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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】タイヤのためのRFIDパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
B60C19/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508652
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 US2022074693
(87)【国際公開番号】W WO2023034676
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/238,508
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロリンズ,クロード ディー.
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131LA20
(57)【要約】
【解決手段】 タイヤのためのRFIDパッケージは、第1の長さ、第1の幅、及び第1の厚さを有する第1のラミネート層を含む。RFIDパッケージは、第2の長さ、第2の幅、及び第2の厚さを有する第2のラミネート層を更に含む。RFIDチップは、第1のラミネート層と第2のラミネート層との間に配設される。第2の長さ、第2の幅、及び第2の厚さのうちの少なくとも1つは、それぞれ、第1の長さ、第1の幅、及び第1の厚さとは異なる。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのためのRFIDパッケージであって、
第1の長さ、第1の幅、及び第1の厚さを有する第1のラミネート層と、
第2の長さ、第2の幅、及び第2の厚さを有する第2のラミネート層と、
前記第1のラミネート層と前記第2のラミネート層との間に配設されたRFIDチップと、を備え、
前記第1のラミネート層が、前記RFIDパッケージの長さ及び前記RFIDパッケージの幅のうちの少なくとも1つに沿って前記第2のラミネート層からずれている、RFIDパッケージ。
【請求項2】
前記第2の長さ及び前記第2の幅が、それぞれ、前記第1の長さ及び前記第1の幅に等しい、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項3】
前記第2の厚さが、前記第1の厚さに等しい、請求項2に記載のRFIDパッケージ。
【請求項4】
RFIDパッケージを製造する方法であって、
第1のラミネート層を形成する工程と、
第2のラミネートを形成する工程と、
前記第1のラミネート層と第2のラミネート層との間にRFIDチップを提供する工程と、
前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層に固定する工程と、を含み、
前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層に固定する前記工程が、前記RFIDパッケージの長さ及び前記RFIDパッケージの幅のうちの少なくとも1つに沿って、前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層からずらすことを含む、方法。
【請求項5】
固定する前記工程が、接着剤を使用すること、機械的締結具を使用すること、及び融着することのうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のラミネート層が、前記RFIDパッケージの前記長さのみに沿って前記第2のラミネート層からずれている、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項7】
前記第1のラミネート層が、前記RFIDパッケージの前記幅のみに沿って前記第2のラミネート層からずれている、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項8】
前記第1のラミネート層が、前記RFIDパッケージの前記長さ及び前記幅の両方に沿って前記第2のラミネート層からずれている、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項9】
前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層に固定する接着剤を更に備える、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項10】
前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層に固定する機械的締結具を更に備える、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項11】
前記第1のラミネート層が、融着することによって前記第2のラミネート層に固定されている、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項12】
前記第1のラミネート層を形成する前記工程が、第1の長さ、第1の幅、及び第1の厚さを有する前記第1のラミネート層を形成することを含み、前記第2のラミネート層を形成する前記工程が、第2の長さ、第2の幅、及び第2の厚さを有する前記第2のラミネート層を形成することを含み、前記第1の長さ、前記第1の幅、及び前記第1の厚さが、それぞれ、前記第2の長さ、前記第2の幅、及び前記第2の厚さに等しい、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層に固定する前記工程が、前記RFIDパッケージの前記長さのみに沿って、前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層からずらすことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層に固定する前記工程が、前記RFIDパッケージの前記幅のみに沿って、前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層からずらすことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層に固定する前記工程が、前記RFIDパッケージの前記長さ及び前記幅の両方に沿って、前記第1のラミネート層を前記第2のラミネート層からずらすことを含む、請求項4に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤに関する。より詳細には、本開示は、タイヤに実装するためのRFIDパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のタイヤ及びタイヤシステムは、電子デバイスを組み込んでいる。これらのデバイスは、例えば、製品識別、記憶保持、及びタイヤ解析などの様々な目的で使用される。電子デバイスは、タイヤ、車両、又はそれに付随する近接読取装置の様々な位置でタイヤ及びタイヤシステムに組み込まれている。既知の電子デバイスとしては、例えば、RFIDチップ及びアンテナが挙げられる。
【0003】
タイヤ産業では、RFIDチップは、RFIDパッケージの一部としてタイヤ内に提供され得る。先行技術図12及び図13は、それぞれ、RFIDチップ1020を挟持する第1のラミネート層1010及び第2のラミネート層1015を一般に含むRFIDパッケージ1005の側面図並びに端面図を示す。第1のラミネート層1010及び第2のラミネート層1015は、互いに実質的に同一であり、同じ長さ、幅、及び非通知の(uninform)厚さを有する。RFIDパッケージ1005は、埋め込み構成又は表面実装構成を使用してタイヤに実装することができる。埋め込み構成では、RFIDパッケージ1005は、タイヤの層間に配設される。表面実装構成では、RFIDパッケージ1005は、タイヤの最内部又は最外部上に配設される。
【0004】
RFIDをタイヤに埋め込む方法は、表面実装構成と比較してRFIDパッケージをより確実に保持することができるが、埋め込み構成は、タイヤが構築されるときにRFIDパッケージがタイヤに追加されるため、タイヤ製造プロセスを複雑にする場合がある。RFIDパッケージを追加するために、製造されたタイヤをその製造後に切断することは可能であるが、そのようなプロセスは、タイヤの構造的完全性に悪影響を及ぼす場合があり、したがって、望ましくない場合がある。比較すると、表面実装RFIDパッケージは、タイヤ製造プロセス中の任意の時点で、又は更にはタイヤが製造された後の任意の時点で、追加することができる。しかしながら、表面実装RFIDパッケージは、RFIDパッケージの存在がタイヤ製造プロセスにおけるある特定の工程中にタイヤ構造に亀裂を生じさせる場合があるため、製造中に問題を生じさせ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、亀裂形成に関する上述の問題を回避しながら表面実装することができるRFIDパッケージが必要とされている。
【0006】
一実施形態では、タイヤのためのRFIDパッケージは、第1の長さ、第1の幅、及び第1の厚さを有する第1のラミネート層を含む。RFIDパッケージは、第2の長さ、第2の幅、及び第2の厚さを有する第2のラミネート層を更に含む。RFIDチップは、第1のラミネート層と第2のラミネート層との間に配設される。第2の長さ、第2の幅、及び第2の厚さのうちの少なくとも1つは、それぞれ、第1の長さ、第1の幅、及び第1の厚さとは異なる。
【0007】
別の実施形態では、タイヤのためのRFIDパッケージは、第1の中央部分及び第1の周辺部分を有する第1のラミネート層を含む。RFIDパッケージは、第2の中央部分及び第2の周辺部分を有する第2のラミネート層を更に含む。RFIDチップは、第1のラミネート層と第2のラミネート層との間に配設される。第1のラミネート層は、第1の中央部分の厚さが第1の周辺部分の厚さよりも大きくなるようにテーパ状である。
【0008】
なお別の実施形態では、RFIDパッケージを製造する方法は、第1のテーパを有する第1のラミネート層を形成すること、及び第2のテーパを有する第2のラミネート層を形成することを含む。本方法は、第1のラミネート層と第2のラミネート層との間にRFIDチップを提供することを更に含む。第1のラミネート層は、第2のラミネート層に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面では、以下に提供される詳細な説明とともに、特許請求される本発明の代表的実施形態を説明する構造が例解される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素を、多数の構成要素に置き換えてもよく、多数の構成要素として示される要素を、単一の構成要素に置き換えてもよいことが理解されるべきである。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が例解のために誇張されている場合がある。
図1図1は、中に設置されたRFIDパッケージ(概略的に示される)を有する例示的なタイヤの断面図である。
図2図2は、図1のタイヤに使用することができるRFIDパッケージの一実施形態の分解側面図である。
図3図3は、図2のRFIDパッケージの分解端面図である。
図4図4は、組み立てられた状態の、かつタイヤインナーライナに貼り付けられた図2のRFIDパッケージの側面図である。
図5図5は、図1のタイヤに使用することができるRFIDパッケージの別の実施形態の分解側面図である。
図6図6は、図5のRFIDパッケージの分解端面図である。
図7図7は、組み立てられた状態の、かつタイヤインナーライナに貼り付けられた図5のRFIDパッケージの側面図である。
図8図8は、図1のタイヤに使用することができるRFIDパッケージの別の実施形態の分解側面図である。
図9図9は、図8のRFIDパッケージの分解端面図である。
図10図10は、組み立てられた状態の、かつタイヤインナーライナに貼り付けられた図8のRFIDパッケージの側面図である。
図11図11は、RFIDパッケージを製造する例示的な方法を例解するフロー図である。
図12図12は、先行技術のRFIDパッケージの側面図である。
図13図13は、図12の先行技術のRFIDパッケージの端面図である。
図14図14は、図2図4のRFIDパッケージのなお別の実施形態の分解側面図である。
図15図15は、図14のRFIDパッケージの分解端面図である。
図16図16は、図1のタイヤに使用することができるRFIDパッケージの更に別の実施形態の分解側面図である。
図17図17は、図16のRFIDパッケージの分解端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、本明細書において用いられる選択用語の定義を含む。定義は、用語の範囲内にあり、及び実装のために使用され得る構成要素の様々な例又は形式を含む。例は、限定を意図するものではない。用語の単数形及び複数形は、いずれも定義の範囲内であり得る。
【0011】
「軸方向の」及び「軸方向に」は、タイヤの回転軸と平行する方向を指す。
【0012】
「周方向の」及び「周方向に」は、軸方向に対して垂直であるトレッドの表面の外周部に沿って延在する方向を指す。
【0013】
「径方向の」及び「径方向に」は、タイヤの回転軸に対して垂直である方向を指す。
【0014】
本明細書で使用するとき、「トレッド」は、通常の膨張度及び通常の荷重において、道路又は地面と接触するタイヤの部分を指す。
【0015】
以下の説明で使用される同様の用語によって一般的なタイヤ構成要素が説明されるが、当然のことながら、用語は若干異なる含意を有するため、当業者は、以下の用語のうちのいずれか1つが、一般的なタイヤ構成要素の説明に使用される別の用語と単に交換することができるとはみなさないであろうことを理解されたい。
【0016】
本明細書では、方向は、タイヤの回転軸を基準にして述べられる。「上向きの」及び「上向きに」という用語は、タイヤのトレッドに向かう一般方向を指し、「下向きの」及び「下向きに」は、タイヤの回転軸に向かう一般方向を指す。したがって、「上部の」及び「下部の」又は「頂部の」及び「底部の」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、「上部の」又は「頂部の」要素は、「下部」又は「底部」の要素よりもトレッドに近い位置に離間配置される。追加的に、「上」又は「下」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、別の要素の「上」にある要素は、他の要素よりもトレッドに近い。
【0017】
「内側の」及び「内側に」という用語は、タイヤの赤道面に向かう一般方向を指し、「外側の」及び「外側に」は、タイヤの赤道面から離れ、タイヤの側部に向かう一般方向を指す。したがって、「内部」及び「外部」など相対的な方向用語が要素と関連して使用されるとき、「内部」要素は、「外部」要素よりもタイヤの赤道面の近くに離間配置される。
【0018】
図1は、中に設置されたRFIDパッケージ180を有するタイヤ100の断面図である。タイヤ100は、単に例示的なものであり、RFIDパッケージ180は、任意のタイプの構成を有する任意の所望のタイヤに設置され得ることを理解されたい。
【0019】
タイヤ100は、ホイール110に実装される。タイヤ105は、タイヤのクラウン領域内の周方向トレッド115を含む。例解される実施形態では、トレッド115は、複数の周方向溝120を含む。4つの溝120が示されているが、任意の数の溝が用いられてもよいことを理解されたい。トレッド115は、リブ、ブロック、ラグ、横溝、サイプ、又は任意の他の所望のトレッド要素を更に含んでもよい。タイヤ105のクラウン領域は、一対のベルト125を更に含む。代替的な実施形態(図示せず)では、任意の数のベルト又はキャッププライが用いられてもよい。
【0020】
例解される実施形態では、タイヤ105は、第1のビード部分130a及び第2のビード部分130bを更に含む。ビード部分130a、bは、それぞれ、第1のビード135a及び第2のビード135bを含み、これらは、図1に概略的に示されている。ビード部分130a、bはまた、1つ以上のビードフィラー(図示せず)、及び摩耗部(abrasions)、チェーファ、及び補強材などの他の既知の構成要素を含んでもよい。
【0021】
第1の側壁140aは、トレッド115と第1のビード部分130aとの間に延在する。同様に、第2の側壁140bは、トレッド115と第2のビード部分130bとの間に延在する。側壁140a、bは、任意の数の補強材(図示せず)を含んでもよい。カーカスプライ145は、第1のビード部分130aから、第1及び第2の側壁140a及びクラウン部分を通って、第2のビード部分130bまで延在している。インナーライナ150bは、カーカスプライ145の下に径方向に配設されている。代替的な実施形態では、任意の数のカーカスプライが用いられてもよい。他の代替的な実施形態では、インナーライナは、省略され得る。
【0022】
RFIDパッケージ180は、第2の側壁140bに隣接してインナーライナ150bに貼り付けられる。代替的な実施形態では、RFIDパッケージは、タイヤ上の任意の位置でインナーライナに貼り付けられてもよい。他の代替的な実施形態では、インナーライナが省略される場合、RFIDパッケージは、タイヤの最内部表面に貼り付けられてもよい。別の代替的な実施形態では、RFIDパッケージは、タイヤの外部表面に貼り付けられてもよい。またなお他の代替的な実施形態では、RFIDパッケージは、タイヤの任意の所望の表面に、若しくはタイヤの任意の所望の層に貼り付けられるか、又はタイヤの任意の所望の層間に位置していてもよい。
【0023】
図2図4は、タイヤ上に設置することができるRFIDパッケージ200の一実施形態を示す。RFIDパッケージ200は、第1のラミネート層205及び第2のラミネート層210を含む。本明細書で使用されるとき、第2のラミネート層210は、タイヤの表面と係合する層を指す。RFIDチップ215は、第1のラミネート層205と第2のラミネート層210との間に挟持される。
【0024】
第1のラミネート層205は、第1の表面220、及び第1の表面220の反対側に面する第2の表面225を含む。第1及び第2の表面220、225は、各々、第1の端部230と第2の端部235との間、及び第1の側部237と第2の側部240との間に延在する。第1のラミネート層205は、第1の端部230と第2の端部235との間の距離として測定される長さl、第1の側部237と第2の側部240との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面220と第2の表面225との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ200の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第1のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第1のラミネート層205は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第1のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0025】
第2のラミネート層210は、第1の表面245、及び第1の表面245の反対側に面する第2の表面250を含む。第1及び第2の表面245、250は、各々、第1の端部255と第2の端部260との間、及び第1の側部265と第2の側部270との間に延在する。第2のラミネート層210は、第1の端部255と第2の端部260との間の距離として測定される長さl、第1の側部265と第2の側部270との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面245と第2の表面250との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ200の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第2のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第2のラミネート層210は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第2のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0026】
図4に示されるように、第1のラミネート層205の第1の表面220の一部分は、第2のラミネート層210の第1の表面の一部分に取り付けられて、それらの間にRFIDチップ215を固定する。ラミネート層表面は、例えば、接着剤、融着(例えば、溶接)、機械的締結具、又は任意の他の材料若しくはプロセスを使用して、一緒に固定されてもよい。1つの例示的なプロセスによれば、ラミネート層は、未硬化ゴムから作製される。この例では、未硬化ゴムラミネート層は、機械的に一緒に押圧され、未硬化ゴムの自然な粘着性によって接着する。
【0027】
第2のラミネート層210は、タイヤインナーライナTIに取り付けられ、それによってRFIDパッケージ200をタイヤに取り付ける。一実施形態によれば、ラミネート層205、210、及びRFIDチップ215は、タイヤ成形プロセス中にインナーライナTIに貼り付けられてもよい。ラミネート層205、210、及びRFIDチップ215は、例えば、インナーライナTI上に位置付けられてもよく、硬化ブラダーが加硫中に膨張し、ラミネート及びインナーライナが一緒に硬化するときに、ラミネート層205、210、及びRFIDチップ215をタイヤインナーライナTIに対して押圧する。代替的な実施形態では、ラミネート及びRFIDチップは、任意の所望のプロセスを使用して、又はタイヤ製造プロセス中の任意の時点で、インナーライナに貼り付けられてもよい。
【0028】
第2のラミネート層210の長さl及び幅wは、第1のラミネート層205の長さl及び幅wよりも小さい。好ましくは、第2のラミネート層210の長さlは、第1のラミネート層205の長さlの70~90%の範囲にあり、第2のラミネート層の幅wは、第1のラミネート層205の幅wの50~70%の範囲にある。より好ましくは、第2のラミネート層210の長さlは、第1のラミネート層205の長さlの70~85%の範囲にあり、第2のラミネート層の幅wは、第1のラミネート層205の幅wの50~65%の範囲にある。更により好ましくは、第2のラミネート層210の長さlは、第1のラミネート層205の長さlの73~83%の範囲にあり、第2のラミネート層の幅wは、第1のラミネート層205の幅wの53~65%の範囲にある。第1のラミネート層205の厚さtは、第2のラミネート層210の厚さtと実質的に同じである。
【0029】
一例によれば、第1のラミネート層205は、80mmの長さl、20mmの幅w、及び1.2mmの厚さtを有し、一方、第2のラミネート層210は、70mmの長さl、10mmの幅w、及び1.2mmの厚さtを有する。したがって、この例では、第2のラミネート層210の長さlは、第1のラミネート層205の長さlの85%であり、第2のラミネート層210の幅wは、第1のラミネート層205の幅wの50%である。代替的な実施形態では、第2のラミネート層は、それぞれ、第1のラミネート層の長さ及び幅の任意の所望のパーセンテージである長さ又は幅を有してもよい。これは、例えば、第2のラミネート層の長さが第1のラミネート層の長さに等しい構成、又は第2のラミネート層の幅が第1のラミネート層の幅に等しい構成を含んでもよい。他の代替的な実施形態では、第1のラミネート層及び第2のラミネート層は、異なる厚さを有してもよい。
【0030】
図2図4のRFIDパッケージ200では、異なる長さ又は幅を有するラミネート層の使用は、製造プロセス中にタイヤ構造内に亀裂が形成される可能性を減少させることが見出されている。第1のラミネート層及び第2のラミネート層が同じ寸法を有する先行出願では、ラミネート層及びインナーライナが異なる速度で硬化するため、ラミネート層とインナーライナとの間の継ぎ目が消失する前にラミネート層が完全に硬化することが見出されている。対照的に、第1のラミネート層205及び第2のラミネート層210が上述の相対的な長さ及び幅を有する上述のRFIDパッケージ200を提供することにより、ラミネート層とインナーライナとの間の継ぎ目を低減することができることが見出されている。継ぎ目の低減により、RFIDパッケージ200がタイヤ構造から分離する危険性を最小限にする堅牢な実装構成が依然として提供されながら、製造中にタイヤ構造内に形成される亀裂の発生が低減される。
【0031】
図5図7は、タイヤ上に設置することができるRFIDパッケージ400の代替的な実施形態を示す。RFIDパッケージ400は、第1のラミネート層405及び第2のラミネート層410を含む。本明細書で使用されるとき、第2のラミネート層410は、タイヤの表面と係合する層を指す。RFIDチップ415は、第1のラミネート層405と第2のラミネート層410との間に挟持される。
【0032】
第1のラミネート層405は、第1の表面420、及び第1の表面420の反対側に面する第2の表面425を含む。第1及び第2の表面420、425は、各々、第1の端部430と第2の端部435との間、及び第1の側部437と第2の側部440との間に延在する。第1のラミネート層405は、第1の端部430と第2の端部435との間の距離として測定される長さl、第1の側部437と第2の側部440との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面420と第2の表面425との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ400の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層405の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第1のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第1のラミネート層405は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第1のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0033】
第2のラミネート層410は、第1の表面445、及び第1の表面445の反対側に面する第2の表面450を含む。第1及び第2の表面445、450は、各々、第1の端部455と第2の端部460との間、及び第1の側部465と第2の側部470との間に延在する。第2のラミネート層410は、第1の端部455と第2の端部460との間の距離として測定される長さl、第1の側部465と第2の側部470との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面445と第2の表面450との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ400の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第2のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第2のラミネート層410は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第2のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0034】
図7に示されるように、第1のラミネート層405の第1の表面420の一部分は、第2のラミネート層410の第1の表面の一部分に取り付けられて、それらの間にRFIDチップ415を固定する。ラミネート層表面は、例えば、接着剤、融着(例えば、溶接)、機械的締結具、又は任意の他の材料若しくはプロセスを使用して、一緒に固定されてもよい。1つの例示的なプロセスによれば、ラミネート層は、未硬化ゴムから作製される。この例では、未硬化ゴムラミネート層は、機械的に一緒に押圧され、未硬化ゴムの自然な粘着性によって接着する。第2のラミネート層410は、タイヤインナーライナTIに取り付けられ、それによってRFIDパッケージ400をタイヤに取り付ける。一実施形態によれば、ラミネート層405、410、及びRFIDチップ415は、タイヤ成形プロセス中にインナーライナTIに貼り付けられてもよい。ラミネート層405、410、及びRFIDチップ415は、例えば、インナーライナTI上に位置付けられてもよく、硬化ブラダーが加硫中に膨張し、ラミネート及びインナーライナが一緒に硬化するときに、ラミネート層405、410、及びRFIDチップ415をタイヤインナーライナTIに対して押圧する。代替的な実施形態では、ラミネート及びRFIDチップは、任意の所望のプロセスを使用して、又はタイヤ製造プロセス中の任意の時点で、インナーライナに貼り付けられてもよい。
【0035】
第2のラミネート層410の厚さtは、第1のラミネート層405の厚さtよりも小さい。好ましくは、第2のラミネート410層の厚さtは、第1のラミネート層405の厚さtの50~75%である。より好ましくは、第2のラミネート層410の厚さtは、第1のラミネート層405の厚さtの55~70%である。更により好ましくは、第2のラミネート410層の厚さtは、第1のラミネート層405の厚さtの60~67%である。第1のラミネート層405の長さl及び幅wは、第2のラミネート層410の長さl及び幅wと実質的に同じである。
【0036】
一例によれば、第1のラミネート層405は、80mmの長さl、20mmの幅w、及び1.2mmの厚さtを有し、一方、第2のラミネート層410は、80mmの長さl、20mmの幅w、及び0.6mm厚さ2を有する。したがって、第2のラミネート層410の厚さtは、第1のラミネート層405の厚さtの50%である。代替的な実施形態では、第2のラミネート層は、第1のラミネート層の厚さの任意の所望のパーセンテージである厚さを有してもよい。他の代替的な実施形態では、第1のラミネート層及び第2のラミネート層は、異なる長さ又は幅を有してもよい。
【0037】
図5図7のRFIDパッケージ400では、異なる厚さを有するラミネート層の使用は、製造プロセス中にタイヤ構造内に亀裂が形成される可能性を減少させることが見出されている。第1のラミネート層及び第2のラミネート層が同じ寸法を有する先行出願では、ラミネート層及びインナーライナが異なる速度で硬化するため、ラミネート層とインナーライナとの間の継ぎ目が消失する前にラミネート層が完全に硬化することが見出されている。対照的に、第1のラミネート層405及び第2のラミネート層410が上述の相対的な厚さを有する上述のRFIDパッケージ400を提供することにより、ラミネート層とインナーライナとの間の継ぎ目を低減することができることが見出されている。継ぎ目の低減により、RFIDパッケージ400がタイヤ構造から分離する危険性を最小限にする堅牢な実装構成を依然として提供しながら、製造中にタイヤ構造内に形成される亀裂の発生。
【0038】
図8図10は、タイヤ上に設置することができるRFIDパッケージ600の別の代替的な実施形態を示す。RFIDパッケージ600は、第1のラミネート層605及び第2のラミネート層610を含む。本明細書で使用されるとき、第2のラミネート層610は、タイヤの表面と係合する層を指す。RFIDチップ615は、第1のラミネート層605と第2のラミネート層610との間に挟持される。
【0039】
第1のラミネート層605は、第1の表面620、及び第1の表面620の反対側に面する第2の表面625を含む。第1及び第2の表面620、625は、各々、第1の端部630と第2の端部635との間、及び第1の側部637と第2の側部640との間に延在する。第1のラミネート層605は、第1の端部630と第2の端部635との間の距離として測定される長さl、第1の側部637と第2の側部640との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面620と第2の表面625との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ600の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第1のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第1のラミネート層605は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第1のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0040】
第2のラミネート層610は、第1の表面645、及び第1の表面645の反対側に面する第2の表面650を含む。第1及び第2の表面645、650は、各々、第1の端部655と第2の端部660との間、及び第1の側部665と第2の側部670との間に延在する。第2のラミネート層610は、第1の端部655と第2の端部660との間の距離として測定される長さl、第1の側部665と第2の側部670との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面645と第2の表面650との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ600の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第2のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第2のラミネート層210は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第2のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0041】
図10に示されるように、第1のラミネート層605の第1の表面620の一部分は、第2のラミネート層610の第1の表面645の一部分に取り付けられて、それらの間にRFIDチップ615を固定する。ラミネート層表面は、例えば、接着剤、融着(例えば、溶接)、機械的締結具、又は任意の他の材料若しくはプロセスを使用して、一緒に固定されてもよい。1つの例示的なプロセスによれば、ラミネート層は、未硬化ゴムから作製される。この例では、未硬化ゴムラミネート層は、機械的に一緒に押圧され、未硬化ゴムの自然な粘着性によって接着する。第2のラミネート層610は、タイヤインナーライナTIに取り付けられ、それによってRFIDパッケージ600をタイヤに取り付ける。一実施形態によれば、ラミネート層605、610、及びRFIDチップ615は、タイヤ成形プロセス中にインナーライナTIに貼り付けられてもよい。ラミネート層605、610、及びRFIDチップ615は、例えば、インナーライナTI上に位置付けられてもよく、硬化ブラダーが加硫中に膨張し、ラミネート及びインナーライナが一緒に硬化するときに、ラミネート層605、610、及びRFIDチップ615をタイヤインナーライナTIに対して押圧する。代替的な実施形態では、ラミネート及びRFIDチップは、任意の所望のプロセスを使用して、又はタイヤ製造プロセス中の任意の時点で、インナーライナに貼り付けられてもよい。
【0042】
第1のラミネート層605及び第2のラミネート層610の寸法は、互いに実質的に等しい。第1のラミネート層605及び第2のラミネート層610は、各々、テーパ状の厚さを有する。本明細書で使用されるとき、テーパ状とは、ラミネート層上の中央部分Cから始まり、周辺部分P(すなわち、第1及び第2の端部、並びに第1及び第2の縁部)に向かって外方向に移動すると、ラミネート層の厚さが徐々に減少することを意味する。テーパは、ローラダイ又はスカイブナイフによって形成されてもよい。
【0043】
例解される実施形態では、テーパは、第1のラミネート層605の第1の表面625及び第2のラミネート層610の第1の表面650が弓状であるように配置され、ラミネート層605、610の各々が実質的に半月形状の断面を有するように構成される。追加的に、例解された実施形態では、テーパは、ラミネート層605、610の各々の長さ及び幅の両方に沿って延在するように配置される。更に、例解される実施形態では、テーパは、中央部分Cから、ラミネート層605、610の各々の端部及び側部の両方まで連続的に延在するように配置される。
【0044】
代替的な実施形態では、テーパは、ラミネート層に任意の所望の断面を与えるように配置されてもよい。例えば、テーパは、各ラミネート層が実質的に三角形状の断面を有するように配置されてもよい。他の代替的な実施形態では、第1のラミネート層は、第2のラミネート層のテーパとは異なるテーパを有してもよい。またなお他の代替的な実施形態では、テーパは、ラミネート層がその長さに沿ってのみテーパ状であるが、その幅に沿ってテーパ状ではないように、又はラミネート層がその幅に沿ってのみテーパ状であるが、その長さに沿ってテーパ状ではないように配置されてもよい。またなお更に他の代替的な実施形態では、テーパは、中心点からラミネート層の端部又は側部まで連続的に延在しないように配置されてもよい。例えば、テーパは、中心点と縁部又は側部との間の中間から始まるように配置されてもよい。別の例として、テーパは、中心点と縁部又は側部との間の距離の一部に沿ってのみ延在するように配置されてもよい。
【0045】
図8図10のRFIDパッケージ600では、テーパ状の構成を有するラミネート層の使用は、製造プロセス中にタイヤ構造内に亀裂が形成される可能性を減少させることが見出されている。第1のラミネート層及び第2のラミネート層が同じ寸法を有する先行出願では、ラミネート層及びインナーライナが異なる速度で硬化するため、ラミネート層とインナーライナとの間の継ぎ目が消失する前にラミネート層が完全に硬化することが見出されている。対照的に、ラミネート層605、610が上述のようにテーパ状である上述のRFIDパッケージ600を提供することにより、ラミネート層とインナーライナとの間の継ぎ目を低減することができることが見出されている。継ぎ目の低減により、RFIDパッケージ600がタイヤ構造から分離する危険性を最小限にする堅牢な実装構成が依然として提供されながら、製造中にタイヤ構造内に形成される亀裂の発生が低減される。
【0046】
個別の実施形態及び変形形態が図2図10に示され、説明されているが、開示される特徴は、各実施形態に限らない。代わりに、様々な特徴を、所望に応じてRFIDパッケージ内で組み合わせることができる。例えば、RFIDパッケージの単一のラミネート層(すなわち、第1又は第2のラミネート層のうちの1つ)は、図8図10に示されるようなテーパ状特徴、及び図5図7に示されるような低減された厚さ特徴の両方を含んでもよい。別の例として、1つのラミネート層は、図5図7に示されるような低減された厚さ特徴のみを有してもよく、同じRFIDパッケージの他のラミネート層は、図8図10に示されるように、テーパ状特徴のみを有してもよい。
【0047】
図11は、RFIDパッケージを製造する例示的な方法を示す。1100において、第1のラミネート層が提供される。1110において、第2のラミネート層が提供される。一例によれば、第1のラミネート層又は第2のラミネート層を形成することは、材料の原料片から所望のサイズのラミネート層をプレス加工することを含む。代替的な実施形態では、第1のラミネート層又は第2のラミネート層は、任意の所望のプロセスによって形成されてもよい。1120において、第1のラミネート層にテーパが設けられる。1130において、第2のラミネート層にテーパが設けられる。テーパは、例えば、固定若しくは回転ダイによる押し出し、又は角度付きナイフによるスカイブ加工を含む、任意の所望のプロセスによって提供され得る。1140において、RFIDチップが第1のラミネート層と第2のラミネート層との間に提供される。1150において、第1のラミネート層及び第2のラミネート層が互いに取り付けられて、その中にRFIDチップを固定する。第1のラミネート層及び第2のラミネート層は、例えば、接着剤、融着(例えば、溶接)、若しくは機械的締結具、又は任意の他の材料若しくはプロセスを使用して取り付けられてもよい。1つの例示的なプロセスによれば、ラミネート層は、未硬化ゴムから作製される。この例では、未硬化ゴムラミネート層は、機械的に一緒に押圧され、未硬化ゴムの自然な粘着性によって接着する。
【0048】
代替的な実施形態では、前述の工程は、具体的に記載されたもの以外の順序で行われてもよい。他の代替的な実施形態では、本方法は、より多くの又はより少ない数の工程を含んでもよい。例えば、押し出しプロセスは、ラミネート層を形成する工程とラミネート層にテーパを設ける工程とを組み合わせるために使用されてもよく、それによって、材料は、テーパ形状を有するダイで押し出される。
【0049】
図14及び図15は、RFIDパッケージ200’のなお別の実施形態を示す。図14及び図15のRFIDパッケージ200’、並びに図2図4のRFIDパッケージ200は、本明細書に記載される任意の差異を除いて、実質的に同一である。このため、同様の特徴は、ダッシュ記号(’)を付加した同様の数字によって識別されるであろう。
【0050】
RFIDパッケージ200’は、第1のラミネート層205’及び第2のラミネート層210’を含む。RFIDチップ215’は、第1のラミネート層205’と第2のラミネート層210’との間に挟持される。第1のラミネート層205’の長さl1’及び幅w1’は、第2のラミネート層210’の長さl2’及び幅w2’よりも小さい。
【0051】
図2図4のRFIDパッケージ200の構成と同様に、図14及び15のRFIDパッケージ200’の構成は、ラミネート層205’、210’と、RFIDパッケージ200’が使用されるタイヤのインナーライナとの間の継ぎ目を低減することができる。上で説明されるように、これは、製造中にタイヤ構造内に形成される亀裂の発生を低減する。
【0052】
図2図4に示される実施形態と同様に、第1のラミネート層205の底表面は、第2のラミネート層210’の上表面に取り付けられて、それらの間にRFIDチップ215’を固定する。第2のラミネート層210’は、タイヤインナーライナに取り付けられ、それによってRFIDパッケージ200’をタイヤに取り付ける。
【0053】
図16及び図17は、タイヤ上に設置することができるRFIDパッケージ700の代替的な実施形態を示す。RFIDパッケージ700は、第1のラミネート層705及び第2のラミネート層710を含む。本明細書で使用されるとき、第2のラミネート層710は、タイヤの表面と係合する層を指す。RFIDチップ715は、第1のラミネート層705と第2のラミネート層710との間に挟持される。
【0054】
第1のラミネート層705は、第1の表面720、及び第1の表面720の反対側に面する第2の表面725を含む。第1及び第2の表面720、725は、各々、第1の端部730と第2の端部735との間、及び第1の側部737と第2の側部740との間に延在する。第1のラミネート層705は、第1の端部730と第2の端部735との間の距離として測定される長さl、第1の側部737と第2の側部740との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面720と第2の表面725との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ700の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層705の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第1のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第1のラミネート層705は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第1のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0055】
第2のラミネート層710は、第1の表面745、及び第1の表面745の反対側に面する第2の表面750を含む。第1及び第2の表面745、750は、各々、第1の端部755と第2の端部760との間、及び第1の側部765と第2の側部770との間に延在する。第2のラミネート層710は、第1の端部755と第2の端部760との間の距離として測定される長さl、第1の側部765と第2の側部770との間の距離として測定される幅w、及び第1の表面745と第2の表面750との間の距離として測定される厚さtを有する。長さl、幅w、及び厚さtの識別子は、RFIDパッケージ700の説明を容易にするためだけに提供されており、ラミネート層の開示を特定の方向性に限定することを決して意味しないことを理解されたい。言い換えれば、長さは、例えば、関連する考察を第2のラミネート層の最も長い範囲のみに限定することを意味しない。例解される実施形態では、第2のラミネート層710は、実質的に矩形の材料シートとして提供される。代替的な実施形態では、第2のラミネート層は、任意の所望の形状として提供され得る。
【0056】
第1のラミネート層705の寸法は、第2のラミネート層710の寸法と実質的に同一である。言い換えれば、第1のラミネート層700の長さl、幅w、及び厚さtは、それぞれ、第2のラミネート層710の長さl、幅w、及び厚さtと実質的に同じである。図16に示されるように、第1のラミネート層705は、RFIDパッケージ700の長さに沿って第2のラミネート層710から距離dだけずれている。例解される実施形態では、第1及び第2のラミネート層705、710は、RFIDパッケージ700の長さに沿って互いにずれているが、図17に見られるように、RFIDパッケージ700の幅に沿ってずれていない。代替的な実施形態では、第1及び第2のラミネート層は、RFIDパッケージの幅に沿って互いにずれているが、RFIDパッケージの長さに沿ってずれていない。他の代替的な実施形態では、第1及び第2のラミネート層は、RFIDパッケージの長さ及び幅の両方に沿って互いにずれている。
【0057】
図16及び図17のRFIDパッケージ700では、ラミネート層を互いにずらすことにより、製造プロセス中にタイヤ構造内に亀裂が形成される可能性を減少させることが見出されている。具体的には、この構成は、ラミネート層とタイヤのインナーライナとの間の継ぎ目を低減することができることが見出されている。上記で説明されるように、継ぎ目のこの低減は、RFIDパッケージ700がタイヤ構造から分離する危険性を最小限にする堅牢な実装構成を依然として提供しながら、製造中にタイヤ構造内に形成される亀裂の発生を低減する。
【0058】
本明細書又は特許請求の範囲で使用される範囲において、「含む(comprising)」という用語が特許請求項で移行句として用いられる際の解釈と同様に、「含む(includes)」又は「含むこと(including)」という用語が包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が用いられる範囲において(例えば、A又はB)、「A若しくはB、又は両方」を意味することが意図されている。本出願人らが「両方ではなくA又はBのみ」を示すことを意図する場合、「両方ではなくA又はBのみ(only A or B but not both)」という用語が用いられる。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、「中(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「~と直接接続する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続することなどのように「~と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも同様に意味することが意図される。
【0059】
本出願をその実施形態の記述によって例解し、またその実施形態をかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形式でも限定することは、出願人らの意図するものではない。追加の利点及び改良が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、図示及び説明される、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例示的実施例に限定されるものではない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱がなされてもよい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのためのRFIDパッケージであって、
第1の長さ、第1の幅、及び第1の厚さを有する第1のラミネート層と、
第2の長さ、第2の幅、及び第2の厚さを有する第2のラミネート層と、
前記第1のラミネート層と前記第2のラミネート層との間に配設されたRFIDチップと、を備え、
前記第1のラミネート層が、前記RFIDパッケージの長さ及び前記RFIDパッケージの幅のうちの少なくとも1つに沿って前記第2のラミネート層からずれている、RFIDパッケージ。
【請求項2】
前記第2の長さ及び前記第2の幅が、それぞれ、前記第1の長さ及び前記第1の幅に等しい、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項3】
前記第2の厚さが、前記第1の厚さに等しい、請求項2に記載のRFIDパッケージ。
【請求項4】
前記第1のラミネート層が、前記RFIDパッケージの前記長さのみに沿って前記第2のラミネート層からずれている、請求項1に記載のRFIDパッケージ。
【請求項5】
前記第1のラミネート層が、前記RFIDパッケージの前記幅のみに沿って前記第2のラミネート層からずれている、請求項1に記載のRFIDパッケージ。

【国際調査報告】