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特表2024-529693複数の障壁とデュアルコンバージョンゲインをもつ小面積の自己較正障壁変調画素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】複数の障壁とデュアルコンバージョンゲインをもつ小面積の自己較正障壁変調画素
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/76 20230101AFI20240801BHJP
   H04N 25/77 20230101ALI20240801BHJP
【FI】
H04N25/76
H04N25/77
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508646
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022040005
(87)【国際公開番号】W WO2023018839
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021120779.7
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】63/263,861
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524053720
【氏名又は名称】エーエムエス・センサーズ・ユーエスエー・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523367130
【氏名又は名称】エーエムエス・センサーズ・ベルギー・ベーフェーベーアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デンヴァ―・ロイド
(72)【発明者】
【氏名】アディ・シャコニ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ジョンソン
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CX06
5C024CX43
5C024GX03
5C024GX16
5C024GX18
5C024GY31
5C024HX13
5C024HX17
5C024HX35
5C024HX47
5C024HX50
(57)【要約】
画素配列が提供され、この画素配列は、電磁放射を変換することによって電荷キャリアを蓄積するように構成される光検出器と、光検出器に電気的に結合された移転トランジスタと、移転トランジスタに電気的に結合された拡散ノードと、拡散ノードおよび画素電源電圧に電気的に結合されたリセットトランジスタと、少なくとも第1のキャパシタおよび第2のキャパシタを備えるサンプルホールド段と、増幅器を介して拡散ノードに電気的に結合されているサンプルホールド段の入力とを備え、移転トランジスタが、蓄積された電荷キャリアの複数の部分を拡散ノードに移転するために異なる電圧レベルへとパルス駆動されるように構成され、少なくとも第2のキャパシタが、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成され、第1のキャパシタが、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成される。さらに、画素配列を動作させる方法および画素配列を備えるイメージセンサが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射を変換することによって電荷キャリアを蓄積するように構成される光検出器(20)と、
前記光検出器(20)に電気的に結合された移転トランジスタ(30)と、
前記移転トランジスタ(30)に電気的に結合された拡散ノード(42)と、
前記拡散ノード(42)および画素電源電圧(VDD)に電気的に結合されたリセットトランジスタ(50)と、
少なくとも第1のキャパシタ(70)および第2のキャパシタ(80)を備えるサンプルホールド段であって、前記サンプルホールド段の入力が増幅器(60)を介して前記拡散ノード(42)に電気的に結合される、サンプルホールド段と、
を備え、
前記移転トランジスタ(30)が、前記蓄積された電荷キャリアの複数の部分を前記拡散ノード(42)に移転するために異なる電圧レベルへとパルス駆動されるように構成され、
少なくとも前記第2のキャパシタ(80)が、前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成され、
前記第1のキャパシタ(70)が、前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成される、画素配列(10)。
【請求項2】
前記低コンバージョンゲイン信号および前記高コンバージョンゲイン信号が共通のノイズレベルを備え、
前記高コンバージョンゲイン信号が、画素固有のニーポイント値に応じて画素出力信号を調整するための較正レベルを示す、請求項1に記載の画素配列(10)。
【請求項3】
デュアルコンバージョンゲイントランジスタ(140)と、
デュアルコンバージョンゲインキャパシタ(150)と、
をさらに備え、
前記デュアルコンバージョンゲイントランジスタ(140)が、前記拡散ノード(42)を前記デュアルコンバージョンゲインキャパシタ(150)の端子ノードに接続し、
前記リセットトランジスタ(50)が、前記端子ノードおよび前記デュアルコンバージョンゲイントランジスタ(140)を介して前記拡散ノード(42)に電気的に結合される、請求項1から2のいずれか一項に記載の画素配列(10)。
【請求項4】
少なくとも2つのスイッチングトランジスタ(90、100)をさらに備え、
各スイッチングトランジスタ(90、100)が、前記サンプルホールド段のそれぞれのキャパシタ(70、80)に割り当てられ、前記それぞれのキャパシタ(70、80)の端子ノードを前記サンプルホールド段の前記入力に結合する、請求項1から3のいずれか一項に記載の画素配列(10)。
【請求項5】
前記サンプルホールド段が厳密に2つのキャパシタ(70、80)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の画素配列(10)。
【請求項6】
前記サンプルホールド段が、所定の数の追加のキャパシタ(75)をさらに備え、前記追加のキャパシタ(75)の各々が、前記蓄積された電荷キャリアのさらなる部分を表す追加の信号を貯蔵するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の画素配列(10)。
【請求項7】
前記サンプルホールド段の出力に結合されたさらなる増幅器(110)と、選択トランジスタ(120)とをさらに備え、前記選択トランジスタ(120)が、前記さらなる増幅器(110)を列バス(130)に電気的に接続する、請求項1から6のいずれか一項に記載の画素配列(10)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の画素配列(10)を備える、イメージセンサ(200)。
【請求項9】
画素配列(10)を動作させる方法であって、
露光期間(EP)の間に、
第1の統合期間(T1)において、前記画素配列(10)が備える光検出器(20)を用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、
前記第1の統合期間(T1)の終わりにおいて、前記蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノード(42)に移転するために第1の電圧レベル(V1)へと移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップであって、前記分量が電源電圧(VDD)に排出されるように構成される、ステップと、
第2の統合期間(T2)において、前記光検出器(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
貯蔵期間(FS)の間に、
前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を前記拡散ノード(42)に移転するために前記第1の電圧レベル(V1)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの前記第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された少なくとも第2のキャパシタ(80)に貯蔵するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を前記拡散ノード(42)に移転するためにフル電圧レベル(Vf)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された第1のキャパシタ(70)に貯蔵するステップと、
読み出し期間(RO)の間に、
前記キャパシタ(70、80)に貯蔵されている前記低コンバージョンゲイン信号および前記高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップと、
を備える、方法。
【請求項10】
前記露光期間(EP)の間に、前記第2の統合期間(T2)の後、
それぞれのさらなる電圧レベル(V2、V3)へと前記移転トランジスタ(30)を少なくとも1回追加でパルス駆動するステップをさらに備え、
各々の追加のパルス駆動により、前記蓄積された電荷キャリアの追加の分量が、前記電源電圧(VDD)に排出されるように構成され、各々の追加のパルス駆動の後、それぞれの追加の統合期間(T3、T4)において、前記光検出器(20)を用いて電荷キャリアを追加で蓄積し続ける、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記露光期間の間の連続するパルスが加えられる際の電圧レベル(V1、V2、V3)が等しく、またはパルスごとに低下する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記露光期間(EP)の間の前記パルス駆動の後の統合期間(T1、T2、T3、T4)が、統合期間ごとに低下する、請求項9から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記高コンバージョンゲイン信号が、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分に基づく較正レベルを示す、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記較正レベルに基づいて決定される画素固有のニーポイント値に応じて、前記低コンバージョンゲイン信号および/または前記高コンバージョンゲイン信号に基づいて画素出力信号を調整するステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記低コンバージョンゲイン信号を読み取ることがダブルデルタサンプリングを備え、前記高コンバージョンゲイン信号を読み取ることが相関ダブルサンプリングを備える、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記貯蔵期間(FS)の間に、
前記蓄積された電荷キャリアのさらなる部分を前記拡散ノード(42)に移転するために前記それぞれのさらなる電圧レベルへと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの前記さらなる部分を表すさらなる信号を、前記拡散ノード(42)に結合されたさらなるキャパシタ(75)に貯蔵するステップと、
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記さらなる信号が、前記蓄積された電荷キャリアの前記さらなる部分に基づくさらなる較正レベルを示し、
前記画素出力信号を調整するステップが、前記さらなる較正レベルに基づいて決定されるさらなる画素固有のニーポイント値に応じて行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記読み出し期間(RO)の間に、
前記さらなるキャパシタ(75)に貯蔵されている前記さらなる信号を読み出すステップをさらに備え、前記さらなる信号を読み出すステップが相関ダブルサンプリングを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
画素配列(10)を動作させる方法であって、
露光期間(EP)の間に、前記画素配列(10)が備える光検出器(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し、前記蓄積の間に、
前記蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノード(42)に移転するために第1の電圧レベル(V1)へと移転トランジスタ(30)をパルス駆動する第1のステップであって、前記分量が電源電圧(VDD)に排出されるように構成される、ステップ、
前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を前記拡散ノード(42)に移転するために前記第1の電圧レベル(V1)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動する第2のステップ、および
前記蓄積された電荷キャリアの前記第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された少なくとも第2のキャパシタ(80)に貯蔵するステップ
を実行するステップと、
前記露光期間(EP)の終わりにおいて、前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を前記拡散ノード(42)に移転するためにフル電圧レベル(Vf)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記フル電圧レベル(Vf)への前記パルス駆動の後、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された第1のキャパシタ(70)に貯蔵するステップと、
読み出し期間(RO)の間に、前記キャパシタ(70、80)に貯蔵されている前記低コンバージョンゲイン信号および前記高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップと、
を備える、方法。
【請求項20】
前記第1の電圧レベル(V1)への第1のパルス駆動の後および前記第1の電圧レベル(V1)への第2のパルス駆動の前に、前記蓄積された電荷キャリアのそれぞれのさらなる分量を前記拡散ノード(42)に移転するためにそれぞれのさらなる電圧レベル(V2、V3)へと前記移転トランジスタ(30)を少なくとも1回追加でパルス駆動するステップをさらに備え、前記さらなる分量が前記電源電圧(VDD)に排出されるように構成される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張および相互参照
本出願は、2021年11月10日に出願された米国仮出願第63/263,861号、および2021年8月10日に出願されたドイツ特許出願第102021120779.7号の利益を主張し、これらは全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、画素配列、イメージセンサ、および画素配列を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
CMOSイメージセンサは、カメラモジュールおよびスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップなどの、広範囲の用途に使用される。一部の用途では、たとえば85dBを超える高いダイナミックレンジ(HDR)が必要とされる。ダイナミックレンジ(DR)は、一方では弱光条件においてノイズフロアにより制約され、他方では強光条件において飽和効果により制約される。さらに、そのようなイメージセンサが備える画素のサイズは小さく保たれなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
達成されるべき目的は、ダイナミックレンジの高い画素配列およびそのような画素配列を動作させるための方法を提供することである。達成されるべきさらなる目的は、ダイナミックレンジの高い画素配列を備えるイメージセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの目的は、独立請求項の主題を用いて達成される。さらなる発展および実施形態は従属請求項に記述される。
【0006】
ここでは、および以下では、「画素」および「画素配列」という用語は、他の画素とともに、マトリックスとも呼ばれる2次元アレイに並べられ得る受光素子を指す。アレイの中の画素は、行および列に並べられる。「行」および「列」という用語は交換可能に使用することができ、それは、それらが画素アレイの向きにしか依存しないからである。画素は、画素へのおよび画素からの信号を制御するための回路も含み得る。したがって、画素はいわゆるアクティブピクセルを形成し得る。画素は任意の波長範囲の光を受け取り得る。「光」という用語は、たとえば赤外(IR)放射、紫外(UV)放射、および可視(VIS)光を含む、電磁放射を全般に指し得る。
【0007】
ある実施形態では、画素配列は、電磁放射を変換することによって電荷キャリアを蓄積するように構成される光検出器を備える。画素配列は、グローバルシャッタ画素、特にVGS画素と省略される電圧ドメイングローバルシャッタ画素を形成し得る。画素がローリングシャッタ画素を形成することも可能である。光検出器は特に、フォトダイオードまたはピン留めフォトダイオードであり得る。フォトダイオードは基板、特に半導体基板に配置され得る。
【0008】
ある実施形態では、画素配列は、光検出器に電気的に結合された移転トランジスタを備える。ある実施形態では、画素配列は、移転トランジスタに電気的に結合された拡散ノードを備える。移転トランジスタはスイッチを形成する。移転トランジスタの第1の端子は光検出器に接続され、移転トランジスタの第2の端子は拡散ノードに接続される。移転信号を移転トランジスタのゲートに加えることによって、電荷キャリアが拡散ノードに向かって光検出器から拡散することができる。拡散ノードは、FDノードと省略されるフローティング拡散ノードであり得る。FDノードは、電荷キャリアを一時的に貯蔵するための静電容量を備え得る。以下では、FDノードおよび拡散ノードという用語は同義的に使用される。
【0009】
ある実施形態では、画素配列は、拡散ノードおよび画素電源電圧に電気的に結合されたリセットトランジスタを備える。リセットトランジスタは、FDノードをリセットするために設けられる。リセットトランジスタはスイッチを形成する。リセットトランジスタの第1の端子は画素電源電圧に接続され、第2の端子はFDノードに結合される。リセット信号をリセットトランジスタのゲートに加えることによって、あらゆる余計な電荷キャリアが画素電源に排出される。
【0010】
ある実施形態では、画素配列は、少なくとも第1のキャパシタおよび第2のキャパシタを備えるサンプルホールド段を備える。サンプルホールド段の入力は、増幅器を介して拡散ノードに電気的に結合される。サンプルホールド段はS/H段と省略され得る。第1のキャパシタおよび第2のキャパシタはS/Hキャパシタと呼ばれ得る。S/H段は増幅器を備え得る。増幅器は、ソースフォロワとしても知られているドレイン共通増幅器として形成され得る。ソースフォロワのゲート端子は、FDノードに接続され、増幅器の入力端子としての役割を果たす。共通の端子は電源電圧に接続され得る。増幅された信号は、FDノードにおける電荷信号に基づいて増幅器の出力端子において生成される。増幅器は電圧バッファとして使用され得る。増幅器は、信号をバッファリングし、それによりさらなる画素コンポーネントからFDノードを切り離すように構成され得る。キャパシタは、スイッチングトランジスタを介して増幅器の出力端子に電気的に結合される。キャパシタは同じまたは似た静電容量を有し得る。
【0011】
ある実施形態では、移転トランジスタは、蓄積された電荷キャリアの複数の部分を拡散ノードに移転するために異なる電圧レベルへとパルス駆動されるように構成される。異なる電圧レベルは部分的な電圧レベルであり得る。したがって、光検出器と拡散ノードとの間のポテンシャル障壁が、改変または変調され得る。したがって、画素配列は障壁変調のために使用され得る。障壁に応じて、蓄積された電荷キャリアの一部が障壁を乗り越えることができ、拡散ノードに移転され得る。
【0012】
ある実施形態では、少なくとも第2のキャパシタは、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成される。低コンバージョンゲイン信号はLCG信号と呼ばれ得る。LCG信号は、第2のキャパシタに貯蔵されてもよく、または第1のキャパシタと第2のキャパシタの両方に再分配されてもよい。LCG信号は、低ゲインで生成された信号を指す。これは、信号が蓄積された電荷キャリアの一部だけ、特に第1の部分だけに基づくことを意味し得る。これは、LCG信号が追加で減衰されることも意味し得る。
【0013】
ある実施形態では、第1のキャパシタは、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成される。高コンバージョンゲイン信号はHCG信号と呼ばれ得る。HCG信号は第1のキャパシタに貯蔵される。HCG信号は、高ゲインで生成された信号を指す。これは、主要な部分であり得る蓄積された電荷キャリアの残りの部分に、信号が基づくことを意味し得る。これは、HCG信号が追加で増幅されることも意味し得る。
【0014】
画素配列障壁は、移転ゲートの障壁変調を利用する。障壁変調によって、画素配列のダイナミックレンジを上げることができる。さらに、画素配列のこの機能を実現するには、2つのキャパシタしか必要とされない。これは、画素配列の面積を小さくすることを可能にする。
【0015】
ある実施形態では、画素配列は、電磁放射を変換することによって電荷キャリアを蓄積するように構成される光検出器と、光検出器に電気的に結合された移転トランジスタと、移転トランジスタに電気的に結合された拡散ノードと、拡散ノードおよび画素電源電圧に電気的に結合されたリセットトランジスタと、少なくとも第1のキャパシタおよび第2のキャパシタを備えるサンプルホールド段と、増幅器を介して拡散ノードに電気的に結合されるサンプルホールド段の入力とを備え、移転トランジスタは、蓄積された電荷キャリアの複数の部分を拡散ノードに移転するために異なる電圧レベルへとパルス駆動されるように構成され、少なくとも第2のキャパシタは、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成され、第1のキャパシタは、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成される。
【0016】
ある実施形態では、低コンバージョンゲイン信号および高コンバージョンゲイン信号は、共通のノイズレベルを備える。共通のノイズレベルは、特に熱ノイズおよびリセットノイズからなり得る。したがって、HCG信号の基準レベルとしてLCG信号が使用され得る。これは、HCGが相関ダブルサンプリング(CDS)を用いて入手され得ることを意味する。HCG信号は弱光条件において使用されるので、熱ノイズは重要なパラメータである。この場合、LCG信号は、どのようなビデオ情報も伴わずにノイズだけを備え得る。HCG信号は、LCG信号と追加のビデオ信号を足したものに等しくてもよく、追加のビデオ信号はノイズのない純粋なビデオ信号を表してもよい。したがって、HCG信号のノイズは、LCG信号のノイズと相関している。熱ノイズおよびリセットノイズは、CDSにより効果的に抑制され得る。CDSを実行することは、LCG信号がHCG信号から差し引かれることを意味し得る。強光条件では、LCGはさらに処理される。ここでは、熱ノイズはあまり重要ではなく、それは、高い照度ではフォトンショットノイズが支配的であるからである。ここでは、ダブルデルタサンプリング(DDS)で十分である。それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のためにLCG信号を使用するか、またはHCG信号を使用するかが決定され得る。
【0017】
ある実施形態では、高コンバージョンゲイン信号は、画素固有のニーポイント値に応じて画素出力信号を調整するための較正レベルを示す。したがって、較正レベルに基づいて決定される画素固有のニーポイント値に応じて、LCG信号およびHCG信号に基づいて画素出力信号を調整することが可能である。障壁変調のための電圧レベルおよびHCG信号を知っていると、障壁についての情報を推測することができる。したがって、HCG信号はLCG信号のための較正レベルとして使用され得る。これは、較正レベルがHCG信号に等しいことを意味し得る。
【0018】
ある実施形態では、画素配列は、デュアルコンバージョンゲイントランジスタおよびデュアルコンバージョンゲインキャパシタをさらに備える。デュアルコンバージョンゲイントランジスタは、拡散ノードをデュアルコンバージョンゲインキャパシタの端子ノードに接続し、リセットトランジスタは、前記端子ノードおよびデュアルコンバージョンゲイントランジスタを介して拡散ノードに電気的に結合される。デュアルコンバージョンゲインはDCGと省略され得る。DCGキャパシタは、以下では第3のキャパシタとも名付けられることがある。DCGトランジスタは、以下では結合トランジスタと名付けられることがある。DCGトランジスタおよびDCGキャパシタによって、LCG信号およびHCG信号のコンバージョンゲインが調整され得る。ある実施形態では、画素配列は少なくとも2つのスイッチングトランジスタをさらに備え、各スイッチングトランジスタは、サンプルホールド段のそれぞれのキャパシタに割り当てられ、それぞれのキャパシタの端子ノードをサンプルホールド段の入力に結合する。それぞれのスイッチ信号を加えることによって、LCG信号およびHCG信号はそれぞれのキャパシタに移転され、そこに貯蔵され得る。
【0019】
ある実施形態では、サンプルホールド段の第1のキャパシタおよび第2のキャパシタは並列に配置される。この実施形態では、キャパシタは、割り当てられたスイッチングトランジスタによって独立に制御され得る。
【0020】
ある実施形態では、サンプルホールド段の少なくとも2つのキャパシタはカスケード接続で配置される。この実施形態では、第1のスイッチングトランジスタは、増幅器の出力端子を第1のキャパシタの端子ノードに結合する。第2のスイッチングトランジスタは、第1のキャパシタの端子ノードを第2のキャパシタの端子ノードに結合する。並列配置の場合よりも、必要な回路コンポーネントが少ない。
【0021】
ある実施形態では、サンプルホールド段は2つだけのキャパシタを備える。
【0022】
ある実施形態では、サンプルホールド段は、所定の数の追加のキャパシタをさらに備え、追加のキャパシタの各々は、蓄積された電荷キャリアのさらなる部分を表す追加の信号を貯蔵するように構成される。さらに、追加の信号の各々は、画素出力信号を調整するための追加の較正レベルを示し得る。
【0023】
ある実施形態では、画素配列は、サンプルホールド段の出力に結合されたさらなる増幅器と、さらなる増幅器を列バスに電気的に接続する選択トランジスタとを備える。
【0024】
さらに、上の実施形態の1つで説明されるような画素配列を備えるイメージセンサが提供される。具体的には、イメージセンサは画素配列のアレイを備え得る。これは、画素配列について開示されたすべての特徴が、イメージセンサについても開示されて適用可能であり、その逆も成り立つことを意味する。
【0025】
イメージセンサは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、またはカメラモジュールなどの、光電子デバイスにおいて便利に利用され得る。たとえば、カメラモジュールは、写真および/またはビデオ撮影のために可視領域で動作するように構成される。さらに、画素配列は、グローバルシャッタモードで動作するのに特に適しており、それは、信号が画素レベルメモリ、すなわち第1のキャパシタおよび第2のキャパシタに貯蔵されるからである。グローバルシャッタモードは赤外用途に特に適しており、このとき、イメージセンサデバイスは、画素と同期される光源をさらに備える。したがって、そのようなイメージセンサを備える光電子デバイスは、たとえば3Dイメージングおよび/または識別の目的で、赤外(IR)領域においても機能し得る。赤外線を感じるイメージセンサは、ビデオフィードが必要とされるような暗い環境において使用され得る。そのような用途は、携帯電話の顔によるロック解除から運転手監視システムにまでわたる。それらの両方において、電話のユーザ/運転手が自身を照らす光により眩惑されないように、近赤外線(SWIR)スペクトルにある照明器を配備することができる。
【0026】
さらに、画素配列を動作させるための方法が提供される。上で説明された画素配列は、本明細書で説明される画素配列を動作させるための方法のために好ましくは利用され得る。これは、画素配列が以下の方法に従って動作するように構成され得ることを意味し得る。画素配列およびイメージセンサについて開示されたすべての特徴が、画素配列を動作させるための方法についても開示され、その逆も成り立つ。
【0027】
方法のある実施形態では、方法は、露光期間の間に、第1の統合期間において、画素配列が備える光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積するステップを備える。方法はさらに、露光期間の間に、第1の統合期間の終わりにおいて、蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノードに移転するために、第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップを備え、前記分量は電源電圧に排出されるように構成される。第1の統合期間は露光期間の一部である。これは、露光期間がいくつかの統合期間、たとえば第1の統合期間および第2の統合期間へと再分割されることを意味し得る。第1の電圧レベルは、移転トランジスタの閾値電圧未満の電圧レベルであり得る。これは、第1の電圧レベルが部分的な電圧レベルであることを意味し得る。第1の電圧レベルを移転トランジスタに加えることによって、光検出器と拡散ノードとの間のポテンシャル障壁が低くなる。したがって、余剰の電荷キャリアは、低くなったポテンシャル障壁を乗り越え、光検出器から拡散ノードに移転され得る。これらの余剰の電荷キャリアは、蓄積された電荷キャリアの前記分量と呼ばれる。前記分量は電源電圧に排出されるように構成される。これは、前記部分が拡散ノードに移転された後、拡散ノードがリセットされることを意味し得る。拡散ノードのリセットは、上で言及されたように、拡散ノードと画素電源端子との間で接続されるリセットトランジスタにリセット信号を加えることによって実現され得る。前記分量の排出は、露光期間の終わりに、または露光期間の後に、たとえば貯蔵期間または専用の排出期間の最初に行われ得る。
【0028】
ある実施形態では、方法はさらに、露光期間の間に、第2の統合期間において、光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップを備える。第2の統合期間は露光期間の一部である。第2の統合期間は第1の統合期間より後にある。第2の統合期間は第1の統合期間の直後にあり得る。露光期間は、第1の統合期間および第2の統合期間を備えてもよく、またはそれらからなっていてもよい。露光期間はより多くの統合期間を備えてもよい。第2の統合期間の後でフォトダイオードに蓄積される電荷キャリアは、第1の統合期間および第2の統合期間の間に蓄積された電荷キャリアから、排出されることになる電荷キャリアの分量を引いたものを備え得る。
【0029】
ある実施形態では、方法はさらに、貯蔵期間の間に、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を拡散ノードに移転するために第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップと、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、拡散ノードに結合された少なくとも第2のキャパシタに貯蔵するステップとを備える。貯蔵期間は露光期間の直後にあり得る。蓄積された電荷キャリアの第1の部分を移転することは、蓄積された電荷キャリアの分量を排出するための拡散ノードをリセットした後に行われ得る。蓄積された電荷キャリアの第1の部分は、蓄積された電荷キャリアの分量とは異なる。しかしながら、第1の電圧レベルが再び移転ゲートに加えられるので、ポテンシャル障壁は同じ量だけ下がる。したがって、蓄積された電荷キャリアの第1の部分は、第2の統合期間の間に蓄積された余剰の電荷キャリアに対応する。蓄積された電荷キャリアの第1の部分は排出されず、貯蔵される。上で言及されたように、2つのキャパシタがカスケード接続で配置される場合、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表すLCG信号は両方のキャパシタに分配され得る。キャパシタが並列に配置される場合、LCG信号は第2のキャパシタに貯蔵され得る。LCG信号を貯蔵することは、キャパシタに割り当てられたそれぞれのスイッチ(スイッチングトランジスタ)にスイッチ信号を加えることによって実現され得る。
【0030】
ある実施形態では、方法はさらに、貯蔵期間の間に、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を拡散ノードに移転するためにフル電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップと、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、拡散ノードに結合された第1のキャパシタに貯蔵するステップとを備える。フル電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動することは、第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動することより後に行われる。フル電圧レベルは、移転トランジスタの閾値電圧レベルを超える電圧レベルであり得る。したがって、フル電圧レベルを加えることによって、移転トランジスタは導電状態になる。したがって、フル電圧レベルを加えることによって、光検出器と拡散ノードとの間のポテンシャル障壁は、第1の電圧レベルが加えられるときポテンシャル障壁より低い。具体的には、ポテンシャル障壁は完全に放散され得る。したがって、光検出器において蓄積された残りの電荷キャリアは拡散ノードに移転される。
【0031】
ある実施形態では、方法はさらに、読み出し期間の間に、キャパシタに貯蔵されている低コンバージョンゲイン信号および高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップを備える。読み出し期間は貯蔵期間の直後にあり得る。上で言及されたように、それぞれの信号を読み出すことは、選択信号を選択トランジスタに加えることによって行われ得る。選択信号は、信号が貯蔵されているキャパシタを画素の列バスに接続する。上で説明されたように、キャパシタは、さらなる増幅器を介して列バスに電気的に結合され得る。さらなる増幅器は、さらなるソースフォロワとして実装され得る。
【0032】
説明される方法は、移転トランジスタの障壁変調を備える。障壁変調によって、画素配列のダイナミックレンジを上げることができる。具体的には、画素配列のダイナミックレンジは、強光条件において蓄積された電荷キャリアのある分量を排出することによって上げられる。HCG信号は、画素出力信号の線形化の間に必要とされるニーポイント較正値を含む。具体的には、第1の統合期間および第2の統合期間のそれぞれの長さ、ならびに第1の電圧レベルを知っていると、線形化された信号を再構築することが可能である。各画素の移転トランジスタは、製造プロセスにおけるばらつきおよび変動の対象である。したがって、移転トランジスタの閾値電圧は各画素に対して異なる。これは、光検出器と拡散ノードとの間の障壁が、第1の電圧レベルを加えるときに各画素に対して異なることを意味し得る。しかしながら、固定パターンノイズ(FPN)を乗り除くために、厳密な障壁レベルを知っていることは重要である。第1の電圧レベルおよび画素のHCG信号(第1の電圧レベルを加えた後の蓄積された電荷キャリアの残りの部分に対応する)から、障壁に対する出力信号の依存性についての情報が導出され得る。その上、露光期間の間に加えられる第1の電圧レベルは貯蔵期間の間にも加えられるので、第1の統合期間と第2の統合期間の比およびHCG信号が、第1の統合期間の終わりにおいて電源電圧に排出された電荷キャリアの量がどれだけ多かったかを決定するために使用され得る。この量およびLCG信号が与えられると、強光条件において使用される画素出力信号が再構築され得る。
【0033】
さらに、LCG信号はHCG信号のための基準レベルとなってもよく、それは、拡散ノードがLCG信号の貯蔵とHCG信号の貯蔵との間でリセットされないので、両方の信号が共通のノイズレベルに基づくからである。したがって、CDSは、弱光条件において使用されるHCG信号のために実行され得る(弱光条件では、LCG信号はノイズしか含まず、ビデオ情報を含まない)。
【0034】
ある実施形態では、方法は、露光期間の間に、第1の統合期間において、画素配列が備える光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、第1の統合期間の終わりに、蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノードに移転するために第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップであって、前記分量が電源電圧に排出されるように構成される、ステップと、第2の統合期間において、光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップとを備える。方法はさらに、貯蔵期間の間に、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を拡散ノードに移転するために第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップと、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、拡散ノードに結合された少なくとも第2のキャパシタに貯蔵するステップと、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を拡散ノードに移転するためにフル電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップと、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、拡散ノードに結合された第1のキャパシタに貯蔵するステップと、を備える。方法はさらに、読み出し期間の間に、キャパシタに貯蔵されている低コンバージョンゲイン信号および高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップを備える。
【0035】
ある実施形態では、方法はさらに、露光期間の間および第2の統合期間の後に、移転トランジスタをそれぞれのさらなる電圧レベルへと少なくとも1回追加でパルス駆動するステップを備え、各々の、蓄積された電荷キャリアの追加の分量を追加でパルス駆動することは、画素電源電圧に排出されるように構成される。各々の追加のパルス駆動に続いて、それぞれの追加の統合期間において、光検出器を用いて電荷キャリアを追加で蓄積し続ける。ある例では、さらなる電圧レベルは、それぞれ第2の電圧レベルまたは第3のレベルである。ある例では、追加の統合期間は、それぞれ第3の統合期間または第4の統合期間である。第3の統合期間は、第2の電圧レベルへのパルスの後にあってもよい。第4の統合期間は、第3の電圧レベルへのパルスの後にあってもよく、以下同様である。言い換えると、露光期間の間に、移転トランジスタは、いくつかの部分的な電圧レベルへとn回パルス駆動されてもよく、電荷が電源に排出される。蓄積された電荷キャリアの複数の分量を電源に排出することは、露光期間の後に行われ得る。したがって、n個の追加の障壁レベルを利用できるので、ダイナミックレンジがさらに拡張され得る。
【0036】
ある実施形態では、露光期間の間に連続するパルスが加えられる際の電圧レベルは等しく、またはパルスごとに低下する。ある例では、第1の電圧レベルは第2の電圧レベル以上である。ある例では、第2の電圧レベルは第3の電圧レベル以上であり、以下同様である。
【0037】
ある実施形態では、露光期間の間のパルス駆動に続く統合期間は、統合期間ごとに減少する。これは、前記統合期間の時間間隔が減少することを意味する。ある例では、第1の統合期間は第2の統合期間より長い。ある例では、第2の統合期間は第3の統合期間より長く、第3の統合期間は第4の統合期間より長くてもよく、以下同様である。このようにして、蓄積された電荷キャリアの量は、統合期間ごとに減少する。したがって、蓄積された電荷キャリアの排出される分量についての情報は失われず、電圧レベルおよび統合期間の知識に基づいて再構築され得る。したがって、線形化された画素出力信号を再構築することが可能である。
【0038】
ある実施形態では、高コンバージョンゲイン信号は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分に基づく較正レベルを示す。HCG信号は較正レベルを含み、それは、露光期間の間に加えられる第1の電圧レベルは貯蔵期間の間にも加えられるからである。
【0039】
ある実施形態では、方法はさらに、較正レベルに基づいて決定される画素固有のニーポイント値に応じて、低コンバージョンゲイン信号および/または高コンバージョンゲイン信号に基づいて画素出力信号を調整するステップを備える。第1の電圧レベルおよびHCG信号が与えられると、障壁についての情報が導出され得る。したがって、HCG信号はLCG信号のための較正レベルとして使用され得る。これは、較正レベルがHCG信号に等しいことを意味し得る。言い換えると、蓄積された電荷キャリアの排出された部分についての情報は失われず、第1の電圧レベルおよびHCG信号および統合期間に基づいて再構築され得る。さらに、移転トランジスタのばらつきにより引き起こされるFPNを取り除くために、後処理において較正レベルが必要とされる。較正レベルは、統合の間に発生した追加のn-1個のパルスにより引き起こされるFPNのばらつきを取り除くための基準としても使用され得る。
【0040】
ある実施形態では、低コンバージョンゲイン信号を読み出すことは、ダブルデルタサンプリング(DDS)を備える。DDSは、LCG信号のための基準レベルとしてリセットレベルを使用することによって実行され得る。リセットレベルは、たとえばHCG信号およびLCG信号が読み出された後で、読み出し期間の間のあるステップにおいて読み出され得る。FDノードをリセットすることは、リセット信号をリセットトランジスタに加えることによって実行される。リセットレベルは画素配列の非ビデオ信号を指し、すなわち光検出器からのビデオ信号を伴わない。FDノードをリセットすることによって、HCG信号およびLCG信号のノイズと相関しない追加のノイズがもたらされる。しかしながら、画素配列のリセットレベルは、固定パターンノイズ(FPN)についての情報を備える。
【0041】
ある実施形態では、高コンバージョンゲイン信号を読み取ることは、相関ダブルサンプリングを備える。上で言及されたように、CDSを実行するためのHCG信号の基準レベルとしてLCG信号を使用することができ、それは、両方の信号が共通のノイズレベルに基づくからである。したがって、LCG信号は、HCG信号から差し引かれ得る。
【0042】
ある実施形態では、拡散ノードは、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を移転することと蓄積された電荷キャリアの残りの部分を移転することとの間でリセットされないので、高コンバージョンゲイン信号および低コンバージョンゲイン信号は共通のノイズレベルに基づく。
【0043】
ある実施形態では、方法はさらに、貯蔵期間の間に、蓄積された電荷キャリアのさらなる部分を拡散ノードに移転するためにそれぞれのさらなる電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップと、蓄積された電荷キャリアのさらなる部分を表すさらなる信号を、拡散ノードに結合されたさらなるキャパシタに貯蔵するステップとを備える。これは、S/H段が、第1のキャパシタおよび第2のキャパシタにカスケード接続されて配置される、またはそれらと並列に配置される、さらなるキャパシタを備え得ることを意味し得る。さらなる電圧レベルは、露光期間の間に加えられるそれぞれの電圧レベルであり得る。すなわち、さらなる電圧レベルは、第2の電圧レベル、第3の電圧レベルなどであり得る。移転トランジスタをそれぞれのさらなる電圧レベルへとパルス駆動することは、貯蔵期間の間に移転トランジスタを第1の電圧レベルへとパルス駆動するより前にあり得る。対応する電圧レベルが貯蔵期間の間に加えられる順序は、露光期間において対応するパルスが加えられる順序の逆であり得る。したがって、蓄積された電荷キャリアの対応するさらなる部分は、対応するパルスにおいて露光期間の間にそれぞれの電圧レベルへ排出された電荷キャリアの分量についての情報を与えるので、さらなる較正レベルとしての役割を果たし得る。
【0044】
ある実施形態では、さらなる信号は、蓄積された電荷キャリアのさらなる部分に基づくさらなる較正レベルを示し、画素出力信号を調整するステップは、さらなる較正レベルに基づいて決定されるさらなる画素固有のニーポイント値に応じて行われる。
【0045】
ある実施形態では、方法はさらに、読み出し期間の間に、さらなるキャパシタに貯蔵されているさらなる信号を読み出すステップを備え、さらなる信号を読み取ることは相関ダブルサンプリングを備える。これは、さらなる信号、LCG信号、およびHCG信号が共通のノイズレベルに基づくことを意味し得る。
【0046】
さらに、画素配列を動作させるための別の方法が提供される。上で説明された画素配列は、この動作方法のためにも使用され得る。これは、画素配列およびイメージセンサについて開示されたすべての特徴が、画素配列を動作させる以下の方法についても開示されること、およびその逆も成り立つことを意味する。さらに、上で論じられた方法の態様は以下の方法に対しても重要である。したがって、上記の方法の実施形態は、以下の方法についても開示され、適用可能である。
【0047】
ある実施形態では、画素配列を動作させる方法は、露光期間の間に、画素配列が備える光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積するステップを備える。方法はさらに、蓄積の間に、蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノードに移転するために第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動する第1のステップであって、前記分量が電源電圧に排出されるように構成される、ステップ、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を拡散ノードに移転するために第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動する第2のステップ、および、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、拡散ノードに結合された少なくとも第2のキャパシタに貯蔵するステップという、ステップを実行するステップを備える。露光期間の終わりに、方法はさらに、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を拡散ノードに移転するためにフル電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップを備える。フル電圧レベルへの前記パルス駆動の後で、方法はさらに、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、拡散ノードに結合された第1のキャパシタに貯蔵するステップを備える。
【0048】
ある実施形態では、方法はさらに、読み出し期間の間に、キャパシタに貯蔵されている低コンバージョンゲイン信号および高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップを備える。
【0049】
第1の電圧レベルはフル電圧レベルより低くてもよい。フル電圧レベルは、たとえば2.8Vであってもよい。第1の電圧レベルは、たとえば0.8Vであってもよい。キャパシタに高コンバージョンゲイン信号および低コンバージョンゲイン信号を貯蔵することは、貯蔵期間の間に行われ得る。したがって、貯蔵期間は露光期間と重複し得る。第1の電圧レベルへの第1のパルスから第1の電圧レベルへの第2のパルスまでの期間は、第1の統合期間と呼ばれ得る。上で説明されたように、蓄積された電荷キャリアのその分量を排出することは、リセット信号をリセットトランジスタに加えることによって達成される。
【0050】
有利には、画素配列を動作させる方法は、画素配列のダイナミックレンジを上げるために、移転トランジスタの障壁変調を使用する。有利には、貯蔵キャパシタ、すなわち第1のキャパシタおよび第2のキャパシタだけが必要であり、それらのキャパシタの一方は蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表すLCG信号を貯蔵し、それらのキャパシタの他方は蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表すHCG信号を貯蔵する。有利には、画素出力信号は、LCG信号およびHCG信号に基づいて再構築され得る。HCG信号は、特に強光条件において、障壁変調のための較正レベルを示し得る。LCG信号は、特に弱光条件において、相関ダブルサンプリングのための基準レベルを示し得る。
【0051】
ある実施形態では、蓄積された電荷キャリアの第1の部分は、低コンバージョンゲインを加えることによって貯蔵される。これは、LCG信号が低コンバージョンゲインでサンプリング/貯蔵されることを意味し得る。これは、結合トランジスタへの結合信号を有効にすることによって達成され得る。結合トランジスタはデュアルコンバージョンゲイントランジスタと名付けられ得る。ある実施形態では、蓄積された電荷キャリアの残りの部分は、高コンバージョンゲインを加えることによって貯蔵される。これは、LCG信号が低コンバージョンゲインでサンプリング/貯蔵されることを意味し得る。これは、結合信号を無効にすることによって達成され得る。結合信号をデュアルコンバージョンゲイントランジスタに加えることによって、拡散ノードは、第3のキャパシタと名付けられ得るデュアルコンバージョンゲインキャパシタに電気的に接続される。したがって、拡散ノードおよびデュアルコンバージョンゲインキャパシタは短絡され得る。拡散ノードとデュアルコンバージョンゲインキャパシタを短絡することによって、全体の静電容量が増大する。電荷を一定に保つと、これは電圧信号の低下につながる。したがって、拡散ノード上の電圧が下げられ得る。したがって、静電容量を大きくすることによって、ゲインが低下する。これは、拡散ノードと第3のキャパシタが短絡される場合、画素配列のゲインが低下することを意味する。言い換えると、第3のキャパシタが拡散ノードから電気的に切り離される場合、画素配列のゲインは増大する。したがって、2つの異なるコンバージョンゲインが提供され得る。デュアルゲインを使用すると、画素配列のより大きいダイナミックレンジが可能になる。有利には、デュアルゲインを障壁変調と組み合わせることができ、さらにより大きなダイナミックレンジを可能にする。有利には、2つの貯蔵キャパシタ、すなわち第1のキャパシタおよび第2のキャパシタしか必要とされない。したがって、デュアルコンバージョンゲインモードでは、両方のゲインが画素レベルキャパシタに貯蔵され、列レベルでの再構築のために利用可能である。
【0052】
第1のキャパシタおよび第2のキャパシタは、並列に配置され、またはカスケード接続で配置され得る。露光期間の前に、フォトダイオードおよび拡散ノードからあらゆる余剰の電荷キャリアを取り除くためのリセット期間があり得る。
【0053】
ある実施形態では、方法はさらに、第1の電圧レベルへの第1のパルス駆動の後および第1の電圧レベルへの第2のパルス駆動の前に、蓄積された電荷キャリアのそれぞれのさらなる分量を拡散ノードに移転するためにそれぞれのさらなる電圧レベルへと移転トランジスタを少なくとも1回追加でパルス駆動するステップを備え、前記さらなる分量は電源電圧に排出されるように構成される。
【0054】
ある例では、方法は、蓄積された電荷キャリアのさらなる分量を拡散ノードに移転するために第2の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動するステップを備え、前記さらなる分量は電源電圧に排出されるように構成される。第2の電圧レベルは第1の電圧レベルより低くてもよい。第2の電圧レベルは、たとえば0.4Vであってもよい。第2の電圧レベルへのパルスから第1の電圧レベルへの第2のパルスまでの期間は、第2の統合期間と呼ばれ得る。したがって、第2の統合期間は、第1の統合期間より短く、第1の統合期間と重複する。
【0055】
ある実施形態では、第1の電圧レベルへの第2のパルス駆動まで連続するパルスが加えられる際の電圧レベルは等しく、またはパルスごとに低下する。ある実施形態では、高コンバージョンゲイン信号は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分に基づく較正レベルを示す。ある実施形態では、方法はさらに、較正レベルに基づいて決定される画素固有のニーポイント値に応じて、低コンバージョンゲイン信号および/または高コンバージョンゲイン信号に基づいて画素出力信号を調整するステップを備える。ある実施形態では、低コンバージョンゲイン信号を読み取ることは、ダブルデルタサンプリング読み取りである。ある実施形態では、高コンバージョンゲイン信号を読み取ることは、相関ダブルサンプリング読み取りである。
【0056】
方法のさらなる実施形態は、上で説明された画素配列の実施形態および画素配列を動作させる方法から当業者に明らかになり、その逆も成り立つ。画素配列は、電圧ドメイングローバルシャッタ画素を形成し得る。代替として、画素配列はローリングシャッタ画素を形成する。開示される方法は、画素のパイプラインモード(S/Hキャパシタへのそれぞれの信号のパイプライン化)に影響を及ぼすことなくHDRを達成する。複数の障壁を使用することによって、ダイナミックレンジがさらに拡張され得る。画素配列は、2つのS/Hキャパシタのみを利用することにより面積を小さくすることができる。さらに、デュアルコンバージョンゲインコンポーネントを利用することによって、弱光性能が改善され得る。方法は自己較正障壁変調を利用するので、追加の読み取りは不要である。これは、追加の障壁を較正するための基準レベルとして較正レベルをHCG信号が含むので可能である。本開示は、読み取りの1つがニーポイント較正として使用され、第1のニーポイントを基準レベルとして使用して追加のニーポイントが使用されて較正されるような、あらゆるシステムに適用される。
【0057】
さらに、イメージングデバイスを動作させるための方法が提供され、イメージングデバイスは上で説明されたような画素配列を備える。これは、画素配列およびイメージセンサについて開示されたすべての特徴が、イメージングデバイスを動作させる方法についても開示され、その逆も成り立つことを意味する。
【0058】
ある実施形態では、イメージングデバイスを動作させる方法は、
露光期間の間に、
第1の統合期間において、イメージングデバイスが備える画素の光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、
第1の統合期間の終わりに、第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動する第1のステップであって、移転トランジスタが光検出器に電気的に結合される、ステップと、
第2の統合期間において、光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
第2の統合期間の終わりに、第2の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動する第2のステップと、
第3の統合期間において、光検出器を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
貯蔵期間の間に、
移転トランジスタに電気的に結合された拡散ノードおよび拡散ノードに電気的に結合されたゲインコンバージョンノードをリセットするステップと、
蓄積された電荷キャリアの第1の部分を拡散ノードおよびゲインコンバージョンノードに移転するために第1の電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動する第3のステップと、
蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、拡散ノードに電気的に結合されたキャパシタのペアに貯蔵するステップと、
蓄積された電荷キャリアの残りの部分を拡散ノードに移転するために閾値電圧レベルへと移転トランジスタをパルス駆動する第4のステップと、
蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、キャパシタのペアの第1のキャパシタに貯蔵するステップと、
読み出し期間の間に、
キャパシタのペアに貯蔵された低コンバージョンゲイン信号および高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップと、を備える。
【0059】
ある実施形態では、方法はさらに、
露光期間の間に、
第3の統合期間の後で、それぞれのさらなる電圧レベルへと移転トランジスタを少なくとも1回さらにパルス駆動するステップを備え、
各々のさらなるパルス駆動の後に、それぞれのさらなる統合期間において、光検出器を用いて電荷キャリアをさらに蓄積し続ける。
【0060】
ある実施形態では、露光期間の間の各パルス駆動により、蓄積された電荷キャリアのある分量が画素電源電圧に排出される。
【0061】
ある実施形態では、第1の電圧レベルは第2の電圧レベルより高い。
【0062】
ある実施形態では、低コンバージョンゲイン信号を読み出すことはダブルデルタサンプリングを備え、高コンバージョンゲイン信号を読み出すことは相関ダブルサンプリングを備える。
【0063】
ある実施形態では、拡散ノードは、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を移転することと蓄積された電荷キャリアの残りの部分を移転することとの間でリセットされないので、高コンバージョンゲイン信号および低コンバージョンゲイン信号は共通のノイズレベルに基づく。
【0064】
ある実施形態では、高コンバージョンゲイン信号は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分に基づく較正レベルを示す。
【0065】
ある実施形態では、方法はさらに、較正レベルに基づいて決定される画素固有のニーポイント値に応じて、読み出された低コンバージョンゲイン信号および高コンバージョンゲイン信号に基づいて画素出力信号を調整するステップを備える。
【0066】
さらに、上で説明されたような画素配列を備えるイメージングデバイスが提供される。これは、画素配列およびイメージセンサについて開示されたすべての特徴はイメージングデバイスについても開示され、その逆も成り立つことを意味する。
【0067】
ある実施形態では、イメージングデバイスは複数の画素を備え、各画素は、
電磁放射を変換することによって電荷キャリアを蓄積するように構成される光検出器と、
光検出器に電気的に結合された移転トランジスタと、
移転トランジスタに電気的に結合された拡散ノードと、
ゲインスイッチを介して拡散ノードに電気的に結合されたゲインコンバージョンノードと、
ゲインスイッチを介して拡散ノードに電気的に結合されたリセットスイッチと、
キャパシタのペアを備えるサンプルホールド段であって、サンプルホールド段の入力が増幅器を介して拡散ノードに電気的に結合される、サンプルホールド段とを備え、
移転トランジスタが異なる電圧レベルへとパルス駆動されるように構成され、
キャパシタのペアが、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成され、
キャパシタのペアの第1のキャパシタが、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を貯蔵するようにさらに構成される。
【0068】
ある実施形態では、イメージングデバイスはさらに、ゲインコンバージョンノードに電気的に結合されたデュアルゲインキャパシタを備える。
【0069】
ある実施形態では、キャパシタのペアは第1のキャパシタおよび第2のキャパシタを備え、第1のキャパシタの第1の端子は、第1のスイッチを介して増幅器に電気的に結合され、第2のキャパシタの第1の端子は、第2のスイッチを介して第1のキャパシタの第1の端子に電気的に結合され、サンプルホールド段の出力を形成しており、両方のキャパシタの第2の端子は定電圧ノードに電気的に接続される。
【0070】
ある実施形態では、イメージングデバイスはさらに、さらなる増幅器を介してサンプルホールド段の出力を列バスに電気的に接続する選択スイッチを備える。
【0071】
図面の以下の説明は、画素配列の態様および画素配列を動作させる方法をさらに例示して説明し得る。機能的に同一である、または同一の効果をもつ画素配列のコンポーネントおよび部分は、同一の参照記号によって表記される。同一のまたは実質的に同一のコンポーネントおよび部分は、それらが最初に現れる図面に関してのみ説明される。それらの説明は、連続する図面において必ずしも繰り返されない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】画素配列の模範的な実施形態を示す図である。
図2】イメージセンサの模範的な実施形態を示す図である。
図3】画素配列によって実行される模範的な動作を示す図である。
図4】画素配列のための模範的な信号タイミングを示す図である。
図5】障壁変調の間のフォトダイオードにおける電荷を示す図である。
図6】画素配列の模範的な特性を示す図である。
図7】線形の再構築された信号を示す図である。
図8】画素配列の別の模範的な実施形態を示す図である。
図9】画素配列の別の模範的な実施形態を示す図である。
図10】画素配列のための別の模範的な信号タイミングを示す図である。
図11】画素配列のための別の模範的な信号タイミングを示す図である。
図12】画素配列のための別の模範的な信号タイミングを示す図である。
図13】画素配列の別の模範的な特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1において、イメージセンサ200が備える画素配列10の模範的な実施形態が示されている。示される画素配列10は、高いダイナミックレンジ(HDR)を達成するように動作させられ得る。画素配列10は、電磁放射を高コンバージョンゲイン(HCG)信号および低コンバージョンゲイン(LCG)信号に変換するように構成される。
【0074】
画素配列10は、電磁放射を電荷キャリアへと変換するように構成されるフォトダイオード20を備える。フォトダイオード20は光検出器20とも呼ばれ得る。フォトダイオード20はアノード端子およびカソード端子を備える。フォトダイオード20のアノード端子は、グラウンド(GND)でもあり得る負の画素電源電圧VSSに接続される。フォトダイオード20は、任意の波長の光、たとえば可視光、赤外光、および/または紫外光を変換し得る。
【0075】
画素はさらに、フォトダイオード20と拡散ノード42との間に移転トランジスタ30を備える。移転トランジスタ30はスイッチとして働く。移転トランジスタ30は、蓄積された電荷キャリアの複数の部分を拡散ノード42に移転するために異なる電圧レベルへとパルス駆動されるように構成される。移転トランジスタ30の第1の端子は、フォトダイオード20のカソード端子に電気的に接続される。移転トランジスタ30の第2の端子は、拡散ノード42に電気的に接続される。拡散ノード42は、以下ではフローティング拡散(FD)ノードと名付けられ得る。FDノード42は、静電容量40を有してもよく、またはそれに接続されてもよい(図8に示される)。静電容量は、キャパシタ(図示せず)として実装されてもよく、FD静電容量と呼ばれることがある。代替として、静電容量は寄生容量によって形成されてもよい。移転トランジスタ30は、フォトダイオード20からFDノード42に電荷キャリアを移転するために移転信号TXを受信するように構成される。FDノード42、特にFD静電容量は、フォトダイオード20からの電荷キャリアをバッファリングし、または一時的に貯蔵するように構成される。FD静電容量は、電荷キャリアを電圧信号へと変換するように構成され得る。
【0076】
画素配列10はさらに、FDノード42をリセットするための、FDノード42に電気的に結合されたリセットトランジスタ50を備える。リセットトランジスタ50はスイッチとして働く。リセットトランジスタ50の第1の端子は、画素電源電圧VDDに電気的に接続される。リセットトランジスタ50の第2の端子は、結合トランジスタ140を介してFDノードに電気的に接続される。結合トランジスタ140は、デュアルコンバージョンゲイン(DCG)トランジスタ140と名付けられ得る。リセットトランジスタ30は、画素電源電圧VDDを加え、それによりあらゆる余剰の電荷キャリアを排出することによって、FDノード42をリセットするためのリセット信号RSTを受信するように構成される。
【0077】
画素配列10はさらに増幅器60を備え、これはFDノード42に電気的に接続される。増幅器60は、FDノード42における静電容量電圧に応じて、低コンバージョンゲイン(LCG)信号および高コンバージョンゲイン(HCG)信号をそれぞれ生成するように構成される。図1に示されるように、増幅器60は、ソースフォロワとしても知られているドレイン共通増幅器を形成し得る。ソースフォロワのゲート端子62は、FDノード42に接続され、増幅器60の入力端子62としての役割を果たす。共通の端子が電源電圧VDDに接続される。それぞれの増幅された信号は、増幅器60の出力端子64において生成される。
【0078】
画素配列10はさらに、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80を備える。第1のキャパシタ70は、端子ノード72およびさらなる端子ノード74を備える。図1に示されるように、さらなる端子ノード74は基準電位VSS1に接続され得る。さらに、第2のキャパシタ80は、端子ノード82およびさらなる端子ノード84を備える。図1に示されるように、さらなる端子ノード84は基準電位VSS1に接続され得る。少なくとも第2のキャパシタ80は、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表すLCG信号を貯蔵するように構成される。第1のキャパシタ70は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表すHCG信号を貯蔵するように構成される。
【0079】
画素配列10はさらに、増幅器60の出力端子64と第1のキャパシタ70との間に第1のスイッチ90を備える。LCG信号およびHCG信号をキャパシタ70、80の一方または両方に移転するために、第1のスイッチ90が設けられる。第1のスイッチ90は第1のスイッチングトランジスタ90によって形成され得る。第1のスイッチングトランジスタは、第1のスイッチ信号S1を受信するように構成されるゲート端子を備える。第1のスイッチングトランジスタ90の第1の端子は、増幅器60の出力端子64に接続される。第1のスイッチングトランジスタ90の第2の端子は、第1のキャパシタ70の端子ノード72に接続される。
【0080】
画素配列10はさらに、増幅器60の出力端子64と第2のキャパシタ80との間に配置される第2のスイッチ100を備える。LCG信号またはHCG信号を第2のキャパシタ80に移転するために、第2のスイッチ100が設けられる。第2のスイッチ100は第2のスイッチングトランジスタ100によって形成され得る。第2のスイッチングトランジスタ100は、第2のスイッチ信号S2を受信するように構成されるゲート端子を備え得る。第2のスイッチングトランジスタ100の第1の端子は、第1のスイッチングトランジスタ90の第2の端子および第1のキャパシタ70の端子ノード72に接続される。第2のスイッチングトランジスタ100の第2の端子は、第2のキャパシタ80の端子ノード82に接続される。
【0081】
図1による画素配列10はさらに、増幅器60の出力端子64に電気的に結合されたプリチャージトランジスタ160を備える。第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80をプリチャージするためのプリチャージトランジスタ160が設けられてもよく、これは特に、新しい信号が貯蔵される前にキャパシタ70、80が放電されることを意味し得る。プリチャージトランジスタ160は、増幅器60の出力端子64に接続された第1の端子および基準電位VSS1に接続された第2の端子を備える。プリチャージ信号PCをプリチャージトランジスタ160に加えることによって、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80が放電され、バイアス電流が増幅器60に流れる。
【0082】
示されていない代替の実施形態では、プリチャージトランジスタ160の第2の端子は、基準電圧VSS1とは異なり得るさらなる基準電位VSS_PCに接続される。
【0083】
図1による画素配列10はさらなる増幅器100をさらに備え、これは、第2のキャパシタ80に電気的に接続された入力端子112を備え、さらなる増幅器110の出力端子114において画素出力信号を生成するように構成される。増幅器60のように、さらなる増幅器110はソースフォロワとして実装されてもよく、このとき、ゲート112は入力端子112として機能し、共通の端子は画素電源電圧VDDに接続される。
【0084】
画素配列10はさらに、画素出力信号を列バス130に移転するために、さらなる増幅器110の出力端子114と列バス130との間に選択トランジスタ120を備える。選択トランジスタ120は、さらなる増幅器110の出力端子114に接続された第1の端子および列バス130に接続された第2の端子を備える。選択信号SELを選択トランジスタ120に加えることによって、画素出力信号は列バス130に転送される。
【0085】
画素配列10はさらに、FDノード42とリセットトランジスタ50との間に結合トランジスタ140を備える。さらに、画素配列10は第3のキャパシタ150を備える。第3のキャパシタ150は、端子ノード152およびさらなる端子ノード154を備える。第3のキャパシタ150のさらなる端子ノード154は、VSSでもあり得る第2のさらなる基準電位Vrefに接続される。結合トランジスタ140は、FDノード42に接続された第1の端子および第3のキャパシタ150の端子ノード152に接続された第2の端子を備える。結合信号DCGを結合トランジスタ140に加えることによって、FDノード42は第3のキャパシタ150の端子ノード152と短絡される。したがって、全体の静電容量が増大し、コンバージョンゲインが低下する。結合トランジスタ140はデュアルコンバージョンゲイントランジスタ140と名付けられてもよく、第3のキャパシタ150はデュアルコンバージョンゲインキャパシタ150と名付けられてもよい。結合信号DCGは、デュアルコンバージョンゲイン信号DCGと呼ばれ得る。
【0086】
FDノード42の静電容量は、たとえば、増幅器60の入力端子62、移転トランジスタ30の端子のpn接合の静電容量、および結合トランジスタ140の第1の端子のpn接合の静電容量を備える。したがって、FDノード42に接続されたトランジスタの寄生容量は、FDノード42の静電容量をもたらし得る。FDノード42の静電容量の値は、FDノード42に接続されたトランジスタの寄生容量の値の合計であり得る。任意選択で、画素配列10は、たとえばFDノード42に接続されたキャパシタ(図示せず)を含む。このキャパシタは静電容量に寄与し得る。
【0087】
たとえば、第1のキャパシタ70の静電容量と第2のキャパシタ80の静電容量は等しい。第1のキャパシタ70の静電容量は、たとえばFDノード42の静電容量の値より高い。第2のキャパシタ80の静電容量は、たとえばFDノード42の静電容量の値より大きい。第3のキャパシタ150の静電容量は、たとえばFDノード42の静電容量の値より大きい。第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80は、たとえば金属-絶縁体-金属キャパシタとして、または金属-絶縁体-半導体キャパシタとして実現される。第3のキャパシタ150は、たとえば金属-絶縁体-金属キャパシタとして、または金属-絶縁体-半導体キャパシタとして実現される。
【0088】
第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80ならびに第1のスイッチングトランジスタ90および第2のスイッチングトランジスタ100は、増幅器60を介して拡散ノード42に電気的に結合されているサンプルホールド段を形成する。増幅器60および/またはさらなる増幅器110および/またはプリチャージトランジスタ160は、サンプルホールド段の一部であり得る。
【0089】
図2は、画素配列10を伴うイメージセンサ200の模範的な実施形態を示す。イメージセンサ200は画素配列10のアレイを備える。その上、イメージセンサ200はさらに、移転信号TX、結合信号DCG、リセット信号RST、プリチャージ信号PC、第1のスイッチ信号S1、第2のスイッチ信号S2、および選択信号SELを画素配列10のアレイに提供する、行ドライバ204を備える。行ドライバ204は、行の各々のためのこれらの信号を提供する。イメージセンサ200は、列バス130において信号をデジタル化するための評価回路205を含む。
【0090】
以下では、画素配列10の動作が説明される。図3は、図1に示される画素配列10によって実行される模範的な動作を示す。図3では、動作はブロックで示される。画素配列10を動作させるための方法は、たとえば手順またはステップと名付けられ得る以下のブロックを備える。
【0091】
ブロック350: 露光の開始:電磁放射がフォトダイオード20によって電荷キャリアに変換される。これは、電荷キャリアがフォトダイオード20に蓄積されることを意味する。この段階は露光期間EPと呼ばれ得る。露光期間EPは、いくつかの後続の統合期間T1、T2、T3などに再分割され得る。統合期間の数は少なくとも2であり得る。
【0092】
ブロック351: 移転障壁がシステム入力に基づいて改変される。移転トランジスタ30に提供される移転信号TXは、フォトダイオード20とFDノード42との間の障壁を制御する。移転トランジスタは、移転信号TXの第1の電圧レベルV1へとパルス駆動される。移転信号TXの第1の電圧レベルV1は、フォトダイオード20とFDノード42との間の電荷キャリアの流れの障壁が低くなるように選択される。それは、蓄積された電荷キャリアのある分量がFDノード42に移転されることを意味する。その後、電荷キャリアは蓄積され続ける。移転トランジスタは、移転信号TXの第2の電圧レベルV2へとパルス駆動され得る。移転信号TXの第2の電圧レベルV2は、第1の電圧レベルV1が第2の電圧レベルV2より大きくなるように選択され得る。第2のパルスによって、蓄積された電荷キャリアのさらなる分量がFDノード42に移転される。全体の露光の間に任意の数のパルスが加えられ得る。たとえば、第3の電圧レベルV3への第3のパルスが加えられる。ある例では、第1の電圧レベルV1は第2の電圧レベルV2以上である。一般に、後続のパルスのそれぞれの電圧レベルは、先行するパルスの電圧レベル以下であり得る。これは、V1≧V2≧V3などを意味し得る。
【0093】
蓄積された電荷キャリアの前記分量は、画素電源電圧に排出されることになる。前記分量を画素電源電圧VDDに排出することは、リセット信号RSTおよび結合信号DCGを同時に加えることによって行われ得るので、FDノード42は画素電源電圧VDDに電気的に接続される。前記分量の排出は、露光期間EPの間に、または露光期間EPの終わりに、または露光期間EPの後に、たとえば貯蔵期間FSの最初または専用の排出期間D(図4参照)において行われ得る。
【0094】
言い換えると、全体の露光時間の間に、移転トランジスタ30は何らかの部分的なレベルへとn回パルス駆動されてもよく、電荷はDCGトランジスタ140およびリセットトランジスタ150を通って電源VDDに排出される。したがって、複数の障壁が、露光の間に使用されてもよく、ダイナミックレンジをさらに拡張する基準点として第1の障壁レベルを使用するために較正されてもよい。
【0095】
ある例では、第1の統合期間T1の後、移転トランジスタ30は第1の(部分的な)電圧レベルV1へとパルス駆動され、フォトダイオード電荷の一部が電源VDDに排出される。何らかの時間の後、移転トランジスタ30は再び第2の電圧レベルV2にパルス駆動され得る。第1の電圧レベルV1への第1のパルスと第2の電圧レベルV2への第2のパルスとの間の時間は、第2の統合期間T2と名付けられ得る。第2の電圧レベルV2への第2のパルスの後の時間は第3の統合期間T3と名付けられ得る。第1の電圧レベルV1は第2の電圧レベルV2より大きくてもよく、すなわちV1>V2である。
【0096】
ブロック352: フォトダイオード20によって蓄積された電荷キャリアの第1の部分が、FDノード42および第3のキャパシタ150へ移転される。移転信号TXのパルスが、第1の電圧レベルV1に対応する移転トランジスタ30に与えられる。それは、第1の電圧レベルV1が移転トランジスタ30に加えられることを意味する。結合信号DCGのパルスは結合トランジスタ140に加えられる。最後の統合期間において蓄積される電荷キャリアに対応する電荷キャリアの第1の部分は、移転トランジスタ30および結合トランジスタ140を介して、フォトダイオード20からFDノード42および第3のキャパシタ150の静電容量40に移転される。したがって、電荷キャリアは、増幅器60の入力62において静電容量電圧VCを生成する。FDノードおよび第3のキャパシタの全体の静電容量は大きいので、増幅器60の入力端子62において加えられる信号のゲインは下がる(低ゲイン)。
【0097】
ブロック353: 貯蔵期間FSの第1の段階FS1において、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80に電荷キャリアの第1の部分を貯蔵する。第1のスイッチングトランジスタ90および第2のスイッチングトランジスタ100は、FDノード42から第2のキャパシタ80に電荷キャリアの第1の部分を移転するために導通状態に設定される。これは、増幅された静電容量電圧が第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80に加えられることを意味し得る。第2のスイッチ信号S2は、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80における電圧を等しくするための短いパルスを有し得る。これは、信号が第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80に再分配されることを意味し得る。前記増幅された静電容量電圧は、低コンバージョンゲイン(LCG)信号に対応する。
【0098】
ブロック354: 読み出し期間ROの第1の段階RO1における、第2のキャパシタ80の読み出しである。:第2のキャパシタ80において引き出される出力電圧VOは、さらなる増幅器110によって増幅される。選択トランジスタ120が読み出し期間ROの第1の読み出し段階RO1において導通状態に設定される場合、増幅された出力電圧は、デジタル化のために列線130に与えられる。第1のデジタル化された値は、たとえば評価回路(図2に示される)によって、出力電圧VOの第1の値の関数として生成される。出力電圧VOの前記第1の値はLCG信号に対応する。
【0099】
ブロック355: 残りの電荷キャリアをFDノード42に移転する:移転信号TXの第2のパルスは、フォトダイオード20からFDノード42に残りの電荷キャリアを移転するための移転トランジスタ30に加えられる。第2のパルスは、移転トランジスタ30のフル電圧レベルVfに対応し得るので、フォトダイオード20とFDノード42との間の障壁が最小になり、またはなくなる。
【0100】
移転信号の第1の電圧レベルV1は、フル電圧レベルVfより高い障壁をもたらす。ある例では、V1<Vfである。結合トランジスタ140は非導通状態にとどまるので、FDノード42の単一の静電容量は、増幅器60の入力端子62において加えられる信号のゲインを高くする。
【0101】
ブロック356: 貯蔵期間FSの第2の段階FS2において、フォトダイオード20によって蓄積された残りの電荷キャリアを第1のキャパシタ70に貯蔵する。これは、FDノード42において引き出される静電容量電圧VCが増幅器60によって増幅されることを意味し得る。増幅された静電容量電圧は、第1のスイッチ信号S1のパルスを第1のスイッチングトランジスタ90に与えることによって、第1のキャパシタ70に与えられる。前記増幅された静電容量電圧は、高コンバージョンゲイン(HCG)信号に対応する。
【0102】
ブロック357: 読み出し期間ROの第2の段階RO2における、第1のキャパシタ70の読み出しである。:第2のキャパシタ80における出力電圧VOが第1の読み出し段階RO1におけるブロック354において読み出された後、第2のスイッチングトランジスタ100が導通状態に設定される。したがって、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80における電圧は等しくなる。静電容量電圧VCはそれでも増幅器60によって増幅されるので、第2のキャパシタ80における出力電圧VOは増幅された静電容量電圧に等しい。出力電圧VOはさらなる増幅器110によって増幅される。選択トランジスタ120が読み出し段階ROの第2の読み出し段階RO2において導通状態に設定されるとき、増幅された出力電圧はデジタル化のための列線130に与えられる。第2のデジタル化された値は、評価回路によって出力電圧VOの第2の値の関数として生成される。出力電圧VOの前記第2の値はHCG信号に対応する。
【0103】
通常、ブロック352、353、355、356のステップは、フレーム貯蔵期間FSにおいて実行される。ブロック354、357のステップは読み出し期間ROにおいて実行される。
【0104】
ブロック358: 第2のキャパシタ80の電圧または第2のキャパシタ80の電圧のデジタル化された値を、第1のキャパシタ70の電圧または第1のキャパシタ70の電圧のデジタル化された値から差し引く。フォトダイオード20の照度ILを表す出力信号は、第1のデジタル化された値(ブロック353から得られる)および第2のデジタル化された値(ブロック357から得られる)の関数である。ある例では、第1のデジタル化された値(ブロック353から得られる)は、評価回路によって第2のデジタル化された値(ブロック357から得られる)から差し引かれる。この演算によって、第1の(デジタル化された)値および第2の(デジタル化された)値が共通のノイズレベルに基づくので、HCG信号が相関ダブルサンプリング(CDS)を用いて入手され得る。
【0105】
ブロック359: LCG信号のゲインを上げる。これは、LCG信号が調整されることを意味し得る。具体的には、LCG信号は増幅され得る。LCG信号を調整または増幅することは、評価回路205によって実行され得る。LCG信号は、ダイナミックレンジを上げるために、第3のキャパシタ150(デュアルコンバージョンゲインキャパシタ150)によってより低いゲインでサンプリングされる。このゲイン調整を訂正するために、ブロック359においてLCG信号のゲインが上げられる。加えて、LCG信号はダブルデルタサンプリング(DDS)を用いて入手され得る。LCG信号は高い照度の場合に使用され、このとき、フォトンショットノイズが支配的であるので、熱ノイズは重要ではない。したがって、ビデオ信号からノイズを取り除くための相関ダブルサンプリングは必要ではない。しかしながら、ビデオ信号から固定パターンノイズ(FPN)を取り除くことが望まれることがある。ダブルデルタサンプリング(DDS)を実行することによって、FPNがLCG信号から取り除かれ得る。DDSは、LCG信号からリセットレベルを差し引くことによって実行されてもよく、リセットレベルは、第2の読み出し段階RO2の後の読み出し期間ROの第3の段階RO3において読み出され得る。
【0106】
ブロック360: 画素ニーポイント較正ごとに、HCG信号は、移転トランジスタ30の閾値電圧に影響する、移転トランジスタ30のばらつきにより引き起こされるFPNを取り除くために、後処理に必要な第1の較正レベルを含む。露光期間の間に障壁変調のために加えられたのと同じ第1の電圧レベルV1がフレーム貯蔵の間にも加えられるので、HCG信号は、線形化の間に、およびFPN訂正のために必要とされる、ニーポイント較正値を備える。統合の間の移転トランジスタ30の(たとえば、第2の電圧レベルV2への)さらなるパルスのためのニーポイント訂正は、マッピングされ、第1の電圧レベルV1の厳密な較正値を基準点として利用することができる。較正値は、統合の間に発生した追加のパルスによって引き起こされるFPNのばらつきを取り除くための基準としても使用される。任意の数のパルスが全体の露光の間に加えられ得るので、第1の電圧レベルV1の厳密な較正値が、そのようなさらなるパルスを訂正するための基準としても使用され得る。たとえば、第3の電圧レベルV3への第3のパルスの場合、V1の厳密なレベルを基準として使用することによって、V3パルスを訂正することができる。ニーポイント較正は、各画素に対して別々に実行される。さらに、画素配列10は自己較正するものであり、それは、障壁情報がHCG信号に含まれるからである。したがって、追加の読み出しは必要ではない。ブロック360は任意選択である。
【0107】
ブロック361: 線形化である。線形化された画素出力信号、すなわち照度レベルに線形に依存する画素出力信号を再構築することが可能である。そのような再構築は以下で説明される。統合期間の長さは画素出力信号を再構築するために使用され得る。移転トランジスタ30の障壁変調のためのパルスの電圧レベルV1、V2などは任意選択で、画素出力信号を再構築するために使用され得る。
【0108】
図4は、たとえば図1に示される画素配列10によって実行される模範的なタイミング図を示す。以下の信号、すなわち移転信号TX、結合信号DCG、リセット信号RST、第1のスイッチ信号S1、および第2のスイッチ信号S2は、時間の関数として示される。示される信号タイミングはむしろ例であり、変わり得ることに留意されたい。さらに、時間間隔の縮尺は厳密な指示として解釈されるべきではない。
【0109】
図4は、リセット期間R、露光期間EP、排出期間D、および(フレーム)貯蔵期間FSを示す。読み出し期間ROは示されていない。読み出し期間ROは貯蔵期間FSの後にある。貯蔵期間FSは露光期間EPの後にある。露光期間EPはリセット期間Rの後にある。露光期間EPは、第1の統合期間T1、第2の統合期間T2、および第3の統合期間T3を含む。第3の統合期間は第2の統合期間T2の後にあり、第2の統合期間T2は第1の統合期間T1の後にある。貯蔵期間FSは、第1の貯蔵段階FS1および第2の貯蔵段階FS2を含む。第2の貯蔵段階FS2は第1の貯蔵段階FS1の後にある。貯蔵期間FSは、画素アレイ内の各画素に対するグローバル貯蔵期間であり得る。読み出し期間ROは各行に対して別々に実行され得る。したがって、第2の貯蔵段階FS2と読み出し期間ROとの間に時間ギャップがあり得る。
【0110】
リセット期間Rの間に、リセット信号RST、結合信号DCG、および移転信号TXが加えられる。これは、リセットトランジスタ50、結合トランジスタ140(デュアルコンバージョンゲイントランジスタ140)、および移転トランジスタ30がパルス駆動され、フォトダイオード20およびFDノード42を画素電源電圧VDDに接続することによってあらゆる余剰の電荷キャリアが排出されるようになることを意味し得る。移転トランジスタ30は、フル電圧レベルVfへとパルス駆動され得る。
【0111】
第1の統合期間T1の間に、電荷キャリアがフォトダイオード20によって蓄積される。蓄積された電荷キャリアの量は、第1の統合期間T1の長さに依存する。第1の統合期間T1の終わりにおいて、移転ゲート30が第1の電圧レベルV1へとパルス駆動される。これは、拡散ノード42への蓄積された電荷キャリアのある分量の移転につながる。前記分量は、最後の段階において画素電源電圧VDDに排出されるように構成される。
【0112】
移転ゲート30の前記パルスの後、電荷キャリアは、フォトダイオード20によって第2の統合期間T2において蓄積され続ける。第2の統合期間T2は、第1の統合期間T1より短くてもよい。第2の統合期間T2における蓄積された電荷キャリアの量は、第2の統合期間T2の長さに依存する。
【0113】
第2の統合期間T2の終わりにおいて、移転ゲート30が、第1の電圧レベルより低くてもよい第2の電圧レベルV2へとパルス駆動される。これは、拡散ノード42への蓄積された電荷キャリアのさらなる分量の移転につながる。前記さらなる分量は、後の段階において画素電源電圧VDDに排出されるようにも構成される。
【0114】
移転ゲート30の前記パルスの後、電荷キャリアは、フォトダイオード20によって第3の統合期間T3において蓄積され続ける。第3の統合期間T3は第2の統合期間T2より短くてもよい。第3の統合期間T3における蓄積された電荷キャリアの量は、第3の統合期間T3の長さに依存する。
【0115】
後続の排出期間において、リセットパルスRSTおよび結合パルスDCGが第3の統合期間T3の終わりに加えられる。これは、拡散ノード42からのあらゆる余剰の電荷キャリアを取り除き、具体的には、TXパルス(V1、V2など)によって露光期間の間に移転された、蓄積された電荷キャリアの分量を取り除く。したがって、前記分量は画素電源電圧VDDに排出される。
【0116】
貯蔵期間FSの以下の第1の貯蔵段階FS1において、移転ゲート30は第1の電圧レベルV1へと再びパルス駆動される。これは、FDノード42への蓄積された電荷キャリアの第1の部分の移転につながる。前記第1の部分は、最後の統合期間、たとえば第3の統合期間T3の間に蓄積される電荷キャリアに対応し得る。同時に、結合信号DCGがハイになり、第3のキャパシタ150とFDノードを短絡することによってゲインを下げる。次いで、第1のスイッチ信号S1および第2のスイッチ信号S2が、ソースフォロワ60を介してFDノード42に電気的に結合されるキャパシタ70、80のペアに、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表すLCG信号を貯蔵するために適用される。LCG信号は、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80に再分配され得る。
【0117】
第2の貯蔵段階FS2は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分をFDノード42に移転するためにフル電圧レベルVfへと移転トランジスタ30をパルス駆動することの後にある。すべての残りの電荷キャリアが移転される。結合信号DCGは低いままであるので、高コンバージョンゲインが達成される。次いで、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表すHCG信号を第1のキャパシタ70に貯蔵するための第1のスイッチ信号S1が、第1のスイッチ90に加えられる。
【0118】
図5は、障壁変調をさらに示し、露光期間EPに関して図4のタイミング図を補足する。図5において、フォトダイオード20において露光期間EPの間に蓄積された電荷Qoutが経時的に示されている。第1の統合期間T1において、電荷はフォトダイオード20において蓄積される。そして、電荷信号Qoutが増大する。図5に示されるように、蓄積された電荷は飽和レベルQsatに達し得る。第1の統合期間T1の終わりにおいて、パルスによって第1の電圧レベルV1へと障壁が変調される。この結果は、フォトダイオード20における電荷信号Qoutの低下である。電荷信号Qoutは、第1の電圧レベルV1に対応する第1の障壁レベルQbarr1に低下する。第2の統合期間T2において、電荷信号Qoutは、フォトダイオード20における光変換により、第1の障壁レベルQbarr1から増大し続ける。第2の統合期間T2の終わりにおいて、第2の電圧レベルV2へのパルスが加えられ、これは電荷信号Qoutのさらなる低下につながる。第2の電圧レベルV2が第1の電圧レベルV1より低い場合、電荷信号Qoutは、第1の障壁レベルQbarr1より高い第2の障壁レベルQbarr2に低下する。第3の統合期間T3において、電荷信号Qoutは、フォトダイオード20における光変換により、第2の障壁レベルQbarr2から増大し続ける。上で説明されたように、図5に示される信号低下に対応する電荷は電源に排出される。したがって、フォトダイオード20における電荷信号Qoutは、スキミング動作/障壁変調の両方により影響を受ける。
【0119】
図6は、画素配列10の模範的な特性を示す。擬似単位での応答信号SIGは、擬似単位での照度ILの関数として示されている。応答信号SIGは、サンプルホールドキャパシタ(第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80)上の電荷等価信号であり得る。信号SIG1(細い実線)は第1の統合期間T1から生じる信号である。信号SIG1はより高い露光レベルでは飽和し、それは、第1の電圧レベルV1へと移転ゲート30をパルス駆動することが、画素電源電圧VDDに余剰の電荷キャリアを排出することにつながるからである。
【0120】
信号SIG2(点線)は、第2の統合期間T2から生じる信号である。信号SIG2の傾きは信号SIG1の傾きより緩やかであり、それは統合期間T2が統合期間T1より短いことがあるからである。代替または追加として、信号SIG2の傾きは信号SIG1の傾きより緩やかであり、それは両方の信号が異なるコンバージョンゲインにおいて得られるからである。たとえば、信号SIG1(ニーポイントまで)は高コンバージョンゲインで得られる。たとえば、信号SIG2は低コンバージョンゲインで得られる。したがって、傾きは、たとえばFDノード42の静電容量の値に、および第3のキャパシタ150の静電容量値に依存する。傾きの差はゲインの比に依存する。信号SIG2はより高い照度レベルでは飽和することがあり、それは、第1の電圧レベルV2への移転ゲート30のパルス駆動が、画素電源電圧VDDへの余剰の電荷キャリアの排出につながるからである。
【0121】
信号SIG3(破線)は、第3の統合期間T3から生じる信号である。信号SIG3の傾きは信号SIG2の傾きより緩やかであり、それは、統合期間T3が統合期間T2より短いことがあるからである。代替または追加として、信号SIG3の傾きは信号SIG2の傾きより緩やかであり、それは、両方の信号が異なるコンバージョンゲインで得られるからである。たとえば、信号SIG2(そのニーポイントまで)は高コンバージョンゲインで得られる。たとえば、信号SIG3は低コンバージョンゲインで得られる。したがって、傾きは、たとえばFDノード42の静電容量の値に、および第3のキャパシタ150の静電容量値に依存する。傾きの差はゲインの比に依存する。
【0122】
出力信号SIG4(太い実線)は、信号SIG1、SIG2、およびSIG3の組合せによって得られる信号である。さらに、出力信号SIG3は、信号SIG1、信号SIG2、信号SIG3、およびリセット信号(図示せず)の関数であり得る。信号SIG1、SIG2、およびSIG3を組み合わせることによって、画素配列10のダイナミックレンジを上げることができる。信号SIG1の厳密な飽和レベルをHCG信号から決定することができ、それは、第1の電圧レベルV1へのパルスの後には、HCG信号が残りの電荷キャリアに対応するからである。これは、信号SIG1がHCG信号に対応することを意味し得る。信号SIG3はLCG信号に対応し得る。さらに、信号SIG2の厳密な飽和レベルも、統合期間T1~T3の長さおよび電圧レベルV1~V2の知識に基づいて、HCG信号から決定され得る。言い換えると、V2のためのニーポイント訂正は、マッピングされ、V1の厳密な較正値を基準点として利用する。
【0123】
図7は、光強度ILに依存した、再構築された線形信号Qlinを示す。線形化された信号Qlinおよび光強度/照度は、擬似単位で示されている。図7に示される強度範囲は、図6に示される強度範囲に対応することに留意されたい。線形化された信号Qlinは、再構築の後の実効的な信号である。線形化された信号Qlinは、図6に示される信号SIG1、SIG2、およびSIG3に基づき得る。これは、線形化された信号Qlinが、露光期間EPの間に得られた信号SIG1からSIG3を使用して再構築されることを意味し得る。示されるように、線形化された信号Qlinは、非常に高い照度レベルでは飽和し得る。しかしながら、障壁変調により、ダイナミックレンジは上がる。
【0124】
図8において、画素配列10の別の実施形態が示されている。図8による実施形態は、キャパシタ70、80がカスケード接続で配置されず並列に配置されるという点で、図1による実施形態と異なる。これは、第2のキャパシタ80に結合される第2のスイッチ100が、図1のように第1のスイッチ90を介してではなく、増幅器60の出力端子64に直接接続されることを意味する。プリチャージゲート160はまた、固定電流を提供するように構成される定電流源としても実装され得ることに留意されたい。さらに、図8による実施形態はさらに、第2のキャパシタ80に結合された第2のさらなる増幅器110’およびさらなる選択ゲート120’を備え、一方、さらなる増幅器110および選択ゲート120は第1のキャパシタ70に結合される。しかしながら、示される実施形態は単なる例としてキャパシタ70、80の並列配置を示すことに留意されたい。他の配置が可能である。たとえば、並列配置のキャパシタ70、80は、追加のスイッチによって共通のさらなる増幅器110を共有し得る。図4に示されるような類似する信号タイミングをどのように実装するかが、当業者により理解されるだろう。しかしながら、信号タイミングはフレーム貯蔵および読み出しの間にわずかに変化することがあり、それは、第1のスイッチと第2のスイッチが独立に動作させられ得るからである。
【0125】
画素配列10は、図8において楕円によって示されるような、類似する方法で配置されたさらなるキャパシタを備え得る。このようにして、少なくとも1つのさらなる信号は、さらなるキャパシタに貯蔵され得る。さらなる信号は、図6に示される信号に対応し得る。たとえば、さらなる信号は信号SIG2に対応し得る。信号SIG2は、その飽和レベルに対応し得るさらなる較正レベルを示す。したがって、画素出力信号は、さらなる較正レベルに基づいて決定され得る。この場合、画素配列10を動作させるための方法は、さらなる貯蔵段階、たとえば第3の貯蔵段階FS3を備えてもよく、そこで、さらなる信号がさらなるキャパシタに貯蔵される。さらなる貯蔵段階は、第1の貯蔵段階FS1の前にあり得る。さらなる貯蔵段階は、それぞれの電圧レベル、たとえば第2の電圧レベルV2への移転トランジスタ30のパルスによってもたらされ得る。一般に、画素配列10は、最初を除くすべての読み取りがCDS読み取りである(最初の読み取りはDDSである)ような、n個のさらなる自己較正点を可能にするn個のサンプルホールド(S/H)キャパシタを備え得る。したがって、ダイナミックレンジを拡張することができ、ニーポイント較正および線形化に必要とされる、複数の障壁に対応する較正レベルが直接入手され得る。
【0126】
図9において、画素配列10の別の実施形態が示されている。図9による実施形態は、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80とカスケード接続で配置されたさらなるキャパシタ75を備えるという点で、図1による実施形態とは異なる。さらなるスイッチングトランジスタ95がさらなるキャパシタ75に割り当てられる。すなわち、さらなるスイッチングトランジスタ95は、第1のキャパシタ70の端子ノードをさらなるキャパシタ75の端子ノードに接続する。第2のスイッチングトランジスタ100は、さらなるキャパシタ75の端子ノードを第2のキャパシタ80の端子ノードに接続する。画素配列10は、楕円によって示されるのと似た方法で配置された第2のさらなるキャパシタを備え得る。図8の実施形態のように、少なくとも1のさらなる信号が(さらなる)キャパシタ70、75、80に貯蔵され得るので、画素出力信号を決定するために、さらなる自己較正点が貯蔵され得る。そのために、画素配列10を動作させるための方法は、さらなる貯蔵段階、たとえば第3の貯蔵段階FS3を備えてもよく、そこで、さらなる信号が、さらなるキャパシタ75に貯蔵され、または、S/Hキャパシタ70、75、80の少なくともいくつかにそれぞれ再分配される。そのようにして、複数の障壁に対応する較正レベルが直接入手され得る。
【0127】
図10は、図1に示される画素配列10によって実行される動作方法の別の実施形態によるタイミング図を示す。図4のように、移転信号TX、結合信号DCG、リセット信号RST、第1のスイッチ信号S1、および第2のスイッチ信号S2という信号が、時間の関数として示されている。示される信号タイミングむしろ例であり、変化し得ることに留意されたい。さらに、時間間隔の縮尺は、厳密なものとして解釈されるべきではない。
【0128】
タイミングは露光期間EPを含み、その間に、画素配列10を備える光検出器20を用いて電荷キャリアが蓄積される。露光期間EPの前に、フル電圧レベルVfへのTXパルスが移転トランジスタ30に加えられる。リセット信号RSTおよび結合信号DCGは同時にハイであるので、これはフォトダイオード20および拡散ノード42のリセットにつながり、このとき、あらゆる余剰の電荷キャリアが取り除かれ、それにより、画素配列10は新しいフレームを捉える準備ができる。図10に示されるように、結合信号DCGおよびリセット信号RSTは、露光期間EP内の所定の期間、ハイにとどまり得る。
【0129】
電荷キャリアの蓄積の間、すなわち露光期間EPの間、以下のステップが実行される。
【0130】
移転トランジスタが、蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノード42に移転するために第1の電圧レベルV1へとパルス駆動される。前記分量は電源電圧へと排出されるように構成され、これは、結合信号DCGとリセット信号RSTの両方がハイであるという事実によって達成される。したがって、フローティング拡散ノード42は、画素電源電圧VDDに電気的に接続される。
【0131】
次いで、移転トランジスタ30は、蓄積された電荷キャリアのさらなる分量を拡散ノード42に移転するために第2の電圧レベルV2へとパルス駆動される。第2の電圧レベルV2は第1の電圧レベルV1より低く、フォトダイオード20と拡散ノード42との間により高い障壁をもたらす。前記さらなる分量は電源電圧VDDに排出されるように構成され、これは、結合信号DCGとリセット信号RSTの両方がまだハイであるという事実により達成される。その後、リセット信号RSTは低下するので、拡散ノード42はもはや画素電源電圧VDDに接続されない。
【0132】
次いで、移転トランジスタ30は、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を拡散ノード42に移転するために第1の電圧レベルV1へとパルス駆動される。第1の部分を表すものは、低コンバージョンゲイン信号(LCG信号)として貯蔵されるように構成される。LCG信号は低コンバージョンゲインで貯蔵され、これは、DCG信号がまだハイであるという事実により達成されるので、拡散ノード42は結合キャパシタ150に電気的に接続され、静電容量の増大をもたらす。
【0133】
蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号は、増幅器60およびスイッチングキャパシタ90、100を介して拡散ノード42に結合される第2のキャパシタ80に貯蔵される。これは、スイッチ信号S1とS2の両方がハイになることによって達成される。低コンバージョンゲイン信号は、第1のキャパシタ70および第2のキャパシタ80に再分配され得る。その後、拡散ノード42はもはや結合キャパシタ150に接続されないので、結合信号DCGはコンバージョンゲインを上げるためにローになる。
【0134】
露光期間の終わりにおいて、移転トランジスタ30は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を拡散ノード42に移転するためにフル電圧レベルVfへとパルス駆動される。残りの部分を表すものは、高コンバージョンゲイン信号(HCG信号)として貯蔵されるように構成される。HCG信号は高コンバージョンゲインで貯蔵され、これは、DCG信号がローであるという事実によって達成される。
【0135】
フル電圧レベルVfへの前記パルス駆動の後、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号は、増幅器60および第1のスイッチングトランジスタ90を介して拡散ノード42に結合される第1のキャパシタ70に貯蔵される。これは、第1のスイッチ信号S1がハイになることによって達成される。代替として、第1のスイッチ信号S1は、破線によって示されるように、LCG信号を貯蔵した後ハイにとどまり得る。読み出し期間(図示せず)の間、キャパシタに貯蔵されている低コンバージョンゲイン信号および高コンバージョンゲイン信号が読み取られ、列バス130を介して評価回路に転送される。
【0136】
示される例では、第1の電圧レベルV1への第1のパルスから第1の電圧レベルへの第2のパルスまでの期間はT1によって表記される。第2の電圧レベルV2へのパルスから第1の電圧レベルへの第2のパルスまでの期間はT2によって表記される。LCG信号は、期間T1および期間T2の間の露光についての情報を提供する。
【0137】
HCG信号は、露光期間(弱光)または第1の障壁(強光)の間の全体の露光についての情報を提供する。線形化された信号を再構築することは、光条件に依存する。
【0138】
以下では、リセットレベルに対応する信号からLCG信号を引いたものは、DDS信号と呼ばれる。LCG信号に対応する信号からHCG信号を引いたものは、CDS信号と呼ばれる。
【0139】
障壁パルスTXのいずれもがフォトダイオードの電荷に影響しない弱光条件では、CDS信号を読み取ることによって再構築が達成される。
【0140】
第2の障壁パルスTX(第2の電圧レベルV2へのパルス)だけがフォトダイオードの電荷に影響する弱光条件から中光条件では、再構築はデジタル領域においてCDS信号とDDS信号を加算することによって達成される。
【0141】
両方の障壁パルス(第1および第2の電圧レベルへの)がフォトダイオードの電荷に影響する中光条件から強光条件において、DDS信号だけを使用することによって再構築が達成される。線形化のために、期間の比EP/T1と乗じられる。
【0142】
障壁パルスTXがフォトダイオードの電荷に影響する中光条件から強光条件において、DDS信号だけを使用することによって再構築が達成される。オフセットが差し引かれ得る(第2の障壁レベルQbarr2-第1の障壁レベルQbarr1)。第1の障壁レベルQbarr1はCDS読み取りに等しく、第2の障壁レベルQbarr2は推定され得る。
【0143】
線形化のために、オフセット除去の後のDDS信号は、期間の比EP/T2と乗じられる。
【0144】
示される例は、2つの障壁を用いた障壁変調を使用することによって、画素配列10を動作させるための方法を示す。しかしながら、経験のある読者が容易に認識するように、方法は追加の障壁を用いて拡張され得る。
【0145】
図11は、図1に示される画素配列10のための別の信号タイミングを示す。図11による信号タイミングは図4の信号タイミングと似ており、違いは、移転トランジスタ30が第2の電圧レベルV2へとパルス駆動されないということである。したがって、露光期間は、第1の統合期間T1および第2の統合期間T2のみを備える。言い換えると、画素配列10を動作させる方法は、ダイナミックレンジを上げるために、移転トランジスタ30の1つの障壁だけを利用する。図11のさらなる説明では、図4についてのコメントが参考にされる。
【0146】
図12は、図1に示される画素配列10のための別の信号タイミングを示す。図12による信号タイミングは図10の信号タイミングと似ており、違いは、移転トランジスタ30が第2の電圧レベルV2へとパルス駆動されないことである。言い換えると、画素配列10を動作させる方法は、ダイナミックレンジを上げるために、移転トランジスタ30の1つだけの障壁を利用する。図12のさらなる説明については、図10についてのコメントが参考にされる。
【0147】
図13は、図11または図12に示されるように1つだけの障壁を利用する画素配列10の別の模範的な特性を示す。図6におけるように、擬似単位での応答信号SIGが、擬似単位での照度ILの関数として示されている。応答信号SIGは、サンプルホールドキャパシタ上の電荷等価信号であり得る。出力信号SIG3は、信号SIG1とSIG2の組合せによって得られる信号である。さらに、出力信号SIG3は、信号SIG1、信号SIG2、およびリセット信号(図示せず)の関数であり得る。信号SIG1、SIG2を組み合わせることによって、画素配列10のダイナミックレンジを上げることができる。
【0148】
信号SIG2は、第1の電圧レベルV1への第1のパルス駆動と第1の電圧レベルV1への第2のパルス駆動との間の統合期間(図12による第1の統合期間T1)から生じる信号である。それはLCG信号を表し得る。信号SIG1は弱光信号であり、すなわち、それはHCG信号を表し得る。信号SIG1は、全体の露光期間EPから生じ得る。それは高い照度レベルでは飽和する。飽和レベルは、高い照度レベルで出力信号を再構築するために較正レベルとして使用され得る。SIG1とSIG2との間の傾きの差は、ゲイン比および/または異なる統合期間に依存し得る。さらなる詳細については、図6の説明が参考にされる。
【0149】
画素配列10および本明細書で開示されるそのような画素配列10を動作させる方法の実施形態は、新規性のある考え方の態様に読者を慣れさせる目的で論じられた。好ましい実施形態が示され説明されたが、開示される概念の多くの変更、改変、均等物、および置換が、特許請求の範囲から不必要に逸脱することなく、当業者によって行われ得る。
【0150】
本開示は開示される実施形態に限定されず、上で特に示されて説明されたものに限定されないことが理解されるだろう。むしろ、別個の従属請求項または説明に記載された特徴が有利に組み合わせられ得る。さらに、本開示の範囲はそれらの変形および改変を含み、それらは当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲内にある。
【0151】
「備える」という用語は、請求項または説明において使用される限り、対応する特徴または手順の他の要素またはステップを除外しない。「a」または「an」という用語が特徴とともに使用された場合、それらは複数のそのような特徴を除外しない。その上、請求項におけるあらゆる参照符号は、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0152】
10 画素配列
20 フォトダイオード
30 移転トランジスタ
40 静電容量
42 拡散ノード
44 静電容量のさらなる端子ノード
50 リセットトランジスタ
60 増幅器
62 増幅器の入力端子
64 増幅器の出力端子
70 第1のキャパシタ
72 第1のキャパシタの端子ノード
74 第1のキャパシタのさらなる端子ノード
75 追加のキャパシタ
80 第2のキャパシタ
82 第2のキャパシタ端子ノード
84 第2のキャパシタのさらなる端子ノード
90 第1のスイッチ、スイッチングトランジスタ
95 さらなるスイッチ、スイッチングトランジスタ
100 第2のスイッチ、スイッチングトランジスタ
110 さらなる増幅器
112 さらなる増幅器の入力端子
114 さらなる増幅器の出力端子
120 選択トランジスタ
130 列バス
140 デュアルコンバージョンゲイントランジスタ
150 デュアルコンバージョンゲイン(第3の)キャパシタ
152 第3のキャパシタの端子ノード
154 第3のキャパシタのさらなる端子ノード
160 プリチャージトランジスタ
200 イメージセンサ
204 行ドライバ
205 評価回路
350 ブロック
351 ブロック
352 ブロック
353 ブロック
354 ブロック
355 ブロック
356 ブロック
357 ブロック
358 ブロック
359 ブロック
360 ブロック
361 ブロック
D 排出期間
DCG 結合信号、デュアルコンバージョンゲイン信号
FS1 貯蔵段階
FS2 貯蔵段階
IL 照度/光強度
Qbarr1 第1の障壁レベル
Qbarr2 第2の障壁レベル
Qlin 線形化された信号
Qout 電荷信号
Qsat 飽和レベル
RST リセット信号
S1 スイッチ信号
S2 スイッチ信号
SIG1 信号
SIG2 信号
SIG3 信号
SIG4 信号
T1 統合期間
T2 統合期間
T3 統合期間
EP 画素露光、露光期間
FS 貯蔵期間
RO 画素読み出し、読み出し期間
R リセット期間
TX 移転信号
V1 電圧レベル
V2 電圧レベル
Vf フル電圧レベル
Vref 第2のさらなる基準電位
VSS 負の画素電源電圧、GND
VSS1 基準電位
VSS_PC さらなる基準電位
VDD 画素電源電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射を変換することによって電荷キャリアを蓄積するように構成される光検出器(20)と、
前記光検出器(20)に電気的に結合された移転トランジスタ(30)と、
前記移転トランジスタ(30)に電気的に結合された拡散ノード(42)と、
前記拡散ノード(42)および画素電源電圧(VDD)に電気的に結合されたリセットトランジスタ(50)と、
少なくとも第1のキャパシタ(70)および第2のキャパシタ(80)を備えるサンプルホールド段であって、前記サンプルホールド段の入力が増幅器(60)を介して前記拡散ノード(42)に電気的に結合される、サンプルホールド段と、
を備え、
前記移転トランジスタ(30)が、前記蓄積された電荷キャリアの複数の部分を前記拡散ノード(42)に移転するために異なる電圧レベルへとパルス駆動されるように構成され、
少なくとも前記第2のキャパシタ(80)が、前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成され、
前記第1のキャパシタ(70)が、前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を貯蔵するように構成され
前記低コンバージョンゲイン信号が前記高コンバージョンゲイン信号の基準レベルとして使用可能であり、それにより相関ダブルサンプリングを可能にする、画素配列(10)。
【請求項2】
前記低コンバージョンゲイン信号および前記高コンバージョンゲイン信号が共通のノイズレベルを備え、
前記高コンバージョンゲイン信号が、画素固有のニーポイント値に応じて画素出力信号を調整するための較正レベルを示す、請求項1に記載の画素配列(10)。
【請求項3】
デュアルコンバージョンゲイントランジスタ(140)と、
デュアルコンバージョンゲインキャパシタ(150)と、
をさらに備え、
前記デュアルコンバージョンゲイントランジスタ(140)が、前記拡散ノード(42)を前記デュアルコンバージョンゲインキャパシタ(150)の端子ノードに接続し、
前記リセットトランジスタ(50)が、前記端子ノードおよび前記デュアルコンバージョンゲイントランジスタ(140)を介して前記拡散ノード(42)に電気的に結合される、請求項に記載の画素配列(10)。
【請求項4】
少なくとも2つのスイッチングトランジスタ(90、100)をさらに備え、
各スイッチングトランジスタ(90、100)が、前記サンプルホールド段のそれぞれのキャパシタ(70、80)に割り当てられ、前記それぞれのキャパシタ(70、80)の端子ノードを前記サンプルホールド段の前記入力に結合する、請求項に記載の画素配列(10)。
【請求項5】
前記サンプルホールド段が厳密に2つのキャパシタ(70、80)を備える、請求項に記載の画素配列(10)。
【請求項6】
前記サンプルホールド段が、所定の数の追加のキャパシタ(75)をさらに備え、前記追加のキャパシタ(75)の各々が、前記蓄積された電荷キャリアのさらなる部分を表す追加の信号を貯蔵するように構成される、請求項に記載の画素配列(10)。
【請求項7】
前記サンプルホールド段の出力に結合されたさらなる増幅器(110)と、選択トランジスタ(120)とをさらに備え、前記選択トランジスタ(120)が、前記さらなる増幅器(110)を列バス(130)に電気的に接続する、請求項に記載の画素配列(10)。
【請求項8】
請求項に記載の画素配列(10)を備える、イメージセンサ(200)。
【請求項9】
画素配列(10)を動作させる方法であって、
露光期間(EP)の間に、
第1の統合期間(T1)において、前記画素配列(10)が備える光検出器(20)を用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、
前記第1の統合期間(T1)の終わりにおいて、前記蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノード(42)に移転するために第1の電圧レベル(V1)へと移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップであって、前記分量が電源電圧(VDD)に排出されるように構成される、ステップと、
第2の統合期間(T2)において、前記光検出器(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
貯蔵期間(FS)の間に、
前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を前記拡散ノード(42)に移転するために前記第1の電圧レベル(V1)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの前記第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された少なくとも第2のキャパシタ(80)に貯蔵するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を前記拡散ノード(42)に移転するためにフル電圧レベル(Vf)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された第1のキャパシタ(70)に貯蔵するステップと、
読み出し期間(RO)の間に、
前記キャパシタ(70、80)に貯蔵されている前記低コンバージョンゲイン信号および前記高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップと
前記低コンバージョンゲイン信号を前記高コンバージョンゲイン信号の基準レベルとして使用することによって、相関ダブルサンプリングを実行するステップと、
を備える、方法。
【請求項10】
前記露光期間(EP)の間に、前記第2の統合期間(T2)の後、
それぞれのさらなる電圧レベル(V2、V3)へと前記移転トランジスタ(30)を少なくとも1回追加でパルス駆動するステップをさらに備え、
各々の追加のパルス駆動により、前記蓄積された電荷キャリアの追加の分量が、前記電源電圧(VDD)に排出されるように構成され、各々の追加のパルス駆動の後、それぞれの追加の統合期間(T3、T4)において、前記光検出器(20)を用いて電荷キャリアを追加で蓄積し続ける、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記露光期間の間の連続するパルスが加えられる際の電圧レベル(V1、V2、V3)が等しく、またはパルスごとに低下する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記露光期間(EP)の間の前記パルス駆動の後の統合期間(T1、T2、T3、T4)が、統合期間ごとに低下する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項13】
前記高コンバージョンゲイン信号が、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分に基づく較正レベルを示す、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記較正レベルに基づいて決定される画素固有のニーポイント値に応じて、前記低コンバージョンゲイン信号および/または前記高コンバージョンゲイン信号に基づいて画素出力信号を調整するステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記低コンバージョンゲイン信号を読み取ることがダブルデルタサンプリングを備える、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記貯蔵期間(FS)の間に、
前記蓄積された電荷キャリアのさらなる部分を前記拡散ノード(42)に移転するために前記それぞれのさらなる電圧レベルへと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記蓄積された電荷キャリアの前記さらなる部分を表すさらなる信号を、前記拡散ノード(42)に結合されたさらなるキャパシタ(75)に貯蔵するステップと、
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記さらなる信号が、前記蓄積された電荷キャリアの前記さらなる部分に基づくさらなる較正レベルを示し、
前記画素出力信号を調整するステップが、前記さらなる較正レベルに基づいて決定されるさらなる画素固有のニーポイント値に応じて行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記読み出し期間(RO)の間に、
前記さらなるキャパシタ(75)に貯蔵されている前記さらなる信号を読み出すステップをさらに備え、前記さらなる信号を読み出すステップが相関ダブルサンプリングを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
画素配列(10)を動作させる方法であって、
露光期間(EP)の間に、前記画素配列(10)が備える光検出器(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し、前記蓄積の間に、
前記蓄積された電荷キャリアのある分量を拡散ノード(42)に移転するために第1の電圧レベル(V1)へと移転トランジスタ(30)をパルス駆動する第1のステップであって、前記分量が電源電圧(VDD)に排出されるように構成される、ステップ、
前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を前記拡散ノード(42)に移転するために前記第1の電圧レベル(V1)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動する第2のステップ、および
前記蓄積された電荷キャリアの前記第1の部分を表す低コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された少なくとも第2のキャパシタ(80)に貯蔵するステップ
を実行するステップと、
前記露光期間(EP)の終わりにおいて、前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を前記拡散ノード(42)に移転するためにフル電圧レベル(Vf)へと前記移転トランジスタ(30)をパルス駆動するステップと、
前記フル電圧レベル(Vf)への前記パルス駆動の後、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分を表す高コンバージョンゲイン信号を、前記拡散ノード(42)に結合された第1のキャパシタ(70)に貯蔵するステップと、
読み出し期間(RO)の間に、前記キャパシタ(70、80)に貯蔵されている前記低コンバージョンゲイン信号および前記高コンバージョンゲイン信号を読み出すステップと
前記低コンバージョンゲイン信号を前記高コンバージョンゲイン信号の基準レベルとして使用することによって、相関ダブルサンプリングを実行するステップと、
を備える、方法。
【請求項20】
前記第1の電圧レベル(V1)への第1のパルス駆動の後および前記第1の電圧レベル(V1)への第2のパルス駆動の前に、前記蓄積された電荷キャリアのそれぞれのさらなる分量を前記拡散ノード(42)に移転するためにそれぞれのさらなる電圧レベル(V2、V3)へと前記移転トランジスタ(30)を少なくとも1回追加でパルス駆動するステップをさらに備え、前記さらなる分量が前記電源電圧(VDD)に排出されるように構成される、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】