(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電力伝送装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20240801BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240801BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507864
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2022072292
(87)【国際公開番号】W WO2023020881
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】アガフォノフ アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】スターリン アントニウス アドリアーン マリア
(57)【要約】
無線電力伝送システムのための電力送信機および/または受信機は、電力伝送信号を介して電力を交換するように構成された電力伝送コイル103,107を備える。受信機207, 307は、相補的な電力伝送装置から第1データを受信するように構成される。第1データは第1変調方式に従って電力伝送信号上に変調され、各データシンボルはデータシンボルのためのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを各々が有する時間間隔のシーケンスによって表される。送信機205, 305は、第2変調方式に従って電力伝送信号を変調することによって、相補的な電力伝送装置に第2データを送信するように構成される。第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間は、時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である。同期器209, 309は、電力伝送信号へと第2データの送信を同期させることによって、第1データにアラインされた第2データを送信するように、送信機205, 305を同期させるようにさらに構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力送信機から電力受信機への無線電力伝送のための電力伝送装置であって、当該電力伝送装置は前記電力送信機および前記電力受信機のうちの一方であり、当該電力伝送装置は、
電力伝送信号を介して相補的な電力伝送装置の相補的な電力伝送コイルと電力を交換するように構成された電力伝送コイルであって、前記相補的な電力伝送装置は前記電力送信機および前記電力受信機のうちの他方である、電力伝送コイルと、
前記相補的な電力伝送装置から第1データを受信するように構成された受信機であって、前記第1データは、各データシンボルが当該データシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを各々が持つ時間間隔のシーケンスにより表される第1変調方式に従って前記電力伝送信号上に変調され、前記時間間隔のシーケンスが前記電力伝送信号に同期される、受信機と、
第2変調方式に従って前記電力伝送信号を変調することにより前記相補的な電力伝送装置に第2データを送信するように構成された送信機であって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間が、前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、送信機と、
前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより前記第1データにアラインされた前記第2データを送信するように前記送信機を同期させるように構成された同期器と、
を有する電力伝送装置。
【請求項2】
前記時間間隔の継続時間が、前記第2変調方式のデータシンボルの前記シンボル継続時間の少なくとも2倍である、請求項1に記載の電力伝送装置。
【請求項3】
前記時間間隔の継続時間が、前記第2変調方式のデータシンボルの前記シンボル継続時間の少なくとも8倍である、請求項1または2に記載の電力伝送装置。
【請求項4】
前記第1変調方式が二相変調を用いる、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項5】
前記第1データの送信のためのシンボル継続時間にわたる前記第2データの送信の平均変調レベルが、前記第2データのデータ値から独立している、請求項1から4のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項6】
前記送信機が、前記第2データのデータサイズを前記第1データのシンボル継続時間に整合させるために複数のダミーシンボルを送信するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項7】
前記送信機が、前記第1データが非肯定応答基準を満たさない限り、第2データを連続的に送信するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項8】
前記送信機が、前記第1データが前記非肯定応答基準を満たすことに応じて第2データを再送信するように構成される、請求項7に記載の電力伝送装置。
【請求項9】
前記電力伝送装置が前記電力受信機であり、前記第1変調方式が周波数変調を使用し、前記第2変調方式が負荷変調を使用する、請求項1から8のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項10】
前記電力伝送装置が前記電力送信機であり、前記第1変調方式が負荷変調を使用し、前記第2変調方式が周波数変調を使用する、請求項1から8のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項11】
前記同期器が前記電力伝送信号の振幅変動に応じて前記送信機を同期させるように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項12】
前記同期器が前記電力伝送信号のサイクルに応じて前記送信機を同期させるように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の電力伝送装置。
【請求項13】
電力受信機と前記電力受信機への無線電力伝送を実行するための電力送信機とを有する電力伝送システムであって、
前記電力送信機は、
電力伝送信号を介して前記電力受信機の第2電力伝送コイルに電力を送信するように構成された第1電力伝送コイルと、
前記電力受信機から第1データを受信するように構成された第1受信機であって、前記第1データは、各データシンボルが当該データシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを各々が持つ時間間隔のシーケンスにより表される第1変調方式に従って前記電力伝送信号上に変調され、前記時間間隔のシーケンスが前記電力伝送信号に同期される、第1受信機と、
第2変調方式に従って前記電力伝送信号を変調することにより前記電力受信機に第2データを送信するように構成された第1送信機であって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間が、前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、第1送信機と、
前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより前記第1データにアラインされた前記第2データを送信するように前記第1送信機を同期させるように構成された第1同期器と、
を有し、
前記電力受信機が、
前記電力伝送信号を介して前記電力送信機の前記第1電力伝送コイルから電力を受信するように構成された第2電力伝送コイルと、
前記第2変調方式に従って前記電力送信機に第1データを送信するように構成された第2送信機と、
前記第2変調方式に従って前記電力送信機から第2データを受信するように構成された第2受信機と、
前記電力伝送信号にアラインされた前記時間間隔のシーケンスの時間間隔により前記第1データを送信するように前記第2送信機を同期させるように構成された第2同期器と、
を有する、システム。
【請求項14】
電力送信機から電力受信機への無線電力伝送のための電力伝送装置の動作方法であって、前記電力伝送装置は前記電力送信機および前記電力受信機のうちの一方であり、前記電力伝送装置は、
相補的な電力伝送装置の相補的な電力伝送コイルと交換するように構成された電力伝送コイルであって、前記相補的な電力伝送装置は前記電力送信機および前記電力受信機のうちの他方である、電力伝送コイルを有し、
前記方法は、
前記相補的な電力伝送装置から第1データを受信するステップであって、前記第1データは、各データシンボルが当該データシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを各々が持つ時間間隔のシーケンスにより表される第1変調方式に従って前記電力伝送信号上に変調され、前記時間間隔のシーケンスが前記電力伝送信号に同期される、ステップと、
第2変調方式に従って前記電力伝送信号を変調することにより前記相補的な電力伝送装置に第2データを送信するステップであって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間が、前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、ステップと、
前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより前記第1データにアラインされるように前記第2データを送信するように前記送信機を同期させるステップと、
を有する方法。
【請求項15】
電力受信機と前記電力受信機への無線電力伝送を実行するための電力送信機とを有する電力伝送システムの動作方法であって、
前記電力送信機が、電力伝送信号を介して前記電力受信機の第2電力伝送コイルに電力を伝送するように構成された第1電力伝送コイルを有し、前記電力受信機が、前記電力伝送信号を介して前記電力送信機の前記第1電力伝送コイルから受信するように構成された前記第2電力伝送コイルを有し、
前記方法は、前記電力送信機が、
前記電力受信機から第1データを受信するステップであって、前記第1データは、各データシンボルが当該データシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを各々が持つ時間間隔のシーケンスにより表される第1変調方式に従って前記電力伝送信号上に変調され、前記時間間隔のシーケンスが前記電力伝送信号に同期される、ステップと、
第2変調方式に従って前記電力伝送信号を変調することにより前記電力受信機に第2データを送信するステップであって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間が、前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、ステップと、
前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより前記第1データにアラインされるように前記第2データの送信を同期させるステップと、
を実行し、
前記電力受信機が、
前記第2変調方式に従って前記電力送信機に第1データを送信するステップと、
前記第2変調方式に従って前記電力送信機から第2データを受信するステップと、
前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより前記時間間隔のシーケンスの前記時間間隔にアラインされるように前記第1データの送信を同期させるステップと、
を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送装置およびその方法に関し、特に、限定はしないが、Qiタイプの電力伝送システムなどの無線電力コンソーシアム無線電力伝送システムのための無線電力伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のほとんどの電気製品は外部電源から電力を供給するために、専用の電気接点を必要とする。しかしながら、これは、非実用的である傾向があり、ユーザが物理的にコネクタを挿入するか、さもなければ物理的な電気的接触を確立することを必要とする。典型的には、電力要件も大きく異なり、現在のところ、ほとんどの装置には専用の電源が提供されており、その結果、典型的なユーザは、各電源が特定の装置専用である多数の異なる電源を有することになる。しかし、内蔵バッテリの使用は使用中に電源への有線接続の必要性を回避し得るが、これはバッテリがの再充電(または交換)を必要とするため、部分的な解決策を提供するに過ぎない。また、バッテリを使用することは、装置の重量および潜在的なコストおよびサイズを実質的に増大させ得る。
【0003】
著しく改善されたユーザ体験を提供するために、電力が電力送信装置内の送信機インダクタから、個々の装置内の受信機コイルに誘導伝送される無線電源を使用することが提案されている。
【0004】
磁気誘導を介した電力伝送はよく知られた概念であり、大部分は、一次送信機インダクタ/コイルと二次受信機コイルとの間の密結合を有する変圧器に適用される。一次送信機コイルと二次受信機コイルを二つの装置間で分離することにより、これらの間の無線電力伝送が疎結合変圧器の原理に基づいて可能になる。
【0005】
このような構成は、有線または物理的な電気接続を行う必要なく、装置への無線電力伝送を可能にする。実際、外部から再充電または電力を供給するために、単に、送信機コイルに隣接してまたはその上に装置を配置することができる。例えば、電力送信機は、電力を供給するために装置を単に配置することができる水平面を有するように構成されることができる。
【0006】
さらに、そのような無線電力伝送構成は、電力送信機がある範囲の電力受信装置と共に使用され得るように有利に設計され得る。特に、Qi規格として知られる無線電力伝送アプローチが定義され、現在さらに開発されている。このアプローチは、Qi規格を満たす電力送信機装置が同じ製造業者からのものである必要も、互いに専用である必要もなく、Qi規格を満たす電力受信機装置と共に使用されることを可能にする。Qi規格は、特定の電力受信装置に動作を適合させることを可能にするためのいくつかの機能をさらに含んでいる(例えば、特定の電力ドレインに依存する)。
【0007】
Qi規格は無線電力コンソーシアムによって開発されており、情報は例えば、そのウェブサイトhttp://www.wirelesspowerconsortium.com/index.htmlで見つけることができ、特に、定義された仕様書見つけることができる。
【0008】
さらなる開発は、一連の新しい用途および特徴を導入しようとするものである。例えば、無線電力コンソーシアムは、Qiの原理を、ヒーター、ケトル、ブレンダー、パンなどを含む様々なキッチンアプリケーションおよび器具に適用するように拡張することに基づく規格を開発している。特に、これらの開発は、電力伝送のためのはるかに高い電力レベルをサポートし、コードレスキッチン規格として知られている。
【0009】
Qi規格は、電力受信機から電力送信機への通信をサポートし、それによって、電力受信機が、電力送信機が特定の電力受信機に適応することを可能にし得る情報を提供することを可能にする。現在の規格では、電力受信機から電力送信機への単方向通信リンクが定義されており、電力受信機は、電力を伝送する電力伝送信号の負荷変調を行うことによって通信する。具体的には、電力受信機による電力伝送信号の負荷が、電力信号の変調を提供するように変化される。結果として生じる電気的特性の変化(例えば、電流引き込みの変動)は、電力送信機によって検出され、復号(復調)され得る。
【0010】
したがって、物理層では、電力受信機から電力送信機への通信チャネルが電力伝送信号をデータキャリアとして使用する。電力受信機は負荷を変調し、これが送信機コイル電流または電圧の振幅および/または位相の変化によって検出される。データはバイトとパケットでフォーマットされる。
【0011】
さらなる情報は、Qi無線電力規格(バージョン1.0)のパート1の第6章に見ることができる。
【0012】
当初、Qiは一方向通信リンクのみを利用したが、電力伝送動作のより高度な制御および柔軟性を可能にするために、双方向通信リンクが導入されている。電力送信機から電力受信機への通信は、例えば、振幅、周波数または位相変調を使用して電力伝送信号を変調することによって達成されてもよい。
【0013】
電力伝送パラメータのネゴシエーション、無線電力伝送の制御、電力送信機および/または電力受信機の認証、電力送信機ファームウェアの更新、または他の補助データ伝送を含む幾つかの目的を、無線電力伝送システムにおける通信が担う。通信性能は、電力伝送システムの動作にとって重要である。
【0014】
例えば、制御ループの安定性を保証するために、正確なタイミングで電力送信機にフィードバック制御メッセージを提供することが、電力受信機の安全にとって重要である。この通信リンクは、電力受信機から電力送信機への単方向であり、通常、電力受信機側で実行される電力伝送信号の負荷変調として実装される。
【0015】
他の通信は、(例えば、認証中の証明書転送のために)無線電力送信機から無線電力受信機への通信チャネルを必要とする。通常、このチャネルは、電力伝送信号の周波数変調として実装される。
【0016】
多くのシステムでは、電力伝送信号が両方向の通信に適宜使用され、したがって、電力伝送信号は2つの通信リンクをサポートするために使用される。
【0017】
効率的な通信を提供するために、電力伝送システムは、典型的には、そのような場合、通信方向/チャネルが時間的に多重化され分割される時分割を利用する。具体的には、反復時間フレームが典型的には2つ(またはそれ以上)の時間間隔に分割され、各時間間隔において1つの通信チャネルのみがアクティブである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
そのような半二重通信は、多くの状況において効率的および/または信頼性のある通信を提供し得る。しかしながら、このアプローチには、以下のような幾つかの欠点もある:
― 両方のチャネルの帯域幅が低減される。
― 応答時間と通信遅延が増加する場合がある。通信は、半二重プロトコルによって定義される専用タイムスロットで実行されなければならないので、任意の所望の瞬間に通信を開始することができない。
― オーバーヘッドの増加は、より大きなパケットの分割に起因し得る。電力伝送制御は正確なタイミングを有さなければならないので、伝送される最大ペイロードは、2つの連続する制御メッセージの間の時間によって制約され得る。
― 誤り訂正が不十分であると、例えば、パケットが大きくなる可能性がある。受信側は、例えば、通信ハンドオーバが発生する前に、大きなパケットが誤りを含むかどうかを示すことができない場合がある。
【0019】
したがって、改善された電力伝送アプローチが有利であり、特に、柔軟性の増大、コストの低減、複雑性の低減、通信性能の改善、通信遅延の低減、データレートの増大、信頼できる通信、より信頼できる動作、エラー検出の改善、および/または性能の改善を可能にするアプローチが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、本発明は、好ましくは上記の欠点の1つ以上を単独でまたは任意の組み合わせで軽減、低減または排除しようとするものである。
【0021】
本発明の一側面によれば、電力送信機から電力受信機への無線電力伝送のための電力伝送装置が提供され、 前記電力伝送装置は、前記電力送信機器および前記電力受信機の一方であり、当該電力伝送装置は、電力伝送信号を介して相補的な電力伝送装置の相補的な電力伝送コイルと電力を交換するように構成された電力伝送コイルであって、前記相補的な電力伝送装置は前記電力送信機と前記電力受信機の他方である、電力伝送コイルと、前記相補的な電力伝送装置から第1データを受信するように構成された受信機であって、 各データシンボルが当該データシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを有する時間間隔のシーケンスによって表される第1変調方式に従って第1データが電力伝送信号上で変調され、前記時間間隔のシーケンスは前記電力伝送信号に同期している、受信機と、 第2変調方式に従って電力伝送信号を変調することにより前記相補的な電力伝送装置に第2データを送信するように構成された送信機であって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間は、前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、送信機と、前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより、前記第1データにアラインされた前記第2データを送信するよう前記送信機を同期させるように構成された同期器とを有する。
【0022】
本発明は、多くの無線電力伝送システムにおいて改善された性能および/または動作を可能にし得る。改善された通信性能は、多くのアプリケーションおよびシナリオにおいて達成され得る。多くのアプリケーションでは、低減された通信遅延、増大されたデータレート、および/またはより柔軟な通信が一方または両方の通信方向において達成され得る。多くのシナリオでは、そのような改善が通信の許容可能な信頼性を依然として維持しながら達成されることができ、具体的には、許容可能な誤り率を維持しながらそのような動作を可能にし得る。
【0023】
このアプローチは、異なる方向における通信間の干渉の影響を低減し得る一方で、これらが通信キャリアとして電力伝送信号を同時に使用することを可能にし得る。
【0024】
このアプローチは、例えば、電力制御動作、認証、ネゴシエーションなどのための遅延を低減する、より速いメッセージングを可能にすることなどによって、多くの実施形態およびシナリオにおける改善された全体的な電力伝送動作を可能にし得る。
【0025】
動作、具体的には、第1および第2データの同時通信が電力伝送位相中に実行され得る。電力伝送フェーズは、具体的には、電力送信機から電力受信機へ電力を伝送するために、電力伝送信号が生成されるフェーズである。電力伝送フェーズは、電力制御誤差メッセージが電力受信機から電力送信機に送信されるフェーズであってもよい。電力送信機及び電力受信機は、電力伝送フェーズ中に電力伝送のための電力制御ループを実施することができる。電力制御ループは、電力制御誤差メッセージに応じて電力伝送信号のレベルを適応させることができる。
【0026】
各データシンボルは、第1変調方式に従って、異なるデータシンボルに対して異なるパターンを有する一定の変調レベルのパターンによって表され得る。いくつかの実施形態では、各データシンボルは、第2変調方式に従って、異なるデータシンボルに対して異なるパターンを有する一定の変調レベルのパターンによって表され得る。
【0027】
一定の変調レベルは、周波数変調のための一定の周波数、位相変調のための一定の位相、振幅変調のための一定の振幅、負荷変調のための一定の負荷などであり得る。時間間隔のシーケンスは、2つ以上の時間間隔と、少なくとも1つのデータシンボルとを含み得、多くの場合、全てのデータシンボルについて、変調レベルは時間間隔のシーケンスの時間間隔のうちの少なくとも2つについて異なり得る。一定の変調レベルを有する時間間隔は、データシンボルに応じて変化/変調される電力伝送信号のパラメータが時間間隔の間一定である/変化しないことを意味することができる。
【0028】
変調方式は、例えば、周波数変調方式、位相変調方式、振幅変調方式、負荷変調方式などであることができる。
【0029】
時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である第2変調方式のデータシンボルの継続時間は、第2変調方式のデータシンボルの継続時間の整数倍である時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間に等しい。除数/乗数は、1倍であってもよい。第2変調方式のデータシンボルの継続時間は、時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間に等しくてもよい。
【0030】
送信機は、時間間隔のシーケンスの時間間隔の継続時間がシンボル継続時間の整数倍となるように、シンボル継続時間を有する第2変調方式に従って電力伝送信号を変調することによって、相補的な電力伝送装置に第2データを送信するように構成され得る。
【0031】
送信機は、第2変調方式に従って電力伝送信号を変調することによって相補的な電力伝送装置に第2データを送信するように構成されることができ、時間間隔の継続時間は第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間の整数倍である。
【0032】
同期器は、第2データの送信を電力伝送信号に同期させることによって、第1データの時間間隔のシーケンスにアラインされた第2データを送信するよう送信機を同期させるように構成され得る。
【0033】
本発明のオプションの特徴によれば、時間間隔の継続時間は、第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間の少なくとも2倍である。
【0034】
これは、多くのシナリオおよびアプリケーションにおいて、改善された性能および動作を提供し得る。それは、多くのシナリオにおいて、複雑さが少ない動作を可能にし、容易化されたおよび/または改善された通信を可能にし得る。多くの実施形態では、このアプローチは、多くの無線電力伝送システムにおいて特に有利である容易にされた非対称通信を可能にし得る。
【0035】
本発明のオプションの特徴によれば、時間間隔の継続時間は、第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間の少なくとも8倍である。
【0036】
これは、多くのシナリオおよびアプリケーションにおいて、改善された性能および動作を提供し得る。それは、多くのシナリオにおいて、複雑さの少ない動作を可能にし、容易化されたおよび/または改善された通信を可能にし得る。多くの実施形態では、このアプローチは、多くの無線電力伝送システムにおいて特に有利である容易にされた非対称通信を可能にし得る。
【0037】
本発明のオプションの特徴によれば、第1変調方式は、二相変調を用いる。
【0038】
これは、多くのアプリケーションにおいて特に有利な動作を可能にすることができ、および/または容易な動作を提供することができる。特にそれは、多くのアプリケーションにおいて、反対方向の通信間の干渉を低減するアプローチを容易にすることができる。時間間隔のシーケンスの各時間間隔は、二相変調のインターバルに対応し得る。時間間隔の各シーケンスは、2つのインターバルを備え得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1変調方式はマンチェスタ符号を使用することができる。
【0040】
本発明のオプションの特徴によれば、第1データの伝送のためのシンボル継続時間にわたる第2データの伝送のための平均変調レベルは、第2データのデータ値とは無関係である。
【0041】
これは、多くのアプリケーションおよびシナリオにおいて、改善された通信および無線電力伝送動作を提供し得る。特にそれは、両方向の通信間の干渉を低減することによって、改善された通信を可能にし得る。このアプローチは、多くのシナリオにおいて、第2データの送信から第1データを受信するまでの干渉を低減することができる。
【0042】
本発明のオプションの特徴によれば、送信機は、第2データのためのデータサイズを第1データのためのシンボル継続時間に整合させるために、いくつかのダミーシンボルを送信するように構成される。
【0043】
これは、複数の実施形態およびアプリケーションにおいて改善された性能を提供することができる。
【0044】
多くの実施形態では、送信機は、第2データのデータパケット(サイズ)を時間間隔にアラインさせるために、いくつかのダミーシンボルを送信するように構成される。
【0045】
本発明のオプションの特徴によれば、送信機は、第1データが非肯定応答基準を満たさない限り、第2データを連続的に送信するように構成される。
【0046】
これは、多くの実施形態において改善された通信を提供することができ、多くのアプリケーションにおいて、データが連続的に送信され、エラーまたは望ましくない状況が発生した場合にのみアクションがとられる、より高いスループットを可能にすることができる。
【0047】
非肯定応答基準は、例えば、予期される肯定応答メッセージが受信されないという考慮事項を含むことができる。
【0048】
本発明のオプションの特徴によれば、送信機は、第1データが非肯定応答基準を満たすことに応答して、第2データを再送信するように構成される。
【0049】
本発明のオプションの特徴によれば、電力伝送装置は電力受信機であり、第1変調方式は周波数変調を使用し、第2変調方式は負荷変調を使用する。
【0050】
これは、多くのシナリオにおいて、特に有利な動作および/または性能および/または実施を可能にし得る。
【0051】
本発明のオプションの特徴によれば、電力伝送装置は電力送信機であり、第1変調方式は負荷変調を使用し、第2変調方式は周波数変調を使用する。
【0052】
これは、多くのシナリオにおいて、特に有利な動作および/または性能および/または実施を可能にし得る。
【0053】
本発明のオプションの特徴によれば、同期器は、電力伝送信号の振幅変動に応じて送信機を同期させるように構成される。
【0054】
本発明のオプションの特徴によれば、同期器は、電力伝送信号のサイクルに応じて送信機を同期させるように構成される。
【0055】
本発明の別の態様によれば、電力伝送システムが提供され、当該システムは、電力受信機と、当該電力受信機への無線電力伝送を行うための電力送信機とを有し、 前記電力送信機は電力伝送信号を介して電力受信機の第2電力伝送コイルに電力を伝送するように構成された第1電力伝送コイルと、電力受信機から第1データを受信するように構成された第1受信機であって、第1データは各データシンボルがデータシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを有する時間間隔のシーケンスによって表現される第1変調方式に従って電力伝送信号上で変調され、前記時間間隔のシーケンスは前記電力伝送信号に同期されている、第1受信機と、 第2変調方式に従って電力伝送信号を変調することにより電力受信機に第2データを送信するように構成された第1送信機であって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間は前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、第1送信機と、前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより、前記第1データにアラインされた前記第2データを送信するように前記送信機を同期させるように構成された第1同期器と、を有し、前記電力受信機は、 電力送信機の第1電力伝送コイルから電力伝送信号を介して電力を受信するように構成された第2電力伝送コイルと、第2変調方式に従って第1データを電力送信機に送信するように構成された第2送信機と、第2変調方式に従って電力送信機から第2データを受信するように構成された第2受信機と、電力伝送信号にアラインされた時間間隔のシーケンスの時間間隔で第1データを送信するように第2送信機を同期させるように構成された第2同期器と、を有する。
【0056】
本発明の別の態様によれば、電力送信機から電力受信機への無線電力伝送のための電力伝送装置の動作方法が提供され、 前記電力伝送装置は、前記電力送信機および前記電力受信機の一方であり、前記電力伝送装置は、電力伝送信号を介して相補的な電力伝送装置の相補的な電力伝送コイルと電力を交換するように構成された電力伝送コイルを有し、 前記相補的な電力伝送装置は前記電力送信機と前記電力受信機の他方であり、 当該方法は 相補的な電力伝送装置から第1データを受信するステップであって、第1データは、各データシンボルがデータシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを有する時間間隔のシーケンスによって表される第1変調方式に従って電力伝送信号上に変調されており、前記時間間隔のシーケンスは前記電力伝送信号に同期されている、ステップと 第2変調方式に従って電力伝送信号を変調することにより相補的な電力伝送装置に第2データを送信するステップであって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間は前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、ステップと、前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより、前記第1データにアラインされるように前記第2データの送信を同期させるステップと、を有する。
【0057】
本発明の別の態様によれば、電力受信機および電力受信機への無線電力伝送を実行するための電力送信機を含む電力伝送システムの動作方法が提供され、 電力送信機は、電力伝送信号を介して電力受信機の第2電力伝送コイルに電力を伝送するように構成された第1電力伝送コイルを有し、電力受信機は、電力伝送信号を介して電力送信機の第1電力伝送コイルから電力を受信するように構成された第2電力伝送コイルを有し、当該方法は、電力送信機が、電力受信機から第1データを受信するステップであって、第1データが、各データシンボルがデータシンボルのデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを有する時間間隔のシーケンスによって表される第1変調方式に従って電力伝送信号上に変調され、前記時間間隔のシーケンスが前記電力伝送信号に同期されている、ステップと、第2変調方式に従って電力伝送信号を変調することにより電力受信機に第2データを送信するステップであって、前記第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間が前記時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数である、ステップと、前記第2データの送信を前記電力伝送信号に同期させることにより、前記第1データにアラインされるように前記第2データの送信を同期させるステップと、を実行し、電力受信機が、第2変調方式に従って電力送信機に第1データを送信するステップと、第2変調方式に従って電力送信機から第2データを受信するステップと、第2データの送信を電力伝送信号に同期させることにより、第1データの送信を時間間隔のシーケンスの時間間隔にアラインされるように同期するステップと、を実行する。
【0058】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴および利点は以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
本発明の実施形態は、単なる例として、図面を参照して説明される。
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの素子の例を示す図。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による電力送信器の要素の一例を示す図。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による電力受信器の要素の一例を示す図。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による送信方式の例を示す図。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による電力送信機のためのインバータの例を示す図。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による電力送信機のためのインバータの例を示す図。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による電力送信機のための信号の例を示す図。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による送信方式の例を示す図。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による伝送方式の例を示す図。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による伝送方式の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下の説明は、QiまたはKi規格から知られているような電力伝送アプローチを利用する無線電力伝送システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を当てる。しかしながら、本発明は、この用途に限定されず、多くの他の無線電力伝送システムに適用されてもよいことが理解されるであろう。
【0061】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの一例を示す。電力伝送システムは、送信機コイル/インダクタ103を含む(またはそれに結合される)電力送信機101を含む。システムは、受信機コイル/インダクタ107を含む(またはそれに結合される)電力受信機105をさらに備える。
【0062】
システムは、電力送信機101から電力受信機105への無線誘導電力伝送を提供する。具体的には、電力送信機101が送信機コイルまたはインダクタ103によって磁束として伝播される無線誘導電力伝送信号(電力伝送信号または誘導電力伝送信号とも呼ばれる)を生成する。電力伝送信号は典型的には約20kHz~約500kHzの間の周波数を有することができ、Qi互換システムの場合、典型的には、95kHz~205kHzの範囲の周波数を有することが多い。例えば、高出力キッチン用途のために開発されたKi規格などの高電力のアプリケーションの場合、周波数は例えば、典型的には、20kHz~80kHzの範囲内であり得る。送信機コイル103と受信機コイル107は緩く結合されており、従って、受信機コイル107は、電力送信機101からの電力伝送信号(の少なくとも一部)をピックアップする。したがって、電力は、送信機コイル103から受信機コイル107への無線誘導結合を介して、電力送信機101から電力受信機105に伝送される。電力伝送信号という用語は主に、送信機コイル103と受信機コイル107との間の誘導信号/磁場(磁束信号)を指すために使用されるが、同様に、送信機コイル103に提供されるか、または受信機コイル107によってピックアップされる電気信号を指すとも考えられ、使用され得ることが理解されるのであろう。
【0063】
例において、電力受信機105は、具体的には、受信機コイル107を介して電力を受信する電力受信機である。しかしながら、他の実施形態では、電力受信機105が金属加熱素子のような金属素子を含んでもよく、この場合、電力伝送信号は素子の加熱をもたらす渦電流を誘導する。
【0064】
システムは、実質的な電力レベルを伝送するように構成され、具体的には多くの実施形態において、電力送信機は500mW、1W、5W、50W、100Wまたは500Wを超える電力レベルをサポートすることができる。例えば、Qi対応アプリケーションの場合、電力伝送は、典型的には、低電力アプリケーションの場合は1~5Wの電力範囲であり、例えば、無線電力コンソーシアムによって開発されているKi規格によってサポートされているものなどの高電力アプリケーションの場合は、100 Wを超え、2000Wを超える範囲もあり得る。
【0065】
以下では、電力送信機101および電力受信機105の動作を、Qi規格(本明細書で説明される(または必然的である)修正や拡張を除く)による実施形態を具体的に参照して説明する。
【0066】
図1のシステムは、電力伝送動作をサポートするために双方向通信を利用する。双方向通信は、電力伝送を構成し、確立し、制御するために使用され、様々な制御データの交換を含むことができる。特に、無線電力受信機と無線電力送信機との間の通信チャネルは、無線電力受信機から無線電力送信機へのフィードバックループを確立するために重要であると考えられ、これは電力システムの安定性のために不可欠である。
【0067】
電力送信機と電力受信機との間の通信は、有利には、多くのシステムにおいて、通信キャリアとして電力伝送信号を使用して達成されることができる。電力送信機または電力受信機の通信送信器は、送信されるデータに応じて電力伝送信号を変調することができ、相補的な電力受信機は、データを取り出すために電力伝送信号を復調することができる。電力伝送信号を用いた通信は、インバンド通信としても知られている。
【0068】
特にQiなどの多くのシステムは、両方向の通信のために電力伝送信号を使用し、したがって、データは、同じ通信キャリアを使用して反対方向に通信される。したがって、そのようなシステムにおける特定の状況は、デバイス間で電力を伝送する単一の電力伝送信号が反対方向の複数の通信リンクのための通信キャリアとしても使用されることである。
【0069】
このような複数の通信をサポートするために、Qiなどのシステムは、2つの方向の通信が異なる時間間隔で実行され、同時には1つの方向にのみ通信が実行される時分割アプローチを採用する。具体的には、電力送信機から電力受信機への通信(以下、順方向通信の順方向とも称される)および電力受信機から電力送信機への通信(以下、逆方向通信の逆方向とも称される)のための別個の時間間隔を備える反復時間フレームが電力伝送信号のために採用され得る。
【0070】
そのようなアプローチは、異なる方向における通信間の独立性を達成し得る。これは、複数の通信のためのキャリアとして電力伝送信号を使用する無線電力伝送システムにおいて達成することが特に困難である。特に、異なる変調方式および技術を使用することは、典型的には、通信を分離するには不十分である。
【0071】
具体的には、Qiは、順方向通信に周波数変調を用い、逆方向通信に負荷変調を用いる。負荷変調は、負荷変調/変化によって引き起こされる電力伝送信号の振幅変動を受信機が検出するという点で、振幅変調の例と考えることができる。しかしながら、電力伝送信号の振幅は、典型的には、電力伝送信号の周波数にも依存し、実際に多くのシステムでは、周波数変動が電力伝送信号の電力レベルを適応させるために使用される。したがって、周波数変調は、振幅変動を直接引き起こす。さらに、周波数変調変動は、典型的には、キャリア、すなわち電力伝送信号の(特に高速の)振幅変動に対してもある程度の感度を有し得る周波数復調器によって検出される。したがって、無線電力伝送システムでは相互干渉に対処することが特に困難である傾向があり、その結果、ほとんどのそのようなシステムは、時分割アプローチを使用して、通信を互いから隔離する。
【0072】
しかしながら、このようなアプローチにも欠点がある。それは、利用可能な通信容量を実質的に低減し、具体的には、ただ1つの通信が実行される場合、両方向で利用可能な最大値と比較して、有効データレートが大幅に低減される傾向がある。また、通信チャネルに割り当てられた時間間隔まで通信できないため、大幅な通信遅延が発生する場合がある。さらに、通信信頼性および性能が低減される可能性がある。例えば、より短いデータシンボル(したがって、より低いシンボルエネルギー)が必要とされるか、またはより少ない誤り訂正が必要とされる可能性がある。これは、より低いデータレートに直接つながるだろう。
【0073】
低下した通信性能は、無線電力伝送システムの全体的なパフォーマンスに影響を与え得る。それは、低下した通信容量のために、可能な機能を低下させ(例えば、いくつかの機能に必要な通信を実行するのに十分な時間がないことがある)、および/または、幾つかの実装された機能の性能を低下させる(例えば、反応時間または電力制御ループの精度を低下させる)ことがある。
【0074】
実際、電力伝送の効率的な制御を提供するために、電力送信機及び電力受信機との間の通信データレートが高いことが望ましい。
【0075】
以下では、多くのシナリオおよび多くのアプリケーションにおいて改善されたパフォーマンスを可能にし得るアプローチについて説明する。このアプローチは、具体的には、2つの方向における同時通信を可能にし、容易にし、または改善することができる。このアプローチは、典型的には、一方向における通信の検出/復調が、他方向における通信による影響をあまり受けないように、通信間の干渉の低減を可能にし得る。場合によっては、他方向における通信の検出/復調の感度が低くてもよく、したがって、多くの実施形態では、両方向における全体的な相互干渉が低減され、それによって、2つの反対方向における同時通信が可能になるか、または改善され得る。
【0076】
このアプローチでは、第1変調方式(順方向変調方式でも逆方向変調方式でもよい)が、各データシンボル値が、時間間隔のシーケンスによって表され、各時間間隔がデータシンボル値に依存する一定の変調レベルを有する変調方式である。第1変調方式では、各データシンボルは逐次変調レベルのパターンによって表されることができ、このパターンは異なるデータシンボルに対して異なる。各時間間隔の変調レベルは、変調レベルのセットから選択され得る。いくつかのアプリケーションでは、全ての可能なデータシンボルのためのパターンが異なる変調レベルを備え得る。他のアプリケーションでは、1つまたは複数のデータシンボルが異なる変調レベルをもつが、潜在的に1つまたは複数のデータシンボルは全ての時間間隔について同じ一定の変調レベルを有し得る。いくつかのアプリケーションでは、少なくとも1つのデータシンボルのための全ての時間間隔が異なる変調レベルを有し得る。いくつかのアプリケーションでは、全てのデータシンボルの各データシンボルの時間間隔が異なる変調レベルを有し得る。
【0077】
変調レベルは、データシンボルに応じて変調/変更されるパラメータの値であってもよい。例えば、FMの場合、変調レベルは周波数変調であり、LMの場合、それは電力伝送信号の負荷であり、PM(位相変調)の場合、それは電力伝送信号の位相であり、AM(振幅変調)の場合、それは電力伝送信号の振幅である。
【0078】
したがって、データシンボルは、時間間隔のシーケンスによって表され得る。各時間間隔について、変調レベルは、データシンボルに応じた値で一定値に設定される。多くのアプリケーションでは、各時間間隔の変調レベルは、可能なデータシンボルのうちの少なくとも2つについて異なり得る。
【0079】
このアプローチは、電力送信機101の要素を図示する
図2を参照してさらに詳細に説明され、
図3は
図1の電力受信機105の要素をより詳細に図示する。
【0080】
図2は、
図1の電力送信機101の要素の例をより詳細に示す。送信機コイル103は、送信機コイル103のための駆動信号を生成するドライバ201に結合されている。ドライバ201は、送信機インダクタ103に供給される電流および電圧信号を生成する。ドライバ201は、典型的には直流電圧から交流信号を生成するインバータの形の駆動回路である。ドライバ201の出力は、通常、スイッチブリッジのスイッチの適切なスイッチングによって駆動信号を生成するスイッチブリッジである。
【0081】
ドライバ201は、電力送信機101の動作を制御するように構成された電力送信機コントローラ203に結合されている。電力送信機コントローラ203は、電力送信機101の動作を制御し、システムの電力伝送プロトコルに関連する必要とされる所望の機能を実行するように構成されることができ、具体的には本例では、Qi規格に従って動作するように電力送信機101を制御するように構成されることができる。例えば、電力送信機コントローラ203は、電力伝送を開始するための、電力伝送をサポートするための、電力伝送を終了するための、および、電力受信機を検出するための、機能を含むことができる。
【0082】
この例では、電力送信機101は、電力伝送信号を通信キャリアとして使用して電力受信機105にデータを送信するように構成された第1送信器205をさらに有する。第1送信機205は、変調方式を使用して、データを電力伝送信号上に変調するように構成され得る。例えば、第1送信機205は、送信されるべきデータに応じて駆動信号の周波数、振幅および/または位相を変化させるようにドライバを制御し得る。したがって、電力送信機コントローラ203は、例えば、周波数、振幅および/または位相変調を使用して、電力受信機105にデータを送信することができる。第1送信機205は、具体的には、Qi規格に従って電力伝送信号を周波数変調することによって、電力受信機にメッセージを通信するように構成され得る。したがって、第1送信機205は、順方向帯域内通信リンクを使用して電力受信機105にデータを送信するように構成される。
【0083】
電力送信機101は、電力受信機105からデータを受信するように構成された第1受信機207をさらに備える。第1受信機207は、典型的には、例えばQi電力伝送規格から当業者に知られているように、電力伝送信号を負荷変調する電力受信機105によって、電力受信機105からメッセージを受信するように構成され得る。
【0084】
図3の例示的な図に示すように、電力受信機105の受信機コイル107は電力受信機コントローラ301に結合され、電力受信機コントローラ301は受信機コイル107を負荷303に結合する。電力受信機コントローラ301は、受信機コイル107によって抽出された電力を負荷303に適した供給に変換する電力制御経路を含む。さらに、電力受信機コントローラ301は、電力伝送を実行するために必要とされる様々な電力受信機コントローラ機能、特に、Qi規格に従って電力伝送を実行するために必要とされる機能を含むことができる。
【0085】
電力受信機105は、電力伝送信号をキャリアとして使用して第1送信機205と通信するように構成された第2送信機305をさらに備える。このようにして、第1受信機207および第2送信機305は、帯域内通信リンクを確立する。
【0086】
特定の例では、第2送信機305が負荷変調によって電力伝送信号を変調するように構成され、第1受信機207は送信されたデータを復元するために負荷変調を復号するように構成される。負荷変調(および復調)のための技術および手法は当業者に知られており、簡潔にするために本明細書ではさらに説明されない。
【0087】
電力受信機105は第1送信機205から送信されたデータを受信するように構成された第2受信機307をさらに備え、したがって、第1送信機205によって送信されたデータを復調するために、第1送信機205によって実行された電力伝送信号の変調を復調するように構成される。特定の例では、第2受信機307は、第1送信機205のFM変調を復調するように構成されたFM復調器を備える。
【0088】
したがって、電力受信機および電力送信機は、順方向および逆方向にそれぞれ2つの帯域内通信チャネルを確立し、それによって双方向通信を可能にする。順方向の通信は、以下において順方向変調方式と称する1つの変調方式に従って行われ、逆方向の通信は、以下において逆方向変調方式と称する別の変調方式に従って行われる。これらの変調方式は、典型的には、2つの方向において異なるように選択され、すなわち、順方向および逆方向変調方式は典型的には異なり、異なるタイプの変調を使用する。多くの実施形態では、2つの変調方式が異なる変調フォーマットを使用することができ、具体的には、周波数変調、負荷変調、位相変調および振幅変調のグループからの異なる選択を使用することができる(ただし、いくつかのアプリケーションでは他の変調フォーマットが使用されることもできる)。具体例では、順方向変調方式は周波数変調(FM)を採用し、逆方向変調方式は負荷変調(LM)を採用する
【0089】
2つの通信リンクは、両方が通信キャリアとして電力伝送信号を使用するので、潜在的に相互干渉を引き起こし得る。しかしながら、通信間の時分割を使用するのではなく、説明されるシステムは、両方向において同時通信を使用する。この同時通信は、以下に述べるように、干渉緩和アプローチによってサポートされる。
【0090】
多くの実施形態では、変調レベルのセットが2つの変調レベルのみを含み、すなわち、電力伝送信号の変調は、各時間間隔について、2つの異なる変調レベルのうちの1つに設定されることができる。したがって、そのような例では、データシンボルが、バイナリ変調レベルのシーケンスおよびパターンによって表され得る。さらに、多くの実施形態では、データシンボルはバイナリシンボルであってもよく、したがって、第1変調方式による変調は、変調レベルの2つの異なるシーケンス/パターンの間で選択することのうちの1つであってもよい。
【0091】
具体的な例として、第1変調方式は、二相符号またはマンチェスタ符号を用いることができる。そのような場合、各データシンボルは、2つのシーケンスのうちの1つとして送信されることができ、これらの各々は2つの時間間隔に分割される。具体的には、ビット値のうちの1つについて、シーケンスは同じ一定の変調レベルを有する2つの時間間隔(ハーフビットとも呼ばれる)からなることができ、他のビット値について、シーケンスは異なる一定の変調レベルを有する2つの時間間隔(ハーフビット)からなることができる。したがって、この場合、一方のビット値は変調パラメータ値の変化なしで表され、他方のビット値は変調パラメータ値の変化で表される。このような例を
図4に示す。別の例として、いくつかの実施形態では、変調レベルが両方の時間間隔において異なるように選択され得る。
【0092】
したがって、第1変調方式はデータシンボル継続時間が時間間隔に分割されるアプローチを使用し、各時間間隔について、変調レベルは一定であり、少なくとも1つ以上の時間間隔について、変調レベルは異なるデータシンボルについて異なる。多くのアプリケーションでは、時間間隔は一定の継続時間を有し、すなわち、全ての時間間隔が同じ継続時間であってもよい。
【0093】
第2変調方式は、第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間が時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔の継続時間の除数であり、典型的には、全ての時間間隔の除数である変調方式を採用する。したがって、時間間隔の1つ、典型的には全ての継続時間は、第2変調方式のデータシンボルの継続時間の倍数である。除数/倍数は1を含む任意の整数であることができ、すなわち、第2変調方式のシンボル継続時間は、具体的には複数の時間間隔の継続時間と同一であり得る。
【0094】
したがって、第1変調方式に従って一定の変調レベルの単一の時間間隔が送信される時間において、第2変調方式に従って1つまたは複数のフルシンボルが送信されることができる。
【0095】
このアプローチの一例を
図5に示す。
図5は、第1変調方式による単一のデータシンボルの送信を示し、ここでこれは、変調レベルが各時間間隔に対して一定(例えば、一定の周波数または負荷)でk個の時間間隔TIのシーケンスによって送信される。各時間間隔について、n個のデータシンボルが、第2変調方式を使用して他の方向に送信され、ここで、nは1以上の整数である。
【0096】
第2変調方式のシンボルレートは、第1変調方式のシンボルレートよりも高い。時間間隔ごとに送信される第2変調方式のデータシンボルの数が1に等しい場合、すなわち、第2変調方式のシンボル継続時間が時間間隔の継続時間に等しい場合、第2変調方式のデータレートは、第1変調方式に従ってデータシンボルを表すシーケンス内の時間間隔の数に対応する係数だけ、第1変調方式のデータレートよりも高くなる。
【0097】
本システムでは、2つの方向の通信、すなわち2つの変調方式による通信が、第2変調方式に従って送信されるデータが第1変調方式に従うデータの送信に同期されるようにさらに同期され、具体的には、データシンボル継続時間が時間間隔のシーケンスとアラインされる。したがって、具体的には、これらの変調方式による送信のためのシンボル開始時間および/または終了時間が、第1変調方式に従って送信されるデータの時間間隔の開始時間および/または終了時間とアラインされることができる。
【0098】
さらに、これらの送信は、電力伝送信号とアラインされ得る。例えば、データシンボルおよび/または時間間隔の開始/終了時間は、電力伝送信号のサイクルのゼロ交差、ピーク遷移、または特定のポイント/位相とアラインされ得る。したがって、両方向の送信は、電力伝送信号とアラインされ、電力伝送信号に同期され得る。さらに、2つの方向における送信のアライメントおよび同期、具体的には、第2変調方式のデータシンボルと第1変調方式の時間間隔との間のアライメントは、両方の送信を電力伝送信号と同期させることによって達成され得る。そのようなアプローチは正確であり、複雑さが低い同期を提供することができる。
【0099】
通信は、具体的には多くの実施形態において、電力受信機と電力送信機との通信を電力信号と同期させ、それによって互いに同期させることができる。可変データ/ボーレートを有する全二重が適用されることができ、システムは、1つの通信チャネル内のビット通信(マルチビットシーケンスを含む)を、相補チャネル内の安定した一定の変調レベルにアラインさせることができる。このアプローチは効率的な全二重通信を容易にし、可能にする。
【0100】
このアプローチでは、(第1変調方式による)より遅いレートでの通信が、(第2変調方式による)より速いレートでの通信のための1つまたは複数のデータシンボル全体の通信中に変調状態が一定に保たれるように同期され得る。多くの実施形態では、第1変調方式に従って動作する送信機が、第2変調方式に従って送信する送信機の一定の変調レベル当たり数ビットまたは数バイトを送信することができる。
【0101】
同期されてアラインされた通信は、相互干渉を大幅に低減することができ、多くの実施形態では、共通通信キャリアとして電力伝送信号を使用して、反対方向の同時通信を可能にし、改善することができる。特に、第2変調方式による送信は、第1変調方式による送信が干渉を与えないかまたは干渉を低減する間に達成され得る。多くの実施形態では、改善された通信は、特に、改善された信頼性で可能である第2変調方式による送信の受信を用いて達成され得る。例えば、所与のシンボルエネルギー対する低減された誤り率は、干渉が低減されることによって多くの場合達成され得る。
【0102】
このアプローチは、改善された通信を可能にすることができ、特に、多くの実施形態では、電力送信機と電力受信機との間の両方向における全二重同時通信を可能にすることができる。特に、より高いデータレートの通信の性能が、多くの場合、低減された干渉によって大幅に改善され得る。より高いデータレートは(シンボルエネルギーが低減されていることが多いので)干渉に対してより敏感である傾向があるので、これは多くのシナリオにおいて特に魅力的である。このアプローチは、通信要件が非対称であることが多い無線電力伝送に特に適している。例えば、多くの実施形態では、より高いデータレートの通信が低い誤り率および信頼できる性能を達成することを依然として可能にしながら、一方の方向において他方の方向よりも大幅に高いデータレートが提供され得る。
【0103】
以下では、高データレート通信が電力送信機から電力受信機へである、すなわち、第1送信機205が第2変調方式に従ってデータを送信しており、第2送信機が第1変調方式に従ってデータを送信しているアプローチに関して特定の例を説明する。この例では、第2変調方式はFM変調方式であり、したがって、電力送信機/第1送信機205は電力伝送信号をFM変調するように構成される。
【0104】
第1送信機205は、具体的には、周波数シフトキーイング(FSK)を使用してバイナリデータシンボルなどのデータシンボルを送信するように構成されることができ、ここで、各データシンボル値(バイナリ変調方式のためのビット)は電力伝送信号がそのデータシンボルに対して一意である特定の周波数に設定されることによって表される。第1送信機205は特に、例えば0.1kbps~100kbpsのデータレートなどの高いデータレートでFSKシンボルを送信するように構成され得る。
【0105】
この例では、第2送信機305は、この場合負荷変調を使用し得る、具体的には二相/マンチェスタ符号化を使用し得る第1変調方式に従ってデータを送信するように構成される。この例では、第1変調方式は負荷変調を使用することができ、したがって、電力受信機/第2送信機305は電力伝送信号を負荷変調するように構成される。負荷変調は、各データシンボルが、各時間間隔における負荷レベルが一定である負荷レベルのセットのパターン/シーケンスによって表されるような変調である。多くの実施形態では、負荷変調はバイナリ組合せであることができ、したがって、第2送信機305は、送信されるビット値に応じて、一定の負荷レベルの2つのシーケンス/パターンの間で選択し得る。多くの実施形態では、パターン/シーケンスは、バイナリ負荷レベルのパターン/シーケンスであることができる。各時間間隔について2つの負荷レベルのうちの1つが選択されることができ、結果として生じるパターン/シーケンスが送信されるべきデータシンボルまたはビットに対応する。
【0106】
負荷変調のデータ(シンボル)レートは、FM変調のデータ(シンボル)レートよりも低い。第2送信機305は、特に、例えば1kbps~200kbpsのデータレートなど、より低いデータレートで負荷変調シンボルを送信するように構成され得る。
【0107】
電力送信機は、データを電力伝送信号とアラインさせて同期させて送信するように第1送信機205を同期させるように構成された第1同期器209を備える。例えば、送信は、シンボルが電力伝送信号のゼロ交差または電力伝送信号の周期的振幅変動の最小値と一致する開始時間および/または終了時間を有するように同期され得る。
【0108】
同様に、電力受信機は、電力伝送信号とアラインされて同期されたデータを送信するように第2送信機305を同期させるように構成された第2同期器309を備える。例えば、送信は、シンボルが電力伝送信号のゼロ交差または電力伝送信号の周期的振幅変動の最小値と一致する開始時間および/または終了時間を有するように同期され得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、第1同期器209および/または第2同期器309は、それぞれのデータ送信を電力伝送信号のサイクルのタイミングに同期させるように構成され得る。電力伝送信号の周波数は、典型的には20kHz~500kHzの範囲である。第1同期器209および/または第2同期器309は、例えば、各シンボルがサイクルのゼロ交差またはピークで開始されるように、これらのサイクルに同期し得る。
【0110】
多くの実施形態では、データシンボルは、数サイクル、場合によってはより多くのサイクルの継続時間を有することができる。同期器は、装置の受信機によって受信されたデータのタイミングに応じて、データの送信を同期させるようにさらに構成され得る。したがって、第2変調方式によるデータの送信は、第2変調方式に従って受信されたデータのタイミングに応じて同期器によって適応され得る。具体的には、同期器は、受信データの変調レベル変化を検出し、送信機によるデータシンボルの送信を変調レベル変化とアラインさせることができる。具体的には、同期器は、変調レベルの変化を検出し、次いで、新しいシンボルの開始がそのような変調レベルの変化に最も近い電力伝送信号のゼロ交差と一致するように、送信を適応させ得る。
【0111】
例えば、第1同期器209は、第2送信機305による負荷変調によって引き起こされる負荷レベルの変化を検出するように構成され得る。このような負荷レベルの変化に基づいて、時間間隔のタイミングを決定することができる。例えば、時間間隔が電力伝送信号の10サイクルに対応する継続時間を有すると決定された場合、第1同期器209は、位相ロックループによって予測された時間間隔遷移と検出されたレベル変化のタイミングとの間の差分を反映する誤差信号に基づいて、位相ロックループを動作させ得る。さらに、時間間隔遷移/変調レベル変化の予測タイミングおよび/または測定された変調レベル変化のタイミングは、電力伝送信号のゼロ交差の時間に同期され得る(具体的には量子化され得る)。
【0112】
そのようなアプローチは、第1送信機205によって送信されるデータシンボルの非常に正確なタイミングを提供することができ、その結果、それらは他方の方向における送信における時間間隔と密接に整合する。
【0113】
いくつかの実施形態では、第1送信機205からの送信における変調レベル変化と電力伝送信号サイクルのタイミングとに基づいて、データシンボルが周波数変化とアラインされるように負荷変調のタイミングを適応させることができる等価なアプローチが第2同期器309によって適用され得ることが理解されよう。
【0114】
両方の送信のための電力伝送信号への同期は、送信が互いにアラインされて同期されることを可能にする。いくつかの実施形態では、両端における同期が、電力伝送信号に同期することによってのみ、かつ(反対方向である)他の通信リンクの特定のシンボルタイミング特性を考慮することなく、実行され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、一方または両方の同期器は、対応する装置/デバイスのデータ送信のタイミングを、電力伝送信号の振幅変動、具体的には電力伝送信号の振幅変動に同期させるように構成され得る。
【0116】
振幅変動は、具体的には、供給電力/電圧の振幅変動によって引き起こされ得る。例えば、多くの実施形態では、ドライバ/インバータ201に提供される電圧供給は、電圧調整または平滑化なしに(ただし、場合によっては何らかの整流を伴う)主電源電圧から直接生成され、したがって、実際には多くの場合、正弦波または整流正弦波供給電圧によって生成され得る。典型的にはこれは50Hzまたは60Hzの比較的低い周波数を有し(または整流が適用される場合にはその2倍)、ドライバはこの供給電圧からより高い周波数の駆動信号を生成する。それに応じて、より高い周波数の駆動信号の振幅/電力レベルは、供給電圧信号に応じて変化する。
【0117】
例えば、ドライバ201は、典型的には直流電圧から交流信号を生成するインバータの形態の駆動回路である。ドライバ201の出力は、通常、スイッチブリッジのスイッチの適切なスイッチングによって駆動信号を生成するスイッチブリッジである。
図6は、ハーフブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1およびS2は、同時に閉じることがないように制御される。交互に、S2が開いている間にS1が閉じられ、S1が開いている間にS2が閉じられる。スイッチは、所望の周波数で開閉され、それによって、出力において交流信号を生成される。典型的には、インバータの出力は、共振キャパシタを介して送信機インダクタに接続される。
図7は、フルブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1およびS2は、同時に閉じることがないように制御される。スイッチS3およびS4は、同時に閉じることがないように制御される。交互に、S2とS3が開いている間はスイッチS1とS4が閉じ、S1とS4が開いている間はスイッチS2とS3が閉じ、それによって出力に方形波信号が生成される。スイッチは、所望の周波数で開閉される。
【0118】
電力送信機は、典型的には、
図8の第1の線Umainsに示されるような実質的に正弦波である主AC信号によって駆動されることができる。主電源電圧Umainsは、電圧Udc_absを生成するためにAC/DCコンバータによって整流されることができる。整流された主電源電圧を平滑化するための大きな蓄積コンデンサは、主電源の全高調波歪みを増加させ、コストがかかることがあるので、通常、この種のアプリケーションでは適用されない。その結果、変動する直流電圧がAC/DCコンバータによって生成され、この電圧を使用してドライバに供給することができる。これは、Uac_HFに対応するインバータの出力電圧をもたらし得る。通常は送信機コイル103がその一部である共振回路は、
図8の信号Usc_Txによって反映されるような電力伝送信号となる平滑化をもたらす。
【0119】
したがって、多くの無線電力伝送システムでは、周期的な振幅変動を有する電力伝送信号が生成される。そのようなシナリオでは、データ送信は、電力/振幅レベルの変動に同期させることができ、具体的には、典型的にはドライバへの供給電圧のゼロ交差に対応する、その最小値の周りで発生するように同期させることができる。他の例では、同期は、例えば、電力伝送信号の最大値とアラインされることができる。
【0120】
一例として、第1同期器209は、電力伝送信号の振幅の最小値を決定するように構成され得る。第1同期器209は、具体的には、送信機コイル103を通る電流に振幅検出器を適用することができる。第1同期器209は、多くの実施形態では、ドライバのインバータの供給電圧などを評価するのではなく、送信機コイル103の信号のタイミング(または、例えば測定コイルを使用して電磁場のタイミングさえも)を、これらの信号と電力伝送信号との間の任意の遅延またはタイミングオフセットを反映するために、直接評価することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1同期器209が実際にドライバの信号に基づいて同期してもよい。
【0121】
第1同期器209は、シンボル時間が電力伝送信号にアラインされるように第1送信機205を制御するように構成され得る。例えば、開始時間および停止時間は、電力伝送信号の最小値(または最大値)と一致するようにアラインされ得る。
【0122】
同様に、第2同期器309は、誘導電力伝送信号の振幅変動を検出し、最小(または例えば最大)のタイミングを決定することができる。そして、それは、送信されるデータシンボルを電力伝送信号にアラインさせるように第2送信機305を制御し得る。例えば、データシンボルの開始時間および終了時間だけでなく、時間間隔の開始時間および終了時間も、振幅変動の最小値にアラインされることができる。
【0123】
そのようなアプローチでは、電力送信機送信および電力受信機送信の両方の電力伝送信号への同期は、特定のデータタイミングなどの他のパラメータがさらに考慮されることを必要とせずに、すなわち、データの受信からのタイミングデータが考慮されることを必ずしも必要とせずに、これらが互いにアラインされることをもたらし得る。
【0124】
特定の例として、第1送信機205は、電力伝送信号の期間ごとに、すなわち、2つの最小値の間の間隔ごとに(したがって、入力主電源信号の期間の半分に対応する)、単一のデータシンボル/ビットを送信するように構成され得る。第2送信機305は、電力伝送信号の期間ごとに、すなわち2つの最小値の間の間隔ごとに(したがって、入力主電源信号の期間の半分に対応する)、変調レベルのシーケンス/パターンの1つの一定の変調レベルを送信するように構成され得る。したがって、第2変調方式による送信のためのシンボルの継続時間は、電力伝送信号の期間に等しく、第1変調方式による送信のための単一の時間間隔の継続時間は電力伝送信号の期間に等しく、したがって、第2変調方式のためのデータシンボルの継続時間は、電力伝送信号の期間を掛けたシーケンス/パターンの長さに等しい。
【0125】
さらに、そのような例では、第1変調方式伝送のデータシンボルのタイミングは、第2変調方式伝送のデータシンボルのタイミングに、実際には個々の時間間隔にアラインされる。したがって、このアプローチは、第1変調方式のデータシンボル全体が第2変調方式による他の方向の送信が一定の変調レベルを有する時間中に送信される、前述のようなアライメントを可能にすることができる。
【0126】
多くの実施形態では、時間間隔の継続時間が第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間に少なくとも等しい。実際、多くの実施形態では、第1変調方式による各データシンボルが2つの一定の変調レベル/時間間隔のシーケンスによって表され得る。したがって、第2変調方式伝送のシンボルレートは、第1変調方式のシンボルレートの2倍であり、通信リンクは非常に異なる帯域幅/容量を提供し得る。
【0127】
実際多くの実施形態では、非対称性は大幅に大きくてもよく、実際多くの実施形態では、時間間隔の継続時間が第2変調方式のデータシンボルのシンボル継続時間の少なくとも2倍または8倍である。そのようなアプローチは、(バイナリデータシンボルのシナリオを仮定して)単一のビットが他方の方向に送信される時間中により多くのデータ、具体的にはバイト全体が一方の方向に送信されることを可能にする。したがって、高度に非対称な通信がサポートされ得る。
【0128】
図9は、第1変調方式が電力受信機から電力送信機への(すなわち第2送信機305による)通信に採用され、第2変調方式が電力送信機からの(すなわち第1送信機205による)通信に採用される例を示す。
【0129】
そのような例では、電力伝送信号の周波数が約128kHzであり得る。第1送信機205は、例えば、ビット変調あたり8サイクル(128kHzキャリアで16kbps)を使用する周波数変調器を含むことができる。スタートビット、ストップビットおよびパリティビットを含む場合、1つのバイトは11ビットを必要とする。この例では、第2送信機305は、一定の変調レベルの最短継続時間/時間間隔が半ビット(ビットの送信に必要とされるビット継続時間の半分)となる二相変調を使用することができる。第1送信機205は、2つのFMバイト全体が逆方向に送信されている各負荷変調ビットについて順方向に送信されるように、負荷変調半ビット(時間間隔)ごとにバイト全体(追加ビットを含む)を送信することができる。これは、具体的には、負荷変調チャネルのための727bpsビットレートをもたらし得る(16 kbps FSKチャネル;11ビット/バイト;2バイト/ビット)。
【0130】
別の例を
図10に示す。この場合、第1送信機205は、負荷変調半ビット/時間間隔ごとに3ビットを送信し、その結果、1つの負荷変調ビットごとに6つのFMビットが送信され、負荷変調チャネルに対して少なくとも2.6kbpsのビットレート(16 kbpsのFSKチャネル;6ビット/バイト)をもたらす。
【0131】
電力送信機、第1送信機205および順方向通信リンクが第1変調方式を採用し、電力受信機、第2送信機305および逆方向通信リンクが第2変調方式を採用する例を
図11に示す。したがって、この例では、負荷変調を依然として使用し得る逆方向通信リンクは、周波数変調を依然として使用し得る順方向通信リンクよりも高いデータレートを有し得る。
【0132】
さらに、この例では、負荷変調ビットが適切な数のチップの直接シーケンスによって表される、直接シーケンス拡散スペクトル変調を使用して負荷変調が変調される。この例では、電力伝送信号は約128kHzの周波数を有することができる。電力受信機/第2送信機305は、直接シーケンスを使用して、小さい大きさで負荷を操作することができ、特定の例では、35チップのシーケンス長である。電力送信機/第1送信機205は、二相変調を利用する周波数変調器を採用することができ、その結果、最短の一定の変調レベルは半ビット/シンボルであり、すなわち、各データシンボルは、2つの変調レベルのパターン/シーケンスによって表される。第2送信機305/負荷変調器は、FM半ビットごとに直接シーケンス全体を送信することができ、それによって、順方向FM通信リンクにおけるビットレートを逆方向通信リンクのビットレートの半分にする。
【0133】
このアプローチは大幅に改善された通信を提供することができ、特に、遅い通信リンクから速い通信リンクへの干渉を緩和することができる。
【0134】
さらに、いくつかの実施形態では、(第1変調方式による)遅い通信リンクにおける送信のためのシンボル継続時間にわたる(第2変調方式による)速い通信リンクの送信のための平均変調レベルが第2データのデータ値から独立するように、速い通信リンクにおける送信のための変調レベルが選択され得る。実際、多くの実施形態では、時間間隔のシーケンスの少なくとも1つの時間間隔にわたる平均変調レベルがデータ値とは無関係である。
【0135】
例えば、
図9および
図10の例では、FM変調の場合、二相変調が使用されることができ、例えば「0」が周波数f1の半分のビットに続いて周波数f2の半分のビットによって表され、「1」が周波数f2の半分のビットに続いてf1の半分のビットによって表される。この場合、電力伝送信号は、送信されるビットにかかわらず、周波数f1およびf2について等しい時間量を有する。したがって、振幅変動に対するFM送信の平均影響/干渉は同じであり、シンボル継続時間全体にわたって平均化するとき、送信されているデータの影響を低減することができる。
【0136】
したがって、そのようなアプローチでは、速い通信リンクから遅い通信リンクへの干渉も低減/緩和され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、送信機205、305の一方または両方は、速い通信リンクデータのためのデータサイズを遅い通信リンクのデータシンボルにアラインさせるために、いくつかの(1つまたは複数の)ダミーシンボルを送信するように構成され得る。データサイズは、例えば、データパケットサイズ、データブロックまたは例えばバイトであり得る。
【0138】
例えば、遅い通信リンクのシンボル時間中に送信されることができる(第2変調方式による)速い通信リンクのシンボルの数は、シーケンス/パターン中の時間間隔の数×時間間隔ごとに送信され得る速い/短いデータシンボルの数に対応し得る。この数が所与のデータブロックまたはパケットのサイズと整合しない場合、データサイズ(ブロック/パケット)を遅い通信リンクのデータシンボルと整合させるために、(任意の値を有し、受信装置によって単に無視される)ダミーシンボルを送信することが有利であり得る。
【0139】
例えば、
図10では、新しいバイトの開始を新しいLMシンボルと整合させるために、b0を送信する代わりに、b10の後にダミービットを送信することが好ましい場合がある。
【0140】
いくつかの実施形態では、高いデータレートで送信する送信機は、遅いデータレートの通信リンクのデータが非肯定応答基準を満たさない限り、データを連続的に送信するように構成され得る。非肯定応答は、予期される肯定応答の欠落、または、例えば、直接的な非肯定応答メッセージであり得る。
【0141】
したがって、幾つかのケースでは、例えば、第1送信機205は速い通信リンク上でデータを連続的に送信するように構成され得る。この送信は、受信されたデータが遅い通信リンクを使用して肯定応答されている限り、中断することなく継続され得る。したがって、速い通信リンクは、最大帯域幅/スループットで使用されることができ、肯定応答を待機またはチェックするための休止または遅延は導入されない。これは、高速データ送信を中断することなく肯定応答フィードバックを実施することができる全二重同時通信によって達成することができる。
【0142】
非肯定応答が受信される(または予期される肯定応答が受信されない)場合、送信機は、高速スループット送信を終了し、再送信を実行するように進み得る。
【0143】
したがって、高速リンクの全容量を利用する非常に高速な通信を達成することができ、同時に、高速かつ効率的なフィードバック/肯定応答/再送信を達成することができる。
【0144】
特定の例として、送信機のうちの1つは、1バイトまたは数バイトの受信に成功したことを示すために、遅い通信リンクを使用する他の送信機との速い通信リンクを使用して、埋め込まれたビットまたはバイト誤り検出を伴う中断されないバイトストリームを送信し得る。これは、通信媒体を通してバーストパケットを送信することを可能にし、エラーを分離することによって再送信の数を低減する。
【0145】
無線電力システムにおける非常に長いデータパケット(バースト転送)の使用が有益である例は、認証証明書が周波数変調チャネルを介して電力送信機から電力受信機に転送されるときである。
【0146】
認証証明書転送の時間を短縮することが望まれ、したがって、より高速なリンク(典型的にはFM順方向リンク)において中断されないバイトストリームを提供することは、非常に有利である。しかし、エラーの場合、タイムリーなエラー検出および訂正なしに、証明書は完全に再送信されなければならず、認証の時間が2倍になる。
【0147】
この場合、負荷変調チャネルは、最後のバイト(または数バイト)がエラーなしで受信されたかどうかを電力送信機に知らせるために利用される。
【0148】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの任意の組合せを含む任意の適切な形態で実施することができる。本発明は、任意選択で、1つまたは複数のデータプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実装され得る。本発明の実施形態の要素およびコンポーネントは、任意の適切な方法で物理的、機能的および論理的に実装され得る。実際、機能は、単一のユニットで、複数のユニットで、または他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。したがって、本発明は、単一のユニットで実施されてもよく、または異なるユニット、回路およびプロセッサの間で物理的および機能的に分散されてもよい。
【0149】
本発明はいくつかの実施形態に関連して説明されてきたが、本明細書に記載された特定の形態に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、或る特徴が特定の実施形態に関連して説明されるように見えるかもしれないが、当業者は説明された実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認識するであろう。請求項において、「有する(comprising)」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。
【0150】
さらに、個別に列挙されているが、複数の手段、素子、回路または方法ステップが、例えば単一の回路、ユニットまたはプロセッサによって実装され得る。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれている場合があるが、これらは場合によっては有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは特徴の組み合わせが実現可能ではない及び/又は有利ではないことを意味しない。また、或る特徴を請求項の1つのカテゴリに含めることは、このカテゴリへの限定を意味するものではなく、むしろ、その特徴が必要に応じて他の請求項カテゴリに等しく適用可能であることを示す。さらに、請求項における特徴の順序は、当該特徴が動作しなければならない特定の順序を意味するものではなく、特に、方法の請求項における個々のステップの順序は、当該ステップがこの順序で実行されなければならないことを意味するものではない。むしろ、ステップは任意の適切な順序で実行されることができる。さらに、単数への言及は複数を除外しない。従って、「a」、「an」、「第1」、「第2」等への言及は複数を排除するものではない。請求項中の参照符号は、単に明確な例として提供されているにすぎず、請求項の範囲を何らかの態様で限定するものと解釈してはならない。
【国際調査報告】