(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】有機化合物におけるまたは関連する改善
(51)【国際特許分類】
B01J 13/16 20060101AFI20240801BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240801BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20240801BHJP
A61K 8/84 20060101ALI20240801BHJP
A61K 8/898 20060101ALI20240801BHJP
A61K 8/87 20060101ALI20240801BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20240801BHJP
C08G 18/70 20060101ALI20240801BHJP
C08G 18/64 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B01J13/16
A61Q5/00
A61K8/11
A61K8/84
A61K8/898
A61K8/87
C08G18/00 A
C08G18/70
C08G18/64 023
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508346
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 EP2022072302
(87)【国際公開番号】W WO2023017014
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オサン,エマニュエル
【テーマコード(参考)】
4C083
4G005
4J034
【Fターム(参考)】
4C083AC911
4C083AC912
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4J034RA03
(57)【要約】
開示されるのは、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化組成物である。少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルは、少なくとも1の香料成分を含有するコアおよびコアを取り囲むシェルを含む。シェルは、少なくとも1のアミノ基を含む多官能アミンと少なくとも1の多官能イソシアナートとの反応により形成された熱硬化性樹脂を含む。シェルは、第四級アンモニウム基を含むカチオン性ポリマーをさらに含む。シェルは、完全にまたは部分的に解離したカルボン酸基を含む高分子安定剤をさらに含む。カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比は、0.9~1.1、好ましくは0.95~1.08、より好ましくは1.00~1.06である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化組成物であって、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルは、少なくとも1の香料成分を含有するコアおよびコアを取り囲むシェルを含み、シェルは、少なくとも1のアミノ基を含む多官能アミンと少なくとも1の多官能イソシアナートとの反応により形成された熱硬化性樹脂を含み、
シェルはさらに、第四級アンモニウム基を含むカチオン性ポリマーを含み、
シェルはさらに、完全にまたは部分的に解離したカルボン酸基を含む高分子安定剤を含み、
カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比が、0.9~1.1、好ましくは0.95~1.08、より好ましくは1.00~1.06であることを特徴とする、前記カプセル化組成物。
【請求項2】
少なくとも1の多官能イソシアナートが、アニオン変性ヘキサメチレンジイソシアナート、アニオン変性イソホロンジイソシアナート、アニオン変性ジシクロヘキシルメタン-4,-4’-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのアニオン変性イソシアヌレートおよびそれらの混合物から選択されるアニオン変性ポリイソシアナート(A)、ならびにヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレートおよびそれらの混合物から選択される非イオン性ポリイソシアナート(B)を含む、好ましくは、これらからなる、請求項1に記載のカプセル化組成物。
【請求項3】
アニオン変性ポリイソシアナート(A)と非イオン性ポリイソシアナート(B)の重量比が、0.05~0.5、好ましくは0.07~0.25の範囲である、請求項2に記載のカプセル化組成物。
【請求項4】
多官能アミンが、少なくとも1のポリエチレンイミンを含む、好ましくはからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項5】
多官能イソシアナートに対する多官能アミンの重量比が、0.05~1、好ましくは0.1~0.5、さらにより好ましくは0.15~0.25である、請求項1~4のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項6】
高分子安定剤が、カルボン酸基を含む高分子界面活性剤と少なくとも1のアミノシランとの組み合わせによって、好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランと、ポリ(エチレン-co-無水マレイン酸)およびポリ(スチレン-co-無水マレイン酸)の少なくとも1との組み合わせによって形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項7】
熱硬化性樹脂に対する高分子安定剤の重量比が、0.4~0.9、好ましくは0.45~0.75である、請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項8】
カチオン性ポリマーが、第四級アンモニウム基、およびカチオン性でない少なくとも1のコモノマーを含むブロックコポリマーである、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項9】
カチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム-2(ポリ(ビス[2-クロロエチル]エーテル-alt-1,3-ビス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア)コポリマー)、ポリクオタニウム-4(ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー)、ポリクオタニウム-5(ポリ(アクリルアミド-b-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルファート)コポリマー)、ポリクオタニウム-6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-7(ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチル-アンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-9(ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-10(ヒドロキシエチルセルロース-2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー)、ポリクオタニウム-11(ポリ(ビニルピロリドン-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)コポリマー)、ポリクオタニウム-12(ポリ(エチルメチクララート-co-アビエチルメタクリラート-co-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムジメチルスルファート)ターポリマー)、ポリクオタニウム-13(ポリ(エチルメチクララート-co-オレイルメタクリラート-co-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムジメチルスルファート)ターポリマー)、ポリクオタニウム-14(ポリ(メタクリロイルオキシ)-エチル]-N、N、N-トリメチルアンモニウムメトスルファート)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-15(ポリ(アクリルアミド-co-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-16(ポリ(ビニルピロリドン-co-ビニルイミダザニウムクロリド)ターポリマー)、ポリクオタニウム-17、(アジピン酸、ジメチルアミノプロピルアミンおよびジクロロエチルエテルターポリマー)、ポリクオタニウム-18(アゼライン酸、ジメチルアミノプロピルアミンおよびジクロロエチルエテルターポリマー)、ポリクオタニウム-19(ポリ(ビニルアルコール)および2、3-エポキシ-プロピルアミンコポリマーの四級化コポリマー)、ポリクオタニウム-22(ポリ(アクリル酸-co-ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-28(ポリ(ビニルピロリドン-co-メタシルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-29(2、3-ジヒドロキシプロピル-2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテルで変性されたキトサン、クロリド)、ポリクオタニウム-32(ポリ(アクリルアミド-co-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-33(ポリ(アクリルアミド-co-アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-34(1、3-ジブロモプロパンおよびN、N-ジエチル-N’、N’-ジメチル-1、3-プロパンジアミンコポリマー)、ポリクオタニウム-35(ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム-co-メタクリロイルオキシエチルジメチルアセチルアンモニウムメトスルファート)コポリマー)、ポリクオタニウム-36(ポリ(ブチルメタクリラート-co-メタクリロイルオキシエチルジメチルアミン-co-メタクリロイルオキシエチル-トリメチルアンモニウムジメチルスルファート)ターポリマー)、ポリクオタニウム-37(ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-39(ポリ(アクリル酸-co-アクリルアミド-co-ジアリル-ジメチルアンモニウムクロリド)ターポリマー)、ポリクオタニウム-42(ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-43(ポリ(アクリルアミド-co-アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-co-2-アミドプロピルアクリルアミドスルホナート-co-ジメチルアミノプロピルアミン)コポリマー)、ポリクオタニウム-44(ポリ(ビニルピロリドン-co-イミダゾリニウム)コポリマー)、ポリクオタニウム-45(ポリ([N-メチル-N-エトキシグリシン]-メタクリラート-co-メタクリロイルオキシエチル-トリメチルアンモニウムジメチルスルファート)コポリマー)、ポリクオタニウム-46(ポリ(ビニルカプロラクタム-co-ビニルピロリドン-co-ビニルイミダゾリウムメトスルファート)ターポリマー)およびポリクオタニウム-47(ポリ(アクリル酸-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-co-メチルアクリラート)ターポリマー;好ましくは、ポリクオタニウム-22(ポリ(アクリル酸-co-ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)コポリマー)およびポリクオタニウム-39(ポリ(アクリル酸-co-アクリルアミド-co-ジアリル-ジメチルアンモニウムクロリド)ターポリマー)からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項10】
少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルにおけるシェル材料のレベルが、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルの総重量に基づいて、2重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~15重量%である、請求項1~9のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項11】
複数のコア-シェルマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルの体積メディアン径Dv(50)が、1~50μm、好ましくは5~35μm、さらにより好ましくは8~20μmである、請求項1~10のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項12】
スラリーの形態であって、コア-シェルマイクロカプセルが水相に分散または懸濁されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のカプセル化組成物。
【請求項13】
スラリーが、20重量%~60重量%、好ましくは35重量%~45重量%の固体含有量を有する、請求項12に記載のカプセル化組成物。
【請求項14】
カプセル化組成物、とりわけ請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物を得るための方法であって、方法が以下のステップ:
a)アミノシランを含むコア組成物を提供すること;
b)完全にまたは部分的に解離したカルボン酸基を含む少なくとも1の高分子界面活性剤を含む水相を提供すること;
c)ステップa)で提供されたコア組成物をステップb)で提供された水相に乳化し、水相中に分散したコア組成物液滴のエマルションを得ること;
d)アミノシランおよび高分子界面活性剤を作用させて、分散した油滴を安定化させる高分子安定剤を形成させること;
e)少なくとも1の多官能イソシアナートを添加すること;
f)少なくとも1のアミノ基を含む少なくとも1の多官能アミンを添加すること;および
g)コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成するために、多官能イソシアナートおよび多官能アミンを反応させ、コア組成物液滴の周囲にシェルを形成すること;
を含み、
ここで、第四級アンモニウム基を含むカチオン性ポリマーは、ステップg)の前、間、または後、好ましくはステップg)の前または間に添加され;および、
ここで、カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比は、0.8~1.1、好ましくは0.9~1.08、より好ましくは1.00~1.06である、
前記方法。
【請求項15】
マイクロカプセルの凝集体がない消費者製品を得るための、請求項1~13のいずれか一項に記載のカプセル化組成物の使用。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のカプセル化組成物を含む消費者製品であって、消費者製品が、消費者製品ベース中に少なくとも1のカチオン性界面活性剤を含み、消費者製品が、好ましくは、ファブリックケアコンディショナーまたはヘアケアコンディショナーである、前記消費者製品。
【請求項17】
少なくとも1のカチオン性界面活性剤が、四級化トリエタノールアミンモノエステル、四級化トリエタノールアミンジエステル、四級化トリエタノールアミントリエステルからなる群から選択される四級化トリエタノールアミンエステルである、請求項16に記載の消費者製品。
【請求項18】
少なくとも1のカチオン性界面活性剤の量が、消費者製品の総重量に基づいて、0.5~15重量%、好ましくは1.0重量%~10重量%、より好ましくは1.5~8.0重量%、さらにより好ましくは2.0~4.0重量%である、請求項16または17に記載の消費者製品。
【請求項19】
請求項1~13のいずれか一項に記載のカプセル化組成物のレベルが、消費者製品の総重量に基づいて、0.01~5重量%、好ましくは0.05~2.5重量%、より好ましくは0.1~2.0重量%、さらにより好ましくは0.1~1.5重量%である、請求項17または18に記載の消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化組成物に関する。発明はまた、カプセル化組成物を得るための方法、ならびに消費者製品を得るためのかかるカプセル化組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア、家庭用ケア、および具体的にランドリーケア製品を包含する消費者製品のあらゆるカテゴリーにわたって、カプセル化された香料の需要は高まり続けている。結果として、配合者は、これまで以上に多様な製品タイプに、これまで以上に困難な(例として、腐食性(aggressive)または抽出物)媒体に、香料含有マイクロカプセルを組み込むことが求められている。
【0003】
この顧客需要の高まりは、パーソナルケア、家庭用ケアおよびファブリックケア製品の消費者にとって、香りの重要性が増加していることを反映している。香りは、消費者に新鮮さおよび清潔感を印象づける嗅覚的な手がかりを提供し、ひいてはかかる製品の有効性に対する消費者の信頼を強める。
【0004】
消費者がクリーニングまたはトリートメントを体験する前、間および後に消費者製品と相互作用するであろう多くの時点がある。一例として、ランドリー製品の場合において、洗浄体験中に相互作用する点は、消費者がファブリックケア製品の容器を開けるとき;または洗浄または乾燥の後に洗浄機または乾燥機を開けるときに受ける新鮮さの体験;あるいはアイロンをかけたり、たたんだり、または洗いたての衣類やリネンを扱うことに関係している新鮮さの体験を包含するであろう。ランドリー製品がこれらの相互作用の瞬間に消費者を喜ばせることができれば、手間のかかる家事をより心地よい体験に変えることができ、ブランドロイヤルティを促進し、および製品の再購入を促す喜びの瞬間を作り出すことができる。
【0005】
マイクロカプセル化の技術は、洗浄またはトリートメント体験中のフレグランスの時空間放出を制御する可能性を提示し、よってこれは先述の消費者利益を作り出すのに役立つ。
【0006】
カプセル化香料組成物の調製に好適な多種多様なカプセル化媒体および香料成分が当技術分野において提案されている。
当技術分野で提案されているカプセル化媒体は、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアクリラート、メラミン由来の樹脂、またはそれらの混合物から作られた合成樹脂;あるいはゼラチンまたは多糖類などの天然に存在するポリマーを包含する。
【0007】
好適なコア材料について、原則として、調香師のパレットにあるすべての香料成分をコア-シェルマイクロカプセルにある程度組み込むことができる。しかしながら、香料成分のある物理化学的特徴、最も注目すべきはそのclog Pが、カプセル化できるかどうか、およびどの程度までカプセル化できるか、ならびにカプセル化された際の、保存中に実質的に漏れることなくコアに留まる傾向に影響することが一般に認められている。熟練した配合者の手にかかれば、シェルとコアの両方の材料の慎重な選択により、多くの消費者製品で安定している、および経時的にフレグランスの放出を調節できるマイクロカプセル化香料をもたらすことができる。
【0008】
しかしながら、相対的に安定したシェル化学物質と、コア中の十分に設計された香料配合物を組み合わせて使用する場合でも、配合者は、様々な対象製品、とりわけ異なるpHを有する製品におけるマイクロカプセルのコロイドの安定性の問題に直面する。コロイド的に不安定なマイクロカプセルは凝集する傾向があり、結局はそれらが分散された製品から相分離する。さらにまた、コロイドの不安定性は、製品の粘度などの流動特性の望ましくない変化へ繋がり得る。
【0009】
WO 2019/121736 A1は、高分子界面活性剤とアミノシランとを組み合わせた高分子安定剤と、モノマー、プレポリマーおよびプレ縮合物からなる群から選択される様々なシェル形成材料とを含むコア-シェルマイクロカプセルを開示している。これらのマイクロカプセルは、フレグランスの漏れおよびフレグランスの放出に関する安定性という点では所望の特性を提供するが、これらはイオン性界面活性剤を含有する消費者製品では、凝集などのコロイドの不安定性に悩まされ得る。
【0010】
その結果として、広いpH範囲にわたって様々な製品中でコロイド的に安定でありながら、ファブリックおよびケラチン質表面などの処理された表面で性能を発揮する、改善されたカプセル化技術が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
これらの問題は、独立請求項の主題によって解決される。
第1の側面において、本発明は、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化組成物を提供する。少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルは、少なくとも1の香料成分を含有するコアおよびコアを取り囲むシェルを含む。シェルは、少なくとも1のアミノ基を含む多官能アミンと少なくとも1の多官能イソシアナートとの反応により形成された熱硬化性樹脂を含む。シェルはさらに、第四級アンモニウム基を含むカチオン性ポリマー、ならびに完全にまたは部分的に解離したカルボン酸基を含む高分子安定剤を含む。カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比は、0.8~1.1、好ましくは0.9~1.08、より好ましくは1.00~1.06である。
【0012】
「ノミナルモル比」は、系に関わる材料の総量に基づいて計算されるモル比を意味する。本発明の文脈において、カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比は、系中に存在するアミノ基、第四級アンモニウム基およびカルボン酸基の総量に基づいて計算される。
【0013】
とりわけ、上述のモル比は、一級、二級、三級および四級化アミンを包含する、組成物中に存在するアミノ基当量の総数、およびカルボキシル基当量の総数を計算することによって算出される。ポリエチレンイミン(下記参照)については、ポリエチレンイミン鎖当たりの、関与するエチレンイミンの平均数を考慮することによって、すなわちポリマーの平均分子量をエチレンイミンの分子量で割ることによって、計算を簡略化することができる。
【0014】
先行技術の問題に取り組む中で、本出願人は、一方ではアミノ基と第四級アンモニウム基との間の最適なバランスを有し、他方では完全にまたは部分的に解離したカルボン酸基を有するマイクロカプセルが、凝集または相分離を示すことなく、広範囲の組成物、とりわけ広範囲の界面活性剤およびpH条件を有する製品において最適なコロイドの安定性をも示すことを発見した。
【0015】
さらにまた、本出願人は、この比が0.8未満の場合、マイクロカプセルは、広範囲のpHにわたってカチオン性界面活性剤の存在下で凝集物を形成する傾向を有し、一方、この比が1.1より大きい場合、マイクロカプセルは、広範囲のpHにわたってアニオン性界面活性剤の存在下で凝集体を形成する傾向を有することを見出した。
【0016】
さらにまた、本出願人は、驚くべきことに、カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のモル比が0.8を下回る場合、マイクロカプセルの体積-メディアン径が劇的に増加し、本発明の目的には適さなくなることを見出した。
【0017】
少なくとも1の多官能イソシアナートは、イソシアナート基が有機残基(R-N=C=OまたはR-NCO)に結合している有機イソシアナートから選択してもよい。本発明の文脈において、ポリイソシアナート(または多官能イソシアナート)は、分子中に2以上(例えば3、4、5等々)のイソシアナート基を有する有機イソシアナートである。好適なポリイソシアナートは、実例として、芳香族、アリール脂肪族、脂環式または脂肪族である。
【0018】
アニオン変性ポリイソシアナートは、少なくとも2のイソシアナート基と、アニオン性(anionic)またはアニオン形成性(anionogenic)である少なくとも1の官能基を含む。「アニオン形成性官能基」は、化学的環境、実例としてpHに応じてアニオン性になることができる基である。好適なアニオン性またはアニオン形成性基は、実例として、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基およびそれらの塩である。
【0019】
本発明の文脈において、アニオン変性ポリイソシアナート(以下、「アニオン変性ポリイソシアナート(A)」と称する)は、1以上のスルホン酸基またはその塩を含むことができる。好適な塩は、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩であり得る。アンモニウム塩が好ましい。
【0020】
好ましくは、アニオン変性ポリイソシアナート(A)は、ポリイソシアナートと2-(シクロヘキシルアミノ)-エタンスルホン酸および/または3-(シクロヘキシルアミノ)-プロパンスルホン酸との反応によって得られる。
【0021】
より好ましくは、アニオン変性ポリイソシアナート(A)は、ポリイソシアナートと、2-(シクロヘキシルアミノ)-エタンスルホン酸および/または3-(シクロヘキシルアミノ)-プロパンスルホン酸との反応によって得られ、ここで、ポリイソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、2,4-および2,6-トルイレンジイソシアナートおよびそれらの異性体混合物、ジフェニルメタンジイソシアナート、ビウレット、アロファナートおよび/または前記ポリイソシアナートのイソシアヌレートから選択される。
【0022】
アニオン変性ポリイソシアナート(A)は、各場合において、アニオン変性ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレートおよびそれらの混合物から選択することができる。
【0023】
好ましくは、アニオン変性ポリイソシアナート(A)は以下を有する:
-少なくとも1.8の平均イソシアナート官能価、
-4.0~26.0重量%のイソシアナート基(NCOとして計算;分子量=42)の含有量、
-0.1~7.7重量%のスルホナート基(SO3として計算;分子量=80)の含有量、および
-任意に、0~19.5重量%のポリエーテル鎖内に結合したエチレンオキシド単位(C2H2Oとして計算;分子量=44)の含有量、ここでポリエーテル鎖は統計的平均で5~55個のエチレンオキシド単位を含有する。
【0024】
とりわけ、アニオン変性ポリイソシアナート(A)は、アニオン変性ヘキサメチレンジイソシアナート、アニオン変性ヘキサメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのアニオン変性イソシアヌレートおよびそれらの混合物から選択することができる。
【0025】
殊更好ましい態様において、アニオン変性ポリイソシアナート(A)は、式Iに従うことができる。
【化1】
式Iは、CovestroからBayhydur(登録商標)XP2547の商標で販売されている、ヘキサメチレンジイソシアナートの変性イソシアヌレートである市販のアニオン変性ポリイソシアナートを示す。
【0026】
本発明の具体的な態様において、非イオン性ポリイソシアナート、本明細書において「ポリイソシアナート(B)」と称する、を使用することができる。
非イオン性ポリイソシアナート(B)は、1,6-ジイソシアナートヘキサン、1,5-ジイソシアナート-2-メチルペンタン、1,5-ジイソシアナート-3-メチルペンタン、1,4-ジイソシアナート-2,3-ジメチルブタン、2-エチル-1,4-ジイソシアナートブタン、1,5-ジイソシアナートペンタン、1,4-ジイソシアナートブタン、1,3-ジイソシアナートプロパン、1,10-ジイソシアナートデカン、1,2-ジイソシアナートシクロブタン、ビス(4-イソシアナートシクロヘキシル)メタン、3,3,5-トリメチル-5-イソシアナートメチル-1-イソシアナートシクロヘキサン、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ヘキサメチレン1,6ジイソシアナート(HDI)、水添4,4ジフェニルメタンジイソシアナート(HMDI)からなる群から選択することができる。
【0027】
ポリイソシアナート(B)は、上述のイソシアネナートモノマーに基づく非イオン性オリゴマー、例えば1,6-ジイソシアナートヘキサンなどのホモポリマーであることもできる。これらのモノマーおよびオリゴマーはすべて、Covestro AGからDesmodurの商品名で販売されている。
【0028】
好ましくは、非イオン性ポリイソシアナート(B)は、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、2,4-および2,6-トルイレンジイソシアナートおよびそれらの異性体混合物、2,4’-および4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナートおよびそれらの異性体混合物、キシリレンジイソシアナート(例えばCovestroから販売されているDesmodur quix 175)、任意にトリメチロールプロパン(TMP)付加物(例えばTakenate D-110Nの商標で市販されている)、先述のポリイソシアナートのビウレット、アロファナートおよび/またはイソシアヌレートまたはそれらの混合物から選択される。
【0029】
好ましい市販の非イオン性ポリイソシアナート(B)は、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートであり、とりわけCovestro AGからDesmodur W1の商標で販売されている。
好ましい市販の非イオン性ポリイソシアナート(B)は、ヘキサメチレンジイソシアナートであり、とりわけCovestro AGからDesmodur N3200の商標で販売されている。
好ましい市販の非イオン性ポリイソシアナート(B)は、イソホロンジイソシアナートであり、とりわけCovestro AGからDesmodur Zの商標で販売されている。
【0030】
これらのポリイソシアナートは、非芳香族性であるためより持続可能であり、および酸化されにくいという利点を有する一方で、ポリアミンとの反応性が高く、不浸透性カプセル化樹脂の形成に好適な分子構造を有する。
【0031】
本発明の文脈において、少なくとも1の多官能イソシアナートは、アニオン変性ポリイソシアナート(A)および非イオン性ポリイソシアナート(B)を含む、好ましくは、これらからなることができる。
【0032】
本発明の好ましい態様において、少なくとも1の多官能イソシアナートは、アニオン変性ヘキサメチレンジイソシアナート、アニオン変性イソホロンジイソシアナート、アニオン変性ジシクロヘキシルメタン-4,-4’-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのアニオン変性イソシアヌレートおよびそれらの混合物から選択されるアニオン変性ポリイソシアナート(A)、ならびにヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレートおよびそれらの混合物から選択される非イオン性ポリイソシアナート(B)を含む、好ましくは、これらからなる。
【0033】
アニオン変性ポリイソシアナート(A)と非イオン性ポリイソシアナート(B)の重量比は、0.05~0.5、好ましくは0.07~0.25の範囲とすることができる。これらの重量比は、最も高い不浸透性を有する樹脂を提供し、したがってカプセル化に最も好適である。
【0034】
本発明の文脈において、用語「少なくとも1のアミノ基を含む多官能アミン」は、NCO基と反応することができる少なくとも2の基を含むアミンを示し、ここで、NCO基と反応することができる少なくとも1の基は、第一級アミノ基または第二級アミノ基である。多官能アミンが第一級または第二級アミノ基を1つだけ含有する場合、重合反応においてNCO基と反応することができる1以上の追加の官能基を含有することになる。NCO基に対して反応性の多官能アミンの基は、好ましくはヒドロキシル基および第一級または第二級アミノ基から選択される。NCO基とアミノ基との反応はウレア基の形成をもたらす。NCO基とOH基との反応は、ウレタン基の形成をもたらす。しかしながら、OH基との反応はしばしば触媒を必要とする。導入される多官能アミンの量は、大抵、遊離イソシアナート基を変換するのに必要な化学量論量に対してモル過剰である。
【0035】
多官能アミンは、ジアミン、トリアミン、テトラミン、および高次多官能アミン、アミノアルコール、メラミン、ウレア、ヒドラジン、高分子ポリアミン、およびそれらの混合物から選択することができる。
好適なジアミンは、例えば、1,2-エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,3-ジアミノ-1-メチルプロパン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペラジンまたはそれらの混合物である。
【0036】
好適なアミノアルコールは、例えば、2-アミノエタノール、2-(N-メチルアミノ)エタノール、3-アミノプロパノール、4-アミノブタノール、1-エチルアミノブタン-2-オール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、4-メチル-4-アミノペンタン-2-オールまたはそれらの混合物である。
【0037】
好適な高分子ポリアミンは、原則として、少なくとも2の第一級または第二級アミノ基を有する直鎖状または分枝状のポリマーである。加えて、これらのポリマーは、ポリマー鎖中に第三級アミノ基を有することができる。
【0038】
高分子ポリアミンは、好ましくは、ポリアルキレンアミン、ポリビニルアミン、ポリエーテルアミンおよびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、高分子ポリアミンはポリアルキレンイミン、とりわけポリエチレンイミンから選択される。
【0039】
好ましくは、少なくとも300g/molの重量平均分子量を有する高分子ポリアミンである。より好ましいのは、500~2000000g/mol、とりわけ700~1000000g/mol、さらによりとりわけ800~500000g/molの重量平均分子量を有する高分子ポリアミンである。
【0040】
好ましい態様において、多官能アミンは、少なくとも1のポリエチレンイミンを含む、好ましくはからなる。
ポリエチレンイミンは、一般式H2N(CH2CH2NH)nH、式中、nは>1の整数である(n=2:ジエチレントリアミン;n=3:トリエチレンテトラミン;n=4:テトラエチレンペンタミン)、を有する短鎖ポリエチレンイミンであってもよい。これらは、ときには、ポリエチレンアミンまたはポリアルキレンポリアミンと呼ばれることもある。ポリエチレンイミンはまた長鎖ポリエチレンイミンであってもよい。
【0041】
本発明によるプロセスにおいて、少なくとも500g/モル、好ましくは600~30000または650~25000g/モル、およびとりわけ700~10000g/モルまたは850~5000g/モルの分子量を有するポリエチレンイミンが好ましく使用される。
【0042】
多官能アミンは、以下の繰り返し単位を含有するポリエチレンイミンであることができる。
【化2】
式中、
xは8~1500、好ましくは10~1000であり;
yは0~10、好ましくは0~5、特に0であり;
zは2+yである。
これらのポリエチレンイミンで、良好な結果を、とりわけ抽出媒体の漏出に関して、達成することができる。
好ましいポリエチレンイミンは直鎖状ポリエチレンイミンであり、式中、xは8~1500であり、yは0であり、およびzは2である。
【0043】
好ましい市販のポリエチレンイミンは、BASF SEからLupasol、とりわけLupasol G100の商標で販売されている。
好ましくは、多官能イソシアナートに対する多官能アミンの重量比は0.05~1、好ましくは0.1~0.5、さらにより好ましくは0.15~0.25である。これらの重量比は、高いカプセル化効率を有する樹脂を提供する。
【0044】
少なくとも1のマイクロカプセルのシェルは、加えて、完全にまたは部分的に解離したカルボン酸基を含む高分子安定剤を含む。高分子安定剤は、カルボン酸基を含む高分子乳化剤と少なくとも1のアミノシランとの組み合わせによって形成することができる。
【0045】
本発明の高分子安定剤は、液滴が合体するのを確実に防止し、分散媒中に良好に懸濁した状態を維持することにより、分散した油滴を安定化させる。このように、高分子安定剤は、新規なコア-シェルマイクロカプセルを形成するために、異なるシェル-形成化学物質を香料油液滴に付着させることができる、安定で汎用性のあるプラットフォームの作成を支援する。
【0046】
本発明の目的に殊更好適な高分子界面活性剤は、無水マレイン酸と、エチレン、イソブチレンまたはスチレンなどのオレフィン性モノマーとの反応生成物であるコポリマーを包含する。かかるコポリマーの例は、ポリ(エチレン-co-無水マレイン酸)、ポリ(イソブチレン-co-無水マレイン酸)およびポリ(スチレン-co-無水マレイン酸)を包含する。殊更好ましいコポリマーはポリ(エチレン-co-無水マレイン酸)であり、その市販グレードはZeMac E400の商品名で入手可能である。無水マレイン酸コポリマーは単独で使用されてもよく、または代替的に無水マレイン酸コポリマーの組み合わせを使用してもよい。
【0047】
無水マレイン酸コポリマーは、加水分解された形態で本発明に使用することができ、この場合、無水物は、その遊離酸、またはその塩、またはそれらの混合物の形態であってもよい。
【0048】
無水マレイン酸コポリマーを使用する場合、乳化工程で使用する前に予め加水分解しておくと殊更好ましい。加水分解は、無水マレイン酸を水性媒体中に、任意に上昇した温度、例として約85~90℃で、適切な時間間隔で溶解することによって達成することができる。典型的には、2時間が加水分解に影響を与える適切な時間間隔である。ポリマーがこれらの条件下で溶解すると、溶液のpHは典型的には3を下回り、これは加水分解が起こったことを示すことができる。さらにまた、赤外分光分析は、無水物基に対応する典型的な吸収バンドが消失していることを明らかにした。
【0049】
上文に規定したとおり、加水分解された形態の無水マレイン酸コポリマーは、遊離酸、または塩の形態、または遊離酸と塩の混合物として提示することができる。遊離酸と塩の相対量は、水性媒体のpHに依存する。より具体的には、無水マレイン酸コポリマーは、水溶液中で約2~約7、より具体的には約4~約5のpHで採用され、ここで無水マレイン酸コポリマーは最適な乳化剤特性を表す。
【0050】
加水分解形態の無水マレイン酸コポリマーは、その遊離酸および一価の対イオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム対イオンとの塩形態の混合物として提示され得る。
代替的に、高分子界面活性剤は、カルボキシル基を持つ多糖類から選択してもよく、これはウロン酸単位、とりわけヘキスロン酸単位を含む多糖類を包含する。ウロン酸単位、とりわけヘキスロン酸単位を有する多糖類は、自然界において広く利用可能である。
【0051】
ヘキスロン酸単位は、ガラクツロン酸単位、グルクロン酸単位、とりわけ4-O-メチル-グルクロン酸単位、グルロン酸単位およびマンヌロン酸単位からなる群から選択することができる。
【0052】
本発明の具体的な態様において、シェルは、高分子界面活性剤と少なくとも1のアミノシランとの組み合わせによって、好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランと、ポリ(エチレン-co-マレイン酸無水物)およびポリ(スチレン-co-マレイン酸無水物)の少なくとも1との組み合わせによって形成される高分子安定剤を含む。
【0053】
本発明のさらなる態様において、高分子界面活性剤は、ポリ(アクリル酸)およびそのコポリマー、ポリ(メタクリル酸)およびそのコポリマー、加水分解または部分加水分解されたポリ(マレイン酸)およびそのコポリマー、ペクチン、アカシアガム、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ジェランガム、および一価のアルカリ金属とのそれらの塩からなる群から選択される。
【0054】
ポリマー安定剤の調製に採用されるシランは、式II
【化3】
式中、R
1、R
2およびR
3は、独立して、C
1-C
4の直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケン、とりわけメチルまたはエチルであり、およびR
4は、官能基を含む、C
1-C
12、好ましくはC
1-C
4の直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケンである、で表される化合物から選択することができる。殊更好ましいのはアミノシランである。よって、官能基はアミン、とりわけ第一級、第二級または第三級アミンであることができる。
【0055】
官能基が第一級アミンの場合、それは末端第一級アミンであることができる。R4は、好ましくはC1-C8、さらにより好ましくはC1-C4、の直鎖末端第一級アミノアルキル残基である。このカテゴリーの特定のアミノシランは、アミノメチルトリエトキシシラン、2-アミノエチルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、5-アミノペンチルトリエトキシシラン、6-アミノヘキシルトリエトキシシラン、7-アミノプチルトリエトキシシランおよび8-アミノオクチルトリエトキシシランからなる群から選択され、最も好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0056】
高分子安定剤を形成するために組み合わされるアミノシランおよび高分子界面活性剤は、幅広く様々な量で組み合わされてよい。しかしながら、アミノシランに対する高分子界面活性剤、特に無水マレイン酸コポリマーの重量比は、1~20、好ましくは1.5~10、さらにより好ましくは2.5~3.5であれば好ましい。
【0057】
アミノシランはまた、二峰性アミノシラン(bipodal aminosilane)であり得る。「二峰性アミノシラン」は、少なくとも1のアミノ基と2つの残基を含む分子を意味し、これらの残基の各々は、少なくとも1のアルコキシシラン部分を持つ。
【0058】
本発明の具体的な態様において、少なくとも1の二峰性アミノシランは、式IIIを有する。
【化4】
【0059】
上の式IIIにおいて、Xは、-NR
1-、-NR
1-CH
2-NR
1-、-NR
1-CH
2-CH
2-NR
1-、-NR
1-CO-NR
1-、または
【化5】
を表す。
【0060】
上の式IIIにおいて、R1は、各々独立して、H、CH3またはC2H5を表す。R2は、各々独立して、1~6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキレン基を表す。R3は、各々独立して、1~4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基を表す。R4は、各々独立して、Hまたは1~4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。fは0、1または2を表す。
【0061】
二峰性アミノシランは、従来のシランと比較して、安定した油-水界面を形成するのに特に有利である。
二峰性アミノシランの例は、これらに限定されないが、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミン、N,N’-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)ウレア、ビス(3-(メチルジエトキシシリル)プロピル)アミン、N,N’-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エタン-1,2-ジアミン、ビス(3-(メチルジメトキシシリル)プロピル)-N-メチルアミンおよびN,N’-ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ピペラジンを包含する。
【0062】
二峰性アミノシランは、第二級アミノシランであることができる。第一級アミノシランの代わりに第二級二峰性アミノシランを使用すると、親電子種(electrophilic species)、とりわけアルデヒドに対する高分子安定剤の反応性が低下する。ゆえに、高レベルのアルデヒドを含有するベネフィット剤は、コア形成材料とシェル形成材料との間の有害な相互作用がより低い傾向でカプセル化され得る。
【0063】
第二級アミノシランは、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンであることができる。この特定の第二級アミノシランは、エトキシシラン基の重縮合の際に、より有毒で好ましくないメタノールの代わりにエタノールを放出するという利点を有する。
【0064】
本発明の具体的な態様において、高分子安定剤は、カルボン酸基を含む高分子界面活性剤と少なくとも1のアミノシランとの組み合わせによって、好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランとポリ(エチレン-co-無水マレイン酸)およびポリ(スチレン-co-無水マレイン酸)の少なくとも1との組み合わせによって形成される。
【0065】
熱硬化性樹脂に対する高分子安定剤の重量比は、好ましくは0.4~0.9、さらにより好ましくは0.45~0.75である。
マイクロカプセルのシェルは、加えて、第四級アンモニウム基を含むカチオン性ポリマーを含む。
【0066】
カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム官能性を持つ少なくとも1のモノマーに由来し得る。とりわけ、カチオン性モノマーは、四級化ジメチルアミノエチルアクリレート(ADAME)、四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート(MADAME)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択され得る。
【0067】
カチオン性ポリマーは、加えて、水溶性ビニルモノマー、より具体的にアクリルアミド、メタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピリジンおよび/またはN-ビニルピロリドンからなる群から選択される非イオン性モノマーにさらに由来し得る。
【0068】
本出願人は、第四級アンモニウム基が、好ましくはカチオン性ポリマーによって、より好ましくはカチオン性コポリマーによって、さらにより好ましくはカチオン性でないコモノマーを含むカチオン性ブロックコポリマーによって提供されることを見出した。理論に束縛されることなく、本出願人は、カチオン性ポリマーは、(i)水性洗浄液またはすすぎ液中で伸長すること、(ii)基材との接触回数を最大化し、それによってこの基材上のマイクロカプセルのより良好な沈着および持続性を保証するという利点を有すると考えている。さらにまた、カチオン性でないコモノマーを含むカチオン性コポリマーは、カチオン性ホモポリマーよりも柔軟であり、したがってポリマー-マイクロカプセル間およびポリマー-基板間の相互作用を最大化するのに適しているという利点を有する。
【0069】
好ましい態様において、カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム基、およびカチオン性でない少なくとも1のコモノマーを含むブロックコポリマーである。両タイプのモノマーが別個の配列で編成されたブロックコポリマーは、水性媒体中での鎖伸長と基材上への固定との間の最適なバランスを提供することが期待される。
【0070】
本発明の具体的な態様において、カチオン性ポリマーは以下からなる群から選択される、ポリクオタニウム-2(ポリ(ビス[2-クロロエチル]エーテル-alt-1,3-ビス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア)コポリマー)、ポリクオタニウム-4(ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー)、ポリクオタニウム-5(ポリ(アクリルアミド-b-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルファート)コポリマー)、ポリクオタニウム-6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-7(ポリ(アクリルアミド-コ-ジアリルジメチル-アンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-9(ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-10(ヒドロキシエチルセルロース-2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー)、ポリクオタニウム-11(ポリ(ビニルピロリドン-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)コポリマー)、ポリクオタニウム-12(ポリ(エチルメチクララート-co-アビエチルメタクリラート-co-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムジメチルスルファート)ターポリマー)、ポリクオタニウム-13(ポリ(エチルメチクララート-co-オレイルメタクリラート-co-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムジメチルスルファート)ターポリマー)、ポリクオタニウム-14(ポリ(メタクリロイルオキシ)-エチル]-N、N、N-トリメチルアンモニウムメトスルファート)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-15(ポリ(アクリルアミド-co-メタクリリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、
【0071】
ポリクオタニウム-16(ポリ(ビニルピロリドン-co-ビニルイミダザニウムクロリド)ターポリマー)、ポリクオタニウム-17、(アジピン酸、ジメチルアミノプロピルアミンおよびジクロロエチルエテルターポリマー)、ポリクオタニウム-18(アゼライン酸、ジメチルアミノプロピルアミンおよびジクロロエチルエテルターポリマー)、ポリクオタニウム-19(ポリ(ビニルアルコール)および2、3-エポキシ-プロピルアミンコポリマーの四級化コポリマー)、ポリクオタニウム-22(ポリ(アクリル酸-co-ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-28(ポリ(ビニルピロリドン-co-メタシルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-29(2、3-ジヒドロキシプロピル-2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテルで変性されたキトサン、クロリド)、ポリクオタニウム-32(ポリ(アクリルアミド-co-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、
【0072】
ポリクオタニウム-33(ポリ(アクリルアミド-co-アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-34(1、3-ジブロモプロパンおよびN、N-ジエチル-N’、N’-ジメチル-1、3-プロパンジアミンコポリマー)、ポリクオタニウム-35(ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム-co-メタクリロイルオキシエチルジメチルアセチルアンモニウムメトスルファート)コポリマー)、ポリクオタニウム-36(ポリ(ブチルメタクリラート-co-メタクリロイルオキシエチルジメチルアミン-co-メタクリロイルオキシエチル-トリメチルアンモニウムジメチルスルファート)ターポリマー)、ポリクオタニウム-37(ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)ホモポリマー)、ポリクオタニウム-39(ポリ(アクリル酸-co-アクリルアミド-co-ジアリル-ジメチルアンモニウムクロリド)ターポリマー)、ポリクオタニウム-42(ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロリド)コポリマー)、ポリクオタニウム-43(ポリ(アクリルアミド-co-アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-co-2-アミドプロピルアクリルアミドスルホナート-co-ジメチルアミノプロピルアミン)コポリマー)、ポリクオタニウム-44(ポリ(ビニルピロリドン-co-イミダゾリニウム)コポリマー)、ポリクオタニウム-45(ポリ([N-メチル-N-エトキシグリシン]-メタクリラート-co-メタクリロイルオキシエチル-トリメチルアンモニウムジメチルスルファート)コポリマー)、
【0073】
ポリクオタニウム-46(ポリ(ビニルカプロラクタム-co-ビニルピロリドン-co-ビニルイミダゾリウムメトスルファート)ターポリマー)およびポリクオタニウム-47(ポリ(アクリル酸-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-co-メチルアクリラート)ターポリマー)。好ましくは、カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-22(ポリ(アクリル酸-co-ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)コポリマー)およびポリクオタニウム-39(ポリ(アクリル酸-co-アクリルアミド-co-ジアリル-ジメチルアンモニウムクロリド)ターポリマー)から選択される。
【0074】
市販のポリクオタニウムの例は、Merquat、例としてMerck、たとえばMerquat 100(ポリクオタニウム6)、Merquat 740(ポリクオタニウム7)、Merquat 281(ポリクオタニウム22)、およびMerquat 2001(ポリクオタニウム47)などの名前で利用可能である。
【0075】
好ましい態様において、カチオン性ポリマーは、500’000g/mol未満、好ましくは250’000g/mol未満、さらにより好ましくは100’000g/mol未満、例えば75’000g/mol以下、または50’000g/mol以下である平均分子量を有する。しかしながら、カチオン性ポリマーの平均分子量が5’000g/molより大きく、より好ましくは10’000g/molより大きいこともまた好ましい。より高い平均分子量を有するカチオン性ポリマーは、マイクロカプセルスラリーとマイクロカプセルを含む消費者製品の両方の粘度を増加させ得る。カチオン性ポリマーが小さすぎる場合、コポリマーがマイクロカプセルをコロイド状に安定化させる性質が低下し得る。
【0076】
ポリマー安定剤に加えて、完全または部分的に解離したカルボン酸基は、(メタ)アクリル酸コモノマーを含む本明細書上述したカチオン性ポリマーによってもまた提供されてもよい。
【0077】
具体的な態様において、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルにおけるシェル材料のレベルは、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルの総重量に基づいて、2重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~15重量%である。
【0078】
具体的な態様において、本発明に従う複数のマイクロカプセルは、1~50μm、好ましくは5~35μm、さらにより好ましくは8~20μmの体積-メディアン径Dv(50)を有する。50μmより大きい直径を有するマイクロカプセルは、製品中に目で見えるという不利な点を有し得る。さらにまた、一定のマイクロカプセルの体積で、大きなマイクロカプセルの数は、製品中のマイクロカプセルの均質な分散または基材上のマイクロカプセルの均質な沈着を保証するのに十分でない可能性がある。逆に言うと、小さすぎるマイクロカプセルは、体積に対する高い表面の比率を有し、これは製品基材中のカプセル化された香料成分の漏出に関する安定性を低くする。
【0079】
本発明に従うマイクロカプセルは、スラリーの形態で存在することができ、コアシェルマイクロカプセルは水相に分散または懸濁される。
【0080】
具体的な態様において、スラリーは、20重量%~60重量%、好ましくは35重量%~45重量%の固体含有量を有する。スラリーの固体含有量は、典型的には、120℃で作動する熱天秤を使用することによって測定される。天秤に付着した最初のスラリーの重量パーセントとして表示される固体含有量は、乾燥によって誘発される重量変化率が0.1%/分を下回った点で測定される。
【0081】
本発明の具体的な態様において、香料成分は以下からなる群から選択される、
ACETYL ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニルアセタート);ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 MOA(2-メチルデカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA PURE(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE C 8 OCTYLIC(オクタナール);ALDEHYDE C 9 ISONONYLIC(3,5,5-トリメチルヘキサナール);ALDEHYDE C 9 NONYLIC FOOD GRADE(ノナナール);ALDEHYDE C 90 NONENYLIC((E)-ノナ-2-エナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALDEHYDE MANDARINE((E)-ドデカ-2-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセタート);ALLYL CAPROATE(プロパ-2-エニルヘキサノアート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(プロパ-2-エニル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(プロパ-2-エニルヘプタノアート);
【0082】
AMBER CORE(1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール);AMBERKETAL(3,8,8,11a-テトラメチルドデカヒドロ-1H-3,5a-エポキシナフト[2,1-c]オキセピン);AMBERMAX(1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベータ,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタル-エン-8-エタノール);AMBRETTOLIDE((Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン);AMBROFIX((3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);AMYL BUTYRATE(ペンチルブタノアート);AMYL CINNAMIC ALDEHYDE((Z)-2-ベンジリデンヘプタナール);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);ANETHOLE SYNTHETIC((E)-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン);ANISYL ACETATE(4-メトキシベンジルアセタート);APHERMATE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルマート);AUBEPINE PARA CRESOL(4-メトキシベンズアルデヒド);AURANTIOL((E)-メチル2-((7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクチリデン)アミノ)ベンゾアート);BELAMBRE((1R,2S,4R)-2’-イソプロピル-1,7,7-トリメチルスピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4’-[1,3]ジオキサン]);
【0083】
BENZALDEHYDE(ベンズアルデヒド);BENZYL ACETATE(ベンジルアセタート);BENZYL ACETONE(4-フェニルブタン-2-オン);BENZYL BENZOATE(ベンジルベンゾアート);BENZYL SALICYLATE(ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート);BERRYFLOR(エチル6-アセトキシヘキサノアート);BICYCLO NONALACTONE(オクタヒドロ-2H-クロメン-2-オン);BOISAMBRENE FORTE((エトキシメトキシ)-シクロドデカン);BOISIRIS((1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン);BORNEOL CRYSTALS((1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);BOURGEONAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)プロパナール);BUTYL BUTYRO LACTATE(1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イルブタノアート);BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);BUTYL QUINOLINE SECONDARY(2-(2-メチルプロピル)キノリン);CAMPHOR SYNTHETIC((1S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン);CARVACROL(5-イソプロピル-2-メチルフェノール);CARVONE LAEVO((5R)-2-メチル-5-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オン);CASHMERAN(1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン);CASSYRANE(5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン);CEDRENE((1S,8aR)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CEDRYL ACETATE((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);CEDRYL METHYL ETHER((1R,6S,8aS)-6-メトキシ-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CETONE V((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ヘプタ-1,6-ジエン-3-オン);
【0084】
CINNAMIC ALCOHOL SYNTHETIC((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);CINNAMIC ALDEHYDE((2E)-3-フェニルプロパ-2-エナール);CINNAMYL ACETATE((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-イルアセタート);CIS JASMONE((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);CIS-3-HEXENOL((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);CITRAL TECH((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRATHAL R((Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);CITRONELLAL(3,7-ジメチルオクタ-6-エナール);CITRONELLOL EXTRA(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);CITRONELLYL FORMATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート);CITRONELLYL NITRILE(3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル);CLONAL(ドデカンニトリル);CORANOL(4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);COUMARIN PURE CRYSTALS(2H-クロメン-2-オン);CRESYL ACETATE PARA((4-メチルフェニル)アセタート);CRESYL METHYL ETHER PARA(1-メトキシ-4-メチルベンゼン);CUMIN NITRILE(4-イソプロピルベンゾニトリル);CYCLAL C(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド);CYCLAMEN ALDEHYDE EXTRA(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);CYCLOGALBANATE(アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート);CYCLOHEXYL ETHYL ACETATE(2-シクロヘキシルエチルアセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);CYCLOMYRAL(8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド);CYMENE PARA(1-メチル-4-プロパン-2-イルベンゼン);
【0085】
DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE DELTA(1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オン);DECALACTONE GAMMA(5-ヘキシルオキソラン-2-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DELPHONE(2-ペンチルシクロペンタノン);DELTA-3 CARENE((1S,6S)-3,7,7-トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エン);DIHEXYL FUMARATE(ジヘキシル-ブタ-2-エンジオアート);DIHYDRO ANETHOLE(1-メトキシ-4-プロピルベンゼン);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);DIMETHYL ANTHRANILATE(メチル2-(メチルアミノ)ベンゾアート);DIMETHYL BENZYL CARBINOL DIMETHYL BENZYL CARBINOL(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブタノアート);DIMETHYL OCTENONE(4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DIPENTENE(1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン);
【0086】
DIPHENYL OXIDE(オキシジベンゼン);DODECALACTONE DELTA(6-ヘプチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);DODECALACTONE GAMMA(5-オクチルオキソラン-2-オン);DODECENAL((E)-ドデカ-2-エナール);DUPICAL((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール);EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ESTERLY(エチルシクロヘキシルカルボキシラート);ETHYL ACETATE(エチルアセタート);ETHYL ACETOACETATE(エチル3-オキソブタノアート);ETHYL CINNAMATE(エチル3-フェニルプロパ-2-エノアート);ETHYL HEXANOATE(エチルヘキサノアート);ETHYL LINALOO((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ETHYL LINALYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);ETHYL MALTOL(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン);ETHYL METHYL-2-BUTYRATE(エチル2-メチルブタノアート);ETHYL OCTANOATE(エチルオクタノアート);ETHYL OENANTHATE(エチルヘプタノアート);ETHYL PHENYL GLYCIDATE(エチル3-フェニルオキシラン-2-カルボキシラート);ETHYL SAFRANATE(エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート);
【0087】
ETHYL VANILLIN(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド);ETHYLENE BRASSYLATE(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);EUGENOL(4-アリル-2-メトキシフェノール);EVERNYL(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート);FENCHYL ACETATE((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);FENCHYL ALCOHOL((1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);FENNALDEHYDE(3-(4-メトキシフェニル)-2-メチルプロパナール);FIXAMBRENE(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン);FIXOLIDE(1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);FLORALOZONE(3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLORIDILE((E)-ウンデカ-9-エンニトリル);FLOROCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロパノアート);FLOROPAL(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン);FLOROSA HC(テトラヒドロ-4-メチル-2-(2-メチルプロピル)-2H-ピラン-4-オール);
【0088】
FRESKOMENTHE(2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン);FRUCTONE(エチル2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)アセタート);FRUITATE((3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート);FRUTONILE(2-メチルデカンニトリル);GALBANONE PURE(1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDENOL(1-フェニルエチルアセタート);GARDOCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イル2-メチルプロパノアート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);GERANYL CROTONATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルブタ-2-エノアート);GERANYL ISOBUTYRATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル2-メチルプロパノアート);GIVESCONE(エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート);
【0089】
HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HELIOTROPINE CRYSTALS(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒド);HERBANATE((2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]へプタ-5-エン-2-カルボキシラート);HEXENAL-2-TRANS((E)-ヘキサ-2-エナール);HEXENOL-3-CIS((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);HEXENYL-3-CIS ACETATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルアセタート);HEXENYL-3-CIS BUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブタノアート);HEXENYL-3-CIS ISOBUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-メチルプロパノアート);HEXENYL-3-CIS SALICYLATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート);HEXYL ACETATE(ヘキシルアセタート);HEXYL BENZOATE(ヘキシルベンゾアート);HEXYL BUTYRATE(ヘキシルブタノアート);HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE((E)-2-ベンジリデンオクタナール);HEXYL ISOBUTYRATE(ヘキシル2-メチルプロパノアート);HEXYL SALICYLATE(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);HYDROXYCITRONELLAL(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);INDOFLOR(4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン);INDOLE PURE(1H-インドール);INDOLENE(8,8-ジ(1H-インドール-3-イル)-2,6-ジメチルオクタン-2-オール);
【0090】
IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISANTHEME((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRONE ALPHA((E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISO E SUPER(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ISOAMYL ACETATE(3-メチルブチルアセタート);ISOAMYL BUTYRATE(3-メチルブチルブタノアート);ISOBUTYL METHOXY PYRAZINE(2-メチルプロピル3-メトキシピラジン);ISOCYCLOCITRAL(2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール);ISOJASMONE B 11(2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン);
【0091】
ISOMENTHONE DL(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン);ISONONYL ACETATE(3,5,5-トリメチルヘキシルアセタート);ISOPROPYL METHYL-2-BUTYRATE(イソプロピル2-メチルブタノアート);ISOPROPYL QUINOLINE(6-イソプロピルキノリン);ISORALDEINE((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);JASMACYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート);JASMONE CIS((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);JASMONYL(3-ブチル-5-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);JASMOPYRANE FORTE(3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);JAVANOL((1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール);KOAVONE((Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルへプタ-3-エン-2-オン);LAITONE(8-イソプロピル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);LEAF ACETAL((Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン);LIFFAROME((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルメチルカルボナート);LILIAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール);
【0092】
#N/ALINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALOOL OXIDE(2-(5-メチル-5-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)プロパン-2-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);MAHONIAL((4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デセナール);MALTOL(3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン);MALTYL ISOBUTYRATE(2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル2-メチルプロパノアート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MAYOL((4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール);MEFROSOL(3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);#N/A#N/AMERCAPTO-8-METHANE-3-ONE(メルカプト-パラ-メンタン-3-オン);METHYL ANTHRANILATE(メチル2-アミノベンゾアート);METHYL BENZOATE(メチルベンゾアート);METHYL CEDRYL KETONE(1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン);METHYL CINNAMATE(メチル3-フェニルプロパ-2-エノアート);METHYL DIANTILIS(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール);METHYL DIHYDRO ISOJASMONATE(メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタン-1-カルボキシラート);
【0093】
METHYL HEPTENONE PURE(6-メチルヘプタ-5-エン-2-オン);METHYL LAITONE(8-メチル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);METHYL NONYL KETONE(ウンデカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ-2-イノアート);METHYL PAMPLEMOUSSE(6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン);METHYL SALICYLATE(メチル2-ヒドロキシベンゾアート);MUSCENONE((Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン);MYRALDENE(4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);MYRCENE(7-メチル-3-メチレンオクタ-1,6-ジエン);MYSTIKAL(2-メチルウンデカン酸);NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOBERGAMATE FORTE(2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート);NEOCASPIRENE EXTRA(10-イソプロピル-2,7-ジメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3,6-ジエン);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ-2-エノアート);NEROLEX((2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);NEROLIDOL((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール);
【0094】
NEROLIDYLE((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート);NEROLINE CRYSTALS(2-エトキシナフタレン);NEROLIONE(1-(3-メチルベンゾフラン-2-イル)エタノン);NERYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NIRVANOLIDE((E)-13-メチルオキサシクロペンタデカ-10-エン-2-オン);NONADIENAL((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエナール);NONADIENOL-2,6((2Z,6E)-2,6-ノナジエン-1-オール);NONADYL(6,8-ジメチルノナン-2-オール);NONALACTONE GAMMA(5-ペンチルオキソラン-2-オン);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール);NONENOL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エン-1-オール);NOPYL ACETATE(2-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)エチルアセタート);NYMPHEAL(3-(4-(2-メチルプロピル)-2-メチルフェニル)プロパナール);OCTALACTONE DELTA(6-プロピルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);METHYL HEXYL KETONE(オクタン-2-オン);ORANGER CRYSTALS(1-(2-ナフタレニル)-エタノン);ORIVONE(4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン);PANDANOL((2-メトキシエチル)ベンゼン);
【0095】
PARA TERT BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);PARADISAMIDE(2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド);PEACH PURE(5-ヘプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);PELARGENE(2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);PELARGOL(3,7-ジメチルオクタン-1-オール);PEONILE(2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル);PETALIA(2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル);PHARAONE(2-シクロヘキシルヘプタ-1,6-ジエン-3-オン);PHENOXY ETHYL ISOBUTYRATE(2-(フェノキシ)エチル2-メチルプロパノアート);PHENYL ACETALDEHYDE(2-フェニル-エタナール);PHENYL ETHYL ACETATE(2-フェニルエチルアセタート);PHENYL ETHYL ALCOHOL(2-フェニルエタノール);PHENYL ETHYL ISOBUTYRATE(2-フェニルエチル2-メチルプロパノアート);PHENYL ETHYL PHENYL ACETATE(2-フェニルエチル2-フェニルアセタート);PHENYL PROPYL ALCOHOL(3-フェニルプロパン-1-オール);PINENE ALPHA(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン);PINENE BETA(6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン);PINOACETALDEHYDE(3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)プロパナール);PIVAROSE(2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート);
【0096】
POMAROSE((2E,5E)-5,6,7-トリメチルオクタ-2,5-ジエン-4-オン);POMELOL(2,4,7-トリメチル-6-オクテン-1-オール);PRECYCLEMONE B(1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);PRENYL ACETATE(3-メチルブタ-2-エン-1-イルアセタート);PRUNOLIDE(5-ペンチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);RADJANOL SUPER((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);RASPBERRY KETONE(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);RHUBAFURAN(2,4-ジメチル-4-フェニルテトラヒドロフラン);ROSACETOL(2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセタート);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSE OXIDE(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSE OXIDE CO(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSYFOLIA(1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピルメタノール);ROSYRANE SUPER(4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);SAFRALEINE(2,3,3-トリメチル-1-インダノン);SAFRANAL(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエンカルバルデヒド);SANDALORE EXTRA(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);SCENTAURUS CLEAN(エチル(Z)-2-アセチル-4-メチルトリデカ-2-エノアート);
【0097】
SERENOLIDE(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);SILVANONE SUPRA(シクロペンタデカノン、ヘキサデカノリド);SILVIAL(2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール);SPIROGALBANONE(1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);STEMONE((E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム);STYRALLYL ACETATE(1-フェニルエチルアセタート);SUPER MUGUET((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);TERPINENE ALPHA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,3-ジエン);TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINEOL(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINEOL ALPHA(2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-オール);TERPINEOL PURE(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TERPINYL ACETATE(2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-イルアセタート);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TETRAHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタン-2-オール);
【0098】
THIBETOLIDE(オキサシクロヘキサデカン-2-オン);THYMOL(2-イソプロピル-5-メチルフェノール);TOSCANOL(1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン);TRICYCLAL(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);TRIFERNAL(3-フェニルブタナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);UNDECATRIENE((3E,5Z)-ウンデカ-1,3,5-トリエン);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);VANILLIN(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド);VELOUTONE(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);VELVIONE((Z)-シクロヘキサデカ-5-エノン);VIOLET NITRILE((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエンニトリル);
【0099】
YARA YARA(2-メトキシナフタレン);ZINARINE(2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン);BOIS CEDRE ESS CHINE(シダーウッド油);EUCALYPTUS GLOBULUS ESS CHINA(ユーカリ油);GALBANUM ESS(ガルバナム油);GIROFLE FEUILLES ESS RECT MADAGASCAR(丁子油);LAVANDIN GROSSO OIL FRANCE ORPUR(ラバンディン油);MANDARIN OIL WASHED COSMOS(マンダリン油);ORANGE TERPENES(オレンジテルペン);PATCHOULI ESS INDONESIE(パッチュリ油);およびYLANG ECO ESSENCE(イラン油)。これらのフレグランス成分は、それらの有利な親油性および嗅覚性能のおかげで、安定でありかつ性能を発揮できるマイクロカプセルを得ることにとりわけ好適である。
【0100】
本発明に従ってまたカプセル化されてもよいフレグランス成分の包括的なリストは、香料の文献、例えば「Perfume & Flavor Chemicals」, S. Arctander (Allured Publishing, 1994)に見出し得る。
【0101】
本発明の第二の側面は、カプセル化組成物、とりわけ本明細書で上に記載したとおりの組成物を得るための方法を提供する。
方法は、以下のステップ:
a)アミノシランを含むコア組成物を提供すること;
b)完全にまたは部分的に解離したカルボン酸基を含む少なくとも1の高分子界面活性剤を含む水相を提供すること;
c)ステップa)で提供されたコア組成物をステップb)で提供された水相に乳化し、水相中に分散したコア組成物液滴のエマルションを得ること;
d)アミノシランおよび高分子界面活性剤を作用させて、分散した油滴を安定化させる高分子安定剤を形成させること;
e)少なくとも1の多官能イソシアナートを添加すること;
f)少なくとも1のアミノ基を含む少なくとも1の多官能アミンを添加すること;および
g)マイクロカプセルのスラリーを形成するために、多官能イソシアナートおよび多官能アミンを反応させ、コア組成物液滴の周囲にシェルを形成させること;
を含み、
ここで、第四級アンモニウム基を含むカチオン性ポリマーは、ステップg)の前、間、または後、好ましくはステップg)の前または間に添加され;および、
ここで、カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比は、0.8~1.1、好ましくは0.9~1.08、より好ましくは1.00~1.06である。
【0102】
所望の平均液滴サイズおよび液滴サイズ分布を得るために、適切な撹拌速度およびミキサーの幾何学的形状を選択することができる。高分子安定剤が殊更高い界面活性力を有し、および所望の小液滴サイズと低い多分散性を有する分散油滴の形成を促進できることが本発明の特徴である。
【0103】
本発明のプロセスの特徴は、ピッチドビームを有するクロスビーム攪拌機を備え、約0.7を有する反応器直径に対する攪拌機直径を有する1リットル容器において、30ミクロン以下、より具体的に20ミクロン以下の平均粒径D(50)を有し、および1.5未満、より具体的に1.3未満、さらにより具体的に1.2未満の多分散スパンを有するマイクロカプセルを、1000rpm未満、より具体的に約100~約1000rpm、さらにより具体的に約500~約700rpm、例えば600rpmのオーダーの攪拌速度で、タービン、Mig攪拌機のようなピッチドビームを有するクロスビーム攪拌機または同種のものを使用して形成することができることである。好ましくは、600±50rpmの速度で作動するMigスターラーが使用される。しかしながら、かかる攪拌条件は、反応器の大きさおよびスラリーの体積、攪拌機の正確な幾何学的形状、攪拌機の直径と反応器の直径の比に応じて変化し得ることを、当業者は容易に理解するであろう。例えば、撹拌機対反応器の直径比が0.5~0.9、およびスラリー量が0.5~8トンのMig撹拌機の場合、本発明の文脈で好ましい撹拌速度は150rpm~50rpmである。
【0104】
水中油型エマルションの形成(ステップa)~d))において、無水マレイン酸コポリマーは水性外相に添加され、アミノシランは油相に混和される。これらの分離は、シランの加水分解速度を制御し、シランと無水マレイン酸コポリマーが油水界面で最適な方法で反応してポリマー安定剤をその場で形成するようにするためのプロセス最適化の考慮事項である。シランを急速に加水分解させた場合、自己凝縮しやすい。油相中でシランを採用すると、自己縮合を起こすのではなく、油水界面での高分子界面活性剤との反応が促進される。
【0105】
アミノシランと無水マレイン酸のカップリングに最適な反応条件を提供するために、混合物のpHを約3.5~7、例えば4.5または6に上げる。これは好適な塩基の添加によって達成できる。この目的には、アンモニアの希薄溶液(20%)が好適であるが、希薄水酸化ナトリウムなどの他の塩基を採用することもできる。全工程は、約1時間~3時間、より具体的には2±0.5時間、および周囲温度、またはわずかに上昇した温度、例として35±5℃で行うことができる。このようにしてin-situで形成された高分子安定剤は、油水界面で会合し、油滴の周りに少なくとも部分的な層を形成し、油滴を安定化させ、合体を防止する。
【0106】
ステップg)に関して、液滴の周りのシェルの形成は、加熱によって効果的に行うことができる。これは、充分に迅速な反応進行を確実にするために、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは65℃~90℃の範囲の温度で達成することができる。反応が本質的に完了するまで、温度を連続的または段階的に(例として、各場合に5℃ずつ)上昇させることが好ましいことがある。その後、分散体は室温まで冷却してもよい。
【0107】
液滴の周りのシェル形成のために、水相のpHを4~8、好ましくは5~7の範囲、例えば約6に調整することができる。pHは、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム溶液、または炭酸緩衝剤塩を使用して調整することができる。
【0108】
反応時間は、典型的には、反応性壁形成材料の性質、採用する前記材料の量、および使用温度に依存する。反応期間は数分から数時間である。大抵、マイクロカプセル形成は、上で定義した温度で約60分~6時間または8時間までの間で効果的に行われる。
【0109】
本明細書に記載のプロセスに従って、コア内容物の良好な保持を示すが、むしろ壊れやすいマイクロカプセルを得ることができる。このようにして、マイクロカプセルは、抽出媒体中でさえ貯蔵中に低レベルの漏出を示すほど十分に堅固であるが、適用時には、有意な割合で比較的容易に壊れてコア内容物を放出することができる。これは、カプセル化された香料用途、およびより具体的にランドリー用途のカプセル化された香料において特に有利である。
【0110】
本出願人は、特定の理論に束縛される意図はないが、試薬の選択、および具体的に記載した方法の加熱の速度および/または持続時間の制御を包含する本明細書に記載のプロセスパラメータ内で作動させることにより、シェル形成モノマーの反応を制御し、比較的薄くおよび均質な樹脂性シェルを作製することが可能であり、これは漏出に抵抗するが、軽いまたは中程度のせん断力のみに応答して壊すことが可能であると考える。
【0111】
マイクロカプセルの形成後、カプセル化組成物を室温まで冷却することができる。好ましくは、冷却時間は少なくとも1時間、より具体的には少なくとも2時間、例えば2.5時間±0.5時間である。このやり方で徐冷することにより、樹脂はアニーリングによってさらに配列することができ、これは樹脂シェルの均質性にも影響を及ぼし、したがって適用時のマイクロカプセルの特性に寄与すると考えられる。
【0112】
冷却の前、間または後に、カプセル化組成物はさらに処理されてもよい。さらなる処理は、1または2以上の抗微生物保存剤での組成物の処理を包含してもよく、この保存剤は当技術分野で周知である。さらなる処理は、マイクロカプセルの安定な物理的分散を補助し、いかなるクリーミングまたは合体も防止するための、ハイドロコロイド懸濁助剤などの懸濁助剤の添加も包含してもよい。所望され得る、または当技術分野で慣用されている任意の追加のアジュバントもまた、この時点で添加してもよい。
【0113】
結果として生じるカプセル化組成物は、水性懸濁媒体に懸濁されたマイクロカプセルのスラリーの形態で提示され、そのまま消費者製品ベースに組み込んでもよい。しかしながら、所望により、スラリーを脱水して、カプセル化組成物を乾燥粉末の形態で提示してもよい。マイクロカプセルスラリーの脱水は慣用的であり、噴霧乾燥、蒸発または凍結乾燥などの当技術分野で知られている技術に従って行ってもよい。典型的には、当技術分野で慣用的であるように、乾燥マイクロカプセルは、増量剤、流動助剤または同種のものとして作用することができる粉末シリカまたは同種のものなどの好適な粉末に分散または懸濁されるであろう。かかる好適な粉末は、乾燥工程の前、間または後に、カプセル化組成物に添加してもよい。
【0114】
本発明の第三の側面は、マイクロカプセルの凝集体がない消費者製品を得るために、本明細書に記載のとおりのカプセル化組成物の使用を提供する。
かかる消費者製品は、消費者製品ベース中に少なくとも1のカチオン性界面活性剤を含むことができる。消費者製品は、好ましくは、ファブリックケアコンディショナーまたはヘアケアコンディショナーである。
【0115】
少なくとも1のカチオン性界面活性剤は、四級化トリエタノールアミンモノエステル、四級化トリエタノールアミンジエステル、四級化トリエタノールアミントリエステルからなる群から選択される四級化トリエタノールアミンエステルであり得る。
【0116】
具体的な態様において、消費者製品は、消費者製品の総重量に基づいて、0.5~15重量%、好ましくは1.0重量%~10重量%、より好ましくは1.5~8.0重量%、さらにより好ましくは2.0~4.0重量%の量で、少なくとも1のカチオン性界面活性剤を含有する。
【0117】
具体的な態様において、消費者製品中のカプセル化組成物のレベルは、消費者製品の総重量に基づいて、0.01~5重量%、好ましくは0.05~2.5重量%、より好ましくは0.1~2.0重量%、さらにより好ましくは0.1~1.5重量%である。
【0118】
本発明のカプセル化組成物は、あらゆる種類の消費者製品に使用するための香料などの有効成分を送達する送達システムとして採用することができる。「消費者製品」という用語は、具体的に、ボディケア製品およびヘアケア製品などのホームケア製品、繊維ケア製品またはパーソナルケア製品を指す。
【0119】
本発明に従うカプセル化組成物は、最適な香料利点を提供するために、マイクロカプセルがそれらが適用される基材に良好に付着することを必要とする消費者製品において、香料送達ビヒクルとして特に有用に採用される。かかる消費者製品は、ヘアシャンプーおよびコンディショナー、ならびにランドリー洗剤およびコンディショナーなどの繊維処理製品を包含する。
次に、本発明をさらに説明するための一連の例を示す。
【0120】
例1.1~1.9:マイクロカプセルの調製および特徴
ポリウレアマイクロカプセルは、以下のステップを実施することによって調製した(詳細は表1を参照):
1)既知量の3-アミノプロピルトリエトキシシランと31gのフレグランス組成物を混和することにより、3-アミノプロピルトリエトキシシランを含むコア組成物を調製すること;
2)ステップ1)で得られたコア組成物を、既知量のZeMac E400を含有する54.8gの水に、メカニカルスターラーを使用して、35±2℃の温度で900rpmで乳化すること;
3)水中のNaOHの10重量%溶液の添加によってpHを6.0に調整し、ステップ2)と同様に系を攪拌しながら、35±2℃の温度で1時間維持すること;
4)ヘキサメチレンジイソシアナートをベースとする既知量の水分散性イソシアナート(Bayhydur XP2547、Covestro)および既知量のジイソシアナート4,4ジシクロヘキシルメタンジイル(Desmodur W1、Covestro)をエマルションに添加すること、およびステップ2)および3)と同様に系を攪拌しながら、35±2℃の温度で30分間維持すること;
5)既知量のポリエチレンイミン溶液(Lupasol G100、BASF)をワンステップで添加すること、および反応混合物を2時間の間に徐々に70℃まで加熱すること;
6)既知量のカチオン性ポリマー水溶液(詳細は表1を参照)を添加すること、およびさらに反応混合物を85℃に2時間加熱すること;
7)1gのアンモニア溶液および0.2gのヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250HX、Ashland)を添加すること、および混合物を室温まで冷却すること。
8)懸濁液の最終pHをクエン酸溶液で4.0±0.2に調整すること。
【0121】
Malvern 2000S器械を使用して光散乱測定で得られた体積平均カプセルサイズ分布:体積-メディアン径D(50)およびD(90)の値を表1に報告する。
コロイド安定性は、試料中にマイクロカプセルの凝集体がないことを評価することにより、目視で評価した。マイクロカプセル凝集体の形成は、人間の目で見える白いフロックの発生によって特徴づけられる。
【0122】
【0123】
(1)Merquat 281は、ポリクオタニウム22(ポリ(アクリル酸-co-ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)コポリマー)であり、Merckから入手可能である。
(2)Merquat 100は、ポリクオタニウム6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)ホモポリマー)であり、Merckから入手可能である。
(3)Merquat 740は、ポリクオタニウム7(ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)コポリマー)であり、Merckから入手可能である。
(4)Merquat 2001は、ポリクオタニウム47(ポリ(アクリル酸-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-co-メチルアクリレート)コポリマー)であり、Merckから入手可能である。
【0124】
これらの結果から明らかなように、カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比がそれぞれ1.03または1.05であるマイクロカプセル(試料1.2および1.8)は、カチオン性柔軟剤および液体洗浄剤のいずれにおいてもコロイド的に安定である。これらの試料のうち、両性コポリマーMerquat 281を用いたものが殊更好ましいのは、このコポリマーを用いて得られるマイクロカプセルは、Merquat 740を用いたものよりも多分散性が低いからである。Merquat 740の平均分子量が、所望の粒子径および粒子の多分散性が得られる範囲を超えようとしていることが予想される。
【0125】
比較例1.1(WO 2019/121736 A1、例4)は、カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比が低い。対応するカプセルは、カチオン性界面活性剤を含む製品においてコロイド的に不安定である。
【0126】
比較例1.3は、カルボン酸基に対するアミノ基および第四級アンモニウム基のノミナルモル比が1.1の限界値をわずかに超えている。対応するカプセルは、アニオン性界面活性剤と中程度のアルカリ性pHの両方を有する製品、パウチ液体洗剤(pH約8)などではコロイド的に不安定である。
【0127】
比較例1.4および1.7は、カチオン性ホモポリマーを使用して得られた。対応するマイクロカプセルはスラリー中で凝集体を形成している。このことは、ホモポリマーが、カチオン性でないコモノマーからなるコポリマーよりも、本発明のためにはあまり好ましくないことを実証している。
【0128】
比較例1.6および1.9は、Merquat 2001がスラリー粘度を増加させ、したがって、本発明の目的には好適ではないことを示している。さらにまた、このポリマー中のカチオン性部分のモル分率(31%)は、そのカルボキシル部分のモル分率(69%)よりも低い。その結果として、カルボン酸基に対するアミノ基および/または第四級アンモニウム基のノミナルモル比を0.7より大きくすることは、このポリマーでは実現可能ではない。
【国際調査報告】