(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】人工毛を1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外し、そして取り外した人工毛をユーザの生まれつきのまつげに取り付けるためのアプリケータおよび方法
(51)【国際特許分類】
A41G 5/02 20060101AFI20240801BHJP
B25B 9/02 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A41G5/02
B25B9/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507088
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 US2022039083
(87)【国際公開番号】W WO2023014668
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518343176
【氏名又は名称】ラシファイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Lashify, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ロッティ サハラ
【テーマコード(参考)】
3C020
【Fターム(参考)】
3C020UU05
(57)【要約】
器具が第1のアームおよび第2のアームを備えた1対の対向したアームを有する。第1のアームと第2のアームは、近位端部のところで接合されている。第1のアームおよび第2のアームの各々は、近位端部を備えた第1の区分と、第1の区分と第3の区分との間に位置決めされた状態で第1の区分および第3の区分に連結された第2の区分とを有する。第3の区分は、第1の端部分および第2の端部分を備え、第3の区分は、第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有する。第1のアームの第3の区分は、第3の区分の内面から延びる複数の分離要素を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具であって、
第1のアームおよび第2のアームを備えた1対の対向したアームを有し、前記第1のアームと前記第2のアームは、近位端部のところで接合され、前記第1のアームおよび前記第2のアームの各々は、
前記近位端部を備えた第1の区分と、
前記第1の区分と第3の区分との間に位置決めされた状態で前記第1の区分および第3の区分に連結された第2の区分とを有し、
前記第3の区分は、第1の端部分および第2の端部分を備え、前記第3の区分は、前記第1の端部分と前記第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、
前記第1のアームの前記第3の区分は、前記第3の区分の内面から延びる複数の分離要素を有する、器具。
【請求項2】
前記第1のアームの前記第3の区分の前記複数の分離要素は、人工毛を人工毛のまつげエクステンションから取り外すよう設計されている、請求項1記載の器具。
【請求項3】
前記第1のアームの前記第3の区分の前記複数の分離要素は、前記人工毛をユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられた前記まつげエクステンションから取り外すよう設計され、前記取り外した人工毛は、前記ユーザの前記生まれつきのまつげの前記下側に取り付けられたままである、請求項2記載の器具。
【請求項4】
前記まつげエクステンションは、人工毛の複数のクラスタを有し、前記第1のアームの前記第3の区分の前記複数の分離要素は、人工毛の前記クラスタを前記まつげエクステンションから取り外すよう設計されている、請求項3記載の器具。
【請求項5】
前記複数の分離要素相互間の前記第1のアームの前記第3の区分の内面は、前記取り外した人工毛を前記生まれつきのまつげに押し付けるよう設計されている、請求項3記載の器具。
【請求項6】
前記第2のアームの前記第3の区分は、複数のスロットを有する、請求項1記載の器具。
【請求項7】
前記第2のアームの前記第3の区分の前記複数のスロットの各々は、前記第1のアームの前記第3の区分の前記複数の分離要素の各々をそれぞれ受け入れるよう構成されている、請求項6記載の器具。
【請求項8】
前記複数の分離要素は、前記第3の区分の前記内面に実質的に垂直に延びている、請求項1記載の器具。
【請求項9】
前記器具は、前記1対の対向したアームに対する圧力の作用に応答して開き位置から閉じ位置に移行するよう構成され、前記開き位置では、前記複数の分離要素と前記複数のスロットは、互いに分離されるよう構成され、前記器具の前記開き位置は、デフォルト位置である、請求項5記載の器具。
【請求項10】
前記閉じ位置は、第1の閉じ位置および第2の閉じ位置を含み、前記第1の閉じ位置では、前記複数の分離要素の各々の少なくとも一部分は、前記複数のスロットの各々の少なくとも対応の部分内にはまり込むよう構成され、前記第2の閉じ位置では、前記第1のアームの前記第3の区分の前記複数の分離要素相互間の前記内面は、前記第2のアームの前記第3の区分の前記複数のスロット相互間の前記内面に接触するよう構成されている、請求項9記載の器具。
【請求項11】
前記第3の区分の少なくとも一部分は、前記第2の区分に接合され、前記接合部分は、前記第3の区分の前記第1の端部分よりも前記第2の端部分の方に近く位置している、請求項1記載の器具。
【請求項12】
前記第1の区分、前記第2の区分、および前記第3の区分は、前記近位端部に向かって長手方向に延びている、請求項1記載の器具。
【請求項13】
前記第1のアームおよび前記第2のアームの各々は、
第2の側部と反対側の第1の側部、および外面と反対側の内面を有し、前記内面および前記外面は、前記第1の側部と前記第2の側部との間に延びている、請求項1記載の器具。
【請求項14】
前記第3の区分は、前記第3の区分に対応した前記第1の側部の少なくとも一部分に沿って前記第1の端部分と前記第2の端部分との間に設けられた第2の湾曲部を有し、前記第2の湾曲部は、前記第1の湾曲部と反対側に位置決めされ、前記第1の湾曲部は、前記第3の区分に対応した前記第2の側部の少なくとも一部に沿って設けられ、前記第1の湾曲部は、凹状湾曲部であり、前記第2の湾曲部は、凸状湾曲部である、請求項13記載の器具。
【請求項15】
前記凹状湾曲部の頂点は、前記第2の端部分から遠位側に差し向けられるとともに前記第1の端部分から近位側に差し向けられ、その結果、前記凹状湾曲部は、前記第3の区分に対応した前記第1の側部とは反対側を向くようになっており、前記第3の区分の前記第1の端部分は、前記それぞれの対向したアームの遠位端部を有し、前記それぞれの対向したアームの前記遠位端部は、前記それぞれの対向したアームの単一の遠位側末端部である、請求項14記載の器具。
【請求項16】
前記第3の区分の前記第1の湾曲部は、まつげラインの形状と実質的に同一平面上に位置した状態でそろえるよう設計されている、請求項1記載の器具。
【請求項17】
前記第2の区分は、前記第2の区分に対応した前記第2の側部の少なくとも一部分に沿って設けられた第3の湾曲部を有し、前記第3の湾曲部は、頬骨または鼻梁の上方にまたは頬骨または鼻梁上にそのままの状態になるよう設計されている、請求項13記載の器具。
【請求項18】
ステンレス鋼、焼入鋼、またはチタンのうちの少なくとも1つを含み、前記それぞれの対向したアームの前記第1の区分、前記第2の区分、および前記第3の区分は、同一材料で作られている、請求項1記載の器具。
【請求項19】
人工毛を人工まつげエクステンションから取り外す器具を製造する方法であって、
1つ以上の金属片を、近位端部のところで接合された第1のアームと第2のアームを有する1対の対向したアームの状態に形成するステップを含み、前記第1のアームおよび前記第2のアームの各々は、
前記近位端部を備えた第1の区分と、
前記第1の区分と第3の区分との間に位置決めされた状態で前記第1の区分および第3の区分に連結された第2の区分とを有し、
前記第3の区分は、第1の端部分および第2の端部分を備え、前記第3の区分は、前記第1の端部分と前記第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、
前記第1のアームの前記第3の区分は、前記第3の区分の内面から延びる複数の分離要素を有する、方法。
【請求項20】
付着防止コーティングを前記アームの前記第3の区分に被着させるステップをさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記1つ以上の金属片は、1対の金属片を含み、前記1対の金属片を前記1対の対向したアームの状態に形成する前記ステップは、
前記1対の対向したアームの前記第1のアームおよび前記第2のアームの少なくとも一部分を前記1対の金属片のそれぞれの金属片から成形するステップと、
前記1対の対向したアームを各対向アームの前記近位端部のところで接合するステップとをさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
方法であって、
人工毛の1つ以上のまつげエクステンションをユーザの生まれつきのまつげのところに配置するステップと、
アプリケータを用いて、前記生まれつきのまつげのところに配置された前記1つ以上のまつげエクステンションから人工毛を取り外すステップと、
前記アプリケータを用いて、前記1つ以上のまつげエクステンションの前記取り外した人工毛を前記生まれつきのまつげに取り付けるステップとを含む、方法。
【請求項23】
前記アプリケータは、1対の対向したアームの第1のアームおよび第2のアームを含み、前記方法は、
前記アプリケータを開き位置から閉じ位置に移行させる圧力を前記1対の対向したアームに加えるステップをさらに含み、前記1対の対向したアームに対する圧力の作用により、前記人工毛が前記1つ以上のまつげエクステンションから取り外されるとともに、前記1つ以上のまつげエクステンションの前記取り外された人工毛が前記生まれつきのまつげに取り付けられる、請求項22記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、人工まつげエクステンションのアプリケータ、特に、人工毛を1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外し、そして取り外した人工毛をユーザの生まれつきの(本明細書全体を通じて、「生まれつきの」は、「地毛としての」の意である)まつげに取り付けるためのアプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
付けまつげエクステンション(false eyelash extension)は、従来、生まれつきのまつげの長さ、厚み、およびフルネス(豊富度または密集度)を増やすために用いられてきた。付けまつげの中には、個々人のまぶたに直接取り付けることができるものがある。付けまつげは、個々人のまぶたの幅に合うようトリミングできるストリップの状態(およびかくして、「ストリップまつげ」とも呼ばれる)で売られている。
【発明の概要】
【0003】
幾つかの実施形態によれば、本明細書において、第1のアームおよび第2のアームを備えた1対の対向したアームを有する器具が開示され、第1のアームと第2のアームは、近位端部のところで接合され、第1のアームおよび第2のアームの各々は、近位端部を備えた第1の区分と、第1の区分と第3の区分との間に位置決めされた状態で第1の区分および第3の区分に連結された第2の区分とを有し、第3の区分は、第1の端部分および第2の端部分を備え、第3の区分は、第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、第1のアームの第3の区分は、第3の区分の内面から延びる複数の分離要素を有する。
【0004】
幾つかの実施形態では、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素は、人工毛を人工毛のまつげエクステンションから取り外すよう設計されている。
【0005】
幾つかの実施形態では、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素は、人工毛をユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられたまつげエクステンションから取り外すよう設計され、取り外した人工毛は、ユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられたままである。
【0006】
幾つかの実施形態では、まつげエクステンションは、人工毛の複数のクラスタ(房)を有し、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素は、人工毛のクラスタをまつげエクステンションから取り外すよう設計されている。
【0007】
幾つかの実施形態では、複数の分離要素相互間の第1のアームの第3の区分の内面は、取り外した人工毛を生まれつきのまつげに押し付けるよう設計されている。
【0008】
幾つかの実施形態では、第2のアームの第3の区分は、複数のスロットを有する。
【0009】
幾つかの実施形態では、第2のアームの第3の区分の複数のスロットの各々は、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素の各々をそれぞれ受け入れるよう構成されている。
【0010】
幾つかの実施形態では、複数の分離要素は、第3の区分の内面に実質的に垂直に延びている。
【0011】
幾つかの実施形態では、本器具は、1対の対向したアームに対する圧力の作用に応答して開き位置から閉じ位置に移行するよう構成され、開き位置では、複数の分離要素と複数のスロットは、互いに分離されるよう構成され、器具の開き位置は、デフォルト位置である。
【0012】
幾つかの実施形態では、閉じ位置は、第1の閉じ位置および第2の閉じ位置を含み、第1の閉じ位置では、複数の分離要素の各々の少なくとも一部分は、複数のスロットの各々の少なくとも対応の部分内にはまり込むよう構成され、第2の閉じ位置では、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素相互間の内面は、第2のアームの第3の区分の複数のスロット相互間の内面に接触するよう構成されている。
【0013】
幾つかの実施形態では、第3の区分の少なくとも一部分は、第2の区分に接合され、接合部分は、第3の区分の第1の端部分よりも第2の端部分の方に近く位置している。
【0014】
幾つかの実施形態では、第1の区分、第2の区分、および第3の区分は、近位端部に向かって長手方向に延びている。
【0015】
幾つかの実施形態では、第1のアームおよび第2のアームの各々は、第2の側部と反対側の第1の側部、および外面と反対側の内面を有し、内面および外面は、第1の側部と第2の側部との間に延びている。
【0016】
幾つかの実施形態では、第3の区分は、第3の区分に対応した第1の側部の少なくとも一部分に沿って第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第2の湾曲部を有し、第2の湾曲部は、第1の湾曲部と反対側に位置決めされている。
【0017】
幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、第3の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部に沿って設けられ、第1の湾曲部は、凹状湾曲部であり、第2の湾曲部は、凸状湾曲部である。
【0018】
幾つかの実施形態では、凹状湾曲部の頂点は、第2の端部分から遠位側に差し向けられるとともに第1の端部分から近位側に差し向けられ、その結果、凹状湾曲部は、第3の区分に対応した第1の側部とは反対側を向くようになっている。
【0019】
幾つかの実施形態では、第3の区分の第1の端部分は、それぞれの対向したアームの遠位端部を有する。
【0020】
幾つかの実施形態では、対向したアームの遠位端部は、対向したアームの単一の遠位側末端部である。
【0021】
幾つかの実施形態では、第3の区分の第1の湾曲部は、まつげラインの形状と実質的に同一平面上に位置した状態でそろえるよう設計されている。
【0022】
幾つかの実施形態では、第2の区分は、第2の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部分に沿って設けられた第3の湾曲部を有する。
【0023】
幾つかの実施形態では、第3の湾曲部は、頬骨または鼻梁の上方にまたは頬骨または鼻梁上にそのままの状態になるよう設計されている。
【0024】
幾つかの実施形態では、本器具は、ステンレス鋼、焼入鋼、またはチタンのうちの少なくとも1つを含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、対向したアームの第1の区分、第2の区分、および第3の区分は、同種材料で作られている。
【0026】
幾つかの実施形態によれば、本明細書において、1つ以上の金属片を、近位端部のところで接合された第1のアームと第2のアームを有する1対の対向したアームの状態に形成するステップを含む人工毛を人工まつげエクステンションから取り外す器具を製造する方法が開示され、第1のアームおよび第2のアームの各々は、近位端部を備えた第1の区分と、第1の区分と第3の区分との間に位置決めされた状態で第1の区分および第3の区分に連結された第2の区分とを有し、第3の区分は、第1の端部分および第2の端部分を備え、第3の区分は、第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、第1のアームの第3の区分は、第3の区分の内面から延びる複数の分離要素を有する。
【0027】
幾つかの実施形態では、本方法は、付着防止コーティングをアームの第3の区分に被着させるステップをさらに含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、付着防止コーティングは、ポリテトラフルオロエチレンコーティングまたはシリコーンコーティングのうちの少なくとも一方からなる。
【0029】
幾つかの実施形態では、1つ以上の金属片は、1対の金属片を含み、1対の金属片を1対の対向したアームの状態に形成するステップは、1対の対向したアームの第1のアームおよび第2のアームの少なくとも一部分を1対の金属片のそれぞれの金属片から成形するステップと、1対の対向したアームを各対向アームの近位端部のところで接合するステップとをさらに含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、1つ以上の金属片は、ステンレス鋼、焼入鋼、またはチタンのうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素は、人工毛を人工毛のまつげエクステンションから取り外すよう設計されている。
【0032】
幾つかの実施形態では、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素は、人工毛をユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられたまつげエクステンションから取り外すよう設計され、取り外した人工毛は、ユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられたままである。
【0033】
幾つかの実施形態では、まつげエクステンションは、人工毛の複数のクラスタを有し、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素は、人工毛のクラスタをまつげエクステンションから取り外すよう設計されている。
【0034】
幾つかの実施形態では、複数の分離要素相互間の第1のアームの第3の区分の内面は、取り外した人工毛を生まれつきのまつげに押し付けるよう設計されている。
【0035】
幾つかの実施形態では、第2のアームの第3の区分は、複数のスロットを有する。
【0036】
幾つかの実施形態では、第2のアームの第3の区分の複数のスロットの各々は、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素の各々をそれぞれ受け入れるよう構成されている。
【0037】
幾つかの実施形態では、複数の分離要素は、第3の区分の内面に実質的に垂直に延びている。
【0038】
幾つかの実施形態では、本器具は、1対の対向したアームに対する圧力の作用に応答して開き位置から閉じ位置に移行するよう構成され、開き位置では、複数の分離要素と複数のスロットは、互いに分離されるよう構成され、器具の開き位置は、デフォルト位置である。
【0039】
幾つかの実施形態では、閉じ位置は、第1の閉じ位置および第2の閉じ位置を含み、第1の閉じ位置では、複数の分離要素の各々の少なくとも一部分は、複数のスロットの各々の少なくとも対応の部分内にはまり込むよう構成され、第2の閉じ位置では、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素相互間の内面は、第2のアームの第3の区分の複数のスロット相互間の内面に接触するよう構成されている。
【0040】
幾つかの実施形態では、第3の区分の少なくとも一部分は、第2の区分に接合され、接合部分は、第3の区分の第1の端部分よりも第2の端部分の方に近く位置している。
【0041】
幾つかの実施形態では、第1の区分、第2の区分、および第3の区分は、近位端部に向かって長手方向に延びている。
【0042】
幾つかの実施形態では、第1のアームおよび第2のアームの各々は、第2の側部と反対側の第1の側部、および外面と反対側の内面を有し、内面および外面は、第1の側部と第2の側部との間に延びている。
【0043】
幾つかの実施形態では、第3の区分は、第3の区分に対応した第1の側部の少なくとも一部分に沿って第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第2の湾曲部を有し、第2の湾曲部は、第1の湾曲部と反対側に位置決めされている。
【0044】
幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、第3の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部に沿って設けられ、第1の湾曲部は、凹状湾曲部であり、第2の湾曲部は、凸状湾曲部である。
【0045】
幾つかの実施形態では、凹状湾曲部の頂点は、第2の端部分から遠位側に差し向けられるとともに第1の端部分から近位側に差し向けられ、その結果、凹状湾曲部は、第3の区分に対応した第1の側部とは反対側を向くようになっている。
【0046】
幾つかの実施形態では、第3の区分の第1の端部分は、それぞれの対向したアームの遠位端部を有する。
【0047】
幾つかの実施形態では、対向したアームの遠位端部は、対向したアームの単一の遠位側末端部である。
【0048】
幾つかの実施形態では、第3の区分の第1の湾曲部は、まつげラインの形状と実質的に同一平面上に位置した状態でそろえるよう設計されている。
【0049】
幾つかの実施形態では、第2の区分は、第2の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部分に沿って設けられた第3の湾曲部を有する。
【0050】
幾つかの実施形態では、第3の湾曲部は、頬骨または鼻梁の上方にまたは頬骨または鼻梁上にそのままの状態になるよう設計されている。
【0051】
幾つかの実施形態では、対向したアームの第1の区分、第2の区分、および第3の区分は、同種材料で作られている。
【0052】
幾つかの実施形態では、本明細書において、人工毛の1つ以上のまつげエクステンションをユーザの生まれつきのまつげのところに配置するステップと、アプリケータを用いて、生まれつきのまつげのところに配置された1つ以上のまつげエクステンションから人工毛を取り外すステップと、アプリケータを用いて、1つ以上のまつげエクステンションの取り外した人工毛を生まれつきのまつげに取り付けるステップとを含むことを特徴とする方法が開示される。
【0053】
幾つかの実施形態では、アプリケータは、1対の対向したアームの第1のアームおよび第2のアームを含む。
【0054】
幾つかの実施形態では、本方法は、アプリケータを開き位置から閉じ位置に移行させる圧力を1対の対向したアームに加えるステップをさらに含み、1対の対向したアームに対する圧力の作用により、人工毛が1つ以上のまつげエクステンションから取り外されるとともに、1つ以上のまつげエクステンションの取り外された人工毛が生まれつきのまつげに取り付けられる。
【0055】
幾つかの実施形態では、第1のアームの一区分は、この区分の内面のところに設けられた複数の分離要素を有し、複数の分離要素は、人工毛の1つ以上のまつげエクステンションから取り外すように設計されている。
【0056】
幾つかの実施形態では、アプリケータの第2のアームの対応の区分は、各々が第1のアームの区分の複数の分離要素のうちの各々をそれぞれ受け入れるよう構成された複数のスロットを有する。
【0057】
幾つかの実施形態では、1つ以上のまつげエクステンションは、ユーザの生まれつきのまつげの下側のところに配置される。
【0058】
幾つかの実施形態では、本方法は、接着剤をユーザの生まれつきのまつげに塗布するステップをさらに含む。
【0059】
幾つかの実施形態では、人工毛の1つ以上のまつげエクステンションをユーザの生まれつきのまつげのところに配置するステップは、1つ以上のまつげエクステンションを生まれつきのまつげのところで互いに隣接して配置するステップを含む。
【0060】
本発明は、本発明を限定するものではなく例示として添付の図面のうちの図に示されており、図中、同一の符号は、類似の要素を示している。理解されるべきこととして、本明細書における「一(複数のうちのどれか1つの意)」実施形態または「1つの」実施形態と互いに異なる記載をしている場合、これらの記載内容は、同一の実施形態であってもよいが、必ずしも同一の実施形態であることはなく、かかる記載は、「少なくとも1つ」を意味している。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】本発明の幾つかの実施形態に関する目の領域を示す図である。
【
図2】本発明の幾つかの実施形態に係る例示の人工まつげエクステンションの図である。
【
図3】本発明の幾つかの実施形態に係る別の例示の人工まつげエクステンションの図である。
【
図4A】本発明の幾つかの実施形態によるアプリケータの図である。
【
図4B】本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータを部分的に閉じ位置で示す図である。
【
図4C】本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータを完全閉じ位置で示す図である。
【
図4D】本発明の幾つかの実施形態に従って人工まつげエクステンションの人工毛を取り外す部分閉じ位置でアプリケータを示す図である。
【
図4E】本発明の幾つかの実施形態に従って圧力を取り外した人工毛に加える完全閉じ位置でアプリケータを示す図である。
【
図4F】本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータのアーム内の取り外した人工毛の図である。
【
図5A】本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す図である。
【
図5B】本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す図である。
【
図5C】本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す図である。
【
図5D】本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す図である。
【
図5E】本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す図である。
【
図6】本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータを製造する操作を示す流れ図である。
【
図7】本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図は、例示目的でのみ種々の実施形態を示している。当業者であれば容易に認識されるように、変形実施形態を本明細書に開示した原理から逸脱することなく採用することができる。
【0063】
上述したように、まつげエクステンションは、生まれつきのまつげの長さ、厚み、およびフルネスを増やすために用いられている。ユーザのまぶたに付けられるストリップまつげは、ユーザの生まれつきのまつげとは違うことがすぐに分かるとともに、長時間にわたって着用した場合には不快感を生じる場合がある。まつげエクステンションの中には、個人の生まれつきのまつげに、毛を一本一本、または場合によっては一房(クラスタ)ずつ装着するものがある。毛を一本ずつ、またはクラスタを1つずつ付ける作業は、性質上綿密なので、熟練した技術者が施術する。かかる役務(サービス)を行うにあたっては、数百ドルの費用がかかり、しかも完了するのに数時間かかる場合がある。
【0064】
上述の難題および他の難題を解決するため、人工毛(例えば、単一の毛および/または人工毛のクラスタ)をユーザの生まれつきのまつげ(例えば、生まれつきのまつげの下側)に取り付けられる1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外すよう設計されたアプリケータが開示される。取り外した人工毛を次に、ユーザの生まれつきのまつげに結合する(例えば、取り付ける)のがよく、人工毛を取り外すことおよび取り外した人工毛を結合することがユーザによって単一の連続行為で実施できるようになっている。
【0065】
幾つかの実施形態では、アプリケータは、近位端のところで互いに接合された1対の対向したアームを有するのがよい。各アームは、近位端部を備えた第1の区分、第1の区分と第3の区分との間に位置決めされた状態でこれらに連結された第2の区分および第3の区分を有する。第3の区分は、2つの端部分を有するのがよく、これら2つの端部分の間には湾曲部が設けられている。一方のアームの第3の区分は、第3の区分の内面から延びる多数の分離要素(例えば、ブレード)を有する。分離要素は、一方のアームの第3の区分の内面に実質的に垂直に延びるのがよく、これら分離要素は、人工毛(例えば、毛のクラスタ)を例えば、生まれつきのまつげの下に配置されている1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外すよう設計されているのがよい。対向したアームは、他方のアームの多数の分離要素をそれぞれ受け入れるよう構成された多数のスロットを備えた第3の区分を有するのがよい。アプリケータが開き位置から部分閉じ位置に移行すると、一方のアームの分離要素は、これと対向したアームのスロットに近づき、そして人工毛を1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外すことができる。
【0066】
幾つかの実施形態では、分離要素とスロットとの間の内面は、完全閉じ位置では分離要素相互間の内面がスロット相互間の内面にそれぞれ接触するよう実質的に平坦である。したがってアプリケータは、部分閉じ位置から完全にまたはほぼ完全閉じ位置に移行するにつれて、アプリケータは、取り外した人工毛、生まれつきのまつげ、およびこれらの周りの塗布済み接着剤を圧迫して、取り外した人工毛をユーザの生まれつきのまつげにさらに固定する(例えば、結合する)ことができる。例えば、圧力を対向したアームの外面に加えると、ユーザによる単一の連続作用に基づいて、アプリケータは、開き位置から部分閉じ位置に移行し、そして部分閉じ位置から完全閉じ位置に移行し、その結果、アプリケータは、人工毛を1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外して、取り外した人工毛を生まれつきのまつげに結合することができるようになっている。
【0067】
図示の実施形態では、接着剤をユーザの生まれつきのまつげの下側に塗布するのがよい。接着剤を用いて1つ以上の人工まつげエクステンションを生まれつきのまつげの下側のところに配置することができる。いったん配置されると、アプリケータは、本明細書において説明するように、生まれつきのまつげの下側に配置されている1つ以上の人工まつげエクステンションの人工毛を取り外し、そして、圧力を取り外した人工毛、生まれつきのまつげ、および塗布した接着剤に加えることによって、取り外した人工毛を生まれつきのまつげの下側に結合するために使用されるのがよい。
【0068】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に関する目の領域を示す図である。
図1に示されているように、目の領域100、例えば人間の目の領域は、生まれつきの上まつげ102A(「(複数本の)生まれつきのまつげ102A」、「(複数本の)生まれつきのアイラッシュ(eyelash)102A」、または「(1本の)生まれつきのまつげ102A」ともいう)および生まれつきの下まつげ102B(同様に「(複数本の)生まれつきのまつげ102B」、「(複数本の)生まれつきのアイラッシュ(eyelash)102B」、または「(1本の)生まれつきのまつげ102B」ともいう)を含むと言える。生まれつきのまつげ102A,102Bは、下側および下側と反対側に位置する上側を有すると言える。例えば、生まれつきのまつげ102Aは、下側108を示している。生まれつきのまつげ102Bは、上側110を示している。生まれつきのまつげ102A,102Bを本明細書においてひとまとめに生まれつきのまつげ102という。
【0069】
目の領域100は、上まつげライン104(本明細書では「まつげライン104」ともいう)および上ウォーターライン106(本明細書では「ウォーターライン106」ともいう)を含む。幾つかの実施形態では、まつげライン、例えば生まれつきのまつげ102Bの上まつげライン104または下まつげラインは、生まれつきのまつげ相互間の領域を含むのがよい。幾つかの実施形態では、まつげラインは、湾曲していて生まれつきのまつげ102の整列状態に追随するのがよい。幾つかの実施形態では、上まつげライン104は、生まれつきのまつげ102Aの上に(例えば、真上に)かつ/あるいは生まれつきのまつげ102Aの下に(例えば、真下に)位置する皮膚の幾分かの領域を含むのがよい。同様に、下まつげラインは、生まれつきのまつげ102Bの下に(例えば、真下に)かつ/あるいは生まれつきのまつげ102Bの上に(例えば、真上に)位置する皮膚の幾分かの領域を含むのがよい。
【0070】
幾つかの実施形態では、ウォーターライン(「ウェットライン」ともいう)、例えば上ウォーターライン106および生まれつきのまつげ102Bに対応した下ウォーターラインは、生まれつきのまつげ102と目との間に露出した皮膚の領域(またはライン)を含むのがよい。
【0071】
空間的な相対的用語、例えば「下」、「上」、「下側」、「頂」、「底」などは、一要素の別の要素に対する相対位置を意味している。別段の指定がなければ、これら空間的に相対的な用語は、絶対的な向きに限定されることを意図しておらず、図示の向きに加えて、要素の互いに異なる向き(例えば、90゜回転した向き、反転した向き)を含むものである。例えば、図中の要素を180°回転させた場合、「上」要素と記載されている要素を、この場合、「下」要素として差し向けられたものとみなすことができ、これは、本発明の諸観点から逸脱しない。
【0072】
図2は、本発明の幾つかの実施形態に係る例示の人工まつげエクステンションの図である。
図3は、本発明の幾つかの実施形態に係る別の例示の人工まつげエクステンションの図である。
【0073】
幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200または人工まつげエクステンション300(本明細書では、これら両方を「まつげエクステンション」、「人工アイラッシュ(まつげ)エクステンション」ともいう)のうちの1つ以上は、生まれつきのまつげのところに、例えばユーザの生まれつきのまつげの下側に、またはユーザの生まれつきのまつげの上側にさえ付けられるよう設計されまたは構成されている。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200または人工まつげエクステンション300のうちの1つ以上は、1つの組をなす多数の人工まつげエクステンションの一部であるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション300または人工まつげエクステンション300のうちの1つ以上は、「フル(full)」人工まつげエクステンションであるのがよく、その結果、例えば、多数の人工まつげエクステンションが生まれつきのまつげ(例えば、生まれつきのまつげ102A)の下側のところに隣接して配置されると、配置済みの人工まつげエクステンションは、生まれつきのまつげの長さに及ぶようになっている。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション(例えば、セグメント)は、天然まつげの水平長さ(例えば、まつげラインの長さ)よりも短いのがよい。他の実施形態では、人工まつげエクステンションは、人工まつげエクステンションが天然まつげの水平長さに実質的にまたがる「フル(full)」人工まつげエクステンションであるように長いのがよい。人工まつげエクステンションは、ユーザのまつげラインと実質的にそろえるよう配置されるのがよい。幾つかの実施形態では、互いに独立したセグメントである人工まつげエクステンションを用いることにより、個々人の人工まつげエクステンションは、生まれつきのまつげの下側に結合されたときに別個独立に動くことができ、これは、生まれつきのまつげの動きをまねており、したがって人工まつげエクステンションの感覚、快適さ、および寿命を向上させることができる。
【0074】
人工まつげエクステンション200および人工まつげエクステンション300は、それぞれ、人工毛202A~202N(本明細書ではひとまとめに「人工毛202」という)および人工毛302A~302N(本明細書ではひとまとめに「人工毛302」という)を示している。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション、例えば人工まつげエクステンション200または人工まつげエクステンション300の人工毛を1種類以上の合成材料から形成することができ、かかる合成材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリル樹脂、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、他のポリマー、他の合成材料、またはこれらの組み合わせ)が挙げられるが、これらには限定されない。変形実施形態では、天然材料、例えば、天然の毛(例えば、人毛またはミンクの毛)を用いることができる。幾つかの実施形態では、特定の人工まつげエクステンションの人工毛は、1種類以上の長さおよび/または1種類以上の直径を有するのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛の直径は、約0.0075ミリメートル(mm)(例えば、0.0075mm±0.0025mm)~0.3mm(例えば、0.3mm±0.05mm)であるのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛のうちの1本以上の端部は、テーパしているのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛の1本以上は、カールしているのがよくまたは特定の方向に造形されていてもよい。例えば、人工毛202の端部208または人工毛302の端部308は、テーパしていてもよくカールしていてもよく、またはこれらの両方の状態であってよい。幾つかの実施形態では、人工毛は、長さが3mmから30mmまでの範囲にあるのがよく、または幾つかの場合はこれよりも長くてもよい。
【0075】
幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションは、ベースを有するのがよい。例えば、人工まつげエクステンション200は、ベース206を有する。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション300は、人工まつげエクステンション200のベース206に類似したベースを有してもよく、あるいは有さなくてもよい(図示のように)。ベースは、上側(例えば、紙面から出て読者の方へ向いている)、下側、裏側、表側、および2つの横側を有するのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションの多数の人工毛のうちの1本以上は、ベースの表側から突き出ている。人工まつげエクステンションの裏側は、生まれつきのまつげの下側のところに配置されると、ユーザの目の方へ向くことができる。ベースの厚さ(例えば、上側と下側との間)は、約0.05ミリメートル(mm)~約0.15mm(例えば、0.05mm±0.01mm)であるのがよい。幾つかの実施形態では、ベースの厚さは0.05mm未満であるのがよい。幾つかの実施形態では、ベースの低プロフィールは、人工まつげエクステンションが生まれつきのまつげの下側に良好にくっついてユーザの視界の妨げにならないようにするよう軽量であることができるようにするよう設計されている。ベースが低プロフィールであることは、ベースの形成の際に熱が少なくとも部分的に加わっていることに起因している。
【0076】
幾つかの実施形態では、ベースの上側または下側(例えば、表面)のうちの1つ以上は、実質的に平坦である(例えば、±0.03mmまたは±0.015mmの平坦度制御公差値を有する)。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200のベースの平坦度は、表面、例えば生まれつきのまつげの下側または別の人工まつげエクステンションの反対側の表面への接触およびくっつき具合を向上させるよう設計されるのがよい。ベースが低プロフィールであることは、ベースの形成の際に熱が少なくとも部分的に加わっていることに起因している。
【0077】
幾つかの実施形態では、ベースは、少なくとも一部がベースの領域のところまたはその近くに熱を加えることによって形成されるのがよい。熱を加えることにより、人工まつげエクステンションの人工毛のうちの1つ以上(例えば、全ての人工毛またはクラスタ)をベースにまたはベースのところで連結することができる。幾つかの実施形態では、加熱状態の固定具、例えば加熱状態の定盤、加熱状態のクリンプ、加熱ランプ、加熱オーブン、または他の器具を用いて(例えば、人工毛に押し付けて)、人工毛(例えば、1つ以上のクラスタの人工毛)を少なくとも軟らかい状態、ねばついた状態またはべとついた状態にする(少なくとも部分的に溶融させる)のがよい。幾つかの実施形態では、少なくとも部分的に溶融した人工毛(例えば、1つ以上のクラスタの)は、ベースの少なくとも一部を形成する。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工毛を少なくとも部分的に溶融させ、その結果、多数本の人工毛が人工まつげエクステンションのベースにまたはベースのところで繋がるようにする。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工毛が少なくとも部分的に溶解し、その結果、多数の人工毛のうちの少なくとも何割かが人工まつげエクステンションのベースのところで互いに結合するようになっている。
【0078】
幾つかの実施形態では、人工毛(例えば、および/またはクラスタの人工毛)をベースのところで少なくとも部分的に溶解させるため、人工毛を55~100℃の温度に加熱するのがよく、これにより、人工毛をベースにまたはベースのところで、かつ/あるいは幾つかの場合においては互いに連結させることができる。幾つかの実施形態では、熱を加えることは、上述の温度で、人工毛の材料のガラス転移温度以上、ガラス転移温度内、またはガラス転移温度で行われる。ガラス転移温度では、人工毛の材料は、脆い状態から柔らかい状態、ゴムのような状態、粘着性のある状態または柔軟な状態に移行する。幾つかの実施形態では、熱を加えることは、人工毛の材料の溶融温度以上、溶融温度内、または溶融温度で行われる。例えば、ベース領域(および/または人工まつげエクステンションの他の部分)を約200℃以上に加熱するのがよい。
【0079】
幾つかの実施形態では、1種類以上の追加の人工材料、例えば1種類以上の人工毛または他の材料を人工毛と実質的に直交して配置するのがよい(例えば、全体として人工毛の長さ方向に対して水平にそろえるのがよい)。幾つかの実施形態では、追加の人工材料を人工毛に連結するのがよい。幾つかの実施形態では、追加の人工材料をベースまたは少なくとも初期ベースとみなすことができる。幾つかの実施形態では、追加の人工材料を形成されるべきベースの少なくとも一部とみなすことができる。幾つかの実施形態では、熱をベースが形成されるべき領域(これは、追加の人工材料を含むのがよい)に加えるのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛および/または追加の人工材料のうちの1つ以上を少なくとも部分的に溶解させて少なくとも部分的にベースを形成するのがよい。幾つかの実施形態では、追加の人工材料は、単独でまたは1種類以上の他の人工材料(例えば、水平人工毛、ナイロン等)とともに用いられる接着剤を含むのがよい(例えば、接着剤の塗布)。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、塗布した接着剤の硬化を助けることができる。接着剤を用いる幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工毛を部分的に溶解させてもよいが、溶解させなくてもよい。
【0080】
幾つかの実施形態では、ベースは、圧力を加えることによって少なくとも部分的に形成できる。幾つかの実施形態では、圧力を加えることと熱を加えることを組み合わせることによってベースを形成することができる。例えば、熱を加えることとともに圧力を加えることは、人工まつげエクステンションのベースのところで同時に行われるのがよく、それにより人工毛の少なくとも何割か(例えば、クラスタの人工毛の何割か)を少なくとも部分的に溶解させて互いに連結する(例えば、一緒に固定する)とともに/あるいは追加の人工材料に結合させる(例えば、これに固定する)。
【0081】
幾つかの実施形態では、熱を加える前に、人工毛を支持体またはベースの糸または繊維に結束して(例えば、結び付けて)人工毛をそろえるとともに人工毛が水平に広がるのを阻止するのがよい。熱を上述したように加えるのがよく(人工毛が支持糸に結びつけられた状態で)、その結果、支持糸がベースの要部をなすようになっている。他の場合、熱を水平支持糸の下に加えるのがよい。例えば、支持糸は、人工毛を定位置に保持することができ、加えた熱は、支持糸の下にベースを形成することができる。他の実施形態では、人工毛は、熱を加えてベースを形成する前または形成中、支持糸と整列しない(例えば、支持糸に結び付けられない)。
【0082】
他の実施形態では、人工毛は、熱を加えてベースを形成する前および/または形成中、ステンシルまたは他の配列器具を用いて配列されるのがよい。幾つかの実施形態では、熱を1回以上加えてベースを形成するのがよい。変形実施形態では、ベースは、化学プロセスを用いて部分的にまたは全体的に形成されてもよい。
【0083】
幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200および人工まつげエクステンション300のうちの1つ以上は、人工毛のクラスタ204A~204G(本明細書では、ひとまとめに「クラスタ204」という)および人工毛のクラスタ304A~304G(本明細書では、ひとまとめに「クラスタ304」という)の状態にそれぞれ構成される人工毛202,302を含む。幾つかの実施形態では、人工毛のクラスタは、一緒にグループ化される2本以上の人工毛を指すことができる。幾つかの実施形態では、クラスタの2本以上の人工毛は、熱を加える前および/または熱を加えた後に互いに接触するのがよい。幾つかの実施形態では、2~30本の人工毛をクラスタ内に含めるのがよい。
【0084】
幾つかの実施形態では、人工毛のクラスタを上述したのと同様の仕方で熱を加えることによりベースにまたはベースのところで連結するのがよい。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工まつげエクステンションの1つ以上のクラスタ内の人工毛の少なくとも何割かを少なくとも部分的に溶解させることができる。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、少なくとも1つのクラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かを少なくとも部分的に溶解させることができ、その結果、クラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かが互いに結合するようにすることができる。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、少なくとも1つのクラスタの人工毛の少なくとも何割かを少なくとも部分的に溶解させることができ、その結果、クラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かが人工まつげエクステンションのベースに結合する(とともに/あるいは少なくとも部分的に人工まつげエクステンションのベースを形成する)ようになっている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのクラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かは、少なくとも熱を加えることによって、ベースのそれぞれの部分で互いに連結される。
【0085】
幾つかの実施形態では、クラスタは、熱を加えることによってベースのところで互いに連結される。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションの1つ以上のクラスタは、ベースのところで少なくとも1つの隣接のクラスタに直接連結される。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションの1つ以上のクラスタは、ベースのところで人工まつげエクステンションの少なくとも1つの隣接のクラスタに間接的に連結される。
【0086】
幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションの少なくとも2本の人工毛は、互いに十字に交差する。例えば、特定のクラスタの2本の人工毛は、互いに十字に交差するのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛の1つ以上の個々のクラスタは、上述したように熱を加えることにより形成することができる。かくして、クラスタは、ベース(例えば、クラスタベース)を有することができる。上述したようにクラスタをクラスタベースに配置し熱を加えると、人工まつげエクステンションのベース(例えば、ベース206)を少なくとも部分的に形成することができる。
【0087】
幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200または300は、幅が4~10mmであるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200または300は、幅が5~6mmであるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションの幅は、代表的には幅が1~2mmの単一のクラスタよりもはるかに広い。
【0088】
人工まつげエクステンション300は、十字交差状態の人工毛302の連結部分310A~310H(本明細書では、ひとまとめに「連結部分310」という)のところで互いに結合されまたは固定される隣接する人工毛(または隣接するクラスタ304)をさらに示している。例えば、特定のクラスタの少なくとも1本の毛は、連結部分のところで隣のクラスタの1つ以上の毛に固定されるのがよい(例えば、直接的にまたは間接的に)。幾つかの実施形態では、連結部分は、人工まつげエクステンションの人工毛が互いに直接的にまたは間接的に接続されて人工まつげエクステンションを形成し、人工毛の両端が一緒に接続されていない(例えば、両端が自由)ように、人工毛の2つの端部相互間の領域で人工まつげエクステンションの人工毛(例えば、クラスタ)を一緒に連結することができる。
【0089】
幾つかの実施形態では、連結部分310を本明細書において説明するようにベースとみなすことができる。幾つかの実施形態では、本明細書において説明するのと同様の仕方で熱を加えることによって連結部分を形成することができる。幾つかの実施形態では、本明細書において説明するのと同様の仕方で圧力を加えることによって連結部分を形成することができる。幾つかの実施形態では、本明細書において説明するように、熱を加えること、接着剤を塗布すること、圧力を加えること、または化学的プロセスのうちの1つ以上を用いて連結部分310を形成することができる。例えば、十字交差状態の人工毛302は、人工毛302の端部306(例えば、端部308と反対側の端部306)よりもほぼ約1mm~約5mm(±0.5mm)上のところで互いに連結されまたは固定される。
【0090】
幾つかの実施形態では、人工材料を用いてクラスタを端部306の上方で互いに固定して連結部分310を形成することができる。幾つかの実施形態では、追加の人工材料、例えば1つ以上の人工毛または他の材料を人工毛の長さ方向に対して水平に(例えば、連結部分310によって指示された領域を横切って)配置しまたは連結するのがよい。人工毛または人工毛のクラスタは、本明細書において説明するように、熱を加えること、接着剤を塗布すること、圧力を加えることまたは化学的プロセスのうちの1つ以上を用いて、追加の人工材料に連結されるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション300の人工毛を連結するために用いられる追加の人工材料を利用することは、本明細書において説明するようなベースを形成するために用いられる追加の人工材料を利用することと類似しているのがよい。
【0091】
幾つかの実施形態では、ベース(人工まつげエクステンション200のベース206と類似している)は、連結部分310の形成後に形成され、次に除去されるのがよく、その結果、人工まつげエクステンション300は、ベースを備えないようになる。幾つかの実施形態では、固定された連結部分310は、ベースが存在しない状態で人工まつげエクステンション300の人工毛302を保持することができる。幾つかの実施形態では、十字交差人工毛302の連結部分310は、人工まつげエクステンション200のベース206に類似したベースを形成しないで形成できる。
【0092】
幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション、例えば人工まつげエクステンション200または人工まつげエクステンション300は、1本以上の人工毛および/または1つ以上のクラスタを人工まつげエクステンションから取り外すことができるよう分離可能であるように設計されているのがよい。幾つかの実施形態では、1本以上の人工毛および/または1つ以上のクラスタは、本明細書において説明するように、アプリケータを用いて人工まつげエクステンションから取り外すことができる。幾つかの実施形態では、ベースおよび/または連結部分は、人工まつげエクステンションのベースまたは連結部分を静止位置(例えば、平たいベース)から45度未満曲げることによって人工毛および/またはクラスタを人工まつげエクステンションから取り外すことができるよう脆いのがよい。例えば、人工まつげエクステンションの人工毛および/またはクラスタは、人工毛および/ またはクラスタ相互間の連結が最小限の力で壊れるよう設計されているのがよい。
【0093】
理解されるべきこととして、人工まつげエクステンション200,300は、本発明を限定するものではなく、例示目的で提供されている。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200および/または人工まつげエクステンション300を本明細書において説明するようにアプリケータとともに使用するのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション200,300とは異なる人工まつげエクステンションを本明細書において説明するようにアプリケータとともにもちいることができる。
【0094】
図4Aは、本発明の幾つかの実施形態によるアプリケータの図である。アプリケータ400は、(例えば、別々の)人工毛(例えば、人工毛のクラスタ)を1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外すよう設計されている。幾つかの実施形態では、アプリケータ400は、人工毛をユーザの生まれつきのまつげ(例えば、ユーザの生まれつきのまつげの下側)に取り付けられている1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外すよう設計されており、その結果、取り外した人工毛は、人工毛を人工まつげエクステンションから取り外した後においてはユーザの生まれつきのまつげに取り付けられたままの状態であるようになっている。幾つかの実施形態では、アプリケータはさらに、アプリケータ400の内面のうちのいくつか相互間で、生まれつきのまつげ、取り外した人工毛、および塗布された接着剤を圧迫しまたは絞るようにつまむ(例えば、圧力を加える)ことによって、生まれつきのまつげ、取り外した人工毛、および塗布した接着剤相互間の結合度を高めるよう設計されている。
【0095】
幾つかの実施形態では、アプリケータ400は、1対の対向したアーム、例えばアーム402Aとアーム402B(本明細書では全体として「アーム402」という)を有する。幾つかの実施形態では、アーム402は、互いに接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、アーム402は、それぞれの近位端部のところ、例えば、アーム402Aの近位端部404Aおよびアーム402Bの近位端部404B(本明細書では、全体として「近位端404」という)のところで互いに接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、近位端部404は、ヒンジを形成するよう接合されるのがよい。例えば、近位端部404は、アプリケータ400の単一の近位端部を形成するよう互いに固定されるのがよい。
【0096】
幾つかの実施形態において、アプリケータ400は、側部412(例えば、上側部)および側部414(例えば、下側部)、外面416、および内面418を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402に関し、側部412は、側部414と反対側に位置し、内面418は、外面416と反対側に位置する。幾つかの実施形態では、各アーム402の内面418および外面416は、側部412と側部414との間に延びている。
【0097】
幾つかの実施形態では、各アーム402は、多数の区分、例えば区分406、区分408、および区分410を有するのがよい。幾つかの実施形態では、区分406は、アプリケータ400の対向したアームのアーム402の近位端部を含む。幾つかの実施形態では、区分406は、近位端部404に向かう方向に沿ってテーパしているのがよい。他の実施形態では、区分406は、任意の形状のものであってよく、あるいは任意タイプのテーパを有することができる。
【0098】
幾つかの実施形態では、各アーム402の区分408は、一端が区分406に位置決めされた状態で連結されるのがよく、反対側の端が区分410に連結されるのがよい。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分408は、湾曲部420を有するのがよい。幾つかの実施形態では、湾曲部420は、凹状の湾曲部である。幾つかの実施形態では、各アームの湾曲部420は、区分408に対応した側部414の少なくとも一部に沿って設けられている。幾つかの実施形態では、湾曲部420は、ユーザの頬骨または鼻梁の上方にかつ/あるいはこの上にそのままの状態になるよう設計されている。
【0099】
幾つかの実施形態では、各アーム402の区分408は、区分408に対応した外面416の少なくとも一部に模様付き部分422を有するのがよい。幾つかの実施形態では、模様付き部分422は、アプリケータ400を掴みやすいよう設計されているのがよい。幾つかの実施形態では、模様付き部分422は、互いに平行な溝および/または凸条を有するのがよい。他の実施形態では、模様付き部分422は、任意形式のテクスチャを有することができる。幾つかの実施形態では、区分408は、模様付き部分を備えず、かつ模様がつけられていない。
【0100】
幾つかの実施形態では、各アーム402は、区分410を有する。幾つかの実施形態では、区分410は、区分408から遠位方向に延びている。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410は、2つの端部分を有する。例えば、アーム402Aの区分410は、端部分424Aおよび端部分426Aを有する。アーム402Bの区分410は、端部分424Bおよび端部分426Bを有する。各端部分424Aおよび端部分424Bを本明細書においては全体として端部分424という。端部分426Aおよび端部分426Bを本明細書においては全体として端部分426という。
【0101】
幾つかの実施形態では、各アームの区分410は、端部分424と端部分426との間に設けられた湾曲部428を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402の湾曲部428は、区分410に対応したアーム402の側部414に沿って設けられている。幾つかの実施形態では、湾曲部428は、凹状の湾曲部である。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の湾曲部428および/または湾曲部434の頂点は、端部分426から遠位側にかつ端部分424から近位側に差し向けられており、その結果、湾曲部428は、区分410の反対側の側部412に向くようになっている。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の湾曲部428は、ユーザの目のまつげラインの形状と実質的に同一平面をなしてそろうよう設計されている。
【0102】
幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410は、湾曲部434を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の湾曲部434は、端部分424と端部分426との間に設けられている。幾つかの実施形態では、湾曲部434は、区分410の側部412の少なくとも一部に沿って設けられている。幾つかの実施形態では、湾曲部428は、湾曲部434と反対側にある。幾つかの実施形態では、湾曲部434は、凸状の湾曲部を含む。
【0103】
幾つかの実施形態では、アーム402Aの区分410は、区分410に対応した内面418上に設けられた1つ以上の分離要素430、例えば、ブレードまたは他の構造を有する。幾つかの実施形態では、1つ以上の分離要素430は、アーム402Aの区分410に対応した内面418(例えば、内面418A)から延びている。幾つかの実施形態において、1つ以上の分離要素は、区分410の内面418に対して実質的に垂直に(例えば、±10゜)延びている。
【0104】
幾つかの実施形態では、アーム402Aの区分410の分離要素430は、人工毛を1つ以上の人工まつげエクステンションから取り外す(例えば、かつ/あるいは分離する)よう設計されている。例えば、分離要素430は、人工毛を人工まつげエクステンションのベースから分離するよう使用されるのがよい。幾つかの実施形態では、アーム402Aの区分410の分離要素は、人工毛をユーザの生まれつきのまつげ(例えば、下側)に取り付けられた人工まつげエクステンションから取り外すよう設計されており、その結果、取り外した人工毛は、ユーザの生まれつきのまつげに取り付けられたままであるようになっている。幾つかの実施形態では、アーム402Aの区分410の分離要素430は、人工毛のクラスタを人工まつげエクステンションから取り外すよう設計されている。例えば、分離要素相互間の間隔は、おおよそほぼクラスタの幅(例えば、0.3~2mm)であるのがよく、その結果、個々のクラスタは、分離要素430を用いて人工まつげエクステンションから取り外されるようになっている。
【0105】
幾つかの実施形態では、分離要素430は、人工毛を人工まつげエクステンションから切断しまたは取り外すよう設計された鋭利なエッジを形成するよう、端部(例えば、区分410の内面418からみて遠位側)でテーパしたエッジを有するのがよい。幾つかの実施形態では、分離要素430は、ユーザの生まれつきのまつげを切ることがないよう比較的とがっていないエッジを有するのがよい。幾つかの実施形態では、分離要素のエッジは、アーム402Aの区分410の内面418に対して実質的に平行に(例えば、±10゜)そろうのがよい。幾つかの実施形態では、分離要素430は、アーム402Aの区分410の湾曲部428の接線に実質的に垂直に差し向けられるのがよい。他の実施形態では、分離要素は、種々の形状および/または種々の向きを有することができる。例えば、分離要素430は、エッジが区分410の内面418から遠位側に位置する一点を形成するよう形作られてもよい。もう1つの実施例では、分離要素430は、区分410の湾曲部428の方に近い各分離要素430のエッジの一部分が、湾曲部434の方に近い各分離要素430のエッジのもう1つの部分よりも区分410の内面418より遠くに位置決めされ(例えば、上に傾斜する)、あるいはその逆の関係が成り立つ(例えば、下に傾斜する)よう角度をなして形付けられてもよい。分離要素430の他の形状および他の向きは、本発明の範囲に含まれる。
【0106】
幾つかの実施形態では、分離要素430は、アーム402Aの区分410の内面418の中心を外れた状態で位置決めされるのがよい。幾つかの実施形態では、各分離要素430の一方の側は、湾曲部434の近くに位置決めされた当該分離要素430の反対側よりも湾曲部428の近くに位置決めされるのがよい(また、この逆の関係が成り立つ)。幾つかの実施形態では、分離要素は、互いに異なる位置に形成できる。例えば、分離要素430は、湾曲部434と湾曲部428との間で区分410のほぼ中間に位置決めできる。
【0107】
幾つかの実施形態では、対向したアーム402Bの区分410は、多数のスロット、例えばスロット432を有するのがよい。幾つかの実施形態では、アーム402Bの区分410のスロット432は、アーム402Aの区分410の分離要素430と対向して整列する。幾つかの実施形態では、アーム402Bの区分410のスロット432は、対向したアーム402Aの区分410の分離要素430をそれぞれ受け入れるよう構成されている。分離要素430およびスロット432がそれぞれアーム402Aおよびアーム402B上に設けられた状態で示されているが、他の実施形態では、分離要素430とスロット432の配設場所を逆にしてもよい。例えば、分離要素430をアーム402Bの区分410に設けてもよく、スロット432をアーム402Aの区分410に設けてもよい。
【0108】
幾つかの実施形態では、スロット432は、対応の分離要素430の少なくとも一部を受け入れるよう構成されている。幾つかの実施形態では、スロット432は、アプリケータ400が閉じ位置にあるとき、それぞれの分離要素430の1つ以上の側を包囲することができる側壁を有する。幾つかの実施形態では、スロット432の形状、向き、および/または位置は、分離要素430の形状、向き、および/または位置に対応しており、そしてまた、アプリケータ400が閉じ位置にあるとき、対応の分離要素430を受け入れるように構成されている。幾つかの実施形態では、スロット432は、対応の分離要素430を受け入れる空所を備えるよう構成されている。幾つかの実施形態では、スロット432はそれぞれ、湾曲部428または湾曲部434のうちの一方まで延び、側部414または側部412の空所が存在するようになっている。幾つかの実施形態では、スロット432は、少なくともアーム402Bの区分410の内面418から区分410の本体中に延びる空所を有する。幾つかの実施形態では、図示のように、スロット432は、アーム402Bの区分410の内面418から本体を通り、そしてアーム402Bの区分410の外面416を貫通して延びる空所を有するのがよい。
【0109】
幾つかの実施形態では、分離要素430相互間の区分410の内面418A(これは、アーム402Aの内面418の一部分であるのがよい)は、比較的平坦であり(例えば、±0.35mmまたは±0.015mmの平坦度制御公差値を有する)または比較的平面状である。幾つかの実施形態では、分離要素430相互間に配置されたアーム402Aの区分410の内面418Aは、取り外した人工毛を生まれつきのまつげに押し付けるよう設計されている。幾つかの実施形態では、スロット432相互間の区分410の内面(これは、対向したアーム402B上に、内面418Aに対向して位置している)もまた、比較的平坦である(例えば、±0.35mmまたは±0.015mmの平坦度制御公差値を有する)。幾つかの実施形態では、分離要素430相互間の内面418Aとスロット432相互間の内面は、アプリケータ400が閉じ位置にあるとき、互いに接触するよう設計されている。幾つかの実施形態では、スロット432相互間の内面は、人工まつげエクステンションを安定化するよう設計されており、その結果、対向したアーム402の対応の分離要素430は、ユーザの生まれつきのまつげに取り付けられている人工まつげエクステンションから人工毛を分離することができるようになっている。幾つかの実施形態では、分離要素430とスロット432との間の内面は、人工まつげエクステンションの取り外した人工毛、生まれつきのまつげ、および塗布された接着剤を圧迫しまたは絞るようにつまむ(圧力を加える)するよう設計されており、取り外した人工毛がユーザの生まれつきのまつげに固定する(例えば、結合する)ようにする。
【0110】
幾つかの実施形態では、分離要素430および/またはスロット432は、人工まつげエクステンションから人工毛を取り外したり、取り外した人工毛をユーザの生まれつきのまつげに取り付けたりするとき、アプリケータが生まれつきのまつげの毛を切ることがないように設計されるのがよい。
【0111】
幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の端部分424は、それぞれのアーム402の遠位端部436(例えば、アームの先端部またはアプリケータ400の先端部)を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402の遠位端部436は、それぞれのアーム402の単一の遠位側端部である。
【0112】
幾つかの実施形態では、各アーム402に関し、区分410の少なくとも一部分は、区分408と接合される。接合部分は、区分410の端部分424よりも端部分426の方に近い。幾つかの実施形態では、区分406、区分408、および区分410は、近位端404に向かって長手方向に延びている。
【0113】
幾つかの実施形態では、アプリケータ400は、ステンレス鋼、焼入鋼、またはチタンのうちの1つ以上を含み、またはかかる1つ以上で形成される。幾つかの実施形態では、両方のアーム402の区分406、区分408および区分410は、同種材料で形成される。
【0114】
幾つかの実施形態では、アプリケータ400は、
図4Aのアプリケータ400によって示されているように開き位置に構成されるのがよい。幾つかの実施形態では、アプリケータ400の開き位置は、デフォルト位置である。幾つかの実施形態では、開き位置では、各アームの各区分410は、互いに接触しない。幾つかの実施形態では、開き位置では、スロット432と分離要素430は、互いに分離されるよう構成されていて、互いに接触することはない。
【0115】
図4Bは、本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータを部分的に閉じ位置で示す図である。
図4Cは、本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータを完全閉じ位置で示す図である。
【0116】
幾つかの実施形態では、アプリケータ400は、開き位置から閉じ位置に移行するよう構成されている。幾つかの実施形態では、閉じ位置は、2つの状態、すなわち、
図4Bに示すような部分閉じ位置と、
図4Cに示すような完全閉じ位置を含む。幾つかの実施形態では、部分閉じ位置では、アーム402Aの区分410の分離要素430のうちの1つ以上は、1つ以上のそれぞれのスロット432の少なくとも対応の部分内にはまり込むよう構成されている。幾つかの実施形態では、部分閉じ位置では、区分410の分離要素430相互間の内面418の全て(例えば、どれも)が、スロット432相互間の対向した内面418に接触するわけではない。物体、例えば人工まつげエクステンションが、アーム402の対向した区分410の内面418相互間に配置される状況では、完全閉じ位置は、区分410の対向した内面418が物体に圧力を加える(例えば、人工まつげエクステンションが個々のクラスタに分けられた)アプリケータ400の位置を指すのがよい。
【0117】
幾つかの実施形態では、完全閉じ位置では、アーム402Aの区分410の分離要素430相互間の内面418は、アーム402Bの区分410のスロット432の間の対向した内面418に接触するよう構成されている。幾つかの実施形態では、アプリケータ400は、合わさっていく対向したアーム402の単一の連続運動の際、開き位置から部分閉じ位置に、そして部分閉じ位置から完全閉じ位置に移行するよう構成されている。
【0118】
図4Dは、本発明の幾つかの実施形態に従って人工まつげエクステンションの人工毛を取り外す部分閉じ位置でアプリケータを示す図である。
図4Eは、本発明の幾つかの実施形態に従って圧力を取り外した人工毛に加える完全閉じ位置でアプリケータを示す図である。
図4Dのアプリケータ400は、人工毛を人工まつげエクステンションから取り外す部分閉じ位置でアプリケータ400を示している。アプリケータ400の分離要素430は、人工まつげエクステンションを図示のように、人工毛の多数の区分に分割するのがよい。
図4Eのアプリケータ400は、圧力を人工まつげエクステンションの取り外した人工毛に加える完全閉じ位置でアプリケータ400を示している。
【0119】
図4Fは、本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータのアーム内の取り外した人工毛の図である。
図4Fのアプリケータ400は、アプリケータ400の区分410の分離要素430相互間の人工まつげエクステンションの取り外した人工毛、この場合クラスタを示している。
【0120】
図5A~
図5Eは、本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す図である。
【0121】
図5Aは、接着剤塗布ツール556(例えば、ブラシ)を用いて、目550の生まれつきの上まつげ552の下側に塗布された接着剤554を示している。接着剤としては、グルー、マスカラ、結合剤、エポキシ、ペースト、または接着性を備えた任意他の天然または合成物質のうちの1つ以上を含むのがよい。
【0122】
図5Bは、ユーザの目の生まれつきのまつげの下側に配置された第1の組をなす人工まつげエクステンション500A~500C(本明細書では、全体として「人工まつげエクステンション500」という)を示している。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステ500A~500Cは、それぞれ、ベース506A~506Cを有する。ベース506A~506Cは、生まれつきのまつげ552の下側のところに配置されるのがよい。幾つかの実施形態では、ベース506A~506Cは、目550のまつげラインの近くに配置されている。幾つかの実施形態では、ベース506A~506Cの上側の少なくとも一部分は、生まれつきのまつげ552の下側に(接着剤により)取り付けられている。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンション500の人工毛のうちの何割かの少なくとも一部分は、生まれつきのまつげ552の下側に(接着剤により)取り付けられている。理解されるべきこととして、人工まつげエクステンションのサイズおよび数は、本発明を限定するものではなく、例示の目的で示されている。幾つかの実施形態では、任意の数の人工まつげエクステンションを生まれつきのまつげに取り付けることができる。人工まつげエクステンションが所定のサイズのセグメントとして示されているが、他の実施形態では、人工まつげエクステンションは、例えば、まつげラインのほぼ半分を横切って延びる、大きめのセグメント(または小さめなセグメント)であってもよい(例えば、2つの人工まつげエクステンションが上のまつげを覆ってもよい)。さらに他の実施形態では、単一の人工まつげエクステンションがまつげラインを実質的に覆ってもよい。
【0123】
図5Cは、アプリケータ400を用いて、生まれつきのまつげの下側に取り付けられた人工まつげエクステ500A~500Cの各々から人工毛が取り外されている状態を示している。アプリケータ400の分離要素を用いて、ユーザによって圧力がアプリケータ400の外面に加えられたことに基づいて、人工毛(例えば、クラスタ)を人工まつげエクステンションから切断しまたは取り外すために用いられるのがよい。理解されるべきこととして、アプリケータ400は、本発明を限定するものではなく例示目的で、サイズが目550に対して想定的に示されている。幾つかの実施形態では、アプリケータ400の区分410は、分離要素が目550のまつげライン全体を覆って延びるように構成されているのがよい。
【0124】
図5Dは、取り外した人工毛がユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられている(例えば、結合されている)状態を示している。幾つかの実施形態では、分離要素相互間の内面およびスロット相互間の内面は、取り外した人工毛および生まれつきのまつげに圧力を加えることができ、それにより、取り外した人工毛は、生まれつきのまつげとよりしっかりとした(追加の圧力を加えなかった場合よりもしっかりとした)結合状態を有する。圧力を加えることにより、取り外した人工毛と生まれつきのまつげとの間の結合面を増大させることができる(圧力を加えない場合よりも)。幾つかの実施形態では、合わさっているアプリケータのアームの単一の動作により、人工毛を人工まつげエクステンションから取り外し、そして取り外した人工毛を生まれつきのまつげの下側に取り付ける(例えば、固定する)ことができる。
【0125】
図5Eは、ユーザの生まれつきのまつげの下側に固定された取り外し状態の人工毛を示している。図示のように、取り外した人工毛は、それぞれの人工まつげエクステンションから取り外されており、これら取り外した人工毛は、ユーザの生まれつきのまつげの下側に固定される。
【0126】
一連の操作(または行為)として方法600および方法700について説明する。理解されるべきこととして、幾つかの操作を他の操作と同時に実施することができる。幾つかの実施形態では、同数、これよりも少ない、または多い数の操作を同一または異なる順序で実施することができる。幾つかの実施形態では、互いに異なる操作を実施することができ、あるいは多数の操作を単一の操作に組み合わせることができ、あるいは、多数の操作を用いて単一の操作を実施することができる。
【0127】
図6は、本発明の幾つかの実施形態に従ってアプリケータを製造する操作を示す流れ図である。
図6の方法600を1つ以上の製造機器またはツール(本明細書ではひとまとめに、「製造機器」という)によって実施することができる。
【0128】
方法600の操作610では、製造機器は、1つ以上の金属片を1対の対向したアームの状態に形成する。幾つかの実施形態では、1対の対向したアームは、近位端部のところで接合された第1のアームと第2のアームを含む。幾つかの実施形態では、第1のアームおよび第2のアームの各々は、近位端部を備えた第1の区分、第3の区分の第1の区分との間に位置決めされた状態でこれら区分に連結された第2の区分、および第3の区分を有する。幾つかの実施形態では、第3の区分は、第2の区分から遠位側に延びている。幾つかの実施形態では、第3の区分は、第1の端部分および第2の端部分を有する。幾つかの実施形態では、第3の区分は、第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有する。
【0129】
幾つかの実施形態では、第1のアームの第3の区分は、第3の区分の内面から延びる分離要素を有する。幾つかの実施形態では、第1のアームの第3の区分の分離要素は、人工毛を人工毛のまつげエクステンションから取り外すよう設計されている。幾つかの実施形態では、第1のアームの第3の区分の分離要素は、人工毛をユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられたまつげエクステンションから取り外すよう設計されている。幾つかの実施形態では、取り外した人工毛は、ユーザの生まれつきのまつげの下側に取り付けられたままであるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションは、人工毛のクラスタを有する。第1のアームの第3の区分の分離要素は、1つ以上の人工毛のクラスタを人工まつげエクステンションから取り外すよう設計されている。幾つかの実施形態では、分離要素相互間の第1のアームの第3の区分の内面は、取り外した人工毛を生まれつきのまつげに押し付けるよう設計されている。幾つかの実施形態では、分離要素は、第3の区分の内面に対して実質的に垂直に延びる。
【0130】
幾つかの実施形態では、第2のアームの第3の区分は、スロットを有する。幾つかの実施形態では、第2のアームの第3の区分の1つ以上のスロットは、第1のアームの第3の区分の分離要素のうちの対応したものを受け入れるよう構成されている。
【0131】
幾つかの実施形態では、1つ以上の金属片は、1対の金属片を含む。幾つかの実施形態では、1対の金属片を1対の対向したアームの状態に形成するステップは、1対の対向したアームの第1のアームおよび第2のアームの少なくとも一部分を1対の金属片のそれぞれの金属片から成形するステップと、1対の対向したアームを各対向アームの近位端部のところで接合するステップとをさらに含む。
【0132】
幾つかの実施形態では、金属片のうちの1つ以上は、ステンレス鋼、焼入鋼、またはチタンのうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、対向したアームの第1の区分、第2の区分、および第3の区分は、同種の材料で作られる。
【0133】
操作620では、製造機器は、付着防止コーティングをアームの第3の区分に被着させる。幾つかの実施形態では、付着防止コーティングは、ポリテトラフルオロエチレンコーティングまたはシリコーンコーティングのうちの少なくとも一方からなる。
【0134】
幾つかの実施形態では、アプリケータは、1対の対向したアームに対する圧力の作用に応答して開き位置から閉じ位置に移行するよう構成されている。幾つかの実施形態では、開き位置では、複数の分離要素と複数のスロットは、互いに分離されるよう構成されている。幾つかの実施形態では、器具の開き位置は、デフォルト位置である。
【0135】
幾つかの実施形態では、閉じ位置は、第1の閉じ位置および第2の閉じ位置を含む。幾つかの実施形態では、第1の閉じ位置では、複数の分離要素の各々の少なくとも一部分は、複数のスロットの各々の少なくとも対応の部分内にはまり込むよう構成されている。幾つかの実施形態では、第2の閉じ位置では、第1のアームの第3の区分の複数の分離要素相互間の内面は、第2のアームの第3の区分の複数のスロット相互間の内面に接触するよう構成されている。
【0136】
幾つかの実施形態では、第3の区分の少なくとも一部分は、第2の区分に接合される。幾つかの実施形態では、接合部分は、第3の区分の第1の端部分よりも第2の端部分の方に近く位置している。
【0137】
幾つかの実施形態では、第1の区分、第2の区分、および第3の区分は、近位端部に向かって長手方向に延びている。
【0138】
幾つかの実施形態では、第1のアームおよび第2のアームの各々は、第2の側部と反対側の第1の側部、および外面と反対側の内面を有する。内面および外面は、第1の側部と第2の側部との間に延びている。
【0139】
幾つかの実施形態では、第3の区分は、第3の区分に対応した第1の側部の少なくとも一部分に沿って第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第2の湾曲部を有する。第2の湾曲部は、第1の湾曲部と反対側に位置決めされている。
【0140】
幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、第3の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部分に沿って設けられている。幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、凹状の湾曲部であり、第2の湾曲部は、凸状の湾曲部である。幾つかの実施形態では、凹状湾曲部の頂点は、第2の端部分から遠位側に差し向けられるとともに第1の端部分から近位側に差し向けられ、その結果、凹状湾曲部は、第3の区分に対応した第1の側部とは反対側を向くようになっている。幾つかの実施形態では、第3の区分の第1の湾曲部は、まつげラインの形状と実質的に同一平面上に位置した状態でそろえるよう設計されている。
【0141】
幾つかの実施形態では、第3の区分の第1の端部分は、対向したアームの遠位端部を有する。幾つかの実施形態では、対向したアームの遠位端部は、対向したアームの単一の遠位側末端部である。
【0142】
幾つかの実施形態では、第2の区分は、第2の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部分に沿って設けられた第3の湾曲部を有する。幾つかの実施形態では、第3の湾曲部は、頬骨または鼻梁の上方にまたは頬骨または鼻梁上にそのままの状態になるよう設計されている。
【0143】
図7は、本発明の幾つかの実施形態に従って生まれつきのまつげの下側のところで人工まつげエクステンションから取り外した人工毛を固定する操作を示す流れ図である。
図7の方法700は、人工まつげエクステンションを付けるユーザによって実施されるのがよい。幾つかの実施形態では、ユーザは、本明細書において説明したようにアプリケータを用いて方法700の操作の少なくとも一部を実施するのがよい。方法700のユーザは、人工まつげエクステンションをつけるのと同一のユーザであってもよく、あるいは、ユーザに代わって人工まつげエクステンションをつける別のユーザであってもよい。
【0144】
方法700の操作710では、接着剤をユーザの生まれつきのまつげに塗布するのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤を生まれつきのまつげの下側、例えば、生まれつきの上まつげの下側に塗布するのがよい。幾つかの実施形態では、下側ではなく、接着剤を生まれつきの上まつげの上部または側部に塗布してもよい。
【0145】
幾つかの実施形態では、接着剤は、グルー、マスカラ、結合剤、エポキシ、ペースト、または接着性を備えた任意他の天然または合成物質のうちの1つ以上であるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、人工まつげエクステンション(および/またはこれらの取り外した人工毛)が幾つかの期間(例えば、数時間、数日、数週間、または数か月)にわたって個人の生まれつきのまつげに固定されたままの状態でいることができるようにする耐水性の調剤であってよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、従来型まつげエクステンション用の市販の接着剤または本明細書において説明するまつげエクステンション用の特別な組成物であってよい。接着剤は、透明であってもよく、着色(例えば、乳白色またはマスカラに匹敵する黒色)されていてもよい。
【0146】
幾つかの実施形態では、接着剤は、ブラシ、櫛、または任意他の形式の塗布用ツールを用いて塗布されるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、ウォーターラインから1~2ミリメートル離れたところに塗布されるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、生まれつきのまつげに沿うあるいはウォーターラインに沿う任意の場所に塗布されるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤がその接着特性を発揮する(例えば、部分的に硬化する)ことができるようにするために操作720に進む前に所定の期間待つことが望ましい場合がある。
【0147】
操作720では、ユーザは、1つ以上のまつげエクステンションをユーザの生まれつきのまつげのところに配置する。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつげエクステンション(例えば、まつげエクステンション)を生まれつきのまつげの下側のところに配置するのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつげエクステンションの各々のベースの上側を生まれつきのまつげの下側に(まぶたにではなく)配置してこれに直接付けるのがよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつげエクステンションをまつげラインの湾曲部とそろうよう配列するのがよい。例えば、多数の人工まつげエクステンションを互いに隣接して(例えば、オーバーラップさせないで、またはオーバーラップさせて)配列するのがよく、その結果、ベースは、まつげラインの湾曲部と整列するようになる。かくして、1つ以上の人工まつげエクステンションは、人工まつげエクステンションがまつげラインの近くに配置されると、まつげラインと実質的に同一平面上に位置するようになるのがよい。
【0148】
幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつげエクステンションは、生まれつきのまつげの下側のところに一度に配置されるのがよい。例えば、単一の人工まつげエクステンションを最初に配置し、別の人工まつげエクステンションをその次に配置するのがよく、以下同様である。幾つかの実施形態では、アプリケータを用いると、1つ以上の人工まつげエクステンションを配置することができる。ユーザは、さらに、所望に応じて人工まつげエクステンションのうちの1つ以上を配置しなおすことができる。
【0149】
幾つかの実施形態では、人工毛の1つ以上のまつげエクステンションをユーザの生まれつきのまつげのところに配置する操作は、互いに隣り合った1つ以上のまつげエクステンションを生まれつきのまつげのところに配置する操作を含む。
【0150】
幾つかの実施形態では、生まれつきのまつげのところに配置される人工まつげエクステンションは、1つ~8つの別々の人工まつげエクステンションを含むことができる。生まれつきのまつげのところに配置される人工まつげエクステンションの数は、人工まつげエクステンションの幅、用いられる人工毛の太さ、所望のスタイル、所望のまつげ密度(ユーザのまつげの「フルネス」ともいう)などに応じるのがよい。
【0151】
幾つかの実施形態では、接着剤を生まれつきのまつげに塗布し(操作710で説明したように)、次に1つ以上の人工まつげエクステンションを生まれつきのまつげに配置する(操作720で説明したように)のではなく、接着剤を1つ以上の人工まつげエクステンションに(例えば、これらの上側に)塗布し、次に、人工まつげエクステンションを生まれつきのまつげの(例えば、下側に)配置してもよい。
【0152】
操作730では、ユーザは、アプリケータを用いて、ユーザの生まれつきのまつげのところに配置された1つ以上のまつげエクステンションから人工毛を取り外すのがよい。
【0153】
操作740では、ユーザは、アプリケータを用いて、1つ以上のまつげエクステンションの取り外した人工毛を生まれつきのまつげに取り付けるのがよい。幾つかの実施形態では、取り外した人工毛(例えば、クラスタ)の各々を生まれつきのまつげの下側に取り付ける(例えば、結合する)のがよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつげエクステンションを所望の配列状態にいったん配置すると、人工まつげエクステンションの人工毛を人工まつげエクステンションから分離するのがよく、そして取り外した人工毛が表面、例えば生まれつきのまつげの下側に固定され、そしてずっと取り付けられる(例えば、数日間)よう取り付けるのがよい。幾つかの実施形態では、アプリケータを用いて圧力を加えることまたは接着剤を硬化させるための時間の経過のうちの1つ以上を用いて、取り外した人工毛を取り付けるのを助けるのがよい。幾つかの実施形態では、アプリケータを用いて、取り外した人工毛を生まれつきのまつげに取り付ける(例えば、圧力を加える)のがよい。
【0154】
幾つかの実施形態では、アプリケータを用いて各人工まつげエクステンションを個々につかみ、そして人工まつげエクステンションを生まれつきのまつげの下側に配置するのがよい。幾つかの実施形態では、ユーザは、第1の人工まつげエクステンションを生まれつきのまつげの下側に配置し、第1の人工まつげエクステンションから人工毛を取り外し、そしてアプリケータを用いて、取り外した人工毛を取り付け、次に、第2の人工まつげエクステンションを取り付けた人工毛に隣接した場所につけ、第2の人工まつげエクステンションから人工毛を取り外し、そしてアプリケータを用いて、取り外した人工毛を取り付け、そしてこのプロセスを続け、ついには、各人工まつげエクステンションが配置され、それぞれの人工毛が取り外され、そして取り外された人工毛が取り付けられるようにする。幾つかの実施形態では、ユーザは、多数の人工まつげエクステンションが配置されるまで、第1の人工まつげエクステンションの人工毛を取り外すのを待つのがよい。幾つかの実施形態では、配置し、取り外し、そして取り付ける操作のうちの2つ以上を単一の操作に組み合わせることができる。
【0155】
幾つかの実施形態では、アプリケータは、1対の対向したアームの第1のアームおよび第2のアームを有する。幾つかの実施形態では、第1のアームの一区分は、この区分の内面のところに設けられた分離要素を有する。幾つかの実施形態では、分離要素は、人工毛の1つ以上のまつげエクステンションから人工毛を取り外すよう設計されている。
【0156】
幾つかの実施形態では、アプリケータの第2のアームの区分は、各々が第1のアームの区分の分離要素の各々をそれぞれ対応して受け入れるよう構成されたスロットを有する。
【0157】
幾つかの実施形態では、1対の対向したアームに圧力を加えることにより、アプリケータを開き位置から閉じ位置に移行させることができる。1対の対向したアームに圧力を加えることにより、人工毛が1つ以上のまつげエクステンションから取り外され、そして1つ以上のまつげエクステンションの取り外した人工毛が天然まつげに取り付けられる。
【0158】
クレーム記載された本発明の種々の実施形態についての上記記載内容は、例示および説明の目的のために提供されている。網羅的であることまたはクレーム記載された本発明を開示した形態そのものに限定することは意図されていない。多くの改造および変形が当業者には明らかであろう。本発明の原理およびその実用的用途を最もよく説明するために実施形態を選択して説明しており、それにより、当業者がクレーム記載された本発明、種々の実施形態、および想定される特定の使用にあった種々の改造例を理解することができる。
【0159】
本明細書全体を通じて「一実施形態」、「ある幾つかの実施形態」、「1つ以上の実施形態」、または「(複数のうちのどれか1つの)実施形態」(訳文では、この場合もまた「一実施形態」という場合がある)は、当該実施形態と関連して説明する特定の特徴、構造、材料、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。かくして、本明細書全体を通じて種々の場所に、例えば「1つ以上の実施形態では」、「ある特定の実施形態では」、「一実施形態では」、または「(複数のうちのどれか1つの)実施形態では」のようは語句が現れる場合、これらは、必ずしも本発明の同一の実施形態を意味しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態において任意適当な仕方で組み合わせ可能である。
【0160】
「連結され」、「結合され」という用語、またはこれらの任意の変形語は、直接的であり間接的でありいずれにせよ、2つ以上の要素相互間の任意の連結または結合を含む。
【0161】
原文明細書で用いられる単数形“a”、“an”および“the”は、別段の明示の指定がなければ、複数を意味している。かくして、例えば、「一要素」といった場合、これは、単一の要素ならびに2つ以上の異なる要素を含む。「実施例」または「例示の」という用語は、本明細書においては、実施例、場合、または例示としての役目を果たすことを意味するために用いられている。「実施例」または「例示の」として本明細書で説明される任意の観点または設計は、必ずしも、他の観点または設計と比較して好ましいまたは有利であるとみなされるべきではない。これとは異なり、「実施例」または「例示の」という用語が用いられている場合、これは、技術的構想を具体的な仕方で提供することを意図している。本願で用いられる「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別段の指定がなければ、または文脈から明らかな場合を除き、「XがAまたはBを含む」という表現は、自然な包括的並べ替えのうちの任意のものを意味することが意図されている。すなわち、XがAを含み、XがBを含み、またはXがAとBの両方を含む場合、「XがAまたはBを含む」という表現は、上記の場合のうちの任意の元で満たされる。
【国際調査報告】