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特表2024-529690ベース層の特徴部に重なるトレースを含むハードドライブフレクシャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ベース層の特徴部に重なるトレースを含むハードドライブフレクシャ
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20240801BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G11B21/21 C
G11B5/60 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508561
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022039882
(87)【国際公開番号】W WO2023018746
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/232,064
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/883,208
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517151084
【氏名又は名称】マグネコンプ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】MAGNECOMPCORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コチャプラユク、ツリースーン
(72)【発明者】
【氏名】プー、ジョナサン ヒー-トー
(72)【発明者】
【氏名】イー、クエン チー
(72)【発明者】
【氏名】グラース、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ワリンシリルクス、ラッキート
(57)【要約】
フレクシャは、その近位端から遠位端まで延びる導電性トレースを含む。フレクシャはまた、フレクシャの近位端に開口部を画定するように構成される複数の外側ジンバルストラットを含む。フレクシャはまた、開口部内に延びる長円形の特徴部を含み、長円形の特徴部はアパーチャを画定する。導電性トレースは、アパーチャの近位端で長円形の特徴部の第1の部分に重なるとともに、アパーチャの遠位端まで延びる第1の半円形の導電性トレース部分を含む。導電性トレースは、アパーチャの近位端で長円形の特徴部の第2の部分に重るとともに、アパーチャの遠位端まで延びる第2の半円形の導電性トレース部分を含む。第1および第2の半円形の導電性トレース部分は、アパーチャを画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレクシャであって、
フレクシャの近位端から遠位端まで延びる複数の導電性トレースと、
フレクシャの近位端に開口部を画定するように構成される複数の外側ジンバルストラットと、
前記開口部内に延びる長円形の特徴部であって、アパーチャを画定する長円形の特徴部と、を備えており、
前記複数の導電性トレースは、前記アパーチャの近位端で前記長円形の特徴部の第1の部分に重なるとともに、前記アパーチャの遠位端まで延びる第1の半円形の導電性トレース部分を含んでおり、
前記複数の導電性トレースは、前記アパーチャの近位端で前記長円形の特徴部の第2の部分に重なるとともに、前記アパーチャの遠位端まで延びる第2の半円形の導電性トレース部分を含む、フレクシャ。
【請求項2】
各外側ジンバルストラットが、ブリッジストラットに接続されており、ブリッジストラットが、前記複数の導電性トレースの一部を支持するように構成されている、請求項1に記載のフレクシャ。
【請求項3】
前記長円形の特徴部の第2の部分が、該長円形の特徴部の第1の部分の反対側にある、請求項1に記載のフレクシャ。
【請求項4】
前記複数の導電性トレースが、銅で形成された一体型電気リードを含む、請求項1に記載のフレクシャ。
【請求項5】
前記複数の導電性トレースが、第1の絶縁材料層と、第1の絶縁材料層上の信号導体と、信号導体上の絶縁性保護カバーコート層と、を含む、請求項1に記載のフレクシャ。
【請求項6】
ステンレス鋼で形成された基部をさらに備えている、請求項1に記載のフレクシャ。
【請求項7】
前記長円形の特徴部が、前記基部の一部である、請求項6に記載のフレクシャ。
【請求項8】
前記複数の導電性トレースが、誘電体層を使用してステンレス鋼から絶縁されている、請求項6に記載のフレクシャ。
【請求項9】
スライダ舌部にヘッドスライダを備えている、請求項1に記載のフレクシャ。
【請求項10】
前記複数の導電性トレースおよび前記長円形の特徴部が、前記スライダ舌部において前記ヘッドスライダのための補強支持構造として構成されている、請求項9に記載のフレクシャ。
【請求項11】
サスペンションであって、
フレクシャを備えており、フレクシャは、
フレクシャの近位端から遠位端まで延びる複数の導電性トレースと、
フレクシャの近位端に開口部を画定するように構成される複数の外側ジンバルストラットと、
前記開口部内に延びる長円形の特徴部であって、アパーチャを画定する長円形の特徴部と、を備えており、
前記複数の導電性トレースは、前記アパーチャの近位端で前記長円形の特徴部の第1の部分に重なるとともに、前記アパーチャの遠位端まで延びる第1の半円形の導電性トレース部分を含んでおり、
前記複数の導電性トレースは、前記アパーチャの近位端で前記長円形の特徴部の第2の部分に重なるとともに、前記アパーチャの遠位端まで延びる第2の半円形の導電性トレース部分を含む、サスペンション。
【請求項12】
各外側ジンバルストラットが、ブリッジストラットに接続されており、ブリッジストラットが、前記複数の導電性トレースの一部を支持するように構成されている、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項13】
前記長円形の特徴部の第2の部分が、該長円形の特徴部の第1の部分の反対側にある、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項14】
前記複数の導電性トレースが、銅で形成された一体型電気リードを含む、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項15】
前記複数の導電性トレースが、第1の絶縁材料層と、第1の絶縁材料層上の信号導体と、信号導体上の絶縁性保護カバーコート層と、を含む、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項16】
前記フレクシャが、ステンレス鋼で形成された基部をさらに備えている、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項17】
前記長円形の特徴部が、前記基部の一部である、請求項16に記載のサスペンション。
【請求項18】
前記複数の導電性トレースが、誘電体層を使用してステンレス鋼から絶縁されている、請求項16に記載のサスペンション。
【請求項19】
スライダ舌部にヘッドスライダをさらに備えている、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項20】
前記複数の導電性トレースおよび前記長円形の特徴部が、前記スライダ舌部において前記ヘッドスライダのための補強支持構造を提供する、請求項19に記載のサスペンション。
【請求項21】
基部プレートと、
ロードビームと、をさらに備えており、
前記フレクシャが、前記ロードビームに取り付けられるとともに、磁気読取り/書込みヘッドスライダを前記フレクシャのジンバル部分に取り付けるように構成されている、請求項11に記載のサスペンション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハードディスクドライブ用サスペンションの分野に関する。より具体的には、本開示は、サスペンション用フレクシャの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ハードディスクドライブや、光ディスクドライブのような他のタイプの回転媒体ドライブはよく知られている。典型的なディスクドライブユニットは、ディスクドライブ上に記憶されるデータを構成する磁気記憶媒体の1と0のパターンを含む回転磁気ディスクを含む。磁気ディスクは駆動モータによって駆動される。ディスクドライブユニットは、ロードビームの遠位端に近接して磁気読取り/書込み部が取り付けられるディスクドライブサスペンションをさらに含む。サスペンションまたはロードビームの近位端は、支持される端部、すなわち、スエージ加工または他の方法でアクチュエータアームに取り付けられる基部プレートに最も近い端部である。サスペンションまたはロードビームの遠位端は、近位端とは反対側にある端部のことであり、すなわち、遠位端は片持ち端部である。
【0003】
サスペンションはアクチュエータアームに結合され、アクチュエータアームは、ボイスコイルモータに結合され、データディスク上の正しいデータトラック上にヘッドスライダを配置するためにサスペンションを円弧状に動かす。ヘッドスライダは、ヘッドスライダがディスク上の適切なデータトラックに追従するようにピッチおよびロールを可能にするジンバル上に搭載され、ディスクの振動、衝突などの慣性事象、およびディスク表面の凹凸などの変動を許容する。
【0004】
1段作動式サスペンションでは、ボイスコイルモータのみがサスペンションを動かす。2段作動式(DSA)サスペンションでは、サスペンション上にある小さなアクチュエータがヘッドスライダを動かし、ヘッドスライダを正しいデータトラック上に位置決めする。アクチュエータは、ボイスコイルモータよりもヘッドスライダの位置決めが細かく、ボイスコイルモータよりもサーボ帯域幅が広い。アクチュエータは、DSAサスペンション設計に応じてサスペンションの様々な場所に設置されてもよい。DSAサスペンションに使用されるアクチュエータは、ミリアクチュエータまたはマイクロアクチュエータと呼ばれている。
【発明の概要】
【0005】
フレクシャは、その近位端から遠位端まで延びる導電性トレース(conductive trace)を含む。フレクシャはまた、フレクシャの近位端に開口部を画定するように構成される複数の外側ジンバルストラットを含む。フレクシャはまた、開口部内に延びる長円形(oblong)の特徴部を含み、長円形の特徴部はアパーチャを画定する。導電性トレースは、アパーチャの近位端で長円形の特徴部の第1の部分に重なるとともに、アパーチャの遠位端まで延びる第1の半円形の導電性トレース部分を含む。導電性トレースは、アパーチャの近位端で長円形の特徴部の第2の部分に重るとともに、アパーチャの遠位端まで延びる第2の半円形の導電性トレース部分を含む。第1および第2の半円形の導電性トレース部分は、アパーチャを画定する。
【0006】
フレクシャのいくつかの例では、各外側ジンバルストラットはブリッジストラットに接続されており、ブリッジストラットは、導電性トレースの一部を支持するように構成される。さらに、長円形の特徴部の第2の部分は、長円形の特徴部の第1の部分の反対側にある。フレクシャのいくつかの例では、導電性トレースは、銅で形成された一体型電気リードを含む。フレクシャの代替例では、導電性トレースは、第1の絶縁材料層と、第1の絶縁材料層上に配置される銅合金信号導体と、銅合金信号導体上の絶縁性保護カバーコート層とを含む。
【0007】
フレクシャのいくつかの例では、フレクシャは、ステンレス鋼で形成された基部をさらに含む。長円形の特徴部は、基部の一部であってもよい。導電性トレースは、誘電体層を使用してステンレス鋼から絶縁されている。フレクシャはまた、スライダ舌部にヘッドスライダを含むことができる。導電性トレースおよび長円形の特徴部は、スライダ舌部におけるヘッドスライダの補強支持構造を提供する。
【0008】
サスペンションはフレクシャを含む。フレクシャは、その近位端から遠位端まで延びる導電性トレースを含む。フレクシャはまた、フレクシャの近位端に開口部を画定するように構成される複数の外側ジンバルストラットを含む。フレクシャはまた、開口部内に延びる長円形の特徴部を含み、長円形の特徴部はアパーチャを画定する。導電性トレースは、アパーチャの近位端で長円形の特徴部の第1の部分に重なるとともに、アパーチャの遠位端まで延びる第1の半円形の導電性トレース部分を含む。導電性トレースは、アパーチャの近位端で長円形の特徴部の第2の部分に重るとともに、アパーチャの遠位端まで延びる第2の半円形の導電性トレース部分を含む。第1および第2の半円形の導電性トレース部分は、アパーチャを画定する。
【0009】
サスペンションのいくつかの例では、各外側ジンバルストラットはブリッジストラットに接続されており、ブリッジストラットは、導電性トレースの一部を支持するように構成される。さらに、長円形の特徴部の第2の部分は、長円形の特徴部の第1の部分の反対側にある。サスペンションのいくつかの例では、導電性トレースは、銅で形成された一体型電気リードを含む。サスペンションの代替例では、導電性トレースは、第1の絶縁材料層と、第1の絶縁材料層上に配置される銅合金信号導体と、銅合金信号導体上の絶縁性保護カバーコート層とを含む。
【0010】
サスペンションのいくつかの例では、サスペンションは、ステンレス鋼で形成された基部をさらに含む。長円形の特徴部は、基部の一部であってもよい。導電性トレースは、誘電体層を使用してステンレス鋼から絶縁されている。サスペンションはまた、スライダ舌部にヘッドスライダを含むことができる。導電性トレースおよび長円形の特徴部は、スライダ舌部におけるヘッドスライダの補強支持構造を提供する。
【0011】
複数の実施例を開示するが、本開示のさらに他の実施例は、本開示の例示的実施例を示し、説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものとみなされ、制限的なものではない。
【0012】
本開示の上述の利点および他の利点ならびに特徴を得ることができる態様を説明するために、添付図面に示された具体例を参照して、上述の原理のより具体的な説明を行う。これらの図面は、本開示の例示的な態様のみを示し、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。本原理は、以下の図面を使用して、さらなる特異性および詳細とともに記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一例による、磁気ハードディスクドライブの上面斜視図を示す。
図2】本開示の一例による、図1のディスクドライブのサスペンションの上面図を示す。
図3】本開示の一例による、サスペンションフレクシャの上面図を示す。
図4】本開示の一例による、図3のサスペンションフレクシャの拡大図を示す。
図5図3に示すような一実施形態によるサスペンションフレクシャのPZT周波数応答関数のグラフを示す。
図6】本開示の代替例による、サスペンションフレクシャの上面図を示す。
図7】本開示の一例による、図6のサスペンションフレクシャの拡大図を示す。
図8図6に示すような一実施形態によるサスペンションフレクシャのPZT周波数応答関数のグラフを示す。
図9図6に示すような一実施形態によるサスペンションと比較した、図3に示すような一実施形態によるサスペンションのPZT周波数応答関数のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、例示的なハードディスクドライブ100およびサスペンションデバイスの上面斜視図を示す。ハードディスクドライブ100は、ディスクドライブに記憶されるデータを構成する磁気的な1および0のパターンを含む回転磁気ディスク101を含む。磁気ディスクは駆動モータによって駆動される。ディスクドライブ100は、磁気ヘッドスライダなどのヘッドスライダがロードビーム107の遠位端に近接して取り付けられるサスペンション105をさらに含む。サスペンションまたはロードビーム107の近位端は、支持される端部、すなわち、スエージ加工または他の方法でアクチュエータアームに取り付けられる基部プレートに最も近い端部である。サスペンションまたはロードビームの遠位端は、近位端とは反対側にある端部のことであり、すなわち、遠位端は片持ち端部である。
【0015】
サスペンション105は、アクチュエータアーム103に結合されており、このアームはボイスコイルモータ112に結合されて、データディスク101上の正しいデータトラック上にヘッドスライダを配置するためにサスペンション105を円弧状に動かす。ヘッドスライダは、ヘッドスライダが回転ディスク上の適切なデータトラックに追従するようにピッチおよびロールを可能にするジンバル上に搭載され、ディスクの振動、衝突などの慣性事象、およびディスク表面の凹凸などの変動を許容する。
【0016】
サスペンション全体を動かすボイスコイルモータ112に加えて、いくつかの例示的なサスペンションは、磁気ヘッドスライダの微細な動きをもたらし、回転するディスク上のデータトラック上に適切に整列させるために、サスペンション上に配置された追加のマイクロアクチュエータを含む。マイクロアクチュエータは、ボイスコイルモータだけではサスペンション、ひいては磁気ヘッドスライダの比較的粗い動きをもたらすのに比べ、サーボ制御ループをより細かく、より高い帯域幅で制御することができる。圧電素子(単にPZTと呼ばれることもある)はマイクロアクチュエータモータとして使用されることが多いが、他のタイプのマイクロアクチュエータモータも可能である。
【0017】
図2は、図1のサスペンション105の上面図を示す。2つのPZTマイクロアクチュエータ14は、基部プレート12内に形成されたマイクロアクチュエータ取付棚18上のサスペンション105に、PZTがベースプレート12のそれぞれの間隙にまたがるように取り付けることができる。マイクロアクチュエータ14は、マイクロアクチュエータの各端部でエポキシ16によって取付棚18に固定される。正および負の電気的接続は、様々な技術によって、PZTからサスペンションのフレキシブル配線トレースおよび/またはプレートに対して行うことができる。マイクロアクチュエータ14は作動すると、伸縮し、それによって取付棚間の間隙の長さが変化し、サスペンション105の遠位端に取り付けられた読取り/書込みヘッドの微細な動きが生じる。
【0018】
サスペンション105は、基部プレート12と、ロードビーム107と、ロードビーム107に溶接または他の方法で取り付けられたフレクシャと、フレクシャの遠位のジンバル部分に取り付けられた磁気読取り/書込みヘッドスライダとを含む。
【0019】
図3は、ジンバル上部から見た、本開示の一例によるサスペンションのフレクシャ305の上面図を示す。フレクシャ305は通常、ジンバルなし部分または剛性の基部312を含む。フレクシャ305はまた、磁気読取り/書込みヘッドスライダを取り付けることができるスライダ舌部362を含むジンバル部分を備えている。フレクシャ305はまた、フレキシブル電気回路または導電性トレース338を含む。導電性トレース338は、フレクシャの近位端から遠位端まで延在する。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0020】
ジンバル構造により、ディスクがスライダの下で回転するときに、スライダ舌部362を含むジンバル部分が、データディスクの表面の凹凸に応じて自由にピッチおよびロールすることができる。スライダは、ロードビームのディンプル位置342で、3度(ピッチ、ロール、ヨー)の回転運動ができるように支持されている。図の例示的な実施例では、ジンバルは、外側ジンバルストラット(単に外側ストラット)334を含むリングジンバルの形態をとる。フレクシャ305は、ブリッジストラット332も含み、このブリッジストラットは、外側ジンバルストラット334から延びて導電性トレース338の一部を支持する。
【0021】
導電性トレース338は、ブリッジストラット332から開口部318を越えて近位端の基部312まで延在する。基部312は、開口部318内に延びる長円形の特徴部321を含み、長円形の特徴部321は、アパーチャ320を画定する。導電性トレース338は、第1の半円形導電性トレース部分339と第2の半円形導電性トレース部分337とを含む。第1の半円形の導電性トレース部分339は、アパーチャ341の近位端において長円形の特徴部321に重なり、アパーチャ320をさらに画定する。第1の半円形の導電性トレース部分339は、アパーチャ343の遠位端において長円形の特徴部321と重ならず、むしろ開口部318内に延びる。同様に、第2の半円形の導電性トレース部分337は、アパーチャ341の遠位端において長円形の特徴部321に重なり、アパーチャ320をさらに画定する。第2の半円形導電性トレース部分337は、アパーチャ343の遠位端において長円形の特徴部321に重ならず、むしろ開口部318内に延びる。
【0022】
図4は、本開示の一例による、図3のフレクシャ305の拡大図を示す。上述したように、第1の半円形の導電性トレース部分339は、アパーチャ343の遠位端において長円形の特徴部321に重ならず、むしろ開口部318内に延びる。したがって、長円形の特徴部321と第1の半円形導電性トレース部分339との間に、第1の間隙401が形成される。さらに、第2の半円形導電性トレース部分337は、アパーチャ343の遠位端において長円形の特徴部321に重ならず、むしろ開口部318内に延びる。したがって、長円形の特徴部321と第2の半円形導電性トレース部分337との間に、第2の間隙402が形成される。
【0023】
図5は、図3に示すような一実施形態によるサスペンションフレクシャのPZT周波数応答関数のグラフを示す。サスペンションは、約11dBのピークツーピークの高次ジンバルねじれモードのゲインおよび約39.5kHzのヨー周波数を示した。
【0024】
図6は、ジンバル頂部から見た、本開示の一例によるサスペンションのフレクシャ405の上面図を示す。フレクシャ405は、ジンバルなし部分または剛性基部412と、ジンバル部分とを含む。ジンバル部分は、マイクロアクチュエータ414と、磁気読取り/書込みヘッドスライダを取り付けることができるスライダ舌部462とを含む。フレクシャ405は、ステンレス鋼からなる。ジンバル部分も例えばステンレス鋼で作られている。
【0025】
フレクシャ405はまた、フレキシブル電気回路または導電性トレース438を含むことができる。導電性トレース438は、フレクシャの近位端から遠位端まで延在する。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0026】
ジンバル構造により、ディスクがスライダの下で回転するときに、スライダ舌部462を含むジンバル部分が、データディスクの表面の凹凸に応じて自由にピッチおよびロールすることができる。スライダは、ロードビームのディンプル位置442で、3度(ピッチ、ロール、ヨー)の回転運動ができるように支持されている。いくつかの様々なジンバル設計が存在し、商業的に使用されており、図の例示的な例では、ジンバルは、外側ジンバルストラット(単に外側ストラット)434を含むリングジンバルの形態をとる。フレクシャ405は、ブリッジストラット432も含み、このブリッジストラットは、外側ジンバルストラット434から延びて導電性トレース438の一部を支持する。
【0027】
導電性トレース438は、ブリッジストラット432から開口部418を越えて近位端の基部412まで延在する。基部412は、開口部418内に延びる長円形の特徴部421を含み、長円形の特徴部421は、アパーチャ420を画定する。導電性トレース438は、第1の半円形の導電性トレース部分439と第2の半円形の導電性トレース部分437とを含む。第1の半円形の導電性トレース部分439は、アパーチャ441の遠位端およびアパーチャ443の遠位端で長円形の特徴部421の第1の部分に重なり、アパーチャ420を画定する。同様に、第2の半円形の導電性トレース部分437は、アパーチャ441の遠位端およびアパーチャ443の遠位端で長円形の特徴部421の第2の部分に重なり、アパーチャ420を画定する。長円形の特徴部421の第2の部分は、長円形の特徴部421の第1の部分の反対側にある。
【0028】
導電性トレース438は、銅および/または他の導電性材料から形成することができる一体化された電気リードを含む。あるいは、導電性トレース438は、ポリイミドなどの絶縁材料の層、ポリイミドの上の銅合金信号導体、および銅信号導体の上のポリイミドの別の絶縁層などの絶縁性保護カバーコートを含むことができる。長円形の特徴部421を含む基部412は、ステンレス鋼または他の弾性材料層から形成することができる。導電性トレース438は、誘電体層または他の絶縁材料層を使用してステンレス鋼から絶縁することができる。導電性トレース438およびステンレス鋼の長円形の特徴部421は共に、スライダ舌部462においてヘッドスライダのための補強支持構造を提供する。いくつかの例では、導電性トレース438の上にカバー層を設けることができる。
【0029】
図7は、本開示の実施例による、図6のサスペンション400のフレクシャ405の拡大図を示す。上述したように、第1および第2の半円形の導電性トレース部分439、437は、アパーチャの近位端および遠位端において長円形の特徴部421に重なり、長円形の特徴部421と導電性トレース部分との間の間隙を排除する。第1および第2の半円形の導電性トレース部分439、437は、一旦アパーチャが画定されると、開口部418内に延びる。このように、長円形の特徴部421に重なる第1および第2の半円形の導電性トレース部分439、437は、実施形態によれば、サスペンション400のフレクシャ405のPZT周波数応答関数を向上させる。
【0030】
図8は、図6に示すような一実施形態によるサスペンションフレクシャのPZT周波数応答関数のグラフを示す。サスペンションは、約1dBのピークツーピークの高次ジンバルねじれモードのゲインおよび約41.3kHzのヨー周波数を示した。サスペンションは、図5に示したシミュレーションと比較して、高次ジンバルねじりモードのゲインが約10dB減少し、ヨー周波数が約1.8kHz増加した。これらは、ヘッド位置決め制御ループの帯域幅を広げ、データシーク時間を短縮し、振動の影響を受けにくくする上で有利である。
【0031】
図9は、図6に示すような一実施形態によるサスペンションと比較した、図3に示すような一実施形態によるサスペンションのPZT周波数応答関数のグラフを示す。図9のグラフの2列目に示すように、導電性トレースと長円形の特徴部との重なりを含まないサスペンションは、18dBのゲイン範囲を示したのに対し、導電性トレースと長円形の特徴部との重なりを含んだサスペンションは2dBであった。さらに、導電性トレースと長円形の特徴部との重なりを含まないサスペンションは、3dBのヨーゲイン範囲を示したのに対し、導電性トレースと長円形の特徴部との重なりを含むサスペンションは1.7dBであった。図9に示すグラフの3列目の対応する位相プロットも同様に、高次ジンバルねじれは位相角範囲が小さいことを示している。
【0032】
本明細書および特許請求の範囲内で使用される「概して」、「およそ」、「約」、「実質的に」、および「同一平面上」という用語は、任意の正確な寸法、測定値、および配置からのある量の変動を許容し、それらの用語は、本開示の説明および動作の文脈内で理解されるべきであることが理解されるであろう。
【0033】
さらに、本明細書の明細書および特許請求の範囲内で使用される「上部」、「底部」、「上方」、および「下方」などの用語は、任意の特定の空間的配向または重力配向ではなく、互いに対する部品の空間的関係を示す便宜上の用語であることが理解されよう。したがって、これらの用語は、アセンブリが、図面に示され、本明細書で説明される特定の向きに配向されているか、その向きから逆さまに配向されているか、または任意の他の回転変形であるかにかかわらず、構成部品のアセンブリを包含することが意図される。
【0034】
特許請求の範囲、要約書、および図面を含む本明細書に開示されるすべての特徴、ならびに開示される任意の方法またはプロセスにおけるすべてのステップは、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。特許請求の範囲、要約書、および図面を含む本明細書に開示された各特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同じ、同等の、または同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えることができる。したがって、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示される各特徴は、一般的な一連の同等または類似の特徴の一例にすぎない。
【0035】
本明細書で使用される「例」という用語は、単一の必須要素または要素のグループを有する単一の例のみが提示されることを意味すると解釈されるべきではないことを諒解されよう。同様に、「本開示」という用語は、それぞれ別個の例とみなすことができるいくつかの別個のイノベーションを包含することも理解されよう。本開示は、したがって、その好ましい実施例および図面に関して詳細に説明されたが、本開示の種々の適応および修正が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく達成され得ることが、当業者に明白となるはずである。したがって、上記の詳細な説明および添付の図面は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの適切に解釈される法的均等物からのみ推測されるべきであることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】