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特表2024-529681カルボキシメチルセルロース(CMC)を含む水性パーソナルケア組成物、その製造方法及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】カルボキシメチルセルロース(CMC)を含む水性パーソナルケア組成物、その製造方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20240801BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20240801BHJP
   C08L 1/08 20060101ALI20240801BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20240801BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20240801BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q5/00
A61Q1/00
A61Q17/00
A61Q19/00
A61Q11/00
C08L1/08
C08L101/00
C08L91/00
C08L83/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508470
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 US2022038489
(87)【国際公開番号】W WO2023018551
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/232,760
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596121138
【氏名又は名称】アイエスピー インヴェストメンツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173473
【弁理士】
【氏名又は名称】高井良 克己
(72)【発明者】
【氏名】マイケル フランツェ
(72)【発明者】
【氏名】リディア クルクサー
(72)【発明者】
【氏名】コラリ クロディーヌ アロンソ
(72)【発明者】
【氏名】ギズバート クルーン
【テーマコード(参考)】
4C083
4J002
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB371
4C083AB441
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC212
4C083AC352
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD111
4C083AD202
4C083AD211
4C083AD241
4C083AD261
4C083AD271
4C083AD272
4C083AD281
4C083AD282
4C083AD301
4C083AD351
4C083AD371
4C083CC02
4C083CC31
4C083CC41
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE28
4C083FF01
4J002AA01X
4J002AB012
4J002AB03W
4J002AB042
4J002AB052
4J002AE002
4J002AE052
4J002AJ002
4J002BE002
4J002BE022
4J002BG042
4J002BG052
4J002BH022
4J002BJ002
4J002CK022
4J002CP033
4J002DJ006
4J002FD017
4J002FD027
4J002FD057
4J002FD077
4J002FD097
4J002FD206
4J002FD207
4J002FD317
4J002GB00
4J002HA06
(57)【要約】
水性パーソナルケア組成物、特にヘアケア組成物において、0.1~10重量%の低置換カルボキシメチルセルロース(CMC)を単独で、又は0.01~10重量%の少なくとも1つの天然若しくは合成ポリマー、0.01~60重量%の少なくとも1つの添加剤と組み合わせて含む水性パーソナルケア組成物が開示され;ここで、低置換カルボキシメチルセルロースは、無水グルコース単位あたり平均カルボキシメチル置換度(DS)が約0.5~約<0.7の範囲である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
(a)単独での0.05~10重量%の低置換カルボキシメチルセルロース(CMC)、又はそれと0.01~10重量%の少なくとも1種の天然高分子若しくは合成ポリマーとの組合せ;及び
(b)0.01~60重量%の少なくとも1種のパーソナルケア添加剤;及び
(c)水;
を含む、水性パーソナルケア組成物であって、
低置換度カルボキシメチルセルロースは、アンヒドログルコース単位当たりの平均カルボキシメチル置換度(DS)が約0.5~約<0.7の範囲である、
水性パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記低置換度カルボキシメチルセルロースが、無水グルコース単位当たりの平均カルボキシメチル置換度(DS)が約0.5~約0.65の範囲である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
天然高分子が、キサンタンガム、グアーガム、グアーガム、コンニャクガム、スクレロチウムガム、アカシアガム、セルロースガム、プルラン、微結晶性セルロース、カエサルピニアスピノサガム、カラギーナン、デヒドロキサンタンガム、ポテトスターチ変性、グルコマンナン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、コーンスターチ変性ポリエステル、タラガム、カシアガム、フェヌグリーク、ローカストビーンガム、ペクチン、デンプン及び変性デンプン、アルギン酸塩及びアルギン酸系ポリマー、ヘミセルロース及びジェランガムからなる群から選択される、請求項1に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記合成高分子が、アクリレート系ポリマー、メタクリレート系ポリマー、無水マレイン酸系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルカプロラクタム系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルアミド系ポリマー、ビニルエーテル系ポリマー及びポリ乳酸/ポリ乳酸塩又は変性多糖ポリマーである、請求項1に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記変性多糖類ポリマーが、メチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシプロピル、カルボキシメチルセルロース、スルホン、トリメチルアミン、ヒドロキシプロピル基、グアム、カルボブゴム、コニャクゴム、スクレロチウムゴム、アカシアゴム、セルロースゴム、プルラン、微結晶セルロース(MCC)、Caesalpinia spinosaゴム、カラギーナン、デヒドロキサンタンゴム、ポテトデンプン、変性グルコマンナン、ケイリン酸マグレシウムアルミニウム、ベントナイト、コーンスターチ変性ポリマー、タラゴム、カシアゴム、ケイソウゴム、ペクチン、デンプン及び変性デンプン、アルギンリン酸及びアルギンリン酸ジエン系重合体、ヘミセルロース及びゲルランゴムからなる、請求項4に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記低置換度カルボキシメチルセルロースが、固体微粒子又は粉末の形成である、請求項1に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記低置換カルボキシメチルセルロースが、1%水溶液中で約2500~約20000 cpsの平均粘度範囲を有する、請求項1に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記低置換カルボキシメチルセルロースが、約1000000~約2000000ダルトンの範囲の分子量を有する、請求項1に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項9】
前記組成物が、エマルジョン、分散液、懸濁液、ローション、クリーム、フォーム、スプレー、ゲル、バー、スティック、マスク、パッド又はパッチである、請求項1に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記パーソナルケア組成物が、ヘアケア製品、シャンプー、ヘアコンディショナー、リーブ・アンド・リンス・コンディショナー、ヘアパーマ、ヘアスプレー・ラッカー、永久ヘアスタイリングムース、ヘアスタイリングシステム、セミ永久ヘアダイニングシステム、ヘアブリーチングシステム、永久ヘアウェーブシステム、液体石鹸、バーソープ、香料及び/又は発汗防止剤からなる成分、ボディーオイル、ボディーローション、トリートメントクリーム、ボディクリーニング製品、皮膚保護軟膏、シェービング・アフターシェーブ製剤、皮膚粉末、リップスティック、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ、乾燥・アンド・湿潤・メイクアップ、パウダー、デパーソナルケア組成物に配合される イラトリー 処理、リーブオンスキンローション及びクリーム、シャワージェル、トイレットバー、サンレスタンナー、サンスクリーンローション、サンスクリーンスプレー、サンスクリーンクリーム、スタイリングジェル、血清、マスク、サンスクリーンローション、歯磨き剤、及び歯磨き剤へと製剤化される、請求項1に記載の水性パーソナルケア組成物。
【請求項11】
以下:
(a)単独での0.05~10重量%の低置換カルボキシメチルセルロース(CMC)、又はそれと0.01~10重量%の少なくとも1つの天然又は合成ポリマーとの組合せ;
(b)0.01~60重量%の少なくとも1種のヘアケア添加剤;及び
(c)水;
を含む、水性ヘアケア組成物であって、
低置換度カルボキシメチルセルロースは、アンヒドログルコース単位当たりの平均カルボキシメチル置換度(DS)が約0.5~約<0.7の範囲である、
水性ヘアケア組成物。
【請求項12】
前記低置換度カルボキシメチルセルロースが、無水グルコース単位当たりの平均カルボキシメチル置換度(DS)が約0.5~約0.65の範囲である、請求項11に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
前記天然又は合成ポリマーが、ジヒドロキシプロピル置換カシアガム(DHP-CGポリマー)、カチオン性グアー、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)又はソルビタンオレエートデシルグルコシドクロスポリマーである、請求項11に記載の水性ヘアケア組成物。
【請求項14】
ヘアケア組成物が、スプレー、ローション、ムース、流体、血清、溶液、パーマ、エマルジョン、ゲル、ベシクル分散液、ペースト、クリーム、固体スティック、シャンプー、バーム、ワイプ、乳、フォーム、ゼリー、ポマード、ワックス、粉末、バー又は液体として製剤化される、請求項11に記載の水性ヘアケア組成物。
【請求項15】
前記ヘアケア添加剤が、水不溶性成分、酸化剤、コンディショニング剤、湿潤剤、pH調整緩衝液、ワックス、油、乳化剤、香料、防腐剤、脂肪物質、ゲル化剤、増粘剤、皮膚軟化剤、親水性又は親油性活性剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、酸性化又は塩基性化剤、香料、充填剤、染料、植物抽出物、保湿剤、タンパク質、ペプチド、中和剤、溶媒、ふけ防止剤、還元剤、シリコーン、セラフィルエステル及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の水性ヘアケア組成物。
【請求項16】
ヘアケア添加剤が、やし油、ホホバ油、オリーブ油、ラベンダー油、アロエベラ油、ティーツリー油、ブドウ種子油、サフラワー種子油、アルガン油、アボカド油、ローズマリー油、セデルウッド油、セージ油、アルニカ油、ユーカリ油、ヒマシ油、ローズマリー油、カモミール油、カモミール油、マカダミアナッツ油、ククイナッツ油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油、米ぬか油、亜麻仁油、大豆油、ザクロ油、ペパーミント油、スペアミント油、クレリーセージ油及びそれらの混合物からなる群から選択される油を含む、請求項15に記載の水性ヘアケア組成物。
【請求項17】
シリコーン流体(油)、シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、ポリシロキサン、線状シリコーン、分枝状シリコーン、環状シリコーン、アミノシリコーン、アモジメチコン、ジメチコーン、ジメチコノール、シリコーンポリエーテル、シリコーンクオタニウム化合物及びそれらの混合物からなる群から選択されるシリコーンからなるヘアケア添加剤を含有する、請求項15に記載の水性ヘアケア組成物。
【請求項18】
前記組成物が毛髪を固定又は処理することができ、毛髪付与特性は傾き止め、ウェットコーム性、ウェットフィール、乾燥コーム性、乾燥フィール、シーン、スタティックフライウェイ制御、耐湿性、疎水性、表面平滑化、蓄積なし、色、高湿度カール保持、強い保持、及びスプリットエンド修理を含む、請求項11に記載の水性ヘアケア組成物。
【請求項19】
前記ヘアケア組成物のpHが、約3~約13の範囲である、請求項11に記載の水性ヘアケア組成物。
【請求項20】
脂肪物質、ゲル化剤、増粘剤、界面活性剤、保湿剤、皮膚軟化剤、親水性又は親油性活性剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、保存剤、酸性化又は塩基性化剤、香料、充填剤、染料、乳化剤、溶媒、UV-A又はUV-Bブロッカ/フィルター、植物抽出物、保湿剤、タンパク質、ペプチド、中和剤、溶媒、シリコーン及び還元剤からなる群から選択される化粧品として許容される賦形剤をさらに含む、請求項11に記載の水性ヘアケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は水性パーソナルケア組成物、特に、最適化された置換度(DS)を有するカルボキシメチルセルロース(CMC)を含むヘアケア組成物、及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルケア製品は、改善された保湿、吸収、耐湿性、カール保持、感触良好因子、又は外観増強のために使用されている。Xanthan Gum、Bentonite、Hectorite、セルロースガム及びグアーなどの天然由来の技術が既に市場に存在する。しかし、課題は、ほとんどの技術がサスペンション性能ではなく、増粘性能のみを提供することである。懸濁する成分は、感覚的利益(レオロジー、発泡)及びシリコーン析出悪影響を及ぼし得る。また、安定性も問題となり得る。現在、全ての要件を満たす単一成分はない。
【0003】
多くの天然及び合成ポリマーが、パーソナルケア製品におけるレオロジーを改善するために使用されてきた。溶液中の重合体の粘度及び置換度(DS)は、それらの機能を決定する。パーソナルケア用途のための重合体の1つのそのような好ましい選択は、カルボキシメチルセルロース(CMC)である。
【0004】
John David Reid and George CDaulに譲渡された米国特許第2,495,767号は、0.5~1.0のDSを有するカルボキシメチルセルロースから紡糸された連続繊維を開示している。
【0005】
Diacel Chemical Industries Ltd.に譲渡された米国特許第4,525,585号は、平均置換度0.4~1.6のカルボキシメチルセルロースナトリウムを開示している。
【0006】
CP Kelco OYに譲渡された米国特許第9,181,659号は、高固体紙コーティング及びバリア材料に使用するための約0.9未満のDSを有するカルボキシメチルセルロースアルカリ溶液を開示している。
【0007】
米国特許出願公開第2003/0035783号明細書は、架橋ポリアクリレート及び架橋デンプンに焦点を当てたヘアケアにおける超吸収性ポリマーの使用を記載している。
【0008】
米国特許第7,488,470B2号は、有機吸収剤架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性デンプン、又はこれらの混合物を含むケラチン物質の永久変形及び/又は成形を開示している
【0009】
Henkelに譲渡されたPCT出願第2020164769号は、サッカロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び0~3重量%のカルボキシメチル澱粉を含有するケラチン繊維を一時的に成形するのに適した化粧料を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、カルボキシメチルセルロースにおける置換度が低いほど、水への溶解度は低くなる。置換度が高いほど、カルボキシメチルセルロースを用いて調製された乳化又は懸濁液は安定性が低い。そのような場合、乳化安定性及びレオロジー挙動が危うくなり、製品がパーソナルケア用途に適さなくなる。したがって、水溶液への溶解性及び安定性が損なわれない最適化された置換度を前記カルボキシメチルセルロースを前記パーソナルケア懸濁液が当該技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の概要)
本出願の主な態様は、(a)0.05~10.0重量%の低置換カルボキシメチルセルロース(CMC)を単独で、又は0.01~10.0重量%の少なくとも1つの天然又は合成ポリマーと組み合わせて;(b)0.01~60重量%の少なくとも1つのパーソナルケア添加剤;及び(c)水を含む水性パーソナルケア組成物であって、低置換カルボキシメチルセルロースが無水グルコース単位あたりの平均カルボキシメチル置換度(DS)が約0.5~約0.7未満(<)の温度範囲で水性パーソナルケア組成物に関する。
【0012】
本出願の別の態様は水性パーソナルケア組成物を調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、(a)低置換度カルボキシメチルセルロース(CMC)を単独で、又は少なくとも1つの天然若しくは合成高分子と組み合わせて含む粉末粒子を考慮することと、(b)連続混合下でポリマー粉体を水中に分散させることと、(c)均質な水性組成物を得ることとを含む。
【0013】
本出願の別の態様は(a)0.05~10.0重量%の低置換カルボキシメチルセルロース(CMC)を単独で、又は0.01~10.0重量%の少なくとも1つの天然若しくは合成ポリマーと組み合わせて;(b)0.01~60重量%の少なくとも1つのヘアケア添加剤;及び(c)水を含む水性ヘアケア懸濁液組成物を提供し、低置換カルボキシメチルセルロースは、無水グルコース単位当たりの平均カルボキシメチル置換度(DS)が約0.5~約0.7未満(<)の温度範囲である。
【0014】
本開示の引用された利点及び目的に加えて、簡潔に要約された本開示の1つ又は複数の説明は、添付の図面に示されるその特定の実施形態を参照することによって追加され得る。これらの図面は、本明細書の一部を形成する。しかしながら、添付の図面は本開示の好ましい実施形態を示し、したがって、その範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、比較カルボキシメチルセルロース試料及び本発明のカルボキシメチルセルロース試料級の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図2図2は、比較カルボキシメチルセルロース対本発明のカルボキシメチルセルロース試料級の粘度データを示す。
図3図3は、比較カルボキシメチルセルロース対本発明のカルボキシメチルセルロース試料級の懸濁試験を示す。
図4図4は、比較カルボキシメチルセルロース対本発明のカルボキシメチルセルロース -セチルHEC組み合わせ級の粘度データを示す。
図5図5は、毛髪束で評価された比較カルボキシメチルセルロース性能を示す。
図6図6及び図7は、カール保持について評価された比較カルボキシメチルセルロース性能を示す。
図7図6及び図7は、カール保持について評価された比較カルボキシメチルセルロース性能を示す。
図8図8は、毛髪特性について評価された比較カルボキシメチルセルロース対ポリクオタニウム-69性能を示す。
図9図9a及び図9bは、応力値について評価された架橋ポリアクリル酸性能に対する比較カルボキシメチルセルロースを示す。
図10図10は、pHで安定なスタイリングゲル中のカルボキシメチルセルロースを示す。
図11図11は、降伏応力について評価されたカルボキシメチルセルロースを示す。
図12図12は、剛性について評価された比較カルボキシメチルセルロース性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
本開示の技術的解決策は以下の特定の実施形態と組み合わせて明確に説明され、よりよく理解されるが、以下に説明される実施形態は本開示の実施形態の一部であるが、それらのすべてではなく、本開示の例示のためにのみ使用され、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを、当業者は理解するのであろう。いずれかの特定の条件又はプロセスが実施例に示されていない場合、条件は製造業者によって従来使用されており、市販されていることを理解されたい。
【0017】
本開示に従って利用される場合、以下の用語は別段の指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである。
【0018】
本明細書で別途定義されない限り、開示及び/又は特許請求される発明概念に関連して使用される技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって別段の要求がない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0019】
単数形「a」、「an」、及び「The」は文脈がそわないことを明確に指示しない限り、複数形を含み、又は、参照がなされる文脈によって、そわないことが明確に暗示されない限り、複数形を含む。用語「含む(comprising)」及び「からなる(comprises of)」は、「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」。
【0020】
以下の詳細な説明の目的のために、任意の実施例以外の、又は他に示される場合、例えば、本明細書及び特許請求の範囲において使用される成分の量を表す数字は、すべての場合において、用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、本発明を実施する際に得られる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【0021】
本明細書で使用される全ての百分率、部、割合、及び比率は特に明記しない限り、組成物全体の重量による。列挙された成分に関する全てのこのような重量は活性レベルに基づいており、したがって、特に指定しない限り、市販の材料に含まれ得る溶媒又は副生成物を含まない。
【0022】
本明細書に引用されるすべての刊行物、論文、論文、特許、特許刊行物、及び他の参考文献は本明細書の開示と一致する範囲で、すべての目的のために、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「少なくとも1つ」は1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むが、これらに限定されない、1つ、ならびに1つを超える任意の量を含むと理解される。用語「少なくとも1つ」は、それが結合している用語に応じて、100又は1000まで、又はそれ以上に及ぶことができる。加えて、100/1000の量は、より低い又はより高い限界も満足のいく結果をもたらし得るので、限定的であると見なされるべきではない。
【0024】
本明細書で使用される用語「含む」(及び「含む」及び「含む」などの任意の形態)は、「有する」(及び「有する」及び「有する」などの任意の形態)、「含む」(及び「含む」などの任意の形態)、又は「含む」(及び「含む」などの任意の形態)は包括的又は開放的であり、追加の、引用されていない要素又は方法ステップを排除しない。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「カルボキシメチルセルロース」又は「CMC」は、「Blanose」、「Aqualon」の商品名で市販されているCMC製品、及び自社製造製品の両方を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「美容上許容される」は過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激性、アレルギー反応などを伴わずに、組織(例えば、毛髪)との局所接触における使用のために薬局方に列挙される、安全とみなされる、規制機関によって承認された分子実体を指す。この用語は化粧料としてのみ使用するために記載される組成物を限定することを意図するものではない(例えば、組成物は医薬として使用され得る)。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「置換度(DS)」又は「置換度」又は「置換度」は一般に、無水グルコースの単位当たりの平均置換数のカルボキシメチル基を有するカルボキシメチルセルロースを指す。各無水グルコース(β-グルコピラノース)単位は3つの反応性(水酸基)基を有するので、理論的にはDS値がゼロ(セルロース自体)から3つ(完全に置換されたセルロース)の範囲であり得る。位置及びDSは、NMRを用いて、無水グルコース単位及び無水物基中のメチル基のプロトン及び炭素シフトの同定によって測定した。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、共有化学結合によって接続された繰り返し構造単位(モノマー)を含む化合物を指す。ポリマーは、さらに誘導体化され、架橋され、グラフト化され、又はエンドキャップされ得る。ポリマーの非限定的な例としては、コポリマー、三元共重合体、テトラポリマー、第四級ポリマー、及びホモログが挙げられる。「コポリマー」という用語は、前記コポリマーを得るために重合された2つ以上の異なる種類のモノマーから本質的になるポリマーを指す。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「パーソナルケア組成物」及び「化粧品」は表皮、毛髪、口腔などの人体上又はその中での使用を意図した組成物を指し、表皮及び毛髪の色及び外観を変化させるものを含む。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「溶液の粘度」又は「平均粘度」は、分子間凝集力に起因する、剪断応力による緩やかな変形に対するその抵抗の測定値を指す。これらの力は、濃度、温度、又は置換度などのいくつかの要因によって影響を受ける。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「レオロジー」は、パーソナルケア製品に必要な「物がどのように流れるかの科学又は研究」を指す。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「キサンタンガム」は、液体のレオロジーの変化を工業的に生じさせることができる多糖類ガムを指す。任意の市販のキサンタンガムを本出願において使用することができる。好適な市販のキサンタンガムとしてはキサンタンガム(登録商標)(Kelco製のKelzan(登録商標))又はVeegum(登録商標)(RTVanderbilt製)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「ケラチン基材」又は「ケラチン基材」は本明細書で使用するとき、表皮、釘及び「ケラチン繊維」を含み、ここで「ケラチン繊維」は、頭部、まつ毛、眉毛及び他の哺乳動物の体毛上の毛を意味する。
【0034】
「ヘアケア組成物」という用語は、太陽からの有害な又は望ましくない放射線から保護するために人体に使用することを意図した任意の組成物を指す。
【0035】
本明細書で使用するとき、用語「化粧品として許容される賦形剤」は、パーソナルケア組成物において他の望ましい効果をもたらすために典型的に使用される任意の食材/化合物又は食材/化合物若しくは組成物の混合物を意味する。
【0036】
1つの非限定的な実施形態では、本開示が(a)0.05~10重量%の低置換カルボキシメチルセルロース(CMC)を単独で、又は0.01~10重量%の少なくとも1つの天然又は合成ポリマーと組み合わせて;(b)0.01~60重量%の少なくとも1つのパーソナルケア添加剤;及び(c)水を含む水性パーソナルケア組成物であって、低置換カルボキシメチルセルロースが無水グルコース単位あたり約0.5~約<0.7の範囲の平均カルボキシメチル置換度(DS)を有する、水性パーソナルケア組成物を対象とする。
【0037】
カルボキシメチルセルロースは、セルロース分子中の水酸基の少なくとも一部をカルボキシメチルエーテル基に置換することによって、セルロース(コットンリンター、木材パルプ、又は他のセルロース系から天然に供給される)から得られる生分解性の高度に両立アニオン性ポリマーである。
【化1】
【0038】
カルボキシメチルセルロースはセルロースとモノクロロ酢酸ナトリウムとのアルカリ化反応によって得られる市販品(CMC)であり、0.4~1。3の範囲の置換度(DS)を有する。カルボキシメチルセルロースは0.4を超えるDSで完全に可溶性であり、カルボキシメチルセルロースの水和親和性はDSの増加とともに増加するが、このポリマーは膨潤性であるが、0.4未満では不溶性である。本開示は、0.5~<0.7の範囲の置換度を有するカルボキシメチルセルロースを使用する。このようなカルボキシメチルセルロースは、本明細書において、「低置換度カルボキシメチルセルロース(CMC)」又は「低置換度カルボキシメチルセルロース(CMC)」と称される。
【0039】
カルボキシメチルセルロースは、パーソナルケア組成物全体の約0.1~約10.0重量%の濃度範囲で存在する。天然又は合成ポリマーは、パーソナルケア組成物全体の約0.01~約10.0重量%の濃度範囲で存在する。ケア組成物は、0.01~10重量%のケア添加剤及び水をさらに含む。
【0040】
別の非限定的な実施形態では、低置換カルボキシメチルセルロースがBrookfield、スピンドルA、速度5によって測定される1%水溶液中で約2500~約20000 cpsの平均粘度範囲を有する固体微粒子又は粉末の形態で存在する。
【0041】
セルロース化合物の分子量は、GPC/SEC分析によって決定される。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)とも呼ばれるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)は、重合体の分子量、平均分子量、及び分子量分布を特徴付けるための貴重なツールである。本発明の目的のために、全ての分子量は、重量平均分子量(Mw)で与えられ、ダルトン(Da)で測定される。本発明の一実施形態では、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が約1000,000~約2000,000ダルトンの範囲である。分子量はカルボキシメチルセルロース試料級を区別するための因子の1ち、詳細を表1に示す。
【0042】
本発明の組成物に使用される天然高分子は限定されるものではないが、キサンタンガム、グアーガム、グアーガム、コンニャクガム、スクレロチウムガム、アカシアガム、セルロースガム、プルラン、微結晶性セルロース、カエサルピニアスピノサガム、カラギーナン、デヒドロキサンタンガム、ポテトスターチ変性、グルコマンナン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、コーンスターチ変性ポリエステル、タラガム、カシアガム、フェヌグリーク、ローカストビーンガム、ペクチン、デンプン及び変性デンプン、アルギン酸塩及びアルギン酸系ポリマー、ヘミセルロース及びジェランガムを含む群から選択することができる。好ましくは、天然高分子はキサンタンガムである。キサンタンは主ポリマー骨格としてポリグルコースを有する多糖類であり、グルコース、グルクロン酸を含む3単位アセチル化側鎖を有し、典型的には、カリウム、ナトリウム及びカルシウム塩の混合物、ならびにマンノース残基として存在する。キサンタンポリマーは、典型的には細菌発酵、特にキサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)及び関連する微生物から得られる。
【0043】
本発明の実施において有用な合成高分子としては、アクリレート系ポリマー、メタクリレート系ポリマー、無水マレイン酸系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルカプロラクタム系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルアミド系ポリマー、ビニルエーテル系ポリマー及びポリ乳酸/ポリ乳酸塩又は変性多糖ポリマーが挙げられる。
【0044】
本発明の実施において有用な合成ポリマーとしては、アクリレート系、メタクリレート系ポリマー、無水マレイン酸系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー又はビニルピロリドン系ポリマーが挙げられる。適切なアクリレート又はアルキルアクリレートは(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル、特にd-アルコキシ d-アルキル(メタ)アクリレート、例えばブトキシエチルアクリレート及びエトキシエトキシエチルアクリレート;アリールオキシアルキル(エタ)アクリレート、特にアリールオキシC4アルキル(メタ)アクリレート、 例えば、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ボルニルアクリレート、イソボルニルアクリレート、アルコール系(メタ)アクリレート、例えば、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、及び種々のアルコキシル化アルキルフェノールアクリレート、例えば、エトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート、(メタ)アクリル酸のアミド、例えば、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、t-オクチルアクリルアミドなど。適切なラクタムとしては、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシメチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、及びN-ヒドロキシプロピルピロリドンが挙げられる。代表的な無水物としては、無水ギ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸及び無水酢酸が挙げられる。好ましい合成ポリマーとしては、デカジエン及びポリアクリル酸で架橋されたメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
【0045】
本発明の実施において有用な変性多糖類ポリマーとしては、キサンタンガム、グアーガム、グアーガム、コンニャクガム、スクレロチウムガム、アカシアガム、セルロースガム、プルラン、微結晶性セルロース、カエサルピニアスピノサガム、カラギーナン、デヒドロキサンタンガム、ポテトスターチ変性、グルコマンナン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、コーンスターチ変性ポリエステル、タラガム、カシアガム、フェヌグリーク、ローカストビーンガム、ペクチン、デンプン及び変性デンプン、アルギン酸及びアルギン酸ジエン系重合体、ヘミセルロース及びジェランガムのメチル、ヒドロキシエチル、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ホスフェート、ヒドロキシプロピルアミン、ホスフェート、ヒドロキシプロピルアミン、ヒドロキシプロピルアミン、。
【0046】
別の非限定的な実施形態では、電流パーソナルケア組成物がヘアケア製品、シャンプー、ヘアコンディショナー、リーブ・アンド・リンス・コンディショナー、ヘアパーマ、ヘアスプレー・ラッカー、永久ヘアスタイリングムース、ヘアスタイリングシステム、セミ永久ヘアダイニングシステム、ヘアブリーチングシステム、永久ヘアウェーブシステム、液体石鹸、バーソープ、香料及び/又は発汗防止剤からなる成分、ボディーオイル、ボディーローション、トリートメントクリーム、皮膚保護軟膏、シェービング・アフターシェーブ剤、皮膚粉末、リップスティック、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ、乾燥・アンド・モイストメイク、ブラッシャーに配合される 粉末、脱毛剤 処理、リーブオンスキンローション及びクリーム、シャワージェル、トイレットバー、サンレスタンナー、サンスクリーンローション、サンスクリーンスプレー、サンスクリーンクリーム、ヘアスタイリングジェル、血清、マスク及び歯磨き剤。
【0047】
別の非限定的な実施形態では、低置換カルボキシメチルセルロースが単独で又は組み合わせて、エマルジョン、分散液、懸濁液、ローション、クリーム、形成、スプレー、ゲル、石鹸バー、スティック、マスク、パッド又はパッチの形態でパーソナルケア組成物の調製に使用される。
【0048】
別の非限定的な実施形態では本開示が水性ヘアケア組成物を対象とし、天然又は合成ポリマーはジヒドロキシプロピル置換カシアゴム(DHP-CGポリマー)、カチオン性グアー、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)又はソルビタンオレエートデシルグルコシドクロスポリマーである。
【0049】
別の非限定的な実施形態では、本開示が水性ヘアケア組成物を、スプレー、ローション、ムース、流体、血清、溶液、パーマ、エマルジョン、ゲル、ベシクル分散液、ペースト、クリーム、固体スティック、シャンプー、バーム、ワイプ、乳、フォーム、ゼリー、ポマード、ワックス、粉末、バー、又は液体として製剤化する。
【0050】
別の非限定的な実施形態では、本開示が水不溶性成分、酸化剤、コンディショニング剤、湿潤剤、pH調整緩衝液、ワックス、鉱油、乳化剤、芳香剤、防腐剤、脂肪物質、ゲル化剤、増粘剤、皮膚軟化剤、親水性又は親油性活性剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、酸性化又は塩基性化剤、芳香剤、充填剤、染料、植物抽出物、保湿剤、タンパク質、ペプチド、中和剤、溶媒、ふけ防止剤、還元剤、シリコーン、セラフィルエステル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるヘアケア添加剤を含む水性ヘアケア組成物を対象とする。
【0051】
別の非限定的な実施形態では、本開示がやし油、ホホバ油、アーモンド油、オリーブ油、ラベンダー油、アロエベラ油、ティーツリー油、ブドウ種子油、サフラワー種子油、アルガン油、アボカド油、ローズマリー油、セデルウッド油、セージ油、アルニカ油、ユーカリ油、ヒマシ油、タイム油、ローズマリー油、カモミール油、マカダミアナッツ油、クーイナッツ油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油、米ぬか油、亜麻仁油、大豆油、ザクロ油、ペパーミント油、スペアミント油、クレリーセージ油及びそれらの混合物からなる群から選択される油からなるヘアケア添加剤を含む水性ヘアケア組成物を対象とする。
【0052】
本出願の一実施形態によれば、ヘアケア組成物は当業者に公知の任意のシリコーンを含み、そのようなシリコーンは、油、ワックス、樹脂、又はガムの形態で存在し得る。本発明のシリコーンは、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、vol.。15, 2d ed、pp 204-308、John Wiley & Sons、Inc(1989)を参照されたい。適切なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーンのための任意の懸濁化剤の非限定的な例は米国再発行特許第34584号、米国特許第5104646号、及び米国特許第5106609号に詳細に記載されており、本発明の目的のために容易に言及することができる。
【0053】
本出願に適したシリコーンは米国特許第2826551号、米国特許第3964500号、米国特許第4364837号、英国特許第849433号、EP-A-0 582152号、WO 93/23009、及びSilicon Compounds、Petrarch Systems、Inc(1984)に正式に開示されており、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
シリコーン流体(油)、シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、ポリシロキサン、線状シリコーン、分枝状シリコーン、環状シリコーン、アミノシリコーン、アモジメチコーン、ジメチコーン、ジメチコノール、シリコーンポリエーテル、シリコーンクオタニウム化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される本出願に好適なシリコーン。
【0055】
本出願の好適なシリコーンとしてはポリオルガノシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンガム及び樹脂、並びに有機官能基によって変性されたポリオルガノシロキサン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適当なポリアルキルシロキサンには、端末装置トリメチシリル基又は端末装置ジメチルシラノール基(ジメチコノール)及びポリアルキル(C1-C25)シロキサンを有するポリジエチルシロキサンが含まれる。好適なポリアルキルアリールシロキサンとしては、ポリジメチルメチルフェニルシロキサン及び直鎖又は分岐鎖のポリジメチルジフェニルシロキサンが挙げられる。本明細書での使用に好適なシリコーンガムとしては、好ましくは200,000~1,000,000の数平均分子量を有するポリジオルガノシロキサンが挙げられ、単独で使用されるか、又は溶媒と混合される。例としては、ポリメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンガム、ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサン/フェニルメチルシロキサン及びポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサンが挙げられる。好適なシリコーン樹脂としては、ジメチル/トリメチルシロキサン構造を有するシリコーン及びトリメチルシロキシシリケートタイプの樹脂が挙げられる。本発明での使用に適した有機変性シリコーンとしては、先に定義したものなどのシリコーンが挙げられ、炭化水素ラジカル及びグラフト化シリコネート化ポリマーによって結合した1つ以上の有機官能基を含有する。アミノ官能性シリコーンが特に好ましい。シリコーンは、エマルジョン、ナノエマルジョン、又はマイクロエマルジョンの形成で使用することができる。
【0056】
別の非限定的な実施形態では、本開示がシリコーン流体(油)、シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、ポリシロキサン、直線状シリコーン、分岐シリコーン、環状シリコーン、アミノシリコーン、アモジメチコン、ジメチコーン、ジメチコノール、シリコーンポリエーテル、シリコーンクオタニウム化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択されるシリコーンからなるヘアケア添加剤を含む水性ヘアケア組成物を対象とする。
【0057】
別の非限定的な実施形態では、本開示が毛髪を固定又は処理する特性を提供する水性ヘアケア組成物であって、デタングリング、ウェットコーミング性、ウェットフィール、乾燥コーミング性、乾燥フィール、乾燥フィール、シーン、スタティックフライウェイ制御、耐湿性、疎水性、表面平滑化、蓄積なし、色、高湿度カール保持、強い保持、及び分割端部修復を含む、組成物を対象とする。
【0058】
ヘアケア組成物の所望のpHは約3~約13の範囲であり、いくつかの実施形態では、約4~約8であることが好ましい。pH調整剤の有用性レベルは、所望のpHレベルを達成するのに必要な有効量で存在し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、パーソナルケア組成物中に存在する低置換度カルボキシメチルセルロースの適切な範囲が水性パーソナルケア組成物の総重量に基づいて、約0.05重量%~約0.1重量%、約0.1重量%~約1重量%、又は約1重量%~約2.5重量%、又は約2.5重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%で変動し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、ヘアケア組成物中に存在する低置換度カルボキシメチルセルロースの適切な範囲が水性ヘアケア組成物の総重量に基づいて、約0.05重量%~約0.1重量%、約0.1重量%~約1重量%、又は約1重量%~約2.5重量%、又は約2.5重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%で変動し得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、パーソナルケア組成物中に存在する天然又は合成ポリマーの適切な範囲が水性ヘアケア組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約0.05重量%、約0.05重量%~約0.1重量%、約0.1重量%~約1重量%、又は約1重量%~約2.5重量%、又は約2.5重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%で変動し得る。いくつかの実施形態では、ヘアケア組成物中に存在する天然又は合成ポリマーの適切な範囲が水性パーソナルケア組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約0.05重量%、約0.05重量%~約0.1重量%、約0.1重量%~約1重量%、又は約1重量%~約2.5重量%、又は約2.5重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%で変動し得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、ヘアケア食材の適切な範囲は、約0.01発明%~約0.05発明%、約0.05発明%~約0.1発明%、約1発明%、又は約1発明%~約2.5発明%、又は約2.5発明%~約5発明%、約5発明%~約10発明%、約10発明%~約15発明%、又は約15発明%~約20発明%、又は約20発明%~約25発明%、又は約30発明%~約35発明%、約35発明%~約40発明%、約45発明%とすることができる。水性ヘアケア組成物の全発明に基づくと、約50発明%又は約50発明%から約55発明%、又は約55発明%から約60発明%である。
【0063】
いくつかの実施形態においては、ヘアケア食材の適切な範囲が約0.01重量%から約0.05重量%から約0.05重量%、約0.1重量%から約1重量%、又は約1重量%から約2.5重量%、又は約2.5重量%から約5重量%、約5重量%から約10重量%、約10重量%から約15重量%、又は約15重量%から約20重量%、又は約20重量%から約25重量%、又は約30重量%から約35重量%から約40重量%、約45重量%とすることができる。水性ヘアケア組成物の全重量に基づくと、約50重量%又は約50重量%から約55重量%、又は約55重量%から約60重量%である。
【0064】
いくつかの実施形態では、パーソナルケア組成物中に存在するアンヒドログルコース単位あたりの低置換カルボキシメチルセルロースの適切な範囲が水性パーソナルケア組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約0.55重量%、約0.55重量%~約0.6重量%、約0.6重量%~約0.65重量%、又は約0.65重量%~約0.7重量%の範囲で変動し得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、ヘアケア組成物中に存在するアンヒドログルコース単位当たりの低置換カルボキシメチルセルロースの適切な範囲が水性ヘアケア組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約0.55重量%、約0.55重量%~約0.6重量%、約0.6重量%~約0.65重量%、又は約0.65重量%~約0.7重量%の範囲で変動し得る。
【0066】
本明細書に記載される組成物は改善された官能特性、高粘度の送達、増強された懸濁能力、高度の置換を有するカルボキシメチルセルロースを含む1つ又は複数の利点を有し、製剤化者にとって好ましい選択肢となる。ヘアケア用途に関して優れた結果が観察されている。
【0067】
さらに、本出願の特定の態様を、以下の実施例によって詳細に説明する。実施例は、本出願の説明のために本明細書に与えられ、その限定を意図するものではない。
【実施例
【0068】
(実施例1:カルボキシメチルセルロース試料級)
【0069】
【表1】
【0070】
表1は、異なる粘度、分子量及び置換度を有するカルボキシメチルセルロース級を、エマルジョン及び懸濁液調製物に使用したことを示す(図1及び図2)。
【0071】
(実施例2:水性懸濁組成物)
【0072】
【表2】
【0073】
(実施例3:懸濁安定性試験の結果)
実施例2に記載の水性懸濁液を懸濁試験に供した。結果を図3に示す。市販のカルボキシメチルセルロースの1.5%、より電流量カルボキシメチルセルロース試料級(0.5%及び1.0%)は溶液の底部又は上部に残存し、室温で24時間を超えて懸濁しないことが観察される。より高い濃度(1.5%)でも、45℃で3ヶ月間、現在の試料級は懸濁したままである。カルボキシメチルセルロースの濃度は、懸濁安定性を決定する。
【0074】
カルボキシメチルセルロースグレードを、様々な乳化剤を用いて安定性試験に供し、セチルヒドロキシエチルセルロースの組み合わせを有する市販のカルボキシメチルセルロース試料と比較した。(図4)。
【0075】
(実施例4:毛束上のカルボキシメチルセルロース)
カルボキシメチルセルロースは、ヘアケア製品に粘度、耐湿性、感覚及びスタイリング効果を提供する。スタイリング用途では、カルボキシメチルセルロースが別個の粘度及びスタイリング重合体を必要とせずに、レオロジー調整剤及びスタイリング重合体の両方として一方で使用することができる。スタイリング用途では、カルボキシメチルセルロースの溶液が粘着性のない透明で脆いフィルムを形成する。スタイリング用途で使用される他の天然由来ポリマーと比較して、カルボキシメチルセルロースは以下に示すように、いくつかの重要な属性、すなわち、耐湿性、剛性、及びカール柔軟性において、これらのポリマーよりも優れている。属性スコアが高いほど、毛束で評価される性能は良好である(図5
【0076】
重合体の2%水溶液(図5)を、湿った長さ6インチ/0.75インチ幅の未使用の茶色の毛束に塗布し、中サイズのヘアローラー上でカール状に巻き上げ、45 Cオーブンで4時間乾燥させた。乾燥後、毛髪をロールから取り出し、訓練されたパネラーによって選択された属性について評価した。
【0077】
(実施例5:カール保持試験)
高湿度カール保持試験(90%相対湿度、80F、24時間)、CMCは自然由来の重合体を上回り、有意に良好な耐湿性を提供した(図6)。
【0078】
カルボキシメチルセルロースは、低レベルでも優れた耐湿性を提供する。ポリマーを0.5%、1%及び2%固形で試験し、すべての固形レベルで100%のカール保持を維持した(図7)。
【0079】
(比較例6:)
従来の合成スタイリングポリマー(アセトリレン系、アクリレート、ビニルピロリドン)と比較して、カルボキシメチルセルロースは以下の表に見られるように、非常に類似したスタイリング性能を有する。スタイリング性能をPolyquaternium-69と比較した(図8)。
【0080】
(実施例7: カルボキシメチルセルロース剪断減粘度)
レオロジー調整剤として、カルボキシメチルセルロースは、より薄くなる粘度を提供する。粘度も用量依存性であり、カルボキシメチルセルロースの量が多いほど粘度が高くなる。Brookfield RVT粘度計(10rpm)を用いて、カルボキシメチルセルロースの水溶液に対して粘度を測定した。
【0081】
【表3】
【0082】
(比較例8: カルボキシメチルセルロース及び架橋ポリアクリル酸応力値)
2%固形分では、カルボキシメチルセルロースがカルボマー、アクリレートコポリマーなどの一般的に使用されるアクリレートレオロジー変性剤のより環境に優しい、天然由来の増粘剤の適切な代替物であった。全体として、カルボキシメチルセルロースはカルボマーよりも低いゼロせん断粘度を有するが、2%固形ではより高い降伏応力値を有する。より高い降伏応力値は、油、微粒子、ビードなどのより良好な懸濁と相関する(図9a及び図9b)。40mmサンドブラストステンレス鋼平行板と結合したTA計器からの応力制御AR‐G2レオメーターを用いて、25°Cでの試料の降伏応力とせん断粘度を測定した。
【0083】
【表4】
【0084】
(実施例9:pHで安定なスタイリングゲル中のカルボキシメチルセルロース)
スタイリングゲル中のカルボキシメチルセルロースは、粘度が広いpH範囲で安定であったことである。典型的なアクリレート増粘剤は塩感受性であり、狭い機能的pH領域有する。図10に見られるように、カルボキシメチルセルロースの粘度は、312のpH領域安定なままである。
【0085】
(実施例10: カルボキシメチルセルロース -降伏応力)
0.5と0.75のカルボキシメチルセルロースの降伏応力がない水中の1% カルボキシメチルセルロースから得られた降伏応力。図11に示すように、水中の1% CMCから得られた多項式粘度構築及び降伏応力。
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
(実施例11: DHP Cassiaと組み合わせたカルボキシメチルセルロース)
工程1:カルボキシメチルセルロース及びDHP Cassiaの乾燥粉末を混合し、次いで、粉末を水相に添加し、10分後に低粘度及び相分離を得た。
【0089】
工程2:可溶化カルボキシメチルセルロースを添加し、次いで、DHP Cassiaを添加すると、CSPが破壊された粘度が結果、10分後に相分離される。カルボキシメチルセルロースとの結合が困難なDHP Cassiaの高い電荷密度のために、より低いCassia Hydroxypropyltrimonium Chlorideレベルで試みた。
【0090】
(実施例12:ポリマーと組み合わせたカルボキシメチルセルロース)
% 1%カチオン性グアーと組み合わせたカルボキシメチルセルロースは、懸濁特性を有する。
【0091】
【表7】
【0092】
(実施例13: カルボキシメチルセルロースをPolymersRheologyプロファイルと組み合わせた-振幅掃引-降伏応力)
【0093】
【表8】
【0094】
(実施例14:白人の毛髪束及び剛性に関する感覚評価)
【0095】
【表9】
【0096】
(実施例15:ゲルクリーム)
式1% CMC + 1% MHPCは、40.000 cpsの粘度を示す。粘度が高く、降伏応力が高く、オイルレベルが低いため、安定性について結論を出すことは困難である。したがって、3%のオイルミックスと15%のソルビタンオレエートデシルグルコシドクロスポリマー(HLB 8-10)を加えて、乳化剤濃度を3%と6%に減らす(図12)。
【0097】
【表10】
【0098】
【表11】
【0099】
開示された及び/又は特許請求された発明概念の組成物及び方法を特定の態様に関して説明してきたが、開示された及び/又は特許請求された発明概念の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された方法の組成物及び/又は方法に、及び工程又は工程の配列で、変形を適用できることは当業者には明らかであろう。当業者に明らかな全てのそのような類似の代替物及び修正は、開示された本発明の趣旨、範囲、及び概念の範囲内であると見なされる及び/又はクレームされた発明概念。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
【国際調査報告】