わせたマカロック(McCulloch)開創器を示す。
図15図2図3及び図7のカメラ組立体と組み合わせたマカロック(McCulloch)開創器を示す。
【0005】
発明の詳細な説明
図1は、患者1の冠状横断面であり、腰部及び腰椎のレベルで正中部を通って撮影され、回転可能なミラーが開創器ブレードの遠位端でカメラ組立体の視野角を外科作業空間の異なる領域に向けるために使用され得る、開創器システム及びカメラ組立体の典型的な配置を示す。図1に示す解剖学的構造には、椎骨2、椎間板3、薄板4及び棘突起5、ならびに隣接する椎骨への関節接合部6が含まれ、これらの各々は、様々な状態を治療するためには外科的な処置が必要になるかもしれない。
【0006】
これらの構造のいずれかにアクセスするために、外科医は、いくつかの経路のいずれかに配置された開創器システム11を介して脊椎に接近してもよい。例えば、部分的椎弓切除術または椎弓切除術の場合、開創器要素は脊椎の後方に配置され、背中の切開部に挿入される。開創器要素が拡張可能なマルチブレード開創器であれば、外科医はブレードを分離して広い作業チャネルを作る。開創器がカニューレ開創器またはトロカールの場合、カニューレの内腔が作業チャネルとなる。作業チャネルは、外科医が外科空間に器具を挿入するために使用されるのと同じ経路を介して外科作業空間を見ることができるように、視野チャネルとしても機能する。
【0007】
より良好な視野を提供するために、カメラ組立体12は開創器要素の近位端に固定されてもよい。カメラ組立体は、拡張可能な開創器要素の開創器ブレードに、またはカニューレ開創器の管の近位端に、またはマルチブレード開創器のフレームに、またはシングルブレード開創器の近位端に、または他の開創器要素に固定されてもよい。特に拡張可能な開創器では、開創器が拡張してブレードが離れると作業チャネルの大きさが変わるため、カメラ組立体の視軸を調整するのに役立つ。カメラ組立体の撮像を向上させるために、LEDなどの照明を開創器に組み込むことができる。
【0008】
図2及び図3は、カメラ組立体全体を回転させることなく、またイメージセンサを移動させることなく、反射素子(反射ミラー)を回転させることによってカメラ組立体の視軸を調整するように構成されたカメラ組立体を示す。
図2に示すように、カメラ組立体12は、筐体の第1の端部に配置されたイメージセンサ14を有する筐体13と、レンズ組立体15と、回転可能な反射素子マウント16と、筐体の第2の端部で反射素子マウントに取り付けられた反射素子17とを備える。
回転可能な反射素子マウントは、イメージセンサと反射素子との間に配置され、イメージセンサの中心視軸18と交差する面(典型的には、イメージセンサの平坦面に対して垂直な面)においてミラーを傾斜させることができるように、筐体内に回転可能に配置される。
反射素子マウントは、反射素子とイメージセンサとの間に配置された要素から構成される場合、光学的に透過性であり、外科作業空間からの光線とミラーによって反射された光線とが、反射素子マウントを通過してレンズ15及びイメージセンサ14に到達するようになっている。
反射素子は、カメラ組立体の中心視軸19を確立し、回転可能な反射素子マウントは、ミラーを回転させるための手段を提供し、それにより、カメラ組立体全体を回転させる必要なく、開創器ブレードまたは開創器管の遠位端における外科作業空間の視野を提供するために、センサの撮像軸に対して視軸を変更する。
反射素子は、最遠位光学部品であってもよいが、最遠位光学部品として機能するレンズまたは他の光学部品で覆われていてもよく、好ましくは、カメラ組立体が開創器に固定されている場合、開創器ブレードによって確立された作業チャネルの近位端に、または開創器ブレードによって確立された作業チャネルの近位に、かつ開創器ブレードによって確立された作業チャネルから張り出して配置される。
【0009】
図2及び図3の回転可能な反射素子マウント16は、概ね球形の本体20(例えばボールヘッド)、または球形の一部からなる本体を備え、作業空間と反射素子との間の線22Wに沿って本体を通過する第1のセグメント21Aと、反射素子によってイメージセンサに向かって反射された光の線22R(反射素子反射軸)に沿って本体を通過する第2のセグメント21Bとを有するボア(穴)21を備えた、図示された形態で提供され得る。
ボアセグメントは、外科作業空間に最も近い開口部(対物開口部)及びイメージセンサに最も近い光路の開口部(視覚開口部)を含む光学的開口部を球状体20に形成する。
ボアは、開放された空のボアであってもよく、あるいは、光学的に透過性のある材料または透明な材料で充填されていてもよい。
球状体は、図示のように、対物開口部で平坦面を提供するために切頭であり、反射鏡反射軸に対して斜めに設定されたコードに沿って平坦面を確立するために切頭であることがある。この形状では、コードに沿った切頭な平坦面は、反射鏡の平坦面に対応し、球状体20が中立位置にあるとき、ボア第1セグメント21A及びボア第2セグメント21Bの両方の軸に対して45°の角度に設定される。この角度は、開創器上の他の構造との干渉を避けるために、様々な構成の開創器に対応するように変化してもよい。反射素子、または反射素子マウント/球状体における外科作業空間(対物開口部)に最も近い開口部、または開口部と共に配置される光学素子は、最遠位光学素子、または対物レンズに最も近い光学素子であってもよく、好ましくは、開創器素子の近位端の近位、または開創器素子によって画定される作業チャネルの近位に配置される。
【0010】
図4及び図5に示すように、回転可能な反射素子マウント16は、回転可能な反射素子マウントを真っ直ぐに通過する、真っ直ぐなボアで形成されてもよく、反射素子17は、作業空間から発せられた光を、筐体内の開口部を通って上方へ、真っ直ぐなボアを通してイメージセンサの領域に向けて光及び画像を反射するように、光路に沿って配置されてもよい。回転可能な反射素子マウント16は、カメラ組立体全体を回転させることなく、ミラーの回転を達成することができるように、筐体内に配置されたジンバルまたは単式ヒンジ等のミラーを回転させるための他の手段から構成されてもよい。
【0011】
図2から図5の実施形態では、回転可能な反射素子マウントは、イメージセンサと反射素子との間に配置され、回転可能な反射素子マウントの光学的に透過性のある部分がイメージセンサと反射素子との間に配置され、反射素子が回転可能な反射素子マウントに固定されている。回転可能な反射素子マウントの他の形態、例えばジンバルや単式ヒンジが使用される場合、回転可能な反射素子マウントは他の場所に配置されてもよく、回転可能な反射素子マウントとイメージセンサの間に反射素子が配置されてもよい。
【0012】
ボアは、画像をセンサにコリメートするために、絞り金具またはレンズで閉じられてもよい。絞り金具またはレンズは、ボアの視覚端部(イメージセンサに最も近い端部)またはボアの対物側端部(対物術野に最も近い端部)に固定されていてもよい。
【0013】
図6は、前の図の回転可能な反射素子である反射素子、回転可能な反射素子である反射素子マウント、レンズ及びイメージセンサを備えたカメラ組立体の実施形態を示し、カメラ組立体の他の適切な取付け機構の近くに障害となる機構を有する可能性のある開創器要素に対応するために、第1の反射素子である反射素子17からの光及び画像をリダイレクトし、第1の反射素子の反射軸からオフセットしたイメージセンサの配置を可能にするための第2の反射素子である追加の第2の反射素子(複数可)23の使用を示している。追加の反射素子を使用して、ボア軸または反射素子反射軸とは異なる軸に沿ってイメージセンサの撮像軸を一直線にさせ、光路を縮小してカメラ組立体のサイズを最小化し、様々な焦点距離を有するイメージセンサ/レンズの組み合わせを使用できるようにすることができる。例えば、第2の追加の反射素子23は、反射素子17からの光を、反射鏡反射軸と一直線上にはないが、反射鏡反射軸からオフセットされたイメージセンサに向ける。
第3の反射素子である反射素子は、第2の反射素子(反射素子)からの光を、反射素子の視軸、及び/又はカメラ組立体の中心視軸19に平行であるが、反射素子の視軸からオフセットされたイメージセンサ軸を有するイメージセンサに向けてリダイレクトするために使用することができる。第2のミラーは第1のミラーに対して回転可能に配置されてもよいし、第3のミラーは第2のミラーに対して回転可能に配置されてもよいので、イメージセンサの配置により柔軟性を持たせることができ、異なる構造の開創器や術野の上方の異なる障害物に対応することができる。
【0014】
図7は、回転可能なミラーを支持する様々なオプション部品を備えたカメラ組立体の実施形態を示す。反射素子マウント16は、ボア21を有する概ね球状体20(例えば、ボールヘッド)を備えた図示の形態で設けられていてもよい。球状体20は、少なくとも1つの平面(例えば、開創器ブレードまたは管の長手軸によって確立される平面内でのみ傾斜するように制限される)での回転を可能にする任意の方法でカメラ組立体内に取り付けられるが、好ましくは、任意の平面(イメージセンサ軸に対して左右に振る(パンする)、またはイメージセンサ軸に対して上下に角度調整可能にするため)において、外科作業空間から発せられる光及び画像をイメージセンサ14上にリダイレクトする。
【0015】
反射素子マウント16は、イメージセンサの撮像軸(イメージセンサ軸)に対して反射素子の視軸を変更するためにカメラ筐体と共に回転可能であれば、図示のように球形である必要はない。ボア21は、マウントを通して光透過性を提供する便利な方法であるが、ボアなしで固形透明(高透過性)球状体を使用してもよい。
【0016】
ミラーを回転させ、カメラ組立体を開創器要素に取り付けるための便利な手段を提供しながら、装置を組み立て、ミラー、ミラーマウント及びイメージセンサのアライメントを維持するための便利な手段として、図7に示す追加の構成要素を備えていてもよい。
図示されるように、反射素子マウント球状体20は、前部筐体構造26に設けられ、カメラ組立体内に延びる凹状支柱25の間に捕捉される。支柱は凹状の内面27を有し、凹状の輪郭は反射素子マウント球状体20の凸状の外輪郭と適合する。反射素子マウントベアリングリング28は、反射素子マウントを確実に捕捉するための安全装置として機能し、イメージセンサの軸に沿った反射素子マウントの並進を防止する。支柱29は、反射素子マウント球状体20から延びており、筐体内で反射素子マウント球状体20を操作して回転させ、ミラーに照準を合わせるための手段を提供する。支柱29は、外科医が直接操作できるように筐体から延びていてもよいし、全体が筐体の境界の内側に配置されるように(不用意に動かされないように)高さが制限されていてもよく、外科医が反射素子マウント球状体20を操作して回転させるために任意の適切なロッドを挿入することができるソケット30を備えていてもよい。支柱29は、好ましくは、球状体20が中立位置にあるときに直立するように球状体20上に配置され、その際、反射素子の平坦面は、第1ボアセグメント21A及び第2ボアセグメント21Bの両軸に対して角度をなして設定され、これにより、術野からの画像が、開創器ブレードと平行な視野チャネルに沿って、イメージセンサに導かれる。
【0017】
レンズ組立体15は、外部ネジ山32を有するレンズ組立体筐体31内に配置されてもよく、カメラ筐体の一部は、反射素子マウントを捕捉する支柱25の上に回転可能に配置されたフォーカスノブ33の形態で設けられていてもよい。フォーカスノブは、レンズ組立体筐体31の外部ネジ山に係合する内部ネジ山34を含み、フォーカスノブの回転がイメージセンサの撮像軸(イメージセンサ軸)に沿ってレンズ組立体の並進を引き起こすようになっている。(支柱はフォーカスノブを貫通してレンズ組立体筐体31のノッチ35に延び、レンズ組立体筐体の回転を防止する。追加の支柱36は、ベアリングリング28からレンズ組立体のノッチに延び、レンズ組立体を回転ロックし、及び/又はカメラ組立体内でベアリングリングを回転ロックすることができる。)筐体はキャップ37によって後端が閉じられている。カメラ組立体筐体を開創器に取り付けるための取り付け手段38は、カメラ組立体に便利な位置で固定され、使用される開創器上の受け部品にキー止めされた構成になっている。取り付け手段38は、この前部筐体に固定してもよいし、カメラ組立体の他の場所に固定してもよい。
【0018】
図8は、図6で説明したミラーと回転ボールの軸から角度をなして配置されたカメライメージセンサと、回転可能なミラーを支持する様々なオプション部品とを備えたカメラ組立体の実施形態を示す。この図には、反射素子17、反射素子マウント球状体16、20、イメージセンサ14、図7に示されるレンズ組立体筐体31内のレンズ組立体15が含まれる。
この構成のカメライメージセンサは、反射素子17、または反射素子マウント球状体16、20のボア21と一直線ではないが、カメラ組立体は、第1の反射素子17からの光をイメージセンサ14に反射するように位置決めされた、第1の反射素子17とイメージセンサ14との間の光路に追加の反射素子23を含む。
【0019】
図8に示される他の構成要素には、後端キャップ37、前部筐体26、及びカメラ-開創器取付手段38が含まれる。図12にも示すカメラ-開創器取付手段38は、図7と同様に、前部筐体に固定される。支柱29は、図7と同様に、筐体からはみ出さないように範囲が制限されている。ベアリングリング28は、図7と同様に、ベアリングリングと前部筐体との間に反射素子マウントを確実に捕捉するように構成されている。図8では、球状体を回転可能に支持するように構成された球状面を有するベアリングリングのポケットが見える。この構成では、図7の支柱25が省略され、前部筐体26の内側にある球状面付きポケットが、球状体をさらに内側から支持する。
【0020】
図8は、カメラセンサセンサ撮像軸が反射素子反射軸に対して垂直に設定された構成を示すが、カメラは、反射素子反射軸対カメラセンサ撮像軸の角度が異なるカメラ組立体と干渉する構造を含む可能性のある様々な構成の開創器へのカメラ組立体の配置に対応するために、カメラセンサ撮像軸が反射素子反射軸に対して様々な角度に設定されるように配置及び配向されてもよい。追加の反射素子23は、図示されているように、反射素子反射軸に対して45°の角度で固定されているが、第1反射素子17に対して回転可能に固定され、カメラセンサ撮像軸に対して回転不能に固定されていてもよい。ベアリングリング、追加反射素子、レンズ組立体及びレンズ組立体筐体及びイメージセンサは、図示されているように、カメラ組立体視軸及び作業チャネルに対して概ね垂直な平面内に配置されてもよく、あるいは、カメラ組立体視軸及び作業チャネルに対して平行であり、カメラ組立体視軸及び作業チャネルからオフセットされているなど、他の角度に設定されてもよい。
【0021】
図9図10及び図11は、図2図3及び図7のカメラ組立体が使用され得る典型的な開創器要素を示している。この開創器要素は、複数の部分管ブレードからなる。
図9は、3つのブレード41、42及び43を含むスプリット管開創器40の上面図を示し、2つのブレード41及び42はブレード支持アーム44に取り付けられ、1つのブレード43は並進部材45に取り付けられている。ブレード43(中央のブレード)は並進部材に固定され、並進部材はラック及びピニオンの配置(並進部材に固定されたラック47及びノブ49を介して回転可能なピニオン48)を介して開創器の水平長手軸46に沿って並進可能である。2つのブレード41及び42は、ブレードによって画定される作業チャネルを拡大するために、ハンドル50の操作によって互いに近づいたり離れたりすることができる。同様の開創器要素が図10に斜視図で示されており、ブレードが図11に示されている。開創器要素には、手術中に開創器要素を所定の位置に固定する役割を果たすテーブルロックアームに固定されるように意図された、ラチェット式テーブルロック取付機構(1つまたは複数のロックジョイント)51が含まれる。カメラ組立体は、現存する開創器、開創器ブレード41、42、43のうちのいずれか1つの近位端、またはアーム44のうちのいずれか1つ上の既存のテーブルロック取付特徴部51を使用して、カメラ組立体を開創器に取り付けることができるように、歯が適合するネジ付き取付機構を有するように構成されていてもよい。
【0022】
図11は、図9及び図10に示す開創器要素の開創器ブレード41、42または43の斜視図であり、ブレードの内面(作業チャネルに面する面)を示す。内面は、ブレードの両側に長手方向の溝52を含んでいてもよいし、ブレードを走る単一の溝(典型的には、ライトを装備したスタイレット(ライトワンド)を収容するために設けられる)を含んでいてもよい。図9図10及び図11の開創器ブレードと共に使用するのに適した取付手段38が図12に示されている。ミラー取付け構造を収容するカメラ組立体部分は、取り外し可能または取り外し不可能に、消耗性クリップ53(好ましくは、拡張構成にバイアスされ、尖った先(tine)を溝52に嵌め込み、その後、カメラ組立体を所定位置に確実に保持するために溝内で拡張するように圧縮可能であり、弾性的に拡張可能であってもよく、またはバネにバイアスされていてもよい)に取り付けられる。
【0023】
これまでの図では、カメラ組立体をスプリット管開創器と共に使用する例を示した。カメラ組立体は、キャスパー(Caspar)ブレード開創器のようなシングルブレード開創器、または図13及び図14に示されているマカロック(McCulloch)開創器システムのような他のマルチブレード開創器システムと共に使用することができる。
マカロック開創器61は、作業チャネルを画定する複数の開創器ブレード62(この図では平らなブレード)からなる。平らなブレードは、ラチェット式フレーム部材63と、ボルトヘッド65からなる固定機構を備えたブレード支持アーム64とからなるフレームに固定されている。スプリット管開創器と同様に、ブレードは、ブレードの近位端に対応する近位端と、ブレードの遠位端に対応する遠位端とを有する作業チャネルを確立し、各ブレードの遠位端は、作業チャネルを確立するために患者の体内に挿入されるように構成される。
図14及び図15に示すように、カメラ組立体は、反射素子の視軸が作業チャネルの遠位端に向けられ、支柱は、作業チャネルの長手軸に対する視野角の角度を変更するために回転可能要素を回転させるように操作可能であるように、ブレード固定要素またはマカロック開創器のフレーム部材の1つへの取り外し可能な接続を介して、ブレードの1つの近位端に固定され得る。図15は、マカロックブレード62とカメラ組立体12の側面図を示す。
第1の環状スナップリング66は、カメラ組立体を開創器に解放可能に取り付ける役割を果たすカメラ-開創器「取付手段」の一例である。第2の環状スナップリング67は、カメラ組立体をカメラ-開創器「取付手段」66に接続するための「コネクタ手段」(「カメラ-『開創器取付手段』」「コネクタ手段」)の第1の構成要素として機能する一方、カメラ-開創器「取付手段」66の上面は、環状スナップリング67と嵌合する大きさの環状戻り止めを備えて構成され、コネクタ手段の第2の構成要素を構成する。システムが、フレーム部材の他の機構に解放可能に取り付けるように構成された様々な他のカメラ-開創器「取付手段」66と共にキットの形態で設けられている場合、外科医は、スナップリングカメラ-開創器「取付手段」66を「コネクタ手段」67から容易に取り外し、別の形態のカメラ-開創器「取付手段」66を「コネクタ手段」67に固定することができる。環状スナップリング構成は、容易に組み立てられる任意の取り外し可能または取り外し不可能なコネクタ手段と置き換えてもよい。
【0024】
様々な取付手段38が、カメラ組立体と共にキットで、2つの構成要素を嵌合するための異なる機構を有する開創器要素にカメラ組立体を固定するように構成された各取付手段とともに設けられていてもよい。図7において取付手段として機能する2つの下方に依存するフィンガー、または図12において取付手段として機能する拡張可能なクリップ、他の開創器のための単一の下方に依存するブレード、または図9の開口部68、または図15のスナップリング66のような開創器の任意の開口部の形状に適合するペグ、またはクランプ、またはラック及びピニオン継手が、取付手段として機能することができる。これらのカメラ-開創器「取付手段」の各々は、上述したように、外科医によってカメラ組立体に固定され、カメラ組立体と様々なカメラ-開創器「取付手段」とを含むキットで外科医に提供され得るコネクタ手段を備えた構成で提供され得るので、外科医は、手術のために適切な開創器を選択した外科医が、開創器上の利用可能な機構に適合する対応するカメラ-開創器「取付手段」を選択し、対応する取付手段をカメラ組立体に固定し、カメラ組立体と取付手段を組み合わせたものを開創器に固定できるようにする。
【0025】
したがって、上述した任意の実施形態のカメラ組立体は、
カメラ組立体を第1の固定機構に固定するように構成された第1のカメラ-開創器取付手段と、
少なくとも、カメラ組立体を第2の固定機構に固定するように構成された第2のカメラ-開創器取付手段と、
カメラ組立体が、カメラ組立体を両方のカメラ-開創器「取付手段」に接続するための「コネクタ手段」の第1の構成要素からなり、
各カメラ-開創器「取付手段」が、カメラ組立体を両方のカメラ-開創器「取付手段」に接続するための「コネクタ手段」の第2の構成要素からなり、前記第2の構成要素が第1の構成要素と嵌合するように構成されているように、
容易に取り付け可能な(好ましくは解放可能に取り付け可能な)コネクタ手段の第1及び第2の構成要素が適合する、カメラ組立体及び取付手段を含むキットを提供し得る。
様々な市販の開創器の様々な固定機構に適合するように構成された、任意の数の追加のカメラ-開創器「取付手段」をキットに含めることができる。
【0026】
カメラ組立体をカメラ-開創器「取付手段」に接続するための、任意の容易に組み立てられる「コネクタ手段」であれば、一方の部品に片持ち梁と突起が対になり、もう一方の部品に保持縁が対になるカンチレバースナップジョイント、トーションスナップジョイント、環状スナップジョイント、対になったトゥクリップ式コネクタ部品、RCA式コネクタ部品、バヨネット継手部品、スペード式コネクタ部品、クイックディスコネクト継手部品(各コネクタシステムの1つの要素がカメラ組立体に、1つの要素がカメラ-開創器取付手段にある)、ネジ込みカップリング、カムロック継手、またはカメラがブレードの端に取り付けられ、手術部位(組織の下)に向かって移動でき、様々な深さでロックできるブレーキクランプ機構などのスナップジョイントを含む取り外し可能な取付手段として使用することができる。ミラーは、カメラ組立体が遠位光学素子に対して垂直になるように回転させることができる。カメラ-「開創器取付手段」は取り外し可能に取り付け可能であってもよく、これは工具を使用することなく、またカップリングのいずれかの側の部品を損傷することなく(再装着が不可能になるほど)組み立て及び分解が可能であることを意味し、外科医が手術のために選択した任意の開創器に合わせてカメラ-開創器取付手段を選択し、カメラ組立体をカメラ-開創器取付手段に取り付けることができるように、一方、カメラ組立体からカメラ-開創器取付手段を取り外し、異なるカメラ-開創器取付手段を取り付けるオプションを保持することにより、カメラ組立体を、特定の手術の緊急事態の必要に応じて、開創器上の異なる機構に、又は異なる開創器に固定することができる。
【0027】
カメラ組立体は、開創器に関連して図示されているが、伸延器にも同様に有用であり、伸延器は、本出願の目的上、骨を強制的に引き離す(例えば、椎骨を引き離す)ために使用できるように骨に取り付けるための付加的な特徴を有する開創器であると考えられる。カメラ組立体はまた、主に脊椎手術に適した開創器に関連して図示されているが、あらゆる手術用の開創器にも同様に有用である。
【0028】
カメラ組立体は、システムの最遠位光学部材が作業チャネルの上方(近位)に吊り下げられ、作業チャネルをわずかに越えて突出している状態で、またはカメラ組立体の全体が作業チャネル及び開創器要素の近位端の上方(近位)にある状態で、作業チャネルから張り出していてもよい。カメラ組立体は、代わりに、作業チャネル内、シングルブレード開創器のブレードに沿って、またはマルチブレード開創器のブレードの1つに沿って配置されてもよい。
【0029】
装置及び方法の好ましい実施形態を、それらが開発された環境を参照して説明してきたが、それらは本発明の原理を単に例示するものである。様々な実施形態の要素は、そのような他の種と組み合わせてそれらの要素の利点を得るために、他の種のそれぞれに組み込んでもよく、様々な有益な特徴は、実施形態において単独でまたは互いに組み合わせて採用してもよい。本発明の精神及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び構成を考案してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体内の外科標的部位にアクセスするためのカメラ及び開創器システムであって、前記カメラ及び開創器システムは、
患者の身体内の外科標的部位にアクセスするための開創器システムの前記開創器要素によって画定された外科作業チャネルを形成するために、身体組織を開いておくように動作可能な少なくとも1つの開創器要素を含む開創器システムと、
前記外科作業チャネルの近位端で前記開創器システムに固定されたカメラ組立体であって、前記カメラ組立体の一部が、前記外科作業チャネルから張り出し、前記外科作業チャネルによって画定された空間内に延在する、カメラ組立体と、
前記カメラ組立体は、視軸を特徴とし、イメージセンサ軸を有するイメージセンサと、前記外科作業チャネルからの光を前記イメージセンサに反射するように位置決めされた第1の反射素子とを備え、
前記カメラ組立体は、前記イメージセンサに対して回転可能であり、前記カメラ組立体内に配置され、前記第1の反射素子を前記イメージセンサに対して回転させて前記外科作業チャネルからの画像を前記イメージセンサに向けるように構成された回転可能な反射素子マウントをさらに備える、
カメラ及び開創器システム。
【請求項2】
前記イメージセンサと前記第1の反射素子との間に配置された回転可能な開創器マウントであって、前記イメージセンサと前記第1の反射素子との間に配置された第1の光学的に透過性のある部分を備え、前記第1の反射素子が前記回転可能な反射素子マウントに固定されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項3】
前記回転可能な反射素子マウントが、前記第1の反射素子と前記外科作業チャネルとの間に配置された第2の光学的に透過性のある部分を備える、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項4】
前記回転可能な反射素子マウントが、視軸と一直線になった第1のボアセグメント及び前記イメージセンサ軸と一直線になった第2のボアセグメントとを有する、切頭の球状体からなる、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項5】
前記第1の光学的に透過性のある部分が、前記回転可能な反射素子マウントを通過するボアからなる、請求項2に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項6】
前記回転可能な開創器マウントが、前記カメラ組立体の外部からアクセス可能なソケットを含み、ユーザが前記回転可能な反射素子マウントを操作するための要素を受け入れるように構成されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項7】
前記回転可能な反射素子マウントに固定され、前記回転可能な反射素子マウントから延び、前記回転可能な反射素子マウントを回転させるための支柱をさらに含み、それにより、前記視軸が前記外科作業チャネル内で変更され得る、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項8】
前記カメラ組立体が最遠位光学面を有し、前記最遠位光学面が前記開創器要素の近位端に近接して配置される、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの開創器要素が、長手軸、近位端及び遠位端を有する管からなる管状開創器を備え、前記遠位端が、患者の体内に挿入されるように構成され、前記管が、前記外科作業チャネルを構成する内腔を有し、前記カメラ組立体が、前記管の近位端に回転不能に固定され、前記視軸が、前記管の前記遠位端に向けられ、前記回転可能な反射素子マウントが、前記管の前記長手軸に対する視野角の角度を変更するように動作可能である、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項10】
前記管状開創器が、複数の部分管ブレードを有する分割管開創器からなり、前記カメラ組立体が部分管ブレードの1つに固定されている、請求項9に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの開創器要素が単一ブレードからなり、前記カメラ組立体が前記単一ブレードの前記近位端に固定されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項12】
前記カメラ組立体が、前記開創器要素上の取付機構を介して前記開創器要素に固定されている、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項13】
前記開創器システムは、マカロック開創器を備え、前記少なくとも1つの開創器要素は、複数のブレードからなり、前記ブレードは、前記ブレードの近位端に対応する近位端及び前記ブレードの遠位端に対応する遠位端を有する前記作業チャネルを画定し、前記遠位端は、患者の体内に前記作業チャネルを確立するために患者の体内に挿入するように構成され、前記作業チャネルは、前記ブレードの遠位端近傍の手術部位から前記ブレードの近位端の開口部まで延びる長手方向軸を有し、前記ブレードは、フレームに固定され、
前記カメラ組立体は、前記視軸が前記作業チャネルの遠位端に向けられるように、前記ブレードまたは前記フレームの一方の近位端に固定され、支柱は、前記作業チャネルの前記長手軸に対する前記視軸の角度を変更するために前記回転可能な反射素子マウントを回転させるように操作可能である、
請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項14】
前記カメラ組立体を前記開創器要素に取り外し可能に取り付けるための取り外し可能取付手段をさらに含む、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項15】
前記第1の反射素子は、第1の反射素子反射軸によって特徴付けられ、前記イメージセンサは、前記反射素子反射軸からオフセットされたイメージセンサ軸によって特徴付けられ、前記システムは、
前記反射素子反射軸からオフセットされた前記イメージセンサ軸に沿って前記第1の反射素子からの光をリダイレクトするように動作可能な第2の反射素子、
をさらに備える、請求項1に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項16】
前記イメージセンサが、前記反射素子の前記視軸、及び/又は前記カメラ組立体の中心視軸に平行であるが、前記反射素子の前記視軸からオフセットされたイメージセンサ軸を有するように配置され、前記システムが、
前記第2の反射素子からの光を前記イメージセンサに向けてリダイレクトするように動作可能な第3の反射素子、
をさらに備える、請求項14に記載のカメラ及び開創器システム。
【請求項17】
第1の開創器要素を備える第1の開創器システムと共に使用するためのカメラ組立てキットであって、
前記第1の開創器要素は、外科作業チャネルを形成するために患者の体内に挿入するように構成された遠位端を有し、前記第1の開創器システムは、第1の固定機構を備え、
第2の開創器要素を備える第2の開創器システムであって、前記第2の開創器要素は、外科作業チャネルを形成するために患者の体内に挿入するように構成された遠位端を有し、前記第2の開創器システムは、第2の固定機構を備え、
前記カメラ組立体キットは、
視軸を特徴とし、イメージセンサ軸を有するイメージセンサと、前記作業チャネルからの光を、前記イメージセンサまで反射するように位置決めされた第1の反射素子と、を備えるカメラ組立体と、
前記カメラ組立体内に配置され、前記第1の反射素子を回転させて前記視軸からの画像を前記イメージセンサに向けるように構成された回転可能な反射素子マウントと、
前記カメラ組立体を第1の固定機構に固定するように構成された第1のカメラ-開創器取付手段と、
少なくとも、前記カメラ組立体を第2の固定機構に固定するように構成された第2のカメラ-開創器取付手段と、
を備え、ここで、
前記カメラ組立体は、前記カメラ組立体を両方の前記第1及び第2のカメラ-開創器取付手段に接続するためのコネクタ手段の第1の構成要素からなり、
前記第1及び第2の各カメラ-開創器装置取付手段は、前記カメラ組立体を両方の前記第1及び第2のカメラ-開創器装置取付手段に接続するためのコネクタ手段の第2の構成要素からなり、前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素と嵌合するように構成されている、
カメラ組立てキット。
【請求項18】
前記回転可能な反射素子マウントは、前記イメージセンサと前記第1の反射素子との間に配置され、第1の光学的に透過性のある部分は、前記イメージセンサと前記第1の反射素子との間に配置され、前記第1の反射素子は、前記回転可能な反射素子マウントに固定されている、請求項17に記載のカメラ組立体キット。
【請求項19】
前記回転可能な反射素子マウントは、前記反射素子と前記外科作業チャネルとの間に配置された第2の光学的に透過性のある部分を備える、請求項17に記載のカメラ組立体キット。
【請求項20】
前記回転可能な反射素子マウントが、視軸と一直線になった第1のボアセグメント及び前記イメージセンサ軸と一直線になった第2のボアセグメントとを有する切頭の球状体からなる、請求項17に記載のカメラ組立体キット
【請求項21】
前記第1の光学的に透過性のある部分は、前記回転可能な反射素子マウントを貫通するボアからなる、請求項17に記載のカメラ組立体キット。
【請求項22】
前記回転可能な反射素子マウントが、前記カメラ組立体の外側からアクセス可能なソケットを含み、ユーザが前記回転可能な反射素子マウントを操作するための要素を受け入れるように構成されている、請求項20に記載のカメラ組立体キット
【請求項23】
前記回転可能な反射素子マウントに固定された支柱が、前記回転可能な反射素子マウントから延び、前記回転可能な反射素子マウントを回転させるためのものであり、それにより、前記視軸が前記作業チャネル内で変更され得る、請求項20に記載のカメラ組立体キット
【請求項24】
前記第1の反射素子は、第1の反射素子反射軸によって特徴付けられ、前記イメージセンサは、前記反射素子反射軸からオフセットされたイメージセンサ軸によって特徴付けられ、前記システムは、
前記反射素子反射軸からオフセットされた前記イメージセンサ軸に沿って前記第1の反射素子からの光をリダイレクトするように動作可能な第2の反射素子、
をさらに備える、請求項17に記載のカメラ組立体キット
【請求項25】
前記イメージセンサが、前記反射素子の前記視軸、及び/又は前記カメラ組立体の中心視軸に平行であるが、前記反射素子の前記視軸からオフセットされたイメージセンサ軸を有するように配置され、前記システムが、
前記第2の反射素子からの光を前記イメージセンサに向けてリダイレクトするように動作可能な第3の反射要素、
をさらに備える、請求項24に記載のカメラ組立体キット
【国際調査報告】