(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】二つの粒子状材料を形成する固体の単一体の形態のエアロゾル形成基体
(51)【国際特許分類】
A24B 15/28 20060101AFI20240801BHJP
A24B 15/30 20060101ALI20240801BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240801BHJP
【FI】
A24B15/28
A24B15/30
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024508453
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2022073221
(87)【国際公開番号】W WO2023021194
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アジスクマール アヌ
(72)【発明者】
【氏名】フラウエンドルファー フェリクス
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BB08
4B043BB10
4B043BB17
4B043BB22
4B043BC18
4B043BC20
4B045AA21
4B045AB08
(57)【要約】
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体(1020)が提供される。エアロゾル形成基体は固体の単一体であり、第一の粒子状材料および第二の粒子状材料を含む。第一の粒子状材料は、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される。50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される第二の粒子状材料。エアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品もまた提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、前記エアロゾル形成基体が固体の単一体であり、
第一の粒子状材料と、
第二の粒子状材料と、を含み、
前記第一の粒子状材料が、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、前記第二の粒子状材料が、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、エアロゾル形成基体。
【請求項2】
前記エアロゾル形成基体中の前記第一の粒子状材料の質量と前記第二の粒子状材料の質量の比が1:2以下である、請求項1に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項3】
前記第一の粒子状材料が、10マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、前記第二の粒子状材料が、59マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項4】
前記第一の粒子状材料が、10マイクロメートル~60マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成され、前記第二の粒子状材料が、80マイクロメートル~130マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項5】
前記第一の粒子状材料が33マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成され、前記第二の粒子状材料が116マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される、請求項4に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項6】
前記第一の粒子状材料が、5マイクロメートル~40マイクロメートルの直径を有する粒子から形成され、前記第二の粒子状材料が、50マイクロメートル~250マイクロメートルの直径を有する粒子から形成される、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項7】
前記第一の粒子状材料および前記第二の粒子状材料が同一の材料から形成される、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項8】
前記第一の粒子状材料および前記第二の粒子状材料のうちの少なくとも一つが、セルロースおよび微結晶セルロース(MCC)のうちの一つ以上を含む、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項9】
結合剤をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項10】
ニコチン、乳酸、およびスクロースのうちの一つ以上をさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項11】
セルロース強化繊維をさらに含み、前記セルロース強化繊維が0.8ミリメートル~1.5ミリメートルのD50粒径を有する、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項12】
前記エアロゾル形成基体中の前記第一の粒子状材料の質量と前記第二の粒子状材料の質量との比が少なくとも1:5である、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項13】
前記エアロゾル形成基体が、たばこを含まない、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル形成基体を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項15】
エアロゾル形成基体を製造するための方法であって、
2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、第一の粒子状材料を提供することと、
50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、第二の粒子状材料を提供することと、
前記第一の粒子状材料および前記第二の粒子を水溶液中で混合してスラリーを形成することと、
前記スラリーをキャスティングすることと、
前記キャストスラリーを乾燥して固体基体を形成することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル形成基体に関する。特に、本発明は、エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体に関し、エアロゾル形成基体は、第一の粒子状材料および第二の粒子状材料、およびこうしたエアロゾル形成基体を製造するための方法を含む。
【背景技術】
【0002】
ユーザーにエアロゾルを送達するためのエアロゾル発生システムは典型的に、吸入可能なエアロゾルをエアロゾル形成基体から発生するように構成されたアトマイザーを備える。一部の公知のエアロゾル発生システムは、電気ヒーターまたは誘導加熱装置などの熱式アトマイザーを備える。熱式アトマイザーは、エアロゾルを発生するためにエアロゾル形成基体を加熱および気化するように構成されている。エアロゾル発生システムで使用する典型的なエアロゾル形成基体は、ニコチン製剤であり、これはグリセリンおよびプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含む液体ニコチン製剤であってもよい。別の方法として、エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体は、固体構成要素を備えてもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、ある特定の粒径を有する粒子状材料を含んでもよい。
【0003】
しかしながら、粒子状材料を含む固体エアロゾル形成基体は、粒子状材料の凝集に起因して、製造中に取り扱うことが困難であり得ることが判明した。さらに、シートに形成された固体粒子を含むエアロゾル形成基体は、伸縮マークおよびスリットなどの欠陥を呈する場合がある。こうしたエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体のユーザー体験の時間全体を通してエアロゾルの送達を提供しない場合があることも判明した。
【0004】
製造中に取り扱いが簡単であり、かつ先行技術で観察された欠陥を示さないエアロゾル形成基体を提供することが望ましい。また、エアロゾル形成基体のユーザー体験の時間全体にわたってエアロゾルの許容可能な送達を提供するエアロゾル形成基体を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体に関する。エアロゾル形成基体は、固体の単一体であってもよい。エアロゾル形成基体は、第一の粒子状材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は第二の粒子状材料を含んでもよい。第一の粒子状材料は、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。第二の粒子状材料は、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0006】
本発明によると、エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体が提供されている。基体は、第一の粒子状材料、第二の粒子状材料を含み、第一の粒子状材料は2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料は50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される。
【0007】
本発明によれば、エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体が提供され、エアロゾル形成基体は固体の単一体であり、第一の粒子状材料と、第二の粒子状材料とを含み、第一の粒子状材料は、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料は、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される。
【0008】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「固体の単一体」という用語は、単一の固体凝集で一緒に保持される第一の粒子状材料および第二の粒子状材料を含むエアロゾル形成基体を指す。
【0009】
本発明によれば、エアロゾル形成基体を製造するための方法もまた提供され、方法は、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、第一の粒子状材料を提供することと、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、第二の粒子状材料を提供することと、第一の粒子状材料および第二の粒子を水溶液中で混合してスラリーを形成することと、スラリーをキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥して固体基体を形成することと、を含む。
【0010】
本発明の発明者らは、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子、または「小」粒子を含むエアロゾル形成基体が、製造および処理中に不利に凝集を示し得ることを特定した。さらに、エアロゾル形成基体が薄いシートとして形成される場合、シートは、伸縮マークおよびスリットを含む欠陥を呈する場合がある。しかしながら、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子を含むエアロゾル形成基体は、高密度エアロゾル形成基体をもたらす。これは有利なことに、エアロゾル形成基体のユーザー体験の時間全体にわたって、強化されたエアロゾル発生を提供し得る。
【0011】
一方で、本発明の発明者らは、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子、または「大きな」粒子を含むエアロゾル形成基体は、有利なことに、粒子が同程度に凝集を示さないため、製造および処理中に取り扱いがより簡単であり得ることを特定した。さらに、エアロゾル形成基体がシートとして形成される場合、シートは欠陥を呈する可能性が低く、粒子がより簡単に薄いシートに形成されることを可能にし得る。しかしながら、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子を含むエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の体験にわたるエアロゾル送達の低下または減退を呈する低密度エアロゾル形成基体をもたらす。
【0012】
2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子を含む第一の粒子状材料と、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子を含む第二の粒子状材料とを含むエアロゾル形成基体を提供することによって、発明者らは、両方の粒径の有利な特性が実現され得ることを見出した。同時に、各粒径の不利な特性が軽減され得る。
【0013】
言い換えれば、本発明者らは、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される第一の粒子状材料と、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される第二の粒子状材料を含むエアロゾル形成基体を提供することは、有利なことに、製造および処理中に取り扱うのが容易であり、エアロゾル形成基体のユーザー体験の時間全体にわたって良好なエアロゾル発生を示し得ることを見出した。
【0014】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「D50粒径」という用語は、粒子状材料の粒径中央値を指す。D50粒径は、分布を半分に分割する粒径であり、粒子の半分はD50粒径よりも大きく、粒子の半分はD50粒径よりも小さい。粒径分布は、レーザー回折によって決定され得る。例えば、粒径分布は、製造業者の指示に従って、Malvern Mastersizer 3000レーザー回折粒径分析器を使用してレーザー回折によって決定され得る。
【0015】
使用時に、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に挿入され得るエアロゾル発生物品の一部を形成してもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してユーザーに送達され得るエアロゾルを放出するヒーターを含み得る。エアロゾル形成基体は、少なくとも摂氏約100度、少なくとも摂氏約200度、少なくとも摂氏約250度、少なくとも摂氏約350度、または少なくとも摂氏約500度に加熱された時にエアロゾルを放出してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、摂氏約100度~摂氏約850度、摂氏約200度~摂氏約600度、または摂氏約250度~摂氏約400度に加熱された時にエアロゾルを放出してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、摂氏約260度に加熱された時にエアロゾルを放出してもよい。
【0016】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に伴い生成する能力を有する基体を指す。エアロゾル形成基体から発生させられるエアロゾルは、人の目で視認可または視認不可であり得、ベイパー(例えば、室温では通常、液体または固体である、物質の気体状の微粒子)、ならびに凝縮されたベイパーの気体および液滴を含み得る。
【0017】
第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD50粒径よりも少なくとも10マイクロメートル大きいD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD50粒径よりも少なくとも10マイクロメートル大きい、15マイクロメートル大きい、20マイクロメートル大きい、30マイクロメートル大きい、40マイクロメートル大きい、または50マイクロメートル大きいD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0018】
第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD50粒径よりも100マイクロメートル以下大きいD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD50粒径よりも90マイクロメートル以下大きい、80マイクロメートル以下大きい、70マイクロメートル以下大きい、60マイクロメートル以下大きい、55マイクロメートル以下大きい、または50マイクロメートル以下大きいD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0019】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料は、結合剤を使用して一緒に結合されてエアロゾル形成基体を形成し得る。
【0020】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料は、圧力を使用して一緒に結合されてエアロゾル形成基体を形成し得る。
【0021】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料は、プレス加工、押出成形プロセス、またはキャストプロセスを使用して一緒に結合され得る。
【0022】
エアロゾル形成基体は、大きい表面積を有してもよい。
【0023】
エアロゾル形成基体は、シート、細片、ロッド、またはペレットであってもよい。
【0024】
エアロゾル形成基体は、任意の方法によって製造されてもよい。エアロゾル形成基体は、プレス加工を使用して製造されてもよい。エアロゾル形成基体は、押出成形プロセスを使用して製造されてもよい。エアロゾル形成基体は、キャストプロセスを使用して製造されてもよい。方法は、第一の粒子状材料および第二の粒子状材料のスラリーを水溶液中に形成する工程を含み得る。水溶液は結合剤をさらに含み得る。スラリーは次に、例えば連続的なキャスティングプロセスを使用してキャスティングされてもよい。次に、キャストスラリーを乾燥させて、第一の粒子状材料および第二の粒子状材料を含む固体の単一体を形成し得る。キャストスラリーは、適切な成形型の使用を通して乾燥されて、任意の所望の幾何学的形状を有する固体の単一体を形成してもよい。一部の実施例では、キャストスラリーは、乾燥されてシートを形成してもよい。シートは、捲縮されて折り畳まれて、完成したエアロゾル形成基体を形成してもよい。一部の実施例では、シートは、シートを複数の細片に切断するために過剰に捲縮されてもよい。他の実施例において、キャストスラリーは乾燥されて、細片、ロッド、またはペレットを形成してもよい。
【0025】
エアロゾル形成基体は、任意の割合の第一の粒子状材料および第二の粒子状材料を含み得る。エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量との比は、1より大きくてもよい。言い換えれば、質量基準で、エアロゾル形成基体は、第二の粒子状材料よりも多くの第一の粒子状材料を含み得る。
【0026】
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量との比は、1以下であってもよい。言い換えれば、質量基準で、エアロゾル形成基体は、第一の粒子状材料よりも多くの第二の粒子状材料を含み得る。
【0027】
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量の比は、5:1以下であってもよい。例えば、エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量との比は、3:1以下、1以下であってもよい。
【0028】
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量の比は、1:2以下であってもよい。言い換えれば、質量基準で、第二の粒子状材料は第一の粒子状材料の少なくとも二倍である。
【0029】
発明者らは、エアロゾル形成基体中の粒子状材料の質量の三分の一超が、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される第一の粒子状材料を含む場合、エアロゾル形成基体が亀裂またはスリットなどの欠陥を呈する場合があることを見出した。
【0030】
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量の比は、少なくとも1:10とし得る。例えば、エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量との比は、少なくとも1:8、少なくとも1:5、または少なくとも1:3とし得る。
【0031】
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量との比は、1:10~5:1、1:8~3:1、1:5~1、1:5~1:2、1:3~1:2とし得る。エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量の比は、約1:2とし得る。
【0032】
エアロゾル形成基体は、1重量パーセント超の第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0033】
本発明を参照して本明細書で使用される場合、すべての重量パーセントは乾燥重量基準で与えられる。
【0034】
エアロゾル形成基体は、5重量パーセント超、8重量パーセント超、10重量パーセント超、または13重量パーセント超の第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0035】
エアロゾル形成基体は、30重量パーセント以下の第一の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、または17重量パーセント以下の第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0036】
エアロゾル形成基体は、5重量パーセント~30重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、5重量パーセント~25重量パーセント、5重量パーセント~20重量パーセント、または5重量パーセント~17重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0037】
エアロゾル形成基体は、8重量パーセント~30重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、10重量パーセント~30重量パーセント、または13重量パーセント~30重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0038】
エアロゾル形成基体は、8重量パーセント~25重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、10重量パーセント~20重量パーセント、または13重量パーセント~17重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0039】
エアロゾル形成基体は、約15重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0040】
エアロゾル形成基体は、2重量パーセント以上の第二の粒子状材料を有してもよい。
【0041】
エアロゾル形成基体は、10重量パーセント超、16重量パーセント超、20重量パーセント超、または26重量パーセント超の第二の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0042】
エアロゾル形成基体は、60重量パーセント以下の第二の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、または34重量パーセント以下の第二の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0043】
エアロゾル形成基体は、10重量パーセント~60重量パーセントの第二の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、10重量パーセント~50重量パーセント、10重量パーセント~40重量パーセント、または10重量パーセント~34重量パーセントの第二の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0044】
エアロゾル形成基体は、16重量パーセント~60重量パーセントの第二の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、20重量パーセント~60重量パーセント、または26重量パーセント~60重量パーセントの第二の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0045】
エアロゾル形成基体は、20重量パーセント~40重量パーセントの第二の粒子状材料含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、26重量パーセント~34重量パーセントの第一の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0046】
エアロゾル形成基体は、約30重量パーセントの第二の粒子状材料含有量を有してもよい。
【0047】
エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。
【0048】
一つ以上のエアロゾル形成体を提供することは、有利なことに、エアロゾル形成基体が加熱された時にエアロゾル形成基体がエアロゾルを発生するのに役立つ。
【0049】
一つ以上のエアロゾル形成体は、グリセリンを含んでもよい。一つ以上のエアロゾル形成体は、プロピレングリコールを含んでもよい。一つ以上のエアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの組み合わせを含んでもよい。
【0050】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、10重量パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、20重量パーセント重量パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、30重量パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、40重量パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。
【0051】
エアロゾル形成基体は、80重量パーセント以下のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、70重量パーセント以下のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、60重量パーセント以下のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、50重量パーセント以下のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、42重量パーセント以下のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。
【0052】
一部の例では、約42重量パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有するエアロゾル形成基体は、製造が困難であることが判明した。
【0053】
第一の粒子状材料は、2マイクロメートル~20マイクロメートル、5マイクロメートル~20マイクロメートル、10マイクロメートル~20マイクロメートル、または15マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0054】
第一の粒子状材料は、2マイクロメートル~15マイクロメートル、2マイクロメートル~10マイクロメートル、または2マイクロメートル~5マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0055】
第一の粒子状材料は、5マイクロメートル~15マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。第一の粒子状材料は、約10マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0056】
第二の粒子状材料は、50マイクロメートル~80マイクロメートル、60マイクロメートル~80マイクロメートル、70マイクロメートル~80マイクロメートル、または75マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0057】
第二の粒子状材料は、50マイクロメートル~75マイクロメートル、50マイクロメートル~70マイクロメートル、または50マイクロメートル~60マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0058】
第二の粒子状材料は、55マイクロメートル~65マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。第二の粒子状材料は、約59マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0059】
第一の粒子状材料は、10マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよく、第二の粒子状材料は、59マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0060】
これらのD50粒径を有する第一の粒子状材料および第二の粒子状材料を含むエアロゾル形成基体を提供することは、有利なことに、製造中の改善された取り扱い、ならびに使用中のエアロゾルの良好な送達の両方を示し得ることが見出された。
【0061】
第一の粒子状材料は、少なくとも10マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0062】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「D95粒径」という用語は、この値未満の粒径を有する粒子の質量割合が95パーセントである粒径である。
【0063】
第一の粒子状材料は、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、または少なくとも30マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0064】
第一の粒子状材料は、60マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下、または40マイクロメートル以下のD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0065】
第一の粒子状材料は、10マイクロメートル~60マイクロメートル、15マイクロメートル~50マイクロメートル、20マイクロメートル~40マイクロメートル、または30マイクロメートル~40マイクロメートルのD95を有する粒子から形成されてもよい。
【0066】
第二の粒子状材料は、少なくとも80マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0067】
第二の粒子状材料は、少なくとも90マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、または少なくとも110マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0068】
第二の粒子状材料は、130マイクロメートル以下、125マイクロメートル以下、または120マイクロメートル以下のD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0069】
第二の粒子状材料は、80マイクロメートル~130マイクロメートル、90マイクロメートル~125マイクロメートル、100マイクロメートル~120マイクロメートル、または110マイクロメートル~120マイクロメートルのD95を有する粒子から形成されてもよい。
【0070】
第一の粒子状材料は、33マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。第二の粒子状材料は、116マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0071】
第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD95粒径よりも少なくとも40マイクロメートル大きいD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD95粒径よりも少なくとも50マイクロメートル大きい、60マイクロメートル大きい、70マイクロメートル大きい、または80マイクロメートル大きいD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0072】
第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD95粒径よりも200マイクロメートル以下大きいD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第二の粒子状材料は、第一の粒子状材料のD95粒径よりも180マイクロメートル以下大きい、150マイクロメートル以下大きい、120マイクロメートル以下大きい、100マイクロメートル以下大きい、90マイクロメートル以下大きい、または80マイクロメートル以下大きいD95粒径を有する粒子から形成されてもよい。
【0073】
第一の粒子状材料は、少なくとも5マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第一の粒子状材料は、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、または少なくとも30マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよい。
【0074】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、粒子の表面上の二点間の直線距離を指す。粒子の表面上の最も離れた二つの点の間の直線距離が5マイクロメートルである場合、粒子は少なくとも5マイクロメートルの直径を有することが理解されよう。「直径」という用語の使用は、特徴付けられる粒子が球状であることを意味するものではない。粒子が繊維である場合、「直径」は繊維の長さに対応する。
【0075】
第一の粒子状材料は、40マイクロメートル以下の直径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第一の粒子状材料は、50マイクロメートル以下、40マイクロメートル以下、または35マイクロメートル以下の直径を有する粒子から形成されてもよい。
【0076】
第一の粒子状材料は、5マイクロメートル~40マイクロメートル、10マイクロメートル~35マイクロメートル、または20マイクロメートル~30マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよい。
【0077】
第二の粒子状材料は、少なくとも50マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第二の粒子状材料は、少なくとも80マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、または少なくとも125マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよい。
【0078】
第二の粒子状材料は、250マイクロメートル以下の直径を有する粒子から形成されてもよい。例えば、第二の粒子状材料は、225マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下、または150マイクロメートル以下の直径を有する粒子から形成されてもよい。
【0079】
第二の粒子状材料は、50マイクロメートル~250マイクロメートル、80マイクロメートル~225マイクロメートル、または100マイクロメートル~125マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよい。
【0080】
第一の粒子状材料は、5マイクロメートル~40マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよく、第二の粒子状材料は、50マイクロメートル~250マイクロメートルの直径を有する粒子から形成されてもよい。
【0081】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料は、異なる材料から形成されてもよい。
【0082】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料は、同一の材料から形成されてもよい。
【0083】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料のうちの少なくとも一つは、セルロースおよび微結晶セルロース(MCC)のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0084】
第一の粒子状材料はセルロースを含んでもよい。第一の粒子状材料は、微結晶セルロースを含んでもよい。第二の粒子状材料はセルロースを含んでもよい。第二の粒子状材料は微結晶セルロースを含んでもよい。
【0085】
セルロースまたは微結晶セルロースは有利なことに、エアロゾル形成基体の引張強さを増大させ得る。
【0086】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料の両方は、セルロースおよび微結晶セルロース(MCC)のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0087】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料の粒子は繊維であってもよい。この場合、第一の粒子状材料は第一の繊維状材料であってもよく、第二の粒子状材料は第二の繊維状材料であってもよい。
【0088】
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料の粒子は、二峰性粒径分布を形成してもよく、二峰性分布の第一のピークは第一の粒子状材料に対応し、二峰性粒径分布の第二のピークは第二の粒子状材料に対応する。
【0089】
本発明を参照して本明細書で使用される場合、「二峰性粒径分布」は、二つの異なるモードまたはピークを有する粒径周波数分布を指す。第一のピークは第一の粒子状材料に対応し、かつ第二のピークは第二の粒子状材料に対応する。
【0090】
エアロゾル形成基体は、細片であってもよい。
【0091】
エアロゾル形成基体は、ロッドであってもよい。
【0092】
エアロゾル形成基体は、ペレットであってもよい。
【0093】
エアロゾル形成基体は、シートであってもよい。
【0094】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
【0095】
シートは、シートの集合体であってもよい。本発明に関連して本明細書で使用される場合、「集合した」という用語は、シートが巻き込まれ、折り畳まれ、または他の方法で圧縮または収縮されていることを意味する。シートは、エアロゾル発生物品の円筒軸に対して実質的に横断方向に折り畳まれてもよい。
【0096】
本発明によるシートは、流動性のある液体を含まない。その結果、本発明によるエアロゾル発生ロッドおよびエアロゾル発生物品のユーザーは、有利なことに、液剤を取り扱う必要がない。
【0097】
電子たばこは一般に、遊離ニコチン塩基を含む液剤を使用する。ニコチン塩は、遊離ニコチン塩基よりも安定性があり得る。結果として、本発明によるエアロゾル形成基体は、有利なことに、電子たばこで一般的に使用される液剤よりも長い貯蔵寿命を有し得る。
【0098】
エアロゾル形成基体は、結合剤をさらに含んでもよい。
【0099】
結合剤の包含により、有利なことに、エアロゾル形成基体の製造が容易になり得る。
【0100】
結合剤の包含により、結合剤が含まれていないエアロゾル形成基体と比較して、有利なことに、エアロゾル形成基体の均質性が改善し得る。
【0101】
エアロゾル形成基体は、ガム結合剤を含んでもよい。
【0102】
エアロゾル形成基体は、天然ガム結合剤を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、グアーガム、キサンタンガム、天然ガムおよびアラビアゴムから成る群から選択される一つ以上の天然ガム結合剤を含み得る。
【0103】
エアロゾル形成基体は、1重量パーセント超の結合剤含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、2重量パーセント超、または3重量パーセント超の結合剤含有量を有してもよい。
【0104】
エアロゾル形成基体は、10重量パーセント以下の結合剤含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、8重量パーセント以下、または6重量パーセント以下の結合剤含有量を有してもよい。
【0105】
エアロゾル形成基体は、1重量パーセント~10重量パーセント、1重量パーセント~8重量パーセント、または1重量パーセント~6重量パーセントの結合剤含有量を有してもよい。
【0106】
エアロゾル形成基体は、2重量パーセント~10重量パーセント、2重量パーセント~8重量パーセント、または2重量パーセント~6重量パーセントの結合剤含有量を有してもよい。
【0107】
エアロゾル形成基体は、3重量パーセント~10重量パーセント、3重量パーセント~8重量パーセント、または3重量パーセント~6重量パーセントの結合剤含有量を有してもよい。
【0108】
エアロゾル形成基体は、約5重量パーセントの結合剤含有量を有してもよい。
【0109】
結合剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)を含み得る。
【0110】
有利なことに、カルボキシメチルセルロースは、CMCを含むエアロゾル形成基体におけるエアロゾルのより迅速な送達を提供し得る。特に、CMCを結合剤として使用するエアロゾル形成基体は、他の結合剤を使用するエアロゾル形成基体に分けられた最初の吸煙から良好なエアロゾル送達を呈することが見出された。
【0111】
カルボキシメチルセルロースは、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含み得る。有利なことに、本発明者らは、カルボキシメチルセルロースナトリウムが、ユーザー体験の早い段階から迅速なエアロゾル送達を提供するのに特に効果的であり得るカルボキシメチルセルロースであることを発見した。
【0112】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。
【0113】
ニコチンは、一種以上のニコチン塩を含み得る。一種以上のニコチン塩は、ニコチン乳酸塩、クエン酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、安息香酸ニコチン、ペクチン酸ニコチン、アルギン酸ニコチン、およびサリチル酸ニコチンから成るリストから選択され得る。
【0114】
ニコチンは、たばこの抽出物を含んでもよい。
【0115】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント超のニコチン含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、1重量パーセント超、2重量パーセント超、3重量パーセント超、5重量パーセント超、または8重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。
【0116】
エアロゾル形成基体は、10重量パーセント以下のニコチン含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のニコチン含有量を有してもよい。
【0117】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~10重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~8重量パーセント、0.5重量パーセント~5重量パーセント、0.5重量パーセント~3重量パーセント、0.5重量パーセント~2重量パーセント、または0.5重量パーセント~1重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。
【0118】
エアロゾル形成基体は、1重量パーセント~5重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、1重量パーセント~3重量パーセント、または1重量パーセント~2重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、約1.5重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。
【0119】
エアロゾル形成基体は、一つ以上のカルボン酸を含んでもよい。有利には、エアロゾル形成基体に一つ以上のカルボン酸を含むことは、ニコチン塩を生成し得る。
【0120】
一つ以上のカルボン酸は、乳酸およびレブリン酸のうちの一つ以上を含む。有利なことに、本発明者らは、乳酸およびレブリン酸が、ニコチン塩を生成するために特に良好なカルボン酸であることを発見した。
【0121】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント超のカルボン酸含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、1重量パーセント超、2重量パーセント超、または3重量パーセント超のカルボン酸含有量を有してもよい。
【0122】
エアロゾル形成基体は、15重量パーセント以下のカルボン酸含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、または3重量パーセント以下のカルボン酸含有量を有してもよい。
【0123】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~15重量パーセントのカルボン酸含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~10重量パーセント、0.5重量パーセント~5重量パーセント、または0.5重量パーセント~3重量パーセントのカルボン酸含有量を有してもよい。
【0124】
エアロゾル形成基体は、2重量パーセント~15重量パーセントのカルボン酸含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、2重量パーセント~10重量パーセント、2重量パーセント~5重量パーセント、または2重量パーセント~3重量パーセントのカルボン酸含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、約2.5重量パーセントのカルボン酸含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、約2.5重量パーセントの乳酸含有量を有してもよい。
【0125】
エアロゾル形成基体は、ラクトース、スクロースおよびトレハロースなどの一種以上の二糖類、マンニトールおよびソルビトールなどの一種以上の糖アルコール、または一種以上の二糖類および一種以上の糖アルコールの組み合わせを含み得る。
【0126】
エアロゾル形成基体は、約0.5重量パーセント超の二糖類含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、1重量パーセント超、2重量パーセント超、または3重量パーセント超の二糖類含有量を有してもよい。
【0127】
エアロゾル形成基体は、15重量パーセント以下の二糖類含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、または5重量パーセント以下の二糖類含有量を有してもよい。
【0128】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~15重量パーセントの二糖類含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~10重量パーセント、0.5重量パーセント~8重量パーセント、または0.5重量パーセント~5重量パーセントの二糖類含有量を有してもよい。
【0129】
エアロゾル形成基体は、3重量パーセント~15重量パーセントの二糖類含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、3重量パーセント~10重量パーセント、または3重量パーセント~8重量パーセントの二糖類含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、約2.5重量パーセントの二糖類含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、約2.5重量パーセントのスクロース含有量を有してもよい。
【0130】
エアロゾル形成基体は、セルロース強化繊維を含み得る。
【0131】
セルロース強化繊維は、少なくとも0.2ミリメートル、少なくとも0.5ミリメートル、少なくとも0.7ミリメートル、または少なくとも0.9ミリメートルのD50粒径を有してもよい。
【0132】
セルロース強化繊維は、2.0ミリメートル以下、1.8ミリメートル以下、1.6ミリメートル以下、または1.4ミリメートル以下のD50粒径を有してもよい。
【0133】
例えば、セルロース強化繊維は、0.2ミリメートル~2.0ミリメートル、0.5ミリメートル~1.8ミリメートル、0.7ミリメートル~1.6ミリメートル、または0.9ミリメートル~1.4ミリメートルのD50粒径を有してもよい。
【0134】
セルロース強化繊維は、0.2ミリメートル~1.8ミリメートル、0.2ミリメートル~1.6ミリメートル、または0.2ミリメートル~1.4ミリメートルのD50粒径を有してもよい。
【0135】
セルロース強化繊維は、0.5ミリメートル~2.0ミリメートル、0.5ミリメートル~1.6ミリメートル、または0.5ミリメートル~1.4ミリメートルのD50粒径を有してもよい。
【0136】
セルロース強化繊維は、0.7ミリメートル~2.0ミリメートル、0.7ミリメートル~1.8ミリメートル、または0.7ミリメートル~1.4ミリメートルのD50粒径を有してもよい。
【0137】
有利なことに、本発明者らは、セルロース繊維が、エアロゾル形成基体の引張強度を増加させるのに特に効果的である強化剤として作用し得ることを発見した。したがって、これらのセルロース繊維は、セルロース強化繊維と呼ばれ得る。
【0138】
セルロース強化繊維は、少なくとも0.2ミリメートル、少なくとも0.5ミリメートル、少なくとも0.7ミリメートル、または少なくとも0.9ミリメートルの粒子直径を有してもよい。
【0139】
セルロース強化繊維は、2.0ミリメートル以下、1.8ミリメートル以下、1.6ミリメートル以下、または1.4ミリメートル以下の粒子直径を有してもよい。
【0140】
例えば、セルロース強化繊維は、0.2ミリメートル~2.0ミリメートル、0.5ミリメートル~1.8ミリメートル、0.7ミリメートル~1.6ミリメートル、または0.9ミリメートル~1.4ミリメートルの粒子直径を有してもよい。
【0141】
セルロース強化繊維は、0.2ミリメートル~1.8ミリメートル、0.2ミリメートル~1.6ミリメートル、または0.2ミリメートル~1.4ミリメートルの粒子直径を有してもよい。
【0142】
セルロース強化繊維は、0.5ミリメートル~2.0ミリメートル、0.5ミリメートル~1.6ミリメートル、または0.5ミリメートル~1.4ミリメートルの粒子直径を有してもよい。
【0143】
セルロース強化繊維は、0.7ミリメートル~2.0ミリメートル、0.7ミリメートル~1.8ミリメートル、または0.7ミリメートル~1.4ミリメートルの粒子直径を有してもよい。
【0144】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント超のセルロース強化繊維含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、1重量パーセント超、2重量パーセント超、または3重量パーセント超のセルロース強化繊維含有量を有してもよい。
【0145】
エアロゾル形成基体は、15重量パーセント以下のセルロース強化繊維含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、または5重量パーセント以下のセルロース繊維含有量を有してもよい。
【0146】
エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~15重量パーセントのセルロース繊維含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、0.5重量パーセント~10重量パーセント、0.5重量パーセント~8重量パーセント、または0.5重量パーセント~5重量パーセントのセルロース繊維含有量を有してもよい。
【0147】
エアロゾル形成基体は、3重量パーセント~15重量パーセントのセルロース繊維含有量を有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、3重量パーセント~10重量パーセント、または3重量パーセント~8重量パーセントのセルロース繊維含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、約6重量パーセントのセルロース繊維含有量を有してもよい。
【0148】
エアロゾル形成基体は、ニコチン、乳酸、およびスクロースのうちの一つ以上をさらに含んでもよい。
【0149】
第一の粒子状材料は任意の密度を有し得る。第一の粒子状材料は、0.5グラム/立方センチメートル超の密度を有してもよい。例えば、第一の粒子状材料は、1.0グラム/立方センチメートル超、1.5グラム/立方センチメートル超、3.0グラム/立方センチメートル超、または5.0グラム/立方センチメートル超の密度を有してもよい。
【0150】
上述の通り、比較的高密度を有する第一の粒子状材料を提供することは有利なことに、エアロゾル形成基体のユーザー体験の時間全体にわたり、エアロゾル発生の向上を提供し得る。
【0151】
第二の粒子状材料は任意の密度を有し得る。第二の粒子状材料は、0.1グラム/立方センチメートル超の密度を有してもよい。例えば、第一の粒子状材料は、0.3グラム/立方センチメートル超、0.5グラム/立方センチメートル超、または0.6グラム/立方センチメートル超の密度を有してもよい。
【0152】
第二の粒子状材料は、2.0グラム/立方センチメートル以下の密度を有してもよい。例えば、第一の粒子状材料は、1.5グラム/立方センチメートル以下、1.0グラム/立方センチメートル以下、または0.8グラム/立方センチメートル超の密度を有してもよい。
【0153】
第二の粒子状材料は、0.1グラム/立方センチメートル~2.0グラム/立方センチメートルの密度を有してもよい。例えば、第二の粒子状材料は、0.3グラム/立方センチメートル~1.5グラム/立方センチメートル、0.5グラム/立方センチメートル~1.0グラム/立方センチメートル、または0.5グラム/立方センチメートル~0.8グラム/立方センチメートルの密度を有してもよい。
【0154】
第二の粒子状材料は、0.6グラム/立方センチメートル~0.8グラム/立方センチメートルの密度を有してもよい。
【0155】
上述の通り、比較的低い密度を有する第二の粒子状材料を提供することは有利なことに、エアロゾル形成基体の物理的特性を改善し、欠陥を呈する傾向を少なくする場合がある。
【0156】
エアロゾル形成基体はたばこを含まなくてもよい。
【0157】
本発明によると、上述のようにエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品が提供される。
【0158】
本明細書で使用する場合、用語「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを生成するための物品を指す。エアロゾル発生物品は、典型的に、エアロゾルを形成可能な揮発性化合物を放出するために、加熱または燃焼されるのに好適で、それが意図されるエアロゾル形成基体を含む。従来の紙巻たばこは、ユーザーが紙巻たばこの一端に着火し、空気を他端を通して吸い込む時点で、点火される。炎と、紙巻たばこを通して吸い込まれた空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱により、紙巻たばこの端は点火し、その結果生じる燃焼で、吸入可能な煙が発生する。対照的に、「加熱式エアロゾル発生物品」では、エアロゾルは、エアロゾル形成基体の燃焼ではなく、エアロゾル形成基体の加熱によって、発生する。公知の加熱式エアロゾル発生物品には、例えば、電気加熱式エアロゾル発生物品が含まれる。
【0159】
エアロゾル発生物品は、中空のセルロースアセテートチューブを含んでもよい。エアロゾル発生物品は、スペーサ要素を含んでもよい。エアロゾル発生物品は、マウスピースフィルターを含んでもよい。エアロゾル形成基体、中空のセルロースアセテートチューブ、スペーサ要素、マウスピースフィルターは、連続的に配設されてもよい。エアロゾル形成基体、中空のセルロースアセテートチューブ、スペーサ要素、マウスピースフィルターは、同軸整列で配設されてもよい。
【0160】
エアロゾル発生物品は、たばこ紙を含んでもよい。
【0161】
エアロゾル形成基体、中空のセルロースアセテートチューブ、スペーサ要素、マウスピースフィルターは、たばこ紙によって組み立てられてもよい。
【0162】
エアロゾル発生物品は、口側端および遠位端を有してもよい。使用時に、ユーザーは口側端を自身の口の中に挿入してもよい。
【0163】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーターを備える、電気的に動作するエアロゾル発生装置で使用するのに特に適切であり得る。
【0164】
エアロゾル形成基体はプラグの形態で提供されてもよい。
【0165】
エアロゾル発生物品はサセプタを備えてもよい。サセプタは、エアロゾル形成基体上に堆積され得る、またはエアロゾル形成基体内に包埋され得る複数のサセプタ粒子であってもよい。サセプタ粒子は、エアロゾル形成基体によって固定化されてもよく、初期の位置にとどまってもよい。サセプタ粒子は、エアロゾル形成基体中に均一に分布されてもよい。サセプタの粒子特性に起因して、熱はエアロゾル形成基体中の粒子の分布に従い生成されてもよい。別の方法として、サセプタは、エアロゾル形成基体の隣に定置されうるか、またはエアロゾル形成基体に包埋されうる、一つ以上のシート、細片、断片またはロッドの形態であってもよい。エアロゾル形成基体は、一つ以上のサセプタ細片を含んでもよい。
【0166】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0167】
実施例1:
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、第一の粒子状材料と、第二の粒子状材料を備え、第一の粒子状材料が2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、エアロゾル形成基体。
実施例1A:
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、第一の粒子状材料と、第一の粒子状材料と結合された第二の粒子状材料とを備え、第一の粒子状材料が2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、エアロゾル形成基体。
実施例2:
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、複数の繊維を含む粒子状材料を備え、複数の繊維が、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50値に対応する第一のピークと、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50値に対応する第二のピークとを含む粒径分布を有する、エアロゾル形成基体。
実施例3:
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、第一の粒子状材料と、第二の粒子状材料とを備え、第一の粒子状材料が10マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が59マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、エアロゾル形成基体。
実施例4:
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、第一の粒子状材料と、第二の粒子状材料とを備え、第一の粒子状材料が10マイクロメートル~60マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が80マイクロメートル~130マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される、エアロゾル形成基体。
実施例5:
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、第一の粒子状材料と、第二の粒子状材料とを備え、第一の粒子状材料が33マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が116マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される、エアロゾル形成基体。
実施例6:
エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成基体であって、第一の粒子状材料と、第二の粒子状材料とを備え、第一の粒子状材料が5マイクロメートル~40マイクロメートルの直径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が50マイクロメートル~250マイクロメートルの直径を有する粒子から形成される、エアロゾル形成基体。
実施例6A:
エアロゾル形成基体が、固体の単一体である、実施例1~6のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例7:
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量の比が1:
2以下である、実施例1~6Aのいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例8:
エアロゾル形成基体が、一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含む、実施例1~7のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例9:
エアロゾル形成体が、グリセリンを含む、実施例8に記載のエアロゾル形成基体。
実施例10:
第一の粒子状材料が、10マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が、59マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、実施例1~9のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例11:
第一の粒子状材料が、10マイクロメートル~60マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される、実施例1~10のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例12:
第二の粒子状材料が、80マイクロメートル~130マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される、実施例1~11のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例13:
第一の粒子状材料が、33マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が、116マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される、実施例1~12のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例14:
第一の粒子状材料が、5マイクロメートル~40マイクロメートルの直径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料が、50マイクロメートル~250マイクロメートルの直径を有する粒子から形成される、実施例1~13のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例15:
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料が、異なる材料から形成される、実施例1~14のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例16:
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料が同一の材料から形成される、実施例1~14のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例17:
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料のうちの少なくとも一つが、セルロースおよび微結晶セルロース(MCC)のうちの一つ以上を含む、実施例1~16のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例18:
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料の両方が、セルロースおよび微結晶セルロース(MCC)のうちの一つ以上を含む、実施例17に記載のエアロゾル形成基体。
実施例19:
第一および第二の粒子状材料の粒子が、繊維である、実施例1~18のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例20:
第一の粒子状材料および第二の粒子状材料の粒子が、二峰性粒径分布を形成し、二峰性粒径分布の第一のピークが第一の粒子状材料に対応し、二峰性粒径分布の第二のピークが第二の粒子状材料に対応する、実施例1~19のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例21:
エアロゾル形成基体がシートである、実施例1~20のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例22:
エアロゾル形成基体が、結合剤をさらに含む、実施例1~21のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例23:
結合剤がカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む、実施例22に記載のエアロゾル形成基体。
実施例24:
エアロゾル形成基体が、約5重量パーセントの結合剤含有量を有する、実施例22または実施例23に記載のエアロゾル形成基体。
実施例25:
エアロゾル形成基体が、ニコチンをさらに含む、実施例1~24のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例26:
エアロゾル形成基体が、約1.5重量パーセントのニコチン含有量を有する、実施例25に記載のエアロゾル形成基体。
実施例27:
エアロゾル形成基体が、乳酸をさらに含む、実施例1~26のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例28:
エアロゾル形成基体が、約2.5重量パーセントの乳酸含有量を有する、実施例27に記載のエアロゾル形成基体。
実施例29:
エアロゾル形成基体が、スクロースをさらに含む、実施例1~28のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例30:
エアロゾル形成基体が、約2.5重量パーセントのスクロース含有量を有する、実施例29に記載のエアロゾル形成基体。
実施例31:
エアロゾル形成基体が、セルロース強化繊維をさらに含む、実施例1~30のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例32:
セルロース強化繊維が、0.8ミリメートル~1.5ミリメートルのD50粒径を有する、実施例31に記載のエアロゾル形成基体。
実施例33:
エアロゾル形成基体が、約6重量パーセントのセルロース繊維含有量を有する、実施例31または実施例32に記載のエアロゾル形成基体。
実施例34:
エアロゾル形成基体が、一つ以上のニコチン、乳酸、およびスクロースをさらに含む、実施例1~33のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例35:
第一の粒子状材料が、1.0グラム/立方センチメートルを超える密度を有する、実施例1~34のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例36:
第二の粒子状材料が、0.5グラム/立方センチメートル~1.0グラム/立方センチメートルの密度を有する、実施例1~35のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例37:
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量の比が少なくとも1:
5である、実施例1~36のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例38:
エアロゾル形成基体が、たばこを含まない、実施例1~37のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例39:
5重量パーセント~30重量パーセントの第一の粒子状材料と、10重量パーセント~60重量パーセントとを含む、実施例1~38のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例40:
実施例1~39のいずれかに記載のエアロゾル形成基体を備える、エアロゾル発生物品。
実施例41:
エアロゾル形成基体を製造するための方法であって、方法が、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、第一の粒子状材料と、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成される、第二の粒子状材料とを提供することと、第一の粒子状材料および第二の粒子を水溶液中で混合してスラリーを形成することと、スラリーをキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥して固体基体を形成することと、を含む、方法。
実施例42:
キャストスラリーを乾燥してシートを形成することを含む、実施例41に記載の方法。
実施例43:
シートを捲縮して複数の細片を形成することを含む、実施例42に記載の方法。
実施例44:
水溶液が結合剤を含む、実施例41~43のいずれかに記載の方法。
実施例45:
エアロゾル形成基体を製造するための方法であって、方法が、2マイクロメートル~20マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成された第一の粒子状材料を提供することと、50マイクロメートル~80マイクロメートルのD50粒径を有する粒子から形成された第二の粒子状材料を提供することと、第一の粒子状材料を第二の粒子状材料と結合して固体基体を形成することと、を含む、方法。
実施例46:
第一の粒子状材料を第二の粒子状材料と結合してシートを形成することを含む、実施例45に記載の方法。
実施例47:
シートを捲縮して複数の細片を形成することを含む、実施例46に記載の方法。
実施例48:
第一の粒子状材料を第二の粒子状材料と結合することがキャスティングプロセスを含む、実施例45~47のいずれかに記載の方法。
実施例49:
第一の粒子状材料を第二の粒子状材料と結合することがプレス加工を含む、実施例45~47のいずれかに記載の方法。
実施例50:
第一の粒子状材料を第二の粒子状材料と結合することが押出成形プロセスを含む、実施例45~47のいずれかに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0168】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0169】
【
図1】
図1は、本明細書に記載のエアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品の例を示す。
【
図2】
図2は、各々が異なるエアロゾル形成基体を含有する三つのエアロゾル発生物品の吸煙番号の関数としての吸煙当たりのグリセロール送達のプロットである。
【
図3】
図3は、各々が異なるエアロゾル形成基体を含有する三つのエアロゾル発生物品の吸煙番号の関数としての吸煙当たりのニコチン送達のプロットである。
【
図4】
図4は、本発明によるエアロゾル形成基体の粒径分布の例示的なプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0170】
図1は、本明細書に記載のエアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品1000の例を示す。
【0171】
図1の例では、エアロゾル発生物品1000は、エアロゾル形成基体1020、中空セルロースアセテートチューブ1030、スペーサ要素1040、およびマウスピースフィルター1050の四つの要素を含む。四つの要素1020、1030、1040、1050は、順次かつ同軸アライメントで配置される。四つの要素1020、1030、1040、1050は、たばこ紙1060によって組み立てられ、エアロゾル発生物品1000を形成する。
【0172】
図1の例では、エアロゾル発生物品1000は、口側端1012および遠位端1013を有する。ユーザーは、使用中に口側端1012を自身の口の中に挿入してもよい。遠位端1013は、口側端1012に対してエアロゾル発生物品1000の反対側の端に位置する。
図1に示すエアロゾル発生物品1000の例は、エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するのに特に適切である。
【0173】
一つの実施例において、組み立てられた時に、エアロゾル発生物品1000は長さ約45ミリメートルであり、約7.2ミリメートルの外径と約6.9ミリメートルの内径を有する。
【0174】
図1の例では、エアロゾル形成基体1020は、エアロゾル形成基体のシートを捲縮することによって作製されたプラグの形態で提供される。シートは、プラグを形成するために、集合され、捲縮され、そしてフィルターペーパー(図示せず)内に巻かれる。
【0175】
エアロゾル形成基体1020は、第一の粒子状材料および第二の粒子状材料を含む。第一の粒子状材料は、約10マイクロメートルのD50粒径および約33マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される。第二の粒子状材料は、約59マイクロメートルのD50粒径および約116マイクロメートルのD95粒径を有する粒子から形成される。
【0176】
第一の粒子状材料は、5マイクロメートル~40マイクロメートルの直径を有する粒子から形成され、第二の粒子状材料は、50マイクロメートル~250マイクロメートルの直径を有する粒子から形成される。
【0177】
エアロゾル形成基体中の第一の粒子状材料の質量と第二の粒子状材料の質量との比は、約1:2である。
【0178】
第一および第二の粒子状材料は、微結晶セルロース(MCC)から形成される。
【0179】
第一の粒子状材料は、1.0グラム/立方センチメートルを超える密度を有する。第二の粒子状材料は、0.5グラム/立方センチメートル~1.0グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0180】
エアロゾル形成基体1020は、約15重量パーセントの第一の粒子状材料を含む。
【0181】
エアロゾル形成基体1020は、約30重量パーセントの第二の粒子状材料を含む。
【0182】
エアロゾル形成基体1020は、エアロゾル形成体として約30重量パーセントのグリセリンをさらに含む。
【0183】
エアロゾル形成基体1020は、結合剤として約5重量パーセントのカルボキシメチルセルロースをさらに含む。
【0184】
エアロゾル形成基体1020は、約6重量パーセントのセルロース強化繊維をさらに含む。
【0185】
エアロゾル形成基体1020は、約1.5重量パーセントのニコチンをさらに含む。
【0186】
エアロゾル形成基体1020は、約2.5重量パーセントの乳酸をさらに含む。
【0187】
エアロゾル形成基体1020は、約2.5重量パーセントのスクロースをさらに含む。
【0188】
図1に示すようなエアロゾル発生物品1000は、消費するためにエアロゾル発生装置と係合するように設計されている。こうしたエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体1020を十分な温度に加熱してエアロゾルを形成する手段を含む。一般に、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体1020に隣接したエアロゾル発生物品1000を囲む発熱体、またはエアロゾル形成基体1020に挿入される発熱体を備え得る。
【0189】
エアロゾル発生装置と係合されると、ユーザーは喫煙物品1000の口側端1012を吸い、エアロゾル形成基体1020が摂氏約260度の温度に加熱される。この温度にて、揮発性化合物がエアロゾル形成基体1020から放出される。これらの化合物は凝縮されてエアロゾルを形成する。エアロゾルはフィルター1050を通し、そしてユーザーの口の中へと引き込まれる。
【0190】
図2は、各々が異なるエアロゾル形成基体を含有する三つのエアロゾル発生物品の吸煙番号の関数として、吸煙当たりのグリセロールの送達を決定するための研究の結果を示す。
【0191】
第一のエアロゾル形成基体は、Philip Morris Productsによって製造されたIQOS加熱装置で使用するためのヒートスティックであった基準基体である。基準基体はキャストリーフたばこを含む。第一のエアロゾル形成基体に対応する線は、2003として識別される。
【0192】
第二のエアロゾル形成基体は、約13.3重量パーセントの第一の粒子状材料と、約26.7重量パーセントの第二の粒子状材料とを含む。したがって、第二のエアロゾル形成基体では、エアロゾル形成基体中の第一の(より小さい)粒子状材料の質量と第二の(より大きい)粒子状材料の質量の比は約1:2である。第二のエアロゾル形成基体に対応する線は、2004として識別される。第二のエアロゾル形成基体は、本発明による。
【0193】
第三のエアロゾル形成基体は、約40重量パーセントの第二の(より大きい)粒子状材料を含む。第三のエアロゾル形成基体は、いかなる量の第一の(より小さい)粒子状材料も含まない。第三のエアロゾル形成基体に対応する線は、2005として識別される。
【0194】
吸煙当たりのマイクログラムでのグリセロール収率を、2001として識別された垂直軸上にプロットする。吸煙番号は、2002として識別される水平軸上にプロットされる。
【0195】
図2に示すグラフから分かるように、グリセロールの送達は、本発明による第二のエアロゾル形成基体2004における12回の吸煙全体にわたって有利に維持されたことが見出された。実際に、本発明による第二のエアロゾル形成基体2004は、第一の基準エアロゾル形成基体2003よりも大きなグリセロール収率を示したことが有利に実証された。
【0196】
対照的に、第一および第二の粒子状材料の混合物を含まない第三のエアロゾル形成基体2005は、12回の吸煙にわたってグリセロールの送達が著しく低い。
【0197】
試験はまた、エアロゾル形成基体中の第一の(より小さい)粒子状材料の質量と第二の(より大きい)粒子状材料の質量との比が約1:2であると、グリセロール送達が良好であることを実証した。
【0198】
図3は、
図2を参照して上述した同一のエアロゾル形成基体をそれぞれ含有する同一の三つのエアロゾル発生物品の吸煙番号の関数として、吸煙当たりのニコチンの送達を決定するための研究の結果を示す。
【0199】
基準基体である第一のエアロゾル形成基体は、3003として識別される。
【0200】
本発明による第二のエアロゾル形成基体は、3004として識別される。
【0201】
第一および第二の粒子状材料の混合物を含まない第三のエアロゾル形成基体は、3005として識別される。
【0202】
吸煙当たりのマイクログラムでのニコチン収率は、3001として識別される垂直軸上にプロットされる。吸煙番号は、3002として識別される水平軸上にプロットされる。
【0203】
図3に示すグラフから分かるように、ニコチンの送達は、第一および第二の粒子状材料の混合物を含まない第三のエアロゾル形成基体3005と比較して、本発明による第二のエアロゾル形成基体3004における12回の吸煙全体にわたって有利に維持されたことが見出された。
【0204】
図4は、本発明によるエアロゾル形成基体の粒径分布の例示的なプロットである。
図4に示すグラフは、例示のみを目的としており、実際のデータに基づいていない。粒径は、4001として識別される水平軸上にプロットされる。所与の粒径の頻度は、4002として識別される垂直軸上にプロットされる。
【0205】
図4から分かる通り、本発明によるエアロゾル形成基体の粒径分布は、二峰性分布パターンを示す。より低いピークは、第一の(より小さい)粒子状材料に対応する。下側のピークから、第一の粒子状材料のD50
1図が決定され得、グラフ上で識別される。第一の粒子状材料のD95
1図もグラフ上で識別される。より高いピークから、第二の粒子状材料のD50
2図が決定され得、グラフ上で識別される。第二の粒子状材料のD95
2図もグラフ上で識別される。
【0206】
エアロゾル形成基体中の第一の(より小さい)粒子状材料の質量と第二の(より大きい)粒子状材料の質量との比は、約1:2である。これは、第二の粒子状材料に対応するピークが第一の粒子状材料に対応する第一のピークの約2倍高いため、
図4の分布で示されている。
【国際調査報告】