(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法並びにその方法を実施するための設備
(51)【国際特許分類】
B29B 17/02 20060101AFI20240801BHJP
B29B 17/04 20060101ALI20240801BHJP
C08J 11/06 20060101ALI20240801BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B29B17/02 ZAB
B29B17/04
C08J11/06
D03D1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507168
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022070667
(87)【国際公開番号】W WO2023011948
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524045600
【氏名又は名称】オール サン
(71)【出願人】
【識別番号】524047361
【氏名又は名称】テクン‐テール
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルティアス ルック
(72)【発明者】
【氏名】デュラン レミ
(72)【発明者】
【氏名】ターナリー ジャン‐ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ジロデ ローラン
【テーマコード(参考)】
4F401
4L048
【Fターム(参考)】
4F401AA09
4F401AA10
4F401AC10
4F401AC20
4F401AD04
4F401BA13
4F401CA13
4F401CA28
4F401CA35
4F401CA60
4F401CA79
4L048AA15
4L048DA24
(57)【要約】
ポリエチレンで作製された連続的な内側バッグと、ポリプロピレンで作製された外側外部とからなる、使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法であって、・-少なくとも1つの大型バッグが、20cm未満の厚さまで圧縮され、・-当該圧縮された大型バッグ(複数可)が、細断ユニットに搬送され、・-当該少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、細断ユニットで細断され、当該圧縮された大型バッグが細断ユニットに搬送される速度及び当該ユニットの切断頻度が、一方では、PEのストリップ、及び他方では、PP外部の断片が得られるように、100~1000切断数/mが圧縮された大型バッグ(複数可)に対して実施されるようなものであり、・-当該PEストリップが、PP断片から分離されて、PP断片の第1の画分及びPEストリップの第2の画分が得られ、PEストリップが、ポリエチレンストリップの第2の細断を適用することによって処理され、・-当該2つの画分が、清浄化され、・-第1の押出機に、当該清浄化された第1の画分を供給して、PP顆粒を得、第2の押出機に、当該清浄化された第2の画分を供給して、PE顆粒を得る、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な内側ポリエチレンバッグと、外側の織られたポリプロピレン外部とからなる使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法であって、少なくとも以下の工程:
- 少なくとも1つの大型バッグが、20cm未満の厚さまで圧縮される工程、
- 前記少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、細断ユニットに搬送される工程、
- 前記少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、細断ユニットで細断される工程であって、前記圧縮された大型バッグが前記細断ユニットに搬送される供給速度及び前記細断ユニットの切断頻度が、一方では、前記内側バッグからのポリエチレンのストリップであって、前記ストリップが、1~10mmの幅及び最大1000mmの長さを有する、ポリエチレンのストリップが得られ、他方では、1~2mmの幅及び最大500mmの長さを有する部分的に不織の細片及びフィラメントの形態の前記外側ポリプロピレン外部の断片が得られるように、100~1000切断数/mが前記圧縮された大型バッグ(複数可)に対して実施されるようなものである、細断される工程、
- 前記ポリエチレンストリップが、前記ポリプロピレン断片から分離され、ポリプロピレン断片の第1の画分及びポリエチレンストリップの第2の画分が得られる工程であって、前記第2の画分が、前記ポリエチレンストリップの第2の細断を実施することによって処理される、得られる工程、
- 前記2つの画分が、前記画分の各々に対して、
○ 少なくとも1つの空気分離、
○ 粉塵除去、
○ 水で洗浄すること、を実施することよって清浄化される工程、
- 第1の押出機に、ポリプロピレン断片の前記第1の清浄化された画分を供給して、ポリプロピレン顆粒を得、第2の押出機に、前記細断されたポリエチレンストリップの第2の清浄化された画分を供給して、ポリエチレン顆粒を得る工程を順番に行うことを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
圧縮された大型バッグ当たり200~500切断数/mが適用されることを特徴とする、請求項1に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、コンベヤベルトの手段によって14.4m/分~144m/分の供給速度で前記細断ユニットに搬送され、前記細断が実施される前記細断ユニットが、マルチブレードロータからなり、前記切断頻度が、秒当たり240切断数に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、28.8~72m/分の供給速度で前記細断ユニットに搬送されることを特徴とする、請求項3に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、コンベヤベルトの手段によって0.25m/分~2.5m/分の供給速度で前記細断ユニットに搬送され、前記細断が実施される前記細断ユニットが、ギロチンカッターからなり、前記切断頻度が、分当たり250切断数に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、0.5~1.25m/分の供給速度で前記細断ユニットに搬送されることを特徴とする、請求項5に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの大型バッグが、3~5cmの厚さまで圧縮されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用済み大型バッグをリサイクルするための方法。
【請求項8】
前記2つの画分を清浄化する工程中に、以下の工程:
- 前記2つの画分の各々に対して、最も重い汚染物質、特に金属、木材、紙、鉱物粒子の抽出を可能にすることができる第1の空気分離の工程、
- 前記PEのストリップを含有する前記第2の画分に対して、前記PPの排除を可能にし、前記第2の画分内の前記PPの割合を1%未満の含有量まで低下させることができる、第2の空気分離の工程が実施されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用済み大型バッグをリサイクルするための方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を実施するための、連続的なポリエチレン内側バッグと外側の織られたポリプロピレン外部とからなる使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための設備であって、前記設備が、少なくとも1つの大型バッグを圧縮するためのユニットを備え、その下流に、前記圧縮された大型バッグ(複数可)を細断ユニットに供給するコンベヤベルトが配置され、前記細断ユニットが、前記少なくとも1つの大型バッグを、一方では、ポリエチレンストリップと、他方では、ポリプロピレン断片とからなる細断された原材料へと切断するための手段を備え、前記設備が、前記細断された材料をローダに供給するための手段を更に備え、前記ローダが、分離ユニットへの前記細断された原材料の取込み流量を較正及び管理するための手段を備え、前記分離ユニットが、前記ポリプロピレン断片の第1の画分を前記ポリエチレンストリップの第2の画分から分離することができる少なくとも1つのシェーカ、前記第2の画分を前記シェーカから第2の細断ユニットに搬送するための第1の手段、前記第2の細断された画分を前記第2の細断ユニットから分離及び清浄化ユニットに搬送するための第2の手段、並びに前記断片の第1の画分を前記シェーカから前記分離及び清浄化ユニットに直接搬送するための第4の手段、前記第4の手段の下流に、第1の押出手段が配置され、前記ポリプロピレン断片の第1の清浄化された画分が供給される、前記第1の押出手段、並びに前記細断されたポリエチレンストリップの第2の清浄化された画分を供給される第2の押出手段を備える、ことを特徴とする、設備。
【請求項10】
前記シェーカが、その下部に、複数の固定グリッド又は平行バーで構成されるエプロンを備え、2つのグリッド又は2つの隣接するバーが、1~3cmで構成される距離だけ分離され、前記シェーカが、その上部に、先端を収容する一連の複数の関節ロッドを更に備え、ロッドが、20~90°の交互の不規則な回転運動によって駆動されることを特徴とする、請求項9に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための設備。
【請求項11】
前記細断ユニットの前記切断手段が、マルチブレードロータからなることを特徴とする、請求項9又は10に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための設備。
【請求項12】
前記細断ユニットの前記切断手段が、ギロチンカッターからなることを特徴とする、請求項9又は10に記載の使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクルの分野、より具体的には、プラスチック材料のリサイクルに関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、2つの主要なプラスチック構成要素から製造されたプラスチック製品をリサイクルし、これら2つの構成要素の最適な分離を確実にするための方法、並びに本発明の方法の実施を可能にする設備に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の方法は、とりわけ、種子又は顆粒を貯蔵及び/又は輸送するために農業環境において特に使用される「大型バッグ」タイプの大きな可撓性バッグをリサイクルするために示される。
【0004】
大きなフレキシブルバルクコンテナとしても知られている大型バッグは、以下の2つの要素からなるバッグの形態の容器である:
- ポリエチレン材料(本明細書の残りの部分では、PEと略される)から製造された連続的なフィルムからなり、一般に、50~100g/m2の坪量を有する内側バッグ、
- 一般に、100~200g/m2の坪量を有する、強力なポリプロピレン(本明細書の残りの部分では、PPと略される)外側外部。
【0005】
空の大型バッグの重量は、約1.3kgであり、その容積は、一般に、1m3であり、PP-PE質量割合は、PEが1/3に対してPPが2/3程度である。
【0006】
これらの2つの要素である内側バッグ及び外側外部は、縫製及び/又は接合によって固定される。縫製糸も、プラスチック、ポリプロピレン、ポリアミド、又は更にはポリエステルタイプの材料で作製される。
【0007】
大型バッグは、例えばフォークリフトの手段による取り扱いを可能にするためのストラップが設けられる。
【0008】
この大型バッグが、例えば顆粒などの湿気に敏感な材料を充填するために使用される場合、バッグは、容器の上方の高さに保持され、次いで、内容物を抽出するために底部が切り開かれ、内容物が注ぎ出される。
【0009】
大型バッグが、このようにして切り開かれ空にされると、又は空にされた大型バッグが使用される場合、それらは束にして平らに貯蔵され、圧縮され、したがって廃棄物になり、廃棄物は、明らかな環境上の理由のために処理され、可能な限りリサイクルされるべきである。
【0010】
この点において、大型バッグの外側外部及び内側バッグをそれぞれ構成する、2つのプラスチック材料PP及びPEを効果的に分離することが不可欠である。
【0011】
大型バッグを構成する内側バッグ及び外側外部である、2つの要素のそのような分離は、作業者によって手動で行われ得る。
【0012】
しかしながら、そのような作業には、膨大な時間を要することが不可避である。
【0013】
大型バッグはまた、機械によって完全に細断される場合があるので、バッグの2つの構成プラスチック材料である、ポリエチレン及びポリプロピレンは、細断された材料中で一緒に混合される。
【0014】
したがって、外側外部のポリプロピレン及び内側バッグを構成するポリエチレンが細断され混合されると、これらの要素を効果的に分離することが困難であるので、大型バッグのリサイクルには問題がある。実際、現在の細断技術は、細断される構成要素の異なる形態を生成することを可能にしないので、基本的な材料であるPP及びPEを分離しようとするその後の試みは、効果的ではない。
【0015】
ポリプロピレン(PP)又はポリプロピレン/ポリエチレン(PP/PE)混合物に基づいて製造された使用済み大型バッグタイプのバッグをリサイクルするための方法を提案しているポーランド特許第428008号が、従来技術から知られている。
【0016】
このリサイクル方法では、以下の工程が順次行われる:
- バッグを乾燥事前細断して、80mm以下のサイズの細断片を得る工程、
- これらの細断片を2回洗浄し、次いで遠心分離及び/又はプレスして過剰の水を細断片から除去する工程、
- 第2の細断を行って、60mm以下のサイズのフレークを得る工程、
- 圧縮し、次いで240℃~260℃で融解させ、混合し、一軸スクリュー押出しし、融解塊を0.6mmメッシュスクリーンに通して濾過する工程、
- 最後に脱気し、再びスクリーンに通して濾過することによって、再押出しし、次いで造粒する工程。
【0017】
ここでは、このように、細断-洗浄-融解及び最終的な濾過の順序に基づくリサイクル解決策が提案され、均質でありかつ不純物を含まない細断された材料を得ることが求められる。
【0018】
PP/PE混合物から製造されたバッグに対するこの方法の実施は、当該2つのプラスチック材料の分離を可能にせず、比較的均質な粒子サイズを有するプラスチック材料の細断片を得ることが求められる。
【0019】
文献欧州特許第2 371 508号は、ポリマーシート及び封止フィルムで構成される、乳製品の包装物をリサイクルするための方法について記載している。
【0020】
この方法では、廃棄物は、細断された後、主にポリマーシートを含む重い粒子を軽い粒子から分離することを目的として、サイクロン沈殿によって機械的に分離される。
【0021】
次いで、軽い粒子をスクリーンに通過させて、非常に小さい寸法の粒子を封止フィルムから分離する。
【0022】
次いで、重いポリマー粒子は、スクリーニングによる分離から生じた粒子と一緒に集められ、統合された後、融解されたポリマーが濾過される。
【0023】
また、文献中国特許第111546536号からは、肥料又は化学製品を収容することが意図された織られたプラスチックバッグを回収するための方法が知られており、この方法では、バッグが、平らにされ、次いで、機械を詰まらせ得る折り目の形成を回避することを求めてプレスされる。次いで、バッグの両側は、ブラッシングされ、洗浄される。
【0024】
文献中国特許第210 233 640号及び同第210 211 005号において提案されているのは、PP外部及び内側PEバッグで構成される織られたプラスチックバッグを細断する方法であり、これらのバッグは、肥料又は化学製品を充填するために使用される。これらの方法では、バッグは、ナイフミルの手段によって細断される。
【0025】
文献中国特許第209 365 131号では、バッグの切断-細断は、バッグの手動による事前切断を回避し、粉塵の発生を少なくするために、螺旋ブレード及び空気抽出器によって行われる。
【0026】
文献中国特許第209 036 777号は、産業又は農業における使用のための織られたPPバッグのリサイクル及び清浄化に関する。
【0027】
記載の方法は、順次、以下である:
- 最初に、バッグを細断すること、
- 2つのタンクにおいて、水で清浄化すること、
- 第2の細断を行うこと、
- 再洗浄すること、
- 沈降による材料の分離、及び
- 脱水
【0028】
また、日本特許出願第2017/014316号から知られているのは、可撓性容器を再使用することによって、包装用延伸バンドなどの押出延伸製品に使用されるリサイクルされた複合樹脂である。
【0029】
リサイクルされる複合樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー樹脂を、PPと(メッシュユニットを通じた濾過によって除去されるか、又はPPと融合された)PETとの混合物を収容している可撓性容器を細断及び融解させることによって製造されたリサイクルされた原材料と混合することによって得られ、リサイクルされた複合樹脂中に含有される熱可塑性樹脂構成要素の少なくとも80重量%が、ポリプロピレンである。
【0030】
しかしながら、既に上に示されるように、従来技術において提案されている方法は、時折、実施するには複雑かつ高価であり、かつ/又は異なるポリマーから製造されたバッグの様々な構成要素のリサイクルのための最適な分離を可能にしない。
【0031】
したがって、細断後、大型バッグの基本的なプラスチック材料であるPP及びPEは、適切に分離されず、一緒に融解されて再使用可能な顆粒へと変換されることが一般的である。
【0032】
この結果、最終材料は、リサイクルされるが、PPとPEとの間の化学的非相溶性に起因して、劣った物理的性能を有する。
【0033】
したがって、現在市場で入手可能であり、顆粒から製造され、その組成がこれらの2つのプラスチック材料の混合物を含むことが不可避である、ある特定のリサイクルされた製品は、製品の機械的特徴、この場合、内側バッグ及び外側外部の構成要素がそれぞれ純粋な又は実質的に純粋なPE及びPPから製造される大型バッグの機械的特徴よりも低い、機械的特徴を有する。
【発明の概要】
【0034】
本発明は、大型バッグの2つの要素を構成するプラスチック材料を細断及び分離するための従来技術における、既知の方法の欠点を少なくとも部分的に改善することを求めるものである。
【0035】
本発明者らによって考案された解決策は、大型バッグタイプのバッグを細断するための特定の技術と、特定の細断後に得られるこれらの材料の形態の違いに基づく、これらの材料を構成する2つのプラスチック材料の分離とを、組み合わせることからなる。
【0036】
したがって、本発明の主題は、第1に、ポリエチレンで作製された連続的な内側バッグと、ポリプロピレンで作製された外側の織られた外部とからなる、使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法である。
【0037】
本発明の方法は、少なくとも以下の工程を順に含むことを特徴とする:
- 少なくとも1つの大型バッグが、20cm未満の厚さまで圧縮される工程、
- 当該少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、細断ユニットに搬送される工程、
- 当該少なくとも1つの圧縮された大型バッグが、細断ユニットで細断される工程であって、当該圧縮された大型バッグが細断ユニットに搬送される供給速度及び細断ユニットの切断頻度が、一方では、内側バッグからのポリエチレンのストリップであって、ストリップが、1~10mmの幅及び最大1000mmの長さを有する、ポリエチレンのストリップが得られ、他方では、1~2mmの幅及び最大500mmの長さを有する部分的に不織の細片及びフィラメントの形態の外側ポリプロピレン外部の断片が得られるように、100~1000切断数/mが当該圧縮された大型バッグ(複数可)に対して実施されるようなものである、細断される工程、
- 当該ポリエチレンストリップが、ポリプロピレン断片から分離され、ポリプロピレン断片の第1の画分及びポリエチレンストリップの第2の画分が得られる工程であって、第2の画分が、ポリエチレンストリップの第2の細断を実施することによって処理される、工程、
- 当該2つの画分が、画分の各々に対して、少なくとも、
○ 空気分離、
○ 粉塵除去、
○ 水で洗浄すること、を実施することよって清浄化される工程、
- 第1の押出機に、ポリプロピレン断片の当該第1の清浄化された画分を供給して、ポリプロピレン顆粒を得、第2の押出機に、細断されたポリエチレンストリップの当該第2の清浄化された画分を供給して、ポリエチレン顆粒を得る工程。
【0038】
優先的には、当該ポリエチレンのストリップとポリプロピレン断片との間の分離工程は、振盪によって、特にポリプロピレン断片の第1の画分をポリエチレンストリップの第2の画分から分離することが可能な少なくとも1つのシェーカを備える、分離ユニットの手段によって行われる。
【0039】
本発明の方法の特定の実施形態によれば、
- 圧縮された大型バッグの200~500切断数/mが適用され、
- 本方法の第1の代替的な実施形態では、少なくとも1つの圧縮された大型バッグは、コンベヤベルトの手段によって14.4m/分~144m/分の供給速度で細断ユニットに搬送され、細断が実施される当該細断ユニットが、マルチブレードロータからなり、切断頻度が、秒当たり240切断数に等しく、
- 優先的には、この第1の変形形態では、当該少なくとも1つの圧縮された大型バッグは、28.8~72m/分の供給速度で細断ユニットに搬送され、
- 本方法の第2の代替的な実施形態では、当該少なくとも1つの圧縮された大型バッグは、コンベヤベルトの手段によって0.25m/分~2.5m/分の供給速度で細断ユニットに搬送され、細断が実施される当該細断ユニットが、切断頻度が分当たり250切断数に等しいギロチンカッターからなり、
- 少なくとも1つの圧縮された大型バッグは、0.5~1.25m/分の供給速度で細断ユニットに搬送され、
- 当該少なくとも1つの大型バッグは、3~5cmの厚さまで圧縮され、
- 当該2つの画分を清浄化する工程の間に、以下が実施される:
* 当該2つの画分の各々に対して、最も重い汚染物質、特に金属、木材、紙、鉱物粒子の抽出を可能にすることができる第1の空気分離、
* PEのストリップを含有する第2の画分に対して、PPの排除を可能にし、当該第2の画分内の当該PPの割合を1%未満の含有量まで低下させることができる、第2の空気分離。
【0040】
本発明はまた、本発明の方法を実施するための、連続的な内側ポリエチレンバッグと、外側の織られたポリプロピレン外部とからなる、使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための設備に関する。
【0041】
設備は、少なくとも1つの大型バッグを圧縮するためのユニットを備え、その下流に圧縮された大型バッグ(複数可)を細断ユニットに供給する供給コンベヤが配置され、細断ユニットが、一方では、ポリエチレンストリップ、他方では、断片化されたポリプロピレン粒子で構成される、未加工の細断された材料へと当該少なくとも1つの大型バッグを切断するための手段を備える。
【0042】
当該設備は、未加工の細断された材料をローダに供給するための手段を更に備え、ポリプロピレン断片の第1の画分をポリエチレンストリップの第2の画分から分離することが可能な、少なくとも1つのシェーカを備える分離ユニットへと、当該細断された材料の供給流を較正及び管理するための手段を備える。
【0043】
設備はまた、当該第2の画分をシェーカから第2の細断ユニットに搬送するための第1の手段と、当該第2の細断された画分を当該第2の細断ユニットから分離及び清浄化ユニットに搬送するための第2の手段と、断片の当該第1の画分を当該シェーカから当該分離及び清浄化ユニットに直接搬送する第4の手段と、を設けられる。このユニットの下流には、ポリプロピレン断片の当該第1の清浄化された画分が供給される第1の押出手段、及び細断されたポリエチレンストリップの当該第2の清浄化された画分が供給される第2の押出手段が配置される。
【0044】
設備の例示的な実施形態では、
- 当該シェーカは、その下部に、複数の固定グリッド又は平行バーで構成されるエプロンを備え、2つのグリッド又は2つの隣接するバーが、1~3cmの距離だけ分離され、当該シェーカが、その上部に、先端を収容する一連の複数の関節ロッドを更に備え、ロッドが、20~90°の交互の不規則な回転運動によって駆動され、
- 細断ユニットの切断手段は、マルチブレードロータからなり、
- 細断ユニットの切断手段は、ギロチンカッターからなる。
【0045】
本発明の更なる目的及び利点は、例示的かつ非限定的な例としてのみ提供される実施形態に関する以下の記載全体を通じて明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、より具体的には、第1に、使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法に関する。
【0047】
本明細書に記載の本発明はまた、本発明の方法を実施するための設備に関する。これは、明細書において後述されるであろう。
【0048】
本発明の方法の手段によって処理されることが意図される大型バッグは、2つの別個のプラスチック材料から得られる2つの要素からなる大きなバッグの形態の容器からなる。したがって、大型バッグは、従来、一方では、ポリエチレン(PE)で作製された連続的な内側バッグ、及び他方では、ポリプロピレン(PP)で作製された外側の織られた外部を備える。
【0049】
本発明の方法は、農業分野において従来使用されている使用済み大型バッグに対して実施される場合、特に有利には、ベース製品を構成するプラスチック材料PE及びPPの各々の異なる断片を製造することを可能にする。
【0050】
したがって、2つのプラスチック材料PE及びPPの各々は、互いに別々に、かつ一方が他方で汚染されることなく、容易にリサイクルすることができる。
【0051】
本発明は、より具体的には、使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法に関し、その組成は、上に記載されている。
【0052】
本方法の第1の工程では、処理される大型バッグ(複数可)は、圧縮されて、処理される材料を含む20cm未満の厚さ、より優先的には3~5cmの厚さを有する床が形成される。
【0053】
第2の工程では、このように圧縮された大型バッグ(複数可)は、好適な搬送手段、特にコンベヤベルトを通じて細断ユニットに供給される。
【0054】
本発明の主題である方法のその後の工程では、圧縮された大型バッグ(複数可)が細断される。
【0055】
大型バッグを細断及びリサイクルするための本発明の方法の1つの特定の特徴によれば、圧縮された大型バッグ(複数可)を圧縮ユニットから細断ユニットに搬送するための手段、並びに細断ユニットの切断頻度は、細断時に、コンベヤベルトによって細断ユニットに到達する圧縮された大型バッグ(複数可)のメートル当たり、100~1000、好ましくは、200~500切断数が適用されるように、切断の数が調整される。
【0056】
換言すれば、一方では、細断ユニットの切断手段の切断頻度、他方では、圧縮された大型バッグの供給速度は、コンベヤベルトの手段によって細断ユニットに到達する圧縮された大型バッグの単位長さ(1m)当たりのそのような切断数(100~1000、好ましくは200~500)に到達するようにパラメータ化され、相関する。
【0057】
本発明者らは、圧縮された大型バッグの単位長さに適用される切断数のそのような値が、特に有利には、一方では、大型バッグの内側バッグを構成する繊維の連続的なフィルムに由来する、1~10mm、好ましくは2~5mmで構成される幅及び最大1000mmの範囲の長さを有するPEで作製されたストリップ又は長いリボン、及び他方では、PEストリップのサイズよりも非常に小さいサイズの、当該大型バッグの外側外部に由来するPPの断片である、2つの混合された細断片を得ることを可能にすることを実証した。実際、これらのPP断片に関しては、数平方センチメートルの部分的に不織の断片の形態であり、1~2mmの幅及び最大500mmの長さを有する単一フィラメントの形態である。
【0058】
したがって、大型バッグを細断及びリサイクルするための本発明の方法における上述のパラメータの実施、すなわち、圧縮された大型バッグの供給速度と、細断ユニットに含まれる切断手段の切断頻度とを同時に調整することによって得られる、細断された製品の単位長さ当たりの特に多い切断数は、得られるPP及びPEの断片の2つの異なる形態を生じる。
【0059】
異なる形態のこれらの断片は、従来技術から知られている従来の細断プロセスを実施することによって得られる実質的に均質なサイズ及び/又は形状を有するPP及びPE断片と比較して、本明細書の残りの部分で詳述されるであろうその後の工程で、より容易に分離することができる。
【0060】
特に好ましい本発明の方法の第1の実施形態では、上述の切断数を達成し、したがって、PP/PEの異なる断片を得るために、少なくとも1つの圧縮された大型バッグ、好ましくはいくつかの圧縮された大型バッグが、通常の様式で、コンベヤベルトの手段によって細断ユニットに搬送され、コンベヤベルトが、14.4m/分~144m/分の供給速度で動作する。
【0061】
ベルトの通常の進行速度と並行して、細断が行われる当該ユニットは、切断頻度が特に高く、秒当たり240切断数に等しいマルチブレードロータからなる。
【0062】
この第1の実施形態では、やはり、240切断数/秒の頻度で動作するマルチカッター細断機を用いて、特に有利な様式で、圧縮された大型バッグ(複数可)は、28.8~72m/分の供給速度で細断ユニットに搬送される。
【0063】
優先的には、細断ユニットで切断されるために、大型バッグは、20cm未満、優先的には3~5cmの圧縮厚さで圧縮される。
【0064】
一般に、細断ユニットのマルチブレードロータへの入口の幅は、800mm程度の幅であり、作業幅は、600mm程度の幅である。
【0065】
大型バッグの圧縮密度は、0.3程度の値であると推定される。
【0066】
そのような供給速度及び切断頻度のパラメータを用いる本発明の方法の実施によって、約38.9トン/時間と推定される大型バッグの処理流量が生じる。
【0067】
互いに容易に分離可能である別個の形態を有するPP及びPEの断片を製造することも可能にする、本発明の方法の第2の例示的な実施形態では、当該少なくとも1つの圧縮された大型バッグは、今回は0.25m/分~2.5m/分である供給速度で、コンベヤベルトの手段によって細断ユニットに通常の様式で搬送される。
【0068】
この第2の例では、大型バッグの細断が行われる当該細断ユニットに含まれる切断手段は、ギロチンカッターからなり、細断ユニットに到達する圧縮された大型バッグのメートル当たり100~1000の切断数を達成するために、ギロチンカッターの切断頻度は、分当たり250切断数に等しい。
【0069】
有利には、当該少なくとも1つの圧縮された大型バッグは、細断ユニットに到達する圧縮された大型バッグのメートル当たり200~500の切断数を得るために、0.5~1.25m/分の供給速度で細断ユニットに搬送される。
【0070】
本発明の方法に特有の細断工程が完了すると、非限定的な様式で上述のものから選択される実施形態に関連することなく、一方では、大型バッグの内側バッグに由来するPEストリップ、及び他方では、外側外部に由来するPPの断片の、2つの根本的に異なる形態の塊で構成される細断された材料が得られる。
【0071】
この細断された材料から、本発明の方法のその後の工程では、当該PEストリップは、PP断片から分離される。
【0072】
異なる形態のこれら2つのタイプの要素の分離は、この目的に好適な任意の手段によって行うことができる。
【0073】
最も優先的には、振盪による分離の方法は、本発明による使用済み大型バッグの細断及びリサイクルを可能にする設備に関連して、以下でより詳述される「シェーカ」と呼ばれるユニットの手段によって適用されるであろう。
【0074】
この分離工程が完了すると、一方の側では、ポリプロピレン断片の第1の画分が得られ、他方の側では、ポリエチレンストリップの第2の画分が得られる。
【0075】
とりわけ、第1の画分におけるPEによる汚染の程度が10%未満であるのに対して、PEストリップの第2の画分におけるPP断片による汚染の程度が2%未満であることが、本発明者らによって実証することが可能であった。
【0076】
当該第2の画分のみに関する本方法のその後の工程では、PEのストリップは、それらのサイズを低減するために、ナイフミルの手段によって優先的に細断される。
【0077】
次いで、2つの画分は、各々互いに独立して同様の清浄化処理を受ける。
【0078】
より具体的には、当該2つの画分の各々は、少なくとも以下のサブ工程を実施することによって清浄化される:
- 第1の空気分離のサブ工程、清浄化プロセスにおけるそのようなサブ工程は、最初に、2つの画分の各々に存在し得る最も重い汚染物質、特に、金属、木材、紙、鉱物粒子、及び泥などを抽出することを可能にする、
- 任意選択的に、PEのストリップを含有する第2の画分に対してのみ、第2の空気分離が行われ得、この第2の分離は、PPの軽質汚染物質を効果的に除去し、当該第2の画分内のそれらの割合は、1%未満の含有量まで低減される、第2の空気分離のサブ工程、
- 次いで、振動スクリーン、又は揺動スクリーン、あるいは他のサイクロン分離器を実装することによって、粉塵が除去されるサブ工程、
- 画分の各々を水で洗浄するサブ工程。
【0079】
当該2つの画分の各々の清浄化に応じて、
- 第1の押出機に、PP断片を含む当該第1の清浄化された画分を供給して、PP顆粒を得るサブ工程、
- 第2の押出機に、PEの細断されたストリップを含む清浄化された当該第2の画分を供給して、PE顆粒を得るサブ工程。
【0080】
各材料の清浄化並びに押出し及び造粒は、当業者に既知の方法の手段によって、当技術分野で既に使用されているパラメータを適用することによって行われる。
【0081】
したがって、本発明による使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法の実施は、特に有利な方式で、これらの材料の産業的再使用に適合する特徴を有するPP顆粒及びPE顆粒を製造することを可能にする。
【0082】
本発明はまた、使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための設備に関する。
【0083】
設備は、より具体的には、上記の本発明の方法の実施を可能にすることが可能である。
【0084】
当該設備は、少なくとも以下に詳述される要素を含む:
- 少なくとも1つの大型バッグを圧縮するためのユニット、
- この圧縮ユニットの下流に、供給コンベヤが配置され、圧縮された大型バッグ(複数可)を、切断手段を通じて当該少なくとも1つの大型バッグを細断するためのユニットに規則的に供給し、この細断ユニットにおいて、当該切断手段によって、一方では、ポリエチレンストリップで構成され、他方では、ポリプロピレン断片で構成される、未加工の細断された材料が製造され、
- 細断ユニットを出る当該原材料をローダに供給するための手段、当該ローダは、下流に配置された分離ユニットへの当該細断された材料の取込み流量を較正及び管理するための手段を備え、
- 本発明の設備に特定の方式で、ポリプロピレン断片の第1の画分をポリエチレンストリップの第2の画分から分離することが可能なシェーカからなる分離ユニット、
- 当該第2の画分をシェーカから第2の細断ユニットに搬送ための第1の手段、
- 当該第2の細断された画分を当該第2の細断ユニットから分離及び清浄化ユニットに搬送する第2の手段、
- 2つの画分がこのユニットで別々に処理されることを考慮して、断片の当該第1の画分を当該シェーカから当該分離及び清浄化ユニットに直接搬送するための第4の手段、
- 当該分離及び清浄化ユニットの下流に、PP断片を含有する当該第1の清浄化された画分が供給される第1の押出手段、
- また、分離及び清浄化ユニットの下流に、当該第2の清浄化された画分が供給され、PEの細断されたストリップを含有する第2の押出手段。
【0085】
有利には、押出機の各々は、プラスチック、PE、及びPPを融解させ、それらを再使用可能な顆粒へと変換するために、通常の脱気及び濾過装置を設けられていることに留意するべきである。
【0086】
ここで、本発明の設備が備えるシェーカに戻ると、最も優先的には、その下部に、複数の固定グリッド又は平行バーで構成されるエプロンが設けられる。2つのグリッド又は2つの隣接するバーは、有利には、1~3cmの距離だけ互いに分離される。
【0087】
当該シェーカは、その上部に、先端を収容する一連の複数の関節ロッドを更に備え、これらのロッドは、20°~90°の交互の不規則な回転運動によって駆動される。
【0088】
このシェーカアセンブリは、細断から生じるプラスチック材料のクラスタを一方のロッドから他方のロッドへ噴霧して、それらのもつれを解き、これらのプラスチックの塊を十分に振盪させて、外側外部に由来するPPの断片化された粒子をそこから抽出するように動作し、PPの断片化された粒子は、次いで、下部ロッドの組を通じて排出され、コンベヤベルトによって回収される。
【0089】
内側バッグに由来するPEストリップは、それらの部分については、シェーカアセンブリの端部で排出される。
【0090】
結果として、この分離が完了すると、シェーカによって以下の2つの画分が得られ、その組成は、既に上述した通りである:
- PE汚染率が10%未満であるPP断片、
- PP断片による汚染度が2%未満であるポリエチレンストリップ。
【0091】
細断ユニットに含まれる切断手段は、本発明による設備の第1の実施形態では、マルチブレードロータからなる。
【0092】
本発明による設備の第2の実施形態では、切断手段は、ギロチンカッターからなる。
【0093】
使用済み大型バッグを細断及びリサイクルするための方法に関連して記載されている特徴は、設備に置き換え可能であり、逆もまた同様である。
【国際調査報告】